JP2011258493A - 密閉型電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 扁平状捲回型電極体のスプリングバックを抑制すると共に、電池の内部抵抗が大きくなるのを抑制できる密閉型電池の製造方法を提供すること。
【解決手段】 リチウムイオン二次電池(密閉型電池)100の製造方法は、長尺状の正極板121と長尺状の負極板131とが樹脂製で多孔質をなす長尺状のセパレータ141を介して互いに重なり、軸線AX周りに扁平状に捲回された扁平状捲回型電極体120を、昇温した状態としつつ、その厚み方向に圧縮する圧縮工程と、この圧縮工程後に、扁平状捲回型電極体120をセパレータ141のガラス転移点Tg以下の温度まで冷却する冷却工程とを備える。
【選択図】 図4

Description

本発明は、長尺状の正極板と長尺状の負極板とが長尺状のセパレータを介して互いに重なり、軸線周りに扁平状に捲回された扁平状捲回型電極体を備える密閉型電池の製造方法に関する。
従来より、長尺状の正極板と長尺状の負極板とが長尺状のセパレータを介して互いに重なり、軸線周りに扁平状に捲回された扁平状捲回型電極体を備える密閉型電池が知られている。扁平状捲回型電極体は、一般に、正極板と負極板とをセパレータを介して互いに重ね、軸線周りに円筒状や楕円筒状に捲回した筒状捲回体を形成した後、この筒状捲回体を圧縮して扁平状とすることにより形成している。
なお、扁平状捲回型電極体を備える電池の製造方法が開示された従来技術として、下記の特許文献1が挙げられる。
特開2006−127824号公報
しかし、筒状捲回体を扁平状に圧縮したときに、大きな応力が生じ易いので、扁平状捲回型電極体内(正極板や負極板、セパレータ)に残留応力が残り、電池の使用時などに、正極板や負極板、セパレータが破損するおそれがある。
また、圧縮により扁平状とされた扁平状捲回型電極体は、自身の弾性によって元の状態に戻ろうとする(スプリングバック)ので、扁平状捲回型電極体を電池ケースに挿入する際に、拘束治具で扁平状捲回型電極体をその厚み方向に拘束しながら行う必要があった。また、電池を組み立てた後も、扁平状捲回型電極体のスプリングバックにより電池(電池ケース)が扁平状捲回型電極体の厚み方向に膨れ易いので、初期充電を行う際などにも、拘束治具で電池ケースを扁平状捲回型電極体の厚み方向に拘束する必要があった。また、扁平状捲回型電極体にスプリングバックが生じると、電極間距離が広がるため、電池の内部抵抗が大きくなり易いという問題もあった。
これに対し、本発明者は、筒状捲回体を扁平状に圧縮する際に、或いは扁平状とした後に、筒状捲回体(扁平状捲回型電極体)を、加熱した状態で圧縮することを考案した。このような加熱・圧縮を行うことにより、扁平状捲回型電極体内に残留応力が生じ難くなるので、電池の使用時などに、正極板や負極板、セパレータが破損するのを防止できる。また、圧縮後のスプリングバックも生じ難くなるので、上述の各問題点を解決できる。
しかしながら、上述の加熱・圧縮を行うと、セパレータが熱により徐々にクリープが進行する。そうすると、多孔質のセパレータの気孔が徐々に狭くなり、セパレータのイオン透過性が低下するので、電池の内部抵抗が大きくなるおそれがある。
なお、前述の特許文献1では、ゲル状電解液を用いる電池の製造において、扁平巻回電極体(扁平状捲回型電極体)を外装ケース(電池ケース)に挿入した後に、電池ケースごとヒートプレス装置にて加熱・加圧している。このようにすることで、正極板、負極板及びセパレータに含浸している液状の電解液が熱重合して、ゲル状電解液に変化すると共に、正極板、負極板及びセパレータとゲル状電解液とを密着させることができる旨が記載されている。しかし、この特許文献1のように、扁平状捲回型電極体を電池ケースに挿入した後に、これを電池ケースごと加熱・圧縮を行った場合でも、前述のように、セパレータが熱により徐々にクリープして、セパレータの気孔が狭くなることには変わりなく、やはりセパレータのイオン透過性が低下する。そして、電池の内部抵抗が大きくなる。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、扁平状捲回型電極体のスプリングバックを抑制すると共に、電池の内部抵抗が大きくなるのを抑制できる密閉型電池の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、長尺状の正極板と長尺状の負極板とが樹脂製で多孔質をなす長尺状のセパレータを介して互いに重なり、軸線周りに扁平状に捲回された扁平状捲回型電極体を備える密閉型電池の製造方法であって、前記扁平状捲回型電極体を、昇温した状態としつつ、その厚み方向に圧縮する圧縮工程と、前記圧縮工程後に、前記扁平状捲回型電極体を前記セパレータのガラス転移点以下の温度まで冷却する冷却工程と、を備える密閉型電池の製造方法である。
