JP2011506743A - 室温でエラストマーに加硫可能なオルガノポリシロキサン組成物及びオルガノポリシロキサン重縮合のための新規触媒 - Google Patents
室温でエラストマーに加硫可能なオルガノポリシロキサン組成物及びオルガノポリシロキサン重縮合のための新規触媒 Download PDFInfo
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Abstract
Description
−反応性α,ω−ジヒドロキシジオルガノポリシロキサンポリマー、
−架橋剤、一般にケイ酸塩又はポリケイ酸塩、
−スズ触媒及び
−水。
a)触媒系Xは、下の式(1)の少なくとも1つの金属錯体又は塩Aを含み:
[M(L1)r1(L2)r2(Y)x](1)
これには3つの考えられる定義i)、ii)及びiii)があり:
i)r1≧1、r2≧0及びx≧0;
−記号Mは:セリウム、ビスマス及びモリブデンによって構成される群から選択される金属を表し;
−記号L1は、アルコラート陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;及び
−記号Yは、中性配位子を表し、x≧2のとき、記号Yは同一又は異なり;
ii)r1≧1、r2≧0及びx≧0;
−記号Mは:スカンジウム、イッテルビウム、銅、銀及びビスマスによって構成される群から選択される金属を表し;
−記号L1は、スルホン酸陰イオン、好ましくはペルフルオロアルキルスルホン酸陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;及び
−記号Yは、中性配位子を表し、x≧2のとき、記号Yは同一又は異なり;並びに
iii)r1≧1、r2≧0及びx≧0;
−記号Mは、モリブデンを表し;
−記号L1は、カルボン酸陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;及び
−記号Yは、中性配位子を表し、x≧2のとき、記号Yは同一又は異なり;
及び
−記号Mがモリブデンを表すときに、選択された式(1)の化合物は固体形であるという補足条件を備え;並びに
b)触媒系Xは、以下のプロセス:
−工程1:金属錯体又は塩Aを、粘度が少なくとも100mPa.s、好ましくは少なくとも5000mPa.s及びさらに好ましくはなお少なくとも10000mPa.sである、少なくとも1つの油性オルガノポリシロキサンポリマーKに分散させる工程、及び
−工程2:場合により混練の後に、触媒系Xである均質混合物が得られるまで、混合物を粉砕する工程、
に従って調製される;
ことを特徴とする。
[M(L1)r1(L2)r2](2)
これには3つの考えられる定義i)、ii)及びiii)があり:
i)r1≧1、r2≧0及びx≧0;
−記号Mは:セリウム、ビスマス及びモリブデンによって構成される群から選択される金属を表し;
−記号L1は、アルコラート陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;及び
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;
ii)r1≧1、r2≧0及びx≧0;
−記号Mは:スカンジウム、イッテルビウム、銅、銀及びビスマスによって構成される群から選択される金属を表し;
−記号L1は、スルホン酸陰イオン、好ましくはペルフルオロアルキルスルホン酸陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;及び
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;並びに
iii)r1≧1、r2≧0及びx≧0;
−記号Mは、モリブデンを表し;
−記号L1は、カルボン酸陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;及び
−記号Mがモリブデンを表すときに、選択された式(2)の化合物は固体形であるという補足条件を備えている。
(3):[Ce(L1)r3(L2)r4];式中、r3≧1及びr4≧0及びr3+r4=3;
(4):[Mo(L1)r5(L2)r6];式中、r5≧1及びr6≧0及びr5+r6=6;
(5):[Bi(L1)r7(L2)r8];式中、r7≧1及びr8≧0及びr7+r8=3;
ここで:
−記号L1は、アルコラート陰イオンである配位子を表し、配位子の数がL1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;及び
