以下、発明の実施の形態例を図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2の内側に収容された遊技盤3と、前面枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、前面枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、前面枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7等を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。
また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部11と、副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fと、発射制御処理部13と、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図4を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、その盤面に遊技領域31を有しており、前面枠2に装着した後、ガラス板10から遊技領域31を観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、特別図柄表示装置17と、演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、普通図柄表示装置22と、電動チューリップ49と、ステージ36と、第1始動入賞口(始動口)37aおよび第2始動入賞口(始動口)37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、アタッカー装置41等が設けられている。なお、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとは上下方向に間隔を空けて設けられている。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、所定の演出態様の一部として、特別図柄表示装置17に変動表示される特別図柄と同期をとってダミー図柄(演出図柄)が変動表示されるようになっている。なお、この演出表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115a、115bに記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が区画形成されている。つまり、この表示領域の部分が保留球表示装置34aとなっているのである。
また、特別図柄表示装置17は、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果を表示するためのものであって、より具体的には、抽選結果を、特別図柄(数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示するものである。この特別図柄表示装置17は、本実施形態では7セグメント表示器が用いられており、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技よりも、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技を優先して実行するようになっているので、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの両方の抽選結果を同時に表示することはない。よって、2つの始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特別図柄表示装置17で表示している。つまり、特別図柄表示装置17は、本発明の第1特別図柄表示装置および第2特別図柄表示装置の両方を兼ねているのである。勿論、特別図柄表示装置17を別個に2つ設けることもできることは言うまでもない。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置22が、特別図柄表示装置17の隣に設けられている。この普通図柄表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。
電動チューリップ49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第2始動入賞口37bの入口を拡大するようになっている。そして、電動チューリップ49が開放されない限り、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することはない。また、ステージ36は、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
アタッカー装置41は、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、特図当たり(大当たり)となって大当たり遊技に移行した場合に所定回数(2ラウンド、または13ラウンド)開放される装置である。このアタッカー装置41は、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では遊技領域31の下部に設けられた大入賞口42が露呈され、その大入賞口42に遊技球を入賞させることができる構成となっている。
つまり、アタッカー装置41は、常態では蓋部材が大入賞口42を閉じているため、大入賞口42に遊技球が入賞することはないが、上記したように、大当たり遊技に移行すると、蓋部材が開放されて大入賞口42が露呈されるため、遊技球を大入賞口42内に入賞させることが可能となるのである。そして、大入賞口42に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口42に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。なお、大入賞口42は、横長な長方形の開口であり、アタッカー装置41の蓋部材は、この大入賞口42の形状とほぼ同じ形状を成している。
また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、およびアタッカー装置41に入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a、43b、44、45(図4参照)が設けられている。
