JP2011258047A - カップ式自動販売機のカップまたはキャップの供給装置 - Google Patents

カップ式自動販売機のカップまたはキャップの供給装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 部品点数を削減でき、それにより、装置の小型化と製造コストの削減を図ることができるカップ式自動販売機のカップまたはキャップの供給装置を提供する。
【解決手段】 ベース3と、ベース3の上側に設けられ、販売コラム17およびこれの両側に連なる一対の予備コラム18、18を有する収納器4と、一対のプッシャ6、6と、一対のプッシャ6、6の一方を選択的に駆動するプッシャ駆動装置5と、を備え、プッシャ駆動装置5は、モータ駆動機構21によって駆動される単一のモータ22と、モータ22の回転方向に応じた方向に回転する第1カム23と、モータ22の回転方向に応じた方向に回動し、一方または他方のプッシャ6を移動させ、一方または他方の予備コラム18から販売コラム17に供給対象物列CRを移動させる第2カム24と、一対のプッシャ6、6を待機位置側に付勢する付勢手段25と、を有している。
【選択図】図12

Description

本発明は、カップ式自動販売機に内蔵され、カップまたはこのカップに装着されるキャップを供給するカップ式自動販売機のカップまたはキャップの供給装置に関する。
従来、この種のキャップ供給装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。このキャップ供給装置は、ベース、キャップ収納器、プッシャおよびプッシャ駆動部を備えている。ベースは、水平に設けられ、キャップを供給するための開口を有している。キャップ収納器は、ベースの上側に設けられ、販売コラムおよび予備コラムを1つずつ有している。販売コラムは、ベースの開口の上側に位置し、販売用のキャップ列を収納している。予備コラムは、販売コラムに連なり、予備用のキャップ列を収納している。プッシャは、キャップ収納器内に上下方向に延び、販売コラムから遠い待機位置と販売コラムに近い補充位置との間で回動自在である。
プッシャ駆動部は、回動軸、連結アームおよびモータを有している。回動軸は、モータに連結され、キャップ収納器の外方に上下方向に延びている。連結アームは、回動軸に固定され、回動軸の両側に水平に延び、その端部がプッシャに連結されるとともに、他端部に被検出部が設けられている。ベースの上面の所定位置には、プッシャの位置を検出するための待機位置センサおよび補充位置センサが設けられている。これらのセンサは、プッシャが待機位置および補充位置にそれぞれ位置しているときに、その状態を被検出部を介して検出し、オン信号を出力する。
以上のように構成されたキャップ供給装置では、販売コラム内のキャップ列が空になったときに、モータが所定の方向に駆動されることによって、回動軸が回動する。これに伴い、連結アームが回動することによって、プッシャが待機位置から補充位置に移動する。これにより、予備コラム内のキャップ列が、プッシャで押圧されることによって、販売コラムに送り出され、補充される。このときのモータによる駆動は、補充位置センサからオン信号が出力されるまで行われる。その後、モータが、上記と逆方向に駆動され、待機位置センサからオン信号が出力されたときに停止されることによって、上記と逆の動作により、プッシャが待機位置に復帰する。
また、上記のキャップ供給装置にもう1つの予備コラムを付加したキャップ供給装置も知られている。このキャップ供給装置では、販売コラムの両側に予備コラムが1つずつ設けられるとともに、これらの予備コラムからキャップ列を補充するために、前述した構成を有する互いに別個の2組のプッシャ、プッシャ駆動部、待機位置センサおよび補充位置センサが設けられている。
特開2007−115061号公報
しかし、上記の2つの予備コラムを設けたキャップ供給装置では、予備コラムごとに、回動軸、連結アーム、モータ、待機位置センサおよび補充位置センサが設けられているため、部品点数が増大し、それに伴い、装置が大型化するとともに、製造コストが上昇してしまう。
