JP2011252549A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ターミナル10とターミナル11、12とを上下に重ね合わせてレーザ溶接してターミナル10〜12を導通接合した後に、ターミナル10とターミナル11、12との導通接合部であるレーザ溶接部14、15の露出面、ターミナル10の露出部31の表面およびターミナル11、12の露出部33の表面に絶縁材36を塗布する。その後に、TCUと金属プレート3とが接触するように、TCUおよび配線ユニットを金属プレート3に締結ボルトにより締結している。これによって、ターミナル10〜12と金属プレート3との間に自動変速機のオイル中に混入した導電性異物が跨がって堆積している場合であっても、ターミナル10〜12と金属プレート3とを確実に絶縁できる。
【選択図】 図4
Description
従来より、自動変速機の内部の油圧制御装置の上部に配置され、各種センサ信号に基づいて電磁油圧制御弁等の制御部品を動作させて自動変速機の変速制御を行う制御モジュールが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の制御モジュールは、図12および図13に示したように、モールド樹脂101に電子部品およびリード端子(ターミナル102)が封止された自動変速機用電子制御ユニット(TCU)と、モールド樹脂103に配線部材である複数のバスバー104が成形された配線ユニットと、内部にTCUおよび配線ユニットを収容するハウジング(カバー105、ベース部材106)とにより構成されている。
配線ユニットのバスバー104は、その中間部がモールド樹脂103に埋設されている。そして、バスバー104には、モールド樹脂103の側面からTCU側に突出して露出した露出部111、およびモールド樹脂103の側面からコネクタ107側に突出して露出した露出部112を有している。
そこで、特許文献1に記載の制御モジュールは、ターミナル102とバスバー104との導通接合部(溶接部)をカバー105とベース部材106との間に形成される空間内に入れて、カバー105と複数の絶縁壁113、114との間に形成される端子収容室115に各導通接合部を個別に収容し、カバー105の内壁面と複数の絶縁壁114の先端とを溶着固定することで、導電性異物が跨がって堆積した場合の端子間ショートおよび配線間(導体間)ショートを防止している。
ところが、特許文献1に記載の制御モジュールにおいては、制御モジュール内、特にTCUおよび配線ユニットへのオイルの浸入を抑制するために、TCUおよび配線ユニットを液密的に取り囲む大型のハウジング(カバー105、ベース部材106)が、TCUおよび配線ユニットの上下に必要になるので、部品点数や組付工数が多く、製品コストが上昇するという問題があった。
電子部品の放熱性を向上するという目的で、仮にTCUのモールド樹脂101の下面に直接接触するように放熱部材を配置した場合、ターミナル102およびバスバー104と放熱部材との間に導電性異物が跨がって堆積すると、ターミナル102およびバスバー104と放熱部材とが短絡(ショート)する可能性がある。
また、複数のターミナル102の各露出部と複数のバスバー104の各露出部111との導通接合部における溶接作業を、大型のカバー105と大型のベース部材106との間の狭いピッチの空間内で行う必要があるため、溶接設備が大きくなったり、ハンドリングの手間が多くなったりするので、製造コストが上昇するという問題がある。
そして、第1ターミナルと第2ターミナルとの導通接合部、第1ターミナルの第1露出部の表面、および第2ターミナルの第2露出部の表面に絶縁材を施したことを特徴としている。
ここで、絶縁材(第1絶縁材)を、例えば絶縁性樹脂を主体とする絶縁材料(例えば絶縁性接着剤)によって形成しても良い。
また、第1ターミナルと第2ターミナルとの導通接合部、第1ターミナルの第1露出部、第2ターミナルの第2露出部および第1ターミナルの第1露出部の根元部分を確実に絶縁できる。すなわち、隣り合う端子間または隣り合う配線間、つまりターミナル相互間を確実に絶縁できるので、自動変速機のオイル中に混入した導電性異物による隣り合う端子間または隣り合う配線間の短絡(ショート)を防止することが可能となる。
また、電子制御ユニットと放熱部材とが接触するように、電子制御ユニットと放熱部材とを締結して電子制御モジュールを構成しているので、電子制御ユニット、特に電子部品で発生した熱を放熱部材を通して外部へ効率良く放熱させることができる。これにより、電子制御ユニット、特に電子部品の十分な放熱性を確実に確保することが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、複数の第1ターミナルが、少なくとも1箇所以上で屈曲した屈曲形状を有するように形成されている。
これによって、第1ターミナルとモールド材との間に熱膨張係数の差異がある場合であっても、冷熱サイクルで第1ターミナルに発生する変位を吸収できるので、第1ターミナルの破断を防止することが可能となる。
これによって、第2ターミナルと成形体との間に熱膨張係数の差異がある場合であっても、冷熱サイクルで第2ターミナルに発生する変位を吸収できるので、第2ターミナルの破断を防止することが可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、第1ターミナルと第2ターミナルとを重ね合わせてレーザ溶接(レーザ光を照射)することで、第1ターミナルと第2ターミナルとの導通接合部(溶融部、溶接部)が形成される。
これによって、電子制御ユニット、特に電子部品にダメージを与えることなく、第1ターミナルと第2ターミナルとをその溶接部にて確実に接続することができるので、第1、第2ターミナルの接続信頼性を向上することが可能となる。
例えば複数の第1ターミナルと複数の第2ターミナルとを導通接合した後、第1ターミナルと第2ターミナルとの導通接合部、第1ターミナルの第1露出部および第2ターミナルの第2露出部に絶縁材を施し、その後に、電子制御ユニットと放熱部材とが接触するように、電子制御ユニットと配線ユニットとの接合体を、締結部材により放熱部材に締結している。
