JP2011246852A - 乗員保護用胴衣 - Google Patents

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Abstract

【課題】作動時、エアバッグにおける膨張用ガスの下流側部位の正面膨張部を、迅速に膨張完了させることができる乗員保護用胴衣を提供すること。
【解決手段】乗員保護用胴衣Pは、膨張用ガスを流入させて乗員Dを保護可能に膨張するエアバッグ50が、胴衣本体10に取り付けられて構成される。エアバッグは、膨張用ガスの上流側部位FUとなって乗員Dの背中部を保護可能に膨張する背面膨張部と、膨張用ガスの下流側部位FDとなって乗員Dの胸部UC及び腹部UAを保護可能に膨張する正面膨張部59と、乗員の左右の肩部の上面側に配置される中間膨張部57と、を備える。正面膨張部59は、左右の中間膨張部57の前端57aから下方に延びるように、乗員の正面側の左右に、それぞれ、配置される。中間膨張部57は、中間膨張部57の膨張完了より正面膨張部59の膨張完了を促進するように、膨張を抑制するロール折りにより、折り畳まれている。
【選択図】図15

Description

本発明は、乗物に乗車している乗員に着用させる構成として、膨張用ガスを流入させて乗員を保護可能に膨張するエアバッグが、胴衣本体に取り付けられて構成される乗員保護用胴衣に関する。
従来、この種の乗員保護用胴衣としては、エアバッグが、上下方向に沿った棒状の多数のセルを、左右方向側に沿って連結させた構成として、膨張完了時に、乗員の上半身を周方向に沿って湾曲しつつ、上半身の外周側を胴回りに沿った略全域にわたって覆う構成のものがあった(例えば、特許文献1参照)。
また、エアバッグを備えた保護用胴衣としては、作動時、エアバッグが、柱状のセルを三次元的に立体的に膨張させて、作業者の胸部や頭部の周囲を覆うものもあった(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−321305号公報 特開2003−126283号公報
しかし、特許文献1に記載の乗員保護用胴衣では、エアバッグに膨張用ガスを供給するガス供給部位の配置位置、すなわち、エアバッグの膨張用ガスの流れの上流側部位や下流側部位の配置位置が不明である。一方、特許文献2に記載の保護用胴衣では、エアバッグの膨張用ガスを供給する充填装置が、着用者の背面側に配置されている。
しかし、特許文献2に記載の保護用胴衣を乗物に乗った乗員が着用する場合、乗物が前面衝突等すれば、特許文献2に記載の保護用胴衣では、乗員の前面側に充填装置が配置されていないことから、充填装置の乗員への加害性は生じないものの、乗員の前面側の胸部や腹部を迅速に保護するエアバッグの膨張部位が、膨張用ガスの下流側部位となって、その下流側部位への膨張用ガスの到達が遅れ易く、作動時、エアバッグの下流側部位となる乗員の正面側の正面膨張部を迅速に膨張完了させる点に、課題が生ずることとなっていた。
本発明は、上述の課題を解決するものであって、作動時、エアバッグにおける膨張用ガスの下流側部位の正面膨張部を、迅速に膨張完了させることができる乗員保護用胴衣を提供することを目的とする。
本発明に係る乗員保護用胴衣は、膨張用ガスを流入させて乗員を保護可能に膨張するエアバッグが、胴衣本体に取り付けられて構成される乗員保護用胴衣であって、
エアバッグが、
膨張用ガスの上流側部位となって乗員の背中部を保護可能に膨張する背面膨張部と、
膨張用ガスの下流側部位となって乗員の胸部及び腹部を保護可能に膨張する正面膨張部と、
背面膨張部と正面膨張部とを連通するように乗員の左右の肩部の上面側に配置されて乗員の肩部付近を保護する中間膨張部と、
を備え、
正面膨張部が、左右の中間膨張部の前端から下方に延びるように、乗員の正面側の左右に、それぞれ、配置され、
中間膨張部に、中間膨張部の膨張完了より正面膨張部の膨張完了を促進するように、膨張抑制手段が配設されていることを特徴とする。
本発明に係る乗員保護用胴衣では、作動時、膨張用ガスが、エアバッグ内において、上流側部位である背面膨張部から、中間膨張部を経て、下流側部位である正面膨張部へと流れる。しかし、中間膨張部には、膨張抑制手段が配設されており、中間膨張部の膨張が抑制され、膨張用ガスが、中間膨張部の膨張完了を遅らせるように、正面膨張部側に流れて、正面膨張部を迅速に膨張完了形状まで膨張させ、その後、若しくは、略同時に、中間膨張部を膨張完了形状まで膨張させることとなる。
したがって、本発明に係る乗員保護用胴衣では、作動時、エアバッグにおける膨張用ガスの下流側部位の正面膨張部を、迅速に膨張完了させることができる。そのため、例えば、着用者(乗員)が自動二輪車を操縦中に前面衝突しても、正面膨張部が迅速に膨張を完了させて、その着用者(乗員)の胸部や腹部をハンドルから的確に保護することができる。
そして、本発明に係る乗員保護用胴衣では、左右の正面膨張部を、それぞれ、膨張完了時、乗員の胸部を保護可能に乗員の胸部の前面側に配置される胸部膨張部と、胸部膨張部の下方に連なって、乗員の腹部を保護可能に乗員の腹部の前面側に配置される腹部膨張部と、を設けて構成し、
左右の中間膨張部を、膨張完了時の先端側を乗員側に巻くロール折りにより、胴衣本体に配設された収納部位内に折り畳んで収納し、
左右の正面膨張部を、腹部膨張部を胸部膨張部内に下方から入れ込んで折り畳むカクタス折りにより、胴部本体に設けられた収納部位内に折り畳んで収納し、
