JP2011257674A - パネル基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】両面に第1及び第2紙層がそれぞれ接着されたスチレン系樹脂発泡体基板の一方の面にプライマー層を形成したパネル基板を複数枚積み重ねても、互いに接着されることがなくパネル基板の耐ブロッキング性を向上し、かつパネル基板の平積み適性に優れる。
【解決手段】接着剤層又は粘着剤層23を有する情報印刷用紙24がパネル基板10に接着される。パネル基板10は、スチレン系樹脂発泡体基板13と、この発泡体基板13の一方の面に塗工された第1接着剤層21を介して接着された第1紙層11と、発泡体基板13の他方の面に塗工された第2接着剤層22を介して接着された第2紙層12と、第1紙層11の表面又は第2紙層12の表面にプライマーを塗工して形成されたプライマー層14とを有する。プライマー層14は、メタクリル酸メチルグラフト変性天然ゴムラテックスと、合成ゴムラテックスとを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、接着剤層又は粘着剤層を有する情報印刷用紙を接着するためのパネル基板と、このパネル基板を製造する方法に関するものである。
従来、板状芯材の表裏両面に接着剤層を介して紙製シートを貼着した積層板の、少なくとも片面に再剥離性の粘着剤層及び剥離性シートが順次積層されたディスプレイ用パネルが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。このディスプレイ用パネルでは、板状芯材がポリスチレン系樹脂発泡体であり、再剥離性の粘着剤層がアクリルエマルジョン型粘着剤からなる。
このように構成されたディスプレイ用パネルでは、このパネルに貼った貼着物を剥離する際に貼着物に移行しない再剥離性を有する粘着剤を使用しているため、ディスプレイ用パネルに貼着物を貼る場合、その貼着物の貼る位置を失敗しても貼り替えが可能であり、また板状芯材の表面に紙を介して粘着剤層が形成されているため、貼着物と紙との間に空気溜まりが発生し難く、貼着物の貼付け面がきれいに仕上がり、しかも、表裏両面の紙が板状芯材を補強するので、パネルの反りを防止できるようになっている。
実開平5−29084号公報(請求項1〜3、段落[0014]、図1及び図2)
しかし、上記従来の特許文献1に示されたディスプレイ用パネルでは、剥離性シートを必要とするため、このパネルを使用するときに剥離性シートを粘着剤層から剥がして廃棄されるものとなり、使用後の剥離性シートの廃棄による環境問題を生じさせるおそれがある。また、上記従来の特許文献1に示されたディスプレイ用パネルでは、剥離性シートをパネル間に介装した状態でパネルを複数枚積み重ねると、パネル同士が互いに滑ってずれてしまう問題点があった。
本発明の第1の目的は、両面に第1及び第2紙層がそれぞれ接着されたスチレン系樹脂発泡体基板の一方の面にプライマー層を形成したパネル基板を複数枚積み重ねても、互いに接着されることがなくパネル基板の耐ブロッキング性を向上でき、かつ互いにずれることがなくパネル基板の平積み適性に優れた、パネル基板及びその製造方法を提供することにある。本発明の第2の目的は、プライマー層の第1又は第2紙層への塗工安定性を向上できるとともに、発泡体基板に接着された第1又は第2紙層との密着性を向上できる、パネル基板及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、接着剤層又は粘着剤層を有する情報印刷用紙が接着されるパネル基板において、パネル基板が、スチレン系樹脂発泡体基板と、この発泡体基板の一方の面に塗工された第1接着剤層を介して接着された第1紙層と、発泡体基板の他方の面に塗工された第2接着剤層を介して接着された第2紙層と、第1紙層の表面又は第2紙層の表面にプライマーを塗工して形成されたプライマー層とを有し、プライマー層が、メタクリル酸メチルグラフト変性天然ゴムラテックスと、合成ゴムラテックスとを含むことを特徴とする。
本発明の第2の観点は、接着剤層又は粘着剤層を有する情報印刷用紙を接着するためのパネル基板を製造する方法において、メタクリル酸メチルグラフト変性天然ゴムラテックスに合成ゴムラテックスを混合してプライマーを調製する工程と、プライマーを第1紙層の一方の面に塗工して第1紙層の一方の面上にプライマー層を形成する工程と、スチレン系発泡体基板の一方の面に第1接着剤層を介して第1紙層の他方の面を接着する工程と、発泡体基板の他方の面に第2接着剤層を介して第2紙層を接着する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の第3の観点は、接着剤層又は粘着剤層を有する情報印刷用紙を接着するためのパネル基板を製造する方法において、メタクリル酸メチルグラフト変性天然ゴムラテックスに合成ゴムラテックスを混合してプライマーを調製する工程と、プライマーを第2紙層の一方の面に塗工して第2紙層の一方の面上にプライマー層を形成する工程と、スチレン系発泡体基板の一方の面に第1接着剤層を介して第1紙層を接着する工程と、発泡体基板の他方の面に第2接着剤層を介して第2紙層の他方の面を接着する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の第4の観点は、接着剤層又は粘着剤層を有する情報印刷用紙を接着するためのパネル基板を製造する方法において、スチレン系発泡体基板の一方の面に第1接着剤層を介して第1紙層を接着する工