JP2011248959A - 磁気テープ駆動装置、磁気テープ駆動方法 - Google Patents

磁気テープ駆動装置、磁気テープ駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気テープを停止状態から移送状態へ移行させる際、磁気テープを移送状態から停止状態へ移行させる際、または磁気テープの移送方向を逆転させる際に、磁気ヘッド及び磁気テープにダメージを与えない磁気テープ駆動装置を提供する。
【解決手段】磁気テープ6の移送開始時、移送状態からの停止時、および磁気テープ6の移送方向の反転時などのように、磁気ヘッド1と磁気テープ6のうちのいずれか一方が動いて他方が静止している状態(静止摩擦が生じ得る状態)において、変位制御部14の制御によりヘッド変位部7が磁気ヘッド1を振動させることにより、磁気ヘッド1と磁気テープ6との間に静止摩擦が生じないため、磁気ヘッド1(MR素子を組み込んだMRヘッドユニット1a等)または磁気テープ6にダメージを与える可能性を低くすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気テープを駆動可能な磁気テープ駆動装置、磁気テープ駆動方法に関する。特に、磁気センサー型ヘッドで、表面平滑性Raが3.0nm以下の磁気テープに、データをリニア記録可能な磁気テープ装置に有用である。
磁気記録媒体の一種である磁気テープは、オーディオテープ、ビデオテープ、コンピュータテープなど様々な用途がある。特に、コンピューター用のデータバックアップテープの分野では、バックアップの対象となるハードディスクの大容量化に伴い、1巻当たり数百GBの記憶容量のものが商品化されている。今後、ハードディスクのさらなる大容量化に対応するため、バックアップテープの高容量化は不可欠である。
バックアップテープとして使用される磁気テープは、さらなる記録容量の増大に伴って記録波長が短波長化され、スペーシングによる記録再生特性の劣化を抑えるために、表面の平滑化が進んでいる。磁気テープの表面が平滑化されることで、磁気ヘッドと磁気テープとの接触面積が増え、両者間の摩擦が大きくなる。特に、磁気テープが磁気ヘッドに接触して停止している状態から、磁気テープの移送を開始する時などに発生する静止摩擦が大きくなると、磁気テープや磁気ヘッドにダメージが生じる可能性がある。磁気ヘッドと磁気テープとの静止摩擦に対する対策として、例えば特許文献1および2に開示された技術がある。
特許文献1は、磁気記録・再生時において磁気テープと磁気ヘッドとの静止摩擦を低減させるために、磁気テープのBOT部(BOT: Beginning of tape)及びEOT部(EOT: End of tape)に微小な凹部を形成する構成を開示している。これにより、磁気ヘッドが磁気テープ6の始端または終端に位置している時に、磁気テープの移送を開始しても、静止摩擦が低いためテープダメージなどを抑えることができる。
特許文献2は、磁気テープの走行速度を検出する速度検出装置と、磁気ヘッドを振動させる振動装置と、を備え、磁気テープの走行速度が所定値未満であると判断した場合に、前記振動装置により前記磁気ヘッドを振動させ、走行速度が所定値以上であると判断した場合に、振動装置の稼動を停止させる制御装置と、を備えた記録再生装置を開示している。これにより、磁気ヘッドと磁気テープとの静止摩擦を回避している。
特開2006−127666号公報 特開2008−262645号公報
しかしながら特許文献1に開示されている構成では、凹部を磁気テープのBOT部及びEOT部にしか形成することができないため、BOT部とEOT部との間の部分(凹部が形成されていない部分)に磁気ヘッドが接触している状態で磁気テープの移送及び停止動作を繰り返して行うと、磁気ヘッドと磁気テープとの間における静止摩擦により、磁気ヘッドと磁気テープとが貼り付いて、磁気ヘッドまたは磁気テープにダメージを与えてしまうという問題がある。
また、特許文献2に開示されている構成では、磁気テープの速度を検出する速度検出装置と、特にこの構成の必須手段として振動装置が必要となり、装置が大掛かりになり装置の製造コストが高くなるという問題がある。
本願の目的は、磁気テープを停止状態から移送状態へ移行させる際、磁気テープを移送状態から停止状態へ移行させる際、または磁気テープの移送方向を反転させる際に、磁気ヘッド及び磁気テープにダメージを与えることを防止できる磁気テープ駆動装置を提供することである。
本願の磁気テープ駆動装置は、磁気テープに摺接して情報を記録または再生可能な磁気ヘッドを備えた磁気ヘッドユニットと、前記磁気テープを移送するテープ移送手段とを備えた磁気テープ駆動装置であって、前記磁気ヘッドユニットを前記磁気テープの幅方向に変位させ、前記磁気テープに形成されているトラックのうち任意のトラックに前記磁気ヘッドをトラッキングするヘッド変位手段を、さらに備え、前記ヘッド変位手段は、前記テープ移送手段が前記磁気テープを停止状態から移送を開始させるとき、および/または前記テープ移送手段が前記磁気テープを移送状態から停止させるときに、前記磁気ヘッドユニットを振動させるものである。
