JP2011510515A - 無機膜のゾーンメルト再結晶 - Google Patents

無機膜のゾーンメルト再結晶 Download PDF

Info

Publication number
JP2011510515A
JP2011510515A JP2010544313A JP2010544313A JP2011510515A JP 2011510515 A JP2011510515 A JP 2011510515A JP 2010544313 A JP2010544313 A JP 2010544313A JP 2010544313 A JP2010544313 A JP 2010544313A JP 2011510515 A JP2011510515 A JP 2011510515A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
substrate
film
cooling
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010544313A
Other languages
English (en)
Inventor
ヘンリー・ヒースルマイヤー
ロナルド・ジェイ・モッソ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nanogram Corp
Original Assignee
Nanogram Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nanogram Corp filed Critical Nanogram Corp
Publication of JP2011510515A publication Critical patent/JP2011510515A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B13/00Single-crystal growth by zone-melting; Refining by zone-melting
    • C30B13/14Crucibles or vessels
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B29/00Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
    • C30B29/02Elements
    • C30B29/06Silicon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B29/00Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
    • C30B29/02Elements
    • C30B29/08Germanium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B29/00Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
    • C30B29/10Inorganic compounds or compositions
    • C30B29/52Alloys

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Recrystallisation Techniques (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)

Abstract

ZMR装置は、制御された温度のフローをシステム中に供給して、所望の結晶成長特性を与えながら、エネルギー消費を低下させる。装置は、冷却システムを含み、溶融した膜から所望量の熱を特に取り除いて、結晶化を促進することができる。さらに、装置は、チャンバー内でバックグラウンド温度を形成する加熱された壁を含むことができ、バックグラウンド温度は、チャンバー壁の冷却を減らすまたは無くすことにより、エネルギーの使用量を減らす。装置およびそれに対応する方法は、下側の基板に対して断熱を与える多孔性剥離層と直接的または間接的に結合した無機膜とともに、用いることができる。再結晶化された膜を基板から取りはずす場合、基板は再利用され得る。方法は、大きな表面積を有する、厚さが2ミクロン乃至100ミクロンのシリコン膜に関して使用することができ、そのような膜は、光電用途および電子用途に適している。

