JP2011250556A - 静電誘導型発電装置 - Google Patents

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【課題】平面内の任意の方向に移動可能な可動電極を有する静電誘導型発電装置において、装置全体の発電効率を向上させることのできる静電誘導型発電装置を得る。
【解決手段】静電誘導型発電装置10の固定部21の表面21aに設けられた第1および第2固定電極22,23の形状を、第1の傾斜方向aでとなり合う2つの領域を連結して形成される第1の辺部22c,23cと、第2の傾斜方向bでとなり合う2つの領域を連結して形成される第2の辺部22d,23dと、を交互に連結させた波形とした。そして、第1の辺部22c,23cとX軸方向とのなす鋭角θ1および第2の辺部22d,23dとX軸方向とのなす鋭角θ1を、第1の間隔d1と第2の間隔d2との比に基づいて設定した。
【選択図】図3

Description

本発明は、静電誘導型発電装置に関する。
従来、静電誘導型発電装置として、エレクトレット電極を有する固定基板と、可動電極を有する可動基板と、を間隔を隔てて配置させたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、可動基板は、固定基板上に設けられた固定構造体に、可動電極の一方向(X軸方向)への移動を許容する弾性部材と、一方向に直交する方向(Y軸方向)への移動を許容する弾性部材とによって弾性的に支持されており、XY平面内の任意の方向に相対移動できるようになっている。なお、X軸方向およびY軸方向が、可動電極が主に移動する方向である主移動方向となっている。
そして、可動基板の固定基板に対する相対振動によってエレクトレット電極と可動電極との対向面積を増減させることで、可動電極に誘導される電荷量を変化させ、この電荷量の変化分を電気エネルギーとして取り出すようにしている。
特開2008−86190号公報
しかしながら、上記従来の技術では、エレクトレット電極および可動電極が、X軸方向とY軸方向とに交互に折れ曲がって延びるジグザグ状に形成されている。そのため、X軸方向やY軸方向へ移動した場合におけるエレクトレット電極と可動電極との対向面積の変化量が、斜め方向(X軸およびY軸に対して45度交差した方向)へ移動した場合におけるエレクトレット電極と可動電極との対向面積の変化量よりも小さくなってしまう。すなわち、可動電極が主移動方向へ移動した場合の発電効率が、それ以外の方向へ移動した場合の発電効率よりも低くなってしまう。
このように、上記従来技術では、可動電極の移動しやすい方向である主移動方向へ移動した際の発電効率があまりよくないため、装置全体としての発電効率が低下してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、平面内の任意の方向に移動可能な可動電極を有する静電誘導型発電装置において、装置全体の発電効率を向上させることのできる静電誘導型発電装置を得ることを目的とする。
本発明にあっては、表面に電極が設けられた固定部と、当該固定部の表面と対向する対向面に電極が設けられ、前記固定部に対して相対移動可能な可動部と、を備える静電誘導型発電装置であって、前記固定部の電極と前記可動部の電極のうちいずれか一方の電極は、エレクトレット部材を含むエレクトレット電極を備え、前記可動部は、前記固定部に対して、前記表面内の一方向および当該一方向と略直交する直交方向を主移動方向として、当該表面内の任意の方向に相対移動可能であり、前記エレクトレット電極および他方の電極は、前記一方向には第1の間隔で隔てられ、前記直交方向には第2の間隔で隔てられる4つの領域を頂点とする単位格子を少なくとも1つ有するように配置される格子状の第1の領域と、前記単位格子の対角線の交点を含むように配置される第2の領域と、を備えており、前記エレクトレット電極と前記他方の電極のうち少なくともいずれか一方の電極の形状が、前記一方向および前記直交方向と交差する第1の傾斜方向でとなり合う前記第1の領域と前記第2の領域とを連結して形成される第1の辺部と、前記一方向、前記直交方向および前記第1の傾斜方向のそれぞれと交差する第2の傾斜方向でとなり合う前記第1の領域と前記第2の領域とを連結して形成される第2の辺部と、を交互に連結させた波形であり、前記第1の辺部と前記一方向とのなす鋭角および前記第2の辺部と前記一方向とのなす鋭角が、前記第1の間隔と第2の間隔との比に基づいて設定されていることを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、主移動方向へ移動した際の発電効率の低下を抑制しつつ、主移動方向以外の方向へ移動した際にも発電を行うことができるようになるため、静電誘導型発電装置全体の発電効率を向上させることができる。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる静電誘導型発電装置の構造を示す断面図である。 図2は、本発明の第1実施形態にかかる静電誘導型発電装置の可動部の構造を示す底面図である。 図3は、本発明の第1実施形態にかかる静電誘導型発電装置の固定部の構造を示す平面図である。 図4は、本発明の第1実施形態にかかる静電誘導型発電装置の動作を説明する断面図であって、(a)は、可動部が中立位置にある状態を示す断面図、(b)はそのときの電極部分を示す拡大断面図である。 図5は、本発明の第1実施形態にかかる静電誘導型発電装置の動作を説明する断面図であって、(a)は、可動部がX軸方向へ移動した状態を示す断面図、(b)はそのときの電極部分を示す拡大断面図である。 図6は、本発明の第1実施形態にかかる静電誘導型発電装置の動作を説明する断面図であって、(a)は、可動部が中立位置に戻った状態を示す断面図、(b)はそのときの電極部分を示す拡大断面図である。 図7は、従来の固定電極を示す平面図である。 