本願の磁気テープ駆動方法は、磁気テープの移送開始命令が入力されると、磁気ヘッドユニットを前記磁気テープの幅方向へ振動させ、前記磁気ヘッドユニットが振動を開始した後、前記磁気テープの移送を開始させ、前記磁気テープが移送を開始した後、前記磁気ヘッドユニットの振動を停止させるものである。
本願の磁気テープ駆動方法は、磁気テープが移送されている状態において、前記磁気テープの移送停止命令が入力されると、磁気ヘッドユニットを前記磁気テープの幅方向へ振動させ、前記磁気ヘッドユニットが振動を開始した後、前記磁気テープの移送を停止させ、前記磁気テープが移送を停止した後、前記磁気ヘッドユニットの振動を停止させるものである。
本願の磁気テープ駆動方法は、磁気テープが第1の方向へ移送されている状態において、前記磁気テープの移送方向反転命令が入力されると、磁気ヘッドユニットを前記磁気テープの幅方向へ振動させ、前記磁気ヘッドユニットが振動を開始した後、前記磁気テープの移送を停止させ、前記磁気テープが移送を停止した後、前記磁気テープを前記第1の方向とは異なる第2の方向へ移送を開始させ、前記磁気テープが前記第2の方向へ移送を開始した後、前記磁気ヘッドユニットの振動を停止させるものである。
本願の開示によれば、磁気テープの停止時および/または移送開始時に、磁気ヘッド及び磁気テープにダメージを与えないようにすることができる。
実施の形態にかかる磁気テープ駆動装置のブロック図 磁気ヘッド及びヘッド変位部の具体構成を示す斜視図 磁気テープ駆動装置における記録動作の流れを示すフローチャート 磁気テープ駆動装置における反転動作の流れを示すフローチャート 磁気テープ駆動装置における記録動作のタイミングチャート 磁気テープ駆動装置における反転動作のタイミングチャート
本願の磁気テープ駆動装置において、前記ヘッド変位手段は、前記磁気テープ移送手段が前記磁気テープの移送方向を反転させる際、前記磁気テープを第1の方向に移送させている状態から停止させるときから、前記磁気テープを前記第1の方向とは異なる第2の方向へ移送を開始させるときまで、前記磁気ヘッドユニットを振動させる構成とすることが好ましい。このような構成とすることにより、磁気テープの移送方向を反転させる際に磁気テープと磁気ヘッドとの間の静止摩擦を低減することができる。したがって、磁気テープが磁気ヘッドに貼り付くなどの現象を低減することができ、磁気テープおよび/または磁気ヘッドにダメージが与えられることを防止することができる。
本願の磁気テープ駆動装置において、前記ヘッド変位手段は、前記磁気テープに形成されているトラックのうち任意のトラックに前記磁気ヘッドをトラッキングする際に、前記磁気ヘッドユニットを前記磁気テープの幅方向へ変位可能である構成とする。このような構成とすることにより、磁気ヘッドユニットを振動させるための手段と、トラッキングサーボを行う際に磁気ヘッドを磁気テープの幅方向へ移動させる手段とを兼用することができるので、低コストかつ低スペースに実現することができる。
(実施の形態)
〔1.磁気テープ駆動装置の構成〕
図1は、本実施の形態にかかる磁気テープ駆動装置のブロック図である。図2は、磁気ヘッド1、ヘッド変位部7の具体構成を示す斜視図である。なお、本実施の形態にかかる磁気テープ駆動装置は、コンピュータテープに対してデータのリニア記録が可能な装置である。さらには、本実施の形態にかかる磁気テープ駆動装置は、磁気センサー型ヘッドで、表面平滑性Raが3.0nm以下の磁気テープに、データをリニア記録可能な磁気テープ装置に有用である。
図1に示すように、本実施の形態にかかる磁気テープ駆動装置は、磁気ヘッド1、テープガイド2及び3、第1のリール4、ヘッド変位部7、操作部11、制御部12、記録再生制御部13、変位制御部14、モータ21及び22を備えている。第2のリール5、磁気テープ6は、磁気テープ駆動装置に着脱可能である。
磁気ヘッド1は、磁気テープ6に対して各種情報を記録したり、磁気テープ6に記録されている各種情報を再生したりすることができる。磁気ヘッド1は、磁気テープ6が本装置内の所定の位置にローディングされている状態において、MR素子を組み込んだMRヘッドユニット1a(図2参照)が配されている摺動面1b(図2参照)が磁気テープ6に接触している。なお、本実施の形態では磁気ヘッド1は、MR素子(磁気抵抗効果素子)を備えたMRヘッドで実現したが、これに限定されるものではない。
テープガイド2及び3は、磁気ヘッド1の第1のリール4側及び第2のリール5側にそれぞれ配され、磁気ヘッド1に対する磁気テープ6の巻き付け角や、磁気テープ6の幅方向の位置を規制している。
第1のリール4は、第2のリール5(後述)から引き出された磁気テープ6を巻き回すことができる。第1のリール4は、予め磁気テープ駆動装置内に配されている。第1のリール4は、制御部12によって駆動制御されるモータ21によって矢印EまたはGに示す方向へ回転駆動される。
