JP2011251292A - 塗型剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】砂型の表面及び該砂型に埋設された冷し金の表面に塗布する塗型剤組成物において、冷し金上の塗型膜の耐剥離性が高い塗型剤組成物を提供する。
【解決手段】砂型の表面及び該砂型に埋設された冷し金の表面に塗布する塗型剤組成物であって、耐火性骨材、バインダー粒子及び溶媒を含有し、前記バインダー粒子が、ノボラック型フェノール樹脂により形成されており、前記ノボラック型フェノール樹脂は、JIS K 6910:2007に記載された流れA法により125℃の条件で測定された流れ長さが20〜70mmであり、前記バインダー粒子の平均粒径が、2〜50μmである、塗型剤組成物とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、砂型の表面及び該砂型に埋設された冷し金の表面に塗布する塗型剤組成物に関する。
砂型に使用される鋳造用塗型剤としては、溶融金属が接する砂型(鋳型)の表面に塗布して塗型膜を塗装することにより、砂型の表面を保護するものが知られている。このような鋳造用塗型剤は、溶融金属と砂型表面との化学反応や、鋳物の焼着欠陥の発生を防止するために用いられる。
また、引け巣の防止や、鋳造品の組織を微細化させるなどの目的で、冷し金を用いた鋳造方法が知られている。一般に冷し金は、カーボン、銅、鋳鉄、鋼などから形成され、砂型に埋設されるものである。鋳造する際に、冷し金を引け巣が生じやすい肉厚部分や組織を密にしたい部分に面して設けると、その部分の冷却速度を速めることができるため、引け巣の防止や、鋳造品の組織の微細化が可能となる。
冷し金が設けられた砂型に塗布する鋳造用塗型剤としては、通常の砂型用塗型剤が具備すべき耐焼着性等の基本特性の他、砂型表面及び冷し金表面の双方に塗布する関係上、熱伝導率や熱膨張率の差に起因する塗型膜の剥離を抑制する特性(塗型膜の耐剥離性)が求められる。つまり、溶融金属が注湯される際、冷し金は、砂型に比べて熱により膨張しやすい上、砂型と冷し金の境界面における熱伝導率差によって温度勾配が発生し、その結果、物理的な応力が発生する。その際に、冷し金上に塗布された塗型膜は剥離が生じやすくなり、剥離した塗型膜が製品に巻き込む、いわゆる塗型噛み欠陥や、冷し金と溶融金属とが強固に融着する現象が発生する恐れがあるため、冷し金用塗型剤組成物には、得られる塗型膜の耐剥離性が求められる。
従来の冷し金用塗型剤組成物として、特許文献1には、冷し金上の塗型膜の亀裂・剥離を防止するためにアルミニウム粉末を含む鋳鋼用の塗型剤組成物が開示されている。また、特許文献2では、溶融金属の冷却速度を調整するために雲母を含む塗型剤が提案されている。
特開昭62−244546号公報 特開昭59−10443号公報
しかし、特許文献1,2に記載の塗型剤では、塗型膜の耐剥離性を満足させるには、未だ不充分であることが本発明者らの検討により判明した。
本発明は、砂型の表面及び該砂型に埋設された冷し金の表面に塗布する塗型剤組成物において、冷し金上の塗型膜の耐剥離性が高い塗型剤組成物を提供する。
本発明の塗型剤組成物は、砂型の表面及び該砂型に埋設された冷し金の表面に塗布する塗型剤組成物であって、耐火性骨材、バインダー粒子及び溶媒を含有し、前記バインダー粒子が、ノボラック型フェノール樹脂により形成されており、前記ノボラック型フェノール樹脂は、JIS K 6910:2007に記載された流れA法により125℃の条件で測定された流れ長さが20〜70mmであり、前記バインダー粒子の平均粒径が、2〜50μmである、塗型剤組成物である。
本発明の塗型剤組成物によれば、冷し金上の塗型膜の耐剥離性が高い塗型剤組成物を提供できる。よって、塗型噛み欠陥や冷し金の製品への融着が生じ難いため、生産性の向上やコストの低減を容易に達成することができる。
以下、本発明の塗型剤組成物に含有される成分について説明する。
<耐火性骨材>
