JP2021103247A - 波長変換部材および発光装置 - Google Patents

波長変換部材および発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】広い波長範囲において効率よく光を得ることができ、色均一性に優れるコンパクトな波長変換部材およびそれを用いた発光装置を提供する。【解決手段】波長変換部材100は、無機材料を含み、光を透過する基材110と、基材110上に設けられ、蛍光体粒子132と蛍光体粒子132同士を結合する透光性セラミックス134とで形成された蛍光体層130が2以上積層された蛍光体部120と、を備え、蛍光体部120は、基材側または基材側と反対側に位置する蛍光体部の表面側の何れか一方に設定された入射面122と、他方に設定された出射面124とを有し、蛍光体部120の1の蛍光体層の蛍光体粒子の発光ピーク波長は、1の蛍光体層よりも出射面124側に位置する他の蛍光体層の蛍光体粒子の発光ピーク波長よりも長く、少なくとも1つの蛍光体層130は、2種類以上の蛍光体粒子132を含む混合層である。【選択図】図2

Description

本発明は、波長変換部材および発光装置に関する。
各種分析装置分野や医療用装置分野および一般照明分野において使用される光源として、広い帯域の波長分布を有するハロゲンランプが使用されている。しかしながらハロゲンランプは発熱による周囲への影響や寿命の短さの点でデメリットがある。一方で、近年では寿命が長く、消費電力も小さく、点灯速度の速さからLED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)等の半導体発光素子が注目されている。これらの半導体発光素子は特定の波長領域の光を放出するといったメリットがあるが、広い帯域で発光させることは困難であった。
特許文献1には、色バランスの設定が容易で、高輝度で発光ムラを解消することを目的として、半導体基板上に配置された発光ダイオード素子と、発光ダイオード素子を取り囲むように配置されたコーン状の凹部が形成されたレンズホルダと、レンズホルダ内に設けられたエポキシ樹脂でモールドされた蛍光体粒子からなる蛍光体層が複数積層された発光ダイオード装置が開示されている。特許文献1では、発光素子に近い順に赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体と二次光のピーク波長が長いほうから積層されている。このような構成にしたことにより、発光素子に近い側の蛍光体層より放出された光は、その上の蛍光体層に吸収されないため色バランスの設定が容易であることが記載されている。
特開2006−261554号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術は、複数の蛍光体層を積層する構成であるため全体の蛍光体層が厚膜化し、発熱による性能低下や装置のコンパクト化にはいまだ課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、広い波長範囲において効率よく光を得ることができ、色均一性に優れるコンパクトな波長変換部材およびそれを用いた発光装置を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の波長変換部材は、無機材料を含み、光を透過する基材と、前記基材上に設けられ、蛍光体粒子と前記蛍光体粒子同士を結合する透光性セラミックスとで形成された蛍光体層が2以上積層された蛍光体部と、を備え、前記蛍光体部は、前記基材側または前記基材側と反対側に位置する前記蛍光体部の表面側の何れか一方に設定された入射面と、他方に設定された出射面とを有し、前記蛍光体部の1の蛍光体層の前記蛍光体粒子の発光ピーク波長は、前記1の蛍光体層よりも出射面側に位置する他の蛍光体層の前記蛍光体粒子の発光ピーク波長よりも長く、少なくとも1つの前記蛍光体層は、2種類以上の前記蛍光体粒子を含む混合層であることを特徴としている。
このように、蛍光体層を入射面側から出射面側に向かって、発光ピーク波長の長い蛍光体粒子を含む蛍光体層から順に積層することで、入射面側の蛍光体層によって変換された光は、その上の蛍光体層に吸収されにくいため色均一性を適切に制御できると共に、少なくとも1つの蛍光体層を、2種類以上の蛍光体粒子が混合された混合層とすることで、蛍光体層の薄層化をすることが可能となり、発光強度を向上することができる。
(2)また、本発明の波長変換部材は、前記混合層において、2種類以上の前記蛍光体粒子の平均粒子径は異なることを特徴としている。これにより、混合層の層厚をより薄くすることができ、発光強度をより向上することができる。
