JP2011506108A - 部品から材料を除去するためのシステム - Google Patents

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Abstract

部品に対して研摩作業を実施するためのシステムが開示され、本システムは、ロボットと、取付け具と、取付け具をロボットアームに取り付けるためのマウントシステムと、研摩作業中、部品に対する研摩工具の接触点の位置が一定に維持されるように取付け具上に取り付けられた、研摩工具を駆動するための駆動システムとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般に、部品の製造に関し、より具体的には、研摩、バリ取り、材料除去、ならびに他の機械加工および検査作業中に、ワークに対して工具を正確かつ制御可能に位置決めするための方法および交換可能な装置に関する。
航空機のエンジンで使用されるブリスクなどの複雑な形状をした物品は、ワークからの材料除去を行う特別な形状をした工具類を用いる技法によって製造される。特に注目の例では、ガスタービンエンジンの、一体化された圧縮機のブレード/ディスク(BLISK:ブリスク)構造が、フライス加工および電解加工(ECM)などの加工方法により単一品として製造される。ブリスクなどの加工された部品の研摩およびバリ取りなどの仕上げ加工作業は、これらの高価な部品を損傷しないようにするために必要であり、かつ実施すべきである。ブリスクには複雑な幾何形状が含まれるため、仕上げ作業の多くは手動で行われる。
研摩およびバリ取りなどの仕上げ加工作業に対して、ヒトの動作を再現する多軸ロボットが使用されることもあった。例えば、ブリスクなどの複雑な形状の物品のバリ取りを行うために、ロボットアームの端部に空気を動力源とする研摩ベルト工具を用いる従来の多軸ロボットが使用されてきた。しかし、これらの従来のロボットアームは、前にヒトが操作したものと同じ工具を使用して、この作業を行うヒトの動作を再現している。研摩ベルト式研摩工具は、簡単にはアクセスできない重要な幾何学的構造から離間させた状態に保つ必要があるため、この手法は、ブリスクなどの複雑な幾何形状に対する仕上げ作業にロボットを使用することを極度に制限している。固有のベルトの伸びおよびベルトのトラッキングによりその全長および真位置が絶えず変化することに起因して、これらの高価な部品に費用のかかる損傷が生ずるのを回避するために、従来の研摩ベルト工具を、重要な幾何形状から離間した状態に保つ必要がある。これは、ヒトの手と目の協調関係に欠けるロボット的な、または自動の加工システムでは特に問題である。加工工具の伸びおよびトラッキングなど、絶えず変化する真位置および工具状態は、ブリスクなどの重要な部品のロボット研摩およびバリ取りの使用を極度に制限してきた。機械加工または検査作業で使用するための取付け具の個々の部品を製造することには、本来、製造時の許容差および組立の累積により何らかの変動が含まれる。これらの製造時許容差および組立の累積は、従来、機械加工または検査工具中心点の位置変動を生じていた。製造作業では、多数の工具アセンブリ、およびロボットが使用されており、また工具における製造時変動を保証する従来の方法は、ブリスクなどの複雑な幾何形状の部品内で、工具中心点の正確な位置および制御を保証するには適切なものではない。
欧州特許第1757411号
したがって、部品に損傷を生ずることなくブリスクなどの複雑な幾何形状に対して、自動化された仕上げ加工作業を行うためのシステムを有することは望ましいはずである。ベルトの摩耗、伸び、トラッキング、張力変化、および他の原因などの工具状態の変化に関係なく、加工工具の接触点の真位置を空間中で維持する装置を有することは望ましいはずである。ロボットまたは他の自動化されたシステムで自動的に制御できる工具の真位置を空間中で維持することのできる、複雑な幾何形状に対して製造および検査作業で使用する装置を製作する方法を有することは望ましい。工具中心点の位置精度を維持しながら様々な工具を交換できるような工具アセンブリを製造する方法を有することは望ましい。
上記で述べた必要性は、部品に対して研摩作業を実施するためのシステムを提供する例示的な実施形態により満たすことができ、本システムは、ロボットと、取付け具と、取付け具をロボットアームに取り付けるためのマウントシステムと、研摩作業中、部品に対する研摩工具の接触点の位置が一定に維持されるように取付け具上に取り付けられた、研摩工具を駆動するための駆動システムとを備える。
