JP2011500028A - 果汁の香味特性および鮮度指標の調節 - Google Patents

果汁の香味特性および鮮度指標の調節 Download PDF

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Abstract

果汁、具体的には柑橘系果汁、特にオレンジ果汁の香味特性および新鮮味の調節は、リモニン、イソリモニン、ノミリン、およびそれらの混合物からなる群より選択される化合物の前記果汁中の濃度を、それらの味覚閾値未満のレベルに調節することを含む。

Description

関連出願の相互参照
本願は、参照することによりその全体が本明細書に援用される、「果汁の香味特性および鮮度指標の調節(Control of Flavor Characteristics of and Indicator of Freshness in Fruit Juice)」という発明の名称で2007年10月9日に出願した米国仮特許出願第60/978,515号の利益を主張する。
本発明は、果汁の香味特性および新鮮味の調節に関する。具体的には、本発明は柑橘系果汁、特にオレンジ果汁の香味特性および新鮮味の調節に関する。
柑橘系の果物は重要な栄養素の貴重な供給源として認識されている。最近では、柑橘系に由来する健康の利益および、疾病の抑制または治療の利益は、摂取した場合に有利かつ有益であることがさらに十分に認識されるようになってきた。従って、多くの人が、柑橘系に由来する食品の摂取の増大が人間の健康の全般的な成り立ちにおける有益かつ重要な目的であると考えている。柑橘系の果物はまた、単純にそれらが香味豊かであることから、多くの消費者に楽しまれている。
柑橘系製品の摂取の便利な方法のひとつは、果汁の形態である。果汁は容易に作ることができ、便利に輸送および消費することができる。新鮮な、あるいは「濃縮物由来ではない」果汁は、その香味および質から珍重されている。果汁はまた、濃縮した後、消費者の都合の良い時に再構成することもできる。濃縮果汁はまた、効果的かつ費用効率が高い方法で、その起源から消費者に分配される。また果汁は固形食を食するのが困難な人々に、果物よりも容易に消費されうる。
しかしながら、一部の消費者は、苦味、酸味、異臭、渋味、褐変、および、とろみ(thick consistency)など、柑橘系の果汁の特定の特性を嫌う。グレープフルーツ、オレンジ、ミカン、ライム、およびレモンを含めたすべての柑橘系果物には、これらの懸念事項が存在しうる。一部の消費者は、甘味度の低いジュースを好むが、他者は非常に甘い製品を好む。さらには、例えばその時期の始まりから終わりまで、香味特性の一貫性を達成するのが困難な場合がある。
苦味は、消費者にとっての主な懸案事項である場合が多い。低レベルの苦味は、多くの消費者にジュースの官能特性および特徴への望ましい貢献を提供しうる。これらの消費者は、低レベルの苦味のピリッとした香味を楽しむ。しかしながら、ほとんどの消費者はまた、過剰な苦味が果汁の官能特性および特徴に悪影響を与え、消費するには不快にさせてしまうことも承知している。消費者はまた、苦味を濃縮果汁および/または低品質の果汁に伴う鮮度の欠如と結び付けて考えることが多い。
苦い香味は、各種の柑橘系果物にさまざまな量で認められる。これらの香味の濃度には、同一果物の品種間、および同一品種の果物の時季の始めから終わりまでの間で差がある。したがって、果物の起源、その時季、および他の変数は、果物の苦い香味の濃度に影響を与える。
渋味は、消費者がしばしば好ましくないと感じる、果汁、特に柑橘系果汁の特性である。特に、柑橘系果汁の渋味は、ベルベットのような口にまとわりつく感覚として特徴付けられることが多い。この口当たりは、多くの消費者に不快であるとみなされる。
消費者はまた、果汁の酸味にも関心がある。柑橘系ジュースは、消費者に酸っぱいと考えられることが多い。消費者は、しばしば、酸味には、不快感を与えるほどピリッとする味のみならず、胃の不調または不快感、およびおくびが付き物であると考えている。
今日まで、苦味、酸味、および他の好ましくない官能特性および特徴を低減させるために、典型的には選択した化合物を除去することによる、限定された努力がなされてきた。リモニンはこのような化合物の1つである。他の方法は、果汁起源に由来する種および果皮などの果物の一部を取り除き、苦い香味の濃度を最小限に抑えることである。
また鮮度は、消費者が望む特性である。濃縮物から得られるジュースは、しばしば生のジュースよりも品質が劣ると考えられる。冷凍のジュースおよびジュース濃縮物のさまざまな処理方法が知られている。しかしながら今日まで、生であるか冷凍であるかにかかわらず、香味に悪影響を被り、完全に満足できるジュースではない、濃縮物由来のジュースが市販されている。
よって、苦い香味が、消費者が一般に心地よいと感じ、過剰に苦くない制限内に調節された果汁が必要とされている。新鮮な味のする果汁もまた必要とされている。
本発明の第1の実施の形態は、果汁、とりわけ柑橘系の果汁における苦味の調節に関する。
本発明の第2の実施の形態は、重要な苦い香味の濃度を調節することによる、柑橘系ジュースにおける苦味および鮮度の調節に関する。
本発明の第3の実施の形態は、果汁、とりわけオレンジ果汁における渋味の調節に関する。
本発明の第4の実施の形態は、果汁、とりわけオレンジ果汁における酸味の調節に関する。
本発明の第5の実施の形態は、果汁、とりわけオレンジ果汁における甘味の調節に関する。
リモニン−17−β−D−グルコピラノシド(1)が酵素分解され、リモノエートA環ラクトン(2)を経て、苦い味のするリモニン(3)を与える反応スキーム。 20℃で保存した、リモニン−17−β−D−グルコピラノシド(1)の水溶液中での時間依存性のリモニン(3)の形成におけるpH値の影響。 pH3.0におけるリモニン−17−β−D−グルコピラノシド(1)の水溶液中での時間依存性のリモニン(3)の形成における温度の影響。 30℃で10週間インキュベートしたリモニン−17−β−D−グルコピラノシド(1)の水溶液(pH3.0)から得られた、リモニン(3)および未知の加水分解生成物(4)のピークを示す、RP−HPLC−MS/MSクロマトグラム。 精製したC17−エピリモニン(4)の1H NMRスペクトル(400MHz)。 リモニン−17−β−D−グルコピラノシド(1)の加水分解により、重要な中間体としてのフルフリリデンのカルボカチオンを経て、リモニン(3)およびC17−エピリモニン(4)を得ることを示す、反応シーケンス。 時間の関数としての、20℃におけるオレンジ果汁の保存の際のリモニン(A)およびC17−エピリモニン(B)の生成。 経時による、オレンジ果汁の熱処理の際のリモニンおよびC17−エピリモニンの生成(A)およびC17−エピリモニン/リモニンの比(B)。