図8は、従来の固定電極とエレクトレット電極との対向状態の変化を模式的に示す図であって、(a)は、可動部が中立位置にある状態を示す図、(b)は可動部が傾斜方向に移動した状態を示す図である。 図9は、本発明の第1実施形態にかかる固定電極とエレクトレット電極との対向状態の変化を模式的に示す図であって、(a)は、可動部が中立位置にある状態を示す図、(b)は可動部が傾斜方向に移動した状態を示す図である。 図10は、本発明の第1実施形態の第1変形例にかかる固定電極とエレクトレット電極との対向状態を模式的に示す図である。 図11は、本発明の第1実施形態の第2変形例にかかる固定電極とエレクトレット電極との対向状態を模式的に示す図である。 図12は、本発明の第2実施形態にかかる静電誘導型発電装置の構造を示す図であって、(a)は、可動部の構造を示す底面図、(b)は固定部の構造を示す平面図である。 図13は、本発明の第2実施形態にかかる固定電極とエレクトレット電極との対向状態の変化を模式的に示す図であって、(a)は、可動部が中立位置にある状態を示す図、(b)は可動部が傾斜方向に移動した状態を示す図である。 図14は、本発明の第3実施形態にかかる静電誘導型発電装置の構造を示す図であって、(a)は、可動部の構造を示す底面図、(b)は固定部の構造を示す平面図である。 図15は、本発明の第3実施形態にかかる固定電極とエレクトレット電極との対向状態の変化を模式的に示す図である。 図16は、本発明にかかる静電誘導型発電装置の可動部の変形例の構造を模式的に示す底面図である。 図17は、本発明にかかる静電誘導型発電装置の可動部の他の変形例の構造を模式的に示す底面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態ならびにその変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
本実施形態にかかる静電誘導型発電装置10は、図1に示すように、固定電極構造20と、当該固定電極構造20に対して間隔を隔てて略平行に配置され、相対的に平面移動(X−Y平面に沿って移動)する可動部34が形成された可動電極構造(可動構造)30と、を備えている。この静電誘導型発電装置10には、ブリッジ整流回路40と、静電誘導型発電装置10によって駆動される負荷50と、が接続されている。
固定電極構造20は、プリント配線基板(固定部)21と、プリント配線基板21の表面(図1中上面)21aに形成された第1固定電極22および第2固定電極23と、を備えている。さらに、プリント配線基板21の表面21aにおける第1および第2固定電極22,23の周辺には、電極接触防止ストッパ24が4つ設けられており、第1および第2固定電極22,23と、後述する第1および第2可動電極35,36とが接触するのを抑制できるようにしている。
本実施形態では、第1および第2固定電極22,23は、X軸方向(表面21a内の一方向)に延在する波形をしており、これら波形の第1固定電極22および第2固定電極23がY軸方向(一方向と略直交する直交方向)に交互に複数配置されている。
そして、複数の波形の第1および第2固定電極22,23は、図3に示すように、連結部22a,23aを介して電荷取出部22b,23bに接続されており、この電荷取出部22b,23bに配線71,72が接続されている。本実施形態では、この配線71,72を介して電荷を取り出せるようにしている。なお、図1は、便宜上、配線71,72を複数の第1および第2固定電極22,23にそれぞれ接続させた状態を図示したものであるが、この図1に示すように、配線71,72を複数の第1および第2固定電極22,23にそれぞれ接続させるようにしてもよい。
可動電極構造30は、平面視略正方形状のガラスなどからなるキャップ基板31と、キャップ基板31の片面(図1中下面)に接合されるとともに、半導体素子ディバイスが形成される平面視略正方形状のシリコン基板(半導体基板)32と、を備えている。本実施形態では、キャップ基板31とシリコン基板32とを陽極接合によって接合している。
シリコン基板32には、図1および図2に示すように、シリコン基板32に公知の半導体プロセスにより間隙を形成することで、周縁部に形成される枠状の枠部33、枠部33の内側に配置される平面視略正方形状の可動部34および可動部34を枠部33に移動可能に連結するビーム(弾性部材:可動手段)37が形成されている。さらに、本実施形態では、可動部34が横方向(X軸方向やY軸方向)に過大に変位するのを抑制するストッパ38が、当該可動部34の周辺に4つ形成されている。なお、本実施形態では、可動部34およびビーム37は、比較的浅く形成されたギャップによって動作性が確保されている。また、枠部33の下面側外周には、電気接続パッド39が形成されている。
本実施形態では、ビーム37は、四つ設けられており、枠部33の内側の四隅から、ストッパ38の外側を通るようにして枠部33の各辺と平行に延び、中途で直角に折れ曲がりながらそれぞれ中心に向けて延びる渦巻き状をしている。このビーム37は、それぞれ枠部33の二辺分に亘って相互干渉することなく延設されるとともに、内側端部では可動部34の隅部に接続されており、枠部33に対して可動部34を弾性的に可動支持するバネ要素(渦巻きバネ)として機能する。
すなわち、本実施形態では、可動部34に、バネ要素としてのビーム37によって可動支持される質量要素(マス)としての機能を与え、これらバネ要素と質量要素とによってバネ−マス系を構成している。
このように、可動部34をビーム37を介して枠部33に連結することで、可動部34は、枠部33に対して、X軸方向およびY軸方向を主として平面内の任意の方向に移動(X−Y平面に沿って移動)できるようになっている。また、枠部33は、プリント配線基板(固定部)21に固定されている。したがって、可動部34は、プリント配線基板(固定部)21に対して、X軸方向およびY軸方向を主として平面内の任意の方向に移動(X−Y平面に沿って移動)できるようになっている。このように、本実施形態では、X軸方向およびY軸方向が、可動部34が主に移動する主移動方向となっている。