他の実施形態では、部品を研摩するための装置が開示され、本装置は、取付け具と、接触ローラを有する、取付け具上に取り付けられた接触アームと、接触ローラ周りで研摩ベルトを駆動するためのモータとを備え、モータは、研摩中、研摩ベルトの接触点の位置が一定に維持されるように、取付け具上に取り付けられる。
ガスタービンエンジンのブリスクのバリ取りを行うためのロボットシステムに関する本発明の例示的な実施形態を示す図である。 複雑な部品から材料を除去するための装置に関する本発明の例示的な実施形態の一部を形成する部分的に組み立てられた工具の等角図である。 軸受を含む、複雑な部品から材料を除去するための装置に関する本発明の例示的な実施形態の一部を形成する部分的に組み立てられた工具の等角図である。 モータ往復台を含む、複雑な部品から材料を除去するための装置に関する本発明の例示的な実施形態の一部を形成する部分的に組み立てられた工具の等角図である。 モータを含む、複雑な部品から材料を除去するための装置に関する本発明の例示的な実施形態の一部を形成する部分的に組み立てられた工具の等角図である。 部品を研摩するための装置に関する本発明の例示的な実施形態の等角図である。 図6で示す本発明の例示的な実施形態の横断面図である。 図6で示す本発明の例示的な実施形態の部分的な横断面を有する側面図である。 交換可能なロボット工具アセンブリを製造する方法を示す図である。
同一の参照番号が、様々な図を通して同様の要素を示す諸図面を参照すると、図1は、ガスタービンエンジンのブリスクのバリ取りを行うためのロボットシステムに関する本発明の例示的な実施形態を示す。従来のロボットアーム14を有する従来のロボット14が図1に示されている。ロボット14は、従来、地面または適切なプラットフォームに取り付けられる。ロボット14は、工具先端座標系19により表される空間における工具先端位置をプログラムするための基準として使用する静止座標系17を有する。加工装置100を保持する取付け具20は、取付けシステム22を用いてロボットアーム16上に取り付けられる。加工装置100および取付けシステム22は、図2〜8でより詳細に示される。加工される部品12は、ロボット座標軸17に関して適切に位置する部品座標軸18を有する適切な取付け具13上に取り付けられる。ロボットアームは、通常、ロボット座標系17に関して、平行移動し、かつ回転するために複数の自由度を有する。同様に、加工される部品12は、従来、座標系18に関して複数の自由度で取り付けることができる。
図1で示す例示的な実施形態では、研摩工具40などの加工工具を駆動する駆動システム30が取付け具20上に取り付けられる。部品12からの材料除去を行うために、研摩工具40などの加工工具は、接触点43で部品と接触する。加工中、または検査中に工具が横断する空間における経路は従来の方法を用いてプログラムされる。しかし、ブリスクなど複雑な幾何形状に対する仕上げ作業では、この普通の工具経路プログラミングは、加工中の接触力から、また工具の摩耗から生ずる工具接触点の真位置における変化のため十分ではない。このことは、部品から除去される材料の量が少ない研摩作業で特にそうである。接触点の真位置が工具の状態とは無関係に絶対的に制御されない限り、ブリスクなどの複雑な部品の込み入った幾何形状における切削痕または加工ミスの危険は高い。図1〜8で示す本発明の例示的な実施形態では、工具の接触点43の真位置の空間的位置は、工具の摩耗、工具ベルトのトラッキング、工具ベルトの張力変化、または他の理由により生ずる可能性のある変動にかかわらず、ロボットまたは他のマシニングセンタの座標系17に関して固定された関係を有する。こうすることにより、ロボット14、またはマシニングセンタ(図示せず)など、自動化された加工システムにおける接触点43の位置をプログラミングすることを可能にし、したがって、接触点位置は、ブリスクなどの複雑な部品の込み入った幾何形状との一定の関係に対して制御可能な方法で予測可能に追従し、それを維持することができる。本明細書で続いて述べるように、本発明の他の態様では、工具の破損、またはベルト張力の損失もしくは弛みなどの事故の間に、部品12が損傷を受けないようにするための安全機構も組み込まれる。