本発明は、果汁の香味特性の調節に関する。特に、本発明の実施の形態は、重要な苦い香味の濃度を調節することにより、柑橘系果汁における苦味を調節し重要な渋味特性の発生を調節することにより渋みを調節し、酸の濃度および相対的比率を調節することにより酸味を調節し、糖の濃度および相対的比率を調節することにより甘味を調節することに関する。
本発明はまた、果汁に新鮮味を付与することに関する。特に、本発明の実施の形態は、果汁の成分を調節して果汁の味を新鮮にすることに関する。
当業者は、食品中の香味成分の濃度は、消費者がその香味成分を感じる前に、閾値を上回る必要があることを認識している。渋味および苦味など、異なる香味特性の感覚閾値は異なっている。したがって、香味特性に寄与する化合物の同定における今日までの作業は、相対的な味覚閾値を超える濃度で存在するそれらの化合物を対象としてきた。
本発明者らは、柑橘系果汁、特にオレンジ果汁の苦味が、少なくともある程度、3つの苦味物質群の相互作用によって生じ、果汁中の砂糖の濃度の影響を受けていることを発見した。これら3つの苦味物質群と砂糖の間の相乗作用の発見は、柑橘系果汁における苦味を調節する能力の基礎を形成するものである。3つの苦味物質群と砂糖がオレンジ果汁における苦味の感覚を調節することは、今日まで、当業者には知られていなかったことである。
オレンジ果汁に苦味を生じる物質として当業者に知られているリモニンは、単独では、オレンジ果汁の全般的な苦味の原因ではない。むしろ、オレンジ果汁における苦味は、次の3つの苦味物質群:
(1)リモニン、イソリモニン、および、微量のノミリン;
(2)ポリメトキシル化フラボン(PMF);および
(3)リモノイドβ−D−グルコピラノシド
の相互作用によって生じる。
よって、果汁の砂糖の濃度の調節と共に、これらの成分の相対濃度を調節することは、果汁における苦味の感覚を調節するであろう。
これらの苦味物質群の構成要素の濃度は、品種、成長および収穫時期(すなわち、時季が早いか、最盛期か、または遅いか)、および処理条件の関数として変化する。例えばリモニンは、遅い時季に収穫されたオレンジから果汁を入手した場合よりも、時季の始めまたは半ばに収穫されたオレンジから得られた果汁において、大いに形成されることが判明した。3つの苦味物質群と砂糖との関係を理解することで、これらの成分を含む、オレンジ果汁、および柑橘系果汁の苦味を調節できる。
これらの苦味物質群の構成要素の味覚閾値を次の表に記載する:
Figure 2011500028
Figure 2011500028
これらの化合物の構造式に見られるように、これらの苦味物質群の構成要素は、通常の構造特性を有している。
本発明は、PMFおよび微量のノミリンの閾値未満の濃度が、果汁などのオレンジ製品におけるリモニン誘発性の苦味を促進することを見出した。当業者は、味覚閾値未満で存在する化合物が苦味に寄与するとは予期しなかったであろうことから、この結果は驚くべきことである。
ノミリンは、ハムリンオレンジの果汁では閾値濃度に近く、時季の始めには閾値に達しうる。リモノイドβ−D−グルコピラノシドは、ハムリンおよびバレンシアオレンジの両方の果汁において、閾値を上回る。
これら苦味物質群のこれらの構成要素は非常に苦い。特にそれらは、典型的には炭酸飲料およびお茶に見られる化合物よりもはるかに苦い。例えばリモニンはカフェインよりも200倍近く苦く、カテキンよりも150倍苦い。ノミリンはカフェインよりも150倍近く苦く、カテキンよりも45倍苦い。
苦味物質群の各構成要素が味覚閾値を有するのに対し、苦味は濃度とは直線的に相関しない。例えば、成分の濃度が倍加しても、苦味は2倍にならない。さらには、本発明者らは、化合物が苦味に寄与するためには、化合物の濃度が味覚閾値に達することを必要としないことを見出した。それどころか、成分は個別の部の合計から予想されるよりも強い苦味を相乗的に生じさせる作用をする。
砂糖は糖度で測定される。本発明者らは、ブリックスが高くなると、また特に糖酸比が高くなると、感知される苦味が低くなることを見出した。
よって、本明細書が提供する指導に従い、当業者は、ブリックス、および特に糖酸比、果汁製品におけるこれらの苦味物質群のこれら構成要素の濃度を調節することによって、柑橘系の果汁の苦味を調節することができる。例えば、イオン交換、蒸留、または逆浸透などの適切な処理により、これらの化合物の濃度を低減させることができる。同様に、各化合物をさまざまな濃度で有する異なる果汁を混合し、これらの化合物濃度が苦味を生じる濃度未満の果汁をもたらすことができる。
本発明者らは、リモニンがさまざまな経路で形成されることを発見した。典型的には、味覚閾値を超える濃度のリモニンは、丸ごとの果物には見られない。しかしながら、リモニンは酵素によってラクトン化反応が加速されることにより形成される。
図1は、この経路を例証している。リモニン−17−β−D−グルコピラノシド(化合物1)は、17−β−D−グルコピラノシルグルコシダーゼの作用により転換されて、リモネートA環ラクトース(化合物2)を形成する。リモニンD環ラクトン加水分解酵素の存在下、酸性条件(pH<6.5)でこのラクトンを還元してリモニン(化合物3)を形成する。果物が熟すると、A環ラクトンがリモニン−17−β−D−グルコピラノシドに転換されることから、グルコシドの濃度は約200wppmに上る。
また、リモニンは酸加水分解を通じて果汁中に生じると考えられている。この酸加水分解はpHの低下および温度と時間の増大によって加速される。よって、果汁中のリモニンを調節する他の方法は、加熱の回避、一定時間、低温での果汁の保存、および/または果汁のpHを増大させることである。
苦味物質群の各構成要素の濃度は高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)で決定することができる。しかしながら、液体クロマトグラフィー/質量スペクトル(LCMS)解析またはLCMS/MS解析は、さらに信頼のおける測定を提供するであろう。当業者は、苦味物質群の構成要素の濃度を測定する、これらおよび他の方法を理解するであろう。