第2のリール5は、磁気テープ駆動装置に着脱可能なカートリッジ(不図示)内に配されている。第2のリール5は、カートリッジ(不図示)を装置内に装着した際に、装置内に配されているリール台(不図示)に装着される。リール台は、制御部12によって駆動制御されるモータ22によって矢印FまたはHに示す方向へ回転駆動される。第1のリール4が矢印Eに示す方向へ回転し、第2のリール5が矢印Fに示す方向へ回転することにより、磁気テープ6を矢印Aに示す方向(第1の方向、フォワード方向)へ移送させることができる。また、第1のリール4が矢印Gに示す方向へ回転し、第2のリール5が矢印Hに示す方向へ回転することにより、磁気テープ6を矢印Bに示す方向(第2の方向、リバース方向)へ移送させることができる。
磁気テープ6は、データ記録用の磁気テープである。第2のリール5から引き出された磁気テープ6は、テープガイド3、磁気ヘッド1、テープガイド2の順に接触され、第1のリール4に巻回される。磁気テープ6は、本実施の形態ではLTO(Linear Tape Open)規格に準拠した磁気テープで実現したが、これに限定されるものではない。
ヘッド変位部7は、本実施の形態では、ボイスコイルモータで実現したが、これに限定されない。ヘッド変位部7は、変位制御部14からの制御に基づいて、磁気ヘッド1を図2に示す矢印C及びDに示す方向(磁気テープ6の幅方向)に変位させることができる。具体的には、ヘッド変位部7は、本実施の形態では、トラッキングサーボを行うために磁気ヘッド1を磁気テープ6の幅方向へ変位させるトラッキングモードと、磁気ヘッド1を磁気テープ6の幅方向へ短周期で変位させる振動モードとを有する。
すなわち、本実施の形態の磁気テープ駆動装置は、LTO規格に準拠したフォーマットで磁気テープ6にデータを記録する装置である、したがって、磁気ヘッド1は、データ記録時に磁気テープ6の幅方向に平行な複数のトラックを形成するため、およびデータ再生時に磁気テープの幅方向に形成された複数のトラックを選択的にトレースするために、磁気テープ6の幅方向へ変位可能である(トラッキングモード)。つまり、トラッキングを行うためにボイスコイルモータに印加していた駆動電流の周期を短くすることで、磁気ヘッド1を磁気テープ6の幅方向へ短い周期で連続的に変位させることができる(振動モード)。本実施の形態では、このような磁気ヘッド1の短周期の変位を「振動」と呼ぶこととする。なお、磁気テープ6に対する磁気ヘッド1のトラッキング動作については、例えば特許第4139428号公報に開示されているため、本明細書での詳しい説明は省略する。
操作部11は、ユーザによる記録命令や停止命令などの各種操作を受け付ける。操作部11は、ユーザによる各種操作を受け付けると、制御信号を制御部12に送る。
制御部12は、操作部11から制御信号が送られると、その制御信号の内容に応じて、記録再生制御部13、変位制御部14、モータ21及び22を制御する。具体的には、制御部12は、記録再生制御部13に対して、磁気テープ6に情報を記録するための命令信号、および磁気テープ6に記録されている情報を読み出すための命令信号を出力する。制御部12は、変位制御部14に対して、ヘッド変位部7を振動開始または振動停止させるための命令を送る。制御部12は、モータ21及び22に対して、動作開始または動作停止させるための命令を送る。
記録再生制御部13は、制御部12からの制御指令により、磁気ヘッド1を記録動作あるいは再生動作させる。具体的には、記録再生制御部13は、磁気ヘッド1に所定の電流を流すよう制御して、磁気ヘッド1における磁気テープ6との摺接部近傍に磁界を発生させる。
変位制御部14は、ヘッド変位部7に対して磁気ヘッド1を磁気テープ6の幅方向へ変位させる命令を送る。具体的には、変位制御部14は、ヘッド変位部7が例えばボイスコイルモータで実現されている場合は、ボイスコイルに対して駆動電流を印加する。このとき、ボイスコイルに印加する駆動電流を制御することにより、ヘッド変位部7をトラッキングモードまたは振動モードに応じた周波数(周期)で動作させることができる。
なお、振動モードにおけるヘッド変位部7の振動周波数は、磁気ヘッド1と磁気テープ6との間における静止摩擦を抑えるため、10Hz以上、1kHz未満であることが好ましい。振動モードにおけるヘッド変位部7の振動周波数が10Hz未満の場合は、磁気ヘッドを振動させたときに、磁気テープ6が磁気ヘッド1の振動に追従して振動する可能性があり、十分に静止摩擦を抑えることができない。また、振動モードにおけるヘッド変位部7の振動周波数が1kHz以上の場合は、ボイスコイルで磁気ヘッドを振動させるのが困難である。すなわち、一般的なLTOドライブに搭載されるボイスコイルで、LTOドライブに搭載される磁気ヘッド(HP:重量約15グラム)を1kHz以上の周波数で振動させるのは、ボイスコイルに流れる電流とボイスコイルの断面積、ターン数で周波数特性が決まるため困難である。もちろん、ボイスコイルに流す電流、ボイスコイルの断面積、ターン数を高周波対応にしたボイスコイルを搭載することで1kHz以上の周波数で磁気ヘッドを振動させ、本実施の形態の目的である「磁気ヘッド1と磁気テープ6との間における静止摩擦を抑える」ことを達成することはできるが、装置全体としてコストが増大してしまう。