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2008年1月25日に提出された、「シリコン薄膜のゾーンメルト再結晶」と題する、係属中の米国仮出願61/062,420(Hieslmairら)、および2008年5月16日に提出された、「無機膜のゾーンメルト再結晶」と題する、米国特許出願12/152,907(Hieslmairら)の優先権を主張し、両出願は引用により本願明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
本発明は、シリコン(またはケイ素)膜のような無機膜(または無機フィルム)の再結晶に関する。本発明は、さらに、無機膜の再結晶に有用な装置、およびそれに対応する方法に関する。
(発明の背景)
無機コーティング物質の工業的な堆積(または析出)に関して、種々の取り組みが用いられ、および/または提案されてきた。これらの取り組みには、例えば、火炎加水分解堆積、化学気相堆積(または化学蒸着)、物理的気相堆積(または物理的蒸着)、ゾル−ゲル化学堆積、光反応性堆積およびイオン注入(またはイオン・インプランテーション)が含まれる。一般的に、コーティング物質の特性を正確に制御するためには、非常に遅い、高価な技術が必要とされる。多くの用途に関して、より厚い膜を実用的な速度で製造する技術は、コーティングまたは膜が形成された後に、膜の特性を所望の特性によりきっちりと合わせるために改変する更なる処理が有効であり得る膜を生成し得る。
無機物質に関して、半導体物質が、非常に多くの電子デバイスの製造のための工業的な材料として、広く用いられている。シリコン(ケイ素)は、その元素形態において、集積回路の製造のための基礎的な材料である、一般的に用いられている半導体である。単結晶シリコンは、円筒形のインゴットに成長し、インゴットは次いでウェハにカットされる。これらのインゴットは、集積回路の形成のための標準的な寸法を有する。多結晶シリコンおよび非晶質シリコンは、適切な用途に有効に利用され得る。電子の移動性および電気的な特性は、一般に、シリコンの結晶性(または結晶化度)によって決定される。
第1の要旨において、本発明は、無機膜のゾーンメルト再結晶(または帯域溶融再結晶)を実施するための装置に関する。装置は、基板支持体、基板支持体上の基板の筋(または帯状部もしくはストライプ)を加熱する(または基板支持体上の基板を筋状に加熱する)ために配置されたストリップヒーター、ストリップヒーターにより加熱された後で基板の筋を冷却するために配置された冷却要素、および輸送システムを含む。輸送システムは、ストリップヒーターおよび冷却要素に対して、基板支持体を移動させて、基板を横切る加熱された筋(または帯状部)を走査させ、その後冷却要素により、基板が冷却されるように構成される。
さらに別の要旨において、本発明は、無機膜のゾーンメルト再結晶を実施するための装置であって、チャンバー、チャンバー内の基板ホルダー、基板ホルダーに取り付けられた基板の筋を直接加熱する(または基板を筋状に直接加熱する)ために配置されたストリップヒーター、ストリップヒーターに対して基板支持体を移動させて、基板表面を横切る加熱された筋を走査する(または順次形成する)ように構成された輸送システムを含む装置に関する。いくつかの形態において、チャンバーの壁は、少なくとも500℃の温度に維持される。
別の要旨において、本発明は、無機膜のゾーンメルト再結晶を実施する方法であって、無機膜の筋を溶融すること(または無機膜を筋状に溶融すること)、および溶融した膜を冷却することを含む方法に関する。加熱は、一般的に、ストリップヒーターを用いて行われ、ストリップヒーターにおいて、無機膜はストリップヒーターに対して移動させられる基板に配置されている。溶融した膜の冷却は、膜の温度を、基板の移動の後、加熱ゾーンから離れた下流にて、無機膜の融点よりも低い、選択した温度に低下させることを含む。
図1は、中間層およびキャップ層を有する、基板上の無機膜を含む、構造物の模式的な側断面図である。 図2は、種々の改良された特徴を有するZMRチャンバーであって、チャンバー壁を、内部構造を見えるようにするために透明で示したチャンバーの模式的な斜視図である。 図3は、上側加熱要素の特定の形態の斜視図である。 図4は、図3の上側加熱要素の側断面図である。 図5は、排気装置が内蔵された、非対称の冷却ガスノズルをベースとする冷却要素の側断面図である。 図6は、放射冷却バーの側断面図である。 図7は、キャビティを有する放射冷却要素の側断面図である。 図8は、冷却ローラの側断面図である。 図9は、チャンバーの内部を露出させるために一部のチャンバー壁を除いている、特定の形態のZMR装置の斜視図である。 図10は、比較的遅い結晶化状態での、コールドウォール・チャンバーにおける、水平方向の温度プロファイルの模式的なプロットである。 図11は、過冷却領域を形成する条件下でのコールドウォール・チャンバーにおける、水平方向の温度プロファイルの模式的なプロットである。 図12は、多孔性剥離層の熱伝導率の関数としての、シリコン膜を溶融するために加えられる熱、および溶融されたシリコン膜下の基板の温度のプロットである。 図13は、冷却ガスシステムを備えたホットウォール・チャンバーにおける、水平方向の温度プロファイルの模式的なプロットである。 図14は、放射冷却システムを備えたホットウォール・チャンバーにおける、水平方向の温度プロファイルの模式的なプロットである。
(発明の詳細な説明)
ここで説明するように、無機膜(例えばシリコン膜)のゾーンメルト再結晶(ZMR)のプロセスは、ホットウォール・チャンバー(hot wall chamber)の使用および/または結晶化を促進するための冷却装置の使用により、膜への及び膜からの加熱フローの改良された制御を伴う。チャンバーの壁が加熱/断熱されている場合、ZMRプロセスの間の周囲の環境への熱的な損失が低くなり、その結果、シリコンシートに沿って、ストリップヒーターによってより少ない熱を加えて、無機物質を溶融する。無機物質が溶融させられた後、いくつかの形態において、冷却ガスフローのような冷却要素が、溶融したシリコンからの熱の除去を促進して、凝固および結晶化プロセスを促進させることができる。いくつかの形態において、無機物質は、基板への熱伝導を減少させる多孔性剥離層の上に配置される。ホット・チャンバーおよび/または冷却要素を使用する加熱フローの制御は、基板を経由する熱の移動に置き換わり、溶融した無機物質(例えばシリコン)からの伝導によって基板に奪われる熱を減らす。この再結晶プロセスは、例えば、2ミクロンから100ミクロンの厚さの中程度の厚さのシリコン箔上で、有効に使用され得る。再結晶されるべき層の頂部(または上面)は、キャップとしてのより高い融点のセラミック組成物で覆われていてもよく、あるいは覆われていなくてもよい。
ゾーンメルト再結晶は、物質の表面全体にわたって走査される加熱要素による、無機物質(例えば、シリコン)の筋の局所的な溶融を伴う。ヒーターが表面全体で走査させられると、溶融したゾーンは冷却されて、物質を再結晶させ、多結晶シリコンまたは他の無機物質の結晶寸法を、最初の結晶子(またはクリスタライト)の寸法に比して、一般に増加させる。熱制御の原理および装置の設計は、本明細書の教示に基づいて、多結晶無機膜の一般的な処理に適合させることができるが、ここでの議論は、その重要性に起因して、工業用の物質としての元素シリコンに焦点を当てる。ゲルマニウムは、シリコンと同様の特性を有する別の元素半導体であるが、ゲルマニウムは、より低い融点を有する。
ゾーンメルト再結晶を実施するために、基板は、基板の下に配置された適切な伝導ヒーターによって加熱されて、シリコンの温度をその融点近くに上昇させ、それにより、より少ない熱が、一般に、膜の上方のストリップヒーターから供給されて、シリコンのゾーンを溶融させ得る。下側ヒーターの使用が、Deguchiらの、「半導体物質のゾーンメルト再結晶」と題する米国特許第5,540,183号にさらに記載されており、当該特許は引用により本明細書に組み込まれる。改良されたバージョンのゾーンメルト再結晶は、ここではゾーン冷凍(またはゾーンフリーズ)再結晶と称することができ、当該ゾーン冷凍再結晶において、加熱および冷却の熱的な制御が行われて、処理結果を向上させる。この熱的な制御は、少ないエネルギーの利用、より短い処理時間および/または下に位置する基板から有意に断熱された膜の効率的な処理を提供し得る。
常套的なゾーンメルト再結晶において、シリコン酸化物(SiO)層はそれぞれ、シリコン層の下または上に配置される。液体シリコンはシリコン酸化物を濡らさないため、シリコン酸化物被覆層が存在しない場合には、溶融したシリコンは、シリコン酸化物下側層の上で玉を形成する。シリコン酸化物のより高い融点に起因して、シリコンは、固体シリコン酸化物層の領域内において、溶融し、かつ再結晶する。液体−結晶シリコン間の比較的小さい体積変化は、シリコン酸化物層の領域内の粒界および転置により、適応させられ得る(または受け入れられ得る)。
いくつかの形態において、シリコンのゾーンメルト再結晶プロセスは、窒化ケイ素(例えば、Si)層に堆積したシリコン層について実施され得る。溶融したシリコンは、窒化ケイ素層を濡らすことができ、その結果、溶融したシリコンは、窒化ケイ素層上で玉(または液滴)を形成しにくい。したがって、高い融点の固体セラミック層を、シリコン層の上に配置してもよいし、配置しなくてもよい。上側層(または覆い層)が用いられる場合、この層は、より高い融点の物質、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭化物、シリコン炭窒化物、それらの組み合わせ、またはそれらの混合物を含み得る。別の又は追加の形態において、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭化物、シリコン炭化窒化物、それらの組み合わせ又はそれらの混合物を含む、高い融点の物質の上に、シリコン膜を配置させることができる。
特に興味深い形態において、再結晶化されるべき無機膜は比較的薄い膜であり、それは、最初は非晶質または多結晶であってよい。特に、シートは、約100ミクロン未満の平均厚さを有し得る。再結晶プロセスは、多結晶物質内でのより大きい結晶の形成を通じて、いくつかの用途について、多結晶膜の性質を向上させ得る。より大きな結晶を有するシリコン膜は、向上した電気特性(例えば、より長いキャリアー寿命)を有し得る。無機膜は、ドープされていてよく又はされていなくてもよい。
いくつかの用途に関して、薄膜を、シリコンまたは他の無機物質の薄い箔に分離することを可能にすることが望ましいことがある。分離された箔はそれから更なる処理に付され得る。薄いシリコン膜は、多孔性剥離層上に具合良く形成され得ることが分かった。多孔性剥離層を細分する際に、薄い無機箔は、自立した構造物になり得る。尤も、自立という概念は、移動可能性を指し、「自立」構造は、実際には、どの時点においても、支えられていない状態でなくてもよい。「自立した」箔が支持基板から実際には分離していない状態であるとしても、箔の連続的な支持がダメージの発生を減少させ得るので、本明細書において、自立という用語には、層を移動させ得る取り外し可能に結合した構造を含む広い解釈が与えられる。「自立」は、膜がそれ自身の重量を支え得ることを示していない。一般に、基板は、剥離層の破壊およびシリコン箔の除去の後に、再利用することができる。基板が再利用され得るように、基板表面を、剥離層の残存物を除去するために、清浄にすることができる。基板が再利用され得るので、高品質の基板を経済的に利用することができる。
多孔性放出層は、基板に堆積した(または析出した)、実質的に溶融していないサブミクロンの粒子、またはサブミクロン粒子の溶融した多孔性ネットワークから構成され得る。したがって、多孔性剥離層は、反応性堆積(または反応性蒸着)からのスート(またはすす:soot)であり得、それは溶融した粒子のネットワークの形態であってよい。別法として又は追加的に、剥離層は、粒子のディスパージョン(または分散液)から適当なコーティング技術を用いて析出させられ、分散媒が蒸発等によってその後で除去されている、サブミクロン粒子の粉体層を含み得る。いくつかの形態において、再結晶プロセスは、剥離層と接している膜上で実施され得る。剥離層は、再結晶されるべき膜とその下の基板との間にある。一般的に、粒状物から成る多孔性剥離層は、再結晶プロセス中に溶融しない、適切な高融点を有するセラミック材料から形成される。例えば、シリコンの被覆層については、剥離層は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭化物、シリコン炭窒化物、それらの組み合わせおよびそれらの混合物のような、セラミックスから構成し得る。剥離層は、有意の量の断熱を、再結晶に付される無機膜と基板との間で提供し得る。
いくつかの形態において、無機シートは、薄いだけでなく、大きな面積を有する。具体的には、大きな面積の薄いシリコンベースの半導体膜のいくつかの形態において、構造物は、少なくとも約900平方センチメートルの面積を有し得、いくつかの形態において、シートは、10平方メートルまでの面積を有し得る。大きな面積および小さな厚さは、材料のコストおよび消費を抑えるとともに、改良されたデバイスの形成において、独特な方法で活用され得る。太陽電池の製造におけるシリコン(またはその前駆体)の消費を減少させるために、5〜100ミクロンの多結晶シリコンの薄い箔が望ましいものであり得る。
一般に、いずれの適切な方法も、無機膜を形成するために使用することができる。シリコン膜を作製する1つの方法は、化学気相堆積(CVD)を利用することである。CVDは、基板の表面における前駆体ガス(例えばシラン)の分解または他の反応を説明する一般的な用語である。CVDが実施される温度および圧力を変化させることによって、比較的均一な薄い又は厚い膜を得ることができる。CVDはまた、プラズマで助長(または強化)され得る。