さらに、本実施形態では、四つのビーム37は、形状がほぼ同一となるように形成されている。すなわち、可動電極構造(可動構造)30のX軸方向(一方向)に対するばね係数(弾性係数)と可動電極構造(可動構造)30のY軸方向(直交方向)に対するばね係数(弾性係数)とがほぼ同一になっている。
また、図2に示すように、可動部34の表面(図1中下面:固定部の表面と対向する対向面)34aには、第1および第2可動電極35,36が設けられている。なお、第1および第2可動電極35,36は、可動部34を介して接地されている。
本実施形態では、第1可動電極35の表面(図1中下面)に、エレクトレット膜(エレクトレット部材)35aが形成されている。このエレクトレット膜35aとしては、公知のものを用いることができ、例えば、熱酸化法により形成されたSiOからなるものを用いることができる。そして、このエレクトレット膜35aに負電荷を蓄積させることでエレクトレット電極35bを形成している。
本実施形態では、略正方形状(X軸方向の辺とY軸方向の辺との比が1:1)のエレクトレット電極35bと略正方形状(X軸方向の辺とY軸方向の辺との比が1:1)の第2可動電極36とが、X軸方向にそれぞれ交互に配置されるとともに、Y軸方向にもそれぞれ交互に配置されている。すなわち、エレクトレット電極35bおよび第2可動電極36が、可動部34の表面34aに碁盤の目状に形成されている。
そして、枠部33をプリント配線基板21に固定することで、可動電極構造30を固定電極構造20に固定している。このとき、枠部33の下面側外周に設けた電気接続パッド39が、電気接続部材(半田、導電性ペーストなど)60を介してプリント配線基板21に形成された配線パターン21bに電気的に接続される。そして、上述の第1および第2固定電極22,23は、配線パターン21bを介して接地されている。
さらに、本実施形態では、可動部34が中立位置にあるとき、すなわち、外部振動を受けていないときに、エレクトレット電極35bが主に第1固定電極22と対向し、第2可動電極36が主に第2固定電極23と対向するようになっている。
ブリッジ整流回路40は、電力を整流するために設けられており、配線71を介して第1固定電極22と電気的に接続されている。また、ブリッジ整流回路40は、配線72を介して、第2固定電極23と電気的に接続されている。さらに、ブリッジ整流回路40には、静電誘導型発電装置10によって発電された電力により駆動される負荷50が配線73および74を介して接続されている。このとき、負荷50を接地させるようにするのが好適である。
このブリッジ整流回路40は、本実施形態では、4つのダイオード41〜44を有している。具体的には、ダイオード41のアノードは、ダイオード44のカソードと接続されているとともに、配線71と接続されている。また、ダイオード41のカソードは、ダイオード43のカソードと接続されているとともに、配線73を介して負荷50と接続されている。
また、ダイオード42のアノードは、ダイオード44のアノードと接続されているとともに、配線74を介して負荷50と接続されている。また、ダイオード42のカソードは、ダイオード43のアノードと接続されているとともに、配線72と接続されている。
また、ダイオード43は、アノードが配線72と接続されているとともに、カソードが配線73を介して負荷50と接続されている。また、ダイオード44は、アノードが配線74を介して負荷50と接続されているとともに、カソードが配線71と接続されている。
次に、静電誘導型発電装置10の発電動作について、可動部34がX軸方向に振動する場合を例示して説明する。
まず、図4に示すように、可動部34が中立位置にあり、エレクトレット電極35bが主に第1固定電極22と対向するとともに、第2可動電極36が主に第2固定電極23と対向した状態では、エレクトレット電極35bに負電荷が与えられているため、対向する第1固定電極22に正電荷が誘導される。なお、第2可動電極36および第2固定電極23は、ともに接地されているため、第2可動電極36および第2固定電極23のそれぞれとの対向面には、電荷は誘導されない。
そして、可動部34が振動を受け、例えば、図5に示すように、X軸方向一方側(図4中左側)に移動すると、エレクトレット電極35bが主に第2固定電極23と対向するとともに、第2可動電極36が主に第1固定電極22と対向する。このとき、エレクトレット電極35bには負電荷が与えられているため、対向する第2固定電極23に正電荷が誘導される。
そして、第1固定電極22および第2固定電極23間に生じる電位差によって、第1固定電極22からブリッジ整流回路40に対して矢印A方向の電流が流れる。そして、ブリッジ整流回路40により整流が行われて負荷50に矢印B方向の電流が出力される。具体的には、ダイオード41、配線73、負荷50、配線74およびダイオード42の順に電流が流れる。
その後、図6に示すように、可動部34がX軸方向他方側(図4中右側)に移動して中立位置にくると、エレクトレット電極35bが主に第1固定電極22と対向するとともに、第2可動電極36が主に第2固定電極23と対向する。このとき、エレクトレット電極35bには負電荷が与えられているため、対向する第1固定電極22に正電荷が誘導される。そして、第1固定電極22および第2固定電極23間に生じる電位差によって、第2固定電極23からブリッジ整流回路40に対して矢印C方向の電流が流れ、ブリッジ整流回路40により整流が行われて負荷50に矢印D方向の電流が出力される。具体的には、ダイオード43、配線73、負荷50、配線74およびダイオード44の順に電流が流れる。
なお、可動部34がX軸方向他方側(図4中右側)に移動して中立位置に戻った場合にも、上記と同様の原理で電流が流れる。
このように、可動部34がX軸方向に振動すると、上記動作が繰り返し行われ、発電が継続して行われる。