この密閉型電池の製造方法は、扁平状捲回型電極体を、昇温した状態としつつ、その厚み方向に圧縮する圧縮工程を有する。扁平状捲回型電極体を昇温状態とすることにより、正極板、負極板及びセパレータが軟化するので、この状態で圧縮を行えば、扁平状捲回型電極体内に残留応力が生じ難くなる。従って、この圧縮工程を行うことで、電池の使用時などに、正極板や負極板、セパレータが破損するのを防止できる。また、扁平状捲回型電極体にスプリングバックも生じ難くなるので、扁平状捲回型電極体を電池ケースに挿入する際に、拘束治具で扁平状捲回型電極体をその厚み方向に拘束する必要がない、或いは、簡素な拘束治具による簡単な拘束でも足りる。また、密閉型電池を組み立てた後も、電池(電池ケース)が扁平状捲回型電極体を厚み方向に膨れ難くなるので、初期充電を行う際などに、電池ケースを拘束する必要がない、或いは、簡素な拘束治具による簡単な拘束でも足りる。また、スプリングバックにより電極間距離が広がるのを抑制できるので、電極間距離が広がることに起因して電池の内部抵抗が大きくなるのを抑制できる。従って、密閉型電池を単独で使用する際や、これを複数接続して組電池を構成する場合にも、拘束部材を必要としない、或いは、簡素な拘束部材による簡単な拘束でも足りる。
更に、この密閉型電池の製造方法は、圧縮工程後に、扁平状捲回型電極体をセパレータのガラス転移点以下の温度まで冷却する冷却工程を有する。このような冷却を行うことにより、セパレータが熱によりクリープして気孔が狭くなるのを抑制できる。従って、セパレータのイオン透過性が低下することに起因して電池の内部抵抗が大きくなるのを抑制できる。また、セパレータのガラス転移点以下の温度まで冷却することにより、その後、扁平状捲回型電極体は、その扁平形状に保持され易くなる。
なお、「圧縮工程」は、前述ように、扁平状捲回型電極体を、昇温した状態としつつ、その厚み方向に圧縮する工程である。例えば、正極板と負極板とをセパレータを介して互いに重ねて、軸線周りに円筒状や楕円筒状などに捲回した筒状捲回体を、扁平状に圧縮する際にこの工程を行ってもよい。或いは、予め扁平状に圧縮しておいた扁平状捲回型電極体に対してこの工程を行ってもよい。
扁平状捲回型電極体を「昇温した状態としつつ」圧縮する方法としては、例えば、後述するように、加熱した加熱プレス型などを用いて、扁平状捲回型電極体を加熱すると同時に圧縮する方法が挙げられる。また、加熱炉などで予め加熱しておいた扁平状捲回型電極体を、常温のプレス型や加熱した加熱プレス型などを用いて圧縮する方法も挙げられる。
なお、「圧縮工程」は、5〜60秒間かけて行うのが好ましい。圧縮工程を5秒間以上を行うことで、扁平状捲回型電極体内に残留応力がより生じ難くなるからである。一方、圧縮工程を60秒間以下とすることで、セパレータが熱によりクリープして気孔が狭くなるのをより効果的に抑制できるからである。
また、扁平状捲回型電極体を圧縮する圧縮圧は、正極板、負極板及びセパレータの材質や、扁平状捲回型電極体の捲回数などに応じて、適宜変更すればよい。例えば、圧縮圧を0.5〜40MPaとするのが好ましい。
また、「冷却工程」は、前述のように、扁平状捲回型電極体をセパレータのガラス転移点以下の温度まで冷却する工程である。例えば、後述するように、冷却風を扁平状捲回型電極体に当てて、扁平状捲回型電極体を冷却する方法が挙げられる。また、冷却した冷却プレス型を扁平状捲回型電極体を圧接させて、扁平状捲回型電極体を冷却する方法が挙げられる。また、冷却液中に扁平状捲回型電極体を浸漬して、扁平状捲回型電極体を冷却する方法が挙げられる。更に、これらの冷却方法を組み合わせて冷却工程を行うこともできる。
なお、冷却工程は、冷却速度を1〜50℃/secとするのが好ましい。また、圧縮工程後、冷却工程を開始するまでの時間は、60秒以内とするのが好ましい。
更に、上記の密閉型電池の製造方法であって、前記密閉型電池の使用上の上限温度をTa(℃)とし、前記密閉型電池を昇温したときに、前記セパレータの気孔が塞がり始める温度をTb(℃)としたとき、前記圧縮工程は、前記扁平状捲回型電極体を、(Ta+10)℃〜(Tb−10)℃の温度に昇温しつつ圧縮する密閉型電池の製造方法とすると良い。
この密閉型電池の製造方法では、圧縮工程において、扁平状捲回型電極体を(Ta+10)℃以上の温度としている。このように、使用上の上限温度Taよりも十分に高い温度にすることで、扁平状捲回型電極体内に残留応力が生じるのをより効果的に抑制できる。従って、電池の使用時などに、正極板や負極板、セパレータが破損するのをより確実に防止できる。また、電池の製造過程で扁平状捲回型電極体をその厚み方向に拘束する必要がなく、或いは簡単な拘束で足りる。また、スプリングバックにより電極間距離が広がって電池の内部抵抗が大きくなるのをより効果的に抑制できる。
一方で、この圧縮工程において、扁平状捲回型電極体を(Tb−10)℃以下の温度としているので、高温によりセパレータの気孔が塞がるのをより確実に防止できる。従って、セパレータのイオン透過性が低下することに起因して電池の内部抵抗が大きくなるのをより確実に防止できる。
更に、上記のいずれかに記載の密閉型電池の製造方法であって、前記圧縮工程は、加熱した加熱プレス型で前記扁平状捲回型電極体を圧縮することにより、前記扁平状捲回型電極体を昇温した状態としつつ圧縮する同時加熱圧縮工程を含む密閉型電池の製造方法とすると良い。
