以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1を用いて、本発明の一実施の形態である携帯型プリンタ1の外観構成を説明する。以下では、図1中左下方向を前方、右上方向を後方、左上方向を左方、右下方向を右方として説明する。
携帯型プリンタ1は、例えばPC端末や携帯電話等の外部機器2(後述の図3参照)より有線通信あるいは無線通信を介して受信した印刷データを被印刷用紙Sに印刷する。この携帯型プリンタ1は、充電式電池10(後述の図2等参照)を電源として駆動可能であり、様々な場所に携帯して使用することができる。
携帯型プリンタ1は、樹脂材料で構成された、装置外郭を構成する略直方体形状のハウジング100を備えている。このハウジング100は、装置外郭上部を構成するトップカバー101と、装置外郭下部を構成するアンダーカバー102と、トップカバー101の上面前方側に開閉可能に設けられたカバー部材103とを備えている。印刷時には、トップカバー101とカバー部材103との間に形成された挿入口104に被印刷用紙Sが挿入される。挿入された被印刷用紙Sは、挿入口104の下方に設けられたガイド部材120により、後述するプラテンローラ111とサーマルラインヘッド112との圧接部P(図2参照)に案内され、印刷完了後にカバー部材103とアンダーカバー102との間に形成された排出口107より排出される。
図2を用いて、携帯型プリンタ1の内部構造を説明する。
携帯型プリンタ1のハウジング100内には、プラテンローラ111とサーマルラインヘッド112とが設けられている。プラテンローラ111は、ハウジング101の内部に設けられた一対のサイドシャーシ部材130L,130R(後述の図9等参照)により回転自在に支持されており、駆動モータ11(後述の図3等参照)により回転駆動されることで被印刷用紙Sを搬送する。サーマルラインヘッド112は、後方側端部に軸部材113を備えた放熱板114上に設けられており、この放熱板114は上記サイドシャーシ部材130L,130Rにより軸部材113を中心に回動可能に支持されている。また、アンダーカバー102の内表面に設けられたメインシャーシ部材150には、上記サーマルラインヘッド112を支持する放熱板114をプラテンローラ111側に回動付勢する複数のコイルバネ115が設けられている。これにより、サーマルラインヘッド112は上記プラテンローラ111に圧接可能となっており、印刷時にはプラテンローラ111に所定の圧接力で接触し、その間に挿通された被印刷用紙Sに所望の印刷を行う。
通常の印刷時においては、カバー部材103を閉じた状態で挿入口104に被印刷用紙Sを挿入することで、被印刷用紙Sが上記ガイド部材120に案内されつつプラテンローラ111により搬送され、サーマルラインヘッド112によって所望の印刷が行われる。紙詰まり等が生じた場合には、カバー部材103を開放することで、サーマルラインヘッド112からプラテンローラ111がリリースされ、容易に用紙を引き出すことが可能となる。
ハウジング100の後方側には、略棒状の充電式電池10を収容するバッテリ収納室105が設けられており、このバッテリ収納室105にはバッテリ室カバー170が着脱可能に設けられている。当該バッテリ室カバー170を取り外した状態では、上記バッテリ収納室105がハウジング100の背面部分に開口する(後述の図22参照)。
図3を用いて、携帯型プリンタ1の機能構成を説明する。
携帯型プリンタ1は、CPU12を有している。このCPU12は、SDRAM13の一時記憶機能を利用しつつROM14に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによって携帯型プリンタ1全体の制御を行う。
CPU12は、携帯型プリンタ1の電源のオン・オフ処理を行う電源回路15と、プラテンローラ111を駆動する駆動モータ11の駆動制御を行うモータ駆動回路16と、サーマルラインヘッド112の駆動制御を行うサーマルヘッド制御回路17とに接続されている。
またCPU12は、用紙検出センサ18と、用紙送り操作を行うためのフィードキー40と、電源のオン・オフ操作を行うための電源キー30とに接続されている。CPU12は、用紙検出センサ18の検出結果に基づき、挿入口104に被印刷用紙Sが挿入されているか否かを検出する。またCPU12は、電源キー30又はフィードキー40が押し下げられた場合に、当該押し下げられたキーに対応した処理を実行する。すなわち、フィードキー40が押し下げられると、CPU12は、上記モータ駆動回路16に制御信号を出力し、駆動モータ11を駆動させてプラテンローラ111を回転させ、被印刷用紙Sを所定量搬送するフィード処理を行う。また、携帯型プリンタ1の電源オフ状態で電源キー30が押し下げられると、CPU12は、電源回路15に制御信号を出力して電源のオン処理を行い、電源オン状態で電源キー30が押し下げられると、電源回路15に制御信号を出力して電源のオフ処理を行う。
なお、上記フィードキー40は、例えば被印刷用紙Sの搬送方向途中位置から印刷を開始するために用紙送りをする場合や、搬送方向長さが所定の長さよりも長い被印刷用紙Sを用いた場合において印刷終了後に用紙を排出するような場合に、操作される。