図1で示す研摩のためのシステムの例示的な実施形態では、研摩ベルト41を用いる研摩工具40は、バリを除去するために、ブリスク表面および縁部の輪郭をたどるようにプログラムされる接触点43で、ブリスク(項目12で示される)と接触する。研摩ベルト41は、駆動システム30により駆動される。駆動システム30は、接触点43の空間的な位置が、部品12の局所的な幾何形状と一定の関係を有し、かつ研摩作業中、一定に維持されるように、柔軟性を有するように取付け具20に取り付けられる。加工中に工具経路の幾何形状を変更させる傾向のある、加工で誘起された力もしくは工具の摩耗、または他の原因のいずれも、駆動システム30に対する特有の取付システム中に組み込まれた柔軟性により吸収される。上記のように使用できる柔軟性のある取付けシステムを、続いて本明細書で詳細に説明する。
図2、3、および4は、前に述べた駆動システム30を、柔軟性があるように取り付けるための取付け具20の例示的な実施形態の部分的なアセンブリを示す。図5は、取付け具20に取り付けられたモータ60を示す。図6は、取付け具20に取り付けられたモータ60および研摩工具40を備える装置100の組み立てられた図を示す。取付け具の例示的な実施形態は、従来のロボットシステム14またはマシニングセンタ(図示せず)のロボットアーム16に、全体のアセンブリ100を迅速に取り付けるために使用される従来の工具取付けシステム22を備える。アダプタプレート27は、従来の回転アクチュエータ26を工具取付けシステム22に取り付けるために、必要に応じて適宜使用することができる。回転アクチュエータ26は、例えば、図1で示す研摩工具40など、加工工具アセンブリに対して回転の自由度を可能にする。回転アクチュエータは、空気圧供給管路114により供給される空気により動力が与えられる従来の空気圧モータ(図示せず)により駆動される。代替的には、回転アクチュエータ26は、従来の電気モータ(図示せず)により駆動することもできる。
ベース25は、加工中に必要に応じて、全体のベース25およびそれに取り付けられる他の部品を、回転アクチュエータ26を用いて回転できるように、回転アクチュエータの上部に、従来の取付け手段を用いて取り付けられる。ベースは、取付けねじを受け入れるためのいくつかのねじ穴を有する中心に配置されたチャネル96を備える。緩衝ブロック88は、ベース25の後側付近でベース25の上部に取り付けられる。レール92は、従来の手段を用いてチャネル96に取り付けられる。前部軸受93および後部軸受94は、軸受93および94が、レール92の長さに沿って摺動できるように、レール上に摺動可能に取り付けられる。軸受93および94は、取付けねじを受け入れることのできるねじ穴をその上部に有する。モータ往復台62が、前部軸受93の上部および後部軸受94の上部に、従来の取付け手段を用いて取り付けられる。全体のモータ往復台62、およびそれに取り付けられるすべての他の部品は、レール92上を、直線的に、前方および後方に移動することができる。加工中に工具が破損したとき生ずる可能性があるなど、モータ往復台が後側方向に一定の指定された位置を越えて移動したとき、モータ往復台の位置を感知するように、近接センサシステムが緩衝ブロック88に取り付けられる。これは、部品12に対する損傷を阻止するために加工作業を停止する安全機構である。近接センサシステムは、緩衝ブロック88に取り付けられたブラケット81と、必要な場合に停止システムを活動化するプランジャ83を有する電気的に動作する従来の近接センサ82とを備える。電気的システムは、電気的モジュール116中に収容される。
モータ往復台62は、部分的にその内部に位置するモータハウジング64を受け入れるための空洞部を有する。モータハウジング64は、1対のモータハウジングマウント90を用いて、モータ往復台62に枢動可能に取り付けられる。モータハウジングマウント90は、従来の取付け手段を用いて、その下側端部付近で、モータ往復台64に対してしっかりと取り付けられる。モータ往復台62は、モータハウジングマウント90により支持されるピボット71を各側部に有する。本明細書で示す例示的な実施形態では、ピボット71は、モータ往復台62の側面上の対応する穴と係合する、ハウジングマウント90にその上部付近で取り付けられたねじの形で示されている。他の適切な枢動手段もまた、代替として使用することができる。モータ60は、モータハウジング64内に位置し、取付けねじなどの従来の手段を用いて、モータハウジング内に保持される。図5および6は、空気管路112を介して供給される空気により駆動される空気圧モータ60を示している。空気供給管路112は、クイック接続取付け具110を用いて、空気圧モータ60に接続される。