JP2011245622A - ガンドリル - Google Patents
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Abstract
【課題】ガンドリルとして、切削性に優れ、従来のものに比較して切削速度を飛躍的に速めることができ、高い深穴加工能率が得られ、切刃寿命が大幅に延び、特に小径の場合では再使用のための刃立ての頻度を少なくできるものを提供する。
【解決手段】外面に長手方向に沿う断面V字状の切屑排出溝11を有して内部をクーラント供給路12とする中空シャンク部1の先端1bに、先端面3aにクーラント供給路12に連通するクーラント放出口30を有する切削ヘッド3Cが装着され、摺接部6a,6bを含むヘット本体6が超硬合金Wよりも高硬度の焼結セラミックCにより形成され、ヘッド本体6に超硬合金Wからなる刃先部材7が固着され、刃先部材7の切屑排出溝11(31)に面する側縁が切刃部32としてなる。
【選択図】図4
【解決手段】外面に長手方向に沿う断面V字状の切屑排出溝11を有して内部をクーラント供給路12とする中空シャンク部1の先端1bに、先端面3aにクーラント供給路12に連通するクーラント放出口30を有する切削ヘッド3Cが装着され、摺接部6a,6bを含むヘット本体6が超硬合金Wよりも高硬度の焼結セラミックCにより形成され、ヘッド本体6に超硬合金Wからなる刃先部材7が固着され、刃先部材7の切屑排出溝11(31)に面する側縁が切刃部32としてなる。
【選択図】図4
Description
本発明は、深穴加工に使用されるガンドリルに関する。
深穴加工方式としてガンドリル方式、エジェクタ方式(ダブルチューブ方式)、シングルチューブ方式等の種々の方式が知られるが、小径の深穴加工にはガンドリル方式が適している。すなわち、ガンドリル方式では、一般的に横断面2/3〜3/4円形の中空シャンク部の先端に同様横断外形の切削ヘッドを設けたガンドリルを用い、中空シャンク部の内部を通して供給されるクーラントを切削ヘッド先端面のクーラント放出口から切削部位へ供給しつつ切削を行うと共に、この切削に伴って発生する切屑をクーラントと一緒に中空シャンク部外周の長手方向に沿う断面V字状の切屑排出溝を通して外部へ排出するようになっており、切削穴が深くなってもクーラントの送り圧は工具長さによって決まるため、小径の深穴加工に適している。
従来、上記のガンドリルとして、鋼製の中空シャンク部の先端に、むくの超硬合金からなる切削ヘッドをロウ付けしたものが汎用されている。また、特に小径のガンドリルでは、切刃がある程度摩耗すれば、研磨で刃立てを行って再使用するのが普通である。
しかしながら、近年においては、深穴加工を含む切削加工の能率を高めることが希求されると共に、切削工具及びその部品の耐久性の向上と保全に要する労力及び費用の削減が要望されており、もはや上記従来のガンドリルでは切削性及び耐久性が不充分であり、特に小径のものでは再使用のための刃立てに要する手間が問題化している。
本発明は、上述の情況に鑑み、ガンドリルとして、切削性に優れ、従来のものに比較して切削速度を飛躍的に速めることができ、もって高い深穴加工能率が得られると共に、切刃寿命が大幅に延び、特に小径の場合では再使用のための刃立ての頻度を少なくでき、それだけ手間を軽減できるものを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1は、図面の参照符号を付して示せば、外面に長手方向に沿う断面V字状の切屑排出溝11を有して内部をクーラント供給路12とする中空シャンク部1の先端1bに、先端面3aに前記クーラント供給路12に連通するクーラント放出口31を有する切削ヘッド3Cが装着されたガンドリルにおいて、摺接部6a,6bを含むヘット本体6が超硬合金Wよりも高硬度の焼結セラミックCにより形成され、このヘッド本体6に超硬合金Wからなる刃先部材7が固着され、該刃先部材7の切屑排出溝11(31)に面する側縁が切刃部32としてなることを特徴としている。
請求項2の発明は、上記請求項1のガンドリルにおいて、焼結セラミックスCが窒化珪素又は立方晶窒化ホウ素を主体とする焼結体であるものとしている。
請求項3の発明は、上記請求項1又は2のガンドリルにおいて、ヘッド本体6の焼結セラミックスCがメタライジング加工法によって前記刃先部材7の超硬合金Wに固着されてなる構成としている。