前面ボード6には、遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が前面枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作するタッチボタン(操作部)60が設けられている。
主制御処理部11は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御処理部11は、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等とにより構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図4に示すように、始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う特別図柄抽選処理部(電子抽選手段)110と、この特別図柄抽選処理部110が判定した抽選結果に応じて特別図柄の種類を決定する特別図柄決定部120a、120bと、特別図柄の変動時間に関するコマンドである変動パターンコマンドを決定するための変動パターンコマンド決定部130と、遊技モードの移行を制御する遊技モード移行制御部140と、特別図柄抽選処理部110による抽選結果の判定が特図当たり(大当たり)となった場合にアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)160と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選処理部170と、普通図柄の変動時間を決定する普通図柄変動時間決定部190と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180とを備えて主制御処理部11は構成されている。
特別図柄抽選処理部110は、図5に示すように、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄用乱数発生部111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る抽選を行うための第1特別図柄抽選部119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る抽選を行うための第2特別図柄抽選部119bとを備えて構成されている。即ち、本実施形態において、特別図柄の抽選は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行うものと、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行うものとの2つがある。
第1特別図柄抽選部119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄用乱数取得部112aと、この第1特別図柄用乱数取得部112aが取得した乱数が特図当たりであるか否かを第1特別図柄高確率判定テーブル116aまたは第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して決定する第1特別図柄当否判定部113aと、第1特別図柄用乱数取得部112aが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1保留球乱数記憶部115aと、を備えている。ここで、第1特別図柄高確率判定テーブル116aは、第1特別図柄低確率判定テーブル117aよりも特図当たりとなる確率が高くなっている。
第2特別図柄抽選部119bも第1特別図柄抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄用乱数取得部112bと、この第2特別図柄用乱数取得部112bが取得した乱数が特図当たりであるか否かを第2特別図柄高確率判定テーブル116bまたは第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して決定する第2特別図柄当否判定部113bと、第2特別図柄用乱数取得部112bが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2保留球乱数記憶部115bと、を備えている。ここで、第2特別図柄高確率判定テーブル116bは、第2特別図柄低確率判定テーブル117bよりも特図当たりとなる確率が高くなっている。
なお、本実施形態では、第1保留球乱数記憶部115aと第2保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、第2保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数の方が優先して読み出されて特図当たりであるか否かの判定が行なわれ、その判定に従って遊技が進行するような制御がなされている。つまり、特別図柄抽選処理部110によって、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技が、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技よりも優先するような処理が行なわれているのである。
本実施形態では、後述するように2R通常当たり(不利当たり)、2R確変当たり(有利当たり)、13R確変当たり(有利当たり)の3種類の特図当たりが設けられているが、それぞれの当たりに当選する確率は、第1特別図柄抽選部119aによる電子抽選と第2特別図柄電子抽選部119bによる電子抽選とで同じである。そして、この特図当たりの種類を決定するのが第1特別図柄決定部120aおよび第2特別図柄決定部120bである。つまり、第1特別図柄抽選部119aおよび第2特別図柄抽選部119bでは、取得した乱数が特図当たりであるか否かを判定するだけであり、特図当たりの種類が何であるかの決定は、第1特別図柄決定部120aおよび第2特別図柄決定部120bが行っている。
第1特別図柄決定部120aは、第1特別図柄抽選部119aによる抽選結果が特図当たりであった場合に、その特図当たりに対応する特別図柄の種類を決定している。具体的には、第1特別図柄決定部120aは、2R通常当たり、2R確変当たり、13R確変当たりの何れかを決定する。第2特別図柄決定部120bについても同様である。
