JP6688973B2 - 波長変換体、波長変換部材及び発光装置 - Google Patents

波長変換体、波長変換部材及び発光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6688973B2
JP6688973B2 JP2017554926A JP2017554926A JP6688973B2 JP 6688973 B2 JP6688973 B2 JP 6688973B2 JP 2017554926 A JP2017554926 A JP 2017554926A JP 2017554926 A JP2017554926 A JP 2017554926A JP 6688973 B2 JP6688973 B2 JP 6688973B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wavelength conversion
wavelength
wavelength converter
conversion member
binder layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2017554926A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017098730A1 (ja
Inventor
達也 奥野
達也 奥野
将啓 中村
将啓 中村
柔信 李
柔信 李
俊平 藤井
俊平 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Publication of JPWO2017098730A1 publication Critical patent/JPWO2017098730A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6688973B2 publication Critical patent/JP6688973B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/64Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing aluminium
    • C09K11/641Chalcogenides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/02Use of particular materials as binders, particle coatings or suspension media therefor
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21VFUNCTIONAL FEATURES OR DETAILS OF LIGHTING DEVICES OR SYSTEMS THEREOF; STRUCTURAL COMBINATIONS OF LIGHTING DEVICES WITH OTHER ARTICLES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F21V9/00Elements for modifying spectral properties, polarisation or intensity of the light emitted, e.g. filters
    • F21V9/30Elements containing photoluminescent material distinct from or spaced from the light source
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/48Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor body packages
    • H01L33/50Wavelength conversion elements