請求項1の発明に係るガンドリルによれば、深穴切削加工において、被削材を切削ヘッドの超硬合金からなる刃先部材の切刃部で切削しつつ、該切削ヘッドのヘッド本体が超硬合金よりも高硬度で靱性に乏しい焼結セラミックスで形成され、その摺接部分で切削穴の内周に摺接し、その剛体的な摺接部分で切削に伴う反力が安定的に受け止められることから、該切削ヘッドのビビリのような細かな振れが防止され、もって切削速度を飛躍的に速めて高い加工能率を達成できる上、切刃部の欠損及び摩耗が抑えられ、切刃寿命が延びると共に、小径のものでは再使用のための刃立ての頻度が著しく低下し、その手間とコストが大幅に低減される。
請求項2の発明によれば、上記の焼結セラミックスが特定成分の焼結体からなるため、切削速度をより速めることができ、切刃寿命も大幅に延びるという利点がある。
請求項3の発明によれば、上記焼結セラミックスからなるヘッド本体が超硬合金からなる切刃部材に対して極めて強固に確実に固着された状態となる。
以下に、本発明に係るガンドリルの実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1に示すように、ガンドリルは、中空シャンク部1と、この中空シャンク部1の基端部1aを挿嵌固着した径大筒状のドライバ部2と、中空シャンク部1のV字形にカットした先端1bにロウ付けされたドリリング用の切削ヘッド3Cとで構成されている。
中空シャンク部1は、パイプ材からなるが、ダイス成形等によって基端部1a側を除いて横断面が図4の如く2/3円形をなし、もって外面側に断面V字形で長手方向に沿う切屑排出溝11を形成すると共に、内部空間がクーラント供給路12を構成している。
ドライバ部2は、図示省略した回転駆動軸のチャック等に把持されて回転駆動力を受ける部位であり、周面に把持用平坦部21を有すると共に、中心線に沿って中空シャンク部1のクーラント供給路12に連通するクーラント供給路22を備えている。
図2及び図3に示すように、横断面が略1/2円形をなすヘッド本体6に横断面楔形の刃先部材7が固着されることによって、中空シャンク部1に対応して横断面が2/3円形をなす切削ヘッド3Cが形成され、もって切削ヘッド3Cの外面側に横断面1/3円形の切欠部分が中空シャンク部1の切屑排出溝11に連続する溝部31を形成しており、該溝部31の片側側縁を切刃部32として、深穴切削時に図2の矢印R方向(右回り)に回転駆動するようになっている。そして、このヘッド本体6の外周部2箇所に当該ヘッド本体6自体の膨らみによる摺接部6a,6bが形成され、先端面3aに繭形のクーラント放出口30が開口する。
しかして、切削ヘッド3Cは、摺接部6a,6bを含むヘッド本体6が超硬合金Wよりも高硬度の焼結セラミックスCにて構成され、このヘッド本体6に対し、切刃部32を含む横断面楔形の超硬合金Wからなる刃先部材7がメタライジング加工によって固着されている。
上記構成のガンドリルでは、深穴加工に際し、中空シャンク部1及びドライバ部2の内部クーラント供給路12,22を通して供給されるクーラントを切削ヘッド3Cのクーラント導出路34に導き、先端面3aのクーラント放出口30から切削部位へ供給しつつ、回転駆動する切削ヘッド3Cの超硬合金Wからなる刃先部材7の切刃部32で被削材の切削を行うと共に、この切削に伴って発生する切屑をクーラントと一緒に切削ヘッド3Cの溝部31と中空シャンク部1の切屑排出溝11を通して外部へ排出する。
しかして、この切削加工中、切削ヘッド3Cは切削穴の内周面に対してヘッド本体6の摺接部6a,6bで摺接することになるが、これら摺接部6a,6bが超硬合金Wよりも高硬度で靱性に乏しい焼結セラミックスCからなるため、その剛体的な摺接部分、特に摺接部6a側の摺接部分で切削に伴う反力が安定的に受け止められる。従って、加工に伴う該切削ヘッド3Cのビビリのような細かな振れが防止され、もって切刃部32による被削材の切削状態の安定化で切削性が著しく向上するから、切削速度を飛躍的に速めて高い加工能率を達成できる上、切刃部32の欠損及び摩耗が抑えられるため、切刃寿命が大幅に延び、特に小径のガンドリルでは消耗後の再使用のための刃立ての頻度が減るから、その手間とコストが大きく低減される。
