JP2023124190A - 波長変換部材、および発光装置 - Google Patents

波長変換部材、および発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光源光の高エネルギー化に対して優れた耐久性を有する波長変換部材、および発光装置を提供する。
【解決手段】波長変換部材10であって、基材12と、前記基材12に設けられ、蛍光体粒子16と、前記蛍光体粒子16同士および前記基材12と前記蛍光体粒子16とを結合する透光性セラミックス18と、により形成され、空隙20を有する蛍光体層14と、を備え、前記空隙20は、前記基材12に垂直な断面において、アスペクト比1:3以上の亀裂22を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、波長変換部材、および発光装置に関する。
発光素子であるLED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)等の光源から照射された光を、蛍光体層により異なる波長の変換光として放出する波長変換部材を用いた発光装置が知られている。近年では、エネルギー効率が高く、小型化、高出力化に対応しやすいLDを光源として用いたアプリケーションが増えている。
蛍光体層は、エポキシやシリコーンなどに代表される樹脂に蛍光体粒子を分散させて配置したものが知られているが、LDは局所的に高いエネルギーの光を照射することから、発熱を原因とする樹脂の変質・劣化により発光装置として性能低下することが考えられる。
このような波長変換部材の耐熱性を向上させるため、特許文献1では、粒子状の蛍光体材料と、バインダとを含み、バインダは加水分解あるいは酸化により酸化物となる酸化物前駆体、ケイ酸化合物、シリカ、及び、アモルファスシリカからなる群のうち少なくとも1種を含むバインダ原料を、常温で反応させるか、または、500℃以下の温度で熱処理することにより得られる波長変換部材が開示されている。
特開2015-038960号公報
特許文献1に記載の波長変換部材では、蛍光体層を構成するバインダとして無機バインダを使用することにより、光源の高出力化に対応しやすくなった。
しかしながら、光源の高出力化が進むと、波長変換部材(蛍光体層)の発熱・蓄熱による特性の低下や、蛍光体層と蛍光体層を保持する基材とが剥離してしまうなど、波長変換部材として寿命が短くなってしまう場合や、破壊の虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、光源光の高エネルギー化に対して優れた耐久性を有する波長変換部材、および発光装置を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の波長変換部材は、波長変換部材であって、基材と、前記基材に設けられ、蛍光体粒子と、前記蛍光体粒子同士および前記基材と前記蛍光体粒子とを結合する透光性セラミックスと、により形成され、空隙を有する蛍光体層と、を備え、前記空隙は、前記基材に垂直な断面において、アスペクト比1:3以上の亀裂を含むことを特徴としている。
このように、蛍光体層の空隙が、基材に垂直な断面において、アスペクト比1:3以上の亀裂を含むことで、蛍光体層の蓄熱により発生する熱応力が空隙および亀裂により緩和され、光源光の高エネルギー化に対して優れた耐久性を有する波長変換部材とすることができる。
(2)また、本発明の波長変換部材において、前記亀裂は、幅が5μm以下であることを特徴としている。
このように、亀裂の幅が5μm以下と小さいため蛍光体層における発光特性に悪影響を与える虞を低減しつつ、蛍光体層の蓄熱により発生する応力を緩和することができる。
(3)また、本発明の波長変換部材において、前記亀裂は、前記基材に垂直な任意の断面SEM画像の15μm×30μmの視野において、面積比率が5%以上10%以下であることを特徴としている。
このように、基材に垂直な任意の断面SEM画像の15μm×30μmの視野において、亀裂の面積比率が5%以上10%以下であることで、亀裂を起点とする蛍光体層の割れや基材からの剥離の虞を低減でき、蛍光体層の強度を保ちつつ、光源光の高エネルギー化に対応できる。
(4)また、本発明の波長変換部材において、前記空隙は、前記基材に垂直な任意の断面SEM画像の15μm×30μmの視野において、前記亀裂を除いた面積比率が5%以上15%以下であることを特徴としている。
