JP2011508198A - 吸着されたインフルエンザワクチンのためのアッセイ - Google Patents

吸着されたインフルエンザワクチンのためのアッセイ Download PDF

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Abstract

インフルエンザ赤血球凝集素(HA)は、アルミニウム塩アジュバントに結合し、そして直接一元放射免疫拡散(SRID)試験で容易にアッセイできない。本発明は、抗原を拡散の前に脱離する工程を含むことによって、SRIDプロトコールを吸着抗原のために改変する。一実施形態において、免疫拡散アッセイを実行するための方法が提供され、この方法は、(a)目的の抗原を含む開始組成物を取得する工程であって、該抗原はアジュバントに吸着されている、工程;(b)該開始組成物を処理して、該抗原を該アジュバントから脱離させる工程;ならびに(c)該脱離させた組成物またはそのサンプルを、該目的の抗原に特異的な抗体を含むゲルに拡散させる工程を包含する。

Description

本発明は、インフルエンザワクチン、および特に抗原がアルミニウム塩に吸着しているワクチンに対して行われるアッセイの分野にある。
様々な形態のインフルエンザウイルスワクチンが、現在利用可能である(例えば、参考文献1の第17および18章を参照のこと)。ワクチンは一般的に、生きたウイルスまたは不活性化ウイルスのいずれかに基づく。不活性化ワクチンは、ウイルス粒子全体、「分割」ウイルス粒子、または精製表面抗原に基づき得る。
現在のインフルエンザワクチンは、水中油型エマルションを含むNovartis VaccinesのFLUADTM製品以外は、アジュバントを含まない。しかし、アジュバントは実験的ワクチンと共に使用されており、いくつかの場合において、特に汎流行性株に対するワクチンに関して、アルミニウム塩が使用された。参考文献2から6(特許文献1、特許文献2、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)は、水酸化アルミニウムアジュバントを使用する。参考文献7(特許文献3)は、水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウムの混合物を使用した。参考文献8(非特許文献4)も、アルミニウム塩アジュバントの使用を記載した。
インフルエンザワクチンの抗原含有量を標準化するための通常のアッセイは、一元放射免疫拡散(「SRID」)アッセイであり[9、10]、それは赤血球の凝集に基づく試験に代わって、1978年にWHOによって推奨された。そのアッセイは、インフルエンザ抗原の、特異的抗赤血球凝集素(抗HA)血清を含むアガロースゲルへの拡散に基づく。抗原が外側へ拡散するにつれて、ゲル中で同族抗体に遭遇し、そして最初にウェル周囲のハローとして目に見える沈殿を形成する。拡散が続くにつれて、その濃度は物質の過剰へとシフトし、そして沈殿は溶解する。再び沈殿を可能にするよう物質の濃度が低下するまで、拡散はさらに続く。さらなる拡散は、物質が低すぎて沈殿の縁を再溶解できなくなるまで、沈殿、再溶解および再沈殿を可能にする。次いでハローは、直径の増加を止める。最終的なハローの直径は、調製物中のHA抗原の量と直接比例する。未知の調製物によって産生されたハローを、公知のHA含有量を有する参照のものと比較することによって、抗原量を未知のものに割り当て得る。
参考文献5(非特許文献2)におけるアジュバント添加された(adjuvanted)ワクチンを、使用の直前に抗原およびアジュバントを即時に混合することによって調製した。従って、抗原含有量は、アジュバントを導入する前に標準化された。しかし、もし抗原およびアジュバントを、バルクワクチン製造の段階で混合するなら、SRIDアッセイを吸着した抗原に対して行わなければならない。本発明者らは、インフルエンザHAはアルミニウム塩アジュバントに非常に強く結合するので、SRIDゲル中をよく拡散せず、そして従って標準的な手順によって直接容易にはアッセイできないことを発見した。従って、事前に吸着されたワクチンで使用することを可能にする、SRIDアッセイへの改良を提供する必要性が存在する。
米国特許第6,372,223号明細書 国際公開第00/15251号 国際公開第01/22992号
Govorkovaら、J Infect Dis.(2006)194(2):159〜67 Bressonら、Lancet(2006)367:1657〜64 Linら、Lancet(2006)368:991〜7 Hehmeら、Virus Res.(2004)103(1−2):163〜71
本発明の開示
本発明は、抗原を拡散の前に脱離する工程を含むことによって、吸着した抗原のためのインフルエンザSRIDアッセイプロトコールを修飾する。従って本発明は、以下の工程を含む、SRIDアッセイを行うための方法を提供する:
(a)目的の抗原を含む開始組成物を得る工程であって、ここでその抗原はアジュバントに吸着している、工程;
(b)アジュバントから抗原を脱離するために開始組成物を処理する工程;および
(c)脱離した組成物、またはそのサンプルを、目的の抗原に特異的な抗体を含むゲル中へ拡散させる工程。
本発明はまた、アジュバント吸着抗原のためのSRIDアッセイにおいて、抗原の放射拡散が起こる前に抗原を脱離することから成る改良を提供する。
より一般的には、脱離工程を、吸着が干渉するあらゆるインフルエンザワクチン分析工程、例えばSDS−PAGE、イムノブロッティングまたはウェスタンブロッティング、イムノアッセイ(例えばELISA)、BCAタンパク質アッセイ等を含むアッセイ技術の前に使用し得る。従って、本発明は、以下の工程を含む、インフルエンザ抗原に対してアッセイを行うための方法を提供する:
(a)インフルエンザ抗原を含む開始組成物を得る工程であって、ここでその抗原はアジュバントに吸着している、工程;
(b)アジュバントから抗原を脱離するために開始組成物を処理する工程;および
(c)脱離した組成物、またはそのサンプルに、アッセイ技術を適用する工程。
本発明はまた、アジュバント吸着インフルエンザ抗原のためのアッセイにおいて、抗原のアッセイを行う前に、抗原を脱離することから成る改良を提供する。
本発明はまた、本発明の方法によってアッセイした抗原組成物を提供する。本発明はまた、本発明の方法によってアッセイした抗原を含むワクチンを提供する。
SRIDアッセイ
本発明のSRIDアッセイは、上記で記載したように、3つの工程(a)から(c)を含む。
SRIDアッセイによって分析する開始組成物は、アジュバントに吸着した抗原を含む。その抗原は、下記でより詳細に記載するように、典型的にはインフルエンザウイルス抗原であるが、SRIDアッセイはまた、不活性化ポリオおよび狂犬病ワクチンを含む、他のワクチンの効力を決定するために使用することが公知である[9、10]。ゲルに含まれる抗体は、アッセイする抗原によって選択される。
抗原が吸着するアジュバントは、下記でより詳細に記載するように、典型的には不溶性の金属塩である。
