JP2013241443A - 癌の処理のためのγ−セクレターゼインヒビターの使用 - Google Patents
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Abstract
Description
従って、癌患者のために利用できる処理をさらに改良するために新規薬物/化学療法プロトコールを開発する必要性がある。
本発明はさらに、式(1)の化合物又は医薬的に許容できるその塩が、本明細書に記載される特定の方法、投与レジメ及び/又は処理サイクルのいずれかに従って、使用されることを特徴とする、癌、特に固形腫瘍、例えば非小細胞肺癌、結腸直腸癌、膵臓癌、結腸癌、乳癌又は前立腺癌の処理のために意図された薬剤の製造方法を提供する。
本発明は、治療的有効量の化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩を、癌を有する患者に投与することを含んで成る、前記患者の新規処理方法を提供する。化合物(1)は、腫瘍細胞におけるノッチシグナル化の阻害活性を生成するγ−セクレターゼの有能且つ選択的なインヒビターである。
用語“抗腫瘍性”とは、悪性細胞の成長、成熟又は増殖の阻害又は予防を意味する。
用語“曲線下の領域”(AUC)とは、時間に対する血漿における薬物の濃度のプロットにおける曲線下の領域である。AUCは、吸光速度に関係なく、身体により吸収される合計量の薬物を表す。これは薬物の治療モニターのために有用である。患者の血漿における薬物濃度の測定及びAUCの計算は、この薬物の投与量をガイドするために有用である。AUCは時間にわたっての平均濃度、すなわちAUC/時間を知るために有用に成っている。AUCは一般的に、例えばng−時/ml(質量*時/体積)として表される。
化合物“ゲムシタビン”とは、4−アミノ−1−[3,3−ジフルオル−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロフラン−2−イル]−1H−ピリミジン−2−オンを意味し、そしてたとえばGemzarTMとして市販されている。
用語“腫瘍制御”とは、測定できる損傷の垂直直径が、最後の測定から25%又はそれ以上、上昇していないことを意味する。例えば、World Health Organization ("WHO") Handbook for Reporting Results of Cancer Treatment, Geneva (1979)を参照のこと。
もう1つの態様においては、化合物(1)は、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、投与される。好ましい態様においては、化合物(1)は、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される。
好ましくは、化合物(1)は、医薬経口単位投与形で存在する。本発明はまた、さらに、患者を放射線療法にゆだねることを含んで成る。
もう1つの特定の態様においては、本発明は、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの治療的有効量の化合物(1)を投与することを含んで成る、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、前記化合物(1)の治療的有効量が、約1100ng-時/ml〜4100ng-時/mlである、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、前記化合物(1)の治療的有効量が、前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約400ng-時/ml〜約9000 ng-時/mlである、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約1380ng-時/ml〜約2330ng-時/mlである、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、化合物(1)が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、化合物(1)が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
もう1つの特定の態様においては、さらに、患者を放射線療法にゆだねることを含んで成る、上記のような化合物(1)の使用を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、下記式(1):
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、前記化合物(1)の治療的有効量が、約1100ng-時/ml〜4100ng-時/mlである、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、前記化合物(1)の治療的有効量が、約1380ng-時/ml〜2330ng-時/mlである、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約1100ng-時/ml〜約4100ng-時/mlである、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、化合物(1)が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、投与される、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、化合物(1)が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、投与される、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、化合物(1)が、医薬経口単位投与形で存在する、上記のような方法を提供する。
さらにもう1つの特定の態様においては、本発明は、さらに、患者を放射線療法にゆだねることを含んで成る、上記のような方法を提供する。