膨張抑制手段を、中間膨張部をロール折りした折り畳み部位により、構成することが望ましい。
このような構成では、エアバッグの膨張時、中間膨張部より、正面膨張部が迅速に折りを解消して膨張することができる。そして、上記のような構成は、単に、中間膨張部を、折りの解消時における巻きを解く際に時間を要するロール折りにより、折り畳み、正面膨張部を、迅速に折りを解消できるカクタス折りにより、折り畳んで、中間膨張部と正面膨張部との折り畳み工程、換言すれば、折り畳み部位の形状、を、単に変えるだけで、中間膨張部に膨張抑制手段を設けることができる。そのため、上記の構成では、破断するまで膨張を抑制可能なティアシームを中間膨張部の周壁に設ける等の、エアバッグ自体に、別途、加工等を施すこと無く、簡便に、膨張抑制手段を設けることができる。
また、上記の構成では、エアバッグの膨張時、腹部膨張部が、胸部膨張部から下方に突出して配置される構成であり、予め、腹部膨張部を収納する部位を、胸部膨張部を収納していた部位から乗員の腹部の前方側まで下方に延ばすように、配置させずに済み、正面膨張部の収納部位を小さく(上下方向の長さを短く)構成できて、収納部位による乗員の上半身の動作の妨げを極力抑制しつつ、乗員の腹部を的確に保護することができる。
本発明の一実施形態である乗員保護用胴衣を着用している乗員と自動二輪車とを示す側面図である。 実施形態の乗員保護用胴衣を前方側から見た概略斜視図である。 実施形態の乗員保護用胴衣を後方側から見た概略斜視図である。 図2のIV−IV部位の断面図である。 図2のV−V部位の断面図である。 図2のVI−VI部位の断面図である。 図3のVII−VII部位の断面図である。 図3のVIII−VIII部位の断面図である。 実施形態の乗員保護用胴衣に使用されるエアバッグを平らに展開した状態を示す正面図である。 実施形態の乗員保護用胴衣に使用されるエアバッグにプロテクタを配置させた状態を示す背面図である。 実施形態のエアバッグの部分横断面図であり、Aは、図9のXIA−XIA部位に対応し、Bは、図9のXIB−XIB部位に対応する。 実施形態のエアバッグにおいて、腹部膨張部を胸部膨張部内に収納させるように折り畳む工程を説明する概略図である。 実施形態のエアバッグにおいて、中間膨張部を折り畳む工程を説明する図である。 自動二輪車の走行時に、実施形態の乗員保護用胴衣のエアバッグが膨張を完了させた状態を示す側面図である。 実施形態の乗員保護用胴衣において、エアバッグが膨張を完了させた状態を示す前方側から見た概略斜視図である。 実施形態の乗員保護用胴衣において、エアバッグが膨張を完了させた状態を示す後方側から見た概略斜視図である。 図15のXVII−XVII部位の断面図である。 図16のXVIII−XVIII部位の断面図である。 実施形態のエアバッグの乗員の周囲への配置状態を説明する図である。 実施形態の変形例のエアバッグを平らに展開した状態を示す平面図である。 図20に示すエアバッグの乗員の周囲への配置状態を説明する図である。 図20に示すエアバッグを使用した乗員保護用胴衣を前方側から見た概略斜視図である。 図22のXXIII−XXIII部位の断面図である。 図20に示すエアバッグの膨張状態を示す乗員保護用胴衣の概略斜視図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態の乗員保護用胴衣Pは、図1に示すように、乗物としての自動二輪車(以下、単に「二輪車」という)Vを運転する乗員Dが着用するものである。実施形態の場合、乗員Dが運転している二輪車Vは、スクータ型のものであり、乗員Dの着座するシート3と、シート3の前方のハンドル1と、の間に、乗員Dの足を載せるステップ2を設けて構成されている。
なお、本明細書での上下前後左右の方向は、特に断らない限り、乗員保護用胴衣Pを着用している乗員Dを基準としており、乗員Dが二輪車Vを運転している状態では、二輪車Vの上下前後左右の方向と一致している。
実施形態の二輪車Vには、乗員保護用胴衣Pのエアバッグ50に膨張用ガスを供給するインフレーター48に対し(図3参照)、作動信号を出力する制御回路5が、配置されている。制御回路5は、図1に示すように、二輪車Vにおける車体Bの所定箇所に配置されるもので、二輪車Vの加速度や加速の方向等を検知可能な加速度検知センサ6と、電気的に接続されている。また、制御回路5は、インフレーター48を作動させるための作動信号を発信する図示しない発信機を、有しており、インフレーター48と無線により電気的に接続されている。
実施形態の乗員保護用胴衣Pは、図2,3に示すように、胴衣本体10と、エアバッグ装置46と、を備えて構成され、エアバッグ装置46は、エアバッグ50と、エアバッグ50に膨張用ガスを供給するインフレーター48と、を備えて構成されている。
胴衣本体10は、実施形態の場合、図2,3に示すように、着用時の乗員Dの上半身Uにおける肩部USから胸部UCや背中部UBにかけた胴回りを覆うベストタイプとされるもので、前身頃11と後身頃18とを備えて構成されるとともに、前身頃11が、前開き可能に、結合手段としてのスライドファスナ14により相互に結合される左前部12と右前部13とを備えて構成されている。なお、スライドファスナ14は、図示しないスライダの操作により、前身頃11の左前部12と右前部13とを、左右両側に開くように前開きさせたり、あるいは、結合させることとなる。