耐火性骨材としては、特に限定されないが、塗型膜の耐火性、経済性、及び溶融金属との耐反応性の観点から、ムライト、シリカ、アルミナ、マグネシア、ジルコン、アルミナシリケート、黒曜石、オリビン、タルク、黒鉛及び雲母から選ばれる1種以上を使用することが好ましい。また、耐焼着性の観点から、ジルコン、タルク及び黒鉛(中でも鱗状黒鉛)から選ばれる1種以上を使用することが好ましく、ジルコン、タルク及び黒鉛(中でも鱗状黒鉛)を併用することがより好ましく、タルク及び黒鉛の少なくとも一方を含むことが更に好ましい。
ジルコン、タルク及び黒鉛を併用する場合、鋳物の耐焼着性の観点から、ジルコンとタルクと黒鉛の重量比率は、ジルコン:タルク:黒鉛=15〜35:35〜55:20〜40が好ましく、20〜30:40〜50:25〜35がより好ましく、22〜28:42〜48:27〜33が更に好ましい。
本発明で使用される耐火性骨材は、塗布作業性を向上させる観点から、平均粒径が0.5〜100μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましく、5〜20μmであることが更に好ましい。ここで、耐火性骨材の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所社製LA−920)を用いて測定された体積中位粒径(D50)である。分析条件は下記の通りである。
測定方法:フロー法
分散媒:イオン交換水にヘキサメタリン酸ナトリウム(0.1重量%)を加えた溶媒
分散方法:攪拌、内蔵超音波照射(3分間)
試料濃度:2mg/100ml
<バインダー粒子>
バインダー粒子は、鋳込み時において、耐火性骨材同士又は耐火性骨材と砂型とを結合させる働きを持つもので、熱間強度を維持することができるものである。本発明では、冷し金上の塗型膜の耐剥離性(以下、単に「耐剥離性」ともいう)を向上させる観点から、ノボラック型フェノール樹脂により形成されたバインダー粒子を使用する。ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類を酸触媒下で縮合重合させて得られる。本発明において、耐剥離性が向上する推定メカニズムは次の通りである。すなわち、本発明によれば、溶融金属が冷し金に熱膨張をもたらした際、その熱膨張により生じる応力に耐えるほど靭性の高い塗型膜が形成されているために、クラックが生じず、耐剥離性が向上するものと推察される。
前記ノボラック型フェノール樹脂の合成に使用できるフェノール類は、特に限定されないが、フェノール、クレゾール、3,5−キシレノール、ノニルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、イソプロペニルフェノール、フェニルフェノール等のアルキルフェノール、レゾルシノール、キシレノール、カテコール、ハイドロキノン、フロログルシノール等の多価フェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールC、ビスフェノールE等のビスフェノール等が例示できる。耐焼着性の観点からは、ベンゼン環に結合したヒドロキシメチル基を有するフェノール類を使用することが好ましい。また、耐剥離性の観点からは、ビスフェノールAを使用することが好ましい。
前記ノボラック型フェノール樹脂の合成に使用できるアルデヒド類は、特に限定されないが、ホルムアルデヒド、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、ポリオキシメチレン、グリオキサール、フルフラール及びこれらの混合物等が例示できる。なかでも、耐熱性と生産性の観点から、ホルムアルデヒド、ホルマリン及びパラホルムアルデヒドを使用することが好ましい。
前記ノボラック型フェノール樹脂の合成に使用できる酸触媒は、特に限定されないが、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸等が例示できる。なかでも、生産性の観点から、硫酸を使用することが好ましい。
