JP2014098463A - 自動変速機の配線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の配線装置は、ターミナルを組み付ける際に一対の圧入突起から出る樹脂の削り屑がターミナルと圧入溝の底面との間に挟み込まれる。この結果、ターミナル位置決め部である圧入溝の底面に到達するまでターミナルを圧入できず、配線保持体に対してターミナルが正規の場所から位置ズレして組み付けられてしまうという課題があった。
【解決手段】 合成樹脂製の配線保持体5の圧入突起27間に金属線材よりなる第1、第2ターミナル1の圧入部12を圧入嵌合により組み付ける際に、圧入部12により削られた樹脂の削り屑を、第1、第2ターミナル1の配線導体11とターミナル位置決め部である係止部25との間から逃がす有底の逃げ溝29を設けたことにより、配線導体11と係止部25との間に削り出された樹脂の削り屑が挟み込まれないようになる。これによって、配線保持体5に対する第1、第2ターミナル1の位置ズレを防止することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動変速機の配線装置に関するものである。
[従来の技術]
従来より、自動変速機の配線装置として、図10に示したように、自動変速機を制御する電子制御ユニット(TCU)と自動変速機のケース外部に設けられる外部機器(ECU)とを配線接続する複数のターミナル101、あるいはTCUと自動変速機のケース内部に設けられる内部機器とを配線接続する複数のターミナル101を、合成樹脂製の配線保持体102上に設けられる一対の対向部103間に保持するようにした配線ユニットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、配線保持体102は、一対の対向部103の各対向面から互いに向き合う(近付く)ように突出する一対の圧入突起104を備えている。これらの圧入突起104間には、ターミナル101を圧入固定する圧入溝105が形成されている。
一対の圧入突起104は、所定の曲率半径を有し、圧入溝105の中心側に突出した凸曲面で形成されている。
圧入溝105は、一対の圧入突起104の上端面で開口し、この開口側から奥側まで延びる凹溝であり、圧入溝105の奥側には、ターミナル101が当接する底面が設けられている。
そして、ターミナル101は、一対の圧入突起104間の圧入溝105に圧入嵌合することで、配線保持体102に対して位置決め固定される。これにより、後工程の運搬時、保管時、作業時等に複数のターミナル101の位置ズレを防止している。なお、圧入溝105の溝幅は、複数のターミナル101の幅に対して僅かに狭い寸法に設定されているので、「締まり嵌め」となっている。
ところで、ターミナル101は、一般的に、導電性を有する金属薄板をプレス成形機で打ち抜き成形を行い、この打ち抜き成形と同時または打ち抜き成形後に所定の部位で折り曲げ成形を行うことで製造される。
また、配線保持体102は、絶縁性を有する合成樹脂をモールド成形することにより製造される。
[従来の技術の不具合]
ところが、従来の配線装置においては、図11に示したように、配線保持体102の圧入溝105にターミナル101を組み付ける際、一対の圧入突起104を削りながら圧入溝105に圧入される。これにより、ターミナル101を組み付ける際に一対の圧入突起104から出る樹脂の削り屑Kがターミナル101と圧入溝105の底面との間に挟み込まれる。
この結果、ターミナル101の位置決め部である圧入溝105の底面に到達するまでターミナル101を圧入することができず、配線保持体102の圧入溝105に対してターミナル101が正規の場所から位置ズレして組み付けられてしまう。
したがって、このように正規の場所から位置ズレしたターミナル101の一端部を、外部コネクタのコネクタ端子または内部コネクタのコネクタ端子として使用した場合、相手側コネクタのコネクタ端子との導通不良となるという問題が生じる。
特開2012−066275号公報
本発明の目的は、配線保持体に対するターミナルの位置ズレを防止することのできる自動変速機の配線装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明(自動変速機の配線装置)によれば、ターミナルを組み付ける際にターミナルの圧入部により削られた樹脂の削り屑を収容する凹部を、配線保持体の圧入突起に対応して設けたことにより、ターミナルと配線保持体との間に削り出された樹脂の削り屑が挟み込まれないようになる。
これによって、組み付け後のターミナルの位置精度を向上し、且つ安定させることができるので、配線保持体に対するターミナルの位置ズレを防止することができる。
配線保持体の逃げ溝を示した斜視図である(実施例1)。 (a)、(b)は配線保持体の圧入溝にターミナルを位置決め固定した状態を示した平面図である(実施例1)。 配線保持体の圧入溝にターミナルを位置決め固定した状態を示した断面図である(実施例1)。 配線保持体の逃げ溝を示した斜視図である(実施例2)。 配線保持体の第1圧入溝に1層目のターミナルを位置決め固定した状態を示した斜視図である(実施例2)。 配線保持体の第1、第2圧入溝に1、2層目のターミナルを位置決め固定した状態を示した斜視図である(実施例2)。 (a)は配線保持体の逃げ溝を示した平面図で、(b)は配線保持体の第1圧入溝に1層目のターミナルを位置決め固定した状態を示した平面図である(実施例2)。 配線保持体の第1、第2圧入溝に1、2層目のターミナルを位置決め固定した状態を示した平面図である(実施例2)。 配線保持体の第1、第2圧入溝に1、2層目のターミナルを位置決め固定した状態を示した断面図である(実施例2)。 (a)、(b)は配線保持体の圧入溝にターミナルを位置決め固定した状態を示した平面図、断面図である(従来の技術)。 配線保持体の圧入溝にターミナルを位置決め固定した状態を示した断面図である(従来の技術)。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
