JP2011509273A - 癌の処理のためのγ−セクレターゼインヒビターの使用 - Google Patents

癌の処理のためのγ−セクレターゼインヒビターの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、治療的有効量の下記式(I):
を有する化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩を、癌を有する患者に投与することを含んで成る、前記患者の処理方法を提供する。本発明はまた、上記化合物を含むキット、及び本明細書に特別に開示される投与量及びスケジュールに従って癌を処理するための薬物の製造のためへの化合物(1)の使用を提供する。

Description

癌は、患者に生存有益性を提供する薬剤による最近の成功にもかかわらず、世界中で死亡率及び罹病率の主要原因のままである。ほとんどの固形腫瘍に関しては、良好でない予後に関連する高い腫瘍再発率及び転移率がまだ存在する。現在利用できる薬剤は、細胞毒性化学療法剤、抗脈管形成剤及び標的化された剤を包含する。現在利用できる抗癌薬剤のほとんどにより達成される臨床学的有益性は、種々の器官に影響を及ぼすことができる薬物耐性毒性(例えば、血液学的毒性、肝毒性、腎毒性及び神経毒性)の進行のために、制限される。
癌は、制御できない増殖により特徴づけられる疾病である。癌になるシグナルの理解が進行している。成長及び組織リモデリングの間、多分化能幹細胞は、非増殖性の特殊化された細胞型を生ぜしめるために分化細胞のための源として作用する。それらの幹細胞の特徴と腫瘍の制御できない急速な増殖との間の関係が明らかになって来た。主要成長シグナル化軸の1つのノッチ(Notch)経路である。ノッチシグナル化は、成人の多分化能細胞の成長及び自己再生の間、前駆体細胞の分化を仲介することにより細胞運命を調節する。ノッチは、多分化能の急速に増殖する状態に前駆体細胞を維持するよう機能する。ノッチ経路は、造血及びリンパ球生成の進行性分化及び工程において重要な役割を演じる。それは、胚成長の間、造血幹細胞の生成、増殖及び分化に包含される。
ノッチ遺伝子増殖、染色体トランスロケーション又は突然変異誘発は、高められたノッチシグナル化を導き、それにより、幹細細胞−様増殖状態で腫瘍細胞を維持することにより、腫瘍増殖に利点を付与する。従って、ノッチシグナル化経路における突然変異誘発と悪性の病因との間に非常に強い相互関係が存在する。
哺乳類において4種の相同体(ノッチ1,2,3及び4)により表されるノッチタンパク質は、リガンドδ−様1、δ−様3、δ−様4、ジャッグド1及びジャッグド2と相互作用する。リガンド結合の後、ノッチ受容体は、γ−セクレターゼにより調節される膜内分解を包含する一連のタンパク質分解現象により活性化される。そのようなγ−セクレターゼ−処理されたノッチは、細胞内サブユニット(ICN)と呼ばれる形として活性になる。ICNは核にトランスロケートし、そして目的の増殖−及び分化−特異的遺伝子の発現を直接的に変えるCSL(CBF-1, ヘアーレスのサプレッサー、Lag)転写レギュレーターを包含する大きな転写複合体の一部を形成する。
さらに、γ−セクレターゼは、アミロイド前駆体タンパク質[APP]、CD44幹細胞マーカー、及びHER4[ErbB4]を包含する、いくつかの他のタンパク質の膜内タンパク質分解プロセッシングに包含される。γ−セクレターゼ阻害を通してのノッチシグナル化の阻止は、インビボでヒト癌において、より遅く増殖し、形質転換されにくい表現型を生成する。重要なことには、この表現型は、さらなる投与の不在下で安定している。このタイプの新規処理アプローチは、従来の細胞毒性薬物の強い副作用を伴わないで、癌を、より管理できる疾病にする能力を保持する。
下記式(1):
Figure 2011509273
で表される2,2-ジメチル-N-((S)-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,d]アゼピン-7-イル)-N'-(2,2,3,3,3- ペンタフルオロ-プロピル)-マロンアミド (1 )が、アルツハイマー病の処理のために有用であるとして、WO2005/023772号に開示されている。
従って、癌患者のために利用できる処理をさらに改良するために新規薬物/化学療法プロトコールを開発する必要性がある。
本発明は、治療的有効量の下記式(I):
Figure 2011509273
を有する化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩を、癌を有する患者に投与することを含んで成る、前記患者の処理方法を提供する。
本発明はまたは、治療的有効量の下記式(1):
Figure 2011509273
を有する化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩を、癌を有する患者に投与することを含んで成る、前記患者の処理方法を提供し、ここで化合物(1)が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される。
本発明はさらに、治療的有効量の下記式(I):
Figure 2011509273
を有する化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩を、癌を有する患者に投与することを含んで成る、前記患者の処理方法を提供し、ここで化合物(1)が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される。
本発明はさらに、約3mg〜約300mgの下記式(1):
Figure 2011509273
で表される化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩を含む、1又は複数の経口単位投与形を含んで成るキットを提供する。
本発明はさらに、癌、特に固形腫瘍、例えば非小細胞肺癌、結腸直腸癌、膵臓癌、結腸癌、乳癌又は前立腺癌の処理のための薬剤の製造のためへの上記のような式(I)の化合物又は医薬的に許容できるその塩の使用を提供する。
本発明はさらに、式(1)の化合物又は医薬的に許容できるその塩を、本明細書に記載される特定の方法、投与レジメ及び/又は処理サイクルのいずれかに従って、投与することを含んで成る、癌、特に固形腫瘍、例えば非小細胞肺癌、結腸直腸癌、膵臓癌、結腸癌、乳癌又は前立腺癌の処理のための薬剤の製造のためへの上記のような式(I)の化合物又は医薬的に許容できるその塩の使用を提供する。
さらに、本発明は、式(1)の化合物又は医薬的に許容できるその塩が使用されることを特徴とする、癌、特に固形腫瘍、例えば非小細胞肺癌、結腸直腸癌、膵臓癌、結腸癌、乳癌又は前立腺癌の処理のための薬剤の製造方法を提供する。
本発明はさらに、式(1)の化合物又は医薬的に許容できるその塩が、本明細書に記載される特定の方法、投与レジメ及び/又は処理サイクルのいずれかに従って、使用されることを特徴とする、癌、特に固形腫瘍、例えば非小細胞肺癌、結腸直腸癌、膵臓癌、結腸癌、乳癌又は前立腺癌の処理のために意図された薬剤の製造方法を提供する。
最終的に、本発明は、化合物(1)が、好ましくは膵臓癌の処理のために治療的有効量のゲムシタビン(gemcitabine)と組合して使用される、本明細書に記載されるような特定の方法及び使用を提供する。
発明の特定の記載
本発明は、治療的有効量の化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩を、癌を有する患者に投与することを含んで成る、前記患者の新規処理方法を提供する。化合物(1)は、腫瘍細胞におけるノッチシグナル化の阻害活性を生成するγ−セクレターゼの有能且つ選択的なインヒビターである。
本明細書において使用される場合、次の用語は、下記に示される意味を有する。
用語“抗腫瘍性”とは、悪性細胞の成長、成熟又は増殖の阻害又は予防を意味する。
用語“曲線下の領域”(AUC)とは、時間に対する血漿における薬物の濃度のプロットにおける曲線下の領域である。AUCは、吸光速度に関係なく、身体により吸収される合計量の薬物を表す。これは薬物の治療モニターのために有用である。患者の血漿における薬物濃度の測定及びAUCの計算は、この薬物の投与量をガイドするために有用である。AUCは時間にわたっての平均濃度、すなわちAUC/時間を知るために有用に成っている。AUCは一般的に、例えばng−時/ml(質量*時/体積)として表される。
“医薬的に許容できる”、例えば医薬的に許容できるキャリヤー、賦形剤、等とは、特定の化合物が投与される対象に対して薬理学的に許容でき、且つ実質的に非毒性であることを意味する。“医薬的に許容できる塩”とは、式Iの化合物の生物学的有効性及び性質を保持し、そして適切な非毒性有機又は無機酸又は有機又は無機塩基から形成される、通常の酸付加塩又は塩基付加塩を言及する。酸付加塩は、無機酸、例えば塩酸、臭酸、ヨウ酸、硫酸、スルファミド酸、リン酸及び硝酸に由来するそれらの塩、及び有機酸、例えばp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、修酸、琥珀酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、及び同様のものに由来するそれらの塩を包含する。
塩基付加塩は、カリウム、ナトリウム、アンモニウム及び第四アンモニウム水酸化物、例えばテトラメチルアンモニウム水酸化物に由来するそれらの塩化を包含する。用語、化合物の“医薬的に許容できるエステル”とは、カルボキシ基を有する従来通りにエステル化された化合物を意味し、前記エステルは化合物の生物学的有効性及び性質を保持する。医薬化合物(すなわち、薬剤)の塩への化学的変性は、化合物の改良された物理的及び化学的安定性、吸湿性、流動性及び溶解性を得るために当業者に良く知られている技法である。例えば、H. Ansel など., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (6th Ed. 1995) at pp. 196 and 1456-1457を参照のこと。
用語“プロドラッグ”とは、それらの薬理学的効果を示す前、転換を受ける化合物を言及する。医薬問題を克服するための薬物の化学的変性はまた、“薬物潜伏化”と呼ばれて来た。薬物潜伏化は、インビボ酵素攻撃に基づいて、親化合物を開放するであろう新規化合物を形成するために生物学的活性化合物の化学的変性である。親化合物の化学的変更は、生理化学的性質の変化が吸収、分布及び酵素代謝に影響を及ぼすであろうようなことである。
薬物潜伏化の定義はまた、親化合物の非酵素的再生を包含するよう拡張されて来た。再生は、必ずしも酵素介入されない加水分解性、解離性及び他の反応の結果として起こる。用語、プロドラッグ、潜伏化された薬物及び生物−可逆的誘導体は、交換可能的に使用される。推測的に、潜伏化は、インビボで生活性親分子の再生に包含されるタイムラグ要素又は時間成分を包含する。用語プロドラッグは、それが潜伏化された薬物誘導体、及び受容体を兼ね備える実際の物質に、投与の後、転換されるそれらの物質を包含することにおいて一般的である。用語プロドラッグは、それらの薬理学的作用を示す前、生物転換を受ける剤についての総称である。
用語“治療的有効量”とは、癌性腫瘍の増殖を止めるか、又は収縮をもたらすために、患者への投与に基づいて所望する治療効果を生成するために効果的である薬物の量を意味する。化合物(1)と組合して投与されるゲムシタビンの治療的有効量は、下記例7に開示されるように、特定の投与量及びスケジュールを意味する。
用語“〜と組合して投与される”とは、本明細書において使用される場合、同時又は連続的投与を意味する。
化合物“ゲムシタビン”とは、4−アミノ−1−[3,3−ジフルオル−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロフラン−2−イル]−1H−ピリミジン−2−オンを意味し、そしてたとえばGemzarTMとして市販されている。
用語“治療指数”とは、臨床試験のための抗癌剤の選択における重要なパラメーターである。治療指数は、抗癌剤の効能、薬物動力学、代謝及び生物利用能を考慮する。例えば、J. Natl. Cancer Inst. 81(13): 988-94 (July 5, 1989)を参照のこと。
用語“腫瘍制御”とは、測定できる損傷の垂直直径が、最後の測定から25%又はそれ以上、上昇していないことを意味する。例えば、World Health Organization ("WHO") Handbook for Reporting Results of Cancer Treatment, Geneva (1979)を参照のこと。
用語“固形腫瘍”とは、非小細胞肺癌(NSCLC)、結腸直腸癌、膵臓癌、結腸癌、乳癌、前立腺癌及び同様のものを意味する。
本明細書及び請求項を通して使用される場合、“化合物(1)”の意味は、下記式:
Figure 2011509273
で表される特定の化合物、及びその医薬的許容できる塩を包含する。
本発明は、治療有効量の下記式:
Figure 2011509273
で表される化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩を、癌を有する患者に投与することを含んで成る、前記患者の処理方法を提供する。
化合物(1)は、γ−セクレターゼ、すなわちノッチ受容体の分解及び活性化を担当するキー酵素の有能且つ選択的インヒビターである。遺伝子増幅、染色体トランスロケーション又は突然変異誘発のためにノッチシグナル化の異常調節が多くのタイプの癌、例えば白血病、髄質−及びグリア芽腫、乳癌、頭頸部癌及び膵臓癌に包含される。前臨床学的現象は、γ−セクレターゼのタンパク質分解活性の阻害を通してのノッチシグナル化の封鎖がマウス異種移植モデルにおける腫瘍増殖の阻害をもたらすことを示した。
化合物(1)の治療的有効量は、癌性腫瘍の増殖を阻害するか、又は収縮をもたらすために、患者への投与に基づいて所望する治療効果を生成するための効果的な量である。好ましくは、化合物(1)の治療的有効量は、約400ng−時/ml〜約9000ng−時/ml、より好ましくは約1100ng−時/ml〜約4100ng−時/ml、及び最も好ましくは約1380ng−時/ml〜約2330ng−時/mlである。
1つの態様においては、化合物(1)の治療的有効量は、約21日までの期間にわたって投与される、約400ng−時/ml〜約9000ng−時/ml、より好ましくは約1100ng−時/ml〜約4100ng−時/ml、及び最も好ましくは約1380ng−時/ml〜約2330ng−時/mlであるである。
もう1つの態様においては、化合物(1)は、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、投与される。好ましい態様においては、化合物(1)は、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される。
さらにもう1つの態様においては、化合物(1)は、21日サイクルの日1−7で毎日1度、投与される。好ましい態様においては、化合物(1)は、21日サイクルの日1−7で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される。
好ましくは、化合物(1)は、医薬経口単位投与形で存在する。本発明はまた、さらに、患者を放射線療法にゆだねることを含んで成る。
特定の態様においては、本発明はまたは、治療的有効量の下記式(1):
Figure 2011509273
を有する化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩を、癌を有する患者に投与することを含んで成る、前記患者の処理方法を提供し、ここで化合物(1)が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される(癌が制御下に残存している限り反復される)。