また、待機位置センサおよび補充位置センサの取付け位置に応じてプッシャの待機位置および補充位置が決定されるので、プッシャによるキャップ列の補充動作を適切に行うためには、2組の待機位置センサおよび補充位置センサをそれぞれの所定位置に精度良く取り付ける必要があり、その取付け作業が煩雑になるという欠点もある。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、部品点数を削減でき、それにより、装置の小型化と製造コストの削減を図ることができるカップ式自動販売機のカップまたはキャップの供給装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、上下方向に積み重なった複数のカップまたはキャップから成る供給対象物列を収納するとともに、販売時に、供給対象物列から最下位の供給対象物を下方に供給するカップ式自動販売機のカップまたはキャップの供給装置であって、供給対象物を供給するための開口を有する水平なベースと、ベースの上側に設けられるとともに、開口の上側に位置し、販売用の供給対象物列を収納するための販売コラムと、販売コラムの両側に連なり、予備用の供給対象物列をベースに載置した状態でそれぞれ収納するための一対の予備コラムと、を有する収納器と、収納器内に上下方向に延び、販売コラムから遠い所定の待機位置と販売コラムに近い所定の補充位置との間でそれぞれ移動自在の一対のプッシャと、一対の予備コラムの一方から販売コラムに供給対象物列を移動させ、補充するために、一対のプッシャの一方を選択的に駆動するプッシャ駆動装置と、を備え、プッシャ駆動装置は、両方向に回転自在の単一のモータと、鉛直軸線を中心として回転自在に設けられ、モータの回転に伴い、その回転方向に応じた方向に回転する第1カムと、第1カムが所定のカム待機位置から1回転するように、モータを一方の方向に駆動するモータ駆動機構と、鉛直軸線を中心として回動自在に設けられ、第1カムが1回転する途中で係合し、第1カムで押圧されることにより、モータの回転方向に応じた方向に回動し、一対のプッシャの一方を待機位置から補充位置に移動させることにより、一対の予備コラムの一方から販売コラムに供給対象物列を移動させる第2カムと、一対のプッシャを待機位置側に付勢する付勢手段と、を有していることを特徴とする。
この構成によれば、開口を有するベースの上側には収納器が設けられており、その収納器内の販売コラムには、販売用の複数のカップまたはキャップから成る供給対象物列が収納され、販売時に、その中から最下位の供給対象物が、ベースの開口を介して下方に供給される。また、販売コラムの両側の2つの予備コラムにはそれぞれ、予備用の供給対象物列が収納されている。
販売コラム内の供給対象物列が空になると、単一のモータが、モータ駆動機構によって、一方の方向に駆動される。これに伴い、第1カムが、モータの回転方向に応じた方向に、所定のカム待機位置から1回転する。この回転の途中で、第1カムが第2カムに係合し、第2カムを押圧することにより、第2カムが、モータの回転方向に応じた方向に回動し、一対のプッシャの一方を待機位置から補充位置に移動させる。これに伴い、予備コラムの一方に収納された供給対象物列が、プッシャで押圧されることによって、販売コラムに移動し、補充される。その後、第1カムは、第2カムから外れ、カム待機位置に復帰する。また、プッシャは、付勢手段によって補充位置に復帰する。
また、他方の予備コラムから供給対象物列を補充する際には、モータが上記と逆の方向に駆動される。これにより、第1および第2カムが上記と逆方向に同様に回転および回動し、他方のプッシャを待機位置から補充位置に移動させることによって、他方の予備コラムから販売コラムに供給対象物列が補充される。
以上のように、本発明によれば、単一のモータで一対のプッシャを選択的に駆動することができるため、予備コラムごとにモータなどを設ける必要がなくなり、従来と比較して、モータなどの部品点数を削減できる。それにより、装置の小型化と製造コストの削減を図ることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のカップ式自動販売機のカップまたはキャップの供給装置において、モータ駆動機構は、第1カムがカム待機位置に位置しているか否かを検出する第1カム位置センサを有し、モータの回転に伴って第1カムがカム待機位置から回転した後、第1カムが待機位置に移動したことが検出されたときに、モータを停止することを特徴とする。