本発明において、耐剥離性をより向上させる観点から、前記ノボラック型フェノール樹脂として、ビスフェノール変性フェノール樹脂を使用することが好ましい。ビスフェノール変性フェノール樹脂とは、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールC、ビスフェノールE等のビスフェノール類を変性剤に用いた変性フェノール樹脂である。なかでも耐剥離性をより向上させる観点から、ビスフェノールAを変性剤に用いたビスフェノール変性フェノール樹脂がより好ましい。
また、本発明では、耐剥離性を向上させる観点から、前記ノボラック型フェノール樹脂として、JIS K 6910:2007に記載された流れA法により125℃の条件で測定された流れ長さ(以下、単に「流れ長さ」ともいう)が20〜70mmのものを使用する。同様の観点から、流れ長さが22mm以上であることが好ましく、24mm以上であることがより好ましく、26mm以上であることが更に好ましい。同様の観点から、流れ長さが60mm以下であることが好ましく、50mm以下であることがより好ましく、40mm以下であることが更に好ましく、30mm以下であることが更により好ましく、28mm以下であることが更により好ましい。前記観点を総合すると、本発明で使用されるノボラック型フェノール樹脂の流れ長さは、20〜70mmであり、22〜60mmであることが好ましく、24〜50mmであることがより好ましく、26〜40mmであることが更に好ましく、26〜30mmであることが更により好ましく、26〜28mmであることが更により好ましい。本発明において、流れ長さが上記好適な数値範囲内の場合は、濡れ広がりが適切になるため好ましい。上記好ましい数値範囲の技術的な意義は次のように推察される。溶融金属が冷し金に熱膨張をもたらして塗型膜に応力がかかった時、流れ長さが上記好適な数値範囲内であれば塗型膜の靭性が高くなるため、上記冷し金の熱膨張に対する追随性が向上し、塗型膜にクラックが生じないものと推測される。上記流れ長さの数値が小さいと塗型膜の強度が出にくくなるため塗型膜が剥れやすくなり、上記流れ長さの数値が大きいと塗型膜が強固に接着するために、冷し金の熱膨張に対する追随性が低下し、クラックが生じやすくなるものと推測される。
流れ長さ20〜70mmのノボラック型フェノール樹脂の例としては、BP550C(旭有機材工業社製、流れ長さ27mm)、SP661(旭有機材工業社製、流れ長さ30mm)、SP50Y(旭有機材工業社製、流れ長さ45mm)、SP1006NP(旭有機材工業社製、流れ長さ50mm)、BP200H、(旭有機材工業社製、流れ長さ55mm)、SP610(旭有機材工業社製、流れ長さ70mm)、PR−311(住友ベークライト社製、流れ長さ56mm)、PR−50869(住友ベークライト社製、流れ長さ40mm)、PR−51510(住友ベークライト社製、流れ長さ35mm)等が挙げられる。
本発明で使用されるバインダー粒子の平均粒径は、塗型剤組成物の塗布作業性、塗型膜中のバインダー粒子の分散性及び鋳物の耐焼着性の観点から2〜50μmであり、5〜50μmであることが好ましく、10〜40μmであることがより好ましく、20〜30μmであることが更に好ましい。ここで、バインダー粒子の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所社製LA−920)を用いて測定された体積中位粒径(D50)である。分析条件は下記の通りである。
測定方法:湿式法
分散媒:水
分散方法:攪拌、内蔵超音波照射(3分間)
試料濃度:200mg/100ml
塗型剤組成物中のバインダー粒子の含有量は、耐剥離性の観点から、耐火性骨材100重量部に対し1重量部以上であることが好ましく、2重量部以上であることがより好ましく、3重量部以上であることが更に好ましく、4重量部以上であることが更により好ましい。熱分解ガス量を低減して耐焼着性を向上させる観点からは、耐火性骨材100重量部に対し、10重量部以下であることが好ましく、8重量部以下であることがより好ましく、7重量部以下であることが更に好ましく、6重量部以下であることが更により好ましい。前記観点を総合すると、塗型剤組成物中のバインダー粒子の含有量は、耐火性骨材100重量部に対し1〜10重量部であることが好ましく、2〜8重量部であることがより好ましく、3〜7重量部であることが更に好ましく、4〜6重量部であることが更により好ましい。