これによって、電子制御ユニット、特に電子回路で発生した熱を放熱部材を通して外部へ効率良く放熱させることができる
これによって、締結部材の締結トルクが電子制御ユニットに加わることによる、電子制御ユニット、特に電子部品の破損を防止することが可能となる。
なお、ブラケットに、締結部材が貫通する貫通孔を設けても良い。この貫通孔の内部に、締結部材が挿通可能な補強用の金属カラーを嵌め込んでも良い。
これによって、自動変速機のオイル中に混入した導電性異物が隣り合う端子間または隣り合う配線間に跨がって堆積する可能性が低くなるので、隣り合う端子間または隣り合う配線間の短絡(ショート)を防止することが可能となる。
なお、配線ユニットに設置された隔壁は、例えば電気絶縁性の合成樹脂等の絶縁材料によって形成されている。つまり隔壁は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を主体とする絶縁性樹脂壁である。これにより、隣り合う第1、第2ターミナル間(導通接合されていないターミナル同士間)を確実に絶縁することができる。
また、隔壁の高さは、高い程、隣り合う端子間または隣り合う配線間の沿面距離が長くなるので、隣り合う端子間または隣り合う配線間の絶縁性をより向上できる。
そして、第1ターミナルと第3ターミナルとの導通接合部、第1ターミナルの第1露出部の表面、および第3ターミナルの第3露出部の表面に絶縁材を施したことを特徴としている。
ここで、絶縁材(第2絶縁材)を、例えば絶縁性樹脂を主体とする絶縁材料(例えば絶縁性接着剤)によって形成しても良い。
また、第1ターミナルと第3ターミナルとの導通接合部、第1ターミナルの第1露出部、第3ターミナルの第3露出部および第1ターミナルの第1露出部の根元部分を確実に絶縁できる。すなわち、隣り合う端子間または隣り合う配線間、つまりターミナル相互間を確実に絶縁できるので、自動変速機のオイル中に混入した導電性異物による隣り合う端子間または隣り合う配線間の短絡(ショート)を防止することが可能となる。
また、電子制御ユニットと放熱部材とが接触するように、電子制御ユニットと放熱部材とを締結して電子制御モジュールを構成しているので、電子制御ユニット、特に電子部品で発生した熱を放熱部材を通して外部へ効率良く放熱させることができる。これにより、電子制御ユニットの十分な放熱性を確実に確保することが可能となる。
なお、第1ターミナルと第3ターミナルとの導通接合部を、レーザ溶接により電気的に接続しても良い。
これによって、電子制御ユニット(特に電子部品)にダメージを与えることなく、第1ターミナルと第3ターミナルとを確実に接続することができるので、第1ターミナルと第3ターミナルとの導通接合部の接続信頼性を向上することが可能となる。
これによって、自動変速機のオイル中に混入した導電性異物が隣り合う端子間または隣り合う配線間に跨がって堆積する可能性が低くなるので、隣り合う端子間および隣り合う配線間の短絡(ショート)を防止することが可能となる。
なお、配線ユニットに設置された隔壁は、例えば電気絶縁性の合成樹脂等の絶縁材料によって形成されている。つまり隔壁は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を主体とする絶縁性樹脂壁である。これにより、隣り合う第1、第3ターミナル間(導通接合されていないターミナル同士間)を確実に絶縁することができる。
また、隔壁の高さは、高い程、隣り合う端子間または隣り合う配線間の沿面距離が長くなるので、隣り合う端子間または隣り合う配線間の絶縁性をより向上できる。
本発明は、複数の第1〜第3ターミナル相互間を確実に絶縁して、オイル中の導電性異物による端子間ショートまたは配線間(導体間)ショートを防止し、且つ電子制御ユニット、特に電子回路で発生した熱を放熱部材を通して外部へ効率良く放熱させることができると共に、複数の第1〜第3ターミナルと放熱部材とを確実に絶縁するという目的を、複数の第1ターミナルと複数の第2、第3ターミナルとを導通接合した後、第1ターミナルと第2ターミナルとの導通接合部、第1ターミナルの第1露出部、第2ターミナルの第2露出部、第1ターミナルと第3ターミナルとの導通接合部、第1ターミナルの第1露出部および第3ターミナルの第3露出部に絶縁材(絶縁性接着剤)を塗布し、その後に、電子制御ユニットと放熱部材とが接触するように、電子制御ユニットと配線ユニットとの接合体を、締結部材により放熱部材に締結することで実現した。
図1ないし図9は本発明の実施例1を示したもので、図1ないし図3は電子制御モジュールを示した図で、図4はターミナルの表面に絶縁材を塗布した状態を示した図で、図5は放熱部材に対する電子制御ユニット(TCU)および配線ユニットの締結構造を示した図である。
この電子制御モジュールは、自動変速機の内部、例えばオイルパンの内部に設置されるバルブボディ上面に搭載されている。電子制御モジュールは、TCU(モールド材であるモールド樹脂1、導電部材(ターミナル材)であるリードフレーム等)、配線ユニット(モールド樹脂成形体である樹脂ハウジング2、配線部材であるバスバー等)、放熱部材である金属プレート3、およびセンサユニット(モールド樹脂成形体であるセンサハウジング4等)を備えている。
配線ユニットは、絶縁性樹脂(絶縁材料)製の樹脂ハウジング(第1ハウジング)2を備えている。
センサユニットは、絶縁性樹脂(絶縁材料)製のセンサハウジング(第2ハウジング)4を備えている。このセンサハウジング4は、樹脂ハウジング2および金属プレート3に締結固定されている。
ここで、TCUと配線ユニットとの接合体Aは、金属プレート3とセンサハウジング4との接合体Bに、締結部材である複数の締結ボルト6等を用いて締め付け固定(締結固定)されている。複数の締結ボルト6による締結時に、TCUのブラケット5が配線ユニットの樹脂ハウジング2と金属プレート3との間に挟み込まれて保持される。
また、センサハウジング4の基板搭載エリアには、絶縁性樹脂(絶縁材料)製の樹脂基板である回路基板8が溶着固定されている。また、センサハウジング4には、絶縁性樹脂(絶縁材料)製の蓋部材9が取り付けられている。
ハウジングは、自動変速機ケースとオイルパンとを組み合わせて構成されている。
