JP4606469B2 - 直腸結腸癌用マーカーとしてのcyfra21−1の使用 - Google Patents

直腸結腸癌用マーカーとしてのcyfra21−1の使用 Download PDF

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Description

本発明は、結腸直腸癌(=CRC)の評価を補助する方法に関する。本発明は、結腸直腸癌のマーカーとしての、サイトケラチンフラグメントマーカー21-1(= CYFRA 21-1)の使用を開示する。さらに、本発明は、特に結腸直腸癌を個体由来の液体試料から、該試料中のCYFRA 21-1を測定することで評価する方法に関する。CYFRA 21-1の測定は、例えば結腸直腸癌の初期の検出、または治療、例えば手術を受けている患者のサーベイランスに使用され得る。
検出および治療の進歩にかかわらず、癌は主要な公共の健康課題のままである。種々の型の癌のうち、結腸直腸癌(=CRC)は、西洋世界で最も頻度の高い癌の一つである。
結腸直腸癌は、アデノーマ(ポリープ)から最も頻繁に進行し、悪性の腫瘍になる。CRCの異なる段階は、Dukes'ステージA〜Dに従って分類されていた。
癌の段階付けは、程度、進行および重症度に関する疾患の分類である。それにより癌患者を分類して、予後および治療の選択について一般化がなされ得る。
今日、癌の解剖学的な程度の分類に、TNMシステムが最も広く使用されている。それは、国際的に受け入れられた、不変の段階付けシステムである。3つの基本的な変数:T(原発腫瘍の程度)、N(局所のリンパ節の状態)、およびM(遠距離の転移の有無)がある。TNM基準はUICC(International Union Against Cancer)版、1997で公開されている(Sobin, L.H., and Fleming, I.D., TNM 80 (1997) 1803-4)。
特に重要なことは、CRCの初期の診断がより良い予後を生み出すことである。直腸結腸の最も悪性の腫瘍は、良性の腫瘍から、すなわちアデノーマから生じると思われる。従って、最良の予後は、アデノーマの段階で、これらの患者を診断する。明らかな転移が既に存在している場合に診断された患者のわずか10%の5年生存率と比較して、ステージTis、N0、M0またはT1-3;N0;M0ほどの初期に診断された患者は、適切に治療されたならば、診断の5年後に90%より高い生存の可能性を有する。
本発明の意味において、CRCの初期の診断は、前悪性段階(アデノーマ)または転移が全くない(近位、遠位のいずれでもない)すなわちアデノーマ、Tis、N0、M0もしくはT1-4;N0;M0である腫瘍段階での診断を言う。Tisはインサイチュの癌を表す。
腸壁を通ってまだ完全に成長していない場合にCRCが診断されるので、内臓の腹膜に穴が開いておらず、また他の器官または構造が侵食されていない、すなわちステージTis、N0、M0またはT1-3;N0;M0(=Tis-3;N0;M0)で診断がなされることがさらに好ましい。
癌がより早期に検出/診断され得るほど、全体的な生存率はより良い。このことはCRCについて特に真実である。腫瘍の進行した段階での予後は不十分である。進行性の疾患のため、1/3より多い患者が診断後5年以内に死に、これは5年間で約40%の生存率に相当する。現在の治療は、患者の一部を治療するのみであり、疾患の初期段階で診断された患者に、明らかに最良の効果を有する。
公共の健康課題としてのCRCに関して、結腸直腸癌についてのより効果的なスクリーニングおよび予防的な測定が開発されることが必須である。
現在結腸直腸癌について利用可能な、最も初期の検出法には、糞便不顕性血液についての試験または内視鏡術を使用することが含まれる。しかしながら意味のある腫瘍サイズは、糞便血が検出される以前に典型的に存在するはずである。グアヤクベースの糞便不顕性血液試験の感受性は約26%であり、悪性病変を有する患者の74%が検出されないままであることを意味する(Ahlquist, D.A., Gastroenterol. Clin. North Am. 26 (1997) 41-55)。前腫瘍性および腫瘍性病変の可視化は、早期検出のための最良のアプローチであるが、結腸鏡検査法は、高いコスト、危険性および合併症を伴い、侵襲性である(Silvis, S.E., et al., JAMA 235 (1976) 928-930; Geenen, J.E., et al., Am. J. Dig. Dis. 20 (1975) 231-235; Anderson, W.F., et al., J. Natl. Cancer Institute 94 (2002) 1126-1133)。
臨床的に有用であるために、単一マーカーとしての新しい診断マーカーが、少なくとも当該分野で公知の最良の単一マーカーと同様に良好であるべきである。または、単独もしくは一つ以上の他のマーカーと組み合わせてのいずれかで使用される場合、新しいマーカーが診断感受性および/または特異性のいずれかの進歩をもたらすべきである。試験の診断的感受性および/または特異性は、以下に詳細に記載される、受信者動作特性により最も良好に評価される。
結腸直腸癌における生化学マーカーの臨床的有用性は、最近腫瘍マーカーの欧州グループEuropean Group on Tumor Markers(EGTM)により検討されている(Duffy, M.J., et al., Eur. J. Cancer 39 (2003) 718-727)。
現在、癌胎児性抗原(CEA)、腫瘍関連糖タンパク質の検出に基づく第一の血液診断試験はCRCの分野で診断を補助するために利用可能である。CEAは、結腸直腸癌、胃癌および膵臓癌を有する患者から得られた組織試料の95%ならびに乳癌、肺癌、ならびに頭部癌および頸部癌の大部分で増加する(Goldenberg, D.M., et al., J. Natl. Cancer Inst. (Bethesda) 57 (1976) 11-22)。増加したCEAレベルは非悪性疾患を有する患者で報告されており、新たに検出された結腸直腸癌を有する多くの患者は、特に疾患の初期段階で、血清中の正常なCEAレベルを有する(Carriquiry, L.A., and Pineyro, A., Dis. Colon Rectum 42 (1999) 921-929; Herrera, M.A., et al., Ann. Surg. 183 (1976) 5-9; Wanebo, H.J., et al., N. Engl. J. Med. 299 (1978) 448-451; Wanebo, H.J., et al., 上述)。再発の検出において血清または血漿から測定される場合、CEAの有用性は、伝えるところによると議論の的となっており、依然広く受け入れられている(Martell, R.E., et al., Int. J. Biol. Markers 13 (1998) 145-149; Moertel, C.G., et al., JAMA 270 (1993) 943-947)。
利用可能なデータを考慮すると、血清CEA測定は、徴候のない集団における結腸直腸癌のためのスクリーニング試験として、その使用を可能にするための感受性も特異性も有さない(Reynoso, G., et al., JAMA 220 (1972) 361-365; Sturgeon, C, Clinical Chemistry 48 (2002) 1151-1159)。
全血、血清または血漿は、臨床の常套的作業において最も広く使用されている試料の供給源である。信頼性のある癌検出を補助するか、または初期の予後情報を提供する初期CRC腫瘍マーカーの同定により、この疾患の診断および管理を大きく補助する診断アッセイが生じ得る。従って、CRCのインビトロ評価を改善するための緊急の臨床的な必要性がある。疾患が進行した段階で診断された患者と比較した際に、初期に診断された患者に対する生存の可能性がより高くなるので、CRCの初期診断を改善することが特に重要である。
CRCの評価に使用され得る生化学マーカーを同定し得るかどうか調査することが、本発明の課題であった。
驚くべきことに、マーカーCYFRA 21-1の使用は、当該分野の技術水準から公知の課題を少なくとも部分的に克服し得ることが見出されている。
本発明は、a)試料中のCYFRA 21-1の濃度を測定する工程、およびb)工程(a)で決定された濃度を結腸直腸癌の評価に使用する工程を含む、インビトロにおける結腸直腸癌の評価方法に関する。
本発明はまた、試料中のCYFRA 21-1および一つ以上の他のCRCのマーカーの濃度を測定する工程、ならびにCRCの評価において決定した濃度を使用する工程を含む、生化学マーカーによりインビトロでのCRCを評価する方法に関する。
本発明はまた、CRCの評価において少なくともCYFRA 21-1およびNSEを含むマーカーパネルの使用に関する。