この態様において、化合物(1)及びゲムシタビンの組合せは好ましくは、膵臓癌の処理のための薬物の製造のために使用される。
この態様においては、前記キットは、患者が1日当たり約300mgの化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩を、約21日間、投与できるよう十分な数の単位を含む経口単位投与形を含んで成る。
この態様においては、前記キットはさらに、有効量のゲムシタビンを含む単位投与形を含んで成る。
本発明の方法は、下記に示される例に従って調製され得る。前記例は、本発明の化合物及び組成物の調製を例示するために提供されるが、但し本発明を制限するものではない。
これまでの抗腫瘍効能研究においては、化合物(1)がA549非小細胞肺癌(NSCLC)異種移植片を担持するマウスに経口投与される場合、14(14+/7−)又は21日間、1日1度又は2度与えられる3,10又は30mg/kgの用量が、有意で且つ持効性の腫瘍増殖阻害性をもたらし、そして%腫瘍増殖阻害率(TGIs)は、ビークル処理された対照動物に比較して、66〜83%の範囲である。化合物(1)の1日1度の投与は、用量依存性を伴わない14+/7−又は21日の処理スケジュールによる1日2度の処理と同じくらい効果的であった。さらに、より短い投与期間(14+/7−)は、完全な21日の投与期間と同じくらい、A549腫瘍増殖の阻害において効果的であった。
動物
Charles River Laboratories (Wilmington, MA)から入手された雌のヌードマウス(10匹/グループ)を、それらが生後約13〜14週で、及び約23〜25gの体重で使用した。動物の健康は、実験動物の全体的観察により、及び共有される棚ラック上に収容される歩哨動物の血液サンプルの分析により毎日、決定された。すべての動物は、実験使用の前、最少72時間、いずれの輸送関連ストレスから順応され、そして回復された。オートクレーブされた水及び照射された食物(5058-ms Pico chow (mouse) Purina, Richmond, IN)は自由に供給され、そして動物は12時間の明及び暗サイクル上で維持された。かご、敷物及び水のボトルは使用の前オートクレーブ処理され、そして毎週、交換された。
Lovoヒト結腸直腸、Calu-6 NSCLC及びHCT116結腸直腸細胞を、ATCC(Manassas, VA)から購入した。H460a NSCLC細胞は、Dr. Jack Roth, MD Anderson Medical Center, Houston, TXからのギフトであった。Lovo細胞はF12K培養培地において培養され、Calu-6及びH460aはダルベッコ変性必須培地(DMEM)において増殖され、そしてHCT116細胞はMcCoy’s5A培地において増殖された。すべての培養培地は、10% (v/v) FBS及び1 % (v/v) 200 nM L-グルタミンにより補充された。マウスは、マウス当たり0.2mlのPBS中、5×106個のLovo, 3×106個のCalu-6又はHCT116、又は1×107個のH460a細胞により、それぞれ9/22/06、9/22/06、9/26/06、及び9/29/06右後部側面上に皮下(sc)移植された。
化合物(1)を、下記に示されるように、経口(po)投与のために0.2%Tween-80を含む、水中、1.0%Klucelにおける懸濁液として配合した。
Lovo及びCalu-6異種移植片により移植されたマウスを、移植後19日目にランダム化し、HCT116異種移植片により移植されたマウスを20日目にランダム化し、そしてH460a異種移植片により移植されたマウスを移植後12日目にランダム化した。すべてのマウスを腫瘍体積に従ってランダム化し、その結果、すべてのグループは約100−180mm3の類似する出発平均腫瘍体積を有した。
この報告におけるすべての4種のインビボ研究についての研究企画は同一であった。
用量グループは下記に列挙される。
Lovo及びCalu-6腫瘍研究についての処理は、10/11/06(腫瘍細胞移植後19日目)で着手し、HCT116研究についての処理は、10/16/06(腫瘍細胞移植後20日目)で着手し、そしてH460a研究についての処理は10/11/06(腫瘍細胞移植後12日目)で着手した。ビークル又は化合物(1)の懸濁液を、無菌1cc注射機及び18mgゲージの強制飼養用針を用いて、21日間、毎日1度(qd)投与し(0.2ml/動物)、又は断続的スケジュール(7日間の処理、14日間の非処理及び次に、7日間の処理(7+/14−/7+))を用いて投与した。Lovo及びCalu-6研究に関しては、21日の投与が腫瘍細胞移植後40日目に終わった。断続的投与に関しては、処理は26日目に終わり、40日目に再開し、そして47日目に終わった。HCT116研究に関しては、21日の投与が腫瘍細胞移植後42日目に終わった。断続的投与は27日目に終わり、42日目に再開始し、そして49日目に終わった。H460a研究に関しては、21日の投与は腫瘍細胞移植後27日目早々に終わり、そして断続的投与に関しては、処理は19日目に終わり、そして再開始されなかった(効能の欠乏のために)。
病理学/剖検
研究の最後で、剖検を、Eff #1137 (Lovo)、 Eff #1147 (HCT116)及びEff #1148 (H460a)に対して実施した。動物に、腫瘍細胞増殖の評価のために安楽死の2時間前、1mlの無菌水中、1mgのBrdU(ブロモデオキシウリジン)を注射した。動物を、CO2による誘発、続く頸部脱臼により安楽死した。下記のようにビークル処理されたグループ及び選択された化合物(1)により処理されたグループからの腫瘍を集め、そして亜鉛−ホルマリンに一晩、固定し、処理し、パラフィン包埋し、そして組織病理学(形態学的評価のための(ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色、及びBrdU染色)のために切片標本化した。
腫瘍測定及びマウス重量を、1週当たり2度、実施した。すべての動物はそれぞれ、実験に従った。
