JP2011247508A - 排ガス式吸収冷温水機の運転制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】排ガス式吸収冷温機の起動時に発生し易い排ガス凝縮ドレンの発生を防止する。
【解決手段】蒸発器と、吸収器と、排ガス投入による加熱が可能な排ガス再生器と、前記吸収器から出た吸収液が前記排ガス再生器に流入した後に流入するバーナ加熱の可能な燃焼再生器と、凝縮器とを有する吸収冷温水機の運転制御方法であって、起動時に、(1)投入される排ガスの温度THが第1所定温度T1に上昇するか、又は(2)循環して流入した吸収液によって排ガス再生器の伝熱面の温度が所定温度に上昇するように、バーナ加熱を行った燃焼再生器の温度TNが第2所定温度TGにまで上昇する、という(1)と(2)の内の少なくとも一方が達成されてから排ガス再生器に排ガスを投入する。
【選択図】図2
【解決手段】蒸発器と、吸収器と、排ガス投入による加熱が可能な排ガス再生器と、前記吸収器から出た吸収液が前記排ガス再生器に流入した後に流入するバーナ加熱の可能な燃焼再生器と、凝縮器とを有する吸収冷温水機の運転制御方法であって、起動時に、(1)投入される排ガスの温度THが第1所定温度T1に上昇するか、又は(2)循環して流入した吸収液によって排ガス再生器の伝熱面の温度が所定温度に上昇するように、バーナ加熱を行った燃焼再生器の温度TNが第2所定温度TGにまで上昇する、という(1)と(2)の内の少なくとも一方が達成されてから排ガス再生器に排ガスを投入する。
【選択図】図2
Description
本発明は、排ガスによって加熱再生できると共に、バーナによる加熱再生も可能な排ガス式吸収冷温水機の運転制御方法に関する。
外部設備や内部の高温加熱器の加熱バーナ等から出る排ガスを利用し、吸収冷温水機の再生器にこの排ガスを投入して、濃度の薄い希吸収液を加熱して冷媒を分離しつつ希吸収液の濃度を向上させることがある。こうすれば外部設備等の排熱の有効利用につながり、吸収冷温水機の加熱エネルギーを低減することにもつながる。従って、できるだけこうした排ガスを主体に再生器を加熱して運転できれば効果的である。例えば、下記特許文献1,2,3に他の設備からの排ガスの熱エネルギーを有効利用することが開示されている。
しかし、排ガスの成分として硫黄分が含まれている場合、その排ガスが冷やされて凝縮すると硫酸水溶液になる場合がある。一方、排ガスを投入して吸収液を加熱する排ガス再生器の母材は通常鉄鋼材である。従って、排ガスの凝縮によって硫酸水溶液が発生すれば排ガス再生器を侵食する。もし、母材を貫通する程侵食が進行すると、排ガス再生器の真空破壊を生じ、吸収冷温水機の性能、寿命に大きな影響を与える。
また、一般に起動時には再生器の温度が低く、吸収液が上手く循環しないため冷凍能力が出ない。即ち、起動時にはブラインの出口温度が定格温度よりも高い。このため、バーナ加熱運転から早い時期に排ガス単独運転に切り替えてしまうと、再生器における加熱不足から、その後、バーナ加熱による追い焚き運転が頻発してしまう。しかし、できるだけ排ガスのみで運転したいという上述の観点もある。
また、一般に起動時には再生器の温度が低く、吸収液が上手く循環しないため冷凍能力が出ない。即ち、起動時にはブラインの出口温度が定格温度よりも高い。このため、バーナ加熱運転から早い時期に排ガス単独運転に切り替えてしまうと、再生器における加熱不足から、その後、バーナ加熱による追い焚き運転が頻発してしまう。しかし、できるだけ排ガスのみで運転したいという上述の観点もある。
依って解決しようとする課題は、排ガス式吸収冷温機の起動時に発生し易い排ガス凝縮ドレンの発生を防止することである。また、起動の際の吸収液の循環を良くすることである。更には、バーナ加熱運転を可及的に低減させ、できるだけ排ガスだけで加熱運転することである。