もう1つの特定の態様においては、本発明はまたは、治療的有効量の下記式(1):
Figure 2011509273
を有する化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩を、癌を有する患者に投与することを含んで成る、前記患者の処理方法を提供し、ここで化合物(1)が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される(癌が制御下に残存している限り反復される)。
もう1つの特定の態様においては、本発明は、癌、特に固形腫瘍の処理のための薬剤の製造のためへの、下記式(1):
Figure 2011509273
で表される化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、本発明は、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの治療的有効量の化合物(1)を投与することを含んで成る、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、前記化合物(1)の治療的有効量が、約1100ng-時/ml〜4100ng-時/mlである、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、前記化合物(1)の治療的有効量が、約1380ng-時/ml〜2330ng-時/mlである、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、前記化合物(1)の治療的有効量が、前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約400ng-時/ml〜約9000 ng-時/mlである、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約1100ng-時/ml〜約4100ng-時/mlである、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約1380ng-時/ml〜約2330ng-時/mlである、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、化合物(1)が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、投与される、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、化合物(1)が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、化合物(1)が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、投与される、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、化合物(1)が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、化合物(1)が、医薬経口単位投与形で存在する、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、さらに、患者を放射線療法にゆだねることを含んで成る、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの態様においては、本発明は、癌、特に固形腫瘍の処理のための薬剤の製造のためへの、下記式(1):
Figure 2011509273
で表される化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩の使用を提供し、ここで前記処理が21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で化合物(1)を投与することを含んで成る。
もう1つの特定においては、本発明は、癌、特に固形腫瘍の処理のための薬剤の製造のためへの、下記式(1):
Figure 2011509273
で表される化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩の使用を提供し、ここで前記処理が21日サイクルの日1−7で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で化合物(1)を投与することを含んで成る。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、下記式(1):
Figure 2011509273
で表される化合物が、治療的有効量で使用されることを特徴とする、癌、特に固形腫瘍の処理のために意図された薬剤の製造方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、前記化合物(1)の治療的有効量が、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlである、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、前記化合物(1)の治療的有効量が、約1100ng-時/ml〜4100ng-時/mlである、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、前記化合物(1)の治療的有効量が、約1380ng-時/ml〜2330ng-時/mlである、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約400ng-時/ml〜約9000 ng-時/mlである、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約1100ng-時/ml〜約4100ng-時/mlである、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約1380ng-時/ml〜約2330ng-時/mlである、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、化合物(1)が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、投与される、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、化合物(1)が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、化合物(1)が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、投与される、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、化合物(1)が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、化合物(1)が、医薬経口単位投与形で存在する、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、さらに、患者を放射線療法にゆだねることを含んで成る、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、下記式(1):
Figure 2011509273
で表される化合物又は医薬的に許容できるその塩が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で使用されることを特徴とする、癌、特に固形腫瘍の処理のために意図された薬剤の製造方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、下記式(1):
Figure 2011509273
で表される化合物又は医薬的に許容できるその塩が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で使用されることを特徴とする、癌、特に固形腫瘍の処理のために意図された薬剤の製造方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、化合物(1)が有効量のゲムシタビンと組合して投与される、上記のような方法及び使用を提供する。
この態様において、化合物(1)及びゲムシタビンの組合せは好ましくは、膵臓癌の処理のための薬物の製造のために使用される。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、約3mg〜約300mgの下記式(1):
Figure 2011509273
で表される化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩を含む、1又は複数の経口単位投与形を含んで成るキットを提供する。
この態様においては、前記キットは、患者が1日当たり約300mgの化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩を、約21日間、投与できるよう十分な数の単位を含む経口単位投与形を含んで成る。
この態様においては、前記キットはさらに、有効量のゲムシタビンを含む単位投与形を含んで成る。
個々の成分の投与量レベルは、患者の必要性及び処理される患者の反応に依存して、本明細書に言及される量よりも低いか又は高く、医者により変えられ得る。その用量は、患者の必要条件に従って患者により決定されるいずれかの投与量スケジュールに従って投与され得る。例えば、2種の成分の個々の用量は、7日間にわたって単一の又は分割された用量で、又は毎日のスケジュールを変更して投与され得る。
好ましくは、処理スケジュールは、21日ごとに、又は毒性からの回復により許される限り早く、腫瘍が制御下にあり、そして患者がその支配又は腫瘍回帰を許容する限り長く反復される。好ましくは、それらの処理サイクルは、合計約8サイクルまで反復される。
本発明の方法は、下記に示される例に従って調製され得る。前記例は、本発明の化合物及び組成物の調製を例示するために提供されるが、但し本発明を制限するものではない。
例1ヌードマウスにおけるヒト腫瘍異種移植片での化合物(1)の1日1回の経口投与の抗腫瘍活性の幅
これまでの抗腫瘍効能研究においては、化合物(1)がA549非小細胞肺癌(NSCLC)異種移植片を担持するマウスに経口投与される場合、14(14+/7−)又は21日間、1日1度又は2度与えられる3,10又は30mg/kgの用量が、有意で且つ持効性の腫瘍増殖阻害性をもたらし、そして%腫瘍増殖阻害率(TGIs)は、ビークル処理された対照動物に比較して、66〜83%の範囲である。化合物(1)の1日1度の投与は、用量依存性を伴わない14+/7−又は21日の処理スケジュールによる1日2度の処理と同じくらい効果的であった。さらに、より短い投与期間(14+/7−)は、完全な21日の投与期間と同じくらい、A549腫瘍増殖の阻害において効果的であった。
化合物(1)の抗腫瘍活性の幅を調べるために、4種の追加の効能研究を、2種の結腸直腸癌(Lovo及びHCT116)及び2種の非小細胞肺癌(NSCLC)(Calu-6及びH460a)異種増殖片モデルにおいて実施した。効能を駆動することができるパラメーターは未知であるが、ノッチ下流標的物Hes-1及びHey-1の発現が活性ノッチシグナル化経路を示すと思われる。さらに、Ras腫瘍遺伝子発現は、ノッチ活性化において役割を演じることが報告されている。ノッチリガンド、受容体及び下流標的物の内部遺伝子発現プロフィーリングに基づいて、Lovo、HCT116及びCalu-6腫瘍モデルは、化合物(1)介在性増殖阻害に対して敏感であることが示されており、ところがH460aモデルは鈍感であることが示されている。
例えば、Lovo結腸直腸癌細胞系は、ノッチリガンドJag1及びDNER、ノッチ受容体1,2及び3、及び下流標的物Hes-1及びHey-1の発現に関して、化合物(1)介在性腫瘍増殖阻害に対して敏感であることがすでに示されているA549異種移植片モデルに類似する遺伝子発現を有する。NSCLC細胞系Calu-6及びH460aは、ノッチ1及びノッチ3の両者の高い発現を伴って、類似するリガンド及び受容体遺伝子プロフィールを有する。それらの2種の細胞系はまた、Hes-1、Hey-1及びNUMBの高められた発現を有する。さらに、それらの細胞系のすべては、変異K-rasを有する。
最近の研究においては、化合物(1)を、確立された皮下(sc)Lovo, Calu-6、HCT116又はH460a腫瘍を担持するマウスに3週間までの間、経口投与した。化合物(1)を、21日間、毎日(qd)3mg/kg及び10mg/kgで、又は断続的スケジュール(7日間の投与、14日間の非投与及び次に7日間の投与(7+/14−/7+)に基づいて30mg/kg及び60mg/kgで投与した。
材料及び方法
動物
Charles River Laboratories (Wilmington, MA)から入手された雌のヌードマウス(10匹/グループ)を、それらが生後約13〜14週で、及び約23〜25gの体重で使用した。動物の健康は、実験動物の全体的観察により、及び共有される棚ラック上に収容される歩哨動物の血液サンプルの分析により毎日、決定された。すべての動物は、実験使用の前、最少72時間、いずれの輸送関連ストレスから順応され、そして回復された。オートクレーブされた水及び照射された食物(5058-ms Pico chow (mouse) Purina, Richmond, IN)は自由に供給され、そして動物は12時間の明及び暗サイクル上で維持された。かご、敷物及び水のボトルは使用の前オートクレーブ処理され、そして毎週、交換された。
腫瘍
Lovoヒト結腸直腸、Calu-6 NSCLC及びHCT116結腸直腸細胞を、ATCC(Manassas, VA)から購入した。H460a NSCLC細胞は、Dr. Jack Roth, MD Anderson Medical Center, Houston, TXからのギフトであった。Lovo細胞はF12K培養培地において培養され、Calu-6及びH460aはダルベッコ変性必須培地(DMEM)において増殖され、そしてHCT116細胞はMcCoy’s5A培地において増殖された。すべての培養培地は、10% (v/v) FBS及び1 % (v/v) 200 nM L-グルタミンにより補充された。マウスは、マウス当たり0.2mlのPBS中、5×106個のLovo, 3×106個のCalu-6又はHCT116、又は1×107個のH460a細胞により、それぞれ9/22/06、9/22/06、9/26/06、及び9/29/06右後部側面上に皮下(sc)移植された。
試験剤
化合物(1)を、下記に示されるように、経口(po)投与のために0.2%Tween-80を含む、水中、1.0%Klucelにおける懸濁液として配合した。
Figure 2011509273
配合される化合物及びビークルを、4℃で貯蔵し、そして毎週、調製した。化合物(1)を、投与の前、激しく混合した。
ランダム化
Lovo及びCalu-6異種移植片により移植されたマウスを、移植後19日目にランダム化し、HCT116異種移植片により移植されたマウスを20日目にランダム化し、そしてH460a異種移植片により移植されたマウスを移植後12日目にランダム化した。すべてのマウスを腫瘍体積に従ってランダム化し、その結果、すべてのグループは約100−180mm3の類似する出発平均腫瘍体積を有した。
研究企画
この報告におけるすべての4種のインビボ研究についての研究企画は同一であった。
用量グループは下記に列挙される。
Figure 2011509273
処置