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Description

本発明は、フォトルミネッセンスを利用する波長変換体に関し、特にハイパワーの励起光が照射された場合でも耐熱性及び放熱性に優れ、かつ生産性に優れた波長変換体、波長変換部材及び発光装置に関する。
従来、フォトルミネッセンスを利用する波長変換体として、励起光の照射により発光する複数個の蛍光体粒子と、これら複数個の蛍光体粒子を保持するバインダと、から構成されるものが知られている。具体的には、シリコーン樹脂に蛍光体を充填させたものが知られている。波長変換体は、例えば、金属酸化物や金属基板上に形成された層状体や、板状体の形態をとる。
近年、波長変換体には、光出力の向上のために励起光のハイパワー化が求められている。このため、波長変換体には、励起光としてレーザー光源等のハイパワーな励起光が用いられるようになってきている。しかし、シリコーン樹脂等の有機バインダは耐熱性及び放熱性に乏しい。このため、有機バインダを有する波長変換体にレーザー光源等のハイパワーな励起光が照射されると、バインダを構成する有機物質に変色や焦げが発生して光の透過率が低下することにより、波長変換体の光出力効率が低下しやすい。また、有機バインダを有する波長変換体にレーザー光源等のハイパワーな励起光が照射されると、有機物質の熱伝導率が通常1W/m・K未満と低いため発熱する。これにより、有機バインダを有する波長変換体は、蛍光体の温度消光が発生しやすい。
特許第5090549号 特開2015−38960号公報
これに対し、特許文献1には、耐熱性、放熱性及び可視光透過率が高いセラミックス材料と、シリコーン樹脂等の有機バインダと、蛍光体とを用い焼結させて得られた波長変換体が開示されている。この特許文献1の波長変換体は、例えば1200℃程度の高温で焼結することにより製造される。しかし、特許文献1の波長変換体は、高温で焼結することから生産性が低いという課題があった。また、演色性に優れ白色LED用の蛍光体として広く用いられている蛍光体であるCASN((Sr,Ca)AlSiN:Eu)蛍光体は、高温環境下で酸化反応が生じ輝度維持率が顕著に低下やすい。このため、高温で焼結する特許文献1の波長変換体では高温環境下で酸化反応が生じるCASN蛍光体を使用できないことから、演色性を向上させることが困難であるという課題があった。さらに、例えばYAGなどのセラミックス材料の焼結体は、一般的に屈折率が1.8と大きいため、出力光の光取出し効率が低下したりスポット径が拡大したりするという課題があった。
また、特許文献2には、蛍光体と、シリカ系材料やこの前駆体からなるバインダとを用い、500℃以下に加熱して硬化したバインダで蛍光体同士を固着して発光装置を製造する方法が開示されている。しかし、シリカは他の金属酸化物に比較して熱伝導率が通常1W/m・K未満と低いため、波長変換体の放熱性が悪いという課題があった。さらに、シリカは可視光に対する屈折率が1.5程度と大きいため、出力光の光取出し効率が低下したりスポット径が拡大したりする等の光学特性に関する課題があった。
このように、従来、ハイパワーの励起光が照射された場合でも耐熱性及び放熱性、光取出し効率に優れ、かつ生産性に優れた波長変換体、並びにこの波長変換体を用いた波長変換部材及び発光装置は知られていなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。本発明は、ハイパワーの励起光が照射された場合でも耐熱性及び放熱性、光学特性に優れ、かつ生産性に優れた波長変換体、波長変換部材及び発光装置を提供することを目的とする。なお、光学特性に関しては後述する。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る波長変換体は、複数個の蛍光体粒子と、平均粒径D50が10nm以上50nm未満のナノ粒子が複数個分子間力で固着したナノ粒子固着体からなり、隣接する前記蛍光体粒子同士を固着させるバインダ層と、を備え、前記波長変換体は表面に平面状出射面を有し、この平面状出射面の少なくとも一部はRa≦0.15μmかつRz≦0.3μmを満たす平坦面になっており、前記平坦面は、前記平面状出射面の面積に対する占有率が36%以上65.5%以下であることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の第2の態様に係る波長変換部材は、基板と、この基板上に形成された前記波長変換体と、を備えることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の第3の態様に係る発光装置は、前記波長変換体、又は前記波長変換部材を用いて白色光を得ることを特徴とする。
第1〜第3の実施形態に係る波長変換体、及びこれらの波長変換体を含む波長変換部材の断面の概略図である。 第1の実施形態に係る波長変換体、及びこの波長変換体を含む波長変換部材の模式的な断面図である。 図2の部分Aを拡大して示す模式的な断面図である。 実施例1に係る波長変換体の破断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真の一例である。 の部分Bの透過型電子顕微鏡(TEM)写真の一例である。 実施例1に係る波長変換体の原料である蛍光体粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真の一例である。 実施例1に係る波長変換体のナノ空隙27の孔径分布を示すグラフの一例である。 第2の実施形態に係る、波長変換体及びこの波長変換体を含む波長変換部材の模式的な断面図である。 第2の実施形態に係る波長変換体を図8のB−B線にほぼ沿って破断した場合の破断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真の一例である。 第3の実施形態に係る、波長変換体及びこの波長変換体を含む波長変換部材の模式的な断面図である。 図10に示す第3の実施形態に係る波長変換体及びこの波長変換体を含む波長変換部材における、高放熱部50を含む破断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真の一例である。 第4の実施形態に係る、波長変換体及びこの波長変換体を含む波長変換部材の断面の概略図である。 第4の実施形態に係る、波長変換体及びこの波長変換体を含む波長変換部材の模式的な断面図である。 図13に示す断面の平面状出射面2を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真の一例である。
以下、本実施形態に係る波長変換体、波長変換部材及び発光装置について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
(波長変換部材)
図1は、第1〜第3の実施形態に係る、波長変換体及びこれらの波長変換体を含む波長変換部材の断面の概略図である。第1〜第3の実施形態に係る波長変換体1A、1B及び1Cは、断面の概略図が同様であるため、併せて図1に示す。また、波長変換体1A、1B及び1Cをそれぞれ含む波長変換部材100A、100B及び100Cは、断面の概略図が同様であるため、併せて図1に示す。
図1に示すように、波長変換部材100(100A、100B及び100C)は、基板80と、この基板80上に形成された波長変換体1(1A、1B及び1C)と、を備える。波長変換部材100(100A、100B及び100C)は、1個の基板80の表面上に1個の波長変換体1(1A、1B及び1C)が設けられる。1個の基板80の表面上に1個の波長変換体1が設けられると、波長変換部材100の製造が容易である。
(基板)
基板80は、表面に形成された波長変換体1を補強するとともに、材質及び厚みの選択により、波長変換体1に対して好適な光学的特性、熱的特性を付与するものである。
基板80としては、例えば、ガラス基板、金属基板、セラミック基板等が用いられる。また、基板80は、透光性を有していてもよく、透光性を有していなくてもよい。基板80が透光性を有する場合、基板80を介して波長変換体1中の蛍光体粒子10に励起光を照射することが可能になる。また、基板80が透光性を有しない場合、励起光および波長変換体1からの発光を基板80で反射させることが可能になる。
(波長変換体)
第1の実施形態に係る波長変換体及び波長変換部材について説明する。図1に示すように、波長変換体1A(1)は、基板80と反対側の表面に平面状出射面2が形成されている。ここで、平面状出射面2とは、波長変換体1の基板80と反対側の表面のうち、高さがほぼ同一になる面を意味する。図1に示す波長変換体1では、図1中の左右の端部近傍の断面が丸い部分を除いて平面状出射面2が形成されている。
後述のように、波長変換体1では、隣接する蛍光体粒子10同士がバインダ層20で固着された構造を有する。このため、波長変換体1の表面である平面状出射面2は、おもに蛍光体粒子10により形成された微小な凹凸を有する凹凸面3になっている。ここで、凹凸面3とは、Ra≦0.15μm又はRz≦0.3μmを満たさない面を意味する。なお、図1では、説明の都合上、凹凸面3を実際より強調して示している。
図2は、第1の実施形態に係る、波長変換体及びこの波長変換体を含む波長変換部材の模式的な断面図である。図2に示すように、波長変換部材100Aは、基板80と、この基板80上に形成された波長変換体1Aと、を備える。波長変換体1Aは、複数個の蛍光体粒子10と、隣接する蛍光体粒子10同士を固着させるバインダ層20と、を備える。バインダ層20は、平均粒径D50が1nm以上100nm未満のナノ粒子が複数個固着したナノ粒子固着体からなる。
また、図2に示す波長変換体1Aでは、個々の蛍光体粒子10の表面がバインダ層20で被覆されることにより、蛍光体粒子10とバインダ層20とからなるナノ粒子被覆蛍光体粒子30が形成されている。なお、波長変換体1Aは、バインダ層20が、少なくとも隣接する蛍光体粒子10同士を固着させるように形成されていればよい。このため、図2に示す波長変換体1A以外の実施形態として、個々の蛍光体粒子10の表面の一部がバインダ層20で被覆されずに露出することにより、ナノ粒子被覆蛍光体粒子30が形成されない波長変換体とすることもできる。
<蛍光体粒子>
蛍光体粒子10は、フォトルミネッセンスが可能なものであればよく、その種類は特に限定されない。蛍光体粒子10としては、例えば、YAG、すなわちYAl12からなるガーネット構造の結晶の粒子や、(Sr,Ca)AlSiN:Euからなる蛍光体粒子が用いられる。
蛍光体粒子10は、大気中1200℃以上での蛍光体粒子の焼成後の輝度(L)を大気中1200℃以上での蛍光体粒子の焼成前の輝度(L)で除して得られる輝度維持率(L/L)が80%以下の蛍光体粒子を含むことが好ましい。蛍光体粒子10が、輝度維持率(L/L)が80%以下の蛍光体粒子を含むと、高い変換効率を有しかつ演色性が高い波長変換体を実現できるため好ましい。
波長変換体1Aに含まれる蛍光体粒子10の粒子径は特に限定されるものではなく、例えば1〜100μmである。
蛍光体粒子10は、同じ組成の蛍光体からなるものであってもよいし、2種以上の組成の蛍光体の粒子の混合体であってもよい。
<バインダ層>
バインダ層20は、平均粒径D50が1nm以上100nm未満(10オングストローム以上1000オングストローム未満)のナノ粒子が複数個固着したナノ粒子固着体からなり、隣接する蛍光体粒子10同士を固着させるものである。ここで、ナノ粒子固着体とは、ナノ粒子同士が分子間力で固着したものを意味する。また、ナノ粒子とは、平均粒径D50が1nm以上100nm未満の粒子を意味する。ナノ粒子の平均粒径D50は、例えば、TEM(透過型電子顕微鏡)、SEM(走査型電子顕微鏡)、FE−SEM(電界放出型走査型電子顕微鏡)で測定される。
ナノ粒子の平均粒径D50は、1nm以上100nm未満、好ましくは10nm以上100nm未満、より好ましくは10nm以上50nm未満、さらに好ましくは15nm以上25nm未満である。
ナノ粒子の平均粒径D50が1nm以上100nm未満であると、ナノ粒子同士が分子間力で固着して、強固なナノ粒子固着体からなるバインダ層20が形成され、隣接する蛍光体粒子10同士が強く固着されやすい。