本発明はまた、CRCの評価において少なくともCYFRA 21-1およびASCを含むマーカーパネルの使用に関する。
本発明はまた、CRCの評価において少なくともCYFRA 21-1およびOPNを含むマーカーパネルの使用に関する。
本発明はまた、CRCの評価において少なくともCYFRA 21-1およびFERRを含むマーカーパネルの使用に関する。
本発明はまた、少なくとも、CYFRA 21-1およびNSEそれぞれを特異的に測定するために必要とされる試薬、ならびに任意に、測定を実行するための補助試薬を含む、本発明に従った方法を実行するためのキットを提供する。
本発明はまた、少なくとも、CYFRA 21-1およびASCそれぞれを特異的に測定するために必要とされる試薬、ならびに任意に、測定を実行するための補助試薬を含む、本発明に従った方法を実行するためのキットを提供する。
本発明はまた、少なくとも、CYFRA 21-1およびOPNそれぞれを特異的に測定するために必要とされる試薬、ならびに任意に、測定を実行するための補助試薬を含む、本発明に従った方法を実行するためのキットを提供する。
本発明はまた、少なくとも、CYFRA 21-1およびFERRそれぞれを特異的に測定するために必要とされる試薬、ならびに任意に、測定を実行するための補助試薬を含む、本発明に従った方法を実行するためのキットを提供する。
さらに好ましい態様において、本発明は、a)試料中のCYFRA 21-1の濃度を測定する工程、b)試料中の結腸直腸癌の一つ以上の他のマーカーの濃度を任意に測定する工程、ならびにc)工程(a)および任意に工程(b)で決定した濃度を結腸直腸癌の評価に使用する工程を含む、インビトロにおける結腸直腸癌を評価する方法に関する。
本明細書で使用する場合、以下の用語のそれぞれは、この区分の用語に関連する意味を有する。
冠詞「a」および「an」は、一つ以上の冠詞の文法上の目的語について(すなわち少なくとも一つについて)言及するために本明細書で使用される。ちなみに例として「a marker」は一つ以上のマーカーを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「マーカー」または「生化学マーカー」は、患者の試験試料を分析するために標的として使用される分子のことを言う。かかる分子標的の例は、試料中に存在するタンパク質またはポリペプチド自体および抗体である。本発明でマーカーとして使用されるタンパク質またはポリペプチドとしては、前記タンパク質の任意のバリアント、ならびに前記タンパク質または前記バリアントのフラグメント、特に免疫学的に検出可能なフラグメントが含まれることが企図される。当業者は、細胞から放出されるか、例えば炎症の際に損傷して細胞外マトリクス中に存在するタンパク質が、分解または切断されてかかるフラグメントになり得ることを認識しよう。特定のマーカーは不活性形態で合成され、その後タンパク質分解により活性化され得る。当業者が理解するように、タンパク質またはそのフラグメントは、複合体の一部としても存在し得る。本発明の意味において、かかる複合体もマーカーとして使用され得る。マーカーポリペプチドのバリアントは、同一の遺伝子にコードされるが、PIまたはMWまたはその両方において異なり(例えば選択的なmRNAまたはプレmRNAのプロセッシング、例えば選択的スプライシングもしくは限定的タンパク質分解の結果として)、さらに、あるいは異なる翻訳後修飾(例えば糖化、アシル化、および/またはリン酸化)により生じ得る。
用語「結腸直腸癌の評価」は、本発明に従った方法が(単独または他のマーカーもしくは変数、例えばUICCにより示される基準(上記参照)と共に)医師のCRCの有無の確立または確認を補助するか、または予後における医師の治療効果のモニタリング(例えば手術、化学療法または放射線治療の後)および再発の検出(治療後の患者の追跡)を補助することを意味するために使用される。
本明細書で使用される場合、用語「試料」は、インビトロでの評価のために入手された生物学的試料のことを言う。本発明の方法において、試料または患者試料は、好ましくは任意の体液を含み得る。好ましい試験試料としては、血液、血清、血漿、尿、唾液、および滑液が挙げられる。好ましい試料は全血、血清、血漿または滑液であり、血漿または血清が最も好ましい。
当業者が理解するように、任意のかかる評価はインビトロでなされる。患者試料は後に廃棄される。患者試料は本発明のインビトロ診断法のためだけに使用され、患者試料の物質は患者の体に戻されない。典型的に該試料は、液体試料、例えば全血、血清または血漿である。
好ましい態様において、本発明は、試料中のCYFRA 21-1の濃度を測定する工程、およびCRCの評価において、決定した濃度を使用する工程を含む、インビトロにおける生化学マーカーでのCRCの評価方法に関する。
「CYFRA 21-1」についてのアッセイは、循環系に存在するサイトケラチン19の可溶性フラグメントを特異的に検出する。CYFRA 21-1の測定は、典型的に二つのモノクローナル抗体に基づく(Bodenmueller, H., et al, Int. J. Biol. Markers 9 (1994) 75-81)。Roche Diagnostics, GermanyのCYFRA 21-1アッセイにおいて、二つの特異的モノクローナル抗体(KS 19.1およびBM 19.21)を使用し、約30,000ダルトンの分子量を有するサイトケラチン19の可溶性フラグメントを測定する。
サイトケラチンは、表皮中間フィラメントのサブユニットを形成する構造タンパク質である。これまでに20種の異なるサイトケラチンポリペプチドが同定されている。その特異的な分布パターンのために、それらは腫瘍病理学の分化マーカーとしての使用に卓越して適している。完全なサイトケラチンポリペプチドは可溶性に乏しいが、可溶性フラグメントは血清中に検出され得る(Bodenmueller, H., et al, 上述)。
CYFRA 21-1は、非小細胞肺癌(NSCLC)についてよく確立されたマーカーである。CYFRA 21-1についての主要な適応は、非小細胞肺癌(NSCLC)の経過をモニタリングすることである(Sturgeon, C., Clinical Chemistry 48 (2002) 1151- 1159)。
最初の診断において、高いCYFRA 21-1血清レベルは、進行した腫瘍段階および非小細胞肺癌を有する患者における乏しい予後を示す(van der Gaast, A., et al., Br. J. Cancer 69 (1994) 525-528)。正常値またはほんのわずか増加した値によっては、腫瘍の存在は排除されない。
CYFRA 21-1血清レベルの正常範囲への急速な低下は、首尾良い治療を証明する。一定のCYFRA 21-1値またはわずかなもしくは緩やかなCYFRA 21-1値の減少は、対応する治療的および予後的な結果を有する腫瘍の不完全な除去または複数の腫瘍の存在を示す。疾患の進行はしばしば、臨床的な症候学およびイメージング手法よりも、CYFRA 21-1値の増加によってより早期に見られる。
肺癌の最初の診断が、臨床的な症候学、イメージングまたは内視鏡法および所見に基づいてなされるべきであることは認められる。30ng/mLより大きいCYFRA 21-1値を伴う肺における不明確な円形の焦点は、高い可能性で原発性の気管支癌の存在を示す。
CYFRA 21-1もまた、膀胱の筋肉侵襲性の癌の経緯モニタリングに適している。良性肺疾患(肺炎、サルコイドーシス、結核、慢性気管支炎、気管支喘息、気腫)に対して、CYFRA 21-1により良好な特異性が示される。
顕著な良性肝臓疾患および腎不全において、まれに、わずかに上昇した値(10ng/mLまで)が見られる。性別、年齢または喫煙との相関はない。CYFRA 21-1の値は、妊娠にも影響を受けない。
最近、乳癌の分野において疾患再発の検出および治療効果の評価にもCYFRAが有用であることが分かった(Nakata, B., et al., British J. of Cancer (2004) 1-6)。
CYFRA 21-1は、Roche製品番号11820966を用いて、製造業者の指示に従い、Elecsys(登録商標)アナライザーで測定されている。
さらに上記で言及したように、CYFRA 21-1はNSCLCの分野で確立されたマーカーである。NSCLCについてCYFRA 21-1を開発し、確立した際に、特定の肺非悪性疾患を有する患者由来の非悪性疾患コントロールが使用された。このことは悪性肺疾患から良性のものを区別するために重要であると見なされた(H. Bodenmeuller, et al., 上述)。
本発明の発明者らは、驚くべきことに、CRCを有する患者由来の試料の有意なパーセンテージで、マーカーCYFRA 21-1を検出し得た。さらに驚くべきことに、個体から得られたかかる液体試料中のCYFRA 21-1の存在が結腸直腸癌の評価に使用され得ることを明らかにし得た。
