JP6110178B2 - 圧電/電歪デバイスとその製造方法 - Google Patents

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本発明は、圧電/電歪素子を備える圧電/電歪デバイスとその製造方法に関する。
従来、圧電/電歪素子と、複数の支持体を含む流路ユニットと、圧電/電歪素子と流路ユニットの間に形成される接合層と、を備える圧電/電歪デバイスが知られている(例えば、特許文献1参照)。各支持体は、接合層を介して圧電/電歪素子に接合されている。
特開2008−230052号公報
しかしながら、特許文献1の圧電/電歪デバイスでは、圧電/電歪素子の表面にうねりや反りがある場合、接合層による各支持体の支持強度にばらつきが生じて、圧電/電歪デバイスの動作が不安定になるおそれがある。
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、動作安定性を向上可能な圧電/電歪デバイスを提供することを目的とする。
本発明に係る圧電/電歪デバイスは、振動板を有する圧電/電歪素子と、振動板の表面上に配置される接合層と、接合層にそれぞれ食い込む複数の支持体と、を備える。接合層は、樹脂によって構成される。振動板の表面に垂直な断面において、複数の支持体それぞれと接合層との接合長さは、接合長さの平均値の±25%以内である。
本発明によれば、動作安定性を向上可能な圧電/電歪デバイスを提供する。
アクチュエータの構成を示す平面図 図1のX−X断面図 図2の部分拡大図 アクチュエータの製造方法を説明するための図 アクチュエータの製造方法を説明するための図 アクチュエータの製造方法を説明するための図
以下、図面を参照しながら、本発明に係る圧電/電歪デバイスの一例として、インクジェットヘッド用のアクチュエータについて説明する。ただし、本発明に係る圧電/電歪デバイスは、ジャイロセンサ、発振子、或いはインジェクター用アクチュエータなど様々な用途に適用可能である。
以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なっている場合がある。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきである。
(アクチュエータ100の構成)
アクチュエータ100の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、アクチュエータ100の構成を示す平面図である。図2は、図1のX−X断面図である。以下の説明では、図1に示すように、支持体30が延びる方向を“長さ方向”と称し、長さ方向に直交する方向を“幅方向”と称する。また、図2に示すように、長さ方向及び幅方向に直交する方向を“厚み方向”と称する。
アクチュエータ100は、圧電/電歪素子10と、接合層20と、複数の支持体30と、を備える。
1.圧電/電歪素子10
圧電/電歪素子10は、振動板11と、複数の圧電体12と、複数の上部電極13と、を有する。
振動板11は、各圧電体12の伸縮に応じて、厚み方向に振動(変位)する。振動板11は、下部電極としても機能する。振動板11には、図2に示すように、うねりや反りがあってもよい。この振動板11のうねりや反りは、後述する大判の圧電体12a(図4(a)参照)のうねりや反りに起因するものである。
振動板11は、第1主面11Sと、第2主面11Tと、を有する。第1主面11S上には、複数の圧電体12が配置される。第2主面11T上には、接合層20が配置される。
本実施形態において、振動板11は、本体膜11aと、バリア膜11bと、を含む。
本体膜11aは、めっき法、蒸着法、或いはスパッタ法によって形成される薄膜である。本体膜11aは、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム、金、銀、タングステンなどの金属、及びこれらを主成分とする合金によって構成することができる。特に、応力緩和作用があり、加熱によって再結晶化しにくいニッケルが好適である。本体膜11aの膜厚は、0.1μm〜50μmとすることができる。
バリア膜11bは、めっき法、蒸着法、或いはスパッタ法によって形成される薄膜である。バリア膜11bは、圧電体12用のエッチング液に耐性を有する金属材料によって構成される。バリア膜11bの膜厚は、1Å〜1μmとすることができる。