程と、発泡体基板の他方の面に第2接着剤層を介して第2紙層を接着する工程と、メタクリル酸メチルグラフト変性天然ゴムラテックスに合成ゴムラテックスを混合してプライマーを調製する工程と、プライマーを第1紙層の表面又は第2紙層の表面に塗工して発泡体基板上にプライマー層を形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の第1の観点のパネル基板では、プライマー層がメタクリル酸メチルグラフト変性天然ゴムラテックスを含むので、両面に第1及び第2紙層がそれぞれ接着されたスチレン系樹脂発泡体基板の一方の面にプライマー層を形成したパネル基板を複数枚積み重ねて、各パネル基板のプライマー層がそのパネル基板の直上又は直下に位置するパネル基板の第1又は第2紙層と接しても、互いに接着されることがなく、パネル基板の耐ブロッキング性を向上できる。またプライマー層が紙との密着性の良好な合成ゴムラテックスを含むので、プライマー層が第1及び第2紙層と強固に接着される。この結果、プライマー層と第1又は第2紙層との密着性を向上できる。更にパネル基板のプライマー層表面に情報印刷用紙の接着剤層又は粘着剤層を接触させて積層すると、プライマー層を介さずにパネル基板が情報印刷用紙の接着剤層又は粘着剤層と直接接触する場合に比べて接着力が増大する。この結果、情報印刷用紙をパネル基板に強固に接着することができる。
本発明の第2の観点の製造方法では、第1紙層にプライマーを塗工してプライマー層を形成した後に、この第1紙層を発泡体基板に第1接着剤層を介して接着するので、プライマーの第1紙層への塗工の前後で第1紙層をロール状に巻くことにより、プライマーの塗工作業を比較的容易に行うことができる。
本発明の第3の観点の製造方法では、第2紙層にプライマーを塗工してプライマー層を形成した後に、この第2紙層を発泡体基板に第2接着剤層を介して接着するので、プライマーの第2紙層への塗工の前後で第2紙層をロール状に巻くことにより、プライマーの塗工作業を比較的容易に行うことができる。
本発明の第4の観点の製造方法では、発泡体基板の両面に第1及び第2接着剤層を介して第1及び第2紙層をそれぞれ接着した後に、プライマーを第1又は第2紙層の表面に塗工してプライマー層を形成するため、プライマーを比較的厚く変形し難い発泡体基板に塗工しなければならず、プライマーの塗工作業が比較的煩わしくなるけれども、既に両面に第1及び第2紙層がそれぞれ接着された市販の発泡体基板を用いれば、この発泡体基板にプライマー層を形成するだけで済むため、発明のパネル基板を比較的容易に作製することができる。
本発明の第5の観点のパネル基板では、プライマー層中のメタクリル酸メチル変性天然ゴムラテックスのグラフト率が5〜30%であるので、プライマーを第1又は第2紙層に塗工するときに、プライマーが凝集せず、第1又は第2紙層表面にプライマー層を均一な厚さに速やかに形成できる。即ち、プライマーの第1又は第2紙層への塗工安定性を向上できる。また紙との密着性の良好な合成ゴムラテックスを、天然ゴムラテックス100質量部に対して10〜70質量部と最適な量を含むので、プライマー層が第1及び第2紙層と強固に接着される。この結果、プライマー層と第1又は第2紙層との密着性を更に向上できる。
本発明の第6の観点のパネル基板では、プライマー層を形成するためのプライマーの第1又は第2紙層の表面への塗工量が乾燥状態で20〜150g/m2であるので、両面に第1及び第2紙層がそれぞれ接着された発泡体基板の一方の面にプライマー層を形成したパネル基板を複数枚積み重ねても、各パネル基板のプライマー層が上方のパネル基板の荷重を支持して滑り止めの機能を発揮するため、互いにずれることがなく、パネル基板の平積み適性に優れる。
本発明実施形態のパネル基板の断面構成図である。 第1紙層上面にプライマーを塗工する工程を示す塗工装置の構成図である。 両面に第1及び第2紙層がそれぞれ接着された発泡体基板の上面にプライマーを塗工する工程を示す塗工装置の構成図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、パネル基板10は、スチレン系樹脂発泡体基板13と、この発泡体基板13の一方の面に塗工された第1接着剤層21を介して接着された第1紙層11と、発泡体基板13の他方の面に塗工された第2接着剤層22を介して接着された第2紙層12と、第1紙層11の表面にプライマー18(図2)を塗工して形成されたプライマー層14とを有する。プライマー層14は、メタクリル酸メチルグラフト変性天然ゴムラテックス(以下、MMAグラフト変性天然ゴムラテックスという)と、合成ゴムラテックスとを含む。MMAグラフト変性天然ゴムラテックスは、天然ゴムラテックスにメタクリル酸メチル(MMA)をグラフト重合して得られる。また合成ゴムラテックスとしては、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、或いはこれらの共重合体に不飽和ビニルカルボン酸が共重合変性されたラテックスなどが挙げられる。特に、接着強度、製造の容易性並びに製造コストの点から、合成ゴムラテックスとしてカルボン酸変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを用いることが好ましい。また、本発明において使用する合成ゴムラテックスは、公知の乳化重合法により製造されることが好ましい。