なお、磁気ヘッド1に与えるヘッド移動量(振幅)は、磁気テープ駆動装置の種類、機種により異なるが、通常、0.1μm以上、200μm未満とすることが好ましい。ヘッド移動量(振幅)が0.1μm未満では、振幅が小さすぎて、十分に静止摩擦が抑えられない場合がある。また、ヘッド移動量(振幅)が200μm以上になると、磁気テープの幅方向の振動が大きくなって、テープガイド2及び3の規制部(磁気テープの幅方向の変位を規制するためにテープガイド2及び3に備わる鍔状の部材)に磁気テープ6のエッジが衝突して、エッジが損傷する場合がある。したがって、本実施の形態のように磁気ヘッド1に与えるヘッド移動量(振幅)は、0.1μm以上、200μm未満とすることが好ましい。
〔2.磁気テープ駆動装置の動作〕
図3Aは、磁気テープ6に情報を記録する際の動作を示すフローチャートである。図3Bは、磁気テープ6の移送方向を矢印Aに示す方向から矢印Bに示す方向へ反転させる際の動作を示すフローチャートである。図4Aは、磁気テープ6に情報を記録する際の、記録開始命令(a)、記録停止命令(b)、磁気テープ6の移送速度(c)、ヘッド変位部7における動作(d)を示す。図4Bは、磁気テープ6の移送方向を矢印Aに示す方向から矢印Bに示す方向へ反転させる際の、反転命令(a)、磁気テープ6の移送速度(b)、ヘッド変位部7における動作(c)を示す。図4B(c)において、移送速度の正値は磁気テープ6を矢印Aに示す方向へ移送させている時の移送速度を示し、負値は磁気テープ6を矢印Bに示す方向へ移送させている時の移送速度を示す。図4A(d)及び図4B(c)におけるHigh期間は、ヘッド変位部7が磁気ヘッド1を振動させている期間である。
〔2−1.記録動作〕
まず、図1に示すように、磁気テープ6のローディングが完了した状態では、磁気テープ6は磁気ヘッド1の摺動面1b(図2参照)に接触した状態で停止している。なお、磁気テープ6のローディング動作については周知であるため、説明を省略する。このとき、変位制御部14はヘッド変位部7に対して動作命令を与えていないため、磁気ヘッド1は振動していない。
この状態で、ユーザにより操作部11が操作されて記録開始命令が入力されると(図4AのタイミングT1)、制御部12は、変位制御部14に対してヘッド変位部7の動作命令を出力する。変位制御部14は、入力される動作命令に基づき、ヘッド変位部7に対して駆動電流を印加する。ヘッド変位部7は、変位制御部14から印加される駆動電流に基づき、磁気ヘッド1を矢印C及びDに示す方向(図2参照)へ10Hzの振動周波数で振動させる(図3AのステップS1、図4AのタイミングT2)。
なお、変位制御部14は、磁気テープ6の移送速度が安定(後述するステップS3)するまで、ヘッド変位部7に対して駆動電流を出力し続ける。
次に、制御部12は、モータ21に対して第1のリール4を矢印Eに示す方向へ回転させる命令を送り、モータ22に対して第2のリール5を矢印Fに示す方向へ回転させる命令を送る。これによりモータ21及び22は、それぞれ駆動を開始し、第1のリール4及び第2のリール5を回転させる。第1のリール4が矢印Eに示す方向へ回転し、第2のリール5が矢印Fに示す方向へ回転を開始すると、磁気テープ6は矢印Aに示す方向へ移送を開始する(図3AのステップS2、図4AのタイミングT3)。なお、図4Aに示すように、磁気テープ6が移送を開始する時点(タイミングT3)において、磁気ヘッド1はヘッド変位部7によって振動させられているため、磁気ヘッド1と磁気テープ6との間に静止摩擦は発生しない。
次に、制御部12は、モータ21及び22を制御して磁気テープ6の移送速度を徐々に増加させ、所定の移送速度で定速移送させる。具体的には、制御部12は、モータ21及び22を制御して磁気テープ6の移送速度を徐々に加速させている間、モータ21及び22のトルク電流を検出して磁気テープ6の移送速度を算出している。この移送速度の算出処理は、一定時間毎に実行する。制御部12は、算出した移送速度のデータを蓄積し、移送速度の変化量が所定量よりも小さくなったことを検出すると、磁気テープ6の移送速度が安定したと判断する(図3AのステップS3におけるYES判断、図4AのタイミングT4)。
次に、制御部12は、磁気テープ6の移送速度が安定したと判断すると、変位制御部14に対して振動動作の停止命令を送る。変位制御部14は、制御部12から振動動作を停止命令が送られると、ヘッド変位部7に対する駆動電流の出力を停止する。ヘッド変位部7は、変位制御部14からの駆動電流の印加が停止すると、振動を停止する(図3AのステップS4、図4AのタイミングT5)。