Lovo及びCalu-6腫瘍研究についての処理は、10/11/06(腫瘍細胞移植後19日目)で着手し、HCT116研究についての処理は、10/16/06(腫瘍細胞移植後20日目)で着手し、そしてH460a研究についての処理は10/11/06(腫瘍細胞移植後12日目)で着手した。ビークル又は化合物(1)の懸濁液を、無菌1cc注射機及び18mgゲージの強制飼養用針を用いて、21日間、毎日1度(qd)投与し(0.2ml/動物)、又は断続的スケジュール(7日間の処理、14日間の非処理及び次に、7日間の処理(7+/14−/7+))を用いて投与した。Lovo及びCalu-6研究に関しては、21日の投与が腫瘍細胞移植後40日目に終わった。断続的投与に関しては、処理は26日目に終わり、40日目に再開し、そして47日目に終わった。HCT116研究に関しては、21日の投与が腫瘍細胞移植後42日目に終わった。断続的投与は27日目に終わり、42日目に再開始し、そして49日目に終わった。H460a研究に関しては、21日の投与は腫瘍細胞移植後27日目早々に終わり、そして断続的投与に関しては、処理は19日目に終わり、そして再開始されなかった(効能の欠乏のために)。
病理学/剖検
研究の最後で、剖検を、Eff #1137 (Lovo)、 Eff #1147 (HCT116)及びEff #1148 (H460a)に対して実施した。動物に、腫瘍細胞増殖の評価のために安楽死の2時間前、1mlの無菌水中、1mgのBrdU(ブロモデオキシウリジン)を注射した。動物を、CO2による誘発、続く頸部脱臼により安楽死した。下記のようにビークル処理されたグループ及び選択された化合物(1)により処理されたグループからの腫瘍を集め、そして亜鉛−ホルマリンに一晩、固定し、処理し、パラフィン包埋し、そして組織病理学(形態学的評価のための(ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色、及びBrdU染色)のために切片標本化した。
Figure 2011509273
モニターリング
腫瘍測定及びマウス重量を、1週当たり2度、実施した。すべての動物はそれぞれ、実験に従った。
計算及び統計学的分析
体重減少を、次の式を用いて、平均グループ体重における%変化としてグラフにより表した:
((W-W0)/W0)×100
ここでWは特定の日での処理されたグループの平均体重を表し、そしてW0は処理の開始での同じ処理されたグループの平均体重を表す。最大の体重減少をまた、上記式を用いて表し、そして特定グループについて完全な実験の間、いずれかの時点で観察された最大%体重減少を示した。
効能データを、平均腫瘍体積±平均の標準誤差としてグラフにより表した。処理されたグループの腫瘍体積を、下記式を用いて、対照グループの腫瘍体積の%(%T/C)として表した:
100×((T−T0)/(C-C0))
ここでTは実験の間、特定の日での処理されたグループの平均腫瘍体積を表し、T0は処理の第1日、同じ処理されたグループの平均腫瘍体積を表し;Cは実験の間、特定日での対照グループの平均腫瘍体積を表し、そしてC0は処理の第1日、同じ処理されたグループの平均腫瘍体積を表した。
腫瘍体積(mm3)を、次の楕円面式を用いて計算した:
(D×(d2))/2
ここでDは腫瘍の大きな方の直径を表し、そしてdは小さな方の直径を表す。
ある場合、腫瘍後退及び/又は腫瘍体積の%変化を次の式を用いて計算した:
((T-T0)/T0)×100
ここでTは特定日での処理されたグループの平均腫瘍体積を表し、そしてT0は処理の開始での同じ処理されたグループの平均腫瘍体積を表す。
統計学的分析を、順位和検定及びOne Way Anova、及びpost-hoc Bonferroni t-test (SigmaStat, version 2.0, Jandel Scientific, San Francisco, CA)により決定した。グループ間の差異は、確立値(p)が≦0.05である場合、有意であると見なされた。
結果
現在の研究組において試験された化合物(1)の用量及びレジメはこれまで、ヌードマウスにおいて十分に許容されることが見出されている。予測されるように、体重減少又は毒性の他の臨床学的徴候は現在の研究において示されなかった。
効能
現在の研究組においては、化合物(1)を、21日間、毎日3及び10mg/kgで、又は断続的スケジュール(7日の投与、14日の投与なし、及び次に7日の投与(7+/14−/7+))に基づいて30及び60mg/kgで試験した。Lovo結腸直腸異種移植片を担持するヌードマウスが21日又は7+/14−/7+スケジュールで化合物(1)により処理される場合、腫瘍増殖は有意に阻害され、そして最大の腫瘍増殖阻害が47日目に同定され、これは21日処理グループに関しての処理の最終日の7日後(21+/7−)、又は第2ラウンドの7日処理に関して処理の最後(7+/14−/7+)であった。3及び10mg/kg qd×21日の化合物(1)の用量は、ビークル処理された対照に比較して、それぞれ40%(p=0.136)及び83%(p≦0.001)のTGIをもたらし、ところが断続的に投与される30及び60mg/kgの化合物1の用量は59%(p=0.021)及び85%(p=0.001)のTGIをもたらした。
Lovo結腸直腸モデルにおける化合物(1)の抗腫瘍活性に比較して、腫瘍増殖阻害はCalu-6 NSCLCモデルにおいて低められた。最大の腫瘍増殖阻害は47日目に達成され、これは、21日処理グループに関しての処理の最終日の7日後(21+/7−)、又は第2ラウンドの7日処理に関して処理の最後(7+/14−/7+)であった。最高の抗腫瘍効果が、腫瘍増殖を59%(p=0.011)阻害した3mg/kgの最低用量で見出され、ところが10mg/kgはわずか42%のTGIを有し、そしてビークル処理された対照マウスに比較して統計学的には有意でなかった(p=0.083)。30mg/kgの用量は、2サイクルの7日処理の後、Calu-6腫瘍増殖を有意に阻害せず(34%TGI, p=0.179)、ところが化合物(1)の2倍の60mg/kgの用量は52%TGI(p=0.035)をもたらした。
HCT116結腸直腸モデルにおける化合物(1)介在性腫瘍増殖阻害は、すべての用量及びスケジュールにより同定される有意な抗腫瘍活性を伴って、Lovo結腸直腸モデルのその阻害に非常に類似した。最大抗腫瘍活性が、21日レジメに関して42日目(21日処理の最後)、及び7+/14−/7+レジメに関して53日目(最後の第2の7日処理の3日後)示された。3mg/kgの化合物(1)による連続した毎日の処理の21日目の最後で、HCT116結腸直腸腫瘍増殖は85%(p≦0.001)阻害され、そして10mg/kgの毎日の用量は、ビークル対照に比較して、76%(p=0.003)のTGIを生成した。30mg/kg及び60mg/kgの化合物(1)による第2ラウンドの7日の処理は、それぞれ63%(p=0.016)及び90%(p≦0.001)のTGIを生成した。
H460a NSCLCモデルは、化合物(1)介在性腫瘍増殖阻害に対して完全に耐性であることがわかった。H460異種移植片を担持するマウスの処理は、すべての用量での効能の欠如のために、初期に(わずか2週間後)停止された。
A549 NSCLC異種移植片モデルにおける前記効能研究に類似して、現在の研究においては、毎日の投与による腫瘍増殖阻害に関して用量応答性の一般的な欠失が存在することが示されている。例えば、化合物(1)がHCT116腫瘍担持マウスに3又は10mg/kgで21日間投与される場合、用量依存性ではなく、そしてそれぞれ85%及び76%のTGIを有した。化合物(1)の同じ用量がCalu−6腫瘍担持マウスに21日間、投与される場合、より高い用量での%TGIは、低い用量に比較して低かった(42%TGI対59%TGI)。
γ−セクレターゼインヒビター、すなわち化合物(1)の確立された腫瘍を担持するヌードマウスへの経口投与を通してのノッチシグナル化の破壊は、抗腫瘍効能をもたらした。初期発見は、化合物(1)がヌードマウスに移植されたA549 NSCLC腫瘍の延長され且つ永久的な阻害において効果的であったことを示した。追加のインビボ研究を開始し、化合物(1)の抗腫瘍効能の幅を調べた。Lovo結腸直腸癌、Calu-6 NSCLC、HCT116結腸直腸癌及びH460a NSCLCを選択し、内因性ノッチシグナル化の現象に基づくインビボ異種移植片研究を試験した。化合物(1)は、4種の腫瘍モデルの3種において毒性を伴わないで、効果的であり、且つ有意に腫瘍増殖を阻害した。
現在の効能研究組においては、化合物(1)の2種の用量を、次の2種の異なったレジメにおいて試験した:21日間、3及び10mg/kg qd、又は断続的に与えられる30及び60mg/kg(7+/14−/7+)。それらの用量及びスケジュールを前述のようにして試験し、そしてヌードマウスにおいて十分に許容され得ることを見出した。化合物(1)は、2種の結腸直腸モデル、すなわちLovo及びHCT116において最も高い抗腫瘍活性を示した。21日間の投与の後、3及び10mg/kgの化合物(1)の用量は、ビークル処理された対照に比較して、それぞれ40%及び83%のTGIをもたらし、そして30及び60mg/kgの化合物(1)の用量は、59%及び85%のTGIを生成した。HCT116モデルにおいては、3mg/kgの最低用量はより活性的であり(TGI=85%)、そして10mg/kgの用量は同様に効果的であり、そしてビークル処理された対照に比較して、76%のTGIを有した。30mg/kg及び60mg/kgの化合物(1)による2ラウンドの7日の処理は、それぞれ63%及び90%のTGIを生成した。
化合物(1)は、試験される2種のNSCLC異種移植片モデル(Calu-6及びH460a)に対してあまり効果的でなかった。Calu-6モデルにおいては、最大の増殖阻害(ビークルに比較して59%のTGI)が、21日間毎日与えられる3mg/kgの最低用量で達成され、ところが他のすべての用量及びレジメは低い有効性であることがわかった。H460aモデルは化合物(1)の抗腫瘍効果に対して完全に治療抵抗性であった。
従って、データ組は4種の腫瘍モデルのみがすべて試験されている状態で小さいが、観察される抗腫瘍応答はインビボで、細胞系ノッチ1/ノッチ3発現比率と相互関係しているように思える。ノッチ3は、γ−セクレターゼによる処理及びタンパク質分解の後、細胞内ノッチ1(ICN)の負のレギュレーターとして作用することが示されている。ノッチ3は、転写因子に対する核トランスロケーション及び結合の後、ICNと競争する。内部データは、H460a細胞におけるノッチ3タンパク質の高められた発現、及び感受性細胞系(すなわち、Lovo、HCT116及びA549)において低められた又は低い発現を示した。
化合物(1)による前のインビボ研究に示されるように、マウスが21日間毎日投与される場合、腫瘍増殖阻害に関して、ここで観察される用量比例性の一般的な欠如が存在した。他方では、断続的(7+/14−/7+)スケジュールで与えられる高い用量での用量応答性が見られた。用量応答性の知覚された欠乏は、薬物暴露により十分には説明され得ない。10mg/kgの化合物(1)との急性−対−慢性的に投与されたマウスにおける血漿暴露の比較は類似する暴露を示し、このことは、用量比例抗腫瘍応答の欠如を説明できる、時間に対する暴露の損失は存在しなかったことを示唆する。さらに、ヌードマウスにおけるもう1つの薬物動力学研究は、30mg/kgまでの用量での血漿暴露に関して、卓越した用量比例性を示した。従って、TGIに関しての用量比例応答性の欠如は、血漿暴露の薬物飽和のためではない。再び、それらの研究は、%TGIが暴露に対して常に比例するものではなく、そして生物学的限界効果を示唆することを確かめる。
本明細書に記載されるインビボ研究からの結果は、γ−セクレターゼインヒビター化合物の抗腫瘍活性の幅を示す。毎日の経口投与又は断続的(すなわち、2サイクル)投与は、毒性を伴わないで、腫瘍増殖を効果的に阻害することができる。化合物(1)は、4種の異種移植片モデルのうち3種において経口活性である。それらのデータは、γ−セクレターゼインヒビター、すなわち化合物(1)の投与を通してのノッチ阻害が、癌処理のための効果的手段であることを示す。
結論
化合物(1)は、腫瘍細胞におけるノッチシグナル化の活性化を阻止する、γ−セクレターゼの有能なインヒビターである。これまでの研究において、A549腫瘍担持のマウスへの化合物(1)の経口投与は、持続された抗腫瘍応答性をもたらした。化合物(1)の抗腫瘍活性の幅をさらに評価するために、4種の効能研究を、Lovo及びHCT116ヒト結腸直腸、及びCalu-6及びH460a NSCLC異種移植片モデルにおいて実施した。2種の用量(3及び10mg/kg)が21日間毎日与えられ、そして30及び60mg/kgの用量が断続的スケジュール(7日の処理、14日の非処理及び次に7日の処理(7+/14−/7+))を用いて与えられた。
化合物(1)は2種の結腸直腸モデル、すなわちLovo及びHCT116において最高の抗腫瘍活性を示した。21日間の投与の後、10mg/kgの化合物(1)の用量は、ビークルの処理された対照に比較して、83%の腫瘍増殖阻害(TGI)をもたらし、ところが30及び60mg/kgの化合物(1)の用量は59%及び85%のTGIを生成した。HCT116モデルにおいては、3mg/kgほどの低い用量が、ビークル対照に比較して、85%のTGIを伴って、効果的であり、そして10mg/kgの用量は同様に効果的であった。30mg/kg及び60mg/kgの化合物(1)による2ラウンドの7日の処理はそれぞれ、63%及び90%のTGIを生成した。化合物(1)は、試験される2種のNSCLC異種移植片モデル、すなわちCalu-6及びH460aに対してそれほど効果的ではなかった。
Calu-6モデルにおいては、有意な増殖阻害(ビークルに比較して、59%のTGI)が21日間毎日与えられる3mg/kgの最低用量でのみ達成され、そして他のすべての用量及びレジメはそれほど効果的でないことがわかった。H460aモデルは、化合物(1)の抗腫瘍効果的に対して完全に抗療性であった。抗腫瘍活性の観察されるパターンは細胞系のノッチ1/ノッチ3発現比率と相互関係すると思われるが、しかしながら、そのデータ組は小さく、そして効能を駆動する要因はまだ十分には理解されていない。それらのデータは、γセクレターゼインヒビター、すなわち化合物(1)の投与を通してのノッチ阻害が癌処理のための効果的な手段であり得ることを示す。
例2
A549 NSCLC腫瘍細胞における化合物(1)の細胞活性
細胞及び細胞フリーアッセイにおける化合物(1)のIC50は、種々のタイプ(受容体、イオンチャネル、酵素)の75の他の結合部位に関して観察される2以上のlog単位選択性を有する低いnモル範囲で存在する。化合物(1)の増殖阻害活性は複雑である。化合物(1)は、腫瘍細胞増殖を阻止することも又はアポプトーシスを誘発することもできないが、しかし代わりに、低く形質転換された、より平らにされた遅い増殖表現型を生成する。この機構は、ノッチ阻害と一致し、そして標準のEC50値の収集を妨げる。化合物(1)は、ウェスターンブロットによるICN発現の低下により測定されるので、ノッチプロセッシングを低める。これは、ウェスターンブロットによりまた測定される転写標的遺伝子生成物の低められた発現を導く。
成長及び組織リモデリングの間、多分化能幹細胞は、非増殖性の特殊化された細胞型をもたらすために、分化細胞のための源として作用する。それらの幹細胞の特徴と、腫瘍の急速な制御されていない増殖との間の連鎖が明白になっている。主要成長シグナル化軸の1つは、ノッチ経路である。ノッチシグナル化は、成熟多分化能幹細胞の成長及び自己−再生の間、前駆体細胞の分化に介在することにより細胞−運命を調節する。ノッチは、多分化能の急速に増殖する状態で前駆体細胞を維持するよう機能する。ノッチ遺伝子増幅、染色体トランスロケーション又は突然変異誘発は、高められたノッチシグナル化を導き、それにより、腫瘍細胞を、幹細胞様増殖状態で維持することにより、腫瘍増殖利点を付与する。
