JP2011506917A - 結腸直腸癌のためのマーカーパネル - Google Patents

結腸直腸癌のためのマーカーパネル Download PDF

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Abstract

本発明は、セプラーゼポリペプチドおよび/またはその断片、ならびに抗p53および/またはオステオポンチンおよび/またはフェリチンのいずれか、任意にCRCの1つ以上の他のマーカーの濃度および/または活性を試料中で測定する工程、ならびにCRCの評価において組み合わせた測定結果を使用する工程を含む、インビトロでの結腸直腸癌(CRC)の評価方法に関する。さらに、本発明は、特にセプラーゼおよび少なくとも抗p53、フェリチンおよび/またはオステオポンチンを液体試料中で測定することによる、個体由来の液体試料からのCRCの評価方法に関する。本発明の方法は、例えば無症状個体のスクリーニングによる癌の早期検出または手術を受ける患者のサーベイランスに使用され得る。

Description

本発明は、セプラーゼポリペプチドおよび/またはその断片、ならびに抗p53および/またはオステオポンチンおよび/またはフェリチンのいずれか、任意にCRCの1つ以上の他のマーカーの濃度および/または活性を試料中で測定する工程、ならびにCRCの評価において組み合わせた測定結果を使用する工程を含む、インビトロでの結腸直腸癌(CRC)の評価方法に関する。さらに、本発明は、特に、セプラーゼ、ならびに抗p53、フェリチンおよびオステオポンチンからなる群より選択される少なくとも1つのマーカーを液体試料中で測定することによる、個体由来の液体試料からのCRCの評価方法に関する。本発明の方法は、例えば無症状個体のスクリーニングによる癌の早期検出または手術を受ける患者のサーベイランスに使用され得る。
癌は、検出および治療における進歩にも関わらず、主要な公衆衛生課題のままである。癌細胞は、癌関連マーカータンパク質の生成を特徴とする。癌関連タンパク質は、癌細胞を有する個体の組織および体液の両方に見られる。これらのレベルは、通常、発癌性進行の初期病期で低く、疾患の進行中に増大し、まれな場合にのみタンパク質が疾患進行の経過中に低いレベルを示すことが観察されている。これらのタンパク質の感度の高い検出は、癌の診断、特に癌の初期病期の診断のための有利で見込みのあるアプローチである。最も有病率が高い癌の型は、乳癌(BC)、肺癌(LC)および結腸直腸癌(CRC)である。
固形腫瘍のための最も重要な治療アプローチは、
a)腫瘍の外科切除、
b)化学療法、
c)生物物質、例えば抗腫瘍抗体または抗脈管形成抗体を用いた治療、および
d)上記方法の組み合わせ
である。
腫瘍の外科切除は、初期病期の固形腫瘍の第一線治療として広く受け入れられている。しかし、ほとんどの癌は、症状が出た場合、即ち患者が既に疾患進行のかなり遅い病期にある場合にのみ検出される。
結腸直腸癌は、腺腫(ポリープ)から悪性癌腫へと最も頻度高く進行する。
癌の病期分類は、程度、進行および重症度の点での疾患の分類である。これは、一般化が予後および治療の選択について行われ得るように、癌患者を分類する。
CRCの異なる病期はデュークス病期A〜Dによって分類されていた。今日、TNMシステムは、癌の解剖学程度の最も広く使用される分類である。これは、国際的に受け入れられた統一病期分類システムを表す。3つの基本変数: T(原発腫瘍の程度)、N(限局的リンパ節の状態)およびM(遠位転移の存在または非存在)がある。TNM基準は、UICC(国際対癌連合), Sobin, L.H., Wittekind, Ch. (編): TNM Classification of Malignant Tumours, 第6版, 2002)によって公表されている。TNM状態が決定されると、患者はI〜IVを範囲とするローマ数字により示される病期に分類され、IVは最も進行した病期となる。TNM病期分類およびUICC病期は、Sobin L.H. and Wittekind (編)上掲から得られる以下の表に示されるように互いに対応する。
特に重要なことは、CRCの早期診断が非常に良好な予後に解釈されることである。結腸直腸の悪性腫瘍は、良性腫瘍、即ち腺腫から生じる。従って、最良の予後は、腺腫病期で診断される患者にある。病期Tis、N0、M0またはT1〜3; N0; M0ほどの早期に診断される患者は、適切に治療される場合、遠位転移が既に存在する場合に診断される患者のわずか10%の5年生存率と比べて、診断後の90%を超える5年の生存機会を有する。
理論的に、x線または核共鳴画像化などの画像化方法を含む現在の検出方法は、一般的なスクリーニングツールとしての使用に少なくとも部分的に適切であり得る。しかし、これらは、非常に費用がかかり、多数の被験体、特に任意の腫瘍症状がない被験体のマススクリーニングにおける一般的で広範な使用のための健康管理システムを与えない。
従って、本発明の課題は、腫瘍評価の単純で費用対効果が高い手順を提供すること、例えば結腸直腸癌を有すると疑われる個体を同定することである。この目的のために、体液、例えば血液または血清または血漿で検出可能な腫瘍マーカーあるいはかかるマーカーのパネルが望ましい。
CRCの分野において候補タンパク質マーカーのリストが大きくさらに増えているにも関わらず、現在まで、これらの分子の臨床/診断有用性は知られていないし、または確立されていない。CRCのスクリーニングに適切である、試料として体液に基づく方法は、現在利用可能ではないように思われる。
癌胎児性抗原(CEA)、腫瘍関連糖タンパク質の検出に基づく診断血液試験が利用可能である。CEAは、結腸直腸、胃、および膵臓の癌を有する患者から得られた組織試料の95%ならびに乳房、肺、および頭部および首部の癌腫の大半で増大する(Goldenberg, D.M. ら、J. Natl. Cancer Inst. (Bethesda) 57 (1976) 11-22)。また、高いCEAレベルが非悪性疾患を有する患者で報告されており、結腸直腸癌を有する多くの患者は特に疾患の初期病期の血清で正常なCEAレベルを有する(Carriquiry, L.A. and Pineyro, A., Dis. Colon Rectum 42 (1999) 921-929; Herrera, M.A. ら、Ann. Surg. 183 (1976) 5-9; Wanebo, H.J. ら、 N. Engl. J. Med. 299 (1978) 448-451)。再発の検出において血清または血漿から測定されるCEAの有用性は、問題が多いと報告されており、未だ広く適用されていない(Martell, R.E.ら、Int. J. Biol. Markers 13 (1998) 145-149; Moertel, C.G. ら、JAMA 270 (1993) 943-947)。
利用可能なデータを考えると、血清CEA測定は、無症状集団中の結腸直腸癌のスクリーニング試験として使用できる感度も特異性も有さない(Reynoso, G.ら、JAMA 220 (1972) 361-365; Sturgeon, C., Clin. Chem. 48 (2002) 1151-1159)。
現在、CRCのスクリーニング方法の全ては、試料として便の使用に依存する。便から得られる試料は、サンプリングが非侵襲性手段によって容易に可能であり、この試料がある組織、即ち腸組織特異性を有するという暗黙の利点を有する。これに対して体液試料からのCRCのスクリーニングは、腸管腔が人体の外側(外胚葉)と反対側にある(vie)し、不良な血液供給を有するために、ほとんど不可能とみなされる。次に、このことは全血、血清または血漿などの体液試料からのCRCのスクリーニングへのさらなるハードルを意味する。
グアヤク試験は、現在、便からのCRCのスクリーニングアッセイとして最も広く使用される。しかし、グアヤク試験は、不良な感度および不良な特異性の両方を有する。グアヤク系糞便潜血試験の感度は約26%であり、これは悪性病変を有する患者の74%が検出されずにいることを意味する(Ahlquist, D.A., Gastroenterol. Clin. North Am. 26 (1997) 41-55)。
前癌および癌病変の可視化は、早期検出への最良のアプローチを表すが、結腸内視鏡検査は、侵襲性であり、有意に費用がかかり、リスクがあり、複雑である(Silvis, S.E. ら、JAMA 235 (1976) 928-930; Geenen, J.E. ら、Am. J. Dig. Dis. 20 (1975) 231-235; Anderson, W.F. ら、J. Natl. Cancer Institute 94 (2002) 1126-1133)。
グアヤク試験に代わる診断の感度および特異性が最近Sieg, A.ら、Int. J. Colorectal Dis. 14 (1999) 267-271によって調査された。特に、便試料からのヘモグロビンおよびヘモグロビン-ハプトグロビン複合体の測定値が比較された。ヘモグロビンアッセイは、結腸直腸新生物の検出に不十分な感度を有することに注目された。進行した癌病期における癌は約87%の感度で検出されるが、早期の腫瘍病期は十分な感度で検出されない。ヘモグロビン-ハプトグロビン複合体アッセイは、CRCの初期病期の検出において感度がより高かった。このより感度の高い検出は不良な特異性を伴った。しかし、不良な特異性は結腸内視鏡検査などの多数の不必要な二次検査に解釈されるために、不良な特異性を有するアッセイはまた、一般的に受け入れられたスクリーニングアッセイの要件を満たさない。
カルプロテクチンは、US 5,455,160および相応してRoseth, A.G., ら (Scand. J. Gastroenterol. 27 (1992) 793-798; Scand. J. Gastroenterol. 28 (1993) 1073-1076)による科学文献において、便試料からのCRCの検出のための代替的生物マーカーとして記載されている。カルプロテクチンは、炎症性疾患のマーカーであるが、便からのCRCの検出のためのマーカーとしての可能性が、いくつかの刊行物(Johne, B., ら、Scand. J. Gastroenterol. 36 (2001) 291-296; Limburg, P.J., ら、Am. J. Gastroenterol. 98 (2003) 2299-2305; Hoff, G., ら、Gut 53 (2004) 1329-1333)により記述されている。カルプロテクチンの感度および特異性は免疫学的ヘモグロビンアッセイに匹敵するが、カルプロテクチンはヘモグロビンと比べて診断用生物マーカーに好ましいいくつかの特徴を有するように思われる。カルプロテクチンは、便に均一に分布し、室温で安定であり、試料を実験室に郵送することが実行可能になり、食物成分または医薬化合物との干渉を示さない(Ton, H.,ら、Clin. Chim. Acta 292 (2000) 41-54)。しかし、カルプロテクチン、S100A8およびS100A9のヘテロダイマーの高い濃度が、CRC、クローン病または炎症性腸疾患に罹患する患者の便試料中で検出された。これらの結果は、炎症におけるカルプロテクチンのより一般的な役割と一致する(Ryckman, C., ら、J. Immunol. 170 (2003) 3233-3242)。従って、胃腸病学におけるカルプロテクチンの使用は、CRCの検出に限定されないが、他の疾患、特にPoullis, A., ら(J. Gastroenterol. Hepatol. 18 (2003) 756-762)によって概説される炎症性腸疾患まで拡張される。