空気圧モータの代わりに、電気モータまたは流体アクチュエータなど、任意の他の適切なタイプの動力システムを使用することもできる。ばねブロック50が、モータ往復台62の前端部に位置する往復台ベース95に対して、従来の手段を用いて取り付けられる。ばねブロック50は、それに取り付けられる圧縮ばね52を有しており、またばねの内側に位置しかつばねブロック50に取り付けられたばねポストを有する。ばねポストは、ばねをガイドし、ばねブロック50およびモータ往復台62に対して力を加えたとき、ばねが座屈しないようにする。図5および7で示す例示的な実施形態では、ばね52は、ばねブロック50中のスロット内に取り付けられる。本明細書で述べるシステムの部品は、軽量な任意の適切な材料、好ましくはアルミニウムを用いて製造することができる。
工具取付けシステム22に関して、加工工具の接触点43の真位置を絶対的に位置決めするための、また取付け具20における駆動システム30を柔軟性があるように取り付けるための本発明の例示的な実施形態が、図6〜8で示されている。これらの図を参照すると、立上がりガセット56は、ベース25の前端部に位置しており、従来の取付け手段を用いてベースプレート25の側部に取り付けられる。アーチ型の形状を有する垂直フレーム54が立上がりガセット56に取り付けられており、したがって、立上がりガセットは垂直フレーム54に対して側方支持を提供することができる。垂直フレームはまた、その下側端部で、ベース25の前端部に取り付けることができる。
図6を参照すると、ばねベース51は、垂直フレーム54の前端面に取り付けられる。前に述べたように、ばね52の後端部は、ばねブロック50に取り付けられる。ばね52の前端部は、ばねベース51に取り付けられる。これは、図7で、横断面図で示されている。ばねの前端部は、ばねベース51の中央付近に位置する空洞部内に嵌合し、調整ねじ53により定位置に保持される。加工作業中、本明細書で続いて説明するように、ばね52は、往復台62に取り付けられたばねブロック50に力を加え、往復台を後方に、垂直フレーム54から離れるように押す。調整ねじは、ばねで生成される力の大きさを制御するように調整することができる。
加工工具の接触点43の真位置は、工具接触アーム42、アームロケータピン47、およびアームマウント49を用いて、空間中に絶対的に位置決めされる。アームマウント49は、従来の手段を用いて垂直フレーム54の上部に剛性を有するように取り付けられる。アームマウントは、加工中、研摩工具40などの加工工具への支持を提供し、レール92に沿って摺動できるモータ往復台62に工具からの反作用力を伝達する。
図6、7、および8は、研摩およびバリ取り工具40を有する、部品を研摩し、かつバリ取りを行うための装置を示す。工具40は、アームクランプ46を用いてアームマウント49に固定された接触アーム42の前端部に取り付けられたローラ44を備える。ローラは、ローラの回転軸45の周りを回転することができる。アームクランプ46は、本明細書で述べるように、アームロケータピン47を用いてアームクランプ上に位置決めされる。工具40は、前端部のローラ44により、かつ後端部のベルト駆動ホイール63により支持された研摩ベルト41を有する。ベルト駆動ホイール63は、駆動モータ60に取り付けられ、回転軸61の周りで回転する。研摩ベルト41は、モータ60およびベルト駆動ホイール63により、ローラ44の周りで駆動される。研摩およびバリ取りの場合、部品12からの材料の除去は、部品12の表面および縁部に対して、動いている研摩ベルト41を接触させることにより達成される。加工中の研摩ベルト41と部品12の間の接触点43の力は、接触アーム42により、アームマウント49および垂直フレーム54へと伝達される。これらの力はレール92に沿って移動することのできるモータ往復台62へと伝達される。研摩ベルトは、2つの回転軸45および61を互いの方向に引っ張る傾向のある張力を有する。これは、調整ねじ53を用いてばね52に設定された圧縮力により対抗され、かつ反作用を受ける。研摩ベルト41の張力は、調整ねじ52を用いて設定される。接触アーム42と、41などの加工工具とを取り付ける特有の方法のため、加工中は常に、空間中の指定された位置に絶対的に位置決めされた工具接触点43の空間的位置が、加工する力または他の工具条件によって、変わることはないことに留意されたい。従来の加工システムにおいて、工具接触点の真位置を変化させるこれらの要因は、本発明では、ばねブロック50を介して往復台62に加えられたばね52からの圧縮力により、レール92上に柔軟性を有するように取り付けられた駆動モータ往復台62の位置を自動的に変化させることによって、吸収される。
