JP2011249533A - 圧電素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反りの小さな、薄い板状の圧電素子を製造することができる圧電素子の製造方法を提供する。
【解決手段】開口部4を有する枠体2と、開口部4内に配置され、枠体2に固定された、所定の厚さで枠体2より薄い電極配設薄板状焼成圧電体3と、を備える枠体付き電極配設薄板状圧電体1を作製し、電極配設薄板状焼成圧電体3の表面に、所定の厚さの乾燥状態の樹脂前駆体の塗膜44を形成して、樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43を有する枠体付き樹脂前駆体配設圧電体を作製し、樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43を、第1保持部材32の第1平面部と第2保持部材33の第2平面部とで加圧しながら挟んだ状態で、樹脂前駆体の塗膜を硬化させて樹脂膜配設薄板状焼成圧電体43を形成する圧電素子の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電素子の製造方法に関し、更に詳しくは、反りの小さな、薄い板状の圧電素子を製造することができる圧電素子の製造方法に関する。
近年、光学、精密機械、半導体製造等の分野において、サブミクロンのオーダーで光路長や位置を調整する変位制御デバイスが所望されるようになってきている。これに応え、強誘電体や反強誘電体に電界を加えたときに起こる逆圧電効果等に基づく歪み(変形)を利用した圧電アクチュエータや、同様の効果に基づき強誘電体/反強誘電体に応力を加えたときに起こる電荷発生を利用した圧電センサ等の、圧電デバイスの開発が進められている。これら圧電デバイスの中核をなすものは、圧電体(焼成圧電体)、及び、それを電極で挟んでなる圧電素子である。
圧電素子(圧電薄膜素子)としては、例えば、PZT薄膜のa軸、b軸方向への配向率の合計を90%以上とすることによって、バルクセラミックに匹敵する圧電定数を得た圧電素子が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
これら圧電素子の動作は、圧電体の変位(歪み)に基づき発現するものである。そして、その焼成圧電体は、高温で焼成して作製することが可能であり、且つ、添加物の種類を適切に選定することによって、圧電定数が高い、大きな変位を得られるものとすることが出来る。圧電定数が高ければ、所定の特性を得るために必要以上に薄くすることがないため、ハンドリング性能は向上する。小さなサイズで大きな変位を得ることが出来る圧電素子は、その質量によって消費電力、応答性が変わる製品に、好ましく適用される。
また、圧電素子の駆動時の動作(焼成圧電体の変位)は、圧電素子が使用される圧電デバイスの仕様により、所望の変位とすることができる。例えば、圧電素子を薄板状に形成し、面内の変位が生じるようにすれば、屈曲のような厚さ方向の振動モードがないため、精密駆動を実現することができる。
しかし、圧電素子が反っている場合には、駆動時に、面内の変位に厚さ方向の変位が加わった屈曲変位が生じるという問題があった。これに対し、圧電素子の反りを小さくする方法が開示されている(例えば、特許文献2,3を参照)。
特開2005−228838号公報 特開平8−213664号公報 特開2004−10421号公報
特許文献1に開示された圧電素子の製造方法では、スパッタリング法等の薄膜形成プロセスを用いて圧電膜を形成するため、作製に時間がかかるものである。加えて、高価な製造装置を使うことから、コストがかかるものである。
特許文献2に開示された圧電素子の製造方法では、積層セラミック圧電体素子の表面を研磨加工することにより、当該素子の反りをなくし平面度を高めようとしている。
特許文献3に開示された圧電素子の製造方法は、積層型セラミック焼成体を焼成する際に、所定の治具を用いて焼成することにより、積層型セラミック焼成体反りを防止しようとするものである。
一方、薄板状圧電体を備える圧電素子においては、絶縁距離を短くするため、ポリイミド樹脂等の樹脂で圧電素子の表面をコーティングする方法が好適に用いられている。しかし、ポリイミド樹脂等の樹脂で圧電素子の表面をコーティングした場合、圧電素子の表面と裏面とで樹脂の膜厚が微妙に異なったり、製膜時の加熱のむらにより、圧電素子の表面と裏面とで樹脂の収縮量が異なったりすることにより、圧電素子に数μm程度の反りが発生することがあるという問題があった。
そのため、上記特許文献2,3に開示された圧電素子の製造方法によって、圧電素子の反りを修正しようとしても、修正のための操作を行った後に樹脂によるコーティングを行えば、そのときに圧電素子に反りが発生することがあるという問題があった。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、反りの小さな、薄い板状の圧電素子を製造することができる圧電素子の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によって以下の圧電素子の製造方法が提供される。
[1] 少なくとも一の開口部が形成された平板状の枠体と、前記開口部内に配置されるとともに少なくとも一の端部が前記枠体に固定された、前記枠体より薄い、薄板状焼成圧電体の両面に膜状の電極が配設されてなる電極配設薄板状焼成圧電体と、を備える枠体付き電極配設薄板状圧電体を作製し、前記電極配設薄板状焼成圧電体の表面に、前記電極配設薄板状焼成圧電体の厚さに対して5〜200%の厚さの乾燥状態の樹脂前駆体の塗膜を形成して、前記電極配設薄板状焼成圧電体の表面に前記樹脂前駆体の塗膜が形成されてなる樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を有する、枠体付き樹脂前駆体配設圧電体を作製し、前記樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を、第1平面部を有する第1保持部材の前記第1平面部と、第2平面部を有する第2保持部材の前記第2平面部とで加圧しながら挟んだ状態で、前記樹脂前駆体の塗膜を硬化させて樹脂膜として樹脂膜配設薄板状焼成圧電体を形成して、枠体付き樹脂膜配設圧電体を作製する圧電素子の製造方法。
[2] 前記枠体から前記樹脂膜配設薄板状焼成圧電体を切り離して圧電素子を得る[1]に記載の圧電素子の製造方法。
[3] 前記電極配設薄板状焼成圧電体の表面に、溶媒と前記溶媒に溶解した樹脂前駆体とを含有する樹脂前駆体含有溶液を塗布し、その後、前記電極配設薄板状焼成圧電体の表面に塗布された前記樹脂前駆体含有溶液を乾燥して、前記電極配設薄板状焼成圧電体の表面に乾燥状態の樹脂前駆体の塗膜を形成する[1]又は[2]に記載の圧電素子の製造方法。
[4] 前記樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を、第1平面部を有する第1保持部材の前記第1平面部と、第2平面部を有する第2保持部材の前記第2平面部とで加圧しながら挟むときの圧力が、100〜1000Paである[1]〜[3]のいずれかに記載の圧電素子の製造方法。
[5] 前記第1保持部材の前記第1平面部の表面粗さ、及び前記第2保持部材の前記第
2平面部の表面粗さが、いずれも、0.1μm以上、前記樹脂前駆体の塗膜の厚さ以下である[1]〜[4]のいずれかに記載の圧電素子の製造方法。