体重減少を、次の式を用いて、平均グループ体重における%変化としてグラフにより表した:
((W-W0)/W0)×100
ここでWは特定の日での処理されたグループの平均体重を表し、そしてW0は処理の開始での同じ処理されたグループの平均体重を表す。最大の体重減少をまた、上記式を用いて表し、そして特定グループについて完全な実験の間、いずれかの時点で観察された最大%体重減少を示した。
100×((T−T0)/(C-C0))
ここでTは実験の間、特定の日での処理されたグループの平均腫瘍体積を表し、T0は処理の第1日、同じ処理されたグループの平均腫瘍体積を表し;Cは実験の間、特定日での対照グループの平均腫瘍体積を表し、そしてC0は処理の第1日、同じ処理されたグループの平均腫瘍体積を表した。
(D×(d2))/2
ここでDは腫瘍の大きな方の直径を表し、そしてdは小さな方の直径を表す。
ある場合、腫瘍後退及び/又は腫瘍体積の%変化を次の式を用いて計算した:
((T-T0)/T0)×100
ここでTは特定日での処理されたグループの平均腫瘍体積を表し、そしてT0は処理の開始での同じ処理されたグループの平均腫瘍体積を表す。
現在の研究組において試験された化合物(1)の用量及びレジメはこれまで、ヌードマウスにおいて十分に許容されることが見出されている。予測されるように、体重減少又は毒性の他の臨床学的徴候は現在の研究において示されなかった。
現在の研究組においては、化合物(1)を、21日間、毎日3及び10mg/kgで、又は断続的スケジュール(7日の投与、14日の投与なし、及び次に7日の投与(7+/14−/7+))に基づいて30及び60mg/kgで試験した。Lovo結腸直腸異種移植片を担持するヌードマウスが21日又は7+/14−/7+スケジュールで化合物(1)により処理される場合、腫瘍増殖は有意に阻害され、そして最大の腫瘍増殖阻害が47日目に同定され、これは21日処理グループに関しての処理の最終日の7日後(21+/7−)、又は第2ラウンドの7日処理に関して処理の最後(7+/14−/7+)であった。3及び10mg/kg qd×21日の化合物(1)の用量は、ビークル処理された対照に比較して、それぞれ40%(p=0.136)及び83%(p≦0.001)のTGIをもたらし、ところが断続的に投与される30及び60mg/kgの化合物1の用量は59%(p=0.021)及び85%(p=0.001)のTGIをもたらした。
化合物(1)は、腫瘍細胞におけるノッチシグナル化の活性化を阻止する、γ−セクレターゼの有能なインヒビターである。これまでの研究において、A549腫瘍担持のマウスへの化合物(1)の経口投与は、持続された抗腫瘍応答性をもたらした。化合物(1)の抗腫瘍活性の幅をさらに評価するために、4種の効能研究を、Lovo及びHCT116ヒト結腸直腸、及びCalu-6及びH460a NSCLC異種移植片モデルにおいて実施した。2種の用量(3及び10mg/kg)が21日間毎日与えられ、そして30及び60mg/kgの用量が断続的スケジュール(7日の処理、14日の非処理及び次に7日の処理(7+/14−/7+))を用いて与えられた。
A549 NSCLC腫瘍細胞における化合物(1)の細胞活性:
細胞及び細胞フリーアッセイにおける化合物(1)のIC50は、種々のタイプ(受容体、イオンチャネル、酵素)の75の他の結合部位に関して観察される2以上のlog単位選択性を有する低いnモル範囲で存在する。化合物(1)の増殖阻害活性は複雑である。化合物(1)は、腫瘍細胞増殖を阻止することも又はアポプトーシスを誘発することもできないが、しかし代わりに、低く形質転換された、より平らにされた遅い増殖表現型を生成する。この機構は、ノッチ阻害と一致し、そして標準のEC50値の収集を妨げる。化合物(1)は、ウェスターンブロットによるICN発現の低下により測定されるので、ノッチプロセッシングを低める。これは、ウェスターンブロットによりまた測定される転写標的遺伝子生成物の低められた発現を導く。
細胞系及び培養物
A549a細胞系は、American Tissue Culture Collection (ATCC),Manassas, VAから入手され、そして10%熱不活性化されたウシ胎児血清(HI-FBS; GIBCO/BRL, Gaithersburg, MD)及び2mMのL−グルタミン(GIBCO/BRL)により補充されたHam培地において維持された。1×106個のA549細胞を、FACS分析のために10cm3のプレートに接種し、そしてウェル当たり3×105個の細胞を、ウェスターンブロット分析のために6−ウェルプレートに接種した。細胞を24時間、付着し、そして次に、次の濃度で化合物(1)により処理した:0.1 , 0.25, 0.5, 1 , 2.5 及び 5 μM。細胞を72又は120時間インキュべートし、そしてFACS分析のために集めた。
試験化合物(1)を、100%ジメチルスルホキシド(DMSO)(Sigma)に、10mMで溶解し、そしてガラスバイアルに−20℃で貯蔵した。
A549細胞を、冷PBSによりプレートを洗浄し、そしてサンプル緩衝液(1:1の水:5%2−β−メルカプトエタノールを含む2×トリス−グリシンSDSサンプル緩衝液(Invitrogen, Carlsbad, CA))を、プレート上に直接添加することにより集めた。使用される溶液緩衝液の体積は約100μl/1×105個の細胞であった。タンパク質を、5分間の煮沸により変性し、4〜20%トリス−グリシンゲル(Invitrogen)を用いてSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分解し、そして0.45μmのニトロセルロース膜(Invitrogen)上でエレクトロブロッティングした。膜をブロッキング緩衝液(PBS/0.1%Tween20中、5%ミルク)により室温で1時間、阻止し、続いて4℃で一晩、第1抗体と共にインキュベートした。
