JP2011252131A - 硬化性に優れる自己乳化性エポキシ塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (A)エポキシ当量が100〜3000g/当量であるエポキシ樹脂、(B)(1)水酸基価が50〜150g/当量であるビスフェノール型エポキシ樹脂、(2)1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物、および(3)片末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン化合物を特定量反応させて得られる変性エポキシ樹脂、および(C)アミン硬化剤からなる、硬化性に優れる自己乳化性エポキシ塗料組成物により上記課題を解決できる。
【選択図】 なし
Description
特許文献1においては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、末端に水酸基を有するポリアルキレングリコールを、触媒の存在下に連結反応させ、続いてイソシアネートを反応させて得られる自己乳化性のエポキシ樹脂が提案されている。この技術においては、基本的にエポキシ基と水酸基の反応に依存するため、自己乳化に必要なポリアルキレングリコール量を確保するためには、その分反応によりエポキシ基が消費されて、エポキシ当量の大きなエポキシ樹脂が生成してしまい、硬化に際してアミン架橋剤を使用しても、高度な架橋構造が得られないという問題点がある。また樹脂中にエポキシ基を十分存在させるために、エポキシ基と水酸基の反応を途中で中断させると、樹脂構造中の末端にエポキシ基のみならず、水酸基も残存することになり、この場合も高度な架橋構造が得られない。
(イ)(A)エポキシ当量が100〜3000g/当量であるエポキシ樹脂、(B)(1)水酸基価50〜150KOHmg/g(固形分)であるビスフェノール型エポキシ樹脂、(2)1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物、および(3)片末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン化合物を反応させて得られる変性エポキシ樹脂、および(C)アミン硬化剤を必須成分とし、変性エポキシ樹脂(B)において、化合物(3)の比率が(B)全体100に対して70〜90重量%である、硬化性に優れる自己乳化性エポキシ塗料組成物であり、さらには好ましくは、
(ロ)エポキシ樹脂(A)/変性エポキシ樹脂(B)の重量比が95/5〜75/25である、(イ)記載の自己乳化性エポキシ塗料組成物であり、さらに好ましくは、
(ハ)変性エポキシ樹脂(B)において、化合物(2)のイソシアネート基1当量に対して、化合物(3)の水酸基が0.3〜0.7当量の範囲で反応させて得られる変性エポキシ樹脂である、(イ)あるいは(ロ)に記載の自己乳化性エポキシ塗料組成物であり、さらに好ましくは、
(ニ)エポキシ樹脂(A)および変性エポキシ樹脂(B)全体のエポキシ基/アミン硬化剤(C)の活性水素基の当量比が1/0.5〜1/1.5である、(イ)、(ロ)あるいは(ハ)に記載の自己乳化性エポキシ塗料組成物である。
[エポキシ樹脂(A)について]
本発明に使用するエポキシ樹脂は、平均して1分子当り2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が好ましく、例えばビスフェノール型エポキシ樹脂が挙げられる。
本発明の変性エポキシ樹脂に使用される(1)水酸基価が50〜150mgKOH/g(固形分)のビスフェノール型エポキシ樹脂は、分子中に水酸基を有し、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するものであり、例えば、jER834、jER1001、jER1002、jER1003、jER1004、jER1007(いずれもジャパンエポキシレジン株式会社製)、エピクロン860、1050、3050、4050、7050(大日本インキ化学工業株式会社製)、DER337、DER661、DER664、DER667(以上、いずれもダウ・ケミカル日本株式会社製)を挙げることが出来る。これらは1種または2種以上併用して使用することができる。
[製造例1]
温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入装置を備えたガラス製4つ口フラスコに、ノイゲンXL−1000(ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、HLB19.3、第一工業製薬株式会社製)422部を仕込み、窒素ガスを導入120℃まで加熱・溶融し、減圧により脱水した。その後内温80℃まで冷却しここにジエチレングリコールジエチルエーテルを122部、jER834(ジャパンエポキシレジン株式会社製、エポキシ当量246)47.0部を仕込み、混合・攪拌した後、デスモジュールT80(トリレンジイソシアネート、住化バイエルウレタン株式会社製)18.3部を30分間で滴下した。この後4時間保温して冷却・濾過した。HLB16.7、エポキシ当量2430g/当量の変性エポキシ樹脂(R1)を得た。
[製造例1]と同様の方法で表1の配合に従い樹脂の製造を行い、それぞれ変性エポキシ樹脂R2〜R5を得た。
jER1001 ジャパンエポキシレジン株式会社製 ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂 エポキシ当量470g/当量
デスモジュールT80 住化バイエルウレタン株式会社製トリレンジイソシアネート 2,4置換体80% 2,6置換体20%