結腸直腸癌の分野において、CYFRA 21-1についてのカットオフ値がNSCLCについて設定されたものと同様にかなり低いことも見出された。健康なコントロールと非悪性結腸疾患を有する患者から得られたコントロールの両方が、この検査に使用され、これらの発見が確認された。CRCの分野において、より低いカットオフがCYFRA 21-1に当てはまるという発見は、CRCの分野においてCYFRA 21-1単独で、しかし他のマーカーと組み合わせても大きな潜在力を持ったマーカーと見なされるという驚くべき発見についての説明の少なくとも一部である可能性が最も高い。実施例の区分で示されるように、約90%の特異性で、感受性がほぼ60%であるので、CRCにおいてCYFRA 21-1単独で非常に有用である。
診断についての理想の筋書きは、単一の事象または過程が、例えば感染性疾患におけるそれぞれの疾患を引き起こすような場合である。他の全ての場合において、特に疾患の病因がCRCの場合のように十分に理解されない場合、正確な診断は非常に困難であり得る。当業者が理解するように、例えばCRCの分野において、所定の疾患について100%の特異性および同時に100%の感受性を有する診断的な生化学マーカーはない。むしろ、生化学マーカーは、例えば疾患の有無の確実な見込みまたは期待される値を評価するために使用される。従って、常套的な臨床診断において、一般的に様々な臨床的症状および生化学マーカーは、進行中の疾患の診断、治療および管理と一緒になっていると見なされる。
生化学マーカーは、個々に決定され得るか、または本発明の好ましい態様において、チップまたはビーズに基づいたアレイテクノロジーを用いて同時に測定され得るかのいずれかである。次いで、バイオマーカーの濃度は、各マーカーについての個々のカットオフを用いて独立して解釈されるか、または解釈について組み合わされる。
さらに好ましい態様において、本発明に従ったCRCの評価は、試料中のa)CYFRA 21-1、b)任意に結腸直腸癌の一つ以上の他のマーカーの濃度を測定する工程、ならびにc)工程(a)および任意に工程(b)で決定された濃度を結腸直腸癌の評価に使用する工程を含む方法においてなされる。
好ましくは、CRCの評価方法は、CYFRA 21-1および一つ以上の他のマーカーの濃度を測定すること、ならびにCYFRA 21-1および一つ以上の他のマーカーの濃度をCRCの評価に使用することで実行される。
本発明はまた、試料中のCYFRA 21-1および一つ以上の他のCRCのマーカーの濃度を測定する工程、ならびに決定した濃度をCRCの評価に使用する工程を含む、生化学マーカーによりインビトロでのCRCを評価する方法に関する。
実施例区分に示されるデータにより、実行される一変量(univariate)解析および多変量解析の両方において、マーカーCYFRA 21-1は(約90%の特異性で)CRCについてほぼ60%の顕著な感受性を有しており、この点で該マーカーは他の検査されたマーカーと比べて優れていると見出された。CRCの評価において、マーカーCYFRA 21-1は以下の点:スクリーニング;診断の補助;予後;治療のモニタリング、および追跡の一つ以上において有利である。
スクリーニング
CRCは先進諸国において、男性と女性の両方の2番目に一般的な悪性疾患である。その高い有病率、その長い無症候段階および前悪性病変の存在のために、CRCはスクリーニングについての多くの基準を満たす。明らかに、許容可能な感受性および特異性を有する血清腫瘍マーカーは、FOB試験または内視鏡検査のいずれよりもスクリーニングに適している。
実施例区分に提供されるデータが示すように、CYFRA 21-1単独では、例えばCRCについての危険集団の通常のスクリーニングを可能にするのに十分でない。最も見込みのある、スクリーニング目的に必要とされる感受性および特異性の基準を常に満たす循環系における単一の生化学マーカーはない。むしろ、CRCスクリーニングにはマーカーパネルが使用されるはずであるということが期待されるはずである。本発明で確立されたデータにより、マーカーCYFRA 21-1は、スクリーニング目的に適したマーカーパネルの必要不可欠な部分をなすことが示される。従って、本発明は、CRCスクリーニング目的のためのCRCマーカーパネル中の、1マーカーとしてのCYFRA 21-1の使用に関する。本発明のデータによりさらに、マーカーの特定の組合せがCRCのスクリーニングに有効であると示される。従って、本発明はまた、CRCのスクリーニング目的のための、CYFRA 21-1およびNSEを含むマーカーパネル、またはCYFRA 21-1およびASCを含むマーカーパネル、またはCYFRA 21-1およびNSEおよびASCを含むマーカーパネルの使用に関する。
診断補助
手術前のCEA値は制限された診断値である。にもかかわらず、腫瘍マーカーの欧州委員会(ECTM)が、基準値を設けるためおよび予後を評価するため、手術前にCFAを測定すべきであると推奨する。本発明のデータに従った単一マーカーとして、CYFRA 21-1は少なくともCEAと同程度に良好か、または優れてさえいる単一マーカーであり得るので、診断補助として、特に手術前に基準値を設けることでCYFRA 21-1を使用することが期待されるはずである。
従って、本発明は、CRCの手術前に基準値を設けるためのCYFRA 21-1の使用にも関する。
予後
CRCを有する患者における予後の決定のための黄金標準は、Duke's、TNMまたは他の段階付けシステムにより規定されるような、疾患の程度(extend)である。結果の予想にCEA等のマーカーが使用される場合、既存の段階付けシステムに求められるものより強力な予後的情報、既存のシステムから独立した情報、または既存の基準、例えばDuke's Bまたはノードネガティブ患者により規定される特異的な部分集団内の予後的データが提供される必要がある。
最近、癌の米国合同委員会(AJCC)合意会議により、結腸直腸癌についてTNM段階付けシステムにCEAを加えるべきであることが提案された。CEAレベルが以下に示される:CX、CEAは評価され得ない;CO, CEAが高くない(<5μg/l)、またはCEA1, CEAが高い(>5μg/l)(Compton, C, et al., Cancer 88 (2000) 1739-1757)。
CYFRA 21-1は単独で、健常コントロールから、または健常コントロールおよび非悪性結腸疾患からのCRC患者の区別に有意に貢献するので、CRCを有する患者の予後の評価を補助することが予想されるはずである。CEAについてAJCCにより推奨されるように、手術前のCYFRA 21-1のレベルは、CRCについての一つ以上の他のマーカーおよび/またはTNM段階付けシステムと組み合わされる可能性が最も高い。好ましい態様において、CYFRA 21-1は、CRCを有する患者の予後に使用される。
化学療法のモニタリング:
多くの報告では、進行したCRCの患者の処置のモニタリングにおけるCEAの使用が記載されている(概略は、 Refs. Duffy, M.J., Clin. Chem. 47 (2001) 625-630; Fletcher, R.H., Ann. Int. Med. 104 (1986) 66-73; 匿名, J. Clin. Oncol. 14 (1996) 2843-2877を参照)。これらのほとんどは、後ろ向きで無作為ではなく、少数の患者を含んだ。これらの研究は、a) 化学療法を受けている間にCEAレベルが減少した患者は、一般的に、CEAレベルが減少しなかった患者よりも良好な結果を有し、かつ(b) ほぼすべての患者で、CEAレベルの増加は疾患の進行と関連したことを示唆した。
実施例の項に示すデータにより、CYFRA21-1はCEAと少なくとも同等の化学療法のモニタリング用マーカーであることが予想されるはずである。したがって、本発明はまた、化学療法を受けているCRC患者のモニタリングにおけるCYFRA21-1の使用に関する。
追跡調査:
治癒を目的とした外科的切除を受ける患者のおよそ50%は、後に転移性疾患の再発が起こる(Berman, J.M.ら, Lancet 355 (2000) 395-399)。これらの再発のほとんどは、診断から最初の2〜3年以内に起こり、通常、肝臓、肺または局所(locoregional)領域に限定される。再発性/転移性疾患は、常に致死的であるため、相当な研究が、その初期、したがって潜在的に処置可能な段階での同定に焦点を当てている。その結果、これらの患者の多くは、多くの場合CEAの定期的モニタリングを含む、術後のサーベイランスプログラムを受ける。