本発明者らは、苦味と同様に、オレンジ果汁中に渋味の閾値未満で存在する複数の化合物が、ジュースの収斂性の口当たりに寄与することを発見した。これらの収斂化合物の味覚閾値を、個別に次の表に記載する:
Figure 2011500028
よって、本明細書に提供される指導に従って、当業者は、果汁製品中のこれらの収斂化合物の濃度を調節することによって、柑橘系果汁の渋味を調節することができる。例えば、これらの化合物の濃度は、イオン交換、蒸留、または逆浸透などの適切な処理により、低減することができる。同様に、各化合物をさまざまな濃度で有する異なる果汁を混合して、これらの化合物の濃度が収斂味をもたらす濃度未満の果汁を得ることができる。
酸味もまた消費者にとって関心の対象である。酸味のある製品は不快であり、ピリッとする味を有する。さらには、酸味は、しばしば胃の不調および胃および食道の損傷、およびおくびを生じさせる。
本発明者らは、感知される酸味が、少なくともリンゴ酸とクエン酸の相対濃度と関係していることを発見した。これらの化合物の濃度および相対的比率は、酸味の知覚に影響を与える。
リンゴ酸およびクエン酸の酸味の閾値はそれぞれ、当技術分野で知られている。これらの酸の相対的比率は、異なる品種および時季の果汁間で変化するが、酸は、典型的には上記の酸味閾値であり、したがって酸味の味覚に寄与する。
よって、本明細書に提供される指導に従って、当業者は、果汁製品中のこれらの酸の濃度を調節することにより、柑橘系果汁の酸味を調節することができる。例えばこれらの酸の濃度は、イオン交換、蒸留、または逆浸透などの適切な処理により、低減することができる。同様に、各酸をさまざまな濃度で有する異なる果汁を混合して、これらの酸の濃度が酸味をもたらす濃度未満のジュースを得ることができる。
甘味もまた消費者にとって関心の対象である。一部の消費者は甘い味を好むのに対し、他者はそうではない。したがって、甘味を調節する能力は、消費者の満足感を増大させる機会を与えてくれる。
本発明者らは、感知される甘味が、少なくとも、糖類であるブドウ糖、果糖、およびショ糖の相対濃度に関係することを見出した。これらの糖類の濃度および相対的比率は甘味の知覚に影響を及ぼす。
ブドウ糖、果糖、およびショ糖の甘味の閾値は当技術分野で知られている。これらの糖類の相対的比率は異なる品種および時季のジュース間で変化する。しかしながら、本明細書に提供される指導に従って、当業者は、ジュース製品中のこれらの糖類の濃度を調節することにより、柑橘系果汁の甘味を調節することができる。例えば、これらの糖類の濃度は、イオン交換、蒸留、または逆浸透などの適切な処理により、低減することができる。同様に、各化合物をさまざまな濃度で有する異なる果汁を混合し、これらの化合物の濃度が酸味をもたらす濃度未満の果汁を得ることができる。
本発明者らはまた、これらのリモノイドβ−D−グルコピラノシドの1つから形成される化合物であるイソリモニンの存在が、鮮度の指標になることも発見した。イソリモニンはC17−エピリモニンとしても知られている。イソリモニンは、低温殺菌後のリモニンの酸加水分解によって形成される。イソリモニンはまた、リモニン−17−β−D−グルコピラノシドから非酵素的に形成される。冷凍のオレンジ果汁濃縮物中のイソリモニンの濃度は生のオレンジ果汁の約2倍であり、果汁への「ストレス」もまたイソリモニンの形成に寄与することを示唆している。よって、イソリモニンが生の製品よりも高い濃度で存在することは、その製品が新鮮ではない(イソリモニンは経時により形成されるため)、または冷凍された可能性があることを示唆している。
次の実施例は、本発明に関するさまざまな態様を実証するものである。実施例1は、オレンジの種からのリモニン−17−β−D−グルコピラノシドの単離に関する。実施例2は、リモニンが溶液中で形成される速度を決定するためのさまざまな温度およびpH値の研究をまとめたものである。リモニンおよびイソリモニンのHPLCおよびLC−MSおよびNMRによる同定は実施例3に記載される。
実施例4は、オレンジジュース中のリモニンおよびイソリモニンの定量化に関する。実施例5は、官能評価分析に関する。
これらの実施例では、次の化合物は市販されているものを入手した:リモニン(Sigma社(ドイツ国シュタインハイム所在)製);ギ酸、メタノール、およびアセトニトリル(Merck社(ドイツ国ダルムシュタット所在)製);重溶媒(Aldrich社(ドイツ国タウフキルヘン所在)製);クロマトグラフィーに用いる脱イオン水は、Milli−Q Gradient A10系(Millipore社(米国ビルリカ所在)製)を用いて精製した。フロリダ(米国)で2006年3月に収穫したオレンジ(バレンシアレイト)から調製したオレンジの種子およびオレンジジュース、ならびに同一バッチの果物から調製した、冷凍の濃縮されたオレンジジュースを、オレンジジュース業界(米国)から得た。生のオレンジ果実(バレンシアレイト)は地元の生産者から購入した。
高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)
HPLC装置は、2つのポンプ(Sykam S1122)、グラジエントミキサー(動的/静的グラジエントミキサー(Sunchrom社製))レオダイン・インジェクター(250μLループ)、オートサンプラー(Midas 380(Spark社製))、200〜600nmの波長範囲で溶出をモニタリングするダイオードアレイ検出器(SpectraFlow 600 DAD(Sunchrom社製))、分流モジュール(P−470目盛り付マイクロスプリッター(Upchurch社製))、および噴霧器(HPLC nebulizer,200μL/分〜2.5mL/分(S.E.D.E.R.E.社製))を備えた蒸発光散乱検出器(ELSD)(Sedex 85 LT−ELSD、p=2,6bar、T=40℃(S.E.D.E.R.E.社製))で構成された。
液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)
負(ESI-)または正のエレクトロスプレーイオン化(ESI+)モードで行うAPI 4000 LC−MS/MS(Applied Biosystems社(ドイツ国ダルムシュタット所在)製)に接続した、Agilent 1100 HPLC系を用いてLC−MS/MS解析を行った。スプレー電圧を−4500Vに設定し、窒素をカーテンガス(137.9Pa(20psi))として供給し、デクラスタリング電位を−65Vに設定した。多チャンネルの選択反応モニタリング(multiple reaction monitoring)(MRM)モードを用い、上述の質量転移を使用して化合物2および3を解析した。
