JP2011253005A - プラスチック光ファイバの製造装置およびプラスチック光ファイバの製造方法 - Google Patents

プラスチック光ファイバの製造装置およびプラスチック光ファイバの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の断面形状を有する芯鞘構造のPOFを、芯部と鞘部の中心軸のずれ、および鞘部の厚みの不均一化を抑制して簡便に製造できるPOFの製造装置および製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】流路断面が円形状で、芯材と鞘材が同心円状の芯鞘構造に複合される複合部15と、流路断面が非円形状であり、複合部15で複合された断面円形状の複合溶融樹脂に非円形状の断面形状を付与する断面形状付与部16と、複合部15と断面形状付与部16の間に設けられ、流路断面の形状が、その断面積が複合部15側から徐々に小さくなるように、断面形状付与部16の断面形状へと変化しているテーパー部17と、が設けられた紡糸手段1を備えたプラスチック光ファイバの製造装置。また、該製造装置を用いたPOFの製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラスチック光ファイバの製造装置およびプラスチック光ファイバの製造方法に関する。
プラスチック光ファイバ(以下、「POF」という。)は、ガラス製の光ファイバに比べて伝送距離は短いが、端面加工や取り扱いが容易であると共に、安価で軽量であり、大口径に設定できるなどの利点を有する。そのため、POFは、照明、センサー、通信などの多岐にわたる用途で利用されている。さらに前記用途の他に、車載用途にも用いられており、POFの生産量は増加傾向にある。このようなPOFとしては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などで形成される芯部の周りに、該芯部よりも屈折率の低い鞘部が同心円状に形成された芯鞘構造のPOFが広く用いられている。
ところで、POFを用いて採光システムなどを構築する際には、取り込む光の量を増大させる目的で複数本のPOFが束ねられて用いられる。しかし、通常用いられる断面円形状のPOFを複数本束ねた場合には、各々のPOF間に空隙ができるため、光の取り込み効率が低かった。この問題を解決する方法としては、POFの断面形状を正六角形などの細密充填が可能な形状にする方法が挙げられる。
特許文献1には、芯成分と鞘成分を芯鞘構造に複合紡糸する紡糸口金において、芯成分供給口の形状を所望の断面形状とし、紡糸した複合繊維から鞘部分を除去することで、所望の断面形状を有する繊維を製造する方法が示されている。この方法によれば、所望の断面形状を有する繊維を安定に製造できる。しかし、この方法は、芯成分の断面形状を安定に所望の形状にするために、その周りに一時的に円形状の鞘部分を形成する方法である。そのため、この方法を適用しても、所望の断面形状を有する芯鞘構造のPOFを得ることはできない。
特許文献2には、所望の断面形状を有する芯鞘構造のPOFを製造する方法として、所望の断面形状を有する芯部を形成した後、該コアの周りに鞘材を供給して、所望の断面形状の鞘部を形成する方法が記載されている。しかし、この方法は、芯部と鞘部を順次形成していくため、芯部の中心軸と鞘部の中心軸を一致させることや、鞘部の厚みを均一にすることが難しい。POFにおいて、芯部と鞘部の軸ずれ、鞘部の厚み斑が生じると、側面から光が漏れて伝送損失が増大してしまう。
特開平2−74667号公報 特開2007−94148号公報
本発明は、所望の断面形状を有する芯鞘構造のPOFを、芯部と鞘部の軸ずれ、および鞘部の厚みの不均一化を抑制して簡便に製造できるPOFの製造装置および製造方法の提供を目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
