JP2011504528A - エチレンの重合法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】i) Ti、Mg及びハロゲンを含む固体触媒、ii) 式AlR3(式中、Rは、各々独立してC2〜C20アルキル基である)の少なくとも1つのトリアルキルアルミニウム化合物である第1の活性化剤、及びiii) 式AlR'2Cl (式中、R'は、各々独立してC2〜C20アルキル基である)の少なくとも1つのアルキルアルミニウムクロライドである第2の活性化剤を含む触媒系を用い、第2の活性化剤を、固体触媒と予備接触させずに、連続して或いは半連続で、及びポリエチレン生産速度に対して10質量ppm未満の塩素に対応するいかなる時点においても最大導入速度で重合反応器内に直接導入することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
一般に、塩素含有活性化剤の使用は、多くの潜在的な欠点を有する。おそらく、最大の欠点は、反応器、フレークコンベヤ、パージカラム又は大体が下流方法の他の部分、又は場合により、得られたポリマーにおいて、水分の存在下に著しい腐蝕性を引き起こし得る酸を形成する可能性である。
幾つかの一般的な背景を、活性クロライドを含まない触媒系を与えることを求めているUS 4,567,155に見出すことができる。クロライドの問題に取り組む試みにより、更に、EP 0718322 B1に記載されるような反応器の“不動態化”、及びWO 2004/082827に記載されるような触媒系の分解を阻止するか又は制限する条件下にハライド含有オレフィンオリゴマー化触媒系の不活性化が含まれている。
i) Ti、Mg及びハロゲンを含む固体触媒、
ii) 式AlR3(式中、Rは、各々独立してC2〜C20アルキル基である)で表される少なくとも1つのトリアルキルアルミニウム化合物である第1の活性化剤、及び
iii) 式AlR'2Cl (式中、R'は、各々独立してC2〜C20アルキル基である)で表される少なくとも1つのアルキルアルミニウムクロライドである第2の活性化剤、
を含む下記触媒系を用い、
第2の活性化剤を、固体触媒と予備接触(precontact)させずに、連続して或いは半連続で、及びポリエチレン生産速度に対して10質量ppm未満の塩素に対応するいかなる時点においても最大導入速度で重合反応器内に直接導入することを特徴とすることを含む、前記方法を提供する。
特に、アルキルアルミニウムクロライドを比較的低レベルで直接反応器内に導入すると、第2の活性化剤が反応ゾーンに良く分散され且つ全体の触媒活性を“微調整する”ために用いられることを可能にする。従って、具体的な触媒に対して、第1の活性化剤のレベルが比較的一定になり、例えば、予め調製された触媒の形の一部として、特にプレポリマーとしてすでに存在させることができ、全体の活性を維持するのに必要とされるように第2の活性化剤のレベルを反応器内で調整することができる。
更に、反応器内に活性化剤がないか又はトリアルキルアルミニウム活性化剤の使用よりも、本発明のアルキルアルミニウムクロライドを用いると、次のポリマー形態が著しく改善され得ることがわかった。
メチル基よりもむしろC2〜C20基を有するアルキルアルミニウムクロライドの使用は、本発明において重要である。特に、メチル基よりもむしろC2〜C20基を有するアルキルアルミニウムクロライドは、DMACより揮発性でない利点を有し、このことは、重合温度で反応ゾーンの外側に拡散させにくく、クロライドによる潜在的な腐蝕性の問題を減少させることを意味する。必要とされる活性増強を得るためにDEACとより高級なアルキルアルミニウムクロライドを添加することは、対応してより制御しやすい。