核磁気共鳴分光法(NMR)
Bruker社(ドイツ国ラインシュテッテン所在)製のDPX 400MHz NMRを使用して1H、COSY、HMQC、およびHMBCの分光実験を行った。内部標準としてのテトラメチルシランと共に、サンプルをDMSO−d6またはMeOD−d4に溶解し、測定前にNMR試料管(Schott Professional 178×5mm)に入れた。NMRソフトウェア Mestre−Cを用いてデータ分析を行った。
実施例1−オレンジ種子からのリモニン−17−β−D−グルコピラノシドの単離
オレンジ種子(100g)を水、次いでアセトンで十分に洗浄し、液体窒素中で冷凍し、グラインディングミルで粉砕し、その後、60℃で4時間、メタノール(300mL)で2回抽出した。ろ過後、真空中で抽出液から溶媒を除去し、メタノール抽出物を非晶質の粉末として得た。
その粗単離物の一定分量(2g)を、水で調整したAmberlite XAD−2(BDH Chemicals Ltd社(英国プール所在)製)の材料スラリーで満たした水冷式のガラス・カラム(300mm×35mm)の上端に適用した水(10mL)に取り込んだ。5mL/分の流速で動作させ、最初に水(200mL;画分I)、次に、20%(200mL;画分II)、40%(200mL;画分III)、60%(200mL;画分IV)、80%(200mL;画分V)のメタノールを含むメタノール/水の混合液、およびメタノール(200mL;画分VI)で、クロマトグラフィーを行った。個別の画分を別々に回収し、30℃、真空下で溶媒を除去し、凍結乾燥して非晶質の粉末の画分I−VIを得た。
画分II−IVを合わせてメタノールと0.1%ギ酸水溶液の混合液(20/80,v/v)に溶解し、膜ろ過の後、一定分量(250μL)を、Microsorb−MV、RP−18、250×10mm i.d.、5μmカラム(Varian社(ドイツ国所在)製)に負荷し、分取用HPLCによって分画した。220nmにおけるUV検出器、ならびに蒸発光散乱検出器(ELSD)を使用して溶出をモニタリングし、3.5mL/分の流速で、最初はアセトニトリルと0.1%ギ酸水溶液の混合液(10/90,v/v)から、15分以内にアセトニトリル含量を20%まで増大させ、5分間保持し、最後に、5分以内にアセトニトリル含量を100%まで上昇させて、クロマトグラフィーを行った。17分に検出されたピークの溶出を氷冷したフラスコに回収し、有機溶媒を真空下で除去し、水層を、水で調整したStrata C 18−E SPEカートリッジ(10g、55μm;Giga Tubes(Phenomenex社製))の上端に適用した。カートリッジに水(150mL)を流し、次に、それを通じて窒素の流れを吸うことによって乾燥し、最後にメタノール(100mL)で溶出した。SPEカートリッジは、ギ酸の痕跡を除去してプロトン触媒性のアグリコンの遊離を妨げる。有機溶出物から真空下で溶媒を除去し、残渣を水(5mL)に懸濁し、凍結乾燥して、リモニン−17−β−D−グルコピラノシドの非晶質の白色粉末を、99%を上回る純度で得た。
リモニン−17−β−D−グルコピラノシド(図1における化合物1):
UV/VIS(アセトニトリル/水;pH2.5):λmax=220nm;
LC/MS(ESI+):m/z649([M−H]-);
LC/MS(ESI-):m/z668([M+NH4+),673([M+Na]+),689([M+K]+);
1H NMR(400MHz,MeOD-d4,COSY):δ 0.66 [s, 3H, H-C(24)], 0.98 [s, 3H, H-C(25b)], 1.21 [s, 3H, H-C(25a)], 1.40 [s, 3H, H-C(18)], 1.66 [m, 1H, H-C(12)], 1.78 [m, 2H, H-C(11)], 1.99 [m, 1H, H-C(12)], 2.43 [dd, 1H, J=7.4, 22.1 Hz, H-C(6)], 2.55 [dd, 1H, J=5.6, 19.0 Hz, H-C(6)], 2.68 [d, 1H, J=4.3 Hz, H-C(9)], 2.71 [d, 2H, J=4.1 Hz, H-C(2)], 2.79 [dd, 1H, J=5.6, 14.7 Hz, H-C(5)], 2.94 [s, 1H, H-C(15)], 3.11 [m, 2H, H-C(2'), H-C(5')], 3.20 [m, 1H, H-C(4')], 3.27 [m, 1H, H-C(3')], 3.48 [m, 1H, H-C(6')], 4.20 [s, 1H, H-C(1)], 4.29 [d, 1H, J=7.6 Hz, H-C(1')], 4.40 [d, 2H, J=8.1 Hz, H-C(19)], 5.42 [s, 1H, H-C(17)], 6.53 [d, 1H, J=1.3 Hz, H-C(21)], 7.24 [s, 1H, H-C(23)], 7.63 [s, 1H, H-C(22)];
13C NMR(100MHz,MeOD−d4,HMQC,HMBC):δ 17.1 [C, C(11)], 18.4 [C, C(24)], 20.8 [C, C(25b)], 24.7 [C, C(18)], 26.8 [C, C(12)], 29.2 [C, C(25a)], 35.2 [C, C(2)], 36.4 [C, C(6)], 44.8 [C, C(13)], 45.1 [C, C(9)], 45.2 [C, C(10)], 50.7 [C, C(8)], 54.8 [C, C(5)], 59.8 [C, C(15)], 61.7 [C, C(6')], 63.8 [C, C(19)], 69.1 [C, C(14)], 70.4 [C, C(4')], 75.4 [C, C(2')], 76.0 [C, C(5')], 76.9 [C, C(3')], 78.1 [C, C(17)], 78.4 [C, C(1)], 80.8 [C, C(4)], 104.3 [C, C(1')], 112.3 [C, C(21)], 125.4 [C, C(20)], 140.3 [C, C(22)], 142.3 [C, C(23)], 173.0 [C, C(3), C(16)], 209.6 [C, C(7)]。
実施例2−リモニン−17−β−D−グルコピラノシドからのリモニンの生成
オレンジ果汁の貯蔵の間のリモニン−17−β−D−グルコピラノシドからのリモニンの想定される非酵素的放出を詳しく調べるため、搾りたてのオレンジ果汁のpH値(pH3.5)、またはオレンジ果汁濃縮物に見られるpH値の範囲(pH2.0および3.0)に調整したグルコピラノシド水溶液を、最長14週間、20℃の暗所で保持した。一定時間ごとに、モデル溶液から一定分量を取り出し、MRMモードで動作させたHPLC-MS/MSを使用して、グルコピラノシドから遊離されたリモニンの量について分析した。図2に示すように、モデル溶液のpH値とは独立して、保存期間が長くなるに従いリモニンが生成したが、pH値の低下は苦味化合物の生成に有利に働いた。例えば、pH2.0で維持した場合には0.85%molのリモニンがグルコピラノシドから遊離したのに対し、pH3.5ではわずか0.25%の苦味化合物しか生じなかった。
リモニン生成における温度の影響を調査するため、pH3.0に調整したグルコピラノシドの水溶液を、4、20、および30℃で最大14週間、暗所にて保存した。MRMモードで動作させたHPLC−MS/MSを使用して、一定時間ごとに、リモニンの量を決定した。それぞれ4および20℃で保管されたモデル溶液と比較した場合に、リモニン−17−β−D−グルコピラノシドからのリモニンの遊離が30℃で加速されることを明確に立証した結果を図3に示す。例えばリモニンは、30℃でインキュベートした場合にはほぼ4.0%の収率でその前駆体から放出されたのに対し、前駆体溶液を4℃で14週間保存した後には、わずかに0.2%の苦味化合物しか検出されなかった。
特に、微量の塩酸(1mol/L)を加えることによってそれぞれ2.0、3.0、および3.5のpH値に調整したリモニン−17−β−D−グルコピラノシドの水溶液(0.35mg/L)を、異なる温度(4、20、30℃)で、最大14週間、密閉したバイアル内、暗所で保存した。一定時間ごとにサンプル(5μL)をシリンジで採取し、Synergi Fusion,150×2mm i.d.,4μmカラム(Phenomenex社製)を用いたLC−MS/MSを使用することにより、リモニンの生成について分析した。これを達成するため、250μL/分の流速で、最初に0.1%ギ酸水溶液とアセトニトリルの混合液(80/20,v/v)を用い、10分以内にアセトニトリル含量を40%まで増大し、次に5分以内に80%まで増大し、5分間保持し、最後に5分以内に100%まで増大させる、クロマトグラフィーを行った。負のエレクトロスプレーイオン化を用い、多チャンネルの選択反応モニタリング(MRM)モードで、質量転移m/z469→229を使用して、リモニンを分析した。質量トレースについて得られるピーク面積をメタノール中のリモニンの規定された標準液のものと比較することにより、定量分析を行った。
図4では、LC−MS/MSクロマトグラムは、単にリモニン−17−β−D−グルコピラノシド(1)およびリモニン(3)を示しただけでなく、驚くべきことに、16.59分に溶出する、リモニンについて観察されるのと同一の質量転移m/z469→229を示す、したがってリモニンの立体異性体の存在を暗示する、第3のピーク(4)を示したことが立証されている。その化合物の化学構造は、NMR分光実験ではまだ明らかには確認されなかったことから、追加の実験は、化合物4を、分光実験を行うのに適した量で生成することを目的とした。
実施例3−リモニン−17−β−D−グルコピラノシドから遊離したリモニンおよびイソリモニン(化合物4)の同定
実施例2で同定し、図4に示された化合物4の化学構造を決定するため、pH1.5に調整したリモニン−17−β−D−グルコピラノシドの水溶液を60℃で4時間インキュベートし、分取用HPLCを使用して化合物4を単離および精製し、LC−MS/MSおよび1D/2D−NMRの実験によって、その化学構造を決定した。図5に示す1H NMRスペクトルでは、21のシグナルが観察され、そのうちδ1.44、1.72、2.00、2.25、2.66、2.66、2.73、2.75、2.91、および4.14ppmの化学シフトを示す10のシグナルは、リモニンのアルキルプロトンであるH−C(12a)、H−C(11)、H−C(12b)、H−C(6a)、H−C(2a)、H−C(5)、H−C(2b)、H−C(9)、H−C(6b)、およびH−C(1)の共鳴とかなり良好に調和していた。同種核(COSY)および異核相関実験(HMQC、HMBC)では、これらのシグナルの割り当ては明確には確認できなかった。4.51および4.78ppmにおいて共鳴するジアステレオ選択性のプロトンはメチレンのプロトンH−C(19)とよく一致しており、よってリモニンに存在するA環が原形を保っていることを示唆した。フランのプロトンであるH−C(21)、H−C(22)、およびH−C(23)についての6.62、7.60、および7.70ppmに見られる共鳴シグナルもまた、リモニンに対する構造的類似性を実証した。しかしながら化合物4は、H−C(15)、H−C(17)、およびH−C(18)のプロトンの化学シフトに、リモニンとの目立った差異を示した。H−C(17)のプロトンは、5.48ppm(3)から5.05ppm(4)への高磁場シフトを示したのに対し、H−C(15)とH−C(18)のプロトンは、それぞれ4.21ppmと1.11ppm(3)から4.50ppmと1.48ppm(4)への低磁場シフトを示した。加えて、2D−NMRの実験は、リモニン(3)の77.9/20.0ppm、および化合物4の85.1/27.1ppmで共鳴し、よって、化合物4の構造のC(17)位におけるリモニンのエピマー化を示唆する、C(17)/C(18)の化学シフトの差異を確認した。すべての分光分析データを考慮して、化合物4はリモニンのα−配向ではなく、C(17)位のフラン環のβ−配向を示し、初めてリモニンのC17−エピマーとして明確に同定された。C17−エピリモニンまたはイソリモニンと称される化合物4は、すでにリモニン−17−β−D−グルコピラノシドのヒト血漿代謝産物と推測されていたが、これは分光分析データに基づいた最初のリモニン・エピマーの構造確認であり、グルコピラノシドからの加水分解的単体分離を実証するものである。
特に、水(20mL)中、リモニン−17−β−D−グルコピラノシド(35mg)の溶液を微量の塩酸(1mol/L)でpH1.5に調整し、60℃で4時間インキュベートした。冷却後、溶液を、水で調整したStrata C18−E SPEカートリッジ(10g、55μm、Giga Tubes、Phenomenex社製)の上端に適用し、次いで水(150mL)、続いて水/メタノール混合液(50/50,v/v;100mL)、およびメタノール(150mL)で洗い流した。真空下でメタノール画分から溶媒を除去し、メタノールおよび1%のギ酸水溶液の混合液に溶かし、一定分量(100μL)を、Microsorb−MV、RP−18、250×10mm i.d.、5μmカラム(Varian社(ドイツ国所在)製)による分取用HPLCを用いて分離した。220nmのUV検出器およびELSDを用いて溶出をモニタリングし、3.5mL/分の流速で動作する、アセトニトリルと0.1%ギ酸水溶液の混合液(30/70,v/v)から開始し、アセトニトリル含量を15分以内に40%まで増大し、その後10分以内に80%まで、最後に10分以内に100%まで増大させる溶媒勾配で、クロマトグラフィーを行った。2つのピークが検出され、各ピークの溶出を別々に氷冷したフラスコに回収し、真空下で溶媒を除去し、その後凍結乾燥した。LC−MSおよびNMRの実験によって、単離した化合物を、リモニンおよび、以前には報告されていないその立体異性体でありイソリモニンとしても知られるC17−エピリモニンと同定した。
リモニン(化合物3):
UV/VIS(アセトニトリル/水;pH2.5)λmax=220nm;
LC/MS(ESI+)m/z509([M+K]+),493([M+Na]+),488([M+NH4+);
LC/MS(ESI-):m/z469([M−H]-);
1H NMR(400MHz,DMSO−d6,COSY):δ 1.00 [s, 3H, H-C(24)], 1.02 [s, 3H, H-C(25b)], 1.11 [s, 3H, H-C(18)], 1.19 [s, 3H, H-C(25a)], 1.23 [m, 1H, H-C(12)], 1.73 [m, 2H, H-C(11)], 1.83 [m, 1H, H-C(12)], 2.27 [dd, 1H, J= 3.0, 14.7 Hz, H-C(6)], 2.46 [dd, 1H, J= 3.0, 15.7Hz, H-C(5)], 2.55 [m, 1H, H-C(9)], 2.62 [m, 1H, H-C(2)], 2.77 [d, 1H, J= 16.4 Hz, H-C(2)], 3.10 [t, 1H, J= 15.5 Hz, H-C(6)], 4.11 [m, 1H, H-C(1)], 4.12 [s, 1H, H-C(15)], 4.48 [d, 1H, J= 12.9 Hz, H-C(19)], 4.92 [d, 1H, J= 12.9 Hz, H-C(19)], 5.48 [s, 1H, H-C(17)], 6.51 [s, 1H, H-C(22)], 7.66 [s, 1H, H-C(21)], 7.72 [s, 1H, H-C(23)];
13C NMR(100MHz,MeOD−d4,HMQC,HMBC):δ 17.4 [C, C(24)], 18.1 [C, C(11)], 20.0 [C, C(18)], 20.4 [C, C(12)], 22.3 [C, C(25b)], 30.1 [C, C(25a)], 35.9 [C, C(2)], 36.5 [C, C(6)], 37.5 [C, C(13)], 45.7 [C, C(10)], 46.9 [C, C(9)], 50.5 [C, C(8)], 54.3 [C, C(15)], 58.2 [C, C(5)], 65.3 [C, C(19)], 67.4 [C, C(14)], 77.9 [C, C(17)], 78.9 [C, C(1)], 80.4 [C, C(4)], 110.9 [C, C(22)], 120.6 [C, C(20)], 141.9 [C, C(23)], 143.9 [C, C(21)], 168.7 [C, C(16)], 170.9 [C, C(3)], 208.5 [C, C(7)]。
17−エピリモニンまたはイソリモニン(化合物4):
UV/VIS(アセトニトリル/水;pH2.5)λmax=220nm;
LC/MS(ESI+)m/z509([M+K]+),493([M+Na]+),488([M+NH4+);
LC/MS(ESI-):m/z469([M−H]-);
1H NMR(400MHz,DMSO−d6,COSY):δ 0.99 [s, 3H, H-C(24)], 0.99 [s, 3H, H-C(25b)], 1.19 [s, 3H, H-C(25a)], 1.44 [m, 1H, H-C(12)], 1.72 [m, 2H, H-C(11)], 2.00 [m, 1H, H-C(12)], 2.25 [dd, 1H, J= 3.7, 16.2 Hz, H-C(6)], 2.66 [m, 1H, H-C(2)], 2.66 [m, 1H, H-C(5)], 2.73 [m, 1H, H-C(2)], 2.75 [m, 1H, H-C(9)], 2.91 [t, 1H, J= 15.8 Hz, H-C(6)], 4.14 [d, 1H, J= 3.68 Hz, H-C(1)], 4.50 [s, 1H, H-C(15)], 4.51 [d, 1H, J= 13.2 Hz, H-C(19)], 4.78 [d, 1H, J= 13.2 Hz, H-C(19)], 5.05 [s, 1H, H-C(17)], 6.62 [s, 1H, H-C(22)], 7.60 [s, 1H, H-C(21)], 7.70 [s, 1H, H-C(23)];
13C NMR(100MHz,MeOD−d4,HMQC,HMBC):δ 18.3 [C, C(11)], 19.3 [C, C(24)], 22.1 [C, C(12)], 22.1 [C, C(25b)], 27.1 [C, C(18)], 30.6 [C, C(25a)], 36.6 [C, C(2)], 36.9 [C, C(6)], 40.3 [C, C(13)], 45.0 [C, C(9)], 45.1 [C, C(10)], 47.6 [C, C(8)], 56.3 [C, C(5)], 56.6 [C, C(15)], 65.4 [C, C(19)], 70.4 [C, C(14)], 79.1 [C, C(1)], 79.9 [C, C(4)], 85.1 [C, C(17)], 112.9 [C, C(22)], 122.4 [C, C(20)], 143.8 [C, C(21)], 144.2 [C, C(23)], 168.8 [C, C(16)], 170.5 [C, C(3)], 208.3 [C, C(7)]。
本発明者らは理論に縛られることは望まないが、図6は、リモニン−17−β−D−グルコピラノシドからのリモニン(3)およびイソリモニンまたはC17−エピリモニン(4)の形成を示す反応経路を実証している。ブドウ糖は良好な脱離基であることから、酸性条件下で化合物1のフルフリリデン基のα位からヘキソースが分離し、結果的に、主な過渡的中間体として非局在化したフルフリリデンカチオンが放出される。カルボキシ官能基の求核攻撃によって分子内環化が誘発され、α−配向したフラン環を有するリモニン(3)およびC(17)位のフラン環がβ−配向を示すイソリモニン/C17−エピリモニンを生じさせる。
また、pH3の水溶液中でのリモニンのインキュベーションは有意量のイソリモニンを生成せず、したがってイソリモニンは、リモニンの直接のエピマー化によっては形成されないことが示された。
実施例4−オレンジ果汁中のリモニンおよびイソリモニンの定量化
オレンジ果汁の保存の間のリモニンおよびイソリモニン/C17−エピリモニンの生成を研究するため、搾りたてのオレンジ果汁(pH3.5)を4℃および20℃で最長4週間保存し、その後、MRMモードを用いたHPLC−MS/MSによって、リモニンおよびイソリモニン/C17−エピリモニンを定量的に決定した。図7Aに示すように、オレンジ果汁中のリモニンの濃度は、保存の間に、搾りたての果汁の70.0μg/100gから4℃および20℃で2週間維持した場合の80μg/100gおよび85μg/100gにそれぞれ微増した。オレンジ果汁の貯蔵はC17−エピリモニンの濃度の増大も誘発し、例えば、4℃および20℃で4週間維持したサンプルでは、それぞれ、C17−エピリモニンの量の1.5倍または2倍の増大が見られた(図7B)。貯蔵誘発性のリモニン量の増大をイソリモニンのものと比較すると、オレンジ果汁の貯蔵においては、リモニンの形成がそのC17-エピマーよりも好ましいことが明らかに実証され、よって貯蔵の間に、ジュース中に存在するリモノエートA環ラクトンが酸触媒作用によって徐々にリモニンに転換されるという文献の研究結果を裏付けている。
2回目の実験では、リモニンおよびイソリモニン/C17−エピリモニンの生成における加熱処理の影響を調査した。これを達成するため、搾りたての果汁を70℃で10分間、また、これらの化合物の最大の単体分離率をある程度洞察することを目的として、95℃で最長240分間、熱処理した。HPLC−MS/MS(MRM)の解析から、新鮮に調製した非加熱のジュースのリモニンおよびイソリモニンの濃度はそれぞれ70.0および1.3μg/100gであることが判明した(図8A)。熱処理の際、両テルペノイドの濃度は大幅に増加し、例えば70℃で10分間の加熱で、リモニンの濃度は100μg/100gの濃度に達したのに対し、イソリモニンの量には5倍の増大を誘発し、6.1μg/100gの濃度に達した。
95℃でのオレンジ果汁の加熱は、リモニンのみならずイソリモニンの量にも影響を与えた。果汁を95℃で10分間加熱した後、C17−エピリモニンの量は10倍に増大した(図8A)。それぞれ30分間および60分間の加熱の後、20μg/100gおよび30μg/100gのC17−エピリモニンが生成した。60分間の加熱の際には、リモニンの濃度は70μg/100gから115μg/100gまで増大し、4時間後には140μg/100gの最大値に達した。加熱したオレンジ果汁サンプル中の両リモノイドの割合の計算により、加熱時間の増加に伴い、C17−エピリモニン/リモニンの比が劇的に変化し、240分後には最大値である0.50に達したことを示した(図8B)。
これらを決定付けるため、オレンジを半分に割り、柑橘系用のジューサー(Citromatic MPZ 22(Braun社(ドイツ国所在)製)を使用し、手で注意深く絞った。オレンジ果汁中のリモニンおよびイソリモニンの濃度に対する低温貯蔵の影響を調査することを目的として、一定分量(300mL)の搾りたてのオレンジ果汁を4℃および20℃で4週間、暗所で保存した。高温でのリモニンおよびイソリモニンの形成を調査するため、一定分量(300mL)の搾りたてのオレンジ果汁を、70℃で10分間、または95℃で最大240分間に至るまで、熱処理した。
定量分析のため、一定分量(8g)の生および処理したオレンジ果汁をそれぞれ3000rpmで10分間遠心分離にかけ、不溶性の物質を懸濁させて、水(8mL)と密接に混合し、再び3000rpmで10分間、遠心分離にかけた。上清を合わせて、水で調整したC18−E SPE−カートリッジ(1g,5μm,Phenomenex社製)の上端に乗せた。水(20mL)で流出後、カートリッジに窒素の流れを吸引することによってカートリッジを乾燥し、次いでメタノール(20mL)で溶出した。メタノール性の溶出液から真空下で溶媒を除去し、メタノールを用いて合計3.0mLに合わせた。一定分量(5μL)を、Synergi Fusionカラム(150×2mm i.d.,4μm,Phenomenex社製)を使用するLC−MS/MSを用いて、リモニンおよびイソリモニン/C17−エピリモニンについて解析した。これを達成するため、250μL/分の流速で、0.1%ギ酸水溶液およびアセトニトリルの混合液(80/20,v/v)を用いて開始し、アセトニトリル含量を10分以内に40%まで増大し、次いで5分以内に80%まで増大し、5分間保持し、最後に5分以内に100%まで増大する、クロマトグラフィーを行った。負のエレクトロスプレーイオン化を使用して、多チャンネルの選択反応モニタリング(MRM)モードで、m/z469→229の質量転移を用いて、リモニンおよびイソリモニン/C17−エピリモニンを分析した。定量分析は、メタノール中のリモニンおよびC17−エピリモニンの規定された標準液を用いた質量トレースから得られるピーク面積を比較することによって行った。