[1]芯材と鞘材を芯鞘構造に複合紡糸する紡糸手段を備えたプラスチック光ファイバの製造装置であって、前記紡糸手段の内部の樹脂流路に、流路断面が円形状で、その中心に芯材が供給され、該芯材の周りに鞘材が供給され、芯材と鞘材が同心円状の芯鞘構造に複合される複合部と、流路断面が、直線および/または曲線を組み合わせた非円形状であり、前記複合部で複合された断面円形状の複合溶融樹脂に非円形状の断面形状を付与する断面形状付与部と、前記複合部と前記断面形状付与部の間に設けられ、流路断面の形状が、その断面積が前記複合部側から徐々に小さくなるように、前記断面形状付与部の断面形状へと変化しているテーパー部と、が設けられていることを特徴とするプラスチック光ファイバの製造装置。
[2]前記断面形状付与部の断面形状が正六角形である、前記[1]に記載のプラスチック光ファイバの製造装置。
[3]芯材と鞘材を芯鞘構造に複合紡糸する紡糸工程を有するプラスチック光ファイバの製造方法であって、芯材と鞘材が同心円状の芯鞘構造に複合された複合溶融樹脂を形成した後、該複合溶融樹脂の断面形状を、その断面積が徐々に小さくなるように変形させ、非円形状の断面形状に賦形して紡糸することを特徴とするプラスチック光ファイバの製造方法。
本発明のPOFの製造装置を用いれば、所望の断面形状を有する芯鞘構造のPOFを、芯部と鞘部の軸ずれ、および鞘部の厚みの不均一化を抑制して簡便に製造できる。
また、本発明のPOFの製造方法によれば、所望の断面形状を有する芯鞘構造のPOFを、芯部と鞘部の軸ずれ、および鞘部の厚みの不均一化を抑制して簡便に製造できる。
本発明のPOFの製造装置の実施形態の一例を示した模式図である。 本発明における紡糸手段の実施形態の一例を示した縦断面図(A)、およびそのテーパー部17の拡大図(B)である。 図2の紡糸手段のノズル12を上面から見た様子を示した平面図である。 本発明のPOFの製造装置で製造されるPOFの一例を示した断面図である。 本発明における紡糸手段の他の実施形態例を示した縦断面図である。
[POFの製造装置]
以下、本発明のPOFの製造装置の実施形態の一例を示して詳細に説明する。
本実施形態のPOFの製造装置100(以下、単に「製造装置100」という。)は、図1に示すように、芯材と鞘材を芯鞘構造に複合紡糸する紡糸手段1と、溶融状態の芯材を押し出す芯材押出機2と、芯材押出機2から紡糸手段1に供給する芯材の流量を制御する定量ポンプ3と、溶融状態の鞘材を押し出す鞘材押出機4と、鞘材押出機4から紡糸手段1に供給する鞘材の流量を制御する定量ポンプ5と、紡糸手段1により紡糸されたPOF20に延伸処理を施す延伸手段6と、延伸されたPOF20を巻き取る巻取り手段7と、POF20の走行を規制するガイド部材8とを有している。
芯材押出機2と定量ポンプ3、定量ポンプ3と紡糸手段1、鞘材押出機4と定量ポンプ5、および定量ポンプ5と紡糸手段1は、それぞれ溶融樹脂(芯材、鞘材)が流通する配管を介して接続されている。
紡糸手段1は、図2(A)に示すように、第1ノズル11と第2ノズル12とからなる。第1ノズル11には、溶融樹脂が流通する樹脂流路として、流路の断面形状が円形状で、芯材押出機2から供給された芯材が流通する芯材流路部13と、鞘材押出機4から供給された鞘材が流通する鞘材流路部14が設けられている。第2ノズル12には、溶融樹脂が流通する樹脂流路として、流路の断面形状が円形状で、その中心に芯材流路部13から芯材が供給され、該芯材の周りに鞘材流路部14から鞘材が供給され、それらが同心円状の芯鞘構造に複合される複合部15と、流路の断面形状が非円形状で、複合部15で複合された断面円形状の複合溶融樹脂に非円形状の断面形状を付与する断面形状付与部16と、複合部15と断面形状付与部16の間に設けられ、流路断面の形状が、その断面積が複合部15側から徐々に小さくなるように断面形状付与部16の断面形状へと変化しているテーパー部17と、が設けられている。
紡糸手段1の樹脂流路においては、芯材流路部13、複合部15、テーパー部17および断面形状付与部16の中心軸が一致している。
紡糸手段1においては、芯材が芯材供給口1aから芯材流路部13に供給され、鞘材が鞘材供給口1bから鞘材流路部14に供給され、複合部15で芯材と鞘材が同心円状の芯鞘構造に複合され、その芯鞘構造に複合された複合溶融樹脂がテーパー部17および断面形状付与部16を流通して、所望の断面形状に賦形された後、吐出口1cから吐出される。
