JP2011246335A - オパールおよびオパール粉体ならびにオパールの製造方法 - Google Patents

オパールおよびオパール粉体ならびにオパールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遊色効果を有する発色と、十分な輝度とを実現するオパールを提供するとともに、オパールの形状の維持信頼性を向上させること。
【解決手段】シリカ粒子1を主成分とする凝集体からなるとともに、表面の一部に円形状または楕円形状の平面部2aを有する球状のオパール2であって、表面部における前記シリカ粒子1の密度が、内部における前記シリカ粒子1の密度に比べて大きいこと。上記オパール2を50質量%以上含有すること。製造方法は、シリカ粒子分散液を表面が疎水性の平板上に滴下して液滴にする滴下工程と、前記液滴を乾燥させて前記シリカ粒子1が凝集した乾燥物にする乾燥工程と、前記平板から前記乾燥物を分離する分離工程とを含むこと。
【選択図】図1

Description

本発明はオパールおよびオパール粉体ならびにオパールの製造方法に関する。
天然のオパールは、シリカのコロイド粒子の集合体であり、バルク状の鉱石として採取される。他方、オパールは人工的にも製造されている。人工オパールは、例えば、図6のような鱗片状、または、図7のような球体を有している。球体のオパールは、例えばインクに含有させて光輝材として用いられている(特許文献1)。
特開2001−239661号公報
しかしながら、鱗片状のオパールは、その平面に対して垂直な方向からでしか、遊色効果を示す発色や高い輝度が視認されない。さらに、このような鱗片状のオパールは割れやすい。
また、球体のオパールは、遊色効果を示すものの、表面で光が散乱してしまうため、十分な輝度が得られない場合が多い。
本発明の目的は高い輝度を呈するとともに、優れた遊色効果を有するオパールを提供することにある。
本発明のオパールは、シリカ粒子を主成分とする凝集体からなるとともに、表面の一部に円形状または楕円形状の平面部を有する球状のオパールであって、前記オパールの表面部における前記シリカ粒子の密度が、前記オパールの内部における前記シリカ粒子の密度に比べて大きい。
また、本発明のオパール粉体は、上記オパールを50質量%以上含有することを特徴とする。
また、本発明のオパールの製造方法は、シリカ粒子分散液を表面が疎水性の平板上に滴下して液滴にする滴下工程と、前記液滴を乾燥させて前記シリカ粒子が凝集した乾燥物にする乾燥工程と、前記平板から前記乾燥物を分離する分離工程とを含む。
本発明のオパールによれば、オパールの平面部で鏡面反射して高い輝度を呈すとともに、オパールの曲面部(球状部)では遊色効果を呈し、さらに、平面部で透過した光が、オパールの内部に閉じ込められ、曲面部で多重反射し易くなるために、様々な方向に向けて輝度の高い遊色効果を呈する。
また、本発明のオパール粉体によれば、上記オパールを含有しているため、高い輝度と遊色効果とを発揮する。
また、本発明のオパールの製造方法によれば、上記のような表面の一部に円形状または楕円形状の平面部を有する球状のオパールを、効率よく、かつ再現性よく製造することができる。
本実施形態のオパールの断面における端面図である。 本実施形態のオパールの表面部の拡大写真である。 本実施形態のオパールにおける光路の模式図であり、(a)は曲面部の側、(b)は平面部の側を示したものである。 本実施形態のオパール粉体の拡大写真である。 本実施形態のオパールの製造工程中に得られる液滴の断面図である。 従来の鱗片状オパールの拡大写真である。 従来の球体オパールの拡大写真である。 他の実施形態のオパール粉体の拡大写真である。 他の実施形態のオパールの製造方法を説明するための模式図である。 他の実施形態のオパールの製造方法を説明するための模式図である。
以下、図面を用いて本発明の一実施形態を説明する。
(オパール)
本発明の一実施形態のオパールは、シリカ粒子を主成分とする凝集体からなるとともに、表面の一部に円形状または楕円形状の平面部を有する球状のオパールであって、前記オパールの表面部における前記シリカ粒子の密度が、前記オパールの内部における前記シリカ粒子の密度に比べて大きいことを特徴とする。