(3)また、本発明の波長変換部材において、各前記蛍光体層の厚みは、各前記蛍光体層に含まれる前記蛍光体粒子の平均粒子径のうち、最大値の1倍以上6倍以下であることを特徴としている。このように、積層されるそれぞれの蛍光体層の厚み(平均膜厚)を含まれる蛍光体粒子の平均粒子径の1倍以上6倍以下にすることで、それぞれの蛍光体層の厚みおよび蛍光体部全体の厚みを低減することができ、蛍光体層で生じる熱の蓄積を抑制することができる。これにより、強度の大きい光源光を照射しても蛍光性能を維持することができる。また、薄層化することにより蛍光体部の剥離を防ぐことができる。
(4)また、本発明の波長変換部材において、前記混合層に含まれる発光ピーク波長の長い蛍光体粒子の吸収スペクトルの吸収率が、発光ピーク波長の短い蛍光体粒子の蛍光スペクトルの発光ピーク波長において30%を超えないことを特徴としている。混合層では、発光ピーク波長の短い蛍光体粒子により変換された光が、発光ピーク波長の長い蛍光体粒子の蛍光発光に用いられる二次励起が生じ、短波長側の発光強度が小さくなるが、このように、発光ピーク波長の長い蛍光体粒子の吸収スペクトルの吸収率が、発光ピーク波長の短い蛍光体粒子の蛍光スペクトルの発光ピーク波長において30%を超えないような組み合わせの蛍光体粒子を選択して混合することで、この影響を小さくすることができ、色均一性をより適切に制御できる。
(5)また、本発明の波長変換部材において、少なくとも1つの前記蛍光体層の厚みは、当該蛍光体層よりも出射面側に位置する他の蛍光体層の厚みよりも薄いことを特徴としている。このように、それぞれの蛍光体層の厚みを、入射面側から出射面側に向かって、厚くすることで、蛍光体部内での段階的な励起光の光量低下に合わせて、それぞれの蛍光体層で必要な発光量が得られ、色均一性をより適切に制御できる。
(6)また、本発明の波長変換部材において、前記入射面側に最も近い位置の前記蛍光体層は、前記混合層であることを特徴としている。それぞれの蛍光体層のうち入射面側の蛍光体層は相対的に蛍光体粒子の密度が低いため、入射面側の蛍光体層を混合層とすることで、他の蛍光体層を混合層とする場合と比較してより薄層化することができ、発光強度をより向上することができる。
(7)また、本発明の発光装置は、特定範囲の波長の励起光を発する発光素子と、上記(1)から(6)のいずれかに記載の波長変換部材と、を備えることを特徴としている。これにより、色均一性を適切に制御できると共に、少なくとも1つの層は、2種類以上の蛍光体粒子が混合された混合層とすることで、蛍光体層の薄層化をすることが可能となり、発光強度を向上することができる。
本発明によれば、色均一性を適切に制御できると共に、少なくとも1つの蛍光体層は、2種類以上の蛍光体粒子が混合された混合層とすることで、蛍光体層の薄層化をすることが可能となり、発光強度を向上することができる波長変換部材および発光装置を構成できる。
本発明の発光装置の一例を表す模式図である。 本発明の波長変換部材の一例を表す模式図である。 (a)、(b)、(c)それぞれ、波長変換部材の作製工程を示す断面図である。 実施例および比較例で使用した蛍光体粒子における、任意の2つの組み合わせの蛍光ピーク波長における吸収率を示す表である。 実施例および比較例の波長変換部材の特定の波長の光の発光強度、色バランスの評価、および合計の発光強度を示す表である。
本発明者らは、鋭意研究の結果、複数の蛍光体層を積層した蛍光体部を構成する際に、少なくとも1つの蛍光体層を2種類以上の蛍光体粒子を含む混合層とすることで、色均一性を適切に制御しつつ、蛍光体層の薄層化をすることが可能となり、発光強度を向上することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の波長変換部材は、無機材料を含み、光を透過する基材と、前記基材上に設けられ、蛍光体粒子と前記蛍光体粒子同士を結合する透光性セラミックスとで形成された蛍光体層が2以上積層された蛍光体部と、を備え、前記蛍光体部は、前記基材側または前記基材側と反対側に位置する前記蛍光体部の表面側の何れか一方に設定された入射面と、他方に設定された出射面とを有し、前記蛍光体部の1の蛍光体層の前記蛍光体粒子の発光ピーク波長は、前記1の蛍光体層よりも出射面側に位置する他の蛍光体層の前記蛍光体粒子の発光ピーク波長よりも長く、少なくとも1つの前記蛍光体層は、2種類以上の前記蛍光体粒子を含む混合層である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。なお、構成図において、各構成要素の大きさは概念的に表したものであり、必ずしも実際の寸法比率を表すものではない。
[発光装置の構成]
図1は、発光装置の一例を示す模式図である。図1に示すように、発光装置10は、発光素子50および波長変換部材100を備え、例えば、波長変換部材100内で光源光による励起で発生した複数の変換光を合わせて照射光を放射している。また、波長変換部材100を透過した光源光と複数の変換光とを合わせて照射光としてもよい。照射光は例えば白色光とすることができる。