便中のCRCの検出のためのグアヤク試験に代わるさらなる方法が、最近公表され、便に出た結腸細胞における免疫組織化学による結腸直腸癌特異的抗原「ミニ染色体維持タンパク質2」(MCM2)の検出で構成される。小さな試験サイズのために、結腸直腸癌の検出のための診断値に関する結論は予備的である。しかし、該試験は、正しい結腸癌を検出する感度が制限されているだけであるように思われる(Davies, R.J. ら、Lancet 359 (2002) 1917-1919)。
最近、ピルビン酸キナーゼM2イソ酵素(M2-PK)の検出用アッセイが、市場に紹介された(Schebo Biotech, Gieβen, Germany)。ヘモグロビンおよびM2-PKのための免疫アッセイに対するグアヤクアッセイの比較が、例えばVogel, T. ら、 Dtsch. Med. Wochenschr. 130 (2005) 872-877によって行われた。筆者らは、免疫学的アッセイがグアヤク試験より優れていることおよび匹敵する特異性でのM2-PKアッセイはヘモグロビンアッセイと比較してCRCの検出において感度が低いことを示している。しかし、筆者らは、これらの便ベースアッセイの両方の有用性はなお問題があると結論付けている。
信頼性の高い癌の検出を可能にし、体液試料からの非侵襲性手段による早期予後情報を提供する早期CRC腫瘍マーカーまたはマーカーパネルの同定によって、この疾患の診断およびスクリーニングが大いに補助される。多くの患者および診断サービスの提供者は、便試料の取り扱いと比較して全血、血清または血漿などの体液を好む。
早期に診断される患者の生存機会は疾患の進行した病期で診断される患者と比べて非常に高いために、CRCの早期診断を改善することが特に重要である。従って、特に体液試料からの、CRCの診断を改善するための緊急の臨床必要性が存在する。
インビトロで結腸直腸癌(CRC)の評価を補助し得る新規マーカーまたはマーカーパネルが同定され得るかどうかを調べることが本発明の課題であった。驚くべきことに、少なくともセプラーゼおよび抗p53またはオステオポンチンおよび/またはフェリチンの測定結果を含むマーカーパネルの使用が、体液試料からのCRCのインビトロ評価において非常に有利であることを見出した。
臨床で有用であるために、単一マーカーとしての新規診断マーカーは、当該技術分野で公知の他のマーカーに匹敵すべきであるか、または該マーカーよりも優れているべきである。即ち、新規マーカーは、それぞれ単独で使用される場合または1つ以上の他のマーカーと組み合わせて使用される場合のいずれかで診断感度および/または特異性における進歩をもたらすべきである。試験の診断感度および/または特異性は、受信者動作特性によって最も評価され、以下で詳細に記載する。以下で詳細に示すように、本発明の新規マーカーパネルは、驚くべきことに、特にCRCのスクリーニングにおいて診断精度を有意に改善することが見出された。
好ましい態様において、本発明は、セプラーゼポリペプチドおよび/またはその断片、抗p53、オステオポンチンおよび/またはフェリチン、任意にCRCの1つ以上の他のマーカーの濃度および/または活性を試料中で測定する工程、ならびにCRCの評価においてセプラーゼ、抗p53、オステオポンチンおよび/またはフェリチンおよび任意に1つ以上の他のマーカーの組み合わせた測定結果を使用する工程を含む、インビトロでの結腸直腸癌(CRC)の評価方法に関する。
驚くべきことに、試験試料中のセプラーゼポリペプチドおよび/またはその断片の濃度および/または活性の減少は、癌、特にCRCのリスクおよび/または発生と関連することが見出された。マーカーセプラーゼは、マーカー抗p53、オステオポンチン、および/またはフェリチンならびに必要であればCRCの他のマーカー、例えばCEAおよび/またはCYFRA21-1と組み合わされ得る。
本発明の一態様は、おそらく結腸直腸癌に罹っていない個体と、「疑い」症例として分類され得る個体即ちCRCを有し得る個体とを区別するための集団のマススクリーニングに関する。後者の群の個体は、次に例えば画像化方法または他の適切な手段によってさらなる診断手順に供され得る。
本発明のさらなる態様は、結腸直腸癌の評価に適切な腫瘍マーカーパネルの改善に関する。
一態様において、本発明は、セプラーゼの濃度および/または活性を試料中で測定する工程、ならびに結腸直腸癌の評価において測定された測定結果、特に濃度または活性を使用する工程を含む、生化学マーカーによるインビトロでのCRCの評価方法に関する。
また、本発明は、セプラーゼの濃度および/または活性、抗p53、オステオポンチンおよびフェリチンおよび1つ以上の他のマーカーからなる群より選択されるマーカーの濃度および/または活性を試料中で測定する工程、ならびに結腸直腸癌の評価において測定された測定結果、特に濃度を使用する工程を含む、生化学マーカーによるインビトロでのCRCの評価方法に関する。セプラーゼ、抗p53、オステオポンチンおよび/またはフェリチンとの併用に好ましいマーカーは、一般的腫瘍マーカー(即ち、単一腫瘍型に特異的でないマーカー)または他方で特異的腫瘍マーカー(単一腫瘍型に特異的なマーカー)のマーカーである。好ましくは、1つ以上の他のマーカーは、癌胎児性抗原(CEA)および/またはCYFRA21-1である。好ましくは、これらのマーカーは、セプラーゼと共に任意の組み合わせで使用される。
個々のマーカーまたはマーカー組み合わせのカットオフ値は、例えば、健常個体の群の試験から決定され得る。好ましくは、カットオフは90%の特異性をもたらすように設定され、また好ましくはカットオフは95%の特異性をもたらすように設定され、あるいはまた好ましくはカットオフは98%の特異性をもたらすように設定される。カットオフ値より上の個々のマーカーまたはマーカー組み合わせの値は、例えば癌の存在を示し得る。当業者が理解するように、特定のマーカーについて、例えばセプラーゼについて、同じことがカットオフ値より下の値に当てはまる。
好ましい態様において、本発明は、セプラーゼおよび抗p53を測定する工程、ならびにCRCの評価のための組み合わせた測定値を使用する工程を含む、CRCの評価方法に関する。
好ましい態様において、本発明は、セプラーゼおよびオステオポンチンを測定する工程、ならびにCRCの評価のための組み合わせた測定値を使用する工程を含む、CRCの評価方法に関する。
好ましい態様において、本発明は、セプラーゼおよびフェリチンを測定する工程、ならびにCRCの評価のための組み合わせた測定値を使用する工程を含む、CRCの評価方法に関する。
さらに好ましい態様において、本発明は、セプラーゼ、フェリチン、CEAおよびオステオポンチンを測定する工程、ならびにCRCの評価のための組み合わせた測定値を使用する工程を含む、CRCの評価方法に関する。
さらに好ましい態様において、本発明は、セプラーゼ、フェリチン、CEA、オステオポンチン、および抗p53を測定する工程、ならびにCRCの評価のための組み合わせた測定値を使用する工程を含む、CRCの評価方法に関する。
さらに好ましい態様において、本発明は、セプラーゼ、フェリチン、CEA、CYFRA21-1、オステオポンチンおよび抗p53を測定する工程、ならびにCRCの評価のための組み合わせた測定値を使用する工程を含む、CRCの評価方法に関する。
好ましい態様において、本発明はまた、結腸直腸癌の評価における少なくともセプラーゼおよび抗p53を含むマーカーパネルの使用に関する。
好ましい態様において、本発明はまた、結腸直腸癌の評価における少なくともセプラーゼおよび抗p53を含むマーカーパネルの使用に関する。
好ましい態様において、本発明はまた、結腸直腸癌の評価における少なくともセプラーゼおよびオステオポンチンを含むマーカーパネルの使用に関する。
好ましい態様において、本発明はまた、結腸直腸癌の評価における少なくともセプラーゼおよびフェリチンを含むマーカーパネルの使用に関する。
好ましい態様において、本発明はまた、結腸直腸癌の評価における少なくともセプラーゼおよびCEAを含むマーカーパネルの使用に関する。
好ましい態様において、本発明はまた、結腸直腸癌の評価における少なくともセプラーゼおよびCYFRA21-1を含むマーカーパネルの使用に関する。
本発明はまた、セプラーゼおよび/またはその断片の濃度および/または活性の減少が癌を示す、結腸癌の評価におけるセプラーゼポリペプチドおよび/またはその断片の使用に関する。
本発明はまた、セプラーゼおよび/またはその断片の濃度および/または活性の減少が結腸癌を示す、結腸癌の評価におけるセプラーゼポリペプチドおよび/またはその断片に対する抗体の使用に関する。
本発明はまた、セプラーゼおよび/またはその酵素活性断片の濃度および/または活性の減少が結腸癌を示す、結腸癌の評価におけるセプラーゼポリペプチドおよび/またはその断片の酵素活性を測定するための試薬の使用に関する。
本発明はまた、本発明の方法を行うための手段または開示されたマーカー組み合わせを使用する手段を含むデバイスに関する。
本発明はまた、本発明の方法を行うための手段、即ち少なくともセプラーゼ、ならびに抗p53、オステオポンチンおよびフェリチンからなる群より選択されるマーカーを測定するための手段を含むキットを提供する。
本発明はまた、少なくともセプラーゼおよび抗p53それぞれを特異的に測定するために必要な試薬ならびに任意に測定を行うための補助試薬を含む、本発明の方法を行うためのキットを提供する。
本発明はまた、少なくともセプラーゼおよびオステオポンチンそれぞれを特異的に測定するために必要な試薬ならびに任意に測定を行うための補助試薬を含む、本発明の方法を行うためのキットを提供する。
本発明はまた、少なくともセプラーゼおよびフェリチンそれぞれを特異的に測定するために必要な試薬ならびに任意に測定を行うための補助試薬を含む、本発明の方法を行うためのキットを提供する。
本発明はまた、少なくともセプラーゼおよびCYFRA21-1それぞれを特異的に測定するために必要な試薬ならびに任意に測定を行うための補助試薬を含む、本発明の方法を行うためのキットを提供する。
本発明はまた、少なくともセプラーゼおよびCEAそれぞれを特異的に測定するために必要な試薬ならびに任意に測定を行うための補助試薬を含む、本発明の方法を行うためのキットを提供する。
一つの好ましい態様において、本発明は、(a)セプラーゼポリペプチドおよび/またはその断片、(b)任意にCRCの1つ以上の他のマーカーの濃度および/または活性を試料中で測定する工程、ならびにCRCの評価において工程(a)および任意に工程(b)の測定結果を使用する工程を含む、インビトロでの結腸直腸癌の評価方法に関する。