この密閉型電池の製造方法では、圧縮工程が、加熱した加熱プレス型で扁平状捲回型電極体を圧縮することにより、扁平状捲回型電極体を昇温した状態としつつ圧縮する同時加熱圧縮工程を有する。このような同時加熱圧縮工程を行うことで、容易かつ確実に圧縮工程を行うことができる。しかも、加熱と圧縮を同時に行っているので、工数を少なくできる。
更に、上記のいずれかに記載の密閉型電池の製造方法であって、前記圧縮工程は、予め昇温しておいた前記扁平状捲回型電極体を圧縮することにより、前記扁平状捲回型電極体を昇温した状態としつつ圧縮する密閉型電池の製造方法とすると良い。
この密閉型電池の製造方法では、圧縮工程において、例えば加熱炉に入れるなどして、予め昇温しておいた扁平状捲回型電極体を圧縮することにより、扁平状捲回型電極体を昇温した状態としつつ圧縮する。このようにすることで、容易かつ確実に圧縮工程を行うことができる。しかも、圧縮に先立ち予め昇温しておくので、扁平状捲回型電極体の温度をより正確に管理し易い。
更に、上記のいずれかに記載の密閉型電池の製造方法であって、前記冷却工程は、冷却風を前記扁平状捲回型電極体に当てることにより、前記扁平状捲回型電極体を冷却する風冷却工程を含む密閉型電池の製造方法とすると良い。
この密閉型電池の製造方法では、冷却工程が、冷却風を扁平状捲回型電極体に当てることにより、扁平状捲回型電極体を冷却する風冷却工程を有するので、容易かつ確実に扁平状捲回型電極体を冷却できる。しかも、冷却風を当てるだけなので、冷却工程を行うための製造設備等を簡素なものとすることができる。
更に、上記のいずれかに記載の密閉型電池の製造方法であって、前記冷却工程は、冷却した冷却プレス型を前記扁平状捲回型電極体に圧接させることにより、前記扁平状捲回型電極体を冷却するプレス冷却工程を含む密閉型電池の製造方法とすると良い。
この密閉型電池の製造方法では、冷却工程が、冷却した冷却プレス型を扁平状捲回型電極体に圧接させることにより、扁平状捲回型電極体を冷却するプレス冷却工程を有するので、容易かつ確実に扁平状捲回型電極体を冷却できる。
更に、上記のいずれかに記載の密閉型電池の製造方法であって、前記冷却工程は、冷却液中に前記扁平状捲回型電極体を浸漬することにより、前記扁平状捲回型電極体を冷却する液冷却工程を含む密閉型電池の製造方法とすると良い。
この密閉型電池の製造方法では、冷却工程が、例えば液体窒素などの冷却液中に、扁平状捲回型電極体を浸漬することにより、扁平状捲回型電極体を冷却する液冷却工程を有するので、容易かつ確実に扁平状捲回型電極体を冷却できる。
実施形態1に係るリチウムイオン二次電池の縦断面図である。 実施形態1に係り、扁平状捲回型電極体を示す斜視図である。 実施形態1に係り、ケース蓋部材、正極電極端子部材及び負極電極端子部材等を示す分解斜視図である。 実施形態1のリチウムイオン二次電池の製造方法に関し、筒状捲回体を加熱・圧縮する様子を示す説明図である。 実施形態1のリチウムイオン二次電池の製造方法に関し、加熱・圧縮して扁平状捲回型電極体を形成した様子を示す説明図である。 実施形態1のリチウムイオン二次電池の製造方法に関し、冷却風により扁平状捲回型電極体を冷却する様子を示す説明図である。 実施形態1に係るリチウムイオン二次電池について、電池温度Teと内部抵抗Reとの関係を示すグラフである。 実施形態2のリチウムイオン二次電池の製造方法に関し、筒状捲回体を常温にて圧縮する様子を示す説明図である。 実施形態2のリチウムイオン二次電池の製造方法に関し、扁平状捲回型電極体を加熱炉で加熱した後、圧縮する様子を示す説明図である。 実施形態3のリチウムイオン二次電池の製造方法に関し、冷却プレスにより扁平状捲回型電極体を冷却する様子を示す説明図である。 実施形態4のリチウムイオン二次電池の製造方法に関し、冷却液により扁平状捲回型電極体を冷却する様子を示す説明図である。
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に、本実施形態1に係るリチウムイオン二次電池(密閉型電池)100を示す。また、図2に、このリチウムイオン二次電池100を構成する扁平状捲回型電極体120を示す。図3に、ケース蓋部材113、正極電極端子部材150及び負極電極端子部材160等の詳細を示す。
このリチウムイオン二次電池100は、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両などに搭載される角型電池である。このリチウムイオン二次電池100は、角型の電池ケース110、この電池ケース110内に収容された扁平状捲回型電極体120、電池ケース110に支持された正極電極端子部材150及び負極電極端子部材160等から構成されている(図1参照)。また、電池ケース110内には、図示しない電解液が注入されている。