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率は5〜30%に調製される。また合成ゴムラテックスはメタクリル酸メチル変性天然ゴムラテックス100質量部に対して10〜70質量部含まれる。更にプライマー層14を形成するためのプライマー18の第1紙層の表面への塗工量は乾燥状態で20〜150g/m2、好ましくは20〜145g/m2に設定される。ここで、MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を5〜30%の範囲内に限定したのは、5%未満では天然ゴムが凝集して、プライマー18(図2)のローラ33,34,36による塗工安定性が低下し、第1紙層11表面にプライマー層14を均一な厚さに形成できず、30%を越えると天然ゴムの含有割合が少なくなってパネル基板10を複数枚積み重ねたときに、互いにずれてしまいパネル基板10の平積み適性が劣るからである。また合成ゴムラテックスの含有割合をMMAグラフト変性天然ゴムラテックス100質量部に対して10〜70質量部の範囲内に限定したのは、10質量部未満では紙との密着性の良好な合成ゴムが少なすぎてプライマー層14の第1紙層11との密着性が低下してしまい、70質量部を越えると天然ゴムの含有割合が相対的に少なくなって、パネル基板10を複数枚積み重ねたときに互いにずれてしまい、パネル基板10の平積み適性が劣るからである。更にプライマー18の第1紙層11の表面への塗工量を乾燥状態で20〜150g/m2の範囲内に限定したのは、20g/m2未満ではプライマー層14の厚さが薄すぎて、パネル基板10を複数枚積み重ねたときに、各パネル基板10のプライマー層14が上方のパネル基板10の荷重を支持しきれないため、滑り止めとしての機能を発揮できずに、互いにずれてしまいパネル基板10の平積み適性が劣り、150g/m2を越えるとプライマー層が乾燥する際に発泡しプライマー層の表面に気泡による凹凸が生じてしまうからである。
一方、第1及び第2紙層11,12としては、坪量100〜300g/m2のクラフト紙、コート紙、合成紙などが挙げられる。ここで、紙層11,21の坪量を100〜300g/m2の範囲内に限定したのは、100g/m2未満では発泡体基板13と積層しても全体の剛性が低く撓ったり或いは折れ曲がるおそれがあり、300g/m2を越えるとカッター等による切断加工性が損なわれるからである。第1及び第2接着剤層21,22としては、エチレン酢酸ビニル(EVA)樹脂ホットメルト接着剤、水系又は溶剤系粘着剤、EVA樹脂エマルジョン接着剤、アクリル樹脂エマルジョン接着剤、天然ゴム(NR)エマルジョン接着剤等が挙げられる。また上記パネル基板10には、接着剤層又は粘着剤層23を有する情報印刷用紙24が接着されるように構成される。情報印刷用紙24に形成された接着剤層又は粘着剤層23としては、上記第1及び第2接着剤層21,22と同様に、エチレン酢酸ビニル(EVA)樹脂ホットメルト接着剤、水系又は溶剤系粘着剤、EVA樹脂エマルジョン接着剤、アクリル樹脂エマルジョン接着剤、天然ゴム(NR)エマルジョン接着剤等が挙げられる。
なお、この実施の形態では、プライマー層が、MMAグラフト変性天然ゴムラテックスと合成ゴムラテックスのみを含むように構成したが、粘着付与剤や非水溶性有機溶剤を更に含んでもよい。ここで、粘着付与剤としては、ロジンエステル、水添ロジン、テルペンフェノール、クマロン、石油樹脂、水添石油樹脂等の樹脂が挙げられ、非水溶性有機溶剤としては、芳香族系のトルエン、ベンゼン等や、脂肪族系のノルマルヘキサン、アセトン等が挙げられる。また、この実施の形態では、第1紙層の表面にプライマーを塗工してプライマー層を形成したが、第2紙層の表面にプライマーを塗工してプライマー層を形成してもよい。
このように構成されたパネル基板10の第1の製造方法を図1及び図2に基づいて説明する。先ずグラフト率5〜30%のMMAグラフト変性天然ゴムラテックス100重量部に、合成ゴムラテックスを10〜70質量部混合して、プライマー18を調製する。次いで上記プライマー18を第1紙層11の上面(一方の面)に塗工して、第1紙層11の上面にプライマー層14を形成する。具体的には、図2に示す塗工装置30を用いて、プライマー18を第1紙層11の上面に塗工する。この塗工装置30は、第1紙層11のロール体19から引出された第1紙層11を挟持しながら回転して送出する一対の送出ローラ31,32と、一対の送出ローラ31,32から所定の間隔をあけて第1紙層11を挟持しながら回転する一対の大径ローラ33,34と、これらの大径ローラ33,34のうち上側の大径ローラ33に接して回転する小径ローラ36とを備える。上記プライマー18は、小径ローラ36と上側の大径ローラ33との間の凹部に貯留され、上側の大径ローラ33の外周面に引取られた後に、第1紙層11の上面に塗工される。これにより第1紙層11上にプライマー層14が形成される。上記プライマー18の第1紙層11の上面への塗工量は、乾燥状態で20〜150g/m2、好ましくは20〜145g/m2に設定される。またプライマー層14の形成された第1紙層11はプライマー層14を乾燥させた後に再びロール状に巻かれる。次に発泡体基板13の上面(一方の面)に第1接着剤層21を介して第1紙層11の下面(他方の面)を接着する。更に発泡体基板13の下面(他方の面)に第2接着剤層22を介して第2紙層12を接着する。