SRIDアッセイは、通常分析されるべき組成物をゲル中のウェルに導入することを含む。そのウェルは通常円形であり、そして従って工程(c)における拡散は、実質的に放射状である。本発明のアッセイにおいて、吸着した抗原をアジュバントから脱離して、それがゲル中に拡散させる。脱離のさらなる詳細を下記で提供する。
脱離は、ゲルのウェルの内側で起こり得るが、通常抗原組成物をウェルに加える前に起こる。従って、工程(b)および(c)の間に、本発明の方法は、脱離した組成物、またはそのサンプルを、目的の抗原に特異的な抗体を含むゲルに導入する工程を含み得る。
典型的なSRIDアッセイにおいて使用するゲルは、サンプルを受け入れる複数のウェルを含み、同時分析を可能にする。単一のアッセイにおいて、同じ材料の複数のサンプルを、通常異なるサンプル希釈物で試験することは普通である。本発明の方法は、単一のサンプル由来の抗原を脱離し、そして次いで免疫拡散の前にそのサンプルを分割し得、その場合工程(b)の脱離材料は、工程(c)の前に多くのサンプルに分割される。
SRIDアッセイにおいて使用するゲルは、目的の抗原に特異的な抗体を、標的抗原濃度に関して、拡散の中心から適当な距離で、免疫複合体の形成を可能にする濃度で含む。その抗体は、実質的に均一な濃度で存在し、それは既知であっても既知でなくてもいい。そのようなゲルの調製は、多くの異なる抗原に関して、当該分野で周知である。抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルであり得るが、ポリクローナル抗体を含む抗血清を使用することが典型的である。好ましいゲルは従って、ポリクローナル抗HA抗体で含浸される。ヤギ、またはより好ましくはヒツジ抗血清を使用し得る。
SRIDアッセイのゲルは、好ましくは寒天またはアガロースゲルであるが、他の適当な材料が利用可能であり、そして抗原の放射状拡散を支持するその能力に、および抗原/抗体複合体の沈殿を支持するその能力に基づいて、当業者によって選択し得る。
工程(c)における拡散のための温度およびタイミングは、当該分野において周知である。
本発明の方法は、(d)ゲルにおいて沈殿ハローの寸法を決定する、さらなる工程を含み得る。次いで(e)工程(d)で測定した寸法を、標準的な寸法と比較し、そしてその比較の結果を用いて工程(c)において添加された材料の抗原濃度を計算する、さらなる工程を含み得る。測定工程を、手動で、自動で[11]、または半自動的に行い得る。その標準的な寸法を、通常目的の抗原を標的濃度で含むサンプルから測定する。そのような濃度を、下記でより詳細に記載する。
開始組成物
SRIDによって分析する開始組成物は、アジュバントに吸着した抗原を含み、そしてこの抗原は典型的にはインフルエンザウイルス抗原である。
様々な形態のインフルエンザウイルスワクチンが現在利用可能であり、そして一般的に生きたウイルスまたは不活性化ウイルスのいずれかに基づく。本発明は、不活性化ワクチンを分析するために使用し得、それはウイルス粒子全体、「分割」ウイルス粒子、または精製表面抗原(赤血球凝集素を含み、そして通常ノイラミニダーゼも含む)に基づき得る。分析のためのインフルエンザ抗原はまた、ビロソームの形態で提示し得る。
ウイルスを不活性化するための化学的手段は、有効な量の、1つまたはそれ以上の以下の薬剤による処理を含む:界面活性剤、ホルムアルデヒド、β−プロピオラクトン、メチレンブルー、ソラレン、カルボキシフラーレン(C60)、バイナリーエチルアミン、アセチルエチレンイミン、またはその組み合わせ。例えばUV光またはガンマ線照射のような、ウイルス不活性化の非化学的方法は、当該分野で公知である。
ウイルス粒子を、様々な方法によって、ウイルスを含む液体から回収し得る。例えば、精製過程は、ウイルス粒子を破壊するために界面活性剤を含む、線形ショ糖勾配溶液を用いた、ゾーン遠心分離を含み得る。次いで抗原を、任意の希釈後、ダイアフィルトレーションによって精製し得る。
分割ウイルス粒子を、「Tween−エーテル」分割過程を含む、精製ウイルス粒子を界面活性剤および/または溶媒で処理して、サブウイルス粒子調製物を産生することによって得る。インフルエンザウイルスを分割する方法は、当該分野で周知であり、例えば参考文献12−17等を参照のこと。ウイルスの分割を、分割剤(splitting agent)の破壊濃度で感染性または非感染性に関わらず、典型的にはウイルス全体を破壊または断片化することによって行う。その破壊は、ウイルスタンパク質の完全なまたは部分的な可溶化をもたらし、ウイルスの完全性を変化させる。好ましい分割剤は、非イオン性およびイオン性(例えば陽イオン性)界面活性剤である。適当な分割剤は、エチルエーテル、ポリソルベート80、デオキシコール酸、トリ−N−ブチルホスフェート、アルキルグリコシド、アルキルチオグリコシド、アシル糖、スルホベタイン、ベタイン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、N,N−ジアルキル−グルカミド、Hecameg、アルキルフェノキシ−ポリエトキシエタノール、四級アンモニウム化合物、サルコシル、CTAB(セチルトリメチルアンモニウム臭化物)、トリ−N−ブチルホスフェート、セタブロン、ミリスチルトリメチルアンモニウム塩、リポフェクチン、リポフェクタミン、およびDOT−MA、オクチル−またはノニルフェノキシポリオキシエタノール(例えばTritonX−100またはTritonN101のような、Triton界面活性剤)、ノノキシノール9(NP9)、Sympatens−NP/090、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(Tween界面活性剤)、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンエステル等を含むがこれに限らない。1つの有用な分割手順は、デオキシコール酸ナトリウムおよびホルムアルデヒドの連続した効果を用い、そして分割は最初のウイルス粒子精製の間に起こり得る(例えばショ糖密度勾配溶液において)。従って、分割過程は、ウイルス粒子を含む材料の浄化(非ウイルス粒子材料を除去するため)、回収したウイルス粒子の濃縮(例えばCaHPO吸着のような吸着法を用いて)、非ウイルス粒子材料からのウイルス粒子全体の分離、密度勾配遠心工程における分割剤を用いたウイルス粒子の分割(例えばデオキシコール酸ナトリウムのような分割剤を含むショ糖勾配を用いて)、そして次いで望ましくない材料を除去するためのろ過(例えば限外ろ過)を含み得る。分割したウイルス粒子を、リン酸ナトリウム緩衝化等張塩化ナトリウム溶液中に有用に再懸濁し得る。BEGRIVACTM、FLUARIXTM、FLUZONETM、およびFLUSHIELDTM製品は、分割ワクチンである。
精製表面抗原ワクチンは、インフルエンザ表面抗原赤血球凝集素、および典型的にはノイラミニダーゼも含む。これらのタンパク質を精製した形態で調製するための過程は、当該分野で周知である。FLUVIRINTM、AGRIPPALTM、およびINFLUVACTM製品は、サブユニットワクチンである。
不活性化インフルエンザ抗原の別の形態は、ビロソームである[18](核酸を含まないウイルス様リポソーム粒子)。ビロソームを、界面活性剤によるインフルエンザウイルスの可溶化、続くヌクレオカプシドの除去およびウイルス糖タンパク質を含む膜の再構成によって調製し得る。ビロソームを調製するための代替方法は、ウイルス膜糖タンパク質を、過剰量のリン脂質に加え、その膜にウイルスタンパク質を有するリポソームを生じることを含む。本発明を、INFLEXAL VTMおよびINVAVACTM製品におけるように、バルクビロソームを保存するために使用し得る。
インフルエンザウイルスを弱毒化し得る。そのインフルエンザウイルスは、温度感受性であり得る。そのインフルエンザウイルスは、低温適応であり得る。ワクチン抗原として生きたウイルスを用いる場合には、これらの3つの特徴は特に有用である。
HAは、現在の不活性化インフルエンザワクチンの主な免疫原であり、そしてワクチン用量を、典型的にはSRIDによって測定されるHAレベルに関して標準化する。既存のワクチンは、典型的には株あたり約15μgのHAを含むが、より低い用量を、例えば小児のために、または世界的流行の状況において、またはアジュバントを使用する場合に使用し得る。より高い用量(例えば3×または9×用量[19、20])と同様、1/2(すなわち株あたり7.5μgのHA)、1/4および1/8のような分数の用量を使用した[7、8]。従って、本発明によって分析したワクチンは、インフルエンザ株あたり0.1および150μgの間、好ましくは0.1および50μgの間、例えば0.1−20μg、0.1−15μg、0.1−10μg、0.1−7.5μg、0.5−5μg等のHAを含み得る。特定の用量は、例えば株あたり約15、約10、約7.5、約5、約3.8、約1.9、約1.5μg等を含む。
本発明で使用する株は、野生型ウイルスで見出されるような天然HA、または修飾HAを有し得る。例えば、鳥類の種において、ウイルスを高度に病原性にする決定基(例えばHA1/HA2切断部位周辺の高度塩基性領域)を除去するためにHAを修飾することが公知である。
ワクチンにおいて使用するインフルエンザウイルス株は、シーズン毎に変化する。現在の世界的流行の間の時期において、3価のワクチンは2つのインフルエンザA株(H1N1およびH3N2)および1つのインフルエンザB株を含む。本発明を、インフルエンザAおよびインフルエンザBウイルスの両方を分析するために使用し得る。本発明を、1価の抗原バルク、すなわち単一のインフルエンザウイルス株のみに由来する抗原を含む組成物を分析するために使用し得る。一旦分析したら、これらの吸着した1価のバルクを次いで組み合わせて多価のワクチンを形成し得る。本発明をまた、組み合わせたバルクおよび組み合わせた最終ワクチンを分析するために使用し得る。
インフルエンザAウイルスは現在、16個のHAサブタイプ:H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15およびH16を示す。これらのサブタイプをいずれも、本発明によって分析し得る。そのウイルスは、NAサブタイプN1、N2、N3、N4、N5、N6、N7、N8、またはN9のいずれかを有し得る。
本発明を、汎流行性インフルエンザAウイルス株に使用し得る。汎流行性株の特徴は:(a)現在流布しているヒト株における赤血球凝集素と比較して、新しい赤血球凝集素、すなわち、10年より長くヒト集団において明らかでなかったもの(例えばH2)、またはヒト集団において以前に全く見られなかったもの(例えば一般的に鳥集団においてのみ見出されたH5、H6、またはH9)を含み、ワクチンのレシピエントおよび一般的なヒト集団は、その株の赤血球凝集素に対して免疫学的にナイーブである;(b)ヒト集団内で水平に伝染し得る;および(c)ヒトに対して病原性である。汎流行性株H2、H5、H7またはH9サブタイプ株、例えばH5N1、H5N3、H9N2、H2N2、H7N1およびH7N7株。H5サブタイプ中で、ウイルスは多くのクレイド、例えばクレイド1またはクレイド2に分類され得る。クレイド2の6個のサブクレイドが同定され、サブクレイド1、2、および3は明確な地理的分布を有し、そしてそのヒト感染における関与のために特に関連がある。
インフルエンザBウイルスは、現在異なるHAサブタイプを示さないが、インフルエンザBウイルス株は、2つの明確な系統に分類される。これらの系統は、1980年代後半に出現し、そしてお互いに抗原的および/または遺伝的に区別し得るHAを有する[21]。
本発明によって分析されるインフルエンザウイルス抗原は、卵または細胞培養において増殖し得る。インフルエンザウイルス増殖のための現在標準的な方法は、特定の病原体を含まない(SPF)有胚ニワトリ卵を使用し、卵尿膜腔液からウイルスを精製する。もし抗原を卵で増殖させたなら、分析する材料は卵タンパク質(卵白アルブミンおよびオボムコイドのような)を含み得る。
その抗原を、インフルエンザウイルス複製を支持する細胞株において増殖させ得る。その細胞株は、典型的には哺乳類起源である。適当な起源の哺乳類細胞は、ハムスター、ウシ、霊長類(ヒトおよびサルを含む)、およびイヌ細胞を含むがこれに限らないが、霊長類細胞の使用は好ましくない。腎臓細胞、線維芽細胞、網膜細胞、肺細胞等のような、様々な細胞型を使用し得る。適当なハムスター細胞の例は、BHK21またはHKCCという名前を有する細胞株である。適当なサル細胞は、例えばベロ細胞株におけるような腎臓細胞のような、アフリカミドリザル細胞である。適当なイヌ細胞は、例えばCLDKおよびMDCK細胞株におけるような、腎臓細胞である。
従って、適当な細胞株は、MDCK;CHO;CLDK;HKCC;293T;BHK;Vero;MRC−5;PER.C6;FRhL2;WI−38等を含むがこれに限らない。適当な細胞株は、例えばAmerican Type Cell Culture(ATCC)コレクション[22]、Coriell Cell Repositories[23]、またはEuropean Collection of Cell Cultures(ECACC)から、広く入手可能である。例えば、ATCCは、カタログ番号CCL−81、CCL−81.2、CRL−1586およびCRL−1587で様々な異なるベロ細胞を供給し、そしてそれはカタログ番号CCL−34でMDCK細胞を供給する。PER.C6は、寄託番号96022940でECACCから入手可能である。
最も好ましい細胞株は、哺乳類型の糖鎖付加を有するものである。哺乳類細胞株のより好ましくない代替として、ウイルスを、アヒル由来(例えばアヒル網膜)またはニワトリ由来の細胞株、例えばニワトリ胚線維芽細胞(CEF)等を含む、鳥類細胞株で増殖し得る[例えば参考文献24−26]。
インフルエンザウイルスを増殖させるために最も好ましい細胞株は、Madin Darbyイヌ腎臓由来のMDCK細胞株である[27−30]。もともとのMDCK細胞株は、CCL−34としてATCCから入手可能であるが、この細胞株の誘導体も使用し得る。例えば、参考文献27は、懸濁培養で増殖させるために適応したMDCK細胞株を開示する(DSM ACC 2219として寄託された「MDCK33016」)。同様に、参考文献31は、血清を含まない培養中で、懸濁物中で増殖する、MDCK由来細胞株を開示する(FERM BP−7449として寄託された「B−702」)。参考文献32は、「MDCK−S」(ATCC PTA−6500)、「MDCK−SF101」(ATCC PTA−6501)、「MDCK−SF102」(ATCC PTA−6502)、および「MDCK−SF103」(PTA−6503)を含む、非腫瘍形成性のMDCK細胞を開示する。参考文献33は、「MDCK.5F1」細胞(ATCC CRL−12042)を含む、感染に対して高い感受性を有するMDCK細胞株を開示する。これらのMDCK細胞株のいずれかで増殖したウイルス由来の抗原を含む組成物を分析し得る。
ウイルスを、接着培養または懸濁物中の細胞において増殖させ得る。マイクロキャリア培養も使用し得る。いくつかの実施態様において、その細胞は従って、懸濁物中の増殖のために適応し得る。
細胞株を、好ましくは血清を含まない培地および/またはタンパク質を含まない培地で増殖させる。培地は、本発明の文脈において、血清を含まない培地として言及され、ここでヒトまたは動物由来の血清からの添加物を含まない。そのような培養物中で増殖する細胞は、当然それら自身のタンパク質を含むが、タンパク質を含まない培地は、細胞の増殖が、タンパク質、増殖因子、他のタンパク質添加物、および非血清タンパク質を除いて起こるが、任意でウイルス増殖に必要であり得る、トリプシンまたは他のプロテアーゼのようなタンパク質を含み得るものを意味することが理解される。
抗原およびアジュバントに加えて、分析されるべき組成物は、他の医薬品成分を含み得る。そのような成分の詳細な議論は、参考文献34において入手可能である。
その組成物は、チオメルサールまたは2−フェノキシエタノールのような保存剤を含み得る。しかし、その組成物は実質的に水銀物質を含まない(すなわち5μg/ml未満)、例えばチオメルサールを含むべきではないことが好ましい[16、35]。水銀を含まないワクチンがより好ましい。保存剤を含まないワクチンが特に好ましい。コハク酸α−トコフェロールを、水銀化合物の代わりとして含み得る[16]。
その組成物は、ナトリウム塩のような、生理学的な塩を含み得る。塩化ナトリウム(NaCl)が好ましく、それは1および20mg/mlの間で存在し得る。存在し得る他の塩は、塩化カリウム、リン酸二水素カリウム、無水リン酸水素二ナトリウム(disodium hydrogen phosphate dehydrate)、リン酸二水素ナトリウム(sodium dhihydrogen phosphate)、リン酸水素二カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等を含む。
組成物は、200mOsm/kgおよび400mOsm/kgの間、好ましくは240−360mOsm/kgの間の重量オスモル濃度を有し得、そしてより好ましくは290−310mOsm/kgの範囲に入る。
組成物は、1つまたはそれ以上の緩衝剤を含み得る。典型的な緩衝剤は、リン酸塩緩衝剤;Tris緩衝剤、ホウ酸塩緩衝剤;コハク酸塩緩衝剤、ヒスチジン緩衝剤(特に水酸化アルミニウムアジュバントと共に);またはクエン酸緩衝剤を含む。緩衝剤は、典型的には5−20mMの範囲で含まれる。
組成物のpHは、一般的に5.0および8.1の間、そしてより典型的には6.0および8.0の間、例えば6.5および7.5の間、または6.5および8.0の間、または7.0および7.8の間である。本発明の過程は従って、包装の前にバルクワクチンのpHを調整する工程を含み得る。
その組成物は、好ましくは滅菌である。その組成物は、好ましくは非発熱性である、例えば用量あたり<1EU(エンドトキシンユニット、標準的な尺度)、そして好ましくは用量あたり<0.1EUを含む。その組成物は、好ましくはグルテンを含まない。
本発明の組成物は、特に分割または表面抗原ワクチンのために、界面活性剤、例えばポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(「Tween」として知られる)、オクトキシノール(オクトキシノール−9(TritonX−100)またはt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)、ノノキシノール(NP9)、セチルトリメチルアンモニウム臭化物(「CTAB」)、またはデオキシコール酸ナトリウムを含み得る。その界面活性剤は、ほんの痕跡量で存在し得る。従って、そのワクチンは1mg/ml未満の各オクトキシノール−10およびポリソルベート80を含み得る。痕跡量の他の残りの成分は、抗生物質であり得る(例えばネオマイシン、カナマイシン、ポリミキシンB)。
アジュバント
分析されるべきサンプル中の抗原を、アジュバントに吸着させる。微粒子および不溶性の金属塩、例えばアルミニウムまたはカルシウム塩を含む、様々なアジュバントが抗原を吸着し得る。吸着は部分的または完全であり得る。例えば、組成物中少なくとも50%(例えば≧60%、≧70%、≧80%、≧90%、≧95%、≧99%等)の抗原を吸着し得る。吸着の程度を、単純に、例えば組成物を遠心し、そしてどれだけの物質が溶液中に残るか(すなわち吸着されなかった)を決定することによって決定し得る。例えば、参考文献36において、リン酸カルシウムアジュバントの吸着能力を、この方法によって測定した。
本発明の方法を用いる最も典型的な吸着剤は、アルミニウム塩である。
アルミニウム塩
抗原を吸着するための適当なアルミニウム塩は、水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウムとして公知であるアジュバントを含む。これらの名前は従来のものであるが、どちらも存在する実際の化合物の正確な説明ではないので、簡便さのためにのみ使用する[例えば参考文献37の第9章を参照のこと]。本発明は、アジュバントとして一般的に使用される「水酸化物」または「リン酸塩」アジュバントのいずれも使用し得る。
「水酸化アルミニウム」として公知のアジュバントは、典型的にはオキシ水酸化アルミニウム(aluminum oxyhydroxide)塩であり、それは通常少なくとも部分的に結晶性である。式AlO(OH)によって示し得るオキシ水酸化アルミニウムは、赤外(IR)分光法によって、特に1070cm−1における吸着バンドの存在および3090−3100cm−1における強いショルダーによって、水酸化アルミニウムAl(OH)のような、他のアルミニウム化合物から区別され得る[参考文献37の第9章]。水酸化アルミニウムアジュバントの結晶性の程度は、半分の高さにおける回折バンドの幅(WHH)によって反映され、結晶性の低い粒子は、より小さい晶子サイズのために、より大きい線の広がりを示す。WHHが増加するにつれて表面積が増加し、そしてより高いWHH値を有するアジュバントが、より高い抗原吸着能力を有するようであった。線維状の形態(例えば透過型電子顕微鏡において見られるような)は、水酸化アルミニウムアジュバントに典型的である。水酸化アルミニウムアジュバントのpIは、典型的には約11である、すなわち生理学的なpHにおいて、アジュバント自身が正の表面電荷を有する。pH7.4におけるAl+++1mgあたり1.8−2.6mgの間のタンパク質の吸着能力が、水酸化アルミニウムアジュバントに関して報告された。
「リン酸アルミニウム」として公知のアジュバントは、典型的にはヒドロキシリン酸アルミニウムであり、多くの場合少量の硫酸塩(すなわち、ヒドロキシリン酸アルミニウム硫酸塩)も含む。それらを沈殿によって得ることができ、そして沈殿の間の反応条件および濃度が、塩におけるヒドロキシルのホスフェートによる置換の程度に影響する。ヒドロキシリン酸塩は、一般的に0.3および1.2の間のPO/Alモル比を有する。ヒドロキシリン酸塩を、ヒドロキシル基の存在によって、厳密なAlPOから区別し得る。例えば、3164cm−1におけるIRスペクトルのバンド(例えば200℃に加熱した場合)は、構造的なヒドロキシルの存在を示す[参考文献37の第9章]。
リン酸アルミニウムアジュバントのPO/Al3+モル比は、一般的に0.3および1.2の間、好ましくは0.8および1.2の間、そしてより好ましくは0.95±0.1である。リン酸アルミニウムは、特にヒドロキシリン酸塩に関しては、一般的に無定形である。典型的なアジュバントは、0.6mgAl3+/mlで含まれる、0.84および0.92の間のPO/Alモル比を有する、無定形ヒドロキシリン酸アルミニウムである。リン酸アルミニウムは、一般的には粒子性である(例えば、透過型電子顕微鏡写真で見られるようなプレート様形態)。粒子の典型的な直径は、あらゆる抗原吸着の後、0.5−20μmの範囲(例えば約5−10μm)である。pH7.4におけるAl+++1mgあたり0.7−1.5mgの間のタンパク質の吸着能力が、リン酸アルミニウムアジュバントに関して報告された。
リン酸アルミニウムの電荷ゼロ点(PZC)は、ヒドロキシルのホスフェートによる置換の程度と逆に関連しており、そしてこの置換の程度は、沈殿による塩の調製に使用された反応条件および反応物の濃度に依存して変動し得る。PZCはまた、溶液中の遊離ホスフェートイオンの濃度を変化させることによって(より多いホスフェート=より酸性のPZC)、またはヒスチジン緩衝剤のような緩衝剤を加えることによって(PZCをより塩基性にする)も変化する。本発明によって使用されるリン酸アルミニウムは、一般的に4.0および7.0の間、より好ましくは5.0および6.5の間、例えば約5.7のPZCを有する。
本発明で使用するアルミニウム塩の懸濁物は、緩衝剤(例えばリン酸塩またはヒスチジンまたはTris緩衝剤)を含み得るが、これは常に必要ではない。その懸濁物は、好ましくは滅菌および発熱物質を含まない。懸濁物は、遊離の水性ホスフェートイオンを含み得、例えば1.0および20mMの間、好ましくは5および15mMの間、そしてより好ましくは約10mMの濃度で存在する。その懸濁物はまた、塩化ナトリウムを含み得る。
そのアジュバントは、水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウム両方の混合物を含む[7]。この場合、例えば少なくとも2:1、例えば≧5:1、≧6:1、≧7:1、≧8:1、≧9:1等の重量比で、水酸化物よりも多くのリン酸アルミニウムが存在し得る。
分析のための組成物におけるAl+++の濃度は、通常<10mg/ml、例えば≦5mg/ml、≦4mg/ml、≦3mg/ml、≦2mg/ml、≦1mg/ml等である。好ましい範囲は、0.3および1mg/mlの間である。
1つまたはそれ以上のアルミニウム塩アジュバントを含むのと同様に、そのアジュバント成分は、1つまたはそれ以上のさらなるアジュバントまたは免疫刺激剤を含み得る。そのようなさらなる成分は:3−O−脱アシル化モノホスホリルリピドAアジュバント(「3d−MPL」);および/または水中油型エマルションを含むがこれに限らない。3d−MPLは、以前にリン酸アルミニウム[38]および水酸化アルミニウム[39]アジュバントの両方と組み合わされた。
カルシウム塩
様々なカルシウム塩のうち、一般的にリン酸カルシウムのみをアジュバントとして使用する。リン酸カルシウムの様々なアジュバント形態が報告され、そしてこれらのいずれも本発明の方法によって分析し得る。
水和リン酸カルシウムゲルアジュバントが、Superfos(Vedbaek、Denmark)から入手可能である。
1995年に、参考文献37の第8章がリン酸カルシウムアジュバントを概説した。抗原の存在下で塩のその場での(in situ)沈殿によって、または前もって形成した塩に対する吸着によって、抗原をリン酸カルシウムに吸着し得る。前もって形成したリン酸カルシウムゲルの市販の供給源に言及する。吸着能力を含む、アジュバントの物理化学的な特徴に対する沈殿条件の影響について、詳細を提供する。
参考文献40は、様々なリン酸カルシウムアジュバントの構造および吸着性質について報告する。厳密なCa(POであるよりも、そのアジュバントは、式Ca10−x(HPO6−x(OH)2−xの非化学量論的なヒドロキシアパタイトであり、そして5.5の電荷ゼロ点(PZC)を有するpH依存性表面電荷であることが報告された。そのアジュバントは、約10nm×150nmの寸法を有する針様の粒子、および約20−30nmの直径を有する不規則な形のプレートを形成し得る。
参考文献41は、反応性の空の部位を含む反応性無定形リン酸カルシウムを開示し、この反応性部位は、プレ成分のガス性または蒸気様(vaporous)副産物への熱分解による、炭酸無定形リン酸カルシウムの炭酸プレ成分の除去によって得られた。
参考文献42および43は、粒子性のリン酸カルシウムアジュバント(「CAP」)を開示し、ここでその粒子は、300−4000nm(ナノ粒子)の範囲の直径を有し、そして球形およびなめらかな表面を有する。参考文献44は、これらの粒子を粘膜免疫に使用し得ることを開示する。
参考文献45は、上皮を通る輸送のために適当なサイズの、粒子性ヒドロキシル化リン酸カルシウムを使用した。
参考文献46は、インビボで可溶性であり、そして約1.0から2.0のCa/P比でその表面を覆ったリン酸カルシウム化合物を有するポリマー性物質の粒子を含む、複合粒子を開示した。
参考文献47は、ワクチンを吸着するための、リン酸カルシウムの注射用水性ゲルを開示し、ここでカルシウムおよびホスフェートイオンを、重量比Ca/Pが1.62から1.85であるような、そして1リットルあたり0.07原子のCaを含む場合、ゲルの沈降時間(settling time)が20℃で10分において1−20mmの間であるような比率で組み合わせる。
リン酸カルシウムアジュバントのCa対Pモル比は、例えば1.35および1.83の間で変動し得る[参考文献37の第8章を参照のこと]。アジュバントの吸着性質は、沈殿の間に使用した条件に依存して変動することが見出された、例えばゆっくりとした混合は、速い混合によって形成されたアジュバントよりも低い吸着能力を有するアジュバントを生じた。
Ca++として測定された、本発明のワクチンにおけるリン酸カルシウムの量は、0.1および10mg/mlの間、例えば0.5−5mg/mlの間、好ましくは0.75−3mg/ml、0.9−1.5mg/ml、または約1mg/mlであり得る。
脱離
本発明の方法は、吸着抗原の脱離を含む。脱離のために、様々な方法を使用し得る。インフルエンザウイルス抗原に関して、本発明者らは、表面糖タンパク質およびアルミニウム塩(特に水酸化アルミニウムアジュバント)の間の相互作用の性質が、多くの利用可能な脱離方法がおだやか過ぎる(それは、タンパク質の一部分は結合したままであり、抗原含有量の過小評価を引き起こすことを意味する)または厳し過ぎる(HA抗原が変性または切断され、再び抗原含有量の過小評価を引き起こすことを意味する)ことを意味することを見出した。従って、本発明者らは、SRIDによってアッセイ可能であることを保証しながらも、インフルエンザタンパク質の実質的に完全な脱離を可能にする脱離処理を考案した。
脱離は通常、分析されるべき組成物と1つまたはそれ以上の脱離試薬を混合することを含む。適当な脱離試薬は、塩および/または界面活性剤を含む。その脱離試薬を、様々なpH値で使用し得るが、好ましくは6および9.5の間である。脱離は、冷蔵温度(例えば2−8℃の間)で、またはより温かい温度(例えば18−25℃の間)で起こり得る。
脱離試薬として使用するために適当な塩は、リン酸塩、例えばリン酸アンモニウム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム等を含む。これらの塩を、様々な濃度で、例えば10−1000mMの間、50−500mMの間で使用し得る。>250mMの濃度(例えば≧350mM、≧400mM、≧450mM、≧500mM等)(例えば300−500mMの間、または約332.5mM)は、よい結果を生じることが見出された。従って、脱離塩は、この濃度で可溶性のままでなければならない。他の適当な塩は、クエン酸塩、炭酸塩等を含み得る。
オルトリン酸水素二カリウムが、好ましい脱離試薬である。
脱離試薬として使用するために適当な界面活性剤は、双性イオンを含む、イオン性または非イオン性であり得る。非イオン性界面活性剤が特に有用であり、そして双性イオン性界面活性剤が好ましい。「Zwittergent3−14」TM(n−テトラデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート;CAS14933−09−6;「TDAPS」)を含む、両性「Zwittergent」界面活性剤を試験した。Zwittergent3−14TMは、他の両性界面活性剤と異なり、広いpH範囲でその双性イオン性の特徴を保持する、合成水溶性双性イオン性界面活性剤である。この性質は、強力な塩基性四級アンモニウムイオンおよび同じ強さの酸性スルホナートイオンの両方の存在に起因する。従って、好ましい界面活性剤は、四級アンモニウムイオンおよび/または酸性スルホナートイオンを含む。界面活性剤を、様々な濃度で、例えば0.1−15%、1−10%等で使用し得る。Zwittergent3−14TMは、0.1%から2%の間の範囲、例えば0.25%から1%、または約0.5%の濃度で有用である。
好ましい脱離は、塩および界面活性剤の混合物を使用する。
さらなる方法
本発明は、以下の工程を含む、ワクチンを産生するための方法を提供する:
(i)目的のバルク抗原を調製する工程:
(ii)本発明の方法を用いて、バルク抗原のサンプルを分析する工程;
(iii)工程(ii)の結果に基づいて、バルク抗原を望ましい最終濃度へ希釈する工程;
(iv)任意で、希釈したバルク抗原を、1つまたはそれ以上の薬剤学的に許容可能な成分と組み合わせる工程;そして
(v)流通のために希釈したバルク抗原を包装する工程。
工程(i)のバルク抗原は、一価または多価であり得る。工程(iv)における成分は、担体、賦形剤、さらなる抗原等を含み得る。
本発明はまた、以下の工程を含む、SRIDアッセイによって分析するためのサンプルを調製するための方法を提供する:(a)目的の抗原を含む開始組成物を得る工程であって、ここでその抗原はアジュバントに吸着している、工程;および(b)開始組成物を処理して、アジュバントから抗原を脱離する。工程(b)の産物を、次いでSRIDアッセイによって分析し得る。調製方法および実際のSRIDアッセイを、同じ人または異なる人が行い得る、そして同じ地理的位置で、または異なる地理的位置で、例えば異なる国で行い得る。
一般
「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」および「から成る」を含む、例えばXを「含む」組成物は、独占的にXから成り得る、またはさらに何かを、例えばX+Yを含み得る。
「実質的に」という言葉は、「完全に」を除外しない、例えば「実質的にYを含まない」組成物は、完全にYを含まなくあり得る。必要な場合には、「実質的に」という言葉を、本発明の定義から省略し得る。
数値xに関連して「約」という用語は、例えばx±10%を意味する。
他に具体的に述べなければ、2つまたはそれ以上の成分を混合する工程を含む過程は、いかなる特定の混合の順番も必要としない。従って、成分を、あらゆる順番で混合し得る。3つの成分がある場合、2つの成分をお互いに組み合わせ得、そして次いでその組み合わせを3番目の成分と組み合わせ得る等である。
本発明を行うための様式
様々な塩の評価
バルクの一価表面糖タンパク質を、卵増殖A/New York(H3N2)インフルエンザウイルスから調製した。抗原(50μg/ml)を、水酸化アルミニウムアジュバントに完全に吸着し(1mg/ml AlhydrogelTM)、その後それはもはやSRIDによって確実には分析できなかった。従って、様々な脱離試薬を試験した(最終的な濃度を下記の表で示す):
緩衝塩:リン酸アンモニウム
リン酸カリウム(三塩基性)
オルトリン酸水素二カリウム
リン酸二水素ナトリウム
オルトリン酸水素二ナトリウム
界面活性剤 Zwittergent3−14TM
A/New York H3N2インフルエンザ表面糖タンパク質および水酸化アルミニウムアジュバントを、ボルテックスすることによって完全に混合し、そして周囲温度で18時間(+/−3時間)インキュベートした。次いでその処方物を16,250gで4分間遠心して、吸着した抗原と共に水酸化アルミニウムをペレットにした。ペレットにした吸着抗原を、これらの成分で作られた、様々な脱離溶液中に再懸濁し、そして次いで周囲温度で少なくとも18時間(+/−3時間)インキュベートした。その処方物を次いで16,250gで4分間遠心して、水酸化アルミニウムをペレットにした。上清中の脱離した抗原を、タンパク質アッセイによって測定し、そして結果を存在する全タンパク質の%として表した。実験誤差および使用した手順の精度における変動のために、0%未満または100%超の回収率が可能であった。
結果は以下のようであり、2つの列は脱離タンパク質の回収%(左)および溶液中の最終的なリン酸塩濃度(mM)(右)であった:
Figure 2011508198
リン酸アンモニウムは、BCAタンパク質アッセイと適合性でなく、そして低いタンパク質回収を生じるので、さらに試験しなかった。
従って、完全な抗原回収は、界面活性剤およびリン酸塩の混合物を用いて容易に達成し得た。高い塩濃度(≧350mM)が、最もよい結果を生じる傾向があった。最もよい結果は、オルトリン酸水素二カリウムで達成された。この塩は、タンパク質のもともとのコンフォメーションを維持するpH(9.5未満)で、一致したHA脱離を達成しながら、高い濃度(例えば0.5M)で容易に溶解し得た。
塩および界面活性剤の濃度範囲
一価表面糖タンパク質を、卵増殖A/Vietnam/1203/2004(H5N1)リアソータントから調製した。表面抗原(HA濃度90μg/ml)は、水酸化アルミニウム1mgあたり60μgの赤血球凝集素の比で、水酸化アルミニウムに完全に吸着した。その処方物を完全にボルテックスし、そして使用するまで4℃で保存した。
ある範囲のリン酸カリウムおよびZwittergent3−14TM濃度における脱離を評価するために、その処方物のアリコートをボルテックスし、そして次いで13,000rpmで5分間遠心して、吸着した抗原と共に水酸化アルミニウムをペレットにした。ある範囲の代替脱離溶液を評価した:
(1)300mMのリン酸水素二カリウムプラス0.5%(w/v)のZwittergent 3−14TM
(2)350mMのリン酸水素二カリウムプラス0.5%(w/v)のZwittergent 3−14TM
(3)400mMのリン酸水素二カリウムプラス0.5%(w/v)のZwittergent 3−14TM
(4)300mMのリン酸水素二カリウムプラス1.0%(w/v)のZwittergent 3−14TM
(5)350mMのリン酸水素二カリウムプラス1.0%(w/v)のZwittergent 3−14TM
(6)400mMのリン酸水素二カリウムプラス1.0%(w/v)のZwittergent 3−14TM
(7)300mMのリン酸水素二カリウムプラス2.0%(w/v)のZwittergent 3−14TM
(8)350mMのリン酸水素二カリウムプラス2.0%(w/v)のZwittergent 3−14TM
(9)400mMのリン酸水素二カリウムプラス2.0%(w/v)のZwittergent 3−14TM
脱離緩衝液をペレットに加え、ボルテックスして再懸濁し、そして4℃で一晩インキュベートした。次いで各サンプルを13,000rpmで5分間遠心し、そして上清をタンパク質含有量に関してアッセイした。
上清において脱離およびアッセイしたタンパク質の量は、以下のようであった(μg/ml):
Figure 2011508198
従って、90μgの抗原用量およびこの水酸化アルミニウムアジュバントを用いて、脱離は0.5−1.0%(w/v)の間のZwittergent3−14TM濃度と組み合わせた、350−450mMのリン酸水素二カリウム濃度で最適である。
代替赤血球凝集素濃度の評価(パート1)
A/New York(H3N2)の結果に基づいて、汎流行性株A/Vietnam/1203/2004(H5N1)由来の抗原を調製し、そして上記で記載したように水酸化アルミニウムに吸着した。90、60、30、15、および7.5μg/mlのHA濃度を用いた。HA対水酸化アルミニウムの比を、1mgの水酸化アルミニウムに対して30μgのHAに維持した。KPO・3HO(350、500および750mM)およびZwittergent3−14TM(0.5%、2%、または4%)の混合物を、脱離のために使用した。Zwittergent追加後の最終的な緩衝剤濃度は以下のようであった:
Figure 2011508198
脱離工程のインキュベーション温度が2−8℃であった以外は、上記で記載した条件によって脱離を行った。
SRID赤血球凝集素の回収は以下のようであった:
Figure 2011508198
この研究は、この抗原およびアジュバントに関して最適なZwittergent3−14TMの組み合わせは、332.5mM(最終的な濃度)のリン酸水素二カリウムと共に、0.5%であることを示す。
代替赤血球凝集素濃度の評価(パート2)
汎流行性株A/Vietnam/1203/2004(H5N1)由来の抗原を調製し、そして上記で記載したように水酸化アルミニウムに吸着した。90、60、30、15、および7.5μg/mlのHA濃度を用いた。HA対水酸化アルミニウムの比を、1mgの水酸化アルミニウムに対して30μgのHAに維持した。KHPO.3HO(350mM)およびZwittergent3−14TM(0.5%、2%、または4%)の混合物を、脱離のために使用した。Zwittergent追加後の最終的な緩衝剤濃度は:0.5%Zwittergent=332.5mM、2%Zwittergent=280mM、および4%Zwittergent=210mMであった。脱離工程のインキュベーション温度が2−8℃であった以外は、上記で記載した条件によって脱離を行った。
結果は以下のようであった(AMT=相加平均力価):
Figure 2011508198
この抗原およびアジュバントに関する最適な脱離は、0.5%のZwittergent3−14TM濃度で観察された(332.5mMの最終的なリン酸水素二カリウムの濃度)。Zwittergentのより高い濃度は、赤血球凝集素の明らかに低い回収を生じた。前の調査の結果と合わせると、これはおそらく、より高い界面活性剤濃度で使用された、低いリン酸水素二カリウムの濃度のためである。従って、332.5mMのリン酸水素二カリウムと組み合わせた0.5%のZwittergent3−14は、ある範囲の赤血球凝集素濃度の、水酸化アルミニウムアジュバントからの脱離を保証するために好ましい組み合わせである。
手順の頑健性の確認
アッセイの頑健性を評価するために、同等のサンプルを用いて並行して行うために第二の操作者を用いた。
A/Vietnam/1203/2004精製表面糖タンパク質を、3mg/mlの水酸化アルミニウムと共に、30、15、および7.5μgHA/mlに処方した。2−8℃で一晩インキュベートした後、処方した材料を16,250gで5分間遠心し、アジュバントをペレットにし、そしておよそ900μlの上清を、ペレットを乱さないように注意深く除去した。これらの上清を、SRIDによって赤血球凝集素に関して、そしてPierceBCAタンパク質アッセイを用いて全タンパク質に関して分析して、全てのタンパク質がアジュバントに結合し、そして溶液中に残っていないことを証明した。
50μlの10%Zwittergent3−14(w/v)溶液を、950μlの350mM KHPO脱離緩衝液と共にペレットに加え、0.5%のZwittergent3−14TMおよび332.5mMのKHPO、pH9.4の最終濃度にした。
その溶液を最低10分間完全にボルテックスしてペレットを再可溶化し、そして4−8℃で18±3時間インキュベートした。
インキュベーション後、その溶液を最低10秒間ボルテックスし、そして次いで16,250gで5分間遠心して、アジュバントをペレットにした。その上清を注意深く除去し、そしてSRIDによって赤血球凝集素に関して分析した。
下記の表で示したデータは、並行して行ったアッセイからのSRIDアッセイデータである。
Figure 2011508198
これらの結果は、両方の操作者の間に、よい中間の精度があったことを示す。
本発明は、例によってのみ記載され、そして本発明の範囲および意図内に留まりながら、修飾を行い得ることが理解される。
Figure 2011508198

Claims (32)

  1. 免疫拡散アッセイを実行するための方法であって、該方法は、(a)目的の抗原を含む開始組成物を取得する工程であって、該抗原はアジュバントに吸着されている、工程;(b)該開始組成物を処理して、該抗原を該アジュバントから脱離させる工程;ならびに(c)該脱離させた組成物またはそのサンプルを、該目的の抗原に特異的な抗体を含むゲルに拡散させる工程を包含する、方法。
  2. 前記目的の抗原は、インフルエンザウイルスの赤血球凝集素(HA)である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記開始組成物またはそのサンプルと塩を含む脱離試薬とを混合することによって、抗原を工程(b)で脱離させる、請求項1〜2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記塩がリン酸塩である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記塩が、リン酸アンモニウム、リン酸カリウムまたはリン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記塩がオルトリン酸水素二カリウムである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記開始組成物またはそのサンプルと界面活性剤を含む脱離試薬とを混合することによって、抗原を工程(b)で脱離させる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記脱離試薬が双性イオン性界面活性剤を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記界面活性剤がn−テトラデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネートである、請求項8に記載の方法。
  10. オルトリン酸水素二カリウムおよびn−テトラデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネートを含む脱離試薬を使用して、抗原を工程(b)で脱離させる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記脱離試薬が、300〜350mM オルトリン酸水素二カリウムおよび0.5% n−テトラデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネートを有する、請求項10に記載の方法。
  12. 工程(c)が、ゲル中のウェルからの拡散を含み、そして、工程(b)と(c)との間に、前記方法が、脱離させた組成物またはそのサンプルを該ウェルに導入する工程を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 工程(c)で使用されるゲルが、寒天ゲルまたはアガロースゲルである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記ゲル中の沈殿ハローの寸法を決定する、さらなる工程(d)を包含する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 工程(d)で測定された寸法を標準的な寸法と比較し、その比較の結果を使用して、工程(c)で添加された材料中の前記抗原の濃度を計算する、さらなる工程(e)を包含する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記開始組成物が不活性化されたインフルエンザワクチンである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記ワクチンがウイルス粒子全体を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記ワクチンが分割ウイルス粒子を含む、請求項16に記載の方法。
  19. 前記ワクチンがビロソームを含む、請求項16に記載の方法。
  20. 前記ワクチンが精製された表面抗原を含む、請求項16に記載の方法。
  21. 前記アジュバントが不溶性の金属塩を含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記アジュバントがカルシウム塩を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記アジュバントがリン酸カルシウムを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記アジュバントがアルミニウム塩を含む、請求項21に記載の方法。
  25. 前記アジュバントがリン酸アルミニウムを含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記アジュバントが水酸化アルミニウムを含む、請求項24に記載の方法。
  27. 前記アジュバントが水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウムの混合物を含む、請求項24に記載の方法。
  28. インフルエンザ抗原に対してアッセイを実行するための方法であって、該方法は、(a)インフルエンザ抗原を含む開始組成物を取得する工程であって、該抗原は、アジュバントに吸着されている、工程;(b)該開始組成物を処理して、該抗原を該アジュバントから脱離させる工程;および(c)アッセイ技術を該脱離させた組成物またはそのサンプルに適用する工程、を包含する、方法。
  29. ワクチンを産生するための方法であって、該方法は:(i)バルクの目的の抗原を調製する工程;(ii)請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法を使用して該バルクの抗原のサンプルを分析する工程;および、工程(ii)の結果に基づいて、(iii)該バルクの抗原を所望の最終濃度に希釈する工程;必要に応じて(iv)該希釈されたバルクの抗原と1つ以上の薬学的に受容可能な成分とを合わせる工程;および(v)流通のために該希釈されたバルクの抗原を包装する工程、を包含する、方法。
  30. アジュバントに吸着した抗原のためのSRIDアッセイにおける、抗原の放射状拡散が生じる前の、該抗原を脱離させることからなる改善。
  31. 請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法によってアッセイされた、抗原組成物。
  32. 請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法によってアッセイされた、抗原を含むワクチン。
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