細胞を化合物(1)と共に72又は120時間インキュベートし、スクラッピングにより収穫し、リン酸緩衝溶液(PBS)により2度、洗浄し、1.5×103rpmで回転沈降し、そして-20℃で一晩、70%エタノールにより固定した。次に、細胞を、MRM2−FITC及びヨウ化プロピジウム(PI)二重染色(Becton Dickinson, San Jose, CA)を用いて分析した。手短に言及すると、細胞を、0.05%Tween-20を含む冷PBS(PBST)により2度、洗浄し、抗-ホスホ Ser/Thr MPM2 抗体 (#05-368, Upstate/Millipore, Bullehca, MA)と共に2時間インキュベートし、PBSTにより再び洗浄し、第2IgG-FITC抗体 (#AP308F, Chemicon, Temecula, CA)と共に暗室においてインキュベートし、PBSTにより洗浄し、そして37℃で、さらに30分間、PI/RNase 溶液 (Becton Dickinson, San Jose, CA)と共にインキュベートした。
γ−セクレターゼによるノッチ受容体分解に続くICNタンパク質の形成は、ノッチシグナル化における決定的段階である。ICNは、Hes1を含む種々の標的遺伝子の転写を調節する大きな転写複合体の一部に成る核に移動する。腫瘍細胞系におけるICN発現及びノッチ標的遺伝子生成物、すなわちHes1の低下を、ウェスターンブロットによりモニターした。化合物(1)は、ヒトNSCLC A549細胞における5日の処理の後、組織培養物における平らにされた及び低く形質転換された腫瘍細胞表現型を誘発するICNの生成を制御する。その形態学は、組織培養において増殖された非形成転換気管支上皮細胞に類似する。比較を、目視比較のためにCloneticsウェブサイトから入手した。このデータは、腫瘍細胞における阻害γ−セレクターゼと一致する。化合物処理に続くアポプトシス表現型の出現は観察されなかった。
FACS分析を用いて、化合物(1)処理に続く細胞周期阻害効果を理解した。A549細胞を、上昇する濃度の化合物(1)により72及び120時間、処理した。FACS分析は、下記に概略されるように、細胞周期進行に対してはほとんど効果を示さず、そして72及び120時間で5μMで遅延する低い細胞周期を有する。
FACS分析の定量化
化合物(1)は、腫瘍細胞増殖を阻止せず、またはアポプトーシスを誘発もしないが、しかし代わりに、低く形質転換され、より平らにされ、そして遅く増殖する表現型を生成する。この機構は、ノッチ阻害と一致する。化合物(1)は、ウェスターンブロットによりICN発現の低下により測定されるように、ノッチプロセッシングを低める。これは、ウェスターンブロットによりまた測定される、転写標的遺伝子生成物、すなわちHes1の低められた発現を導く。
化合物(1)の投与に続くA549異種移植片ウェスターンブロット分析:
化合物(1)は、腫瘍細胞(1)におけるノッチシグナル化のγ−セクレターゼ生成阻害活性の有能且つ選択的インヒビターである。細胞及び細胞フリーアッセイにおける化合物(1)のIC50は、種々のタイプ(受容体、イオンチャネル、酵素)の75の他の結合部位に関して観察される2以上のlog単位選択性を有する低いnモル範囲で存在する。化合物(1)の増殖阻害活性は複雑である。化合物(1)は、腫瘍細胞増殖を阻止することも又はアポプトーシスを誘発することもできないが、しかし代わりに、低く形質転換された、より平らにされた遅い増殖表現型を生成する。この機構は、ノッチ阻害と一致する。
試験用品
試験化合物(1)を、100%ジメチルスルホキシド(DMSO)(Sigma)に、10mMで溶解し、そしてガラスバイアルに−20℃で貯蔵した。
A549腫瘍担持のヌードマウスに、21日間、示される容量で、毎日の経口スケジュールに基づいて投与した。個々のグループからの3種のA549腫瘍を、剖検及びフラッシュ凍結の時点で集めた。タンパク質抽出物を、腫瘍に対して直接的にサンプル緩衝液(1:1の水:5%2−β−メルカプトエタノールを含む2×トリス−グリシンSDSサンプル緩衝液(Invitrogen, Carlsbad, CA))を添加することにより調製し、そしてエッペンドルフ型乳棒の助けにより破壊した。使用される溶液緩衝液の体積は約100μl/1×106個の細胞であった。タンパク質を、5分間の煮沸により変性し、4〜20%トリス−グリシンゲル(Invitrogen)を用いてSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分解し、そして0.45μmのニトロセルロース膜(Invitrogen)上でエレクトロブロッティングした。
γ−セクレターゼインヒビター処理されたA549異種移植片腫瘍のマイクロアレイ分析は、細胞外マトリックス変更と一致するRNA発現変化を示した。化合物(1)により処理された腫瘍を、ウェスターンブロット分析のために調製した。タイプVコラーゲン発現は有意に低められ、ところがMFAP5タンパク質発現は高められた。ノッチ−1タンパク質レベル及びICNの発現はすべての動物グループにおいて低められたが、但し最高の用量グループを除く。タイプVコラーゲン及びMFAP5は、細胞外マトリックスを構成する構造タンパク質である。タイプVコラーゲン発現はしばしば、低められ、そしてMFAP5発現はしばしば、より分化された組織において高められる。このデータは、A549腫瘍細胞におけるノッチ−1阻害がより分化された表現型を導く作業仮説と一致する。
化合物(1)により処理された腫瘍は、細胞外マトリックスタンパク質タイプ5コラーゲンの低められたレベル及びMFAP5の高められたレベルを有する。さらに、ノッチプセッシングは、ICN及びノッチ−1受容体発現の欠失により測定されるように、腫瘍細胞において阻害される。A549異種移植片を担持するマウスが1日当たり60mg/kgまでの化合物(1)を投与される場合、ICN及びノッチ−1は変化した。これは多分、効能研究の間、反復投与に続く暴露の欠失、又は腫瘍内での不良な化合物分布のためであった。
化合物(1)による投与の後、MDA−MB−468乳癌細胞における軟寒天増殖能力の損失:
化合物(1)は、腫瘍細胞におけるノッチシグナル化のγ−セクレターゼ生成阻害活性の有能且つ選択的インヒビターである。細胞及び細胞フリーアッセイにおける化合物(1)のIC50は、種々のタイプ(受容体、イオンチャネル、酵素)の75の他の結合部位に関して観察される2以上のlog単位選択性を有する低いnモル範囲で存在する。化合物(1)の増殖阻害活性は複雑である。化合物(1)は、腫瘍細胞増殖を阻止することも又はアポプトーシスを誘発することもできないが、しかし代わりに、低く形質転換された、より平らにされた遅い増殖表現型を生成する。この機構は、ノッチ阻害と一致し、そして標準EC50値の収集を妨げる。化合物(1)は軟寒天におけるMDA−MB−468コロニーのサイズを低める。
細胞系及び培養物
MDA-MB-468細胞系は、American Tissue Culture Collection (ATCC),Manassas, VAから入手され、そして10%熱不活性化されたウシ胎児血清(HI-FBS; GIBCO/BRL, Gaithersburg, MD)及び2mMのL−グルタミン(GIBCO/BRL)により補充されたRPMI培地において維持された。
試験化合物(1)を、100%ジメチルスルホキシド(DMSO)(Sigma)に、10mMで溶解し、そしてガラスバイアルに−20℃で貯蔵した。
足場−非依存性増殖アッセイに関しては、0.5%低溶融温度SeaPlaqueアガロース(#50100、Cambrex, Rockland, ME)を含む、2mlの細胞型特異的完全培地(20%ウシ胎児血清(FBS)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、1%ピルビン酸ナトリウム、1%HEPESにより補充されたRPMI培地)の低層を、6−ウェルプレートの個々のウェルに注いだ。寒天培地が室温で固化した後、3×103個の細胞/ウェルを、0.3%SeaPlaqueアガロースを含む、上記のような完全培地0.5mlに添加した。0、100又は250nMのいずれかの化合物(1)を含む培地1mlを、次の日、細胞に添加した。細胞を4週間インキュベートし、コロニーの形成を可能にし、化合物を含む培地を週2度、交換した。
化合物(1)は、腫瘍細胞におけるノッチシグナル化のγ−セクレターゼ生成阻害活性の有能且つ選択的インヒビターである。化合物(1)の増殖阻害活性は複雑である。化合物(1)は、腫瘍細胞増殖を阻止することも又はアポプトーシスを誘発することもできないが、しかし、低く形質転換された、より平らにされた遅い増殖表現型を生成する。軟寒天におけるコロニー形成能力は、腫瘍細胞増殖において決定的な現象を表す。非形質転換細胞及び不完全な腫瘍形成細胞は、軟寒天にプレートされる場合、増殖しない。対照的に、高い腫瘍形成細胞は軟寒天条件下で急速に増殖し、大きなコロニーを生成する。形質転換された表現型に対する化合物(1)の効果を、軟寒天における増殖能力を測定することにより、ヒト乳癌細胞系MDA−MB−468において評価した。化合物(1)は、用量−依存性態様でコロニー増殖を低めた(250nM>100nM>対照)。
化合物(1)は、腫瘍細胞増殖を阻止しないが、しかし軟寒天においてMDA−MB−468コロニーのサイズを低める。これは、MDA−MB−468乳癌細胞における化合物(1)による低い形質転換表現型の誘発と一致する。
A549非小細胞肺癌異種移植片を担持するヌードマウスにおけるγ−セクレターゼインヒビター化合物(1)の1日1度又は2度の経口投与の耐性及び効能:
化合物(1)は本来、アルツハイマー病の処理のためのγ−セクレターゼの有能且つ高い選択性のインヒビターである。インビトロで、化合物(1)はnM濃度でノッチ活性化及びプロセッシングを阻害し、そして培養における腫瘍細胞への化合物(1)の添加は低い形質転換性表現型を誘発し、そして軟寒天における増殖を阻止する。インビボで、化合物(1)は、良好な経口生物利用能、及び齧歯動物、イヌ及びヒトにおいて好ましい薬物動力学的プロフィールを有する。
動物
Charles River Laboratories (Wilmington, MA)から入手された雌のヌードマウス(10匹/グループ)を、それらが生後的13〜14週で、及び約23〜25gの体重で使用した。動物の健康は、実験動物の全体的観察により、及び共有される棚ラック上に収容される歩哨動物の血液サンプルの分析により毎日、決定された。すべての動物は、実験使用の前、最少72時間、いずれの輸送関連ストレスから順応され、そして回復された。オートクレーブされた水及び照射された食物(5058-ms Pico chow (mouse) Purina, Richmond, IN)は自由に供給され、そして動物は12時間の明及び暗サイクル上で維持された。かご、敷物及び水のボトルは使用の前オートクレーブ処理され、そして毎週、交換された。
A549ヒトNSCLC細胞をATCC(Manassas, VA)から購入し、そして10%(v/v)FBSを有するRPMI1640培養培地において培養した。細胞は、Oncology In Vivo Section (OIVS)のメンバーにより増殖され、そして収穫された。個々のマウスは、8/17/06 OIVSのメンバーにより右後部側面に皮下移植される、0.2mlのPBS(リン酸緩衝溶液)中、7.5×106個の細胞を受けた。
化合物(1)を、経口(po)投与のために0.2%Tween-80を含む、水中、1.0%Klucelにおける懸濁液として配合した。化合物(1)を、取り出し及び投与の前、激しく混合した。配合される化合物及びビークルを、下記のようにして、毎週、調製し、そして4℃で貯蔵した。
25日目、後−腫瘍移植動物を、腫瘍体積に従ってランダム化し、その結果、すべてのグループは、約100−150mm3の類似する開始平均腫瘍体積を有した。
研究企画
用量グループは下記に示される。
処理は、9/12/06で開始した(腫瘍細胞移植後26日)。化合物(1)及びビークルは、21日スケジュールから7,14又は21日間、8時間、間隔を開けて1日1度(qd)又は2度(bid)、無菌の1cc注射器及び18ゲージの強制飼養針(0.2ml/動物)を用いて、懸濁液として投与された。7日間(7+/14−)投与された動物に関しては、処理は9/19/06(腫瘍細胞移植後33日)で終わった。それらのマウスは、74日目で、さらに7日間、同じ用量の化合物(1)により67日目に再処理された。14日間(14+/7−)投与された動物に関しては、処理は9/26/06(腫瘍細胞移植後40日)で終わり、そして21日間投与される動物に関しては、処理は10/3/06(腫瘍細胞移植後47日)で終わった。