また、ナノ粒子の平均粒径D50が10nm以上100nm未満であると、波長変換体1Aの製造等のために加熱処理した際の熱膨張、熱収縮によるバインダ層20への内部クラック46の発生が抑制される。なお、内部クラック46については第2の実施形態において詳述するが、内部クラック46とは、バインダ層20中に形成された、長さ10μm以上、溝幅2μm以下の溝状の空隙を意味する。内部クラック46が存在する場合は、内部クラック46は、通常、バインダ層20内部およびバインダ層20を介して固着された蛍光体粒子10に囲まれた蛍光体粒子囲繞領域40に存在する。なお、内部クラック46は、波長変換体1A及び波長変換部材100Aに光学的な悪影響を与えることはないと考えられる。この理由については、第2の実施形態において説明する。
上記のように、ナノ粒子の平均粒径D50が10nm以上100nm未満であると、内部クラック46の発生を抑止し、波長変換体1Aの放熱性をより高めたり、膜強度を高めたりすることができる。特に、高パワー密度励起の発光装置や、衝撃が加わりやすい環境下の発光装置においては、波長変換体1Aに高い放熱性や膜強度が要求されるため、ナノ粒子の平均粒径D50が10nm以上100nm未満であると好ましい。
図3は、図2の部分Aを拡大して示す模式的な断面図である。図2の部分Aは、隣接する蛍光体粒子10同士がナノ粒子固着体からなるバインダ層20を介して固着されている部分を示す。図3は、図2の部分Aの蛍光体粒子10間に介在するナノ粒子固着体からなるバインダ層20につき、詳細に説明する図である。
図3に示すように、隣接する蛍光体粒子10間に介在するバインダ層20は、複数個のナノ粒子21同士が分子間力により固着したナノ粒子固着体からなる。また、ナノ粒子固着体を構成するナノ粒子21は、分子間力により蛍光体粒子10にも固着している。これにより、ナノ粒子固着体は、隣接する蛍光体粒子10同士を固着するバインダ層20として機能している。
また、図3に示すように、バインダ層20は、蛍光体粒子10の表面の全面を被覆している。なお、バインダ層20は、図3に示すように蛍光体粒子10の表面の全面を被覆する必要はなく、蛍光体粒子10の表面のうち、隣接する蛍光体粒子10間に介在する部分のみの蛍光体粒子10の表面を被覆していればよい。すなわち、バインダ層20は、蛍光体粒子10の表面の少なくとも一部を被覆していればよい。
なお、バインダ層20が蛍光体粒子10の表面の全面を被覆していると、蛍光体粒子10と外部の屈折率段差を抑制し、蛍光体粒子10の吸収率や外部量子効率を高める場合があるため好ましい。また、バインダ層20が蛍光体粒子10の表面の一部のみを被覆していると、蛍光体粒子内部へ閉じ込められる光の成分が増加し、出力スポット径を狭化させる場合があるため好ましい。
図2に示すように、波長変換体1Aでは、隣接する蛍光体粒子10で囲まれた部分に、蛍光体粒子囲繞領域40が形成される。ここで、蛍光体粒子囲繞領域40とは、隣接する蛍光体粒子10同士がバインダ層20で固着されることにより、バインダ層20を介して固着された蛍光体粒子10に囲まれた領域を意味する。なお、バインダ層20を介して固着された蛍光体粒子10は、蛍光体粒子10の表面にバインダ層20が形成されていてもよく、バインダ層20が形成されていなくてもよい。
図2に示す波長変換体1Aの蛍光体粒子囲繞領域40Aa、40Ab、40Ac及び40Adは、それぞれ前記バインダ層20中の孔径1μm以上の空隙であるバインダ内空孔45を含んでいる。なお、図2に示す波長変換体1Aでは、全ての蛍光体粒子囲繞領域40にバインダ内空孔45が含まれる例を示している。しかし、波長変換体1A以外の実施形態として、蛍光体粒子囲繞領域40の一部にバインダ内空孔45が含まれていない構造の波長変換体とすることができる。蛍光体粒子囲繞領域40の少なくとも一部が、バインダ内空孔45を含まない実施形態については、後述の第2の実施形態において説明する。
ここで、バインダ内空孔45とは、バインダ層20中に内包された、孔径0.3μm以上の空隙を意味する。このため、例えば、バインダ層20以外の部分に形成された空隙や、バインダ層20に開口する空隙や、孔径0.3μm未満の空隙は、バインダ内空孔45に含まれない。また、孔径とは、バインダ内空孔45の形状を真球と仮定した場合の直径を意味する。バインダ内空孔45の孔径は、通常5〜15μm程度である。
バインダ内空孔45の形状は特に限定されないが、通常は、球状である。バインダ内空孔45のアスペクト比(短径:長さ)は、通常1:1〜1:10である。なお、便宜上、図2や、後述の図8、10、13では、バインダ内空孔45の形状を、断面が三角形状の形状として示している。実際のバインダ内空孔45では、バインダ層20同士の接合部分がネッキングで丸みを帯びることにより、バインダ内空孔45が球状になりやすい。
バインダ内空孔45は、波長変換体1A中の可視光の散乱に影響を及ぼす。例えば、可視光の散乱が発生しやすい孔径0.3μm〜20μmのバインダ内空孔45がバインダ層20中に多いと、波長変換体1A中の可視光の散乱が多くなる。この場合、波長変換体1A中の導波成分が増加しやすいことから、出力光のスポット径を増大させる場合があるため好ましくない。
一方、可視光の散乱が発生しやすい孔径0.3μm〜20μmのバインダ内空孔45がバインダ層20中に少ないと、波長変換体1A中の可視光の散乱が少なくなる。この場合、波長変換体1A中の導波成分が減少しやすいことから、光取り出し効率を高めたり、出力スポット径を狭化させたりする効果があるため好ましい。
このため、波長変換体1Aは、バインダ層20を介して固着された蛍光体粒子10に囲まれた蛍光体粒子囲繞領域40の少なくとも一部が、バインダ層20中の孔径0.3μm以上の空隙であるバインダ内空孔45を含まないことが好ましい。蛍光体粒子囲繞領域40の少なくとも一部が、バインダ内空孔45を含まないと、波長変換体1A中の導波成分が減少しやすいことから、光取り出し効率を高めたり、出力スポット径を狭化させやすくなったりするため好ましい。
ナノ粒子の材質としては、ナノ粒子同士が分子間力で固着可能かつ励起光の透過性の高い無機材料が用いられる。ナノ粒子の材質としては、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、二酸化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素を用いることができる。これらの材質は、ナノ粒子同士の分子間力が強く、強固なナノ粒子固着体からなるバインダ層20が形成されやすい。ナノ粒子としては、上記材質から選ばれる1種又は2種以上の材質からなるナノ粒子を用いることができる。
また、ナノ粒子の材料の25℃での熱伝導率は、好ましくは1W/m・Kより大きく、より好ましくは4W/m・Kより大きい。また、ナノ粒子の材料の25℃での熱伝導率は、好ましくは50W/m・K未満、より好ましくは30W/m・K未満である。ナノ粒子の25℃での熱伝導率が、上記範囲内にあると、波長変換体1Aの放熱性が高くなる。例えば、酸化アルミニウムの25℃での熱伝導率は30W/m・K、二酸化珪素の25℃での熱伝導率は1W/m・Kである。
バインダ層20に有機物質が含まれると、レーザー光源等のハイパワーな励起光が照射されたときに、バインダ層20に含まれる有機物質に変色や焦げが発生して光の透過率が低下するおそれがある。このため、バインダ層20は、有機物質をなるべく含まないことが好ましいが、励起光のパワー密度に応じて、適宜分散剤などの有機物質を加えてもよい。
また、ナノ粒子固着体からなるバインダ層20は、内部に、図3及び後述の図5に示すように、ナノ空隙(微小空隙)27を含んでいてもよい。ここで、ナノ空隙27とは、バインダ層20中に形成された、孔径0.3μm未満の空隙を意味する。このため、例えば、バインダ層20以外の部分に形成された空隙や、孔径0.3μm以上の空隙は、ナノ空隙27に含まれない。また、孔径とは、ナノ空隙27の形状を真球と仮定した場合の直径を意味する。ナノ空隙27の孔径は、通常5〜15nm程度である。
図7は、後述の実施例1に係る波長変換体のナノ空隙27の孔径分布を示すグラフの一例である。図7に示されるように、ナノ空隙27の平均孔径は、100Å(10nm)程度である。
ナノ空隙27の形状は特に限定されないが、通常は、球状である。ナノ空隙27のアスペクト比(短径:長さ)は、通常1:1〜1:10である。ナノ空隙27は、ナノ粒子21が固着してナノ粒子固着体を形成する際に、ナノ粒子21間に残存した空隙である。
ナノ空隙27は、バインダ層20の屈折率を低下させ、蛍光体粒子10へ閉じ込められる光の成分を増加させることにより、バインダ層20からの光取出し効率を高める効果を発現する。このため、バインダ層20中にナノ空隙27が含まれると、出力スポット径を狭化させつつ、出力光の効率を高める場合があるため、好ましい。
このため、波長変換体1Aは、バインダ層20が、内部に孔径0.3μm未満の空隙であるナノ空隙27を含むことが好ましい。
波長変換体1Aの破断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真又は透過型電子顕微鏡(TEM)写真の一例を示す。図4は、後述の実施例1に係る波長変換体の破断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真の一例である。図5は、図4の部分Bの透過型電子顕微鏡(TEM)写真の一例である。図6は、後述の実施例1に係る波長変換体の原料である蛍光体粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真の一例である。
図4に示すように、蛍光体粒子(YAG粒子)10の表面及び蛍光体粒子10間にはバインダ層20が形成され、隣接する蛍光体粒子10同士がバインダ層20で固着されることにより、波長変換体1Aが形成されている。バインダ層20は、酸化アルミニウムのナノ粒子21が複数個固着したナノ粒子固着体からなる。
バインダ層20が形成されていない蛍光体粒子10のSEM写真を図6に示す。図6に示すように、バインダ層20が形成されていない蛍光体粒子10では、隣接する蛍光体粒子10間に空隙15が形成されており、隣接する蛍光体粒子10同士は固着されていない。
図4に示すように、波長変換体1Aでは、図6に示す個々の蛍光体粒子10の表面が酸化アルミニウムのナノ粒子固着体からなるバインダ層20で被覆されるとともに、蛍光体粒子10間に上記バインダ層20が介在する。ただし、隣接する蛍光体粒子10間はバインダ層20で隙間なく充填されるものでなく、バインダ層20の一部に空隙25が形成されている。なお、本実施形態以外の波長変換体では、図4に示す波長変換体1に代えて、隣接する蛍光体粒子10間がバインダ層20で隙間なく充填されたものとすることもできる。
図5は、図4のバインダ層20の部分Bの透過型電子顕微鏡(TEM)写真の一例である。図5は、図4の部分Bを拡大して観察したものである。図5に示すように、バインダ層20は、酸化アルミニウムのナノ粒子21が複数個固着したナノ粒子固着体からなっている。また、図5に示すように、ナノ粒子固着体からなるバインダ層20には直径が15nm、5nm程度のナノ空隙27が形成されている。これらのナノ空隙27は、ナノ粒子21が複数個固着してナノ粒子固着体からなるバインダ層20を形成した際にナノ粒子21間に残存した空隙と考えられる。
波長変換体1Aの厚さは、特に限定されないが、例えば40〜400μm、好ましくは80〜200μmとする。波長変換体1Aの厚さが上記範囲内であると、放熱性を比較的高く維持することができるため好ましい。
(波長変換体の製造方法)
波長変換体1Aは、例えば以下の方法により製造することができる。はじめに、ナノ粒子21が分散された溶液と蛍光体粒子10とを混合して混合液を作製する。なお、混合液には、必要により、分散剤を添加する。混合液は、例えばペースト状になるように粘度を調整する。粘度の調整は、例えばナノ粒子21や蛍光体粒子10等の固形分の濃度の調整により行う。
次に、このペースト状の混合液を金属基板等の基板80上に塗布する。ペースト状の混合液の塗布は、例えば、バーコータを具備したアプリケータを用いた塗布、スクリーン印刷等の常圧環境下で行われる種々の公知の塗布方法が用いられる。
さらに、基板80上のペースト状の混合液を乾燥させることにより固化させる。混合液が固化して形成される乾燥体は、複数個の蛍光体粒子10と、ナノ粒子21が複数個固着したナノ粒子固着体からなり隣接する蛍光体粒子10同士を固着させるバインダ層20と、を備える波長変換体1Aとなる。