数ミクロンオーダー厚さの非常に薄い結晶性シリコン膜は、高真空下にて常套的なCVDで、有効に形成され得る。大気圧CVDもまた、より厚い層を、適度な速度で析出させるために使用することができる。堆積を減圧下で実施する場合、堆積は、大気圧CVDと比較して、幾分遅いが、比較的速い速度にて、より良好に制御されて、より均一な薄い膜を与え得る。反応物のより高いスループットが大気圧にて達成され得るが、析出した無機膜の高い均一性が、約50Torr〜約600Torrの減圧下にて、またはこの明示的な範囲内の選択された部分的な範囲の減圧下にて、達成される。大気圧または減圧にて実施するかどうかにかかわらず、反応物は、ノズルを経由して、フローとして発せられ得、当該フローは堆積のための移動基板に向けられたノズル開口部によって決定される形状を有する。減圧CVDは、堆積プロセスの速度と堆積した組成物の質を両立させるために選択された速度にて、反応物フローに対して移動する基板に、反応物前駆体組成物を送るための長尺のノズルを用いて、シリコンのような無機物質を堆積させるために開発された。長尺のノズルは、同時に基板にて反応物の筋(または帯状物)を発するように形成され得る。
シリコン膜について、CVDは、基板上で、大気圧又はそれに近い圧力にて、600℃〜1200℃の範囲の高い温度にて実施され得る。これらの条件は、高い堆積速度を与え、高い堆積速度は、数ミクロンよりも大きい厚さの膜にとって有意義である。CVD堆積プロセスは、剥離層上にて、減圧下にて実施され得ることが示されてきた。
シリコンのような無機膜の堆積に関する別のアプローチは、光反応性堆積である。光反応性堆積において、光のビームは、熱を与えて、光ビームを通過して流れるように向けられた反応性フローを反応させて、光のビームの下流側で生成物フローを生成する。レーザビームは、常套的なエネルギー源であるが、他の強力な光源を、光反応性堆積において用いることができる。反応物の組成、反応条件および堆積パラメータは、コーティングの組成、ならびに密度および多孔度等に関するコーティングの性質を変化させるために、選択され得る。
剥離層は、適切な低いレベルの汚染および適切に均一な層をもたらす、種々の技術を用いて、堆積され得る。粒状物からなる多孔性剥離層を、光反応性堆積(LRD(登録商標))を用いて、またはディスパージョンからのサブミクロン粒子のコーティングの堆積によって、形成することができる。LRD堆積は、サブミクロン粒子の溶融している多孔性のネットワークをもたらし、一方、サブミクロン粒子の分散粉体からのコーティングは、溶融していない粒子のコーティングをもたらす。
多孔性の層が溶融している又は溶融していない粒子を含むか否かにかかわらず、いくつかの形態において、多孔性の構造物は、サブミクロン粒子を含むことが望ましく、それにより、多孔性の層の表面は比較的均一な表面を有し、それにより、後で堆積される1または複数の層が比較的平坦な膜となる。一般に、多孔性剥離層は、任意の適切な厚さを有するが、資源が浪費されないように、大きすぎない厚さを用いることが望ましいこともある。剥離層は十分な厚さを有するべきである。なぜならば、後の上塗り層が、下に位置する基板と直接的に相互作用しないようにすべきであるからである。粒状物から成る多孔性剥離層は、Hieslmairらの「無機箔形成のための剥離層における堆積」と題する、係属中の米国仮特許出願第61/062,398号、およびHieslmairらの「薄いシリコンまたはゲルマニウムシートおよび薄いシートから形成される光電装置」と題する、米国特許出願公開2007/0212510Aにおいて説明されており、これらは両方とも引用により本明細書に組み込まれる。
いくつかの形態において、シリコン膜が、多孔性剥離層と、直接的にまたは間接的に結合されている間に、再結晶プロセスが実施される。換言すれば、シリコン膜は、膜を剥離層から分離する前に再結晶化される。1または複数の被覆層を粒状物から成る多孔性剥離層上に堆積させ得る。例えば、比較的多孔質でない又は緻密なシリコン窒化物(Si)層を、シリコン膜と剥離層との間に有することが望ましいことであり得る。必要に応じて、1または複数のキャップ層を、シリコンの上に配置することができ、キャップ層は、高い融点のセラミック、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭化物、シリコン炭窒化物、酸化アルミニウムAl、それらの混合物、それらのケイ素濃度の高い組成物、およびそれらの組み合わせを含み得る。
剥離層の頂部に被覆層を形成するための適切なアプローチとして、例えば、高真空化学気相堆積、大気圧化学気相堆積、減圧化学気相堆積、光反応性緻密堆積およびそれらの組み合わせが挙げられ、例えば、異なる層を異なる方法を用いて形成することができる。例えば、粒状物から成る多孔性剥離層を、光反応性堆積を用いて堆積させることができ、1または複数の被覆層を減圧CVDを用いて堆積させることができる。単一の反応チャンバーを使用して、複数の手法(例えば、光反応性堆積および減圧走査CVD)に基づく複数の堆積を実施することができる。
ゾーンメルト再結晶を実施する装置は、一般に、チャンバー、ストリップ熱源、無機膜および関連する構造物を保持する基板支持体、無機膜とストリップヒーターとの相対的な移動を提供する輸送システムを含む。輸送システムは、支持体をチャンバーに対して移動させ得、またはストリップヒーターをチャンバーに対して移動させ得、あるいは両方である。装置は、必要に応じて、溶融したシリコンから熱を除去して、再結晶プロセスを促進させる、冷却エレメントを含み得る。適当な冷却エレメントとして、例えば、放射ヒートシンク、冷却されたローラおよび/または冷却ガス源(例えば、加熱ゾーンの凝固サイドに冷却入口ガスのストリームを提供する、非対称に排気される線状ノズル)が挙げられる。また、いくつかの形態において、チャンバー壁は、選択された温度範囲内に制御され、そのことは、壁を加熱すること及び/又は壁の断熱によって達成され得る。再結晶チャンバー内の基板周囲の選択された温度範囲は、無機膜の融点よりも約900℃または数℃低い温度範囲内にあり得るが、それは特定のプロセスのために選択される。チャンバーは、チャンバーを囲む周辺の雰囲気から有効に隔離されてよく、あるいは隔離されなくてもよい。シリコン膜がキャップ層を有しない場合、チャンバー内のガスの環境を制御して、チャンバー内のシリコンの表面とガスとの何らかの反応を相応じて制御することが望ましい。
基板支持体は一般に、チャンバーの温度にて、無機膜および関連する(または結合した)構造物を保持する適当なプラットフォームであり得る。いくつかの形態において、コンベアーが支持体をチャンバーに対して移動させるように設計されている場合には、支持体を、コンベアーまたは他の輸送システムの部品と一体化してよい。例えば、輸送システムは、コンベアーベルト、または適当な移動要素と接続されたステージもしくはプラットフォームを含み得る。コンベアーは、適切に構成されて、支持体および/または線状のヒーターを移動させ得る。
一般に、線状熱源からの放射熱のラインは、膜を横切るように移動またはさっと通過させられて、膜を横切る加熱ゾーンとして細い筋(または帯状物)を提供し得る。この構成は、加熱ゾーン(それは伝導により、放射ゾーンを越えてある程度広がる)にてシリコンの溶融したゾーンを形成し、無機物質の溶融したゾーンは加熱ゾーンに対して下流側に輸送される。ヒーターおよび膜が互いに対して移動するにつれて、溶融したフロント(または波面)が、加熱ゾーンから遠ざかるにつれて冷却され、十分に冷却されると、シリコンが結晶化する。結晶化の速度は、製品である再結晶化したシリコンの特性に影響を及ぼす。
本明細書で説明するように、ホットウォール・チャンバーは、所望の結果のために有効に用いることができるが、コールドウォール・チャンバー(cold wall chamber)は、代替的な形態において用いることができる。ホットウォール・チャンバーは、シリコン膜が多孔性剥離層と結合している形態において、特に望ましい。チャンバーの壁は、熱電対または温度調節器を含むことができ、チャンバー壁の温度またはその一部は、約400℃〜約1400℃の温度に設定され得るが、特定の選択された温度は、概して、無機膜の組成により影響される。以下に説明するように、チャンバーは、膜の下流側から熱を取り除いて、冷却プロセスをより良好に制御するように構成された冷却要素を有し得る。
経済的および製造上の理由のために、膜全体にわたって、比較的高い速度にて、加熱ゾーンをさっと通過させること、または線状熱源を移動させることが望ましいことであり得る。尤も、高い十分なZMR速度にて、得られる凝固したシリコン膜は、より低い速度にて再結晶化された膜と比較して、劣った質を有することがある。具体的には、結晶粒子の寸法が減少することがあり、また、結晶の欠陥の密度が上昇することがある。したがって、適切な結晶品質を生成しながら、ZMR速度のバランスをとる速度を選択することが望ましい。バランスのこの決定は、ZMR速度、結晶品質、またはその両方の改良を制限する、制限的な変数を調査することを伴う。関連する変数として、例えば、液体シリコン原子が整列して結晶になるときの速度、および結晶欠陥を誘発し得る有意な熱的な歪みを生じさせることなく、熱がシリコンの凝固フロントから除去され得る速度が挙げられる。
液体シリコンが配列して結晶になる速度は、プロセスに物理的な限界をもたらす。ZMR速度は、結晶化プロセスの原子スケールの力学により課される限界に達することなく、他の適当な変数を調節し得る場合には、要求の限界を下回る結晶の質を犠牲にすることなく、なお向上させ得る。特に、凝固熱は約1800J/gであり、熱容量は約1J/gCであることが注記される。そのような場合、凝固フロントからの改良された熱の除去を、放熱パスのそれぞれからの熱の除去(それには、例えば、膜の表面からの放射(または輻射)、チャンバー内でのガスの自然対流、および基板への熱伝導が含まれる)を調節することによって、工夫し得る。
関心のある主たる用途は、太陽電池の製造であるが、他の用途として、例えば、フラットパネルディスプレイが挙げられる。特に、半導体シートは、薄膜トランジスタおよび/または他の集積回路部品の形成のための基板となり得る。したがって、この薄膜半導体シートは、各ピクセルと結合した、1または複数のトランジスタを備えた、大型ディスプレイ回路となり得る。得られる回路は、ガラス法においてに、シリコンにより形成された構造物に取って代わり得る。シートには、トランジスタまたは他の回路構造物を形成するために、パターンを付与することができる。大きな面積の半導体箔からディスプレイ部品を形成することは、Hieslmairらの「薄いシリコンまたはゲルマニウムシートおよび薄いシートから形成される光電装置」と題する、公開された米国特許出願公開2007/0212510Aにおいてさらに説明されており、これは引用により本明細書に組み込まれる。
本明細書で説明されるゾーンメルト再結晶のアプローチは、特に膜が剥離層と結合しているときには、特定の興味深い厚さ範囲内にある薄い無機膜について望ましい処理を提供する。装置およびプロセスは、連続的に製造された一連の膜を製造ラインに沿って取り扱うための一体化されたシステム内で、自動化された処理に適合し得る。プロセスは、望ましいレベルのエネルギー効率、および製造速度を有し得る。
[無機膜および対応する構造物の特性および形成]
再結晶化される無機膜は、一般に、無機構造物と結合しており、当該構造物において膜は層を形成している。全体の構造物は、膜にダメージを与えることなく、好都合に取り扱うことができるアセンブリを提供する。膜は、構造物内の恒久的な層として、あるいは基板上に取り外し可能なように支持された箔として、構造物内に組み込まれてよい。いくつかの形態において、膜は、機械的に弱い剥離層と直接的に又は間接的に結合して、ゾーンメルト再結晶の後に箔として膜を分離することができるようになっている。反応性堆積アプローチは、膜、および必要に応じて構造物内の他の層のいくつかを形成するために好都合に使用され得る。シリコンのゾーンメルト再結晶のいくつかの応用法において、シリコンは、2つのセラミック層の間に挟まれる。セラミック材料は、シリコンよりも高い融点を有し、それにより、シリコン層はセラミック層の間で溶融し、続いてセラミック層の境界内で凝固する。上部のセラミック層は、表面張力または他の効果の結果として、溶融したシリコンが、玉(またはビード)を形成することを抑制し、あるいは、平坦な層から歪むことを有意に抑制する。
ZMR処理のための無機構造物は、基板、膜、1または複数の任意の中間層、1または複数の任意のキャップ層を含む。無機構造物100の一形態の模式図を、図1に示す。構造物100は、基板102、剥離層104、下層106、無機膜108、およびキャップ層110を含む。基板102は、一般に、取り扱いの間、構造物に機械的な安定性を与える。一般に、基板は、ゾーンメルト再結晶の間、溶融せず、または熱的なストレスから有意なダメージを受けないような組成を有する。基板が恒久的に構造物に組み込まれる場合、基板の特性は、無機構造物の最終的な用途に対して、適切に選択され得る。膜がその後剥離層にて分離されて無機箔を形成する形態に関して、基板は再利用され得る。シリコン箔の処理に関しては、シリコン基板が適当であり得るが、適当な高融点セラミックも同様に使用され得る。高品質のセラミック基板もまた、箔を基板から分離して、構造物を製品に加工するための追加の処理のために移動させた後で、基板を清浄にして再利用することができることから、望ましくない多額のコストを生じさせることなく、利用することができる。適当な基板は、滑らかなシリコン表面、セラミック表面、例えば、シリカガラスである。いくつかの形態において、基板は、可撓性物質であり得る。例えば、高温に耐えることができる可撓性のセラミックシートが入手可能である。例えば、3MのNextel(登録商標)セラミック織物、またはSGL Carbon AG(SGLグループ)のSigraBond(登録商標)炭素材料を、基板として使用することができる。