膜内プロセッシングは、膜受容体活性化及びシグナル化のための出現するテーマである。γ−セクレターゼは、いくつかのシグナル化受容体、例えばノッチ(γ−セクレターゼにより処理されるタンパク質の他の例は、アミロイド前駆体タンパク質[APP]、CD44幹細胞マーカー及びHER4[ErbB4])の膜内タンパク質分解プロセッシングにおいてキー酵素である。ノッチのγ−セクレターゼプロセッシングは、ICNと呼ばれる活性形を生成する。このタンパク質は、核にトランスロケートし、そして大きな転写体、例えばキー増殖−及び分化−特異的遺伝子の発現を直接的に変えるCSL転写レギュレーターの一部を形成する。γ−セクレターゼ阻害を通してのノッチシグナル化の阻止は遅く増殖する、低い形質転換された表現型を、ヒト癌細胞においてインビボで生成する。このタイプの新規処理アプローチは従来の細胞毒性薬物の強い副効果を伴わないで、より管理できる疾患に癌をするための可能性を保持する。
材料及び方法
細胞系及び培養物
A549a細胞系は、American Tissue Culture Collection (ATCC),Manassas, VAから入手され、そして10%熱不活性化されたウシ胎児血清(HI-FBS; GIBCO/BRL, Gaithersburg, MD)及び2mMのL−グルタミン(GIBCO/BRL)により補充されたHam培地において維持された。1×106個のA549細胞を、FACS分析のために10cm3のプレートに接種し、そしてウェル当たり3×105個の細胞を、ウェスターンブロット分析のために6−ウェルプレートに接種した。細胞を24時間、付着し、そして次に、次の濃度で化合物(1)により処理した:0.1 , 0.25, 0.5, 1 , 2.5 及び 5 μM。細胞を72又は120時間インキュべートし、そしてFACS分析のために集めた。
試験用品
試験化合物(1)を、100%ジメチルスルホキシド(DMSO)(Sigma)に、10mMで溶解し、そしてガラスバイアルに−20℃で貯蔵した。
5−投与及びウェスターンブロット分析
A549細胞を、冷PBSによりプレートを洗浄し、そしてサンプル緩衝液(1:1の水:5%2−β−メルカプトエタノールを含む2×トリス−グリシンSDSサンプル緩衝液(Invitrogen, Carlsbad, CA))を、プレート上に直接添加することにより集めた。使用される溶液緩衝液の体積は約100μl/1×105個の細胞であった。タンパク質を、5分間の煮沸により変性し、4〜20%トリス−グリシンゲル(Invitrogen)を用いてSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分解し、そして0.45μmのニトロセルロース膜(Invitrogen)上でエレクトロブロッティングした。膜をブロッキング緩衝液(PBS/0.1%Tween20中、5%ミルク)により室温で1時間、阻止し、続いて4℃で一晩、第1抗体と共にインキュベートした。
膜を洗浄し、そして室温で30分間、第2抗体と共にインキュベートした。免疫検出を、増強された化学発光(ECL Plus, Amersham Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ)を用いて実施した。ウェスターンブロットに関しては、前ICNを、1:1000の希釈度で、Cell Signaling(#2421)からの分解されたノッチ−1(Val1744)抗体を用いて検出し、Hes1を、1:1000の希釈度で、US Biological (#H2034-35)からのHes1抗体を用いて検出し、そしてアクチンを1:10,000の希釈度で、Sigma(#5316)からのアクチン抗体を用いて検出した。
細胞周期分析
細胞を化合物(1)と共に72又は120時間インキュベートし、スクラッピングにより収穫し、リン酸緩衝溶液(PBS)により2度、洗浄し、1.5×103rpmで回転沈降し、そして-20℃で一晩、70%エタノールにより固定した。次に、細胞を、MRM2−FITC及びヨウ化プロピジウム(PI)二重染色(Becton Dickinson, San Jose, CA)を用いて分析した。手短に言及すると、細胞を、0.05%Tween-20を含む冷PBS(PBST)により2度、洗浄し、抗-ホスホ Ser/Thr MPM2 抗体 (#05-368, Upstate/Millipore, Bullehca, MA)と共に2時間インキュベートし、PBSTにより再び洗浄し、第2IgG-FITC抗体 (#AP308F, Chemicon, Temecula, CA)と共に暗室においてインキュベートし、PBSTにより洗浄し、そして37℃で、さらに30分間、PI/RNase 溶液 (Becton Dickinson, San Jose, CA)と共にインキュベートした。
サンプルを、488nmのアルゴンイオンレーザーを備えたFACScan流動細胞計測法(Becton Dickinson, San Jose, CA)上で分析した。グリーンフルオレセインイソチオシアネート(FITC)蛍光を、対数型増幅を用いて、530/30nmバンドパスフィルターにより集め、そしてヨウ化プロピジウム(PI)からのオレンジ色放出を、線状増幅を用いて、585/42nmバンドパスフィルターを通して濾過した。最少20,000の現象を、個々のサンプルに対して集めた。DNAヒストグラムの細胞周期分析を、FlowJo ソフトウエア (Tree Star Inc., Ashland, OR)により実施した。
ノッチプロセッシングのウェスターンブロット分析
γ−セクレターゼによるノッチ受容体分解に続くICNタンパク質の形成は、ノッチシグナル化における決定的段階である。ICNは、Hes1を含む種々の標的遺伝子の転写を調節する大きな転写複合体の一部に成る核に移動する。腫瘍細胞系におけるICN発現及びノッチ標的遺伝子生成物、すなわちHes1の低下を、ウェスターンブロットによりモニターした。化合物(1)は、ヒトNSCLC A549細胞における5日の処理の後、組織培養物における平らにされた及び低く形質転換された腫瘍細胞表現型を誘発するICNの生成を制御する。その形態学は、組織培養において増殖された非形成転換気管支上皮細胞に類似する。比較を、目視比較のためにCloneticsウェブサイトから入手した。このデータは、腫瘍細胞における阻害γ−セレクターゼと一致する。化合物処理に続くアポプトシス表現型の出現は観察されなかった。
細胞周期分析
FACS分析を用いて、化合物(1)処理に続く細胞周期阻害効果を理解した。A549細胞を、上昇する濃度の化合物(1)により72及び120時間、処理した。FACS分析は、下記に概略されるように、細胞周期進行に対してはほとんど効果を示さず、そして72及び120時間で5μMで遅延する低い細胞周期を有する。
FACS分析の定量化
Figure 2011509273
結論
化合物(1)は、腫瘍細胞増殖を阻止せず、またはアポプトーシスを誘発もしないが、しかし代わりに、低く形質転換され、より平らにされ、そして遅く増殖する表現型を生成する。この機構は、ノッチ阻害と一致する。化合物(1)は、ウェスターンブロットによりICN発現の低下により測定されるように、ノッチプロセッシングを低める。これは、ウェスターンブロットによりまた測定される、転写標的遺伝子生成物、すなわちHes1の低められた発現を導く。
例3
化合物(1)の投与に続くA549異種移植片ウェスターンブロット分析
化合物(1)は、腫瘍細胞(1)におけるノッチシグナル化のγ−セクレターゼ生成阻害活性の有能且つ選択的インヒビターである。細胞及び細胞フリーアッセイにおける化合物(1)のIC50は、種々のタイプ(受容体、イオンチャネル、酵素)の75の他の結合部位に関して観察される2以上のlog単位選択性を有する低いnモル範囲で存在する。化合物(1)の増殖阻害活性は複雑である。化合物(1)は、腫瘍細胞増殖を阻止することも又はアポプトーシスを誘発することもできないが、しかし代わりに、低く形質転換された、より平らにされた遅い増殖表現型を生成する。この機構は、ノッチ阻害と一致する。
化合物(1)により処理された腫瘍は、低められたレベルの細胞外マトリックスタンパク質コラーゲンタイプ5及び高められたレベルのMFAP5を有する。さらに、ノッチプロセッシングは、ICN及びノッチ−1受容体発現の欠失により測定されるように、腫瘍細胞において阻害される。A549異種移植片を担持するマウスが1日当たり60mg/kgまでの化合物(1)を投与される場合、ICN及びノッチ−1は変化する。これは、たぶん、効能研究の間、反復投与に続く暴露の欠失、又は腫瘍内での不良は化合物分布のためである。
成長及び組織リモデリングの間、多分化能幹細胞は、非増殖性の特殊化された細胞型をもたらすために、分化細胞のための源として作用する。それらの幹細胞の特徴と、腫瘍の急速な制御されていない増殖との間の連鎖が明白になっている。主要成長シグナル化軸の1つは、ノッチ経路である。ノッチシグナル化は、成熟多分化能幹細胞の成長及び自己−再生の間、前駆体細胞の分化に介在することにより細胞−運命を調節する。ノッチは、多分化能の急速に増殖する状態で前駆体細胞を維持するよう機能する。ノッチ遺伝子増幅、染色体トランスロケーション又は突然変異誘発は、高められたノッチシグナル化を導き、それにより、腫瘍細胞を、幹細胞様増殖状態で維持することにより、腫瘍増殖利点を付与する。
膜内プロセッシングは、膜受容体活性化及びシグナル化のための出現するテーマである。γ−セクレターゼは、いくつかのシグナル化受容体、例えばノッチ(γ−セクレターゼにより処理されるタンパク質の他の例は、アミロイド前駆体タンパク質[APP]、CD44幹細胞マーカー及びHER4[ErbB4])の膜内タンパク質分解プロセッシングにおいてキー酵素である。ノッチのγ−セクレターゼプロセッシングは、ICNと呼ばれる活性形を生成する。このタンパク質は、核にトランスロケートし、そして大きな転写体、例えばキー増殖−及び分化−特異的遺伝子の発現を直接的に変えるCSL転写レギュレーターの一部を形成する。γ−セクレターゼ阻害を通してのノッチシグナル化の阻止は遅く増殖する、低い形質転換された表現型を、ヒト癌細胞においてインビボで生成する。このタイプの新規処理アプローチは従来の細胞毒性薬物の強い副効果を伴わないで、より管理できる疾患に癌をするための可能性を保持する。
材料及び方法
試験用品
試験化合物(1)を、100%ジメチルスルホキシド(DMSO)(Sigma)に、10mMで溶解し、そしてガラスバイアルに−20℃で貯蔵した。
腫瘍収穫及びウェスタンブロット分析
A549腫瘍担持のヌードマウスに、21日間、示される容量で、毎日の経口スケジュールに基づいて投与した。個々のグループからの3種のA549腫瘍を、剖検及びフラッシュ凍結の時点で集めた。タンパク質抽出物を、腫瘍に対して直接的にサンプル緩衝液(1:1の水:5%2−β−メルカプトエタノールを含む2×トリス−グリシンSDSサンプル緩衝液(Invitrogen, Carlsbad, CA))を添加することにより調製し、そしてエッペンドルフ型乳棒の助けにより破壊した。使用される溶液緩衝液の体積は約100μl/1×106個の細胞であった。タンパク質を、5分間の煮沸により変性し、4〜20%トリス−グリシンゲル(Invitrogen)を用いてSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分解し、そして0.45μmのニトロセルロース膜(Invitrogen)上でエレクトロブロッティングした。
膜をブロッキング緩衝液(PBS/0.1%Tween20中、5%ミルク)により室温で1時間、阻止し、続いて4℃で一晩、第1抗体と共にインキュベートした。膜を洗浄し、そして室温で30分間、第2抗体と共にインキュベートした。免疫検出を、増強された化学発光(ECL Plus, Amersham Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ)を用いて実施した。ウェスターンブロットに関しては、前ICNを、1:1000の希釈度で、Cell Signaling(#2421)からの分解されたノッチ−1(Val1744)抗体を用いて検出し、全ノッチ−1を、1:1000の希釈度で、Santa Cruz Biotechnology(#SC-6014)からのノッチ-1 C-20抗体を用いて検出し、Hes1を、1:1000の希釈度で、US Biological (#H2034-35)からのHes1抗体を用いて検出し、アクチンを1:10,000の希釈度で、Sigma(#5316)からのアクチン抗体を用いて検出し、タイプVコラーゲンを、1:1000の希釈度でSanta Cruz biotechnology (#20648)からのH−200抗体を用いて検出し、そしてMFAP5を、1:1000の希釈度でAbnova (#H00008076-A01 )からのMFAP5抗体を用いて検出した。
異種移植片ウェスターンブロット分布
γ−セクレターゼインヒビター処理されたA549異種移植片腫瘍のマイクロアレイ分析は、細胞外マトリックス変更と一致するRNA発現変化を示した。化合物(1)により処理された腫瘍を、ウェスターンブロット分析のために調製した。タイプVコラーゲン発現は有意に低められ、ところがMFAP5タンパク質発現は高められた。ノッチ−1タンパク質レベル及びICNの発現はすべての動物グループにおいて低められたが、但し最高の用量グループを除く。タイプVコラーゲン及びMFAP5は、細胞外マトリックスを構成する構造タンパク質である。タイプVコラーゲン発現はしばしば、低められ、そしてMFAP5発現はしばしば、より分化された組織において高められる。このデータは、A549腫瘍細胞におけるノッチ−1阻害がより分化された表現型を導く作業仮説と一致する。
結論
化合物(1)により処理された腫瘍は、細胞外マトリックスタンパク質タイプ5コラーゲンの低められたレベル及びMFAP5の高められたレベルを有する。さらに、ノッチプセッシングは、ICN及びノッチ−1受容体発現の欠失により測定されるように、腫瘍細胞において阻害される。A549異種移植片を担持するマウスが1日当たり60mg/kgまでの化合物(1)を投与される場合、ICN及びノッチ−1は変化した。これは多分、効能研究の間、反復投与に続く暴露の欠失、又は腫瘍内での不良な化合物分布のためであった。
例4
化合物(1)による投与の後、MDA−MB−468乳癌細胞における軟寒天増殖能力の損失
化合物(1)は、腫瘍細胞におけるノッチシグナル化のγ−セクレターゼ生成阻害活性の有能且つ選択的インヒビターである。細胞及び細胞フリーアッセイにおける化合物(1)のIC50は、種々のタイプ(受容体、イオンチャネル、酵素)の75の他の結合部位に関して観察される2以上のlog単位選択性を有する低いnモル範囲で存在する。化合物(1)の増殖阻害活性は複雑である。化合物(1)は、腫瘍細胞増殖を阻止することも又はアポプトーシスを誘発することもできないが、しかし代わりに、低く形質転換された、より平らにされた遅い増殖表現型を生成する。この機構は、ノッチ阻害と一致し、そして標準EC50値の収集を妨げる。化合物(1)は軟寒天におけるMDA−MB−468コロニーのサイズを低める。
成長及び組織リモデリングの間、多分化能幹細胞は、非増殖性の特殊化された細胞型をもたらすために、分化細胞のための源として作用する。それらの幹細胞の特徴と、腫瘍の急速な制御されていない増殖との間の連鎖が明白になっている。主要成長シグナル化軸の1つは、ノッチ経路である。ノッチシグナル化は、成熟多分化能幹細胞の成長及び自己−再生の間、前駆体細胞の分化に介在することにより細胞−運命を調節する。ノッチは、多分化能の急速に増殖する状態で前駆体細胞を維持するよう機能する。ノッチ遺伝子増幅、染色体トランスロケーション又は突然変異誘発は、高められたノッチシグナル化を導き、それにより、腫瘍細胞を、幹細胞様増殖状態で維持することにより、腫瘍増殖利点を付与する。
膜内プロセッシングは、膜受容体活性化及びシグナル化のための出現するテーマである。γ−セクレターゼは、いくつかのシグナル化受容体、例えばノッチ(γ−セクレターゼにより処理されるタンパク質の他の例は、アミロイド前駆体タンパク質[APP]、CD44幹細胞マーカー及びHER4[ErbB4])の膜内タンパク質分解プロセッシングにおいてキー酵素である。ノッチのγ−セクレターゼプロセッシングは、ICNと呼ばれる活性形を生成する。