CEAの連続モニタリングにより、およそ80%の感受性およびおよそ70%の特異性を有する再発性/転移性疾患が、検出されることが示されており、5ヶ月の平均先行期間(lead-time)を提供する(概略について、上記のDuffy, M.J.らおよび上記のFletcher, R.Hを参照のこと)。さらに、CEAは、無症候の患者において最もよく見られる再発の指標であり(Pietra, N.ら, Dis. Colon Rectum 41 (1998) 1127-1133およびGraham, R.A.ら, Ann. Surg. 228 (1998) 59-63)、潜在的に治癒可能な再発性疾患の検出には、放射線学よりもコスト効率が高かった。再発/転移の部位に関しては、CEAは、肝臓転移の検出に最も感受性が高かった(ほぼ100%)。他方、CEAは、局所領域(locoregional)での再発の診断では信頼性が低く、感受性は、わずかおよそ60%であった(Moertel, C.G.ら, Jama 270 (1993)943-947)。
患者の利便性、コストおよび疾患検出の効率間の妥協として、ASCO PanelなどのEGTM Panel(匿名, J. Clin. Oncol. 14 (1996) 2843-2877)は、CEA試験を最初の診断後、少なくとも3年間2〜3ヶ月ごとに行なうことを提示する。3年後に、より低頻度で、例えば6ヶ月ごとに試験を行ない得る。しかしながら、試験のこの頻度を支持する証拠はない。
当該技術分野の状態の上記の議論が示すように、術後のCRCを有する患者の追跡調査は、適切な生化学的マーカーについての使用の最も重要な領域の1つである。調査されたCRC患者におけるCYFRA21-1の高い感受性により、CYFRA21-1は、単独または1つ以上の他のマーカーとの組合せで、CRC患者、特に、術後のCRC患者の追跡調査において非常に有用であることが予想される。CRC患者の追跡調査における、CYFRA21-1およびCRCの1つ以上の他のマーカーを含むマーカーパネルの使用は、本発明のさらに好ましい態様を表す。
本発明は、CRC診断分野またはCRCの評価のそれぞれにおけるCYFRA21-1の使用を開示し、したがって、好ましい態様において、該使用に関する。
またさらなる好ましい態様では、本発明は、個体から得た液体試料からの結腸直腸癌の評価において、1つ以上の結腸直腸癌用マーカー分子と組み合わせた結腸直腸癌用マーカー分子としてのCYFRA21-1の使用に関する。この点に関し、「1つ以上」という表現は、1〜20、好ましくは1〜10、好ましくは1〜5、より好ましくは3または4を示す。CYFRA21-1および1つ以上の他のマーカーがCRCマーカーパネルを形成する。
したがって、本発明の好ましい態様は、個体から得た液体試料からの結腸直腸癌の評価において、1つ以上の結腸直腸癌用マーカー分子と組み合わせた結腸直腸癌用マーカー分子としてのCYFRA21-1の使用である。CYFRA21-1の測定と組み合わせ得る、好ましく選択される他のCRCマーカーは、NSE、ASC、NMMT、CA 19-9、CA 72-4および/またはCEAである。またさらに好ましくは、CRCの評価に使用されるマーカーパネルは、CYFRA21-1、ならびにNSE、ASCおよびNMMTからなる群より選択される少なくとも1つの他のマーカー分子を含む。
好ましくはCYFRA21-1と組み合わせるか、またはCYFRA21-1を含むCRCマーカーパネルの一部を形成するマーカーを、それぞれ、以下により詳細に議論する。
OPN
OPN(オステオポンチン)は多くのヒトの癌で発現および分泌される糖リン酸タンパク質である。OPNは正常な血漿、尿、乳汁および胆汁に見出される(U.S. 6,414,219; U.S.5,695,761; Denhardt, D.T&Guo, X., FASEB J.7(1993)1475-1482; Oldberg, A.,ら,PNAS 83 (1986)8819-8823; Oldberg, A.,ら,J. Biol.Chem.263(1998)19433-19436; Giachelli, C.M.,ら,Trends Cardiovasc.Med.5(1995)88-95)。ヒトOPNタンパク質およびヒトOPN cDNAが単離され、配列決定されている(Kiefer M.C., ら,Nucl. Acids Res. 17(1989)3306)。
OPNは細胞接着、化学走性、マクロファージ指令のインターロイキン10(IL-10)抑制、ストレス依存性の新脈管形成、アポトーシスの防止、ならびに細胞-マトリックス相互作用、およびインテグリンおよびCD44レセプターとの結合を介する細胞性シグナル伝達を調節することによる腫瘍細胞の固定依存性の増殖において機能する。OPNの構成性発現がいくつかの細胞型で存在するが、一方で誘導される発現は、炎症、虚血-再灌流、骨吸収、および腫瘍進行等のリモデリングプロセスにおいてT-リンパ球、上皮細胞、骨細胞、マクロファージ、および腫瘍細胞に検出されている(Wai、P.Y.&Kuo P.C. J.Surg. Res. 121(2004)228-241によって概説される)。
OPNは多くのインテグリンレセプターと相互作用することが公知である。増加したOPN発現は多くのヒトの癌で報告されており、その同種のレセプター(av-b3,av-b5およびav-b1インテグリンならびにCD44)が同定されている。Irby, R.B.,らClinical & Experimental Metastasis 21(2004)515-523によるインビトロの研究は(安定なトランスフェクションを介した)内因性OPN発現および(培地に添加された)外因性OPNの両方がインビトロでヒト結腸癌細胞の移動性および侵襲性を増強したことを示す。OPNはCD44との相互作用から移動を調節するように思われる。OPN発現はまた、細胞間(同型)接着を減少させ、これは転移性癌細胞の特徴としてみなされる。4つのわずかに腫瘍形成性のヒト結腸癌細胞株のOPNでの安定なトランスフェクションはまた、OPN発現の程度に一致して、増加した増殖および増加したCD31陽性な微細血管数を伴うインビボでの増加した腫瘍形成性を生じた。
Mor, G.,ら,PNAS 102(2005)7677-7682は、OPNの同時の定量および3つの他の被検体に基づく上皮卵巣癌の早期診断に対する血液(血清)試験を報告している。
NSE
解糖酵素エノラーゼ(2-ホスホ-D-グリセリン酸ヒドロラーゼ、EC 4.2.1.11、分子量およそ80kD)としても公知のNSE(ニューロン-特異的エノラーゼ)は、α、βおよびγと称する3つの免疫学的に異なるサブユニットを含む種々の二量体アイソフォームで存在する。エノラーゼのα-サブユニットは、哺乳動物の多くの型の組織に存在するが、β-サブユニットは、主に、心臓および横紋筋系に見られる。エノラーゼアイソフォームαγおよびγγは、ニューロン-特異的エノラーゼ(NSE)またはγ-エノラーゼと呼ばれ、主に、ニューロンおよび神経内分泌細胞ならびにこれらに由来する腫瘍において高濃度で検出され得る(Lamerz, R., NSE (Neuronen-spezifische Enolase), γ-Enolase, In: Thomas L (編) Clinical Laboratory Diagnosis, TH-Books, Frankfurt, 英語版第1版 1998: 979-981, 5. deutsche Auflage 1998:1000-1003)。
NSEは、気管支の小細胞癌のモニタリングにおけるマーカーの第1選択肢として記載されているが(Lamerz, R., 上記)、気管支の非小細胞癌については、CYFRA 21-1がNSEよりも優れている(Ebert, W.ら, Eur. J. Clin. Chem. Clin. Biochem 32 (1994) 189-199)。
上昇したNSE濃度が、気管支の小細胞癌の症例の60〜81%において見られる。
NSEについて、転移部位または大脳転移との相関はないが、臨床病期、すなわち疾患の程度とは良好な相関がある。
化学療法に応答して、最初の治療期間の24-72時間後、腫瘍細胞の細胞溶解の結果としてNSEレベルの一時的な上昇がある。その後、1週間以内または最初の治療期間の終了までに、血清値(治療前は上昇していた)は急速に低下する。対照的に、治療に応答しない人は、常に高いか、または参照範囲に入らないレベルを示す。寛解の間、患者の80〜96%が正常値を有する。NSE値の上昇は、再発の場合において見られる。この上昇は、いくつかの場合において、1〜4ヶ月の潜伏期を有して起こり、しばしば指数関数的であり(倍加時間は10〜94日間である)、生存期間と相関する。NSEは、気管支の小細胞癌における治療および疾患過程のモニタリングの際の単独の予後因子および活性マーカーとして有用である。診断感受性93%、陽性的中度92% (Lamerz, R., 上記)。
神経芽細胞腫において、30 ng/mlより上のNSE血清値が、罹患小児の62%に見られる。中央値は、疾患の病期に従って上昇する。病理学的NSE値の大きさまたは頻度と疾患の病期との間に有意な相関があり、病気なしの生存と逆相関がある。