この構成によれば、供給対象物列を補充する際、第1カムがカム待機位置から1回転し、カム待機位置に復帰したことが、1つの第1カム位置センサによって検出され、それに応じてモータが停止されるので、第1カムを確実に1回転させることができる。また、前述したように、第1カムが1回転する途中での第2カムとの係合およびその解除によって、プッシャによる供給対象物列の補充動作が行われる。したがって、従来のような補充位置センサが不要になるため、センサの数を低減でき、部品点数をさらに削減できるとともに、カム待機位置センサを所定の取付け位置に精度良く取り付ける必要がなくなり、その取付け作業を容易に行うことができる。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載のカップ式自動販売機のカップまたはキャップの供給装置において、第1カムは、上下2つの第1カムで構成され、第2カムは、第1カムが一方の方向に回転するときに、上側の第1カムで押圧される上側の第2カムと、第1カムが他方の方向に回転するときに、下側の第1カムで押圧される下側の第2カムとによって構成され、上下の第1カムと上下の第2カムはそれぞれ、第1カムがカム待機位置に位置しているときに、第1カムの回転の中心と第2カムの回動の中心とを結ぶ線を中心として、平面的に見て互いに対称になるように配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1および第2カムがそれぞれ上下2つのカム部で構成されるとともに、上記のように対称に配置されているので、第1カムがカム待機位置から一方の方向に回転したときと、他方の方向に回転したときでは、第1および第2カムの動作は、互いに同じで、その方向が逆になる。このため、単一のモータによる一対のプッシャの選択的な駆動を円滑に行うことができる。
本発明のキャップ供給装置を示す斜視図である。 キャップ収納器の後カバーおよびコラムドアを、これらを分解した状態で示す斜視図である。 プッシャ駆動装置を示す斜視図である。 図3のプッシャ駆動装置を分解した状態で示す斜視図である。 プッシャ駆動装置の(a)第1カムおよび(b)第2カムを示す斜視図である。 第1および第2カムの動作を説明する説明図である。 図6に続く第1および第2カムの動作を説明する説明図である。 図7に続く第1および第2カムの動作を説明する説明図である。 第1カムが図6と逆方向に回転した場合の第1および第2カムの動作を説明する説明図である。 図9に続く第1および第2カムの動作を説明する説明図である。 図10に続く第1および第2カムの動作を説明する説明図である。 キャップ供給装置の平面図である。 一方の予備コラムから販売コラムへのキャップ列の補充動作を説明する説明図である。 図13に続く一方の予備コラムから販売コラムへのキャップ列の補充動作を説明する説明図である。 他方の予備コラムから販売コラムへのキャップ列の補充動作を説明する説明図である。 図15に続く他方の予備コラムから販売コラムへのキャップ列の補充動作を説明する説明図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、実施形態によるキャップ供給装置を示している。このキャップ供給装置1は、コーヒーまたはジュースなどの飲料をカップに入れた状態で販売するカップ式自動販売機(図示せず)に内蔵されており、カップに装着されるキャップを供給するためのものである。
同図に示すように、キャップ供給装置1の下側には、キャップ装着装置2が設けられている。このキャップ装着装置2は、販売時に、キャップ供給装置1から供給されたキャップCを受け取るとともに、カップ搬送装置(図示せず)によって搬送された飲料入りのカップに装着する。キャップCは、例えば薄いプラスチック製のものであり、カップに装着できるよう、円形状を有するとともに、周縁部の全体につばが形成されている。多数のこのようなキャップCが上下方向に積み重ねられ、キャップ列CRとしてキャップ供給装置1に収納されている(図12参照)。
図1〜図4および図12に示すように、キャップ供給装置1は、ベース3、キャップ収納器4、プッシャ駆動装置5および一対のプッシャ6、6を備えている。なお、以下の説明では、図1の矢印A、B、CおよびDの側をそれぞれ、「前」「後」「左」および「右」として説明を行う。
ベース3は、水平な中空のボックス状のものである。ベース3の中央には、上下方向に貫通し、キャップCよりも一回り大きな円形の開口3aが形成されている(図12参照)。また、ベース3内には、開口3aの周縁部の下側に、キャップ列CRからキャップCを切り離すためのキャップドロップリング7が設けられている。