図1に示すように、本実施形態のオパール2は、実質的に複数のシリカ粒子1が凝集した凝集体であり、表面部の一部に平面部を有する球状である。すなわちこのオパールの表面部には、平面部2aと曲面部2bとで構成されている。本実施形態のオパールの形状としては、例えば、半球状、超半球状などが挙げられる。ここで超半球状とは、半球状と球状との中間形態をいう。
シリカ粒子1とは、具体的には、シリカのコロイド粒子のことであり、シリカ粒子1の凝集によりオパール2が形成されている。
本実施形態で用いられるシリカ粒子1の平均粒径は、約0.2〜0.4μmである。
このような範囲の平均粒径にすることによって、曲面部2bで遊色効果をより発揮することができる。オパール2を構成するシリカ粒子1の大きさはそれぞれ、ほぼ均一の大きさである。
オパール2の表面部(平面部2aおよび曲面部2b)には、図2のように、シリカ粒子1が規則的に配列されており、この規則的な配列による光の回折によって遊色効果を呈する。オパール2の表面部におけるシリカ粒子1の配列は、光の回折を発生させるような、ある程度の規則性を有すればよく、一部に脱粒があってもよい。なお、上記配列は、光の回折を発生させ得るものであれば、図2に示した配列以外のものであってもよい。
本発明の一実施形態においては、内部に比べて、表面部ほどシリカ粒子1の配列の規則性が高く、表面部におけるシリカ粒子1の密度が内部より高くなっている。このような構造を有することによって、オパール2に衝撃が加わったとしても、オパール2の凝集体の
内部は表面部に比べて密度が低く、オパール2が複数に割れて崩れるようなクラックが伝播していくことが少なく、各オパール2が超半球状を維持することが容易になる。
表面部および内部のシリカ粒子密度の大小の判定は、当業者が通常行う測定方法により、それぞれの密度を測定した後に比較しても良いし、あるいは、例えば、それぞれの断面をSEM写真で図2のように撮影し、単位面積当たり(例えば10μm四方)のシリカ粒子1の個数を計測し、その個数から算出した概算密度を比較しても良い。
本実施形態において、平面部2aの平均径は40〜200μm程度である。
この範囲であれば、平面部2aでの反射により輝度の高い光を発生させることができる。図3(a)において、平面部2aの平均径はr1で示す。この平面部2aが楕円状であれば、平均径r1は、平面部2aの長手方向と短手方向の平均から計算することができる。
平面部2aの算術表面平均粗さは、1μmRa以下であることが好ましい。これによって、輝度の高い鏡面反射を実現することができ、オパール2の球状体の内部に反射しなかった光をより多く取り込むことができる。
本実施形態において、凝集体の最大直径が100〜500μmであることが好ましい。この範囲であれば、オパール2の遊色効果と輝度を視認するとともに、超半球形状が崩れないように維持することができる。図3において、オパールの最大直径をr2で示す。
オパール2の表面部は、例えば、オパール2の表面から5μm程度の深さであり、ここを境界にシリカ粒子1の規則的な配列と不規則的な配列とに分かれることが多い。
本実施形態のオパール2は超半球状であるため、図3に示すように、例えば、平面部2aから入射した光が、オパール2のなす凝集体の内部で多重反射しながら外部に光を出射するので、様々な方向に対して、様々な色の遊色効果を呈することができる。なお、図3に示す矢印の太さは、光の強度に比例させて示している。
本実施形態のオパールによれば、例えば、図4に示されるように、曲面部2bでは遊色効果を呈し、平面部2aではより高い輝度を呈することができる。
さらに、凝集体を構成する複数のシリカ粒子同士は、これらシリカ粒子よりもナトリウムを多く含有するシリカ成分を介して接着している。
例えば図8のように、シリカ粒子1同士がシリカ成分によって、ネック状の部位20となって接着しているため、従来のシリカ粒子1同士が直接融着しているものよりも強度が高くなっている。
シリカ粒子1におけるナトリウムの含有量は0.001質量%未満であるのに対して、このネック状の部位20のシリカ成分は、シリカ中にナトリウムが0.001〜0.1質量%程度含まれているものである。
シリカ成分は、例えばシリカ微粒子10として与えられる。
シリカ成分はシリカ粒子1よりも融点が低く、シリカ粒子1よりも先に溶融してガラス状の接着剤となって、シリカ粒子1同士を強固に接着するものである。
好ましくはシリカ粒子1よりも20〜40℃程度融点が低いことが好ましい。
そしてこのシリカ成分は、結晶状に整列したシリカ粒子1同士が接している部分の近傍に集中して存在するものであるため、シリカ粒子1の3重点の間隙30に、シリカ成分は殆ど存在しない。
本実施形態のオパール2が良好な遊色効果を得るために、空隙の屈折率は空気と同様に0に維持されることが必要であり、これにより光のブラッグ回折を殆ど妨げることがないので、遊色効果を良好に呈することができる。
例えば、シリカ成分を含まない空隙率は、1μm四方を平面視して、5〜15%であることが好ましい。
また、シリカ成分で接着する場合、シリカ粒子1同士を直接融着させる必要がないので、高温で焼成し過ぎる必要がなく、シリカ粒子1自体の球形状や、結晶状の整列状態が崩れることがなく、光を良好にブラッグ回折させ、遊色効果を良好に呈することができる。
このようなシリカ成分の存在は、SEM分析におけるマススペクトルなどを用いて、オパール2の表面のシリカ粒子1とネック状の部位20とをピンポイントで表面分析して比較することにより確認出来る。
(オパール粉体)
本発明のオパール粉体は、オパールの集合体であって、上記表面の一部に円形状または楕円形状の平面部を有する球状のオパールを50質量%以上含有する。好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。残りは、上記オパール以外の形状のオパールであればよい。上記球状のオパールを50質量%以上含有することによって、輝度と遊色効果を発揮できる適正な割合のオパール2を有したオパール粉体を提供することができる。
(製造方法)
本発明のオパールの製造方法の一実施形態は、シリカ粒子分散液を表面が疎水性の平板上に滴下して液滴にする滴下工程と、前記液滴を乾燥させて前記シリカ粒子が凝集した乾燥物にする乾燥工程と、前記平板から前記乾燥物を分離する分離工程とを含むことを特徴とする。
この製造方法によれば、上記オパール2の含有量が高くなり、輝度と遊色効果を発揮できる。
また、衝撃やオパール2同士の磨耗により、オパール2が割れて超半球形状が崩れてしまうことを低減できるので、得られるオパールおよびオパール粉体は、輝度と遊色効果を長期間にわたって発揮することができる。
オパールの製造方法の一実施形態を図5を用いて詳細に説明する。
まず滴下工程について説明する。
シリカ粒子1を分散媒4aに少量ずつ混ぜながら、最終的には重量比でシリカ粒子1に対して分散媒4aが1〜5倍程度になるようにして所定時間攪拌する。
分散媒4aは極性を有する液体であれば特に制限されない。例えば水、アルコール、こ
れらの混合物などが挙げられる。特に水のような極性の高い液体が好ましく、アルコールなどの揮発性の高い液体を分散媒4aに用いることも可能である。
次に、シリカ粒子1の分散液をビュレットに入れて、平板5上に順次滴下して、複数の液滴4を形成させる。
平板5は上記分散液を滴下したときに液滴4となるよう表面が疎水性を有するものが用いられる。例えば、平板5の表面を撥水クリームなどで表面処理したものなどが用いられる。
また上記オパール2の形成は、平板5に滴下して液滴4の接触角αが100〜140°となるような分散媒4aと平板5との組み合わせが用いられている。例えば、水を分散媒4aとして用いている場合、シリコーン樹脂で表面処理した平板5を用いることが好ましい。
ビュレットと平板5との距離は、もっとも液滴4が再現性良く形成されやすい位置に合わせればよい。ビュレットの代わりにインクジェットを用いても良い。
平板5については、シリカ粒子分散液が滴下されるタイミングに合わせて、順次スライドされるようにステップモーターなどで移動させればよいが、液滴4に対して振動を発生させないために、ビュレット側を移動させるのが好ましい。
次に、乾燥工程について説明する。
平板5上の液滴4を崩さないように乾燥室へ移動して、シリカ粒子1の分散液の分散媒4aを少しずつ蒸発させる。
ここでシリカ粒子1の分散液の分散媒4aは急激に蒸発させるべきものではなく、シリカ粒子1が液滴4内で沈殿するとともに、シリカ粒子1が液滴4の表面において凝集するように、シリカ粒子1の分散液の分散媒4aが少しずつ蒸発していくのが良い。
次に、分離工程について説明する。
乾燥した液滴4はシリカ粒子1の凝集体として前記平板5上に貼りついた状態にある。
平板5を傾けるだけでこれらの凝集体が剥離する場合もあるが、密着性が高い場合には、リムバーなどで擦り落としても構わない。
あるいは、他の分散媒4aで洗い落として、濾過して分散媒4aとシリカ粒子1とを分離しても良い。
これによって、安定した形状のオパール2を再現性良く、かつ、効率的に製造することができる。
さらに、前記シリカ粒子分散液の分散媒として水を用い、表面における水の接触角が100〜140°である前記平板を用いることが好ましい。
ここで接触角αは図5に示されるように、超半球状の液滴4においては、平面に対して鈍角となるものである。
この範囲であれば、液滴4を超半球状にすることが容易になり、オパール2の大きさを大きくすることも容易になる。
平板5の材質には通常ソーダガラスや石英ガラスを用いることができるが、他にも金属などのうちから選択される疎水性(撥水製)を呈する材質も使用可能である。
さらに、前記平板の表面を、シリコーン樹脂およびフッ素樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを用いて表面処理しておくことが好ましい。
これにより、さらに接触角αが大きい液滴4により、本発明の超半球状のオパール2を得ることが容易になる。
さらに本実施形態のオパールの製造方法は、乾燥工程後に、シリカ粒子よりもナトリウムを多く含有するシリカ成分を乾燥物に充填する充填工程、および、シリカ成分が充填された乾燥物を焼成して、溶融したシリカ成分を介してシリカ粒子同士を接着させる接着工程を含む。
接着前のシリカ成分は、図9、図10に示されるようなシリカ微粒子10であり、シリカ粒子1同士の間隙よりも小さいため、間隙に充填され易くなっている。
なお、一般にシリカ粒子1同士の間隙の幅は、0〜30nm程度であれば、溶融したシリカ成分が局所的に集中して接着する点で好ましい。
すなわち、図9のようにオパール2のシリカ粒子1の間隙にシリカ粒子1を含む分散液を添加して、図10のようにシリカ粒子1の間隙にシリカ微粒子10を介在させ、これを溶融して接着する。シリカ粒子1よりもナトリウムの含有量が高いシリカ微粒子10の融点以上の温度で加熱することが必要である。
シリカ微粒子の平均粒径は1〜100nm程度であることが好ましい。
このような平均粒径であれば、オパール2の表面でシリカ微粒子10が詰まって含浸していかなくなることを低減でき、また、シリカ微粒子10からナトリウムが遊離して融点が高くなってしまうことを低減することができる。
具体的には、充填工程において、オパール2をシリカ微粒子10を分散質とする分散液の中に浸漬する。分散液の分散媒は水の他、アルコールのような有機溶媒、あるいはそれらの混合物を使用し、さらにグリセリンのような保湿成分を添加しても構わない。
分散液中のシリカ微粒子の含有量は3〜10質量%とすることが好ましい。
シリカ微粒子10の濃度が濃すぎることにより、オパール2の表面でシリカ微粒子10が詰まってしまい、含浸していかなくなることを低減できる。またこれにより、シリカ微粒子10が薄すぎることにより、シリカ微粒子10がオパール2に十分充填されなくなり、融点が高くなってしまうことを低減することができる。
さらに本充填工程は、乾燥物をシリカ粒子よりもナトリウムを多く含有するシリカ成分の分散液に浸漬する。
分散液に圧力をかけると、オパール2へのシリカ微粒子10の充填が短時間で済むので好ましいが、オパール2が割れない程度の圧力とする必要がある。
本実施形態のオパール2は球状なので、鱗片状のオパールよりも強い圧力をかけることができ、例えば、5〜10気圧程度であれば、オパール2にダメージを与えず効率的に含浸させることができるので好ましい。
次に、接着工程において、70℃で乾燥させたオパール2を加熱してシリカ粒子1同士を接着させるために、加熱炉で1600〜1650℃の温度で1〜30分程度加熱する。
加熱して溶融したシリカ成分はシリカ粒子1同士が接している部分に集中して付着するが、シリカ成分がシリカ粒子1の間に毛細管現象と同様の作用で吸着し、これがそのまま固化することによりネック状の部位20が形成されると考えられる。
以下、本発明および比較例に係るオパールのサンプル作製について説明する。
(実施例1)
(サンプル作製)
試料番号1、3〜18については以下のように作製した。
滴下工程については、0.3μmのシリカ粒子1を分散媒4aとなる水に少量ずつ混ぜながら、最終的には重量比でシリカ粒子1の全重量に対して水の全重量が3倍になるように1時間攪拌した。
シリカ粒子1の分散液をビュレットに入れて、平板5上に毎秒1滴ずつ(1滴当たり0.01cc、ビュレットと平板5との距離は20mm)滴下して、100粒の液滴4を形成させた。
平板5については、プラスチック、ソーダガラス、ソーダガラスにシリコーン樹脂、フッ素樹脂で表面処理をしたものを使用した。なお、試料番号1については、前記シリカ粒子1の分散液を紙面上に滴下して形成した。
シリカ粒子1の分散液が滴下されるタイミングに合わせて順次スライドされるように、ステップモーターなどで1mmピッチで移動させた。
次に、乾燥工程については、平板5上の液滴4を崩さないように乾燥室(温度40℃、湿度70%)へ移動して、シリカ粒子1の分散液の水を10分間掛けて蒸発させた。
次に、分離工程については、乾燥したシリカ粒子1の凝集体をリムバーで擦り落とした。
試料番号2については、前記シリカ粒子1の分散液をスプレードライして形成した。
なお、オパール2の密度分布については、シリカ粒子1の平均粒径と液滴4の乾燥速度によって制御することができ、また、オパール2の形状は接触角と液滴4の量で制御することができる。
(サンプル評価)
遊色効果の評価方法については、目視で従来の球状のシリカ粒子1と比較対比して、優れていれば○、同等であれば△、劣っていれば×とした。
輝度の評価方法については、目視で従来の板状のシリカ粒子1と比較対比して、優れていれば○、同等であれば△、劣っていれば×とした。
強度の評価については、分離工程後で剥離された100粒のシリカ粒子1を1粒ずつ観察して、割れているものが10%未満であれば○、10%以上30%未満であれば△、30%以上であれば×とした。
以下、オパール2を単体での遊色効果、輝度、強度の評価結果を表1に示す。
表1について再度見直しかけること。
試料3、4、試料7〜18において、遊色効果、輝度、強度を満足するものが得られた。
試料1は鱗片状のオパール2であるので、薄いため強度が最も弱かった。
試料2は球状のオパール2であるので、光が散乱して輝度が最も弱かった。
試料5はオパール2の内部の密度が大きいものであり、表面部は規則配列していないので、全てにおいて劣っていた。
試料6はオパール2の密度が均一、すなわち、シリコーン粒子1の内部も規則配列しているものであり、クラックが伝播してオパール2が割れる現象が確認された。
これらの結果から、遊色効果はオパール2の密度分布、凝集体の最大直径r2が作用し、輝度は平面部2aの平均径r1が作用し、強度はオパール2内部におけるシリカ粒子1の密度分布が作用することがわかる。
(実施例2)
次に、実施例1に対してさらに、シリカ粒子1よりもナトリウム含有量を多く含むシリカ成分によって、シリカ粒子1同士を接着させたものについて説明する。
(サンプル作製)
本実施例2に係るオパールのサンプル作製については、実施例1の試料番号4と同様に
作製した。
さらに、シリカ粒子1よりもナトリウムを多く含むシリカ成分の分散液としては、ナトリウム含有量は0〜0.1質量%、平均粒径は0.5〜200nmの範囲で条件を変えたシリカ微粒子10を用いた。シリカ微粒子10は2〜20質量%の範囲で条件を変え、分散媒としては水を用いた。
そして分散液にオパール2を浸漬して、さらに分散液を撹拌することによって、オパール2にシリカ微粒子10を1時間充填した。
そしてオパール2を加熱炉で1610〜1650℃にて1分間加熱した。
(サンプル評価)
試料はオパール2の紛体を回転ドラム内で60rpmで1分間回転させて、その前後での重量変化を比較する摩耗試験を行い、質量変化率が0.1質量%以下の場合◎、0.1〜0.4質量%の場合○、0.5質量%以上の場合△とした。
以下、オパール2の耐磨耗性の評価結果を表2に示す。
(評価結果)
試料19ではシリカ微粒子10のナトリウム含有量が0質量%のため、融点がシリカ粒子2と変わらないことにより、焼成温度が高くなったが使用可能な範囲である。
試料20ではシリカ微粒子10のナトリウム含有量が0.0005質量%であり、試料19よりは良好な結果であった。
試料21〜23の結果から、シリカ微粒子10のナトリウム含有量が少なくとも0.001質量%以上であれば、シリカ微粒子10の融点が十分低くなり十分な効果が得られることがわかった。
試料24では、試料19よりは良好な結果であった。
試料25〜27の結果から、シリカ微粒子10の平均粒径が1〜100μmであれば、ナトリウムがシリカ微粒子10の溶融中に遊離することが低減され、シリカ微粒子10の融点が十分低くなり、十分な結果が得られることがわかった。
試料28ではシリカ微粒子10の平均粒径が大きいが、試料19よりは良好な結果であった。
試料29ではシリカ微粒子10の濃度が低いが、試料19よりは良好な結果であった。
試料30〜31の結果から、シリカ微粒子10の濃度が3〜10質量%であれば、シリカ微粒子10がオパール2に十分充填されるので、シリカ微粒子10の融点が十分低くなり、十分な結果が得られることがわかった。
試料32ではシリカ微粒子10の濃度が高いが、試料19よりは良好な結果であった。
試料33〜35の結果からは、シリカ微粒子1の融点に近い焼成温度であるほど良好な結果が得られることがわかる。ここで試料35は過焼成のためシリカ粒子1自体が脆くなり多少の磨耗が確認されたが使用可能な範囲であった。
1:シリカ粒子
2:オパール(シリカ粒子の凝集体)
2a:(表面部における)平面部
2b:(表面部における)曲面部
3オパール粉体(オパールの集合体)
4:液滴
4a:分散媒
5平板
6:光路
10:シリカ微粒子
20:ネック状の部位
30:3重点の間隙
r1:平面部の平均径
r2:オパールの外径の最大直径
α:接触角

Claims (11)

  1. シリカ粒子を主成分とする凝集体からなるとともに、表面の一部に円形状または楕円形状の平面部を有する球状のオパールであって、
    表面部における前記シリカ粒子の密度が、内部における前記シリカ粒子の密度に比べて大きいオパール。
  2. 前記シリカ粒子の平均粒径が0.2〜0.4μmである請求項1に記載のオパール。
  3. 前記平面部の平均径が40〜200μmである請求項1または2に記載のオパール。
  4. 前記凝集体の最大直径が100〜500μmである請求項1〜3のいずれかに記載のオパール。
  5. 前記凝集体における前記シリカ粒子同士の少なくとも一部は、これらシリカ粒子よりもナトリウムを多く含有するシリカ成分を介して接着している請求項1〜4のいずれかに記載のオパール。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のオパールを50質量%以上含有するオパール粉体。
  7. シリカ粒子分散液を表面が疎水性の平板上に滴下して液滴にする滴下工程と、
    前記液滴を乾燥させて前記シリカ粒子が凝集した乾燥物にする乾燥工程と、
    前記平板から前記乾燥物を分離する分離工程とを含むオパールの製造方法。
  8. 前記シリカ粒子分散液の分散媒として水を用い、表面における水の接触角が100〜140°である前記平板を用いる請求項7に記載のオパールの製造方法。
  9. 前記平板の表面を、シリコーン樹脂およびフッ素樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを用いて表面処理する請求項7または8に記載のオパールの製造方法。
  10. 前記乾燥工程後に、
    前記シリカ粒子よりもナトリウムを多く含有するシリカ成分を前記乾燥物に充填する充填工程、および、
    前記シリカ成分が充填された乾燥物を焼成して、溶融した前記シリカ成分を介して前記シリカ粒子同士を接着させる接着工程
    を含む請求項7〜9のいずれかに記載のオパールの製造方法。
  11. 前記充填工程は、前記乾燥物を前記シリカ粒子よりもナトリウムを多く含有するシリカ成分の分散液に浸漬することによって行なう請求項7〜10のいずれかに記載のオパールの製造方法。
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