[実施例1の構成]
図1ないし図3は、本発明を適用した配線ユニット(実施例1)を示したものである。
本実施例の自動変速機は、ハウジング、油圧制御装置および制御モジュール等を備えている。
自動変速機のハウジングは、自動変速機ケースとオイルパンとを組み合わせて構成されている。
自動変速機ケースの内部には、ポンプ、タービンおよびステータ等により構成されるトルクコンバータと、このトルクコンバータのタービンに接続される多段歯車式の変速機構が収容されている。この変速機構は、油圧制御装置から供給される油圧に応じて係合または解放される複数の摩擦係合要素(クラッチまたはブレーキ)を備えている。
油圧制御装置は、複数の油路を有するバルブボディと、このバルブボディに取り付けられて、バルブボディの油路と共に油圧回路を構成する複数の電磁油圧制御弁およびマニュアルバルブと、ドライバーから要求された変速状態を実現するように複数の電磁油圧制御弁を駆動することで、自動変速機の変速制御等を行う制御ユニット(以下TCU)とを備えている。
油圧制御装置は、自動変速機ケースの下部に取り付けられるオイルパンの内部に設置されている。すなわち、TCUを備えた油圧制御装置は、自動変速機で使用する作動油(自動変速機油、ATF:以下オイル)を貯留するオイルパンの内部に、つまりバルブボディと共にオイル中に浸漬されている。
バルブボディは、アッパーボディとメインボディとロアボディとにより構成され、アッパーボディの下面とロアボディの上面との間に複数の電磁油圧制御弁を保持するバルブ保持部材であって、複数の電磁油圧制御弁およびマニュアルバルブを挿入する複数のバルブ挿入溝、およびこれらのバルブ挿入溝にそれぞれ連通する油路を有している。
複数の電磁油圧制御弁は、自動変速機ケースの外部に設けられる内部機器の一例である。これらの電磁油圧制御弁のうちの少なくとも1つの電磁油圧制御弁は、内燃機関(エンジン)により駆動されるオイルポンプによって発生した油圧(ライン油圧)を調圧して出力するスプールバルブと、このスプールバルブを駆動するアクチェエータであるリニアソレノイドとを備えている。
制御モジュールは、自動変速機の変速制御を行う集積回路を収納する平面視方形状の絶縁パッケージを有するTCUと、このTCUのリードフレームをエンジン制御ユニット(ECU)に配線接続する第1配線ユニットと、TCUのリードフレームを複数の電磁油圧制御弁に配線接続する第2配線ユニットとを備えている。
TCUは、少なくともCPU、ROM、RAM等の機能を具備したマイクロコンピュータを制御回路基板上に実装して構成されている。CPUは、ROM等のメモリに格納された制御プログラムを実行することで、自動変速機の変速動作を制御する。
TCUは、エンジン制御ユニット(ECU)で検出されたエンジンの運転状況(運転状態)および各種センサ(油温センサ、油圧センサ、シフトポジションセンサ、タービン回転センサ、出力軸回転センサ等)の検出信号(センサ出力信号)に基づいて、リニアソレノイド等のアクチュエータを駆動して自動変速機の変速動作を制御する。
絶縁パッケージの内部には、制御回路基板上に集積回路を実装したICチップと、このICチップの各電極パッドに導通接合されるリードフレームと、ICチップの導体パターンとリードフレームのインナリードとを電気接続するボンディングワイヤ(または導電性接着剤)とが収納されている。
リードフレームのダイパッド上には、ICチップが搭載されている。
リードフレームの回路基板側に位置する部分は、絶縁パッケージを構成する絶縁性を有するモールド樹脂材により被覆されて保護(封止)されている。また、リードフレームの回路基板側の位置する部分は、ICチップ上の電子部品に電気接続されるインナリードとして働く。
また、リードフレームの回路基板側に対して逆側に位置する部分は、絶縁パッケージの4つの側面から四方に向けて突出して絶縁パッケージの外側に露出するアウタリード(複数の第1、第2TCUリード端子)として働く。
第1、第2配線ユニットは、制御ユニットと外部機器とを配線接続する複数の第1ターミナル1と、制御ユニットと内部機器とを配線接続する複数の第2ターミナル1と、複数の第1、第2ターミナル1を保持固定する合成樹脂製の絶縁ハウジング4とを備えている。
絶縁ハウジング4は、制御ユニットと外部機器との電気的な接続を行う外部コネクタ(図示せず)、および制御ユニットと内部機器との電気的な接続を行う内部コネクタ(図示せず)を備えている。この絶縁ハウジング4は、電気絶縁性を有する合成樹脂製の配線保持体(モジュールベース、配線基板)5、および電気絶縁性を有する合成樹脂製の樹脂成形体(モジュールカバー:図示せず)とを備えている。
外部コネクタは、自動変速機ケースの外部に設けられる外部機器との電気的な接続を行うもので、配線保持体5または樹脂成形体の上面から外部(相手側コネクタとの嵌合方向(コネクタ接続方向))へ向けて延びる角筒状のコネクタハウジング(図示せず)を有している。ここで、自動変速機ケースの外部機器(電子機器または制御機器)とは、外部電源(バッテリ等)、外部電子部品(ECU、エアフロメータ、アクセル開度センサ、スロットル開度センサ、吸気圧センサ、吸気温センサおよび電子回路基板等)のことである。