次に、制御部12は、変位制御部14に対してトラッキングサーボを行う命令を出力する。変位制御部14は、入力される命令に基づき、磁気ヘッド1内のデータヘッドが所定のトラックを追従するように、磁気ヘッド1を磁気テープ6の幅方向へ移動するようヘッド変位部7を制御する。なお、磁気ヘッド1の詳細な構成、およびトラッキングサーボの動作については、例えば特許第4139428号公報に開示されている磁気ヘッドの構成およびトラッキングサーボの動作を採用することができる(図3AのステップS5)。
次に、制御部12は、記録再生制御部13に対してデータ記録を行う命令を出力する。記録再生制御部13は、入力される命令に基づき、磁気ヘッド1を記録動作させて、磁気テープ6のデータトラックにデータを記録するよう制御する。これにより、磁気テープ6には、磁気ヘッド1によりデータが記録される(図3AのステップS6)。
次に、磁気テープ6にデータを記録している時に、ユーザによって操作部11が操作されて反転命令が入力されれば、制御部12は、磁気テープ6の移送方向を変えるよう各部を制御する。なお、反転制御の詳しい説明は後述する(図3AのステップS7)。
次に、磁気テープ6にデータを記録している時に、ユーザによって操作部11が操作されて停止命令が入力されれば(図3AのステップS8におけるYES判断、図4AのタイミングT6)、制御部12は、変位制御部14に対して振動開始命令を送る。変位制御部14は、制御部12から振動開始命令が送られると、ヘッド変位部7に駆動電流を印加する。ヘッド変位部7は、変位制御部14から印加される駆動電流に基づき、磁気ヘッド1を矢印C及びDに示す方向(図2参照)へ10Hzの振動周波数で振動させる(図3AのステップS9、図4AのタイミングT7)。
なお、変位制御部14は、磁気テープ6が停止(後述するステップS11)するまで、ヘッド変位部7に対して駆動電流を出力し続ける。
次に、制御部12は、モータ21及び22に対して停止命令を出力する(図4AのタイミングT8)。これによりモータ21及び22は、第1のリール4及び第2のリール5の回転数を徐々に低下させる減速動作を行い、磁気テープ6の移送速度を低下させる(図3AのステップS10)。やがて、磁気テープ6の移送は停止する(図3AのステップS11、図4AのタイミングT9)。図4A(d)に示すように、変位制御部14は、磁気テープ6の停止命令が入力されて以降、連続的にヘッド変位部7に駆動電流を印加しているため、磁気ヘッド1はタイミングT7からタイミングT9(磁気テープ6の停止タイミング)を越えるタイミングまで振動し続けている。すなわち、磁気テープ6が停止するタイミングT9において、磁気ヘッド1と磁気テープ6との間に静止摩擦が生じないようにしている。
なお、変位制御部14は、タイミングT9以降、磁気テープ駆動装置の電源がオフにされない限り、連続的に磁気ヘッド1を振動させるようヘッド変位部7に駆動電流を印加し続けることが好ましい。これにより、タイミングT9以降に再度操作部11において記録開始命令が入力され、磁気テープ6の移送を開始する場合に、磁気テープ6の移送開始タイミング(例えばタイミングT3)において磁気ヘッド1と磁気テープ6との間に静止摩擦が生じないようにすることができる。
また、上記説明では、磁気テープ6へのデータ記録時の動作に基づいて説明したが、磁気テープ6に記録されているデータを再生する動作にも適用可能である。
〔2−2.磁気テープ移送方向の反転動作〕
磁気テープ6が矢印AまたはBに示す方向に移送中に、ユーザによって操作部11が操作されて反転命令が入力されると(図3AのステップS7におけるYES判断)、制御部12は、図3Bに示すフローならびに図4Bに示すタイミングチャートに従って制御を開始する。
まず、制御部12は、操作部11から反転命令が送られると(図4BのタイミングT11)、変位制御部14に対してヘッド変位部7の動作命令を出力する。変位制御部14は、入力される動作命令に基づき、ヘッド変位部7に対して駆動電流を印加する。ヘッド変位部7は、変位制御部14から印加される駆動電流に基づき、磁気ヘッド1を矢印C及びDに示す方向(図2参照)へ10Hzの振動周波数で振動させる(図3BのステップS11、図4BのタイミングT12)。
次に、制御部12は、モータ21及び22に対して停止命令を出力する(図4BのタイミングT13)。これによりモータ21及び22は、第1のリール4及び第2のリール5の回転数を徐々に低下させる減速動作を行い、磁気テープ6の移送速度を低下させる(図3BのステップS22)。やがて磁気テープ6の移送は停止する(図3BのステップS23、図4BのタイミングT14)。
次に、制御部12は、モータ21及び22のトルク電流等に基づいて磁気テープ6の移送が停止したことを検出すると、モータ21及び22に対して、モータ21及び22の回転方向(磁気テープ6の移送方向)を反転させる命令を出力する。モータ21及び22は、制御部12から反転命令が送られると、第1のリール4を矢印Gに示す方向(図1参照)に回転させ、第2のリール5を矢印Hに示す方向へ回転させる。これにより、磁気テープ6は矢印Bに示す方向へ移送される(図3BのステップS24、図4BのタイミングT15)。
