JP2011255389A - 金属材料の接合方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属材料を一方の被接合部材とし、同一もしくは異なる種類の金属材料のいずれかを他方の被接合部材として、前記一方の被接合部材と他方の被接合部材とを接合する方法において、前記一方の被接合部材である金属材料の全質量に対する当該金属材料内に生成する液相の質量の比が0%を超え35%以下となる温度で接合することを特徴とする金属の接合方法。
【選択図】図1
Description
溶接法は、接合部を電気又は炎により加熱して溶融、合金化して接合を成すものである。接合部の隙間が大きい場合や接合強度が必要な場合は、接合時に溶加材を同時に溶融させて隙間を充填する。このように、接合部が溶融するため確実な接合がなされる。一方で、接合部を溶融して接合するため、接合部近傍の形状が大きく変形し、金属組織も局所的に大きく変化して別組織となり局所的な脆弱化が生じることがある。また、接合部のみを局所的に加熱していく必要があるために、同時に多点を接合するのが困難となるなどの問題もある。
拡散接合法は、母材同士を密着させ、基本的に母材の融点以下で塑性変形を生じない程度に加圧し、接合面間に生じる原子の拡散を利用して接合を成すものである。この接合方法では、被接合部材の変形を伴わずに同時に多点の接合や面接合が可能である。従って、微細な形状を有する被接合部材の接合が可能である。しかしながら、拡散現象を利用するために、溶接やろう付などと比べて接合に長時間を要する。通常、30分程度からそれ以上の時間、所定温度での保持が必要となる。また、接合に加圧が必要であるため、接合操作の煩雑化やコスト増加が避けられない。更に、金属材料によっては、その表面に安定で強固な酸化皮膜が存在しこれによって拡散が阻害されるために、固相拡散接合の適用が難しくなる場合もある。その場合、接合面の酸化皮膜を除去するための特殊な清浄化処理が必要となり、アルゴンイオン衝撃、グロー放電、超音波付与など特殊な工程を要するなどの問題がある。
以上のように、本発明は従来にはない新規な接合方法を提供するものである。
A.被接合部材の組合せ
本発明に係る金属材料の接合方法では、金属材料を一方の被接合部材とし、同一金属系の金属材料及び異種金属材料のいずれかを他方の被接合部材として、一方の被接合部材と他方の被接合部材とを接合する。同一金属系の金属材料同士を接合する場合は、合金組成が同一のもの同士でも、合金組成が異なるもの同士でもよい。
本発明に係る金属材料の接合方法では、一方の被接合部材である金属材料の全質量に対する当該金属材料内に生成する液相の質量の比(以下、「液相率」と記す)が0%を超え35%以下となる温度で接合する必要がある。液相率が35%を超えると、生成する液相の量が多過ぎて金属材料が変形を開始してしまう。一方、液相が生成しなければ接合ができない。液相が少ないと接合が困難となる場合があり、好ましい液相率は5〜35%であり、より好ましい液相率は10〜20%である。
液相が生じた後から接合に至るまでの金属組織の挙動をアルミニウム合金での接合を例に示しながら説明する。図3に示すように、液相を生成するアルミニウム合金材Aと、これと接合するアルミニウム合金材Bとを用いた逆T字型接合試験片を接合し、図に示す観察面を顕微鏡で観察した。前述のように、接合においてアルミニウム合金材Aの表面に生成するごく僅かな液相は、フラックス等の作用により酸化皮膜が破壊された相手のアルミニウム合金材Bとの隙間を埋める。次に、両合金材の接合界面付近にある液相がアルミニウム合金材B内へと移動していき、それに伴い接合界面に接しているアルミニウム合金材Aの固相α相の結晶粒がアルミニウム合金材B内に向かって成長していく。一方、アルミニウム合金材Bの結晶粒もアルミニウム合金材A側へと成長していく。
本発明に係る接合方法では、液相を生成する金属材料の固相線温度と液相線温度の差を10℃以上とするのが好ましい。固相線温度を超えると液相の生成が始まるが、固相線温度と液相線温度の差が小さいと、固体と液体が共存する温度範囲が狭くなり、発生する液相の量を制御することが困難となる。従って、この差を10℃以上とするのが好ましい。例えば、この条件を満たす組成を有する2元系の合金としては、Al−Si系合金、Al−Cu系合金、Cu−Zn系合金、Cu−Sn系合金、Fe−C系合金、Ti−Al系合金、Ni−Al系合金、Mg−Zn系合金などが挙げられる。この条件を満たすには、共晶型合金が固液共存領域を大きく有するので有利である。しかしながら、他の全率固溶型、包晶型、偏晶型などの合金であっても、固相線温度と液相線温度の差を10℃以上とすることにより良好な接合が可能となる。また、上記の2元系合金は主添加元素以外の添加元素を含有することができ、実質的には3元系や4元系合金、更に5元以上の多元系の合金も含まれる。