混合液の乾燥は、例えばペースト状の混合液が塗布された基板80を常温で放置しておくことや、加熱することにより行われる。加熱を行う場合の加熱温度は、例えば、100℃である。
バインダ層20は、ナノ粒子21が複数個固着したナノ粒子固着体からなり、ナノ粒子21を含む混合液から水等の溶媒を除去するだけで作製することができ、ナノ粒子21を焼成する必要がない。このように本実施形態の波長変換体1Aは、高温での加熱を行わずに製造することができるため、生産性が高く、また高温加熱による蛍光体粒子10の劣化が生じにくい。
<第1の実施形態に係る波長変換体及び波長変換部材の作用>
波長変換体1A及び波長変換部材100Aの作用を説明する。本実施形態の波長変換部材100Aを構成する波長変換体1Aは、励起光が照射されることにより、波長変換体1A中の蛍光体粒子10が励起され二次光を放射する。なお、蛍光体粒子10の表面には、ナノ粒子21が複数個固着したナノ粒子固着体からなるバインダ層20が形成されている。しかし、ナノ粒子21は励起光の透過性が高く、光を散乱させる効果が比較的小さい(散乱断面積が小さい)ため、励起光は、バインダ層20を透過して蛍光体粒子10に照射され、蛍光体粒子10が励起され二次光を放射することができる。
波長変換部材100Aを構成する基板80が光透過性の低い基板80である場合、波長変換体1Aで発生した二次光は波長変換体1Aの表面側から放射される。また、波長変換部材100Aを構成する基板80が光透過性の高い基板80である場合、波長変換体1Aで発生した二次光は波長変換体1Aの表面側及び基板80の表面側から放射される。
<第1の実施形態に係る波長変換体及び波長変換部材の効果>
波長変換部材100Aを構成する波長変換体1Aのバインダ層20を構成するナノ粒子固着体は、耐熱性及び放熱性が高い無機材料であるナノ粒子が複数個固着したものである。このため、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aは、励起光としてレーザー光源等のハイパワーな励起光を用いた場合でも耐熱性及び放熱性が高い。このようにバインダ層20の放熱性が高いため、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aは、励起光として、レーザー光源等のハイパワーな励起光を用いた場合でも、蛍光体粒子10の高温化による温度消光が発生しにくい。
また、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aは、ナノ空隙27により、バインダ層20の屈折率が低下している。このため、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aによれば、蛍光体粒子10へ閉じ込められる光の成分の増加と、バインダ層20からの光取出し効率を高める効果を発現しやすく、出力スポット径を狭化させやすい。この効果は波長変換体1Aと基板の界面における可視光の反射成分量が比較的大きい場合、とくに顕著である。このように、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aは光学特性に優れる。
また、波長変換体1Aのバインダ層20中に含まれる有機物質量はせいぜい不純物程度の量であり少ないため、レーザー光源等のハイパワーな励起光を用いた場合でも、有機物質の熱劣化に基づくバインダ層20の変色やバインダ層20の焦げが発生しにくい。このため、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aは耐熱性が高い。
さらに、波長変換体1Aのバインダ層20は、ナノ粒子が複数個固着したナノ粒子固着体からなり、ナノ粒子21を焼成する必要がない。このように、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aは、高温での焼成を行わずにバインダ層20を形成することができるため、生産性が高い。
また、第1の実施形態に1係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aは、高温での焼結を行わずにバインダ層20を形成することができるため、蛍光体粒子10として耐熱性が低い蛍光体を用いることができる。例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu蛍光体は、演色性に優れるものの高温環境下で酸化反応が生じるため、高温で焼結するバインダ層を有する従来の波長変換体及び波長変換部材では、蛍光体に酸化反応が生じて演色性が低下しやすい。これに対し、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aでは、高温での焼結を行わずにバインダ層20を形成することができるため、このような蛍光体も蛍光体粒子10として用いることができ、演色性を向上させることができる。
なお、第1の実施形態に係る波長変換体1Aでは、バインダ層20を構成するナノ粒子21と蛍光体粒子10とに表面処理等がされていない態様を示した。しかし、第1の実施形態以外の波長変換体では、バインダ層20を構成するナノ粒子21、及び蛍光体粒子10の少なくともいずれか一方に、波長変換体の放熱性を阻害しない限りにおいて表面処理を行ってもよい。この表面処理は、例えば、ナノ粒子固着体からなるバインダ層20を構成するナノ粒子21同士の密着性や、ナノ粒子固着体の緻密性を向上させるために、ナノ粒子21の表面に行われる。また、上記表面処理は、例えば、バインダ層20と蛍光体粒子10との間の密着性や、波長変換体の緻密性を向上させるために、ナノ粒子21及び蛍光体粒子10の少なくとも一方の表面に行われる。
この場合、励起光のパワーが比較的弱い場合、好適に用いることができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る波長変換体及び波長変換部材について説明する。図8は、第2の実施形態に係る、波長変換体及びこの波長変換体を含む波長変換部材の模式的な断面図である。図8に示すように、波長変換部材100Bは、基板80と、この基板80上に形成された波長変換体1Bと、を備える。
波長変換部材100Bは、図2に示す第1の実施形態に係る波長変換部材100Aにおいて、波長変換体1Aに代えて波長変換体1Bを用いたものである。また、波長変換体1Bは、図2に示す第1の実施形態に係る波長変換体1Aに比較して、蛍光体粒子囲繞領域40の一部がバインダ内空孔45を含まずに中実部44を含む点で異なり、他の点は同じである。
このため、図8に示す波長変換体1B及び波長変換部材100Bと、図2に示す第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aとで、同じ構成に同じ符号を付し、構成及び作用の説明を省略又は簡略化する。
図8に示すように、波長変換体1Bの蛍光体粒子囲繞領域40のうち、蛍光体粒子囲繞領域40Ba及び40Bdはバインダ内空孔45を含み、蛍光体粒子囲繞領域40Bb及び40Bcは中実部44を含む。ここで、中実部44とは、蛍光体粒子囲繞領域40内の部分のうち、バインダ内空孔45を含まず実質的にバインダ層20を構成するナノ粒子固着体のみからなる部分を意味する。なお、中実部44は、バインダ内空孔45よりも体積の小さい空隙である内部クラック46を有していてもよい。
すなわち、図8に示す波長変換体1Bにおいて、バインダ層20を介して固着された蛍光体粒子10に囲まれた蛍光体粒子囲繞領域40の少なくとも一部は、バインダ層20中の孔径0.3μm以上の空隙であるバインダ内空孔45を含まないようになっている。
上記のように、バインダ内空孔45は、波長変換体1B中の可視光の散乱に影響を及ぼす。例えば、可視光の散乱が発生しやすい孔径0.3μm〜20μmのバインダ内空孔45がバインダ層20中に少ないと、波長変換体1B中の可視光の散乱が少なくなる。この場合、波長変換体1B中の導波成分が減少しやすくなり、光取り出し効率を高めたり、出力スポット径を狭化させたりする効果があるため好ましい。
上記バインダ内空孔45の含有量が少ないことによる波長変換体1Bの好ましい効果は、波長変換体1Bがバインダ内空孔45を特定の割合で含むことにより発現する。上記バインダ内空孔45の含有量が少ないことによる波長変換体1Bの好ましい効果は、例えば、波長変換体1Bがバインダ内空孔45を39体積%以下の割合で含むことにより発現する。
図9は、第2の実施形態に係る波長変換体1Bを図8のB−B線にほぼ沿って破断した場合の破断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真の一例である。図9に示されるように、波長変換体1Bの蛍光体粒子囲繞領域40の破断面には、バインダ内空孔45を含まない中実部44が形成されている。すなわち、図9に示される破断面では、波長変換体1Bの蛍光体粒子囲繞領域40は高充填構造になっている。
図9に示されるように、中実部44は、溝状の空隙である内部クラック46を有する。ここで、内部クラック46とは、バインダ層20中に形成された、長さ10μm以上、溝幅2μm以下、の溝状の空隙を意味する。内部クラック46の長さや溝幅は、例えば図9でも確認できるように破断面の顕微鏡観察で確認することができる。内部クラック46のアスペクト比(短径:長さ)は、通常1:10を超え1:1000以下である。なお、内部クラック46とバインダ内空孔45とは、アスペクト比(短径:長さ)の数値範囲が異なるため、区別が可能である。
内部クラック46は、意図的に形成したものでなく、通常、波長変換体1Bの製造において、波長変換体1Bの原料を加熱乾燥させる際の前記原料の熱膨張、収縮により発生すると考えられる。このため、波長変換体1Bでは、製造条件を最適化することにより、中実部44への内部クラック46の生成を抑制することが可能であると考えられ、この内部クラック46の生成の抑制により、膜の強度が改善すると考えられる。
後述のように、内部クラック46は、その形状や大きさ、存在頻度に鑑みると、波長変換体1B及び波長変換部材100Bに、本発明で得られる光学的な効果を打ち消すほどの悪影響を与えることはないと考えられる。このため、内部クラック46は、本発明のバインダ内空孔45とは明確に区別されるものである。
<第2の実施形態に係る波長変換体及び波長変換部材の作用>
波長変換体1B及び波長変換部材100Bの作用は、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aと同様の作用を示す。
また、波長変換体1Bは、蛍光体粒子囲繞領域40の少なくとも一部がバインダ内空孔45を含まないようになっている。このため、波長変換体1B及び波長変換部材100Bは、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aに比較して、波長変換体1Bの励起光の導波成分をより減少させる作用を有する。
なお、内部クラック46は、その形状及び大きさに鑑みると、可視光を散乱させる作用は小さく、可視光を透過・反射する作用が大きいと考えられる。このため、内部クラック46が存在しても、波長変換体1B及び波長変換部材100Bに本発明で得られる光学的な効果を打ち消すほどの悪影響を与えることはないと考えられる。
<第2の実施形態に係る波長変換体及び波長変換部材の効果>
波長変換体1B及び波長変換部材100Bの効果は、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aと同様の効果を奏する。
また、波長変換体1B及び波長変換部材100Bは、蛍光体粒子囲繞領域40の少なくとも一部がバインダ内空孔45を含まないようになっている。このため、波長変換体1B及び波長変換部材100Bによれば、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aよりも、バインダ層20と比較的熱膨張係数の高い基板80との密着性が向上する効果を奏する。