従って、本発明のアルキルアルミニウムクロライドが反応器内の凝集体や“ストリング”を避けつつ触媒生産性に対して正の影響を与えることがわかった。凝集体や“ストリング”は、活性が良く制御されない場合には生じ得るし(DMACによる具体的な問題であり得る)且つ生産の減少が生じ得るポリマーフィラメントである。このような凝集体や“ストリング”は、多量の触媒残渣を有する傾向があり、理論によって縛られることを望まないが、最初の高活性と反応熱の不充分な消散に起因すると考えられる。
Ti、Mg及びハロゲンを含む固体触媒は、適切ないかなる固体触媒であってもよい。このような触媒は、“チーグラーナッタ”触媒と一般に呼ばれる。触媒は担持されてもよく、この場合シリカが好ましい支持体であるが、好ましくは担持されていない。
触媒は、本質的にチタン、ハロゲン及びマグネシウムの原子を含有し、場合により耐火性酸化物、例えば、シリカ又はアルミナを含有していてもよい触媒でありえる。これは、マグネシウム金属、少なくとも1つのハロゲン化炭化水素及び少なくとも1つの四価のチタン化合物との間に反応を含む方法によって調製することができる。このような方法は、例えば、フランス特許第2,099,311号及び同第2,116,698号に記載されている。
触媒は、特に耐火性酸化物、例えば、シリカ及び/又はアルミナをベースにした粒状支持体を含むことができる。このような触媒は、粒状支持体を(a)ジアルキルマグネシウム及び場合によりトリアルキルアルミニウム、(b)ハロゲン化炭化水素、例えば、モノハロゲン化炭化水素、及び(c)四価のチタン化合物と接触させることを含む方法によって調製することができる。このような方法は、欧州特許出願EP-A-453,088に記載されている。
触媒は、また、欧州特許出願EP-A-336,545に記載されるような塩化マグネシウム支持体、特に予め活性された支持体を含有することができる。このタイプの触媒は、塩化マグネシウム支持体を(a)チタンの還元剤である有機金属化合物、(b)四価のチタン化合物及び(c)場合により1つ以上の電子供与体化合物と接触させることを含む方法によって調製することができる。このような方法は、フランス特許出願FR-A-2,669,640に記載されている。
触媒は、そのままの固形物の形で又は、特にそれが気相重合に用いられる場合、プレポリマーの形で用いることができる。プレポリマーは、触媒を、有機金属助触媒の存在下に、例えば炭素原子2〜8個含有する、1つ以上のオレフィン、例えば、エチレン又はエチレンとC3-C8オレフィンとの混合物と接触させすることによって得られる。一般に、得られたプレポリマーは、チタン1ミリモル当たり0.1〜200g、好ましくは10〜100gのポリマーを含有する。
第2の活性化剤を直接反応器へ添加することは本発明の方法に重要であるが、第1の活性化剤の添加はあまり重要でない。従って、第1の活性化剤は、直接反応器に添加されてもよく、反応器の前の固体触媒と予備接触されてもよく、双方の組み合わせが用いられてもよい。第1の活性化剤を直接反応器に添加してもよいが、この場合、第2の活性化剤は、好ましくは、第1の活性化剤と別々に導入される。第1の活性化剤(及び固体触媒)を導入する特に好ましい一方法は、第1の活性化剤と固体触媒及びエチレンとを接触させて、プレポリマーを形成し、その後これを反応器に導入するものである。プレポリマーは、例えば、固体触媒、水素及び第1の活性化剤の存在下にスラリー相中でエチレンを重合させ、その後形成されたプレポリマーを乾燥させることによって形成することができる。プレポリマーは、典型的には、ポリエチレンを10〜100gポリエチレン/ミリモルTi、好ましくは25-40グラムのポリエチレンミリモルTiの量で含む。
触媒系における第1の活性化剤とTiとのモル比は、当業者に知られる広い限度にわたって変動させることができ、用いられる正確な触媒及び導入法に左右される。第1の活性化剤がプレポリマーの形で用いられる場合、例えば、第1の活性化剤とTiとの好ましいモル比は、3モル/モル未満、好ましくは2モル/モル未満、例えば、1〜2モル/モルの範囲である。
第2の活性化剤を固体触媒と予備接触させずに直接反応器へ添加することは、本発明の方法に重要である。適切には1つ以上の別々の注入ノズルが第2の活性化剤の導入に備えられている。