「2R確変当たり」、「13R確変当たり」に当選すると、その確変当たりに基づく大当たり遊技が終了した後には、次の特図当たりに当選するまでの間の遊技では、参照する判定テーブルとして第1特別図柄高確率判定テーブル116aおよび第2特別図柄高確率判定テーブル116bが参照されるようになっている。つまり、この遊技状態が、高確率変動状態(以下、「確変モード」という)である。
一方、第1特別図柄低確率判定テーブル117aおよび第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照しながら遊技が行われる状態が通常状態(以下、「通常モード」という)である。確変モードでは、特図当たりに当選する確率が高いため、通常モードに比べて遊技者に有利である。なお、「2R通常当たり」に当選し、その通常当たりに基づく大当たり遊技が終了した後には、その通常当たりに当選したときの遊技モードが確変モードであったとしても、遊技モードが通常モードに移行する(転落する)ようになっている。このように、本実施形態では、2R確変当たりと13R確変当たりは、大当たり遊技終了後に確変モードになるので、2R通常当たりより遊技者にとって有利と言える。即ち、2R確変当たりと13R確変当たりが本発明の有利当たりに相当し、2R通常当たりが本発明の不利当たりに相当する。
次に、変動パターンコマンド決定部130は、図6に示すように、変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン用乱数を発生させる変動パターン用乱数発生部131と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて変動パターンコマンドを決定するための第1変動パターンコマンド決定部130aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて変動パターンコマンドを決定するための第2変動パターンコマンド決定部130bとを備えて構成されている。
変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(0〜9まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
第1変動パターンコマンド決定部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、変動パターン用乱数発生部131により発生した変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第1変動パターン用乱数取得部132aと、この第1変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数を上限4個まで記憶する第1変動パターン用乱数記憶部133aと、変動パターン用乱数と変動パターンNo.とが対応づけられたテーブルが複数記憶された第1変動パターンコマンドテーブル134aと、を備えている。なお、変動パターンコマンド決定部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞すると、第1特別図柄抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの変動パターン用乱数を取得する。
第2変動パターンコマンド決定部130bも第1変動パターンコマンド決定部130aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、変動パターン用乱数発生部131により発生した変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2変動パターン用乱数取得部132bと、この第2変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数を上限4個まで記憶する第2変動パターン用乱数記憶部133bと、変動パターン用乱数と変動パターンNo.とが対応づけられたテーブルが複数記憶された第2変動パターンコマンドテーブル134bと、を備えている。なお、変動パターンコマンド決定部130bは、第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞すると、第2特別図柄抽選部119bと同様に、その入賞につき1つの変動パターン用乱数を取得する。
第1変動パターンコマンドテーブル134aには、図7に示すように、第1特別図柄抽選部119aによる抽選で特図当たりに当選した場合に参照される特図変動テーブルA(134a−1)と、第1特別図柄抽選部119bによる抽選でハズレとなった場合に参照される特図変動テーブルB(134a−2)および特図変動テーブルC(134a−3)の3つのテーブルが記憶されており、それぞれのテーブルは、変動パターン用乱数と変動パターンNo.が予め対応づけられた構成となっている。つまり、変動パターン用乱数が決まると、その変動パターン用乱数から変動パターンNo.(変動パターンコマンド)が自ずと決まり、その変動パターンNo.に対応する変動時間が決まるようになっている。なお、第2変動パターンコマンドテーブル134bの構成は、第1変動パターンコマンドテーブル134aと同じであるため、図示およびここでの説明は省略する。また、本実施形態例では、変動パターン用乱数を0〜9までの10個、変動パターンNo.を当たり用としてNo.1〜No.10、ハズレ用としてNo.11〜No.30までとしているが、変動パターン用乱数の数や変動パターンNo.の数は適宜設定すれば良い。
次に、各特図変動テーブルA〜Cに記憶されている変動時間について説明する。まず、特図変動テーブルA(134a−1)には、30秒から120秒までの変動時間が記憶されている。特図変動テーブルB(134a−2)には、10秒〜120秒までの変動時間が記憶されているが、特図変動テーブルA(134a−1)と比べて相対的に短い変動時間が多く含まれている。
特図変動テーブルC(134a−3)には、2秒〜45秒までの変動時間が記憶されている。特図変動テーブルB(134a−2)と特図変動テーブルC(134a−3)とを比較すると、特図変動テーブルC(134a−3)の方が特図変動テーブルB(134a−2)に比べて相対的に短い変動時間が記憶されている。