[6] 前記樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体が、一部が表面に露出した状態で前記樹脂前駆体の塗膜に埋設された複数のセラミック微粒子を有する[1]〜[5]のいずれかに記載の圧電素子の製造方法。
[7] 前記樹脂前駆体の塗膜に埋設された前記複数のセラミック微粒子の埋設量が、1〜100個/mmである[6]に記載の圧電素子の製造方法。
[8] 前記樹脂前駆体が、ポリイミド樹脂前駆体、ウレタン樹脂前駆体、アクリル樹脂前駆体、エポキシ樹脂前駆体、フッ素樹脂前駆体及びシリコーン樹脂前駆体からなる群から選択される少なくとも1種である[1]〜[7]のいずれかに記載の圧電素子の製造方法。
このように、本発明の圧電素子の製造方法によれば、枠体と、当該枠体に少なくとも一の端部が固定され当該枠体より薄く形成された所定の厚さの電極配設薄板状焼成圧電体と、を備える枠体付き電極配設薄板状圧電体を作製した後に、当該電極配設薄板状焼成圧電体の表面に所定の厚さの乾燥状態の樹脂前駆体の塗膜を形成して、樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体(枠体付き樹脂前駆体配設圧電体)を作製し、その後、樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を、第1保持部材の第1平面部と、第2保持部材の第2平面部とで加圧しながら挟んだ状態で、樹脂前駆体の塗膜を硬化させて樹脂膜とすることにより樹脂膜配設薄板状焼成圧電体(枠体付き樹脂膜配設圧電体)を作製し、その後、枠体から樹脂膜配設薄板状焼成圧電体を切り離して圧電素子を得るため、「樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を、第1保持部材の第1平面部と、第2保持部材の第2平面部とで加圧しながら挟んだ状態で、乾燥状態の樹脂前駆体の塗膜を硬化させて樹脂膜として、樹脂膜配設薄板状焼成圧電体を作製する」ことにより、効果的に樹脂膜配設薄板状焼成圧電体の反りを低減することができ、反りの小さな圧電素子を得ることができる。
本発明の圧電素子の製造方法の一実施形態において、製造過程で作製される枠体付き電極配設薄板状圧電体を模式的に示す平面図である。 図1のA−A’断面を示す模式図である。 本発明の圧電素子の製造方法の一実施形態において、製造過程で作製される薄板状焼成圧電体用グリーンシートを模式的に示す斜視図である。 本発明の圧電素子の製造方法の一実施形態において、製造過程で作製される焼成用補強部が配設された薄板状焼成圧電体用グリーンシートを模式的に示す斜視図である。 本発明の圧電素子の製造方法の一実施形態において、製造過程で作製される補強板付き薄板状焼成圧電体の、薄板状焼成圧電体の表面に直交する断面を示す模式図である。 本発明の圧電素子の製造方法の一実施形態において、製造過程で作製される、スルーホールが形成された補強板付き薄板状焼成圧電体の、薄板状焼成圧電体の表面に直交する断面を示す模式図である。 本発明の圧電素子の製造方法の一実施形態において、製造過程で作製される、電極が配設された補強板付き薄板状焼成圧電体の、薄板状焼成圧電体の表面に直交する断面を示す模式図である。 本発明の圧電素子の製造方法の一実施形態において、製造過程で作製される、枠体付き電極配設薄板状圧電体の、電極配設薄板状焼成圧電体の表面に直交する断面を示す模式図である。 本発明の圧電素子の製造方法の一実施形態において、製造過程で作製される、枠体付きポリイミド樹脂前駆体配設圧電体の、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体の表面に直交する断面を示す模式図である。 本発明の圧電素子の製造方法の一実施形態における、枠体付きポリイミド樹脂前駆体配設圧電体のポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を、第1保持部材の第1平面部と、第2保持部材の第2平面部とで挟んだ状態を示し、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体の表面に直交する断面を示す模式図である。 本発明の圧電素子の製造方法の一実施形態において、製造過程で作製される、複数のセラミック微粒子を有するポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体の一部を示し、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体の表面に直交する断面を示す模式図である。
次に本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
本発明の圧電素子の製造方法の一実施形態は、まず、図1、図2に示すような、少なくとも一の開口部4が形成された平板状の枠体2と、開口部4内に配置されるとともに少なくとも一の端部5が枠体2に固定された、枠体2より薄い、薄板状焼成圧電体6の両面に膜状の電極が配設されてなる電極配設薄板状焼成圧電体3と、を備える枠体付き電極配設薄板状圧電体1を作製する。図1、図2においては、電極配設薄板状焼成圧電体3に配設された電極は省略されている。
枠体付き電極配設薄板状圧電体1の作製方法は以下の通りである。
まず、圧電材料を用いて、図3に示されるような、厚さ1〜35μmの薄板状焼成圧電体用グリーンシート11を作製することが好ましい。具体的には、例えば、圧電材料の粉末であるセラミックス粉末にバインダ、溶剤、分散剤、可塑剤等を添加混合してスラリーを作製し、これを脱泡処理後、リバースロールコーター法、ドクターブレード法等の方法によって、所望の厚さのグリーンシートを作製し、その後、金型を用いた打ち抜き、レーザー加工等の方法により、所望の大きさに加工して薄板状焼成圧電体用グリーンシート11を得る。
圧電材料は、圧電効果若しくは電歪効果等の電界誘起歪みを起こす材料であればよい。例えば、半導体セラミック、強誘電体セラミック、及び反強誘電体セラミックを用いることが可能であり、用途に応じて適宜選択することができる。また、分極処理が必要な材料であってもよいし、分極処理が不要な材料であってもよい。好ましい圧電材料としては、具体的には、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、ニッケルタンタル酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、マグネシウムタングステン酸鉛、マグネシウムタンタル酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナトリウムビスマス、チタン酸ビスマスネオジウム(BNT)、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、銅タングステンバリウム、鉄酸ビスマス、又は、これらのうちの2種以上からなる複合酸化物を挙げることが出来る。また、これらの材料には、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セリウム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ、銅等の酸化物が固溶されていてもよい。これらのなかでも、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、及びニッケルニオブ酸鉛の