発光素子50には、LED(Light Emitting Diode)またはLD(Laser Diode)を用いることができる。LEDは、発光装置10の設計に応じて特定範囲の波長を有する光源光を発生させる。例えば、LEDは、紫外光を発生させる。また、LDを用いた場合には波長や位相のばらつきの少ないコヒーレント光を発生できる。なお、発光素子50は、これらに限られないが、紫外光、青色光、または緑色光を発生させるものが好ましく、特に紫外光を発生させるものが好ましい。
[波長変換部材の構成]
図2は、波長変換部材の一例を表す模式図である。波長変換部材100は、基材110上に蛍光体部120が形成されている。波長変換部材100は、光源から照射された光源光を順次透過させつつ、光源光を吸収し励起して波長の異なる光を発生させる。例えば、紫外光の光源光が照射された波長変換部材100は、蛍光体部120で変換された赤色光、緑色光、および青色光の変換光を放射させ、これらを合わせて白色光の放射光とすることができる。また、青色光の光源光を照射された波長変換部材100は、青色光の光源光を透過させつつ、蛍光体部120で変換された赤色光、黄色光、および緑色光の変換光を放射させて、変換光と光源光を合わせて白色光の放射光とすることができる。このように、複数の色の光を合わせることで、広い帯域の波長分布を有する色バランスのよい放射光を放射することができる。そのほか、設計に応じて、様々な色の光に変換できる。
基材110は、無機材料を含み、光を透過する。基材110の材料は、サファイア、ガラス等の透光性を有する材料を用いる。発光強度の観点から、光が透過する部分は少なくとも光源光を吸収しにくい材料とすることが好ましい。また、高エネルギーの光が照射される場合温度が高くなるので、熱伝導性が高い方がよい。そのため、基材110は、サファイアで形成されていることが好ましい。また、基材110は、板状に形成されていることが好ましい。
蛍光体部120は、基材110上に設けられ、2以上の蛍光体層130が積層され形成されている。蛍光体部120は、基材110側または基材110側と反対側に位置する蛍光体部120の表面側の何れか一方に設定された入射面122と、他方に設定された出射面124とを有する。図1および図2の例では、基材110側が入射面122に、蛍光体部120の表面側が反射面124に設定されている。基材側から入射する場合、特に発熱が大きい長波長蛍光体の発光に対し、基材へ放熱が可能であるため、温度消光しにくく発光量を高く保てる。蛍光体部の表面側からの入射する場合、酸化により劣化する蛍光体を使用するなど、蛍光体部を大気中に曝したくない場合等において、蛍光体を発光素子側に直接封入し、基材を蓋として使う設計にすることもでき、発光装置の構造を簡略化できる。また、図2の例では、蛍光体層130a、130b、130cの3層の蛍光体層130が積層されて蛍光体部120が形成されている。
蛍光体部120の厚み(平均膜厚)は、150μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。これにより、蛍光体部120で生じた熱を効率よく基材110へ伝導し、蛍光体部120の温度上昇を防止できる。その結果、強度の大きい光源光を照射しても蛍光性能を維持できる。すなわち、高エネルギー密度レーザを光源光とする場合でも、薄い蛍光体部120を形成することで蛍光体粒子132の発熱(蓄熱)による温度消光を抑制できる。また、蛍光体部120の厚みは、10μm以上であることが好ましい。これにより、蛍光体部120の厚みが薄すぎないため、発光効率の低下を抑制できる。
熱の伝えにくさを表す熱抵抗は蛍光体部の熱抵抗率または熱伝導率および面積を一定とした場合には厚みに依存し、厚くなるほど熱抵抗は増加する。レーザを照射した場合に熱抵抗が小さいほど、すなわち厚みが薄いほど熱は伝わりやすく蓄熱が起こりにくくなり、発熱(蓄熱)による温度消光を抑制することができる。
蛍光体部120を形成するそれぞれの蛍光体層130は、蛍光体粒子132および透光性セラミックス134により形成されている。透光性セラミックス134は、蛍光体粒子132同士、蛍光体粒子132と基材110、または隣接する蛍光体層130同士を接合している。これにより、高エネルギー密度の光の照射に対して、放熱材として機能する基材110と接合しているため効率よく放熱でき、蛍光体の温度消光を抑制できる。また、上記それぞれの接合は化学結合であることが効率よく放熱するためには好ましい。