このように、第1紙層11のロール体19から第1紙層11を繰出してこの第1紙層11にプライマー18を塗工してプライマー層14を形成した後に、このプライマー層14の形成された第1紙層11を再びロール状に巻くので、プライマー18の第1紙層11への塗工作業を比較的容易に行うことができる。なお、プライマーを第2紙層の下面(一方の面)に塗工して第2紙層の下面にプライマー層を形成し、発泡体基板の上面(一方の面)に第1接着剤層を介して第1紙層を接着し、更に発泡体基板の下面(他方の面)に第2接着剤層を介して第2紙層の上面(他方の面)を接着してもよい。
上記パネル基板10の第2の製造方法を図1及び図3に基づいて説明する。先ず発泡体基板13の上面(一方の面)に第1接着剤層21を介して第1紙層11を接着し、発泡体基板13の下面(他方の面)に第2接着剤層22を介して第2紙層12を接着する。次いでグラフト率5〜30%のMMAグラフト変性天然ゴムラテックス100重量部に、合成ゴムラテックスを10〜70質量部混合して、プライマー18を調製する。次に上記プライマー18を、図3に示す塗工装置50を用いて、発泡体基板13の上面に接着された第1紙層11の上面(表面)に塗工することにより、発泡体基板13上に第1紙層11を介してプライマー層14を形成する。塗工装置50は、両面に第1及び第2紙層11,12がそれぞれ接着された発泡体基板13を挟持しながら回転して送出する一対の送出ローラ51,52と、一対の送出ローラ51,52から所定の間隔をあけて上記発泡体基板13を挟持しながら回転する一対の大径ローラ53,54と、これらの大径ローラ53,54のうち上側の大径ローラ53に接して回転する小径ローラ56とを備える。上記プライマー18は、小径ローラ56と上側の大径ローラ53との間の凹部に貯留され、上側の大径ローラ53の外周面に引取られた後に、発泡体基板13の第1紙層11の上面に塗工される。これにより発泡体基板13の上面に第1紙層11を介してプライマー層14が形成される。上記プライマー18の第1紙層11の上面への塗工量は、乾燥状態で20〜150g/m2、好ましくは20〜145g/m2に設定される。
このように、発泡体基板13の両面に第1及び第2接着剤層21,22を介して第1及び第2紙層11,12をそれぞれ接着した後に、プライマー18を第1紙層11の表面に塗工して、第1紙層11の表面にプライマー層14を形成するため、プライマー18を比較的厚く変形し難い発泡体基板13に塗工しなければならず、プライマー18の塗工作業が比較的煩わしくなるけれども、既に両面に第1及び第2紙層11,12がそれぞれ接着された市販の発泡体基板13を用いれば、この発泡体基板13にプライマー層14を形成するだけで済むため、本発明のパネル基板10を比較的容易に作製することができる。なお、発泡体基板の両面に第1及び第2接着剤層を介して第1及び第2紙層をそれぞれ接着した後に、プライマーを第2紙層の表面に塗工して、第2紙層の表面にプライマー層を形成してもよい。
このように製造されたパネル基板10では、プライマー層14がMMAグラフト変性天然ゴムラテックスを含むので、両面に第1及び第2紙層11,12がそれぞれ接着された発泡体基板13の上面にプライマー層14を形成したパネル基板10を、プライマー層14を上面に位置させた状態で複数枚積み重ねたとき、各パネル基板10のプライマー層14がそのパネル基板10の直上に位置するパネル基板10の第2紙層12と接しても、互いに接着されることがない。この結果、パネル基板10の耐ブロッキング性を向上できる。またプライマー層14が紙との密着性の良好な合成ゴムラテックスを含むので、プライマー層14が第1紙層11と強固に接着される。この結果、プライマー層14と第1紙層11との密着性を向上できる。更にパネル基板10のプライマー層14表面に情報印刷用紙24の接着剤層又は粘着剤層23を接触させて積層すると、プライマー層14を介さずにパネル基板10が情報印刷用紙24の接着剤層又は粘着剤層23と直接接触する場合に比べて接着力が増大する。この結果、情報印刷用紙24をパネル基板10に強固に接着することができる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ずグラフト率5%のMMAグラフト変性天然ゴムラテックス100質量部に、合成ゴムラテックスとして以下の塑性及び物性を有するカルボン酸変性スチレン−ブタジエンラテックス(SBR:Styrene Butadiene Rubber、以下、SBRラテックスという)を20質量部加えてプライマー18(図2)を調製した。ここで用いたSBRラテックスのモノマー組成は、質量比でスチレン:ブタジエン:不飽和ビニルカルボン酸=53:44:3であった。またSBRラテックスのガラス転移温度は−5℃であり、ゲル含有率は85%であった。
上記SBRラテックスのガラス転移温度は次の方法で測定した。先ずSBRラテックス40μlをアルミニウム製カップに注ぎ、室温で一晩乾燥した。次いでこのSBRラテックスを100℃に1時間保持して更に乾燥した。次にSBRラテックスを−20℃から100℃まで10℃/分の昇温速度で加熱した。この昇温時のSBRラテックスの熱量を示差走査熱量計(DSC)にて測定し、得られたDSC曲線の中点値をガラス転移温度Tg(℃)とした。
また、SBRラテックスのゲル含有率は次の方法で測定した。pH8に調整したSBRラテックスを用いて室温で乾燥したラテックスフィルムを製造した後、この乾燥ラテックスフィルム(質量A(g))をトルエンで24時間膨潤させた。次に膨潤フィルムが浸されたトルエンからトルエン不溶性湿潤ゲルを濾過によって分離し、その質量B(g)を測定した。更にこの湿潤ゲルを乾燥し、得られた乾燥ゲルの質量C(g)を測定した。そしてゲル含有率D(%)を式[(C/A)×100]を用いて求めた。