またCPU12は、USBインターフェース駆動回路21と、無線通信部22と、赤外線通信部23とに接続されている。USBインターフェース駆動回路21は、USB端子24(図1参照)に接続されたUSBケーブル(図示省略)を介して上記外部機器2との間で行われる通信の制御を行う。また無線通信部22は、上記外部機器2との間で行われる赤外線以外の電波による無線通信の制御を行う。また赤外線通信部23は、上記外部機器2との間で行われる赤外線通信の制御を行う。
上記無線通信と赤外線通信との通信規格の切り替えは、次のようにして行われる。すなわち、電源のオフ状態において、上記フィードキー40が押し下げられた状態で、上記電源キー30が押し下げられた場合、CPU12は電源のオン処理を実行すると共に、通信規格の切り替えを実行する。したがって、通信規格が無線通信である場合に上記操作が行われると赤外線通信に切り替えられ、通信規格が赤外線通信である場合に上記操作が行われると無線通信に切り替えられる。
このような構成において、携帯型プリンタ1で印刷する際には、操作者はPC端末や携帯電話等の外部機器2において、被印刷用紙Sに印刷する印刷データの入力を行うとともに、印刷開始指示入力を行う。これにより、外部機器2から携帯型プリンタ1に、上記USBケーブル、又は、無線通信若しくは赤外線通信を介して、印刷データが送信され、携帯型プリンタ1において印刷データに基づいた印刷が行われる。
以上のような基本構成である携帯型プリンタ1においては、上記電源キー30とフィードキー40とで、操作に必要な押し下げ力を異ならせた構成としている。次に、この詳細について説明する。
図4乃至図6を用いて、電源キー30及びフィードキー40の構成について説明する。
前述の図1に示すように、携帯型プリンタ1においては、上記電源キー30及びフィードキー40は、トップカバー101の上面左側に設けたキー操作部106に集中して設けられており、互いに隣接して配置されている。図5及び図6に示すように、各キー30,40は、上方から下方に向けて、キーパネル31,41、スペーサ32,42、接地されたGND電極33,43及びCPU12に接続されたキー電極34,44、ポリエチレンテレフタレート(PET)等により構成された基板35,45、静電気対策用に銀で形成された静電対策層36,46、保護膜37,47の順にそれぞれ積層されて構成されている。
図4に示すように、上記GND電極33,43はキー電極34,44の周囲を囲むように一体的に基板35,45上にパターン形成されている。また、キー電極34,44は、基板35,45上にパターン形成された配線38,48によりCPU12にそれぞれ接続されている。
上記キーパネル31,41の内部には、上記スペーサ32,42により形成された空間内に、キーパネル31,41側に向けて球状に膨らんだ膨出部39a,49aを有する金属製のメタルドーム部材39,49が設けられている。これらのメタルドーム部材39,49は、各膨出部39a,49aの反り返りを利用して各キー30,40の押し下げ力に対し反力を付与する。これにより、操作者が各キー30,40を押し下げ操作する際にクリック感が得られ、良好な操作感が得られるようになっている。またメタルドーム部材39,49は、各キー30,40が押し下げられた際に、キー電極34,44とGND電極33,43とを接続する接点としての役割も果たしている。
このとき、図5及び図6に示すように、メタルドーム部材39の膨出部39aの膨出量h1が、メタルドーム部材49の膨出部49aの膨出量h2より大きくなるように構成されている。これにより、メタルドーム部材39はメタルドーム部材49よりも大きな反力を付与するため、電源キー30を操作するためには、フィードキー40を操作する場合よりも大きな押し下げ力が必要となっている。
図7を用いて、上記構成により得られる効果を説明する。
携帯型プリンタ1においては、機器全体の小型化を図るために各キー30,40自体の小型化が行われる上に、スペース効率を向上するために前述したように各キー30,40がキー操作部106の1箇所に集中配置されている。このため、図7(a)に示すように、フィードキー40を押し下げる際に操作者の指Fが誤って隣接する電源キー30に触れるおそれがある。このとき、上述したように電源キー30の操作にはフィードキー40よりも大きな押し下げ力が必要であり、電源キー30は押し下げにくくなっているため、電源キー30の誤操作を抑制できるようになっている。
一方で、図7(b)に示すように、操作者が電源キー30を押し下げる場合には、フィードキー40に比べて大きな力が必要となるために、操作者は指Fで的確な位置を押し下げる必要がある。このため、隣接するフィードキー40に触れるおそれが減少する。このようにして、隣接して配置された電源キー30とフィードキー40との誤操作防止を図ることができる。
図8を用いて、携帯型プリンタ1の電源オン状態において、CPU12により実行される電源キー30及びフィードキー40の操作に関わる制御内容を説明する。
ステップS10では、CPU12は、フィードキー40が押し下げられたか否かを判定する。フィードキー40が押し下げられていない場合には、判定が満たされずにステップS20に移る。ステップS20では、CPU12は、電源キー30が押し下げられたか否かを判定する。電源キー30が押し下げられていない場合には、判定が満たされずに上記ステップS10に戻る。
上記ステップS10において、フィードキー40が押し下げられた場合には、判定が満たされてステップS30に移る。ステップS30では、CPU12は、フィードキー40と共に、電源キー30が同時に押し下げられたか否かを判定する。電源キー30が同時に押し下げられていない場合には、判定が満たされずにステップS40に移り、CPU12は、モータ駆動回路16に制御信号を出力し、駆動モータ11を駆動させてプラテンローラ111を回転させ、被印刷用紙Sを所定量搬送する上記フィード処理を実行する。そして、上記ステップS10に戻る。