蛍光体層130のうち、1の蛍光体層の蛍光体粒子132の発光ピーク波長は、1の蛍光体層(当該蛍光体層)よりも出射面124側に位置する他の蛍光体層の蛍光体粒子132の発光ピーク波長よりも長い。このように、蛍光体層130を入射面122側から出射面124側に向かって、発光ピーク波長の長い蛍光体粒子132を含む蛍光体層130から順に積層することで、入射面122側の蛍光体層130によって変換された光は、その上の蛍光体層130に吸収されにくいため色均一性(色バランス)を適切に制御できる。図2の例では、蛍光体層130aは蛍光体粒子132aおよび132bを含み、蛍光体層130bは蛍光体粒子132cを含み、蛍光体層130cは蛍光体粒子132dを含む。したがって、例えば、蛍光体粒子132a、132b、132c、132dの発光ピーク波長をそれぞれA、B、C、Dで表すと、A>C>D、および、B>C>Dが成り立つ。
少なくとも1つの蛍光体層130は、2種類以上の蛍光体粒子132を含む混合層である。これにより、混合層とした蛍光体層130の厚みは、別々の蛍光体層130を形成した場合の蛍光体層130の厚みの和よりも薄層化をすることが可能となり、発光強度を向上することができる。なお、混合層に含まれる2種類以上の蛍光体粒子132は、発光ピーク波長が異なる種類の蛍光体粒子であることが好ましい。図2の例では、蛍光体粒子132a、132b、132c、132dはそれぞれ異なる種類の蛍光体粒子である。そして、蛍光体層130aは蛍光体粒子132aおよび132bの異なる種類の蛍光体粒子を含む混合層である。
蛍光体層を2以上積層する場合、特定の発光色を得るために励起光を透過させる必要あることが多く、蛍光体層には透光性セラミックス以外にも発光に寄与しないフィラー等を添加することがある。フィラーの添加は膜厚の増加の原因となるため、発光強度や発光効率が低下する。本発明では、少なくとも1つの蛍光体層を、2種類以上の蛍光体粒子が混合された混合層とすることにより、層数を減らせる分だけフィラーの添加量を抑えることができ、また、透光性セラミックスの量も低減することができる。これにより、蛍光体層の薄層化が可能となり、発光効率の向上に寄与する。なお、混合層は、3種類以上の蛍光体粒子の混合をしてもよい。
混合層において、2種類以上の蛍光体粒子132の平均粒子径は異なることが好ましい。これにより、同一の粒子径の蛍光体粒子132を混合する場合と比較して、混合層の層厚をより薄くすることができ、発光強度をより向上することができる。異なる粒子径とは、例えば、一方の平均粒子径が他方の平均粒子径の1.5倍以上2.0倍以下の範囲内であることが好ましい。なお、本明細書において、平均粒子径とは、体積基準のメジアン径(D50)をいう。メジアン径(D50)は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置の乾式測定または湿式測定を用いて計測することができる。
それぞれの蛍光体層130の厚みは、それぞれの蛍光体層130に含まれる蛍光体粒子132の平均粒子径のうち、最大値の1倍以上6倍以下であることが好ましい。このように、積層されるそれぞれの蛍光体層130の厚み(平均膜厚)を含まれる蛍光体粒子132の平均粒子径の1倍以上6倍以下にすることで、それぞれの蛍光体層130の厚みおよび蛍光体部120全体の厚みを低減することができ、蛍光体層130で生じる熱の蓄積を抑制することができる。これにより、強度の大きい光源光を照射しても蛍光性能を維持することができる。また、薄層化することにより蛍光体部120の剥離を防ぐことができる。なお、最大値は、2種類以上の蛍光体粒子132を含む混合層の場合に用いる。1種類の蛍光体粒子132を含む蛍光体層130は、その蛍光体粒子132の平均粒子径を用いる。
混合層に含まれる発光ピーク波長の長い蛍光体粒子132の吸収スペクトルの吸収率が、発光ピーク波長の短い蛍光体粒子の蛍光スペクトルの発光ピーク波長において30%を超えないことが好ましい。混合層では、発光ピーク波長の短い蛍光体粒子により変換された光が、発光ピーク波長の長い蛍光体粒子の蛍光発光に用いられる二次励起が生じ、短波長側の発光強度が小さくなるが、このように、発光ピーク波長の長い蛍光体粒子の吸収スペクトルの吸収率が、発光ピーク波長の短い蛍光体粒子の蛍光スペクトルの発光ピーク波長において30%を超えないような組み合わせの蛍光体粒子を選択して混合することで、この影響を小さくすることができ、色均一性をより適切に制御できる。なお、この吸収率は、蛍光分光光度計や顕微分光光度計を使用して測定することができる。
例えば、混合層に含まれる発光ピーク波長の長い蛍光体粒子の吸収スペクトルの吸収率が、発光ピーク波長の短い蛍光体粒子の蛍光スペクトルの発光ピーク波長において30%であった場合、混合層内のある光路で二次励起が一度生じると、その光路における短波長側の光の強度は、70%に減少する。また、二次励起が二度生じると、その光路における短波長側の光の強度は、70%×70%で49%に減少する。したがって、混合層に含まれる発光ピーク波長の長い蛍光体粒子の吸収スペクトルの吸収率が、発光ピーク波長の短い蛍光体粒子の蛍光スペクトルの発光ピーク波長においてできるだけ小さいほうが好ましいが、その値が30%を超えない値であった場合、仮に二次励起が二度生じたとしても、その光路において50%程度以上の強度の光を取り出すことができる。