精上皮腫を有する患者の68〜73%は、臨床的に有意な NSE上昇を有する(Lamerz, R., 上記)。疾患の臨床過程と利用可能な相関がある。
NSEはまた、他の腫瘍でも測定されている。非肺悪性疾患は、症例(すべての病期における癌)の22%において25 ng/mlより上の値を示す。神経膠腫、髄膜腫(miningioma)、神経線維腫、および神経鞘腫などの脳腫瘍は、偶発的に、上昇した血清NSE値を伴うにすぎない。原発性の脳腫瘍または脳転移ならびに悪性黒色腫および褐色細胞腫では、上昇したNSE値は、CSF(脳脊髄液)において生じ得る。増加したNSE濃度は、臓器限局の癌の14%および転移性の腎臓癌の46%で報告されており、独立した予後因子として悪性度分類(grade)との相関を有する。
良性疾患では、上昇した血清NSE濃度(>12 ng/ml)が、良性肺疾患および大脳疾患を有する患者において見られた。上昇した値は、主に体液(liquor)中で、脳血管髄膜炎、播種性脳炎、脊髄小脳性変性、大脳虚血、脳梗塞、脳内血腫、クモ膜下出血、頭部外傷、炎症性脳疾患、器質性癲癇、精神分裂症およびクロイツフェルト‐ヤーコプ病において見られている(Lamerz, R., 上記)。
NSEは、Elecsys(登録商標)解析装置において、Roche製品番号12133113を用い、製造業者の使用説明書に従って測定されている。
CA 19-9
測定されたCA 19-9(糖鎖抗原19-9)値は、モノクローナル抗体1116-NS-19-9の使用によって規定される。血清中の1116-NS-19-9-反応性決定基は、主に多くのCA19-9エピトープを含むムチン様タンパク質上に発現される(Magnani J.L., Arch. Biochem. Biophys. 426(2004)122-131)。
人口の3〜7%は、ルイスa陰性/b陰性血液型群構成を有し、反応性決定基CA 19-9を有するムチンを発現することができない。これは、所見を解釈するときに考慮されなければならない。
CA19-9を含むムチンは、胎児の胃、腸および膵臓の上皮に発現される。低濃度もまた、肝臓、肺および膵臓の成体組織において見られ得る(Stieber, P.およびFateh-Moghadam, A., Boeringer Mannheim, Cat. No. 1536869 (engl), 1320947 (dtsch), ISBN 3-926725-07-9 dtsch/engl., Juergen Hartmann Verlag, Marloffstein-Rathsberg (1993); Herlyn, M.ら, J. Clin. Immunol. 2 (1982) 135-140)。
CA 19-9 アッセイ値は、膵臓癌の患者の鑑別診断およびモニタリングを補助し得る(感受性70-87%) (Ritts, R.E., Jr.ら, Int. J. Cancer 33 (1984) 339-345)。腫瘍質量とCA 19-9 アッセイ値との間に相関はない。しかしながら、CA 19-9 血清レベルが10,000 U/mLを超える患者は、ほぼ常に遠位の転移を有する。
CA 19-9の測定は、膵臓癌の早期検出には使用され得ない(Steinberg, W.M.ら, Gastroenterology 90 (1986) 343-349)。
肝胆道癌では、CA 19-9値は、50〜75%の感受性を提供する。胃癌の症例において、CA 72-4およびCEAの同時測定が推奨される。結腸直腸癌では、CEA単独の測定で充分であり、CEA陰性の場合の限られた数でのみ、CA 19-9の測定が有用であり得る。
ムチンは、肝臓を介して排他的に排出されるので、わずかな胆汁うっ滞でさえ、いくつかの場合において、明白に上昇したCA 19-9血清レベルをもたらし得る。上昇したCA 19-9値はまた、胃腸管および肝臓の多くの良性および炎症性疾患ならびに嚢胞性線維症で見られる。
CA 19-9は、Elecsys(登録商標)解析装置において、Roche製品番号11776193を用い、製造業者の使用説明書に従って測定されている。
CEA
CEA(癌胎児抗原)は、およそ45〜60%の可変糖鎖成分を有する単量体糖タンパク質(分子量およそ180.000ダルトン)である(Gold, P.およびFreedman, S.O., J. Exp Med 121 (1965) 439-462)。
AFPなどのCEAは、胚および胎児期の間に産生される癌胎児性(carcinofetal)抗原の群に属する。CEA遺伝子ファミリーは、2つのサブグループ中の約17個の活性遺伝子からなる。第1の群は、CEAおよび非特異的交差反応性抗原(NCA)を含み、第2の群は、妊娠特異的糖タンパク質(PSG)を含む。
CEAは、主に、胎児の胃腸管および胎児の血清に見られる。また、健常成人の腸、膵臓および肝臓組織に微量で存在する。CEAの形成は、出生後は抑制され、したがって、血清CEA値は、健常成人ではほとんど測定され得ない。
高CEA濃度は、結腸直腸腺癌の症例で高頻度に見られる(Stieber, P.およびFateh-Moghadam, A., 上記)。微量から中程度のCEA上昇(稀に>10 ng/mL)が、腸、膵臓、肝臓および肺の良性疾患(例えば、肝硬変、慢性肝炎、膵炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、気腫)の20〜50%に起こる(Stieber, P.およびFateh-Moghadam, A., 上記)。喫煙者も上昇したCEA値を有する。
CEA測定の主な適用は、治療管理および結腸直腸癌を有する患者の追跡調査である。
CEA測定は、一般集団の癌スクリーニングについては推奨されない。正常範囲内のCEA濃度は、あり得る悪性疾患の存在を排除しない。
Roche Diagnosticsによって製造されたアッセイ用抗体は、CEAおよび(ほぼすべてのCEA検出法の場合のように)胎便抗原 (NCA2)と反応する。NCA1との交差反応性は0.7%である(Hammarstrom, S.,ら, Cancer Res. 49 (1989) 4852-4858;およびBormer, O.P., Tumor Biol. 12 (1991) 9-15)。
CEAは、Elecsys(登録商標)解析装置において、Roche製品番号11731629を用い、製造業者の使用説明書に従って測定されている。
ASC
「アポトーシス関連スペック様タンパク質含有カスパーゼ関連リクルートドメイン」(ASC)は、「メチル化誘導性サイレンシング1の標的」(TMS1)(Swiss-PROT: Q9ULZ3)としても公知である。ASCは、21,627 Daの理論分子量およびpH6.29での理論等電点を有する。
カスパーゼ関連リクルートドメイン(CARD)は、APAF1(アポトーシス性プロテアーゼ活性化因子1)等のアダプタータンパク質と、アポトーシスに関与するカスパーゼの前駆体(例えばCASP9)との間の相互作用を媒介する。ASCは、CARD含有アダプタータンパク質ファミリーのメンバーである。
前骨髄細胞株を免疫スクリーニングすることによって、Masumotoらは、ASCをコードするcDNAを単離した。推定195アミノ酸のタンパク質は、N末端のピリン様ドメイン(PYD)および87残基のC末端のCARDを含む。ウェスタンブロット分析によって、22 kDaのタンパク質の発現が示され、かつ抗癌剤によるアポトーシスの刺激に対する白血病細胞株の感受性を増加することによってASCがプロアポトーシス性活性を有し得ることが示された(Masumoto, J.ら, J. Biol. Chem. 274 (1999) 33835-33838)。
Conwayらによるメチル化感受性制限PCRおよびメチル化特異的PCR(MSP)分析によって、ASCのサイレンシングはエキソン1の周囲のCpGアイランドの過剰メチル化と相関があること、およびDNMT1(DNAシトシン-5-メチルトランスフェラーゼ-1)の過剰発現がASCの過剰メチル化およびサイレンシングを促進することが示された。正常な乳房組織ではなく乳癌細胞株は、ASCの完全なメチル化を示し、ASCメッセージを発現しなかった。乳癌細胞株におけるASCの発現は増殖を阻害し、生存するコロニーの数を減少させた。Conwayらは、ASCがカスパーゼ依存性のアポトーシスの促進において機能し、かつASCの過剰発現が乳癌細胞の増殖を阻害すると結論付けた(Conway, K.E.ら, Cancer Research 60 (2000) 6236-6242)。