一方、上記ステップS30において、電源キー30が同時に押し下げられた場合には、判定が満たされてステップS50に移り、CPU12は、電源回路15に制御信号を出力し、携帯型プリンタ1の電源をオフとする電源オフ処理を実行する。なお、CPU12は、上記ステップS20において電源キー30が押し下げられた場合にも、判定が満たされて本ステップS50に移り、同様に電源オフ処理を実行する。そして、本フローチャートを終了する。
以上の制御により、操作者が電源キー30及びフィードキー40のいずれも操作しない間は、ステップS10及びステップS20が繰り返される。このとき、電源キー30が単独で操作された場合には、ステップS20の判定が満たされてステップS50に移り、上記電源オフ処理が実行される。一方、フィードキー40が単独で操作された場合には、ステップS10の判定が満たされると共に、ステップS30の判定が満たされずにステップS40に移り、上記フィード処理が実行される。
また、電源キー30とフィードキー40とが同時に操作された場合には、ステップS10及びステップS30の判定が共に満たされてステップS50に移り、フィード処理は実行されずに電源オフ処理が実行される。このように、電源キー30を優先させて処理を実行するのは、上述したように電源キー30の操作にフィードキー40よりも大きな押し下げ力が必要な状態において、電源キー30とフィードキー40とが同時に押し下げられた場合には、電源キー30の方により大きな押し下げ力が付与されたと考えられ、この場合には操作者は電源キー30の操作を意図してキーの押し下げを行ったと推測できるからである。したがって、上記制御を行うことにより、操作者の意図に適合した処理を行うことができるようになっている。
次に、図9乃至図13を用いて、前述したガイド部材120の固定構造について説明する。なお、以下の説明において前後左右上下の各方向をいうときは、ガイド部材120等の各部品が携帯型プリンタ1に取り付けられた状態での各方向に対応している。
図9に示すように、携帯型プリンタ1は、ハウジング100を構成するトップカバー101、アンダーカバー102、及びカバー部材103と、シャーシ組立体50とを組み付けることによって、概略組み立てられる。シャーシ組立体50は、アンダーカバー102の内表面に設けられた、シャーシ組立体50の底部を構成するメインシャーシ部材150と、このメインシャーシ部材150の長手方向両側端部より立設される一対のサイドシャーシ部材130L,130Rとを備えている。サイドシャーシ部材130L,130Rは、軸孔131にプラテンローラ111の軸部材111aを挿通することにより、プラテンローラ111を回転可能に支持している。またサイドシャーシ部材130L,130Rは、サーマルラインヘッド112を備えた放熱板114を、前述した軸部材113を介して回動可能に支持している。
左側のサイドシャーシ部材130Lには、プラテンローラ111を駆動する前述の駆動モータ11と、この駆動モータ11の駆動力をプラテンローラ111の上記軸部材111aに伝達する、複数のギアからなるギア機構132が設けられている。
また、サイドシャーシ部材130L,130Rの上部には、ビーム部材140が架け渡され、ネジにより固定されている。そして、挿入口104から挿入された被印刷用紙Sをプラテンローラ111とサーマルラインヘッド112との圧接部Pに案内する前述のガイド部材120は、ハウジング100を構成するトップカバー101、アンダーカバー102、及びカバー部材103とは分離された別体として構成されており、上記ビーム部材140に固定されることによって、サイドシャーシ部材130L,130Rに設けられている。
図10及び図11に示すように、ガイド部材120は、その上部に、シャーシ組立体50への組み付け時に略水平となる水平面121と、この水平面121から装置内部側に向けて傾斜した傾斜面122とを有している。これら水平面121及び傾斜面122上には、被印刷用紙Sの案内方向に沿って形成された複数の突条部材123が、長手方向に並列して設けられている。またガイド部材120は、上記水平面121の下部の前後方向両側に、下方に立設されたリブ部124,125を有している。これらリブ部124,125と上記水平面121とにより、ガイド部材120の後方側はその側断面形状が下方を開放した略コの字型となっており、当該部分をビーム部材140に被せるようにして取り付けられる(後述の図13参照)。
上記リブ部124の長手方向複数箇所(この例では5箇所)には、ビーム部材140の短手方向一方側である前方側(図10中左下側、図11中左上側)における対応する位置に設けられた複数(この例では5つ)の係合孔141に係合可能な固定爪部材126が、後方側(図11中右下側)に突出するように設けられている。これら固定爪部材126は、同一形状に形成されている。一方、上記リブ部125の長手方向1箇所には、ビーム部材140の短手方向他方側である後側(図11中右下側)における対応する位置に設けられた係止部142に係止可能な鉤状のフック部材127が設けられている。これにより、ガイド部材120は、上記固定爪部材126をビーム部材140の前方側の係合孔141に係合させた状態で、フック部材127をビーム部材140の後方側の係止部142に係止させて、ビーム部材140をその前後方向両側より上記固定爪部材126とフック部材127とで挟み込むようにして固定できるようになっている(後述の図13参照)。なお、ここでは上記係止部142とこれに係止するフック部材127をビーム部材140及びガイド部材120のそれぞれ長手方向1箇所に設けたが、複数箇所に設けてもよい。