<溶媒>
本発明で使用される溶媒は、特に限定されないが、水及び/又はアルコール等が使用できる。水は、安全性や経済性の点で好ましい。アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノールなどが挙げられるが、コスト及び塗布作業性の観点からエタノールが好ましい。塗型剤組成物中の溶媒の含有量は、塗型膜の厚みを適切な範囲に維持する観点、及びたれ低減の観点から、耐火性骨材100重量部に対し、10〜500重量部が好ましく、10〜100重量部がより好ましい。
<その他の成分>
本発明の塗型剤組成物に配合できるその他の成分として、アラビアガム等の粘結剤、アタパルジャイト、ベントナイト等の焼結剤、顔料や染料などの着色剤、塗布作業性を向上させるレオロジー調整剤、沈降防止剤、界面活性剤などの添加剤を使用できる。また、ヒドロキシアルキル化セルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダなどの増粘剤や防腐剤などの添加剤も使用できる。塗型剤組成物中における前記その他の成分の含有量は、耐火性骨材100重量部に対し、通常0.1〜10重量部程度である。
本発明の塗型剤組成物は、砂型(鋳型)の表面及び該砂型に埋設された冷し金の表面に塗型剤組成物を塗布してなる鋳造用砂型を使用する鋳物の製造方法に好適である。
本発明の塗型剤組成物を砂型の表面及び冷し金の表面に塗布する方法は、特に限定されず、例えば、流し塗り(ブッカケ法)、浸漬(ドブ漬け法)、刷毛塗り、スプレー塗布等の従来知られている方法が使用できる。
また、砂型に用いる鋳物砂としては、石英質を主成分とする珪砂の他、ジルコン砂、クロマイト砂、合成ムライト砂等の新砂又はこれらの再生砂が使用される。鋳物砂は、粘結剤を添加せずに用いることもでき、その場合には充填性が良好であるが、高い砂型強度が要求される場合には、粘結剤を添加し、硬化剤により硬化させるのが好ましい。なお、前記砂型は、一般的に、フラン樹脂、アルカリフェノール樹脂等の有機粘結剤や水ガラス等の無機粘結剤を鋳物砂に混合し、製品(鋳物)と同一形状の木型のまわりに充填した後、硬化、抜型して得られるものである。
また、前記冷し金は、一般的に、鋼、鋳鋼、鋳鉄、黒鉛、SiCレンガ等の熱伝導率及び比熱が高い材料から形成されるものである。なかでも、経済性、繰り返し使用性、形状の変更対応性(加工性)を考慮すると、鋼製、鋳鋼製又は鋳鉄製が好ましく、鋼製又は鋳鋼製がより好ましい。
また、一般的に、塗型剤組成物は、保存時においては溶媒濃度が低い(固形分濃度が高い)状態の組成物(保存用組成物)としておき、使用時に適正な粘度が得られるように、溶媒で希釈して使用される。前記高固形分濃度の組成物(保存用組成物)は、溶媒量等を調整して、通常、針入度200程度とすればよい。前記使用時の適正な粘度(濃度)は、30〜80ボーメである。
本発明の塗型剤組成物は、アルミニウム鋳物のような非鉄合金系鋳物や、鋳鋼系鋳物あるいは鋳鉄系鋳物等の鋳造に使用できる。なかでも、鋳鉄は、従来の塗型剤組成物を用いて鋳造すると、塗型膜の剥離を抑制するのが困難であったため、本発明の塗型剤組成物を鋳鉄の鋳造に使用することにより、本発明の効果(耐剥離性の向上)をより有効に発揮させることができる。
本発明の塗型剤組成物を用いて鋳物を製造すると、焼着欠陥が少なく、鋳肌が美麗な鋳物が得られるため、複雑な構造や、鋳肌表面の美しさが要求されるもの等に好適である。具体的な鋳物の例としては、建設機械の油圧バルブ、モーター、金型、エンジンフレーム、工作機械、建築部材等に用いられる、部材、部品等が挙げられる。
以下、本発明を具体的に示す実施例等について説明する。
<塗型剤組成物の調製>
表1に示すバインダーを用い、表2に示す配合量で各成分を混合し、25℃において、混練機にて30分間混練し、ペースト状の塗型剤組成物を得た。なお、表2に示す耐火性骨材の平均粒径は、シリカが10μm、ジルコンが7μm、タルクが22μm、鱗状黒鉛が39μmであった。得られた塗型剤組成物を離合社製針入度測定装置800S−01により測定したところ、針入度は何れも200であった。
<耐剥離性評価>
フラン再生砂(AFS45)を使用し、花王クエーカー社製フラン樹脂 EF−5302(フルフリルアルコールと尿素とホルムアルデヒドの縮合物のフルフリルアルコール溶液)を前記フラン再生砂100重量部に対して0.8重量部添加し、更に花王クエーカー社製硬化剤 TK−3(有機スルホン酸硬化剤)を前記フラン樹脂100重量部に対して40重量部添加して得られた混練砂を型込めし、直径350mm×高さ370mmの有底円筒状の空間部をもつ砂型(鋳型)を作製した。なお、前記空間部の側面には、鋼製(SS400)の120mm×50mm×厚さ16mmの冷し金を前記空間部の底面から30mmの高さ、かつ溶融金属(溶湯)と接するように埋設した。次いで、表2に示す塗型剤組成物を70ボーメになるように水で希釈した後、冷し金表面及び砂型表面に刷毛塗りし、バーナーで水分が無くなるまで乾燥した。更に、この砂型に、溶湯(材質FC−250)を1400℃で注湯し、24時間放置した後、砂型をばらして鋳物及び冷し金を取り出した。そして、取り出した冷し金における塗型膜が塗布された面(面積:6000mm)中、残存している塗型膜の占める面積の割合を算出し、以下の基準で耐剥離性を評価した。結果を表2に示す。
(耐剥離性評価基準)
A:残存している塗型膜の占める面積の割合が100%(塗型膜が全く剥離しない)
B:残存している塗型膜の占める面積の割合が70%以上100%未満
C:残存している塗型膜の占める面積の割合が40%以上70%未満
D:残存している塗型膜の占める面積の割合が40%未満
<耐焼着性評価>
フラン再生砂(AFS45)を使用し、花王クエーカー社製フラン樹脂 EF−5302(フルフリルアルコールと尿素とホルムアルデヒドの縮合物のフルフリルアルコール溶液)を前記フラン再生砂100重量部に対して0.8重量部添加し、更に花王クエーカー社製硬化剤 TK−3(有機スルホン酸硬化剤)を前記フラン樹脂100重量部に対して40重量部添加して得られた混練砂を型込めし、直径350mm×高さ370mmの有底円筒状の空間部をもつ砂型(鋳型)を作製した。次いで、表2に示す塗型剤組成物を70ボーメになるように水で希釈した後、砂型表面に刷毛塗りし、バーナーで水分が無くなるまで乾燥した。更に、この砂型に、溶湯(材質FC−250)を1400℃で注湯し、24時間放置した後、砂型をばらして鋳物を取り出した。そして、得られた鋳物の全表面中、焼着部分の占める面積の割合を算出し、以下の基準で耐焼着性を評価した。結果を表2に示す。
(耐焼着性評価基準)
A:焼着部分の占める面積の割合が0%(焼着が全くない)
B:焼着部分の占める面積の割合が0%を超えて30%以下
C:焼着部分の占める面積の割合が30%を超えて100%以下
Figure 2011251292
Figure 2011251292
表2に示すように、実施例は、比較例に比べ、いずれも耐剥離性が良好な結果となった。この結果から、本発明によれば、冷し金上の塗型膜の耐剥離性が高い塗型剤組成物を提供できることが確認された。

Claims (5)

  1. 砂型の表面及び該砂型に埋設された冷し金の表面に塗布する塗型剤組成物であって、
    耐火性骨材、バインダー粒子及び溶媒を含有し、
    前記バインダー粒子が、ノボラック型フェノール樹脂により形成されており、
    前記ノボラック型フェノール樹脂は、JIS K 6910:2007に記載された流れA法により125℃の条件で測定された流れ長さが20〜70mmであり、
    前記バインダー粒子の平均粒径が、2〜50μmである、塗型剤組成物。
  2. 前記ノボラック型フェノール樹脂が、ビスフェノール変性フェノール樹脂である請求項1記載の塗型剤組成物。
  3. 前記耐火性骨材が、ジルコン、タルク及び黒鉛から選ばれる一種以上を含有する請求項1又は2記載の塗型剤組成物。
  4. 前記冷し金が、鋼製又は鋳鋼製である請求項1〜3の何れか1項記載の塗型剤組成物。
  5. 鋳鉄の鋳造に使用される請求項1〜4の何れか1項記載の塗型剤組成物。
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