このように、基材に垂直な任意の断面SEM画像の15μm×30μmの視野において、亀裂を除いた空隙の空隙率が5%以上15%以下であることで、高エネルギーの光源光が照射されたときに、蛍光体層の蓄熱により発生する熱応力により亀裂が伸展してしまった場合であっても、亀裂の伸展を空隙で止めることができる。また、光源光が高エネルギー化されても、光源光の抜け量を適切な範囲に収めることができる。
(5)また、本発明の発光装置は、発光装置であって、特定範囲の波長の光を発する発光素子と、上記(1)から(4)のいずれかに記載の波長変換部材と、を備えることを特徴としている。
このように、蛍光体層を構成する透光性セラミックスに亀裂を有している波長変換部材を発光装置に用いることで、LDをはじめとする発光素子の高出力に対応できる発光装置とすることができる。このような発光装置は、レーザ照明、ヘッドライト、レーザプロジェクタなどに用いることができる。
本発明によれば、光源光の高エネルギー化に対して優れた耐久性を有する波長変換部材とすることができる。
本発明の実施形態に係る波長変換部材の断面構造の一例を示す断面図である。 (a)~(c)、それぞれ本発明の実施形態に係る亀裂の長さおよび幅の測定方法を説明するための模式図である。 (a)、(b)、それぞれ本発明の実施形態に係る発光装置の一例の一部を示す概念図である。 本発明の実施形態に係る波長変換部材の製造方法の一例を示すフローチャートである。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。なお、構成図において、各構成要素の大きさは概念的に表したものであり、必ずしも実際の寸法比率を表すものではない。
[波長変換部材の構成]
図1は、本実施形態に係る波長変換部材10の断面構造の一例を示す断面図である。本実施形態の波長変換部材10は、基材12上に蛍光体層14が形成されている。波長変換部材10は、光源から照射された入射光を透過または反射させつつ、入射光により励起して波長の異なる光を発生させる。例えば、青色の入射光を透過または反射させつつ、蛍光体層14で緑色、赤色、黄色等に波長変換した光を放射させて、変換光と入射光を合わせて、または、変換光のみを利用し、様々な色の光に変換できる。
基材12の形状は、発光装置40に適用可能な形状であればよく、円形状、矩形状、楕円形状、多角形状など様々な形状であってよい。
基材12の材料は使用用途に合わせて適宜選択される。発光素子からの励起光を透過させる用途で使用する場合には、サファイアやガラス等の無機材料を用いることができる。高い熱伝導率を有するサファイアを用いることが特に好ましく、蛍光体層14の蓄熱を抑えることで温度上昇による蛍光体粒子16の特性低下を抑制できる。また、発光素子からの励起光を反射させる用途で使用する場合は、アルミニウム、鉄、銅等やセラミックスを用いることができる。特に、高い熱伝導率を有するとともに可視光の全領域において高い反射率を有するアルミニウムを用いることが好ましく、蛍光体層14の蓄熱を抑えることで温度上昇による蛍光体粒子16の特性低下を抑制できる。また、蛍光体層14側の基材12表面である主面13に、銀などの光を反射する材料をメッキや蒸着等により設けることで反射層を形成してもよく、TiOなどの増反射膜を形成してもよい。
蛍光体層14は、基材12上に膜として設けられ、蛍光体粒子16および透光性セラミックス18により形成されており、空隙20を有する。透光性セラミックス18は、蛍光体粒子16同士を結合するとともに蛍光体粒子16と基材12とを結合している。これにより、高エネルギー密度の光の照射に対して、放熱材として機能する基材12と接合しているため効率よく放熱でき、蛍光体の温度消光を抑制できる。蛍光体層14の厚みは、15μm以上300μm以下であることが好ましく、50μm以上200μm以下であることがより好ましい。