ノイゲンXL−1000 第一工業製薬株式会社製ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル HLB
19.3
DKS−NL250 第一工業製薬株式会社製ポリオキシエチレンラウリルエーテル HLB17.0
DKS−NL600 第一工業製薬株式会社製ポリオキシエチレンラウリルエーテル HLB18.6
[実施例1]
jER828(ジャパンエポキシレジン株式会社製、エポキシ当量187g/当量)420部に対し製造例1で得られた変性エポキシ樹脂100部を仕込み、内温70℃まで攪拌・混合し、イオン交換水480部を加えてホモミキサー(T.K.ロボミックス、プライミクス株式会社製、回転数9000rpm、時間10分)で攪拌し、室温まで冷却した。得られたエポキシ樹脂水性分散体(D1)のエポキシ当量は450g/当量であった。
実施例1と同様の方法で表2の配合に従い、各実施例、比較例に対応するエポキシ樹脂水性分散体(D2〜D8)を得た。乳化性および貯蔵安定性の評価結果を実施例1と合せて表2にまとめて示す。
[評価方法・基準]
(1)乳化性:得られたエポキシ樹脂水性分散体の初期の乳化性を評価する。
◎:非常に良好
○:良好
△:エポキシ樹脂の浮きが僅かに見られる
×:乳化できない
(2)貯蔵安定性:エポキシ樹脂水性分散体を50℃の加温庫に1週間保存して、分離の有無を調べる。
◎:水浮きや沈降物が認められない
○:僅かに水浮きが認められる
△:水浮きや沈降物が少し認められる
×:完全に水浮きして分離している
jER1001 ジャパンエポキシレジン株式会社製 ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂 エポキシ当量470g/当量
ノイゲンXL−1000 第一工業製薬株式会社製ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル HLB
19.3
エポキシ樹脂水性分散体D1〜D8、アミン硬化剤およびイオン交換水を、表3に示す配合で混合して得られたクリヤー塗料を、スレート板(JIS A5430)にローラーで120g/m2 になるように塗布し、80℃で10分乾燥させた後、下記の試験評価方法により評価を行った。結果を表3に示す。
(1)乾燥性:乾燥後の塗膜表面のタック性(指触粘着性)を以下の基準で評価した。
(評価基準)
◎:塗面に粘着感が認められない。
○:塗面に僅かに粘着感が認められる。
△:塗面にやや粘着感が認められる。
×:塗面に強い粘着感が認められる。
(2)基材密着性 密着性はJIS K−5400の付着性の碁盤目テープ剥離試験法により評価した。試験板はスレート板(JIS A5430)にローラーで塗布量120g/m2 になる様に塗布し、80℃で10分乾燥させた後、室温20℃で一週間乾燥させて作製した。
エポルジョンEB−30 日本エヌエスシー株式会社製変性脂肪族ポリアミンのエマルション 活性水素当量 320g/当量
エポキシ樹脂水性分散体D2〜D8、アミン硬化剤を、表4に示す配合で混合して得られた防食塗料を、軟鋼板(JIS )にエアースプレーで膜厚60〜70μmになるように塗布し、23℃、相対湿度50%で7日間乾燥させた後、下記の試験評価方法により評価を行った。結果を表4に示す。
防食性:JIS Z2371塩水噴霧試験に準じて、塩水噴霧に1000時間曝した後の試験塗板に生じた
錆、膨れの発生程度を下記の基準で評価した。
○:錆、膨れが少し発生
×:錆、膨れが著しく発生
付着性:試験塗板を20℃の水中に7日間浸漬した後引上げ、JIS K5600−5.6(2006)クロスカット法に準じて3mm×3mmの升目を25個作成し、その表面に粘着テープを貼付し、急激に剥した後の塗面の残った碁盤目塗膜の個数を記録し、下記の基準で表示する。
◎: 25個、
○: 20〜24個
×: 19個以下
サイロマスク55 二酸化珪素、水酸化カルシウム 富士シリシア化学株式会社製
クラウンタルクC タルク 松村産業株式会社製
SWクレー 二酸化珪素 昭和ケミカル株式会社製
タイペークCR−80 二酸化チタン 石原産業株式会社製
DISPERBYK ポリカルボン酸のアルキルアミン塩分散剤 ビック・ケミー株式会社製
SNシックナー634 変性ポリアクリル系 増粘剤 サンノプコ株式会社製
Claims (4)
- (A)エポキシ当量が100〜3000g/当量であるエポキシ樹脂、(B)(1)水酸基価が50〜150mgKOH/g(固形分)であるビスフェノール型エポキシ樹脂、(2)1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物、および(3)片末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン化合物を反応させて得られる変性エポキシ樹脂、および(C)アミン硬化剤を必須成分とし、変性エポキシ樹脂(B)において、化合物(3)の比率が(B)全体に対して70〜90重量%である、硬化性に優れる自己乳化性エポキシ塗料組成物。
- エポキシ樹脂(A)/変性エポキシ樹脂(B)の重量比が95/5〜50/50である、請求項1に記載の硬化性に優れる自己乳化性エポキシ塗料組成物。
- 変性エポキシ樹脂(B)において、化合物(2)のイソシアネート基1当量に対して、化合物(3)の水酸基が0.3〜0.7当量の範囲で反応させて得られる変性エポキシ樹脂である、請求項1あるいは2に記載の硬化性に優れる自己乳化性エポキシ塗料組成物。
- エポキシ樹脂(A)および変性エポキシ樹脂(B)全体のエポキシ基/アミン硬化剤(C)の活性水素基の当量比が1/0.5〜1/1.5である、請求項1、2あるいは3に記載の硬化性に優れる自己乳化性エポキシ塗料組成物。
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