第1ノズル11および第2ノズル12の材質は、POFの紡糸ノズルとして通常用いられるものが使用でき、耐熱性、耐食性、強度などの点から、ステンレス鋼材(SUS)が好ましい。
芯材流路部13の断面形状は、円形状である。
芯材流路部13の内径は、製造するPOFの芯部の直径に応じて適宜選定すればよく、4〜10mmが好ましい。
鞘材流路部14の断面形状および内径は特に限定されない。鞘材流路部14の断面形状は円形状が好ましく、内径は1〜3mmが好ましい。
複合部15は、芯材と鞘材が同心円状の芯鞘構造に複合された、断面円形状の複合溶融樹脂を形成する部分である。
複合部15の断面形状は、図3に示すように円形状であり、その中心と、芯材流路部13の中心が一致している。つまり、複合部15の中心部分に、断面円形状の芯材が芯材流路部13から供給されるようになっている。また、鞘材流路部14と複合部15は、複合部15の内壁近傍で連通しており、複合部15において、芯材の周りに鞘材が供給されるようになっている。
複合部15の断面形状は円形状であるので、複合部15の中心を通過する芯材の周りに供給される鞘材の形状も円形状となる。このように、断面形状が円形状の複合部15において、断面円形状の芯材に、鞘材を同心円状に複合する形態は、非円形の断面形状の芯材に鞘材を複合する形態に比べて、芯材と鞘材に均一に圧力が加わる。したがって、芯材と鞘材が芯鞘構造に複合される複合溶融樹脂において、芯材の中心軸と鞘材の中心軸にずれが生じること、および鞘材の厚みに斑が生じることが抑制される。
また、複合部15には、図2(A)および図3に示すように、その底面に溝15aが円環状に形成されていることが好ましい。複合部15の中心と溝15aの円の中心は一致している。
複合部15の底面に円環状の溝15aが形成されていれば、複合部15の一方の内壁近傍に鞘材流路部14から供給された鞘材が、溝15aに沿って複合部15の反対側まで均一に行き渡りやすくなる。これにより、鞘材が鞘材流路部14側からその反対側に向かう流れによって、複合部15を通過する芯材に、その鞘材の流れ方向に力が加わることを抑制することが容易になる。そのため、複合溶融樹脂において芯材の中心軸と鞘材の中心軸にずれが生じたり、鞘材の厚みに斑が生じることを抑制することが容易になる。
溝15aが形成される位置は、複合部15において鞘材が供給される位置、すなわち鞘材流路部14と複合部15の連結位置よりも中心側であればよい。
断面形状付与部16は、複合部15で複合した断面円形状の芯鞘構造の複合溶融樹脂に、所望の断面形状を付与する部分である。つまり、断面形状付与部16の流路断面の形状を所望の断面形状にすることで、複合溶融樹脂をその断面形状に賦形して紡糸することができ、所望の断面形状を有するPOFが得られる。
断面形状付与部16の断面形状は、直線および/または曲線を組み合わせた非円形状である。前記非円形状の断面形状としては、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形などが挙げられ、細密充填が可能な形状であることが好ましく、POFを複数本束ねた際の位置安定性の点から、正六角形が特に好ましい。
この例では、断面形状付与部16の断面形状は正六角形である。断面形状付与部16により複合溶融樹脂の断面形状が正六角形とされて紡糸され、図4(A)に示すように、正六角形の断面形状を有する、芯部21と鞘部22の芯鞘構造のPOF20が得られる。また、断面形状付与部16の断面形状を五角形、八角形、三角形とすれば、図4(B)〜図4(D)に示すように、五角形、八角形、三角形の断面形状を有する、芯部21と鞘部22の芯鞘構造のPOF20を得ることができる。
断面形状付与部16の流路断面の断面積Sは、複合部15で断面円形状の芯鞘構造に複合された直後の複合溶融樹脂の断面積、すなわちテーパー部17における複合部15側の開口端部17aの断面積Sよりも小さい。断面積Sと断面積Sの比(S/S)は、0.5〜0.9が好ましい。比(S/S)が前記範囲内であれば、得られるPOFにおいて、芯部と鞘部の中心軸のずれ、鞘部の厚みの不均一化が生じることを抑制しやすい。
テーパー部17は、複合部15において芯材と鞘材が同心円状の芯鞘構造に複合された断面円形状の複合溶融樹脂の断面形状を、断面形状付与部16の断面形状へと変形させる部分である。