次に、図4に示す大当たり遊技制御部160は、特別図柄抽選処理部110による電子抽選の結果が特図当たりとなった場合に、アタッカー装置41を作動して、大当たり遊技を提供するためのものである。本実施形態の大当たり遊技は、ラウンド遊技が2回または13回連続して連続して行なわれる構成となっている。ここで、ラウンド遊技とは、アタッカー装置41が少なくとも1回開閉し、アタッカー装置41の開放中に大入賞口42に遊技球が所定個数入賞するか、ラウンド遊技の開始から所定時間経過するかの何れかの終了条件が成立すると終了となる遊技である。2R通常当たりと2R確変当たりに当選した場合には、ラウンド遊技が2回の大当たり遊技が提供され、13R確変当たりに当選した場合には、ラウンド遊技が13回の大当たり遊技が提供される。よって、2R通常当たりと2R確変当たりより13R確変当たりの方が、遊技者は多くの賞球を獲得できるので有利である。
次に、遊技モード移行制御部140は、遊技モードが通常モードにあるときに2R確変当たりと13R確変当たりに当選した場合には、大当たり遊技が終了すると遊技モードを確変モードに移行し、遊技モードが確変モードにあるときに、2R確変当たりと13R確変当たりに当選した場合には、大当り遊技が終了した後の遊技モードを引き続き確変モードに維持するが、確変モードで2R通常当たりに当選すると、大当たり遊技が終了した後の遊技モードを通常モードに移行(転落)させるように、遊技モードを制御している。なお、遊技モードが通常モードである場合に2R通常モードに当選した場合には、遊技モード移行制御部140は、大当たり遊技終了後の遊技モードを通常モードのまま維持している。
普通図柄抽選処理部170は、図8に示すように、普通図柄用の乱数を発生させる普通図柄用乱数発生部171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選部177とを備えて構成されている。この普通図柄抽選部177は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する普通図柄用乱数取得部172と、この普通図柄用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを判定テーブルを参照して決定する普通図柄当否判定部173と、普通図柄用乱数取得部172が乱数を取得したときに普通図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を普通図柄用の保留球乱数として記憶する普通図柄用保留球記憶部174と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普通図柄低確率判定テーブル176と、この普通図柄低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普通図柄高確率判定テーブル175とを備えている。なお、普通図柄用乱数発生部171は、特別図柄用乱数発生部111より発生する乱数は少ないが、乱数を発生させるための構成は同じである。
普通図柄変動時間決定部190は、図9に示すように、普図変動パターンコマンドの決定に用いられる普図変動パターン用乱数を発生させる変動パターン用乱数発生部191と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に、普図変動パターン用乱数発生部191により発生した普図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する普図変動パターン用乱数取得部192と、この普図変動パターン用乱数取得部192が取得した乱数を上限4個まで記憶する普図変動パターン用乱数記憶部193と、普図変動パターン用乱数と変動パターンNo.とが対応づけられたテーブルが複数記憶された普図変動パターンコマンドテーブル194と、を備えている。なお、普通図柄変動時間決定部190は、スルーチャッカ21を遊技球が1個通過すると、その通過につき1つの普図変動パターン用乱数を取得する。
普図変動パターン用乱数発生部191は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(0〜4まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
普図変動パターンコマンドテーブル194には、図10に示すように、2つの普図変動テーブルが記憶されており、それぞれのテーブルは、普図変動パターン用乱数と変動パターンNo.が予め対応づけられた構成となっている。つまり、普図変動パターン用乱数が決まると、その普図変動パターン用乱数から変動パターンNo.(普図変動パターンコマンド)が自ずと決まり、その変動パターンNo.に対応する変動時間が決まるようになっている。ここで、本実施形態例では、普図変動パターン用乱数を0〜4までの5個、変動パターンNo.をNo.101〜No.110まで設定しているが、普図変動パターン用乱数の数や変動パターンNo.の数は適宜設定すれば良い。
2つの普図変動テーブルのうち、一方の普図変動テーブルa(194−1)には、10秒の変動時間が記憶されており、他方の普図変動テーブルb(194−2)には、0.6秒の変動時間が記憶されている。よって、普図変動テーブルa(194−1)と普図変動テーブルb(194−2)とを比べると、普図変動テーブルb(194−2)の方が短い変動時間となっている。なお、通常モードでは、普図変動テーブルa(194−1)が参照され、確変モードでは、普図変動テーブルb(194−2)が参照されるようになっている。
次に、電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄抽選処理部170による電子抽選で普図当たりに当選した旨のコマンドに基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するよう制御している。ここで、普通図柄高確率判定テーブル175が参照されている遊技では、普通図柄抽選部177による電子抽選に当選する確率が高いため、普通図柄低確率判定テーブル176が参照されている遊技を参照する場合に比べて、電動チューリップ49が頻繁に開くため、遊技者は、遊技球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
なお、電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄高確率判定テーブル175が参照される遊技状態では、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間2.9秒で2回開放するよう制御し、普通図柄低確率判定テーブル176が参照される遊技状態では、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するよう制御している。また、確変モードでは、普通図柄高確率判定テーブル175が参照され、通常モードでは、普通図柄低確率判定テーブル176が参照されるようになっている。