このことは、可動部34がY軸方向に振動(移動)した場合や、X軸方向およびY軸方向以外のX−Y平面内の任意の方向へ移動した場合であっても同様である。すなわち、エレクトレット電極35bと対向する電極が第1固定電極22から第2固定電極23、若しくは、第2固定電極23から第1固定電極22に変化すれば、電流を得ることができる。このように、エレクトレット電極35bと第1固定電極22との対向面積やエレクトレット電極35bと第2固定電極23との対向面積を増減させることで、第1および第2固定電極22,23に誘導される電荷量を変化させ、この電荷量の変化分を電気エネルギーとして取り出せるようになっている。
ここで、本実施形態では、エレクトレット電極35bと第1および第2固定電極(他方の電極)22,23のうち少なくともいずれか一方の電極である第1および第2固定電極22,23の形状を波形としている。
具体的には、第1および第2固定電極22,23は、X軸方向(一方向)に、間隔(第1の間隔)d1で隔てられ、Y軸方向(直交方向)に、間隔(第2の間隔)d2で隔てられる4つの領域80aを頂点とする単位格子を少なくとも1つ有するように配置される格子状の第1の領域80を有している(図3参照)。本実施形態では、間隔(第1の間隔)d1と間隔(第2の間隔)d2とを、略一致させている。したがって、単位格子81は、X軸方向に延在する2辺とY軸方向に延在する2辺とで正方形状に形成されている。
そして、第1および第2固定電極22,23は、それぞれの単位格子81の内側で、単位格子81の対角線の交点を含むように配置される第2の領域82を有している。
なお、第1および第2固定電極22,23の形状は、単位格子81を形成することのできる領域を任意に選択し、当該領域を第1の領域80とした場合に、対角線の交点を含むように第2の領域82が配置された形状であればよい。
すなわち、任意の一領域を第1の領域80とすると、当該一領域は、X軸方向(一方向)に間隔(第1の間隔)d1を隔てて第1の領域80と隣り合い、Y軸方向(直交方向)に間隔(第2の間隔)d2を隔てて第1の領域80と隣り合う。そして、X軸方向(一方向)に間隔(第1の間隔)d1の半分(半ピッチ)ずらすとともに、Y軸方向(直交方向)に間隔(第2の間隔)d2の半分(半ピッチ)ずらした位置に第2の領域82が配置される。
このように、一領域は、単位格子81の対角線方向(一方向および直交方向と交差する第1の傾斜方向aまたは一方向、直交方向および第1の傾斜方向のそれぞれと交差する第2の傾斜方向b)で第2の領域82と隣り合っている。
なお、本実施形態のように、複数種類(2種類)の固定電極を形成した場合、単位格子81は、同一種類(第1固定電極22または第2固定電極23)の固定電極で形成する必要がある。図3には、第1固定電極22を用いた場合を例示している。第2固定電極23にも、同様の領域が配置されている。
そして、X軸方向(一方向)およびY軸方向(直交方向)と交差する第1の傾斜方向aで隣り合う2つの領域(第1の領域80と第2の領域82)を連結して形成される第1の辺部22c、23cと、X軸方向(一方向)、Y軸方向(直交方向)および第1の傾斜方向aのそれぞれと交差する第2の傾斜方向bで隣り合う2つの領域(第1の領域80と第2の領域82)を連結して形成される第2の辺部22d、23dと、を交互に連結させることで波形を形成している。
さらに、本実施形態では、第1の辺部22c、23cの方向および第2の辺部22d、23dの方向、すなわち、第1の辺部22c、23cとX軸方向(一方向)とのなす鋭角θ1および第2の辺部22d、23dとX軸方向(一方向)とのなす鋭角θ1を、第1の間隔d1と第2の間隔d2との比に基づいて設定している。
具体的には、θ1=arctan(d2/d1)となるように、第1の辺部22c、23cおよび第2の辺部22d、23dを延設している。本実施形態では、d1=d2となっているため、θ1=45°となるように第1の辺部22c、23cおよび第2の辺部22d、23dを延設している。なお、この方向は、単位格子81の2つの対角線方向(一方向および直交方向と交差する第1の傾斜方向aと一方向、直交方向および第1の傾斜方向のそれぞれと交差する第2の傾斜方向b)と一致している。
そして、本実施形態では、第1および第2固定電極22,23の形状を、それぞれ、X軸方向(表面21a内の一方向)に延在する波形がY軸方向(一方向と略直交する直交方向)に複数配置された形状としている。
なお、第1および第2固定電極22,23の形状をこのような波形とすることで、図3に示すように、波の山部と谷部のうちいずれか一方(図3では、山部)が、第1の領域80となり、他方(図3では、谷部)が第2の領域82となる。
また、エレクトレット電極35bおよび第2可動電極36も、略正方形状のエレクトレット電極(一領域に相当)35bおよび第2可動電極36を、X軸方向(一方向)およびY軸方向(直交方向)に交互に配置して、碁盤の目状に形成することで、X軸方向に延在する2辺とY軸方向に延在する2辺とで単位格子84が形成されるように配置することができる。
このとき、図2に示すように、X軸方向(一方向)に、間隔(第1の間隔)d1で隔てられ、Y軸方向(直交方向)に、間隔(第2の間隔)d2で隔てられる4つの領域83aを頂点とする単位格子84を有するように第1の領域83を格子状に配置するのが好ましい。こうすれば、可動部34が中立位置にあるときに、エレクトレット電極35bが主に第1固定電極22と対向し、第2可動電極36が主に第2固定電極23と対向するようにすることができる。
そして、単位格子84の対角線の交点を含むように第2の領域85が配置される。
次に、本実施形態にかかる第1および第2固定電極22,23ならびにエレクトレット電極35bを用いた際の、エレクトレット電極35bと第1固定電極22との対向面積の増減について説明する。
まず、図7および図8に基づいて、第1固定電極22と第2固定電極23とを、エレクトレット電極35bや第2可動電極36と同様に、X軸方向(一方向)およびY軸方向(直交方向)に交互に配置して、碁盤の目状に形成したものを用いた場合を説明する。