次いで図2に示す塗工装置30を用いて、上記プライマー18を第1紙層11の上面に塗工し、第1紙層11の上面にプライマー層14を形成した。このときプライマー18の第1紙層11の上面への塗工量は、乾燥状態で25g/m2であった。次に発泡体基板13の上面に第1接着剤層21を介して第1紙層11の下面を接着した(図1)。更に発泡体基板13の下面に第2接着剤層22を介して第2紙層12を接着した。このパネル基板10を実施例1とした。
<実施例2>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を30%としたこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を実施例2とした。
<実施例3>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を13%とし、MMAグラフト変性天然ゴムラテックス100質量部に対しSBRラテックスを10質量部加えて、プライマーを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を実施例3とした。
<実施例4>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を13%とし、MMAグラフト変性天然ゴムラテックス100質量部に対しSBRラテックスを70質量部加えて、プライマーを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を実施例4とした。
<実施例5>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を13%としてプライマーを調製し、このプライマーの第1紙層の上面への塗工量を乾燥状態で20g/m2としたこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を実施例5とした。
<実施例6>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を13%としてプライマーを調製し、このプライマーの第1紙層の上面への塗工量を乾燥状態で145g/m2としたこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を実施例6とした。
<実施例7>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を13%とし、MMAグラフト変性天然ゴムラテックス100質量部に対しSBRラテックスを70質量部加え、SBRラテックスのモノマー組成を質量比でスチレン:ブタジエン:不飽和ビニルカルボン酸=43:54:3としたプライマーを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を実施例7とした。なお、上記SBRラテックスのガラス転移温度は−28℃であり、ゲル含有率は55%であった。
<実施例8>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を13%とし、MMAグラフト変性天然ゴムラテックス100質量部に対しSBRラテックスを70質量部加え、SBRラテックスのモノマー組成を質量比でスチレン:ブタジエン:不飽和ビニルカルボン酸=43:54:3としたプライマーを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を実施例8とした。なお、上記SBRラテックスのガラス転移温度は−28℃であり、ゲル含有率は87%であった。また実施例8のSBRラテックスは実施例7のSBRラテックスとモノマー組成が同一であるけれども、乳化重合に使用した連鎖移動剤(分子量調節剤)の量が変化しているため、ゲル含有率が異なった値となっている。
<実施例9>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を13%とし、MMAグラフト変性天然ゴムラテックス100質量部に対しSBRラテックスを70質量部加え、SBRラテックスのモノマー組成を質量比でスチレン:ブタジエン:不飽和ビニルカルボン酸=56:41:3としたプライマーを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を実施例9とした。なお、上記SBRラテックスのガラス転移温度は0℃であり、ゲル含有率は75%であった。
<実施例10>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を13%とし、MMAグラフト変性天然ゴムラテックス100質量部に対しSBRラテックスを70質量部加え、SBRラテックスのモノマー組成を質量比でスチレン:ブタジエン:不飽和ビニルカルボン酸=68.5:28.5:3としたプライマーを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を実施例10とした。なお、上記SBRラテックスのガラス転移温度は25℃であり、ゲル含有率は50%であった。
<実施例11>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を13%とし、MMAグラフト変性天然ゴムラテックス100質量部に対しSBRラテックスを70質量部加え、SBRラテックスのモノマー組成を質量比でスチレン:ブタジエン:不飽和ビニルカルボン酸=71:26:3としたプライマーを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を実施例11とした。なお、上記SBRラテックスのガラス転移温度は30℃であり、ゲル含有率は92%であった。