このように構成された主制御処理部11は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行われる遊技の開始に際して、第1変動パターンコマンド決定部130aで決定された変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信すると共に、第1特別図柄抽選部119aによる抽選に当選した場合には第1特別図柄決定部120aで決定された特別図柄の種類に関するコマンドも演出制御処理部12aに送信している。同様に、主制御処理部11は、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行われる遊技の開始に際して、第2変動パターンコマンド決定部130bで決定された変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信すると共に、第2特別図柄抽選部119bによる抽選に当選した場合には第2特別図柄決定部120bで決定された特別図柄の種類に関するコマンドも演出制御処理部12aに送信している。
ここで、説明の便宜上、主制御処理部11から演出制御処理部12aに送信する特別図柄の種類に関するコマンドと変動パターンコマンドとを、以下の説明において、単に遊技コマンドと一括りにして言うことがある。
次に、この遊技コマンドの中身について説明する。遊技コマンドは、「No.?」または「No.?+図柄」の何れかで構成されている。遊技コマンドのうち「No.?」は、第1変動パターンコマンド決定部130aまたは第2変動パターンコマンド決定部130bが決定した変動パターンコマンドを示し、遊技コマンドのうち「図柄」は、第1特別図柄決定部120aまたは第2特別図柄決定部120bが決定した特別図柄の種類に関するコマンドを示している。
変動パターンNo.1〜No.10は、図7に示すように特図当たりのときに参照される特図変動テーブルA(134a−1)を用いて決定されることから、「No.1」〜「No.10」の各コマンドは当たりコマンドであり、変動パターンNo.11〜No.30は、図8に示すようにハズレのときに参照される特図変動テーブルB(134a−2)、特図変動テーブルC(134a−3)の何れかを用いて決定されることから、「No.11」〜「No.30」の各コマンドはハズレコマンドである。
また、「図柄」のコマンドは、具体的には、「2R通常図柄」、「2R確変図柄」、「13R確変図柄」に分かれており、例えば、「2R通常図柄」のコマンドは2R通常当たりに当選したことを示している。
よって、遊技コマンドに「No.1」〜「No.10」の何れかが含まれていれば、その遊技コマンドは当たりコマンドであり、「図柄」のコマンドを確認すれば、その遊技コマンドが何れの特図当たりに当選したかが分かる。また、遊技コマンドが、「No.11」〜「No.30」の何れかが含まれていれば、その遊技コマンドはハズレコマンドであることが分かる。
続いて、主制御処理部11からの指令(コマンド)を受けて各種装置を制御する副制御処理部について説明する。副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fは、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられており、主制御処理部11が生成した処理情報に従って、演出表示装置34やスピーカ20、その他の演出装置(LED装置など)などの制御を行う装置である。
演出制御処理部12aは、図11に示すように、処理部として、演出態様を決定するための演出態様決定部210と、この演出態様決定部210が決定した演出態様を演出表示装置34に表示するよう制御する演出表示制御部(演出表示制御手段)220とを備え、記憶部として、複数種類の演出パターンを記憶した演出態様記憶部260を備えている。
演出表示制御部220は、特別図柄抽選処理部110による電子抽選の抽選結果が大当たりである場合に、その旨を示唆する予告演出を演出表示装置34に表示する予告演出表示制御部(予告演出表示制御手段)221と、予告演出を演出表示装置34に表示するための条件を決定する予告表示条件決定部(予告表示条件決定手段)222とを備えている。また、演出態様記憶部260は、複数種類の演出パターンが記憶された演出態様テーブル261と、複数種類の予告演出パターンが記憶された予告態様テーブル262とを備えている。
演出態様記憶部260に記憶されている演出態様テーブル261は、図12に示すように、遊技コマンドに演出パターンが対応付けられた構成となっている。例えば、遊技コマンドNo.1+「図柄」には、変動時間30秒の「ノーマルリーチA1」と「ノーマルリーチA2」が対応する演出パターンとして記憶されており、遊技コマンドNo.13には、変動時間10秒の「リーチなしB」が対応する演出パターンとして記憶されている。
演出態様決定部210は、遊技の開始時に、当該遊技に係る遊技コマンドに基づいて演出態様記憶部260に記憶されている演出態様テーブル261を参照しながら、今回用いる演出パターンを決定する。例えば、遊技コマンドとして「No.15」が演出制御処理部12aに送られてきた場合には、演出態様決定部210は、演出態様テーブル261を参照して、遊技コマンド「No.15」に対応する演出パターン「ノーマルリーチA1」または「ノーマルリーチA2」の中から一方の演出パターンを抽選により決定する。
演出表示制御部220は、演出態様決定部210が決定した演出パターンを演出表示装置34に表示するための制御を行っており、例えば、演出パターンとして「スーパーリーチA1」が決定された場合には、複数の演出図柄が変動を開始し、1つの演出図柄を残して他の全ての演出図柄を同一図柄で停止してリーチ演出を行い、さらにスーパーリーチ演出に発展した後に、全ての演出図柄を停止して遊技の結果を表示するといった内容の演出の表示制御を行っている。
また、詳しくは後述するが、予告演出表示制御部221は、当たりコマンドを受け取ると、タッチボタン60を用いた予告演出を行うか否かを決定し、当該予告演出を行うことが決定した場合には、予告演出表示制御部221が予告演出を表示するための条件を決定するようになっている。なお、このタッチボタン60を用いた予告演出の画像データは、予告態様テーブル262に記憶されている。