なお、制御部12は、磁気テープ6の移送方向を反転させる制御を、図4BのタイミングT14からT15までの間に実行する。
また、変位制御部14は、磁気テープ6の移送方向を反転させる制御を行っている間(減速、停止、移送方向反転、加速の一連の動作期間)、ヘッド変位部7に駆動電流を印加し続けている。したがって、磁気ヘッド1は、磁気テープ6の移送方向を反転させる制御を行っている間、振動し続けているため、磁気ヘッド1と磁気テープ6との間に静止摩擦は発生しない。
次に、制御部12は、モータ21及び22を制御して磁気テープ6の移送速度を徐々に増加させ、所定の移送速度で定速移送させる。具体的には、制御部12は、モータ21及び22を制御して磁気テープ6の移送速度を徐々に加速させている間、モータ21及び22のトルク電流を検出して磁気テープ6の移送速度を算出している。この移送速度の算出処理は、一定時間毎に実行する。制御部12は、算出した移送速度のデータを蓄積し、移送速度の変化量が所定量よりも小さくなったことを検出すると、磁気テープ6の移送速度が安定したと判断する(図3BのステップS25におけるYES判断、図4BのタイミングT16)。
次に、制御部12は、磁気テープ6の移送速度が安定したと判断すると、変位制御部14に対して振動動作の停止命令を送る。変位制御部14は、制御部12から振動動作を停止命令が送られると、ヘッド変位部7に対する駆動電流の出力を停止する。ヘッド変位部7は、変位制御部14からの駆動電流の印加が停止すると、振動を停止する(図3BのステップS26、図4BのタイミングT17)。
次に、制御部12は、変位制御部14に対してトラッキングサーボを行う命令を出力する。変位制御部14は、入力される命令に基づき、磁気ヘッド1内のデータヘッドが所定のトラックを追従するように、磁気ヘッド1を磁気テープ6の幅方向へ移動するようヘッド変位部7を制御する。なお、磁気ヘッド1の詳細な構成、およびトラッキングサーボの動作については、例えば特許第4139428号公報に開示されている磁気ヘッドの構成およびトラッキングサーボの動作を採用することができる(図3BのステップS27)。
次に、制御部12は、記録再生制御部13に対してデータ記録を行う命令を出力する。記録再生制御部13は、入力される命令に基づき、磁気ヘッド1を記録動作させて、磁気テープ6のデータトラックにデータを記録するよう制御する。これにより、磁気テープ6には、磁気ヘッド1によりデータが記録される(図3BのステップS28)。
以降のフローは、図3AのB部に戻る。
なお、本実施の形態では、操作部11において移送方向の反転命令が入力された場合の動作について説明したが、磁気テープ6へのデータ記録時または磁気テープ6からのデータ再生時において、磁気テープ6の長手方向の始端または終端で磁気テープ6の移送方向を自動反転させる際にも、本実施の形態を適用できる。つまり、LTO規格に準拠したフォーマットで磁気テープにデータを記録しているとき、磁気ヘッドが磁気テープの長手方向の端部(始端または終端)に達すると、磁気テープの移送を停止させ、磁気ヘッドを磁気テープの幅方向へ移動させる。次に、磁気テープの移送方向を反転させて移送を開始させ、磁気ヘッドで磁気テープにデータを記録していく。このように、磁気テープの長手方向の始端または終端で磁気テープの移送方向を自動反転させる際に、磁気テープの停止直前から磁気テープを反対方向へ移送を開始した後までにおいて磁気ヘッドを振動させることで、磁気テープおよび/または磁気ヘッドにダメージが与えられることを防止することができる。
〔3.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、磁気ヘッド1と磁気テープ6との間に静止摩擦が発生する可能性があるタイミングにおいて、磁気ヘッド1を振動させる構成としたことにより、磁気ヘッド1と磁気テープ6との間に静止摩擦が発生することを防ぎ、磁気ヘッド1または磁気テープ6にダメージを与える可能性を低くすることができる。すなわち、磁気テープ6の移送開始時、移送状態からの停止時、および磁気テープ6の移送方向の反転時などのように、磁気ヘッド1と磁気テープ6のうちのいずれか一方が動いて他方が静止している状態(静止摩擦が生じ得る状態)において、変位制御部14の制御によりヘッド変位部7が磁気ヘッド1を振動させることにより、磁気ヘッド1と磁気テープ6との間に静止摩擦が生じないため、磁気ヘッド1(MR素子を組み込んだMRヘッドユニット1a等)または磁気テープ6にダメージを与える可能性を低くすることができる。
また、磁気テープ6の移送方向の反転時に、変位制御部14の制御によりヘッド変位部7が磁気テープ1を振動させることにより、磁気テープ6と磁気ヘッド1との間に静止摩擦が発生しないため、磁気ヘッド1または磁気テープ6にダメージを与える可能性を低くすることができる。