このタンパク質は、核にトランスロケートし、そして大きな転写体、例えばキー増殖−及び分化−特異的遺伝子の発現を直接的に変えるCSL転写レギュレーターの一部を形成する。γ−セクレターゼ阻害を通してのノッチシグナル化の阻止は遅く増殖する、低い形質転換された表現型を、ヒト癌細胞においてインビボで生成する。このタイプの新規処理アプローチは従来の細胞毒性薬物の強い副効果を伴わないで、より管理できる疾患に癌をするための可能性を保持する。
材料及び方法
細胞系及び培養物
MDA-MB-468細胞系は、American Tissue Culture Collection (ATCC),Manassas, VAから入手され、そして10%熱不活性化されたウシ胎児血清(HI-FBS; GIBCO/BRL, Gaithersburg, MD)及び2mMのL−グルタミン(GIBCO/BRL)により補充されたRPMI培地において維持された。
試験用品
試験化合物(1)を、100%ジメチルスルホキシド(DMSO)(Sigma)に、10mMで溶解し、そしてガラスバイアルに−20℃で貯蔵した。
軟寒天コロニー形成アッセイ
足場−非依存性増殖アッセイに関しては、0.5%低溶融温度SeaPlaqueアガロース(#50100、Cambrex, Rockland, ME)を含む、2mlの細胞型特異的完全培地(20%ウシ胎児血清(FBS)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、1%ピルビン酸ナトリウム、1%HEPESにより補充されたRPMI培地)の低層を、6−ウェルプレートの個々のウェルに注いだ。寒天培地が室温で固化した後、3×103個の細胞/ウェルを、0.3%SeaPlaqueアガロースを含む、上記のような完全培地0.5mlに添加した。0、100又は250nMのいずれかの化合物(1)を含む培地1mlを、次の日、細胞に添加した。細胞を4週間インキュベートし、コロニーの形成を可能にし、化合物を含む培地を週2度、交換した。
軟寒天増殖
化合物(1)は、腫瘍細胞におけるノッチシグナル化のγ−セクレターゼ生成阻害活性の有能且つ選択的インヒビターである。化合物(1)の増殖阻害活性は複雑である。化合物(1)は、腫瘍細胞増殖を阻止することも又はアポプトーシスを誘発することもできないが、しかし、低く形質転換された、より平らにされた遅い増殖表現型を生成する。軟寒天におけるコロニー形成能力は、腫瘍細胞増殖において決定的な現象を表す。非形質転換細胞及び不完全な腫瘍形成細胞は、軟寒天にプレートされる場合、増殖しない。対照的に、高い腫瘍形成細胞は軟寒天条件下で急速に増殖し、大きなコロニーを生成する。形質転換された表現型に対する化合物(1)の効果を、軟寒天における増殖能力を測定することにより、ヒト乳癌細胞系MDA−MB−468において評価した。化合物(1)は、用量−依存性態様でコロニー増殖を低めた(250nM>100nM>対照)。
結論
化合物(1)は、腫瘍細胞増殖を阻止しないが、しかし軟寒天においてMDA−MB−468コロニーのサイズを低める。これは、MDA−MB−468乳癌細胞における化合物(1)による低い形質転換表現型の誘発と一致する。
例5
A549非小細胞肺癌異種移植片を担持するヌードマウスにおけるγ−セクレターゼインヒビター化合物(1)の1日1度又は2度の経口投与の耐性及び効能
化合物(1)は本来、アルツハイマー病の処理のためのγ−セクレターゼの有能且つ高い選択性のインヒビターである。インビトロで、化合物(1)はnM濃度でノッチ活性化及びプロセッシングを阻害し、そして培養における腫瘍細胞への化合物(1)の添加は低い形質転換性表現型を誘発し、そして軟寒天における増殖を阻止する。インビボで、化合物(1)は、良好な経口生物利用能、及び齧歯動物、イヌ及びヒトにおいて好ましい薬物動力学的プロフィールを有する。
現在の研究においては、A549非小細胞肺癌(NSCLC)異種移植片を担持するヌードマウスに、化合物(1)を、21日の処理サイクルから7、14又は21日に、1日1度又は2度、経口投与した。1日2度の投与に関しては、7日間、60mg/kg、14日間、30mg/kg及び21日間、10mg/kgの最大耐性用量(MTD)が同定された。1日1度の投与に関しては、14日間、60mg/kg又は21日間、30mg/kgの最大耐性用量が示された。60mg/kgの化合物(1)が21日サイクルからわずか7日間、投与される場合(7+/14−)、腫瘍後退が最初に観察され、そして処理を伴わないでの14日後、%腫瘍増殖阻害(TGI)は、ビークル処理された対照動物に比較して、まだ91%であった。
さらに、14(14+/7−)又は21日間、毎日1度又は2度与えられる低い用量の化合物(1)(3mg/kg、10mg/kg及び30mg/kg)は、66−83%の範囲の%TGIを伴って、21日の最後で有意で且つ持続する腫瘍増殖阻害をもたらした。化合物(1)の1日1度の投与は、用量依存性を伴って、14+/ 7−又は21日の範囲スケジュールによる1日2度の処理と同じほど効果的であった。さらに、短い投与期間(7+/14−又は14+/7−)は、完全な21日間の投与と同じほどA549腫瘍増殖の阻害において効果的であった。このデータは、γ−セクレターゼインヒビター化合物(1)の投与を通してのノッチ阻害が癌の処理のための効果的な臨床学的治療である発想を支持する。
ノッチシグナル化経路は、前駆体及び多分化能幹細胞における分化、増殖及びアポプトーシスの調節を通しての成長の間の細胞運命の決定に包含される。遺伝子増副、染色体トランスロケーション又は突然変異誘発によるノッチシグナル化成分の異常調節が、多くのタイプの悪性、例えば白血病、髄芽腫及びグリア芽腫、乳癌、頭及び頸部癌及び膵臓癌において影響を与えて来た。例えば、ノッチは造血システムにおける細胞の系統の決定において役割を演じ、そしてノッチ−1突然変異の活性化は、すべてのT−細胞ALLの約半分を担当していることが示された(急性リンパ芽球性白血病)。ノッチシグナル化経路は、ノッチ受容体(ノッチ受容体1−4)から構成され、リガンド(デルタ−様−1、−3、−4、Jaggne−1及び−2)の結合及びタンパク質分解を通しての活性化に基づいて、核にトランスロケートし、ここでそれらは標的遺伝子のための転写活性化因子として作用する。
γ−セクレターゼは、ノッチ受容体の分解及び活性化を担当できる2種のキー酸素の1つである。γ−セクレターゼによる細胞内ノッチ(ICN)の酵素分解は、Hes、Hes関連bHLHリプレッサー、Hey、HERP、細胞周期レギュレーター(p21、サイクリンA、サイクリンD1)、SKP2、NF−κB、AKT、PI−3K、erbB2, β−カテニンの転写因子、及びアポプトーシス工程のレギュレーターを包含する下流腫瘍遺伝子標的物の転写を導く核へのICNのトランスロケーションを可能にする。Ras腫瘍因子は、野生型ノッチシグナル化、すなわち悪性へのRas−介在性形質転換のための明白な必要条件を活性化できる。最近の現象は、腫瘍細胞からのノッチシグナル化が隣接する内皮細胞のノッチ活性化を誘発し、結果的に、腫瘍形成及び脈管形成を促進することを示唆している。従って、ノッチ活性を標的化するγ−セクレターゼインヒビターは、異なった癌タイプにおいて多面発現性効果を有する。
ノッチプロセッシングの他に、γ−セクレターゼはまた、β−アミロイド前駆体ペプチド(APP)、すなわちアルツハイマー病の処理における標的物のプロセッシングを担当することができる。γ−セクレターゼを標的化する小分子は、APP対ノッチのプロセッシングを阻止するためのいくらかの程度の選択性を有することが示されている。現在臨床学的に先導する化合物(1)がアルツハイマー病のために開発されたが、しかしAPP対γ−セクレターゼの阻害のための十分な特異性を欠いている。正常細胞におけるノッチ標的化の結果は、アルツハイマー指標のために不適切であると思われるが、しかし腫瘍学のためには許容できる。例えば、γ−セクレターゼインヒビターにより投与されるFischerラットにおける毒物学的研究は、粘膜分泌性杯状細胞の高められたサイズ及び数をもたらすノッチ経路活性化封鎖を示した。
化合物(1)は高い選択性で且つ有能なγ−セクレターゼのインヒビターである(IC50=4nM)。ノッチシグナル化経路及び癌の異常調節に連鎖する多くのデータを認識すると、クロス療法が癌療法剤としてγ−セクレターゼインヒビターを利用するために使用された。化合物(1)は、nモル範囲で、ヒトAbetaタンパク質生成(IC50=4-14nM)及び、細胞受容体アッセイにおけるノッチ活性/プロセッシング(IC50=5nM)を阻害する。化合物(1)は、適度〜高い経口生物利用能を伴って、マウスにおいて好ましい薬物運動学的プロフィールを有する。
現在の研究においては、化合物(1)を、ヌードマウスにおけるA549 NSCLCヒト異種移植片モデルに対するその抗腫瘍活性について評価した。A549細胞は、受容体、リガンド及び下流のエフェクター、例えばHes-1及びHey1が発現されるので(PCR−に基づく遺伝子発現プロフィーリングにより評価される場合)、機能的ノッチシグナル化経路を有するように思える。A549細胞はノッチ経路において少なくとも1つの同定できる欠陥を有し;負のレギュレーターNumbは低いレベルでのみ発現される。インビトロで、nM濃度の化合物(1)は、A549細胞における低い形質転換表現型、及びMDA−MB−468乳癌細胞に関する軟寒天での増殖の欠失を誘発し、これはノッチ活性化の機能的阻害と一致する。インビボでの化合物(1)の抗腫瘍効果を試験するために、本研究において、化合物(1)を、A549異種移植片を担持する雌の無胸腺nu/nu(ヌード)マウスに、21日スケジュールから7、14又は21日間、1日1度(qd)又は2度(bid)投与した。
材料及び方法
動物
Charles River Laboratories (Wilmington, MA)から入手された雌のヌードマウス(10匹/グループ)を、それらが生後的13〜14週で、及び約23〜25gの体重で使用した。動物の健康は、実験動物の全体的観察により、及び共有される棚ラック上に収容される歩哨動物の血液サンプルの分析により毎日、決定された。すべての動物は、実験使用の前、最少72時間、いずれの輸送関連ストレスから順応され、そして回復された。オートクレーブされた水及び照射された食物(5058-ms Pico chow (mouse) Purina, Richmond, IN)は自由に供給され、そして動物は12時間の明及び暗サイクル上で維持された。かご、敷物及び水のボトルは使用の前オートクレーブ処理され、そして毎週、交換された。
腫瘍
A549ヒトNSCLC細胞をATCC(Manassas, VA)から購入し、そして10%(v/v)FBSを有するRPMI1640培養培地において培養した。細胞は、Oncology In Vivo Section (OIVS)のメンバーにより増殖され、そして収穫された。個々のマウスは、8/17/06 OIVSのメンバーにより右後部側面に皮下移植される、0.2mlのPBS(リン酸緩衝溶液)中、7.5×106個の細胞を受けた。
試験剤
化合物(1)を、経口(po)投与のために0.2%Tween-80を含む、水中、1.0%Klucelにおける懸濁液として配合した。化合物(1)を、取り出し及び投与の前、激しく混合した。配合される化合物及びビークルを、下記のようにして、毎週、調製し、そして4℃で貯蔵した。
Figure 2011509273
ランダム化
25日目、後−腫瘍移植動物を、腫瘍体積に従ってランダム化し、その結果、すべてのグループは、約100−150mm3の類似する開始平均腫瘍体積を有した。
研究企画
用量グループは下記に示される。
Figure 2011509273
Figure 2011509273
処理
処理は、9/12/06で開始した(腫瘍細胞移植後26日)。化合物(1)及びビークルは、21日スケジュールから7,14又は21日間、8時間、間隔を開けて1日1度(qd)又は2度(bid)、無菌の1cc注射器及び18ゲージの強制飼養針(0.2ml/動物)を用いて、懸濁液として投与された。7日間(7+/14−)投与された動物に関しては、処理は9/19/06(腫瘍細胞移植後33日)で終わった。それらのマウスは、74日目で、さらに7日間、同じ用量の化合物(1)により67日目に再処理された。14日間(14+/7−)投与された動物に関しては、処理は9/26/06(腫瘍細胞移植後40日)で終わり、そして21日間投与される動物に関しては、処理は10/3/06(腫瘍細胞移植後47日)で終わった。
病理学/剖検
動物に、腫瘍細胞増殖の評価のために安楽死の2時間前、1mlの無菌水中、1mgのBrdU(ブロモデオキシウリジン)を注射した。動物を、CO2による誘発、続く頸部脱臼により安楽死した。下記のようにビークル処理されたグループ及び選択された化合物(1)により処理されたグループからの腫瘍を集め、そして亜鉛−ホルマリンに一晩、固定し、処理し、パラフィン包埋し、そして組織病理学(形態学的評価のための(ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色、及びBrdU染色)のために切片標本化した。脾臓及び胃腸管の一部を集め、そしてホルマリン固定し、処理し、パラフィン包埋し、切片化し、そしてそれらはγ−セクレターゼインヒビターの2種の既知標的−関連効果ではあるので、辺縁領域のB−細胞消耗及び杯細胞形成の評価のためにH&Eにより染色した。結果は下記に示される。
Figure 2011509273
モニターリング
腫瘍測定及びマウス重量を、1週当たり2度、実施した。すべての動物はそれぞれ、実験に従った。
計算及び統計学的分析
体重減少を、次の式を用いて、平均グループ体重における%変化としてグラフにより表した:((W-W0)/W0)×100、ここでWは特定の日での処理されたグループの平均体重を表し、そしてW0は処理の開始での同じ処理されたグループの平均体重を表す。最大の体重減少をまた、上記式を用いて表し、そして特定グループについて完全な実験の間、いずれかの時点で観察された最大%体重減少を示した。毒性は、20%以上の体重減少及び/又は死亡率を示す所定のグループにおける20%以上のマウスとして定義される。
効能データを、平均腫瘍体積±平均の標準誤差としてグラフにより表した(SEM)。処理されたグループの腫瘍体積を、下記式を用いて、対照グループの腫瘍体積の%(%T/C)として表した:100×((T−T0)/(C-C0))、ここでTは実験の間、特定の日での処理されたグループの平均腫瘍体積を表し、T0は処理の第1日、同じ処理されたグループの平均腫瘍体積を表し;Cは実験の間、特定日での対照グループの平均腫瘍体積を表し、そしてC0は処理の第1日、同じ処理されたグループの平均腫瘍体積を表した。腫瘍体積(mm3)を、次の楕円面式を用いて計算した:(D×(d2))/2、ここでDは腫瘍の大きな方の直径を表し、そしてdは小さな方の直径を表す。
ある場合、腫瘍後退及び/又は腫瘍体積の%変化を次の式を用いて計算した:((T-T0)/T0)×100、ここでTは特定日での処理されたグループの平均腫瘍体積を表し、そしてT0は処理の開始での同じ処理されたグループの平均腫瘍体積を表す。統計学的分析を、順位和検定及びOne Way Anova、及びpost-hoc Bonferroni t-test (SigmaStat, version 2.0, Jandel Scientific, San Francisco, CA)により決定した。グループ間の差異は、確立値(p)が≦0.05である場合、有意であると見なされた。
薬物暴露
慢性薬物暴露を評価するために、血液サンプルを、最後の投与の後、0.5、1,2,4,8及び24時間で、10mg/kgの化合物(1)グループ(qd×21日)からの時点当たり2匹から集めた。急性薬物暴露を評価するために、ヌードマウスの純粋グループに、最後の研究日、10mg/kgの化合物(1)を1度、投与した。血漿サンプルを調製し、そしてLC/MS/MSにより化合物(1)について分析した。