自動変速機ケースの内部には、ポンプ、タービンおよびステータ等により構成されるトルクコンバータと、このトルクコンバータのタービンに接続される多段歯車式の変速機構が収容されている。変速機構は、油圧制御装置から供給される油圧に応じて係合または解放される複数の摩擦係合要素を備えている。そして、自動変速機は、各摩擦係合要素の係合または解放の組み合わせに従ってシフトレンジが切り替わる。これにより、自動変速機の変速動作が行われる。
ここで、本実施例では、自動変速機のシフトレンジとして、駐車(パーキング:P)レンジ、後進(リバース:R)レンジ、中立(ニュートラル:N)レンジおよび前進(ドライブ:D)レンジが用意されている。
油圧制御装置は、マニュアルバルブ(図示せず)等の複数のバルブ、および複数の油路からなる油圧回路を有しており、オイルパン内のオイルを用いて各摩擦係合要素に印加する供給油圧を制御している。
ここで、マニュアルバルブは、他のバルブ(電磁油圧制御弁を含む)と共通のバルブボディにスプールが摺動自在に嵌入されることにより構成されている。バルブボディは、自動変速機ケースに固定されている。このバルブボディには、マニュアルバルブのスプールを往復直線移動可能に支持するスプール孔が形成されている。
レンジ検出装置は、ディテント機構とレンジセンサユニットとを組み合わせて構成されている。ディテント機構は、セレクトレバーによるレンジ位置の選択に応じてマニュアルバルブのスプールをその軸線方向に往復移動させるディテントプレート等を有している。 レンジセンサユニットは、電子制御モジュールに一体的に組み付けられている。
なお、レンジ検出装置、特にシフトポジションセンサを構成する3つのホール素子の詳細は後述する。
センサハウジング4には、樹脂ハウジング2の側面(例えば右側面)から突出して樹脂ハウジング2の外部に露出した複数のターミナル12と回路基板(後述する)に形成された導体パターンとを接続する複数のターミナル(第4ターミナル、第4端子)13がインサート成形(配設)されている。
ターミナル10とターミナル12との導通接合部は、ターミナル10とターミナル12とを重ね合わせてレーザ溶接することで、板厚方向の上下に重ね合わされた重ね合わせ部分(後述する両者の樹脂表面露出部分)の一部を溶融させて形成されるレーザ溶接部15により構成されている。
ターミナル12とターミナル13との導通接合部は、ターミナル12とターミナル13とを重ね合わせてレーザ溶接することで、板厚方向の上下に重ね合わされた重ね合わせ部分(後述する両者の樹脂表面露出部分)の一部を溶融させて形成されるレーザ溶接部16により構成されている。
ここで、自動変速機外部の電子機器または制御機器とは、外部電源、外部電子部品(エンジン制御ユニット(ECU)、各種センサ、電子回路基板等)のことである。また、自動変速機内部の他の電子機器または制御機器とは、後述する電磁油圧制御弁、油温センサおよび複数の油圧センサ等のことである。
なお、回路基板は、セラミック基板、樹脂基板または半導体基板である。
電子部品は、例えば回路基板上に表面実装(搭載)されるICチップ(半導体チップ)、半導体素子(半導体スイッチング素子、コンデンサ素子)、コイル、リレー、抵抗素子等である。
なお、回路基板または電子部品の周囲(側面)から外部側に向けて突出するように延設された部分(インナリード、アウタリードの両方とも含む)を、複数のターミナル10としても良い。また、導電部材であるリードフレーム(複数のターミナル10)の電子部品搭載エリアに、例えばICチップ等の電子部品を表面実装(搭載)しても良い。
自動変速機を制御する電子制御回路部を構成する半導体チップ(ICチップ)および導体パターン等の電子部品全体、リードフレーム(複数のターミナル10)と電子部品との導通接合部は、例えばエポキシ樹脂(EP)等の熱硬化性樹脂(絶縁性樹脂)を主体とするモールド樹脂(モールド樹脂材)1によって樹脂封止されている。
樹脂ハウジング2には、配線部材(中継ターミナル)である複数のターミナル11、12がインサート成形されている。これにより、複数のターミナル11、12の中間部が樹脂ハウジング2に収容保持されると共に、樹脂封止される。
また、複数のターミナル11の一端側には、少なくとも3箇所以上で屈曲した屈曲形状の屈曲部34が設けられている。
複数のターミナル12の各中間部には、少なくとも4箇所以上で屈曲した屈曲形状の屈曲部35が設けられている。
複数のレーザ溶接部14、15の露出面(露出部31の表面で露出した露出面)および複数の露出部31、33の表面には、絶縁材36が塗布されている。この絶縁材36は、例えばエポキシ樹脂(EP)等の絶縁性樹脂を主体とする絶縁材料(例えば絶縁性接着剤)である。
複数のターミナル11の延長方向の他端部には、相手側のコネクタに嵌合可能な筒状の外部コネクタ部(外部接続用コネクタ部)17内に突出したコネクタ端子部37が設けられている。コネクタ端子部37は、外部電源、外部電子部品(ECU、各種センサ、電子回路基板等)と接続する電気接続部である。外部コネクタ部17内には、複数のコネクタ端子部37の根元部(付け根部)を相互に絶縁(隔離)するという目的で、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂(絶縁性樹脂)を主体とする封止材38が充填されている。
複数のターミナル12の延長方向の他端部には、樹脂ハウジング2の表面(側面)から露出した露出部(第2露出部)41が設けられている。この露出部41は、樹脂ハウジング2の側面からターミナル13側に突き出すように露出した樹脂表面露出部分である。
また、露出部41は、少なくとも6箇所で屈曲した屈曲形状の応力吸収部42を有するように折り曲げ加工(形成)されている。
複数のターミナル13の表面には、錫メッキが施されている。これらのターミナル13は、複数のターミナル12の他端部と回路基板8の導体パターンとを中継接続する中継端子部材(中継ターミナル)を構成している。複数のターミナル13の一端部には、センサハウジング4の表面(上面)で部分的に露出した露出部(第4露出部)43が設けられている。この露出部43は、センサハウジング4の上面から配線ユニットのターミナル12側に段付きで突き出して部分的に露出した樹脂表面露出部分である。
複数のレーザ溶接部16の露出面(露出部41の表面で露出した露出面)および複数の露出部41、43の表面には、絶縁材46が塗布されている。この絶縁材46は、例えばエポキシ樹脂(EP)等の絶縁性樹脂を主体とする絶縁材料(例えば絶縁性接着剤)である。