内部コネクタは、自動変速機ケースの内部に設けられる内部機器との電気的な接続を行うもので、配線保持体5または樹脂成形体の上面から上方に突出し、且つその突出部分の側面から外部(相手側コネクタとの嵌合方向(コネクタ接続方向))へ向けて延びる角筒状のコネクタハウジング(図示せず)を有している。ここで、自動変速機ケースの内部機器(電子機器または制御機器)とは、複数の電磁油圧制御弁、油温センサおよひ油圧センサのことである。
なお、本実施例の絶縁ハウジング4の詳細は、後述する。
複数の第1、第2ターミナル1は、配線保持体5の配線部の表面上に位置決め固定された状態で、絶縁ハウジング4の内部にモールド樹脂材によるインサート成形により固定(埋設固定)されている。
複数の第1、第2ターミナル1は、例えば銅合金またはアルミニウム合金等の導電性金属線材であって、矩形状の断面を有する。
これらの第1、第2ターミナル1は、導電性を有する金属薄板(金属導体板)をプレス成形機で打ち抜き成形を行い、この打ち抜き成形と同時または打ち抜き成形後に所定の部位で折り曲げ成形を行うことで製造される。
複数の第1、第2ターミナル1は、絶縁ハウジング4、特に配線保持体5の裏面で露出した第1、第2端子導通部であり、複数の第1、第2TCUリード端子にそれぞれ導通接合される第1、第2接続端子(図示せず)を備えている。
複数の第1ターミナル1は、第1接続端子側に対して反対側に、外部コネクタのハウジングの内部空間内に突出して露出した第1端子接続部である第1コネクタ端子(外部接続端子:図示せず)を有する外部配線接続用コネクタターミナルである。
複数の第2ターミナル1は、第2接続端子側に対して反対側に、内部コネクタのハウジングの内部空間内に突出して露出した第2端子接続部である第2コネクタ端子(内部接続端子:図示せず)を有する内部配線接続用コネクタターミナルである。
複数の第1ターミナル1は、外部コネクタ側の第1コネクタ端子から制御ユニット側の第1接続端子まで延びている。
複数の第2ターミナル1は、内部コネクタ側の第2コネクタ端子から制御ユニット側の第2接続端子まで延びている。
複数の第1、第2ターミナル1は、第1コネクタ端子または第2コネクタ端子と第1接続端子または第2接続端子を配線接続する配線導体(中間部、被係止部)11をそれぞれ有している。また、配線導体11は、配線保持体5の配線部の表面上に位置決め固定(圧入固定)される被挟持部(以下圧入部)12をそれぞれ有している。
複数の配線導体11は、ターミナル圧入方向に対して直交する垂直方向に並列に配置されている。
次に、本実施例の絶縁ハウジング4の詳細を図1ないし図3に基づいて説明する。
絶縁ハウジング4は、モールド成形により樹脂一体成形される合成樹脂(1次成形樹脂)製の配線保持体5、およびモールド成形により樹脂一体成形される合成樹脂(2次成形樹脂)製の樹脂成形体とを備えている。
配線保持体5および樹脂成形体は、絶縁性を有する合成樹脂であるモールド樹脂材(例えばポリフェニレンサルファイド:PPS、ポリアセタール:POM、ナイロン(ポリアミド):PA)により一体的に形成されている。なお、配線保持体5と樹脂成形体とを異なる合成樹脂で一体成形しても良い。また、配線保持体5または樹脂成形体の成形材料として、PPS、POM、PA等の熱可塑性樹脂だけでなく、エポキシ(EP)等の熱硬化性樹脂を用いても良い。
配線保持体5は、平板状の絶縁プレートであって、配線保持体5の表面上に複数の第1、第2ターミナル1の各配線導体11を位置決め固定する配線部、およびこの配線部の周囲を取り囲む筒状の側壁部を有している。なお、側壁部の開口部を、この開口周縁にボルト等を用いて締結固定される合成樹脂製のモジュールカバーにより塞ぐようにしても良い。
配線保持体5は、その配線部において所定の間隔(ピッチ)で並列して配置される複数の突条部21を有し、隣接する突条部21間に形成される有底のガイド溝22内に第1、第2ターミナル1の各配線導体11および圧入部12を位置決めした状態で保持する配線接続ターミナルホルダーである。
複数の突条部21は、配線保持体5の配線部においてターミナル長手方向に延設されており、合成樹脂によって所定の形状に形成されている。これらの突条部21の各ガイド溝22の開口側には、ターミナル圧入方向において徐々に幅が狭くなるようにテーパ状の傾斜面23が設けられている。この傾斜面は、第1、第2ターミナル1の各配線導体11をガイド溝22内に挿入し易くするテーパガイドである。
隣接する突条部21は、所定の距離を隔てて対向して配置される対向壁面(対向部)を有している。これらの対向壁面は、ガイド溝22の底面に対して直交する垂直面24とされている。
ガイド溝22の底面は、第1、第2ターミナル1の各配線導体11の横幅よりも僅かに広い幅を有している。
ガイド溝22は、複数の突条部21の表面(頂面:図3において図示上端面)で開口し、この開口側から奥側まで延びる凹溝である。
複数の突条部21の表面で開口した開口部は、配線保持体5の配線部に対する第1、第2ターミナル1の組み付け時に、複数の第1、第2ターミナル1の各配線導体11をガイド溝22内に挿入するための配線挿入口を構成する。また、ガイド溝22の奥側には、ガイド溝22の底面が設けられており、この底面は、第1、第2ターミナル1の各配線導体11を係止する係止部25として機能する。つまり複数の配線導体11は、ガイド溝22内に係止部25に当接するまで挿入されて位置決めされる。