動物に、腫瘍細胞増殖の評価のために安楽死の2時間前、1mlの無菌水中、1mgのBrdU(ブロモデオキシウリジン)を注射した。動物を、CO2による誘発、続く頸部脱臼により安楽死した。下記のようにビークル処理されたグループ及び選択された化合物(1)により処理されたグループからの腫瘍を集め、そして亜鉛−ホルマリンに一晩、固定し、処理し、パラフィン包埋し、そして組織病理学(形態学的評価のための(ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色、及びBrdU染色)のために切片標本化した。脾臓及び胃腸管の一部を集め、そしてホルマリン固定し、処理し、パラフィン包埋し、切片化し、そしてそれらはγ−セクレターゼインヒビターの2種の既知標的−関連効果ではあるので、辺縁領域のB−細胞消耗及び杯細胞形成の評価のためにH&Eにより染色した。結果は下記に示される。
腫瘍測定及びマウス重量を、1週当たり2度、実施した。すべての動物はそれぞれ、実験に従った。
体重減少を、次の式を用いて、平均グループ体重における%変化としてグラフにより表した:((W-W0)/W0)×100、ここでWは特定の日での処理されたグループの平均体重を表し、そしてW0は処理の開始での同じ処理されたグループの平均体重を表す。最大の体重減少をまた、上記式を用いて表し、そして特定グループについて完全な実験の間、いずれかの時点で観察された最大%体重減少を示した。毒性は、20%以上の体重減少及び/又は死亡率を示す所定のグループにおける20%以上のマウスとして定義される。
慢性薬物暴露を評価するために、血液サンプルを、最後の投与の後、0.5、1,2,4,8及び24時間で、10mg/kgの化合物(1)グループ(qd×21日)からの時点当たり2匹から集めた。急性薬物暴露を評価するために、ヌードマウスの純粋グループに、最後の研究日、10mg/kgの化合物(1)を1度、投与した。血漿サンプルを調製し、そしてLC/MS/MSにより化合物(1)について分析した。
薬物暴露の要約:
毒性
前の最大耐性用量(MTD)研究においては、14日間、純粋なヌードマウスに1日当たり2度、投与される90mg/kgの化合物(1)は毒性であり、そして有意な体重減少をもたらし、ところが1日1度、投与される90mg/kgは許容された。現在の研究においては、1日2度、投与される60mg/kgの化合物(1)は、7日を越えては許容されず、そして1日1度の投与は14日を越えては許容されなかった。動物が21又は14日間、1日2度、60mg/kgで投与される場合、7及び4匹のマウスが個々の処理グループから死亡し、そしてほとんどの動物は死亡の前、進行する体重減少を示す。動物が21日間、1日1度、投与される場合、3匹のマウスが死亡した。14日間、1日1度又は7日間、1日2度の60mg/kgの用量は十分に許容され、そして相当な体重減少又は毒性のほかの臨床学的徴候は存在しなかった。
A549 NSCLC異種移植片を担持するヌードマウスへの21日スケジュールの7、14又は21日間の1日1度又は2度の化合物(1)の経口投与は、ビークル処理された動物に比較して、処理期間を十分に超えて続く増殖抑制を伴って、有意な腫瘍増殖阻害(TGI)をもたらした。%腫瘍増殖阻害を、47日目に計算し、前記日は、21−日処理グループに関する処理の最終日、14−日処理グループに関する処理後7日(14+/7−)、又は7−日処理グループに関する処理後14日(7+/14−)であった。
非臨床学的薬学の要約:
化合物(1)は、腫瘍細胞におけるノッチシグナル化の阻害活性を生成するγ−セクレターゼの有能且つ選択的インヒビターである。化合物(1)は、投与が停止された後、維持される良好なインビボ抗腫瘍活性を生成し、そして組織学的分析は、ノッチシグナル化の阻害と一致するユニーク腫瘍表現型と示す。
それらの非臨床学的薬理学結果は、腫瘍学における臨床学的研究での化合物(1)のさらなる評価を支持する。
インビトロに選択性
多数のインビトロアッセイを用いて、化合物(1)の能力及び選択性を特徴づけた。一次インビトロアッセイは、インビトロアッセイとしてγ−セクレターゼ酵素複合体を供給するために、細胞フリーの膜調製物を使用する。化合物(1)は、4nMの能力でγ−セクレターゼ酵素活性を強く阻害する。これは、細胞に基づくレポーターアッセイにおけるアミロイド前駆体タンパク質(APP;14nM)及びノッチ(5nM)の有能なプロセッシング阻害に翻訳する。
γ−セクレターゼによるノッチ受容体分解に続くICNタンパク質の形成は、ノッチシグナル化における決定的段階である。ICNは、Hes1を含む種々の標的遺伝子の転写を調節するより大きな転写複合体の一部になる核に移動する。腫瘍細胞系におけるICN発現及びノッチ標的遺伝子生成物Hes1の低下を、ウェスターンブロットによりモニターした。化合物(1)は、ヒトNSCLC A549細胞における5日の処理の後、組織培養において平らになった、低形質転換性腫瘍細胞表現型を誘発するICNの生成を抑制する。化合物(1)の処理は、組織培養において平らになった、非形質転換性表現型を生成した。このデータは、腫瘍細胞におけるγ−セクレターゼ阻害と一致する。化合物処理に続くアポプトーシス表現型の出現は観察されなかった。
前臨床学的抗腫瘍活性を、種々の用量及びスケジュールを用いて、いくつかの異種移植片モデルにおいて試験した。A529 NSCLCモデルにおいては、化合物(1)は、21日間、QD処理されたヌードマウスにおいて統計学的に有意な腫瘍増殖阻害(70%TGI)を付与した(表10)。体重減少を、効能試験の間、長期投与に続いて、化合物(1)の全体的許容性のための代用物として使用した。効能をもたらす暴露(AUC24/日)は、10mg/kgの毎日の経口投与スケジュールに基づいて約1100時・ng/mlであり、そして体重減少をもたらさず又は毒性の臨床学的徴候も示さなかった。暴露の損失は、連続的な毎日の投与に続いて1〜21日目で観察されなかった。この研究の最後で収穫される腫瘍の組織学的分析は、細胞外マトリックスの上昇と共に大きな壊死領域を示した。
