本発明の目的、技術的解決法、及び利点をよりわかりやすくするために、本発明の実施形態の技術的解決法について、本発明の実施形態による添付の図面を参照して、以下に明確に説明する。説明される実施形態は、本発明の全ての実施形態ではなく、一部にすぎないということは明らかである。当業者によって、本発明の実施形態に基づいて、創造的な活動なしに得られる他の全ての実施形態は、本発明の保護範囲内に含まれる。
本発明の実施形態による添付の図面において、無線ルータは、本発明の一実施形態による装置であり、携帯情報端末(Personal Digital Assistant)(PDA)及びノートブックコンピュータは、ユーザ端末であり、固定ネットワーク内の無線APは、固定ネットワーク事業者によって提供されるホットスポットであり、基地局は、モバイル事業者によって提供される装置を意味する。
図1は、本発明の一実施形態による無線ルーティングシステムの概略図である。図1における無線ルータは、固定ネットワーク及びモバイルネットワークに同時に接続されてもよく、無線ルータは、デジタル加入者線(DSL)を使用することなどによって、有線で固定ネットワークに接続され、モデムモジュールを使用することによって、無線ネットワークに接続される。無線ルータは、インターネットアクセスサービスを提供するためのWLAN APとして機能し、この端末を使用することによって、ノートブックコンピュータ又はゲーム装置などの、WLANユーザ端末は、インターネットにアクセスしてもよい。
図1に示すシステムを使用することによる、インターネットへのアクセスの原理は、以下の通りである。
最初に、無線ルータのAPモジュールが、ホットスポットサービスを提供する。PDA及びノートブックコンピュータなどの端末がネットワークにアクセスする場合、端末は、最初にAPモジュールに接続される。具体的には、PDA及びノートブックコンピュータなどの端末は、STAとして機能し、既存のWLAN技術を使用することによって、APモジュールに接続される。無線ルータ内でのAPモジュールのインタフェースは、ローカルエリアネットワーク(LAN)インタフェースであり、PDAのIPデータパケットは、LANインタフェースに送信される。
次に、ユーザ端末は、設定管理モジュール(configuration management module)を使用することによって、インターネットに接続するためのワイドエリアネットワーク(WAN)インタフェースWAN1又はWAN2を選択する。ここで、WAN1は、DSLモデムと中央局装置(central office equipment)との間のインタフェースであり、WAN2は、無線モデムと基地局との間のインタフェースである。具体的には、ユーザ端末は、ブラウザを使用することによって設定管理モジュールに接続される。次に、ユーザ端末は、ウェブサイト上で提供されるメニューをクリックすることによって、インターネットに接続するためのWAN1又はWAN2を選択する。
最後に、インターネットに接続するためにWAN1を選択する場合、ユーザは、DSLを使用することにより、ダイヤルアップアクセスによって、すなわち、有線でネットワークにアクセスする。インターネットに接続するためにWAN2を選択する場合、ユーザは、ユーザによって設定されたダイヤルアップパラメータを使用することにより、無線モデムモジュールを使用することによって無線でインターネットに接続される。
図1に示すシステムにおける無線ルータは、DSLなどの固定ネットワークを選択してもよく、そして、より低い料金を有するネットワークアクセス手法を選択するために、1つの位置において使用されてもよい。
図2及び図3は、本発明の一実施形態による、別の無線ルーティングシステムの2つの動作モードの概略図である。無線ルータは、インテリジェント携帯電話内に組み込まれたWLANチップであってもよい。WLANチップは、STAモード又はAPモードをサポートしてもよい。無線ルータの使用中、WLAN動作モードはユーザコマンドを実行することによって切り替えられる。STAモードが使用される場合、固定ネットワークによって提供されるホットスポットを検索し、検索されたホットスポットがインターネットにアクセスするために採用される。ホットスポットが存在しない場合、ダイヤルアップによってネットワークにアクセスするために、モデムを採用してもよい。
図2は、システムのSTAモードの概略図である。図2に示すように、無線ルータがSTAモードに切り替えられた場合、アプリケーションモジュールがWANインタフェースに接続される。そして、STAモジュールを使用することによって、外部APに接続される。これにより、ネットワークアクセス機能が実施される。しかし、無線ルータを、他の端末装置にネットワークアクセス機能を提供するために、ダウンリンク方向における他の端末装置に接続することはできない。このような場合、無線ルータのアプリケーションプログラムのみが、ネットワークにアクセスすることができる。