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、配位子の数がL2≧2のとき、記号L2は同一又は異なる。
(6):[Sc(L1)r9(L2)r10];式中、r9≧1及びr10≧0及びl5+l6=3;
(7):[Yb(L1)r11(L2)r12];式中、r11≧1及びr12≧0及びr11+r12=3;
(8):[Cu(L1)r13(L2)r14];式中、r13≧1及びr14≧0及びr13+r14=2;
(9):[Ag(L1)];
(10):[Bi(L1)r15(L2)r16];式中、r15≧1及びr16≧0及びr15+r16=3;
ここで:
−記号L1は、スルホン酸陰イオン、好ましくはペルフルオロアルキルスルホン酸陰イオンである配位子を表し、配位子の数がL1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;及び
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、配位子の数がL2≧2のとき、記号L2は同一又は異なる。
(11):[Sc(トリフレート)3];
(12):[Yb(トリフレート)3];
(13):[Cu(トリフレート)2];
(14):[Ag(トリフレート)];
(15):[Bi(トリフレート)3];
(17):[Mo(O2)(2,3−ブタンジオレート)2];
(18):[Mo(O2)(エチレングリコレート)2];
(19):[Mo(O2)(1,2−プロパンジオレート)2];
(20):[Mo(O2)(ピナンジオレート)2];
(21):[Mo(O2)(1,3−プロパンジオレート)2];
(22):[Mo(O2)(メソ−2,3−ブタンジオレート)2];
(23):[Mo(O2)(1,2−オクタンジオレート)2];
(24):[ビ(モノアリルエチレングリコレート)3];
(25):[MoO2(OAc)2];
(26):[MoO2(ヘプタノエート)2];及び
(27):[MoO2(ナフテネート)2]。
a)下の式(1)の少なくとも1つの金属錯体又は塩Aを含み:
[M(L1)r1(L2)r2(Y)x](1)
これには3つの考えられる定義i)、ii)及びiii)があり:
i)r1≧1、r2≧0及びx≧0;
−記号Mは:セリウム、ビスマス及びモリブデンによって構成される群から選択される金属を表し;
−記号L1は、アルコラート陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;
記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;及び
−記号Yは、中性配位子を表し、x≧2のとき、記号Yは同一又は異なり;
ii)r1≧1、r2≧0及びx≧0;
−記号Mは:スカンジウム、イッテルビウム、銅、銀及びビスマスによって構成される群から選択される金属を表し;
−記号L1は、スルホン酸陰イオン、好ましくはペルフルオロアルキルスルホン酸陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;
記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;及び
−記号Yは、中性配位子を表し、x≧2のとき、記号Yは同一又は異なり;並びに
iii)r1≧1、r2≧0及びx≧0;
−記号Mは、モリブデンを表し;;
−記号L1は、カルボン酸陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;
記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;及び
−記号Yは、中性配位子を表し、x≧2のとき、記号Yは同一又は異なり;及び
−記号Mがモリブデンを表すときに、選択された式(1)の化合物は固体形であるという補足条件を備え;並びに
b)触媒系Xは、以下のプロセス:
−工程1:金属錯体又は塩Aを、粘度が少なくとも100mPa.s、好ましくは少なくとも5000mPa.s及びさらに好ましくはなお少なくとも10000mPa.sである、少なくとも1つの油性オルガノポリシロキサンポリマーKに分散させる工程、及び
−工程2:場合により混練の後に、触媒系Xである均質混合物が得られるまで、混合物を粉砕する工程、
に従って調製される;
ことを特徴とする。
重縮合反応によって架橋及び硬化する本発明で使用するシリコーンベースは周知である。これらのベースは、特に多くの特許に詳細に記載されており、それらは市販されている。