このうち、電池ケース110は、上側のみが開口した箱状のケース本体部材111と、このケース本体部材111の開口111hを閉塞する形態で溶接された矩形板状のケース蓋部材113とから構成されている。ケース蓋部材113には、電池ケース110の内圧が所定圧力に達した際に破断する安全弁部113jが設けられている(図1及び図3参照)。また、ケース蓋部材113には、電解液を電池ケース110内に注入する為の電解液注入口113dが設けられている。
また、ケース蓋部材113には、正極電極端子部材150及び負極電極端子部材160が、それぞれ3つの絶縁部材181,183,185を介して固設されている。これら正極電極端子部材150及び負極電極端子部材160は、それぞれ3つの端子金具151,153,155により構成されている。電池ケース110内において、正極電極端子部材150は、扁平状捲回型電極体120の正極板121(正極集電部121m)に接続され、負極電極端子部材160は、扁平状捲回型電極体120の負極板131(負極集電部131m)に接続されている。
次に、扁平状捲回型電極体120について説明する。この扁平状捲回型電極体120は、絶縁フィルムを上側のみが開口した袋状に形成した絶縁フィルム包囲体170内に収容され、横倒しにした状態で、電池ケース110内に収容されている(図1参照)。この扁平状捲回型電極体120は、長尺状の正極板121と長尺状の負極板131とを、通気性を有する長尺状のセパレータ141を介して互いに重ねて軸線AX周りに捲回し、扁平状に圧縮したものである(図2参照)。
扁平状捲回型電極体120の軸線AX方向一方側SA(図1中、左側、図2中、上方)には、正極板121のうち後述する正極集電部121mが、渦巻き状をなしてセパレータ141から突出している。一方、扁平状捲回型電極体120の軸線AX方向他方側SB(図1中、右側、図2中、下方)には、負極板131のうち後述する負極集電部131mが、渦巻き状をなしてセパレータ141から突出している。
このうち、正極板121は、芯材として、長尺状のアルミニウム箔からなる正極集電箔122を有する。この正極集電箔122の両面には、それぞれ正極活物質層(不図示)が長手方向に帯状に設けられている。この正極活物質層は、正極活物質、導電剤及び結着剤からなる。また、正極集電箔122のうち、幅方向の一端(図1中、左側、図2中、上方)は、長手方向に帯状に延び、自身の厚み方向に正極活物質層が存在しない正極集電部121mとなっている。
また、負極板131は、芯材として、長尺状の銅箔からなる負極集電箔132を有する。この負極集電箔132の両面には、それぞれ負極活物質層(不図示)が長手方向に帯状に設けられている。負極活物質層は、負極活物質、結着剤及び増粘剤からなる。また、負極集電箔132のうち、幅方向の他端(図1中、右側、図2中、下方)は、長手方向に帯状に延び、自身の厚み方向に負極活物質層が存在しない負極集電部131mとなっている。
また、セパレータ141は、樹脂製で多孔質をなす。具体的には、セパレータ141は、PPからなり、多孔質をなす。このセパレータ141のガラス転移点Tgは、Tg=−20℃である。
このリチウムイオン二次電池100は、使用上の上限温度Taが、Ta=60℃である。また、後述するように、このリチウムイオン二次電池100を昇温させたときに、セパレータ141の気孔が塞がり始める温度Tbは、Tb=110℃である(図7参照)。
次に、このリチウムイオン二次電池100の電池温度Teと内部抵抗Reとの関係について説明する。図7に、電池温度Teと内部抵抗Reとの関係を示す。グラフから明らかなように、このリチウムイオン二次電池100は、電池温度Teが110℃を越えると、内部抵抗が大きくなる。これは、セパレータ141の気孔が塞がり始めて、電池反応が出来なくなっていくことに起因する。
次いで、上記リチウムイオン二次電池100の製造方法について説明する。
まず、正極板121を製造する。即ち、長尺状のアルミニウム箔からなる正極集電箔122を用意する。そして、この正極集電箔122の一方の主面に、長手方向に延びる正極集電部121mを形成しつつ、正極活物質、導電材及び結着剤を含む正極活物質ペーストを塗布し、熱風により乾燥させて、帯状の正極活物質層を形成する。同様に、正極集電箔122の反対側の主面にも、帯状の正極集電部121mを形成しつつ、正極活物質ペーストを塗布し、熱風により乾燥させて、正極活物質層を形成する。その後、電極密度を向上させるために、加圧ロールにより、正極活物質層を圧縮すれば、正極板121ができる。
また別途、負極板131を製造する。即ち、長尺状の銅箔からなる負極集電箔132を用意する。そして、この負極集電箔132の一方の主面に、長手方向に延びる帯状の負極集電部131mを形成しつつ、負極活物質、結着剤及び増粘剤を含む負極活物質ペーストを塗布し、熱風により乾燥させて、負極活物質層を形成する。また、この負極集電箔132の反対側の主面にも、帯状の負極集電部131mを形成しつつ、負極活物質ペーストを塗布し、熱風により乾燥させて、帯状の負極活物質層を形成する。その後、電極密度を向上させるために、加圧ロールにより、負極活物質層を圧縮すれば、負極板131ができる。