図3は、システムのAPモードの概略図である。図3に示すように、無線ルータがAPモードに切り替えられた場合、PDA及びノートブックコンピュータなどの端末装置がAPモジュールを使用することによって、無線ルータのLANインタフェースに接続される。端末装置は、ルーティングモジュール(route module)を使用することによってWANにデータを送信し、無線モデムダイヤルアップによってネットワークアクセス機能を実施する。無線ルータのアプリケーションプログラムも、ルーティングモジュールを使用することによって、WANインタフェースからネットワークにアクセスする。
図2及び図3に示すシステムのWLANチップのAPモジュールとSTAモジュールとを、同時に動作させることはできない。STAモードに切り替えられた場合、WLANチップは、より低い料金を有する固定ネットワーク内の無線APを使用することによって、ネットワークにアクセスしてもよい。しかし、他の装置にネットワークアクセス機能を提供するために、PDA及びノートブックコンピュータなどのデジタル装置に接続することはできない。このような場合、WLANチップのアプリケーションプログラムのみが、ネットワークにアクセスすることができる。APモードに切り替えられた場合、WLANチップは、他の装置にネットワークアクセス機能を提供してもよい。しかし、より高い料金を有する無線アクセス方法を使用することによってネットワークにアクセスすることのみが可能であり、より低い料金を有する固定ネットワーク内の無線APを使用することによってネットワークにアクセスすることはできない。
本発明の一実施形態は、無線ルーティングシステムを提供する。図4は、本発明の実施形態による無線ルーティングシステムの概略図である。図4に示すように、この実施形態による無線ルーティングシステムは、端末装置10と、無線ルータ20と、固定ネットワーク内の無線AP30と、モバイルネットワーク内のアクセス装置40とを含む。端末装置10は、無線リンクを介して無線ルータ20に接続される。無線ルータ20は、無線リンクを介して、固定ネットワーク内の無線AP30、及びモバイルネットワーク内のアクセス装置40に接続される。
この実施形態において、無線ルータ20は、端末装置に無線アクセスサービスを提供するために、無線リンクを介して端末装置に接続し、固定ネットワーク内の無線APを使用することによって端末装置をインターネットに接続するか、又は、モバイルネットワーク内のアクセス装置を使用することによって端末装置をインターネットに接続するように構成される。
あるいは、この実施形態において、端末装置10は、無線ルータ20に、ルーティング命令を送信するように構成される。ルーティング命令は、端末装置が、STAモジュール、又は無線モデムモジュールを使用することによってインターネットに接続されることを指示する。あるいは、この実施形態における端末装置10は、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)(但し、本発明はこれに限定されない)を介して、ルーティング命令を無線ルータ20の設定管理モジュールに送信する。この実施形態における無線ルータ20は、端末装置のルーティング命令を受信し、STAモジュール又は無線モデムモジュールを選択して、端末装置をインターネットに接続するように構成される。
あるいは、この実施形態の無線ルータ20はまた、端末装置10又はインターネットからパケットを受信し、パケットの宛先アドレスに従って端末装置10からのパケットをインターネットにルーティングするか、又は、インターネットからのパケットを端末装置10にルーティングするように構成されてもよい。
本発明の実施形態によるシステムにおいて、WLAN STAチップと、APモジュールと、無線モデムチップとは、AP機能のみでなくSTA機能も提供するための無線ルータを構築する。他の端末装置が、この実施形態の無線ルータに接続されてもよく、そして、インターネットにアクセスするために、固定ネットワーク内のホットスポット、又は無線モデムを選択してもよい。このシステムは、ユーザが無線ルータを使用することにより、AP方法、又は無線モデムダイヤルアップ方法を柔軟に選択することによってネットワークにアクセスすることができないという問題を解決する。固定ネットワーク内のホットスポットが存在する場合、ユーザは、ダイヤルアップによってネットワークにアクセスするためにホットスポットを選択してもよく、これによりユーザ料金が減少し、モバイルルータの使用範囲が拡大される。