剥離層は、剥離層を隣接する物質から区別する特性および/または組成を有する。一般に、剥離層の特性は、隣接する物質の一方または両方からの剥離層の分離を与える。剥離層の適当な物理的特性は、例えば、低密度、高い融点/軟化点、低い機械的強度、高い熱膨張係数、またはそれらの組み合わせであり得る。加えて、剥離層の物質は、一般に、いくつかの形態において、関連する処理ステップの条件(例えば、高温)にて、他の物質に対して不活性であるべきである。剥離層を機械的に破砕するために、剥離層は、周囲の物質よりも低い密度を有することが望ましい。特に、剥離層は、少なくとも40%の多孔度を有することができ、いくつかの形態において、少なくとも45%の多孔度を有することができ、別の形態において、約50%〜約90%の多孔度を有することができる。当業者は、上記の明示的な範囲内にて追加の多孔度の範囲が考えられ、それらが本願の開示内にあることを理解するであろう。多孔度は、構造物の断面のSEM顕微鏡写真から評価され、評価においては、孔の面積を全体の面積で除す。シリコン膜に関して、シリコンのための剥離層に適した材料として、例えば、シリコン窒化物(Si)、またはシリコン濃度の高いシリコン酸化物(SiO、x<2)が挙げられる。
下層106は、再結晶プロセスの間、膜と剥離層との間で緻密な緩衝体として機能する。さらに、下層は、再結晶された膜を組み込む最終的なデバイスにおいて、機能的な層を形成し得る。キャップ層110は、上部セラミック層として機能する。液体シリコンは一般に、二酸化ケイ素および他のいくつかのセラミック物質上で濡れるときに、大きな接触角度を有し、それにより液体シリコンは玉を形成する。液体シリコンが玉を形成すると、それは多結晶の平坦な層となるように冷却されず、そのため、キャップ層を適切に使用して、溶融したケイ素を平坦な構成に拘束することができる。溶融したケイ素は、シリコン窒化物を小さい接触角度でもって濡らす。したがって、適切な形態において、シリコン窒化物上の溶融したシリコンは、溶融したシリコンを拘束する上部セラミック層なしでも、適切に平坦な表面を維持することができる。
したがって、液体シリコンを制限するキャップ層は、使用してもよいし、使用しなくてもよい。表面張力および表面相互作用が、液体の玉形成を避ける濡れを与える場合であっても、液体シリコンを望ましくない方式で、例えば、対流または熱的毛細管現象で、移動させ得る、他の影響が存在する場合がある。薄いキャップ層は、その場で、対応する酸化物、窒化物または酸窒化物の皮膜を形成する酸素および/または窒素を含む冷却ガスを用いて、形成され得る。
光起電用途に関して、シリコン層の両側にある上側および下側不動態化層(またはパッシベーション層)は、電気絶縁層を与えるとともに、機械的および化学的なダメージからの保護を与えるように機能する。下層106およびキャップ層110は、不動態化層として、無機膜から形成されるデバイスに組み込んでよい。不動態化層を形成する適当な物質として、例えば、水素添加された又はされていない、化学量論的および非化学量論的なシリコン酸化物、シリコン窒化物、およびシリコン酸窒化物が挙げられる。具体的には、不動態化層は、例えば、SiN(x≦4/3およびy≦2)、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(Si)、シリコン濃度の高い酸化物(SiO、x<2)またはシリコン濃度の高い窒化物(SiN、x<4/3)を含み得る。アルミニウム酸化物の前面(またはフロント)不動態化層は、シリコン系の太陽電池の効率を、表面でのエネルギー損失の減少により、有意の量だけ向上させ得る。不動態化層は一般に、約10ナノメートル(nm)〜約200nmの厚さを有し得、別の形態においては、約20nm〜約180nmの厚さを有し得、別の形態においては、約30nm〜約150nmの厚さを有し得る。光起電性の電池において、前面不動態化層は、さらに反射防止膜として機能し得る。当業者は、上記の明示的な範囲内にて追加の範囲の厚さが考えられ、それらが本願の開示内にあることを理解するであろう。
さらにまた、いくつかの形態において、薄いシリコン半導体膜は、少なくとも約2ミクロンの厚さを有し得、いくつかの形態において約3ミクロン〜約100ミクロンの厚さを有し得、他の形態においてシリコン膜は、約5ミクロン〜約50ミクロンの厚さを有する。当業者は、上記の明示的な範囲内にて追加の範囲の表面積および厚さが考えられ、それらが本願の開示内にあることを理解するであろう。
一般に、いずれの適切なアプローチも、無機構造物を形成するために使用することができる。係属中の特許出願は、光反応性堆積を使用して多結晶シリコン層を多孔性層(これもまた光反応性堆積によって形成される)上に形成することを説明している。この係属中の特許出願は、2007年3月13日に出願された、Hieslmairらの「薄いシリコンまたはゲルマニウムシートおよび薄いシートから形成される光電装置」と題するものであり、2007/0212510Aとして公開されており、これは引用により本明細書に組み込まれる。同様に、この公開された特許出願で説明されているプロセスにおいて、粒状物から成る多孔性剥離層もまた、光反応性堆積により形成され得る。LRD堆積は、Biらの「反応性堆積によるコーティング形成」と題する、米国特許出願公開2003/0228415Aにおいてさらに説明されており、これは引用により本明細書に組み込まれる。光反応性堆積は、ゾーンメルト再結晶に適した組成物を含む広い範囲の無機組成物を堆積させるために使用することができる。
粒状物から成る多孔性剥離層上でのCVD堆積は、2007年6月15日に出願された、Hieslmairらの「減圧CVD」と題する係属中の米国仮特許出願60/934,793、および2008年1月25日に出願された、Hieslmairらの「無機箔の形成のための剥離層上の堆積」と題する係属中の米国仮特許出願61/062,398において、さらに説明されており、両出願は引用により本明細書に組み込まれる。引用された仮特許出願は、光源をOFFにして、大気圧CVDおよび減圧CVDを光反応性堆積チャンバー内で実施して、シリコン膜および他の無機膜を形成し得ることを教示している。
[ZMR装置]
ZMR装置は、適当な基板取り扱いシステムおよび再結晶に付される膜に送られる熱的なフローを制御する部品(または要素)とともに構成されたチャンバーを含む。適当な測定デバイスは、熱的な制御システムにフィードバックを提供し得る。特に、いくつかの形態において、ホットウォール・チャンバーは、溶融のために膜に加えられるのに必要とされる熱を減少させる、より高いバックグラウンドチャンバー温度を提供する。加えて又は別の形態において、冷却要素が、溶融した膜の冷却を制御することができ、それにより結晶化プロセスがより制御された条件で行われ得る。いくつかの形態において、膜は、基板からの断熱を与える多孔性剥離層を有する構造物内において、再結晶化される。断熱性の剥離層を用いると、基板は、膜の融点に関連する温度の熱さにまで加熱される必要が無くなる。熱インプットを横方向で変化させて、より均一な温度を膜表面にわたって提供するヒーターを使用することができる。これらの個々の改良された特徴は、熱的な制御が改良された有効な再結晶のために、個々に提供され得、あるいはそれらは、選択した組み合わせ、例えば、改良された特徴のすべてを含む組み合わせにおいて結合される。
ここで説明した改良された特徴の組(またはセット)を備えたZMR装置を図2に模式的に示すが、他の形態は、説明される特徴の1つのみ又は部分組み合わせを有してよい。ZMR装置150は、ホットウォール・チャンバー152、コンベアーシステム154、上側加熱要素156、冷却要素158、下側ヒーター160、光学的測定デバイス162、および温度センサ164を含む。ホットウォール・チャンバー152は、個別に断熱および/または加熱される、側壁、前面壁、背面壁、上面および底部を含む。特に、チャンバーは、加熱されたチャンバーからの熱の浪費(または放出)を減少させるために、断熱され得る。別個の下側ヒーター160を図2に示す。下側ヒーター160は、セラミックヒーター(例えば、窒化ホウ素ヒーター)または他の適当なデバイスであり得る。オプションである下側ヒーターはまた、支持プラットフォームに組み込まれることもできるが、これは、シリコンが多孔性剥離層上に配置される形態には望ましくない。なぜならば、多孔性剥離層は、熱を有効に伝導させないことがあるからである。
シリコン膜が、キャップ層を有しない場合、チャンバー内の環境を制御して、チャンバー内のガスとシリコンの表面との任意の反応をそれに対応して制御することが一般的に望ましい。いくつかの形態において、チャンバーは、アルゴンのような不活性ガスで充填される。閉じられたチャンバーを、金属およびセラミックのような、種々の耐久性材料で構成することができる。ホットウォール・チャンバーに関して、壁は、耐火性物質を含む(またはそれで構成する)ことができ、壁は複数層構成を有することができる。一般に、チャンバー壁の内側に面している表面は、チャンバーが処理温度にあるときに、雰囲気に対して不活性である必要があり、同時に汚染物となり得る原子を放出しない。適切な不活性の耐火物質として、シリコン炭化物およびシリコン窒化物等が挙げられる。いくつかの温度および雰囲気に関して、内側に面した表面は、融解石英(または石英ガラス;fused quartz)のような非耐火性物質を含んでよい(またはそれで構成してよい)。融解石英は、チャンバーが酸素を含まない場合には望ましい物質であり、石英は不活性な耐久性物質を供給し得る。不活性な内側に面する層の後ろの物質は、高い断熱値を有する不活性な耐火性物質であり得、例えば、スペースシャトルのタイルで使用されている、アルミナ高耐火性レンガ、シリカエアロゲル、およびシリカ繊維材料等である。同様の物質は、工業的な炉(例えば、ガラス炉)において使用されてきた。壁が加熱される場合、加熱要素は、例えば、不活性な耐火性内側物質と高度に断熱性である耐火層との間に配置され得る。この壁は、チャンバーの内側からの光に対して反射性であってよく、または反射性でなくてもよい。追加の壁層を、所望の場合には、用いることができる。いくつかの形態において、チャンバーの壁を加熱して、バックグラウンド温度を供給することができ、バックグラウンド温度に対して、再結晶の加熱および冷却プロセスを行うことができるが、高度に断熱された壁は、ヒーターが壁に内蔵されていない連続的または規則的な(もしくは通常の)処理システムにおいて、再結晶プロセスにより発生する熱を維持することに基づいて、内側チャンバー温度を適切なバックグラウンド範囲に維持することを容易にし得る。
いくつかの形態において、抵抗性ヒーター等をチャンバーの壁に組み込んで、チャンバーの壁を加熱することができる。別法として又は加えて、壁の直接的な加熱を用いても、用いなくてもよいように、十分に断熱されたチャンバー壁を、ゾーンメルトプロセスからの熱を保持するために設計することができる。いくつかの形態において、壁をはじめのうちは加熱することができ、それからヒーターをオフにする又は少量のインプットパワーで作動させて、壁を所望の温度に維持できるように、壁は加熱ヒーターおよび温度センサを含み得る。
コンベアーシステム154は、適当な基板ホルダーに係合して、基板ホルダーを基板とともにチャンバーを横方向に通過させる、適当な駆動装置、例えば、チェーン駆動装置等を含む。駆動装置にパワーを供給するモーターを、チャンバー152の外側に配置することができ、それにより、より低い温度条件下で、駆動装置の一部をモーターに係合させた状態で、モーターを作動させることができる。
上側加熱要素156は、集光されたハロゲンまたはキセノンランプ、誘導加熱器、カーボンストリップヒーター、またはラスターレーザ等であり得る。ゾーンメルト再結晶のためのタングステン−ハロゲンランプの集光は、「非対称な台形パワー分布を有する集光されたランプによるポリシリコンのゾーンメルト再結晶(Zone Melt Recrystallization by a Focused Lamp with Unsymmetric Trapezoidal Power Distribution)」と題する文献(Choiら、Journal of Electronic Materials, 20 (3) pp 231-235)において更に説明されており、この文献は引用により本明細書に組み込まれる。特別に設計されたカーボンストリップヒーターの使用が、Deguchiらの「半導体物質のゾーンメルト再結晶」と題する米国特許第5,540,183号に説明されており、これは引用により本明細書に組み込まれる。放物線状の断面を有する適当な線形反射器を用いて、光を反射させて、光を表面に集束させて、シリコンを溶融させることができる。代替的な又は追加の形態において、上側加熱要素156はダイオード・アレイを含んでよく、それはレーザー・ダイオード・アレイであり得る。
概して、上側加熱要素156は、膜の細い筋を均一に加熱することが望ましい。加熱される領域は、狭いものであることが好ましく、それにより溶融したゾーンが相応じて減少され得る。過剰の熱がシステムに加えられずに、冷却器領域の溶融を確実にするように、加熱は、筋にそって比較的均一となることが望ましい。いくつかの形態において、上側加熱要素156は、より多くの熱を、ストリップの中心よりもストリップの両端に向けて与えるように設計することができ、それにより膜の筋は、ZMRチャンバー内で期待される温度プロファイルに基づいてより均一に加熱される。ダイオード・アレイを用いる場合、個々のダイオードへのパワーを調節して、アレイの端部から所望の増加した熱放射を得ることができる。他の形態において、ヒーターの中心付近のターンの数に関して、より多い数のターンの、ヒーターにパワーを供給するワイヤを、ストリップヒーターの端部に向けて配置して、カーボンストリップヒーターを構成することができる。