なお、複数のターミナル13の中間部は、センサハウジング4にインサート成形(樹脂封止)されている。
複数のターミナル13の他端部は、直角に屈曲するように折り曲げ加工されて、先端部(導通接合部47)が回路基板8に形成されるスルーホール48に挿入されて、回路基板8の導体パターンと半田付けされている。これにより、回路基板8に実装されるシフトポジションセンサ21の3つのホール素子とTCUの電子部品との電気的な接続が成される。
複数の隔壁52は、複数の端子収容室51の周囲をコの字状に取り囲むことで複数の端子収容室51の内部と外部とを隔離するコの字状の外側壁、および外側壁で囲まれた空間を複数の端子収容室51に区画する複数の仕切り壁を有している。また、複数の端子収容室51のTCU側には、配線ユニットに対するTCUの組み付け時、つまりターミナル11、12の露出部33にターミナル10の露出部31を重ね合わせる時に、ターミナル10の露出部31が挿通する開口部が設けられている。
これらのガイドリブ53には、ターミナル10の露出部31とターミナル11、12の露出部33とをレーザ溶接する目的で、ターミナル11、12の露出部33上にターミナル10の露出部31を重ね合わせる際に、各端子収容室51の底面で露出しているターミナル11、12の露出部33に向けてターミナル10の露出部31を誘導(ガイド)するためのリード端子(ターミナル10)誘い込み用の傾斜面が形成されている。
一対のガイドリブ53の各傾斜面は、隣り合う2つの隔壁52の先端側(放熱部材側)から各端子収容室51の底面側に向けて徐々に一対のガイドリブ53間の隙間が狭くなるように傾斜したガイド面である。
そして、一対のガイドリブ53は、隣り合う隔壁52のTCU側に対して逆側を連結して、端子収容室51のTCU側に対して逆側を閉塞する閉鎖壁54の近傍に設けられている。つまり一対のガイドリブ53は、レーザ溶接部14、15よりも閉鎖壁54側に位置する隔壁52間に形成されている。
金属プレート3は、例えば電子制御モジュールの外面(表面)に放熱可能に露出している。これにより、TCU、特に電子部品で発生した熱を、電子制御モジュールの外部のバルブボディに効率良く放熱することができる。
金属プレート3には、TCUと配線ユニットとの接合体Aを金属プレート3とセンサハウジング4との接合体Bに締め付け固定(締結固定)するための締結ボルト6のボルト軸部に形成される外周ネジと螺合するネジ孔55が形成されている。
金属プレート3には、電子制御モジュール(接合体A、B)をバルブボディに締結固定するための締結部材である締結ボルト(図示せず)が挿通するボルト挿通孔56が形成されている。
複数のボルト挿通孔56のうちの一部のボルト挿通孔56は、2つのブラケット64、65を上下に貫通するように形成されている。また、2つのブラケット64、65には、センサハウジング4の表面(下面)、つまりセンサハウジング4の金属プレート3との重ね合わせ部分の表面(下面)から突出する嵌合ピン57に嵌合する嵌合孔58がそれぞれ形成されている。嵌合ピン57の軸線方向の先端側は、嵌合孔58を貫通して金属プレート3の各ブラケット64、65の外面(下面)から突き出した後に熱かしめ等により潰される。これにより、金属プレート3の各ブラケット64、65とセンサハウジング4とが固定される。
なお、金属プレート3の各ブラケット64、65とセンサハウジング4との結合(固定)方法として、スナップフィット結合を採用しても良い。
これにより、複数の締結ボルト6を用いて金属プレート3と複数のブラケット5を締結する際に、配線ユニットの樹脂ハウジング2のボルト締結部63の下面と金属プレート3の上面との間に複数のブラケット5が挟み込まれて保持される。
TCUのモールド樹脂1には、配線ユニットの樹脂ハウジング2のTCU搭載エリアに位置決め固定するための複数のブラケット66が一体的に形成(インサート成形)されている。これらのブラケット66には、位置決めピンPが貫通するピン貫通孔67が形成されている。位置決めピンPは、TCUを配線ユニットに組み付ける際に、予め配線ユニットの樹脂ハウジング2の下面に形成されるピン挿入孔68に差し込まれる。
樹脂ハウジング2のTCU搭載エリアの近傍および周縁部には、円筒状のボルト締結部63が設けられている。
ボルト締結部63のボルト挿通孔には、補強用の金属カラー69が嵌め込まれている。
配線ユニットの樹脂ハウジング2の下面に形成される凸部71と、センサハウジング4の上面に形成される凹部72との間の隙間には、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂(絶縁性樹脂)を主体とする封止材73が充填されている。
センサハウジング4の上面には、3つのホール素子を実装する回路基板8を収容する基板収容凹部、およびこの基板収容凹部の周囲を取り囲む(包囲する)有底角筒状の樹脂壁(壁体)74が一体的に形成されている。
基板収容凹部の内部には、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂(絶縁性樹脂)を主体とする封止材75が充填されている。封止材75は、導体パターンが印刷された回路基板8、この回路基板8に表面実装される3つのホール素子、回路基板8の導体パターンに半田付けされる導通接合部47を樹脂封止している。
そして、センサハウジング4には、ガイドリブ53と同様に、一対のガイドリブ(図示せず)が一体的に形成されている。
複数の端子収容室76の上部開口部には、例えばポリアミド(PA)またはポリフェニレンサルファイド(PPS)等の絶縁性樹脂(絶縁材料)製の蓋部材9が取り付けられている。
複数のボルト締結部78のボルト挿通孔内には、補強用の金属カラー79が嵌め込まれている。
センサハウジング4内に熱かしめ等により収容固定された回路基板8は、セラミック基板、樹脂基板または半導体基板である。本実施例では、回路基板8として矩形状または方形状の樹脂基板が採用されている。そして、回路基板8は、印刷された導体パターン、およびこの導体パターンにセンサハウジング4にインサート成形されたターミナル13の導通接合部47を挿入するための複数のスルーホール48を有している。