混合層を設けた結果、二次励起が生じることによる発光強度の低下と、薄層化したことによる発光強度の増加はトレードオフの関係にあるが、蛍光体層の厚みや蛍光体粒子の量、混合層で組み合わせる蛍光体粒子の種類などの各種条件を適切に設定することで、混合層を設けない場合と比較して、発光強度を増加させることができる。
少なくとも1つの蛍光体層の厚みは、当該蛍光体層よりも出射面側に位置する他の蛍光体層の厚みよりも薄いことが好ましく、当該蛍光体層よりも入射面側に位置する他の蛍光体層の厚みよりも厚くないことが好ましい。このように、それぞれの蛍光体層の厚みを、入射面側を薄く出射面側を厚くすることで、蛍光体部内での段階的な励起光の光量低下に合わせて、それぞれの蛍光体層で必要な発光量が得られ、色均一性をより適切に制御できる。なお、同一の厚みの蛍光体層があってもよい。すなわち、入射面側から出射面側に向かって、蛍光体層の厚みが広義の単調増加をし、かつ厚みの異なる蛍光体層があることが好ましい。
蛍光体粒子132には、例えば、黄色系蛍光体粒子として、セリウム(Ce)が添加されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(YAG系蛍光体、YAG:Ce、単にYAGとも記載)を用いることができる。また、緑色系蛍光体粒子として、セリウムが添加されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(LuAG系蛍光体、LuAG:Ce、単にLuAGとも記載)を用いることができる。また、例えば、赤色系蛍光体粒子として、S−CASNと称される窒化物蛍光体((Sr,Ca)AlSiN:Eu)を用いることができる。
その他、蛍光体粒子は、発光させる色の設計に応じて以下のような材料から選択できる。例えば、BaMgAl1017:Eu、ZnS:Ag、Cl、Eu、BaAl:EuあるいはCaMgSi:Euなどの青色系蛍光体、ZnSiO:Mn、(Y,Gd)BO:Tb、ZnS:Cu、Al、(M1)SiO:Eu、(M1)(M2)S:Eu、(M3)Al12:Ce、SiAlON:Eu、CaSiAlON:Eu、(M1)SiN:Euあるいは(Ba,Sr,Mg)SiO:Eu、Mnなどの黄色または緑色系蛍光体、(M1)SiO:Euあるいは(M1)S:Euなどの黄色、橙色または赤色系蛍光体、(Y,Gd)BO:Eu、YS:Eu、(M1)Si:Eu、(M1)AlSiN:EuあるいはYPVO:Euなどの赤色系蛍光体が挙げられる。なお、上記化学式において、M1は、Ba、Ca、SrおよびMgからなる群のうちの少なくとも1つが含まれ、M2は、GaおよびAlのうちの少なくとも1つが含まれ、M3は、Y、Gd、LuおよびTeからなる群のうち少なくとも1つが含まれる。なお、上記の蛍光体粒子は一例であり、波長変換部材に用いられる蛍光体粒子が必ずしも上記に限られるわけではない。
蛍光体粒子132の平均粒子径は、5μm以上20μm以下であることが好ましい。5μm以上なので、変換光の発光強度が大きくなり、ひいては波長変換部材100の発光強度が大きくなる。また、20μm以下なので、個々の蛍光体粒子132の温度を低く維持でき、温度消光を抑制できる。
波長変換部材の蛍光体部の厚み、蛍光体層の厚み、および蛍光体粒子の平均粒子径は、SEM画像の解析で計測することもできる。以下のSEM画像の解析に関する記載では、蛍光体層の厚みは蛍光体部の厚みも含む。SEM画像の解析における蛍光体層の厚みは、基材の平面方向と垂直な方向における断面について、例えば、1000倍にて断面のSEM画像の取得を行ない、得られたSEM画像に対して、2値化などの画像解析を行ない、画像から蛍光体層と認められる画像の範囲を定め、その垂直方向の厚みを等間隔に複数算出し、その平均値から蛍光体部または蛍光体層の厚みの平均値を求めることができる。なお、蛍光体層の厚みの平均値を算出するときに用いる画像は、全体的な平均値となるように、蛍光体層における複数個所の断面画像(例えば3枚以上)を取得することとする。
また、SEM画像の解析における蛍光体粒子の平均粒子径は、基材の平面方向と垂直な方向における断面について、例えば、1000倍にて断面のSEM画像の取得を行ない、得られたSEM画像に対して、2値化などの画像解析を行ない、画像から蛍光体粒子と認められる100個以上の断面積を算出し、その累積分布から平均粒子径を求めることができる。なお、画像から蛍光体粒子と認められる100個以上の断面積を算出するときに用いる画像は、蛍光体層に含まれる蛍光体粒子の粒径について全体的な平均粒子径となるように、蛍光体層における複数個所の断面画像(例えば3枚以上)を取得することとする。このように求めた蛍光体粒子の平均粒子径は、断面画像の枚数および蛍光体粒子の個数を統計的に十分な数算出し計測することで、波長変換部材の製造時に規定した蛍光体粒子のメジアン径(D50)としての平均粒子径との差が十分に小さくなる。