また、長尺状のセパレータ141を用意する。そして、捲回工程において、正極板121と負極板131とをセパレータ141を介して互いに重ね、巻き芯を用いて軸線AX周りに円筒状に捲回し、筒状捲回体125(図4参照)を形成する。なお、この筒状捲回体125は、円筒状に限らず、楕円筒状や長円筒状に形成してもよい。
次に、圧縮工程(同時加熱圧縮工程)において、扁平状捲回型電極体120を、昇温した状態としつつ、その厚み方向に圧縮する。具体的には、図4及び図5に示すように、加熱した加熱プレス型SK1の上型SK1aと下型SK1bの間に筒状捲回体125を配置し、これを加熱しつつ扁平状に圧縮することにより、扁平状捲回型電極体120を、昇温した状態としつつ、その厚み方向に圧縮する。
前述のように、本実施形態1に係るリチウムイオン二次電池100の使用上の上限温度はTa=60℃であり、リチウムイオン二次電池100を昇温させたときに、セパレータ141の気孔が塞がり始める温度がTb=110℃である。そして、この圧縮工程(同時加熱圧縮工程)では、加熱プレス型SK1を、(Ta+10)℃〜(Tb−10)℃の温度(具体的には、75℃)に加熱することにより、扁平状捲回型電極体120をこの温度まで昇温しつつ圧縮する。また、本実施形態1では、この圧縮工程を、5〜60秒間行っている。また、加熱プレス型SK1による圧縮圧を0.5〜40MPa(具体的には、10MPa)としている。
このような圧縮工程を行うことで、熱により正極板121、負極板131及びセパレータ141が軟化するので、扁平状捲回型電極体120内(正極板121、負極板131及びセパレータ141)に残留応力が生じ難くなる。特に本実施形態1では、扁平状捲回型電極体120を、使用上の上限温度Taよりも十分に高い温度である(Ta+10)℃以上の温度としているので、扁平状捲回型電極体120内に残留応力が生じるのをより効果的に抑制できる。これにより、電池の使用時などに、正極板121や負極板131、セパレータ141が破損するのを防止できる。また、扁平状捲回型電極体120にスプリングバックが生じ難くなるので、後述するように、製造過程において拘束部材により扁平状捲回型電極体120をその厚み方向に拘束する必要がなく、電池の製造が容易になる。また、スプリングバックにより電極間距離が広がるのを抑制できるので、電極間距離が広がることに起因して電池の内部抵抗が大きくなるのを抑制できる。
また、本実施形態1では、この圧縮工程において、扁平状捲回型電極体120を(Tb−10)℃以下の温度としているので、高熱によりセパレータ141の気孔が塞がるのを確実に防止できる。従って、セパレータ141のイオン透過性が低下することに起因して電池の内部抵抗が大きくなるのをより確実に防止できる。
また、本実施形態1の圧縮工程では、加熱プレス型SK1で扁平状捲回型電極体120を圧縮することにより、扁平状捲回型電極体120を昇温した状態としつつ圧縮しているので、容易かつ確実に圧縮工程を行うことができる。しかも、加熱と圧縮を同時に行っているので、工数を少なくできる。
次に、冷却工程(風冷却工程)において、圧縮工程後の扁平状捲回型電極体120を、セパレータ141のガラス転移点Tg(前述のように、本実施形態1ではTg=−20℃)以下の温度まで冷却する。具体的には、図6に示すように、−20℃の冷却風RFを扁平状捲回型電極体120に当てることにより、扁平状捲回型電極体120を−20℃まで冷却する。本実施形態1では、この冷却風RFの風量及び風速を適宜調整することにより、冷却速度を1〜50℃/secの範囲(具体的には、5℃/sec)としている。また、圧縮工程後、冷却工程を開始するまでの時間を、60秒以内(具体的には、10 秒)としている。
このような冷却工程を圧縮工程後に行うことにより、セパレータ141が熱によりクリープして気孔が狭くなるのを抑制できる。従って、セパレータ141のイオン透過性が低下することに起因して電池の内部抵抗が大きくなるのを抑制できる。また、セパレータ141のガラス転移点Tg以下の温度まで冷却することにより、その後、扁平状捲回型電極体120は、その扁平形状に保持され易くなる。
また、本実施形態1の冷却工程では、冷却風RFを扁平状捲回型電極体に120当てて冷却しているので、容易かつ確実に扁平状捲回型電極体120を冷却できる。しかも、冷却風を当てるだけなので、冷却工程を行うための製造設備等を簡素なものとすることができる。
次に、ケース蓋部材113と、3種類の絶縁部材181,183,185と、3種類の端子金具151,153,155とを用意し(図3参照)、ケース蓋部材113に正極電極端子部材150及び負極電極端子部材160を固設すると共に、正極電極端子部材150を扁平状捲回型電極体120の正極板121(正極集電部121m)に接続し、負極電極端子部材160を扁平状捲回型電極体120の負極板131(負極集電部131m)に接続する。
次に、ケース本体部材111を用意し、ケース挿入工程において、扁平状捲回型電極体120をケース本体部材111内に挿入する。従来の電池の製造方法では、扁平状捲回型電極体に大きなスプリングバックが生じるので、扁平状捲回型電極体をケース本体部材120に挿入する際に、拘束治具で扁平状捲回型電極体をその厚み方向に拘束していた。これに対し、本実施形態1では、前述の圧縮工程を行ったことにより、扁平状捲回型電極体120にスプリングバックが殆ど生じなくなっているので、このケース挿入工程において、扁平状捲回型電極体120を拘束する必要がない。従って、ケース挿入工程を容易かつ確実に行うことができる。