−重縮合によってエラストマーに架橋可能である少なくとも1つのポリオルガノシロキサン油C;
−場合により少なくとも1つの架橋剤D;
−場合により少なくとも1つの接着促進剤E;並びに
−場合により少なくとも1つのケイ質、有機及び/又は非ケイ質無機充填剤F;
を含み得る。
−以下の一般式のシラン:
R1 kSi(OR2)(4-k)
式中、記号R2は、同一又は異なり、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又は2−エチルヘキシル基、C3−C6オキシアルキレン基を表し、記号R1は、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和、脂肪族炭化水素炭化水素ベース基、飽和又は不飽和及び/又は芳香族、単環式又は多環式炭素環基を表し、kは、0、1又は2に等しく;並びに
−このシランの部分加水分解生成物
が挙げられる。
CH3OCH2CH2−
CH3OCH2CH(CH3)−
CH3OCH(CH3)CH2−
C2H5OCH2CH2CH2−
記号R1は:
− C1−C10アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル又はデシル基;
−ビニル及びアリル基;及び
−C5−C8シクロアルキル基、例えばフェニル、トリル及びキシリル基
を含むC1−C10炭化水素ベース基を表す。
CH3Si(OCH3)3;C2H5Si(OC2H5)3;C2H5Si(OCH3)3
CH2=CHSi(OCH3)3;CH2=CHSi(OCH2CH2OCH3)3
C6H5Si(OCH3)3;[CH3][OCH(CH3)CH2OCH3]Si[OCH3]2
Si(OCH3)4;Si(OC2H5)4;Si(OCH2CH2CH3)4;Si(OCH2CH2CH2CH3)4
Si(OC2H4OCH3)4;CH3Si(OC2H4OCH3)3;ClCH2Si(OC2H5)3。
一般に、エラストマーに重縮合によって架橋可能であるポリオルガノシロキサンC 100重量部当り、架橋剤D 0.1〜60重量部が使用される。
(1)ケイ素原子に結合された1個以上の加水分解性基、及び
(2)窒素原子を含む基に置換された、又は(メタ)アクリル酸、エポキシ及びアルケニル基の群から、及びさらに詳細には、単独又は混合物と見なされる以下の化合物によって構成される群からなお選択される、1個以上の有機基:
ビニルトリメトキシシラン(VTMO);
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GLYMO);
メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO);
[H2N(CH2)3]Si(OCH2CH2CH3)3;
[H2N(CH2)3]Si(OCH3)3;
[H2N(CH2)3]Si(OC2H5)3;
[H2N(CH2)4]Si(OCH3)3;
[H2NCH2CH(CH3)CH2CH2]SiCH3(OCH3)2;
[H2NCH2]Si(OCH3)3;
[n−C4H9−HN−CH2]Si(OCH3)3;
[H2N(CH2)2NH(CH2)3]Si(OCH3)3;
[H2N(CH2)2NH(CH2)3]Si(OCH2CH2OCH3)3;
[CH3NH(CH2)2NH(CH2)3]Si(OCH3)3;
[H(NHCH2CH2)2NH(CH2)3]Si(OCH3)3;
−重縮合によってエラストマーに架橋可能であるポリオルガノシロキサン油C 100部;
−架橋剤D 0〜20部;
−接着促進剤E 0〜20部;及び
−充填剤F 0〜50部;
を含み得る。
−重縮合によってエラストマーに架橋可能であるポリオルガノシロキサン油C 100重量部当り;
−水0.001〜10重量部;
を含むこととを特徴とする。
−好ましくはアルコキシ、オキシム、アシル及び/又はエノキシ型、好ましくはアルコキシ型の官能化末端を有する少なくとも1つの架橋性直鎖ポリオルガノポリシロキサン;
−充填剤;並びに
−本発明による、及び上で定義するような触媒系X;
を含むことを特徴とする。
(a)シリコーンベースBであって:
−反応性α,ω−ジヒドロキシジオルガノポリシロキサンポリマーであり、その有機基が1〜20個の炭素原子を有するアルキル;3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル;2〜8個の炭素原子を有するアルケニル及び5〜8個の炭素原子を有するシクロアルケニルによって構成される群から好ましくは選択される炭化水素ベース基である、重縮合によって架橋可能である少なくとも1つのポリオルガノシロキサン油C 100重量部当り;