上側加熱要素の特定の形態を、図3および図4に示す。上側加熱要素180は、石英ウインドウを有する支持フレーム186に取り付けられた傾斜したカーボンストリップヒーター182、184を含み、支持フレームはランプをZMRチャンバーの他の部分から分離している。カーボンストリップヒーター182、184はそれぞれ、狭い幅の筋の光を生成するように構成されている。ストリップヒーター182、184は、それぞれの発光がほぼ重なる領域にて基板に向けられるように、傾斜させることができる。支持フレーム186は、ストリップヒーター182、184の角度、ストリップヒーター182、184の基板に対する高さおよび基板の面に沿った横方向の位置に関する調節装置を含んでよい。
冷却要素158は、例えば、冷却ガスインレット、伝導性冷却接触(もしくは伝導性接触冷却器)および/または黒体放射ヒートシンクを含み得る。一般に、冷却要素158は、ストリップヒーターに類するストリップ構成を有することができ、それにより冷却要素は、溶融ゾーンを通過した後の膜の溶融した筋から、熱を取り除く。冷却の度合いは、膜の筋の温度を低下させて結晶化の速度を上げるように、また、結晶化プロセスをより均一にするように調節され得る。速度はまた、結晶化された膜の所望の特性をもたらすように調節され得る。いくつかの形態において、上側加熱要素156と冷却要素158の相対的な位置を調節して、それに対応して結晶化された膜の特性を変化させることができる。
図5を参照すると、冷却ガスシステムの模式的な断面図が示されている。冷却ガスシステム190は、冷却ガス貯蔵器194に操作可能なように接続された冷却ガスインレット192、およびポンプ198に操作可能なように接続された排気装置196、ブロワーまたは他のガスフロー要素を含む。冷却ガスシステム190は、冷却ガスが膜構造物と相互作用した後で、冷却ガスを排気装置196内へ取り出すように構成され、それによりチャンバーがさらに冷却されないようにする。冷却ガスは、室温より冷たいものである必要はないが、冷却ガスは、チャンバー温度よりも冷たいものである必要がある。さらにまた、ガスの温度は、望ましくない熱的なストレス(または応力)が冷却の際に物質内に導入されないように、選択することができる。一般に、冷却ガスは、アルゴン等の不活性ガスを含む。適当なキャップ層を用いる場合、より広い範囲のガスが、構造物に対して不活性となり得る。いくつかの形態において、ガスは、シリコン上に酸化物、窒化物または酸窒化物の薄いキャップ層を形成する酸素および/または窒素を含み得るが、キャップ層が既に存在する場合にはこれらのガスは不活性であり得る。
図6を参照すると、放射冷却バー(または棒)206の模式的な断面図が示されている。放射冷却バーは、チャンバーバックグラウンド温度による加熱を減少させる断熱ジャケット208、ブロック210、非反射性の表面を一般に有する冷却表面212、および冷却コイル214等を含み得る。ブロック210は、金属などから形成されて、大きく温度を変動させずに冷却機能を提供する、適切な熱伝導性を備えた適当な熱容量を与え得る。冷却コイル等は、冷却流体の循環を与えて、冷却バー206により吸収される熱を取り除くことができる。冷却バー206は、構造物の表面の近くに、膜またはキャップ層の真上に配置することができ、それにより、チャンバーバックグラウンドの冷却をより少なくして、熱を効率的に取り除くことができる。
図7を参照すると、放射ヒートシンクの模式的な断面図が図示されている。この形態において、放射ヒートシンク220は、冷却された壁224で囲まれた内側体積222を含む。ウィンドウ226は、体積222を覆い、チャンバーが冷却ガスによって対流により冷却されないようにしている。ウィンドウ226は、冷却されるべき膜の筋(または帯状部)からの放射を受け入れることを目的とし得る。ウィンドウ226を経由して内側体積222に通じる開口部の寸法は、シャッター228等の使用により調節することができ、それにより、放射冷却の度合いを同様に調節することができる。壁は、適当な液体または他の適切な冷却アプローチによって冷却することができる。この場合も、冷却はチャンバー温度未満の適当な温度を目指している。
接触冷却デバイスを使用して、膜からの熱を、膜またはキャップが存在する場合にはキャップからの伝導により、取り除くことができる。一般に、キャップ層が固体表面を与えて、溶融した膜の液体を乱すことなく、接触を与える場合には、これは最も適当である。ローラは、装置を通過する基板の移動への妨害をより少なくし得るので、ローラは適切である。図8を参照すると、冷却ローラ230は、アクセル(または軸)232、伝導性ローラ材料234、および冷却コイル等を含む。伝導性ローラ材料は、セラミック材料または構造物の温度に耐える他の適当な材料であり得る。材料は、膜から熱を取り除くことが有効となり得るように、適切に高い熱容量および/または熱伝導性を有すべきである。冷却コイル236は、使用中のローラによって吸収された熱を除去するために、循環流体を有することができる。冷却コイル236は、冷却液体源に、アクセルを介してローラの一方の端部にて、または別の適当な接続手段によって接続され得る。
光学的な測定デバイス162は、例えば、電荷結合素子(CCD)カメラ等を含み得る。光学的な測定デバイスは、膜の温度を、膜および結合した構造物からの発光に基づいて、溶融ゾーンにて及び/またはその付近で、上面から測定するために用いることができる。光学的な測定デバイスは、膜の横方向(または水平方向)に沿った温度評価のために、発光を測定する検出アレイを有することができる。高解像度CCDカメラは市販されている。光学的な測定デバイスによる測定は、上側加熱要素および/または熱制御システムの他の要素を制御するために用いることができる。ZMRプロセスを容易にするためにCCDカメラを使用することは、「高品質薄膜多結晶Siを形成するためのゾーンメルト再結晶プロセスにおけるインシチュー制御(In-Situ Control in Zone-Melting Recrystallization Process for Formation of High-Quality Thin Film Polycrystalline Si)」(Kawamaら、25th IEEE Photovoltaic Specialists Conferenceの議事録、ワシントンDC、p481-484(1996))および「高速ゾーンメルト結晶化による高い結晶均一性を有するSOI膜の製造(Fabrication of SOI Films with High Crystal Uniformity by High-Speed-Zone-Melting-Crystallization)」(Yokoyamaら、J. of the Electrochemical Society, 150(5) A594-A600 (2003))に説明されている。両文献は引用により本明細書に組み込まれる。
ZMR装置の特定の形態が図9に示されている。ZMR装置250は、チャンバー252(可視化のために部分的に除去して示している)、支持フレーム254、上側加熱要素256、およびコントローラ258を含んでいる。チャンバー252は、基板を運ぶための移動ユニット260、下側ヒーター262、および断熱された壁264、266を含む。上側加熱ユニット256は、チャンバー252に対する相対的な位置を調節するためのコンベアーシステム268を含む。
[ゾーンメルト再結晶プロセスの熱制御]
上記で説明した装置は、有効なゾーンメルト再結晶処理に適合させ得る。特に、シリコン膜の形態について、最終的な目的は、より大きな結晶寸法および/または欠陥のより少ない改良された結晶性と一般に関連する、望ましい電気特性を備えたシリコン膜を形成することである。類似の目的は、他の無機膜についても関連している。いくつかの形態において、粒状物から成る多孔性剥離層の上に堆積させられた無機被覆層が、ゾーンメルト再結晶プロセスに付され得る。下側に位置する基板から膜を隔てる多孔性剥離層は、膜と基板との間で、有意な熱的なバリアーを形成する。所望の結晶化度特性を達成することは、より厚い膜にとっては、特に困難であり得る。さらにまた、エネルギー消費を低く維持すること、および処理速度を比較的高く維持することが、望ましい。有意のエネルギー節減は、ZMRチャンバーの熱的な隔離(それは、チャンバーを冷却することを避ける)によって達成され得る。
ホットウォール・チャンバーを使用することによって、熱的なバックグラウンドは、チャンバー内で比較的固定されたままとなる。それから、膜の再結晶は、この熱的なバックグラウンドの周囲での加熱および冷却による再結晶プロセスの間、制御される。チャンバーのバックグラウンド温度が、溶融ゾーンに入る前の膜を加熱するので、膜は、基板からの熱伝導を伴う下側ヒーターを用いる、基板を介した加熱に依拠しないが、これは、多孔性層の存在により阻害され得る。ストリップヒーター等から供給される熱を用いる場合、冷却要素は、冷却プロセスを制御して、結晶化を促進させることができる。なぜならば、放射冷却が、ホットウォール・チャンバー内で減少させられるからである。コールドウォール・チャンバーにおいて、放射冷却は、シリコンの凝固点まで温度を下げるために必要とされる冷却を促進するのに役立ち得る。
いくつかの形態において、無機膜を、無機層と基板との間に剥離層を有する基板の上に、剥離層と無機膜との間の任意の1または複数の追加の層とともに、配置することができる。粒状物から成る多孔性剥離層は、ある程度まで、無機層を基板から熱的に隔離することができるので、熱的な隔離は、支持体に配置された下側ヒーターによる無機膜の加熱の有効性を制限し、同様に、熱的な隔離は、基板への熱の伝導による、溶融シリコンの伝導冷却を制限する。また、熱電対または支持体における他の温度測定デバイスは、断熱層の存在に起因して、無機物質の温度を厳密には反映しないことがある。いくつかの形態において、剥離層の断熱効果は、好都合に用いることができる。なぜならば、基板は、溶融した物質によって有効に加熱されず、また、この基板の熱は一般に後の処理の間に失われるからである。剥離層はまた、構造物内の熱膨張の違いに起因する歪みを緩和するのに役立ち得る。剥離層の使用は、太陽電池または他のデバイスに好都合に加工され得る、再結晶化されたシリコンまたは他の無機組成物を含む(またはそれから成る)自立した箔の形成をもたらす。
図10は、断熱性の多孔性剥離層のない、コールドウォール・チャンバーを用いたZMRの温度プロファイルで構成される、定性的な模式的なプロットを示し、矢印は、熱放散の方向を示している。図10に示すように、無機膜における水平方向の温度勾配は、比較的遅い冷却による凝固熱の除去を示している。溶融した物質が加熱ゾーンから遠ざかるように移動するにつれて、膜は、利用できる冷却経路のすべてによって冷却される。融解潜熱に起因して、温度プロファイルは、相遷移が生じる融解および凝固界面にて、フラットとなる。熱は炉の周辺空間内に外向きに放射され得、より冷たい基板内に下向きに伝導され得る。チャンバーがコールドウォールを有する場合、熱は、放射冷却により、対応するホットウォール・チャンバーと比較して、より迅速に放散される。固体のシリコンは、SiOよりも比較的高い熱伝導性(×4.5)を有するので、熱が、新しく凝固したシリコンを介して、凝固フロントから流れ、それからSiOを横切って、キャップ層を経由して周辺ガス内に、または下層を経由して基板内に流れる。たいていの適当な配置に関して、溶融したゾーンの走査する方向に沿う幅は、約1mm〜約5mmであり得る。
凝固フロントが移動するにつれて、融解熱が界面から除去されて、追加のシリコンが結晶のシリコンに凝固して、固体/溶融物の界面がそれに対応して進行する。凝固は、熱投入の後で、冷却の速度および結晶化速度に関係する距離をもって、遅れる。より大きな距離が、凝固フロントと線形熱投入との間で生じる場合、線状の凝固フロントを制御し維持することがより難しくなり、これは、得られる再結晶化された膜の均一性の減少をもたらすことがある。
より冷たい基板は、膜と基板との間でより高い熱伝導性を有する形態において、加熱ゾーンと凝固フロントとの間の距離を減少させるのに役立つ。しかしながら、より冷たい基板を用いると、上側加熱要素はそれに対応して、より大きな量の熱を加えて、膜を溶融させる。装置を通過する基板の速度が上昇すると、熱は、より迅速に凝固フロントにて除去されなければならず、そのことは、対応する温度勾配の増加に起因して、それに対応するより大きな熱的なストレスに帰結し得る。新しく凝固したシリコンは柔らかく、また、熱的なストレスは、結晶欠陥および転位密度の増加を誘発し得る。温度勾配を減少させるために、基板温度を上昇させうるが、それにより、熱投入と凝固フロントとの間の距離は増加し、それに対応して、凝固フロントの位置および平坦性を制御することが困難となる。
より高い凝固速度および/またはより大きな膜厚さにて、凝固フロントでの熱の除去が結晶化プロセスに関して速度限定的となる場合、凝固フロントと加熱ゾーンとの間で、過冷却された液体が形成され得る。より速い冷却での温度勾配を、図11に模式的に示す。過冷却された液体の形成は、有意な不安定さを形成する。なぜならば、凝固フロントが、加熱ゾーンのより後ろにシフトするからであり、また、凝固フロントにおける何らかの摂動(または揺らぎ)が現れ得、過冷却された液体を急速に凝固させるからである。