誤解を避けるために、第2の活性化剤が本発明の方法において導入される重合反応器は、全体の重合法に存在する唯一の反応器であってもよく、一連の反応器の1つであってもよい。一例として、第2の活性化剤が本発明の方法において導入される反応器は第2の反応器であってもよく、ここで、プレポリマー化反応器は第1の反応器として存在する。第2の活性化剤が本発明の方法において導入される反応器は、また、例えば、US 4703094、US 5665818及びUS 6184299に記載されている2つ以上の気相反応器を用いた多段気相方法の1つであってもよい。更に一例として、本発明の方法は、WO 2004/039847に記載されているように、スラリー反応器に続いて気相反応器を備える2つ(以上)の反応器系の気相反応器において行われてもよい。
一連の反応器が存在する場合、第2の活性化剤を導入することができる反応器は、第2の活性化剤が反応器の前の固体触媒と予備接触させずに導入される限り、一連の反応器のいずれであってもよい。
ポリエチレン製造の間、第2の活性化剤をポリエチレン生産速度に対して10ppm未満の塩素に対応するいかなる時点においても最大導入速度で連続して或いは半連続で導入されることも重要である。例えば、10,000kg/時間の速度でポリエチレンを製造する方法の場合、いかなる時点においても第2の活性化剤の最大導入速度は、0.1kg/時間の塩素に相当する速度を超えることができない。
最も好ましくは、第2の活性化剤は、ポリエチレン製造の間、連続して導入される。
第2の活性化剤の導入速度は、瞬間速度とみなすこともできる。本発明の方法によれば、ポリエチレン生産速度に対して10ppmの塩素より多い量で、例えば、一回の注入として或いは短時間に比較的大きなアリコートとして第2の活性化剤を添加することは、このことがより長い時間にわたってポリエチレン生産速度に対して平均10ppm未満の塩素を生じるとしても除外される。このことは、アルキルアルミニウムクロライドの使用と関連する腐食リスクが許容され得るレベルに維持されることを確実にする。特に、このようなレベルで、腐食を引き起こすことになる酸性クロライドの主な供給源は、触媒によってなお供給される。
好ましくは、第2の活性化剤は、生成されるポリエチレンに対して5ppm未満の塩素に対応する、より好ましくは3ppm未満、最も好ましくは2ppm未満に対応するいかなる時点においても最大速度で導入される。
好ましくは、第2の活性化剤は、0.5モル/モル未満、より好ましくは0.2モル/モル未満、例えば、0.05〜0.15モル/モル範囲の第1の活性化剤に相対する比率で供給される。
第2の活性化剤の導入が連続して行われる場合でさえ、第2の活性化剤の導入速度は、特定のいかなる時点でも最大導入速度より低く維持することを条件として経時変動してもよい。しかしながら、ポリエチレン製造の速度に対して望ましい導入速度に対応する第2の活性化剤の本質的に一定の導入速度を有することが一般に好ましい。
i) Ti、Mg及びハロゲンを含む固体触媒、及び
ii) 式AlR3(式中、Rは、各々独立してC2〜C20アルキル基である)で表される少なくとも1つのトリアルキルアルミニウム化合物である第1の活性化剤
を含む触媒系を用い、
式AlR'2Cl(式中、R'は、各々独立してC2〜C20アルキル基である)で表される少なくとも1つのアルキルアルミニウムクロライドである第2の活性化剤を、固体触媒と予備接触させずに、連続して或いは半連続で、及びポリエチレン生産速度に対して10ppm質量未満の塩素に対応するいかなる時点においても最大導入速度で、重合反応器内に直接導入することを特徴とする、前記方法を提供する。