次に、レーザ溶接により、ケース蓋部材113とケース本体部材111とを溶接して、電池ケース110を形成する。その後、電解液注入口113dから電池ケース110内に電解液を注入する。
次に、電解液を扁平状捲回型電極体120内に含浸させた後、初期充電工程において、このリチウムイオン二次電池100に対して初期充電を行う。その際も、従来の電池の製造方法では、拘束治具で電池ケース110の上から扁平状捲回型電極体をその厚み方向に拘束していた。これに対し、本実施形態1では、前述の圧縮工程を行ったことにより、扁平状捲回型電極体120にスプリングバックが殆ど生じなくなっているので、この初期充電工程において、電池ケース110(扁平状捲回型電極体120)を拘束する必要がない。従って、初期充電工程を容易かつ確実に行うことができる。
次に、電解液注液口113dを封止する。その後、高温エージングを行い、更に各種検査を行う。これら高温エージングや各種検査においても、従来は、拘束治具で電池ケース110(扁平状捲回型電極体)を拘束していた。しかし、本実施形態1では、このような拘束をすることなく、高温エージングや各種検査を行うことができるので、高温エージングや各種検査を容易かつ確実に行うことができる。かくして、リチウムイオン二次電池100が完成する。
このようにして製造したリチウムイオン二次電池100は、前述のように、扁平状捲回型電極体120にスプリングバックが殆ど生じなくなっている。従って、このリチウムイオン二次電池100を単独で使用する際や、リチウムイオン二次電池100を複数接続して組電池を構成する場合にも、拘束部材を必要としない、或いは、簡素な拘束部材による簡単な拘束でも足りる。
(実施形態2)
次いで、第2の実施の形態について説明する。本実施形態2のリチウムイオン二次電池100は、上記実施形態1のリチウムイオン二次電池100と同様であるが、その製造方法が異なる。具体的には、圧縮工程等が上記実施形態1と異なる。それ以外は、上記実施形態1と同様であるので、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態2に係るリチウムイオン二次電池100の製造方法では、まず、上記実施形態1と同様にして、正極板121及び負極板131を形成し、上記実施形態1と同様な捲回工程において、正極板121と負極板131とをセパレータ141を介して互いに重ね、軸線AX周りに円筒状に捲回して、筒状捲回体125(図8参照)を形成する。
次に、圧縮工程において、扁平状捲回型電極体120を、昇温した状態としつつ、その厚み方向に圧縮する。
本実施形態2では、圧縮工程に先立ち、図8に示すように、常温で用いる常温プレス型SK2の上型SK2aと下型SK2bとの間に筒状捲回体125を配置して、これを扁平状に圧縮し、扁平状捲回型電極体120とする。
その後、この扁平状捲回型電極体120を、図9に示すように、加熱炉CRに入れて、(Ta+10)℃〜(Tb−10)℃の温度(具体的には、75℃)に加熱する。
その後、圧縮工程において、この予め加熱しておいた扁平状捲回型電極体120を、常温で用いる常温プレス型SK3の上型SK3aと下型SK3bとの間に配置し、これを厚み方向に圧縮することにより、扁平状捲回型電極体120を、昇温した状態としつつ、その厚み方向に圧縮する。この常温プレス型SK3は、前述の常温プレス型SK2を再度利用してもよいし、或いは、異なるものを別途用意してもよい。
本実施形態2では、この圧縮工程を5〜60秒間行っている。また、常温プレス型SK3による圧縮圧を、0.5〜40M Pa(具体的には、10MPa)としている。
このような圧縮工程を行うことで、扁平状捲回型電極体120内に残留応力が生じ難くなるので、電池の使用時などに、正極板121や負極板131、セパレータ141が破損するのを防止できる。また、扁平状捲回型電極体120にスプリングバックが生じ難くなるので、製造過程において拘束部材で扁平状捲回型電極体120を拘束する必要がなく、電池の製造が容易になる。また、スプリングバックにより電極間距離が広がるのを抑制できるので、電極間距離が広がることに起因して電池の内部抵抗が大きくなるのを抑制できる。
また、本実施形態2では、予め昇温しておいた扁平状捲回型電極体120を圧縮することにより、扁平状捲回型電極体120を昇温した状態としつつ圧縮しているので、容易かつ確実に圧縮工程を行うことができる。しかも、圧縮に先立ち予め昇温しておくので、扁平状捲回型電極体120の温度をより正確に管理できる。
圧縮工程後は、冷却工程(風冷却工程)において、上記実施形態1と同様に、−20℃の冷却風RFを扁平状捲回型電極体120に当てることにより、扁平状捲回型電極体120をセパレータ141のガラス転移点Tg以下の温度(具体的には−20℃)まで冷却する。