平均血漿濃度を、2匹の動物/グループ/時点から計算した。定量化の限界以下の濃度(12.5ng/ml以下)を有する血漿サンプルをゼロに設定した。薬物動物学パラメーターを、平均血漿濃度データから評価した。サンプリング時間は、公称時間として報告された。報告される薬物動力学パラメーターは、最大血漿濃度(Cmax)、0〜8時間での血漿濃度−時間の曲線下の面積(AUC0-8hr)、及び用量標準化されたAUC(AUC0-8hr/用量)である。Cmax値を、いずれの推定も伴わないで、最初の時点での血漿濃度−時間プロフィールから直接取った。AUCを、直線的な台形法則を用いて計算した。
慢性的に投与されるマウスにおいては、10mg/kgの用量が708ng*時/mlのCmax及び923ng*時/mlのAUC0-8hrを生成した。純粋なマウスにおける単一の投与はそれぞれ、559ng*時/ml及び1279mg*時/mlのCmax及びAUC0-8hrを伴って、類似する暴露を提供し、これは、慢性的投与に基づいて、薬物蓄積も低下する暴露も存在しなかったことを示唆する。結果は下記に与えられる。
薬物暴露の要約:
Figure 2011509273
結果
毒性
前の最大耐性用量(MTD)研究においては、14日間、純粋なヌードマウスに1日当たり2度、投与される90mg/kgの化合物(1)は毒性であり、そして有意な体重減少をもたらし、ところが1日1度、投与される90mg/kgは許容された。現在の研究においては、1日2度、投与される60mg/kgの化合物(1)は、7日を越えては許容されず、そして1日1度の投与は14日を越えては許容されなかった。動物が21又は14日間、1日2度、60mg/kgで投与される場合、7及び4匹のマウスが個々の処理グループから死亡し、そしてほとんどの動物は死亡の前、進行する体重減少を示す。動物が21日間、1日1度、投与される場合、3匹のマウスが死亡した。14日間、1日1度又は7日間、1日2度の60mg/kgの用量は十分に許容され、そして相当な体重減少又は毒性のほかの臨床学的徴候は存在しなかった。
30mg/kgの用量は21日間、1日1度の投与に対して許容され、しかしながら、21日間、1日2度の30mg/kgの用量は、2匹の動物の死を伴って、毒性であった。1日1度又は2度、投与される30mg/kgの用量は14日、十分に許容され、そして相当な体重減少又は毒性の他の臨床学的徴候は存在しなかった。30mg/kgよりも低い用量(すなわち、10又は3mg/kg)はすべての投与スケジュールで許容され、そして毒性の全体的な臨床学的徴候は観察されなかった。
抗腫瘍効能
A549 NSCLC異種移植片を担持するヌードマウスへの21日スケジュールの7、14又は21日間の1日1度又は2度の化合物(1)の経口投与は、ビークル処理された動物に比較して、処理期間を十分に超えて続く増殖抑制を伴って、有意な腫瘍増殖阻害(TGI)をもたらした。%腫瘍増殖阻害を、47日目に計算し、前記日は、21−日処理グループに関する処理の最終日、14−日処理グループに関する処理後7日(14+/7−)、又は7−日処理グループに関する処理後14日(7+/14−)であった。
14+/7−スケジュールで1日当たり1度又は2度、処理されるすべてのグループは、有意な腫瘍増殖阻害をもたらし、そして増殖抑制は、処理後(63日目)、23日まで続いた。腫瘍移植後47日目、21日サイクルの完結後、1日当たり1度、投与される3mg/kgの最低用量の化合物(1)は、66%TGI(p<0.001)をもたらし、ところが1日当たり2度、与えられる同じ用量は、ビークル処理された対照動物(p<0.001)に比較して、83%のTGIをもたらした。1日当たり1度の10mg/kgの用量は77%TGI(p<0.001)をもたらし、そして1日2度与えられる同じ用量は80%TGI(p<0.001)をもたらした。1日1度の60mg/kg又は1日2度の30mg/kgの最大の許容される用量で、それぞれ88%及び79%のTGIが観察された(p<0.001)。1日当たり1度の30mg/kgの用量が与えられる場合、79%TGIが、ビークル処理された対照動物に比較して、得られた(p<0.001)。
マウスが7+/14−スケジュールで1日当たり2度、60mg/kgの化合物(1)により処理される場合、処理は最初に、確立されたA549腫瘍の抗体を引き起こし、ところが腫瘍移植後47日目での21日サイクルの最後で、腫瘍増殖阻害がまだ、ビークル対照マウスに比較して、91%であった。腫瘍増殖の阻害は、処理後34日まで(67日目)、延長し、そして持続した。67日目、それらのマウスを、74日目まで、第2サイクル(7日)で同じ用量の化合物(1)により再処理した。腫瘍増殖は、90日目まで阻害され続けた。
類似する結果が、化合物(1)が連続的に21日間、1日1度又は1日2度、投与される場合、観察され、そして処理は、腫瘍移植後47日目に終結した。21日の処理後、3mg/kgの1日当たり1度の化合物(1)は76%TGI(p=0.002)をもたらし、そして1日2度の投与は83%TGI(p<0.001)をもたらした。14+/7−スケジュールに類似して、21日間10mg/kgにより処理されたマウスは、ビークル処理された対照に比較して、1日1度及び2度の処理グループに関して、それぞれ、70%(p=0.004)及び72%(p=0.003)のTGIをもたらした。1日当たり2度の30mg/kgの用量は毒性であるが、それは1日当たり1度の投与により十分に許容され、そしてA549腫瘍増殖は、ビークル処理されたマウスに比較して、66%(p=0.009)阻害された。すべての21−日処理グループに関して、腫瘍増殖の阻害は、処理後16日まで(63日目)、延長され、そして持続されたままであった。
γ−セクレターゼインヒビター化合物(1)が14+/7−、又は完全な21日処理スケジュールで、1日当たり1度又は2度、投与されても、腫瘍増殖阻害に関して観察される用量応答の一般的な欠失が存在したことは注目すべきである。例えば、化合物(1)が3又は10mg/kgで21日間、1日1度、投与される場合、得られる%TGIは、それぞれ76%及び70%TGIを伴って、非常に類似し、そして用量比例的ではなかった。同じ用量の化合物(1)が21日間、1日2度(1日当たり与えられる薬物の量の2倍)投与される場合、%TGIは比例的に上昇せず、それぞれ83%及び72%のTGI対76%及び70%のTGIを有した。
増殖する前臨床学的現象は、γ−セクレターゼを標的化することによるノッチ経路の不活性化が癌の処理のための実行可能で且つ信頼できる手段であり得ることを示した。ノッチシグナル化経路の異常調節が、白血病、T-ALL、髄−及びグリア芽腫、乳癌、頭及び頸部癌、膵臓癌及び多くの他の悪性に観察されている。化合物(1)は最初、APPの有能なインヒビターとしてアルツハイマー病のために開発されたが、しかしながら、ここで我々は、ノッチのγ−セクレターゼ介在性プロセッシング及び活性化を通しての癌処理への化合物のクロス療法適用を報告する。
A549 NSCLC細胞へのインビトロでの化合物(1)の添加は、低い形質転換性表現型及び軟寒天での増殖のための能力の欠失を引き起こした。インビボでの化合物(1)の抗腫瘍能力を決定するために、A549 NSCLC異種移植片担持のヌードマウスに、7+/14−、14+/7−又は完全な21日処理スケジュールを用いて、1日当たり1度又は2度、化合物(1)を経口投与した。
1日2度の投与に関しては、7日間、60mg/kg、14日間、30mg/kg、及び21日間、10mg/kgの最大耐性用量(MTD)を同定した。1日1度の投与に関しては、14日、60mg/kg又は21日間、30mg/kgの最大耐性の用量が示された。MTD以上の用量及びスケジュールは、標的物−関連の胃腸毒性と一致する、体重減少及び死亡率をもたらした。γ−セレクターゼインヒビター処理による腸陰窩の初期組織学的試験は、杯細胞分化の劇的上昇(ノッチシグナル化経路を標的化する既知の効果)を示した。
γ−セクレターゼインヒビター化合物(1)が、7+/14−投与スケジュールを用いて60mg/kgで1日2度、投与される場合、腫瘍後退が最初に、21日サイクルの最後で91%のTGIを伴って観察され、そして増殖抑制がさらに数週間、続いた。処理から34日後、化合物(1)による投与の第2サイクルの再開始が腫瘍増殖の抑制を続けた。さらに、14+/7−又は完全な21日スケジュールで1日1度又は2度、与えられる化合物(1)のすべての他の用量(3 mg/kg、10 mg/kg及び30 mg/kg)は、それぞれ40又は47日目、処理の終結以上に十分に続く有意な腫瘍増殖阻害をもたらした。それらのデータは、化合物(1)による投与のより短い回期間(すなわち、7又は14日)が、より長い期間(すなわち、21日)投与するのと、A549腫瘍の阻害において同じくらい効果的であり得ることを示す。
多くの場合、化合物(1)の最大抗腫瘍効果は、化合物の投与の停止の後、遅延され、そしてより明らかであった。この前臨床学的抗腫瘍プロフィールは、最大の腫瘍増殖阻害が一般的に、処理期間、観察され、そして処理の停止後、腫瘍はすばやく再増殖し始める、従来の細胞毒性剤とはまったく異なる。ノッチは、正常及び癌幹細胞において発現されることが知られており、そしてここで観察される、遅延された抗腫瘍効果は、癌幹細胞が標的化される場合、腫瘍収縮における理論的に予測される遅延を思い出される。低い(しかし、決定的な)割合の腫瘍細胞集団のみが標的化されるので、癌幹細胞が腫瘍細胞において、最終的に分化されるか、又は殺害されると、残る細胞は自己再生のための能力を欠き、そして腫瘍体積は安定したまま存続するか、又は徐々に低下する。
21日間、1日1度投与される、3、10又は30mg/kgでの類似する%TGIを伴って、腫瘍増殖阻害に関して観察される用量比例性の一般的欠失が存在した。TGIのわずかな上昇が、毎日の用量が1日2度、投与されるがグループにおいて二倍にされる場合に観察された。現在の研究の最後で10mg/kgの化合物(1)を、急性的に投与されたマウス−対−慢性的に投与されたマウスにおける血漿暴露の比較は類似する暴露を示し、このことは、用量比例性の欠如を説明できる時間にわたっての暴露の損失は存在しなかったことを示唆する。さらに、ヌードマウスにおける独立したPK研究(PK#1128)は、30mg/kgまでの用量への血漿暴露に関して卓越した用量比例性を示した[18]。従って、腫瘍増殖阻害に関する用量比例性の欠如は、たぶん血漿暴露の飽和のためではない。それらの結果は、%TGIが暴露に比例せず、そして変わりに、急速に増殖する細胞よりもむしろ標的化癌幹細胞のユニーク性質を表すことができるか、又は単純に、生物学的限界効果が存在することを示唆する。
H&Eにより染色された腫瘍切片の組織学的分析は、化合物(1)処理による腫瘍細胞表現型にいずれの差異も示さないが、しかしながら、10mg/kgの化合物(1)により21日間、処理されたマウスからの腫瘍は、ビークル処理されたマウスからの腫瘍に比較して、壊死及び細胞マトリックスの高められた領域を有した。
現在の研究の結果は、化合物(1)の毎日の投与が、用量依存性を伴わないで、14+/7−又は21日の処理スケジュールにより1日当たり2度の処理と同じほど効果的であることを示した。さらに、より短い投与期間(7+/14−又は14+/7−)は、完全な21日間の投与と同じほど、A549腫瘍増殖の阻害において効果的であり、そして抗腫瘍効果が処理の終結以上に延長された。それらのデータは、γ−セクレターゼインヒビター、すなわち化合物(1)の投与を通してのノッチ阻害が、癌処理のための効果的手段であり得ることを示した。
例6
非臨床学的薬学の要約
化合物(1)は、腫瘍細胞におけるノッチシグナル化の阻害活性を生成するγ−セクレターゼの有能且つ選択的インヒビターである。化合物(1)は、投与が停止された後、維持される良好なインビボ抗腫瘍活性を生成し、そして組織学的分析は、ノッチシグナル化の阻害と一致するユニーク腫瘍表現型と示す。
細胞及び細胞フリーアッセイにおける化合物(1)のIC50は、種々のタイプ(受容体、イオンチャネル、酵素)の75の他の結合部位に関して観察される2以上のlog単位選択性を有する低いnモル範囲で存在する。化合物(1)の増殖阻害活性は複雑である。化合物(1)は、腫瘍細胞増殖を阻止することも又はアポプトーシスを誘発することもできないが、しかし代わりに、低く形質転換された、より平らにされた遅い増殖表現型を生成する。この機構は、ノッチ阻害と一致し、そして標準のEC50値の収集を妨げる。化合物(1)は、ウェスターンブロットによるICN発現の低下により測定されるので、ノッチプロセッシングを低める。これは、ウェスターンブロットによりまた測定される転写標的遺伝子生成物、すなわちHes1の低められた発現を導く。
インビボ適用においては、化合物(1)は経口投与に続いて活性的である。抗腫瘍活性が体重減少を伴わないで、断続的又は毎日のスケジュールに基づいて5個のうち3個の異種移植片において示された。重要なことには、効能は、投与が停止される場合、維持される。処理されたA549 NSCLC腫瘍の組織学的分析は、壊死の大きな領域、高められた細胞外マトリックスにより特徴づけられる腫瘍表現型を示す。これは、コラーゲンV及びMFAP5タンパク質発現の変化と一致する。
それらの非臨床学的薬理学結果は、腫瘍学における臨床学的研究での化合物(1)のさらなる評価を支持する。
一次薬力学
インビトロに選択性
多数のインビトロアッセイを用いて、化合物(1)の能力及び選択性を特徴づけた。一次インビトロアッセイは、インビトロアッセイとしてγ−セクレターゼ酵素複合体を供給するために、細胞フリーの膜調製物を使用する。化合物(1)は、4nMの能力でγ−セクレターゼ酵素活性を強く阻害する。これは、細胞に基づくレポーターアッセイにおけるアミロイド前駆体タンパク質(APP;14nM)及びノッチ(5nM)の有能なプロセッシング阻害に翻訳する。
APPの細胞プロセッシングを、ELISAに基づく読み取りを用いて測定する。HEK293細胞を、APPを過剰発現するよう構築した。プロセッシングを、A1-40γ−セクレターゼ生成物のELISAに基づく定量化により測定する。細胞性ノッチ阻害活性を、ホタルルシフェラーゼ遺伝子を駆動するVP16/Gal14転写活性化因子に、その細胞内ドメインにおいて融合される切断されたヒトノッチ1を安定して発現するHEK293細胞系を用いて測定する。ノッチプロセッシングの阻害は、その化学発光により測定されるように、ルシフェラーゼレポーター活性の低下をもたらす。
機械的研究
γ−セクレターゼによるノッチ受容体分解に続くICNタンパク質の形成は、ノッチシグナル化における決定的段階である。ICNは、Hes1を含む種々の標的遺伝子の転写を調節するより大きな転写複合体の一部になる核に移動する。腫瘍細胞系におけるICN発現及びノッチ標的遺伝子生成物Hes1の低下を、ウェスターンブロットによりモニターした。化合物(1)は、ヒトNSCLC A549細胞における5日の処理の後、組織培養において平らになった、低形質転換性腫瘍細胞表現型を誘発するICNの生成を抑制する。化合物(1)の処理は、組織培養において平らになった、非形質転換性表現型を生成した。このデータは、腫瘍細胞におけるγ−セクレターゼ阻害と一致する。化合物処理に続くアポプトーシス表現型の出現は観察されなかった。
軟寒天におけるコロニー形成能力は、腫瘍細胞増殖において決定的な現象を表す。非形質転換細胞及び不完全な腫瘍形成細胞は、軟寒天にプレートされる場合、増殖しない。対照的に、高い腫瘍形成細胞は軟寒天条件下で急速に増殖し、大きなコロニーを生成する。形質転換された表現型に対する化合物(1)の効果を、軟寒天における増殖能力を測定することにより、ヒト乳癌細胞系MDA−MB−468において評価した。化合物(1)は、用量−依存性態様でコロニー増殖を低めた(250nM>100nM>対照)。
インビボ評価