透光性セラミックス134は、無機バインダが加水分解または酸化されて形成されたものであり、透光性を有する無機材料により構成されている。透光性セラミックス134は、例えば、シリカ(SiO)、リン酸アルミニウムで構成される。透光性セラミックス134は無機材料からなるので、LD等の高エネルギーの光が照射されても変質しない。また、透光性セラミックス134は透光性を有するので、光源光や変換光の発光強度を低下させないように通過させることができる。
なお、透光性を有する物質とは、0.5mmの対象物質に対して、可視光の波長領域(λ=380〜780nm)で光を垂直に入射したとき、反対側から抜けた光の放射束が入射光の80%を超える特性を有する物質をいう。
このような波長変換部材および発光装置により、色均一性を適切に制御しつつ、発光強度を向上することができる。本発明の波長変換部材および発光装置は、各種分析装置や医療用装置に好適に使用される。
[波長変換部材の作製方法]
図3(a)、(b)、(c)は、それぞれ本発明の波長変換部材の作製工程を示す断面図である。まず無機バインダ、溶剤、および複数種類の蛍光体粒子を準備する。無機バインダは、エチルシリケート等の有機シリケートであることが好ましい。有機シリケートを用いることで蛍光体粒子が印刷用ペースト全体に分散し、適切な粘度の印刷用ペーストを作製することができる。例えば、無機バインダとしてエチルシリケートを用いるときは、水および触媒の質量に対して、エチルシリケートを70wt%以上100wt%以下、好ましくは80wt%以上90wt%以下の質量とする。その他、無機バインダは、加水分解あるいは酸化により酸化ケイ素となる酸化ケイ素前駆体、ケイ酸化合物、シリカ、およびアモルファスシリカからなる群のうちの少なくとも1種を含む原料を、常温で反応させるか、または、500℃以下の温度で熱処理することにより得られたものであってもよい。酸化ケイ素前駆体としては、例えば、ペルヒドロポリシラザン、エチルシリケート、メチルシリケートを主成分としたものが挙げられる。また、溶剤としては、ブタノール、イソホロン、α−テルピネオール、グリセリン等の高沸点溶剤を用いることができる。
また、蛍光体層の充填率、光の散乱性を制御することを目的として、無機材料からなるフィラーを添加してもよい。フィラーの平均粒子径は、その蛍光体層に含まれる蛍光体粒子の平均粒子径と同等または小さいことが好ましい。
蛍光体粒子は、積層する蛍光体層ごとに異なる種類の蛍光体粒子を使用する。例えば、YAG、LuAG、S−CASN等の粒子を用いることができる。光源光に対して得ようとする照射光の色や色バランスに応じて蛍光体粒子の種類や量を調整する。このとき、混合層を形成する蛍光体粒子は2種類以上の異なる蛍光体粒子を用いる。
図3(a)に示すように、これらの無機バインダ、溶剤、蛍光体粒子を混合してペースト(インク)410を作製する。混合にはボールミル等を用いることができる。混合層を作製するペーストには、2種類以上の蛍光体粒子を混合する。一方で、無機材料の基材110を準備する。基材は、ガラス、サファイア等を用いることができる。
次に、図3(b)に示すように、スクリーン印刷法を用いて、得られたペースト410を熱処理後に所定の平均膜厚になるように基材110に塗布する。スクリーン印刷は、ペースト410をインキスキージ510で、枠に張られたスクリーン520に押しつけて行なうことができる。スクリーン印刷法以外に、スプレー法、ディスペンサーによる描画法、インクジェット法が挙げられるが、薄い厚みの蛍光体層を安定的に形成するためにはスクリーン印刷法が好ましい。
次に、印刷されたペースト410を乾燥させ、蛍光体層を作製する。乾燥は、100℃以上150℃以下で20分以上60分以下行うことが好ましい。そして、乾燥させた蛍光体層上に次の蛍光体層となるペースト410を印刷し、先程と同様に乾燥させ次の蛍光体層を作製する。これを繰り返し、所定の層数の蛍光体層を積層させることで、蛍光体部120を作製する。
最後の蛍光体層の乾燥後、図3(c)に示すように、炉600内で熱処理することで溶剤を飛ばすとともに無機バインダの有機分を飛ばして無機バインダ中の主金属を酸化(主金属がSiの場合はSiO化)させ、その際に隣接する蛍光体層同士および蛍光体層と基材110とを接着する。また、熱処理温度は、150℃以上500℃以下であることが好ましく、熱処理時間は、0.5時間以上2.0時間以下であることが好ましい。また、昇温速度は、50℃/h以上200℃/h以下であることが好ましい。また、焼成雰囲気は、基材の酸化を抑えるため、窒素雰囲気等の非酸化性雰囲気下で行うことが好ましい。
このようにして、波長変換部材を得ることができる。そして、発光装置は、波長変換部材をLED等の光源に対して適宜配置して作製することができる。
[実施例および比較例]
(試料の作製方法)