また、蛍光体粒子囲繞領域40の少なくとも一部がバインダ内空孔45を含まないため、波長変換体1B及び波長変換部材100Bは、波長変換体1A及び波長変換部材100Aよりも、導波成分が減少する効果を奏する。このため、波長変換体1B及び波長変換部材100Bによれば、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aに比較して、光取り出し効率を高めたり、出力スポット径を狭化させたりしやすいため、より優れた光学特性を有する。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る波長変換体及び波長変換部材について説明する。図10は、第3の実施形態に係る、波長変換体及びこの波長変換体を含む波長変換部材の模式的な断面図である。図10に示すように、波長変換部材100Cは、基板80と、この基板80上に形成された波長変換体1Cと、を備える。
波長変換部材100Cは、図2に示す第1の実施形態に係る波長変換部材100Aにおいて、波長変換体1Aに代えて波長変換体1Cを用いたものである。また、波長変換体1Cは、図2に示す第1の実施形態に係る波長変換体1Aに比較して、バインダ層20が高放熱部50をさらに含む点で異なり、他の点は同じである。
このため、図10に示す波長変換体1C及び波長変換部材100Cと、図2に示す第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aとで、同じ構成に同じ符号を付し、構成及び作用の説明を省略又は簡略化する。
図10に示すように、波長変換体1Cでは、隣接するバインダ層20間に高放熱部50がさらに含まれる。ここで、高放熱部50とは、25℃での熱伝導率がナノ粒子21よりも高い材質からなりかつ粒径1μm以上である部分を意味する。バインダ層20が、25℃での熱伝導率がナノ粒子21よりも高い材質からなる高放熱部50を含むと、波長変換体1C及び波長変換部材100Cの放熱性が高くなり、温度消光による効率低下を抑制することができる。
高放熱部50は、25℃での熱伝導率が、通常10W/m・K以上、好ましくは35W/m・K以上、より好ましくは50W/m・K以上である。高放熱部50の25℃での熱伝導率が、上記範囲内にあると、波長変換体1C及び波長変換部材100Cの放熱性が十分に高くなり、温度消光による効率低下を効果的に抑制することができる。なお、高放熱部50が熱伝導率の異方性を有する場合は、高放熱部50のうち熱伝導率の最も高い方位の熱伝導率が上記範囲内にあると、波長変換体1C及び波長変換部材100Cの放熱性が十分に高くなるため好ましい。
高放熱部50の形状は特に限定されないが、例えば、粒状、鱗片状等とすることができる。蛍光体粒子10が、蛍光体粒子10のガーネット構造に由来する形状を有する蛍光体粒子10を含む場合、高放熱部50の形状が鱗片状であると、波長変換体1Cの粒子パッキング密度を高くすることができるため好ましい。
図10に示すように、高放熱部50は、隣接するバインダ層20間に含まれる。すなわち、高放熱部50の表面は、蛍光体粒子10に接触せずに、バインダ層20に接触するようになっている。このように、高放熱部50が、一方の蛍光体粒子10の表面に形成されたバインダ層20と、他方の蛍光体粒子10の表面に形成されたバインダ層20と、の間に介在すると、バインダ層20間の熱伝導が向上するため好ましい。
高放熱部50の材質としては、例えば、窒化ホウ素、酸化アルミニウム等が用いられる。このうち、窒化ホウ素は、25℃での熱伝導率が高いため好ましい。
図11は、図10に示す第3の実施形態に係る波長変換体及びこの波長変換体を含む波長変換部材における、高放熱部50を含む破断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真の一例である。図11に示されるように、高放熱部50は、一方の蛍光体粒子10の表面に形成されたバインダ層20と、他方の蛍光体粒子10の表面に形成されたバインダ層20と、の間に介在している。
<第3の実施形態に係る波長変換体及び波長変換部材の作用>
波長変換体1C及び波長変換部材100Cの作用は、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aと同様の作用を示す。
また、波長変換体1Cは、25℃での熱伝導率がナノ粒子21よりも高い材質からなる高放熱部50を含む。このため、波長変換体1C及び波長変換部材100Cは、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aに比較して、放熱性がより高く、温度消光による効率低下をより抑制することができる。
<第3の実施形態に係る波長変換体及び波長変換部材の効果>
波長変換体1C及び波長変換部材100Cの効果は、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aと同様の効果を奏する。
また、波長変換体1C及び波長変換部材100Cは、隣接するバインダ層20間に高放熱部50がさらに含まれるため、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aよりも放熱性が高く、温度消光による効率低下をより抑制することができる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係る波長変換体及び波長変換部材について説明する。図12は、第4の実施形態に係る、波長変換体及びこの波長変換体を含む波長変換部材の断面の概略図である。
図12に示すように、波長変換部材100D(100)は、基板80と、この基板80上に形成された波長変換体1D(1)と、を備える。波長変換部材100Dは、1個の基板80の表面上に1個の波長変換体1Dが設けられる。1個の基板80の表面上に1個の波長変換体1Dが設けられると、波長変換部材100Dの製造が容易である。
第4の実施形態に係る波長変換部材100D(100)は、第1の実施形態に係る波長変換部材100Aにおいて、波長変換体1Aを波長変換体1Dに代えたものである。基板80は、第1の実施形態に係る波長変換部材100Aと同様のものが用いられる。
図12に示すように、第4の実施形態に係る波長変換体1D(1)は、第1の実施形態に係る波長変換体1Aと同様に、基板80と反対側の表面に平面状出射面2を有する。しかし、波長変換体1D(1)は、第1の実施形態に係る波長変換体1Aと異なり、平面状出射面2が凹凸面3と平坦面4とを有する。ここで、平坦面4とは、凹凸面3よりも凹凸が少ない面であり、具体的にはRa≦0.15μmかつRz≦0.3μmを満たす面を意味する。すなわち、平面状出射面2の少なくとも一部はRa≦0.15μmかつRz≦0.3μmを満たす平坦面4になっている。なお、図12では、説明の都合上、凹凸面3を実際より強調して示している。
図13は、第4の実施形態に係る、波長変換体及びこの波長変換体を含む波長変換部材の模式的な断面図である。図13は、図12に示す波長変換体1D(1)の断面をより詳細に示したものである。
図12及び13に示すように、波長変換体1Dは、図1及び2に示す第1の実施形態に係る波長変換体1において、平面状出射面2が凹凸面3と平坦面4とを有するものに相当する。平坦面4は、図13に示すように、例えば、平面状出射面2を形成するバインダ層20の表面の少なくとも一部が平坦になることにより得られる。
バインダ層20は、ナノ粒子21が複数個固着したナノ粒子固着体23からなる。このバインダ層20は、例えば、波長変換体1Dの製造時に、蛍光体粒子10間に充填されたナノ粒子21が加熱乾燥処理等により固着してナノ粒子固着体23を形成することにより得られる。このため、図13に示す平坦面4は、例えば、流動性の高いナノ粒子21を用いて基板80とバインダ層20との界面が平坦面になるように密着した波長変換体を作製し、この波長変換体を基板80から剥離した場合の剥離面に形成される。また、剥離した波長変換体の表裏面を反転し、剥離面を含む表面が新たな平面状出射面2となるように波長変換体と基板80とを再固着すると、平坦面4を含む平面状出射面2を有する波長変換体1Dを備えた波長変換部材100Dが得られる。
平坦面4は、平面状出射面2の面積に対する占有率が、好ましくは36%以上65.5%以である。平坦面4の占有率が上記範囲内にあると励起光の吸収効率を高めやすい。このため、平坦面4の占有率が上記範囲内にある波長変換体1D及びこの波長変換体1Dを備えた波長変換部材100Dは、プロジェクタ等の用途に有用である。
また、第4の実施形態に係る波長変換体1Dは、平面状出射面2側の表面にARコーティング等の公知の反射防止コーティング処理を行ってもよい。波長変換体1Dの平面状出射面2側の表面に反射防止コーティング処理を行うと、励起光の吸収効率及び光取出し効率を高めやすい。
さらに、第4の実施形態に係る波長変換体1Dは、平面状出射面2側の表面に、図示しないが、溝状の空隙である表面クラックが形成されていてもよい。ここで、表面クラックとは、例えば幅10μm以上かつ深さ1μm以上の溝である。
なお、第2の実施形態に係る波長変換体1Bでは、内部クラック46は、波長変換体1Bの内部の中実部44に形成される。これに対し、第4の実施形態に係る波長変換体1Dでは、表面クラックは、平面状出射面2側の表面に形成される。このように、表面クラックと内部クラック46とは、形成される場所が異なるため、区別が可能である。
第4の実施形態の表面クラックは、意図的に形成したものでなく、第2の実施形態の内部クラック46と同様に、通常、波長変換体1Dの製造において、波長変換体1Dの原料を加熱乾燥させる際の前記原料の熱膨張、収縮により発生すると考えられる。このため、波長変換体1Dでは、製造条件を最適化することにより、表面クラックの生成を抑制することが可能であると考えられる。
なお、表面クラックは、その形状、大きさや、ピッチ等の存在頻度に鑑みると、可視光を散乱させる作用は小さく、可視光を透過・反射する作用が大きいと考えられる。このため、表面クラックが存在しても、波長変換体1D及び波長変換部材100Dに本発明で得られる光学的な効果を打ち消すほどの悪影響を与えることはないと考えられる。
図14は、図13に示す断面の平面状出射面2を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真の一例である。図14に示すように、波長変換体1Dの平面状出射面2には、平坦面4が形成される。
<第4の実施形態に係る波長変換体及び波長変換部材の作用>
波長変換体1D及び波長変換部材100Dの作用は、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aと同様の作用を示す。
また、波長変換体1D及び波長変換部材100Dは、平面状出射面2が平坦面4を有するため、励起光の吸収効率を高めやすい。
<第4の実施形態に係る波長変換体及び波長変換部材の効果>
波長変換体1D及び波長変換部材100Dの効果は、第1の実施形態に係る波長変換体1A及び波長変換部材100Aと同様の効果を奏する。
また、波長変換体1D及び波長変換部材100Dは、平面状出射面2が平坦面4を有するため、励起光の吸収効率を高めやすい。このため、波長変換体1Dを備えた波長変換部材100Dは、プロジェクタ等の用途に有用である。
[変形例]
波長変換体の変形例として、上記第1〜第4の実施形態に係る波長変換体1A、1B、1C及び1Dのそれぞれの特徴を組み合わせた構造の波長変換体を用いることができる。この変形例の作用・効果は、それぞれの波長変換体の特徴に基づく作用・効果の組み合わせとなる。
また、波長変換部材の変形例として、上記第1〜第4の実施形態に係る波長変換部材100A、100B、100C及び100Dのそれぞれの特徴を組み合わせた構造の波長変換部材を用いることができる。この変形例の作用・効果は、それぞれの波長変換部材の特徴に基づく作用・効果の組み合わせとなる。
上記第1〜第4の実施形態に係る波長変換部材100(100A、100B、100C及び100D)では、1個の基板80の表面上に、1個の波長変換体1(1A、1B、1C及び1D)が設けられる例を示した。しかし、波長変換部材100の変形例として、1個の基板80の表面上に2個以上の波長変換体1が設けられた構造の波長変換部材を用いることができる。この変形例によれば、1個の基板80の表面上に波長変換特性の異なる波長変換体1を複数個形成することができる。
[発光装置]
上記第1〜第4の実施形態に係る波長変換体又は波長変換部材と、波長変換体に適切な励起光を照射する励起源とを用いると、白色光を得る発光装置が得られる。励起源としては、公知のものを用いることができる。
以下、本実施形態を実施例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(混合溶液の調製)