本発明の一態様では、本明細書で述べられた例示的な実施形態は、加工中の工具の故障、または工具の摩耗状態を検出することができ、かつ加工されている部品12を損傷させることなく加工作業を安全に停止するための手段を提供できる近接センサシステム80を組み込む。近接センサシステム80は、ベース25の後端部付近に位置する緩衝ブロック88に取り付けられた近接ターゲット84と、その後端部付近のモータ往復台上に取り付けられた近接センサ82とを備える。図7を参照すると、加工中に、摩耗、トラックジャンプ、または破損などから研摩ベルト41の張力に大幅な損失があった場合、圧縮ばね52中に蓄えられたエネルギーがばねブロックに対して力を加えて、モータ往復台をレール92に沿って後方に突き出すことになる。近接センサ82は、モータ往復台62の位置を感知し、電気信号をロボットまたはマシニングセンタに送り、システムを安全に停止させるか、あるいは部品12に損傷を与えないように、他の適切な措置をとることになる。モータ往復台62の突然の突出しにより誘起される可能性のあるどんな衝撃荷重も吸収するように、緩衝器およびプランジャが、緩衝ブロック84および近接センサ上に設けられる。
ベルト駆動システムでは、ベルトは、駆動システム軸が適正に位置合せされていない場合、プーリまたは他の駆動体からの軌道をはずれるおそれがある。本発明の態様では、本明細書で述べる例示的な実施形態は、モータの回転軸61の方向付けを調整するための手段を組み込み、またベルト駆動ホイール63における研摩ベルトのトラッキングを調整する。この機構の例示的な実装形態は図8で示されている。本明細書で前に述べたように、駆動モータ60は、モータハウジングピボット71を用いて、マウント90に枢動可能に取り付けられたモータハウジング64内に位置する。さらに、モータハウジング調整ピン72が、モータハウジング64およびモータハウジングマウント90の壁の対応する凹部中に挿入される。調整セットスクリュー76および固定セットスクリュー74が、モータハウジングマウント90内に設けられる。調整セットスクリュー76および固定セットスクリュー74を適切に調整することにより、モータ60の回転軸61の方向付けを、駆動システム30の適正な位置合せのために、必要に応じて変更することができる。ベルト41が作業中に摩耗すると、ベルト駆動ホイール63ベルト溝内のベルトトラッキングが変化する可能性がある。上記で述べた手段を使用して、研摩ベルトがその溝内に留まり、かつローラ44上に維持されることを保証するようにベルトトラッキングを調整することができる。
本発明の他の態様では、ロボットに関する工具中心点の実質的に同じ真位置を維持しながら、異なる取付け具20および異なる工具接触アーム42の完全な交換可能性が達成される。これは、図9で示すように、一連の製造および組立ステップに関する本発明の実施形態を用いて達成される。個々の部品およびその組立の従来の製造法は、製造時許容差および組立の累積により、本来、変動を含んでいる。従来の方法におけるこれらの製造時許容差および組立の累積は、例えば、接触アーム120の先端で表されるものなどの工具中心点の位置の変動を生ずる。工具中心点とは、ロボット14が、ロボットの動作中に制御する、空間における位置決め点のことである。ロボット14は、この工具中心点120の位置、速度、および回転が、製造、検査、および他のロボット用途における指定された目標を達成するのに必要なものとなるように制御する。
例えば、図6で示すものなど、工具アセンブリを製造する方法200の本発明の例示的な実施形態を、番号202〜224により識別される一連のステップとして図9で示す。番号202の第1のステップでは、図2〜8で示されたベース25、立上がりガセット56、垂直フレーム54などの個々の部品が、従来の手段を用いて製造される。位置決めピン47(図7を参照)用のアーム取付け位置決め孔122,およびアーム位置決め孔132(図6を参照)を除き、個々の部品のすべての特徴が生成される。これらの個々の部品は、次いで、本明細書で前に述べたように組み立てられる(番号204)。取付け具アセンブリは、ロボットもしくは他のマシニングセンタの工具プレート21、または座標系17(図1を参照)に対して位置決めされている他の適切な部品に取り付けられる(番号206)。