また、ビーム部材140に設けられた上記5つの係合孔141のうち、長手方向中心に位置する1つの係合孔141(以下、適宜「位置決め孔143」と記載する)は、図12(a)及び図12(b)に示すように、その他の係合孔141よりも上下方向寸法が小さくなるように形成されている。この位置決め孔143の上下方向寸法は、固定爪部材126の上下方向寸法と略同一となっている。これにより、ガイド部材120の固定爪部材126をビーム部材140の係合孔141に係合させた際に、上記位置決め孔143によりガイド部材120の上下方向位置を位置決めできるようになっている。なお、ここでは係合孔141のうちの1つを位置決め孔143としたが、複数の係合孔141を位置決め孔143としてもよい。
図13に示すように、サーマルラインヘッド112は、表面に発熱素子を駆動する半導体素子を保護するための樹脂製の隆起部116(図9も参照)を有している。ここで、被印刷用紙Sの搬送経路Rは、挿入口104からガイド部材120の上記傾斜面122及びラテンローラ111とサーマルラインヘッド112との圧接部Pを経て排出口107に到る経路である。すなわち、搬送経路Rは、主としてガイド部材120のプラテンローラ111及びサーマルラインヘッド112に対する相対位置関係によって画定される。そして、上記ビーム部材140の位置決め孔143によるガイド部材120の上下方向の位置決めは、上記搬送経路Rが上記隆起部116を回避できるように考慮されてその位置が設定されている。またガイド部材120は、上述のようにしてビーム部材140に固定された状態において、上記搬送経路Rが隆起部116を回避可能なように、傾斜面122の角度が設定されている。これにより、被印刷用紙Sが搬送経路Rにおいてサーマルラインヘッド112の上記隆起部116に接触することによる、挿入口104からの挿入の妨げや紙詰まり等の不具合が生じることを防止できるようになっている。
次に、図14乃至図16を用いて、メインシャーシ部材150に設けたコイルバネ115による放熱板114の付勢構造について説明する。なお、図14では煩雑防止のため制御基板60を想像線で示している。
前述の図2及び図9に示すように、アンダーカバー102の内表面には、シャーシ組立体50の底部を構成する金属製のメインシャーシ部材150が設けられている。図14に示すように、メインシャーシ部材150は、その前方側(図14中左上側)端部に、長手方向に沿って上側に屈曲された断面略L字状の前方側リブ部151を備えている。またメインシャーシ部材150は、その後方側(図14中右下側)端部には、同様に長手方向に沿って上側に屈曲された断面略L字状の後方側リブ部152を備えている。上記前方側リブ部151は、メインシャーシ部材150の前端部を長手方向全体に亘って屈曲することにより形成され、上記後方側リブ部152は、メインシャーシ部材150の後端部の長手方向中心側の一部分を屈曲することにより形成されている。また、前方側リブ部151の上下方向長さは、後方側リブ部152よりも長くなるように構成されている。
上記前方側リブ部151は、長手方向一端側である左端部(図14中右端部)に、左側のサイドシャーシ部材130Lに固定される第1左側固定部153を有すると共に、長手方向他端側である右端部(図14中左端部)に、右側のサイドシャーシ部材130Rに固定される第1右側固定部154を有している。これらの固定部153,154は、前方側リブ部151の長手方向両端部をサイドシャーシ部材130L,130Rの面方向に沿うように後側に屈曲して形成されている。
また、メインシャーシ部材150の左端部後方には、サイドシャーシ部材130Lとの固定に用いられる第2左側固定部158が、右端部後方には、サイドシャーシ部材130Rとの固定に用いられる鉤状の第2右側固定部159が、上側に屈曲して形成されている。
メインシャーシ部材150には、上記前方側リブ部151の近傍における長手方向複数箇所(この例では3箇所)に、放熱板114をプラテンローラ111側に回動付勢する複数(この例では3つ)のコイルバネ115が設けられている。これらのコイルバネ115は、メインシャーシ部材150の対応する位置に突設されたバネ支持軸部155(図2参照)に挿通されることにより、安定して立設するように支持されている。これらのコイルバネ115は、メインシャーシ部材150の長手方向3箇所に等間隔で設けられており、サーマルラインヘッド112の長手方向中心位置に対応して設けられた第1コイルバネ115Cと、この第1コイルバネ115cの左右両側に位置する2つの第2コイルバネ115L,115Rとで構成されている。なお、本明細書においては、各コイルバネ115C,115L,115Rを区別する必要がない場合には、単に「コイルバネ115」と記載する。
第1コイルバネ115Cのバネ定数は、第2コイルバネ115L,115Rのバネ定数よりも大きくなっている。これは、トップカバー101の表面に形成された用紙合わせ位置表示Mに示すように(図1及び図9参照)、携帯型プリンタ1は被印刷用紙Sを装置長手方向中心位置を基準として搬送・印刷を行うプリンタであるため、その基準となる長手方向中心位置においてバネ定数が最も大きな第1コイルバネ115Cでサーマルラインヘッド112を付勢し、その両側でバネ定数が小さな第2コイルバネ115L,115Rで付勢することで、被印刷用紙Sの大きさが変更されても、サーマルラインヘッド112の圧接荷重を長手方向においてバランス良く作用させ、安定させるためである。