はじめに、蛍光体粒子として、平均粒径D50が約20.5μmのYAG粒子(株式会社ネモト・ルミマテリアルズ製YAG462E205)を用意した。また、ナノ粒子として、平均粒径D50が約20nmの酸化アルミニウムのナノ粒子が分散された水溶液(CIKナノテック株式会社製ALW10WT−G0)を用意した。次に、上記ナノ粒子が分散された水溶液に上記YAG粒子を添加、混練して、ナノ粒子混合溶液(ナノ粒子混合溶液No.1)を作製した。
(ナノ粒子混合溶液の塗布)
アルミニウムからなる金属基板上にテープを貼付して段差を形成し、段差で囲われた部分にナノ粒子混合溶液を滴下し、バーコータを具備したアプリケータを用いてナノ粒子混合溶液No.1を塗布した。
(波長変換体の形成)
ナノ粒子混合溶液No.1が塗布された金属基板を常温で乾燥したところ、金属基板上に膜厚100μmの乾燥体が得られた。この乾燥体は、YAG粒子と、酸化アルミニウムのナノ粒子が複数個固着したナノ粒子固着体からなり隣接するYAG粒子同士をナノ粒子固着体で固着するバインダ層と、を有する波長変換体(波長変換体No.1)になっていた。これにより、金属基板上に厚さ100μmの膜状の波長変換体No.1が形成された波長変換部材(波長変換部材No.1)が得られた。
(評価)
<顕微鏡観察>
波長変換体No.1の破断面を走査型電子顕微鏡(SEM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。図4は、実施例1に係る波長変換体No.1の破断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真の一例である。図5は、図4の部分Bの透過型電子顕微鏡(TEM)写真の一例である。図6は、実施例1に係る波長変換体No.1の原料である蛍光体粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真の一例である。
図4に示すように、YAG粒子(蛍光体粒子)10の表面及びYAG粒子10間にはバインダ層20が形成され、隣接するYAG粒子10同士がバインダ層20で固着されることにより、波長変換体1(波長変換体No.1)が形成されている。バインダ層20は、酸化アルミニウムのナノ粒子が複数個固着したナノ粒子固着体からなる。
バインダ層20が形成されていないYAG粒子10のSEM写真を図6に示す。図6は、ナノ粒子が分散された水溶液と混合するために用いたYAG粒子である。図6に示すように、バインダ層20が形成されていないYAG粒子10では、隣接するYAG粒子10間に空隙15が形成されており、隣接するYAG粒子10同士は固着されていない。
図4に示すように、波長変換体1(波長変換体No.1)では、図6に示す個々のYAG粒子10の表面が酸化アルミニウムのナノ粒子固着体からなるバインダ層20で被覆されるとともに、YAG粒子10間に上記バインダ層20が介在する。ただし、隣接するYAG粒子10間はバインダ層20で隙間なく充填されるものでなく、バインダ層20の一部に空隙25が形成されている。
図5は、図4のバインダ層20の部分Bの透過型電子顕微鏡(TEM)写真の一例である。図5は、図4の部分Bを拡大して観察したものである。図5に示すように、バインダ層20は、酸化アルミニウムのナノ粒子21が複数個固着したナノ粒子固着体からなっている。また、図5より、ナノ粒子固着体からなるバインダ層20には直径が15nm、5nm程度のナノ空隙27が形成されていることが分かる。これらのナノ空隙27は、ナノ粒子21が複数個固着してナノ粒子固着体からなるバインダ層20を形成した際にナノ粒子21間に残存した空隙と考えられる。
<バインダ層のナノ空隙評価>
波長変換体No.1のナノ空隙27の孔径を測定した。ナノ空隙27の孔径は、カンタクローム社製のオートソーブ(登録商標)−3を用いた窒素吸着法により測定した。結果を図7に示す。図7より、波長変換体No.1の内部に孔径100Å(10nm)程度のナノ空隙27が存在することが分かった。
<波長変換体へのレーザー光照射試験>
波長変換部材No.1を金属製のヒートシンクに貼り付けた。そして、中心波長λが450nmのレーザー光を波長変換体No.1の表面側から照射したときの、波長変換体の表面の温度をサーモビューワで測定した。レーザー光源のパワーは3.5W、レーザー光の入射角度は45°、レーザー光の照射時間は60秒間とした。表1に、波長変換体の表面の温度の測定結果を示す。
[実施例2]
ナノ粒子混合溶液No.1に代えて、酸化アルミニウムのナノ粒子固形分濃度が実施例1のナノ粒子混合溶液の1.3倍であるナノ粒子混合溶液(ナノ粒子混合溶液No.2を用いた以外は、実施例1と同様にして、波長変換部材(波長変換部材No.2)を得た。
[実施例3]
実施例1で得られたナノ粒子混合溶液No.1に、平均粒径D50が約10μmの窒化ホウ素粒子(昭和電工株式会社製ショウビーエヌ)をYAG粒子100質量部に対して5質量部添加し、混練してナノ粒子混合溶液No.3を得た。ナノ粒子混合溶液No.1に代えて、ナノ粒子混合溶液No.3を用いた以外は、実施例1と同様にして、波長変換部材(波長変換部材No.3)を得た。
[実施例4]
実施例1で得られた波長変換部材NO.1の金属基板に工具で曲げ応力を加えることにより、金属基板と波長変換体No.1とを意図的に剥離させた。剥離した波長変換体No.1の表裏面を反転し、剥離面が、金属基板と反対側の新たな表面(平面状出射面)になるように波長変換体No.1と金属基板とを再固着した。これにより、金属基板と波長変換体No.4を含む波長変換部材(波長変換部材No.4)が得られた。
得られた波長変換部材No.4について、波長変換体No.4の表面形状を分析した。
<表面形状分析>
波長変換体No.4の表面を、触針式段差計(ブルカー社製DEKTAK)により、2mmのスキャン距離を10回測定した。これにより、波長変換体No.4の表面に、Ra≦0.15μmかつRz≦0.3μmである平坦面と、溝幅10mm以上かつ深さ1mm以上である凹部の2つの領域が存在していることが分かった。なお、Raは2mmスキャンを10回実施し、1軸データのうち平坦面が占める割合の10回分の測定値の平均値とした。
[比較例1]
ナノ粒子混合溶液に代えてシリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製二液型RTVシリコーンゴムKE106)を用いた以外は、実施例1と同様にして、金属基板上に厚さ100μmの膜状の波長変換体が形成された波長変換部材を得た。この波長変換部材の波長変換体は、YAG粒子と、シリコーン樹脂からなり隣接するYAG粒子同士をシリコーン樹脂で接着するバインダ層と、を有するものになっていた。
得られた波長変換体を用い、実施例1と同様にして、レーザー光照射試験を行った。なお、レーザー光照射試験では、試験の最中にバインダ層が燃焼した。結果を表1に示す。表1より、実施例1の波長変換体は、比較例1の波長変換体に比較して耐熱性及び放熱性が高いことが分かった。
[実施例5]<ZnOゾルゲル溶液とZnOナノ粒子とを含む混合液を用いた波長変換体の作製>
(混合液の調製)
はじめに、平均粒径D50が約20μmのYAG蛍光体粉末を用意した。なお、YAG蛍光体粉体はオーソドックスな固相反応によって合成されたものである。また、酢酸亜鉛2水和物をメタノールに分散させることで酢酸亜鉛が10質量%含まれるゾルゲル溶液を得た。その後、YAG蛍光体粉末1.0gと、ゾルゲル溶液0.5gと、平均粒径20nmの酸化亜鉛ナノ粒子が30質量%分散された懸濁液0.5gと、を混合して混合液(混合液No.5)を得た。
(無機波長変換体の作製)
アルミニウム合金からなる、縦20mm、横20mm、厚さ0.5mmの金属基板を複数枚連続的に並べ、各金属基板の周囲にカプトンテープ(厚さ0.1mm)を貼付し、段差を設けた。各金属基板の段差で囲まれた部分に、混合液No.5を滴下して波長変換体を作製した。具体的には、段差で囲まれた部分に、アプリケータを用いてバーコートにより混合液No.5を塗布し、ホットプレートにより100℃、1時間で溶媒を乾燥させた後、乾燥炉を用い350℃で5時間加熱した。これにより、金属基板上に無機波長変換体(波長変換体No.5)が形成された波長変換部材(波長変換部材No.5)が得られた。波長変換体No.5の厚さは、カプトンテープの厚みと同一であった。蛍光体粒子10間を繋ぐバインダ層を構成するナノ粒子の平均粒径は10〜20nmであった。
得られた波長変換部材No.5を構成する波長変換体No.5について、実施例1と同様にして、波長変換体No.5の破断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。波長変換体No.5の破断面には、図9に示されるような内部クラック46が少数観察された。
[実施例6]<ナノ粒子を含まないZnOゾルゲル溶液を用いた波長変換体の作製>
(混合液の調製)
はじめに、平均粒径D50が約20μmのYAG蛍光体粉末を用意した。なお、YAG蛍光体粉体はオーソドックスな固相反応によって合成されたものである。また、酢酸亜鉛2水和物をメタノールに分散させることで酢酸亜鉛が10質量%含まれるゾルゲル溶液を得た。その後、上記YAG蛍光体粉末1.0gと上記ゾルゲル溶液0.5gとを混合して混合液(混合液No.6)を得た。
(無機波長変換体の作製)
アルミニウム合金からなる、縦20mm、横20mm、厚さ0.5mmの金属基板を複数枚連続的に並べ、各金属基板の周囲にカプトンテープ(厚さ0.1mm)を貼付し、段差を設けた。各金属基板の段差で囲まれた部分に、混合液No.6を滴下して波長変換体を作製した。具体的には、段差で囲まれた部分に、アプリケータを用いてバーコートにより混合液No.6を塗布し、ホットプレートにより100℃、1時間で溶媒を乾燥させた後、乾燥炉を用い350℃で5時間加熱した。これにより、金属基板上に無機波長変換体(波長変換体No.6)が形成された波長変換部材(波長変換部材No.6)が得られた。波長変換体No.6の厚さは、カプトンテープの厚みと同一であった。蛍光体粒子10間を繋ぐバインダ層を構成するナノ粒子の平均粒径は10nm未満であった。
得られた波長変換部材No.6を構成する波長変換体No.6について、実施例1と同様にして、波長変換体No.6の破断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。波長変換体No.6の破断面には、図9に示されるような内部クラック46が多数観察された。
(実施例5と実施例6との比較)
SEM観察により、実施例5の波長変換体No.5は、実施例6の波長変換体No.6に比較して、内部クラックの発生量が少ないことが分かった。なお、蛍光体粒子10間を繋ぐバインダ層を構成するナノ粒子の粒径は、実施例6の波長変換体No.6のほうが実施例5の波長変換体No.5よりも小さい。このため、蛍光体粒子10間を繋ぐバインダ層を構成する粒子の大きさが小さすぎると、内部クラックが多く発生すると考えられる。
内部クラックは、原料である混合液から波長変換体を作製するときの乾燥や焼成時に生じる内部応力により生成すると考えられる。このため、バインダ層を構成するナノ粒子の粒径が小さすぎると蛍光体粒子10間の空隙量が低下して、内部クラックの発生が増加すると考えられる。
上記のように、蛍光体間を保持するバインダ層を構成するナノ粒子の粒径を平均粒径10nm以上とすることにより、内部クラックの発生が抑制されることが分かった。
特願2015−242020号(出願日:2015年12月11日)の全内容は、ここに援用される。
以上、実施例に沿って本実施形態の内容を説明したが、本実施形態はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
本発明の波長変換体、波長変換部材及び発光装置は、ハイパワーの励起光が照射された場合でも耐熱性及び放熱性に優れ、かつ生産性に優れる。
1、1A、1B、1C、1D 波長変換体
2 平面状出射面
3 凹凸面
4 平坦面
10 蛍光体粒子(YAG粒子)
15 空隙
20 バインダ層
21 ナノ粒子
23 ナノ粒子固着体
25 空隙
27 ナノ空隙(微小空隙)
30 ナノ粒子被覆蛍光体粒子
40 蛍光体粒子囲繞領域
44 中実部
45 バインダ内空孔
46 クラック
50 高放熱部
80 基板
100、100A、100B、100C、100D 波長変換部材