蛍光体粒子16は、例えばイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(YAG系蛍光体)およびルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(LAG系蛍光体)を用いることができる。その他、蛍光体粒子16は、発光させる色の設計に応じて以下のような材料から選択できる。例えば、BaMgAl1017:Eu、ZnS:Ag,Cl、BaAl:EuあるいはCaMgSi:Euなどの青色系蛍光体、ZnSiO:Mn、(Y,Gd)BO:Tb、ZnS:Cu,Al、(M1)SiO:Eu、(M1)(M2)S:Eu、(M3)Al12:Ce、SiAlON:Eu、CaSiAlON:Eu、(M1)SiN:Euあるいは(Ba,Sr,Mg)SiO:Eu,Mnなどの黄色または緑色系蛍光体、(M1)SiO:Euあるいは(M1)S:Euなどの黄色、橙色または赤色系蛍光体、(Y,Gd)BO:Eu,YS:Eu、(M1)Si:Eu、(M1)AlSiN:EuあるいはYPVO:Euなどの赤色系蛍光体が挙げられる。なお、上記化学式において、M1は、Ba,Ca,SrおよびMgからなる群のうちの少なくとも1つが含まれ、M2は、GaおよびAlのうちの少なくとも1つが含まれ、M3は、Y,Gd,LuおよびTeからなる群のうち少なくとも1つが含まれる。なお、上記の蛍光体粒子16は一例であり、波長変換部材10に用いられる蛍光体粒子16が必ずしも上記に限られるわけではない。
蛍光体粒子16の平均粒子径は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、7μm以上30μm以下であることがより好ましい。5μm以上である場合、変換光の発光強度が大きくなり、ひいては波長変換部材10の発光強度が大きくなる。また、50μm以下である場合、蛍光体層14の厚みの調整が容易となり、蛍光体粒子16の脱粒のリスクを低減できる。また、個々の蛍光体粒子16の温度を低く維持でき、温度消光を抑制できる。なお、本明細書において平均粒子径とは、メジアン径(D50)である。平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置の乾式測定または湿式測定を用いて計測することができる。
透光性セラミックス18は、無機バインダが加水分解または酸化されて形成されたものであり、透光性を有する無機材料により構成されている。透光性セラミックス18は、例えば、シリカ(SiO)、リン酸アルミニウムから構成される。また、透光性セラミックス18は透光性を有するので、光源光(入射光)や変換光を透過させることができる。透光性セラミックス18は無機材料からなるので、耐熱性が向上し、LDなどの高エネルギー光を照射する用途であっても変質が起こりにくい。
無機バインダとしては、例えば、エチルシリケート、リン酸アルミニウム水溶液等を用いることができる。
なお、透光性を有する物質とは、0.5mmの対象物質に対して、可視光の波長領域(λ=380~780nm)で光を垂直に入射したとき、反対側から抜けた光の放射束が入射光の80%を超える特性を有する物質をいう。
空隙20は、蛍光体粒子16および透光性セラミックス18の間に形成される。空隙20は、基材12に垂直な任意の断面のSEM画像において、アスペクト比1:3以上の亀裂22を含む。図2(a)~(c)は、亀裂の長さおよび幅の測定方法を説明するための模式図である。図2(a)に示すように、亀裂22の長さは、亀裂の長手方向における先端同士を直線で結んだ長さである。また、亀裂22の幅は、亀裂の長手方向に垂直な方向(短手方向)における長さの最大値である。亀裂22は、幅が5μm以下であることが好ましい。これにより、光源光がそのまま透過する虞が低減されるので、蛍光体層における発光特性に悪影響を与える虞を低減しつつ、蛍光体層の蓄熱により発生する応力を緩和することができる。
また、図2(b)に示すように、他の亀裂22と繋がることで一方の先端がなくなった場合には、他の亀裂22との接合面の中央と、亀裂22の先端とを直線で結んだ長さを亀裂22の長さとする。図2(c)に示すように、蛍光体層の表面と繋がった場合には、蛍光体層の表面と亀裂の外表面との接点同士を直線で結んだ線の中央と、亀裂22の先端とを直線で結んだ線を亀裂22の長さとする。
基材12に垂直な任意の断面SEM画像の15μm×30μmの視野において、幅が5μm以下の亀裂22の面積比率は、5%以上10%以下であることが好ましい。これにより、亀裂22を起点とする蛍光体層14の割れや基材12からの剥離の虞を低減でき、蛍光体層14の強度を保ちつつ、光源光の高エネルギー化に対応できる。亀裂22の面積比率は、後述する熱処理工程における昇温速度を上げることで増える傾向にある。