いくつかの形態において、チャンバー壁が冷たく、また基板支持体が基板を加熱するために用いられる場合、基板温度は、例えば、膜の融点よりも約600℃低い温度ないし融点に近い温度であり得る。したがって、シリコン膜に関していえば、基板は、900〜約1300℃の温度にまで加熱され得る。シリコンの融点は約1410℃である。これらの形態において、溶融ゾーンに近い凝固シリコンにおける水平方向の温度勾配は、約20C/mmよりも大きいと認められ、ある条件下では約30C/mmであり得る。したがって、1cmの固体−液体界面内において、温度低下は、数百度になり得、これは、0.1%までの体積の収縮を生じさせる。これらの温度でのシリコンの可塑性のためにこの体積の収縮は吸収され得るが、これらの大きな温度勾配はシリコン結晶の結晶欠陥(例えば、転位および粒子境界)を招き得る。加えられる熱を調節することによる溶融ゾーンの幅の調節は、「高品質薄膜多結晶Siを形成するためのゾーンメルト再結晶プロセスにおけるインシチュー制御(In-Situ Control in Zone-Melting Recrystallization Process for Formation of High-Quality Thin Film Polycrystalline Si)」(Kawamaら、IEEEの議事録、25th PVSC、1996年5月13日〜17日、ワシントンDC、p481-484)と題する文献(これは引用により本明細書に組み込まれる)で説明されたCCDカメラによる測定によって助けられる。コールドウォール・チャンバーに関して、再結晶プロセスへの走査速度の影響は、「薄膜のゾーンメルト再結晶の間の凝固界面の安定性に対する走査速度の影響(Effect of Scanning Speed on the Stability of the Solidification Interface During Zone-Melt Recrystallization of Thin Films)」(Yoonら、J. Appl. Phys. 72(1), pp 316-318 (1992年7月1日))と題する論文においてさらに説明されており、この論文は引用により本明細書に組み込まれる。コールドウォールZMR処理において基板温度を変化させることによる影響は、「結晶性シリコン薄膜太陽電池のための強化されたゾーンメルト再結晶(Enhanced Zone-Melting Recrystallization for Crystalline Silicon Thin-Film Solar Cells)」(Kielibaら、16th European Photovoltaic Energy Conference, Glasgow 2000年5月1〜5日、p. 1-4)と題する論文で議論されている。
適切なZMR速度は、シリコン膜の厚さにより決定されると認められる。シリコン膜がより厚い場合、より遅いZMR速度が、より速い速度で再結晶されるより薄い膜において生じるのと同じ程度の欠陥密度を生じさせるようである。この知見は、図10に示す定性的なモデルと十分に整合する。より多くのジュール熱が、より薄い膜よりも、より厚いシリコン膜の凝固フロントにおいて除去されて、結晶化を達成する。同様の時間フレームで結晶化を達成するために、より厚い膜について、放熱の速度はそれに対応して大きくなる。しかしながら、放熱経路(即ち、放射冷却および基板への熱伝導)は、薄い膜のそれと同じままである。欠陥密度の測定を、シリコン膜の厚さおよび装置を通過する基板の走査速度の関数として行った。より厚い膜について、より遅い走査速度を使用すると、より薄い膜において測定されるのと同じ欠陥密度が得られることが確認される。「高品質薄膜多結晶Siを形成するためのゾーンメルト再結晶プロセスにおけるインシチュー制御(In-Situ Control in Zone-Melting Recrystallization Process for Formation of High-Quality Thin Film Polycrystalline Si)」(Kawamaら、IEEEの議事録、25th PVSC、1996年5月13日〜17日、ワシントンDC、p481-484)と題する文献を参照されたい。この文献は、引用により本明細書に組み込まれる。
図10に示されるコールドウォール・チャンバーについての温度プロファイルの分析は、放熱が、プロセスにおける適切な変更により向上され得ることを示した。具体的には、向上した放熱は、加熱ゾーンの凝固サイドでの冷却を制御する冷却要素を備えたホットウォール・チャンバーの1または複数の特徴を、基板への熱伝導を減少させる多孔性剥離層とともに用いることにより、実現され得る。いくつかの形態において、冷却要素は、非対称なガスのフローを与えるために、非対称に排気される線状ノズルを含み得る。表面での積極的な冷却プロセスおよび断熱性の下側多孔性剥離層を設けることによって、凝固フロントは、水平方向の温度勾配よりはむしろ垂直方向の温度勾配に傾き、また熱の除去にも寄与する。
十分に断熱されたホットウォール・チャンバーの使用は、熱の損失およびエネルギー消費を減少させる。シリコン膜の加熱および凝固に必要とされる実際のエネルギーは、比較的小さい。30ミクロン厚さのシリコン膜において、10cm/分にて凝固フロントを進行させることは、凝固フロント1cmあたり〜1.85Wの速度にて、または1メートルにつき185Wの速度にて、熱を除去することを必要とする。その反対もまた同様である(即ち、1.85Wを、シリコンを溶融するために、1410℃にてシリコンに加える必要がある)。コールドウォール・チャンバーにおいて、数kWのヒーター電力がZMR装置において使用され得る。なぜならば、有意の熱が継続的に基板/シリコン構造物に注入されて、コールド・チャンバーの壁への放射および対流損失を補うからである。いくつかの形態において、ホットウォール・チャンバーは、膜の融点よりも約900℃低い温度乃至融点よりも約2℃低い温度の壁温度を有し、別の形態においては、融点よりも約600℃低い温度乃至約10℃低い温度の壁温度を有し、別の形態においては、膜融点よりも約500℃乃至約50℃低い温度の壁温度を有し得る。したがって、約1410℃の融点を有するシリコン膜について、チャンバーの壁は、約500℃〜約1408℃であり得、別の形態においては約800℃〜約1400℃であり得、別の形態においては約900℃〜約1350℃であり得る。当業者は、上記の明示的な範囲内にて追加の温度範囲が考えられ、それらが本願の開示内にあることを理解するであろう。
基板に多孔性の層を設けることによって、基板への熱伝導が減少し、それは相応じて基板を加熱する際に消費されるエネルギーを減少させる。シリコン層が基板から熱的に隔離される限度において、基板は、より冷たいままであり、ZMRの間、より小さい熱ストレスを持続させる。これは、再利用可能な基板を用いる場合に、有意義である。したがって、溶融したゾーンは、シリコンに関して1410℃にて形成されるので、溶融したゾーンと基板との間での熱伝導がより低いほど、溶融したゾーンを形成するためにより少ないエネルギーが必要とされ、また、より少ない熱ストレスが基板に課される。図12は、コールドウォール・チャンバーに関して、断熱性の多孔性層が、シリコンを溶融するのに必要とされる光のパワーおよび溶融したゾーンの下の基板の温度に与える理論的な影響を示す。
凝固熱を放散させるために、非対称なガスのフローによって制御された冷却を用いることができる。上述したように、典型的な放熱経路は、ホットウォール・チャンバーにおいて、減少する。放射熱損失は、ΔTに比例する。900℃の表面とは対照的に、200℃の表面と溶融ゾーン(シリコンの場合1410℃)との間では、消散されるパワーに大きな違い(または差)がある。凝固熱を放散させるために、冷たい不活性ガスのストリームを、非対称に排気される線状ノズルを経由させて、溶融したゾーンの凝固サイドに供給することができる。溶融したゾーンを形成するための放射エネルギーヒーターは、基板に衝突し、並列の(または平行な)排気ノズルによって凝固ゾーンをさっと通過させられるガスフローと、共線的であり得る。換言すれば、冷却ストリームは、冷却ガスのシートを形成するスリット状開口部等から生成することができ、冷却ガスのシートはシリコンまたはキャップ層の上面に筋に沿って当たる。排気装置は、冷却ガスがホットウォール・チャンバーをさらに冷却しないように、冷却ガスが熱い表面で反射された後、それを効率的に取り除くように配置することができる。冷却ガスの温度は、所望の冷却速度を達成するように選択され得る。
図13は、ホットウォール・チャンバー内で凝固熱を取り除く冷却ガスを用いる形態に関して、熱のフローの影響を示す模式的な温度プロファイルを示す。垂直方向の冷却ガスの衝突を使用して、溶融したシリコンを凝固させるが、シリコン層内の水平方向の温度勾配は低くなる。なぜならば、放射損失および基板への伝導損失が、減少するからである。図13において、冷却ガスは、この特定の形態における冷却ガスのフローとして示されているフローの矢印の方向に従って流れ得る。基板が十分に断熱されている場合、基板は、溶融ゾーンよりも100℃冷たくなり得る。膜が基板から断熱されていないアプローチとは対照的に、膜は、融点よりも十分に低い温度に冷却されない。なぜならば、基板が膜から熱を奪わないからである。
別の又は追加的な形態において、冷却要素は、チャンバーから過剰に熱を取り除くことなく膜を冷却するように配置された放射冷却ヒートシンクを含み得る。図14は、溶融した膜を冷却するヒートシンクを有するシステムに関して、模式的な温度プロファイルを示している。プロファイルは、図13のプロファイルに似ている。いくつかの形態において、冷却ガスおよび放射冷却ヒートシンクの両方を用いて、所望のレベルの冷却を与えることができる。
凝固プロセスのより一層の制御によって、エネルギー消費を減少させることができる。第一に、溶融した膜から基板を断熱することによって、基板は、膜の融点にまで加熱されず、それに対応して基板からのこの熱は、後の処理のために取り除く必要がなくなる。冷却要素の使用は、融解熱のほとんど又はすべてを、表面に沿って迅速に除去し得る。30ミクロンの膜において、溶融した膜(例えばシリコン)の下側セクションから融解熱を取り除くことに関して、1.85Wを導入することが、1ミクロンあたり10℃未満の垂直方向の温度勾配を伴い得る。上述したように、上部ガス冷却およびシリコン層の下に多孔性の断熱層を提供することにより、凝固フロントが、より大きな垂直方向の温度勾配に傾く場合、1.85Wの一部のみが、層の下側部分から冷却される表面までの伝導により取り除かれ、そのことは、通常の放散経路を通じて、この少量の熱をゆっくりと放散させ得る。傾いた凝固フロントによって、温度勾配に沿って伝導により取り除かれる熱の量は、凝固フロントの角度に比例して減少し、その結果、この冷却は大きな温度勾配を必要とすることなく、迅速に行われ得る。垂線からの角度を測定すると、凝固フロントを経由して上向きになされる冷却が、少なくとも1.85W×角度のコサインだけ減少する。より小さい温度勾配でもって適当な量の熱を有効に取り除くことができるために、溶融ゾーンの下流側で、構造物がより少ない全体冷却を要することが可能となり、それによりチャンバーが全体的により高い温度にて維持され得、そのことは、相応じて、溶融ゾーンにおいて膜を溶融するために、より少ない熱を供給する必要性を与える(またはより少ない熱の供給を必要とする)。
[膜製造および太陽電池製造と、ZMRとの組み合わせ]
上記で注記したように、種々の反応性フロープロセスが、続いて再結晶化される無機膜の形成に適している。さらにまた、再結晶された膜は、それから、最終製品にさらに加工され得る。1または複数の追加の処理ステップを、合わせて製造ラインに組み込むことができる。この組み込みは、他の潜在的な処理効率と同様に、ある組み合わせに関しては追加のエネルギー節減をもたらし得る。しかしながら、いくつかの形態において、処理の一部は、離れた場所にて実施され得る。
具体的には、膜の形成およびZMR処理は、インライン(または直列)で実施することが好都合であり得る。基板は一般に、有意に上昇させた温度での膜形成工程から出てくる。膜形成からの基板が、有意な熱損失無く、ZMR装置に移動させられる場合、基板は、構造物がZMRチャンバーに持ち込まれたときに、ホットウォールZMRチャンバーから、より少ない熱を取り出し、または可能であれば熱を全く取り出さない。これは、非常に有意なエネルギーの節約をもたらし得る。当該分野の適当な基板取扱い装置は、ユニット間の基板の移動を自動化することができ、また、基板取扱い装置は、適切に断熱され得る。
剥離層をベースとする形態に関して、再結晶プロセスの後に、再結晶された膜を基板から分離することが、一般に望ましい。基板はそれから、再利用のために、適切に清浄にされ、および/または研磨され得る。解除された(または剥離された)無機箔を取り扱うための、および分離プロセスを実施するためのいくつかのアプローチが、2008年1月25日に出願された、Mossoらの「大きな表面積の無機箔の層移動」と題する、係属中の米国特許仮出願第61/062,399号にさらに説明されており、この出願は引用により本明細書に組み込まれる。
得られる無機箔は、種々の用途(例えば、ディスプレイ制御)に、有効に利用することができる。光起電性のパネルは、膜が特に重要性を有する分野である。シリコン箔を太陽電池に加工することは、Heislmairらの「太陽電池構造物、光起電性パネルおよび対応するプロセス」と題する、係属中の米国特許出願第12/070,371号、およびHeislmairらの「太陽電池構造物の力学的設計、光起電性のパネルおよび対応するプロセス」と題する、係属中の米国特許出願第12/070,381号において、さらに説明されており、これらの出願は両方とも引用により本明細書に組み込まれる。具体的には、これらの係属中の特許出願は、下側の多孔性剥離層から分離した薄いシリコンシートで光電装置を形成することをさらに説明しており、これらのアプローチは、本明細書で説明する方法で形成されるシリコンシートにも適用され得る。1または複数のデバイス処理工程を、ZMR装置の下流側のインライン処理に組み込むことができ、インライン処理は、いくつかの形態において、最終的な光起電性のパネルを製造し得る。
上述の形態は例示的なものであることを意味し、限定的なものではない。追加の形態は請求の範囲内にある。加えて、本発明は、特定の形態に言及して説明されたが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱しないで、形状および詳細において、変更をなし得ることを理解するであろう。上記の文献を引用により本明細書に組み込むことはいずれも、本明細書における明示的な開示に反している主題が組み込まれないように、限定される。