<比較例1>
MMAをグラフト重合しなかったグラフト率0%の天然ゴムラテックスを用いて、プライマーを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を比較例1とした。
<比較例2>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を3%としたこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を比較例2とした。
<比較例3>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を35%としたこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を比較例3とした。
<比較例4>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を13%とし、MMAグラフト変性天然ゴムラテックス100質量部に対しSBRラテックスを5質量部加えて、プライマーを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を比較例4とした。
<比較例5>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を13%とし、MMAグラフト変性天然ゴムラテックス100質量部に対しSBRラテックスを85質量部加えて、プライマーを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を比較例5とした。
<比較例6>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を13%としてプライマーを調製し、このプライマーの第1紙層の上面への塗工量を10g/m2としたこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を比較例6とした。
<比較例7>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を13%としてプライマーを調製し、このプライマーの第1紙層の上面への塗工量を160g/m2としたこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を比較例7とした。
<比較例8>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を13%とし、MMAグラフト変性天然ゴムラテックス100質量部に対しSBRラテックスを70質量部加え、SBRラテックスのモノマー組成を質量比でスチレン:ブタジエン:不飽和ビニルカルボン酸=41.5:55.5:3としたプライマーを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を比較例8とした。なお、上記SBRラテックスのガラス転移温度は−27℃であり、ゲル含有率は34%であった。
<比較例9>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を13%とし、MMAグラフト変性天然ゴムラテックス100質量部に対しSBRラテックスを70質量部加え、SBRラテックスのモノマー組成を質量比でスチレン:ブタジエン:不飽和ビニルカルボン酸=38:59:3としたプライマーを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を比較例9とした。なお、上記SBRラテックスのガラス転移温度は−34℃であり、ゲル含有率は85%であった。
<比較例10>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を13%とし、MMAグラフト変性天然ゴムラテックス100質量部に対しSBRラテックスを70質量部加え、SBRラテックスのモノマー組成を質量比でスチレン:ブタジエン:不飽和ビニルカルボン酸=71:26:3としたプライマーを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を比較例10とした。なお、上記SBRラテックスのガラス転移温度は30℃であり、ゲル含有率は45%であった。
<比較例11>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスのグラフト率を13%とし、MMAグラフト変性天然ゴムラテックス100質量部に対しSBRラテックスを70質量部加え、SBRラテックスのモノマー組成を質量比でスチレン:ブタジエン:不飽和ビニルカルボン酸=76.5:20.5:3としたプライマーを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を比較例11とした。なお、上記SBRラテックスのガラス転移温度は40℃であり、ゲル含有率は80%であった。
<比較例12>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスに替えてエチレン酢酸ビニルエマルジョン(EVA、住化ケムテックス(株)製:S−950HQ)を用い、SBRラテックスを加えずにプライマーを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を比較例12とした。