圧電体12は、振動板11の第1主面11S上に配置される。圧電体12は、薄板状の焼成体である。圧電体12は、振動板11と上部電極13に電圧が印加されると、厚み方向に垂直な方向に伸縮する。この圧電体12の伸縮に起因して、振動板11が厚み方向に振動する。圧電体12のサイズは、例えば、長さ10μm〜50mm、幅10μm〜50mm、厚み0.1μm〜1mmとすることができる。特に、本実施形態では、圧電体12の厚みが10μm以下のケースが想定されている。
圧電体12は、従来用いられている圧電体用のセラミックス材料によって構成することができる。このようなセラミックス材料としては、例えばジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナトリウムビスマス、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、及びこれらの混合物が挙げられる。なお、セラミックス材料には、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セリウム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズなどの酸化物が添加されていてもよい。
上部電極13は、圧電体12上に配置される。上部電極13は、導電材料を焼成することによって形成される薄板である。上部電極13は、めっき法や蒸着法によって形成される薄膜であってもよい。上部電極13は、耐酸性の導電材料によって構成することができる。このような導電材料としては、金、銀、白金、或いは銅などの貴金属やこれらの合金が挙げられる。
2.接合層20
接合層20は、振動板11の第2主面11T上に配置される。接合層20には、各支持体30の上端部が食い込んでいる。接合層20は、圧電/電歪素子10に対して支持体30を固定する。
接合層20は、熱硬化性樹脂や光(紫外線)硬化性樹脂の有機樹脂によって構成される。このような有機樹脂としては、例えばエポキシ樹脂やポリイミド樹脂などが挙げられる。接合層20は、後述するように二工程に分けて形成される。
3.支持体30
支持体30は、棒状に形成されている。図2に示すように、支持体30の断面形状は台形であるが、正方形や長方形であってもよい。支持体30の上端部は接合層20に食い込んでおり、支持体30の下端部はベース板(不図示)に固定されている。2つの支持体30の間には、圧力室31が形成される。圧力室31には、インク導入口から注入されたインクが貯留される。圧力室31に貯留されたインクは、振動板11の振動に応じて吐出ノズルから吐出される。
1つの支持体30のサイズは、例えば、長さ10μm〜50mm、幅1μm〜49mm、厚み1μm〜10mmとすることができる。各支持体30のサイズは互いに同じであるものとする。
(接合層20と支持体30の接合)
次に、接合層20と支持体30の接合について、図面を参照しながら説明する。図3は、図2の部分拡大図である。
支持体30は、上面30Sと、第1側面30Tと、第2側面30Uと、を有する。上面30Sは、振動板11の第2主面11Tと対向する。上面30Sは、全体的に接合層20に埋設されている。第1側面30Tと第2側面30Uは、上面30Sに連なる。第1側面30Tと第2側面30Uの上端部は、接合層20に埋設されている。
このように、支持体30は、上面30S、第1側面30T及び第2側面30Uにおいて接合層20と接合している。支持体30が接合層20と接合する領域の合計長さL(以下、「接合長さL」という。)は、上面30Sが接合層20と接合する長さL1と、第1側面30Tが接合層20と接合する長さL2と、第2側面30Uが接合層20と接合する長さL3との合計値である。接合長さLは、長さ方向に垂直な断面における接合層20と支持体30の界面長に等しい。
ここで、接合長さLは、接合長さの平均値Sから平均値Sの±25%以内であることが好ましい。すなわち、接合長さLと平均値Sの差は、平均値Sの±25%以内であることが好ましい。複数の支持体30それぞれの接合長さLの平均値Sは、3μm以上30μm以下とすることができる。この場合、複数の支持体30それぞれの接合長さLの標準偏差は、1.01μm以下であることが好ましい。