前臨床学的抗腫瘍活性を、種々の用量及びスケジュールを用いて、いくつかの異種移植片モデルにおいて試験した。A529 NSCLCモデルにおいては、化合物(1)は、21日間、QD処理されたヌードマウスにおいて統計学的に有意な腫瘍増殖阻害(70%TGI)を付与した(表10)。体重減少を、効能試験の間、長期投与に続いて、化合物(1)の全体的許容性のための代用物として使用した。効能をもたらす暴露(AUC24/日)は、10mg/kgの毎日の経口投与スケジュールに基づいて約1100時・ng/mlであり、そして体重減少をもたらさず又は毒性の臨床学的徴候も示さなかった。暴露の損失は、連続的な毎日の投与に続いて1〜21日目で観察されなかった。この研究の最後で収穫される腫瘍の組織学的分析は、細胞外マトリックスの上昇と共に大きな壊死領域を示した。
化合物(1)は、21日間、毎日のスケジュールでMTD以下で投与されたヌードマウスにおいて敏感である(内因性ノッチシグナル化のレベルに基づいて)ことが予測される、確立された3/4腫瘍モデルにおいて経口的に活性である(表10)。それは、鈍感であることが予測される1/1モデルにおいて不活性である。効果的応答が、腫瘍ノッチ1/ノッチ3発現比と相互関係することができる。ノッチ3は伝えることによれば、核転写因子に対してノッチ1 ICNと競争することにより、ノッチ1の負のレギュレーターとして作用する。予備データは、非応答性異種移植細胞系におけるノッチ3タンパク質の高められた発現、及び感受性細胞系における低められた発現を示す。
化合物(1)は敏感であることが予測される3/4異種移植片モデルにおいて経口活性であり、そして鈍感であることが予測される1/1モデルにおいて不活性である:
Figure 2011509273
A549モデルにおける追加の用量及びスケジュール研究は、体重減少を伴わないで、21日目の処理サイクルからの7日又は14日のBID処理の後、79−91%の統計学的に有意な腫瘍増殖阻害をもたらした。7日の処理グループを、追加の43日間モニターした。腫瘍増殖は、観察期間を通して安定して持続した。7日の投与を66日目に再開始し、90日目まで腫瘍増殖阻害をもたらした。化合物(1)によりマウスに観察される効能のパターンは、最大効能が時々、処理の中断に続いて1又は2週、遅延され、そして延長された効能がまた、処理に続いて観察されたことにおいて、他の癌療法により観察される効能パターンに比較される。このタイプの応答は、ノッチ阻害と一致する。連続した毎日及び継続的スケジュールは効果的であり、体重減少を伴わない。化合物(1)は、周期的投与のために適切である。このデータは、相1のために提案される継続的投与の概念を支持する。そのようなスケジュールは、ヒトにおける毎日の投与から予測される、可能性ある毒性及びCYP3A4影響の軽減を助けることができる。
効能を生成する暴露(AUC24h)は、10mg/kgの毎日の経口投与スケジュールで約1100ng*時/mlであり、そして体重減少をもたらさず、又は毒性の臨床学的徴候も示さなかった。暴露の損失は、反復した投与に続く代謝における誘発の欠失と一致する毎日の投与の1〜21日目に観察されなかった。長期投与に続く暴露の変化の欠如がまた、ラット及びイヌの研究の間、観察された。
インビボ機械的研究
γ−セクレターゼインヒビター処理されたA549異種移植片腫瘍のマイクロアレイ分析は、細胞外マトリックス変更と一致するRNA発現変化を示した。化合物(1)により処理された腫瘍を、ウェスターンブロット分析のために調製した。タイプVコラーゲン発現は有意に低められ、ところがMFAP5タンパク質発現は高められた。ノッチ−1タンパク質レベル及びICNの発現はすべての動物グループにおいて低められたが、但し最高の用量グループを除く。タイプVコラーゲン及びMFAP5は、細胞外マトリックスを構成する構造タンパク質である。タイプVコラーゲン発現はしばしば、低められ、そしてMFAP5発現はしばしば、より分化された組織において高められる。このデータは、A549腫瘍細胞におけるノッチ−1阻害がより分化された表現型を導く作業仮説と一致する。
例7
ヒト膵臓癌異種移植片における抗腫瘍活性
動物
雌(無胸腺nu/nu)ヌードマウスを、Charles River Laboratories (Wilmington, MA)から入手し、そして雌のSCID−ベージュマウスをTaconic (Germantown, NY)から購入した。マウスは、それらが生後、約8〜12週(ヌード)又は8〜10週(SCID−ベージュ)であり、そして約23〜25gの体重を有する場合に使用される。すべての動物の健康は、実験動物の全体的観察により、及び共有される棚ラック上に収容される歩哨動物の血液サンプルの分析により毎月、決定された。すべての動物は、実験使用の前、最少72時間、いずれの輸送関連ストレスから順応され、そして回復された。オートクレーブされた水及び照射された食物(5058-ms Pico chow (mouse) Purina, Richmond, IN)は自由に供給され、そして動物は12時間の明及び暗サイクル上で維持された。かご、敷物及び水のボトルは使用の前オートクレーブ処理され、そして毎週、交換された。
腫瘍
MiaPaca2、AsPCI及びBxPC3ヒト膵臓癌細胞を、ATCC(Manassas, VA)から購入した。BxPC3及びAsPC1細胞をRPMI培地において増殖し、そしてMiaPaca2細胞をダルベッコ変性必須培地(DMEM)において増殖した。すべての培養培地は、10%(v/v)FBS及び1%(v/v)200nMのL−グルタミンにより補充された。ヌードマウスは、それぞれ1/22/07及び3/14/07に基づいて右後部側面上に、マウス当たり0.2mlの体積のPBS中、6×106個のMiaPaca2細胞又は5×106個のAsPC1細胞により皮下移植された。SCID−ベージュマウスは、5/22/07に基づいて右後部側面上に、マウス当たり0.2mlの体積のマトリゲル:PBSの1:1混合物中、5×106個のBxPC3細胞により皮下移植された。
試験剤
化合物(1)を、経口(op)投与のために、0.2%Tween-80を含む、水中、1.0%Klucelにおける懸濁液として配合した。配合された化合物及びビークルを、4℃で貯蔵し、そして毎週、調製した[表1]。前記懸濁液を、投与の前、激しく混合した。ゲムシタビン(Gemzar(商標), Eli Lilly and Company, Indianapolis, IN, USA)を、無菌塩溶液により再構成し、全3〜4週の研究の間、38mg/mlの原液を生成した。インビボ投与のための所望する濃度を与えるためのゲムシタビンのさらなる希釈を、投与の日、無菌塩溶液により行った。
ランダム化
MiaPaca2 又はAsPCI異種移植片により移植されたヌードマウスを、それぞれ細胞移植後、17日目及び9日目にランダム化した。BxPC3異種移植片を担持するSCID-ベージュマウスを、移植後8日目にランダム化した。すべてのマウスを、腫瘍体積に従ってランダム化し、その結果、すべてのグループは、約100−150mm3の類似する出発平均腫瘍体積を有した。
処理の開始
MiaPaca2研究についての処理は、2/8/07(腫瘍細胞移植後17日目)で、AsPCI研究についての処理は、3/23/07 (腫瘍細胞移植後9日目)で、そしてBxPC3研究についての処理は、5/30/07 (腫瘍細胞移植後8日目)で着手した。経口ビークル又は化合物(1)の懸濁液を、無菌1cc注射機及び18ゲージの強制飼養用針を用いて、21−28日間、毎日1度(qd)投与し(0.2ml/動物)、又は断続的スケジュール(7日間の処理、7日間の非処理、7日間の処理(7+/7-A7+)、7日間の処理、7日間の非処理(7+/7-)、3日間の処理、4日間の非処理(3+/4-)又は14日間の処理、14日間の非処理(14+/14-))を用いて投与した。ゲムシタビンを、1ccの注射器及び26ゲージの針を用いて、マウスに腹腔内(ip)q3d(3日ごとに)投与した。
MiaPaca2 及びAsPC1研究に関しては、qd化合物(1)懸濁液又はq3dゲムシタビン処理は、腫瘍細胞移植後37日目に終結し、そしてBxPC3研究に関しては、qd化合物(1)懸濁液又はq3dゲムシタビン処理は、腫瘍細胞移植の35日目に終結した。
7+/7−/7+スケジュールを用いてのMiaPaca2研究における化合物(1)懸濁液の断続的投与に関しては、23日目に終結した処理を、31日目に再開始し、そして37日目に終結した。組合せグループ(表2A、グループ9及び10を参照のこと)においては、化合物懸濁液を7+/7−/7+スケジュールを用いて、ゲムシタビンにより連続的に付与し、その結果、化合物(1)を第1及び3週の間のみ、毎日投与し、ところがゲムシタビンは第2週のみの間、q3d投与された。
7+/7−スケジュール×2サイクルを用いてのAcPC1研究における化合物(1)懸濁液の断続的に投与に関しては、処理を15日目に終結し、23日目に再開始し、そして最終的に29日目に終結した。3+/4−スケジュール×4サイクルを用いての断続的投与に関しては、処理を11日目に終結し、16日目に再開始し、18日目に終結し、23日目に再開始し、25日目に終結し、30日目に再開始し、そして最終的に32日目に終結した。最初の組合せグループ(表2B、グループ7を参照のこと)においては、毎日、化合物(1)を、q3dゲムシタビンと共に合計4週間、同時投与した。残る組合せグループに関しては、化合物(1)及びゲムシタビンが同時によりむしろ連続的に投与された。
グループ8(表2Bを参照のこと)においては、ゲムシタビンが第1及び第3週の間、q3d投与され、ところが化合物(1)は第2及び第4週の間、毎日投与された。グループ9においては、化合物投与の順序は逆にされ、そして化合物(1)懸濁液は第1及び第3週の間、毎日投与され、ところがゲムシタビンは第2及び第4週の間、q3d投与された。グループ10(表2Bを参照のこと)においては、ゲムシタビンが第1及び第2週の間、q3d投与され、ところが化合物(1)は第3及び第4週の間、毎日投与された。グループ11においては、化合物投与の順序が逆にされ、そして化合物(1)は第1及び第2週の間、毎日投与され、そしてゲムシタビンは第3及び第4週の間、q3d投与された。
処理の終結に基づいて、すべての3種の研究においては、腫瘍担持のマウスを、腫瘍再増殖を評価するために、追加の追跡期間、カリパスにより計測した。MiaPaca2研究に関しては、追跡期間は、63日目(処理後26日)まで続き、AsPC1に関しては48日目(処理後11日)まで続き、そしてBxPC3に関しては50日目(処理後15日)まで続いた。
計算及び統計学的分析
体重減少を、次の式を用いて、平均グループ体重における%変化としてグラフにより表した:((W-W0)/W0)×100、ここでWは特定の日での処理されたグループの平均体重を表し、そしてW0は処理の開始での同じ処理されたグループの平均体重を表す。最大の体重減少をまた、上記式を用いて表し、そして特定グループについて完全な実験の間、いずれかの時点で観察された最大%体重減少を示した。毒性は、20%以上の体重減少及び/又は死亡率を示す所定のグループにおける20%以上のマウスとして定義される。
効能データを、平均腫瘍体積±平均の標準誤差としてグラフにより表した。処理されたグループの腫瘍体積を、下記式を用いて、対照グループの腫瘍体積の%(%T/C)として表した:100×((T−T0)/(C-C0))、ここでTは実験の間、特定の日での処理されたグループの平均腫瘍体積を表し、T0は処理の第1日、同じ処理されたグループの平均腫瘍体積を表し;Cは実験の間、特定日での対照グループの平均腫瘍体積を表し、そしてC0は処理の第1日、同じ処理されたグループの平均腫瘍体積を表した。腫瘍体積(mm3)を、次の楕円面式を用いて計算した:(D×(d2))/2、ここでDは腫瘍の大きな方の直径を表し、そしてdは小さな方の直径を表す。
ある場合、腫瘍後退及び/又は腫瘍体積の%変化を次の式を用いて計算した:((T-T0)/T0)×100、ここでTは特定日での処理されたグループの平均腫瘍体積を表し、そしてT0は処理の開始での同じ処理されたグループの平均腫瘍体積を表す。統計学的分析を、順位和検定及びOne Way Anova、及びpost-hoc Bonferroni t-test (SigmaStat, version 2.0, Jandel Scientific, San Francisco, CA)により決定した。グループ間の差異は、確立値(p)が≦0.05である場合、有意であると見なされた。
生存評価に関しては、結果を、腫瘍移植後の日数に対する%生存率としてプロットした(Stat View, SAS Institute, Cary NC)。%ILSを、100×[(処理されたグループのメジアン生存日数−対照グループのメジアン生存日数)/対照グループのメジアン生存日数]として計算した。メジアン生存率はカプランマイヤー生存分析を用いて決定された。処理されたグループにおける生存率を、ビークル対照と、ログ順位試験により比較し、そしてグループ間の生存率比較を、Breslow-Gehan-Wilcoxon 試験 (Stat View, SAS, Cary, NC)により分析した。グループ間の差異は、確率値(p)≦0.05である場合、有意と見なされた。
結果
毒性
すべての3種の研究(MiaPaca2、AsPC1及びBxPC3)においては、単独で又は組合して投与される化合物(1)又はゲムシタビンのすべての用量及びスケジュールは、20%以上の体重減少、罹病率又は死を示す20%以下の動物により定義される場合、十分に許容された。MiaPaca2研究においては、60mg/kgのq3dゲムシタビン及び30mg/kgの7+/7−/7+化合物(1)グループの個々において1匹のマウスが誤った投与により死亡した。AsPC1研究においては、90mg/kgのゲムシタビン単一剤グループにおける1匹のマウスが、1週間にわたっての進行性の体重減少のために毒性関連していると思われる、20%以上の体重減少のために22日目に安楽死された。BxPC3研究においては、10mg/kg qdグループにおける1匹のマウスが、研究の最後の日、20%以上の体重減少(bwl)を示し、これはまた、マウスが研究の最後の数週間、進行性の体重減少を示したので、毒性関連していると思われた。
効能
化合物(1)がMiaPaca2ヒト膵臓癌異種移植片を担持するマウスに投与される場合、生物学的に有意な腫瘍増殖阻害(TGI)(60%以上のTGIとしてNCIにより定義されるような)は、単独で又はゲムシタビンと組合して、用量又はスケジュールに関係なく達成されることができなかった[11]。MiaPaca2異種移植片を担持するヌードマウスへの連続した21日間(qd)の化合物(1)の投与は、ビークル処理された対照に比較される場合、統計学的に有意であるが、しかし生物学的には有意でない腫瘍増殖阻害(TGI)をもたらした。
qdグループの中で、用量応答が、ビークル処理に比較して(p≦0.001)、39%TGI(p=0.002)をもたらす1mg/kg、42%TGI(p=0.002)をもたらす3mg/kg及び53%腫瘍増殖を阻害する10mg/kgにより観察された。化合物(1)が7+/7−/7+日のスケジュール(第1及び第3週に毎日投与される)に基づいて断続的に投与されるグループにおいては、3種のすべての用量は生物学的に有意でない類似する増殖阻害を示し、このことはスケジュールとの用量応答性の欠失を示唆する。
60mg/kgの最高用量は腫瘍増殖を48%(p≦0.001)阻害し、そして10mg/kg及び30mg/kgの用量の化合物(1)は、それぞれ51%TGI(p≦0.001)及び58%TGI(p≦0.001)をもたらした。ゲムシタビンが60mg/kgでq3d投与される場合、62%TGIが、ビークル処理された対照(p≦0.001)に比較して観察された。組合せグループにおいては、抗腫瘍活性は、ゲムシタビン+化合物(1) 10mg/kg又は30mg/kg 7+/7−/7+グループにおいて57%又は54%TGIを伴って、生物学的に有意ではなく、又はそれぞれの化合物(1)単独療法手段とは統計学的に異ならなかった。処理の停止の後、腫瘍増殖を、26日(63日目まで)の追跡期間、モニターした。63日目、すべてのグループについてのTGI値は37日目のTGI値よりも低く、このことは、MiaPaca2腫瘍が処理の後、再増殖したことを示唆する。