複合酸化物は、高い材料特性を発現出来るので好ましい。更に、上記材料等に、ビスマス酸リチウム、ゲルマン酸鉛等を添加した材料、例えば、ビスマス酸リチウム乃至ゲルマン酸鉛を添加した材料は、圧電体の低温焼成を実現しつつ高い材料特性を発現出来るので、更に好ましい。
薄板状焼成圧電体用グリーンシート11の厚さは、1〜35μmが好ましいが、作製しようとする圧電素子の厚さに合わせて、適宜厚さを決定することが好ましい。また、薄板状焼成圧電体用グリーンシート11の大きさは、特に限定されないが、図3に示すように、長方形の薄板状である場合、10mm×10mm〜1000mm×1000mmの大きさであることが好ましい。
次に、図4に示されるような、厚さが10〜300μmの焼成用補強部12を、薄板状焼成圧電体用グリーンシート11上に形成する。例えば、まず、上記薄板状焼成圧電体用グリーンシート11の作製の場合と同様にして、圧電材料の粉末であるセラミックス粉末にバインダ、溶剤、分散剤、可塑剤等を添加混合してスラリーを作製する。そしてし、得られたスラリーを、脱泡処理後、スクリーン印刷法により薄板状焼成圧電体用グリーンシート11上に塗布し、焼成用補強部12を形成する。
焼成用補強部12の開口部16は、印刷で補強をしていない部分であり、本実施形態の圧電素子の製造方法においては、3つの長方形(直方体)の焼成用補強部の開口部16が形成されている。焼成用補強部の開口部16の大きさは、特に限定されないが、例えば、図4に示すように、四角形の開口形状である場合、0.1mm×0.1mm〜10mm×10mmの大きさであることが好ましい。また、焼成用補強部の開口部16が複数形成される場合、焼成用補強部の開口部16間の距離は、特に限定されないが、0.1〜10mmが好ましい。また、焼成用補強部の開口部16の個数は、特に限定されないが、1〜100個/cmが好ましい。
焼成用補強部12の材料(圧電材料)についても、薄板状焼成圧電体用グリーンシート11の作製に用いる上記圧電材料として挙げられた材料を用いることが出来る。熱膨張の程度を同じにするために、薄板状焼成圧電体用グリーンシート11と同じ材料を用いることが好ましい。また、焼成用補強部12は、焼成用補強部を形成するためのグリーンシートを、薄板状焼成圧電体用グリーンシート11に貼り付けて形成してもよい。
薄板状焼成圧電体用グリーンシート11上に焼成用補強部12を形成した後、800〜1600℃の範囲の適切な温度で焼成し、図5に示されるような、薄板状焼成圧電体14と補強部15とが一体化されてなる補強板付き薄板状焼成圧電体13を得ることが好ましい。焼成温度は、原料として使用した圧電材料の焼結温度に基づく適切な温度であることが好ましい。薄板状焼成圧電体14は、補強部15と接合されている(接触している)部分と、補強部15の開口部17と重なり、補強部15とは接触していない部分とに区分することができる。ここで、薄板状焼成圧電体14の中で、補強部15と接合されている(接触している)部分を接合部18と称し、補強部15の開口部17と重なり、補強部15とは接触していない部分を露出部19と称する。そして、補強部15と接合部18とが一体化されて枠体が形成されている。薄板状焼成圧電体14の厚さは、1〜30μmが好ましく、1〜20μmが更に好ましい。1μmより薄いと得られる圧電素子の強度が低下するため好ましくない。30μmより厚いと、所望の圧電定数を得難くなるため好ましくない。
次に、図6に示すように、補強板付き薄板状焼成圧電体13にスルーホール(電極形成用貫通孔)21を形成することが好ましい。スルーホール21の形成方法としては、特に限定されないが、レーザーによる形成方法、金型による打ち抜き形成方法等を挙げること
ができる。また、補強板付き薄板状焼成圧電体13を作製する際に、金型で打ち抜き成形をしておいてもよい。スルーホール21の形状(薄板状焼成圧電体14の厚さ方向に直交する断面の形状)は、特に限定されず、円形、楕円形、多角形等、いずれの形状であってもよい。スルーホール21の大きさは、特に限定されないが、例えば、円形の場合、直径0.05〜1mmが好ましい。
次に、図7に示すように、例えばレジストパターニングを行い、ペースト(導電性材料(例えば金))をスピンコート法で塗布して、スルーホール21が形成された補強板付き薄板状焼成圧電体13(薄板状焼成圧電体14)の両面、及びスルーホール21内に、導電性材料(例えば金)からなる膜状の電極22,23を形成することが好ましい。電極22,23の形成は、スパッタ処理で行なうことも出来る。パターニングはレーザー加工によって行なってもよい。
電極の材料としては、導電性の金属が採用される。例えば、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、又は鉛等の金属単体又はこれら2種類以上からなる合金、例えば、銀−白金、白金−パラジウム、銀−パラジウム等を1種単独で又は2種類以上を組み合わせたものを用いることが好ましい。また、これらの材料と、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化セリウム、ガラス、又は圧電材料等との混合物、サーメットであってもよい。これらの材料の選定にあたっては、圧電材料の種類に応じて選択することが好ましい。
次に、図8に示すように、電極が形成された補強板付き薄板状焼成圧電体13の、電極が配設された露出部19における「後に圧電素子となる部分24」を残して、後に圧電素子とならない部分を切り落とすことが好ましい。「後に圧電素子となる部分24」の輪郭に沿って露出部を切断してもよい。このとき、「後に圧電素子となる部分24」の少なくとも一の端部が補強部に固定された状態になるようにする。このように、「後に圧電素子となる部分24」の少なくとも一の端部が補強部に固定された状態で、露出部19の一部を切り落す又は切断することにより、図1、図2及び図8に示される、「開口部4内に配置されるとともに少なくとも一の端部5が枠体2に固定された、電極配設薄板状焼成圧電体3」が形成されることになる。切断は、レーザー、エッチング、ブラスト、ダイサー、機械加工(例えば砥石による切断)で行うことが出来る。エッチングやブラストの場合は、マスクが必要になるため、事前にマスクをレジスト等で形成しておく。ここで、「後に圧電素子となる部分」とは、電極が配設された露出部19の中の、最終的に枠体から切り離されて「圧電素子」になる部分である。厳密には圧電素子と枠体とを接合する部分も含まれる。本実施形態の圧電素子の製造方法においては、「後に圧電素子となる部分24」は、図1に示される長方形の電極配設薄板状焼成圧電体3のことである。また、図1、図2に示される枠体2は、図8に示される補強部15と接合部18とを合わせた部分である。これにより、図1、図2及び図8に示すような、少なくとも一の開口部4が形成された平板状の枠体2と、開口部4内に配置されるとともに少なくとも一の端部5が枠体2に固定された、厚さ1〜30μmで枠体2より薄い、薄板状焼成圧電体6の両面に膜状の電極22,23が配設されてなる電極配設薄板状焼成圧電体3と、を備える枠体付き電極配設薄板状圧電体1が得られる。電極配設薄板状焼成圧電体3の厚さは、1〜30μmであり、1〜20μmであることが好ましい。枠体2が、電極配設薄板状焼成圧電体3より厚いことより、枠体2により、確実に電極配設薄板状焼成圧電体3を補強することができる。また、枠体2の厚さは、10〜300μmであることが好ましく、50〜100μmであることが好ましい。図8に示す枠体付き電極配設薄板状圧電体1は、図1のB−B’断面を示す模式図に該当する。