本明細書に用いられるエチレンの重合に関して“連続”とは、ポリエチレン生成物が重合法の間に反応器から取り出され、ポリエチレン生成物として取り出されるエチレンを置き換えるためにエチレンが反応器に連続して供給されることを意味する。このような方法は、ポリマー生成物が反応の終了後に反応器から取り出されるだけであるいわゆる“バッチ”反応と対比され得るものである。重合法は連続と呼ばれるが、反応器からポリエチレン生成物を取り出すことは連続であっても半連続であってもよい。
重合は、好ましくは、欧州特許出願EP-0 802 202、EP-0 855 411、EP-1 644 423、フランス特許第2,207,45号又はフランス特許第2,335,526号に記載されるような重合自体及び装置が既知の技術に従って垂直の流動床反応器内で行われる。本発明の方法は、非常に大きなサイズの工業規模の反応器に特によく適している。
生産速度を維持するために、必要とされる方法に、通常は連続又は半連続方法で、新たな触媒、助触媒及びモノマーが添加される。
本発明の方法はエチレンのコポリマーの製造に特に適している。本発明の方法においてエチレンと組み合わせて用いられる好ましいα-オレフィンは、炭素原子4〜8個を有するものである。好ましいα-オレフィンは、ブタ-1-エン、ペンタ-1-エン、ヘキサ-1-エン、4-メチルペンタ-1-エン、オクタ-1-エン及びブタジエンであり、最も好ましいコモノマーは、ヘキサ-1-エンである。
液体が再循環ガス流から凝縮する場合には、凝縮性モノマー、例えば、コモノマーとして用いられるブタ-1-エン、ヘキサ-1-エン、4-メチルペンタ-1-エン又はオクタ-1-エン、及び/又は選択できる不活性凝縮性液体、例えば、C4-C8アルカン類又はシクロアルカン類、特にブタン、ペンタン又はヘキサンのような不活性炭化水素類であり得る。
方法は、オレフィンを0.5〜6MPaの絶対圧力及び55〜135℃、好ましくは80℃〜120℃の温度で重合させるのに特に適している。
以下の実施例及び図1〜3については本発明を例示していない:
図1〜3は、本発明の方法とある種の比較例に従って得られたポリマーのSEM写真を示す図である。
触媒生産性は、反応器内に導入されるチタン1ミリモルに対して得られるポリマーの質量(kg)として表される。MI2.16は、2.16kgの荷重を用いて190℃におけるASTMD-1238(条件A)の手順を用いて測定されたものである。密度は、ASTM-D-792に従って測定されたものである。
通常は自由流動性ポリマー粉末より大きい触媒残渣を含有する溶融ポリマーの存在は、“凝集指数”: なし(凝集体が全くない)、低(小さなサイズのわずかな凝集体)、高(大きな部分の溶融ポリマーの存在)によって説明される。
粉末形態をZeiss DSM 982を用いて走査電子顕微鏡法(SEM)によって調べた。そのために、粉末の試料をメタライゼーション工程(Pt/Pd - 5nm厚さ)にかけた。写真を元の倍率の1500倍で記録した。
触媒をEP 0703246 B1の教示に従って調製する。特に、4.6m3のヘキサン、5.5kgのヨウ素、3160モルのマグネシウム、29モルのイソブタノール、60モルのチタンテトラ-n-プロポキシド及び60モルのn-ブチルクロライドを、150毎分回転数で回転する機械的撹拌システムを取り付けた10m3の反応器に導入した。次に、反応器を反応が開始するまで、85℃、次に、80℃の温度に加熱した。この温度で400モルの四塩化チタン、340モルのチタンテトラ-n-プロポキシドを反応器に導入し、次に、4700モルのn-ブチルクロライドを240分にわたって導入した。このようにして得られた混合物を80℃で2時間の撹拌した。次に、48モルのジメチルホルムアミドを添加し、反応混合物を80℃で更に1時間撹拌した。反応器を30℃に冷却し、固体触媒を3.9m3のヘキサンで3回洗浄した。このようにして触媒をヘキサン中の懸濁液として得た。
懸濁液から固形物の画分を集め、乾燥した。これは、Ti: 8; Cl: 50; Mg: 15を含む(質量%)。