以下の5種類の蛍光体粒子を準備した。
(1)発光ピーク波長660nmを示すCASN蛍光体(デンカ RE-660AMD)、平均粒子径15μm
(2)発光ピーク波長600nmを示すα−サイアロン(デンカ YL-600B)、平均粒子径15μm
(3)発光ピーク波長520nmを示すシリケート蛍光体(東京化学 2E50B700C2)、平均粒子径15μm
(4)発光ピーク波長450nmを示すアルミネート蛍光体(東京化学 BMD-LED)、平均粒子径10μm
(5)発光ピーク波長420nmを示す硫化物蛍光体(ZnS : Eu)、平均粒子径10μm
試料の作製とは別に、上記で準備した蛍光体粒子に対し、吸収率の確認をした。図4は、実施例および比較例で使用した蛍光体粒子における、任意の2つの組み合わせの吸収率を示す表である。すなわち、図4は、実施例および比較例で使用した蛍光体粒子の任意の2つの組み合わせにおいて、発光ピーク波長が短い蛍光体粒子の発光ピーク波長と同一の波長の入射光を、発光ピーク波長の長い蛍光体粒子がどの程度吸収したかを示し、特定の波長における吸収スペクトルの吸収率を示している。図4の値は、入射光の減衰割合を百分率で表している。この結果から、蛍光体粒子(1)から(5)のうち、吸収率が30%を超えない蛍光体粒子の組み合わせは、(1)と(2)、(1)と(3)、(2)と(3)、および(4)と(5)であることがわかる。すなわち、これらが、混合層で使用することが好ましい組み合わせであることがわかった。
基材として、サファイアを用いて、20mm×20mm×厚み2.0mmの平板からなる基材を準備した。当該基材に、上記の蛍光体粒子のいずれかを含むペーストをスクリーン印刷で成形し、ペースト塗布後に100℃で20分乾燥させすることで各蛍光体層を作製した。これを繰り返し、蛍光体層を積層した蛍光体部を作製した。最後に窒素雰囲気炉を用いて150℃/hで350℃まで昇温し、30分焼成して試料が完成した。各試料の蛍光体部の条件は以下の通りである。なお、それぞれの試料の各蛍光体層に含まれる蛍光体粒子の量(濃度)は、白色光の照射光が得られるように適宜調整した。
(実施例1)
1層目(発光素子側)、蛍光体粒子(1)+(2)を混合し、厚み25μmの蛍光体層
2層目、蛍光体粒子(3)、厚み25μmの蛍光体層
3層目、蛍光体粒子(4)、厚み25μmの蛍光体層
4層目(外表面側)、蛍光体粒子(5)、厚み35μmの蛍光体層
蛍光体部の厚みは110μmであった。
(実施例2)
1層目(発光素子側)、蛍光体粒子(1)+(2)を混合し、厚み20μmの蛍光体層
2層目、蛍光体粒子(3)、厚み20μmの蛍光体層
3層目、蛍光体粒子(4)、厚み20μmの蛍光体層
4層目(外表面側)、蛍光体粒子(5)、厚み35μmの蛍光体層
蛍光体部の厚みは95μmであった。
(実施例3)
1層目(発光素子側)、蛍光体粒子(1)+(2)を混合し、厚み20μmの蛍光体層
2層目、蛍光体粒子(3)、厚み20μmの蛍光体層
3層目(外表面側)、蛍光体粒子(4)+(5)、厚み35μmの蛍光体層
蛍光体部の厚みは75μmであった。
(実施例4)
1層目(発光素子側)、蛍光体粒子(1)+(2)を混合し、厚み20μmの蛍光体層
2層目、蛍光体粒子(3)、厚み25μmの蛍光体層
3層目(外表面側)、蛍光体粒子(4)+(5)、厚み30μmの蛍光体層
蛍光体部の厚みは75μmであった。
(実施例5)
1層目(発光素子側)、蛍光体粒子(1)+(2)+(3)を混合し、厚み35μmの蛍光体層
2層目、蛍光体粒子(4)、厚み25μmの蛍光体層
3層目(外表面側)、蛍光体粒子(5)、厚み35μmの蛍光体層
蛍光体部の厚みは95μmであった。
(比較例1)
1層目(発光素子側)、蛍光体粒子(1)、厚み35μmの蛍光体層
2層目、蛍光体粒子(2)、厚み35μmの蛍光体層
3層目、蛍光体粒子(3)、厚み35μmの蛍光体層
4層目、蛍光体粒子(4)、厚み35μmの蛍光体層
5層目(外表面側)、蛍光体粒子(5)、厚み35μmの蛍光体層
蛍光体部の厚みは175μmであった。
(比較例2)
1層目(発光素子側)、蛍光体粒子(1)、厚み20μmの蛍光体層
2層目、蛍光体粒子(2)、厚み20μmの蛍光体層
3層目、蛍光体粒子(3)、厚み20μmの蛍光体層
4層目、蛍光体粒子(4)、厚み20μmの蛍光体層
5層目(外表面側)、蛍光体粒子(5)、厚み20μmの蛍光体層
蛍光体部の厚みは100μmであった。
(試料の評価方法)
完成した各試料に対して、0.8Wの入力電力となるピーク波長365nmの紫外LEDパッケージによる励起で、分光装置を用いて発光スペクトル試験を行なった。
図5は、実施例1から5および比較例1、2に使用した蛍光体粒子の発光ピーク波長ごとの発光強度(光量)、発光強度の最大値を最小値で割った値(MAX/MIN)、その判定結果、および発光強度の合計(蛍光合計)を示す表である。発光強度は、相対値で示している。また、色バランスの判定結果は、MAX/MINの値が3以下となった試料を合格として〇で示し、3より大きい値となった試料を不合格として×で示した。