電極配設薄板状焼成圧電体3の大きさは、例えば、形状が長方形である場合、0.1m
m×0.1mm〜10mm×10mmであることが好ましい。0.1mm×0.1mmより小さいと、所望の変位量が得られないことがある。10mm×10mmより大きいと、焼成時に割れることがある。
本実施形態の圧電素子の製造方法においては、図1に示されるように、後に圧電素子となる部分24すなわち電極配設薄板状焼成圧電体3の一の端部が枠体2に固定されているが、他の端部も枠体2に固定されていてもよい。例えば、電極配設薄板状焼成圧電体3の一の端部が枠体2に固定されるとともに、一の端部に対して反対側に位置する他の端部も枠体2に固定され、合計2箇所が枠体2に固定されていてもよい。また、3箇所以上が枠体2に固定されていてもよい。
次に、図9に示すように、電極配設薄板状焼成圧電体3の表面に、電極配設薄板状焼成圧電体3の厚さに対して5〜200%の厚さの乾燥状態のポリイミド樹脂前駆体の塗膜44を形成して、電極配設薄板状焼成圧電体3の表面にポリイミド樹脂前駆体の塗膜44が形成されてなるポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43を有する、枠体付きポリイミド樹脂前駆体配設圧電体41を作製する。図9においては、枠体42にもポリイミド樹脂前駆体の塗膜44が形成されているが、枠体42には、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜44が形成されてもよいし、形成されなくてもよい。
本実施形態の圧電素子の製造方法においては、樹脂前駆体としてポリイミド樹脂前駆体を使用し、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜を硬化させてポリイミド樹脂膜として、ポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体を形成する例を示しているが、樹脂前駆体及び樹脂膜は、これに限定されるものではない。樹脂前駆体は、ポリイミド樹脂前駆体、ウレタン樹脂前駆体、アクリル樹脂前駆体、エポキシ樹脂前駆体、フッ素樹脂前駆体及びシリコーン樹脂前駆体からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。そして、樹脂前駆体は、本実施形態の圧電素子の製造方法のように、ポリイミド樹脂前駆体であることが更に好ましい。また、樹脂前駆体の塗膜を硬化させることにより形成される樹脂膜は、ポリイミド樹脂膜、ウレタン樹脂膜、アクリル樹脂膜、エポキシ樹脂膜、フッ素樹脂膜及びシリコーン樹脂膜からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。そして、樹脂膜は、本実施形態の圧電素子の製造方法のように、ポリイミド樹脂膜であることが更に好ましい。
ポリイミド樹脂前駆体の塗膜44の厚さは、電極配設薄板状焼成圧電体3の厚さに対して5〜200%の厚さであり、10〜50%の厚さであることが好ましい。5%より薄いと、塗膜に欠陥が生じ易くなる。200%より厚いと、圧電素子の変位量が塗膜により緩和されて実質的に小さくなることがあり、また、不要に厚いため、原料を余計に使用することになる。尚、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜44の厚さは、電極を覆う部分の厚さである。
電極配設薄板状焼成圧電体3の表面にポリイミド樹脂前駆体の塗膜44を形成する方法としては、電極配設薄板状焼成圧電体3の表面に、溶媒と溶媒に溶解したポリイミド樹脂前駆体とを含有するポリイミド樹脂前駆体含有溶液を塗布し、その後、電極配設薄板状焼成圧電体3の表面に塗布されたポリイミド樹脂前駆体含有溶液を乾燥して、電極配設薄板状焼成圧電体3の表面に乾燥状態のポリイミド樹脂前駆体の塗膜44を形成する方法が好ましい。ポリイミド樹脂前駆体含有溶液を乾燥する条件は、特に限定されないが、100〜200℃で、10〜60分とすることが好ましい。また、「乾燥状態のポリイミド樹脂前駆体の塗膜」とは、溶媒の含有率が1質量%以下のポリイミド樹脂前駆体の塗膜を意味する。
電極配設薄板状焼成圧電体3の表面にポリイミド樹脂前駆体含有溶液を塗布する方法と
しては、特に限定されないが、スピンコーティング、スクリーン印刷、ディッピング等を挙げることができる。これらの方法により、塗膜の厚さを均一にすることができ、低コストで塗膜を行うことができる。
ポリイミド樹脂前駆体の種類としては、ポリアミック酸等を挙げることができる。
溶媒の種類としては、γ−ブチロラクトン、NMP等を挙げることができる。
次に、図10に示すように、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43を、第1平面部32を有する第1保持部材31の当該第1平面部32と、第2平面部34を有する第2保持部材33の当該第2平面部34とで加圧しながら挟んだ状態で、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜を硬化させてポリイミド樹脂膜としてポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体53を形成して、枠体付きポリイミド樹脂膜配設圧電体51を作製する。
このように、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43を、第1保持部材31の第1平面部32と、第2保持部材33の第2平面部34とで加圧しながら挟んだ状態で、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜を硬化させてポリイミド樹脂膜を形成することにより、ポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体53を形成し、これにより、枠体付きポリイミド樹脂膜配設圧電体51を作製することにより、効果的にポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体53の反りを低減することができ、反りの小さな圧電素子を得ることができる。ポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体53は、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜を硬化させるときに、収縮のむら等により反りが発生するが、硬化時にポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43を第1保持部材31の第1平面部32と、第2保持部材33の第2平面部34とで加圧しながら挟むことにより、ポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体53に反ろうとするような応力が発生しても、第1保持部材31の第1平面部32と、第2保持部材33の第2平面部34とにより変形が抑えられるため、反りの小さなポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体53を得ることができる。