回路基板8の導体パターンには、少なくともシフトポジションセンサ21を構成する3つのホール素子が電気的に接続されている。
回路基板8には、センサハウジング4の基板収容凹部の底面から突出する嵌合ピンに嵌合する嵌合孔が形成されている。嵌合ピンの軸線方向の先端側は、嵌合孔を貫通して回路基板の外面(上面)から突き出した後に熱かしめ等により潰される。これにより、センサハウジング4の基板収容凹部の底面に回路基板8が固定される。
蓋部材9は、配線ユニットの樹脂ハウジング2の側面との間に隙間を隔てて対向する対向部81を有している。樹脂ハウジング2の側面と蓋部材9の対向部81との間の隙間には、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂(絶縁性樹脂)を主体とする封止材82が充填されている。
案内部は、電子制御モジュールのセンサハウジング4に一体的に形成されたベース83と2本のガイドレール84とからなる。
可動部は、2本のガイドレール84に往復直線移動可能に支持されたレンジセンサスライダ(以下スライダと略す)85、およびこのスライダ85に一体的に形成された入力軸86を有している。スライダ85には、3列の磁石パターンが埋設されている。入力軸86は、マニュアルバルブのスプールの一端部に係合している。
検出部は、シフトポジションセンサ21を構成する3つのホール素子、およびこれらのホール素子の出力信号に基づいてレンジ位置を特定する信号処理回路を有している。信号処理回路は、マニュアルバルブのスプールおよびスライダ85の移動位置に対応して実現されるシフトレンジを、3つのホール素子より出力される電気信号(センサ出力信号)に基づいてレンジ位置を特定し、特定したレンジ位置を表す検出信号を複数のターミナル13、複数のターミナル12および複数のターミナル10を経てTCUの電子部品に出力する。
また、電子制御モジュールには、トルクコンバータのタービンの回転速度(自動変速機の入力軸回転速度)を検出するタービン回転センサ22、および自動変速機の出力軸回転速度(車速)を検出する出力軸回転センサ23が設置されている。
TCUは、タービン回転センサ22で検出された入力軸回転速度と出力軸回転センサ23で検出された出力軸回転速度との比、つまり変速比を求めて、レンジ検出装置、特にシフトポジションセンサ21を構成する3つのホール素子で検出されるレンジ位置に対応するように、自動変速機の変速動作が正常に成されているか否かを判断できるようにしている。
タービン回転センサ22は、センサハウジング4の上面から所定の傾斜角度分だけ傾斜するように上方に突出した突出部91に取り付けられるキャップ92内に保持されたホールICにより構成されている。
タービン回転センサ22を構成するホールICは、トルクコンバータのタービン軸に固定された磁極(永久磁石)に対向するように配置されている。ホールICのセンサリード端子は、ワイヤボンディングにより複数(センサリード端子に対応した個数)のターミナル13と接続している。そして、ホールICおよびセンサリード端子とターミナル13との接続部(ボンディングワイヤ等の配線部材)は、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂(絶縁性樹脂)を主体とする封止材により樹脂封止されている。なお、封止材は、キャップ92の内部に充填されている。
出力軸回転センサ23を構成するホールICのセンサリード端子は、ワイヤボンディングにより複数(センサリード端子に対応した個数)のターミナル13と接続している。そして、ホールICおよびセンサリード端子とターミナル13との接続部(ボンディングワイヤ等の配線部材)は、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂(絶縁性樹脂)を主体とする封止材により樹脂封止されている。なお、封止材は、キャップ94の内部に充填されている。
次に、本実施例の電子制御モジュールの組付方法を図1ないし図9に基づいて簡単に説明する。ここで、図6および図7は電子制御モジュールの組付方法を示した図で、図8および図9はターミナルを上下に重ね合わせてレーザ溶接するレーザ溶接工程を示した図である。
これにより、電子部品(ICチップ等)を回路基板上に表面実装したTCUが、配線ユニットの樹脂ハウジング2のTCU搭載エリア50上に位置決めされた状態で仮組み付けされる。
なお、複数のターミナル11、12の各露出部33は、隣り合う隔壁52間に形成される端子収容凹部である端子収容室51の底面の中心部上で露出している。
そして、複数のターミナル10がモールド樹脂1より突出して露出したTCUを、図6(b)に示したように、配線ユニットの樹脂ハウジング2のTCU搭載エリア50上に搭載すると、TCUのモールド樹脂1より外部側に突出した複数のターミナル10の各露出部31が、隣り合う2つの隔壁52の対向面に形成される一対のガイドリブ53の各傾斜面に誘導(ガイド)されて奥側まで容易に挿入され、複数のターミナル11、12の各露出部33に重ね合わされる。
レーザ溶接装置は、電子制御装置により制御されるレーザ発振器(図示せず)と、ターミナル10の露出部31側から押圧荷重を与える2つの押さえ治具95と、これらの押さえ治具95で押圧された位置の中間にレーザ光を照射するレーザ溶接ヘッド(図示せず)とを備えている。
レーザ発振器として、半導体レーザ発振器、パルスYAGレーザ、CO2 レーザ等一般的なレーザ溶接に用いられるものを使用しても良い。
レーザ溶接ヘッドは、内部にレンズが設置されており、レーザ発振器から出力されたレーザ出力をレンズで集光し、ターミナル10とターミナル11、12とのレーザ溶接部14、15にレーザビーム(レーザ光)Lを照射する。
本実施例では、一対のガイドリブ53を設置しているので、ターミナル11、12の露出部33に対するターミナル10の露出部31の板幅方向のターミナル位置ズレを許容値(例えば0.15mm)以下に抑えることができる。
本実施例では、レーザ溶接部14、15の前後の露出部31を2つの押さえ治具95により露出部33側に押圧(加圧)することで、ターミナル10の露出部31とターミナル11、12の露出部33との間に形成される隙間(ターミナル相互の隙間、積層方向の隙間)を許容値(例えば0.025mm)以下に抑えることができる。