このような冷却工程を行うことにより、セパレータ141が熱によりクリープして気孔が狭くなるのを抑制できる。従って、セパレータ141のイオン透過性が低下することに起因して電池の内部抵抗が大きくなるのを抑制できる。また、セパレータ141のガラス転移点Tg以下の温度まで冷却することにより、その後、扁平状捲回型電極体120は、その扁平形状に保持され易くなる。
その後は、上記実施形態1と同様にして、リチウムイオン二次電池100を完成させる。
なお、本実施形態2の圧縮工程では、予め扁平状捲回型電極体120を昇温させているので、常温プレス型SK3を用いてこれを圧縮したが、予め昇温した扁平状捲回型電極体120を、更に上記実施形態1で用いた加熱プレス型SK1で圧縮することもできる。このようにしても、扁平状捲回型電極体120内に残留応力が生じ難くなるので、前述の効果を得ることができる。
また、本実施形態2では、圧縮工程に先立ち、常温プレス型SK2で筒状捲回体125を扁平状に圧縮して扁平状捲回型電極体120を形成した後、この扁平状捲回型電極体120を加熱炉CRに入れて加熱し、その後、圧縮工程において、この加熱した扁平状捲回型電極体120を常温プレス型SK3で圧縮している。しかし、筒状捲回体125を扁平状にすることなく、そのまま加熱炉CRに入れて加熱し、その後、圧縮工程において、この加熱した筒状捲回体125を、常温プレス型SK3や上記実施形態1で用いた加熱プレス型SK1で圧縮して扁平状捲回型電極体120を形成するようにしてもよい。このようにしても、扁平状捲回型電極体120内に残留応力が生じ難くなるので、前述の効果を得ることができる。
(実施形態3)
次いで、第3の実施の形態について説明する。本実施形態3のリチウムイオン二次電池100は、上記実施形態1,2のリチウムイオン二次電池100と同様であるが、その製造方法が異なる。具体的には、冷却工程が上記実施形態1,2と異なる。それ以外は、上記実施形態1と同様であるので、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態3に係るリチウムイオン二次電池100の製造方法では、まず、上記実施形態1と同様にして、正極板121及び負極板131を形成し、上記実施形態1と同様な捲回工程を行って、筒状捲回体125(図4参照)を形成する。
その後、上記実施形態1と同様にして、圧縮工程を行う(図4及び図5参照)。これにより、扁平状捲回型電極体120内に残留応力が生じ難くなるので、電池の使用時などに、正極板121や負極板131、セパレータ141が破損するのを防止できる。また、扁平状捲回型電極体120にスプリングバックが生じ難くなるので、製造過程において拘束部材で扁平状捲回型電極体120を拘束する必要がなく、電池の製造が容易になる。また、スプリングバックにより電極間距離が広がるのを抑制できるので、電極間距離が広がることに起因して電池の内部抵抗が大きくなるのを抑制できる。
次に、冷却工程(プレス冷却工程)において、圧縮工程後の扁平状捲回型電極体120を、セパレータ141のガラス転移点Tg以下の温度まで冷却する。具体的には、図10に示すように、冷却した冷却プレス型SK4の上型SK4aと下型SK4bとの間に扁平状捲回型電極体120を配置し、冷却プレス型SK4を扁平状捲回型電極体120を圧接させることにより、扁平状捲回型電極体120の形状を保ちつつ、これを−20℃まで冷却する。本実施形態3では、液体窒素により冷却プレス型SK4を予冷して、扁平状捲回型電極体120の冷却速度を1〜50℃/secの範囲(具体的には、5℃/sec)としている。
このような冷却工程を行うことにより、セパレータ141が熱によりクリープして気孔が狭くなるのを抑制できる。従って、セパレータ141のイオン透過性が低下することに起因して電池の内部抵抗が大きくなるのを抑制できる。また、セパレータ141のガラス転移点Tg以下の温度まで冷却することにより、その後、扁平状捲回型電極体120は、その扁平形状に保持され易くなる。
また、本実施形態3の冷却工程では、冷却した冷却プレス型SK4を扁平状捲回型電極体120に圧接させることにより、扁平状捲回型電極体120を冷却しているので、容易かつ確実に扁平状捲回型電極体120を冷却できる。
その後は、上記実施形態1等と同様にして、リチウムイオン二次電池100を完成させる。
(実施形態4)
次いで、第4の実施の形態について説明する。本実施形態4のリチウムイオン二次電池100は、上記実施形態1〜3のリチウムイオン二次電池100と同様であるが、その製造方法が異なる。具体的には、冷却工程が上記実施形態1〜3と異なる。それ以外は、上記実施形態1と同様であるので、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態4に係るリチウムイオン二次電池100の製造方法では、まず、上記実施形態1と同様にして、筒状捲回体125(図4参照)を形成する。
その後、上記実施形態1と同様にして、圧縮工程を行う(図4及び図5参照)。これにより、扁平状捲回型電極体120内に残留応力が生じ難くなるので、電池の使用時などに、正極板121や負極板131、セパレータ141が破損するのを防止できるなど、上記実施形態1と同様な効果が得られる。