このような電極を用いると、中立位置にあり、エレクトレット電極35bが主に第1固定電極22と対向している状態にある可動部34がX軸方向(一方向)またはY軸方向(直交方向)に移動する際には、エレクトレット電極35bのほぼ全てを第2固定電極23と対向させることができる。すなわち、エレクトレット電極35bと第1固定電極22との対向面積を大きく増減させることができる。
しかしながら、可動部34が第1の傾斜方向aまたは第2の傾斜方向bに移動した際には、エレクトレット電極35bは、主に第1固定電極22と対向したままである。すなわち、エレクトレット電極35bと第1固定電極22との対向面積の増減がほとんどない。
このように、第1固定電極22と第2固定電極23とが、図8に示す形状だと、可動部34が第1の傾斜方向aまたは第2の傾斜方向bに移動した際には、発電はほとんど行われない。
したがって、静電誘導型発電装置10全体の発電効率を向上させることができない。
しかしながら、第1固定電極22および第2固定電極23の形状を、本実施形態のようにすれば、中立位置にあり、エレクトレット電極35bが主に第1固定電極22と対向している状態にある可動部34がX軸方向(一方向)またはY軸方向(直交方向)に移動する際には、エレクトレット電極35bのほぼ全てを第2固定電極23と対向させることができる。
さらに、可動部34が第1の傾斜方向aまたは第2の傾斜方向bに移動した際には、エレクトレット電極35bの約半分は、第2固定電極23と対向するようになる。
すなわち、可動部34の主移動方向であるX軸方向およびY軸方向への振動の際には、エレクトレット電極35bと第1固定電極22との対向面積を大きく増減させることができる上、第1の傾斜方向aまたは第2の傾斜方向bに振動した場合の、エレクトレット電極35bと第1固定電極22との対向面積も増減させることができるようになる。したがって、主移動方向であるX軸方向およびY軸方向への振動の際の発電効率を低減することなく、それ以外の平面内の任意の方向への振動(X−Y平面に沿った振動)の際にも、より効率的に発電を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態にかかる静電誘導型発電装置10を用いれば、振動しやすいX軸方向およびY軸方向への振動の際の発電効率の低下を抑制しつつ、他の方向への振動の際にも、より効率的に発電を行うことができる。したがって、本実施形態によれば、静電誘導型発電装置10全体における発電効率を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、第1の辺部22c、23cとX軸方向(一方向)とのなす鋭角θ1および第2の辺部22d、23dとX軸方向(一方向)とのなす鋭角θ1を、第1の間隔d1と第2の間隔d2との比に基づいて設定しているため、斜め方向(第1の傾斜方向aまたは第2の傾斜方向b)へ振動した場合の、エレクトレット電極35bと第1固定電極22との対向面積の増減をより大きくすることができるようになる。すなわち、斜め方向(第1の傾斜方向aまたは第2の傾斜方向b)への振動時における発電効率をより一層高めることができ、静電誘導型発電装置10全体における発電効率をより一層向上させることができる。
また、第1の間隔d1と第2の間隔d2との比を1:1とすることで、X軸方向およびY軸方向に配置可能な電極数を均等にすることができる上、X軸方向およびY軸方向における発電効率のバランスがよくなるという利点もある。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
(第1変形例)
本変形例においても、上記第1実施形態と同様に、エレクトレット電極35bと第1および第2固定電極(他方の電極)22,23のうち少なくともいずれか一方の電極である第1および第2固定電極22,23の形状を波形としている。
具体的には、第1および第2固定電極(他方の電極)22,23は、図10に示すように、X軸方向(一方向)に、間隔(第1の間隔)d3で隔てられ、Y軸方向(直交方向)に、間隔(第2の間隔)d4で隔てられる4つの領域80aを頂点とする単位格子を少なくとも1つ有するように配置される格子状の第1の領域80を有している。
そして、第1および第2固定電極22,23は、それぞれの単位格子81の内側で、単位格子81の対角線の交点を含むように配置される第2の領域82を有している。
なお、図10では、第1固定電極22についての単位格子を例示しているが、第2固定電極23についても同様である。
ここで、本変形例では、間隔(第1の間隔)d3が間隔(第2の間隔)d4よりも大きくなっている。すなわち、単位格子81は、X軸方向を長辺とする長方形状に形成されている。
したがって、任意の一領域を第1の領域80とすると、当該一領域は、単位格子81の対角線方向(一方向および直交方向と交差する第1の傾斜方向cまたは一方向、直交方向および第1の傾斜方向のそれぞれと交差する第2の傾斜方向d)で第2の領域82と隣り合っている。
そして、X軸方向(一方向)およびY軸方向(直交方向)と交差する第1の傾斜方向cで隣り合う2つの領域(第1の領域80と第2の領域82)を連結して形成される第1の辺部22c、23cと、X軸方向(一方向)、Y軸方向(直交方向)および第1の傾斜方向cのそれぞれと交差する第2の傾斜方向dで隣り合う2つの領域(第1の領域80と第2の領域82)を連結して形成される第2の辺部22d、23dと、を交互に連結させることで波形を形成している。
本変形例においても、第1および第2固定電極22,23の形状は、それぞれ、X軸方向に延在する波形がY軸方向に複数配置された形状をしている。