上記課題に鑑みて第1の発明は、蒸発器と、吸収器と、排ガス投入による加熱が可能な排ガス再生器と、前記吸収器から出た吸収液が前記排ガス再生器に流入した後に流入するバーナ加熱の可能な燃焼再生器と、凝縮器とを有する吸収冷温水機の運転制御方法であって、
起動時に、(1)投入される排ガスの温度が第1所定温度に上昇するか、又は(2)循環して流入した吸収液によって排ガス再生器の伝熱面の温度が所定温度に上昇するように、バーナ加熱を行った燃焼再生器の温度が第2所定温度にまで上昇する、という(1)と(2)の内の少なくとも一方が達成されてから排ガス再生器に排ガスを投入することを特徴とする排ガス式吸収冷温水機の運転制御方法を提供する。
起動時に、(1)投入される排ガスの温度が第1所定温度に上昇するか、又は(2)循環して流入した吸収液によって排ガス再生器の伝熱面の温度が所定温度に上昇するように、バーナ加熱を行った燃焼再生器の温度が第2所定温度にまで上昇する、という(1)と(2)の内の少なくとも一方が達成されてから排ガス再生器に排ガスを投入することを特徴とする排ガス式吸収冷温水機の運転制御方法を提供する。
第2の発明では、第1の発明の排ガスを投入していると共に前記バーナ加熱を行っている場合、蒸発器と熱負荷機器との間を循環するブラインの蒸発器出口温度がブライン第1所定温度にまで低下すると、バーナ加熱を停止して、排ガスで加熱運転するよう構成する。
第3の発明では、第1の発明の排ガスを投入していると共に前記バーナ加熱を行っていない場合、蒸発器と熱負荷機器との間を循環するブラインの蒸発器出口温度がブライン第2所定温度にまで上昇すると、バーナ加熱を開始するよう構成する。
第4の発明では、第1の発明の排ガスを投入していると共に前記バーナ加熱を行っている場合、蒸発器と熱負荷機器との間を循環するブラインの蒸発器出口温度がブライン第1所定温度にまで低下すると、バーナ加熱を停止して排ガス単独で加熱運転を行い、その後、ブラインの蒸発器出口温度が前記ブライン第1所定温度よりも高いブライン第2所定温度にまで上昇すると、バーナ加熱を再開するよう構成する。
第5の発明では、第1〜第4の発明において、排ガスを投入した後、燃焼再生器温度に応じて、冷却塔を通って循環すると共に、吸収器の中を通って吸収液を冷却する冷却水の温度を上昇制御して前記排ガス再生器の温度を上げるよう構成する。
第6の発明では、第5の発明の前記冷却水の温度を上昇させる手段は、冷却塔の冷却ファンの回転数を低下させるインバータ制御であるよう構成する。
第6の発明では、第5の発明の前記冷却水の温度を上昇させる手段は、冷却塔の冷却ファンの回転数を低下させるインバータ制御であるよう構成する。
第7の発明では、第1の発明において、排ガスを投入していると共に前記バーナ加熱を行っている場合、蒸発器と熱負荷機器との間を循環するブラインの蒸発器出口温度が暖房用ブライン第1所定温度にまで上昇すると、バーナ加熱を停止して、排ガスで加熱運転するよう構成する。
第8の発明では、第1の発明において、排ガスを投入していると共に前記バーナ加熱を行っていない場合、蒸発器と熱負荷機器との間を循環するブラインの蒸発器出口温度が暖房用ブライン第2所定温度にまで下降すると、バーナ加熱を開始するよう構成する。
第9の発明では、第1の発明において、排ガスを投入していると共に前記バーナ加熱を行っている場合、蒸発器と熱負荷機器との間を循環するブラインの蒸発器出口温度が暖房用ブライン第1所定温度にまで上昇すると、バーナ加熱を停止して排ガス単独で加熱運転を行い、その後、ブラインの蒸発器出口温度が前記暖房用ブライン第1所定温度よりも低い暖房用ブライン第2所定温度にまで下降すると、バーナ加熱を再開するよう構成する。
第10の発明では、第1〜第9の発明において、前記吸収冷温水機が二重効用機であって、前記燃焼再生器は高温再生器である。
第1の発明では、(1)排ガス温度と(2)燃焼再生器の温度の少なくとも一方がある温度に上昇するまで排ガスを投入しないで、その温度に上昇した後に投入するため、排ガスは凝縮し難く、排ガス凝縮ドレンの発生を防止できる。