γ−セクレターゼインヒビター処理されたA549異種移植片腫瘍のマイクロアレイ分析は、細胞外マトリックス変更と一致するRNA発現変化を示した。化合物(1)により処理された腫瘍を、ウェスターンブロット分析のために調製した。タイプVコラーゲン発現は有意に低められ、ところがMFAP5タンパク質発現は高められた。ノッチ−1タンパク質レベル及びICNの発現はすべての動物グループにおいて低められたが、但し最高の用量グループを除く。タイプVコラーゲン及びMFAP5は、細胞外マトリックスを構成する構造タンパク質である。タイプVコラーゲン発現はしばしば、低められ、そしてMFAP5発現はしばしば、より分化された組織において高められる。このデータは、A549腫瘍細胞におけるノッチ−1阻害がより分化された表現型を導く作業仮説と一致する。
ヒト膵臓癌異種移植片における抗腫瘍活性:
動物
雌(無胸腺nu/nu)ヌードマウスを、Charles River Laboratories (Wilmington, MA)から入手し、そして雌のSCID−ベージュマウスをTaconic (Germantown, NY)から購入した。マウスは、それらが生後、約8〜12週(ヌード)又は8〜10週(SCID−ベージュ)であり、そして約23〜25gの体重を有する場合に使用される。すべての動物の健康は、実験動物の全体的観察により、及び共有される棚ラック上に収容される歩哨動物の血液サンプルの分析により毎月、決定された。すべての動物は、実験使用の前、最少72時間、いずれの輸送関連ストレスから順応され、そして回復された。オートクレーブされた水及び照射された食物(5058-ms Pico chow (mouse) Purina, Richmond, IN)は自由に供給され、そして動物は12時間の明及び暗サイクル上で維持された。かご、敷物及び水のボトルは使用の前オートクレーブ処理され、そして毎週、交換された。
MiaPaca2、AsPCI及びBxPC3ヒト膵臓癌細胞を、ATCC(Manassas, VA)から購入した。BxPC3及びAsPC1細胞をRPMI培地において増殖し、そしてMiaPaca2細胞をダルベッコ変性必須培地(DMEM)において増殖した。すべての培養培地は、10%(v/v)FBS及び1%(v/v)200nMのL−グルタミンにより補充された。ヌードマウスは、それぞれ1/22/07及び3/14/07に基づいて右後部側面上に、マウス当たり0.2mlの体積のPBS中、6×106個のMiaPaca2細胞又は5×106個のAsPC1細胞により皮下移植された。SCID−ベージュマウスは、5/22/07に基づいて右後部側面上に、マウス当たり0.2mlの体積のマトリゲル:PBSの1:1混合物中、5×106個のBxPC3細胞により皮下移植された。
化合物(1)を、経口(op)投与のために、0.2%Tween-80を含む、水中、1.0%Klucelにおける懸濁液として配合した。配合された化合物及びビークルを、4℃で貯蔵し、そして毎週、調製した[表1]。前記懸濁液を、投与の前、激しく混合した。ゲムシタビン(Gemzar(商標), Eli Lilly and Company, Indianapolis, IN, USA)を、無菌塩溶液により再構成し、全3〜4週の研究の間、38mg/mlの原液を生成した。インビボ投与のための所望する濃度を与えるためのゲムシタビンのさらなる希釈を、投与の日、無菌塩溶液により行った。
MiaPaca2 又はAsPCI異種移植片により移植されたヌードマウスを、それぞれ細胞移植後、17日目及び9日目にランダム化した。BxPC3異種移植片を担持するSCID-ベージュマウスを、移植後8日目にランダム化した。すべてのマウスを、腫瘍体積に従ってランダム化し、その結果、すべてのグループは、約100−150mm3の類似する出発平均腫瘍体積を有した。
MiaPaca2研究についての処理は、2/8/07(腫瘍細胞移植後17日目)で、AsPCI研究についての処理は、3/23/07 (腫瘍細胞移植後9日目)で、そしてBxPC3研究についての処理は、5/30/07 (腫瘍細胞移植後8日目)で着手した。経口ビークル又は化合物(1)の懸濁液を、無菌1cc注射機及び18ゲージの強制飼養用針を用いて、21−28日間、毎日1度(qd)投与し(0.2ml/動物)、又は断続的スケジュール(7日間の処理、7日間の非処理、7日間の処理(7+/7-A7+)、7日間の処理、7日間の非処理(7+/7-)、3日間の処理、4日間の非処理(3+/4-)又は14日間の処理、14日間の非処理(14+/14-))を用いて投与した。ゲムシタビンを、1ccの注射器及び26ゲージの針を用いて、マウスに腹腔内(ip)q3d(3日ごとに)投与した。
7+/7−/7+スケジュールを用いてのMiaPaca2研究における化合物(1)懸濁液の断続的投与に関しては、23日目に終結した処理を、31日目に再開始し、そして37日目に終結した。組合せグループ(表2A、グループ9及び10を参照のこと)においては、化合物懸濁液を7+/7−/7+スケジュールを用いて、ゲムシタビンにより連続的に付与し、その結果、化合物(1)を第1及び3週の間のみ、毎日投与し、ところがゲムシタビンは第2週のみの間、q3d投与された。
体重減少を、次の式を用いて、平均グループ体重における%変化としてグラフにより表した:((W-W0)/W0)×100、ここでWは特定の日での処理されたグループの平均体重を表し、そしてW0は処理の開始での同じ処理されたグループの平均体重を表す。最大の体重減少をまた、上記式を用いて表し、そして特定グループについて完全な実験の間、いずれかの時点で観察された最大%体重減少を示した。毒性は、20%以上の体重減少及び/又は死亡率を示す所定のグループにおける20%以上のマウスとして定義される。
毒性