<比較例13>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスを用いずに、SBRラテックスのみを用いて、プライマーを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を比較例13とした。
<比較例14>
MMAグラフト変性天然ゴムラテックスに替えてアクリルエマルジョン(E−750、旭化成ケミカルズ(株)社製)を用い、SBRラテックスを加えずにプライマーを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてパネル基板を作製した。このパネル基板を比較例14とした。
<比較試験及び評価>
実施例1〜11及び比較例1〜14のパネル基板について次の5つの比較試験を行った。第1の比較試験(平積み適性試験)は次のように行った。先ずパネル基板(縦×横=30cm×30cm)を20枚ずつ用意した。次にプライマー層を上側に向けた状態で20枚のパネル基板を積み重ね、これらの積み重ねたパネル基板に振とう機で120rpmの回転運動を5分間付与した。そしてパネル基板のずれを目視で判定した、即ちパネル基板の平積み適性を試験した。ここで、パネル基板にずれが全く発生しなかった場合を『優良』とし、ややずれが発生した場合を『不良』とし、大きなずれが発生した場合を『不可』とした。
第2の比較試験(耐ブロッキング性試験)は次のように行った。先ずパネル基板(縦×横=10cm×10cm)を2枚ずつ用意した。次にプライマー層を上側に向けた状態で2枚のパネル基板を重ね、これらのパネル基板の上に1.5kgの錘を載せて雰囲気温度40℃で1週間放置した。そして2枚のパネル基板を引き剥がしたときの感触を調べた、即ちパネル基板の耐ブロッキング性を試験した。ここで、2枚のパネル基板を抵抗なく引き剥がすことができた場合を『優良』とし、やや抵抗があった場合を『不良』とし、大きな抵抗があった場合を『不可』とした。
第3の比較試験(ロール塗工安定性試験)は次のように行った。各パネル基板の発泡体基板に塗工する前のプライマー500gをスプレッター上で撹拌した。そして30分後のプライマーの状態を目視で判定した、即ちプライマーのローラによる塗工性を調べた。ここで、プライマーに凝集物が全く発生しなかった場合を『優良』とし、やや凝集物が発生した場合を『不良』とし、多くの凝集物が発生した場合を『不可』とした。
第4の比較試験(プライマーの第1紙層との密着性試験)は次のように行った。各パネル基板のプライマー層表面に、25mm幅のクラフト粘着テープを貼り合せ、このクラフト粘着テープの長手方向の一端を180度反転させた状態で、クラフト粘着テープをプライマー層から引き剥がす試験を行った。このときのパネル基板の第1紙層とプライマー層との密着の程度を判定した。ここで、第1紙層が破れたときのクラフト粘着テープの引き剥がし力が10N以上であった場合を『優良』とし、第1紙層が破れたときのクラフト粘着テープの引き剥がし力が10N未満であった場合を『不可』とした。
第5の比較試験(プライマー層の乾燥性試験)は次のように行った。実施例1〜11及び比較例1〜14の塗工量となるように、プライマーを塗工した各パネル基板を100℃に昇温した炉に入れて、プライマーを乾燥させることによりプライマー層を形成した。このときの各パネル基板のプライマー層の表面状態を目視で判定した。ここで、プライマー層の表面が平滑であった場合を『優良』とし、プライマー層の表面にやや凹凸が発生した場合を『不良』とし、プライマー層の表面に多くの凹凸が発生した場合を『不可』とした。
Figure 2011257674
表1から明らかなように、グラフト率が0%及び3%と低い比較例1及び2ではプライマーに多くの凝集物が発生し(ロール塗工安定性試験)、グラフト率が35%と高い比較例3では積み重ねたパネル基板に大きなずれが発生した(平積み適性試験)のに対し、グラフト率が5%及び30%と適正な範囲にある実施例1及び2では、プライマーに凝集物が全く発生せず(ロール塗工安定性試験)、また積み重ねたパネル基板にずれが全く発生しなかった(平積み適性試験)。
またSBRラテックス(合成ゴムラテックス)が5質量部と少ない比較例4ではプライマー層の第1紙層からの剥離が一部分に発生し(プライマー層の第1紙層との密着性試験)、SBRラテックスが85質量部と多い比較例5では積み重ねたパネル基板に大きなずれが発生した(平積み適性試験)のに対し、SBRラテックスの含有割合が10質量部及び70質量部と適正な範囲にある実施例3及び4では、プライマー層の第1紙層からの剥離が全く発生せず(プライマー層の第1紙層との密着性試験)、また積み重ねたパネル基板にずれが全く発生しなかった(平積み適性試験)。
またプライマーの第1紙層への塗工量が10g/m2と少ない比較例6では積み重ねたパネル基板に大きなずれが発生し(平積み適性試験)、プライマーの第1紙層への塗工量が160g/m2と多い比較例7ではプライマー層表面に多くの凹凸が発生した(プライマー層の乾燥性試験)のに対し、プライマーの第1紙層への塗工量が20g/m2及び145g/m2と適正な範囲にある実施例5及び6では、積み重ねたパネル基板にずれが全く発生せず(平積み適性試験)、またプライマー層表面に凹凸が発生せずプライマー層表面が平滑であった(プライマー層の乾燥性試験)。