代替的には、座標系17に関して、同様の位置的特性寸法を有するスレーブ工具プレートなど、等価な工具プレートを使用することもできる。アセンブリ全体は、次いで、アームマウント49中に位置決め孔122を穴開けするために、フライス加工機、またはボール盤などの従来の工作機械上にセットアップされる(番号208)。このセットアップ中に、ロボット工具プレート21(または使用される場合、等価なスレーブ工具プレート)が、機械の原点を設定するために使用される。本発明の例示的な実施形態200のこの機構は、個々の部品加工および組立工程による許容差のどんな累積とも無関係に、ロボット座標系17に対する位置決め孔122および位置決めピン47の真位置の場所が、各取付け具20上で、製造されたものと実質的に同じであることを保証する。前述のセットアップが完了すると、アームマウント49上の位置決め孔122が穴開けされる(番号210)。孔に対するリーマ通しは適宜行われる。取付け孔124が、次いで、アームクランプ46の取付け用として後で使用するために、アームマウント49上に穴開けされる(番号212)。位置決めピン47は、位置決め孔122中に圧入嵌めされる(番号214)。代替的には、位置決めピンは、以下で述べるように、接触アーム上の位置決め孔132中に圧入嵌めすることもできる。位置決め孔122を作成するための本明細書で述べたセットアップを行うことにより、位置決めピン47は、この方法200を用いて製造されるあらゆる取付け具20上で、ロボット座標軸17に関して実質的に同じ空間位置となる。
接触アーム42上で、位置決め孔132を穴開けする位置が、次いで、特定される(番号216)。接触アーム42上のこれらの穴位置は、接触アーム42の先端に位置する工具中心点120からの寸法になる。位置決め孔132が、次いで、接触アーム42中に穴開けされる(番号218)。取付け孔134を、さらに接触アーム42中に穴開けすることができる(番号220)。接触アーム位置決め孔132は、次いで、アームマウント49上の位置決めピン122と位置合せされる(番号222)。接触アーム42は、次いで、取付け孔124および134,ならびにキャップヘッドスクリュー48または他の従来の取付け手段を用いて、アームマウント49に取り付けられる(番号224)。
本明細書で前に述べたように、ロボット14の場合、ロボットが絶対的に制御する必要のある空間中の唯一の点は、工具中心点120である。ロボット14は、この工具中心点120の位置、速度、および回転を制御する。本明細書で述べたように、接触アーム42上で位置決め孔132を位置決めする特有の方法のために、製造されるあらゆる接触アーム42に関して、工具中心点120から位置決め孔132までの幾何学的関係は、実質的に同じである。方法200に従って製造されるあらゆる取付け具20に対して、位置決めピン47、接触アーム42、および接触アーム工具中心点120は、ロボット座標系17に関して実質的に同じ空間位置にあり、またロボットまたは他のマシニングセンタに対する工具中心点120の幾何学的関係は実質的に同じであるので、製造中に交換可能である。
本発明の諸実施形態は、本明細書では、研摩工具40などの加工する工具に即して述べられているが、本明細書で開示される部品、アセンブリ、機構、および方法は、例えば、ブリスクなどの複雑な部品の非破壊評価、および寸法検査など、他の状況においても同様に適用可能であることを理解されたい。この記載は、最良の形態を含む本発明を開示するために、また当業者が本発明を製作しかつ使用することを可能にするために、諸例を使用している。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲により定義されるが、当業者が想到する他の諸例を含むこともできる。このような他の例は、特許請求の範囲の文言と異なることのない構造的要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と非本質的な差を有する均等な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
12 部品
13 取付け具
14 ロボット
16 ロボットアーム
17 静止座標系、ロボット座標軸
18 部品座標軸
19 工具先端座標系
20 取付け具
21 工具プレート
22 工具取付けシステム
25 ベース
26 回転アクチュエータ
27 アダプタプレート
30 駆動システム
40 研摩工具
41 研摩ベルト
42 工具接触アーム
43 接触点
44 ローラ