−ポリアルコキシシラン、ポリアルコキシシランの部分加水分解に由来する生成物、及びポリアルコキシシロキサンによって構成される群から選択される少なくとも1つの架橋剤D 0.1〜60重量部;
−上述のような接着促進剤E 0〜60重量部;
−少なくとも1つのケイ質、有機及び/又は非ケイ質無機充填剤F 0〜250重量部、好ましくは5〜200重量部;
−水0.001〜10重量部;
−直鎖ホモポリマー又はコポリマーから成り、互いに同一又は異なり、ケイ素原子に結合されたその1価有機置換基が1分子当りアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリーレン及びアリールアルキレン基から選択される、少なくとも1つの非反応性直鎖ポリオルガノシロキサンポリマーG 0〜100重量部;
−ポリオルガノシロキサン樹脂H 0〜70重量部;
−着色ベース又は着色剤I 0〜20重量部;及び
−当業者に公知の補助添加剤J、例えば可塑剤、架橋遅延剤、鉱油、抗菌剤又は熱安定剤、例えば酸化チタン、酸化鉄又は酸化セリウム0〜20部;
を含むシリコーンベースB;並びに
(b)本発明による、及び上で定義するような触媒系X 0.1〜50重量部;
を含む。
(1)相互に接触させる必要がある金属表面を慎重に機械加工すること;及び
(2)得られた集合体を強制的に締め付けること;
は無意味である。これらの顕著な特徴によって、通常、集合体の部品を強化及び補強することを目的とした固定シール、スペーサ又はリブが不要となる。
−家庭用電気器具、特に部品、例えばオーブンのガラス及び金属壁、掃除機並びにアイロン部品の組み立てのための;
−例えば自動車業界で使用される電子ハウジング(例:ブレーキ配電器など)のための;並びに
−例えば自動車業界における組み立て、接着結合、タンクのへのシール形成のための;
シール及び/又は接着剤を産生するために使用できる。
−本発明によるオルガノポリシロキサン組成物;又は
−上で定義したような二成分系の部分P1及びP2の混合から生じるオルガノポリシロキサン組成物;
を周囲温度で硬化することによって作製される自己接着シール及び/又は接着剤に関する。
1)本発明による触媒系の調製
a)金属塩の調製
以下の金属塩は市販されている
(11):[Sc(トリフレート)3];
(12):[Yb(トリフレート)3];
(13):[Cu(トリフレート)2];
(14):[Ag(トリフレート)];
(15):[Bi(トリフレート)3];
(25):[MoO2(OAc)2];及び
(26):[MoO2(ヘプタノエート)2]。
−金属塩(20):[Mo(O 2 )(ピナンジオレート) 2 ]の合成:
モリブデニルアセチルアセトナート4mmol(1.2g)のシクロヘキサン20mlによる懸濁物に、ピナンジオール16mmol(2.72g)を添加して、次に混合物を還流下で加熱した。1時間30分後、媒質は透明オレンジ色に変わり、次に明黄色固体を形成した。3時間30分後、混合物を濃縮して、得られた固体をシクロヘキサン中で再結晶させて、モリブデニルピナンジオレートの明黄色固体1.5gを751nmにおける特徴的なIRバンドに基づくその脱水2量体[MoOH(pinanediolate)2]2Oの形で得た(Sheldon,Recl.Trav.Chim.Pays Bas,92,253(1973)による)。
水素化ナトリウム48mmol(60%にて2g、先にペンタンで洗浄)の無水THF 50mlによる懸濁物に、エチレングリコールモノアリルエーテル48mmol(5.31g)を15分間にわたって添加した。得られた溶液を、3塩化ビスマス16mmol(5.04g)の同じ溶媒100mlによる溶液に10分間にわたって添加した。室温で4時間撹拌した後、均質な褐色溶液を蒸発させて乾燥させた。褐色固体をヘキサンに取り、混合物をセライトで濾過した。溶媒の蒸発後、褐色液体を得た(5.2g)。
Bi計算値40.78%、実測値(ICP)32.5%(単離された生成物はエチレングリコールモノアリルエーテルを含有する)
IR:2844,1347,1066,993,918。
段落a)で引用した金属塩をシリコーン油に6.1%又は10%で分散させた:
−a1:25℃にて14000mPa.sの粘度を有する、各鎖端を(CH3)2(OH)SiO0.5単位によって封鎖されたヒドロキシル化ポリジメチルシロキサン油。
次に、ロール間のその型締圧力が可能ならば均一混合物が生じるように調整された3本ロールミルによって混合物を微粉砕した。このように得られた触媒系は、その外観の観点から、そしてブルックフィールド装置での粘度測定によって特徴付けられた。