Claims (25)

  1. 無機膜のゾーン溶融再結晶を実施する装置であって、基板支持体、基板支持体上の基板の筋を加熱するように配置されたストリップヒーター、ストリップヒーターによる加熱の後に基板の筋を冷却するように配置された冷却要素、および基板支持体をストリップヒーターおよび冷却要素に対して移動させて、基板を横切る加熱された筋を走査させた後、冷却要素による冷却がなされるように構成された輸送システムを含む、装置。
  2. ストリップヒーターが、ハロゲンランプ、キセノンランプ、誘導加熱器、またはカーボンストリップヒーターを含む、請求項1に記載の装置。
  3. ストリップヒーターがダイオード・アレイを含む、請求項1に記載の装置。
  4. 冷却要素が冷却ガスノズルを含む、請求項1に記載の装置。
  5. 冷却要素がヒートシンク放射吸収体を含む、請求項1に記載の装置。
  6. ストリップヒーターおよび冷却要素を囲むチャンバーをさらに含む、請求項1に記載の装置。
  7. チャンバーの壁が断熱されているか、加熱されるか、または断熱されていて且つ加熱される、請求項6に記載の装置。
  8. チャンバーの壁が選択した温度範囲で保持される、請求項7に記載の装置。
  9. 無機膜が、元素シリコン/ゲルマニウムを含み、平均厚さが約3ミクロンないし約90ミクロンである、請求項1に記載の装置。
  10. 輸送システムが、約0.5mm/秒〜約10mm/秒の速度にて、基板を移動させる、請求項1に記載の装置。
  11. ストリップヒーターと冷却要素との間で、膜の温度を光学的に測定するように構成された光学的検出器をさらに含む、請求項1に記載の装置。
  12. 無機膜のゾーンメルト再結晶を実施する装置であって、チャンバー、チャンバー内の基板ホルダー、基板ホルダーに取り付けられた基板の筋に沿って熱を与えるように配置されたストリップヒーター、およびストリップヒーターに対して基板支持体を移動させて、基板を横切る加熱された筋を走査させるように構成された輸送システムを含み、チャンバー壁が少なくとも約500℃に保持されている、装置。
  13. 選択される温度範囲が、無機膜の融点よりも約2℃ないし約900℃低い、請求項12に記載の装置。
  14. 無機膜が、元素シリコン/ゲルマニウムを含み、平均厚さが約3ミクロンないし約90ミクロンである、請求項13に記載の装置。
  15. 輸送システムが、約0.5mm/秒〜約10mm/秒の速度にて、基板を移動させる、請求項12に記載の装置。
  16. チャンバーの壁が耐火性物質を含む、請求項12に記載の装置。
  17. 無機膜のゾーンメルト再結晶を実施する方法であって、
    ストリップヒーターに対して移動させられている基板に配置された無機膜の筋を、ストリップヒーターを用いて溶融すること、および
    溶融した膜を、基板の移動の後で加熱ゾーンから離れた下流側にて、無機膜の融点未満の選択した温度に冷却すること
    を含む方法。
  18. 基板を、ストリップヒーターを約0.5mm/秒〜約10mm/秒の速度にて通過するように移動させる、請求項17に記載の方法。
  19. 無機膜が、元素シリコン/ゲルマニウムを含み、平均厚さが約3ミクロンないし約90ミクロンである、請求項17に記載の方法。
  20. 元素シリコン/ゲルマニウム膜が、粒状物から成る多孔性剥離層の上にあり、当該剥離層が支持基板上で支持されている、請求項19に記載の方法。
  21. 厚さ約100nm〜約10ミクロンの厚さを有するセラミック下層が、剥離層とシリコン/ゲルマニウム膜との間に配置されており、セラミック下層がシリコン/ゲルマニウム酸化物、シリコン/ゲルマニウム窒化物、シリコン/ゲルマニウム酸窒化物、それらのシリコン/ゲルマニウム濃度の高い種類のもの、またはそれらの組み合わせを含む、請求項20に記載の方法。
  22. セラミックキャップ層が、元素シリコン/ゲルマニウム膜の上に配置されており、キャップ層は約20nm〜約5ミクロンの厚さを有し、キャップ層が、酸化アルミニウム、シリコン/ゲルマニウム酸化物、シリコン/ゲルマニウム窒化物、シリコン/ゲルマニウム酸窒化物、それらのシリコン/ゲルマニウム濃度の高い種類のもの、またはそれらの組み合わせを含む、請求項20に記載の方法。
  23. 膜がシリコンを含み、チャンバー温度が、元素シリコン膜の融点よりも約2℃乃至約900℃低い、請求項20に記載の方法。
  24. 冷却の度合いが、選択される時間内に、無機膜の凝固のための潜熱を除去するように選択される、請求項20に記載の方法。
  25. 無機膜の移動速度、冷却工程の位置および冷却の度合いが、結晶欠陥密度が所望の上限までである製品多結晶膜を与えるように選択される、請求項17に記載の方法。
JP2010544313A 2008-01-25 2009-01-16 無機膜のゾーンメルト再結晶 Pending JP2011510515A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US6242008P 2008-01-25 2008-01-25
US12/152,907 US20090191348A1 (en) 2008-01-25 2008-05-16 Zone melt recrystallization for inorganic films
PCT/US2009/000301 WO2009094124A2 (en) 2008-01-25 2009-01-16 Zone melt recrystallization for inorganic films