45 ローラの回転軸
46 アームクランプ
47 アームロケータピン
48 キャップヘッドスクリュー
49 アームマウント
50 ばねブロック
51 ばねベース
52 圧縮ばね
53 調整ねじ
54 垂直フレーム
56 立上がりガセット
60 空気圧モータ
61 モータの回転軸
62 モータ往復台
63 ベルト駆動ホイール
64 モータハウジング
71 モータハウジングピボット
72 モータハウジング調整ピン
74 固定セットスクリュー
76 調整セットスクリュー
80 近接センサシステム
81 ブラケット
82 近接センサ
83 プランジャ
84 近接ターゲット
88 緩衝ブロック
90 モータハウジングマウント
92 レール
93 前部軸受
94 後部軸受
95 往復台ベース
96 チャネル
100 加工装置
110 クイック接続取付け具
112 空気供給管路
114 空気圧供給管路
116 電気的モジュール
120 工具中心点
122 アーム取付け位置決め孔
124 取付け孔
132 アーム位置決め孔
134 取付け孔

Claims (20)

  1. 部品に対して研摩作業を実施するためのシステムであって、
    ロボットアームを有するロボットと、
    取付け具と、
    前記取付け具を前記ロボットアームに取り付けるためのマウントシステムと、
    前記研摩作業中、前記部品に対する研摩工具の接触点の位置が一定に維持されるように前記取付け具上に取り付けられた、前記研摩工具を駆動するための駆動システムと
    を備えるシステム。
  2. 接触ローラを有する、前記取付け具上に取り付けられた接触アームをさらに備え、前記研摩工具が研摩ベルトを含む、請求項1記載のシステム。
  3. 前記研摩ベルトの張力を維持するために、前記取付け具に取り付けられるばねをさらに備える、請求項2記載のシステム。
  4. 前記駆動システムが、研摩中、摺動可能に支持されるモータ往復台上に取り付けられたモータを備える、請求項1乃至3のいずれか1項記載のシステム。
  5. 前記モータの軸の方向付けを調整するための手段をさらに備える、請求項4記載のシステム。
  6. 前記駆動システムが、前記取付け具上に枢動可能に取り付けられたモータハウジングにより支持されるモータを備える、請求項1乃至3のいずれか1項記載のシステム。
  7. 前記研摩工具の状態の変化を検出するための近接センサシステムをさらに備える、請求項1乃至6のいずれか1項記載のシステム。
  8. 前記研摩工具のトラッキングを調整するための手段をさらに備える、請求項1乃至7のいずれか1項記載のシステム。
  9. 前記駆動システムが空気圧モータを備える、請求項1乃至3のいずれか1項記載のシステム。
  10. 部品を研摩するための装置において、
    取付け具と、
    接触ローラを有する、取付け具上に取り付けられた接触アームと、
    前記接触ローラ周りで研摩ベルトを駆動するためモータであって、研摩中、前記研摩ベルトの接触点の位置が一定に維持されるように、前記取付け具上に取り付けられるモータと
    を備える装置。
  11. 前記研摩ベルトの張力を維持するために、前記取付け具に取り付けられるばねをさらに備える、請求項10記載の装置。
  12. 前記モータが、研摩中、摺動可能に支持されたモータ往復台上に取り付けられる、請求項10又は11記載の装置。
  13. 前記モータが、前記取付け具上に枢動可能に取り付けられたモータハウジングにより支持される、請求項10記載の装置
  14. 前記モータの軸の方向付けを調整するための手段をさらに備える、請求項10乃至13のいずれか1項記載の装置。
  15. 研摩ベルトの摩耗を検出するための近接センサシステムをさらに備える、請求項10乃至14のいずれか1項記載の装置。
  16. 前記研摩ベルトのトラッキングを調整するための手段をさらに備える、請求項10乃至15のいずれか1項記載の装置。
  17. 前記モータが空気圧モータである、請求項10乃至16のいずれか1項記載の装置。
  18. 前記モータが電気モータである、請求項10乃至16のいずれか1項記載の装置。
  19. 前記装置をロボットに取り付けるための手段をさらに備える、請求項10乃至18のいずれか1項記載の装置。
  20. 前記取付け具がアルミニウムから製作される、請求項10乃至19のいずれか1項記載の装置。
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