基材12に垂直な任意の断面SEM画像の15μm×30μmの視野において、幅が5μm以下の亀裂22を除いた空隙20の面積比率は、5%以上15%以下であることが好ましい。これにより、高エネルギーの光源光が照射されたときに、蛍光体層14の蓄熱により発生する熱応力により亀裂22が伸展してしまった場合であっても。亀裂22の伸展を空隙20で止めることができる。また、光源光が高エネルギー化されても、光源光の抜け量を適切な範囲に収めることができる。空隙20の面積比率は、蛍光体ペースト中の溶剤や無機バインダの添加比率を調整することで所定の範囲内に収めることが可能である。
また、蛍光体層14は、蛍光体粒子16および透光性セラミックス18の他に無機粒子を含んでもよい。無機粒子を混合する場合には、様々な目的にかなった無機粒子を混合できる。例えば、蛍光体ペーストの粘度を調整する目的、蛍光体ペーストの蛍光体粒子の密度を調整する目的、蛍光体層で光を散乱させる目的、蛍光体層の熱伝導率をよくする目的、蛍光体層の空隙を減少させる目的等が挙げられる。無機粒子の平均粒子径は、蛍光体層14に含まれる蛍光体粒子の平均粒子径と同等または小さいことが好ましい。
空隙および亀裂の面積比率の確認は、2000倍の倍率で基材12に垂直な任意の断面SEM画像を撮影し、得られたSEM画像に対して2値化などの画像解析を行なうことにより確認することができる。このとき、面積比率を算出する際に用いる画像は、蛍光体層の全体的な値となるように、無作為に5視野確認した値の平均値とすることが好ましい。また、蛍光体層における複数個所の断面画像(例えば5箇所)を取得することが好ましい。
[発光装置の構成]
図3(a)、(b)は、それぞれ本発明の透過型および反射型の発光装置を表す模式図である。発光装置40は、光源50と波長変換部材10を備える。光源50は、特定範囲の波長の光源光を発生させる発光素子であり、例えば、LEDや、LDなどを用いることができる。波長変換部材10はハイパワーでも効率よく波長変換させることができるので、光源50はLDであることが好ましい。
[波長変換部材の製造方法]
波長変換部材の製造方法の一例を説明する。図4は、本発明の波長変換部材の製造方法を示すフローチャートである。最初に、目的の用途に応じて、所定の形状に形成された基材12を作製する(ステップS1)。
基材12とは別に、蛍光体粒子16と無機バインダとを混合して蛍光体ペーストを作製する(ステップS2)。蛍光体ペーストの作製は、まず、所定の平均粒子径を有する蛍光体粒子を準備する。蛍光体粒子16は、波長変換部材10の設計に応じて、様々なものを用いることができ、2種類以上を使用してもよい。次に、準備した蛍光体粒子16を秤量し、溶剤に分散させ、無機バインダと混合し、印刷用の蛍光体ペーストを作製する。このとき、空隙や亀裂の面積比率を所定の範囲とするため、溶剤や無機バインダの添加比率を調整する。具体的には、溶剤や無機バインダの種類や濃度によっても異なるが、例えば、作製される蛍光体層におけるバインダ体積を蛍光体粒子に対して60%以下となる程度に下げることで空隙や亀裂の面積比率が大きくなる。混合にはボールミルやプロペラ撹拌などを用いることができる。混合時間は、ボールミルの場合、3分以上30分以下であることが好ましい。プロペラ撹拌の場合、5分以上120分以下であることが好ましい。これにより、蛍光体層の厚みのバラつきを低減できる。溶剤は、α-テルピネオール、ブタノール、イソホロン、グリセリン等の高沸点溶剤を用いることができる。
次に、基材作製工程(ステップS1)において作製された基材12の表面に蛍光体ペーストを塗布してペースト層を形成する(ステップS3)。蛍光体ペーストの塗布は、スクリーン印刷法、スプレー法、ディスペンサーによる描画法、インクジェット法を用いることができる。スクリーン印刷法を用いると、厚みの均一なペースト層を安定的に形成できるので好ましい。また、ペースト層の厚みは、焼成後に所定の厚みになるように調整する。ペースト層は、基材12の形状に沿って形成されることが好ましい。