キャップドロップリング7は、開口3aに臨むとともに鉛直軸線を中心として互いに同期した状態で回転する3つの切離しカム7aを有している。これらの切離しカム7aは、販売待機時には、開口3aの上側に配置されたキャップ列CRを下方から支持した状態で保持し、販売時には、所定角度、回転することによって、キャップ列CRから最下位のキャップCを切り離す。
また、ベース3内には、開口3aの上方におけるキャップCの有無を検出するキャップセンサ8が設けられている(図12参照)。このキャップセンサ8は、開口3aの左右両側に、互いに対向するようにそれぞれ配置された発光素子8aおよび受光素子8bを有する光センサで構成されている。発光素子8aから受光素子8bへの光がキャップCによって遮断されているときには、開口3aの上側にキャップCが存在していることが検出され、一方、受光素子8bが発光素子8aからの光を受けたときには、開口3aの上側にキャップCが存在していないことが検出される。
図1および図2に示すように、キャップ収納器4は、ベース3に載置されており、上方に延び、左右対称に形成されている。また、キャップ収納器4は、前壁11、収納器本体12、左右一対のコラムドア13、13および上壁14を有している。
収納器本体12は、後壁12aと、後壁12aの両端からそれぞれ斜め前方に延びる左右の斜め壁12b、12bと、各斜め壁12bの前端から前方に延びる左右の側壁12c、12cを有している。収納器本体12の前面および上面は開放されており、前壁11および上壁14は、これらの開放部分を覆うように取り付けられている。
以上のように構成されたキャップ収納器4の内部は、その中央の開口3aの上側の部分が販売コラム17になっており、その左右両側に連なる部分が左右一対の予備コラム18、18になっている(図12参照)。販売コラム17には、販売用のキャップ列CRが収納され、予備コラム18、18には、予備用のキャップ列CRがベース3に載置された状態でそれぞれ収納される。
キャップ収納器4の各側壁12cには、そのほぼ全面にわたって、キャップ列補充口12dが形成されている。側壁12cの後部の縁部には、上下方向に延びる上下2つの長孔12e、12eが形成され、側壁12cの前側の縁部の中央には、係合孔12fが形成されている。コラムドア13の後端部には、上下2つの取付け突起13a、13aが形成され、コラムドア13の前端部の中央には、係合突起13bが形成されている。
コラムドア13は、その2つの取付け突起13a、13aが側壁12cの長孔12e、12eに係合した状態で、収納器本体12に回動自在に取り付けられており、キャップ列補充口12dを開閉する。コラムドア13を開放した状態で、キャップ列補充口12dを介して、キャップ列CRが予備コラム18に補充される。また、コラムドア13の係合突起13bが側壁12cの係合孔12fに係合することによって、コラムドア13が閉鎖状態に保持される。さらに、コラムドア13の下部には、コラムドア13を開閉する際に用いられる操作孔13cが形成されている。
また、図12に示すように、コラムドア13の後部は、外向きに凸に湾曲しており、その内面が、後述するプッシャ6の押圧によってキャップ列CRを移動させる際に、キャップ列CRを案内するためのガイド面13dになっている。このガイド面13dは、プッシャ6の回動の中心である回動軸38から最も遠い、キャップ列CRの外端位置PCRを通りかつ回動軸38を中心とする円弧に近接し、この円弧に沿って延びている。
また、図2に示すように、キャップ収納器4には、販売コラム17に収納されたキャップ列CRを保持するための左右一対の第1保持ロッド19、19と、各予備コラム18から販売コラム17にキャップ列CRを移動させる際、キャップ列CRを保持するための2つの第2保持ロッド20、20が設けられている。
各第1保持ロッド19は、キャップ収納器4内に上下方向に延びている。また、第1保持ロッド19は、上端部および下端部にそれぞれ形成されたL字状の取付部19a、19aを介して、収納器本体12の斜め壁12bに回動自在に取り付けられている。さらに、上側の取付部19aにはばね(図示せず)が取り付けられており、第1保持ロッド19は、このばねによって販売コラム17側に付勢されている。
同様に、各第2保持ロッド20は、キャップ収納器4内に上下方向に延びており、上端部および下端部に形成されたL字状の取付部20a、20aを介して、収納器本体12の斜め壁12bに回動自在に取り付けられている。また、第2保持ロッド52は、上側の取付部20aに取り付けたばね(図示せず)によって、予備コラム18側に付勢されている。