また、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43より厚さが厚い枠体42を挟むことなく、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43のみを個別に挟むため、確実にポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体53の反りを小さくすることができる。図10に示される第1保持部材31の第1平面部32は、枠体付きポリイミド樹脂前駆体配設圧電体41より大きく、枠体付きポリイミド樹脂前駆体配設圧電体41全体を上に載せた状態で、第1平面部32をポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43の一方の面に接触させている。このとき、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43の一方の面と枠体42の一方の面とが同一平面上に位置し、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43の一方の面と枠体42の一方の面とにより枠体付きポリイミド樹脂前駆体配設圧電体41全体の一方の面を形成している。そして、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43の一方の面と枠体42の一方の面とにより構成された枠体付きポリイミド樹脂前駆体配設圧電体41の一方の面が、第1保持部材31の第1平面部32と接触している。また、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43と枠体42とは厚さが異なるため、枠体付きポリイミド樹脂前駆体配設圧電体41の他方の面側は、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43と枠体42との境界部分に段差が形成されている。また、図10に示される第2保持部材33は、第2平面部34がポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43と略同じ面積で、第2平面部34がポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43のみに接触しており、枠体42には接触していない。
ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43における、第1平面部32と第2平面部34とにより挟まれる部分の面積は、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43全体の面積の30〜95%であることが好ましく、50〜85%であることが更に好まし
い。30%より狭いと、ポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体53の反りを小さくし難くなることがある。95%より広いと、第1保持部材31又は第2保持部材33が枠体2に接触し易くなり、ポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体53の反りを小さくする効果が小さくなることがある。
本実施形態の圧電素子の製造方法においては、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43を、第1保持部材の第1平面部と第2保持部材の第2平面部とで加圧しながら挟んだ状態で、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜を硬化させることにより、電極配設薄板状焼成圧電体の表面にポリイミド樹脂膜を形成する。ポリイミド樹脂前駆体の塗膜を硬化させるときに、第1保持部材の第1平面部と第2保持部材の第2平面部とで、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43を加圧しながら挟むことにより、より効果的にポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体53の反りを小さくすることができる。また、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43を、第1保持部材の第1平面部と第2保持部材の第2平面部とで加圧しながら挟むときの圧力は、100〜1000Paであることが好ましい。100Paより小さいと、ポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体53の反りを小さくし難くなることがある。1000Paより大きいと、ポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体53を変形等させることがある。
ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43を、第1保持部材の第1平面部と第2保持部材の第2平面部とで加圧しながら挟むときの温度及び時間としては、150〜400℃で、10〜60分とすることが好ましい。
第1保持部材及び第2保持部材の材質としては、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、共材等のセラミックスが好ましく、これらの中でも、アルミナが好ましい。アルミナを用いることにより、熱膨張係数が小さいためにポリイミドに傷をつけないという利点がある。第1保持部材及び第2保持部材の材料の緻密性は、緻密質であっても、多孔質であっても特に限定されない。
本実施形態の圧電素子の製造方法においては、反りを修正する前のポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43の「反り量」は、100μm/mm以下であることが好ましい。100μm/mmより反り量が大きいと、反りを修正し難くなることがある。ここで、「1μm/mmの反り量」というときは、薄板形状の表面における1mmの長さに対して、1μmだけ当該表面に直交する方向に反っている(曲がっている)ことを意味する。「反り量」は、表面形状測定機を用いて測定した値であり、当該反り量は、例えば、ZYGO社製の「表面形状測定機」を用いて測定することができる。
本実施形態の圧電素子の製造方法によって、反りを修正した後のポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体53の「反り量」を、0.5〜10μm/mmとすることができる。ポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体53の「反り量」は、小さいほど好ましいが、0.5μm/mm程度が下限値である。
本実施形態の圧電素子の製造方法においては、第1保持部材の第1平面部の表面粗さ、及び第2保持部材の第2平面部の表面粗さが、いずれも、0.1μm以上、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜の厚さ以下であり、且つ10μm/mm以下であることが好ましい。0.1μmより小さいと、第1保持部材の第1平面部と第2保持部材の第2平面部とで、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を加圧しながら挟むときに、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体が、第1保持部材及び第2保持部材の少なくとも一方に張り付き、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体から第1保持部材及び第2保持部材を外すときに、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体が割れることがある。ポリイミド樹脂前駆体の塗膜の厚さより大きいと、ポリイミドの膜にポアが残ることがある。また、第