Claims (11)

  1. 複数個の蛍光体粒子と、
    平均粒径D50が10nm以上50nm未満のナノ粒子が複数個分子間力で固着したナノ粒子固着体からなり、隣接する前記蛍光体粒子同士を固着させるバインダ層と、
    を備え
    前記波長変換体は表面に平面状出射面を有し、この平面状出射面の少なくとも一部はRa≦0.15μmかつRz≦0.3μmを満たす平坦面になっており、
    前記平坦面は、前記平面状出射面の面積に対する占有率が36%以上65.5%以下であることを特徴とする波長変換体。
  2. 前記蛍光体粒子は、大気中1200℃以上での蛍光体粒子の焼成後の輝度を大気中1200℃以上での蛍光体粒子の焼成前の輝度で除して得られる輝度維持率が80%以下の蛍光体粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の波長変換体。
  3. 前記バインダ層は、内部に孔径0.3μm未満の空隙であるナノ空隙を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の波長変換体。
  4. 前記バインダ層を介して固着された前記蛍光体粒子に囲まれた蛍光体粒子囲繞領域の少なくとも一部は、前記バインダ層中の孔径0.3μm以上の空隙であるバインダ内空孔を含まないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の波長変換体。
  5. 前記バインダ内空孔を39体積%以下の割合で含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の波長変換体。
  6. 隣接する前記バインダ層間に、25℃での熱伝導率が前記ナノ粒子よりも高い材質からなりかつ粒径1μm以上である高放熱部がさらに含まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の波長変換体。
  7. 前記高放熱部は、25℃での熱伝導率が10W/m・K以上であることを特徴とする請求項6に記載の波長変換体。
  8. 前記高放熱部は、一方の前記蛍光体粒子の表面に形成されたバインダ層と、他方の前記蛍光体粒子の表面に形成されたバインダ層と、の間に介在することを特徴とする請求項6又は7に記載の波長変換体。
  9. 基板と、
    この基板上に形成された請求項1〜のいずれか1項に記載の波長変換体と、を備えることを特徴とする波長変換部材。
  10. 1個の前記基板の表面上に1個の前記波長変換体が設けられることを特徴とする請求項に記載の波長変換部材。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の波長変換体、又は請求項もしくは10に記載の波長変換部材を用いて白色光を得ることを特徴とする発光装置。
JP2017554926A 2015-12-11 2016-12-09 波長変換体、波長変換部材及び発光装置 Expired - Fee Related JP6688973B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015242020 2015-12-11
JP2015242020 2015-12-11
PCT/JP2016/005090 WO2017098730A1 (ja) 2015-12-11 2016-12-09 波長変換体、波長変換部材及び発光装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017098730A1 JPWO2017098730A1 (ja) 2018-10-04
JP6688973B2 true JP6688973B2 (ja) 2020-04-28