図3および図4に示すように、プッシャ駆動装置5は、モータ駆動装置21と、モータ駆動装置21で駆動されるモータ22と、モータ22で回転駆動される第1カム23と、回転する第1カム23によって回動し、プッシャ6を駆動する第2カム24と、プッシャ6を待機位置側に付勢するプッシャばね25を有している。モータ22、第1および第2カム23、24は、ベース3内に配置されている。モータ22は、両方向に回転自在であり、モータ駆動装置21によって一方または他方の方向に選択的に駆動される。
第1カム23は、合成樹脂の成形品で構成されており、図5(a)に示すように、被検出部27、軸部28および上下2つのカム部29、30(以下、それぞれ「第1上側カム部29」「第1下側カム部30」という)を有している。被検出部27は、切欠27aを有する円板状のものであり、軸部28は、被検出部27の中央から上方に延びるとともに、その軸孔28aに回転軸31が通されている(図6(a)参照)。この回転軸31は、第1カム23に一体に取り付けられるとともに、減速機構(図示せず)を介してモータ22に連結されている。以上の構成により、モータ22がモータ駆動装置21によって駆動されると、第1カム23は、減速機構および回転軸31を介して、モータ22の回転方向に応じた方向に回転する。
第1上側カム部29および第1下側カム部30は、軸部28の外周面の互いに近接した位置から水平にかつ平行に延び、平面的に見て、部分的に重なり合うとともに、この重なり部分を中心として互いに対称になっている。
また、図3に示すように、第1カム23には、その回転位置を検出するための第1カム位置センサ32が設けられている。第1カム位置センサ32は、発光素子32aおよび受光素子32bを有する光センサで構成されている。発光素子32aおよび受光素子32bは、第1カム23が図6(a)に示すカム待機位置に位置するときの被検出部27の切欠27aの上下両側に、互いに対向するように配置されている。
以上の構成によれば、第1カム23がカム待機位置から1回転するのに伴い、発光素子32aからの光が、受光素子32bで受光される受光状態から、被検出部27で遮光される遮光状態を経て、再び受光状態に戻るので、そのことによって第1カム23がほぼ1回転したことが検出される。
第2カム24は、合成樹脂の成形品で構成されており、図5(b)に示すように、軸部35および上下2つのカム部36、37(以下、それぞれ「第2上側カム部36」「第2下側カム部37」という)を有し、第1カム23の後ろ側に配置されている。軸部35は、上下方向に延びる円筒状のものであり、その上面の径方向に対向する位置には、2つの係合溝35a、35aが形成されている。また、軸部35の軸孔35bには、回動軸38が通されており(図4参照)、第2カム24は、回転軸38を中心として回動自在である。
第2上側カム部36および第2下側カム部37は、軸部35の外周面の同じ位置から水平にかつ互いに離れる方向に斜めに延び、平面的に見て、部分的に重なり合うとともに、この重なり部分を中心として、互いに対称になっている。また、第2上側および下側カム部36、37はそれぞれ、第1上側および下側カム部29、30と同じ高さに配置されており、第1カム23の回転に伴い、第1上側および下側カム部29、30が係合する。
図4に示すように、第2カム24の上面には、板状の連結具41が、係合溝35a、35aに係合し、回り止めされた状態で、水平に取り付けられている。また、連結具41の中央には、軸孔41aが形成されており、回動軸38は、この軸孔41aを介して、第2カム24の軸孔35bに通されている。連結具41の前部には、ねじ42が上方からねじ込まれ、上方に突出している。
左右一対のプッシャ6、6は、回動軸38を中心として、その両側に対称に設けられている。各プッシャ6は、プッシャ本体6aと、プッシャ本体6aと一体の連結部材6bで構成されている。プッシャ本体6aは、上下方向に延びており、その外端部付近が若干屈曲している。プッシャ本体6aの下部は、内方に若干延びており、この部分に連結部材6bが固定されている。
連結部材6bの上端部および下端部にはそれぞれ、内方に延びる上側連結部6cおよび下側連結部6dが設けられている。上側連結部6cおよび下側連結部6dにはそれぞれ、軸孔6eが形成されている。各プッシャ6は、軸孔6e、6eを介して回動軸38に通されており、それにより、回動軸38に回動自在に取り付けられている。さらに、回動軸38には、これに取り付けた2つの上側連結部6c、6cの間に、リング状のスペーサ40が取り付けられている。このスペーサ40により2つの上側連結部6c、6cの間が遮断されることによって、一方のプッシャ6の回動の影響が他方のプッシャ6に及ぶことが防止される。各下側連結部6dの前部には、回動軸38を中心とする円弧状の長孔6fが形成されており、これらの長孔6f、6fに、連結具41に取り付けたねじ42が通されている。