以上により、本実施例のレーザ溶接装置およびレーザ溶接方法においては、ターミナル位置ズレおよびターミナル相互の隙間を許容値以下にする対策を行わないものと比べて、レーザ溶接による品質を確保することができる。
そして、2つの押さえ治具95により押圧(加圧)される押圧部Jの中間位置(溶接箇所)にレーザ光Lをレーザ溶接ヘッドから照射する。
すなわち、表面にメッキが施された導電性金属板(銅または銅合金等)よりなる露出部31と、表面にメッキが施された導電性金属板(銅または銅合金等)よりなる露出部33とを重ね合わせ、レーザ溶接ヘッドから溶接箇所にレーザ光Lを照射すると、露出部31の表面側から、露出部31の表面(図示上面)に施されたメッキ、露出部(ターミナル母材)31、露出部31の表面(図示下面)に施されたメッキ、露出部33の表面(図示上面)に施されたメッキ、露出部(ターミナル母材)33が順に溶けていき、これらが溶融した溶融部が形成される。
以上のように、複数のターミナル10の各露出部31と複数のターミナル11、12の各露出部33とをレーザ溶接により導通接合した後に、複数のレーザ溶接部14、15の露出面、複数の露出部31の表面および複数の露出部33の表面に、例えば絶縁性接着剤よりなる絶縁材36を塗布する。
以上によって、複数のレーザ溶接部14、15、モールド樹脂1の表面より外側に突出して露出した複数のターミナル10の各露出部31、および樹脂ハウジング2の表面より露出した複数のターミナル11、12の各露出部33に端子間(配線間)絶縁構造を施した、TCUと配線ユニットとの接合体Aが製造される(図6(b)参照)。
次に、TCUと配線ユニットとの接合体Aと、金属プレート3とセンサハウジング4との接合体Bとを複数の締結ボルト6等で締結固定する等して一体化することで、電子制御モジュールが製造される(図7(b)参照)。
このとき、TCUのモールド樹脂1の放熱面が金属プレート3の搭載面に直接接触するように、TCUと配線ユニットとの接合体Aが、複数の締結ボルト6により金属プレート3とセンサハウジング4との接合体Bに締結固定される。また、TCUのブラケット5は、配線ユニットの樹脂ハウジング2の各ボルト締結部63の下面と金属プレート3の上面との間に挟持される。
ここで、センサハウジング4の上面(図7においては図示下面)には、ターミナル12とターミナル13との導通接合部(並列配置された複数のレーザ溶接部16)を各々相互に隔離する複数の隔壁77が一体的に形成されている。
なお、複数のターミナル13の各露出部43は、隣り合う隔壁77間に形成される端子収容凹部である端子収容室76の底面の中心部上で露出している。
レーザ溶接工程では、先ず複数のターミナル11、12が樹脂ハウジング2より突出して露出した配線ユニット(TCUと配線ユニットとの接合体A)上に、図7(a)に示したように、金属プレート3とセンサハウジング4との接合体Bを搭載すると、配線ユニットの樹脂ハウジング2より外部側に突出した複数のターミナル12の各露出部41が、隣り合う2つの隔壁77の対向面に形成される一対のガイドリブの各傾斜面に誘導(ガイド)されて奥側まで容易に挿入され、複数のターミナル13の各露出部43に重ね合わされる。
ターミナル12とターミナル13との重ね合わせ部分が溶着固定されるため、ターミナル12とターミナル13との導通接合部であるレーザ溶接部16が電気的に接続(導通接合)される。これにより、配線ユニットのターミナル12とセンサハウジング4のターミナル13とを上下に重ね合わせた重ね合わせ部分に、両露出部41、43に渡るレーザ溶接部16が形成される。
一方、複数のターミナル13の導通接合部47を、回路基板8に形成されるスルーホール48に挿入し、複数のターミナル13の導通接合部47と回路基板8の導体パターンとを半田付けすることで、回路基板8に実装されるシフトポジションセンサ21の3つのホール素子とTCUの電子部品とを接続する。
そして、複数の端子収容室76の上部開口部に、端子収容室76内への導電性異物の侵入を防止するために蓋部材9を取り付けた後に、樹脂ハウジング2の側面と蓋部材9の対向部81との間の隙間に封止材82を充填する。
以上によって、複数のレーザ溶接部14〜16、モールド樹脂1の表面より外側に突出して露出した複数のターミナル10の各露出部31、樹脂ハウジング2の表面より露出した複数のターミナル11、12の各露出部33、樹脂ハウジング2の表面より外側に突出して露出した複数のターミナル12の各露出部41、およびセンサハウジング4の表面より露出した複数のターミナル13の各露出部43に端子間(配線間)絶縁構造を施した電子制御モジュールが製造される(図1および図7(b)参照)。
その後、電子制御モジュールを、金属プレート3の放熱面がバルブボディの外壁面に直接接触するように、バルブボディに複数の締結ボルトで締結固定される。これにより、電子制御モジュールが自動変速機の内部、特にオイルパンの内部に搭載される。
以上のように、本実施例の自動変速機の内部に搭載される電子制御モジュールにおいては、ターミナル10の露出部31とターミナル11、12の露出部33との重ね合わせ部分をレーザ溶接してターミナル10の露出部31とターミナル11、12の露出部33とを導通接合した後に、ターミナル10とターミナル11、12との導通接合部であるレーザ溶接部14、15、ターミナル10の露出部31の表面およびターミナル11、12の露出部33の表面に絶縁材36を塗布している。
これによって、隣り合う端子(ターミナル10)間および隣り合う配線(ターミナル11、12)間(導体間)の絶縁、つまりターミナル相互間の絶縁のために、大型の樹脂材部品が必要なく、また、樹脂材部品に高精度な樹脂成形が必要なくなるので、製品コストを低減することができる。
また、複数のレーザ溶接部14、15、複数の露出部31、33および複数の露出部31の各根元部分を確実に絶縁できる。すなわち、隣り合う端子(ターミナル10)間および隣り合う配線(ターミナル11、12)間(導体間)、つまりターミナル相互間を確実に絶縁できるので、自動変速機のオイル中に混入した導電性異物による隣り合う端子(ターミナル10)間および隣り合う配線(ターミナル11、12)間(導体間)のショートを確実に防止することができる。