テーパー部17は、複合部15と断面形状付与部16の間に設けられる。テーパー部17の流路断面は、その断面積が複合部15側から徐々に小さくなるように、断面形状付与部16の断面形状へと滑らかに変化している。この例では、テーパー部17は、複合部15側の開口端部17aの断面形状が芯材流路部13と同等の円形状であり、その断面積が徐々に小さくなるように円錐状に窄んでいきながら、その断面形状が滑らかに正六角形へと変化する形状になっている。
このように複合部15と断面形状付与部16の間にテーパー部17を設けることで、複合部15と断面形状付与部16の間で樹脂溜まりが形成されることを抑制することができ、芯材と鞘材の中心軸のずれや鞘材の厚み斑を生じることを抑制しつつ、複合溶融樹脂の断面形状に変化させることができる。
テーパー部17の内壁の傾斜角度(テーパー角度)θ(図2(B))は、15〜45°が好ましい。傾斜角度θが15°以上であれば、テーパー部17の全長(軸方向の長さ)が長くなりすぎることを抑制できるので、芯材や鞘材に熱劣化が生じてPOFの伝送損失が増大することを抑制しやすい。傾斜角度θが45°以下であれば、流路の断面形状の変化がより緩やかになるので、芯材と鞘材の軸ずれや鞘材の厚みの不均一化を抑制しつつ、複合溶融樹脂の断面形状を所望の形状(断面形状付与部16の断面形状)に賦形することが容易になる。そのため、得られるPOFにおいて、芯部と鞘部の中心軸がずれて芯鞘構造の界面不整が生じたり、鞘厚が不均一になったりすることを抑制することが容易になる。上記の概念から、テーパー部17の傾斜角度θは20〜40°とすることがより好ましく、25〜35°とすることが更に好ましい。
延伸手段6は、紡糸手段1により紡糸されたPOF20に延伸処理を施すものである。POF20に延伸処理を施すことにより、POF20の機械的強度を向上させたり、POF20の口径を一定に調整したりすることができる。
延伸手段6は、POF20に延伸処理を施すことができるものであればよく、図1に示すように、加熱型の延伸炉61を用いることが好ましい。延伸炉61では、炉内に供給される加熱気体または蒸気(スチーム)などによって、POF20を加熱しながら延伸する。
延伸炉61の前後には、駆動式の送り側延伸ロール62および引き取り側延伸ロール63が設けられている。POF20は、送り側延伸ロール62によって延伸炉61に導かれ、引き取り側延伸ロール63によって延伸炉61から引き取られる。このとき、引き取り側延伸ロール63の引き取り速度を、送り側延伸ロール62の送り速度よりも速くすることによって、円滑に延伸処理が行える。
巻取り手段7は、POF20をボビンなどに巻取れるものであればよく、例えば、POFの損傷による特性の低下を防止するため、POF同士の間隔(ピッチ)を狭め、巻崩れが生じない範囲内でできるだけ低い張力で巻き取れるもの(特開平1−321259号公報参照)が好ましい。張力を制御しながらPOF20をボビンに巻き取る装置としては、テンションロール、トルクモーターなどによりPOFの張力を制御し、ガイドまたはボビンをトラバースさせながらPOFを巻き取る構成を有する装置が好ましい。
ガイド部材8は、製造装置100において、紡糸手段1から、延伸手段6、巻取り手段7までのPOF20の走行を規制するものである。ガイド部材8を設けることにより、糸垂れを抑制することができ、それによりPOF20の融着および各手段の内外や出入り口付近などでの接触を防止できる。
ガイド部材8は、POFの製造に通常用いられるものが使用でき、金属製またはセラミック製のガイド部材などが挙げられる。
以上説明したように、製造装置100では、断面円形状の複合部15において、断面円形状で供給される芯材の周りに鞘材が供給され、それらが同心円状の芯鞘構造に複合される。そのため、芯材と鞘材の軸ずれ、および鞘材の厚み斑が発生することを抑制しつつ、芯材と鞘材を芯鞘構造に安定に複合できる。また、テーパー部17により、断面円形状の複合溶融樹脂の断面形状が変えられ、断面形状付与部16で所望の断面形状が付与される。そのため、芯材と鞘材の軸ずれや鞘材の厚み斑の発生を抑制したまま、複合溶融樹脂を所望の断面形状に賦形できるので、所望の断面形状を有する高品質なPOFを簡便に製造できる。このように、製造装置100を用いれば、細密充填が可能な断面形状を有するPOFであっても、芯部と鞘部の軸ずれ、および鞘部の厚みの不均一化を抑制して、側面からの光漏れがなく伝送損失の低い高品質なPOFを簡便に製造できる。