(比較)油a4:25℃にて50mPa.sの粘度を有する、各鎖端を(CH3)3SiO0.5単位によって封鎖されたポリジメチルシロキサン油を使用するとき、沈降する不均一懸濁物を得た。
段落1)に記載した触媒系に基づく標準二成分組成物を調製して、対照と等しい又は対照より優れた物理的特性を有するエラストマーを得た。得られたエラストマーは、スズベース触媒によって得られたエラストマー(対照)と同様の、良好な機械的特性(EB、TS及びSAH)を有する。
−TS=引っ張り強度(MPa、ASTM−D412又はAFNOR−T−46002規格の指示にしたがって実施した測定)。
−SAHによって示されるショアA硬度:ASTM-D2240規格の指示に従って実施した測定。
Claims (17)
- オルガノポリシロキサン組成物であって、オルガノポリシロキサン組成物が一方では重縮合反応によってシリコーンエラストマーへと硬化することができるシリコーンベースBを、他方では少なくとも1つの触媒系Xの触媒有効量を含むことを特徴とし、触媒系Xが:
a)触媒系Xは、下の式(1)の少なくとも1つの金属錯体又は塩Aを含み:
[M(L1)r1(L2)r2(Y)x](1)
これには3つの考えられる定義i)、ii)及びiii)があり:
i)r1≧1、r2≧0及びx≧0;
−記号Mは:セリウム、ビスマス及びモリブデンによって構成される群から選択される金属を表し;
−記号L1は、アルコラート陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;及び
−記号Yは、中性配位子を表し、x≧2のとき、記号Yは同一又は異なり;
ii)r1≧1、r2≧0及びx≧0;
−記号Mは:スカンジウム、イッテルビウム、銅、銀及びビスマスによって構成される群から選択される金属を表し;
−記号L1は、スルホン酸陰イオン、好ましくはペルフルオロアルキルスルホン酸陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;及び
−記号Yは、中性配位子を表し、x≧2のとき、記号Yは同一又は異なり;並びに
iii)r1≧1、r2≧0及びx≧0;
−記号Mは、モリブデンを表し;
−記号L1は、カルボン酸陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;及び
−記号Yは、中性配位子を表し、x≧2のとき、記号Yは同一又は異なり;及び
−記号Mがモリブデンを表すときに、選択された式(1)の化合物は固体形であるという補足条件を備え;並びに
b)前記触媒系Xは、以下のプロセス:
−工程1:金属錯体又は塩Aを、粘度が少なくとも100mPa.s、好ましくは少なくとも5000mPa.s及びさらに好ましくはなお少なくとも10000mPa.sである、少なくとも1つの油性オルガノポリシロキサンポリマーKに分散させる工程、及び
−工程2:場合により混練の後に、触媒系Xである均質混合物が得られるまで、混合物を粉砕する工程、
に従って調製される;
ことを特徴とする、オルガノポリシロキサン組成物。 - ロール間のその型締圧力が均一混合物が生じるように調整された3本ロールミルによって粉砕が実施されることを特徴とする、請求項1に記載のオルガノポリシロキサン組成物。
- 前記触媒系Xが下の式(2)の少なくとも1つの金属錯体又は塩Aを含み:
[M(L1)r1(L2)r2](2)
これには3つの考えられる定義i)、ii)及びiii)があり:
i)r1≧1、r2≧0;
−記号Mは:セリウム、ビスマス及びモリブデンによって構成される群から選択される金属を表し;
−記号L1は、アルコラート陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;及び
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;
ii)r1≧1、r2≧0;
−記号Mは:スカンジウム、イッテルビウム、銅、銀及びビスマスによって構成される群から選択される金属を表し;
−記号L1は、スルホン酸陰イオン、好ましくはペルフルオロアルキルスルホン酸陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;及び
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;並びに
iii)r1≧1、r2≧0;
−記号Mは、モリブデンを表し;