Family

ID=59013898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017554926A Expired - Fee Related JP6688973B2 (ja) 2015-12-11 2016-12-09 波長変換体、波長変換部材及び発光装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20200255729A1 (ja)
EP (1) EP3389100A4 (ja)
JP (1) JP6688973B2 (ja)
CN (1) CN108369982A (ja)
WO (1) WO2017098730A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10707385B2 (en) * 2016-01-22 2020-07-07 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Wavelength conversion member and light-emitting device
WO2018154868A1 (ja) * 2017-02-27 2018-08-30 パナソニックIpマネジメント株式会社 波長変換部材
US10920139B2 (en) 2017-06-30 2021-02-16 Sharp Kabushiki Kaisha Phosphor layer composition, phosphor member, light source device, and projection device
CN109424860B (zh) 2017-08-31 2023-05-02 日亚化学工业株式会社 荧光部件、光学零件及发光装置
JP6627914B2 (ja) * 2017-08-31 2020-01-08 日亜化学工業株式会社 蛍光部材、光学部品、及び発光装置
US20210210660A1 (en) * 2018-05-31 2021-07-08 Sharp Kabushiki Kaisha Wavelength conversion element and light source device
JP7170235B2 (ja) * 2018-07-19 2022-11-14 パナソニックIpマネジメント株式会社 波長変換部材
JP7161100B2 (ja) * 2018-09-25 2022-10-26 日亜化学工業株式会社 発光装置及びその製造方法
DE112019006269T5 (de) * 2018-12-18 2021-10-14 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Wellenlängenumwandlungselement, optische Vorrichtung, Projektor und Herstellungsverfahren für ein Wellenlängenumwandlungselement
US20220187519A1 (en) * 2019-04-18 2022-06-16 Nippon Electric Glass Co., Ltd. Wavelength conversion member, production method therefor, and light-emitting device
CN113544236A (zh) * 2019-04-18 2021-10-22 日本电气硝子株式会社 波长转换部件及其制造方法、以及发光装置
US11923482B2 (en) * 2020-09-29 2024-03-05 Lumileds Llc Ultra-thin phosphor layers partially filled with Si-based binders
WO2023122014A1 (en) * 2021-12-20 2023-06-29 Raytheon Technologies Corporation Particle enhancement of ceramic matrix composites, method of manufacture thereof and articles comprising the same
JP2023124190A (ja) * 2022-02-25 2023-09-06 日本特殊陶業株式会社 波長変換部材、および発光装置

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63289087A (ja) * 1987-05-21 1988-11-25 Nichia Chem Ind Ltd 結着剤付螢光体及びその製造方法
US7550777B2 (en) * 2003-01-10 2009-06-23 Toyoda Gosei, Co., Ltd. Light emitting device including adhesion layer
JP4418685B2 (ja) * 2003-01-10 2010-02-17 豊田合成株式会社 発光デバイス
JP5274211B2 (ja) * 2008-11-13 2013-08-28 スタンレー電気株式会社 色変換発光装置
WO2012124587A1 (ja) * 2011-03-16 2012-09-20 シャープ株式会社 波長変換部材およびその製造方法、ならびに、発光装置、照明装置および前照灯
JP6069890B2 (ja) * 2012-05-29 2017-02-01 日亜化学工業株式会社 波長変換用無機成形体及び発光装置
CN103367611B (zh) * 2012-03-28 2017-08-08 日亚化学工业株式会社 波长变换用无机成型体及其制造方法以及发光装置
WO2013175773A1 (ja) * 2012-05-22 2013-11-28 パナソニック株式会社 波長変換素子およびその製造方法ならびに波長変換素子を用いたled素子および半導体レーザ発光装置
JP2014029928A (ja) * 2012-07-31 2014-02-13 Sharp Corp 蛍光体基板、及びそれを用いた発光デバイス、表示装置、照明装置、および太陽電池モジュール。
DE102012220980A1 (de) * 2012-11-16 2014-05-22 Osram Gmbh Optoelektronisches halbleiterbauelement
JP2014201726A (ja) * 2013-04-09 2014-10-27 スタンレー電気株式会社 セラミック蛍光体、その製造方法及び発光装置
CN103487857A (zh) * 2013-10-11 2014-01-01 张家港康得新光电材料有限公司 量子点薄膜及背光模组
EP3063250B1 (en) * 2013-11-01 2018-08-01 Merck Patent GmbH Silicate phosphors
JP2015142011A (ja) * 2014-01-29 2015-08-03 スタンレー電気株式会社 半導体発光装置およびその製造方法
JP2015192100A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 豊田合成株式会社 発光素子および発光素子の製造方法
JP6688976B2 (ja) * 2016-04-12 2020-04-28 パナソニックIpマネジメント株式会社 波長変換部材
WO2018154868A1 (ja) * 2017-02-27 2018-08-30 パナソニックIpマネジメント株式会社 波長変換部材

Also Published As

Publication number Publication date
CN108369982A (zh) 2018-08-03
EP3389100A1 (en) 2018-10-17
JPWO2017098730A1 (ja) 2018-10-04
WO2017098730A1 (ja) 2017-06-15
EP3389100A4 (en) 2019-01-09
US20200255729A1 (en) 2020-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6688973B2 (ja) 波長変換体、波長変換部材及び発光装置
WO2017179521A1 (ja) 波長変換部材
JP6731651B2 (ja) 波長変換部材
JP6288575B2 (ja) 発光装置
JP6019842B2 (ja) 波長変換部材の製造方法、波長変換部材及び発光デバイス
CN105732118A (zh) 漫反射材料、漫反射层、波长转换装置以及光源系统
US20210175394A1 (en) Wavelength converter
TW201214634A (en) Ceramic substrate for installing light-emitting component and light-emitting device
JP2018178111A (ja) 波長変換部材およびその製造方法
KR102268693B1 (ko) 파장 변환 부재
TWI760541B (zh) 波長轉換構件及發光裝置
US20190341530A1 (en) Wavelength converter and wavelength conversion member
JP6775429B2 (ja) 波長変換部材の製造方法
CN114556599A (zh) 波长转换部件、发光元件和发光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180510

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180510

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190611

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191001

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200318

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6688973

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees