JP5047402B2 - オパールとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はオパールとその製造方法に関する。
オパールは天然で採掘されるもの以外に、シリカ粒子から人工的に作製されるものがある。
例えば、シリカ粒子を含有する分散液をガラス容器中に静置して、シリカ粒子を沈殿させることによって、図5、図6のようなシリカ粒子が規則的に配列したオパールを人工的に作製することが知られている。
また、特開昭60−96589号公報には、多数のシリカ粒子を規則的に三次元配列するとともに、シリカ粒子の配列によって形成される空隙にジルコニウムを適量充填することで、オパール本来の遊色効果を維持するとともに、耐候性、耐熱性及び耐薬品性を有するオパールが示されている。
しかしながら、特開昭60−96589号公報に開示されたようなオパールは、ジルコニウムの空隙への充填が不均一であれば、シリカ粒子同士の接合が弱くなる部分が発生する場合があった。特に薄い破片形状のオパールとした場合では、非常に脆くなる場合があった。
また、シリカ粒子の3重点がジルコニウムで塞がり、入射光がブラッグ回折しなくなるので、遊色効果を示さなくなってしまう場合があった。
本発明のオパールは、複数のシリカ粒子からなるオパールであって、前記複数のシリカ粒子同士は、該シリカ粒子よりも融点が低い、シリカおよびアルカリ金属を含む固溶体によって接合されている。
また、本発明のオパールの製造方法は、複数のシリカ粒子を沈殿させて整列した集合体を得る第1工程、前記集合体を乾燥させる第2工程、シリカおよびアルカリ金属を含む分散液を前記集合体に充填する第3工程、ならびに前記集合体を前記シリカ粒子の融点よりも低い温度で加熱する第4工程を含む。
本発明のオパールとその製造方法によれば、シリカ粒子同士が強固に接合しており、遊色効果を良好に呈する。
本発明の一実施形態にかかるオパールの表面の図面代用写真である。 本発明の一実施形態にかかるオパールの表面の図面代用写真である。 本発明の一実施形態にかかるオパールの製造方法における第3工程の模式図である。 本発明の一実施形態にかかるオパールの製造方法における第3工程の模式図である。 従来のオパールの表面の図面代用写真である。 従来のオパールの表面の図面代用写真である。 本発明の他の実施形態にかかるオパールの模式図である。
(オパール)
以下、本発明のオパールの一実施形態について説明する。
本発明のオパールの一実施形態は、複数のシリカ粒子からなり、複数のシリカ粒子同士は、シリカ粒子よりも融点が低い、シリカおよびアルカリ金属を含む固溶体によって接合されている。
例えば図1、図2に示されるように、オパール1は、150〜250nmの複数のシリカ粒子2が整列してなり、それぞれのシリカ粒子2同士は、固溶体4(ネック状部分)を介して複数個所で接合している。
シリカ粒子2同士が直接融着しているものではないので、シリカ粒子が崩れずにブラッグ回折が良好となる。
ここで本実施形態におけるオパール1には、シリカ粒子2以外の不純物が含まれていても、ブラッグ回折が可能であれば問題ないものとしている。
固溶体4はシリカ粒子2よりも融点が低く、低い焼成温度でガラス状の接着剤となって、シリカ粒子2同士を強固に接合している。
これにより、従来のようなシリカ粒子2同士を融着させるために高温で焼成する必要がなく、オパール1の結晶状態の崩れや、シリカ粒子2自体の球形状の変形がなくなるので、入射光を良好にブラッグ回折させることができ、遊色効果を良好に呈することができる。
さらに、複数のシリカ粒子2は、それぞれ隣り合うシリカ粒子2に接する接触部を有し、固溶体4は、接触部の周囲に位置している。
この固溶体4は、接触部近傍に、毛管現象によって集中するため、シリカ粒子2同士の空隙5には、固溶体4が殆ど存在しない。
そのため空隙5の屈折率が0に維持されて、入射光のブラッグ回折を妨げることなく、遊色効果を良好に呈することができる。
固溶体4は、例えばSEM(走査型電子顕微鏡)分析におけるマススペクトルなどを用いて、オパール1の表面のシリカ粒子2同士が接している部分(ネック状部分)を表面分析することにより確認できる。
固溶体4中には、アルカリ金属が含まれている。
アルカリ金属は、Li、NaおよびKからなる群より選択される少なくとも1つである。
また、アルカリ金属は、固溶体4中に1×10−5〜1×10−3原子%含まれている。
この固溶体4は、アルカリ金属を含むことで、シリカ粒子2よりも融点が低くなる。
例えばアルカリ金属がNaの場合、この固溶体4におけるNaの含有率は、1×10−5〜1×10−3原子%が好ましい。
なお、シリカ粒子2は、微量のアルカリ金属を含んでいてもよく、その量は実質的にはアルカリ金属を含んでいないと判断できる量であり、具体的には1×10−5原子%未満である。
このようなアルカリ金属およびシリカそれぞれの含有量の定量分析は、SEMのマススペクトルを用いて測定すればよい。
ここで固溶体4の融点は、シリカ粒子2の融点よりも20〜40℃低いことが、焼成時にシリカ粒子2の球形状を変形しないようにする点で好ましい。
さらに、オパール1は、複数のシリカ粒子2の3重点に空隙を有している。
ここで3重点とは、少なくとも3つのシリカ粒子2で囲まれた空隙5のことであり、この空隙(3重点)5の存在が、ブラッグ回折を発生させる点で重要である。
さらに、空隙5に、さらに透明樹脂が充填されている。
シリカ粒子2の間に固溶体4が存在することでオパール1の強度は満足されるが、さらに透明樹脂を空隙5に充填することによって、ブラッグ回折を損ねることなく強度をさらに向上させることができる。
これによって、オパール1を薄くスライス加工してシート状とする場合には、特に有効となる。
ここで透明樹脂には、エポキシ樹脂やアクリル樹脂が、空気に近い屈折率を有する点で好ましい。
さらに、オパール1は、2つの主面を有する板状であり、2つの主面は、略平行であることが好ましい。
例えば図7のように、オパール1は、2つの主面を上下に有する板状となっており、この2つの主面は、相互に略平行な関係となっている。
これによって、遊色効果にムラのないオパール1を得ることができ、さらには、オパール1の厚みの薄い部分に応力が集中することによるワレの発生を低減することができる。
なお、主面には、シリカ粒子2がほぼ規則正しく配列されているが、一部が脱粒していてもよい。
さらに、オパール1は、2つの主面をそれぞれ含んで位置する2つの第1層領域と該2つの第1層領域間に位置する第2層領域とを有しており、第1層領域のシリカ粒子密度は、第2層領域のシリカ粒子密度よりも高い。
このような分析は、SEM(例えば50,000倍)で観察することができる。
例えば図7のように、オパール1は、2つの主面をそれぞれ含んで上下に位置する2つの第1層領域1aを有しており、そして、この2つの第1層領域1aの間に位置する第2層領域1bを有している。ここで第1層領域1aのシリカ粒子2の配列する密度は、第2層領域1bのシリカ粒子2の配列する密度よりも高くなっている。
これにより、主面での硬度を向上するとともに、第1層領域1aで生じたクラックが第2層領域1b伝播することを低減できる。
さらに、第1層領域1aは、シリカ粒子2の単粒子層が3〜5層積層されたシリカ粒子層からなることが好ましい。
例えば図7に示すように、第1層領域1aは、シリカ粒子2が水平に配列した単粒子層が3層積層されたシリカ粒子層が示されており、主面の最表面から4層目以降は第2層領域1bとなっている。
このような分析は、SEM(例えば50,000倍)で観察することができる。
これにより、両面において安定した遊色効果と輝度を維持するとともに、両面において安定した遊色効果を有し、また輝度のムラを抑制することができる。
さらに、シリカ粒子2の平均粒径は100〜300nmである。
シリカ粒子2の平均粒径がこの範囲であれば、ブラッグ回折による遊色効果を最も良く呈する点で有利であり、これらのシリカ粒子2の大きさはそれぞれほぼ同等となるように形成されている。
上述のように主面においては、複数のシリカ粒子2がほぼ規則正しく配列されているので、主面においてブラッグ回折が発生し易く、安定した遊色効果と輝度とを有することができる。
さらに本発明のオパールの一実施形態は、主面の平面度は10μm以下であり、主面の算術平均表面粗さRaは1μm以下である。
ここでいう主面は、2つの主面の少なくともいずれか一方であってもよいが、両主面であることが好ましい。
これによって、両方の主面において乱反射が抑制されるので、さらに輝度が高いオパール1とすることができる。
ここで、平面度については、例えば、オプチカルフラットによる測定方法が用いられる。基準原器(オプチカルフラット)に、完全に平坦面出しをしたワーク(オパール)を接触させて、そこに、短波長光源を当てることにより、光学的に干渉縞を発生させ、その干渉縞により平面度を測定する。つまり、ワークと光学基準原器(オプチカルフラット)との比較測定となる。面粗度が鏡面まで出ていることが前提となる。また例えば、短波長光源の代わりにレーザービームを使用し、オプチカルフラットに反射させて、干渉縞を発生させ、それをデジタル処理、または手動により解析させるものである。また例えば、3点ゲージによる測定の場合、μmオーダーであれば、3点ゲ-ジ比較測定でも可能である。
算術平均表面粗さの測定方法については、任意の粉体の主面を原子間力顕微鏡で測定することで確認することができる。
さらに本発明のオパールの一実施形態においては、オパールの平均厚さは10μm以上である。
これにより、一定の強度と遊色効果とを有するオパールを得ることができる。
さらには、シリカ粒子の単位面積当たりの数が、16個以上/μmであることが好ましい。シリカ粒子2の密度は、例えば、オパール1の断面におけるシリカ粒子2の単位面積当たりの数を計測することによって測定することができる。
具体的には、SEMの2次電子像でオパール1の断面を3,000〜10,000倍に拡大しておき、1μm四方におけるシリカ粒子2の個数を数え、そしてシリカ粒子2の重量に換算して密度を算出すればよい。
なお、主面におけるシリカ粒子の単位面積当たりの数を16個/μm以上とすることによって、ブラッグ回折による遊色効果を強調することができる。
主面におけるシリカ粒子2の単位面積当たりの数の測定方法は、SEMの2次電子像でオパール1の主面を10,000倍に拡大して、1μm四方におけるシリカ粒子2の個数を数えればよい。
(オパールの製造方法)
次に、本発明のオパールの製造方法の一実施形態について説明する。
本発明のオパールの製造方法の一実施形態は、複数のシリカ粒子を沈殿させて整列した集合体を得る第1工程、集合体を乾燥させる第2工程、シリカおよびアルカリ金属を含む分散質を有する分散液を集合体に充填する第3工程、ならびに集合体を前記シリカ粒子の融点よりも低い温度で加熱する第4工程を含む。
まず、シリカ粒子2の製造方法については、当業者が通常用いる製造方法によるものであれば良く、特に制限されず、例えば以下の方法により調整することができる。
まず、コロイダルシリカ100〜1,000質量部とメタノール100〜1,000質量部とを混合し、得られた混合物を遠心分離機にて1,000〜10,000rpm、1〜10時間程度で遠心分離して、さらに、上澄みだけを廃棄してメタノールを補充した後、再び遠心分離機で遠心分離することを数回繰り返すことにより、シリカ粒子2を得ることができる。
ここで本実施形態においては、シリカ粒子2以外の不純物が含まれていても、ブラッグ回折が可能であれば問題ないものとしている。
こうして得られたシリカ粒子2を用いて以下の工程を行なう。
第1工程でシリカ粒子2を整列させて集合体6を得て、第2工程で集合体6を乾燥させる方法は、従来のオパールの製造方法と同じで構わない。
ここでシリカ粒子2の空隙5が確保されていることが必要であり、第2工程では第1工程の沈殿で使用された液体が、十分に乾燥されて除去されていることが必要である。
第3工程では、例えばシリカにアルカリ金属を含ませた分散質3(以下、微粒子3ともいう)とする分散液を集合体6に充填する。
ここで微粒子3は、Li、Na、K等のアルカリ金属を例えば酸化物等の安定的状態で含有させたコロイダルシリカを用いること以外は、シリカ粒子2と同様に作製することができる。
すなわち、Li、Na、Kなどのアルカリ金属を含有させたコロイダルシリカ100〜1,000質量部とメタノール100〜1,000質量部とを混合し、得られた混合物を遠心分離機にて1,000〜10,000rpm、1〜10時間程度で遠心分離して、さらに、上澄みだけを廃棄してメタノールを補充した後、再び遠心分離機で遠心分離することを数回繰り返すことにより得ることができる。
但し、微粒子3は集合体6に充填できる程度に粒径を小さくする必要があるので、遠心分離後に粒度分布の小さい箇所から微粒子3を抽出することになる。
第4工程では、シリカ粒子2よりもアルカリ金属の含有率が高い分散質3を有する分散液を、シリカ粒子2の融点よりも低い温度で加熱することによって、固溶体4とすることが必要である。
これにより、シリカ粒子2の融点よりも焼成温度が低くても、シリカ粒子2同士が強固に接合できる。
例えば、第4工程においては、集合体6を加熱炉で1,610〜1,630℃の温度で1〜30分程度加熱する。
加熱して融けた固溶体4は、シリカ粒子2同士が接している部分に集中するが、これは融けた固溶体4がシリカ粒子2の間に毛細管現象で吸着し、そのまま固化することにより図1、図2のようなネック状部分(固溶体)4が形成されると考えられる。
本発明のオパールとその製造方法を用いれば、シリカ粒子2よりも焼成温度が低くてもシリカ粒子2同士の接合が強固となり、遊色効果を良好に呈するオパールを容易に得ることができる。
このようなオパール1は、化粧品のラメの他、携帯電話等への螺鈿細工、壁紙や板材としての建築用材、包装紙等のオパール調装飾品、塗料やインクジェットのインクの光輝材等に用いることができる。
さらに本発明のオパールの製造方法の一実施形態は、第3工程における分散液の分散質に、シリカ粒子よりもアルカリ金属を多く含ませ、充填を、分散液に集合体を浸漬することによって行なう。
例えば図3のように結晶状に整列したシリカ粒子2の集合体6を、シリカ粒子2よりもアルカリ金属を多く含ませた微粒子3を分散質とする分散液の中に浸漬する。
ここで分散液の分散媒は水の他、アルコールのような有機溶媒、あるいはそれらの混合物を使用し、さらにグリセリンのような保湿成分を添加しても構わない。
さらに本発明のオパールの製造方法の一実施形態は、第3工程における分散質の粒径を1〜100nmとし、分散媒における分散質の質量割合をシリカ粒子の質量割合を3〜10質量%とする。
これにより、微粒子3が大き過ぎることにより、集合体6の表面で微粒子3が詰まって含浸していかなくなることを低減でき、また微粒子3が小さ過ぎることにより、微粒子3からアルカリ金属が分散液中に遊離してしまい、融点が高くなってしまうことを低減することができる。
また、微粒子3が濃過ぎることにより、集合体6の表面で微粒子3が詰まって含浸していかなくなることを低減でき、微粒子3が薄過ぎることにより、微粒子3が集合体6に十分に充填されなくなることを低減することができる。
第3工程では、図4のように結晶状に整列したシリカ粒子2の粒界に微粒子3が含浸していくように、分散液を積極的に撹拌してもよい。あるいは、分散液に圧力をかけて強制的に微粒子3を集合体6に注入することで充填しても構わないが、この場合には集合体6が割れない程度の圧力とする必要がある。
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。
(試料作製)
コロイダルシリカ100gとメタノール1,000gとを混合し、得られた混合物を遠心分離機にて10,000rpm、1時間程度で遠心分離して、さらに、上澄みだけを廃棄してメタノールを補充した後、再び遠心分離機で遠心分離することを3回繰り返すことによりシリカ粒子2を得た。
第1工程では、シリカ粒子2の平均粒径を50〜350nmの範囲で条件を変えて、沈殿によりシリカ粒子2を整列させて集合体6を得た。
第2工程では、この集合体6を80℃で1時間乾燥させた。
第3工程では、分散質である微粒子3に含まれるアルカリ金属(Na、Li、K)の含有率を0〜2×10−3原子%、微粒子3の粒径を0.5〜200nm、微粒子3の濃度を2〜20質量%の範囲で条件を変え、水を分散媒とした分散液を用い、この分散液に集合体6を浸漬して、集合体6の内部に微粒子3を1時間かけて充填した。
第4工程では、集合体6を加熱炉で1,610〜1,650℃の範囲で条件を変えて1分間加熱した。
なお比較例としては、特許文献1に相当する従来のオパールを試料1とし、本願の標準条件の試料(試料4,9,14,18,22)の焼成温度(1,610℃)よりも高い温度(1,650℃)で焼成したものを試料24とした。
以下、微粒子3に含まれるアルカリ金属としてNa、Li、Kを用いた。
ここで微粒子3は、Li、Na、Kなどのアルカリ金属を含有させたコロイダルシリカを用いること以外はシリカ粒子2と同様に作製することができる。
すなわち、Li、Na、Kを各濃度で含有させたアルカリ金属を含有させたコロイダルシリカ100〜1,000gとメタノール100gとを混合し、得られた混合物を遠心分離機にて1,000rpm、1時間程度で遠心分離して、さらに、上澄みだけを廃棄してメタノールを補充した後、再び遠心分離機で遠心分離することを5回繰り返すことにより得た。
遠心分離後に各粒度分布の箇所から微粒子3を抽出した。
(試料評価)
試料の形状は1mm角で揃えて、1分間バフ研磨をした前後での重量変化によって摩耗試験を行ない、変化率が0.1質量%未満ならば○とし、0.1〜0.4質量%なら△とし、0.4質量%より多ければ×として評価した。
また、遊色効果は、評価者10人で評価し、従来品より優れていれば○とし、従来並み以下ならば×として評価した。
以下、微粒子3に含まれるアルカリ金属としてNa、Li、Kを用いた結果をそれぞれ表1に示す。
(磨耗状態の評価結果)
表1に示す結果から分かるように、比較例である試料1では、微粒子3がアルカリ金属を含まないので、焼成できる温度が高くなってしまう(1,650℃)。
そのため、シリカ粒子2同士が焼結しないので、シリカ粒子2の配列が崩れ、耐摩耗性が劣ることとなった。
また、比較例である試料24では、焼成温度が高過ぎて、固溶体4がシリカ粒子2同士の接触部から流れてしまい焼結せず、耐摩耗性が劣ることとなった。
一方、実施例である試料7〜11では、微粒子3のアルカリ金属の含有率が5×10−6原子%以上であり、シリカ粒子2よりも低い温度で融けて固溶体4を形成することができた。
また、融点が低くなり過ぎてシリカ粒子2同士の接触部から固溶体4が流れ落ちてしまうことを低減できる。
特に、実施例である試料8〜10では、微粒子3のアルカリ金属含有率が固溶体4の融点を適切に低くするので、接触部に集中して固溶体4を形成することによって、良好な耐磨耗性を示した。
また、実施例である試料12〜16では、アルカリ金属が微粒子3の溶融中に遊離して、微粒子3の融点が上がってしまうことを低減した。
また、シリカ粒子2の集合体6に微粒子3を均一に充填し易い大きさなので、実施例である試料13〜15では、特に良好な耐磨耗性を示した。
また、実施例である試料17〜21では、固溶体4となる微粒子3を適量とすることができ、試料18〜20では、微粒子3を過不足なく集合体6に充填することができ、特に良好な耐磨耗性を示した。
試料22,23では、固溶体4がシリカ粒子2同士の接触部から流れ落ちることなく、適量の固溶体4で接合することができ、良好な耐磨耗性を示した。
試料25,26は、アルカリ金属をNaからLi、Kに変更したものであるが、Naと同様の結果を得ることができた。
なお、試料2〜6では、シリカ粒子2の平均粒子径の条件を変えたものであるが、100〜300nmであれば、微粒子3が集合体6に充填され易く優れた耐摩耗性を呈した。
(遊色効果の評価)
比較例である試料1では、微粒子3がアルカリ金属を含まないので、焼成できる温度が高くなってしまう(1,650℃)。
そのため、シリカ粒子2同士が焼結しないので、シリカ粒子2の配列が崩れてしまい、遊色効果を示さなかった。