McConnellおよびVertinoは、ASCの誘導性発現が細胞増殖を阻害し、カスパーゼインヒビターによってブロックされ得るDNA断片化を誘導することを示した。免疫蛍光顕微鏡によって、アポトーシスの誘導は、拡散した細胞質発現から核周囲の球状の凝集への、CARD依存的な変化を引き起こすことが示された(McConnell, B.B.およびVertino, P.M., Cancer Research 60 (2000) 6243-6247)。Morianiらは、ASC遺伝子のメチル化を乳癌細胞だけでなく、胃癌においても観察した。彼らは、プロアポトーシス性ASC遺伝子のダウンレギュレーションに関わる、乳癌および胃癌の進行におけるASC遺伝子の異常なメチル化についての直接の役割を示唆した(Moriani, R.ら, Anticancer Research 22 (2002) 4163-4168)。
Conwayらは、原発性乳房組織を、TMS1メチル化に関して調べ、その結果を健常組織におけるメチル化と比較した(Conway K.E.ら, Cancer Research 60 (2000) 6236-6242)。Levineらは、ASCサイレンシングが特定のCpG部位のメチル化と相関がないが、むしろASC CpGアイランドの密度の高いメチル化と関連があることを見出した。排他的にメチル化ASCコピーを含む乳房腫瘍細胞株はASCを発現しないが、部分的にメチル化された細胞株では、ASC発現のレベルは、細胞集団に存在するメチル化ASC対立遺伝子の割合に直接関係する(Levine, J.J.ら, Oncogene 22 (2003) 3475-3488)。
Virmaniらは、肺癌および乳癌組織におけるASCのメチル化状態を調べた。彼らは、ASCの異常なメチル化が乳癌細胞株の46%において、および乳房腫瘍組織の32%において存在していることを見出した。メチル化は非悪性乳房組織ではまれであった(7%)(Virmani, A.ら, Int. J. Cancer 106 (2003) 198-204)。
Shioharaらは、ASCのアップレギュレーションが炎症およびヒト好中球におけるアポトーシスに密接に関連することを見出した(Shiohara, M.,ら, Blood 98 (2001) 229a)。
Masumotoらは、高レベルのASCが上皮細胞および白血球で豊富に発現されることを観察した(Masumoto, J.ら, Journal Histochem.Cytochem.49 (2001) 1269-1275)。
インハウスサンドイッチイムノアッセイがASCの測定のために開発されている。このアッセイはマイクロタイタープレート形式で実施される。ストレプトアビジン被覆マイクロタイタープレートが使用される。このサンドイッチアッセイにおいて、ASCに対するビオチン化ポリクローナル抗体が捕捉抗体として使用され、ASCに対するジゴキシゲニン化ポリクローナル抗体が第二の特異的結合パートナーとして使用される。形成されるサンドイッチ複合体は、抗ジゴキシゲニン西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体および適切なペルオキシダーゼ基質によって最終的に視覚化される。
MASP
タンパク質MASP(マスピン前駆体;Swiss-PROT:P36952)は、プロテアーゼインヒビターのセルピンスーパーファミリーと相同性を共有する42kDaのタンパク質である。免疫染色研究によって、マスピンは細胞外マトリックス中および細胞膜に見出されることが示されている(Zou, Z.,ら, Science 263(1994)526-529)。
ヒトMASP遺伝子(PI5のSERPINB5)は、mRNAレベルでのその発現に基づくサブトラクティブハイブリダイゼーションによって正常な哺乳類上皮から元々単離された(Zouら,上記)。マスピンは正常な哺乳類上皮細胞で発現されるが、大抵の哺乳類の癌細胞株では発現されない。Zouら(上記)によって、その発現が形質転換された細胞の腫瘍形成および転移を誘導する能力を弱め、マスピン遺伝子が腫瘍サプレッサーをコードすることが示された。
Bass, R.,ら(J. Biol. Chem. 277(2002)46845-46848)は、真核生物マスピンを特徴付け、任意の試験されるタンパク質分解系に対してプロテアーゼの阻害効果がないことを見出した。しかしながら、腫瘍および血管の平滑筋細胞の両方の移動を阻害した。
Song, S.Y.,ら(Digestive Diseases and Sciences 47 (2002)1831-1835)は、腺腫、腺癌および転移性の腺癌からの組織切片の免疫組織化学染色によって結腸癌のマスピン発現を研究した。Songら(上記)によって見出されたマスピンの免疫反応性は、いくらかの核染色を伴う細胞質であった。腺腫の90%、腺癌の75%および転移性腺癌の47%より多くの組織切片がマスピンに対して陽性に染色した。本研究はウエスタンブロット分析等の定量アッセイ系が使用されないという制限を有した。近接する正常な結腸組織と比較した発現レベルは評価されなかった。
FERR
フェリチン(FERR)は、約20%の鉄を含むタンパク質であり、腸、肝臓および脾臓に見出される。フェリチンは鉄が体内に保存される主な形態の1つである。体内鉄保存は、結腸直腸新生物のリスクを増加することが報告されている。Scholefield, J.H., ら(Dis. Colon Rectum 41(1998)1029-1032)による研究において、148人の患者(結腸直腸癌と認められた50人の患者、結腸疾患のない49人の患者、および結腸の腺腫を有する患者)からの試料を用いて、血清フェリチンが評価された。3つの群のいずれの間にも血清フェリチンレベルの有意差はなかった。
NNMT
タンパク質ニコチンアミドN-メチルトランスフェラーゼ (NNMT; Swiss-PROT: P40261)は、29.6 kDaの見かけ分子量および5.56の等電点を有する。
NNMTは、ニコチンアミドおよび他のピリジン類のN-メチル化を触媒する。この活性は、多くの薬物および生体異物化合物の生体内変化に重要である。このタンパク質は、主に肝臓内で発現されることが報告されており、細胞質内に位置する。NNMTは、ヒト肝臓由来のcDNAからクローン化され、29.6 kDaの計算値分子量を有する264アミノ酸のタンパク質をコードする792ヌクレオチドのオープンリーティングフレームを含んだ (Aksoy, S.ら, J. Biol. Chem. 269 (1994) 14835-14840)。ヒト癌における該酵素の潜在的役割については、文献ではほとんど知られていない。ある論文では、増加した肝臓NNMTの酵素活性が、マウスにおいて、癌悪液質のマーカーであると報告された (Okamura, A.ら, Jpn. J. Cancer Res. 89 (1998) 649-656)。最近の報告では、放射線感受性細胞株内の放射線に応答したNNMT遺伝子のダウンレギュレーションが示された (Kassem, H.ら, Int. J. Cancer 101 (2002) 454-460)。
最近 (WO 2004/057336)、NNMTが、CRCの評価において重要であることがわかった。WO 2004/057336に記載されたイムノアッセイは、本研究の試料(CRC、健常コントロールおよび非悪性結腸疾患)を測定するために使用されている。
当業者が認めるように、研究中の、診断の問題を改善するために2つ以上のマーカーの測定を使用する多くの方法がある。それでもなお多くの場合有効なアプローチであるが、簡単にいうと、試料が研究される少なくとも1つのマーカーに対して陽性である場合に陽性の結果が仮定される。これは、例えば、AIDSのような感染疾患を診断する場合当てはまり得る。
しかし、しばしば、マーカーの組み合わせが評価される。好ましくは、マーカーパネルのマーカー、例えばCYFRA21−1およびNSEまたはCYFRA21−1およびOPNについて測定された値は、数学的に組み合わせられ、組み合わせられた値は、基礎をなす診断の疑問に相関される。マーカー値は、技術数学的方法の任意の適切な状態によって組み合わせられ得る。マーカー組み合わせを疾患に相関させるための周知の数学的方法は、判別分析(DA)(すなわち、線形−、二次−、正則化−DA)、Kernel法(すなわち、SVM)、ノンパラメトリック法(すなわち、k−最近傍識別器)、PLS(部分最小二乗法)、ツリーベース法(Tree−based Methods)(すなわち、論理回帰分析、CART、ランダムフォレスト法、ブースター/バッギング法)、一般化線形モデル(すなわち、ロジスティック回帰分析)、第1成分ベース法(Principal Components based Methods)(すなわち、SIMCA)、一般化加法モデル、ファジー論理ベース法、神経ネットワークおよび遺伝的アルゴリズムベース法のような方法を使用する。当業者は、本発明のマーカー組み合わせを評価するために適切な方法を選択することにおいて問題はない。