また、接合長さLと支持体30の長さの積である接合面積Mは、接合面積Mの平均値Sから平均値Sの±22%以内であることが好ましい。すなわち、接合面積Mと平均値Sの差は、平均値Sの±25%以内であることが好ましい。複数の支持体30それぞれの接合面積Mの平均値Sは、0.005mm以上0.045mm以下とすることができる。この場合、複数の支持体30それぞれの接合面積Mの標準偏差は、0.002mm以下であることが好ましい。
このように、接合長さLや接合面積Mのばらつきを所定範囲に制限することによって、接合層20による各支持体30の支持強度の均一化が図られている。
(アクチュエータ100の製造方法)
次に、アクチュエータ100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
まず、圧電体用のセラミックス材料を含むスラリーを成型することによって、グリーンシートを準備する。グリーンシートの厚みは、1μm〜80μmとすることができる。
次に、図4(a)に示すように、グリーンシートを所定条件(1200℃、2時間)で焼成することによって、大判の圧電体12aを作製する。本実施形態では、圧電体12aが10μm以下の極めて薄い場合が想定されているため、大判の圧電体12aにはうねりや反りが生じる場合がある。
次に、図4(b)に示すように、圧電体12aの表面上に有機金属化合物を塗布して焼成することによって、或いは、圧電体12aの表面上に金属をスパッタすることによって、大判の上部電極13aを作製する。
次に、図4(c)に示すように、めっき法、蒸着法、或いはスパッタ法を用いて、圧電体12aの裏面上にバリア膜11bと本体膜11aを順次成膜することによって、振動板11を形成する。以上によって、圧電/電歪素子10が作製される。
次に、図5(a)に示すように、振動板11の第2主面11T上に有機樹脂を塗布又は印刷することによって、第1軟質樹脂層20aを形成する。第1軟質樹脂層20aの硬度は、例えば10GPa〜100GPaとすることができる。
次に、図5(b)に示すように、第1軟質樹脂層20aを所定温度(有機樹脂の硬化温度よりも低い温度)で仮硬化することによって、第1硬質樹脂層20a’を形成する。第1硬質樹脂層20a’の硬度は、例えば100GPa〜500GPaとすることができる。
次に、図5(c)に示すように、第1硬質樹脂層20a’上に有機樹脂を塗布又は印刷することによって、第2軟質樹脂層20bを形成する。第2軟質樹脂層20bには、第1軟質樹脂層20aと同種又は異種の有機樹脂を用いることができる。第2軟質樹脂層20bの硬度は、例えば10GPa〜100GPaとすることができる。
次に、冶具に複数の支持体30をセットし、図6(a)に示すように、複数の支持体30の上面30Sが第1硬質樹脂層20a’に接触するまで、複数の支持体30を第2軟質樹脂層20bに挿入する。この際、支持体30の上面30Sの略全面が第1硬質樹脂層20a’に接触するように、支持体30を第1硬質樹脂層20a’に押し付けてもよい。
次に、図6(b)に示すように、第1硬質樹脂層20a’と第2軟質樹脂層20bを所定温度(各有機樹脂の硬化温度以上の温度)で本硬化することによって、接合層20を形成する。この本硬化によって、第1硬質樹脂層20a’と第2軟質樹脂層20bは一体となる。
次に、所定パターンのフォトレジスト膜を上部電極13a上に形成した後に、エッチング液によって上部電極13aをエッチングすることによって、図6(c)に示すように、上部電極13aをパターニングする。
次に、所定パターンのフォトレジスト膜で上部電極13aを覆った後に、エッチング液によって圧電体12aをエッチングすることによって、図6(d)に示すように、圧電体12aをパターニングする。以上によって、アクチュエータ100が完成する。
(作用及び効果)
(1)実施形態に係るアクチュエータ100は、振動板11を有する圧電/電歪素子10と、振動板11の表面上に配置される接合層20と、接合層にそれぞれ挿入された複数の支持体30と、を備える。接合長さLと接合長さの平均値Sとの差は、平均値Sの±25%以内である。
従って、接合層20による各支持体30の支持強度を均一化できるため、アクチュエータ100の動作安定性を向上させることができる。