プッシャばね25は、ねじりコイルばねで構成されており、回動軸38に通され、その下部に設けられている。また、プッシャばね25は、その両端部から外方に延びる係合部25a、25aを介して、プッシャ6、6を前側に付勢している。
次に、以上の構成のキャップ供給装置1におけるキャップ列CRの補充動作について説明する。まず、そのうちの第1および第2カム23、24の動作を、図6〜図11を参照しながら説明する。図6(a)は、第1カム23および第2カム24の待機状態を示しており、この待機状態では、第1上側および下側カム部29、30と第2上側および下側カム部36、37は、いずれも前方に突出しており、回転軸31の中心と回動軸38の中心とを結ぶ線を中心として、それぞれ互いに対称になっている。この待機状態からモータ22がモータ駆動装置21によって駆動されると、減速機構および回転軸31を介して、第1カム23がモータ22の回転方向に応じた方向に回転する。
例えば、同図に示すように、第1カム23がカム待機位置から反時計方向に回転すると、まず、その第1下側カム部30が第2カム24の第2下側カム部37に当接し(図6(b))、これを押圧する。これにより、第2カム24は、回動軸38を中心として時計方向に回動する。第1カム23の回転が進むと、第1上側カム部29が第2上側カム部36に当接するようになり、これを押圧する(図6(c)および図7(a))。第1カム23の回転がさらに進むと、第1下側カム部30が第2下側カム部37から外れ、第1上側カム部29のみが第2上側カム部36に当接し、押圧した状態になる(図7(b)および(c))。
第1カム23の回転がさらに進むと、第1上側カム部29が第2上側カム部36から外れる(図8(a))。これにより、第2カム24は、プッシャばね25の付勢力によって、反時計方向に回動し、カム待機位置に復帰する(図8(a)および(b))。第1カム23はさらに回転し、第1カム23がほぼ1回転したことが第1カム位置センサ32で検出されるのに応じ、モータ22が停止されることにより、第1カム23がカム待機位置に停止する(図8(c))。
以上のように、第1下側カム部30が第2下側カム部37に当接し、その後、第1上側カム部29が第2上側カム部36に当接することによって、第1下側カム部30および第1上側カム部29により、第2カム24を段階的に押圧する。これにより、第1カム23の回転に伴う第2カム24の回動量を十分に確保できるとともに、第1カム23から第2カム24に押圧力を効果的に作用させ、第2カム24を効率良く回動させることができる。
一方、第1カム23が、カム待機位置から上記と反対の時計方向に回転すると、第1上側および下側カム部29、30が第2上側および下側カム部36、37に上記と逆の順に当接することによって、第2カム24を反時計方向に回動させる。具体的には、まず、第1上側カム部29が第2上側カム部36に当接し(図9(a)および(b))、その後、第1下側カム部30が第2下側カム部37に当接する(図9(c)および図10(a))。その後、第1上側カム部29が第2上側カム部36から外れ、第1下側カム部30のみが第2下側カム部37に当接した状態になる(図10(b)および(c))。
その後、第1下側カム部30が第2下側カム部37から外れる(図11(a))。第2カム24は、プッシャばね25の付勢力によって、時計方向に回動し、カム待機位置に復帰する(図11(a)および(b))。また、第1カム23がほぼ1回転したときに、モータ22が停止されることにより、第1カム23がカム待機位置に停止する(図11(c))。
以上のように、第1カム23がカム待機位置から一方の方向に回転したときと、他方の方向に回転したときでは、第1および第2カム23、24の動作は、互いに同じで、その方向が逆になる。
図13〜図16は、上述した第1および第2カム23、24の動作によって得られる、予備コラム18から販売コラム17へのキャップ列CRの補充動作について示している。図13(a)は、補充動作の開始前の待機状態を示している。この待機状態では、第1および第2カム23、24が図6(a)に示すカム待機位置に位置していることにより、左右のプッシャ6、6はいずれも、プッシャばね25の付勢力によって、プッシャ収納器4の前壁11に近い前側の待機位置に位置している。