また、比較例である試料24では、焼成温度が高過ぎて固溶体4が流れてしまい、3重点5に固溶体4が溜まるため、遊色効果が劣る結果となった。
一方、実施例である試料7〜11では、微粒子3のアルカリ金属の含有率が5×10−6原子%以上であり、シリカ粒子2よりも低い温度で固溶体4を形成することができた。
また、融点が低くなり過ぎてシリカ粒子2の同士の接触部から流れ落ちてしまうことを低減できるので、接触部に集中して固溶体4を形成し、3重点5が確保されるので、良好な遊色効果を示した。
また、実施例である試料12〜16では、アルカリ金属が微粒子3の溶融中に遊離して、微粒子3の融点が上がることを低減した。
また、シリカ粒子2の集合体6に微粒子3を均一に充填し易い大きさとなるので、良好な遊色効果を示した。
実施例である試料12〜15では、3重点5が確保されるので、特に良好な遊色効果を示した。
また、実施例である試料17〜21では、固溶体4となる微粒子3を適量とすることできた。
試料17〜20では、微粒子3を過不足なく充填することができ、3重点5が確保されるので、特に良好な遊色効果を示した。
試料22,23では、固溶体4が流れ落ちることなく、適量の固溶体で接合することができ、3重点5が確保されるので、良好な遊色効果を示した。
試料25,26は、アルカリ金属をNaからLi、Kに変更したものであるが、Naと同様の結果を得ることができた。
なお、試料2〜6では、シリカ粒子2の平均粒子径の条件を変えたものであるが、100〜300nmであれば、微粒子3が充填され易くなった。
試料3〜5では、3重点5が確保されるので、特に優れた遊色効果を呈した。
1:オパール
2:シリカ粒子
3:微粒子(分散質)
4:固溶体(ネック状部分)
5:空隙(3重点)
6:集合体

Claims (13)

  1. 複数のシリカ粒子からなるオパールであって、
    前記複数のシリカ粒子同士は、該シリカ粒子よりも融点が低い、シリカおよびアルカリ金属を含む固溶体によって接合されているオパール。
  2. 前記複数のシリカ粒子は、それぞれ隣り合うシリカ粒子に接する接触部を有し、前記固溶体は、前記接触部の周囲に位置している請求項1に記載のオパール。
  3. 前記複数のシリカ粒子の3重点に空隙を有する請求項2に記載のオパール。
  4. 前記アルカリ金属は、Li、NaおよびKからなる群より選択される少なくとも1つである請求項1〜3のいずれかに記載のオパール。
  5. 前記アルカリ金属は、前記固溶体中に1×10−5〜1×10−3原子%含まれている請求項1〜4のいずれかに記載のオパール。
  6. 前記空隙に、さらに透明樹脂が充填されている請求項3〜5のいずれかに記載のオパール。
  7. 前記オパールは、2つの主面を有する板状であり、該2つの主面は、略平行である請求項1〜6のいずれかに記載のオパール。
  8. 前記シリカ粒子の平均粒径は100〜300nmである請求項1〜のいずれかに記載のオパール。
  9. 前記主面の平面度は10μm以下であり、前記主面の算術平均表面粗さRaは1μm以下である請求項7または8に記載のオパール。
  10. 前記オパールの平均厚さは10μm以上である請求7〜のいずれかに記載のオパール。
  11. 複数のシリカ粒子を沈殿させて整列した集合体を得る第1工程、前記集合体を乾燥させる第2工程、シリカおよびアルカリ金属を含む分散質を有する分散液を前記集合体に充填する第3工程、ならびに前記集合体を前記シリカ粒子の融点よりも低い温度で加熱する第4
    工程を含むオパールの製造方法。
  12. 前記第3工程における前記分散液の分散質に、前記シリカ粒子よりも前記アルカリ金属を多く含ませ、前記充填を、前記分散液に前記集合体を浸漬することによって行なう請求項11に記載のオパールの製造方法。
  13. 前記第3工程における前記分散質の粒径を1〜100nmとし、分散液における該分散質の質量割合を3〜10質量%とする請求項11または12に記載のオパールの製造方法。
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