(2)実施形態に係るアクチュエータ100の製造方法は、第1硬質樹脂層20a’に接触するまで支持体30を第2軟質樹脂層20bに挿入する工程と、第1硬質樹脂層20a’と第2軟質樹脂層20bを本硬化する工程と、を含む。
従って、第1硬質樹脂層20a’を介して、振動板11に対する各支持体30の間隔が均一化されため、接合層20による各支持体30の支持強度を均一化できる。その結果、アクチュエータ100の動作安定性を向上させることができる。
(他の実施形態)
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形又は変更が可能である。
(A)上記実施形態において、圧電/電歪素子10は、下部電極としても機能する振動板11を有することとしたが、これに限られるものではない。圧電/電歪素子10は、振動板11と圧電体12の間に形成される下部電極を振動板11とは別に備えていてもよい。この場合、振動板11は導電性を有している必要がないため、振動板11の構成材料としてSi、SiO、SiN、セラミック材料(ジルコニアやアルミナなど)、及びガラスなどを用いることができる。
(B)上記実施形態において、アクチュエータ100が複数の支持体30を備える場合について説明したが、アクチュエータ100は少なくとも2個の支持体30を備えていればよい。この場合であっても、上述の製造方法によれば、2個の支持体30それぞれと振動板11との間隔を精度良く均一化することができる。
(C)上記実施形態では、アクチュエータ100の製造工程において、第1硬質樹脂層20a’に接触するまで支持体30を第2軟質樹脂層20bに挿入することとしたが、支持体30の上面30Sを第1硬質樹脂層20a’に接触させた後に第2軟質樹脂層20bを形成してもよい。この場合であっても、第1硬質樹脂層20a’を介して、振動板11に対する各支持体30の間隔を均一化することができる。
以下において本発明に係る実施例について説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
(実施例に係るアクチュエータの作製)
まず、チタン酸ジルコン酸塩(PZT)、Pb(Ni1/3Nb2/3)O粉末、有機バインダー、分散剤及び可塑剤を含むスラリーを成形してグリーンシートを作製した。
次に、グリーンシートを1200℃で2時間焼成して大判の圧電体(長さ1mm、幅100μm、厚み5μm)を作製した。
次に、スパッタ法を用いて、圧電体の表面上に金をスパッタすることによって、大判の上部電極を作製した。
次に、めっき法を用いて、圧電体の裏面上にニッケルをめっきすることによって、バリア膜と本体膜を順次成膜することによって、下部電極として機能する振動板を形成した。
次に、スピンコータ法を用いて、振動板上にポリイミド樹脂を塗布することによって、第1軟質樹脂層(厚み2μm)を形成した。第1軟質樹脂層の硬度は、30GPaであった。
次に、第1軟質樹脂層を150℃で加熱することによって、第1硬質樹脂層を形成した。第1硬質樹脂層の硬度は、200GPaであった。
次に、スピンコータ法を用いて、第1硬質樹脂層上にポリイミド樹脂を塗布することによって、第2軟質樹脂層(厚み2μm)を形成した。第2軟質樹脂層の硬度は、30GPaであった。
次に、冶具に400個の支持体をセットし、支持体の上面が第1硬質樹脂層に接触するまで第2軟質樹脂層に挿入した。
次に、第1硬質樹脂層と第2軟質樹脂層を280℃で加熱して本硬化させることによって、接合層を形成した。その後、フォトレジストを用いて、上部電極と圧電体を順次パターニングした。
(比較例に係るアクチュエータの作製)
まず、実施例と同様にして、振動板を形成した。
次に、スピンコータ法を用いて、振動板上にポリイミド樹脂を塗布することによって、単一の軟質樹脂層(厚み4μm)を形成した。
次に、冶具に400個の支持体をセットし、支持体を単一の軟質樹脂層に挿入した。この際、なるべく支持体の上面が振動板に接触しないように調整した。
次に、軟質樹脂層を280℃で加熱して本硬化させることによって、接合層を形成した。その後、フォトレジストを用いて、上部電極と圧電体を順次パターニングした。
(接合長さ及び接合面積の測定)