また、略長方形状のエレクトレット電極(一領域に相当)35bおよび第2可動電極36(図10では図示省略)を、X軸方向(一方向)およびY軸方向(直交方向)に交互に配置して、碁盤の目状に形成することで、X軸方向に延在する2辺とY軸方向に延在する2辺とで単位格子84が形成されるようにしている。すなわち、第1の領域83が格子状に配置されるようにしている。そして、単位格子84の対角線の交点を含むように第2の領域85が配置されている。また、本変形例では、エレクトレット電極(一領域に相当)35bおよび第2可動電極36は、長辺(X軸方向の辺)と短辺(Y軸方向の辺)との比が第1の間隔d3と第2の間隔d4との比となるように形成されている。なお、上記第1実施形態においては、第1の間隔d1と第2の間隔d2との比が1:1であるため、エレクトレット電極(一領域に相当)35bおよび第2可動電極36の形状を正方形状にしている。このように、長辺(X軸方向の辺)と短辺(Y軸方向の辺)との比が第1の間隔d3と第2の間隔d4との比となるように形成することで、第1固定電極22または第2固定電極23との対向面積の増減量が極力大きくなるようにしている。
そして、可動部34が中立位置にあるときに、エレクトレット電極35bが主に第1固定電極22と対向し、第2可動電極36が主に第2固定電極23と対向するようにしている。
さらに、第1の辺部22c、23cの方向および第2の辺部22d、23dの方向、すなわち、第1の辺部22c、23cとX軸方向(一方向)とのなす鋭角θ2および第2の辺部22d、23dとX軸方向(一方向)とのなす鋭角θ2を、第1の間隔d3と第2の間隔d4との比に基づいて設定している。
具体的には、θ2=arctan(d4/d3)となるように、第1の辺部22c、23cおよび第2の辺部22d、23dを延設している。なお、本変形例においても、この方向は、単位格子81の2つの対角線方向(一方向および直交方向と交差する第1の傾斜方向cと一方向、直交方向および第1の傾斜方向のそれぞれと交差する第2の傾斜方向d)と一致している。
以上の本変形例によっても、上記第1実施形態とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
(第2変形例)
本変形例においても、上記第1実施形態と同様に、エレクトレット電極35bと第1および第2固定電極(他方の電極)22,23のうち少なくともいずれか一方の電極である第1および第2固定電極22,23の形状を波形としている。
具体的には、第1および第2固定電極(他方の電極)22,23は、図11に示すように、X軸方向(一方向)に、間隔(第1の間隔)d5で隔てられ、Y軸方向(直交方向)に、間隔(第2の間隔)d6で隔てられる4つの領域80aを頂点とする単位格子を少なくとも1つ有するように配置される格子状の第1の領域80を有している。
そして、第1および第2固定電極22,23は、それぞれの単位格子81の内側で、単位格子81の対角線の交点を含むように配置される第2の領域82を有している。
なお、図11では、第1固定電極22についての単位格子を例示しているが、第2固定電極23についても同様である。
ここで、本変形例では、間隔(第1の間隔)d5が間隔(第2の間隔)d6よりも小さくなっている。すなわち、単位格子81は、X軸方向を短辺とする長方形状に形成されている。
したがって、任意の一領域を第1の領域80とすると、当該一領域は、単位格子81の対角線方向(一方向および直交方向と交差する第1の傾斜方向eまたは一方向、直交方向および第1の傾斜方向のそれぞれと交差する第2の傾斜方向f)で第2の領域82と隣り合っている。
そして、X軸方向(一方向)およびY軸方向(直交方向)と交差する第1の傾斜方向eで隣り合う2つの領域(第1の領域80と第2の領域82)を連結して形成される第1の辺部22c、23cと、X軸方向(一方向)、Y軸方向(直交方向)および第1の傾斜方向eのそれぞれと交差する第2の傾斜方向fで隣り合う2つの領域(第1の領域80と第2の領域82)を連結して形成される第2の辺部22d、23dと、を交互に連結させることで波形を形成している。
本変形例においても、第1および第2固定電極22,23の形状は、それぞれ、X軸方向に延在する波形がY軸方向に複数配置された形状をしている。
また、略長方形状のエレクトレット電極(一領域に相当)35bおよび第2可動電極36(図11では図示省略)を、X軸方向(一方向)およびY軸方向(直交方向)に交互に配置して、碁盤の目状に形成することで、X軸方向に延在する2辺とY軸方向に延在する2辺とで単位格子84が形成されるようにしている。すなわち、第1の領域83が格子状に配置されるようにしている。そして、単位格子84の対角線の交点を含むように第2の領域85が配置されている。また、本変形例では、エレクトレット電極(一領域に相当)35bおよび第2可動電極36は、短辺(X軸方向の辺)と長辺(Y軸方向の辺)との比が第1の間隔d5と第2の間隔d6との比となるように形成されている。
そして、可動部34が中立位置にあるときに、エレクトレット電極35bが主に第1固定電極22と対向し、第2可動電極36が主に第2固定電極23と対向するようにしている。
さらに、第1の辺部22c、23cの方向および第2の辺部22d、23dの方向、すなわち、第1の辺部22c、23cとX軸方向(一方向)とのなす鋭角θ3および第2の辺部22d、23dとX軸方向(一方向)とのなす鋭角θ3を、第1の間隔d5と第2の間隔d6との比に基づいて設定している。
具体的には、θ3=arctan(d6/d5)となるように、第1の辺部22c、23cおよび第2の辺部22d、23dを延設している。なお、本変形例においても、この方向は、単位格子81の2つの対角線方向(一方向および直交方向と交差する第1の傾斜方向eと一方向、直交方向および第1の傾斜方向のそれぞれと交差する第2の傾斜方向f)と一致している。
以上の本変形例によっても、上記第1実施形態とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
(第2実施形態)
本実施形態にかかる静電誘導型発電装置10は、基本的に上記第1実施形態と同様の構成をしており、固定電極構造20と、当該固定電極構造20に対して間隔を隔てて略平行に配置され、相対的に平面移動(X−Y平面に沿って移動)する可動部34が形成された可動電極構造30と、を備えている。