この待機状態から、キャップセンサ8によって、販売コラム17にキャップCが存在していないことが検出されると、モータ駆動装置21によってモータ22が駆動され、それに伴い、第1カム23がカム待機位置から図6の反時計方向に1回転するとともに、それに応じ、前述したように、第2カム24が、回動軸38を中心として時計方向に回動する。この第2カム24の回動に伴い、それと一緒に連結具41が回動し、連結具41に設けられたねじ42が、左側のプッシャ6の長孔6fの縁部を押圧する。これにより、プッシャ6は、プッシャばね25の付勢力に抗して時計方向に回動し、左側の予備コラム18のキャップ列CRを押圧し、販売コラム17側に移動させる(図13(b)および図14(a))。
このように第2カム24が回動する際、ねじ42が右側のプッシャ6の長孔6fに沿って移動するため、ねじ42が長孔6fによって円滑に案内されるとともに、右側のプッシャ6は、ねじ42で押圧されることなく、待機位置に保持される。
上記のように移動する際、キャップ列CRは、第2保持ロッド20によって保持されるとともに、コラムドア13のガイド面13dによって案内される。前述したように、このガイド面13dは、プッシャ6の回動軸38から最も遠い、キャップ列CRの外端位置PCRを通りかつ回動軸38を中心とする円弧に近接し、それに沿って延びている。したがって、キャップ列CRは、コラムドア13側に逃げることなく、ガイド面13dに沿って円滑に案内される。
その後、第2カム24の回動が進み、第1上側カム部29が第2上側カム部36から外れる直前(図7(c))に、プッシャ6が補充位置に達することによって、キャップ列CRが販売コラム17に移動し、その補充動作が完了する(図14(b))。その後、第1上側カム部29が第2上側カム部36から外れることにより、プッシャばね25の付勢力によって、第2カム24が図6(a)に示すカム待機位置に復帰するとともに、プッシャ6が待機位置に復帰する(図15(a))。
その後、上記のように補充されたキャップ列CRがすべて消費されると、右側の予備コラム18のキャップ列CRが販売コラム17に補充される。この場合には、モータ22が上記と逆方向に駆動されることにより、第1カム23が上記と逆の時計方向に1回転し、それに伴い、第2カム24が上記と逆方向に回動し、上記と左右逆の関係で右側のプッシャ6を待機位置から補充位置に移動することによって、右側の予備コラム18から販売コラム17にキャップ列CRが補充される(図15および図16)。
以上のように、本実施形態によれば、単一のモータ22で左右のプッシャ6、6を選択的に駆動するので、予備コラム18ごとにモータ22などを設ける必要がなくなり、部品点数を削減でき、それにより、キャップ供給装置の小型化と製造コストの削減を図ることができる。また、第1カム23が1回転する途中で、プッシャ6によるキャップ列CRの補充動作が行われるため、従来のような補充位置センサが不要になる結果、センサの数を低減でき、部品点数をさらに削減することができる。
また、キャップ列CRを補充する際、第1カム23がカム待機位置から1回転したことが、1つの第1カム位置センサ32によって検出され、それに応じてモータ22が停止されるので、第1カム23を確実に1回転させることができる。
さらに、第1カム23が1回転する途中での第2カム24との係合およびその解除によって、プッシャ6によるキャップ列CRの補充動作が行われる。したがって、従来のような補充位置センサが不要になるため、センサの数を低減でき、部品点数をさらに削減できるとともに、カム待機位置センサ32を所定の取付け位置に精度良く取り付ける必要がなくなり、その取付け作業を容易に行うことができる。
また、第1カム23を構成する第1上側および下側カム部29、30と第2カム24を構成する第2上側および下側カム部36、37がそれぞれ、互いに対称に配置されているので、第1カム23がカム待機位置から一方の方向に回転したときと、他方の方向に回転したときでは、第1および第2カム23、24の動作は、互いに同じで、その方向が逆になる。このため、単一のモータ22による一対のプッシャ6、6の選択的な駆動を円滑に行うことができる。
さらに、第1上側カム部29および第1下側カム部30が、第2カム24に段階的に当接し、これを押圧するので、第1カム23の回転に伴う第2カム24の回動量を十分に確保できるとともに、第1カム23から第2カム24に押圧力を効果的に作用させ、第2カム24を効率良く回動させることができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態で示した第1および第2カム23、24の構成および形状はあくまで例示であり、他の適当な構成などを採用することができる。