また前述の図2及び図14に示すように、携帯型プリンタ1においては、メインシャーシ部材150とサーマルラインヘッド112を支持する放熱板114との間に、電子素子を実装した制御基板60が設けられている。この制御基板60は、上述した前方側リブ部151と後方側リブ部152との間に挟まれるようにして、メインシャーシ部材150より切り起こして形成された複数(この例では3つ)の取付部156にネジ(図示省略)により取り付けられている。この制御基板60の周縁部には、コイルバネ115に対応した位置に、コイルバネ115を挿通するための複数(この例では3つ)の凹部61が設けられている。
図15に示すように、放熱板114のサーマルラインヘッド112側とは反対側となる下側の面114aには、上記コイルバネ115に対応した位置に凹状のバネ受け部117が設けられている。このバネ受け部117は、コイルバネ115の上端部に接触する接触面117aを底部に有しており、図16に示すように、放熱板114の面方向Xが軸部材113を中心とする回動動作によりコイルバネ115の軸心方向Yに対して垂直でない姿勢となっている場合でも、上記接触面117aが上記軸心方向Xに対し略垂直となるように設けられている。これにより、各コイルバネ115は、対応するバネ受け部117の上記接触面117aに上端部を接触させて、放熱板114に付勢力を安定して作用させることができるようになっている。
また図16に示すように、バネ受け部117は、放熱板114の短手方向他方側端部である前方側(図16中左側)端部に設けられている。すなわち、コイルバネ115は、サーマルラインヘッド112とプラテンローラ111との圧接部Pの位置よりも前方側において、放熱板114をプラテンローラ111側に付勢する構成となっている。これにより、放熱板114の後方側端部と前方側端部の途中位置、特に、圧接部Pよりも後方側で付勢する場合に比べて必要な付勢力を小さくすることができ、コイルバネの小型化を図っている。
次に、図17及び図18を用いて、サイドシャーシ部材130とメインシャーシ部材150との固定構造について説明する。なお、これら図17及び図18では、ガイド部材120の図示を省略している。
図17及び図18に示すように、サイドシャーシ部材130L,130Rの下方側端部である基端部には、前後方向2箇所に凸部133がそれぞれ設けられている。これらの凸部133は、後述する係合孔134をサイドシャーシ部材130L,130Rの基端部に設けるために形成されている。なお、これらの凸部133は、アンダーカバー102とシャーシ組立体50とを組み付けた際に、アンダーカバー102の内表面に設けられた凹部108(図9参照)内にそれぞれ収容される。
サイドシャーシ部材130L,130Rの上記各凸部133には、メインシャーシ部材150の長手方向両端に設けられた突起部157が係合される係合孔134がそれぞれ形成されている。各突起部157が対応する係合孔134に係合することにより、サイドシャーシ部材130L,130Rの基端部がメインシャーシ部材150の長手方向両端位置に位置決めされる。
サイドシャーシ部材130L,130Rには、締結用の複数(この例では3つ)のネジ118が挿通されるネジ孔135がそれぞれ設けられている。各ネジ118は、サイドシャーシ部材130L,130Rの上記ネジ孔135に挿通され、上記前方側リブ部151の第1左側固定部153及び第1右側固定部154、上記ビーム部材140の長手方向両端部、メインシャーシ部材150の後方に設けられた上記第2左側固定部158及び第2右側固定部159にそれぞれ締結される。これにより、サイドシャーシ部材130L,130Rがメインシャーシ部材150に固定される。このようにして構成されたシャーシ組立体50は、サイドシャーシ部材130L,130Rの上記各凸部133をアンダーカバー102の上記凹部108にそれぞれ収容させつつ、アンダーカバー102に組み付けられる。
この結果、サイドシャーシ部材130L,130Rは、メインシャーシ部材150の突起部157によって、基端部がメインシャーシ部材150の長手方向両端位置に位置決めされると共に、メインシャーシ部材150の前方側リブ部151によって、基端部とプラテンローラ111又はサーマルラインヘッド112の設置部との中間位置において、左側のサイドシャーシ部材130Lと右側のサイドシャーシ部材130Rとが接続される。
次に、図19乃至図21を用いて、携帯型プリンタ1におけるシャーシ組立体50の緩衝構造について説明する。
図20に示すように、トップカバー101の内側には、その後方側(図20中右上側)における幅方向両端部に、装置内側に向かって突出した第1ボス部161L,161Rが設けられている。これら第1ボス部161L,161Rの内周面には、図示しないネジ溝が形成されている。一方、図19に示すように、アンダーカバー101の内側には、後方側(図19中左下側)における幅方向両端部に、装置内側に向かって若干量突出した第2ボス部162L,162Rが設けられている。