1保持部材の第1平面部の表面粗さ、及び第2保持部材の第2平面部の表面粗さが、10μm/mm以上の場合は、反りが矯正できなかったり、割れが生じやすくなったりすることがある。表面粗さは、JIS−B0601の方法で測定した値である。
また、図11に示すように、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体53が、一部が表面に露出した状態でポリイミド樹脂前駆体の塗膜44に埋設された複数のセラミック微粒子61を有することが好ましい。これにより、第1保持部材の第1平面部と第2保持部材の第2平面部とで、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を加圧しながら挟むときに、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体が、第1保持部材及び第2保持部材の少なくとも一方に張り付くことを抑制することができる。ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体が、第1保持部材及び第2保持部材の少なくとも一方に張り付くと、ポリイミド樹脂前駆体を硬化させた後に、ポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体と、第1保持部材及び第2保持部材とをはがす際に、ポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体が割れることがあるが、セラミック微粒子によって、これを防止することができる。
また、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜44に埋設された複数のセラミック微粒子61の埋設量は、1〜100個/mmであることが好ましく、5〜100個/mmであることが更に好ましく、5〜30個/mmであることが特に好ましい。1個/mmより少ないと、第1保持部材の第1平面部と第2保持部材の第2平面部とで、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を加圧しながら挟むときに、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体が、第1保持部材及び第2保持部材の少なくとも一方に張り付くことを抑制し難くなることがある。100個/mmより多いと、粒子同士が厚み方向に接触することによって、印加時に電極配設薄板状焼成圧電体が割れる恐れがある。
セラミック微粒子の平均粒径は、0.1μm以上、ポリイミドの厚みの2倍以下であることが好ましく、0.5μm以上であることが更に好ましい。0.1μmより小さいと、第1保持部材の第1平面部と第2保持部材の第2平面部とで、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を加圧しながら挟むときに、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体が、第1保持部材及び第2保持部材の少なくとも一方に張り付くことを抑制し難くなることがある。ポリイミドの厚みの2倍よりも大きいと、加圧時に電極配設薄板状焼成圧電体が割れる恐れがある。
セラミック微粒子の材質としては、アルミナ、ジルコニア等を挙げることができる。
ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体53のポリイミド樹脂前駆体の塗膜44に、一部が表面に露出した状態で複数のセラミック微粒子61を埋設する方法としては、特に限定されないが、セラミック微粒子を含有するポリイミド樹脂前駆体含有溶液を、電極配設薄板状焼成圧電体の表面に塗布して、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を形成することが好ましい。ポリイミド樹脂前駆体含有溶液中のセラミック微粒子の含有率は、0.0001〜1質量%が好ましく、0.001〜0.1質量%が更に好ましい。0.0001質量%より少ないと、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜44に埋設されるセラミック微粒子の数が少なくなることがある。1質量%より多いと、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜44に埋設されるセラミック微粒子の数が多くなることがある、ポリイミドの硬化が阻害される、ポリイミド前駆体の粘度が高くなりすぎて塗布膜厚を均一にしにくくなる、といったことがある。多孔質のセラミックス等、表面が脱粒しやすい材質で、荷重印加してもよい。この場合、脱粒粒子がポリイミド樹脂前駆体の塗膜表面に付着、埋接される。
次に、枠体からポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体を切り離して圧電素子を得る。切断は、レーザー、エッチング、ブラスト、ダイサー、機械加工(例えば砥石による切断)で行うことが出来る。エッチングやブラストの場合は、マスクが必要になるため、事前にマスクをレジスト等で形成しておく。
本実施形態の圧電素子の製造方法においては、得られた圧電素子の形状は特に限定されず、長方形、台形、三角形、五角形等の多角形、それらを組み合わせた多角形等のいずれの形状であってもよい。
本実施形態の圧電素子の製造方法においては、得られた圧電素子の厚さは、1〜30μmであることが好ましい。また、得られた圧電素子の大きさは、例えば、形状が長方形である場合、0.1mm×0.1mm〜10mm×10mmであることが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
圧電材料として、0.27Pb(Ni1/3Nb2/3)O−0.40PbTiO−0.33PbZrOを使用した。圧電材料としては、各元素が上記比率になるように高純度酸化物原料を混合し、F2mmのZrOビーズで湿式粉砕した後に、1000℃で焼成し、更に、F2mmのZrOビーズで湿式粉砕して比表面積を7m/gとしたものを用いた。圧電材料のキュリー温度は250℃であった。比表面積の測定は、BET法で行った。キュリー温度は、500℃から冷却した際の誘電率の最大値をLCRメーターで測定して求めた。
圧電材料を、キシレンとブタノールの混合溶媒中に分散させ、分散剤、バインダーを適量添加した。そして、ドクターブレード法で厚さ12μmのグリーンシート(薄板状焼成圧電体用グリーンシート)を得た。グリーンシートは、150mm×150mmの長方形に形成した。
次に、上記グリーンシート形成用原料を、脱泡処理後、スクリーン印刷法で薄板状焼成圧電体用グリーンシート上に塗布し、焼成用補強部を形成した。焼成用補強部の厚さは、80μmであった。また、焼成用補強部は、外周形状が150mm×150mmの長方形であり、中央部に8mm×5mmの長方形の開口部を一つ有する形状であった。