すべての3種の研究(MiaPaca2、AsPC1及びBxPC3)においては、単独で又は組合して投与される化合物(1)又はゲムシタビンのすべての用量及びスケジュールは、20%以上の体重減少、罹病率又は死を示す20%以下の動物により定義される場合、十分に許容された。MiaPaca2研究においては、60mg/kgのq3dゲムシタビン及び30mg/kgの7+/7−/7+化合物(1)グループの個々において1匹のマウスが誤った投与により死亡した。AsPC1研究においては、90mg/kgのゲムシタビン単一剤グループにおける1匹のマウスが、1週間にわたっての進行性の体重減少のために毒性関連していると思われる、20%以上の体重減少のために22日目に安楽死された。BxPC3研究においては、10mg/kg qdグループにおける1匹のマウスが、研究の最後の日、20%以上の体重減少(bwl)を示し、これはまた、マウスが研究の最後の数週間、進行性の体重減少を示したので、毒性関連していると思われた。
化合物(1)がMiaPaca2ヒト膵臓癌異種移植片を担持するマウスに投与される場合、生物学的に有意な腫瘍増殖阻害(TGI)(60%以上のTGIとしてNCIにより定義されるような)は、単独で又はゲムシタビンと組合して、用量又はスケジュールに関係なく達成されることができなかった[11]。MiaPaca2異種移植片を担持するヌードマウスへの連続した21日間(qd)の化合物(1)の投与は、ビークル処理された対照に比較される場合、統計学的に有意であるが、しかし生物学的には有意でない腫瘍増殖阻害(TGI)をもたらした。
本発明の多くの態様が提供されて来たが、その基本的な構成は、本発明の範囲内で本発明を利用する他の態様を提供するために変更され得ることは明らかである。すべてのそのような修飾及び変更は本発明の範囲内に包含され、本発明を限定するものではない。
Claims (35)
- 前記処理が、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの治療的有効量の化合物(1)を投与することを含んで成る、請求項1記載の使用。
- 前記化合物(1)の治療的有効量が、約1100ng-時/ml〜4100ng-時/mlである、請求項2記載の使用。
- 前記化合物(1)の治療的有効量が、約1380ng-時/ml〜2330ng-時/mlである、請求項3記載の使用。
- 前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約400ng-時/ml〜約9000 ng-時/mlである、請求項2記載の使用。
- 前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約1100ng-時/ml〜約4100ng-時/mlである、請求項3記載の使用。
- 前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約1380ng-時/ml〜約2330ng-時/mlである、請求項4記載の使用。
- 化合物(1)が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、投与される、請求項1記載の使用。
- 化合物(1)が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される、請求項8記載の使用。
- 化合物(1)が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、投与される、請求項1記載の使用。
- 化合物(1)が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される、請求項10記載の使用。
- 化合物(1)が、医薬経口単位投与形で存在する、請求項1記載の使用。
- さらに、患者を放射線療法にゆだねることを含んで成る、請求項1記載の使用。
- 前記化合物(1)の治療的有効量が、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlである、請求項16記載の方法。
- 前記化合物(1)の治療的有効量が、約1100ng-時/ml〜4100ng-時/mlである、請求項17記載の方法。
- 前記化合物(1)の治療的有効量が、約1380ng-時/ml〜2330ng-時/mlである、請求項18記載の方法。
- 前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約400ng-時/ml〜約9000 ng-時/mlである、請求項17記載の方法。
- 前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約1100ng-時/ml〜約4100ng-時/mlである、請求項18記載の方法。
- 前記化合物(1)の治療的有効量が、約21日までの期間にわたって投与される約1380ng-時/ml〜約2330ng-時/mlである、請求項19記載の方法。
- 化合物(1)が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、投与される、請求項16記載の方法。
- 化合物(1)が、21日サイクルの日1,2,3,8,9及び10で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される、請求項23記載の方法。
- 化合物(1)が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、投与される、請求項16記載の方法。
- 化合物(1)が、21日サイクルの日1−7で毎日1度、約400ng-時/ml〜約9000ng-時/mlの量で投与される、請求項25記載の方法。
- 化合物(1)が、医薬経口単位投与形で存在する、請求項16記載の方法。
- さらに、患者を放射線療法にゆだねることを含んで成る、請求項16記載の方法。
- 前記経口単位用量形が、患者が1日当たり約300mgの化合物(1)又は医薬的に許容できるその塩を、約21日間、投与できるよう十分な数の単位を含む、請求項31記載のキット。
- 前記化合物(1)が、治療的有効量のゲムシタビン(gemcitabine)と組合して使用される、請求項1〜30のいずれか1項記載の方法及び使用。
- 膵臓癌の処理のための請求項33記載の方法及び使用。
- 実質的に前記に記載されるような新規方法及び使用。
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