また図19に示すように、シャーシ組立体50は、その後方側における幅方向両端部に、ネジ孔51a,52a(図21参照)が形成された取付部51,52を備えている。上記取付部51は、サイドシャーシ部材130Lの基端部の後方側を幅方向外側(図19中右下側)に向けて屈曲することにより形成されている。また上記取付部52は、メインシャーシ部材150の右側後方に一体的に設けられている。これら取付部51,52の上部には、環状のゴム部材53がそれぞれ設けられている。
上記トップカバー101の第1ボス部161L,161Rと、シャーシ組立体50の取付部51,52と、これら取付部51,52の上部にそれぞれ設けたゴム部材53,53と、アンダーカバー101の第2ボス部162L,162Rとは、それぞれ上下方向において対応する位置に設けられている。そして、トップカバー101及びアンダーカバー102とシャーシ組立体50とは、アンダーカバー102の第2ボス部162L,162Rより挿入されたネジ(図示省略)がシャーシ組立体50の取付部51,52のネジ孔51a,52a及びゴム部材53,53に挿通されて、トップカバー101の第1ボス部161L,161Rに締結されることにより、相互に組み付けられる。
このようにして、トップカバー101及びアンダーカバー102とシャーシ組立体50とが組み付けられると、シャーシ組立体50の取付部51,52が、トップカバー101の第1ボス部161L,161Rとアンダーカバー102の第2ボス部162L,162Rとにより挟持された状態となる。このとき、シャーシ組立体50とアンダーカバー102とは、取付部51,52と第2ボス部162L,162Rにおいて接触しているが、前述したサイドシャーシ部材130の基端部はアンダーカバー102の内表面には接触していない。一方、シャーシ組立体50とトップカバー101とは、取付部51,52と第1ボス部161L,161Rのみが、これらの間に設けられたゴム部材53を介して間接的に接触する。これにより、トップカバー101よりシャーシ組立体50に伝わる衝撃をゴム部材53により効果的に吸収できるようになっている。
またトップカバー101は、当該カバーより第1ボス部161L,161Rに伝わる衝撃を吸収可能なように第1ボス部161L,161Rを支持するボス支持部材163L,163R(図20ではボス支持部材163Rのみ図示)を有している。図20に示すように、ボス支持部材163Rは、トップカバー101の上面裏側より装置内側に向けて立設された立設部164Rと、この立設部164Rより屈曲して設けられた屈設部165Rとを備えており、第1ボス部161Rを上記屈設部165R上に設けている。なお、ボス支持部材163Lも上記ボス支持部材163Rと同様の構造である。このような構造により、ボス支持部材163L,163Rは、立設部164L,164Rと屈設部165L,165Rとの間で生じるたわみによって、トップカバー101より第1ボス部161L,161Rに伝わる衝撃を吸収できるようになっている。
また図20に示すように、トップカバー101は、第1ボス部161L,161Rの周囲に、これら第1ボス部161L,161Rの先端部よりも装置内側(図20中上側)に向けて所定量突出したリブ部166L,166Rを有している。上記リブ部166Lは、第1ボス部161Lの幅方向外側(図20中右下側、図21中右側)に配設されており、上記リブ部166Rは、第1ボス部161Rの後方側(図20中右上側)に配設されている。なお、図21では断面方向に基づきリブ部166Lのみが図示されている。これらリブ部166L,166Rは、トップカバー101及びアンダーカバー102とシャーシ組立体50とを組み付けた際に、その先端がシャーシ組立体50の取付部51,52と接触し、第1ボス部161L,161Rの取付部51,52側への移動を規制する。これにより、ゴム部材53の圧縮量が過大となるのを防止し、ゴム部材53の緩衝機能や耐久性が低下するのを防止できるようになっている。
次に、図22乃至図25を用いて、バッテリ収納室105に着脱可能なバッテリ室カバー170の構造について説明する。
前述したように、バッテリ室カバー170は、バッテリ収納室105に対し着脱可能に設けられており、図22に示すように、バッテリ室カバー170を取り外した状態では、充電式電池10を収容するバッテリ収納室105がハウジング100の背面部分に開口する。
バッテリ室カバー170は、その長手方向一方側端部である左端部(図22乃至図25中右端部)に、バッテリ収納室105の長手方向一方側端部である左端部に設けられた係止孔109(図23参照)に嵌合する上下一対の係止爪部171を有している。またバッテリ室カバー170は、長手方向他方側端部である右端部(図22乃至図25中左端部)に、バッテリ収納室105の長手方向他方側端部である右端部に設けられた被係合部110に弾性変形しつつ係合する弾性係合部172を有している。バッテリ室カバー170をバッテリ収納室105に装着する際には、まず左端部の上記係止爪部171をバッテリ収納室105の上記係止孔109に嵌合させて左端部を係止させ、その状態で、右端部をバッテリ収納室105に押し込むことにより弾性係合部172を弾性変形させてバッテリ収納室105の上記被係合部110に係合させる。これにより、図23に示すようにバッテリ室カバー170はバッテリ収納室105に装着される。
一方、バッテリ室カバー170をバッテリ収納室105より取り外す際には、凹状に形成された上記被係合部110に操作者が指を挿入させて上記弾性係合部172を弾性変形させることにより、弾性係合部172と被係合部110との係合が外される。そして、係止爪部171をバッテリ収納室105の係止孔109より引き抜くことにより、バッテリ室カバー170はバッテリ収納室105より取り外される。