なお、固相線温度と液相線温度の差は大きくなるほど適切な液相量に制御するのが容易になる。従って、固相線温度と液相線温度の差に上限は特に設けない。
本発明の接合方法においては、通常、被接合部材は炉中で加熱される。炉の形状に特に制限はなく、例えば1室構造のバッチ炉、ベルト等の搬送機構を有する連続炉などを用いることができる。なお、炉中の雰囲気に制限はないが、真空中や不活性ガス中、あるいは還元性ガス中で行うことが好ましい。また、接合加熱の際に、液相を生成する金属材料の固相線温度以上となる時間を20分以内とするのが好ましく、15分以内とするのが更に好ましい。20分を超えると、前述の粒界すべりによる変形が発生するおそれがある。
表1に接合に用いたAl−Si合金の組成を示す(Siを、1.5〜4.0mass%含有する)。表1には、580〜640℃の各温度での平衡液相率も示した。なお、平衡液相率は、Thermo−Calcによる計算値である。表1に示す合金鋳塊を調製した後、熱間圧延及び冷間圧延により厚さ1mmの圧延板を得た。この圧延板を切り出し、端面をフライスにより平滑にしたものを組み合わせて、図5に示す接合試験片を作製した。試験片の上板と中板には、表1に示す組成のアルミニウム合金板を用い、下板には純アルミニウム板(A1070)を用いた。上板と中板のアルミニウム合金板は同一組成である。これら例は、同一組成のアルミニウム合金材同士の接合である。この接合試験片の接合面には、フッ化物系の非腐食性フラックスを塗布した。図5(a)に示すように、下板に中板と上板を順次重ね、重ね合わせたものの上下に板厚1mmのセラミックス板の治具を配するようにした。次いで、図5(b)に示すように、上下のステンレス板と側面に2本のステンレス線を架け渡して端部をそれぞれ縛り、下板、中板及び上板からなる試験片を固定して試料とした。なお、図5(a)に記載の数字は、部材の寸法(単位:mm)を表わす。
接合率(%)={(L1+L2)/2L0}×100 (2)
ここで、L1は接合部1において接合されている部分の長さ、L2は接合部2において接合されている部分の長さ、L10は接合部1と接合部2において、それぞれ接合されるべき長さである。
変形率(%)={(a1+a2)/2a}×100 (3)
比較例22〜25では、液相率が高過ぎたため、大きな変形が発生して総合判定が不合格となった。
表1に示すAl−Si合金に代えて、表3に示す組成の金属材料を用いて、実施例1〜20及び比較例21〜25と同様に接合率と変形率を試験した。すなわち、これら例においても、上板と中板の金属材料板は同一組成であり、同一組成の金属材料同士の接合である。
比較例42、44、46、48、50では、生成する液相が過剰であったため被接合部材が形状を維持できず、大きく変形してしまった。特に、比較例48では完全に形状が崩れてしまい、接合率を測定することも不可能であった。
a1・・試験片の天井部上側の接合後における湾曲長さ
a2・・試験片の天井部下側の接合後における湾曲長さ
c1・・Si濃度
c2・・Si濃度
T・・温度
T1・・Teを超えた温度
T2・・T1より更に高い温度
T3・・Ts2を超えた温度
Te・・固相線温度
Ts2・・固相線温度
Claims (4)
- 金属材料を一方の被接合部材とし、同一の金属材料あるいは他の金属材料のいずれかを他方の被接合部材として、前記一方の被接合部材と他方の被接合部材とを接合する方法において、前記一方の被接合部材である金属材料の全質量に対する当該金属材料内に生成する液相の質量の比が0%を超え35%以下となる温度で接合することを特徴とする金属材料の接合方法。
- 前記一方の被接合部材である金属材料において、固相線温度と液相線温度の差が10℃以上である、請求項1に記載の金属材料の接合方法。
- 前記一方の被接合部材である金属材料において、接合前に対する接合後の寸法変化が5%以下である、請求項1又は2に記載の金属材料の接合方法。
- 前記金属材料がAl系合金、Cu系合金、Fe系合金、Ni系合金、Ti系合金、Mg系合金である、請求項1乃至3に記載の金属材料の接合方法。
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