なお、本発明のPOFの製造装置は、前述した製造装置100には限定されない。例えば、テーパー部は複合部と断面形状付与部の間に設けられていればよく、図5に示すように、複合部15とテーパー部17の間に、流路の断面形状が円形状であり、断面円形状の複合溶融樹脂が流通する複合溶融樹脂流路部18が設けられた紡糸手段9を備えた製造装置であってもよい。
また、紡糸した直後のPOF20を冷却する冷却手段が設けられた製造装置であってもよい。また、延伸手段が設けられていない製造装置であってもよい。
[POFの製造方法]
次に、本発明のPOFの製造方法について説明する。本発明のPOFの製造方法は、芯材と鞘材を芯鞘構造に複合紡糸する紡糸工程を有する方法であって、芯材と鞘材が同心円状の芯鞘構造に複合された複合溶融樹脂を形成した後、該複合溶融樹脂の断面形状を、その断面積が徐々に小さくなるように変形させ、非円形状の断面形状に賦形して紡糸することを特徴とする。以下、本発明のPOFの製造方法の一例として、前述した製造装置100を用いたPOFの製造方法について説明する。
製造装置100を用いるPOFの製造方法は、紡糸手段1により、芯材と鞘材を所望の断面形状を有する芯鞘構造に複合紡糸する紡糸工程と、延伸手段6により、紡糸されたPOF20に延伸処理を施す延伸工程と、巻取り手段7により、延伸されたPOF20を巻き取る巻取り工程とを有する。
芯材および鞘材は、POFに通常用いられるものが使用できる。芯材としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル系樹脂などが挙げられる。鞘材としては、フッ化ビニリデン系重合体などのフッ素樹脂組成物などが挙げられる。
紡糸工程では、芯の原料となる樹脂を芯材押出機2によって溶融して芯材として押出し、定量ポンプ3を用いて、一定の流量で芯材供給口1aから紡糸手段1の芯材流路部13に供給する。同様に、鞘の原料となる樹脂を鞘材押出機4によって溶融して鞘材として押出し、定量ポンプ5を用いて、一定の流量で鞘材供給口1bから紡糸手段1の鞘材流路部14に供給する。
紡糸手段1の複合部15では、芯材流路部13から、複合部15の中心を通るように断面円形状の芯材が供給され、その周りに鞘材が供給されることで、芯材と鞘材が同心円状の芯鞘構造に複合された複合溶融樹脂が形成される。その後、この断面円形状の複合溶融樹脂は、テーパー部17において断面形状が変形され、断面形状付与部16において非円形状の所望の断面形状(この例では正六角形)に賦形され、吐出口1cから紡糸される。
このように、製造装置100を用いたPOFの製造方法では、紡糸工程において、芯材と鞘材が同心円状の芯鞘構造の複合された断面円形状の複合溶融樹脂を一旦形成した後に、その円形状の断面形状を、その断面積が徐々に小さくなるように変形させ、非円形状の断面形状に賦形して紡糸する。これにより、芯部と鞘部の軸ずれ、および鞘部の厚みの不均一化が抑制される。
延伸工程では、延伸手段6において、紡糸されたPOF20に延伸処理を施す。
延伸炉61におけるPOF20の加熱温度は、Tgc−30℃以上、Tgc以下が好ましい。ここで、Tgcとは、芯材のガラス転移温度である。延伸処理は、前記範囲の温度に加熱された加熱気体や蒸気を吹きつけながら延伸する方法などにより行うことができる。
巻取り工程では、巻取り手段7により、延伸処理が施されたPOF20を巻き取る。巻き取りは、ボビンなどを用いて行うことができる。
以上説明した本発明の製造方法によれば、紡糸工程によって、芯部と鞘部の中心軸のずれ、および鞘部の厚みの不均一化を抑制しつつ、所望の断面形状を有するPOFを紡糸できる。そのため、細密充填が可能な断面形状など、様々な断面形状を有するPOFであっても、側面からの光漏れがなく、伝送損失が低い高品質なPOFを簡便に製造できる。