−記号L1は、カルボン酸陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;及び
−記号Mがモリブデンを表すときに、選択された式(2)の化合物は固体形であるという補足条件を備えている;
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のオルガノポリシロキサン組成物。 - 触媒系Xが下の式(3)〜(5):
(3):[Ce(L1)r3(L2)r4];式中、r3≧1及びr4≧0及びr3+r4=3;
(4):[Mo(L1)r5(L2)r6];式中、r5≧1及びr6≧0及びr5+r6=6;
(5):[Bi(L1)r7(L2)r8];式中、r7≧1及びr8≧0及びr7+r8=3;
の金属錯体又は塩によって構成される群より選択される少なくとも1つの金属錯体又は塩Aを含み、ここで:
−記号L1は、アルコラート陰イオンである配位子を表し、配位子の数がL1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;及び
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、配位子の数がL2≧2のとき、記号L2は同一又は異なる;
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオルガノポリシロキサン組成物。 - 前記記号L1が次のアルコール:メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、シクロペンタノール、シクロヘプタノール、シクロヘキサノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、ジオール、たとえばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ピナンジオール、1,3−プロパンジオール及び1,2−オクタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール及び2,3−ブタンジオールに由来するアルコラート陰イオンによって構成される群から選択されるアルコラート陰イオンである配位子を表すことを特徴とする、請求項4に記載のオルガノポリシロキサン組成物。
- 前記触媒系Xが下の式(6)〜(10):
(6):[Sc(L1)r9(L2)r10];式中、r9≧1及びr10≧0及びl5+l6=3;
(7):[Yb(L1)r11(L2)r12];式中、r11≧1及びr12≧0及びr11+r12=3;
(8):[Cu(L1)r13(L2)r14];式中、r13≧1及びr14≧0及びr13+r14=2;
(9):[Ag(L1)];
(10):[Bi(L1)r15(L2)r16];式中、r15≧1及びr16≧0及びr15+r16=3;
の金属錯体又は塩によって構成される群から選択される少なくとも1つの金属錯体又は塩Aを含み、ここで:
−記号L1は、スルホン酸陰イオン、好ましくはペルフルオロアルキルスルホン酸陰イオンである配位子を表し、配位子の数がL1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;及び
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、配位子の数がL2≧2のとき、記号L2は同一又は異なる;
ことを特徴とする、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のオルガノポリシロキサン組成物。 - 前記触媒系Xが下の式(11)〜(27):
(11):[Sc(トリフレート)3];
(12):[Yb(トリフレート)3];
(13):[Cu(トリフレート)2];
(14):[Ag(トリフレート)];
(15):[Bi(トリフレート)3];
(17):[Mo(O2)(2,3−ブタンジオレート)2];
(18):[Mo(O2)(エチレングリコレート)2];
(19):[Mo(O2)(1,2−プロパンジオレート)2];
(20):[Mo(O2)(ピナンジオレート)2];
(21):[Mo(O2)(1,3−プロパンジオレート)2];
(22):[Mo(O2)(メソ−2,3−ブタンジオレート)2];
(23):[Mo(O2)(1,2−オクタンジオレート)2];
(24):[ビ(モノアリルエチレングリコレート)3];
(25):[MoO2(OAc)2];
(26):[MoO2(ヘプタノエート)2];及び
(27):[MoO2(ナフテネート)2]