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011510515A true JP2011510515A (ja) 2011-03-31

Family

ID=40899518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010544313A Pending JP2011510515A (ja) 2008-01-25 2009-01-16 無機膜のゾーンメルト再結晶

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20090191348A1 (ja)
EP (1) EP2243153A4 (ja)
JP (1) JP2011510515A (ja)
KR (1) KR20100105786A (ja)
CN (1) CN101981656A (ja)
WO (1) WO2009094124A2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8494817B1 (en) * 2006-11-30 2013-07-23 Pdf Solutions, Inc. Methods for yield variability benchmarking, assessment, quantification, and localization
US20080202577A1 (en) 2007-02-16 2008-08-28 Henry Hieslmair Dynamic design of solar cell structures, photovoltaic modules and corresponding processes
KR20100029126A (ko) * 2007-06-15 2010-03-15 나노그램 코포레이션 무기물 포일의 반응성 유동 증착 및 합성
US20100294349A1 (en) * 2009-05-20 2010-11-25 Uma Srinivasan Back contact solar cells with effective and efficient designs and corresponding patterning processes
US20120273792A1 (en) * 2010-01-20 2012-11-01 Integrated Photovoltaic, Inc. Zone Melt Recrystallization of Thin Films
US8912083B2 (en) * 2011-01-31 2014-12-16 Nanogram Corporation Silicon substrates with doped surface contacts formed from doped silicon inks and corresponding processes
KR101860919B1 (ko) * 2011-12-16 2018-06-29 엘지전자 주식회사 태양 전지 및 이의 제조 방법

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6144786A (ja) * 1984-08-08 1986-03-04 Sony Corp 半導体単結晶薄膜の製造方法
JPH0311727A (ja) * 1989-06-09 1991-01-21 Ricoh Co Ltd 半導体薄膜の製造方法
JPH03190121A (ja) * 1989-12-19 1991-08-20 Sharp Corp レーザ再結晶化装置
JPH0434961A (ja) * 1990-05-30 1992-02-05 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置およびその製造方法
JPH0528953A (ja) * 1991-07-22 1993-02-05 Nissin High Voltage Co Ltd イオン注入装置
JPH0766148A (ja) * 1993-08-24 1995-03-10 Tokyo Electron Ltd 熱処理装置および熱処理方法
JPH11312811A (ja) * 1998-02-25 1999-11-09 Seiko Epson Corp 薄膜デバイスの剥離方法、薄膜デバイスの転写方法、薄膜デバイス、アクティブマトリクス基板および液晶表示装置
JP2000091231A (ja) * 1998-09-16 2000-03-31 Toshiba Corp 多結晶の成長方法及び製造装置
JP2001110723A (ja) * 1999-10-04 2001-04-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 多結晶シリコン薄膜の製造方法
JP2002270533A (ja) * 2001-03-14 2002-09-20 Tokyo Electron Ltd 熱処理装置及びランプ出力制御方法
JP2004512669A (ja) * 2000-03-27 2004-04-22 ウルトラテク, ステッパー, インコーポレイテッド 基板を露光するための放射エネルギーの線光源を有する装置
KR20040110068A (ko) * 2003-12-30 2004-12-29 주식회사 애니이큅 비정질 실리콘 박막의 열처리 장치 및 열처리 방법
JP2006121059A (ja) * 2004-09-24 2006-05-11 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置およびその作製方法
JP2007300028A (ja) * 2006-05-02 2007-11-15 Tokyo Institute Of Technology 結晶性ケイ素薄膜の製造方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52143755A (en) * 1976-05-26 1977-11-30 Hitachi Ltd Laser, zone melting device
US5217564A (en) * 1980-04-10 1993-06-08 Massachusetts Institute Of Technology Method of producing sheets of crystalline material and devices made therefrom
US5173271A (en) * 1985-12-04 1992-12-22 Massachusetts Institute Of Technology Enhanced radiative zone-melting recrystallization method and apparatus
US4749438A (en) * 1986-01-06 1988-06-07 Bleil Carl E Method and apparatus for zone recrystallization
US5540183A (en) * 1993-03-16 1996-07-30 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Zone-melting recrystallization of semiconductor materials
JP3453436B2 (ja) * 1994-09-08 2003-10-06 三菱電機株式会社 半導体層を溶融再結晶化するための装置
JP3841866B2 (ja) * 1996-03-04 2006-11-08 三菱電機株式会社 再結晶化材料の製法、その製造装置および加熱方法
JPH118205A (ja) * 1997-04-25 1999-01-12 Sharp Corp 半導体装置の製造方法およびレーザー光照射装置
GB0225202D0 (en) * 2002-10-30 2002-12-11 Hewlett Packard Co Electronic components
JP2005243224A (ja) * 2004-01-30 2005-09-08 Kitano Engineering Co Ltd 加熱冷却装置
US7745762B2 (en) * 2005-06-01 2010-06-29 Mattson Technology, Inc. Optimizing the thermal budget during a pulsed heating process
EP1997126A2 (en) * 2006-03-13 2008-12-03 Nanogram Corporation Thin silicon or germanium sheets and photovoltaics formed from thin sheets
US20080202577A1 (en) * 2007-02-16 2008-08-28 Henry Hieslmair Dynamic design of solar cell structures, photovoltaic modules and corresponding processes
KR20100029126A (ko) * 2007-06-15 2010-03-15 나노그램 코포레이션 무기물 포일의 반응성 유동 증착 및 합성

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6144786A (ja) * 1984-08-08 1986-03-04 Sony Corp 半導体単結晶薄膜の製造方法
JPH0311727A (ja) * 1989-06-09 1991-01-21 Ricoh Co Ltd 半導体薄膜の製造方法
JPH03190121A (ja) * 1989-12-19 1991-08-20 Sharp Corp レーザ再結晶化装置
JPH0434961A (ja) * 1990-05-30 1992-02-05 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置およびその製造方法
JPH0528953A (ja) * 1991-07-22 1993-02-05 Nissin High Voltage Co Ltd イオン注入装置
JPH0766148A (ja) * 1993-08-24 1995-03-10 Tokyo Electron Ltd 熱処理装置および熱処理方法
JPH11312811A (ja) * 1998-02-25 1999-11-09 Seiko Epson Corp 薄膜デバイスの剥離方法、薄膜デバイスの転写方法、薄膜デバイス、アクティブマトリクス基板および液晶表示装置
JP2000091231A (ja) * 1998-09-16 2000-03-31 Toshiba Corp 多結晶の成長方法及び製造装置
JP2001110723A (ja) * 1999-10-04 2001-04-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 多結晶シリコン薄膜の製造方法
JP2004512669A (ja) * 2000-03-27 2004-04-22 ウルトラテク, ステッパー, インコーポレイテッド 基板を露光するための放射エネルギーの線光源を有する装置
JP2002270533A (ja) * 2001-03-14 2002-09-20 Tokyo Electron Ltd 熱処理装置及びランプ出力制御方法
KR20040110068A (ko) * 2003-12-30 2004-12-29 주식회사 애니이큅 비정질 실리콘 박막의 열처리 장치 및 열처리 방법
JP2006121059A (ja) * 2004-09-24 2006-05-11 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置およびその作製方法
JP2007300028A (ja) * 2006-05-02 2007-11-15 Tokyo Institute Of Technology 結晶性ケイ素薄膜の製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
SHUHEI YOKOYAMA 他: "Fabrication of SOI Films with High Crystal Uniformityby High-Speed Zone-Melting Crystallization", JOURNAL OF THE ELECTROCHEMICAL SOCIETY, vol. 150(5), JPN7013003249, May 2003 (2003-05-01), pages 594 - 600, ISSN: 0002622229 *

Also Published As

Publication number Publication date
CN101981656A (zh) 2011-02-23
WO2009094124A2 (en) 2009-07-30
WO2009094124A3 (en) 2009-10-15
EP2243153A2 (en) 2010-10-27
US20090191348A1 (en) 2009-07-30
KR20100105786A (ko) 2010-09-29
EP2243153A4 (en) 2011-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011510515A (ja) 無機膜のゾーンメルト再結晶
JP6122900B2 (ja) フローティングシートの製造装置及び方法
KR101527139B1 (ko) 박막 캡슐 내의 반도체 웨이퍼들의 재결정화 및 관련 공정
US8242033B2 (en) High throughput recrystallization of semiconducting materials
US9133063B2 (en) Composite crucible, method of manufacturing the same, and method of manufacturing silicon crystal
EP2038454A1 (en) Method and crucible for direct solidification of semiconductor grade multi-crystalline silicon ingots
JP2007284343A (ja) 単結晶または多結晶材料、特に多結晶シリコンの製造装置及び製造方法本特許出願は、2006年4月12日付けで出願されたドイツ特許出願No.102006017621.9−43、発明の名称「単結晶または多結晶材料、特に多結晶シリコンの製造方法」を基礎として優先権主張されている出願である。この優先権主張の基礎となる出願はその開示内容の参照書類として本願書類中に含まれている。
KR101589891B1 (ko) 무-전위 결정질 시트를 제조하기 위한 방법 및 장치
JP4607096B2 (ja) 結晶質塊生成装置用るつぼおよびその生成方法
KR20100024675A (ko) 잉곳 제조 장치 및 제조 방법
JP4688090B2 (ja) 結晶成長のための装置および方法
KR20120091576A (ko) 마이크로 웨이브를 이용한 단결정 성장장치 및 그 성장방법
CN106191992B (zh) 多晶硅锭的制造方法
WO2013145558A1 (ja) 多結晶シリコンおよびその鋳造方法
RU2460167C1 (ru) Способ получения самоподдерживающейся кристаллизованной кремниевой тонкой пленки
US20120273792A1 (en) Zone Melt Recrystallization of Thin Films
Serra et al. Silicon on Dust Substrate: The Effect of Powder Size on Ribbon Production
JP2004123433A (ja) 板状シリコン、板状シリコンの製造方法、板状シリコンの製造用基板および太陽電池
JP2004010461A (ja) 結晶製造装置および結晶製造方法
KR101547329B1 (ko) 사파이어 단결정 성장장치 및 성장방법
CN115151684A (zh) 在熔体表面上形成的结晶片材的主动边缘控制
JP2007022860A (ja) シリコンインゴット製造装置
TW202136596A (zh) 利用表面冷卻和熔體加熱之組合來控制在熔體表面形成之結晶片材的厚度和寬度
WO2014141473A1 (ja) 多結晶シリコンインゴットの製造装置及びその製造方法
Serra Silicon processing for photovoltaics based on incoherent radiation power

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110608

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20110608

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110622

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130903

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140304