次に、上記焼成用補強部が形成された薄板状焼成圧電体用グリーンシートを、1050℃で3時間、MgOの鞘内で密閉焼成して、補強板付き薄板状焼成圧電体を得た。
次に、レーザーにより補強板付き薄板状焼成圧電体の薄板状焼成圧電体(露出部)にスルーホールを形成した。そして、導電性材料として金を含有させたペースト(Auレジネートペースト)をスピンコート法で塗布して、820℃で焼成し、補強板付き薄板状焼成圧電体(薄板状焼成圧電体)の両面、及びスルーホール内に、金からなる膜状の電極を形成した。
次に、「後に圧電素子となる部分(電極配設薄板状焼成圧電体)」を、一の端部を枠体に固定した状態で残して、露出部をレーザー加工により切り落して、枠体付き電極配設薄板状圧電体を得た。電極配設薄板状焼成圧電体の大きさは、5mm×5mm×15μmであった。また、枠体の厚さは、65μmであった。ここで、電極配設薄板状焼成圧電体の「反り量」は、60μm/mmであった。「反り量」は、下記「反り量の測定方法」により測定した値である。
次に、枠体付き電極配設薄板状圧電体の表面にポリイミド樹脂前駆体の塗膜を形成して
、枠体付きポリイミド樹脂前駆体配設圧電体を作製した。まず、ポリイミド樹脂前駆体であるポリアミック酸を、溶媒であるγ−ブチロラクトンに溶解させて、ポリイミド樹脂前駆体含有溶液(ポリアミック酸の含有率20質量%)を得た。そして、ポリイミド樹脂前駆体含有溶液に、枠体付き電極配設薄板状圧電体を浸漬させることにより(ディッピングにより)、枠体付き電極配設薄板状圧電体の表面にポリイミド樹脂前駆体の塗膜を形成し、120℃、1時間の条件で乾燥させて、枠体付きポリイミド樹脂前駆体配設圧電体とした。枠体付きポリイミド樹脂前駆体配設圧電体における、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜の溶媒含有量は、0.1質量%であった。
次に、図10に示すように、第1平面部32を鉛直方向の上向きに向けて第1保持部材31を配置し、その上に、枠体付きポリイミド樹脂前駆体配設圧電体41を、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43が第1平面部32に接するようにして配置し、更に、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43の上に、第2平面部34を鉛直方向の下向きに向けて第2保持部材33を配置した。そして、第1保持部材31と第2保持部材33とにより、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体43に200Paの「荷重」をかけながら、220℃、1時間の条件で、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜を硬化させてポリイミド樹脂膜とし、枠体付きポリイミド樹脂膜配設圧電体を得た。第1保持部材及び第2保持部材の材質は、研磨仕上げを行い、超音波洗浄を行ったアルミナとした。また、第1保持部材及び第2保持部材の形状は、直方体とし、第1平面部32の面積を400mmとし、第2平面部の面積を9mmとした。また、第1保持部材及び第2保持部材の表面粗さRaは、0.8μmであった。表面粗さは、JIS−B0601の方法で測定した値である。
次に、レーザーにより、枠体からポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体を切り離して圧電素子を得た。圧電素子の大きさは、4mm×4mm×15μmであった。また、ポリイミド樹脂膜の厚さは、圧電素子の一方の面において2.1〜2.5μmであり、他方の面において0.9〜1.1μmであった。
得られた、圧電素子について、下記方法により、「反り量」及び「割れ発生率」を測定した。結果を表1に示す。
(反り量の測定方法)
反り量(μm/mm)は、表面形状測定機(ZYGO社製、「表面形状測定機」)を用いて測定した。測定回数(n)=20回の平均値を「反り量(μm/mm)」とした。
(割れ発生率の測定方法)
顕微鏡で観察することにより割れが生じているか否かを判断した。100μmの面積以上の欠けが顕微鏡で判断できるため、それ以上の欠けがある場合を「割れ発生」とした。測定回数(n)=20回における、割れ発生の比率を「割れ発生率(%)」とした。
Figure 2011249533
(実施例2〜6)
第1保持部材と第2保持部材とにより、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体にかける荷重を、表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして圧電素子を作製した。得られた圧電素子について、上記方法により、「反り量」及び「割れ発生率」を測定した。結果を表1に示す。
(実施例7)
ポリイミド樹脂前駆体含有溶液に、含有率(微粒子含有率)が1ppmとなるように平均粒径1μmのアルミナ微粒子を添加した以外は、実施例1と同様にして圧電素子を作製した。得られた圧電素子について、上記方法により、「反り量」及び「割れ発生率」を測定した。また、一部が表面に露出した状態でポリイミド樹脂前駆体の塗膜に埋設されたアルミナ微粒子の埋設量(微粒子付着数(個/cm))を電子顕微鏡により観察した。結果を表1に示す。
(実施例8〜11)
ポリイミド樹脂前駆体含有溶液中のアルミナ微粒子の含有率(微粒子含有率)を、表1に示すように変えた以外は、実施例7と同様にして圧電素子を作製した。得られた圧電素子について、上記方法により、「反り量」及び「割れ発生率」を測定した。また、一部が表面に露出した状態でポリイミド樹脂前駆体の塗膜に埋設されたアルミナ微粒子の埋設量(微粒子付着数(個/cm))を電子顕微鏡により観察した。結果を表1に示す。
(実施例12)
第1保持部材及び第2保持部材の材質として、研磨仕上げを行い、超音波洗浄を行わなかったアルミナを用い、ポリイミド樹脂前駆体含有溶液中のアルミナ微粒子の含有率(微粒子含有率)を、表1に示すように変えた以外は、実施例7と同様にして圧電素子を作製
した。得られた圧電素子について、上記方法により、「反り量」及び「割れ発生率」を測定した。また、一部が表面に露出した状態でポリイミド樹脂前駆体の塗膜に埋設されたアルミナ微粒子の埋設量(微粒子付着数(個/cm))を電子顕微鏡により観察した。結果を表1に示す。
(実施例13)
第1保持部材及び第2保持部材の材質として、研磨仕上げを行い、超音波洗浄を行った多孔質アルミナを用い、ポリイミド樹脂前駆体含有溶液中のアルミナ微粒子の含有率(微粒子含有率)を、表1に示すように変えた以外は、実施例7と同様にして圧電素子を作製した。得られた圧電素子について、上記方法により、「反り量」及び「割れ発生率」を測定した。また、一部が表面に露出した状態でポリイミド樹脂前駆体の塗膜に埋設されたアルミナ微粒子の埋設量(微粒子付着数(個/cm))を電子顕微鏡により観察した。結果を表1に示す。
(比較例1)
ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を、第1保持部材と第2保持部材とで挟まずに(加圧せずに)、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜を硬化させた以外は、実施例1と同様にして圧電素子を作製した。得られた圧電素子について、上記方法により、「反り量」及び「割れ発生率」を測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