の金属錯体又は塩によって構成される群から選択される少なくとも1つの金属錯体又は塩Aを含むことを特徴とする、請求項4又は6に記載のオルガノポリシロキサン組成物。 - 前記触媒系Xが下の式(25)〜(26):
(25):[MoO2(OAc)2];及び
(26):[MoO2(ヘプタノエート)2]
の金属錯体又は塩によって構成される群から選択される少なくとも1つの金属錯体又は塩Aを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオルガノポリシロキサン組成物。 - L2が以下の陰イオン:フルオロ(F-)、クロロ(Cl-)、トリヨード(1-)(I3)-、ジフルオロクロラト(1-)[ClF2]-、ヘキサフルオロイオダト(1-)[IF6]-、オキソクロラト(1-)(ClO)-、ジオキソクロラト(1-)(ClO2)-、トリオキソクロラト(1-)(ClO3)-、テトラオキソクロラト(1-)(ClO4)-、ヒドロキソ(OH)-、メルカプト(SH)-、セラニド(SeH)-、ヒペルオキソ(O2)-、オゾニド(O3)-、ヒドロキソ(OH-)、ヒドロジスルフィド(HS2)-、メトキソ(CH3O)-、エトキソ(C2H5O)-、プロポキシド(C3H7O)-、メチルチオ(CH3S)-、エタンチオラト(C2H5S)-、2−クロロエタノラト(C2H4ClO)-、フェノキシド(C6H5O)-、フェニルチオ(C6H5S)-、4−ニトロフェノラト[C6H4(NO2)O]-、ホルマト(HCO2)-、アセタト(CH3CO2)-、プロピオナト(CH3CH2CO2)-、ニトリド(N3)-、シアノ(CN)-、シアナト(NCO)-、チオシアナト(NCS)-、セレノシアナト(NCSe)-、アミド(NH2)-、ホスフィノ(PH2)-、クロロアザニド(ClHN)-、ジクロロアザニド(Cl2N)-、[メタンアミナート(1-)](CH3NH)-、ジアゼニド(HN=N)-、ジアザニド(H2N−NH)-、ジホスフェニド(HP=P)-、ホスフォニト(H2PO)-、ホフフィナト(H2PO2)-、カルボキシラト、エノラト、アミド、アルキラト及びアリラトによって構成される群から選択される陰イオン性配位子であることを特徴とする、請求項4又は6のどちらか一項に記載のオルガノポリシロキサン組成物。
- L2が次の陰イオン:酢酸イオン、蓚酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸イオン、イソ酪酸イオン、ジエチル酢酸イオン、安息香酸イオン、2−エチルヘキサン酸イオン、ステアリン酸イオン、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、tert−ブトキシド、tert−ペントキシド、8−ヒドロキシキノリン酸陰イオン、ナフテン酸イオン、トロポロネート及びオキシドO2-陰イオンによって構成される群から選択される陰イオン性配位子である、請求項4〜6のいずれか一項に記載のオルガノポリシロキサン組成物。
- 少なくとも1つの触媒系Xの触媒有効量及びシリコーンベースBであって:
−重縮合によってエラストマーに架橋することができる少なくとも1つのポリオルガノシロキサン油C;
−場合により少なくとも1つの架橋剤D;
−場合により少なくとも1つの接着促進剤E;並びに
−場合により少なくとも1つのケイ質、有機及び/又は非ケイ質無機充填剤F;を含むシリコーンベースBも含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のオルガノポリシロキサン組成物。 - 請求項11に記載のオルガノポリシロキサン組成物の前駆物質であり、重縮合反応によってシリコーンエラストマーに加硫することが可能である二成分系であって、前記組成物を生成するために混合される予定である2つの別個の部分P1及びP2であることと、これらの部分の一方がオルガノポリシロキサンと架橋剤Dの重縮合反応の触媒として請求項1〜10のいずれか一項に記載の触媒系Xを含むのに対して、他方の部分は上述の種を含まず:
−重縮合によってエラストマーに架橋可能であるポリオルガノシロキサン油C 100重量部当り;
−水0.001〜10重量部;
を含むこととを特徴とする、二成分系。 - 水分の非存在下での貯蔵中に安定であり、水の存在下でエラストマーに架橋する単一成分ポリオルガノシロキサン組成物であって:
−好ましくはアルコキシ、オキシム、アシル及び/又はエノキシ型、好ましくはアルコキシ型の官能化末端を有する少なくとも1つの架橋性直鎖ポリオルガノポリシロキサン;
−充填剤;並びに
−請求項1〜10のいずれか一項に記載の触媒系X;