MiaPaca2研究に類似して、化合物(1)がAsPC1ヒト膵臓癌異種移植片を担持するマウスに単独療法として投与される場合、生物学的に有意な腫瘍増殖阻害は、用量又はスケジュールに関係なく達成され得なかった。他方では、化合物(1)がゲムシタビンと組合して投与される場合、生物学的に有意な腫瘍増殖阻害が、両薬物が同時に投与される場合、又はゲムシタビンが2週間、最初に投与される場合、連続的に投与される場合、達成された。AsPC1異種移植片を担持するヌードマウスへの28日の連続した日(qd)、化合物(1)の投与は、ビークル処理された対照に比較して、統計学的に有意であるが、しかし生物学的に有意な腫瘍増殖阻害(TGI)をもたらした。
3mg/kg及び10mg/kgの用量で、49%(p=0.004)及び58%(p=0.004)のTGIがそれぞれ、ビークル処理されたマウスに比較して、観察された。化合物(1)(10mg/kg)が断続的に(3+/4−×4サイクル又は7+/7−×2サイクル)投与される場合、抗腫瘍活性は、連続した毎日の投与に比較して低められた(それぞれ、TGI=32%及び41%)。90mg/kgでq3d投与されるゲムシタビンは、ビークルに対照に比較して、わずか39%TGI(p=0.016)を伴って、AsPC1膵臓モデルにおいては、非常に低い抗腫瘍活性を示した。逆に、化合物(1)がゲムシタビンと同時投与において組合される場合、抗腫瘍活性に対する増強された効果が77%TGI(p≦0.001))と共に観察された。この結果は、ゲムシタビン単独療法手段(p=0.005)に比較して、生物学的に有意であり、そして統計学的に有意であるが、しかし化合物(1)単独療法手段(p=0.251)に比較して有意ではなかった。
毎週の連続した組合せグループにおいては、化合物(1)の前、ゲムシタビンの投与は逆の順序よりも良好にAsPC1腫瘍増殖を阻害するが(58%TGI、p≦0.001対37%TGI、p=0.012)、いずれの結果も生物学的に有意ではなかった。2週連続した組合せグループにおいては、化合物(1)の前、ゲムシタビンの投与は再び、逆の順序よりも良好にAsPC1腫瘍増殖を阻害したが、しかしながらこの場合、抗腫瘍活性は生物学的に有意であった(70%TGI(p≦0.001)対55%TGI(p≦0.001))。AsPC1腫瘍増殖を、処理の停止後11日間(48日まで)モニターした。48日目、すべてのグループについてのTGI値は37日目でのその値よりも低く、このことは、AsPC1腫瘍が処理後、再増殖したことを示唆する。
MiaPaca2及びAsPC1膵臓異種移植片モデルにおける化合物(1)単独療法により誘発される強力な腫瘍増殖抑制の欠如に比較して、BxPC3膵臓異種移植片モデルは、化合物(1)介在性増殖阻害に対して敏感であった。3mg/kg及び10mg/kgの化合物(1)の投与は、ビークル対照に比較して、用量依存性の態様でBxPC3腫瘍増殖を有意に阻害した(生物学的に及び統計学的に)(72%TGI(p<0.001)及び82%TGI(p<0.001))。同様に、ほとんどの断続的に投与されたグループはまた、用量応答の欠如が観察されたが、統計学的及び生物学的に増殖阻害をもたらした。化合物(1)が7+/7−スケジュールを用いて投与される場合、10mg/kg及び20mg/kgの用量が、ビークル処理された対照グループに比較して、それぞれ74%TGI(p≦0.001)及び63%TGI(p=0.002)をもたらした。
化合物(1)はまた、3+/4−スケジュールを用いて投与され、ここで10mg/kg、23mg/kg及び30mg/kgの用量がそれぞれ、56%(p=0.002)、64%(p<0.001)及び50%(p=0.024)、腫瘍増殖を阻害した。BxPC3腫瘍増殖を、処理の停止後15日間(50日目まで)モニターした。50日目、毎日投与されるグループについてのTGI値は、35日目のTGI値に類似し、このことは、化合物(1)がBxPC3膵臓モデルにおいて持続した腫瘍増殖阻害を誘発したことを示唆する。
ノッチシグナル化経路は、膵臓癌の病因学に包含されて来た。最近の研究においては、γ−セクレターゼインヒビター(化合物1)が、確立されたsc MiaPaca2、AsPC1 又は BxPC3膵臓腫瘍を担持するマウスに、単独で又はゲムシタビンと組合して、4週間までの間、経口投与された。化合物(1)は、3種の膵臓腫瘍モデルのうち1つにおいては、単独療法として、生物学的に有意な抗腫瘍活性を誘発した(60%以上TGIとしてNCIにより定義されるように)。BxPC3モデルは、化合物が7+/7−又は3+/4−のスケジュールで毎日又は断続的に投与されても、化合物(1)介在性増殖阻害に対して敏感であった。腫瘍増殖阻害の程度は、化合物(1)が毎日投与される場合、用量依存性であり、ところが抗腫瘍活性は、断続的スケジュールに基づいて投与される場合、用量依存性ではないように思えた。
種々の投与スケジュールで1日当たりに投与される薬物の合計量を比較する場合、毎日の投与が卓越した効能をもたらした。例えば、280mg/kgの毎月の合計用量が1日1度投与される10mg/kg、7+/7−で与えられる10mg/kg又は3+/4−で与えられる23mg/kgのスケジュールに分割される場合、抗腫瘍活性は、毎日の投与よりも卓越した(それぞれ、82%TGI対63%又は64%TGI)。BxPC3腫瘍増殖を、処理の停止後15日間モニターし、この間、毎日投与されるグループについてのTGI値は安定して存続し、このことは、化合物(1)がBxPC3膵臓モデルにおいて持続した腫瘍増殖阻害を誘発したことを示唆する。
化合物(1)単独療法として、MiaPaca2又はAsPC1膵臓腫瘍モデルにおいて生物学的に有意な効能を生成しなかったが、それはAsPC1モデルにおいて組合せで投与されるゲムシタビンの抗腫瘍活性を増強した。同時に与えられる、10mg/kgのqd化合物(1)及び90mg/kgのゲムシタビンq3dの組合せは、それぞれ化合物(1)又はゲムシタビン単独療法に関して58%又は39%のTGIに比較して、77%のTGIを生成した。化合物(1)及びゲムシタビンの組合せが同時によりもむしろ連続的に与えられる場合、ゲムシタビンが化合物(1)の前に与えられる2週の連続した組合せのみが、生物学的に有意な腫瘍増殖阻害をもたらし、そして70%TGIが観察された。他方では、2種の薬物が逆の順序で投与される場合、わずか55%のTGIが観察された。
BxPC3、MiaPaca2及び AsPCI膵臓腫瘍モデルはノッチ受容体、リガンド及び下流標的物のそれらの発現において異なるが、明白な差異は、γ−セクレターゼインヒビターに対するそれらの感受性と容易に相互関係しなかった。例えば、すべての3種の細胞系は低いレベルのノッチ-1、BxPC3 及びAsPCIを発現し、低レベルのノッチ−2を発現し、ところがMiaPaca2は非常に高レベルのノッチ−2を発現し、そしてまた、ノッチ3及び4を発現する唯一の細胞系である[12]。
すべての3種の細胞系はリガンドJagged-1を発現し、そしてAsPC1細胞は最高レベルの前記リガンドを発現し、続いてBxPC3及びMiaPaca2は最低レベルの前記リガンドを発現する。リガンドJagged-2及びデルタ−1はBxPC3及びMiaPaca2細胞において発現されるが、しかしAsPC1細胞においては発現されない[12]。細胞の形質転換においてノッチと協同する、K-Rasにおける突然変異の活性化を提案するいくつかのデータが文献に存在するが、本研究においては、γ−セクレターゼ介在性増殖阻害に対して敏感な唯一の腫瘍モデルは、K-Rasのために野生型であった(3xPC3)。
本インビボ研究においては、化合物(1)は単独療法として又はゲムシタビンと組合していくつかの膵臓腫瘍モデルにおいて腫瘍増殖を効果的に阻害するが、しかしながら、モデル間の示差的感受性についての機構は十分には理解されていないことが示されている。
本発明の多くの態様が提供されて来たが、その基本的な構成は、本発明の範囲内で本発明を利用する他の態様を提供するために変更され得ることは明らかである。すべてのそのような修飾及び変更は本発明の範囲内に包含され、本発明を限定するものではない。

Claims (35)

  1. 癌、特に固形腫瘍の処理のための薬剤の製造のためへの、下記式(1):
    Figure 2011509273
    で表される化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩の使用。
  2. 前記処理が、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの治療的有効量の化合物(1)を投与することを含んで成る、請求項1記載の使用。
  3. 前記化合物(1)の治療的有効量が、約1100ng-時/ml〜4100ng-時/mlである、請求項2記載の使用。
  4. 前記化合物(1)の治療的有効量が、約1380ng-時/ml〜2330ng-時/mlである、請求項3記載の使用。
  5. 前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約400ng-時/ml〜約9000 ng-時/mlである、請求項2記載の使用。
  6. 前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約1100ng-時/ml〜約4100ng-時/mlである、請求項3記載の使用。
  7. 前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約1380ng-時/ml〜約2330ng-時/mlである、請求項4記載の使用。
  8. 化合物(1)が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、投与される、請求項1記載の使用。
  9. 化合物(1)が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される、請求項8記載の使用。
  10. 化合物(1)が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、投与される、請求項1記載の使用。
  11. 化合物(1)が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される、請求項10記載の使用。
  12. 化合物(1)が、医薬経口単位投与形で存在する、請求項1記載の使用。
  13. さらに、患者を放射線療法にゆだねることを含んで成る、請求項1記載の使用。
  14. 癌、特に固形腫瘍の処理のための薬剤の製造のためへの、下記式(1):
    Figure 2011509273
    で表される化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩の使用であって、前記処理が21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で化合物(1)を投与することを含んで成ることを特徴とする使用。
  15. 癌、特に固形腫瘍の処理のための薬剤の製造のためへの、下記式(1):
    Figure 2011509273
    で表される化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩の使用であって、前記処理が21日サイクルの日1−7で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で化合物(1)を投与することを含んで成ることを特徴とする使用。
  16. 下記式(1):
    Figure 2011509273
    で表される化合物が、治療的有効量で使用されることを特徴とする、癌、特に固形腫瘍の処理のために意図された薬剤の製造方法。
  17. 前記化合物(1)の治療的有効量が、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlである、請求項16記載の方法。
  18. 前記化合物(1)の治療的有効量が、約1100ng-時/ml〜4100ng-時/mlである、請求項17記載の方法。
  19. 前記化合物(1)の治療的有効量が、約1380ng-時/ml〜2330ng-時/mlである、請求項18記載の方法。
  20. 前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約400ng-時/ml〜約9000 ng-時/mlである、請求項17記載の方法。
  21. 前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約1100ng-時/ml〜約4100ng-時/mlである、請求項18記載の方法。
  22. 前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約1380ng-時/ml〜約2330ng-時/mlである、請求項19記載の方法。
  23. 化合物(1)が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、投与される、請求項16記載の方法。
  24. 化合物(1)が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される、請求項23記載の方法。
  25. 化合物(1)が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、投与される、請求項16記載の方法。
  26. 化合物(1)が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される、請求項25記載の方法。
  27. 化合物(1)が、医薬経口単位投与形で存在する、請求項16記載の方法。
  28. さらに、患者を放射線療法にゆだねることを含んで成る、請求項16記載の方法。
  29. 癌、特に固形腫瘍の処理のために意図された薬剤の製造方法であって、下記式(1):
    Figure 2011509273
    で表される化合物又は医薬的に許容できるその塩が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で使用されることを特徴とする方法。
  30. 癌、特に固形腫瘍の処理のために意図された薬剤の製造方法であって、下記式(1):
    Figure 2011509273
    で表される化合物又は医薬的に許容できるその塩が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で使用されることを特徴とする方法。
  31. 約3mg〜約300mgの下記式(1):
    Figure 2011509273
    で表される化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩を各ユニットが含む、1又は複数の経口単位投与形を含んで成るキット。
  32. 前記経口単位用量形が、患者が1日当たり約300mgの化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩を、約21日間、投与できるよう十分な数の単位を含む、請求項31記載のキット。
  33. 前記化合物(1)が、治療的有効量のゲムシタビン(gemcitabine)と組合して使用される、請求項1〜30のいずれか1項記載の方法及び使用。
  34. 膵臓癌の処理のための請求項33記載の方法及び使用。
  35. 実質的に前記に記載されるような新規方法及び使用。
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