ヘッド本体ド6を構成する焼結セラミックスCとしては、酸化物、窒化物、炭化物等を粉末を焼結して超硬合金Wよりも高硬度の焼結体としたものであればよく、例えば窒化ホウ素系、窒化珪素系、炭化チタン系、アルミナ系等が代表的であるが、特に窒化珪素の焼結体と立方晶窒化ホウ素の焼結体が好適なものとして挙げられる。
すなわち、ヘッド本体6として窒化珪素の焼結体を用いたガンドリルでは、切削ヘッドをムクの超硬合金Wとした従来構成のガンドリルに比較し、切削速度を4倍程度にも飛躍的に速めることが可能になる上、切刃部の寿命も大幅に延びることが判明している。また、同じく立方晶窒化ホウ素の焼結体を用いたガンドリルでは、切削ヘッド全体が超硬合金Wのガンドリルに比べ、特に被削材がアルミニウムやその合金である場合に格段に高い切削精度が得られると共に、被削材が焼入れ鋼の如き高硬度材である場合には刃先寿命が著しく延びることが判明している。
また、上述のように、焼結セラミックスCからなるヘッド本体6を超硬合金Wからなる刃先部材7に固着するのに利用するメタライジング加工法は、一般的にロウ付け等による接合が不可能なセラミックスと金属材を接合する技術として知られており、セラミックス表面にチタン合金等の活性金属ペーストを塗布して高温真空下で処理することにより、セラミックス表面を金属化し、この金属化した表面部で相手の金属材にロウ付けを行うものである。しかして、このガンドリルの切削ヘッド3Cの場合、ヘッド本体6の焼結セラミックスCをメタライジング加工によって前記刃先部材7の超硬合金Wに接合するが、その接合部は非常に緻密で高強度になる。
また、焼結セラミックスCからからなる摺接部は切削ヘッドの周面の一箇所又は3箇所以上にしてもよいが、少なくとも切刃部32による切削の反力を主に受ける周面部位、つまり切刃部32位置からヘッド回転方向後方側へ70〜100度程度の角度範囲に摺接部を設けることが推奨される。
1 中空シャンク部
1b 先端
11 切屑排出溝
12 クーラント供給路
3C 切削ヘッド
3a 先端面
30 クーラント放出口
32 切刃部
6 ヘッド本体
6a,6b 摺接部
C 焼結セラミックス
W 超硬合金
1b 先端
11 切屑排出溝
12 クーラント供給路
3C 切削ヘッド
3a 先端面
30 クーラント放出口
32 切刃部
6 ヘッド本体
6a,6b 摺接部
C 焼結セラミックス
W 超硬合金
Claims (3)
- 外面に長手方向に沿う断面V字状の切屑排出溝を有して内部をクーラント供給路とする中空シャンク部の先端に、先端面に前記クーラント供給路に連通するクーラント放出口を有する切削ヘッドが装着されたガンドリルにおいて、
摺接部を含むヘット本体が超硬合金よりも高硬度の焼結セラミックにより形成され、このヘッド本体に超硬合金からなる刃先部材が固着され、該刃先部材の切屑排出溝に面する側縁が切刃部としてなることを特徴とするガンドリル。 - 前記焼結セラミックスが窒化珪素又は立方晶窒化ホウ素を主体とする焼結体である請求項1記載のガンドリル。
- 前記ヘッド本体の焼結セラミックスがメタライジング加工法によって前記刃先部材の超硬合金に固着されてなる請求項1〜2のいずれかに記載のガンドリル。
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CN116000285A (zh) * | 2022-12-23 | 2023-04-25 | 株洲硬质合金集团有限公司 | 一种带v型槽的孔棒及其制备方法和应用 |
Citations (4)
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JPH0526220U (ja) * | 1991-02-15 | 1993-04-06 | 東芝タンガロイ株式会社 | ガンドリル |
JP2001138132A (ja) * | 1999-11-16 | 2001-05-22 | Mitsubishi Materials Corp | リーマ |
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- 2011-09-12 JP JP2011198408A patent/JP2011245622A/ja active Pending
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