そして、可動部34は、プリント配線基板(固定部)21に対して、X軸方向およびY軸方向を主として平面内の任意の方向に移動(X−Y平面に沿って移動)できるようになっている。
ここで、本実施形態が、上記第1実施形態と主に異なる点は、エレクトレット電極35bの形状と第1固定電極22および第2固定電極23の形状を変えたことにある。なお、本実施形態では、第2可動電極を設けていないものを例示するが、第2可動電極を設けるようにしてもよい。
具体的には、第1固定電極22および第2固定電極23の形状を、図12(b)に示すように、X軸方向(一方向)およびY軸方向(直交方向)に交互に配置して、碁盤の目状に形成している。そして、第1の傾斜方向aに並設された第1固定電極22、第2固定電極23同士を接続するとともに、連結部22a,23aを介して電荷取出部22b,23bに接続させている。
また、エレクトレット電極35bの形状を、上記第1実施形態で示した波形とほぼ同一の形状としている。
具体的には、X軸方向(一方向)およびY軸方向(直交方向)と交差する第1の傾斜方向aで隣り合う2つの領域を連結して形成される第1の辺部35cと、X軸方向(一方向)、Y軸方向(直交方向)および第1の傾斜方向aのそれぞれと交差する第2の傾斜方向bで隣り合う2つの領域を連結して形成される第2の辺部35dと、を交互に連結させることで波形を形成している。
そして、エレクトレット電極35bは、X軸方向(表面21a内の一方向)に延在する波形をしており、この波形のエレクトレット電極35bがY軸方向(一方向と略直交する直交方向)に交互に複数配置されている。
このとき、上記第1実施形態と同様に、第1の辺部35cの方向および第2の辺部35dの方向は、第1の間隔d1と第2の間隔d2との比に基づいて設定されている。
以上の本実施形態によっても、可動部34の主移動方向であるX軸方向およびY軸方向への振動の際には、エレクトレット電極35bと第1固定電極22との対向面積を大きく増減させることができる上、第1の傾斜方向aまたは第2の傾斜方向bに振動した場合の、エレクトレット電極35bと第1固定電極22との対向面積も増減させることができるようになる。すなわち、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
なお、本実施形態においても、上記第1実施形態の第1変形例または第2変形例を適用することができる。
(第3実施形態)
本実施形態にかかる静電誘導型発電装置10は、基本的に上記第1実施形態と同様の構成をしており、固定電極構造20と、当該固定電極構造20に対して間隔を隔てて略平行に配置され、相対的に平面移動(X−Y平面に沿って移動)する可動部34が形成された可動電極構造30と、を備えている。
そして、可動部34は、プリント配線基板(固定部)21に対して、X軸方向およびY軸方向を主として平面内の任意の方向に移動(X−Y平面に沿って移動)できるようになっている。
ここで、本実施形態が、上記第1実施形態と主に異なる点は、エレクトレット電極35bの形状と第1固定電極22および第2固定電極23の形状を変えたことにある。なお、本実施形態では、第2可動電極を設けていないものを例示するが、第2可動電極を設けるようにしてもよい。
具体的には、第1固定電極22および第2固定電極23の形状を上記第1実施形態で示した波形とするとともに、エレクトレット電極35bの形状を、上記第2実施形態で示した波形としている。
すなわち、第1および第2固定電極22,23は、X軸方向(表面21a内の一方向)に延在する波形をしており、これら波形の第1固定電極22および第2固定電極23がY軸方向(一方向と略直交する直交方向)に交互に複数配置されている。
また、エレクトレット電極35bも、X軸方向(表面21a内の一方向)に延在する波形をしており、この波形のエレクトレット電極35bがY軸方向(一方向と略直交する直交方向)に交互に複数配置されている。
このように、本実施形態では、エレクトレット電極35bの形状および第1,第2固定電極(他方の電極)22,23の形状が、同一方向(X軸方向)に延在する波形となっている。
さらに、本実施形態では、可動部34が中立位置にあるときに、エレクトレット電極35bが主に第1固定電極22と対向するようになっている。
このとき、図15に示すように、中立位置にあり、エレクトレット電極35bが主に第1固定電極22と対向している状態にある可動部34がY軸方向に移動する際には、エレクトレット電極35bのほぼ全てを第2固定電極23と対向させることができる。
そして、可動部34が、X軸方向または第1の傾斜方向aまたは第2の傾斜方向bに移動した際には、エレクトレット電極35bの約半分(対向面積の変化量は、上記第1および第2実施形態と同様になる)が、第2固定電極23と対向するようになる。
すなわち、本実施形態にかかる構成では、可動部34がX軸方向へ移動した際の発電効率を上記第1および第2実施形態と同等にすることができる上、可動部34がY軸方向へ移動した際には対向面積の変化量が上記第1および第2実施形態よりも増加するため、Y軸方向への可動部34の移動の際の発電効率は、上記第1および第2実施形態よりも高くなる。
このように、本実施形態によれば、主移動方向(X軸方向およびY軸方向)へ移動した際の発電効率の低下を抑制しつつ、主移動方向以外の方向へ移動した際にも発電を行うことができるため、静電誘導型発電装置10全体における発電効率を向上させることができる。
なお、本実施形態においても、上記第1実施形態の第1変形例または第2変形例を適用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
たとえば、上記各実施形態および各変形例では、可動部側にエレクトレット電極を設けたものを例示したが、固定部側にエレクトレット電極を設けるようにしてもよい。