これによって、隣り合う端子間および隣り合う配線(ターミナル12、13)間(導体間)の絶縁、つまりターミナル相互間の絶縁のために、大型の樹脂材部品が必要なく、また、樹脂材部品に高精度な樹脂成形が必要なくなるので、製品コストを低減することができる。
また、複数のレーザ溶接部16、複数の露出部41、43および複数の露出部41の各根元部分を確実に絶縁できる。すなわち、隣り合う端子間および隣り合う配線(ターミナル12、13)間(導体間)、つまりターミナル相互間を確実に絶縁できるので、自動変速機のオイル中に混入した導電性異物による隣り合う端子間および隣り合う配線(ターミナル12、13)間(導体間)のショートを確実に防止することができる。
そして、ターミナル10〜12と金属プレート3の搭載面との間に自動変速機のオイル中に混入した導電性異物が跨がって堆積している場合であっても、レーザ溶接部14、15の露出面、露出部31の表面および露出部33の表面に絶縁材36を塗布しているので、ターミナル10〜12と金属プレート3とを確実に絶縁することができる。これにより、ターミナル10〜12と金属プレート3との間のショートを確実に防止することができる。
また、複数のターミナル10の各露出部31に少なくとも2箇所以上で屈曲した応力吸収部32を設けているので、モールド樹脂1とターミナル10との間に熱膨張係数の差異がある場合であっても、冷熱サイクルでターミナル10またはターミナル10に発生する変位を吸収することができる。これにより、ターミナル10の破断を防止することができる。
また、複数のターミナル12の各露出部41に少なくとも6箇所以上で屈曲した応力吸収部42を設けているので、樹脂ハウジング2とターミナル12との間に熱膨張係数の差異がある場合であっても、冷熱サイクルでターミナル12に発生する変位を吸収することができる。これにより、ターミナル12の破断を防止することができる。
また、複数の隔壁52は、絶縁性樹脂製の樹脂ハウジング2の下面に一体的に形成されているので、隣り合う端子(ターミナル10)間および隣り合う配線(ターミナル11、12)間(導体間)、つまりターミナル相互間を確実に絶縁することができる。
また、複数の隔壁77は、絶縁性樹脂製のセンサハウジング4の上面に一体的に形成されているので、隣り合う端子間および隣り合う配線(ターミナル12、13)間、つまりターミナル相互間を確実に絶縁することができる。
また、TCUのブラケット5は、締結ボルト6によりTCUと配線ユニットとの接合体Aを金属プレート3とセンサハウジング4との接合体Bに締結固定する際に、配線ユニットの下面と金属プレート3の上面(搭載面)との間に挟み込まれた状態で保持されている。つまりブラケット5が、配線ユニットの樹脂ハウジング2のボルト締結部63の下面と金属プレート3の上面との間に挟み込んでボルト締結されているため、締結ボルト6の締結トルクがTCU、特に電子部品や回路基板に加わることによる、TCU、特に電子部品や回路基板の破損を防止することができる。
これらのガイドリブ53には、実施例1と同様に、端子収容室51の底面で露出しているターミナル11、12の露出部33に向けてターミナル10の露出部31を誘導(ガイド)するためのリード端子(ターミナル10)誘い込み用の傾斜面が形成されている。
そして、一対のガイドリブ53は、隣り合う隔壁52の長手方向の中央部付近に設けられている。つまり一対のガイドリブ53は、レーザ溶接部14、15よりも閉鎖壁54側に対して逆側に位置する隔壁52間に形成されている。
なお、樹脂ハウジング2、少なくともガイドリブ53を形成する合成樹脂材料としては、実施例1と同様に、レーザ光透過性樹脂を採用することが望ましい。
レーザ溶接装置は、電子制御装置により制御されるレーザ発振器(図示せず)と、ターミナル10の露出部31側から押圧荷重を与える1つの押さえ治具95と、この押さえ治具95よりも閉鎖壁54側にレーザ光Lを照射するレーザ溶接ヘッド(図示せず)とを備えている。
本実施例では、レーザ溶接部14、15よりもTCU側の露出部31を1つの押さえ治具95により露出部33側に押圧(加圧)することで、ターミナル10の露出部31とターミナル11、12の露出部33との間に形成される隙間を許容値以下に抑えることができる。
以上により、本実施例のレーザ溶接装置およびレーザ溶接方法においては、ターミナル位置ズレおよびターミナル相互の隙間を許容値以下にする対策を行わないものと比べて、レーザ溶接による品質を確保することができる。
そして、1つの押さえ治具95により押圧(加圧)される押圧部Jおよび一対のガイドリブ53間に挟み込まれる位置よりも先端側(閉鎖壁54側)の位置(溶接箇所)にレーザ光Lをレーザ溶接ヘッドから照射する。
以上のように、複数のターミナル10の各露出部31と複数のターミナル11、12の各露出部33とをレーザ溶接により導通接合した後に、実施例1と同様に、複数のレーザ溶接部14、15の露出面、複数の露出部31の表面および複数の露出部33の表面に、例えば絶縁性接着剤よりなる絶縁材36を塗布する。
本実施例では、複数のターミナル12と複数のターミナル13との各レーザ溶接部16の露出面、複数のターミナル12の各露出部41の表面および複数のターミナル13の各露出部43を各々相互に隔離する複数の隔壁77を、センサハウジング4の上面に設けているが、複数のターミナル12と複数のターミナル13との各レーザ溶接部16の露出面、複数のターミナル12の各露出部41の表面および複数のターミナル13の各露出部43を各々相互に隔離する複数の隔壁77を、複数の端子収容室76の上方開口部を閉鎖する蓋部材9の下面に設けても良い。
本実施例では、封止材73、75、82として絶縁性樹脂であるエポキシ樹脂を用いているが、封止材73、75、82として絶縁性樹脂であるシリコーン樹脂を用いても良い。
B 金属プレートとセンサハウジングとの接合体
1 TCU(電子制御ユニット)のモールド樹脂(モールド材)
2 配線ユニットの樹脂ハウジング(モールド樹脂成形体)
3 金属プレート(放熱部材)
4 センサユニットのセンサハウジング
5 TCUのブラケット
6 締結ボルト(締結部材)
8 回路基板
9 蓋部材
10 TCUのターミナル(第1ターミナル、リードフレーム)
11 配線ユニットのターミナル(第3ターミナル、コネクタターミナル)