実施例1は、1層目を蛍光体粒子(1)と(2)を混合した混合層とした実施例である。実施例1は、色バランスに優れ、発光強度も大きくなった。実施例2は、実施例1と同様の構成で、1層目から3層目の蛍光体層の厚みを薄くした実施例である。実施例2は、実施例1と比較して、色バランスが更によくなり、発光強度も増大した。
実施例3は、1層目を蛍光体粒子(1)と(2)を混合し、3層目を蛍光体粒子(4)と(5)を混合した混合層とした実施例である。実施例3は、色バランスに優れ、発光強度は、実施例1、2よりも大きくなった。実施例4は、実施例3と同様の構成で、1層目から3層目にかけて蛍光体層の厚み徐々に大きくした実施例である。実施例4は、実施例3と比較して、色バランスは同等であり、発光強度はさらに増大した。
実施例5は、1層目を蛍光体粒子(1)、(2)、(3)の3種類の蛍光体粒子を混合した混合層とした実施例である。実施例5は、色バランスに特に優れ、発光強度も十分に大きくなった。
比較例1は、混合層を設けず、全ての蛍光体層の厚みを同一とした。比較例1は、短波長領域の光の発光強度が特に小さくなったため、実施例と比較して色バランスがよくなかった。また、実施例と比較して発光強度も小さかった。比較例2は、比較例1と同様の構成で各蛍光体層の厚みを薄くした。比較例2は、比較例1と比較して発光強度は増大したが、実施例より大きくはならなかった。また、比較例1と比較して色バランスはさらに悪くなった。比較例2は、例えば、4層目、5層目の蛍光体層の厚みを厚くすることで、色バランスを改善することはできると推察されるが、その場合、発光強度が低減し、実施例のような値にはならないものと推察される。
以上の結果によって、本発明の波長変換部材および発光装置は、色均一性を適切に制御できると共に、発光強度を向上できることがわかった。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。また、各図面に示された構成要素の構造、形状、数、位置、大きさ等は説明の便宜上のものであり、適宜変更しうる。
10 発光装置
50 光源
100 波長変換部材
110 基材
120 蛍光体部
122 入射面
124 出射面
130、130a、130b、130c 蛍光体層
132、132a、132b、132c、132d 蛍光体粒子
134 透光性セラミックス
410 ペースト
510 インキスキージ
520 スクリーン
600 炉

Claims (7)

  1. 波長変換部材であって、
    無機材料を含み、光を透過する基材と、
    前記基材上に設けられ、蛍光体粒子と前記蛍光体粒子同士を結合する透光性セラミックスとで形成された蛍光体層が2以上積層された蛍光体部と、を備え、
    前記蛍光体部は、前記基材側または前記基材側と反対側に位置する前記蛍光体部の表面側の何れか一方に設定された入射面と、他方に設定された出射面とを有し、
    前記蛍光体部の1の蛍光体層の前記蛍光体粒子の発光ピーク波長は、前記1の蛍光体層よりも出射面側に位置する他の蛍光体層の前記蛍光体粒子の発光ピーク波長よりも長く、
    少なくとも1つの前記蛍光体層は、2種類以上の前記蛍光体粒子を含む混合層であることを特徴とする波長変換部材。
  2. 前記混合層において、異なる種類の前記蛍光体粒子の平均粒子径は異なることを特徴とする請求項1記載の波長変換部材。
  3. 各前記蛍光体層の厚みは、各前記蛍光体層に含まれる前記蛍光体粒子の平均粒子径のうち、最大値の1倍以上6倍以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の波長変換部材。
  4. 前記混合層に含まれる発光ピーク波長の長い蛍光体粒子の吸収スペクトルの吸収率が、発光ピーク波長の短い蛍光体粒子の蛍光スペクトルの発光ピーク波長において30%を超えないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の波長変換部材。
  5. 少なくとも1つの前記蛍光体層の厚みは、当該蛍光体層よりも出射面側に位置する他の蛍光体層の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の波長変換部材。
  6. 前記入射面側に最も近い位置の前記蛍光体層は、前記混合層であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の波長変換部材。
  7. 発光装置であって、
    特定範囲の波長の励起光を発する発光素子と、
    請求項1から請求項6のいずれかに記載の波長変換部材と、を備えることを特徴とする発光装置。
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