複数の係止部25は、複数の第1、第2ターミナル1の位置決めを行う部位(位置決め部)であり、配線保持体5の配線部の表面(ガイド溝22の底面)に設けられる。
なお、複数の突条部21の各対向壁面間の距離、つまりガイド溝22の溝幅は、各第1、第2ターミナル1の各配線導体11の幅(ターミナル幅)よりも広い寸法に設定されている。
配線保持体5は、隣接する突条部21の底面側の各垂直面24から互いに向き合う(近づく)ように突出する一対の圧入突起27を有している。
一対の圧入突起27のうちの一方の圧入突起27は、他方の圧入突起27との間で圧入部12を圧入嵌合する。これらの圧入突起27間には、複数の第1、第2ターミナル1の各圧入部12を圧入固定する挟持部(圧入孔)28が形成されている。
一対の圧入突起27は、圧入孔28の中心側に突出した凸曲面形状の連続曲面(図示上端から図示下端に渡って同一曲率の凸曲面)で形成されている。これらの一対の圧入突起27は、ターミナル圧入方向に対して垂直方向に所定の間隔(ピッチ)で並列に配置されている。
なお、一対の圧入突起27の上端側(開口側)エッジ部分に、複数の第1、第2ターミナル1の各圧入部12を圧入孔28内に圧入し易くするR面取りまたはテーパ面取りを設けても良い。
また、圧入孔28は、一対の圧入突起27の図示上端面で開口し、配線保持体5の配線部に対する第1、第2ターミナル1の組み付け時に、第1、第2ターミナル1の各圧入部12を圧入孔28内に圧入するための配線挿入口を構成する。
配線保持体5は、複数の第1、第2ターミナル1の各圧入部12を圧入嵌合により組み付ける際に、圧入部12の端縁により削られた樹脂の削り屑Kを収容する複数の逃げ溝29を有している。
複数の逃げ溝29は、ガイド溝22の底面よりも下方に凹んだ平面視矩形状の窪み部である。これらの逃げ溝29は、一対の圧入突起27の上端面で開口し、この開口側から奥側まで延びる有底の凹部である。逃げ溝29の奥側には、底面が設けられている。また、複数の逃げ溝29の底面は、係止部25よりもターミナル圧入方向の先端側(低い位置)に設置されている。
複数の逃げ溝29は、第1、第2ターミナル1を圧入突起27間に圧入嵌合により組み付ける際に、圧入部12により削られた樹脂の削り屑Kを配線導体11と係止部25との間から逃がす削り屑逃がし凹溝である。これらの逃げ溝29は、一対の圧入突起27に対応して設けられており、圧入孔28よりもターミナル圧入方向の先端側に形成されている。また、複数の逃げ溝29は、一方の圧入突起27の下端部分から他方の圧入突起27の下端部分に渡ってターミナル挿入空間の幅方向に設けられている。これらの逃げ溝29は、ターミナル圧入方向に対して垂直方向(幅方向)に所定の間隔(ピッチ)で並列に配置されている。
複数の逃げ溝29は、図2(b)に示したように、ターミナル圧入方向に対して垂直方向(図示上下方向)の逃げ溝幅(A1w)が、圧入部12を圧入嵌合により組み付ける際に圧入部12により削られる幅(A1t)よりも図示上下方向に広い寸法に設定されている。
複数の逃げ溝29は、図2(b)に示したように、ターミナル圧入方向に対して垂直方向(図示左右方向)の逃げ溝幅(B1w)が、一対の圧入突起27間の最も狭い対向距離および圧入部12のうちの最も狭い横幅(ターミナル幅:B1t)よりも広い寸法に設定されている。
複数の逃げ溝29は、図3に示したように、ターミナル圧入方向と同一方向の逃げ溝深さ(C1)が、圧入部12を圧入嵌合により組み付ける際に圧入部12により削られる樹脂の削り屑Kの体積(V1t)よりも大きな体積(容積:V1w)となるような寸法に設定されている。
ここで、複数の逃げ溝29の各寸法は、下記の数1〜3の式のように設定される。
[数1]
A1w≧A1t
[数2]
B1w≧B1t
[数3]
C1:V1w≧V1tとなるような逃げ溝深さ
[実施例1の製造方法]
次に、本実施例の第1、第2配線ユニットの製造方法を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
先ず、合成樹脂素材を加熱して溶融させ、この溶融樹脂に圧力をかけながら成形型(金型)のキャビティ(配線保持体5の製品形状のキャビティ)の中に射出注入し、冷却して固化したら成形型から取り出す。このような射出成形法を用いて、一対の圧入突起27に対応して逃げ溝29を設けた配線保持体5を形成する(第1工程)。
次に、本実施例の絶縁ハウジング4に対する複数の第1、第2ターミナル1の組み付け手順を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
ここで、配線保持体5のガイド溝22および圧入孔28に対する第1ターミナル1の組み付け手順と、配線保持体5のガイド溝22および圧入孔28に対する第2ターミナル1の組み付け手順とは、同じであるため、第1ターミナル1の組み付け手順のみを説明し、第2ターミナル1の組み付け手順は省略する。
配線保持体5のガイド溝22および圧入孔28の開口側から第1ターミナル1を、係止部25に当接するまで第1ターミナル1をガイド溝22および圧入孔28内に嵌挿する。 このとき、第1ターミナル1の圧入部12が、一対の圧入突起27間に圧入嵌合される。これにより、第1ターミナル1が配線保持体5のガイド溝22および圧入孔28に、配線保持体5の係止部25において位置決め固定された状態で挿着される(第2工程)。
次に、成形型(金型)内に、複数の第1、第2ターミナル1を保持した配線保持体5をセットして、成形型のキャビティ(絶縁ハウジング4の製品形状のキャビティ)の中に射出注入し、冷却して固化したら成形型から取り出す。このような射出成形法を用いて、絶縁ハウジング4(配線保持体5および樹脂成形体)の内部に複数の第1、第2ターミナル1の各中間部がインサート成形された第1、第2配線ユニットを製造する(第3工程)。