またSBRラテックス(合成ゴムラテックス)のガラス転移温度Tgが−34℃と低い比較例9では2枚のパネル基板を引き剥がすのに大きな抵抗があり(耐ブロッキング性試験)、ガラス転移温度Tgが40℃と高い比較例11では積み重ねたパネル基板に大きなずれが発生した(平積み適性試験)のに対し、SBRラテックスのガラス転移温度Tgが−28℃〜30℃と適正な範囲にある実施例8〜11では、2枚のパネル基板を全く抵抗なく引き剥がすことができ(耐ブロッキング性試験)、また積み重ねたパネル基板にずれが全く発生しなかった(平積み適性試験)。
更にSBRラテックス(合成ゴムラテックス)のガラス転移温度Tgが−28℃であり、ゲル含有率が87%である実施例8に比べて、ガラス転移温度Tgが−27℃と同程度であるけれども、ゲル含有率が34%と極めて低い比較例8では2枚のパネル基板を引き剥がすのに大きな抵抗があり(耐ブロッキング性試験)、SBRラテックス(合成ゴムラテックス)のガラス転移温度Tgが25℃であり、ゲル含有率が50%である実施例10に比べて、ガラス転移温度Tgが30℃と上限領域にあり、ゲル含有率が45%とやや低い比較例10では積み重ねたパネル基板に大きなずれが発生した(平積み適性試験)。
一方、プライマーとしてEVAのみを用いた比較例12では、積み重ねたパネル基板に大きなずれが発生し(平積み適性試験)、また2枚のパネル基板を引き剥がすのに大きな抵抗があった(耐ブロッキング性試験)のに対し、プライマーの主成分としてMMAグラフト変性天然ゴムラテックスを用いた実施例1〜11では、積み重ねたパネル基板にずれが全く発生せず(平積み適性試験)、また2枚のパネル基板を全く抵抗なく引き剥がすことができた(耐ブロッキング性試験)。
またプライマーとしてSBRラテックスのみを用いた比較例13や、プライマーとしてアクリルエマルジョンのみを用いた比較例14では、積み重ねたパネル基板に大きなずれが発生した(平積み適性試験)のに対し、プライマーの主成分としてMMAグラフト変性天然ゴムラテックスを用いた実施例1〜11では、積み重ねたパネル基板にずれが全く発生しなかった(平積み適性試験)。
10 パネル基板
11 第1紙層
12 第2紙層
13 スチレン系樹脂発泡体基板
14 プライマー層
18 プライマー
21 第1接着剤層
22 第2接着剤層
23 接着剤層又は粘着剤層
24 情報印刷用紙

Claims (6)

  1. 接着剤層又は粘着剤層を有する情報印刷用紙が接着されるパネル基板において、
    前記パネル基板が、
    スチレン系樹脂発泡体基板と、
    前記発泡体基板の一方の面に塗工された第1接着剤層を介して接着された第1紙層と、
    前記発泡体基板の他方の面に塗工された第2接着剤層を介して接着された第2紙層と、
    前記第1紙層の表面又は前記第2紙層の表面にプライマーを塗工して形成されたプライマー層とを有し、
    前記プライマー層が、メタクリル酸メチルグラフト変性天然ゴムラテックスと、合成ゴムラテックスとを含むことを特徴とするパネル基板。
  2. 接着剤層又は粘着剤層を有する情報印刷用紙を接着するためのパネル基板を製造する方法において、
    メタクリル酸メチルグラフト変性天然ゴムラテックスに合成ゴムラテックスを混合してプライマーを調製する工程と、
    前記プライマーを第1紙層の一方の面に塗工して前記第1紙層の一方の面上にプライマー層を形成する工程と、
    スチレン系発泡体基板の一方の面に第1接着剤層を介して前記第1紙層の他方の面を接着する工程と、
    前記発泡体基板の他方の面に第2接着剤層を介して第2紙層を接着する工程と
    を含むことを特徴とするパネル基板の製造方法。
  3. 接着剤層又は粘着剤層を有する情報印刷用紙を接着するためのパネル基板を製造する方法において、
    メタクリル酸メチルグラフト変性天然ゴムラテックスに合成ゴムラテックスを混合してプライマーを調製する工程と、
    前記プライマーを第2紙層の一方の面に塗工して前記第2紙層の一方の面上にプライマー層を形成する工程と、
    スチレン系発泡体基板の一方の面に第1接着剤層を介して前記第1紙層を接着する工程と、
    前記発泡体基板の他方の面に第2接着剤層を介して第2紙層の他方の面を接着する工程と
    を含むことを特徴とするパネル基板の製造方法。
  4. 接着剤層又は粘着剤層を有する情報印刷用紙を接着するためのパネル基板を製造する方法において、
    スチレン系発泡体基板の一方の面に第1接着剤層を介して第1紙層を接着する工程と、
    前記発泡体基板の他方の面に第2接着剤層を介して第2紙層を接着する工程と、
    メタクリル酸メチルグラフト変性天然ゴムラテックスに合成ゴムラテックスを混合してプライマーを調製する工程と、
    前記プライマーを前記第1紙層の表面又は前記第2紙層の表面に塗工して前記発泡体基板上にプライマー層を形成する工程と
    を含むことを特徴とするパネル基板の製造方法。
  5. 前記メタクリル酸メチル変性天然ゴムラテックスのグラフト率が5〜30%であり、
    前記合成ゴムラテックスが前記メタクリル酸メチル変性天然ゴムラテックス100質量部に対して10〜70質量部含まれる請求項1記載のパネル基板。
  6. 前記プライマー層を形成するための前記プライマーの前記第1又は第2紙層の表面への塗工量が乾燥状態で20〜150g/m2である請求項1記載のパネル基板。
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