特に、磁気テープに対する高密度記録を実現するために磁気ヘッドと磁気テープの間が低スペーシング化された場合に、磁気テープの表面性が例えばRaが3.0nm以下と平滑になることで、磁気テープ6の移送開始時および/または移送停止時に磁気テープと磁気ヘッドとが貼り付きを起こしてしまう可能性がある。このような貼り付きが起きた場合、磁気テープが切れてしまったり、磁気テープまたは磁気ヘッドに傷が付いてしまったりする可能性がある。本実施の形態では、磁気テープ6の移送開始時および/または移送停止時に磁気ヘッド1を振動させることによって、磁気ヘッド1と磁気テープ6との静止摩擦を低減している。これにより、磁気テープ6の表面性が平滑になったとしても、磁気テープ6と磁気ヘッド1とが貼り付くことを低減し、磁気テープ6の切断や、磁気テープ6または磁気ヘッド1に傷が付いてしまうことを防止することができる。
また、ヘッド変位部7は、トラッキングサーボを行うために磁気ヘッド1を磁気テープ6の幅方向へ移動させるためのボイスコイルと兼用する構成としたことにより、別途磁気ヘッド1を振動させるための手段を備える必要がないため、低コストに実現することができるとともに、磁気テープ駆動装置を小型化することができる。すなわち、本実施の形態における「ヘッド変位部7」には、トラッキングサーボを行うために磁気ヘッド1を磁気テープ6の幅方向へ移動させるための構成と、磁気ヘッド1を振動させるための構成とを含む。
なお、本実施の形態では、図3A及び図4Aを参照した記録動作の説明において、磁気テープ6を図1における矢印Aに示す方向へ移送させているときの動作について説明したが、磁気テープ6を矢印Bに示す方向へ移送させているときの動作も同様に制御することができる。また、磁気テープ6に記録されたデータを再生するときの動作も上記と同様に行うことができる。
また、本実施の形態では、図3Aに示す記録動作において、磁気テープ6の移送停止命令が入力(ステップS8)された後、磁気ヘッド1の振動を開始し(ステップS9)、磁気テープ6を減速(ステップS10)させる動作制御としたが、磁気テープ6の移送停止命令が入力された後、磁気テープ6を減速させ、その後磁気テープ6が停止するまでの間に磁気ヘッド1の振動を開始するよう制御する構成としてもよい。また、制御部12がモータ21及び22のトルク電流を検出して磁気テープ6の移送速度を監視し、磁気テープ6の移送速度が所定の速度まで低下したら、磁気ヘッド1の振動を開始するよう制御する構成としてもよい。
また、本実施の形態では、磁気ヘッド1の振動を停止させるタイミングとして、磁気テープ6の移送速度が安定した後としたが、磁気テープ6の移送開始から所定時間(例えば図3AのタイミングT3から1秒)が経過した時に磁気ヘッド1の振動を停止させる構成としてもよい。このような構成は、例えば制御部12にタイマーを備え、磁気テープ6の移送開始から計時を行うことで実現することができる。
また、本実施の形態では、磁気ヘッド1の振動を停止させるタイミングとして、磁気テープ6の移送速度が安定した後としたが、磁気テープ6の移送速度が所定速度(例えば3m/秒)に達した時に磁気ヘッド1の振動を停止させる構成としてもよい。このような構成は、制御部12において、モータ21及び22のトルク電流に基づいて磁気テープ6の移送速度を算出し、所定速度(例えば3m/秒)と比較することで実現することができる。
また、磁気テープの移送開始時、移送停止時、移送方向反転時において、磁気テープと磁気ヘッドとの間の静止摩擦を低減することを目的とした文献として、特開2008−287850号公報がある。特開2008−287850号公報に開示された構成であっても、本実施の形態と同様に、磁気テープと磁気ヘッドとの間の静止摩擦を低減して、磁気テープのダメージを防止するなどのメリットがあるが、本実施の形態では磁気テープと磁気ヘッドとの間の静止摩擦を低減する構成を、少ない部品点数および低コストに実現できるという特有のメリットがある。すなわち、本実施の形態にかかる磁気テープ駆動装置は、トラッキングサーボを行うために、もともと磁気ヘッドを磁気テープの幅方向に移動させる手段(ヘッド変位部7)を備え、その手段を用いて磁気ヘッドを振動させている。したがって、磁気ヘッドを振動させるために特別なメカニズムを搭載する必要がなく、少ない部品点数および低コストに実現することができる。
また、本実施の形態における磁気ヘッド1は、本発明の磁気ヘッドユニットの一例である。本実施の形態におけるモータ21及び22は、本発明のテープ移送手段の一例である。本実施の形態におけるヘッド変位部7、変位制御部14は、本発明のヘッド変位手段の一例である。なお、トラッキングサーボを実行するために、磁気ヘッド1を磁気テープ6の幅方向へ移動させる手段は、本発明のヘッド変位手段に含まれる。
(実施例)