[実施例1の効果]
1.複数の第1、第2ターミナル1の組み付け後の品質向上について
合成樹脂製の配線保持体5の圧入突起27間に、金属線材からなる複数の第1、第2ターミナル1の圧入部12を圧入嵌合により組み付ける際に、複数の第1、第2ターミナル1の各圧入部12により削られた樹脂の削り屑Kを、配線導体11と係止部25との間から逃がす有底の逃げ溝29を設けたことにより、配線導体11と係止部25との間に削り出された樹脂の削り屑Kが挟み込まれないようになる。
これによって、組み付け後の複数の第1、第2ターミナル1の位置精度を向上し、且つ安定させることができるので、配線保持体5に対する複数の第1、第2ターミナル1の位置ズレを防止することができる。
したがって、複数の第1、第2ターミナル1の一端部を、外部コネクタのコネクタ端子または内部コネクタのコネクタ端子として使用した場合でも、相手側コネクタのコネクタ端子との導通不良を防止することができる。
複数の第1、第2ターミナル1の各圧入部12を含む配線導体11は、そのターミナル圧入方向に対して垂直方向に並列に配置されている。これにより、複数の第1、第2ターミナル1を、ターミナル圧入方向に対して垂直方向に並列に圧入嵌合により組み付ける場合でも、個々の第1、第2ターミナル1毎に削り出された樹脂の削り屑Kを、配線導体11と係止部25との間から逃がす有底の逃げ溝29を設けたことにより、ターミナル圧入方向に対して垂直方向に、複数の第1、第2ターミナル1の各配線導体11の配列数が増えたとしても、全ての第1、第2ターミナル1の各配線導体11の位置精度を保証することができ、且つ安定させることができるので、配線保持体5に対する全ての第1、第2ターミナル1の各配線導体11の位置ズレを防止することができる。
また、削り出された樹脂の削り屑Kを逃がす逃げ溝29の形状を、配線保持体5の圧入突起27の削られる部位よりも大きくすることにより、削り出された樹脂の削り屑K全てを逃げ溝29内に納めることができる。
2.絶縁ハウジング4の樹脂成形性について
本実施例の第1、第2配線ユニットの製造工程中に、配線保持体5に対する複数の第1、第2ターミナル1の各配線導体11の組み付け工程の次の後工程で、複数の第1、第2ターミナル1の各配線導体11および圧入部12を位置決め固定した配線保持体5を更にインサートモールド成形する場合、削り出された樹脂の削り屑Kを逃がす逃げ溝29に溶融樹脂が回り込むことができるように、ターミナル組み付け後も、溶融樹脂の通り道(開口部)を設けて、インサートモールド成形後に逃げ溝29が樹脂成形体中の空洞(ボイド)とならないようにすることができる。これにより、空洞(ボイド)による合成樹脂(2次成形樹脂)の冷熱割れや空洞部に溜まる劣化ATFによる樹脂劣化の促進を抑えることができる。
また、削り出された樹脂の削り屑Kを収容する逃げ溝29は、圧入突起27がある部位(一部、複数の第1、第2ターミナル1の各配線導体11全面ではなく)にのみ設けられれば良い。これにより、配線保持体5の配線部の表面に複数の逃げ溝29を追加することにより形成される樹脂薄肉部を、必要最小限の空洞の深さとなる最小範囲に抑えることができるので、合成樹脂の流れ性を阻害しなくて済む。
なお、樹脂薄肉部の肉厚が最小範囲よりも薄いと、合成樹脂の流れ性が悪くなる。つまり製品のサイクルタイムが長くなる。あるいは溶融樹脂が回り込まなくて製品ができなくなる不具合の発生を抑えることができる。
[実施例2の構成]
図4ないし図9は、本発明を適用した配線ユニット(実施例2)を示したものである。 ここで、実施例1と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
本実施例の金属ターミナルは、ターミナル圧入方向と同一方向に所定の間隔(絶縁距離を保つことが可能なピッチ)で多層に配置される複数の第1、第2ターミナルを備えている。
複数の第1、第2ターミナルは、ターミナル圧入方向の先端側に配置される下層側のターミナル(以下1層目ターミナル)2、およびこの1層目ターミナル2よりもターミナル圧入方向の基端側に配置される上層側のターミナル(以下2層目ターミナル)3を備えている。
複数の1層目ターミナル2または複数の2層目ターミナル3は、外部コネクタ側の第1コネクタ端子から制御ユニット側の第1接続端子まで延びている。
複数の2層目ターミナル3または複数の1層目ターミナル2は、内部コネクタ側の第2コネクタ端子から制御ユニット側の第2接続端子まで延びている。
複数の1層目ターミナル2は、配線保持体5の配線部の表面上に設けられる第1係止部(1層目の係止部)31に係止される第1配線導体(1層目の中間部)13を備えている。
複数の2層目ターミナル3は、配線保持体5に設けられる第2係止部(2層目の係止部)32に係止される第2配線導体(1層目の中間部)14を備えている。
複数の1層目ターミナル2は、配線保持体5の配線部の表面上に設けられる第1圧入突起(1層目の圧入突起)33間に圧入される第1圧入部(1層目の圧入部)15を備えている。
複数の2層目ターミナル3は、配線保持体5に設けられる第2圧入突起(2層目の圧入突起)34間に圧入される第2圧入部(2層目の圧入部)16を備えている。
ここで、1層目ターミナル2の第1配線導体13の幅、特に第1圧入部15の幅(B2t)は、2層目ターミナル3の第2配線導体14の幅、特に第2圧入部16の幅(B3t)よりも狭い寸法に設定されている。