なお、本発明の製造方法は、前記製造装置100を用いた方法には限定されず、紡糸手段9を備えたPOFの製造装置を用いた方法であってもよい。また、紡糸工程と延伸工程の間に、紡糸直後のPOFを冷却する冷却工程を設けた方法であってもよく、延伸手段を設けない方法であってもよい。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。
本実施例で得られたPOFは、以下に示す方法で評価した。
[最大頂点間距離の測定]
得られたPOFの断面形状における六角形の最大頂点間距離をキーエンス社製デジタルマイクロスコープ(VH−7000、レンズ倍率70倍〜100倍)を用いて測定した。
[伝送損失の測定]
25m−5mのカットバック法によりPOFの伝送損失(dB/km)を測定した。測定波長は650nm、励起NAは0.1とした。
[光漏れの評価]
得られたPOFの側面からの光漏れを目視により評価した。
[実施例1]
芯材としてポリメチルメタクリレート、鞘材としてフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体(混合比=80/20(モル%))を用いた。図2に例示した紡糸手段1(断面形状付与部16の断面形状は正六角形)を備えた製造装置100により、正六角形の断面形状を有し、その最大頂点間距離が約3mmのPOFを3本製造した。紡糸手段1は、芯材流路部13の内径を8mm、鞘材流路部14の内径を1.6mm、複合部15の内径を8mm、テーパー部17の傾斜角度θを30°、断面形状付与部16の流路断面の正六角形における最大頂点間距離を7mmとした。
[実施例2]
実施例1と同様にして、正六角形の断面形状を有し、その最大頂点間距離が約1.5mmのPOFを3本製造した。
[実施例3]
実施例1と同様にして、正六角形の断面形状を有し、その最大頂点間距離が約0.75mmのPOFを3本製造した。
実施例1〜3における各POFの最大頂点間距離、伝送損失を測定した結果、および側面からの光漏れを評価した結果を表1に示す。
Figure 2011253005
表1に示すように、本発明の紡糸手段1を備えた製造装置100を用いた実施例1では、得られた3本のPOFにおける断面の六角形の最大頂点間距離がそれぞれ2949μm、2987μm、2968μmと同等であり、正六角形の断面形状を有するPOFを安定して製造できた。同様に、実施例2および3でも、断面の六角形の最大頂点間距離が同等の3本のPOFが得られており、所望の正六角形の断面形状を有するPOFを安定して製造できた。
また、実施例1〜3で得られたPOFは、側面からの光漏れがなく、伝送損失が低く抑えられており、芯部と鞘部の軸ずれや鞘部の厚み斑が抑制されていた。
1 紡糸手段
11 第1ノズル
12 第2ノズル
13 芯材流路部
14 鞘材流路部
15 複合部
16 断面形状付与部
17 テーパー部
100 POFの製造装置

Claims (3)

  1. 芯材と鞘材を芯鞘構造に複合紡糸する紡糸手段を備えたプラスチック光ファイバの製造装置であって、
    前記紡糸手段の内部の樹脂流路に、
    流路断面が円形状で、その中心に芯材が供給され、該芯材の周りに鞘材が供給され、芯材と鞘材が同心円状の芯鞘構造に複合される複合部と、
    流路断面が、直線および/または曲線を組み合わせた非円形状であり、前記複合部で複合された断面円形状の複合溶融樹脂に非円形状の断面形状を付与する断面形状付与部と、
    前記複合部と前記断面形状付与部の間に設けられ、流路断面の形状が、その断面積が前記複合部側から徐々に小さくなるように、前記断面形状付与部の断面形状へと変化しているテーパー部と、
    が設けられていることを特徴とするプラスチック光ファイバの製造装置。
  2. 前記断面形状付与部の断面形状が正六角形である、請求項1に記載のプラスチック光ファイバの製造装置。
  3. 芯材と鞘材を芯鞘構造に複合紡糸する紡糸工程を有するプラスチック光ファイバの製造方法であって、
    芯材と鞘材が同心円状の芯鞘構造に複合された複合溶融樹脂を形成した後、該複合溶融樹脂の断面形状を、その断面積が徐々に小さくなるように変形させ、非円形状の断面形状に賦形して紡糸することを特徴とするプラスチック光ファイバの製造方法。
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