次に、冷却工程(液冷却工程)において、圧縮工程後の扁平状捲回型電極体120を、セパレータ141のガラス転移点Tg以下の温度まで冷却する。具体的には、図11に示すように、冷却液TE中に扁平状捲回型電極体120を浸漬することにより、扁平状捲回型電極体120を冷却する。本実施形態4では、冷却液TEとして液体窒素を用い、浸漬時間を調整するなどして、扁平状捲回型電極体120を−20℃まで冷却している。冷却速度は、1〜50℃/secの範囲(具体的には、5℃/sec)である。
このような冷却工程を行うことにより、セパレータ141が熱によりクリープして気孔が狭くなるのを抑制できる。従って、セパレータ141のイオン透過性が低下することに起因して電池の内部抵抗が大きくなるのを抑制できる。また、セパレータ141のガラス転移点Tg以下の温度まで冷却することにより、その後、扁平状捲回型電極体120は、その扁平形状に保持され易くなる。
また、本実施形態4の冷却工程では、冷却液TE中に扁平状捲回型電極体120を浸漬することにより、扁平状捲回型電極体120を冷却しているので、容易かつ確実に扁平状捲回型電極体120を冷却できる。
その後は、上記実施形態1等と同様にして、リチウムイオン二次電池100を完成させる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態1〜4に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、冷却工程は、上記実施形態1,2では冷却風RFを用いて行い(風冷却工程)、上記実施形態3では冷却プレス型SK4を用いて行い(プレス冷却工程)、上記実施形態4では冷却液TEを用いて行っている(液冷却工程)が、冷却工程は、これらを組み合わせて行ってもよい。
100 リチウムイオン二次電池(密閉型電池)
110 電池ケース
120 扁平状捲回型電極体
121 正極板
125 筒状捲回体
131 負極板
141 セパレータ
AX 軸線
SK1 加熱プレス型
SK2,SK3 常温プレス型
SK4 冷却プレス型
RF 冷却風
CR 加熱炉
TE 冷却液

Claims (7)

  1. 長尺状の正極板と長尺状の負極板とが樹脂製で多孔質をなす長尺状のセパレータを介して互いに重なり、軸線周りに扁平状に捲回された扁平状捲回型電極体を備える
    密閉型電池の製造方法であって、
    前記扁平状捲回型電極体を、昇温した状態としつつ、その厚み方向に圧縮する圧縮工程と、
    前記圧縮工程後に、前記扁平状捲回型電極体を前記セパレータのガラス転移点以下の温度まで冷却する冷却工程と、を備える
    密閉型電池の製造方法。
  2. 請求項1に記載の密閉型電池の製造方法であって、
    前記密閉型電池の使用上の上限温度をTa(℃)とし、
    前記密閉型電池を昇温したときに、前記セパレータの気孔が塞がり始める温度をTb(℃)としたとき、
    前記圧縮工程は、
    前記扁平状捲回型電極体を、(Ta+10)℃〜(Tb−10)℃の温度に昇温しつつ圧縮する
    密閉型電池の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の密閉型電池の製造方法であって、
    前記圧縮工程は、
    加熱した加熱プレス型で前記扁平状捲回型電極体を圧縮することにより、前記扁平状捲回型電極体を昇温した状態としつつ圧縮する同時加熱圧縮工程を含む
    密閉型電池の製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の密閉型電池の製造方法であって、
    前記圧縮工程は、
    予め昇温しておいた前記扁平状捲回型電極体を圧縮することにより、前記扁平状捲回型電極体を昇温した状態としつつ圧縮する
    密閉型電池の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の密閉型電池の製造方法であって、
    前記冷却工程は、
    冷却風を前記扁平状捲回型電極体に当てることにより、前記扁平状捲回型電極体を冷却する風冷却工程を含む
    密閉型電池の製造方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の密閉型電池の製造方法であって、
    前記冷却工程は、
    冷却した冷却プレス型を前記扁平状捲回型電極体に圧接させることにより、前記扁平状捲回型電極体を冷却するプレス冷却工程を含む
    密閉型電池の製造方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の密閉型電池の製造方法であって、
    前記冷却工程は、
    冷却液中に前記扁平状捲回型電極体を浸漬することにより、前記扁平状捲回型電極体を冷却する液冷却工程を含む
    密閉型電池の製造方法。
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