10m3のヘキサン、192モルのトリ-n-オクチルアルミニウム及び120モルのチタンを含有するすでに調製された触媒の量を、窒素雰囲気下に維持した23m3の反応器に導入し、連続して撹拌し、70℃に加熱した。次に、水素とエチレンをそれぞれ500kg/hと250g/hの一定の流量で6時間40分導入した。プレポリマー化工程の間、約1バールの反応器圧力の増加が認められる。この時間の終わりに、反応器を脱ガスし、その含量を機械的に撹拌された蒸発器に移し、ヘキサンを75℃に加熱した窒素循環によって除去した。チタン1ミリモル当たり40gのポリエチレンを含有する3800kgのプレポリマーを得た。
エチレン分圧を一定に保持するようにエチレンを連続導入したオートクレーブ内で実施例1〜9を行う。バッチ反応器内で活性化剤の比較的多量の最初の注入によって行われるので、少なくともこれらの理由ですべて“比較”であるが、本発明の利点の一部を示すのに役立つものである。
機械的スターラを備え、85℃で減圧乾燥した後に不活性雰囲気下で調整された5Lのステンレス鋼オートクレーブを、500gのポリエチレンペレットで充填した。流動床の分散をシミュレートするためにポリマーペレット床を効率的な撹拌によって維持した。反応器を50℃に冷却し、次に、上で調製した7.0gのプレポリマーを反応器内で導入した。反応器を88℃で加熱し、1.4MPaのガス分圧下で窒素及び0.4MPaのガス分圧下で水素を導入した。0.6MPaのガス分圧下でエチレンの急速な導入(20秒)によって重合を開始した。モノマーガス分圧を一定に保持するように、エチレンを質量流量計によって連続して且つ自動的に計量した。重合処理及び圧力と温度の安定化の20分後に、ヘキサン溶液(濃度: 15ミリモル/l)として105μモルのジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)を反応器内に流した。DEAC導入の100分後に、重合を急速なガス抜きによって停止し、オートクレーブを室温まで冷却した。篩分けによるペレットから分離した後、得られたポリエチレンを自由流動性ポリマーとして回収した。
ポリマーで行われる分析と、以下に記載される次の比較実施例の結果を、表1にまとめる。
本実施例からのポリマーフレークのSEM写真を図1に示す。
DEACを重合の間に添加しなかった以外は実施例1の重合条件下に重合を行った。
得られたポリマーフレークのSEM写真を図2に示す。
DEACの代わりに105μモルのジメチルアルミニウムクロライド(DMAC)をヘキサン溶液(濃度: 15ミリモル/l)として添加した以外は実施例1の重合条件下に重合を行った。
DEACの代わりに105μモルのトリエチルアルミニウムクロライド(DMAC)をヘキサン溶液(濃度: 15ミリモル/l)として添加した以外は実施例1の重合条件下に重合を行った。
得られたポリマーフレークのSEM写真を図3に示す。
DEACの代わりに105μモルのトリイソブチルアルミニウム(TIBA)をヘキサン溶液(濃度: 15ミリモル/l)として添加した以外は実施例1の重合条件下に重合を行った。
機械的スターラを備え、85℃で減圧乾燥の後に不活性雰囲気下に調整した5Lのステンレス鋼オートクレーブを、500gのポリエチレンペレットで充填した。ポリマーペレット床を、流動床の分散をシミュレートするために効率的に撹拌しながら維持した。反応器を50℃に冷却し、105μモルのジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)をヘキサン溶液(濃度: 15ミリモル/l)として添加した。次に、Bにおいて調製された7.0gのプレポリマーを反応器内に導入した。反応器を88℃に加熱し、1.4MPaのガス分圧下に窒素及び0.4MPaのガス分圧下に水素を導入した。プレポリマーの導入の10分後に、0.6MPaのガス分圧下にエチレンの急速な導入(20秒)から重合を開始した。モノマー分圧を一定に保持するようにエチレンを質量流量計によって連続して且つ自動的に計量した。120分後、重合を急速なガス抜きによって停止し、オートクレーブを室温に冷却した。得られたポリエチレンを、篩分けによってペレットから分離した後に自由流動性ポリマーとして回収した。