そして、塗布した蛍光体ペーストを、150℃以上の温度で熱処理することで蛍光体層を形成する(ステップS4)。熱処理温度は、150℃以上300℃以下であることが好ましく、特に200℃以上250℃以下であることが好ましい。熱処理時間は、20分以上の保持時間を設けることが好ましく、0.5時間以上2.0時間以下であることが好ましい。また、昇温速度は、2℃/min以上であることが好ましく、2℃/min以上10℃/min以下であることがより好ましい。このとき、亀裂の面積比率を所定の範囲とするため、昇温速度を調整する。具体的には、溶剤や無機バインダの種類や濃度、添加比率、蛍光体ペーストの厚みによっても異なるが、例えば、昇温速度を大きくすることで亀裂の面積比率が大きくなる。また、熱処理前に乾燥工程を設けてもよい。乾燥温度は100℃以上150℃以下が好ましく、乾燥時間は20分以上60分以下であることがより好ましい。
[実施例および比較例]
(波長変換部材の作製)
(実施例1―1)
基材12として直径φ50mm、厚みt0.5mmの円板状のサファイア製の基材を準備した。
蛍光体層として、平均粒子径15μmのYAG系蛍光体と、溶媒としてα‐テルピネオール、無機バインダとしてエチルシリケートを秤量し、プロペラ撹拌で30分間混合することで蛍光体ペーストを作製した。このとき、無機バインダの添加比率としては、作製される蛍光体層におけるバインダ体積が、蛍光体粒子に対して60%となるように秤量した。
得られた蛍光体ペーストを熱処理後の蛍光体層の平均厚みが50μmとなるようにスクリーン印刷により基材上に塗布し、塗布後の基材を100℃で20分乾燥した後、電気炉を用いて非酸化性雰囲気で熱処理を行なった。2℃/minで150℃まで昇温し、30分熱処理をすることにより実施例1-1の波長変換部材を作製した。
実施例1-1の波長変換部材について、基材に垂直な任意の断面SEM画像の15μm×30μmの視野において、幅5μm以下の亀裂および当該亀裂を除いた空隙の面積比率を確認した。その結果、亀裂の面積比率は5%であり、亀裂を除いた空隙の面積比率は10%であった。
(実施例1―2)
昇温温度を5℃/minとしたことを除き、実施例1―1と同様の条件で実施例1―2の波長変換部材を作製した。亀裂の面積比率は7%であり、亀裂を除いた空隙の面積比率は9%であった。
(実施例1―3)
昇温温度を10℃/minとしたことを除き、実施例1―1と同様の条件で実施例1―3の波長変換部材を作製した。亀裂の面積比率は10%であり、亀裂を除いた空隙の面積比率は8%であった。
(実施例1―4)
亀裂の面積比率が実施例1-1よりも減少するように、昇温温度を1.5℃/minとしたことを除き、実施例1―1と同様の条件で実施例1―4の波長変換部材を作製した。亀裂の面積比率は3%であり、亀裂を除いた空隙の面積比率は10%であった。
(実施例1-5)
亀裂の面積比率が実施例1-3よりも増大するように、昇温温度を12℃/minとしたことを除き、実施例1―1と同様の条件で実施例1―5の波長変換部材を作製した。亀裂の面積比率は12%であり、亀裂を除いた空隙の面積比率は8%であった。
(実施例2―1)
亀裂を除いた空隙の面積比率が実施例1-1よりも減少するように、無機バインダの添加比率を90%に変更したことを除き、実施例1―1と同様の条件で実施例2―1の波長変換部材を作製した。亀裂の面積比率は5%であり、亀裂を除いた空隙の面積比率は3%であった。
(実施例2―2)
亀裂を除いた空隙の面積比率が実施例1-1よりも増大するように、無機バインダの添加比率を50%に変更したことを除き、実施例1―1と同様の条件で実施例2―2の波長変換部材を作製した。亀裂の面積比率は5%であり、亀裂を除いた空隙の面積比率は18%であった。
(蛍光体層剥離試験)
上記で得られた波長変換部材に対して、異なる水準A~Cの光源光を60分照射し、蛍光体層の剥離の有無を確認した。各光源光は波長450nmの青色LDとし、水準Aでは0.5W、水準Bでは1.0W、水準Cでは2.0Wの出力とした。なお、レーザ出力が弱い水準から順に照射し、剥離が生じた時点でその実施例における蛍光体層剥離試験を終えることにした。
Figure 2023124190000002
表1に示すように、いずれの実施例においても、水準Aの光源光の照射によって蛍光体層の剥離は起こらなかった。実施例1-1~1-4、2-1~2-2において、水準Bの光源光の照射によって蛍光体層の剥離は起こらなかった。これに対し、実施例1-5では、水準Bの光源光の照射によって蛍光体層の一部に剥離が発生した。実施例1-5は亀裂の面積比率が高いため、蛍光体層自体の強度が低下し、高エネルギーな光源光に対して蛍光体層の剥離が生じたものと考えられる。