好ましくは、本発明のマーカー組み合わせを、例えばCRCの有無に相関させることにおいて使用される方法は、DA(すなわち、線形−、二次−、正則化判別分析)、Kernel法(すなわち、SVM)、ノンパラメトリック法(すなわち、k−最近傍識別器)、PLS(部分最小二乗法)、ツリーベース法(すなわち、論理回帰分析、CART、ランダムフォレスト法、ブースター法)または一般化線形モデル(すなわち、ロジスティック回帰分析)から選択される。これらの統計的方法に関係する詳細は、以下の参照において見出される:Ruczinski, I., et al, J. of Computational and Graphical Statistics, 12 (2003) 475-511; Friedman, J. H. , J. of the American Statistical Association 84 (1989) 165-175; Hastie, T., Tibshirani, R., Friedman, J., The Elements of Statistical Learning, Springer Series in Statistics, 2001; Breiman, L.,Friedman, J.H., Olshen, R.A., Stone, C.J. (1984) Classification and regression trees, California: Wadsworth; Breiman, L., Random Forests, Machine Learning 45 (2001) 5-32; Pepe, M.S., The Statistical Evaluation of Medical Tests for Classification and Prediction, Oxford Statistical Science Series, 28 (2003); and Duda, R.O., Hart, P.E., Stork, D.G., Pattern Classification, Wiley Interscience, 2nd Edition (2001)。
生物学的マーカーの基礎となる組み合わせに対する最適化多変量カットオフを使用することおよび状態Aと状態Bを区別すること、例えば疾患と健康を区別することは、本発明の好ましい態様である。この型の分析において、マーカーは、もはや独立ではなく、マーカーパネルを形成する。CYFRA21−1の測定とNSEまたはASCそれぞれの測定とを組み合わせることは、健康コントロールと比較される場合または、評価もされる場合、健康コントロールおよび非悪性疾患コントロールと比較される場合のいずれかに、CRCに対する診断精度を有意に改善することが、確証され得る。あるいは、CYFRA21−1をOPN、またはOPNおよびFERRと組み合わせることは、同様の設定において診断精度を改善する。特に、後の発見は、非常に重要であり、なぜなら非悪性疾患を有する患者はCRCを有する患者と極めて異なる処置を必要とし得るからである。
診断方法の精度は、受信者動作特性(ROC)によって最も良好に記載される(特に、Zweig, M. H., and Campbell, G., Clin. Chem. 39 (1993) 561-577を参照のこと)。ROCグラフは、観察されたデータの全範囲にわたる決定閾値の継続的変化から生じる全ての感受性/特異性対のプロットである。
実験室試験の臨床的性能は、その診断精度または被験体を臨床的に関係する小群に正確に分類する能力に依存する。診断精度は、調査される被験体の2つの異なる状態を正確に区別する試験の能力を評価する。かかる状態は、例えば、健康および疾患または良性疾患対悪性疾患である。
各々の場合において、ROCプロットは、決定閾値の完全な範囲について感受性 対 1−特異性をプロットすることによって2つの分布の間の重なりを描く。感受性または真に正の割合(fraction)[(真に正の試験結果の数)/(真に正の数+偽の負の試験結果の数)として定義される]は、y軸上にある。これはまた、疾患または状態の存在下でのポジティビティーといわれる。それは、単に罹患している小群から計算される。偽の正の割合または1−特異性[(偽の正の結果の数)/(真の負の数+偽の正の結果の数)として定義される]は、x軸上にある。それは特異性の指標であり、罹患していない小群から完全に計算される。真の正の割合および偽の正の割合が、2つの異なる小群からの試験結果を使用することによって完全に別々に計算されるので、ROCプロットは、試料中の疾患の有病率に独立である。ROCプロット上の各点は、特定の決定閾値に対応する感受性/1−特異性対を示す。完全な区別を有する試験(結果の2つの分布において重なりなし)は、左上隅を通過するROCプロットを有し、ここで真の正の割合は、1.0または100%(完全な感受性)であり、偽の正の割合は、0(完全な特異性)である。区別のない試験についての理論的プロット(2つの群についての結果の同一な分布)は、左下隅から右上隅までの45°対角線である。ほとんどのプロットは、これら2つの端の間にある。(ROCプロットが45°対角線の完全に下にある場合、これは「ポジティビティー」についての基準を「より大きい」から「より小さい」に、またはその逆、逆転することによって容易に矯正される。)性質上、プロットが左上隅により近ければ近いほど、試験の全体の精度はより高い。
実験室試験の診断精度を定量するための1つの都合のよい目標は、1つの数によってその性能を表すことである。かかる全体パラメーターは、例えば、いわゆる「全誤差」または代替的に「曲線下面積=AUC」である。最も一般的な世界的基準は、ROCプロット下面積である。慣例によって、この面積は、常に≧0.5である(もしそうでなければ、それがそうなるように決定規則を逆転し得る)。値は、1.0(2つの群の試験値の完全な分離)と0.5(2つの群の試験値の間に明らかな分布差はない)との間にわたる。面積は、対角線または90%特異性である感受性に最も近い点のようなプロットの特定の部分のみに依存するのではなく、全プロットに依存する。これは、ROCプロットが完全なもの(面積=1)にどれほど近いかの定量的説明的表現である。
CYFRA21−1の測定を、OPN、ASCもしくはNMMTなどの他の最近発見されたマーカーまたはCEAおよびNSEなどの公知のマーカー、あるいはいつか発見されるべきCRCの他のマーカーそれぞれと組み合わせることは、CRCの評価におけるさらなる改善を導く。
2つのマーカーCYFRA21−1およびNSEの組み合わせは、CRCに対する診断精度を有意に改善する。2つのマーカーCYFRA21−1およびASCの組み合わせはまた、CRCに対する診断精度を有意に改善する。さらに、2つのマーカーCYFRA21−1およびOPNの組み合わせは、CRCの診断精度を有意に改善する。
好ましい態様において、本発明は、試料中の少なくともCYFRA21−1およびNSE、OPNまたはASCそれぞれの濃度を測定し、決定された濃度をCRCの有無と相関させることによって、CRC対健康コントロールおよび/または非悪性結腸疾患に罹患する患者に対する診断精度を改善する方法に関し、調査された任意の単一のマーカーのみに基づく分類と比較される場合、改善により、健康コントロールおよび/または非悪性結腸疾患に罹患する患者に対して、CRCに罹患すると正確に分類されるより多くの患者が生じる。
本発明に従う好ましい方法において、少なくともバイオマーカーCYFRA21−1およびNSEそれぞれの濃度が決定され、マーカー組み合わせは、CRCの評価において使用される。
本発明に従うさらに好ましい方法において、少なくともバイオマーカーCYFRA21−1およびASCそれぞれの濃度が決定され、マーカー組み合わせは、CRCの評価において使用される。
本発明に従うさらに好ましい方法において、少なくともバイオマーカーCYFRA21−1およびOPNそれぞれの濃度が決定され、マーカー組み合わせは、CRCの評価において使用される。
本発明に従うなおさらに好ましい方法において、少なくともバイオマーカーCYFRA21−1、NSEおよびASCそれぞれの濃度が決定され、マーカー組み合わせは、CRCの評価において使用される。
本発明に従うなおさらに好ましい方法において、少なくともバイオマーカーCYFRA21−1、OPNおよびASCぞれぞれの濃度が決定され、マーカー組み合わせは、CRCの評価において使用される。
本発明に従うなおさらに好ましい方法において、少なくともバイオマーカーCYFRA21−1、NSEおよびOPNぞれぞれの濃度が決定され、マーカー組み合わせは、CRCの評価において使用される。
本発明に従うなおさらに好ましい方法において、少なくともバイオマーカーCYFRA21−1、NNMTおよびOPNぞれぞれの濃度が決定され、マーカー組み合わせは、CRCの評価において使用される。
本発明に従うなおさらに好ましい方法において、少なくともバイオマーカーCYFRA21−1、MASPおよびOPNぞれぞれの濃度が決定され、マーカー組み合わせは、CRCの評価において使用される。