なお、第1圧入突起33を避けるために、1層目ターミナル2の第1配線導体13、特に第1圧入部15の幅方向の両側に、第1圧入突起33の形状に対応した形状の切欠き(スリット溝)17を設けても良い。
本実施例の絶縁ハウジング4は、実施例1と同様に、合成樹脂(1次成形樹脂)製の配線保持体5、および合成樹脂(2次成形樹脂)製の樹脂成形体とを備えている。
樹脂成形体は、配線保持体5の配線部の表面上に複数の1層目ターミナル2の各第1配線導体13および複数の2層目ターミナル3の各第2配線導体14を位置決め固定した状態で、各第1配線導体13および各第2配線導体14を被覆して樹脂封止している。
配線保持体5は、その表面上に各第1、第2配線導体13、14を位置決め固定する配線部、およびこの配線部の周囲を取り囲む有底筒状の側壁部を有している。なお、側壁部の開口部を、この開口周縁にボルト等を用いて締結固定される合成樹脂製のモジュールカバーにより塞ぐようにしても良い。
配線保持体5は、その配線部の表面(底面)から外側(図示上方)へ向けて突出する複数の圧入ピン30を有している。複数の圧入ピン30は、所定の距離を隔てて並列配置される複数の突条部で、配線保持体5の底面から所定の突出高さ(例えば金属ターミナルを所定の絶縁距離を有するように、しかも多層配置可能な高さ)を有するように外側へ向けて延設されている。
複数の圧入ピン30は、合成樹脂によって円柱形状(または円錐台形状)に形成されている。これらの圧入ピン30は、断面円形状の大径部35、断面円形状の中径部36および円錐台形状の小径部37を備えている。なお、大径部35、中径部36および小径部37の順に外径が大きくなる。
複数の圧入ピン30のうちの一部の圧入ピン30は、配線保持体5の仕切り壁38と一体化するように設けられている。
隣接する圧入ピン30は、所定の第1距離を隔てて対向する第1対面壁面(1層目の対面壁面)、および所定の第2距離を隔てて対向する第2対面壁面(2層目の対面壁面)を有している。
第1対面壁面は、大径部35の外周に設けられて、凸曲面形状の連続曲面(圧入ピン30の全周に渡って同一曲率の凸曲面)で形成されている。
第2対面壁面は、中径部36の外周に設けられて、凸曲面形状の連続曲面(圧入ピン30の全周に渡って同一曲率の凸曲面)で形成されている。
配線保持体5は、複数の1層目ターミナル2の各第1配線導体13を係止して、一対の圧入ピン30間の挿入空間の上下方向における、各第1配線導体13の位置決めを行う第1係止部31を有している。この第1係止部31は、第1配線導体13の端面が面接触可能な平面形状で、配線保持体5の配線部の表面に設けられている。
配線保持体5は、複数の2層目ターミナル3の各第2配線導体14を係止して、一対の圧入ピン30間の挿入空間の上下方向における、各第2配線導体14の位置決めを行う円環状の第2係止部32を有している。この第2係止部32は、第2配線導体14の端面が面接触可能な平面形状で、大径部35と中径部36との間に形成される円環状の段差である。
配線保持体5は、隣接する圧入ピン30の大径部35の第1対向壁面から互いに向き合うように突出する一対の圧入突起(1層目の圧入突起)33を有している。
一対の圧入突起33のうちの一方の圧入突起33は、他方の圧入突起33との間で1層目ターミナル2の第1圧入部15を圧入嵌合する。これらの圧入突起33間には、第1圧入部15を圧入固定する第1挟持部(1層目の挟持部)41が形成されている。
一対の圧入突起33は、所定の曲率半径を有し、第1挟持部41の中心側に突出した凸曲面(または半球面)形状の連続曲面(圧入ピン30の全周に渡って同一曲率の凸曲面)で形成されている。
なお、一対の圧入突起33の上端側(開口側)エッジ部分に、1層目ターミナル2の第1圧入部15を第1挟持部41内に圧入し易くするR面取りまたはテーパ面取りを設けても良い。
配線保持体5は、隣接する圧入ピン30の中径部36の第2対向壁面から互いに向き合うように突出する一対の圧入突起(2層目の圧入突起)34を有している。
一対の圧入突起34のうちの一方の圧入突起34は、他方の圧入突起34との間で2層目ターミナル3の第2圧入部16を圧入嵌合する。これらの圧入突起34間には、第2圧入部15を圧入固定する第2挟持部(2層目の挟持部)42が形成されている。
一対の圧入突起34は、所定の曲率半径を有し、第2挟持部42の中心側に突出した凸曲面(または半球面)形状の連続曲面(圧入ピン30の全周に渡って同一曲率の凸曲面)で形成されている。
なお、一対の圧入突起34の上端側(開口側)エッジ部分に、2層目ターミナル3の第2圧入部16を第2挟持部42内に圧入し易くするR面取りまたはテーパ面取りを設けても良い。
配線保持体5は、1層目ターミナル2の第1圧入部15を圧入嵌合により組み付ける際に、第1圧入部15により削られた樹脂の削り屑Kを第1圧入部15と第1係止部31との間から逃がす複数の第1逃げ溝(1層目の逃げ溝)43を有している。
複数の第1逃げ溝43は、第1係止部31よりもターミナル圧入方向の先端側に設置されている。これらの第1逃げ溝43は、一対の圧入突起33に対応して設けられて、第1圧入部15を圧入嵌合により組み付ける際に、第1圧入部15の端縁により削られた樹脂の削り屑Kを収容する有底の凹部である。
配線保持体5は、2層目ターミナル3の第2圧入部16を圧入嵌合により組み付ける際に、第2圧入部16により削られた樹脂の削り屑Kを第2圧入部16と第2係止部32との間から逃がす複数の第2逃げ溝(2層目の逃げ溝)44を有している。