12 配線ユニットのターミナル(第2ターミナル、中継ターミナル)
13 センサユニットのターミナル(第4ターミナル、センサターミナル)
14 レーザ溶接部(第1ターミナルと第3ターミナルとの導通接合部)
15 レーザ溶接部(第1ターミナルと第2ターミナルとの導通接合部)
16 レーザ溶接部(第2ターミナルと第4ターミナルとの導通接合部)
17 外部コネクタ部
31 ターミナル(第1ターミナル)の露出部(第1露出部)
33 ターミナル(第3、第2ターミナル)の露出部(第3、第2露出部)
36 絶縁材
37 コネクタ端子部
41 ターミナル(第2ターミナル)の露出部(第2露出部)
43 ターミナル(第4ターミナル)の露出部(第4露出部)
46 絶縁材
47 ターミナル(第4ターミナル)の導通接合部
48 回路基板のスルーホール
51 端子収容室
52 隔壁
53 ガイドリブ
63 配線ユニットの樹脂ハウジングのボルト締結部
64 金属プレートのボルト締結部
65 金属プレートのブラケット
73 封止材
74 樹脂壁(壁体)
75 封止材
76 端子収容室
77 隔壁
78 センサハウジングのボルト締結部
82 封止材
Claims (12)
- 自動変速機の内部に搭載された自動変速機の制御装置において、
(a)前記自動変速機を制御する電子部品、この電子部品から外側に向けて延設されて、前記電子部品に電気的に接続される複数の第1ターミナル、および前記電子部品と前記複数の第1ターミナルを封止するモールド材を有する電子制御ユニットと、
(b)前記複数の第1ターミナルにそれぞれ導通接合する複数の第2ターミナル、およびこれらの第2ターミナルを保持する成形体を有する配線ユニットと、
(c)前記電子制御ユニットで発生した熱を外部に放熱する放熱部材と、
(d)前記電子制御ユニットと前記放熱部材とが接触するように、前記電子制御ユニットを前記放熱部材に締結する締結部材と
を備え、
前記複数の第1ターミナルは、前記モールド材の表面から露出した第1露出部を有し、 前記複数の第2ターミナルは、前記成形体の表面から露出した第2露出部を有し、
前記第1ターミナルと前記第2ターミナルとの導通接合部、前記第1露出部の表面および前記第2露出部の表面に絶縁材を施したことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項1に記載の自動変速機の制御装置において、
前記放熱部材は、アルミニウム材を主体とする金属プレートであることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項1に記載の自動変速機の制御装置において、
前記放熱部材は、鉄鋼材を主体とする金属プレートであることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の自動変速機の制御装置において、
前記複数の第1ターミナルは、少なくとも1箇所以上で屈曲した屈曲形状を有するように形成されていることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の自動変速機の制御装置において、
前記複数の第2ターミナルは、少なくとも1箇所以上で屈曲した屈曲形状を有するように形成されていることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の自動変速機の制御装置において、
前記第1ターミナルと前記第2ターミナルとの導通接合部は、前記第1ターミナルと前記第2ターミナルとを重ね合わせてレーザ溶接することで形成されることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の自動変速機の制御装置において、
前記締結部材は、前記電子制御ユニットと前記配線ユニットとの接合体を、前記放熱部材に締結することを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項7に記載の自動変速機の制御装置において、
前記電子制御ユニットは、前記モールド材の表面から外部側に向けて突出するように延設された板状のブラケットを有し、
前記ブラケットは、前記配線ユニットと前記放熱部材との間に挟み込まれた状態で、前記放熱部材に締結されることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項1ないし請求項8のうちのいずれか1つに記載の自動変速機の制御装置において、
前記配線ユニットは、前記第1ターミナルと前記第2ターミナルとの導通接合部を各々相互に隔離する隔壁を有していることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項1ないし請求項9のうちのいずれか1つに記載の自動変速機の制御装置において、
前記配線ユニットは、前記第2ターミナルに対して別途設けられて、前記複数の第1ターミナルにそれぞれ導通接合する複数の第3ターミナル、およびこれらの第3ターミナルを保持する成形体を有し、
前記複数の第1ターミナルは、前記モールド材の表面から露出した第1露出部を有し、 前記複数の第3ターミナルは、前記成形体の表面から露出した第3露出部を有し、
前記第1ターミナルと前記第3ターミナルとの導通接合部、前記第1露出部の表面および前記第3露出部の表面に絶縁材を施したことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項10に記載の自動変速機の制御装置において、
前記配線ユニットは、前記自動変速機の外部と電気的に接続する電気接続部として形成した外部コネクタ部を有し、
前記複数の第3ターミナルは、前記第3露出部側に対して反対側に、前記外部コネクタ部内に突出するコネクタ端子部を有していることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項10または請求項11に記載の自動変速機の制御装置において、
前記配線ユニットは、前記第1ターミナルと前記第3ターミナルとの導通接合部を各々相互に隔離する隔壁を有していることを特徴とする自動変速機の制御装置。
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