を含むことを特徴とする、単一成分ポリオルガノシロキサン組成物。 - 重縮合反応によってシリコーンエラストマーに加硫可能である、請求項11に記載のオルガノポリシロキサン組成物であって、重縮合反応が:
(a)シリコーンベースBであって:
−反応性α,ω−ジヒドロキシジオルガノポリシロキサンポリマーであり、前記有機基が1〜20個の炭素原子を有するアルキル;3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル;2〜8個の炭素原子を有するアルケニル及び5〜8個の炭素原子を有するシクロアルケニルによって構成される群から好ましくは選択される炭化水素ベース基である、重縮合によって架橋可能である少なくとも1つのポリオルガノシロキサン油C 100重量部当り;
−ポリアルコキシシラン、ポリアルコキシシランの部分加水分解に由来する生成物、及びポリアルコキシシロキサンによって構成される群から選択される少なくとも1つの架橋剤D 0.1〜60重量部;
−上述のような接着促進剤E 0〜60重量部;
−少なくとも1つのケイ質、有機及び/又は非ケイ質無機充填剤F 0〜250重量部、好ましくは5〜200重量部;
−水0.001〜10重量部;
−直鎖ホモポリマー又はコポリマーから成り、互いに同一又は異なり、ケイ素原子に結合された前記1価有機置換基が、1分子ごとにアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリーレン及びアリールアルキレン基から選択される、少なくとも1つの非反応性直鎖ポリオルガノシロキサンポリマーG 0〜100重量部;
−着色ベース又は着色剤H 0〜20重量部;
−ポリオルガノシロキサン樹脂I 0〜70重量部;及び
−当業者に公知の補助添加剤J、たとえば可塑剤、架橋遅延剤、鉱油、抗菌剤又は熱安定剤、たとえば酸化チタン、酸化鉄又は酸化セリウム0〜20部;
を含むシリコーンベースB;並びに
(b)請求項1〜10のいずれか一項に記載の触媒系X 0.1〜50重量部;
を含む、オルガノポリシロキサン組成物。 - 請求項12に記載の二成分系の架橋及び硬化によって得られ、又は請求項1〜11又は13〜14のいずれか一項に記載されたように定義した組成物の、エラストマー。
- 触媒系Xであって:
a)下の式(1)の少なくとも1つの金属錯体又は塩Aを含み:
[M(L1)r1(L2)r2(Y)x](1)
これには3つの考えられる定義i)、ii)及びiii)があり:
i)r1≧1、r2≧0及びx≧0;
−記号Mは:セリウム、ビスマス及びモリブデンによって構成される群から選択される金属を表し;
−記号L1は、アルコラート陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;及び
−記号Yは、中性配位子を表し、x≧2のとき、記号Yは同一又は異なり;
ii)r1≧1、r2≧0及びx≧0;
−記号Mは:スカンジウム、イッテルビウム、銅、銀及びビスマスによって構成される群から選択される金属を表し;
−記号L1は、スルホン酸陰イオン、好ましくはペルフルオロアルキルスルホン酸陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;及び
−記号Yは、中性配位子を表し、x≧2のとき、記号Yは同一又は異なり;並びに
iii)r1≧1、r2≧0及びx≧0;
−記号Mは、モリブデンを表し;
−記号L1は、カルボン酸陰イオンである配位子を表し、r1≧2のとき、記号L1は同一又は異なり;
−記号L2は、L1とは異なる陰イオン性配位子を表し、r2≧2のとき、記号L2は同一又は異なり;及び
−記号Yは、中性配位子を表し、x≧2のとき、記号Yは同一又は異なり;及び
−記号Mがモリブデンを表すときに、選択された式(1)の化合物は固体形であるという補足条件を備え;並びに
b)触媒系Xが、以下のプロセス:
−工程1:金属錯体又は塩Aを、粘度が少なくとも100mPa.s、好ましくは少なくとも5000mPa.s及びさらに好ましくはなお少なくとも10000mPa.sである、少なくとも1つの油性オルガノポリシロキサンポリマーKに分散させる工程、及び
−工程2:場合により混練の後に、触媒系Xである均質混合物が得られるまで、混合物を粉砕する工程、
に従って調製される、
ことを特徴とする、触媒系X。 - オルガノポリシロキサンの重縮合反応の触媒としての、請求項1〜10又は16のいずれか一項に記載の触媒系Xの使用。
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