また、実施形態は、カップ式自動販売機用のキャップを供給するキャップ供給装置の例であるが、本発明は、このカップを供給するカップ供給装置に適用してもよい。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部を適宜変更することが可能である。
1 キャップ供給装置(キャップの供給装置)
3 ベース
3a 開口
4 キャップ収納器(収納器)
5 プッシャ駆動装置
6 プッシャ
17 販売コラム
18 予備コラム
21 モータ駆動装置(モータ駆動機構)
22 モータ
23 第1カム
24 第2カム
25 プッシャばね(付勢手段)
29 第1上側カム部(上側の第1カム部)
30 第1下側カム部(下側の第1カム部)
32 第1カム位置センサ
36 第2上側カム部(上側の第2カム部)
37 第2下側カム部(下側の第2カム部)
C キャップ(供給対象物)
CR キャップ列(供給対象物列)

Claims (3)

  1. 上下方向に積み重なった複数のカップまたはキャップから成る供給対象物列を収納するとともに、販売時に、前記供給対象物列から最下位の供給対象物を下方に供給するカップ式自動販売機のカップまたはキャップの供給装置であって、
    前記供給対象物を供給するための開口を有する水平なベースと、
    当該ベースの上側に設けられるとともに、前記開口の上側に位置し、販売用の供給対象物列を収納するための販売コラムと、当該販売コラムの両側に連なり、予備用の供給対象物列を前記ベースに載置した状態でそれぞれ収納するための一対の予備コラムと、を有する収納器と、
    当該収納器内に上下方向に延び、前記販売コラムから遠い所定の待機位置と当該販売コラムに近い所定の補充位置との間でそれぞれ移動自在の一対のプッシャと、
    前記一対の予備コラムの一方から前記販売コラムに前記供給対象物列を移動させ、補充するために、前記一対のプッシャの一方を選択的に駆動するプッシャ駆動装置と、を備え、
    当該プッシャ駆動装置は、
    両方向に回転自在の単一のモータと、
    鉛直軸線を中心として回転自在に設けられ、前記モータの回転に伴い、その回転方向に応じた方向に回転する第1カムと、
    当該第1カムが所定のカム待機位置から1回転するように、前記モータを一方の方向に駆動するモータ駆動機構と、
    鉛直軸線を中心として回動自在に設けられ、前記第1カムが1回転する途中で係合し、当該第1カムで押圧されることにより、前記モータの回転方向に応じた方向に回動し、前記一対のプッシャの一方を前記待機位置から前記補充位置に移動させることにより、前記一対の予備コラムの一方から前記販売コラムに前記供給対象物列を移動させる第2カムと、
    前記一対のプッシャを前記待機位置側に付勢する付勢手段と、
    を有していることを特徴とするカップ式自動販売機のカップまたはキャップの供給装置。
  2. 前記モータ駆動機構は、
    前記第1カムが前記カム待機位置に位置しているか否かを検出する第1カム位置センサを有し、
    前記モータの回転に伴って前記第1カムが前記カム待機位置から回転した後、当該第1カムが前記待機位置に移動したことが検出されたときに、前記モータを停止することを特徴とする、請求項1に記載のカップ式自動販売機のカップまたはキャップの供給装置。
  3. 前記第1カムは、上下2つの第1カム部で構成され、
    前記第2カムは、前記第1カムが一方の方向に回転するときに、上側の前記第1カム部で押圧される上側の第2カム部と、前記第1カムが他方の方向に回転するときに、下側の前記第1カム部で押圧される下側の第2カム部とによって構成され、
    前記上下の第1カム部と前記上下の第2カム部はそれぞれ、前記第1カムが前記カム待機位置に位置しているときに、前記第1カムの回転の中心と前記第2カムの回動の中心とを結ぶ線を中心として、平面的に見て互いに対称になるように配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のカップ式自動販売機のカップまたはキャップの供給装置。
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