図4に説明を戻すと、特別図柄表示制御部12bは、主制御処理部11の特別図柄決定部120a、120bが決定した特別図柄の種類に関するコマンドと、変動パターンコマンド決定部130が決定した変動パターンコマンド、即ち、遊技コマンドに基づき、特別図柄表示装置17に特別図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で表示する。一方、普通図柄表示制御部12fは、普通図柄抽選処理部170による普通図柄に係る抽選結果のコマンドと普通図柄変動時間決定部190が決定した普通図柄の変動時間のコマンドとを受け、それらのコマンドに基づいて普通図柄表示装置22に普通図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で表示するよう制御している。なお、普通図柄表示制御部12fは、上記した特別図柄表示制御部12bによる表示制御と比べて表示する図柄の対象が相違するものの、表示制御の基本構成はほぼ同じである。また、ランプ制御処理部12cは、主制御処理部11からコマンドを受けて各種ランプや電飾の点灯制御を行うものである。
払出制御処理部12eは、CRユニットからの信号を受けて遊技球を遊技者に貸し出すように賞球払出装置14を制御する他、主制御処理部11からの払出指令を受けて、所定個数の賞球を遊技者に対して払い出すように賞球払出装置14を制御する。この賞球払出装置14は、遊技球を1個ずつ保持する切欠きが形成されたスプロケット(図示せず)と、このスプロケットを回転させるモータ(図示せず)とを備えて構成されている。そして、モータの回転を制御することにより、必要な数だけ賞球を払い出すことができるようになっている。具体的には、始動入賞口検知センサ43a、43b、一般入賞口検知センサ44、大入賞口検知センサ45等が遊技球の通過を検知したら、賞球払出装置14は主制御処理部11を経由して受けたコマンドに基づき遊技球を払い出す。
発射制御処理部13は、ハンドル7の回動量に応じて、発射装置9に対する作動の制御を行う装置である。より具体的に言うと、発射装置9に対して通電させたり、通電を停止したり、あるいは、通電電流を変化させるといった制御処理を行う。なお、この発射制御処理部13は、払出制御処理部12eと接続されており、CRユニットが接続されていない場合に発射停止信号が受信されるようになっている。
次に、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pの遊技処理の手順について図13を参照して説明するが、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bのどちらの始動入賞口に遊技球が入賞しても遊技処理の手順は同じであるため、以下では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合について説明することとする。
図13に示すように、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したか否かを主制御処理部11は判断する(ステップS1)。入賞した場合(ステップS1でYes)には、第1特別図柄用乱数取得部112aは特別図柄用乱数を取得し、第1変動パターン用乱数取得部132aは変動パターン用乱数を取得する(ステップS2)。特別図柄が変動中の場合(ステップS3でYes)には、ステップS2で取得した特別図柄用乱数を第1保留球乱数記憶部115aに記憶し、変動パターン用乱数を第1変動パターン用乱数記憶部133aに記憶して(ステップS4)、ステップS3の手前まで戻って、今回の入賞に係る遊技の順番が来るまで待機する。
特別図柄が変動中でなく、今回の入賞に係る遊技の処理を進めることができる場合(ステップS3でNo)には、ステップS5に進んで大当たり判定処理を行う。つまり、取得した特別図柄用乱数が特図当たりであるか否かを第1特別図柄当否判定部113aが判断する。次いで、ステップS6で変動パターンコマンド決定処理を行う。この変動パターンコマンド決定処理では、取得した変動パターン用乱数に基づいて、上述したように変動パターンコマンドテーブル134aを参照して変動パターンNo.を決定する。
より詳細に説明すると、変動パターンコマンド決定部130は、ステップS5で特図当たりと判定された場合には、特図変動テーブルA(134a−1)を参照して変動パターンNo.を決定する。一方、ステップS5でハズレと判定された場合には、変動パターンコマンド決定部130は、変動開始前の保留数と遊技状態(通常モード、確変モード)に応じて特図変動テーブルB(134b−1)と特図変動テーブルC(134c−1)の何れかを参照して変動パターンNo.を決定する。
次いで、ステップS7に進んで、特別図柄決定処理を行う。具体的には、ステップS5での大当たり判定処理の結果、特図当たりと判定された場合には、第1特別図柄決定部120aがその特図当たりに対する特別図柄の種類を決定する。即ち、今回の遊技での特図当たりが2R通常当たり、2R確変当たり、13R確変当たりの何れであるかをこのステップS7で決定する。
次いで、ステップS8にて、演出態様決定処理を行う。具体的には、演出態様決定部210が、演出態様テーブル261を参照して、今回の遊技に用いる演出パターンを決定する。例えば、今回の遊技で、遊技コマンド「No.7+図柄(13R確変図柄)」が演出態様決定部210に送られてきた場合には、演出態様決定部210は、演出態様テーブル261を参照して、今回の演出パターンとして例えば「スーパーリーチB2」を抽選で決定する。
次いで、ステップS9にて、タッチボタン60を用いた予告演出を行なうか否かの決定および、予告演出を行なう場合の予告表示条件の決定に係る処理を行なう。このステップS9での処理の詳細は後述する。
次いで、ステップS10で、特別図柄の変動が開始され、演出表示制御部220が演出表示装置34にステップS8で決定された演出パターンを表示する。そして、ステップS9にて予告演出を行なうことが決定している場合には、所定の予告演出を演出表示装置34に表示する(詳しくは後述する)。そして、所定時間が経過すると、ステップS11に進み、特別図柄の変動が停止されると共に、それと同期して、演出パターンの表示が停止される。
次いで、停止図柄の組合せが特図当たりとなる組合せで確定している場合(ステップS12でYes)には、ステップS13に進んで、大当たり遊技が行なわれる。大当たり遊技は、特図当たりの種類が2R通常当たりと2R確変当たりの場合には、アタッカー装置41が2回のラウンド遊技が提供され、13R確変当たりの場合には、13回のラウンド遊技が提供される。