複数の第2逃げ溝44は、第2係止部32よりもターミナル圧入方向の先端側に設置されている。これらの第2逃げ溝44は、一対の圧入突起34に対応して設けられて、第2圧入部16を圧入嵌合により組み付ける際に、第2圧入部16の端縁により削られた樹脂の削り屑Kを収容する有底の凹部である。
複数の第1逃げ溝43は、図7(a)、(b)に示したように、ターミナル圧入方向に対して垂直方向(図示上下方向)の逃げ溝幅(1層目:A2w)が、第1圧入部15を圧入嵌合により組み付ける際に第1圧入部15により削られる幅(A2t)よりも図示上下方向に広い寸法に設定されている。
複数の第2逃げ溝44は、図7(a)および図8に示したように、ターミナル圧入方向に対して垂直方向(図示上下方向)の逃げ溝幅(2層目:A3w)が、第2圧入部16を圧入嵌合により組み付ける際に第2圧入部16により削られる幅(A3t)よりも図示上下方向に広い寸法に設定されている。
複数の第1逃げ溝43は、図7(a)、(b)に示したように、ターミナル圧入方向に対して垂直方向(図示左右方向)の逃げ溝幅(B2w)が、一対の圧入突起33間の最も狭い対向距離および第1圧入部15のうちの最も狭い横幅(ターミナル幅:B2t)よりも広い寸法に設定されている。
複数の第2逃げ溝44は、図7(a)および図8に示したように、ターミナル圧入方向に対して垂直方向(図示左右方向)の逃げ溝幅(B3w)が、一対の圧入突起34間の最も狭い対向距離および第2圧入部16のうちの最も狭い横幅(ターミナル幅:B3t)よりも広い寸法に設定されている。
複数の第1逃げ溝43は、図7(b)および図9に示したように、ターミナル圧入方向と同一方向の逃げ溝深さ(1層目:C2)が、第1圧入部15を圧入嵌合により組み付ける際に第1圧入部15により削られる樹脂の削り屑Kの体積(V2t)よりも大きな体積(1層目容積:V2w)となるような寸法に設定されている。
複数の第2逃げ溝44は、図8および図9に示したように、ターミナル圧入方向と同一方向の逃げ溝深さ(2層目:C3)が、第2圧入部16を圧入嵌合により組み付ける際に第2圧入部16により削られる樹脂の削り屑Kの体積(V3t)よりも大きな体積(2層目容積:V3w)となるような寸法に設定されている。
ここで、複数の第1、第2逃げ溝43、44の各寸法は、下記の数4〜9の式のように設定される。
[数4]
A2w≧A2t
[数5]
A3w≧A3t
[数6]
B2w≧B2t
[数7]
B3w≧B3t
[数8]
C2:V2w≧V2tとなるような逃げ溝深さ
[数9]
C3:V3w≧V3tとなるような逃げ溝深さ
[実施例2の効果]
以上のように、本実施例の配線ユニットにおいては、実施例1と同様な効果を奏する。さらに、本実施例の配線ユニットにおいては、以下の効果も備える。
1.複数の1層目ターミナル2および複数の2層目ターミナル3の組み付け後の品質向上について
多段に積層して配置される複数の第1、第2圧入部15、16を、一対の圧入突起33、34間に形成される第1、第2挟持部41、42に圧入嵌合により組み付ける場合でも、最下層のターミナル挿入空間に削られた樹脂の削り屑を収容する第1逃げ溝43を設けるだけでなく、最下層以外のターミナル挿入空間に削られた樹脂の削り屑を収容する第2逃げ溝44を設けることにより、金属ターミナルの配置が多層となったとしても、全ての金属ターミナル(1層目ターミナル2および2層目ターミナル3)の位置精度を保証することができる。
2.削り出された樹脂の削り屑を逃がす第1、第2逃げ溝43、44の形状を、金属ターミナル(1層目ターミナル2および2層目ターミナル3)の組み付け位置を決める圧入突起33、34の削られる部位よりも大きくすることにより、削り出された樹脂の削り屑削全てを第1、第2逃げ溝43、44内に納めることができる。
[変形例]
本実施例では、配線保持体5の配線部の表面に、ターミナル長手方向に延びる複数の突条部11を並列して配置しているが、配線保持体5の配線部の表面を平坦面とし、その平坦面を凹ませて複数の挿入溝を並列して設けても良い。この場合、挿入溝の両側壁が一対の対向壁面となる。
本実施例では、配線保持体5の配線部の表面に、制御ユニットと外部コネクタとを配線接続する複数の第1ターミナル1と、制御ユニットと内部コネクタとを配線接続する複数の第2ターミナル1とを位置決め固定しているが、配線保持体5の配線部の表面に、複数の第1ターミナル1または複数の第2ターミナル1を位置決め固定しても良い。
また、複数の第1ターミナル1または複数の第2ターミナル1を3層以上多層配置しても良い。
また、複数の第1ターミナル1または複数の第2ターミナル1を3列以上並列配置しても良い。
1 第1、第2ターミナル
2 1層目のターミナル
3 2層目のターミナル
5 配線保持体
21 突条部
27 圧入突起
29 逃げ溝(凹部)
30 圧入ピン(突条部)
33 圧入突起
34 圧入突起

Claims (13)

  1. (a)自動変速機のケース内部に設置される制御ユニットと前記ケース内部に設けられる内部機器または前記ケース外部に設けられる外部機器とを配線接続する複数のターミナル(1〜3)と、
    (b)所定の距離を隔てて並列配置される複数の突条部(21、30)を有し、隣接する突条部(21、30)間に前記ターミナル(1〜3)を保持する合成樹脂製の配線保持体(5)と
    を備えた自動変速機の配線装置において、
    前記複数のターミナル(1〜3)は、前記隣接する突条部(21、30)間に圧入される金属製の圧入部(12、15、16)を有し、