本発明に従うなおさらに好ましい方法において、少なくともバイオマーカーCYFRA21−1、FERRおよびOPNぞれぞれの濃度が決定され、マーカー組み合わせは、CRCの評価において使用される。
以下の実施例、参照および図面は、本発明の理解を補助するために提供され、その真の範囲は、添付の特許請求の範囲に示される。改変が本発明の精神から逸脱することなく示される手順においてなされ得ることが理解される。
(実施例1)
第1の研究集団
表1に与えられるUICC分類を有する109人の十分に特徴付けられたCRC患者に由来する試料が使用された。
表1のCRC試料は、健康な個体、非悪性結腸疾患を有する患者から得られたコントロール試料と比較して、または健康試料および非悪性コントロール試料から得られたプールされたデータと比較して評価される。表2は、使用されたコントロールに対する概観を与える。
以下の実施例において、データは、表2に列挙される全ての試料から得られたデータを使用して示される(すなわち、健康コントロールおよび非悪性疾患コントロールの両方を含むデータ)。
(実施例2:)
各マーカーに対する感受性は、試験された個々のマーカーそれぞれについて90%の通常の特異性レベルで計算される。表3は、最も見込みのあるCRCマーカーの各々について、全てのUICC段階にわたる感受性をパーセントで与える。
表3から容易に明らかであるように、マーカーCYFRA21−1(=CYFRA)は、調査された全ての他のマーカーと比較される場合、CRCに対して最も高い感受性を有することが見出された。マーカーNMMTおよびASCは、同等であるがわずかに低い感受性を有するようであり、CEAがその後に続く。
(実施例3:)
マーカーパネル
分類アルゴリズムを、通常の判別分析、すなわち二次−および線形判別分析(McLachlan, G. J., Discriminant Analysis and Statistical Pattern Recognition, Wiley Series in probability and mathematical statistics, 1992)の一般化である正則化判別分析(RDA)を用いて作成した。RDAにおいて、共分散マトリクスについての通常の最大見込み(プラグ−イン)推定値に対する代替が使用される。これらの代替は、2つのパラメータ(λ、γ)によって特徴付けられ、これらの値は、将来の誤った分類の危険の試料ベースの推定値を共同で最小化することによって、個々の状況にカスタマイズされる(Friedman, J. H., Regularized Discriminant Analysis, J. of the American Statistical Association 84 (1989) 165-175)。代替的方法として、サポートベクターマシンアルゴリズム(Hastie, Trevor, Tibshirani, Robert, Friedman, Jerome, The Elements of Statistical Learning, Springer Series in Statistics,2001)が、同等の分類結果とフィットされ得る。元の109の試料のうち3つについて、マーカー値が失われたため、RDAによる分析は、106のCRC試料に基づく。
マーカーパネルは、分類問題についての最良の単一のマーカーから開始し、約90%の特異性レベルで感受性の増加がもうこれ以上顕著に変化しない場合終了するように、段階的に構築された。中心に集まった分布を得るために全ての単一のマーカーは、自然対数の関数で変換された。5倍の交差確認が使用された。
表4は、CRCと診断された患者対非悪性結腸疾患を含むコントロールの分類結果を示す。RDAによって選択された第1のマーカーは、CYFRA21−1であり第2のものはNSEであった。
この分析におけるマーカーパネルCYFRA21−1、NSEおよびASCは、約90%の特異性レベルで最も高い感受性を生じた。
種々の他のマーカーは、CYFRA21−1と組み合わせて評価される。表5に示されるように、CYFRA21−1と組み合わせたASCはまた、感受性の有意な改善を導き、その一方で、CYFRA21−1の他の候補CRCマーカーとの組み合わせはより好ましくないようである。
表4および5それぞれのマーカーおよびマーカー組み合わせそれぞれについて最も興味深いROC曲線は、図1〜5に示される。
(実施例4:)
第2の研究集団の分析
実施例3に記載されたものと同様の様式で、CYFRA21−1、OPN、FERR、NNMT、NSEおよびMASPを含むマーカーパネルを使用して、RDAを実施した。
第2の研究集団は、CRCと診断された254人の患者由来の血清試料(表6を参照)および391人のコントロール試料を含んだ。これらを、訓練セットおよび試験セットに分割した。分析は、128のCRC試料および195のコントロールの訓練セットに基づいた。コントロールのうち、16は、いずれの胃腸疾患も有していない個体由来であり、50は、痔を有する個体由来であり、5は、他の腸疾患を有する患者由来であり;63のコントロールは、憩室症を有する個体由来であり、61は、健康な献血者由来であった。試験セットは、126のCRC試料および196のコントロールからなった。コントロールのうち、20は、いずれの胃腸疾患も有していない個体由来であり、43は、痔を有する個体由来であり、8は、他の腸疾患を有する患者由来であり;65のコントロールは、憩室症を有する個体由来であり、60は、健康な献血者由来であった。
表7および8に示されるデータは、90%の基礎をなす特異性を伴う、マーカーCYFRA21−1、OPNおよびNNMT各々が30%〜40%の感受性を提供することを示す。CYFRA21−1およびOPNの組み合わせは、感受性を実質的に上昇する。第3のマーカーの追加が検出性能を増強するかどうかを評価するために第3のマーカーを含めた。いくつかの試験された組み合わせの中で、CYFRA21−1、OPNおよびFERRは、CYFRA21−1およびOPNのみの組み合わせに対して感受性が実質的に再度上昇することにおける特定の利点を提供する。

図1は、logCYFRA21−1単独を使用する、CRCを有すると診断された患者対健康コントロールおよび疾患コントロールのROC分析である。 図2は、logCYFRA21−1およびlogNSEの組み合わせを使用する、CRCを有すると診断された患者対健康コントロールおよび疾患コントロールのROC分析である。 図3は、logCYFRA21−1およびlogASCの組み合わせを使用する、CRCを有すると診断された患者対健康コントロールおよび疾患コントロールのROC分析である。 図4は、logCYFRA21−1、logNSEおよびlogASCの組み合わせを使用する、CRCを有すると診断された患者対健康コントロールおよび疾患コントロールのROC分析である。 図5は、logCYFRA21−1、logNSE、logASCおよびlogNNMTの組み合わせを使用する、CRCを有すると診断された患者対健康コントロールおよび疾患コントロールのROC分析である。

Claims (7)

  1. a)試料中CYFRA21−1の濃度を測定する工程、
    b)試料中のオステオポンチン(OPN)の濃度を測定する工程、
    )試料中任意に1つ以上の結腸直腸癌の他のマーカーの濃度を測定する工程、
    )工程(a)および(b)において定された濃度と、任意に工程()において定された濃度を組み合わせる工程、および
    e)工程(d)で組み合わせたマーカー濃度を結腸直腸癌の有無と相関させる工程
    含む、インビトロで結腸直腸癌を評価する方法。
  2. 前記1つ以上の他のマーカーがNSE、ASC、NNMT、CA19−9、CA72−4、CEA、MASP、およびFERRからなる群から選択される請求項1記載の方法。
  3. 前記1つ以上の他のマーカーがASCである請求項2記載の方法。
  4. 前記1つ以上の他のマーカーがFERRである請求項2記載の方法。
  5. 結腸直腸癌の評価における、CYFRA21−1および結腸直腸癌に対する1つ以上の他のマーカーを含むマーカーパネルの使用であって、該1つ以上の他のマーカーがオステオポンチン(OPN)を含み、該使用が、CYFRA21−1に対して測定された濃度と該1つ以上の他のマーカーに対して測定された濃度を組み合わせることによって実施される、使用
  6. 1つ以上の他のマーカーがNSE、ASC、NNMT、CA19−9、CA72−4、CEA、MASP、およびFERRからなる群からさらに選択される、請求項5記載のマーカーパネルの使用。
  7. CYFRA21−1を特異的に測定するために必要とされる試薬およびオステオポンチン(OPN)を特異的に測定するために必要とされる試薬を含む、請求項記載の方法を実施するためのキット。
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