ポリマーについて行われた分析の結果を表1にまとめる。
DEACの代わりに105μモルのジメチルアルミニウム(DMAC)をヘキサン溶液(濃度: 15ミリモル/l)として添加した以外は実施例6の重合条件下に重合を行った。
DEACの代わりに105μモルのトリエチルアルミニウム(TEA)をヘキサン溶液(濃度: 15ミリモル/l)として添加した以外は実施例6の重合条件下に重合を行った。
DEACの代わりに105μモルのトリイソブチルアルミニウム(TIBA)をヘキサン溶液(濃度: 15ミリモル/l)として添加した以外は実施例6の重合条件下に重合を行った。
実施例1と実施例3との比較により、DEACがDMACを用いるよりより高い収量、生産性及び良好なH2応答を与えることを示す。既述のとおり、DMACと比較したDEACのより小さい揮発性は、より簡単な取扱いと腐食リスクの減少を可能にする。
実施例1と実施例4及び5との比較により、ポリマー収量、生産性及び水素応答がより高く、凝集体が少ないことを示す。今回は更にトリアルキルアルミニウム化合物と比較されるDEACを用いている。
実施例6〜9は、第2の活性化剤化合物が反応器の前の触媒と予備接触した場合に得られた結果を示すものである。
実施例1と実施例6との比較により、予備接触がないことにより、収量、生産性及び重合の間に形成された凝集体の数に関してより良好な結果になることを示す。
図1〜図3は、実施例1、2及び4から得られる異なる粒子形態を示す写真である。図1と図3の比較により、DEACを含む反応がTEAの使用より“軟らかい”(より発熱反応でない)ことを示す。特に、TEAの存在下で形成されるフレークは、より高い温度/溶融を示すより平滑な表面を有する。このことは、凝集体を形成するリスクと暫定的に相関し得るものである。対照的に、図1と図2の比較により、DEACを含む反応が第2の活性化剤化合物が存在しないときに形成されるものよりはるかに似たポリマー結晶粒の形態になることを示す。
エチレンと1-ヘキセンとの気相重合を流動床反応器内で行った。反応器は、EP0855411の図2に概略的に示される通りであり、底に流動化グリッドを取り付けた直径が5mの円筒形の部分を備えている。実施例10〜19には16mの床の高さを用いた。
実施例10〜19の各々には、エチレン、1-ヘキセン、水素及び窒素を含む反応ガス混合物を、2Mpaの絶対圧で、0.6m/sの上昇速度で、及び表2に示される温度で、流動床に通過させた。
各実施例に対して重合反応器に添加される触媒は、実施例Bにおいて調製されたプレポリマーの形であった。
ジエチルアルミニウムクロライドをn-ペンタンの希釈液(4質量%のDEAC濃度)として反応器に導入した。触媒との予備接触工程を含まずに、DEACを1つ或いは複数の液体注射ノズルを介して中に注入する。
反応器出力速度を各条件に対して進行的に増加し、凝集体の形成、静電気のレベル及びホットスポットの存在を、生産と共にすべてモニタした。
各実施例の定常状態条件下の一般重合パラメーターを表2にまとめる。反応器汚れの徴候は、これらの条件下に見られなかった。
各評価の結果は、一貫しており、低レベルの本発明でさえ、活性化剤としてトリアルキルアルミニウム(この場合にはトリ-n-オクチルアルミニウムをプレポリマーに添加した)の単独使用と比較して具体的な各評価に対して触媒と予備接触させずに反応器にDEACを添加することの利点を示す。
特に、各評価について:
(1)水素の要求は、DEAC/Ti比率が増加するにつれて著しく減少する(同一のMIを得るのと、前の実施例によって示される“より高い水素応答”に相当するのにより小さいH2/C2比率が必要とされる事実によって示される)、
(2) DEACが増加する場合に触媒生産性が改善される。このことは、ポリマー中のより少ないチタン残渣によって示され、通常用いられるエチレン分圧より低く、滞留時間がより短いにもかかわらず、触媒活性が大幅に増加することを意味する、
(3)反応器内にホットスポット或いは凝集体の出現がなくDEACによってより高い反応器出力速度が達成され得る。
Claims (10)
- 重合反応器におけるエチレンの連続重合法であって:
i) Ti、Mg及びハロゲンを含む固体触媒、
ii) 式AlR3(式中、Rは、各々独立してC2〜C20アルキル基である)で表される少なくとも1つのトリアルキルアルミニウム化合物である第1の活性化剤、及び
iii) 式AlR'2Cl (式中、R'は、各々独立してC2〜C20アルキル基である)で表される少なくとも1つのアルキルアルミニウムクロライドである第2の活性化剤、
を含む下記触媒系を用い、
第2の活性化剤を、固体触媒と予備接触させずに、連続して或いは半連続で、及びポリエチレン生産速度に対して10質量ppm未満の塩素に対応するいかなる時点においても最大導入速度で重合反応器内に直接導入することを含むことを特徴とする、前記方法。 - 第2の活性化剤が、第1の活性化剤に対して0.2モル/モル未満の比率で供給される、請求項1に記載の方法。
- 第2の活性化剤が、生成されるポリエチレンに対して5質量ppm未満の塩素に対応するいかなる時点においても最大速度で導入される、請求項1又は2に記載の方法。
- 第2の活性化剤が、生成されるポリエチレンに対して2質量ppm未満の塩素に対応するいかなる時点においても最大速度で導入される、請求項3に記載の方法。
- 式AlR3の少なくとも1つのトリアルキルアルミニウム化合物が、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリプロピルアルミニウム、トリ(イソブチル)アルミニウム(TiBA)、トリ(n-ブチル)アルミニウム(TnBA)、トリ(n-ヘキシル)アルミニウム(TnHA)及びトリ(n-オクチル)アルミニウム(TnOA)より選ばれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 第1の活性化剤を、反応器の前の固体触媒と予備接触させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 第1の活性化剤を固体触媒とエチレンと接触させて、プレポリマーを形成し、その後、これが反応器に導入される、請求項6に記載の方法。
- 式AlR'2Clの少なくとも1つのアルキルアルミニウムクロライドが、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)、ジプロピルアルミニウムクロライド(DnPrAC)、ジ(イソブチル)アルミニウムクロライド(DiBAC)及びジ(n-ブチル)アルミニウムクロライド(DnBAC)より選ばれる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 式AlR'2Clの少なくとも1つのアルキルアルミニウムクロライドがDEACである、請求項8に記載の方法。
- 重合反応器においてエチレンの連続重合によって得られるポリエチレンの白色度を改善する方法であって、重合法が:
i) Ti、Mg及びハロゲンを含む固体触媒、及び
ii) 式AlR3(式中、Rは、各々独立してC2〜C20アルキル基である)で表される少なくとも1つのトリアルキルアルミニウム化合物である第1の活性化剤、
を含む触媒系を用い、
式AlR'2Cl(式中、R'は、各々独立してC2〜C20アルキル基である)で表される少なくとも1つのアルキルアルミニウムクロライドである第2の活性化剤を、固体触媒と予備接触させずに、連続して或いは半連続で、及びポリエチレン生産速度に対して10質量ppm未満の塩素に対応するいかなる時点においても最大導入速度で、重合反応器内に直接導入することを含むことを特徴とする前記方法。
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