ポリイミド樹脂前駆体の塗膜が乾燥していない状態で、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を、第1保持部材と第2保持部材とで挟んで、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜を硬化させた以外は、実施例1と同様にして圧電素子を作製した。得られた圧電素子について、上記方法により、「反り量」及び「割れ発生率」を測定した。結果を表1に示す。
表1より、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を、第1保持部材の第1平面部と、第2保持部材の第2平面部とで加圧しながら挟んだ状態で、乾燥状態のポリイミド樹脂前駆体の塗膜を硬化させてポリイミド樹脂膜として、ポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体を作製することにより、効果的にポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体の反りを低減することができ、反りの小さな圧電素子を得ることができることがわかる。また、割れ発生率も小さいことがわかる。
また、表1より、「荷重」が100Pa以上のときに「反り量」が特に小さくなり、「荷重」が1000Pa以下のときに「割れ発生率」が特に小さくなることがわかる。また、「粒子付着数」が5個/cm以上のときに、更に割れ発生率が小さくなり、割れが発生しなくなることがわかる。
比較例1の結果より、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を、第1保持部材と第2保持部材とで挟まずに(加圧せずに)、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜を硬化させると、圧電素子の反りが大きくなることがわかる。また、比較例2の結果より、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜が乾燥していない状態で、ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を、第1保持部材と第2保持部材とで挟んで、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜を硬化させると、ポリイミド樹脂前駆体の塗膜が、第1保持部材及び第2保持部材に張り付くために、第1保持部材及び第2保持部材をポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体から剥がす際に、ポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体が割れてしまうことがわかる。
本発明に係る圧電素子の製造方法は、計測器、光変調器、光スイッチ、マイクロバルブ、搬送装置、画像表示装置(ディスプレイ、プロジェクタ等)、画像描画装置、マイクロポンプ、液滴吐出装置、微小混合装置、微小撹拌装置、微小反応装置、等に適用される各種の圧電アクチュエータ(圧電デバイス)や、流体特性、音圧、微小重量、加速度等の検出に用いられる各種の圧電センサ(圧電デバイス)に設けられる、圧電素子の製造に好適に利用される。
1:枠体付き電極配設薄板状圧電体、2:枠体、3:電極配設薄板状焼成圧電体、4:開口部、5:一の端部、6:薄板状焼成圧電体、11:薄板状焼成圧電体用グリーンシート、12:焼成用補強部、13:補強板付き薄板状焼成圧電体、14:薄板状焼成圧電体、15:補強部、16:焼成用補強部の開口部、17:補強部の開口部、18:接合部、19:露出部、21:スルーホール、22,23:電極、24:後に圧電素子となる部分、31:第1保持部材、32:第1平面部、33:第2保持部材、34:第2平面部、35:第3保持部材、36:第3平面部、41:枠体付きポリイミド樹脂前駆体配設圧電体、42:枠体、43:ポリイミド樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体、44:ポリイミド樹脂前駆体の塗膜、51:枠体付きポリイミド樹脂膜配設圧電体、53:ポリイミド樹脂膜配設薄板状焼成圧電体、61:セラミック微粒子。

Claims (8)

  1. 少なくとも一の開口部が形成された平板状の枠体と、前記開口部内に配置されるとともに少なくとも一の端部が前記枠体に固定された、前記枠体より薄い、薄板状焼成圧電体の両面に膜状の電極が配設されてなる電極配設薄板状焼成圧電体と、を備える枠体付き電極配設薄板状圧電体を作製し、
    前記電極配設薄板状焼成圧電体の表面に、前記電極配設薄板状焼成圧電体の厚さに対して5〜200%の厚さの乾燥状態の樹脂前駆体の塗膜を形成して、前記電極配設薄板状焼成圧電体の表面に前記樹脂前駆体の塗膜が形成されてなる樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を有する、枠体付き樹脂前駆体配設圧電体を作製し、
    前記樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を、第1平面部を有する第1保持部材の前記第1平面部と、第2平面部を有する第2保持部材の前記第2平面部とで加圧しながら挟んだ状態で、前記樹脂前駆体の塗膜を硬化させて樹脂膜として樹脂膜配設薄板状焼成圧電体を形成して、枠体付き樹脂膜配設圧電体を作製する圧電素子の製造方法。
  2. 前記枠体から前記樹脂膜配設薄板状焼成圧電体を切り離して圧電素子を得る請求項1に記載の圧電素子の製造方法。
  3. 前記電極配設薄板状焼成圧電体の表面に、溶媒と前記溶媒に溶解した樹脂前駆体とを含有する樹脂前駆体含有溶液を塗布し、その後、前記電極配設薄板状焼成圧電体の表面に塗布された前記樹脂前駆体含有溶液を乾燥して、前記電極配設薄板状焼成圧電体の表面に乾燥状態の樹脂前駆体の塗膜を形成する請求項1又は2に記載の圧電素子の製造方法。
  4. 前記樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体を、第1平面部を有する第1保持部材の前記第1平面部と、第2平面部を有する第2保持部材の前記第2平面部とで加圧しながら挟むときの圧力が、100〜1000Paである請求項1〜3のいずれかに記載の圧電素子の製造方法。
  5. 前記第1保持部材の前記第1平面部の表面粗さ、及び前記第2保持部材の前記第2平面部の表面粗さが、いずれも、0.1μm以上、前記樹脂前駆体の塗膜の厚さ以下である請求項1〜4のいずれかに記載の圧電素子の製造方法。
  6. 前記樹脂前駆体配設薄板状焼成圧電体が、一部が表面に露出した状態で前記樹脂前駆体の塗膜に埋設された複数のセラミック微粒子を有する請求項1〜5のいずれかに記載の圧電素子の製造方法。
  7. 前記樹脂前駆体の塗膜に埋設された前記複数のセラミック微粒子の埋設量が、1〜100個/mmである請求項6に記載の圧電素子の製造方法。
  8. 前記樹脂前駆体が、ポリイミド樹脂前駆体、ウレタン樹脂前駆体、アクリル樹脂前駆体、エポキシ樹脂前駆体、フッ素樹脂前駆体及びシリコーン樹脂前駆体からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜7のいずれかに記載の圧電素子の製造方法。
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