実施例1-1~1-3、2-2において、水準Cの光源光の照射によって蛍光体層の剥離は起こらなかった。これに対し、実施例2-1、1-4では、水準Cの光源光の照射によって蛍光体層の一部に剥離が発生した。実施例1-4は亀裂の面積比率が低いため、光源光の出力がより高くなったときに、亀裂による熱応力の緩和が十分ではなかった部分から蛍光体層の剥離が生じたと考えられる。実施例2-1は空隙の面積比率が低いため、光源光の出力がより高くなったときに、空隙の少ない部分において亀裂が伸展してしまった結果、蛍光体層の剥離が生じたものと考えられる。
(発光特性試験)
波長450nmの青色LD光をレーザ出力0.5Wのレーザ光として、波長変換部材10に照射した。照射面の反対側に透過した光を、分光放射照度計(コニカミノルタ製CL-500A)によって色度を測定した。各実施例において、色度を5点測定し、その平均値を算出した。
色度とは、色の性質の色相、彩度、明度のうち、明度を除いたものを数値を用いて表したものである。本明細書では、国際照明委員会(CIE)が1931年に策定した国際表示法で、CIE-XYZ表色系のxy色度図に対応した数値の組(x、y)を用いて表す。xy色度図では、x軸は数値が大きくなるほど「赤み」の比率が増し、数値が小さくなるほど「青み」の比率が増す。y軸は数値が大きくなるほど「緑み」の比率が増し、数値が小さくなるほど「青み」の比率が増す。(また、x=y=1/3の点を白色点と呼ぶ。)
発光特性の確認としては、測定した色度について、X軸方向における偏差の最大値および平均値を算出し、X軸方向における偏差の最大値が平均値に対して10%以下であるものを合格とし、5%以下であるものを良好な発光特性を有すると評価した。
表1に示すように、いずれの実施例においても、X軸方向における偏差の最大値が平均値に対して10%以下であった。また、実施例1-1~1-5、2-1においては、X軸方向における偏差の最大値が平均値に対して5%以下であった。実施例2-2は空隙の面積比率が高いため、他の実施例と比較して光源光の抜け量が多いことで青みが強くなったと考えられる。
以上の結果によって、本発明の波長変換部材は、高エネルギーの光源光の照射に対し、蛍光体層の蓄熱により発生する熱応力が空隙および亀裂により緩和され、光源光の高エネルギー化に対して優れた耐久性を有することが確かめられた。また、発光特性が良好であったことから、空隙および亀裂が蛍光体層の発光特性に悪影響を与える虞を低減しつつ、蛍光体層の蓄熱により発生する応力を緩和できることが確かめられた。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形および均等物に及ぶことはいうまでもない。また、各図面に示された構成要素の構造、形状、数、位置、大きさ等は説明の便宜上のものであり、適宜変更しうる。
10 波長変換部材
12 基材
13 主面
14 蛍光体層
16 蛍光体粒子
18 透光性セラミックス
20 空隙
22 亀裂
40 発光装置
50 光源

Claims (5)

  1. 波長変換部材であって、
    基材と、
    前記基材に設けられ、蛍光体粒子と、前記蛍光体粒子同士および前記基材と前記蛍光体粒子とを結合する透光性セラミックスと、により形成され、空隙を有する蛍光体層と、を備え、
    前記空隙は、前記基材に垂直な断面において、アスペクト比1:3以上の亀裂を含むことを特徴とする波長変換部材。
  2. 前記亀裂は、幅が5μm以下であることを特徴とする請求項1記載の波長変換部材。
  3. 前記亀裂は、前記基材に垂直な任意の断面SEM画像の15μm×30μmの視野において、面積比率が5%以上10%以下であることを特徴とする請求項2記載の波長変換部材。
  4. 前記空隙は、前記基材に垂直な任意の断面SEM画像の15μm×30μmの視野において、前記亀裂を除いた面積比率が5%以上15%以下であることを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の波長変換部材。
  5. 発光装置であって、
    特定範囲の波長の光を発する発光素子と、
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の波長変換部材と、を備えることを特徴とする発光装置。
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