本発明の一実施形態は、無線ルータを更に提供する。図4に示すように、本発明の実施形態による無線ルータ20は、無線リンクを介して端末装置に接続され、端末装置の無線アクセスを実施するように構成された、無線APモジュール201と、無線リンクを介して固定ネットワーク内の無線APに接続され、固定ネットワーク内の無線APを使用することによって端末装置をインターネットに接続するように構成された、STAモジュール202と、無線リンクを介してモバイルネットワーク内のアクセス装置に接続され、モバイルネットワーク内のアクセス装置を使用することによって端末装置をインターネットに接続するように構成された、無線モデムモジュール203とを含む。この実施形態において、無線APモジュール201及びSTAモジュール202の両方の機能は、WLANチップを使用することによって実施されてもよい。
あるいは、ネットワークアクセスルーティング機能をユーザに提供するために、本発明の実施形態による無線ルータ20は、無線APモジュールに接続し、端末装置のルーティング命令を受信し、端末装置をインターネットに接続するためにSTAモジュール又は無線モデムモジュールを選択するように構成された、設定管理モジュール204を更に含む。
あるいは、この実施形態による無線ルータ20は、固定ネットワークの無線APが存在する場合、端末装置をインターネットに接続するために、固定ネットワーク内の無線APをなるべく選択するように更に構成される。
あるいは、本発明の実施形態による無線ルータ20は、端末装置又はインターネットからパケットを受信し、パケットの宛先アドレスに従って端末装置からのパケットをインターネットにルーティングするか、又は、インターネットからのパケットを端末装置にルーティングするように構成された、ルーティングモジュール205を更に含む。具体的には、ルーティングモジュールは、メディアアクセス制御(MAC)アドレスに従って判定を実行し、宛先MACアドレスがMACテーブル内にある場合、パケットをローカルネットワークに転送し、宛先MACアドレスがMACテーブル内にない場合、パケットをインターネットプロトコル(IP)レイヤに送信する。ルーティングモジュールは、IPレイヤ上の宛先IPアドレスに従って判定を実行し、無線ルータがアクセスされるべきである場合、パケットを、処理されるように、トランスミッションレイヤに送信し、又は、外部ネットワークがアクセスされるべきである場合、IPデータパケットを、WANインタフェースにルーティングする。
あるいは、本発明の実施形態による、無線ルータの無線APモジュール201は、LANインタフェースを使用することによって、端末装置に接続される。STAモジュール202は、WANインタフェースを使用することによって、固定ネットワーク内の無線APに接続される。無線モデムモジュール203は、WANインタフェースを使用することによって、モバイルネットワーク内のアクセス装置に接続される。
本発明の実施形態による無線モバイルルータにおいては、2つのWLANチップ(1つはAPとして働き、もう1つはSTAとして働く)が採用される。従って、無線ルータは、ローカルSTAにアクセスサービスを提供するためのAPとして機能するだけでなく、ネットワークアクセス機能を実施するために、インターネットサービスを提供するAPに接続される、STAとして機能させてもよい。又は、インターネットにアクセスするために、固定ネットワークのホットスポット、又は無線モデムを選択してもよい。無線ルータは、AP方法、又は無線モデムダイヤルアップ方法を柔軟に選択することによって、ネットワークにアクセスしてもよい。固定ネットワークのホットスポットが存在する場合、無線ルータは、ダイヤルアップによってネットワークにアクセスするために、固定ネットワークのホットスポットをなるべく選択してもよく、これにより、ユーザ料金が減少し、モバイルルータの使用範囲が拡大される。
一実施形態において、本発明は、無線ルーティング方法を更に提供し、この方法の実施対象は、前述の実施形態における無線ルータ20である。図5は、本発明の実施形態による無線ルーティング方法の全体のフローチャートである。図5に示すように、この方法は以下のステップを含む。
ステップS501:無線リンクを介して端末装置に接続し、端末装置に無線アクセスを提供する。
ステップS502:無線リンクを介して固定ネットワーク内の無線APに接続し、無線リンクを介してモバイルネットワーク内のアクセス装置に接続する。
ステップS503:固定ネットワーク内の無線AP、及びモバイルネットワーク内のアクセス装置のうちの1つを選択して、端末装置をインターネットに接続する。
あるいは、ステップS503は、端末装置のルーティング命令を受信し、ルーティング命令に従って、固定ネットワーク内の無線AP、又はモバイルネットワーク内のアクセス装置を選択して、端末装置をインターネットに接続することを含んでもよい。
あるいは、ステップS503は、固定ネットワーク内の無線APが存在する場合、無線APをなるべく選択して、端末装置をインターネットに接続することを更に含んでもよい。
あるいは、無線ルーティング方法は、以下のステップを更に含んでもよい。
ステップS504:端末装置又はインターネットから、パケットを受信する。
ステップS505:パケットの宛先アドレスに従って、端末装置からのパケットをインターネットにルーティングする、又は、パケットの宛先アドレスに従って、インターネットからのパケットを端末装置にルーティングする。
本発明の実施形態による無線ルーティング方法の手順を、図4におけるシステムの概略図と組み合わせて説明するための一例を以下に示す。
ステップ1:無線ルータ20のAPモジュール201が、ホットスポットサービスを提供する。ネットワークにアクセスする場合、ユーザのPDA又はノートブックコンピュータなどの端末装置10が、APモジュール201に接続される。無線ルータ20内でのAPモジュール201のインタフェースは、LANインタフェースである。端末装置のデータパケットが、LANインタフェースに送信される。
ステップ2:LANインタフェースを使用することによって、端末装置10を無線ルータに接続し、設定管理モジュール204を使用することによって、インターネットにアクセスするためのインタフェースWAN1又はインタフェースWAN2を選択する。
ステップ3:ユーザが、インターネットに接続するためにWAN1を選択した場合、STAモジュール202が、ユーザ設定パラメータに従って、指定されたAPに接続される。STAモジュール202は、予め設定されたユーザ名、及び予め設定されたパスワードを使用することによって、事業者のネットワークにアクセスする。ユーザ設定パラメータは、例えば、設定管理モジュール204に従って、STAモジュール202によって保存された、固定ネットワークのAPのサービスセット識別子(SSID)を含む。ユーザがインターネットに接続するためにWAN2を選択した場合、無線ルータは、ユーザによって設定されたダイヤルアップパラメータを使用することにより、モデムモジュール203を使用することによってモバイルネットワークに接続される。
ステップ4:無線ルータのルーティングモジュール205が、パケットの宛先アドレスに従ってパケットを転送する。具体的には、ルーティングモジュール205は、MACアドレスに従って判定を実行し、宛先MACアドレスがMACテーブル内にある場合、パケットをローカルネットワークに転送し、それ以外の場合、パケットをIPレイヤに送信する。ルーティングモジュールは、IPレイヤ上の宛先IPアドレスに従って判定を実行し、無線ルータ20がアクセスされるべきである場合、パケットが処理されるように、パケットをトランスミッションレイヤに送信する。又は、ルーティングモジュールは、外部ネットワークがアクセスされるべきである場合、IPデータパケットを、WANインタフェースに送信する。IPレイヤ上の宛先IPアドレスに従った判定は、IPレイヤ上のデータパケットの宛先IPアドレスを解析し、宛先IPアドレスをルータのLANインタフェースのIPアドレスと比較することを含む。
前述の処理プロセスを使用することにより、ユーザ端末は本発明の実施形態による無線ルータを使用することによって固定ネットワーク又はモバイルネットワークを選択してインターネットにアクセスすることが可能である。
本発明による無線ルーティング方法は、ユーザがインターネットにアクセスするために、WLAN AP又は無線モデムを柔軟に選択することができないという問題を解決する。ユーザは、固定ネットワークのWLANホットスポット、及び無線ネットワークによってカバーされる任意の場所においてインターネットにアクセスすることが可能となる。これにより、ユーザ端末のアクセス範囲が拡大される。本発明の実施形態による方法を使用することによって、ユーザは、ネットワークにアクセスするためにより低い料金を有する方法を選択することができる。これにより、ユーザに課される料金が減少する。
前述の実施形態は、本発明の技術的解決法を単に説明するために提供されたものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本発明について、実施形態を参照して詳細に説明してきたが、実施形態において説明された技術的解決法に対して修正が行われてもよく、又は、技術的解決法におけるいくつかの技術的特徴に対して均等な置換が行われてもよい(そのような修正又は置換が、本発明の実施形態による技術的解決法の精神及び範囲から逸脱しない限り)ということを当業者は理解されたい。