図24及び図25に示すように、弾性係合部172は、バッテリ室カバー170の内表面170aよりバッテリ収納室105側に向けて立設された支持部173と、この支持部173の先端に設けられた湾曲部174と、この湾曲部174のたわみにより上記支持部173と接離可能な先端部175とを有している。先端部175には突出部175aが形成されており、この突出部175aがバッテリ収納室105の被係合部110に係合する。
また、バッテリ室カバー170の内表面170aには、弾性係合部172の上記支持部173に隣接してリブ部176が立設されている。このリブ部176は、開放側が上記支持部173に接続された断面略コの字型の中空構造を有している。図23に示すように、リブ部176は、バッテリ室カバー170をバッテリ収納室105へ装着した際に、収納された充電式電池10に接続されたハーネス25の電線25aを押し込むハーネス押し込み部として機能する。すなわち、充電式電池10には、バッテリ収納室105への収納時に、その他方側端部となる右端部(図23中左端部)に、電力を機器に供給するためのハーネス25が接続される。このハーネス25は、前述の制御基板60等に接続されるコネクタ25bと、束状にまとめられた複数(本例では2本)の電線25aとを備えている。この電線25aは、電池交換時の着脱作業性を考慮して余裕をみて長めに形成されている。このため、図23に示すように、充電式電池10をバッテリ収納室105に収納した際に、バッテリ収納室105内で折り返された状態となる。リブ部176は、この折り返された電線25aの折返し部分を収納室奥側に押し込み、当該折返し部分が弾性係合部172へ干渉するのを防止できるようになっている。
以上において、ゴム部材53が、特許請求の範囲に記載の緩衝部材に相当し、リブ部材166L,166Rが、移動規制部材に相当する。
以上説明した本実施形態の携帯型プリンタ1においては、トップカバー101の第1ボス部161L,161Rと、シャーシ組立体50の取付部51,52との間に、ゴム部材53を設けている。これにより、携帯型プリンタ1が落下等により強い衝撃を受けた場合に、トップカバー101よりシャーシ組立体50に伝わる衝撃をゴム部材53で吸収することができる。その結果、衝撃によりプラテンローラ111やサーマルラインヘッド112に不具合を生じるのを抑制できるので、落下時等の衝撃に強い携帯型プリンタを実現できる。
また、本実施形態では特に、トップカバー101が、第1ボス部161L,161Rの周囲にリブ部材166L,166Rを有しており、このリブ部材166L,166Rの先端がシャーシ組立体50の取付部51,52と接触することにより、第1ボス部161L,161Rの取付部51,52側への移動を規制する。すなわち、衝撃吸収材として用いるゴム部材53は、圧縮量が過大になると緩衝機能や耐久性が低下する性質があることから、上記リブ部材166L,166Rを設けることにより、第1ボス部161L,161Rが必要以上に取付部51,52側へ移動してゴム部材53の圧縮量が過大となるのを防止できる。したがって、ゴム部材53の緩衝機能や耐久性の低下を防止することができる。
また、本実施形態では特に、トップカバー101が、第1ボス部161L,161Rを支持するボス支持部材163L,163Rを有している。このボス支持部材163L,163Rは、トップカバー101の上面に立設された立設部164L,164Rと、この立設部164L,164Rより屈曲して設けられた屈設部165L,165Rとを備えており、第1ボス部161L,161Rを屈設部165L,165R上に設けている。これにより、ボス支持部材163L,163Rは、立設部164L,164Rと屈設部165L,165Rとの間で生じるたわみによって、トップカバー101より第1ボス部161L,161Rに伝わる衝撃を吸収可能に構成されている。これにより、トップカバー101よりシャーシ組立体50に伝わる衝撃を、ゴム部材53のみでなくボス支持部材163L,163Rによっても吸収できるので、落下時等の衝撃耐久性をさらに向上できる。
また、本実施形態では特に、トップカバー101の第1ボス部161L,161Rと取付部51,52との間にゴム部材53を設け、アンダーカバー102の第2ボス部162L,162Rと取付部51,52との間には、ゴム部材53を設けていない。これは、携帯型プリンタ1においては、トップカバー101が装置外郭の上面及び側面の大部分を覆い、アンダーカバー102は主として装置外郭の下面のみを覆っており、トップカバー101が装置外郭の大部分を覆う構成となっているからである。この場合、携帯型プリンタ1が落下等した場合、装置外郭の大部分を覆うトップカバー101が衝撃を受ける可能性が高い。したがって、本実施形態のように、ゴム部材53をトップカバー101の第1ボス部161L,161Rと取付部51,52との間に設けることにより、シャーシ組立体50に伝わる衝撃を効果的に吸収することができる。また、第1ボス部161L,161R及び第2ボス部162L,162Rの両方と取付部51,52との間にゴム部材53を設ける場合に比べ、部品点数を少なくすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)同時に操作された場合にフィードキーを優先する場合
上記実施形態では、電源キー30とフィードキー40とが同時に操作された場合に電源キー30を優先して処理を行うようにしたが、これに限らず、フィードキー40を優先してもよい。