好ましい態様において、本発明は、(a)セプラーゼポリペプチドおよび/またはその断片、(b)抗p53、オステオポンチンおよび/またはフェリチン、(c)任意にCRCの1つ以上の他のマーカーの濃度および/または活性を試料中で測定する工程、ならびにCRCの評価において工程(a)および工程(b)および任意に工程(c)の組み合わせた測定結果を使用する工程を含む、インビトロでの結腸直腸癌(CRC)の評価方法に関する。
好ましい態様において、セプラーゼの濃度および/または活性は、少なくとも抗p53、オステオポンチンまたはフェリチンの測定値と組み合わせられ、組み合わせた値は、基礎診断問題、例えばCRCの存在または非存在の可能性、疾患の病期、疾患進行、または治療に対する応答に相関付けられる。
ヒトセプラーゼ(とりわけ線維芽細胞活性化タンパク質(FAP))は、ゼラチナーゼおよびジペプチジルペプチダーゼ活性を有する170kDa膜結合糖タンパク質である。これは、配列番号1に示される配列を特徴とする2つの同一の単量体単位(Uni Prot KBデータベースアクセッション番号P 27487)からなる。セプラーゼ単量体は766アミノ酸を含み、97kDaの見かけの分子量(SDS-PAGE)を有する(Pineiro-Sanchez, ら、J. Biol. Chem. 272 (1997) 7595-7601; Park, ら、J. Biol. Chem. 274 (1999) 36505-36512)。可溶性形態のセプラーゼは抗プラスミン切断酵素APCEである(Lee, ら、Blood 103 (2004) 3783-3788; Lee, ら、Blood 107 (2006) 1397-1404)。APCEのN末端アミノ酸配列は、線維芽細胞の細胞質内で最初の6個のN末端残基を有すると予測されたセプラーゼの残基24〜38に相当し、20残基の膜貫通ドメインおよび次に734残基の細胞外C末端触媒ドメインが続く(Goldstein, ら、Biochim Biophys Acta. 1361 (1997) 11-19; Scanlan, ら、Proc Natl Acad Sci USA 91 (1994) 5657-5661)。
Pineiro-Sanchezら(上掲)は、セプラーゼの発現の増大がヒトメラノーマおよび癌細胞の侵襲性表現型と相関することを見出した。Henryら、Clin. Cancer Res. 13 (2007) 1736-1741は、高いレベルの間質セプラーゼを有するヒト結腸腫瘍患者が急性進行性疾患進行および転移または再発の潜在的な発症を有する可能性が高いことを記載している。
つまり、当該技術の上記文書のいずれもが、体液中のセプラーゼポリペプチドおよび/またはその断片の濃度および/または活性の減少が癌を示すことを示唆していない。
驚くべきことに、濃度および/または活性の測定、例えば体液中のセプラーゼポリペプチドおよび/またはその断片、特にAPCEの酵素活性によって、癌疾患、例えば肺、乳房、結腸または腎臓の癌疾患、特に肺癌疾患の評価が可能になることが本発明で見出された。さらにより驚くべきことに、正常対照と比べて試料中のセプラーゼまたはその断片の濃度および/または活性の減少は、癌のリスクまたは発生を示すことが見出された。
本明細書で使用される場合、以下の用語のそれぞれは、本項のものと関連する意味を有する。
冠詞「a」および「an」は、1つまたは1つより多く(即ち少なくとも1つ)の冠詞の文法的目的語を指すために本明細書で使用される。例として、「マーカー(a marker)」は、1つのマーカーまたは1つより多くのマーカーを意味する。用語「少なくとも」は、任意に1つ以上のさらなる目的語が存在し得ることを示すために使用される。例として、少なくとも(マーカー)セプラーゼおよびCYFRA21-1を含むマーカーパネルは、任意に1つ以上の他のマーカーを含み得る。
語句「1つ以上」は、1〜50、好ましくは1〜20、また好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、または15を示す。
用語「マーカー」または「生化学マーカー」は、本明細書で使用される場合、患者の試験試料を分析するための標的として使用される分子のことをいう。かかる分子標的の例は、タンパク質またはポリペプチドである。本発明でマーカーとして使用されるタンパク質またはポリペプチドは、前記タンパク質の天然バリアントおよび前記タンパク質または前記バリアントの断片、特に免疫学的に検出可能な断片を含むことが考えられる。免疫学的に検出可能な断片は、好ましくは前記マーカーポリペプチドの少なくとも6、7、8、10、12、15または20個の連続アミノ酸を含む。当業者は、細胞によって放出されるタンパク質または細胞外マトリックスに存在するタンパク質が、例えば炎症中に損傷され得、かかる断片に分解または切断され得ることを理解する。特定のマーカーは不活性化形態で合成され、次にタンパク質分解によって活性化され得る。当業者が理解するように、タンパク質またはその断片は複合体の一部としても存在し得る。かかる複合体も、本発明の意味においてマーカーとして使用され得る。マーカーポリペプチドのバリアントは、同じ遺伝子によってコードされるが、例えば選択的mRNAまたはプレmRNAプロセッシングの結果として等電点(=PI)または分子量(=MW)あるいは両方で異なり得る。バリアントのアミノ酸配列は、対応するマーカー配列に95%以上同一である。さらにまたは代替的に、マーカーポリペプチドまたはそのバリアントは、翻訳後修飾を有し得る。翻訳後修飾の非限定的な例は、グリコシル化、アシル化、および/またはリン酸化である。
本発明の意味において「癌のマーカー」、特に「結腸癌または結腸直腸癌のマーカー」は、セプラーゼ、ならびに抗p53、オステオポンチンおよびフェリチンからなる群より選択されるマーカーを含むマーカー組み合わせと組み合わせた場合に、CRCの評価において関連する情報を付加する任意のマーカーである。CRCの評価のための、所定の特異性での感度または所定の感度での特異性それぞれが、マーカーセプラーゼ、ならびに抗p53、オステオポンチンおよびフェリチンからなる群より選択されるマーカーを既に含むマーカー組み合わせに前記マーカーを含ませることによって改善され得る場合に、情報は関連性があるまたは付加的な価値とみなされる。CRC評価の好ましい態様において、感度または特異性それぞれの改善は、p = .05、.02, .01以下の有意さのレベルで統計学的に有意である。
用語「試料」は、本明細書で使用される場合、インビトロでの評価の目的で得られた生物学的試料のことをいう。本発明の方法において、試料または患者試料は、好ましくは任意の体液を含む。好ましい試料は、全血、血清、血漿であり、血清または血漿が最も好ましい。
用語「癌の評価」、特に「結腸癌または結腸直腸癌の評価」は、本発明の方法が(単独または他のマーカーもしくは変数、例えばUICC(上記参照)に示される基準と共に)、例えば医師がCRCの非存在または存在を確立または確認することを補助し、あるいは予後、再発の検出(手術後の患者の追跡)および/または治療のモニタリング、特に化学療法のモニタリングにおいて医師を補助することを示すために使用される。
当業者が理解するように、任意のかかる評価がインビトロで行われる。患者試料が後で廃棄される。患者試料は、本発明のインビトロ診断方法だけに使用され、患者試料の物質は、患者の体に戻されない。典型的に、試料は、液体試料、例えば全血、血清、または血漿である。
用語「測定」は、好ましくは試料中のマーカーの定性的、半定量的または定量的な測定を含む。好ましい態様において、本発明の方法における測定は、定量的な測定である。
セプラーゼ:
本発明によれば、用語「セプラーゼポリペプチドおよび/またはその断片」とは、単量体または多量体、特に二量体ポリペプチドのことをいう。さらに、用語「セプラーゼポリペプチドおよび/またはその断片」とは、特に可溶性形態のセプラーゼおよび/またはその断片、特に抗プラスミン切断酵素(APCE)、ならびに別のポリペプチドとの複合体の形態で存在するセプラーゼおよび/またはセプラーゼ断片のことをいう。
セプラーゼポリペプチド、特に可溶性形態のセプラーゼポリペプチドおよび/またはその断片は、好ましくは適切な試料、特に体液で検出される。好ましい試料は、体液、例えば血液、血漿、血清、唾液および尿である。好ましくは、試料は、ヒト被験体、例えば腫瘍患者または腫瘍のリスクがある個体あるいは腫瘍を有すると疑われる個体に由来する。
本発明によれば、セプラーゼポリペプチドおよび/またはその断片の濃度および/または活性が測定される。一態様において、マーカーセプラーゼは、特異的結合剤の使用によって試料から特異的に測定される。
様々な免疫診断手順が、本発明の達成に匹敵する結果に到達するために使用され得る。例えば、抗体を作製するための代替的な戦略が使用され得る。かかる戦略は、なかでも、免疫化のためのセプラーゼのエピトープを表す、合成ぺプチドの使用を含む。あるいは、DNAワクチン接種としても公知であるDNA免疫化が使用され得る。
好ましくは、セプラーゼは、サンドイッチ型アッセイ形式で検出される。かかるアッセイにおいて、一方で第一特異的結合剤が使用されてセプラーゼを捕捉し、他方で直接的または間接的に検出可能に標識される第二特異的結合剤が使用される。サンドイッチ型アッセイ形式で使用される特異的結合剤は、セプラーゼに対して特異的な抗体であり得る。一方で、検出は、異なる捕捉抗体および標識抗体、即ちセプラーゼポリペプチド上の異なるエピトープを認識する抗体を使用することによって行われ得る。他方、サンドイッチ型アッセイはまた、セプラーゼの同じエピトープに対する捕捉抗体および標識抗体を用いて行われ得る。この態様において、二量体および多量体形態のセプラーゼだけが検出され得る。
本発明のさらなる態様によれば、マーカーセプラーゼは、セプラーゼの酵素活性の検出に適切な試験計画の使用により試料から特異的に測定される。酵素活性は、例えばゼラチナーゼ活性またはペプチダーゼ活性であり得る。ゼラチナーゼ活性は、ゼラチンザイモグラムを使用したザイモグラフィーによって測定され得る。ペプチダーゼ活性は、例えば適切な標識ペプチド基質を用いた蛍光アッセイによって測定され得る。セプラーゼ活性の測定のためのアッセイは、例えばLeeら (2006)、上掲に記載されている。
オステオポンチン(OPN):
OPNは、正常の血漿、尿、乳および胆汁に見られる(US 6,414,219; US 5,695,761; Denhardt, D.T. and Guo, X., FASEB J. 7 (1993) 1475-1482; Oldberg, A.,ら、PNAS 83 (1986) 8819-8823; Oldberg, A.,ら、J. Biol. Chem. 263 (1988) 19433-19436; Giachelli, C.M.,ら、Trends Cardiovasc. Med. 5 (1995) 88-95)。ヒトOPNタンパク質およびcDNAが単離され配列決定された(Kiefer M.C.,ら、Nucl. Acids Res. 17 (1989) 3306)。
OPNは、細胞接着、走化性、マクロファージ関連インターロイキン-10(IL-10) 抑制、ストレス依存性脈管形成、アポトーシスの妨げ、ならびに細胞マトリックス相互作用の制御およびインテグリンとCD44レセプターとの結合による細胞シグナル伝達による腫瘍細胞のアンカー非依存性増殖において機能する。OPNの構成的な発現はいくつかの細胞型に存在するが、誘導された発現は、Tリンパ球、上皮細胞、骨細胞、マクロファージ、および腫瘍細胞のリモデリングプロセス、例えば炎症、虚血再灌流、骨吸収、および腫瘍進行で検出された(Wai, P.Y. and Kuo, P.C., J. Surg. Res. 121 (2004) 228-241による概説)。
OPNは、多くのインテグリンレセプターと相互作用することが公知である。OPNの発現の増大が多くのヒト癌で報告され、それらの同種のレセプター(av-b3、av-b5、およびav-b1インテグリンおよびCD44)が同定された。Irby, R.B.,ら、Clin. Exp. Metastasis 21 (2004) 515-523によるインビトロ研究は、(安定なトランスフェクションを介した)内因性OPN発現および(培養培地に添加される)外因性OPNの両方がインビトロでのヒト結腸癌細胞の移動能および侵襲能を高めたことを示す。OPNは、CD44との相互作用を介して移動を調節するように思われる。OPN発現はまた、転移癌細胞の特徴としてみなされる細胞間(ホモ型)接着を減少させた。また、4つの不十分な腫瘍形成性ヒト結腸癌細胞株をOPNで安定にトランスフェクションすると、OPNの発現の程度と一致して、増殖の増大およびCD31陽性微小血管数の増大と共に、インビボでの腫瘍形成の増大がもたらされた。OPNの断片も本発明の方法に使用され得る。
Mor, G., ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102 (2005) 7677-7682は、OPNおよび3つの他の分析物の同時定量に基づいた上皮卵巣癌の早期診断のための血液(血清)試験を報告している。
好ましい態様において、本発明は、オステオポンチンおよびセプラーゼの濃度を試料中で測定する工程、測定された値を組み合わせる工程ならびにCRCの評価において組み合わせた値を使用する工程を含む、生化学マーカーによるインビトロでのCRCの評価方法に関する。
癌胎児性抗原(CEA):
CEA(癌胎児性抗原)は、およそ45〜60%で変化する糖質成分を有する単量体糖タンパク質(分子量およそ180.000ダルトン)である(Gold, P. and Freedman, S.O., J. Exp Med 121 (1965) 439-462)。CEA、例えばAFPは、胚および胎児期に生成される癌胎児性抗原の群に属する。CEA遺伝子ファミリーは、2つのサブグループの約17個の活性遺伝子からなる。第一群は、CEAおよび非特異的交差反応抗原(NCA)を含み、第二群は、妊娠特異的糖タンパク質(PSG)を含む。
CEAは、主に胎児の胃腸管および胎児血清に見られる。CEAはまた、健常成体の腸、膵臓および肝臓組織において少量で生じる。CEAの形成は、誕生後に抑制され、従って血清CEA値は、健常成体でほとんど測定可能ではない。
高いCEA濃度は、結腸直腸腺癌の症例で頻度高く見られる(Fateh-Modhadam, A. ら(編), Tumormarker und ihr sinnvoller Einsatz, Juergen Hartmann Verlag GmbH, Marloffstein-Rathsberg (1993), ISBN-3-926725-07-9)。少し〜中程度のCEAの上昇(まれに> 10 ng/mL)が、腸、膵臓、肝臓および肺の良性疾患(例えば、肝硬変、慢性肝炎、膵臓炎、潰瘍性腸炎、クローン病、気腫の20〜50%で生じる(Fateh-Moghadam, A., ら、上掲)。また、喫煙者は、増大したCEA値を有する。
CEA測定の主な指示は、結腸直腸癌を有する患者の治療管理および追跡である。CEA測定は、一般集団における癌スクリーニングには推奨されない。正常範囲内のCEA濃度は、悪性疾患の存在する可能性を排除しない。
Roche Diagnosticsによって製造されたアッセイの抗体は、CEAおよび(ほとんど全てのCEA検出法と同様に)胎便抗原(NCA2)と反応する。NCA1との交差反応性は、0.7%である(Hammarstrom, S., ら、Cancer Res. 49 (1989) 4852-4858; およびBormer, O.P., Tumor Biol. 12 (1991) 9-15)。CEAは、製造業者の説明書に従ってRoche製品番号11731629を用いたElecsys(登録商標)分析器で測定された。
CYFRA21-1:
「CYFRA21-1」のアッセイは、循環中に存在するサイトケラチン19の可溶性断片を特異的に測定する。CYFRA21-1の測定は、典型的に2つのモノクローナル抗体に基づく(Bodenmueller, H., ら、Int. J. Biol. Markers 9 (1994) 75-81)。Roche Diagnostics, GermanyのCYFRA21-1アッセイで、2つの特異的モノクローナル抗体(KS 19.1およびBM 19.21)が使用され、およそ30,000ダルトンの分子量を有するサイトケラチン19の可溶性断片が測定される。サイトケラチンは、構造タンパク質であり、上皮中間フィラメントのサブユニットを形成する。20の異なるサイトケラチンポリペプチドがこれまでに同定された。それらの特異的な分布パターンにより、これらは腫瘍病因における分化マーカーとしての使用に顕著に適切である。完全なサイトケラチンポリペプチドは、不十分な溶解性であるが、可溶性断片が血清に検出され得る(Bodenmueller, H.,ら、上掲)。
CYFRA21-1は、非小細胞肺癌(NSCLC)の十分に確立されたマーカーである。CYFRA21-1の主な指示は、非小細胞肺癌(NSCLC)の経過のモニタリングである(Sturgeon, C., Clinical Chemistry 48 (2002) 1151-1159)。
一次診断で、高いCYFRA21-1血清レベルは、非小細胞肺癌を有する患者での進行した腫瘍段階および不良な予後を示す(van der Gaast, A.., ら、Br. J. Cancer 69 (1994) 525-528)。正常またはほんのわずかに上昇した値は、腫瘍の存在を排除しない。成功した治療が、CYFRA21-1血清レベルの正常範囲への急速な低下により詳細に記述されている。一定のCYFRA21-1値または少し減少したもしくはわずかに緩やかに減少したCYFRA21-1値は、対応する治療および予後結果と共に腫瘍の不完全な除去または多くの腫瘍の存在を示す。疾患の進行は、しばしば臨床症候学および画像化手順よりもCYFRA21-1値の増大によって早く示される。
わずかに上昇した値(10 ng/mLまで)が、顕著な良性肝臓疾患および腎臓機能不全でまれに見られる。性別、年齢または喫煙との相関はない。また、CYFRA21-1の値は、妊娠によって影響を受けない。
CYFRA21-1は、好ましくは製造業者の説明書に従ったRoche製品番号11820966を用いたElecsys(登録商標)分析器で測定される。
フェリチン:
フェリチンは、(鉄含有量に依存して)少なくとも440kDの分子量を有する巨大分子であり、(肝臓および脾臓フェリチンにおいて)24個のサブユニットのタンパク質殻(アポフェリチン)および平均およそ2500 Fe3+イオンを含む鉄コアからなる(Wick, M.ら、Ferritin in Iron Metabolism - Diagnosis of Anemieas(第二版).Springer-Verlag 1995;ISBN 3-211-82525-8およびISBN 0-387-82525-8)。フェリチンは、オリゴマーを形成する傾向があり、細胞の貯蔵器官で過剰に存在する場合に半結晶ヘモシデリンへの縮合がリソソームで生じる傾向がある。
少なくとも20個のイソフェリチンが等電点電気泳動の補助によって区別され得る(Arosio, P.ら、Heterogeneity of ferritin II: Immunological aspects. In: Albertini A, Arosio P, Chiancone E, Drysdale J (編). Ferritins and isoferritins as biochemical markers. Elsevier, Amsterdam 1984;33-47)。このマイクロへテロ性は、酸性Hおよび弱塩基性Lサブユニットの含有量の違いによるものである。塩基性イソフェリチンは、長期間の鉄貯蔵機能に重要であり、主に肝臓、脾臓、および骨髄に見られる(Kaltwasser, J.P. ら、Serumferritin: Methodische und Klinische Aspekte. Springer Verlag (1980))。酸性イソフェリチンは、主に心筋層、胎盤、および腫瘍組織に見られる。これらは、低い鉄含有量を有し、おそらく様々な合成において鉄の移動のための中間体として機能する(Morikawa, K.ら、Leuk. Lymphoma 18(5-6) (1995) 429-433; Borch-Iohnson, B., Analyst 120(3) (1995) 891-903; Cook, J.ら、Adv. Exp. Med. Biol. 356 (1994) 219-228)。
フェリチンの測定は、鉄代謝状況の確認に適した方法である。治療開始時のフェリチンの測定により、体内の鉄貯蔵の代表的な量が提供される。臨床的に、20μg/L(ng/mL)の閾値はプレ潜在的な(prelatent)鉄欠乏の検出に有用であることがわかっている。この値は、ヘモグロビンの合成に動員可能な鉄貯蔵量が枯渇していることの信頼性の高い指標をもたらす。フェリチンレベルが高く、分配障害の可能性が除外され得る場合、これは体内の鉄過剰負荷の現れである。400μg/L(ng/mL)のフェリチンが閾値として使用される。高いフェリチンの値はまた、以下の腫瘍:急性白血病、ホジキン病ならびに肺、肝臓および前立腺の癌で見られる。フェリチンの測定は肝臓転移に重要であることが証明されている。研究により、肝臓転移を有する全患者中の76%が400μg/L(ng/mL)より高いフェリチンの値を有することが示されている。高い値の原因は、細胞壊死、赤血球生成の阻害または腫瘍組織中の合成増加であり得る。
一方で、血清フェリチンレベルは胃腸癌では増加しないことが特徴として記載された(Niitsu, Y. et al., Rinsho Ketsueki 21 (1980) 1135-1143)。さらに、平均血清フェリチンレベルは、進行した結腸直腸癌の患者では対照よりも有意に低いことが報告されている(Kishida, T. et al., J. Gastroenterol. 29 (1994) 19-23)。血清フェリチンレベルの減少は連続的な出血により引き起こされ、この血液の損失は腫瘍の大きさおよび位置に関係する(Feng, L. et al., J. Gastroenterol. 34 (1999) 195-199)。
好ましくは、フェリチンは、製造業者の指示に従い、Roche製品番号11820982を使用して、Elecsys(登録商標)分析器で測定される。
抗p53:
25年前、p53遺伝子の変異についての知識はなかったが、乳癌患者における腫瘍関連抗原スクリーニングの際にp53抗体が発見された(Crawford, L. et al., Int. J. Cancer 30 (1982) 403-408)。腫瘍抑制因子p53は、正常細胞の核中でわずかに検出可能なリンタンパク質である(Benchimol, S. et al., EMBO J. 1 (1982) 1055-1062)。特にDNA損傷により誘導される細胞ストレスに対して、p53は細胞周期の進行を拘束して、DNAを修復し得るかまたはアポトーシスを引き起こし得る。変異p53を有する癌細胞では、このタンパク質はもはや細胞増殖を制御できず、効率の悪いDNA修復が引き起こされる(Levine, A. Cell 88 (1997) 323-331)。ヒトの癌で最も一般的なp53の変化は点ミスセンス突然変異であり、結腸、胃、乳房、肺、脳および食道の癌に見られる(Greenblatt, M. et al., Cancer Res. 54 (1994) 4855-4878)。p53突然変異はヒトの癌で最も頻繁に起こる遺伝的事象であり、50%より多くの症例の原因となっていると推定される。p53抗体の出現率とp53突然変異の頻度との間には非常に強い相関があり、p53突然変異はこれらの抗体の出現に関与していると議論されている(Soussi, T. Cancer Res. 60 (2000) 1777-1788)。P53抗体は、ヒト癌患者中96%の特異性で見出されるが、かかる検出の感度はわずか30%である。
好ましくは、抗p53は、野生型p53タンパク質の2種類の免疫ドミナントペプチドを使用して測定される(Lubin et. al., Cancer Res. 53 (1993) 5872-5876)。
上述のように、セプラーゼなどのポリペプチドは、好ましくは1つ以上の特異的結合剤を使用して測定される。特異的結合剤は、例えばセプラーゼに対するレセプター、セプラーゼに結合するレクチンまたはセプラーゼに対する抗体である。特異的結合剤は、対応する標的分子に対して少なくとも107l/molの親和性を有する。好ましくは、特異的結合剤は、その標的分子に対して108l/molの親和性、またはさらに好ましくは109l/molの親和性を有する。当業者が理解するように、用語特異的は、試料中に存在する他の生体分子がセプラーゼに特異的な結合剤に有意に結合しないことを示すために使用される。好ましくは、標的分子以外の生体分子に対する結合のレベルは、それぞれ、標的分子に対する結合親和性の最大わずか10%以下、わずか5%以下、わずか2%以下またはわずか1%以下の結合親和性を生じる。好ましい特異的結合剤は、親和性および特異性についての上述の最小基準を両立する。
好ましくは、特異的結合剤はセプラーゼに反応性の抗体である。用語抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、かかる抗体の抗原結合断片、単鎖抗体ならびに抗体の結合ドメインを含む遺伝的構築物のことをいう。
特異的結合剤の上述の基準を保持する任意の抗体断片が使用され得る。抗体は、例えばTijssen(Tijssen, P., Practice and theory of enzyme immunoassays, 11, Elsevier Science Publishers B.V., Amsterdam、書籍全体、特に43〜78頁)に記載されるように、当該技術分野の技術水準の手法により生成される。また、当業者は、抗体の特異的単離に使用され得る免疫吸着剤に基づいた方法に精通している。これらの手段により、ポリクローナル抗体の質、および免疫アッセイにおけるその性能が高められ得る(Tijssen, P., 上掲、108〜115頁)。
本発明に開示される達成のために、例えばウサギで生成されるモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体が使用され得る。しかし、異なる種、例えばラットまたはモルモット由来のポリクローナル抗体も明らかに使用され得る。モノクローナル抗体は一定の性能で、任意の必要量で生成され得るので、モノクローナル抗体は、臨床的日常業務のアッセイの開発に理想的なツールである。本発明の方法におけるセプラーゼに対するモノクローナル抗体の生成および使用はそれぞれ、さらに他の好ましい態様を示す。セプラーゼの検出に適した抗体の好ましい例は、Pineiro-Saenchezら、上掲に開示され、例えば抗体D8、D28およびD43である。
本発明によるマーカーパネルの測定のために、個体から得られた適切な量の試料または試料のアリコートを、結合剤マーカー複合体の形成に適した条件下で、マーカーパネルの種々のマーカーに対する特異的結合剤とインキュベートする。当業者はかかる適当なインキュベーション条件を何ら発明の努力をすることなく容易に同定し得るので、かかる条件を特定する必要はない。結合剤マーカー複合体の量を測定し、癌、好ましくはCRCの評価に使用する。当業者が理解するように、特異的結合剤マーカー複合体の量を測定する多くの方法があり、全ては関連の教本に詳細に記載されている(例えば、Tijssen P., 上掲、またはDiamandis, E.P. and Christopoulos, T.K. (編), Immunoassay, Academic Press, Boston (1996)参照)。
目的のマーカーが抗体または自己抗体である場合、当業者が十分に精通する種々の検出方法が手近にある。抗体または場合によっては自己抗体の検出に使用される非限定的な好ましい方法は、間接サンドイッチアッセイ法または二重抗原サンドイッチアッセイ(DAGS)法である。間接サンドイッチ法では、(自己)抗体(第1抗体)は(自己)抗原に結合し、この(自己)抗体または第1抗体に対する標識抗体(二次抗体)を介して間接的に検出される。DAGS法において、該アッセイは、それぞれ(自己)抗体に対するエピトープを含む2つの抗原を提供するように構成され、2つの抗原のうち1つは固相に結合するか固相に結合可能であり、第2の抗原は検出可能に標識される。(自己)抗体が架橋を提示する場合、第1および第2の抗原が架橋され、形成された複合体が検出/測定され得る。
好ましい態様において、本発明は、試料中のセプラーゼの濃度を測定する工程、ならびに測定された濃度および/または活性をCRCの評価に使用する工程を含む、生化学マーカーによりインビトロでCRCを評価する方法に関する。
さらに好ましい態様において、本発明は、試料中のセプラーゼ、少なくとも抗p53、オステオポンチンまたはフェリチンの濃度を測定する工程、測定された(1つまたは複数の)濃度および/または活性を組み合わせる工程、ならびに組み合わせた値をCRCの評価に使用する工程を含む、生化学マーカーによりインビトロでCRCを評価する方法に関する。
驚くべきことに、本発明の発明者らは、結腸癌の患者由来の試料において有意な割合で、低濃度および/または低活性のマーカーセプラーゼを検出し得た。また驚くべきことに、発明者らは、個体から得られたかかる試料中の低濃度および/または低活性のセプラーゼをCRCの評価に使用し得ることを示し得た。さらにより驚くべきことに、発明者らは、個体から得たかかる試料中の低濃度および/または低活性のセプラーゼを、少なくとも抗p53、フェリチンおよび/またはオステオポンチンの測定値と組み合わせてCRCの評価に使用し得ることを示し得た。
診断のための理想的なシナリオは、単一の事象またはプロセスによりそれぞれの疾患、例えば感染性疾患が生じる状況である。全ての他の場合では、特に多くの種類の癌、例えばCRCのように、疾患の病因が十分に理解されていない場合には、正確な診断は非常に困難であり得る。当業者が理解するように、所定の多因子疾患、例えばCRCについて100%の特異性と同時に100%の感度で診断する生化学マーカーは存在しない。むしろ、生化学マーカー、例えばCYFRA21-1もしくはCEA、または本明細書に示される、セプラーゼを含む特定のマーカー組み合わせを使用して、特定の可能性または予測値で、例えば疾患の存在、非存在、または重症度を評価し得る。したがって、日常的臨床診断において、一般に、種々の臨床症状および生物学的マーカーは、基礎疾患の診断、治療および管理において共に考慮される。
生化学マーカーは個々に測定され得るか、または本発明の好ましい態様においてチップもしくはビーズ系アレイ技術を用いて同時に測定され得るかのいずれかである。その後、解釈のために生物マーカーの濃度が組み合わされる。
CRCの評価において、マーカーセプラーゼ、またはセプラーゼならびに抗p53、フェリチンおよびオステオポンチンからなる群より選択される少なくとも1つのマーカーを含むパネルは、以下の局面:スクリーニング;診断補助;予後;化学療法、放射線療法および免疫療法などの治療のモニタリングの1つ以上に有利である。
スクリーニング:
スクリーニングは、例えば疾患の指標、例えば癌の存在について個体、例えばリスクのある個体を同定するための試験の体系的な適用として定義される。好ましくは、スクリーニング集団は、平均よりも癌のリスクが高いことがわかっている個体で構成される。例えば、CRCのスクリーニング集団は、45歳以上もしくは50歳以上のヒト、またはCRCの家族歴があるヒトのように、平均よりもCRCのリスクが高いことがわかっている個体で構成され得る。
好ましい態様において、全血、血清または血漿などの体液が、結腸直腸癌のスクリーニングの試料として使用される。
多くの疾患について、循環中の単一の生化学マーカーは、スクリーニング目的に必要な感度および特異性の基準を決して満たさない。癌、特に結腸直腸癌についてこれは真実であると思われる。癌のスクリーニングにおいて複数のマーカーを含むマーカーパネルを使用する必要があると予測されるはずである。本発明で確立されたデータにより、マーカーセプラーゼは、好ましくは抗p53、フェリチンおよびオステオポンチンからなる群より選択されるマーカーと共に、CRCスクリーニング目的に適したマーカーパネルの必要不可欠な部分を形成することが示される。したがって、本発明は、CRCスクリーニングのための、CRCマーカーパネル、例えばマーカーセプラーゼと共に、抗p53、フェリチンおよびオステオポンチンからなる群より選択されるマーカーを含むマーカーパネルの1つのマーカーとしてのセプラーゼの使用に関する。CRCのスクリーニングの好ましい態様に関して、本発明はまた、セプラーゼおよびCYFRA21-1を含むマーカーパネルの使用、またはセプラーゼおよびCEAを含むマーカーパネルの使用、またはセプラーゼならびに抗p53、フェリチン、オステオポンチン、CYFRA21-1およびCEAからなる群より選択される2つ以上のマーカーを含むマーカーパネルに関する。
診断補助:
マーカーは、特定の臓器における良性疾患対悪性疾患の鑑別診断を補助し得るか、異なる腫瘍の組織型の区別に役立ち得るか、または手術前のベースラインマーカー値の確立に役立ち得るかのいずれかである。
今日、癌の検出に使用される重要な方法は、放射線医学および/またはコンピューター断層撮影(CT)スキャン(仮想結腸内視術)である。疑わしい組織の小さな領域をこれらの方法により可視化し得る。しかし、これらの領域の多く-CTで90%より多く-は、良性組織の変化を示し、少数の結節だけが癌性組織を表す。セプラーゼならびに抗p53、フェリチンおよびオステオポンチンからなる群より選択されるマーカーを含むマーカーパネルの使用は、良性領域対悪性領域の区別を補助し得る。
単一マーカーとしてのセプラーゼは、他のマーカー、例えばCRCの場合はCEAまたはCYFRA21-1のような他のマーカーよりも優れているので、セプラーゼは、単独または本発明に記載の他の好ましいマーカーと共に、特に手術前のベースライン値の確立により診断補助として使用されると期待されるはずである。したがって、本発明はまた、癌の手術前のベースライン値確立のための、セプラーゼまたはセプラーゼを含むマーカー組み合わせの使用に関する。
予後:
予後的指標は、癌患者および該患者の腫瘍の臨床的、病理学的または生化学的特徴として定義され得、一定の可能性で疾患の結果を予測する。予後的指標の主な使用は、患者管理の合理的な計画立て、すなわち急性進行性疾患の治療不足および進行の遅い疾患の治療過多それぞれの回避に役立つべきである。
本発明のマーカーパネルがCRC患者と対照との区別に大きく寄与する場合、マーカーパネルはCRCに苦しむ患者の予後の評価を補助すると期待されるはずである。手術前のセプラーゼのレベルは、おそらくCRCの1つ以上の他のマーカーおよび/またはTNM病期分類システムと組み合わされ得る。好ましい一態様において、本発明のマーカーパネルはCRC患者の予後に使用される。
化学療法のモニタリング:
いくつかの報告書には、LC(例えば、Fukasawa T. et al., Cancer & Chemotherapy (1986) 13:1862-1867)または結腸直腸癌それぞれの患者の治療のモニタリングにおけるCEAの使用が記載されている。これらの研究のほとんどは遡及的であり、無作為化されておらず、少数の患者を含んだ。CYFRA21-1を用いた研究の場合のように、CEAの研究により、a)化学療法を受けているがCEAレベルが低い患者は、一般的に、CEAレベルが低下しなかった患者よりも良好な結果を有したこと、および(b)ほとんど全ての患者に関してCEAレベルの増加は疾患の進行に関連したことが示唆された。
本発明のCRCマーカーパネル、すなわちセプラーゼを含むマーカーパネルは、CRCの化学療法のモニタリングに関して、CEAと同様に少なくとも良好なマーカーであることが期待される。したがって、本発明はまた、化学療法中の癌患者、好ましくはCRC患者のモニタリングにおける、セプラーゼならびに抗p53、フェリチンおよび/またはオステオポンチンからなる群より選択される少なくとも1つのマーカーを含むマーカーパネルに関する。好ましい一態様における治療のモニタリングにおいて、セプラーゼの測定値、ならびに抗p53、フェリチンおよび/またはオステオポンチンならびに任意にCYFRA21-1および/またはCEAからなる群より選択される少なくとも1つのマーカーの測定値は、組み合わされてCRC治療のモニタリングに使用される。
追跡:
癌組織の完全な除去のために外科的切除を受けたCRC患者の大部分は、後に再発または転移疾患を発症する。これらの再発のほとんどは、手術後最初の2〜3年以内に起こる。再発/転移疾患は、検出が遅すぎる場合には常に致死的であるので、多くの研究が初期および潜在的に治療可能な病期での癌再発の検出に焦点を当てている。
結果的に、多くの癌患者、例えばCRC患者は、CEAによる定期的なモニタリングを頻繁に含む手術後サーベイランスプログラムを受ける。したがって、CRC患者の手術後の追跡は、適切な生化学マーカーの使用の最も重要な分野の1つである。調査されたCRC患者でセプラーゼの感度が高いために、セプラーゼは単独または1つ以上の他のマーカーと組み合わせてCRC患者、特に手術後のCRC患者の追跡に非常に有用であり得る。セプラーゼおよびCRCの1つ以上の他のマーカーを含むマーカーパネルの使用は、CRC患者の追跡において本発明のさらに好ましい態様を示す。さらに好ましい態様は、CRC患者の追跡における、セプラーゼ、ならびに抗p53、フェリチンおよび/またはオステオポンチンからなる群より選択される少なくとも1つのマーカーを含むマーカーパネルの使用に関する。
本発明はまた、CRCの評価におけるセプラーゼの使用に関する。
上述のように、特定の好ましい態様は、セプラーゼの測定値ならびに抗p53、フェリチンおよび/またはオステオポンチンからなる群より選択される少なくとも1つのマーカーの測定値、これらの測定値の組み合わせ、ならびにCRCの評価における組み合わせた値の使用に関する。
当業者が理解するように、調査中の診断の疑問を改善するために、2つ以上のマーカーの測定値を使用する多くの方法がある。非常に単純に、しかしながらしばしば効果的なアプローチでは、調査されるマーカーの少なくとも1つに対して試料が陽性である場合には、陽性の結果が仮定される。これは、例えばAIDSのような感染性疾患を診断する場合に当てはまり得る。
しかし、マーカーの組み合わせが頻繁に評価される。好ましくは、マーカーパネル中のマーカー、例えばセプラーゼおよび抗p53の測定値は数学的に組み合わされ、組み合わされた値は基礎にある診断の疑問に相関される。マーカー値は、数学的方法の分野の任意の適切な技術水準により組み合わされ得る。マーカー組み合わせを疾患に相関させるための周知の数学的方法は、判別分析(DA)(すなわち、一次、二次、正規化DA)、カーネル法(すなわち、SVM)、ノンパラメトリック法(すなわち、k-最近接分類法)、PLS(部分最小二乗)、ツリーベース法(すなわち、ロジック回帰、CART、ランダムフォレスト法、ブースト/バギング法)、一般化線形モデル(すなわち、ロジスティック回帰)、主要成分ベース法(すなわち、SIMCA)、一般化付加モデル、ファジー論理ベース法、ニューラルネットワークおよび遺伝子アルゴリズムベース法などの方法を使用する。当業者は、本発明のマーカー組み合わせの適切な評価方法の選択に何ら問題はない。好ましくは、本発明のマーカー組み合わせの、例えばCRCの非存在または存在への相関に使用される方法は、DA(すなわち、一次、二次、正規化判別分析)、カーネル法(すなわち、SVM)、ノンパラメトリック法(すなわち、k-最近接分類法)、PLS(部分最小二乗)、ツリーベース法(すなわち、ロジック回帰、CART、ランダムフォレスト法、ブースト法)、または一般化線形モデル(すなわち、ロジスティック回帰)から選択される。これらの統計法に関する詳細は、以下の文献:Ruczinski, I., et al, J. of Computational and Graphical Statistics, 12 (2003) 475-511;Friedman, J. H., J. of the American Statistical Association 84 (1989) 165-175;Hastie, Trevor, Tibshirani, Robert, Friedman, Jerome, The Elements of Statistical Learning, Springer Series in Statistics, 2001;Breiman, L., Friedman, J. H., Olshen, R. A., Stone, C. J. (1984) Classification and regression trees, California: Wadsworth;Breiman, L., Random Forests, Machine Learning, 45 (2001) 5-32;Pepe, M. S., The Statistical Evaluation of Medical Tests for Classification and Prediction, Oxford Statistical Science Series, 28 (2003);およびDuda, R. O., Hart, P. E., Stork, D. G., Pattern Classification, Wiley Interscience, 第2版 (2001)に見られる。
生物学的マーカーの基礎となる組み合わせについて最適化多変量カットオフを使用すること、および状態Aと状態B、例えば疾患と非疾患とを区別することが本発明の好ましい態様である。この種の分析において、マーカーはもはや独立しておらず、マーカーパネルを形成する。
診断法の精度は、その受信者動作特性(ROC)により最も良く説明される(特に、Zweig, M. H., and Campbell, G., Clin. Chem. 39 (1993) 561-577参照)。ROCグラフは、観察されるデータの全範囲に対して判別閾値を連続して変化させることでもたらされる感度/特異性ペアの全てのプロットである。
実験室試験の臨床性能は、診断精度、または被験体を臨床的に関連のある亜群に正確に分類する能力に依存する。診断精度は、調べられた被験体の異なる2つの状態を正確に区別する試験の能力を評価する。かかる状態は、例えば、健常と疾患、または良性疾患対悪性疾患である。
それぞれの場合において、ROCプロットは、判別閾値の全範囲について感度対1-特異性をプロットして、2つの分布間の重複を示す。y軸は感度、つまり真陽性部分[(真陽性試験結果数)/(真陽性数+偽陰性試験結果数)と規定される]である。これは、疾患または状態の存在下の陽性度ともいわれる。これは罹患した亜群のみから計算される。x軸は偽陽性部分、つまり1-特異性[(偽陽性結果数)/(真陰性数+偽陽性結果数)と規定される]である。これは特異性の指標であり、罹患していない亜群全体から計算される。真陽性部分および偽陽性部分は2つの異なる亜群の試験結果を用いて、完全に別々に計算されるので、ROCプロットは試料中の疾患の罹患率とは独立している。ROCプロット上のそれぞれの点は、特定の判別閾値に対応する感度/1-特異性ペアを示す。完全な判別を有する試験(2つの結果の分布に重複はない)は、左上角を通過するROCプロットを有し、真陽性部分は1.0、つまり100%であり(完全な感度)、偽陽性部分は0である(完全な特異性)。判別を有さない試験(2つの群の結果の分布が同じ)の理論的なプロットは、左下角から右上角に向かう45°の対角線である。ほとんどのプロットはこれら2つの両端に入る。(ROCプロットが完全に45°の対角線の下に入る場合、これは「陽性度」についての基準を「より大きい」から「より小さい」に逆転すること、またはその逆により容易に修正される。)定性的に、プロットが左上角に近づくほど、試験全体の精度は高くなる。
実験室試験の診断精度を定量するための1つの好ましい方法は、1つの数でその性能を表すことである。このような全体的なパラメーターは例えば、いわゆる「全誤差」、あるいは「曲線下面積=AUC」である。最も一般的な世界基準は、ROCプロット下面積である。慣例により、この面積は常に≧0.5である(もしそうでなければ、判別規則をそのように逆転することが可能)。値は、1.0(2つの群の試験値の完全な分離)から0.5(2つの群の試験値間に明らかな分布差がない)である。この面積は、対角線に最も近い点または90%特異性での感度などのプロットの特定の部分だけでなく、プロット全体にも依存する。これは、ROCプロットが完全なもの(面積=1.0)にどれだけ近いかについての定性的、かつ説明的な表現である。
好ましい態様において、本発明は、試料中の少なくともセプラーゼならびに抗p53、フェリチンおよび/またはオステオポンチンからなる群より選択されるマーカーそれぞれの濃度を測定し、測定された濃度を数学的に組み合わせて、組み合わせた値をCRCの有無に相関させることにより対照に対するCRCの診断精度を向上させる方法に関し、その向上により、単独で調べられる任意の単一マーカーに基づく分類と比較して、対照に対してCRCのリスクがあるまたはCRCに罹患するものとして多くの患者が正確に分類されることになる。
本発明の好ましい方法において、少なくとも生物マーカーセプラーゼならびに抗p53、フェリチンおよび/またはオステオポンチンからなる群より選択されるマーカーそれぞれの濃度が測定され、マーカー組み合わせがCRCの評価に使用される。
本発明の好ましい方法において、少なくとも生物マーカーセプラーゼおよびCYFRA21-1それぞれの濃度が測定され、マーカー組み合わせがCRCの評価に使用される。
本発明のさらに好ましい方法において、少なくとも生物マーカーセプラーゼおよびCEAそれぞれの濃度が測定され、マーカー組み合わせがCRCの評価に使用される。
本発明のさらに好ましい方法において、少なくとも生物マーカーセプラーゼ、CEA、抗p53およびフェリチンの測定値がCRCの評価のために組み合わされる。
本発明のさらに好ましい方法において、少なくとも生物マーカーセプラーゼ、CEA、抗p53およびオステオポンチンの測定値がCRCの評価のために組み合わされる。
本発明の好ましい方法において、少なくともセプラーゼ、CEA、抗p53、CYFRA21-1およびオステオポンチンの測定結果が測定され、数学的に組み合わされて、該マーカー組み合わせがCRCの評価に使用される。
本発明の好ましい方法において、少なくともセプラーゼ、CEA、抗p53、CYFRA21-1およびフェリチンの測定結果が測定され、数学的に組み合わされて、該マーカー組み合わせがCRCの評価に使用される。
本発明のさらに好ましい方法において、少なくともセプラーゼ、CEA、抗p53、CYFRA21-1、オステオポンチンおよびフェリチンの測定結果が測定され、数学的に組み合わされ、該マーカー組み合わせがCRCの評価に使用される。
以下の実施例、配列表および図面は本発明の理解を補助するために提供され、その真の範囲は添付の特許請求の範囲に記載される。本発明の精神から逸脱することなく、記載の手順において変更がなされ得ることが理解されよう。
図1は、試験について選択される患者のフローチャートである。 図2は、アルゴリズム最適化のスキームである。 図3は、クロス確認におけるマーカーの選択である。図3は、100回の統計試行で、統計法によりセプラーゼおよびCEAの両方が全ての回数で選択され、フェリチンおよびOPNが99回および98回のそれぞれで選択されたことを示す。
実施例1
臨床試料
2つのヨーロッパ多施設試験において、先を見越して血清試料を回収した。第1の試験で、平均リスクスクリーニング集団において胃腸学ユニットで患者を集め、結腸内視鏡術で予防的な検査を行った。参加施設でそれぞれの参加者から結腸内視鏡術を行い、調製物および鎮静剤はそれぞれの場所で使用された。結腸内視鏡術を行う少し前に血清試料を回収した。それぞれの病変の大きさおよび位置を記録した。病理学者はその場でそれぞれの外科的切除試料を調べ、診断およびそれぞれの病期を決定した。予防的スクリーニング集団中のCRC患者の罹患率はおよそ0.05%と低かったので、異なる外科単位で第2の予定試験において、さらに癌患者を集めた。この試験でも、血清試料は手術または結腸内視鏡術の前に回収した。結腸直腸癌の診断は、その場所で病理学者がそれぞれの患者の病理病期を決定して確認した。両方の試験の研究プロトコールは、適切な倫理委員会により検討および承認され、全ての参加者には書面によるインフォームドコンセントを与えた。
両方の多施設試験由来の臨床試料は、前述のマーカーの評価(図1参照)のために集められ、それぞれ対照コホート「A」およびCRCコホート「B」、すなわち:
A:266人の患者の対照コホート(腺腫または炎症性腸疾患を有する患者は対照コホートには含まれない)
B:301人の結腸直腸癌患者のCRCコホート
とした。
血液/血清回収
血液試料を血清チューブに回収し、室温で少なくとも1時間〜2時間凝血させた。遠心分離後、1mlアリコートで上清(血清)を-25℃で冷凍して、-70℃の冷凍庫に2週間入れた。測定前に、血清試料を解凍し、利便性のために再度少量に等分して冷凍した。その後、分析の直前に試料を解凍した。したがって、この組の試料は全て、分析の前に2回だけ冷凍、解凍した。
実施例2
腫瘍マーカーの検出のための免疫アッセイ
2.1 Roche Elecsys(登録商標)アッセイ
以下の腫瘍マーカー:CEA、CA15-3、CA19-9、CA125、CA72-4、フェリチン、β-hCG、NSE、AFPおよびCYFRA21-1(サイトケラチン-19)についてElecsys(登録商標)キットを購入した。全てのアッセイは、製造業者の指示に従い、Elecsys(登録商標)2010システム(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany)で行った。該器具で測定した濃度を使用して、表1に示されるAUCデータを計算/作成した。
2.2 マイクロタイタープレートアッセイ
マーカーセプラーゼ、オステオポンチンおよび抗p53について、社内でマイクロタイターアッセイを開発した。
2.2.1 オステオポンチン(OPN)
抗原の捕捉および検出のために、2種類の異なる抗体を使用した。異なる重複なしエピトープを有するように、これらの抗体を選択した。使用した2つの抗体のエピトープはオステオポンチン配列のアミノ酸167〜カルボキシ末端の間にある(Kiefer, M.C. et al., Nucl. Acids Res. 17 (1989) 3306)。1つの抗体をビオチン化して捕捉抗体として使用した。第2の抗体をジゴキシゲニン化した。次いで、適切な抗DIG二次抗体を用いてジゴキシゲニン化抗体を検出した。
アッセイ手順
ストレプトアビジン被覆96ウェルマイクロタイタープレートを10mMリン酸緩衝化食塩水(PBS)、pH7.4、1%BSAおよび0.1%Tween20中の10μg/mLのビオチン化抗OPNポリクローナル抗体100μlと60分間インキュベートした。インキュベーション後、プレートをリン酸緩衝化食塩水pH7.4(PBS)、0.1%Tween20で3回洗浄した。次いで、ウェルを、標準抗原としてのリコンビナントタンパク質の連続希釈液または患者由来の希釈血漿試料のいずれかと2時間インキュベートした。OPNの結合後、プレートをPBS、0.1%Tween20で3回洗浄した。結合したOPNの特異的検出のために、ウェルを、10mMリン酸、pH7.4、1%BSA、0.9%NaClおよび0.1%Tween20中の10μg/mlのジゴキシゲニン化抗OPNポリクローナル抗体100μlと60分間インキュベートした。その後、プレートを3回洗浄して、未結合抗体を除去した。次の工程で、ウェルを、10mMリン酸、pH7.4、1%BSA、0,9%NaClおよび0.1%Tween20中の20mU/mlの抗ジゴキシゲニンPODコンジュゲート(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany, カタログ番号1633716)と60分間インキュベートした。その後、プレートを同じバッファで3回洗浄した。抗原-抗体複合体の検出のために、ウェルを100μlのABTS溶液(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany, カタログ番号11685767)とインキュベートし、30〜60分後、ELISAリーダーで、405nmのODを測定した。
2.2.2 抗p53
抗p53自己抗体の測定は、ストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレートで、間接試験形式で2回行った。2種類の免疫反応性ビオチン化ペプチド
Bi-p53(11〜35):ビオチン-EPPLSQETFSDLWKLLPENNVLSPL (配列番号:2)および
Bi-p53(41〜60):ビオチン-DDLMLSPDDIEQWFTEDPGP (配列番号:3)
それぞれを、PBS/0.05%Tween20(それぞれ50ng/ml)に溶解して、ストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレートに固定した(100μl/ウェル、60分、30℃、振盪)。PBS/0.05%Tween20で洗浄後、希釈自己抗体含有血清試料を固相とインキュベートした(希釈、PBS/0.05%Tween20で1:50;容量、100μl/ウェル、120分、30℃、振盪)。PBS/0.05%Tween20で洗浄後、結合したIgGを適切な希釈の抗ヒトIgG-PODコンジュゲートで標識した。(PBS/0.05%Tween20中の希釈;150μl/ウェル;インキュベーションは振盪下、30℃で60分間行った)。洗浄後、結合したコンジュゲートを、テトラメチルベンジジン/過酸化水素(TMB)を基質として用いて検出した(200μl/ウェル;15分;30℃;振盪)。50μl/ウェルの1M硫酸を添加して酵素反応を停止した。参照波長として620nmを使用して、光度計により450nmで色を定量した。高度陽性癌血清を使用して、標準曲線によりOD450nm値をU/mlに変換した。1000U/mlの希釈した癌血清は、上述のアッセイ条件下で約3.0のOD450nmを生じた。
2.2.3 セプラーゼ
セプラーゼ特異的結合分子として、2種類の異なるラットモノクローナル抗セプラーゼ抗体(クローンD8およびD28)を使用した(Pineiro-Sanchez et al., M.L. et al., J. Biol. Chem. 12 (1997) 7595-7601)。
モノクローナルラットIgGのビオチン化:
モノクローナルラットIgG(クローンD28)を10mM NaH2PO4/NaOH、pH7.5、30mM NaCl中で10mg/mlにした。IgG溶液1ml当たり、50μlのビオチン-N-ヒドロキシスクシンイミド(DMSO中3.6mg/ml)を添加した。室温で30分後、Superdex200(10mM NaH2PO4/NaOH、pH7.5、30mM NaCl)で試料をクロマトグラムにかけた。ビオチン化IgG含有画分を回収した。
モノクローナルラットIgGのジゴキシゲニン化:
モノクローナルラットIgG(クローンD8)を10mM NaH2PO4/NaOH、30mM NaCl、pH7.5中で10mg/mlにした。IgG溶液1ml当たり、50μlのジゴキシゲニン-3-O-メチルカルボニル-ε-アミノカプロン酸-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(Roche Diagnostics, Mannheim, Germany, カタログ番号1 333 054)(DMSO中3.8mg/ml)を添加した。室温で30分後、Superdex(登録商標)200(10mMNaH2PO4/NaOH、pH7.5、30mM NaCl)で試料をクロマトグラムにかけた。ジゴキシゲニン化IgG含有画分を回収した。
ヒトの血清および血漿試料中のセプラーゼの測定のためのELISA:
ヒトの血清または血漿中のセプラーゼの検出のために、サンドイッチELISAを開発した。抗セプラーゼモノクローナル抗体の、ビオチンとコンジュゲートしたD28およびジゴキシゲニンとコンジュゲートしたD8(上記参照)のアリコートを抗原の捕捉および検出に使用した。
試料(75μl)を、インキュベーションバッファ(さらに40mMのリン酸、200mMの酒石酸ナトリウム、10mMのEDTA、0.1%のTween20を含み、pH7.4に調整)中のそれぞれ0.375μgのD28-ビオチンおよびD8-ジゴキシゲニン抗体を含む150μlの抗体試薬と混合した。2時間インキュベーション後、2x100μlの混合物を、ストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレートの別々のウェルに入れて、さらに1時間インキュベートした。プレートを洗浄バッファ(10mM Tris、150mM NaCl、0.05%Tween20)で3回洗浄した。次の工程で、ウェルを、ユニバーサルコンジュゲートバッファ(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany, カタログ番号11684825)中で60分間、30mU/mlの抗ジゴキシゲニンHRPコンジュゲート(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany, カタログ番号1633716)とインキュベートして以前と同様に洗浄した。次いで、ウェルを100μlのTMB基質溶液(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany, カタログ番号12034425)と1時間インキュベートした。2Nの硫酸(50μl)を添加して発色を停止し、青色を黄色に変えた。ELISAリーダー(上記参照)を用いて450nmでODを測定した。
全てのインキュベーションは室温で行った。ヒトの血清または血漿の試料はインキュベーションバッファで予め希釈して終濃度0.15%とした。校正のために、標準として血清プールを使用した。血清は、インキュベーションバッファで終濃度、0.09/0.18/0.27/0.36/0.45%に希釈して、0.03/0.06/0.09/0.12/0.15単位/mlそれぞれの任意の所定値の校正液を作製した。
線形回帰分析により校正曲線の等式を求めて、ウェルの吸光度記録を対応の濃度値に変換するために使用した。結果に予備希釈係数をかけて、それぞれの試料の任意のセプラーゼ濃度を得た。
実施例3
全てのマーカーの一変量結果
全ての血清試料を無作為化し、全てのマーカーは発明者の研究室で測定した。それぞれのマイクロタイタープレートアッセイについて、マーカーは、異なる試料アリコートごとに独立して2回測定し、さらなる分析のために平均濃度を使用した。一方で、全てのElecsys(登録商標)パラメーターは、一回の測定において1アリコートから測定した。
各アッセイについてのカットオフは、95%特異性を生じる95%分位(quantile)の計算により対照集団Aで決定した。生物マーカーの診断能力は受信者動作特性曲線(ROC)または95%のプリセット特異性での臨床感度のいずれかを計算して評価した(表1)。
いくつかのマーカー、すなわちCEA、CYFRA21-1、オステオポンチン、セプラーゼならびに炎症マーカーIL-6およびIL-8は70%より高いAUC値を示した。フェリチンとセプラーゼは共にCRCではダウンレギュレートされたが、一般的に他のマーカーは全てCRC患者において増加することに注目することが重要である。
スクリーニング状況をシミュレートするために、UICC病期IV以外の全ての癌病期について感度も計算した。この計算により、マーカー候補フェリチン、抗p53およびセプラーゼはUICC病期IVの除外により影響を受けないことが明らかに示される。これら3つのマーカーの病期依存性を見ると、有意な差はないことがわかった。セプラーゼおよび抗p53はそれぞれ、UICC病期Iで最高感度を示した。他のマーカーは腫瘍病期に大きく影響を受け、CEAなどの病期IVの患者について最高感度を示した(表2参照)。
実施例4
マーカー組み合わせ/統計解析および結果
「ペナルティーを課した」Rツールボックスで実行されるように、マーカー組み合わせの数学的モデルとしてペナルティー付きロジスティック回帰(PLR)を使用した(http://cran.r-project.org/)。全試料集団をランダムに訓練集団(試料中2/3)および試験集団(試料中1/3)に分けた。患者を2つの試料集団に分配するために、年齢、性別、回収場所および腫瘍病期の分布などの変数を考慮した。訓練集団中でモンテカルロクロス確認デザインを100回試行して、アルゴリズム最適化(つまり、ペナルティーの種類およびそのペナルティーパラメーターの選択)を行った。
それぞれのモンテカルロクロス確認の試行において、訓練集団の全てのCRCおよび対照の症例の2/3を、部分訓練集団としてランダムに選択した。部分訓練集団にPLRを適用して診断規則を作成した。部分訓練集団の対照に対する推定の症例事後確率の閾値を決定し、多変量診断規則について95%または98%の見かけの特異性を達成した。次いで、この規則をデータの残りの1/3(部分試験集団)に適用して所定の閾値での感度および特異性を推定した。この手順を100回繰り返した。
クロス確認の個々の試行の近似解析は、100回の統計試行において、セプラーゼとCEAの両方が統計法により全ての回数で選択され、フェリチンおよびOPNがそれぞれ99回および98回で選択されたことを明らかにした(図3参照)。Cyfra21-1および抗p53はそれぞれ74回と70回で選択され、試験された他の全てのマーカーは20回未満しか選択されなかったかまたは選択されなかった。
したがって、訓練集団中のCRCおよび対照の集団の全ての多変量結果は、クロス確認の平均感度として報告される。次いで、最終的な診断規則およびその閾値は、全ての訓練データを使用して、最適化されたアルゴリズムにより記憶され、試験集団に適用され、作成された診断規則の確認に使用される。

表3の結果は明確に、6個のマーカーを組み合わせることで、特異性を何ら損なうことなく、最良の単一マーカーセプラーゼと比べて感度が大きく向上し得ることを示す。血清試料でのこれらの結果は、免疫学的FOBTアッセイで得られる結果と同等であるかまたはそれ以上である(Morikawa T. et. al., Gastroenterology 2005; 129:422-428)。
最終診断規則におけるそれぞれのマーカー候補の重要性を推定するために、これらのマーカーの理論的に可能な組み合わせをそれぞれ評価した。この目的で、発明者らは訓練集団の試料を使用し、最終規則と基本的に同じ様式であるが、マーカーの考慮される部分集団のデータのみにアルゴリズムを与えて、それぞれのマーカー組み合わせの感度を計算した。結腸直腸癌(UICC病期I〜IIIのみ、病期IVなし)の感度は、訓練データに対して、95%および98%のプリセット特異性で計算した。そのため、これらの、いわゆる見かけの感度の絶対値は過剰適合(overfit)に供されるが、マーカーの相関構造を適切に考慮すると、実際の「最終規則」の見かけの感度の差は個々のマーカーの重要性について解釈可能な洞察をもたらす。
表4に示される6個のマーカーの組み合わせにより最良の結果を得ることができる。6個のマーカーの組み合わせのうち1個のマーカーを除くことによって、CYFRA21-1を除いた98%のプリセット特異性での感度はわずかに減少する。一方で、最も有力なマーカー、セプラーゼを除くと、他の5個全てのマーカーの組み合わせでもセプラーゼ単独で達成される感度と同等のものしか得られない。表4のデータも、2個のマーカーの最良の組み合わせは必要な特異性レベルに依存することを示す。95%の特異性で最良の2個のマーカーの組み合わせは、セプラーゼ+CEAおよびセプラーゼ+抗p53であるが、98%の特異性ではセプラーゼ+フェリチンおよびセプラーゼ+CYFRA21-1の組み合わせが最も重要な組み合わせである。表4に示されるデータからも、特異性の上限の98%では、高い感度に関して最良の結果を得るためにはより多くのマーカーが必要であることが明らかである。6個のマーカーパネルから1個のマーカーを除くと、98%のプリセット特異性での感度の減少は、95%のプリセット特異性の限度での対応する減少よりも大きい。

Claims (15)

  1. a)セプラーゼポリペプチドおよび/またはその断片、
    b)抗p53、オステオポンチンおよび/またはフェリチン、
    c)任意にCRCの1つ以上の他のマーカー
    の濃度および/または活性を試料中で測定する工程、ならびに
    d)CRCの評価において工程(a)および工程(b)および任意に工程(c)の組み合わせた測定結果を使用する工程
    を含む、インビトロでの結腸直腸癌(CRC)の評価方法。
  2. 少なくともセプラーゼおよび抗p53の測定結果がCRCの評価のために組み合わされる、請求項1記載の方法。
  3. 少なくともセプラーゼおよびオステオポンチンの測定結果がCRCの評価のために組み合わされる、請求項1記載の方法。
  4. 少なくともセプラーゼおよびフェリチンの測定結果がCRCの評価のために組み合わされる、請求項1記載の方法。
  5. 任意に1つ以上の他のマーカーが癌胎児性抗原(CEA)およびCYFRA21-1からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
  6. 少なくともセプラーゼ、CEA、オステオポンチンおよびフェリチンの測定結果が組み合わされる、請求項1〜3および5いずれかに記載の方法。
  7. 少なくともセプラーゼ、CEA、抗p53、CYFRA21-1、CEAおよびフェリチンの測定結果が組み合わされる、請求項1〜6いずれかに記載の方法。
  8. セプラーゼポリペプチドおよび/またはその断片の濃度、および/またはセプラーゼおよび/またはその断片を含む複合体の濃度が測定される、請求項1〜7いずれかに記載の方法。
  9. CRCの評価のための少なくともセプラーゼおよび抗p53の測定結果を含むマーカーパネルの使用。
  10. CRCの評価のための少なくともセプラーゼおよびオステオポンチンの測定結果を含むマーカーパネルの使用。
  11. CRCの評価のための少なくともセプラーゼおよびフェリチンの測定結果を含むマーカーパネルの使用。
  12. CRCの評価のための少なくともセプラーゼ、CEA、抗p53およびフェリチンの測定結果を含むマーカーパネルの使用。
  13. CRCの評価のための少なくともセプラーゼ、CEA、抗p53、CYFRA21-1、CEAおよびフェリチンの測定結果を含むマーカーパネルの使用。
  14. 請求項1〜8いずれかに記載の方法を行うための手段または請求項9〜13いずれかに記載の使用によるマーカーパネルを測定するための手段を含むデバイス。
  15. 請求項1〜8いずれかに記載の方法を行うための手段または請求項9〜13いずれかに記載の使用によるマーカーパネルを測定するための手段を含むキット。
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