以下、実施例に基づき本実施の形態をより具体的に説明する。本発明者らは、ヒューレット・パッカード社製LTO4ドライブを使用し、LTO規格に準拠した試作テープを始端と終端との間を繰り返して往復移送させた。移送開始時、移送停止時、移送方向反転時において、表1に示す条件に基づき、磁気ヘッドの変位手段であるボイスコイルに所定の周波数の電流を流して、磁気ヘッドを振動させた。上記の動作条件に基づき、磁気テープを常温、常湿下にて10000パス繰り返し走行させて、走行試験を行ない、下記の評価を行った。
<磁気ヘッドと磁気テープとの貼り付き>
本発明者らは、磁気テープを搬送駆動するボイスコイルの駆動電流をモニターし、駆動電流が所定の電流値を超えると「磁気ヘッドと磁気テープとの間に貼り付きが生じた」と判断した。磁気テープを10000パス走行させている間、磁気ヘッドと磁気テープとの間に貼り付きが起こらなかった場合を「○」、磁気ヘッドと磁気テープとの間に貼り付きの回数が1〜5回の場合を「△」、磁気ヘッドと磁気テープとの間に貼り付きが5回以上あった場合を「×」と判定した。
<テープエッジ傷>
本発明者らは、磁気テープにおいて繰り返し走行の折り返し部におけるテープエッジを、光学顕微鏡にて200倍で観察した。テープエッジに傷が認められなかった場合を「○」、テープエッジに僅かに傷が認められた場合を「△」、テープエッジに大きな傷が認められた場合を「×」と判定した。
走行後の磁気テープの評価結果を表1に示す。なお、表1における比較例1は、磁気ヘッドを振動させずに磁気テープを繰り返し走行させた場合の評価結果である。
Figure 2011248959
表1から明らかなように、実施例1〜7および参考例1、2は、磁気ヘッドと磁気テープとの間の貼り付き、テープエッジ傷が良好または比較的良好である。しかし、比較例1は、磁気ヘッドを振動させていないため磁気ヘッドと磁気テープとの間の静止摩擦が大きく、磁気ヘッドと磁気テープとの間の貼り付きが大きかった。また、磁気ヘッドを振動させる周波数が比較的小さい参考例1は、静止摩擦を避ける効果が不十分で、磁気ヘッドに磁気テープが貼り付く傾向が見られた。また、振動の振幅が比較的大きい参考例2は、磁気テープのエッジがテープガイドの規制部に当接する現象が生じたため、僅かにテープエッジ傷が観察された。
本発明の磁気テープ駆動装置は、磁気テープを情報媒体として使用する装置に有用である。特に、コンピュータテープに対してデータのリニア記録が可能な磁気テープ駆動装置に有用である。
1 磁気ヘッド
7 ヘッド変位部
12 制御部
13 記録再生制御部
14 変位制御部

Claims (5)

  1. 磁気テープに摺接して情報を記録または再生可能な磁気ヘッドを備えた磁気ヘッドユニットと、
    前記磁気テープを移送するテープ移送手段とを備えた磁気テープ駆動装置であって、
    前記磁気ヘッドユニットを前記磁気テープの幅方向に変位させ、前記磁気テープに形成されているトラックのうち任意のトラックに前記磁気ヘッドをトラッキングするヘッド変位手段をさらに備え、
    前記ヘッド変位手段は、前記テープ移送手段が前記磁気テープを停止状態から移送を開始させるとき、および/または前記テープ移送手段が前記磁気テープを移送状態から停止させるときに、前記磁気ヘッドユニットを振動させる、磁気テープ駆動装置。
  2. 前記ヘッド変位手段は、
    前記磁気テープ移送手段が前記磁気テープの移送方向を反転させる際、前記磁気テープを第1の方向に移送させている状態から停止させるときから、前記磁気テープを前記第1の方向とは異なる第2の方向へ移送を開始させるときまで、前記磁気ヘッドユニットを振動させる、請求項1記載の磁気テープ駆動装置。
  3. 磁気テープの移送開始命令が入力されると、磁気ヘッドユニットを前記磁気テープの幅方向へ振動させ、
    前記磁気ヘッドユニットが振動を開始した後、前記磁気テープの移送を開始させ、
    前記磁気テープが移送を開始した後、前記磁気ヘッドユニットの振動を停止させる、磁気テープ駆動方法。
  4. 磁気テープが移送されている状態において、前記磁気テープの移送停止命令が入力されると、磁気ヘッドユニットを前記磁気テープの幅方向へ振動させ、
    前記磁気ヘッドユニットが振動を開始した後、前記磁気テープの移送を停止させ、
    前記磁気テープが移送を停止した後、前記磁気ヘッドユニットの振動を停止させる、磁気テープ駆動方法。
  5. 磁気テープが第1の方向へ移送されている状態において、前記磁気テープの移送方向反転命令が入力されると、磁気ヘッドユニットを前記磁気テープの幅方向へ振動させ、
    前記磁気ヘッドユニットが振動を開始した後、前記磁気テープの移送を停止させ、
    前記磁気テープが移送を停止した後、前記磁気テープを前記第1の方向とは異なる第2の方向へ移送を開始させ、
    前記磁気テープが前記第2の方向へ移送を開始した後、前記磁気ヘッドユニットの振動を停止させる、磁気テープ駆動方法。
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