また、この胴衣本体10は、前身頃11と後身頃18との全域に配置されるベース体(ベスト本体)20と、ベース体20の外表面側に、収納されたエアバッグ50を覆うように配置される収納用カバー23と、を備えて構成されている。ベース体20は、通気性の良好なメッシュ状の織布等から形成される布材(シート材)21と、所定位置で布材21に包まれて配置されるパッド22と、を備えて構成されている(図4,7参照)。
収納用カバー23は、硬質のハードカバーとしてのプロテクタ24と、プロテクタ24より柔軟性のあるソフトカバーとして、膨張するエアバッグ50に押されて開口可能なバッグカバー36と、を備えて構成されている。プロテクタ24は、乗員Dの胸部UCを覆う位置に配置される胸部プロテクタ25と、乗員Dの背中部UBの中央(脊髄)を覆う背面プロテクタ29と、を備えて構成されている。バッグカバー36は、背面プロテクタ29に並設されるように配設される背面カバー部37と、胴衣本体10の左肩部16L及び右肩部16Rに設けられる肩カバー部41,41と、を備えて構成されている。
さらに、この胴衣本体10の前身頃11と後身頃18との左右の両側には、前身頃11と後身頃18とのパッド22近傍相互を連結し、かつ、長さ調整を可能とされるベルト部19,19が、胴衣本体10の下端付近であって、着用時における乗員Dの脇腹付近となる位置に、配設されている(図1〜3参照)。そして、乗員Dは、乗員保護用胴衣Pの着用時に、このベルト部19,19の長さを調整することにより、パッド22やプロテクタ24の位置調整を行なうことができ、乗員Dは、パッド22やプロテクタ24の乗員Dに対する位置ずれや、胴衣本体10と乗員Dとの間に隙間が生じることを、抑えることができる。
パッド22は、硬質のプロテクタ24が、違和感を生じさせて乗員Dに当たることを防止するクッション材の役目を果たすものであり、圧縮ポリウレタン等の合成樹脂から板状に形成されるとともに、プロテクタ24の裏面側に配置されて、表面側に配置される部位のプロテクタ24より、外形形状を大きくして、構成されている。なお、パッド22は、図2,4,5に示すように、胸部プロテクタ25の裏面側に配置される正面パッド部22aと、図3,7,8に示すように、背面プロテクタ29の裏面側に配置される背面パッド部22bと、から構成され、それぞれ、縫製等を利用して、布材21に表裏を包まれるように、配置されている。
プロテクタ24の内の胸部プロテクタ25は、図2,4,5に示すように、乗員Dの胸部UCに作用する強い衝撃に対して、胸部UCを保護でき、かつ、その部位に配置されるエアバッグ50の部位(正面膨張部59)を保護するために、配設されるものである。そのため、胸部プロテクタ25は、ある程度の剛性を有して構成され、実施形態の場合、ポリエチレンやポリプロピレン等の硬質の合成樹脂から形成されている。さらに、胸部プロテクタ25は、胴衣本体10の前身頃11における左前部12と右前部13との外表面側に配置されて、相互に左右対称形の略四角板状とした左胸部プロテクタ25L及び右胸部プロテクタ25R、から構成されている。そして、これらの左胸部プロテクタ25L及び右胸部プロテクタ25Rは、それぞれ、略四角板状の本体26の四隅に、取付孔27を備え、これらの取付孔27に、正面パッド部22aごと、固定手段としてのボルト・ナットやリベット34を、貫通させて締結することにより、胴衣本体10のベース体20に取付固定されている。さらに、左胸部プロテクタ25L及び右胸部プロテクタ25Rは、本体26における左前部12と右前部13との結合部位側となる内縁26c側、外縁26d側、及び、下縁26b側が、ベース体20から浮き上がらないように、所定の接着剤や縫合糸等の連結手段を利用して、ベース体20に連結されている。但し、下縁26b側は、エアバッグ50の後述する正面膨張部59(59L,59R)の腹部膨張部61(61L,61R)が、収納されている本体26の裏面26a側から下方へ突出する構成であることから、腹部膨張部61の膨張時には、容易に、ベース体20から分離できるように、ベース体20に連結されている。
プロテクタ24の内の背面プロテクタ29は、図3,7に示すように、乗員Dの背中部UBに作用する強い衝撃に対して、脊髄を保護し、かつ、その部位に配置されるエアバッグ50の部位(背面膨張部51)やインフレーター48を保護するために、配設されるものである。そのため、背面プロテクタ29も、胸部プロテクタ25と同様に、剛性を有したポリエチレンやポリプロピレン等の硬質の合成樹脂から形成されている。但し、実施形態の場合、乗員保護用胴衣Pを着用した乗員Dが、上半身Uを前方に曲げることができるように、背面プロテクタ29は、上下方向に分割された複数のカバーピース30から構成されている。実施形態の場合、カバーピース30(30A,30B,30C,30D)は、上下方向に沿って4個配設され、それぞれ、左右両縁を前方側に延ばすような横断面をU字形状とする本体31と、本体31の左右両縁の取付片部32,32と、を備えて構成されている。そして、各取付片部32が、固定手段としてのリベット34を挿通させる取付孔32aを備えて、リベット34を利用して、ベース体20に対し、パッド22の背面パッド部22bごと取付固定されている。カバーピース30は、上方から二番目のカバーピース30Bと三番目のカバーピース30Cとの間に、背面カバー部37を配置させている。また、最下端のカバーピース30Dは、本体31の下縁31a側を、乗員Dの尾てい骨付近を覆い、かつ、インフレーター48の下方側を覆えるように、下方へ延びるような曲面状に湾曲させて構成されている。
バッグカバー36の内の背面カバー部37は、図3,8に示すように、プロテクタ24より軟質のオレフィン系熱可塑性エラストマー等の合成樹脂等の材料から形成されて、折り畳まれたエアバッグ50の部位、実施形態の場合、背面膨張部51に設けられた腰保護部53、を突出可能に覆っている。この背面カバー部37も、カバーピース30と同様に、左右両縁を前方に延ばす断面U字状の本体38と、本体38の左右両縁の取付片部39,39と、を備えて構成されて、各取付片部39が、接着等されてベース体20に連結されている。本体38には、左右方向の中央に、上下方向に沿うように薄肉の破断予定部38aが形成されている。この背面カバー部37では、収納された腰保護部53が膨張する際、本体38が、腰保護部53に押されることにより、破断予定部38aを破断させて、左右に開き、その間から腰保護部53を突出させることとなり、そして、この時、腰保護部53は、背面膨張部51の中央保護部52から左右両側に膨張しつつ突出して、乗員Dの腰部UWを保護する位置に、膨張を完了させて、配置されることとなる(図3,16参照)。
バッグカバー36の内の肩カバー部41は、図2,3,6に示すように、上端のカバーピース30Aから上方へ延びるとともに左右に分岐され、そして、乗員Dの左右の肩部USを覆う胴衣本体10の左肩部16Lと右肩部16Rとを経て、左右の胸部プロテクタ25(25L,25R)の上縁側に、接続するように配置されている。この肩カバー部41も、背面カバー部37と同様に、プロテクタ24より軟質のオレフィン系熱可塑性エラストマー等の合成樹脂等の材料から形成されて、折り畳まれたエアバッグ50の部位、実施形態の場合、背面膨張部51から延びる分岐膨張部55の中間膨張部57、を突出可能に覆っている。そして、この肩カバー部41も、折り畳まれた中間膨張部57を覆う本体42と、本体42の両縁のベース体20に接着等されて接続される取付片部43と、を備え、本体42には、膨張する中間膨張部57に押されて開口し、中間膨張部57を突出させるための破断予定部42aが、形成されている。
エアバッグ装置46のインフレーター48は、図3に示すように、背面プロテクタ29の最下端のカバーピース30Dの裏面側に配置されて、乗員保護用胴衣Pの着用時に、乗員Dの尾てい骨付近の後方に、配置されることとなる。実施形態の場合、インフレーター48は、外形形状を略円柱状としたシリンダタイプとして(図9,10の二点鎖線参照)、軸方向を上下方向に沿わせるように配置されている。そして、インフレーター48は、エアバッグ50における背面膨張部51の中央保護部52の下端52aに接続され、図示しない取付ブラケットを利用して、カバーピース30D付近のベース体20の部位に、取り付けられている。また、実施形態の場合、既述したように、インフレーター48は、制御回路5からの作動信号を受信可能な図示しない受信機を備えて、制御回路5と無線で電気的に接続される構成であり、制御回路5からの作動信号の受信時に、エアバッグ50に膨張用ガスを供給可能に、構成されている。
エアバッグ50は、図2〜9に示すように、胴衣本体10の後身頃18に取り付けられ、膨張用ガスの上流側部位FUとして、乗員Dの背面側を保護可能に膨張する背面膨張部51と、背面膨張部51の上端から左右に分岐する分岐膨張部55(左分岐膨張部55L及び右分岐膨張部55R)と、を備えて構成されている。分岐膨張部55(左分岐膨張部55L及び右分岐膨張部55R)は、膨張用ガスの下流側部位FDとして、乗員Dの胸部UC及び腹部UAを保護可能に膨張する正面膨張部59(左正面膨張部59L及び右正面膨張部59R)と、背面膨張部51と正面膨張部59とを連通するように乗員Dの左右の肩部USの上面側に配置されて乗員Dの肩部US付近を保護する中間膨張部57(左中間膨張部57L及び右中間膨張部57R)と、を備えて構成されている。
背面膨張部51は、図9,14,16,18に示すように、膨張完了時、乗員Dの背中部UBの中央後方を覆って、脊髄を保護可能な中央保護部52と、中央保護部52から左右両側に延び、乗員Dの腰部UWの後方を覆って、腰部UWを保護可能な腰保護部53と、を備えて構成されている。中央保護部52は、背面プロテクタ29に覆われて、パッド22の背面パッド部22bと背面プロテクタ29との間に収納されている。中央保護部52は、左右両縁の背面取付部84を、固定手段としてのリベット34により、背面プロテクタ29と共締めして、ベース体20に取り付けられている。腰保護部53は、中央保護部52側に折り畳まれ、背面カバー部37に覆われて、背面カバー部37と背面パッド部22bとの間に収納されている。なお、実施形態の場合、中央保護部52には、エアバッグ50のエアバッグ用基布64と同様な可撓性を有した織布から構成される円筒状のインナチューブ87が、配設されている(図9、図11のA参照)。このインナチューブ87は、インフレーター48からの高温・高圧のガスから中央保護部52を保護するために、配設されている。
分岐膨張部55(55L,55R)の左右の中間膨張部57(左中間膨張部57L及び右中間膨張部57R)は、実施形態の場合、図9,14〜17に示すように、それぞれ、エアバッグ50の膨張完了時に、背面膨張部51から前上方に延びて乗員Dの頭部DHの左右方向の側方にそれぞれ配置されて、肩部US付近の頭部DHを保護可能に膨張する。
分岐膨張部55(55L,55R)の左右の正面膨張部59(左正面膨張部59L及び右正面膨張部59R)は、エアバッグ50の膨張用ガスの下流側部位FDを構成するものであり、エアバッグ50の膨張完了時、それぞれ、中間膨張部57の前端57aから下方に延び、乗員Dの正面側における左右の胸部UCから腹部UAの前方にそれぞれ配置されて、乗員Dの胸部UCと腹部UAとを保護可能に膨張する。さらに詳しく述べれば、左正面膨張部59Lと右正面膨張部59Rとは、それぞれ、乗員Dの胸部UCを保護可能に膨張する胸部膨張部60(60L,60R)と、下流側部位FDの先端FDTを構成するように、胸部膨張部60から下方に延びて、乗員Dの腹部UAを保護可能に膨張する腹部膨張部61(61L,61R)と、を備えて構成されている。そして、実施形態の場合、左正面膨張部59Lと右正面膨張部59Rとは、それぞれ、胸部膨張部60の左右両縁の正面取付部85を、固定手段としてのリベット34により、胸部プロテクタ25(25L,25R)と共締めして、ベース体20に取り付けられている。
このエアバッグ50は、図9〜11に示すように、相互に同形状としたエアバッグ用基布64を重ねて、外周縁65a,66b相互を結合させて形成する製造容易な平面エアバッグタイプとして、構成されている。すなわち、エアバッグ用基布64の一方が、エアバッグ50の膨張完了時の外表面側に配置される表側壁部65とし、エアバッグ用基布64の他方が、エアバッグ50の膨張完了時の乗員D側に配置される裏側壁部66として構成されている。なお、エアバッグ用基布64としての表側壁部65と裏側壁部66とは、ポリアミド糸やポリエステル糸等からなる織布からなるとともに、エアバッグ50の内周面側となる面にシリコン等からなるコーティング剤を塗布させたコート布から、構成され、外周縁65a,66a相互を縫合して、エアバッグ50を形成している。
そして、表側壁部65と裏側壁部66とを重ねて平らに展開させた状態のエアバッグ50、すなわち、展開バッグ70の展開形状は、図9に示すように、背面膨張部51を構成する背面構成部71と、背面構成部71の上端71aから左右にそれぞれ分岐しつつ反転するように配置されて、分岐膨張部55(左分岐膨張部55L及び右分岐膨張部55R)を構成する分岐構成部75(左分岐構成部75L及び右分岐構成部75R)と、を備えて構成されている。これらの左分岐構成部75Lと右分岐構成部75Rとは、それぞれ、中間膨張部57を構成する中間構成部77(左中間構成部77L及び右中間構成部77R)と、正面膨張部59を構成する正面構成部79(左正面構成部79L及び右正面構成部79R)と、を備えて構成されている。
すなわち、実施形態の展開バッグ70では、表側壁部65と裏側壁部66とを重ねて平らに展開させた状態において、分岐構成部75(左分岐構成部75L及び右分岐構成部75R)が、背面構成部71から反転するように、構成されているため、左正面構成部79Lと右正面構成部79Rが、それぞれ、背面構成部71の左右の両側に配置されるように、構成されている。
そして、この展開バッグ70では、左中間構成部77Lと右中間構成部77Rとが、それぞれ、下縁77bから上縁77aにかける高さ寸法HLを、膨張時の中間膨張部57(57L,57R)によって乗員Dの頭部DHの側方を覆い可能な寸法としつつ(図15,16参照)、背面構成部71の上端71aから左右方向の外方に延びて、左正面構成部79Lと右正面構成部79Rとの上端79aに連結されるように、配置される構成としている。
さらに、左中間構成部77Lと右中間構成部77Rとは、それぞれ、表側壁部65と裏側壁部66とを結合させたシーム部67を、上下方向に延ばした線状として、背面構成部71から正面構成部79にかけて、複数(実施形態では2個)、並設させて、構成されている。実施形態の場合、シーム部67は、縫製により形成されている。
さらにまた、左中間構成部77Lと右中間構成部77Rとは、平らに展開した状態で、上下方向の最大の幅寸法BLより、背面構成部71側と正面構成部79側とのそれぞれの端部77c,77dの開口幅Bb,Bfを小さくするように、上膨らみの略三日月状に、形成されている。
また、左正面構成部79Lと右正面構成部79Rとは、それぞれ、左胸部膨張部60Lと右胸部膨張部60Rとを形成可能な胸部構成部80(左胸部構成部80L及び右胸部構成部80R)と、胸部構成部80の下方に配置されて、左腹部膨張部61Lと右腹部膨張部61Rとを形成可能な腹部構成部81(左腹部構成部81Lと右腹部構成部81R)と、を備えて構成されている。そして、実施形態の場合、膨張完了時の腹部膨張部61が、乗員Dの腹部UAを幅広く覆えるように、平らに展開させた状態の腹部構成部81が、その左右方向の幅寸法BWを、胸部構成部80の左右方向の幅寸法BSより、大きくするように、構成されている。
このエアバッグ50(展開バッグ70)では、表側壁部65と裏側壁部66との外周縁65a,66a相互の結合部位に、胴衣本体10のベース体20に取り付けるための取付部83が形成されている。実施形態の場合、取付部83は、背面構成部71の左右両縁に配置される背面取付部84と、左右の正面構成部79のそれぞれの左右両縁に配置される正面取付部85と、を備えて構成されている。背面取付部84と正面取付部85とには、固定手段としてのリベット34を貫通させる所定数の取付孔84a,85aが形成されている。
そして、背面構成部71は、ベース体20側に裏側壁部66の側を当てて、背面取付部84を、取付孔84aを貫通させるリベット34を利用し、背面プロテクタ29と共締めしつつ、胴衣本体10の後身頃18のベース体20に取り付けられている(図7参照)。また、左正面構成部79Lと右正面構成部79Rも、ベース体20側に裏側壁部66の側を当てて、正面取付部85を、取付孔85aを貫通させるリベット34を利用し、胸部プロテクタ25と共締めしつつ、胴衣本体10の左前部12と右前部13とのベース体20に取り付けられている(図4参照)。
この時、図19のA,Bに示すように、展開バッグ70は、胴衣本体10のベース体20に対して、背面構成部71の裏側壁部66を前方側に向けた状態で、左正面構成部79Lと右正面構成部79Rとを前方側で相互に接近させるように、中間構成部77(77L,77R)を前後方向に沿って配置させるようにしつつ、中間構成部77(77L,77R)における背面構成部71側と正面構成部79側とのそれぞれの端部77c,77dを屈曲させて、左正面構成部79Lと右正面構成部79Rとの裏側壁部66を後方側に向ける状態となる。そして、その状態で、背面構成部71が、背面取付部84を背面プロテクタ29の各カバーピース30と共締めさせて、胴衣本体10の後身頃18のベース体20に取り付けられ、正面構成部79(79L,79R)が、正面取付部85を胸部プロテクタ25と共締めさせて、胴衣本体10の前身頃11における左前部12と右前部13とのベース体20に取り付けられることとなる。なお、展開バッグ(エアバッグ50)70の背面構成部71や正面構成部79を胴衣本体10のベース体20に取り付ける際には、背面構成部71の下端71bに、インフレーター48を接続させておき、カバーピース30Dをベース体20に取り付ける際、図示しない所定の取付ブラケットを使用して、インフレーター48もベース体20に取り付けることとなる。
さらに、実施形態では、展開バッグ(エアバッグ50)70を胴衣本体10に取り付ける際、背面構成部(背面膨張部51)71では、腰保護部53の部位を中央保護部52の側に折り畳み、折り畳んだ腰保護部53の折り畳み部位92に背面カバー部37を被せて、背面カバー部37の取付片部39をベース体20に取り付けることとなる(図8、図19のC参照)
また、左右の正面構成部79(左正面構成部79Lと右正面構成部79R)では、それぞれ、腹部構成部81(左腹部構成部81Lと右腹部構成部81R)を図12に示すように、胸部プロテクタ25の裏面26a側に折り畳む。実施形態の場合、腹部構成部81は、エアバッグ50の膨張時に迅速に折りを解消可能に、胸部構成部80(左胸部構成部80Lと右胸部構成部80R)内に入れ込むカクタス折りにより、折り畳まれている。詳しく説明すれば、実施形態の場合、図12のA〜Cに示すように、腹部構成部81(腹部膨張部61)は、下縁81aを、外縁81b側から正面構成部79(正面膨張部59)内に入れ込んで、その全域を、胸部構成部80(胸部膨張部60)内に入れ込むように、カクタス折りされる。そして、カクタス折りにより形成された折り畳み部位91は、胸部プロテクタ25の裏面26a側の収納部位28に、胸部構成部80と共に収納されることとなる(図4,5参照)。なお、胸部プロテクタ25は、腹部構成部81を折り畳んだ後、本体26の下縁26bを、内縁26cや外縁26dとともに、ベース体20に接着等して連結させることとなる。
さらに、左右の中間構成部77(左中間構成部77Lと右中間構成部77R)では、エアバッグ50の膨張時に中間膨張部57の膨張完了が抑制されるように、折り畳み形状、換言すれば、折り畳み工程によって、中間膨張部57に膨張抑制手段ISを設けている。実施形態の場合、エアバッグ50の膨張完了時に、折りの解消に時間を要するように、膨張完了時の先端側となる上縁77aを乗員D側となる下縁77b側に接近させる折り畳みとして、図13に示すように、上縁77a側を表側壁部65の側で巻くロール折りによって、折り畳んで、中間構成部77(中間膨張部57)の折り畳み部位89自体に、膨張抑制手段ISを、形成している。さらに、折り畳んだ中間構成部77(中間膨張部57)の折り畳み部位89は、肩カバー部41により覆われる収納部位44に収納するように、胴衣本体10の左肩部16Lと右肩部16Rとの外表面上に載せた状態で、肩カバー部41を被せて、肩カバー部41の取付片部43を左肩部16Lと右肩部16Rとのベース体20に取り付けて、胴衣本体10の収納部位44に配設させている(図6,図19のC参照)。
そして、実施形態の乗員保護用胴衣Pでは、乗員Dが着用した状態で二輪車Vを走行させている際、制御回路5が、加速度検知センサ6により、二輪車Vの衝突を検知すれば、エアバッグ装置46のインフレーター48に作動信号が出力されて、インフレーター48が、エアバッグ50の内部に膨張用ガスGを吐出させるように、作動される。そして、乗員Dが着用した状態で乗員保護用胴衣Pのエアバッグ50内に膨張用ガスGが流れれば、膨張用ガスGは、上流側部位FUとしての背面膨張部51から下流側部位FD側の左右の分岐膨張部55(55L,55R)に流れ(図9参照)、エアバッグ50が、図1〜3に示す状態から、図14〜16に示すように、膨張を完了させることとなる。
その際、実施形態のエアバッグ50では、左右の正面膨張部59(59L,59R)が、それぞれ、膨張完了時、乗員Dの胸部UCを保護可能に乗員Dの胸部UCの前面側に配置される胸部膨張部60(60L,60R)と、胸部膨張部60(60L,60R)の下方に連なって、乗員Dの腹部UAを保護可能に乗員Dの腹部UAの前面側に配置される腹部膨張部61(61L,61R)と、を設けて構成されている。そして、左右の中間膨張部57(57L,57R)が、膨張抑制手段ISを設けるように、膨張完了時の先端側となる上縁77aを乗員D側の下縁77b側に巻いて、折りの解消に時間を要するロール折りにより、折り畳まれ、そして、胴衣本体10に配設された肩カバー部41に覆われた収納部位44内に収納されている(図6参照)。一方、左右の正面膨張部59(59L,59R)が、腹部膨張部61を胸部膨張部60内に下方から入れ込むように折り畳まれて、折りの解消を迅速に行えるカクタス折りにより、胴衣本体10に設けられた胸部プロテクタ25に覆われた収納部位28内に、折り畳まれて収納されている(図5参照)。
そのため、実施形態では、エアバッグ50の膨張時、中間膨張部57が巻きを解く際に、折りの解消された下縁77b側(乗員D側)の連通路部57b(図5の二点鎖線参照)から、膨張用ガスが正面膨張部59側に流れて、正面膨張部59が、迅速に折りを解消して、腹部膨張部61を、胸部膨張部60から下方に突出させ、さらに、胸部プロテクタ25の下縁26bからも突出させることとなって、下流側部位FDの先端FDTとなる腹部膨張部61を含めて、正面膨張部59が膨張完了させることとなる(図6の二点鎖線参照)。そしてこの時、左右の胸部膨張部60が、図17に示すように、胸部プロテクタ25と正面パッド部22aとの間で、充満するように膨張して、乗員Dの胸部UCを保護できる。また、左右の腹部膨張部61が、図14,15に示すように、乗員Dの腹部UAの前方に配置されて、乗員Dの腹部UAを保護することができる。
なお、この時、背面膨張部51では、図18に示すように、中央保護部52が、背面プロテクタ29と背面パッド部22bとの間で、充満するように膨張して、乗員Dの脊髄を保護できる。また、図16に示すように、腰保護部53が、破断予定部38aを破断させて、背面カバー部37の本体38を押し開いて膨張を完了させることから、乗員Dの腰部UWを保護することができる。
また、既述したように、膨張用ガスを流入させた左右の分岐膨張部55(55L,55R)では、中間膨張部57に設けられた膨張抑制手段ISによって、正面膨張部59(59L,59R)が迅速に膨張を完了させ、その後、若しくは、略同時に、中間膨張部57(57L,57R)が膨張を完了させることとなる。そして、左右の中間膨張部57が、その膨張時、破断予定部42aを破断させて、肩カバー部41の本体42を押し開いて上方へ突出しつつ膨張を完了させ、乗員Dの頭部DHの左右両側に配置されることから、乗員Dの頭部UHを保護することとなる。
したがって、実施形態の乗員保護用胴衣Pでは、作動時、エアバッグ50における膨張用ガスGの下流側部位FDの正面膨張部59を、迅速に膨張完了させることができる。その結果、乗員保護用胴衣Pを着用している乗員Dが自動二輪車を操縦中に前面衝突しても、正面膨張部59が迅速に膨張を完了させて、その乗員Dの胸部UCや腹部UAをハンドル1から的確に保護することができる。
そして、実施形態では、単に、エアバッグ50の中間膨張部57を、折りの解消時における巻きを解く際に時間を要することとなるロール折りにより、折り畳み、正面膨張部59を、迅速に折りを解消できるカクタス折りにより、折り畳んで、中間膨張部57と正面膨張部59との折り畳み工程、換言すれば、折り畳み部位の形状、を、単に変えるだけで、中間膨張部57に膨張抑制手段ISを設けることができる。そのため、上記の構成では、破断するまで膨張を抑制可能なティアシームを中間膨張部57の周壁に設ける等の、エアバッグ50自体に、別途、加工等を施すこと無く、簡便に、膨張抑制手段ISを設けることができる。
この点を考慮しなければ、正面膨張部59側への膨張用ガスの流路を確保した状態で、ティアシームを設けて、正面膨張部59の膨張完了後に分離するように、中間膨張部57の表側壁部65と裏側壁部66とを、結合させたり、あるいは、破断可能なバンドで、折畳形状を維持させるように、中間膨張部57を包んでおいてもよい。
また、実施形態の構成では、エアバッグ50の膨張時、腹部膨張部61が、胸部膨張部60から下方に突出して配置される構成であり、予め、腹部膨張部61を収納する部位を、胸部膨張部60を収納していた収納部位28から乗員Dの腹部UAの前方側まで下方に延ばすように、配置させずに済み、正面膨張部59の収納部位28を構成する胸部プロテクタ25の上下方向の長さを、小さく構成できて、胸部プロテクタ25による乗員Dの上半身Uの動作の妨げを極力抑制して、乗員Dの腹部UAを的確に保護することができる。
なお、実施形態では、中間膨張部57が乗員Dの肩部US付近から頭部DHを保護する頭部膨張部を構成するエアバッグ50を示したが、図20〜24に示す乗員保護用胴衣P1のエアバッグ50Aのように、中間膨張部57Aが、乗員Dの左右の肩部USの上面側を広く覆って、肩部USを保護可能な肩部膨張部として、構成されていてもよい。
ちなみに、このエアバッグ50Aでは、図20に示すように、中間膨張部57Aが相違する他、実施形態と相違して、正面膨張部59を構成する正面構成部79が、背面膨張部51を構成する背面構成部71から、単に、直線状に延びる中間構成部77A(中間膨張部57A)を経て、配置される構成として、左右方向に沿う折目VL(図21参照)で中間構成部77Aを折り曲げて、正面構成部79を背面構成部71の前方側に配置させるように、構成されて、胴衣本体10に取り付けられている。また、このエアバッグ50Aでは、中間膨張部57Aの先端57cの前縁57dと、胸部膨張部60の上端60aの外縁60bと、を連結するテザー95が、配設されている。このテザー95は、エアバッグ50Aの膨張完了時、中間膨張部57Aの先端57c側が乗員Dの肩部USから上方に離れず、かつ、下流側部位FDの正面膨張部59側が、特に、先端FDT側の腹部膨張部61が、乗員Dの腹部UAから前方側に離れないように、配設されている。
そして、このエアバッグ50Aでも、中間膨張部57Aが、膨張抑制手段ISを構成する折り畳みにより、乗員Dから離れた外縁(先端)77a側を乗員D側の内縁(元部端)77b側に接近させるように、表側壁部65側で巻くロール折りにより折り畳まれて(図23参照)、肩カバー部41で覆われた収納部位44に収納されている。正面膨張部59は、実施形態と同様に、カクタス折りにより折り畳まれて、腹部膨張部61が、胸部膨張部60内に折り込まれて、胸部膨張部60と共に、胸部プロテクタ25により覆われた収納部位28に、収納されている。
この変形例の乗員保護用胴衣P1でも、エアバッグ50Aの膨張時、中間膨張部57Aが巻きを解く際に、折りの解消された内縁77b側(乗員D側)の連通路部57b(図23の二点鎖線参照)から、膨張用ガスが正面膨張部59側に流れて、正面膨張部59が、迅速に折りを解消して、腹部膨張部61を、胸部膨張部60から下方に突出させ、さらに、胸部プロテクタ25の下縁26bからも突出させることとなって、下流側部位FDの先端FDTとなる腹部膨張部61を含めて、正面膨張部59が膨張完了させることとなる。また、膨張用ガスを流入させた左右の分岐膨張部55(55L,55R)では、中間膨張部57に設けられたロール折りによる膨張抑制手段ISによって、正面膨張部59(59L,59R)が膨張を完了させ、その後、若しくは、略同時に、中間膨張部57(57L,57R)が膨張を完了させることとなる。
したがって、この乗員保護用胴衣P1でも、作動時、エアバッグ50Aにおける膨張用ガスGの下流側部位FDの正面膨張部59を、迅速に膨張完了させることができて、乗員保護用胴衣P1を着用している乗員Dが自動二輪車を操縦中に前面衝突しても、正面膨張部59が迅速に膨張を完了させて、その乗員Dの胸部UCや腹部UAをハンドルから的確に保護することができる。
なお、実施形態や変形例の乗員保護用胴衣P,P1では、胴衣本体10をベストタイプとした場合を示したが、乗員Dの袖を覆うジャケットタイプとしてもよい。
また、実施形態や変形例では、乗員保護用胴衣P,P1を着用する乗員Dが乗る乗物として、スクータ型の二輪車が例示されているが、本発明の乗員保護用胴衣P,P1は、他に、通常のオートバイ、三輪タイプのスクータ、サイドカー、オープンカー等、所定速度以上での走行が可能で、事故発生時に、乗物外の路面に放出される虞れのある乗物、に乗る乗員が着用する場合に好適となる。
10…胴衣本体、
28,44…収納部位、
50,50A…エアバッグ、
51…背面膨張部、
57,57A(57L,57R)…中間膨張部
59(59L,59R)…正面膨張部、
60(60L,60R)…胸部膨張部、
61(61L,61R)…腹部膨張部、
77a…(先端)上縁、外縁、
77b…(乗員側)下縁、内縁、
89…(ロール折りの)折り畳み部位、
92…(カクタス折りの)折り畳み部位、
FU…上流側部位、
FD…下流側部位、
FDT…先端、
IS…膨張抑制手段、
V…(乗物)二輪車、
D…乗員、
P,P1…乗員保護用胴衣。

Claims (2)

  1. 膨張用ガスを流入させて乗員を保護可能に膨張するエアバッグが、胴衣本体に取り付けられて構成される乗員保護用胴衣であって、
    前記エアバッグが、
    膨張用ガスの上流側部位となって乗員の背中部を保護可能に膨張する背面膨張部と、
    膨張用ガスの下流側部位となって乗員の胸部及び腹部を保護可能に膨張する正面膨張部と、
    前記背面膨張部と前記正面膨張部とを連通するように乗員の左右の肩部の上面側に配置されて乗員の肩部付近を保護する中間膨張部と、
    を備え、
    前記正面膨張部が、左右の前記中間膨張部の前端から下方に延びるように、乗員の正面側の左右に、それぞれ、配置され、
    前記中間膨張部に、前記中間膨張部の膨張完了より前記正面膨張部の膨張完了を促進するように、前記中間膨張部の膨張を抑制する膨張抑制手段が配設されていることを特徴とする乗員保護用胴衣。
  2. 左右の前記正面膨張部が、それぞれ、膨張完了時、乗員の胸部を保護可能に乗員の胸部の前面側に配置される胸部膨張部と、胸部膨張部の下方に連なって、乗員の腹部を保護可能に乗員の腹部の前面側に配置される腹部膨張部と、を備えて構成され、
    左右の前記中間膨張部が、膨張完了時の先端側を乗員側に巻くロール折りにより、前記胴衣本体に配設された収納部位内に折り畳まれて収納され、
    左右の前記正面膨張部が、前記腹部膨張部を前記胸部膨張部内に下方から入れ込んで折り畳むカクタス折りにより、前記胴部本体に設けられた収納部位内に折り畳まれて収納され、
    前記膨張抑制手段が、前記中間膨張部をロール折りした折り畳み部位により、構成されていることを特徴とする請求項1に記載の乗員保護用胴衣。
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