次いで、ステップS14で、特図当たりの種類に応じて大当たり遊技後の遊技モードを所定の遊技モードへと移行させる処理が行なわれる。具体的には、遊技モード移行制御部140は、2R通常当たりに基づく大当たり遊技が終了すると、遊技モードを通常モードに移行し、2R確変当たりおよび13R確変当たりに基づく大当たり遊技が終了すると、遊技モードを確変モードに移行する。よって、2R確変当たりおよび13R確変当たりに当選している限り、確変モードが継続するが、この確変モード中に2R通常当たりに当選すると、大当たり遊技終了後に、確変モードから通常モードに転落することとなる。
なお、ステップS1でNoの場合は遊技が行われることなく終了となり、ステップS12でNoの場合は、大当たり遊技が提供されることなく1回の遊技の処理が終了する。
次に、特別図柄抽選処理部110による抽選で特図当たりに当選した場合に、予告演出を行なうか否かの決定と、予告演出を表示するための条件の決定に関する処理の手順について、図14を参照しながら詳しく説明する。まず、ステップS31にて、予告演出表示制御部221は、特図当たりであるか否か、即ち、受け取った遊技コマンドが当たりコマンドであるか否かを判断する。特図当たりである場合(ステップS31でYes)には、予告演出表示制御部221は、予告演出を行なうか否かの抽選を行なう(ステップS32)。予告演出を行なうことが抽選で決定した場合(ステップS33でYes)には、予告表示条件決定部222が、前半予告演出を表示する条件、即ち、タッチボタン60を連打する回数を1回に決定する(ステップS34)。
次いで、予告表示条件決定部222は、現在の遊技モードが確変モードであるか否かを判断する(ステップS35)。確変モードである場合(ステップS35でYes)には、ステップS36に進んで、特図当たりが2R通常当たりであるかを受け取った遊技コマンドから判断する。2R通常当たりでない場合(ステップS36でNo)には、予告表示条件決定部222は、後半予告演出の表示条件を抽選で決定する。具体的には、予告表示条件決定部222は、タッチボタン60の連打回数を、5回、15回、無限大の中から抽選で決定する(ステップS37)。なお、ステップS37で行う抽選は、タッチボタン60の連打回数5回が選ばれる確率が50%、15回と無限大が選ばれる確率がそれぞれ25%となるように予め設定されている。
また、ステップS36でYesの場合には、予告表示条件決定部222は、後半予告演出を表示する条件として、タッチボタン60の連打回数を、5回、15回、無限大の中から抽選で決定する(ステップS38)。なお、ステップS38で行われる抽選は、無限大が選択される確率が100%となっているため、常にステップS38で決定されるタッチボタン60の連打回数は無限大となる。このように、本実施形態では、2R通常当たり(不利当たり)に当選したときの方が、2R確変当たりおよび13R確変当たり(何れも有利当たり)に当選したときに比べて、タッチボタン60を連打する回数が多くなっている。即ち、2R通常当たりに当選すると、後半予告表示条件を達成することが2R確変当たりおよび13R確変当たりに当選するより困難となっている。さらに言えば、本実施形態では、2R通常当たりに当選すると、後半予告表示条件としてタッチボタン60の連打が無限大となるため、当該条件を達成するのは不可能となっている。
また、ステップS35でNoの場合、即ち、遊技モードが通常モードである場合には、予告表示条件決定部222は、後半予告演出を表示するための条件として、常にタッチボタン60の連打回数を15回に決定する。なお、ステップS31でNoの場合、ステップS33でNoの場合には、予告表示条件を決定することなく処理が終了する。
次に、予告演出の具体的な表示態様について、図15〜図17を参照しながら説明する。まず、確変モード中に13R確変当たりに当選し、前半予告表示条件としてタッチボタン60の連打回数が1回に決定(ステップS33)し、後半予告表示条件としてタッチボタン60の連打回数が5回に決定(ステップS37)した場合を例に挙げて説明する。
この例を示したのが図15である。図15(a)に示すように、まず、演出表示装置34に演出図柄が変動中(図の矢印が演出図柄の変動中を示している)に、予告演出表示制御部221は、「タッチボタンを押下せよ!」とのメッセージM1を表示する。メッセージM1が表示されて第2所定時間である2秒以内に遊技者がタッチボタン60を第2操作回数である1回押下すると、前半予告表示条件が達成されるため、予告演出表示制御部221は、演出表示装置34にキャラクタCと「チャンス!?」の予告N1を表示する(図15(b)参照)。ここまでの予告演出、即ち、「メッセージM1+キャラクタC+予告N1」が前半予告演出である。
次に、図15(c)に示すように、予告演出表示制御部221は、演出表示装置34に「タッチボタンを連打せよ!!」とのメッセージM2を表示する。このメッセージM2が表示されてから第1所定時間である5秒以内に遊技者がタッチボタン60を第1操作回数である5回以上連打すると、後半予告表示条件が達成されるため、予告演出表示制御部221は、演出表示装置34に「対決リーチ確定!!」との予告N2メッセージN2を表示する(図15(d)参照)。ここまでの予告演出、即ち、「メッセージM2+予告N2」が後半予告演出である。
一方、遊技者がタッチボタン60を5回以上連打しなかった場合には、後半予告表示条件が達成されていないことになるので、予告演出表示制御部221は、後半予告表示条件を達成しない場合として予め用意された「脱出リーチ確定!!」の表示N3を演出表示装置34に表示する(図15(e)参照)。
なお、本実施形態では、「対決リーチ確定!!」の予告N2は、確変当たりである場合にしか表示されることがないようになっているため、この「対決リーチ確定!!」が表示されると、遊技者は、確変当たりであることを早めに知ることができ、大いに興奮することとなる。一方、「脱出リーチ確定!!」の表示N3は、2R通常当たりと確変当たりの両方で表示されるようになっているので、この表示N3が表示されると、2R通常当たりに当選し、遊技モードが通常モードに転落するかもしれないことを遊技者は知ることとなる。
そして、演出表示装置34に変動表示されていた演出図柄が停止し、画面に「確変継続!!」とのメッセージが表示され(図15(f)参照)、大当たり遊技に移行する。なお、図15の例では、13R確変当たりに当選しているため、遊技者がタッチボタン60を連打しなかったために「脱出リーチ確定!!」との表示N3が表示されたとしても、最終的には、演出表示装置34に「確変継続!!」と表示される。
