JP2009174668A - 電子制御装置 - Google Patents

Abstract

【課題】
本発明の目的は、変速装置ケースの内部に搭載した電子制御装置において、油圧制御機構部の種類（車種）や外部負荷部品の種類や数量により、配線材を種類毎に準備することなく、中継コネクタを一体化し、変速装置ケース内部に固定することで電子制御装置と中継コネクタを共通化とする構造を提供することである。
【解決手段】
変速装置ケースの内外を電気的または機械的に接続する中継コネクタ２１を電子制御装置１の筐体２に一体化し、電子制御装置１の筐体２に固定用のフランジ部２３を設け、変速装置ケースに開口を設け、変速装置ケースの開口から中継コネクタ２１を突き出した状態でフランジ部２３を変速装置ケースにボルトで固定した。
【選択図】図１

Description

本発明は、変速装置ケースの内部に搭載した電子制御装置に対して、変速装置ケースの内外を電気的または機械的に接続するコネクタを一体化し、変速装置ケース内部に固定した電子制御装置に関する。特には、油中環境下で使用される自動車変速装置用の電子制御装置に関する。

従来、変速装置ケースの内部に搭載した電子制御装置は、変速装置ケースの内外を電気的または機械的に接続する構造として、特許文献１に記載されたものが知られている。この従来構造は、変速装置ケースの内外を接続するコネクタと導電線を介して、外部負荷部品や電子制御装置に接続される構成としている。

また、一般的な変速装置ケースの内部に搭載した電子制御装置の取り付け位置は、油圧制御機構部の上または下に搭載されている。

特許３２２２１４０号

解決しようとする問題点は、従来構造において、変速装置ケースの内外を電気的または機械的に接続する中継コネクタ，外部負荷部品，電子回路部への接続をする配線材が備えられるが、油圧制御機構部の種類（車種）や外部負荷部品の種類や数量により、配線材を種類毎に準備する必要があるため、機電一体とした電子制御装置の共通化をはかることが困難となる問題があった。

また、油圧制御機構部の上または下に電子回路部を設ける場合、電子回路部の面積分が配線材の引き回しの制約になり、配線が困難となる課題があった。

さらに、組立工程において、変速装置ケースを逆さにして、油圧制御機構部を搭載するため、垂直方向にコネクタを配置する場合、逆さにした変速装置ケースを戻し、変速装置ケースの外側からコネクタを引き、変速装置ケースの外側で固定する必要があった。また、水平方向にコネクタを配置する場合、油圧制御機構部が垂直方向に取り付けるため、変速装置ケースに組み込むことが困難となる課題があった。

また、変速装置ケースの内外を電気的または機械的に接続する中継コネクタと、コネクタを備えた導電線を介して、外部負荷部品や電子制御装置に接続される構成としているため、コネクタを設けた導電線が必要となり、さらに、変速装置ケースの内外を接続する中継コネクタと外部負荷側や電子制御装置側にもコネクタを設ける必要があるため、部品点数が多くなる。部品点数が多くなることで、組立工程が増える問題があった。コネクタや導電線は、油中環境で使用できる防水性または耐油性の仕様となるため、材料のグレードが上がりコストが高くなるという課題もあった。

変速装置ケースの内外を接続する中継コネクタと油圧制御機構部または外部負荷部品との接続において、両側共に、剛体による構成を設ける場合、中継コネクタの位置ずれと油圧制御機構部または外部負荷部品の位置ずれを吸収するハーネスを設ける必要があった。

本発明は、変速装置ケースの内部に搭載した電子制御装置において、油圧制御機構部の種類（車種）や外部負荷部品の種類や数量により、配線材を種類毎に準備することなく、さらに、配線材の引き回しの制約がなく、電子制御装置の筐体に、変速装置ケースの内外を電気的または機械的に接続する中継コネクタを一体化し、電子制御装置の筐体に、固定用のフランジ部を設けて、変速装置ケースに開口を設け、コネクタを開口から外部に突き出した状態でフランジ部を変速装置ケースにボルトにより固定する特徴とする。

組立工程において、垂直方向にコネクタを配置する場合、変速装置ケースの外側からコネクタを引くことなく、さらに、変速装置ケースの外側で固定する必要がなく、電子制御装置の筐体に、変速装置ケースの内外を電気的または機械的に接続する中継コネクタを一体化し、電子制御装置の筐体に、固定用のフランジ部を設けて、変速装置ケースに開口を設け、コネクタを開口から外部に突き出した状態でフランジ部を変速装置ケースにボルトにより固定する特徴とする。

部品点数において、変速装置ケースの内外を電気的または機械的に接続するコネクタと、コネクタを設けた導電線と、外部負荷部品側または電子制御装置側にコネクタを設けることなく、導電接続部をフレキシブルに作動する長さのある端子を設け、油圧制御機構部の配線端子をＬ字形状とし、両端子を溶接による電気的または機械的に接続をする特徴とする。

組立性において、中継コネクタの位置ずれと油圧制御機構部または外部負荷部品の位置ずれを吸収するハーネスを設けることなく、導電接続部をフレキシブルに作動する長さのある端子を設け、油圧制御機構部の配線端子を配線材とし、端子と配線材を互いに向き合わせて溶接による電気的または機械的に接続をする特徴とする。

本発明によれば、変速装置ケースの内部に搭載した電子制御装置において、油圧制御機構部の種類（車種）や外部負荷部品の種類や数量により、配線材を種類毎に準備することなく、中継コネクタを一体化し、変速装置ケース内部に固定することで電子制御装置と中継コネクタを共通化できる利点がある。さらに、配線材の引き回しの制約がなく、配線スペースを確保できる利点がある。

組立工程において、変速装置ケースの外側からコネクタを引くことなく、さらに、変速装置ケースの外側で固定する必要がなく、中継コネクタを一体化し、変速装置ケース内部に固定することで、再度、変速装置ケースを戻す工程の削減と簡素化できる利点がある。

部品点数において、変速装置ケースの内外を電気的または機械的に接続するコネクタと、コネクタを設けた導電線と、外部負荷部品側または電子制御装置側にコネクタを設けることなく、導電接続部をフレキシブルに作動する長さのある端子を設け、油圧制御機構部の配線材をＬ字形状とし、端子と配線材を互いに向き合わせて溶接による電気的または機械的に接続をすることで、部品点数の削減を向上できる利点がある。

組立性において、中継コネクタの位置ずれと油圧制御機構部または外部負荷部品の位置ずれを吸収するハーネスを設けることなく、導電接続部をフレキシブルに作動する長さのある端子を設け、油圧制御機構部の配線材をＬ字形状とし、端子と配線材を互いに向き合わせて溶接による電気的または機械的に接続することで、位置ずれを吸収でき、部品コストの低減ができる利点がある。

以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例によって具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

図１は、本発明に係る変速装置ケース内に搭載している電子制御装置を示す斜視図である。図２は、一般的な変速装置ケース内に搭載しているシステムを示す要部断面図である。図３は、本発明に係る変速装置ケース内に搭載しているシステムを示す要部断面図である。図４は、本発明に係る電子回路封入部材を示す斜視図である。図５は、本発明に係る変速装置ケース内に搭載している電子制御装置を示す要部断面図である。

図２に示すように、一般的な変速装置ケース６内に搭載しているシステムは、変速機構部９と油圧制御機構部７とで構成されている。油圧制御機構部７は、電子回路封入部材３と、油圧回路部を含む配線材７１と、外部負荷部品８から構成されている。油圧回路部を含む配線材７１は、コントロールバルブ，配電盤等を含んでいる。また、外部負荷部品８は、各種センサ，スイッチ，アクチュエータ等を含んでいる。電子回路封入部材３と外部負荷部品８は、配線材７１の上または下に配置されてもよい。配線材７１は、油圧制御機構部７と変速装置ケース６外界と接続する中継するコネクタ６０と、コネクタを備えたハーネス等による導電接続部５を設けて電気的に接続している。中継コネクタ６０の組立工程は、変速装置ケース６を逆さにし、油圧制御機構部７と中継コネクタ６０を接続した状態で、変速装置ケース６に搭載するときに、中継コネクタ６０を突出させる。突出した中継コネクタ６０は、変速装置ケース６の外側より、中継コネクタ６０を引っ張り、変速装置ケース６の外側で、止め輪６１等で固定している。

図３に示すように、本実施の形態の変速装置ケース６内に搭載しているシステムは、変速機構部９と油圧制御機構部７とで構成されている。油圧制御機構部７は、油圧回路部を含む配線材７１と、外部負荷部品８から構成されている。配線材７１は、油圧制御機構部７と変速装置ケース６外界と接続する中継コネクタ２１一体の電子制御装置１と、コネクタを備えたハーネス等による導電接続部５を設けて電気的に接続している。電子制御装置１は、電子回路封入部材３を搭載し、中継コネクタ２１を一体化しており、変速装置ケース６の内側にボルト６２で固定されている。

図１及び図５に示すように、本実施の形態の電子制御装置１は、電子回路封入部材３と電子回路封入部材３を収容する筐体２と、電子回路封入部材３を筐体２に固定するプレート４１とネジ４２と、導電接続部５を主な部材として構成されている。

図４に示すように、本実施の形態の電子回路封入部材３は、電子回路部（図示せず）とターミナル３１とベース部材３２を接続し、ターミナル３１の一部とベース部材３２の一部を露出させて周囲を封止材で被膜して形成してある。被膜部は成形性の良い形状で形成してある。封止材は、電子回路部への油の侵入を防ぐ。ターミナル３１は、両側面から平行に突出して形成してある。ベース部材３２は、ターミナル接続方向に対し、直交する方向の両側面から突出しており、角窓を備えて、電子回路封入部材を固定するためにクランク状に形成してある。

電子回路封入部材３を収容する筐体２は、筐体本体２０と、変速装置ケース６の内外を電気的または機械的に接続する中継コネクタ２１と、電子回路封入部材３を固定するベース２２と、電子回路封入部材３を覆うカバー２４と、導電接続部５と接続するコネクタ２９とで構成されている。中継コネクタ２１は筐体本体２０と一体に成形さており、結果として筐体２と一体になっている。

ベース２２は、筐体本体２０と一体に成形されても、別々で成形されてもよい。ベース２２の部材は、電子回路封入部材３の発熱を変速装置ケース６へ逃がすためにも金属であることが望ましい。また、ベース２２には変速装置ケース６に固定するためのフランジ部２３ｂを設け、電子回路封入部材３を固定するためのバーリング部にネジ４２を締めるタップ加工部２２ａを設けている。

筐体本体２０にもフランジ部２３ａを設け、フランジ部２３ａと２３ｂとで筐体２のフランジ部２３が構成される。図３に示すように、変速装置ケース６には開口６３が形成され、開口６３の周囲には中継コネクタ２１の取付部６４が形成されている。この取付部６４にはボルト６２のねじ穴６５が形成されている。開口６３から中継コネクタ２１を突き出させ、筐体２のフランジ部２３を取付部６４に当て、ボルト６２でフランジ部２３を取付部６４に固定することにより、電子制御装置１が中継コネクタ２１と共に変速装置ケース６に固定される。取付部６４の肉厚を変速装置ケース６の他の部分よりも厚くしても良い。

筐体一体の中継コネクタ２１は、耐油性のある樹脂で成形してある。または、変速装置ケース６と変速装置ケース６内外の気密を確保するためのＯリング２００を備えている。中継コネクタ２１には、電子回路封入部材３のターミナル３１と接続する端子２７を設け、ターミナル３１と接続できるように一部突出してインサート成形をしている。また、組立より、油圧制御機構部７の取り付け方向と同一で垂直方向に、コネクタの間口を開口する。

導電接続部５と接続するコネクタ２９も同様に、電子回路封入部材３のターミナル３１と接続する端子２８を設け、ターミナル３１と接続できるように一部突出してインサート成形をしている。また、中継コネクタ２１の間口と反対方向に、開口間口を備える。一部突出して成形した端子２７または端子２８とターミナル３１は、レーザー溶接により電気的または機械的に接続している。

カバー２４は、スナップフィット部２５を設けて、筐体２またはベース２２に固定している。また、電子回路封入部材３のターミナル３１または中継コネクタの端子２７または導電接続部５と接続するコネクタ２９の端子２８間に、コンタミ等によるショートを保護する串状の絶縁材２６を備え、端子間はラビリンス構造を設けている。串状の絶縁材２６は、カバー２４と一体成形とし、カバー２４の材料は、絶縁のため樹脂を用いている。

プレート４１は、電子回路封入部材３に備えたクランク形状のベース部材３２を筐体２のベース２２とプレート４１で挟み、封入材を覆うようにネジ４２で固定している。

導電接続部５は、油圧制御機構部７の公差と位置ずれ、電子制御装置１の公差と位置ずれをフレキシブルに作動できる材料または形状で形成されている。

本実施例によれば、変速装置ケースの内部に搭載した電子制御装置において、油圧制御機構部の種類（車種）や外部負荷部品の種類や数量により、配線材を種類毎に準備することなく、中継コネクタを一体化し、変速装置ケース内部に固定することで電子制御装置と中継コネクタを共通化できる利点がある。さらに、配線材の引き回しの制約がなく、配線スペースを確保できる。

組立工程において、変速装置ケースの外側からコネクタを引くことなく、さらに、変速装置ケースの外側で固定する必要がなく、中継コネクタを一体化し、変速装置ケース内部に固定することで、再度、変速装置ケースを戻す工程の削減と簡素化できる。

図６は、本発明に係る変速装置ケース内に搭載している電子制御装置を示す要部断面図である。

電子回路封入部材３のターミナル３１と溶接による接続をした端子２８は、導電接続部５としてフレキシブルに作動する長さとし、垂直方向に引き出す。端子２８に加わる応力を逃がす構造であればよい。また、油圧制御機構部７の配線材７１をＬ字形状とし、端子２８と配線材７１を互いに向き合わせて溶接による接続をする。端子２８の長さがあればあるほど、公差のばらつきや位置ずれ分を吸収できる可動範囲が広くなる。端子２８の材料として、耐油性があり、伸びのある金属材料が好ましい。配線材７１の材料として、端子２８同様に、耐油性があり、伸びのある金属材料または導電線が好ましい。

本実施例によれば、変速装置ケースの内外を電気的または機械的に接続するコネクタと、コネクタを設けた導電線と、外部負荷部品側または電子制御装置側にコネクタを設けることなく、導電接続部をフレキシブルに作動する長さのある端子を設け、油圧制御機構部の配線材をＬ字形状とし、端子と配線材を互いに向き合わせて溶接により電気的または機械的に接続をすることで、部品点数の削減を向上できる。

組立性において、中継コネクタの位置ずれと油圧制御機構部または外部負荷部品の位置ずれを吸収するハーネスを設けることなく、導電接続部をフレキシブルに作動する長さのある端子を設け、油圧制御機構部の配線材をＬ字形状とし、端子と配線材を互いに向き合わせて溶接により電気的または機械的に接続することで、位置ずれを吸収でき、部品コストの低減ができる。

本発明に係る電子制御装置の斜視図である。 一般的な変速装置ケース内に搭載しているシステムの要部断面図である。 本発明に係る変速装置ケース内に搭載しているシステムの要部断面図である。 本発明に係る電子回路封入部材の斜視図である。 図１に示した電子制御装置の要部断面図である。 本発明に係る電子制御装置の要部断面図である。

符号の説明

１ 電子制御装置
２ 筐体
３ 電子回路封入部材
５ 導電接続部
６ 変速装置ケース
７ 油圧制御機構部
８ 外部負荷部品
９ 変速制御機構部
２０ 筐体本体
２１ 中継コネクタ
２２ ベース
２２ａ タップ加工部
２３，２３ａ，２３ｂ フランジ部
２４ カバー
２５ スナップフィット
２６ 串状の絶縁材
２７，２８ 端子
２９ コネクタ
３１ ターミナル
３２ ベース部材
４１ プレート
４２ ネジ
６１ 止め輪
６２ ボルト
６３ 開口
６４ 取付部
６５ ねじ穴
７１ 配線材
２００ Ｏリング

Claims (7)

1. ベース部材に搭載された電子回路部とターミナルを接続させた後、当該ターミナルの一部とベース部材の一部を露出させるよう封止材で外周を覆った電子回路封入部材と、電子回路封入部材を収容する筐体を備えた変速装置ケースの内部に搭載した電子制御装置において、
   前記電子制御装置の前記筐体の一部に、前記変速装置ケースの内外を電気的または機械的に接続するコネクタを一体化し、前記電子回路封入部材の前記ターミナルと前記コネクタの端子とを接続したことを特徴とする変速装置ケースの内部に搭載した電子制御装置。
2. 請求項１において、前記電子制御装置の前記筐体に固定用のフランジ部を設け、前記変速装置ケースに開口を設け、前記コネクタを前記開口から外部に突き出した状態で前記フランジ部を前記変速装置ケースにボルトにより固定したことを特徴とする変速装置ケースの内部に搭載した電子制御装置。
3. 請求項１または２において、前記電子制御装置に一体化した前記コネクタの間口を垂直方向に備えたことを特徴とする変速装置ケースの内部に搭載した電子制御装置。
4. 請求項３において、前記コネクタの間口と反対方向に、フレキシブル材による導電接続部を設けたことを特徴とする変速装置ケースの内部に搭載した電子制御装置。
5. 請求項４において、前記導電接続部を外部負荷部品または油圧制御機構部と接続したことを特徴とする変速装置ケースの内部に搭載した電子制御装置。
6. 請求項４において、前記導電接続部をフレキシブルに作動する長さのある端子を設け、油圧制御機構部の配線材をＬ字形状とし、前記端子と前記配線材を互いに向き合わせて溶接により接続したことを特徴とする変速装置ケースの内部に搭載した電子制御装置。
7. 請求項１乃至６のいずれかにおいて、前記ターミナルまたは前記端子間に、筐体の一部に串状の絶縁部材を設けたことを特徴とする変速装置ケースの内部に搭載した電子制御装置。

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