最後の実験は、化合物3および4の量におけるオレンジ果汁の濃縮過程の影響に取り組んだ。これを達成するため、生のオレンジ果汁、および、同一バッチのオレンジ果汁から製造された6.6倍濃度の冷凍のオレンジ果汁濃縮物におけるC17−エピリモニンの濃度を定量的に分析した。オレンジ果汁は、1.6μg/100gの量のイソリモニン/C17−エピリモニンを含んでいたのに対し、対応する冷凍の濃縮果汁では約21.0μg/100gのイソリモニンが確認された。濃縮物がオレンジ果汁の6.6倍濃縮で製造されたことを念頭に置くと、濃縮果汁中には10.6μg/100gのエピマーが見られることが予想された。しかしながら、冷凍濃縮物にはその2倍も多い量の21.0μg/100gが存在し、よって冷凍の濃縮オレンジ果汁の製造の間にC17−エピリモニンが大量に形成されることを初めて、明確に立証した。
実施例5−官能評価分析
これらのリモノイドの官能活性におけるC(17)の対掌性の影響を研究するため、リモニンおよびC17−エピリモニンについての苦味の閾値濃度を決定した。これらの官能評価は、C17−エピリモニンの苦味の閾値濃度が、リモニン(4.0μmol/L)について得られる値に近い10.0μg/L(水)であることを示し、よって両方のトリテルペノイド・ラクトン化合物の官能活性が似ていることを実証した。
これらの評価を行うため、少なくとも2年間、毎週講習会に参加した11人の評価者(女性4人、男性7人、年齢23〜39歳)が、以前にStark, T.;Barenther, S.;Hofmann, T. (2005) J. Agric. Food Chem. 53:5407-5418に報告された手法に従い、刺激の濃度を上昇させる3択の強制選択法を用いて、瓶に入った水(pH5.1)の味覚識別の閾値濃度を決定した。
実施例は、リモノエートA環ラクトン(2)の閉環がリモニンの形成を可能にするだけであるのに対し(図1)、フルフリリデンカチオンを介したリモニン−17−β−D−グルコピラノシド(1)の加水分解はリモニン(3)とC17−エピリモニン(4)を生じさせる(図6)ことを示唆した。オレンジ果汁の低温貯蔵の際には、微量のイソリモニンのみが生成されるが、高温では、前駆体であるリモニン−17−β−D−グルコピラノシドからC17−エピリモニンが大量に放出されることが確認され、C17−エピリモニン/リモニン比はオレンジ果汁の処理の間に適用される熱入力の分析的決定を可能にする、適切な指標である可能性がある。
図8に示すように、イソリモニン/リモニンの比は、100℃において、約20分以内に0から約0.25に増大し、約60分間で約0.40〜0.45まで増大した。よって、イソリモニン/リモニンの比(C17−エピリモニン/リモニン比としても表される)は、加熱の影響の程度を示唆する傾向にある。
本発明を実施する現在の好適な形態を含む特定の例について本発明を説明してきたが、当業者は、上述のシステムおよび技術には、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の精神および範囲内にある、数多くの変形および置換が存在することを認識するであろう。

Claims (17)

  1. 果汁の香味を調節する方法であって、
    リモニン、イソリモニン、ノミリン、およびそれらの混合物からなる群より選択される化合物の前記果汁中の濃度を、それらの味覚閾値未満のレベルに調節する
    工程を有してなる方法。
  2. ポリメトキシル化フラボンの濃度を、それらの味覚閾値未満のレベルに調節する工程をさらに有してなることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記果汁の糖酸比を調節する工程をさらに有してなることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 前記果汁のリモノイドβ−D−グルコピラノシドの濃度を調節する工程をさらに有してなることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 前記果汁のリモノイドβ−D−グルコピラノシドの濃度を、それらの味覚閾値未満のレベルに調節する工程をさらに有してなることを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. イソリモニン/リモニンの比が約0.25未満であることを特徴とする請求項1または2記載の果汁。
  7. 前記濃度が、逆浸透、イオン交換、蒸留、またはそれらの組合せからなる群より選択される技術によって調節されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 前記糖酸比が、リンゴ酸、クエン酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される酸の濃度を低下させることによって調節されることを特徴とする請求項3記載の方法。
  9. 未処理果汁よりも少ない苦味を有する果汁であって、
    前記果汁に含まれるリモニン、イソリモニン、ノミリン、およびそれらの混合物からなる群より選択される化合物の濃度が、前記化合物の味覚閾値の濃度未満である、果汁。
  10. ポリメトキシル化フラボンをさらに有してなることを特徴とする請求項9記載の果汁。
  11. リモノイドβ−D−グルコピラノシドをさらに有してなることを特徴とする請求項9記載の果汁。
  12. イソリモニン/リモニンの比が約0.25未満であることを特徴とする請求項9記載の果汁。
  13. 未処理の果汁よりも少ない苦味を有する、処理果汁であって、
    前記処理果汁における、リモニン、イソリモニン、ノミリン、およびそれらの混合物からなる群より選択される化合物の濃度が、前記未処理の果汁における前記化合物の濃度よりも低い、果汁。
  14. 前記イソリモニン/リモニンの比が約0.25未満であることを特徴とする請求項13記載の処理果汁。
  15. 前記未処理の果汁における酸の濃度よりも低い、リンゴ酸、クエン酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される酸の濃度を有することを特徴とする請求項13記載の処理果汁。
  16. 前記化合物の濃度がそれらの味覚閾値レベル未満であることを特徴とする請求項13または15記載の処理果汁。
  17. イソリモニンのリモニンに対する比を決定する工程を有してなる、果汁に与えた熱ストレスの量を決定する方法。
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