第2の発明では、ブラインの蒸発器出口温度がブライン第1所定温度にまで低下するということは熱負荷機器による冷房作用が十分になったことを意味し、バーナ加熱を停止でき、排ガス単独加熱で運転できる。
第2の発明では、ブラインの蒸発器出口温度がブライン第1所定温度にまで低下するということは熱負荷機器による冷房作用が十分になったことを意味し、バーナ加熱を停止でき、排ガス単独加熱で運転できる。
第3の発明では、ブラインの蒸発器出口温度がブライン第2所定温度にまで上昇するということは、熱負荷機器による冷房作用が不十分になったことを意味し、排ガス単独では加熱が不十分であり、バーナ加熱をも併用する必要性がでてきたのであり、始動時にはバーナ加熱運転を行っていたが、その後バーナ加熱をオフにしている場合なので、追い炊き運転をする必要が生じたことを意味している。
第4の発明は、第1の発明運転の後、第2の発明の運転をし、その後第3の発明の運転をするという流れである。
第5の発明の燃焼再生器温度に応じてとは、実際には熱負荷機器の負荷が小さい場合等に生じるが、燃焼再生器温度が低い場合を想定しており、こうした場合に、冷却水の温度を上昇制御して吸収液の温度を上昇させることにより、循環する吸収液によって排ガス再生器の温度を上昇でき、その結果、排ガスの凝縮ドレンを防止できる。
第5の発明の燃焼再生器温度に応じてとは、実際には熱負荷機器の負荷が小さい場合等に生じるが、燃焼再生器温度が低い場合を想定しており、こうした場合に、冷却水の温度を上昇制御して吸収液の温度を上昇させることにより、循環する吸収液によって排ガス再生器の温度を上昇でき、その結果、排ガスの凝縮ドレンを防止できる。
第6の発明では、冷却塔の冷却ファンの回転数を下げれば冷却度合いが低下するため、回転数が高い(定格回転の)場合に比べて冷却水の温度を上昇できる。
第7〜第9の各発明は暖房用の運転制御方法であり、冷房用の第2〜第4の発明の夫々に対応する。
第10の発明は、二重効用の場合に限定したものである。
第10の発明は、二重効用の場合に限定したものである。
以下、本発明を添付図面を用いて更に詳細に説明する。本発明は吸収冷凍機を含む意味の吸収冷温水機であって、一重効用の吸収冷温水機でも二重効用以上の多重効用の吸収冷温水機でもよいが、典型的な二重効用の例の全体構造を図1を参照して説明する。筐体部は上胴11と下胴10とに分かれている。下胴10の左右方向の一側には蒸発器12が、他側には吸収器14が形成配設されている。また、上胴11は、低温再生器22と凝縮器24とが形成配設されている。一方、高温再生器としての燃焼再生器18と排ガス再生器16を具備している。以下、これら各機器の役目と冷媒や吸収液の流れを概説する。
蒸発器12には、図示しない室内冷房機等の熱負荷機器から循環するブライン(ここでは水)が流れるブライン管H1が通るように配設されている。また、吸収器14には冷却塔(図示せず)等を介して循環してくる冷却水が流入する冷却水管H2が配設されている。ここでは吸収器14を出た冷却水管H2は凝縮器24をも通り、凝縮器24を出た冷却水管H2は前記冷却塔に接続されており、冷却水が循環可能になっている。
蒸発器12で蒸発した冷媒(この例では水)の蒸気は、吸収器14にて吸収液(この例では臭化リチウム溶液)に吸収され、蒸発器12の高真空状態が維持される。冷媒を吸収した吸収液は濃度が薄くなって希吸収液となる。下胴10の下部であって、吸収器14の下部に溜まった希吸収液は、吸収液ポンプP1によって希吸収液管H3に流され、排ガス再生器16に向かう。その途中、後述する濃吸収液の流れている濃吸収液管H8、H9の間の低温熱交換器N1を介して濃吸収液から熱を奪って温度上昇する。その後、希吸収液は、排ガス再生器16及び/又は燃焼再生器18によって濃度が中間濃度となった中間吸収液の流れる中間吸収液管H6、H7の間の高温熱交換器N2を介して中間吸収液からも熱を奪って更に温度上昇する。
こうして、吸収器14から出た時よりも温度の上昇した希吸収液が排ガス再生器16に流入する。そして、排ガスが後述する制御タイミングで投入された場合は、この排ガスによって加熱され、また、排ガスが投入されていないタイミングでは、ここで加熱されることなく、配管H4を流れて燃焼再生器18に流入する。ここでも、後述する制御に応じてガス等のバーナ19によって必要時に加熱される。排ガス再生器16に排ガスが投入された場合、その排ガスの熱によって希吸収液が加熱され、希吸収液から蒸発した冷媒蒸気が配管H10を通って気液分離器20内に入る。また、排ガスの投入方法は吸引ファンや排ガスダンパー等の手段がある。
一方、燃焼再生器18において吸収液がバーナ19によって加熱された場合、圧力差によって、蒸発した冷媒蒸気と吸収液との2相の混合流が揚液管H5を通って既述の気液分離器20内に流入する。なお、気液分離器20と蒸発器12とを連通させている配管H20の途中の冷暖切換主弁V1は閉じられている。この気液分離器20内で分離された冷媒蒸気は、冷媒管H11を通って既述の低温再生器22に入る。また、気液分離器20において冷媒蒸気を分離して濃度が中間になった中間吸収液は、中間吸収液管H6、H7を流れて低温再生器22内に流入する。その途中、既述の高温熱交換器N2を通って希吸収液に熱を与える。
低温再生器22において、中間吸収液管H7を通って流入した中間吸収液は、冷媒蒸気の流れている既述の冷媒管H11の伝熱部によって加熱される。この熱により、中間吸収液から蒸発した冷媒蒸気は凝縮器24に入る。また、冷媒管H11を流れていた冷媒蒸気も、蒸気のまま或いは冷媒液となって冷媒管先部H11’を介して凝縮器24に入る。冷媒蒸気は凝縮器24で冷却水管H2を流れる冷却水によって冷却されて冷媒液に戻る。この冷媒液は第1冷媒管H12を通って蒸発器12へ流下する。蒸発器12の下部に溜まった冷媒液は冷媒ポンプP2によって第2冷媒管H13を通って蒸発器12の上部に設けた散布器H11Aから散布される。この散布された冷媒液がブライン管H1の伝熱部を流れるブラインから蒸発熱を奪って冷媒蒸気になると共に、ブラインの温度を下げる。既述の如く、この冷媒蒸気は吸収器14において吸収液に吸収される。
以上は、熱負荷機器が冷房をしている場合の説明であるが、暖房の場合は、冷却水の循環を止めると共に、既述の冷暖切換主弁V1を開放させる。こうして冷媒管H11と比べて抵抗の小さな配管H20の方に、気液分離器20内の高温の冷媒蒸気が流れ、蒸発器12に入ってブラインを温める。こうして暖房が行われる。また、他の弁V2は冷房時には閉じているが、暖房時にはこれを開放させ、蒸発器12の下部に溜まる冷媒混入吸収液を吸収器14の下部に送り込む。吸収器下部に溜まった冷媒混入吸収液は吸収液ポンプP1によって排ガス再生器16の方に送られて循環する。
以下では、本願吸収冷温水機を使って既述の熱負荷機器で冷房する場合の起動時の排ガス再生器16への排ガス投入の制御と、燃焼再生器18のバーナ19の作動制御と、起動後のブライン出口温度を元とした本願排ガス式吸収冷温水機の運転制御方法の一例を図2と図3を参照しつつ説明する。図3の横軸tは時刻であり、縦軸は、下欄のオン、オフを示すものと、中欄と上欄の2種類の異なる目盛の温度(℃)を夫々示す。この例の中欄の燃焼再生器温度TNは、常に、排ガス温度THよりも高温(図の上側)である。上欄はブラインの蒸発器出口温度TWを示す。
図2のステップ50ではバーナ19の燃焼を開始する。これは図3の時刻t1である。ステップ52において、燃焼再生器18の所定位置に設けた温度センサS1の示す燃焼再生器温度TNが、当該吸収冷温水機において予め定めた第2所定温度TG以上であって、かつ、排ガス温度THが当該吸収冷温水機において予め定めた第1所定温度T1以上であるか否かを、図示しない制御コンピュータによって判断する。
排ガス投入に際しての一つの条件である燃焼再生器温度TNに対する第2所定温度TGは、この温度TG以上になれば、吸収液の循環によって排ガス再生器16における排ガスと熱交換する伝熱面の温度が上昇し、排ガスが投入された際の凝縮ドレンの発生を防止する目的にある程度の効果があるように、各吸収冷温水機毎に予め実験的に定めるものである。
ステップ52において、もし、上記2つの温度条件が揃って満たされているのでなければ「No(ノー)」であり、所定時間間隔毎にこの判断を行う。そしてこの2つの温度条件が満たされれば「Yes(イエス)」であり、ステップ54に進んで排ガスが投入される。
図3においては、時刻t2になって燃焼再生器温度TNが第2所定温度TGに達しているが、未だ、排ガス温度THが第1所定温度T1に達していないため、排ガスは投入されず、バーナ燃焼加熱のみを続けている。時刻t3になって排ガス温度も第1所定温度に達したので、ここで初めて排ガスが投入される(オン)。更には、この時刻t3において、ブラインの蒸発器出口温度TWがブライン第1所定温度T0までは下がっていないので、未だ当該吸収冷温水機による冷凍能力を低下させるべきではないため、バーナ燃焼加熱が続行されている。
このことは図2においては、ステップ56においてブラインの蒸発器出口温度TWがブライン第1所定温度T0、即ち、定格温度T0(例えば7℃)以下であるか否かが判断されることである。「No(ノー)」であれば、この判断も所定時間間隔毎に行われる。その結果、定格温度以下になれば「Yes(イエス)」であり、ステップ58に進んでバーナ燃焼加熱を停止させる。即ち、排ガス単独加熱となる。これは図3においては、時刻t4において定格温度T0にまで低くなったので、バーナ燃焼加熱をオフにしていることに相当する。
こうして排ガス単独加熱によって運転されている間に、再びブラインの蒸発器出口温度TWが上昇し始める。そして、時刻t5においてブライン第2所定温度(T0+α)にまで上昇すると、冷凍能力が低下したと判断してバーナによる燃焼を再開する。即ち、追い焚きを行う。このことは図2においては、ステップ58のバーナ燃焼停止後に、ステップ60において所定時間間隔毎に、ブラインの蒸発器出口温度TWがブライン第2所定温度(T0+α)以上になったか否かが判断され、そうなれば「Yes(イエス)」であり、ステップ62においてバーナ燃焼加熱が再開されることに相当する。
その後、ステップ64において、当該吸収冷温水機の停止指令の有無を判断し、停止指令がなければ「No(ノー)」であり、ステップ56に戻り、これ以降のステップを繰り返す。即ち、排ガス投入後においては、ブラインの蒸発器出口温度TWがブライン第1所定温度T0とブライン第2所定温度(T0+α)との間の温度になるように運転制御される。このことは図3においては、時刻t6において、再びブラインの蒸発器出口温度TWが定格温度T0に低下したため、再びバーナ燃焼加熱をオフにしていることに相当する。
また、バーナ燃焼加熱をオフにした時刻t6から少し遅れてブライン蒸発器出口温度TWが上昇し始めて時刻t7まで上昇し、ここで再び温度低下している。これは時刻t6におけるバーナ燃焼停止の影響でブライン蒸発器出口温度TWが上昇するが、排ガス温度THがずっと上昇し続けており、これらの影響で再び下がっている。
図2において、ステップ64において吸収冷温水機の停止指令があれば「Yes(イエス)」であり、ステップ66に進み、当該吸収冷温水機の停止に必要な冷却水の停止等の各部をオフにする。
以上の運転制御は一例であって、例えば、ステップ52において、燃焼再生器温度TNが第2所定温度TGに達していることのみか、或いは排ガス温度THが第1所定温度T1に達していることのみでステップ54に進むように制御することもできる。
以上の運転制御は一例であって、例えば、ステップ52において、燃焼再生器温度TNが第2所定温度TGに達していることのみか、或いは排ガス温度THが第1所定温度T1に達していることのみでステップ54に進むように制御することもできる。
以上のように運転制御すると、バーナによる追い焚き運転は少ない回数で済み、実質的に排ガス単独による運転が可能となる。また、起動初期にはバーナ燃焼加熱を継続しているため、初期の吸収液の循環が促進される。
なお、排ガス投入を行った後、即ち、起動後においては、熱負荷機器の冷房負荷が小さい場合等、燃焼再生器温度TNが低い場合にも排ガスの凝縮ドレンが発生し易い。
なお、排ガス投入を行った後、即ち、起動後においては、熱負荷機器の冷房負荷が小さい場合等、燃焼再生器温度TNが低い場合にも排ガスの凝縮ドレンが発生し易い。
これを防止するために、既述の温度センサS1で測定した燃焼再生器温度TNに基づいて冷却水管H2を流れる冷却水の温度を上昇制御すれば燃焼再生器温度TNが上昇して、結果的に排ガスの凝縮ドレン発生を防止できる。冷却塔に設けている冷却ファンは、従来は一定の回転周波数(60Hz又は50Hz)で回転させるか停止させていた。冷却水の温度を上昇制御するには、この冷却ファンが回転すべき場合にインバータ制御によって適宜な回転周波数に低下させるとよい。
更には、冷却水を全て冷却ファンの風に晒すのではなく、流路途中に2方弁や3方弁を使用し、冷却液の一部をバイパス路を通して冷却ファンを迂回させることで、冷やさない冷却水を設けるように、流路を分岐させる方法もある。
冷却ファンの回転周波数を低下させる方法の場合につき、図4を参照して例示説明する。図4の横軸は燃焼再生器18の温度センサS1による測定温度であり、縦軸は冷却ファンを駆動すべき回転周波数を示している。
冷却ファンの回転周波数を低下させる方法の場合につき、図4を参照して例示説明する。図4の横軸は燃焼再生器18の温度センサS1による測定温度であり、縦軸は冷却ファンを駆動すべき回転周波数を示している。
即ち、燃焼再生器温度TNが150℃以上であれば、熱負荷機器の冷房負荷も十分大きく、冷却ファンを定格で回転させればよい。しかし、150℃未満では低いと判断し、図4のグラフに従った回転周波数にさせる。定格回転とは、西日本においては60Hz(東日本では50Hz)で回転させることである。例えば、燃焼再生器温度TNが130℃を示す場合は、本発明では、例示の図4からは35Hzで回転させるべきことを示している。従来では60Hzでの回転周波数であるため、本発明では従来よりも冷却ファンによる冷却力が小さくなって冷却水の温度が相対的に高くなる。このため、吸収液の温度が相対的に高くなり、ひいては排ガス再生器の伝熱面の温度も上昇し、排ガスの凝縮が低減できる。こうした起動後の冷却水の温度調節制御を、図2のような運転制御に対して付加させて組み込んでもよい。
以下では、既述の熱負荷機器Fで暖房する場合の本願排ガス式吸収冷温水機の運転制御方法の一例を図5と図6を参照して、冷房時の説明と同様な事項は省き、異なる事項だけを簡単に説明する。図5のステップ56’では、図2のステップ56に替えて、ブラインの蒸発器出口温度TWが暖房用ブライン第1所定温度T0(例えば55℃)以上であるか否かが判断される。また、ステップ60’では、図2のステップ60に替えて、所定時間間隔毎に、ブラインの蒸発器出口温度TWが暖房用ブライン第2所定温度(T0−α)以下になったか否かが判断される。
前記のステップ56’と60’とのことは、図6の上欄のグラフに現れている。即ち、ブライン蒸発器出口温度TWが時刻t4において暖房用ブライン第1所定温度T0にまで上昇すればバーナ加熱が停止されている。また、暖房用ブライン第2所定温度(T0−α)にまで下がれば、再びバーナ加熱が再開されている。
本発明は、排ガス駆動の可能な吸収冷温水機の運転制御に利用できる。
12 蒸発器
14 吸収器
16 排ガス再生器
18 燃焼再生器
20 気液分離器
22 低温再生器
24 凝縮器
N1 低温熱交換器
N2 高温熱交換器
S1 温度センサ
TH 排ガス温度
TN 燃焼再生器温度
T0 (冷房用又は暖房用)ブライン第1所定温度
T0+α (冷房用)ブライン第2所定温度
T0−α 暖房用ブライン第2所定温度
TW ブライン蒸発器出口温度
14 吸収器
16 排ガス再生器
18 燃焼再生器
20 気液分離器
22 低温再生器
24 凝縮器
N1 低温熱交換器
N2 高温熱交換器
S1 温度センサ
TH 排ガス温度
TN 燃焼再生器温度
T0 (冷房用又は暖房用)ブライン第1所定温度
T0+α (冷房用)ブライン第2所定温度
T0−α 暖房用ブライン第2所定温度
TW ブライン蒸発器出口温度
Claims (10)
- 蒸発器と、吸収器と、排ガス投入による加熱が可能な排ガス再生器と、前記吸収器から出た吸収液が前記排ガス再生器に流入した後に流入するバーナ加熱の可能な燃焼再生器と、凝縮器とを有する吸収冷温水機の運転制御方法であって、
起動時に、(1)投入される排ガスの温度が第1所定温度に上昇するか、又は(2)循環して流入した吸収液によって排ガス再生器の伝熱面の温度が所定温度に上昇するように、バーナ加熱を行った燃焼再生器の温度が第2所定温度にまで上昇する、という(1)と(2)の内の少なくとも一方が達成されてから排ガス再生器に排ガスを投入することを特徴とする排ガス式吸収冷温水機の運転制御方法。 - 排ガスを投入していると共に前記バーナ加熱を行っている場合、蒸発器と熱負荷機器との間を循環するブラインの蒸発器出口温度がブライン第1所定温度にまで低下すると、バーナ加熱を停止して、排ガスで加熱運転する請求項1記載の排ガス式吸収冷温水機の運転制御方法。
- 排ガスを投入していると共に前記バーナ加熱を行っていない場合、蒸発器と熱負荷機器との間を循環するブラインの蒸発器出口温度がブライン第2所定温度にまで上昇すると、バーナ加熱を開始する請求項1記載の排ガス式吸収冷温水機の運転制御方法。
- 排ガスを投入していると共に前記バーナ加熱を行っている場合、蒸発器と熱負荷機器との間を循環するブラインの蒸発器出口温度がブライン第1所定温度にまで低下すると、バーナ加熱を停止して排ガス単独で加熱運転を行い、その後、ブラインの蒸発器出口温度が前記ブライン第1所定温度よりも高いブライン第2所定温度にまで上昇すると、バーナ加熱を再開する請求項1記載の排ガス式吸収冷温水機の運転制御方法。
- 排ガスを投入した後、燃焼再生器温度に応じて、冷却塔を通って循環すると共に、吸収器の中を通って吸収液を冷却する冷却水の温度を上昇制御して前記排ガス再生器の温度を上げる請求項1〜4の何れか1記載の排ガス式吸収冷温水機の運転制御方法。
- 前記冷却水の温度を上昇させる手段は、冷却塔の冷却ファンの回転数を低下させるインバータ制御である請求項5記載の排ガス式吸収冷温水機の運転制御方法。
- 排ガスを投入していると共に前記バーナ加熱を行っている場合、蒸発器と熱負荷機器との間を循環するブラインの蒸発器出口温度が暖房用ブライン第1所定温度にまで上昇すると、バーナ加熱を停止して、排ガスで加熱運転する請求項1記載の排ガス式吸収冷温水機の運転制御方法。
- 排ガスを投入していると共に前記バーナ加熱を行っていない場合、蒸発器と熱負荷機器との間を循環するブラインの蒸発器出口温度が暖房用ブライン第2所定温度にまで下降すると、バーナ加熱を開始する請求項1記載の排ガス式吸収冷温水機の運転制御方法。
- 排ガスを投入していると共に前記バーナ加熱を行っている場合、蒸発器と熱負荷機器との間を循環するブラインの蒸発器出口温度が暖房用ブライン第1所定温度にまで上昇すると、バーナ加熱を停止して排ガス単独で加熱運転を行い、その後、ブラインの蒸発器出口温度が前記暖房用ブライン第1所定温度よりも低い暖房用ブライン第2所定温度にまで下降すると、バーナ加熱を再開する請求項1記載の排ガス式吸収冷温水機の運転制御方法。
- 前記吸収冷温水機が二重効用機であって、前記燃焼再生器は高温再生器である請求項1〜9の何れか1記載の排ガス式吸収冷温水機の運転制御方法。
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