図26を用いて、本変形例においてCPU12により実行される電源キー30及びフィードキー40の操作に関わる制御内容を説明する。
ステップS10、ステップS20及びステップS50は前述の図8と同様である。すなわち、操作者が電源キー30及びフィードキー40のいずれも操作しない間は、ステップS10及びステップS20が繰り返される。このとき、電源キー30が単独で操作された場合には、ステップS20の判定が満たされてステップS50に移り、上記電源オフ処理が実行される。
一方、ステップS10及びステップS20が繰り返される間に、フィードキー40が操作された場合には、ステップS30に移り、CPU12は、フィードキー40と共に、電源キー30が同時に押し下げられたか否かを判定する。このとき、電源キー30が同時に押し下げられた場合及び押し下げられていない場合のいずれにおいても、ステップS40に移り、CPU12は上記フィード処理を実行する。そして、上記ステップS10に戻る。
以上のように、本変形例では、電源キー30とフィードキー40とが同時に操作された場合には、電源オフ処理は実行されずにフィード処理が実行される。このように、フィードキー40を優先させて処理を実行することにより、操作者がフィードキー40を操作する際に誤って電源キー30の方により大きな押し下げ力を付与し、電源キー30とフィードキー40とが同時に押し下げられたとしても、フィード処理が実行されるため、電源キー30の誤操作抑制機能をさらに高めることができる。
(2)電源キーをダブルクリック操作とする場合
上記実施形態では、電源キー30及びフィードキー40の操作を1回の押し下げで行うようにしたが、これに限らず、電源キー30については、所定時間内に連続して2回押し下げられた場合にのみ、操作されたとみなして電源のオフ処理を行うようにしてもよい。
図27を用いて、本変形例においてCPU12により実行される電源キー30及びフィードキー40の操作に関わる制御内容を説明する。
ステップS10及びステップS20については、前述の図8と同様であり、操作者が電源キー30及びフィードキー40のいずれも操作しない間は、ステップS10及びステップS20が繰り返される。このとき、電源キー30が単独で操作された場合には、ステップS20の判定が満たされてステップS25に移る。
ステップS25では、CPU12は、電源キー30が所定時間内に連続して2回押し下げられた(以下「ダブルクリック」と記載する)か否かを判定する。電源キー30がダブルクリックされていない場合には、判定が満たされずにステップS10に戻る。一方、電源キー30がダブルクリックされた場合には、判定が満たされてステップS50に移り、CPU12は電源オフ処理を実行する。そして、本フローを終了する。
一方、ステップS10及びステップS20(あるいはステップS10乃至ステップS30)が繰り返される間に、フィードキー40が操作された場合には、ステップS10の判定が満たされてステップS30に移り、CPU12は、フィードキー40と共に、電源キー30が同時に押し下げられたか否かを判定する。電源キー30が同時に押し下げられていない場合、判定が満たされずにステップS40に移り、CPU12は上記フィード処理を実行する。そして、上記ステップS10に戻る。一方、電源キー30が同時に押し下げられた場合、判定が満たされずにステップS35に移る。
ステップS35では、CPU12は、電源キー30がダブルクリックされたか否かを判定する。電源キー30がダブルクリックされた場合には、判定が満たされて上記ステップS50に移り、電源オフ処理を実行する。一方、電源キー30がダブルクリックされていない場合には、判定が満たされずにステップS40に移り、CPU12は上記フィード処理を実行する。そして、上記ステップS10に戻る。
以上のように、本変形例では、電源キー30がダブルクリックされた場合にのみ、電源キー30が押し下げられたとみなして電源のオフ処理が行われる。これにより、操作者がフィードキー40を操作する際に誤って電源キー30の方により大きな押し下げ力を付与し、電源キー30とフィードキー40とが同時に押し下げられたとしても、1回の押し下げであれば電源オフとならず、フィードキー40に対応したフィード処理が実行されるため、電源キー30の誤操作抑制機能をさらに高めることができる。また、このように電源キー30の操作に2回の押し下げを必要とすることで、例えば携帯型プリンタ1の持ち運び時等、フィードキー40の操作時以外における、接触物等による電源キー30の誤操作を防止できる効果もある。
(3)ゴム部材53をアンダーカバー102側にも設ける場合
上記実施形態では、トップカバー101の第1ボス部161L,161Rと取付部51,52との間にゴム部材53を設ける構成としたが、アンダーカバー102の第2ボス部162L,162Rと取付部51,52との間にも、ゴム部材53を設けてもよい。これにより、携帯型プリンタ1の落下等によりトップカバー101及びアンダーカバー102のいずれが衝撃を受けた場合でも、シャーシ組立体50に伝わる衝撃を確実に吸収することができるので、落下時等の衝撃にさらに強い携帯型プリンタを実現できる。
(4)その他
以上において、図3中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。また、図8、図26及び図27に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。