実施例と比較例に係るアクチュエータを厚み方向に切断し、その断面を電子顕微鏡で観察することによって、13個の支持体と接合層との接合長さを測定した。接合長さの測定結果、平均値、最大最小値、標準偏差、及び平均値からの最大ばらつき割合を表1にまとめて示す。なお、平均値からの最大ばらつき割合とは、最大値と平均値の差、又は、最小値と平均値の差の大きい方の値の平均値に対する割合である。
また、接合長さに支持体の長さを掛け合わせて接合面積を算出した。接合面積の算出結果、平均値、最大最小値、標準偏差、平均値からの最大ばらつき割合を表1にまとめて示す。
Figure 0006110178
表1に示すように、比較例に係るアクチュエータでは、接合長さの平均値からの最大ばらつき割合は81.5%と大きな値であった。これは、圧電体のうねりや反りに応じて振動板が歪んでいたため、振動板に対する各支持体の間隔が不規則になってしまったことが原因である。その結果、各支持体の接合強度が大きくばらついており、比較例に係るアクチュエータの動作は不安定であった。
なお、比較例に係るアクチュエータでは、接合長さの標準偏差は3.91と大きな値であり、接合面積の標準偏差も0.006と大きな値であった。
一方で、実施例に係るアクチュエータでは、接合長さの平均値からの最大ばらつき割合は24.6%と小さな値であった。これは、支持体の上面を第1硬質樹脂層に接触させた後に第1硬質樹脂層と第2軟質樹脂層を本硬化したため、振動板の歪みに関わりなく、振動板に対する各支持体の間隔を一定にできたことによるものである。その結果、各支持体の接合強度が均一化されており、実施例に係るアクチュエータの動作は安定していることが確認された。従って、接合長さの平均値から±25%以内に接合長さを制限することによって、アクチュエータの動作を安定させられることが分かった。
なお、実施例に係るアクチュエータでは、接合長さの標準偏差は1.01と小さな値であり、接合面積の標準偏差も0.002と小さな値であった。
10 圧電/電歪素子
11 振動板(下部電極)
11S 第1主面
11T 第2主面
11a 本体膜
11b バリア膜
12 圧電体
13 上部電極
20 接合層
20a 第1軟質樹脂層
20a’ 第1硬質樹脂層
20b 第2軟質樹脂層
30 支持体
30S 上面
30T 第1側面
30U 第2側面

Claims (5)

  1. 振動板を有する圧電/電歪素子と、
    前記振動板の表面上に配置され、樹脂によって構成される接合層と、
    前記接合層にそれぞれ食い込む複数の支持体と、
    を備え、
    前記表面に垂直な断面において、前記複数の支持体それぞれと前記接合層との接合長さは、前記接合長さの平均値から前記平均値の±25%以内である、
    圧電/電歪デバイス。
  2. 前記複数の支持体それぞれは、前記振動板と対向する上面と、前記上面に連なる一対の側面と、を有し、
    前記接合層は、前記上面と前記側面に接合している、
    請求項1に記載の圧電/電歪デバイス。
  3. 前記振動板の前記表面は、第1主面と、前記第1主面の反対側に設けられる第2主面とを含み、
    前記圧電/電歪素子は、前記振動板の前記第1主面上に配置される複数の圧電体と、前記複数の圧電体上に配置される複数の上部電極と、を有し、
    前記接合層は、前記振動板の前記第2主面上に配置されている、
    請求項1又は2に記載の圧電/電歪デバイス。
  4. 圧電/電歪素子が有する振動板の表面上に第1樹脂層を形成する工程と、
    前記第1樹脂層を仮硬化させる工程と、
    前記第1樹脂層上に第2樹脂層を形成する工程と、
    前記第1樹脂層に接触するまで複数の支持体を前記第2樹脂層に挿入する工程と、
    前記第1樹脂層と前記第2樹脂層を硬化させる工程と、
    を備える圧電/電歪デバイスの製造方法。
  5. 圧電/電歪素子が有する振動板の表面上に第1樹脂層を形成する工程と、
    前記第1樹脂層を仮硬化させる工程と、
    前記第1樹脂層に複数の支持体を接触させる工程と、
    前記第1樹脂層上に第2樹脂層を形成する工程と、
    前記第1樹脂層と前記第2樹脂層を硬化させる工程と、
    を備える圧電/電歪デバイスの製造方法。
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