    前記配線保持体(5)は、前記隣接する突条部(21、30)のうちの少なくとも一方の突条部(21、30)から他方の突条部(21、30)側へ突出し、且つ前記他方の突条部(21、30)との間で前記圧入部(12、15、16)を圧入嵌合する圧入突起(27、33、34)、およびこの圧入突起(27、33、34)に対応して設けられて、前記ターミナル(1〜3)を組み付ける際に前記圧入部(12、15、16)により削られた樹脂の削り屑(K)を収容する凹部(29、43、44)を有していることを特徴とする自動変速機の配線装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機の配線装置において、
    前記配線保持体(5)は、前記複数のターミナル(1〜3、11)の位置決めを行う係止部(25、31、32)を有していることを特徴とする自動変速機の配線装置。
  3. 請求項2に記載の自動変速機の配線装置において、
    前記凹部(29、43、44)は、前記係止部(25、31、32)よりも前記ターミナル(1〜3)の圧入方向の先端側に設置されて、前記ターミナル(1〜3)を組み付ける際に前記ターミナル(1〜3)により削られた樹脂の削り屑(K)を前記ターミナル(1〜3、11)と前記係止部(25、31、32)との間から逃がすことを特徴とする自動変速機の配線装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の自動変速機の配線装置において、
    前記圧入突起(27、33、34)は、前記複数の突条部(21、30)から互いに向き合うように突出する一対の圧入突起(27、33、34)を有していることを特徴とする自動変速機の配線装置。
  5. 請求項4に記載の自動変速機の配線装置において、
    前記ターミナル(1〜3)は、前記一対の圧入突起(27、33、34)間で圧入嵌合されることを特徴とする自動変速機の配線装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の自動変速機の配線装置において、
    前記ターミナル(1〜3)は、その圧入方向に対して垂直方向に並列に配置されていることを特徴とする自動変速機の配線装置。
  7. 請求項6に記載の自動変速機の配線装置において、
    前記圧入突起(27、33、34)は、前記ターミナル(1〜3)の圧入方向に対して垂直方向に並列に配置される複数の圧入突起(27、33、34)を有し、
    前記凹部(29、43、44)は、前記複数の圧入突起(27、33、34)のうちの少なくとも1つの圧入突起(27、33、34)に対応して設けられていることを特徴とする自動変速機の配線装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の自動変速機の配線装置において、
    前記複数のターミナル(2、3)は、その圧入方向と同一方向に多層に配置されていることを特徴とする自動変速機の配線装置。
  9. 請求項8に記載の自動変速機の配線装置において、
    前記圧入突起(27、33、34)は、前記ターミナル(1〜3)の圧入方向と同一方向に多層に配置される複数の圧入突起(27、33、34)を有し、
    前記凹部(29、43、44)は、前記複数の圧入突起(27、33、34)のうちの少なくとも1つの圧入突起(27、33、34)に対応して設けられていることを特徴とする自動変速機の配線装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載の自動変速機の配線装置において、
    前記複数のターミナルは、ターミナル圧入方向の先端側に配置される下層側ターミナル(2)、およびこの下層側ターミナル(2)よりもターミナル圧入方向の基端側に配置される上層側ターミナル(3)を有し、
    前記複数の圧入突起(27、33、34)は、ターミナル圧入方向の基端側に配置される上層側圧入突起(27、33、34)、およびこの上層側圧入突起(27、33、34)よりもターミナル圧入方向の先端側に配置される下層側圧入突起(27、33、34)を有し、
    前記下層側ターミナル(2)は、前記上層側圧入突起(27、33、34)との干渉を避ける切欠きを有していることを特徴とする自動変速機の配線装置。
  11. 請求項1ないし請求項10のうちのいずれか1つに記載の自動変速機の配線装置において、
    前記凹部(29、43、44)は、前記ターミナル(1〜3)の圧入方向に対して垂直方向の溝幅が、前記ターミナル(1〜3)を組み付ける際に前記ターミナル(1〜3)により削られる形状よりも広い寸法に設定されていることを特徴とする自動変速機の配線装置。
  12. 請求項1ないし請求項11のうちのいずれか1つに記載の自動変速機の配線装置において、
    前記ターミナル(1〜3)は、その圧入方向に対して垂直方向の幅を有し、
    前記凹部(29、43、44)は、前記ターミナル(1〜3)の圧入方向に対して垂直方向の溝幅が、前記ターミナル(1〜3)の幅よりも広い寸法に設定されていることを特徴とする自動変速機の配線装置。
  13. 請求項1ないし請求項12のうちのいずれか1つに記載の自動変速機の配線装置において、
    前記凹部(29、43、44)は、前記ターミナル(1〜3)の圧入方向と同一方向の溝深さが、前記ターミナル(1〜3)を組み付ける際に前記ターミナル(1〜3)により削られる形状よりも大きな体積となるような寸法に設定されていることを特徴とする自動変速機の配線装置。
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