次に、確変モード中に2R通常当たりに当選し、前半予告表示条件としてタッチボタン60の連打回数が1回に決定(ステップS33)し、後半予告表示条件としてタッチボタン60の連打回数が無限大に決定(ステップS37)した場合を例に挙げて説明する。
この例を示したのが図16である。図16(a)に示すように、まず、演出表示装置34に演出図柄が変動中(図の矢印が演出図柄の変動中を示している)に、予告演出表示制御部221は、「タッチボタンを押下せよ!」とのメッセージM1を表示する。メッセージM1が表示されて第2所定時間である2秒以内に遊技者がタッチボタン60を第2操作回数である1回押下すると、前半予告表示条件が達成されるため、予告演出表示制御部221は、演出表示装置34にキャラクタCと「ピンチ!?」の予告N1を表示する(図16(b)参照)。
次に、図16(c)に示すように、予告演出表示制御部221は、演出表示装置34に「タッチボタンを連打せよ!!」とのメッセージM2を表示する。ここで、後半予告表示条件がタッチボタン60を無限大に連打することに決定している(第1操作回数として無限大が決定されている)ため、このメッセージM2が表示されてから第1所定時間である5秒以内に遊技者がタッチボタン60を何回連打しても、後半予告表示条件を達成することができない。そのため、予告演出表示制御部221は、後半予告演出である「対決リーチ確定!!」の予告N2を演出表示装置34に表示することはない。その代わりに、後半予告表示条件を達成しない場合として予め用意された「脱出リーチ確定!!」の表示N3を表示する(図16(d)参照)。
ここで、遊技者は、タッチボタン60を何回連打しても、「対決リーチ確定!!」の予告N2が表示されないため、2R通常当たりに当選したかもしれないことを、タッチボタン60を連打している過程で予測することができる。しかし、確変当たりの場合でも後半予告表示条件としてタッチボタン60の連打回数が無限大になる可能性は25%もある(図14のステップS37参照)ので、たとえ「対決リーチ確定!!」の予告N2が表示されなかったとしても、遊技への興味は失われることはない。
そして、演出表示装置34に変動表示されていた演出図柄が停止し、画面に「転落!!」とのメッセージが表示され(図16(e)参照)、大当たり遊技に移行する。そして、その大当たり遊技が終了すると、遊技モードが通常モードに転落する。
これに対して、通常モード中に13R確変当たりに当選し、前半予告表示条件としてタッチボタン60の連打回数が1回に決定(ステップS33)し、後半予告表示条件としてタッチボタン60の連打回数が15回に決定(ステップS37)した場合の例を示したのが図17である。
図17(a)に示すように、まず、演出表示装置34に演出図柄が変動中(図の矢印が演出図柄の変動中を示している)に、予告演出表示制御部221は、「タッチボタンを押下せよ!」とのメッセージM1を表示する。メッセージM1が表示されて第2所定時間である2秒以内に遊技者がタッチボタン60を第2操作回数である1回押下すると、前半予告表示条件が達成されるため、予告演出表示制御部221は、演出表示装置34にキャラクタCと「チャンス!?」の予告N1を表示する(図17(b)参照)。
次に、図17(c)に示すように、予告演出表示制御部221は、演出表示装置34に「タッチボタンを連打せよ!!」とのメッセージM2を表示する。このメッセージM2が表示されてから第1所定時間である5秒以内に遊技者がタッチボタン60を第1操作回数である15回以上連打すると、後半予告表示条件が達成されるため、予告演出表示制御部221は、演出表示装置34に「対決リーチ確定!!」との予告N2メッセージN2を表示する(図17(d)参照)。
一方、遊技者がタッチボタン60を15回以上連打しなかった場合には、後半予告表示条件が達成されていないことになるので、予告演出表示制御部221は、後半予告表示条件を達成しない場合として予め用意された「脱出リーチ確定!!」の表示N3を演出表示装置34に表示する(図17(e)参照)。
そして、演出表示装置34に変動表示されていた演出図柄が停止し、画面に「確変大当たり!!」とのメッセージが表示され(図17(f)参照)、大当たり遊技に移行する。なお、図17の例では、13R確変当たりに当選しているため、遊技者がタッチボタン60を連打しなかったために「脱出リーチ確定!!」との表示N3が表示されたとしても、最終的には、演出表示装置34に「確変大当たり!!」と表示される。
以上、説明したように、本実施形態に係るパチンコ機によれば、タッチボタン60を操作している過程で、確変当たりが確定する「対決リーチ確定!!」が演出表示装置34に表示されることを期待しながら遊技を行なうことができる。そして、「対決リーチ確定!!」が表示されれば、遊技者は大いに興奮するが、たとえタッチボタン60を連打してもなかなか「対決リーチ確定!!」が表示されなかったとしても、単に後半予告表示条件の決定時に15回や無限大が選ばれただけかもしれないと思うことから遊技への興味が持続する。その一方で、タッチボタン60を連打してもなかなか「対決リーチ確定!!」が表示されない場合には、タッチボタン60を連打している過程で、遊技者は、2R通常当たりに当選したかもしれないと思い、失望する場合がある。いずれにしても、タッチボタン60の連打過程を通じて、遊技者は特図当たりの種類が何であるかを予測しながら一喜一憂できるのである。
このように、本実施形態では、遊技モードと特図当たりの種類によって、後半予告表示条件であるタッチボタン60の連打回数の決定に差があるため、タッチボタン60の操作が単に予告演出の表示の契機となるだけでなく、タッチボタン60を操作している過程自体が遊技結果の予測をも可能とするため、タッチボタン60を用いた予告演出をバリエーションに富んだ面白みのあるものにすることができる。また、前半予告表示条件としてタッチボタン60を1回操作することとしているので、タッチボタン60の押下操作をより一層遊技者に促すことができ、遊技性が向上することとなる。
なお、上記した実施の形態例では、前半予告表示条件としてタッチボタン60を1回操作することにしたが、前半予告表示条件を課さないようにすることもできる。また、タッチボタン60の連打回数は、パチンコ機の仕様等に応じて適宜設定すれば良い。また、後半予告表示条件を決定する際のタッチボタン60の連打回数の当選確率の配分は、適宜決めることができることは言うまでもない。
また、上記した実施の形態例では、タッチボタン60の押下回数により前半予告表示条件および後半予告表示条件を決定したが、タッチボタン60が回転と押下が可能な形式のスイッチである場合には、回転回数と押下回数の合計数に差を設けて、前半予告表示条件および後半予告表示条件の難易度に差をつけるようにしても良い。