また、上記各実施形態および各変形例では、可動電極構造(可動構造)30のX軸方向(一方向)に対するばね係数(弾性係数)と可動電極構造(可動構造)30のY軸方向(直交方向)に対するばね係数(弾性係数)とがほぼ同一のものを例示したが、それぞれの弾性係数を異ならせてもよい。
例えば、図16に示すように、X軸方向に延在するばね37Aの数をY軸方向に延在するばね37Aの数よりも少なくすることで、可動電極構造(可動構造)30のX軸方向(一方向)に対するばね係数(弾性係数)を可動電極構造(可動構造)30のY軸方向(直交方向)に対するばね係数(弾性係数)よりも小さくなるようにしてもよい。
また、図17に示すように、X軸方向に延在するばね37Aの数をY軸方向に延在するばね37Aの数よりも多くすることで、可動電極構造(可動構造)30のX軸方向(一方向)に対するばね係数(弾性係数)を可動電極構造(可動構造)30のY軸方向(直交方向)に対するばね係数(弾性係数)よりも大きくなるようにしてもよい。
このとき、それぞれの方向のばね係数(弾性係数)を、同一の場合も含めて、波形に形成された電極の形状に基づいて設定するのが好適である。
例えば、可動部34をX軸方向にd1、d3、d5の半分だけ移動させる力と同じ大きさの力をY軸方向に加えた際に可動部34がY軸方向にd2、d4、d6だけ移動するように、それぞれの方向のばね係数を設定すれば、X軸方向およびY軸方向にそれぞれ同じ大きさの力が加わった際に、X軸方向、Y軸方向ともに、エレクトレット電極35bと第1固定電極22との対向面積を最大限増減させることができるようになり、静電誘導型発電装置の発電効率を向上させることができる。
また、可動部34をX軸方向にd1、d3、d5だけ移動させる力と同じ大きさの力をY軸方向に加えた際に可動部34がY軸方向にd2、d4、d6の半分だけ移動するように、それぞれの方向のばね係数を設定しても、静電誘導型発電装置の発電効率を向上させることができる。
また、可動部34をX軸方向にd1、d3、d5だけ移動させる力と同じ大きさの力をY軸方向に加えた際に可動部34がY軸方向にd2、d4、d6だけ移動するように、それぞれの方向のばね係数を設定しても、静電誘導型発電装置の発電効率を向上させることができる。特に、上記第1実施形態のようにd1=d2の場合、それぞれの方向のばね係数が同一となり、X軸方向およびY軸方向における発電効率のバランスがよくなるとともに、設計が容易になるという利点がある。
なお、図16および図17では、ばねの数を異ならせることで、可動電極構造(可動構造)30のX軸方向(一方向)に対するばね係数(弾性係数)と可動電極構造(可動構造)30のY軸方向(直交方向)に対するばね係数(弾性係数)を異ならせているが、ばねの太さや長さを変えることで、それぞれの方向のばね係数を異ならせるようにしてもよい。また、上記各実施形態および変形例で示したようなビーム37を設ける際には、ビームの太さ、長さ、本数を適宜変えることで、それぞれの方向のばね係数を設定すればよい。
また、可動部や固定部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
10 静電誘導型発電装置
21 プリント配線基板(固定部)
21a 表面
22 第1固定電極(電極)
22c 第1辺部
22d 第2辺部
23 第2固定電極(電極)
23c 第1辺部
23d 第2辺部
30 可動電極構造(可動構造)
33 枠部
34 可動部
34a 表面(対向面)
35 第1可動電極
35a エレクトレット膜(エレクトレット部材)
35b エレクトレット電極
35c 第1辺部
35d 第2辺部
36 第2可動電極(電極)
37 ビーム(弾性部材)

Claims (3)

  1. 表面に電極が設けられた固定部と、当該固定部の表面と対向する対向面に電極が設けられ、前記固定部に対して相対移動可能な可動部と、を備える静電誘導型発電装置であって、
    前記固定部の電極と前記可動部の電極のうちいずれか一方の電極は、エレクトレット部材を含むエレクトレット電極を備え、
    前記可動部は、前記固定部に対して、前記表面内の一方向および当該一方向と略直交する直交方向を主移動方向として、当該表面内の任意の方向に相対移動可能であり、
    前記エレクトレット電極および他方の電極は、前記一方向には第1の間隔で隔てられ、前記直交方向には第2の間隔で隔てられる4つの領域を頂点とする単位格子を少なくとも1つ有するように配置される格子状の第1の領域と、前記単位格子の対角線の交点を含むように配置される第2の領域と、を備えており、
    前記エレクトレット電極と前記他方の電極のうち少なくともいずれか一方の電極の形状が、前記一方向および前記直交方向と交差する第1の傾斜方向でとなり合う前記第1の領域と前記第2の領域とを連結して形成される第1の辺部と、前記一方向、前記直交方向および前記第1の傾斜方向のそれぞれと交差する第2の傾斜方向でとなり合う前記第1の領域と前記第2の領域とを連結して形成される第2の辺部と、を交互に連結させた波形であり、
    前記第1の辺部と前記一方向とのなす鋭角および前記第2の辺部と前記一方向とのなす鋭角が、前記第1の間隔と第2の間隔との比に基づいて設定されていることを特徴とする静電誘導型発電装置。
  2. 前記エレクトレット電極および前記他方の電極の形状が、同一方向に延在する前記波形であることを特徴とする請求項1に記載の静電誘導型発電装置。
  3. 前記静電誘導型発電装置は、前記可動部が弾性部材を介して枠部に相対移動可能に取り付けられた可動構造を備えており、
    前記可動構造の前記一方向に対する弾性係数および前記直交方向に対する弾性係数が、前記波形に形成された電極の形状に基づいて設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電誘導型発電装置。
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