JP2005138200A - 内径加工用工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】切り屑排出性に優れ、スローアウェイインサートの拘束力が大きくビビリ振動を発生し難く、刃先位置の繰り返し精度が高い刃先交換式内径加工用工具を提供する。
【解決手段】先端部に切れ刃1を有する径小棒状部2と、傾斜部3を介して略直線的に連なる径大部4とを有し、これに直線的に連なる略角柱状シャンク部5を備えたスローアウェイインサート6を、略角柱状をしたホルダー7の先端側面部位に設けたポケット8内に該シャンク部5の端部14が、該ポケット8内の端部13に当接する様に配置し、該ポケット8内に該シャンク部5をクランプ固定する為の傾斜部9の傾斜角度αが、20≦α≦30であることを特徴とする内径加工用工具である。
【選択図】図1
【解決手段】先端部に切れ刃1を有する径小棒状部2と、傾斜部3を介して略直線的に連なる径大部4とを有し、これに直線的に連なる略角柱状シャンク部5を備えたスローアウェイインサート6を、略角柱状をしたホルダー7の先端側面部位に設けたポケット8内に該シャンク部5の端部14が、該ポケット8内の端部13に当接する様に配置し、該ポケット8内に該シャンク部5をクランプ固定する為の傾斜部9の傾斜角度αが、20≦α≦30であることを特徴とする内径加工用工具である。
【選択図】図1
Description
本発明は内径加工用工具に関し、例えば、円盤状記憶媒体用ドライブモータ部品、電気電子部品、自動車部品などの特に小径小型部品の内径加工に適した加工用工具に関する。
内径の繰り広げ加工や倣い加工では、その加工径が小径になるほど工具径も小径となり、工具剛性が低下することによりビビリなどの振動が発生しやすいという課題がある。また、加工部品の小径化、高精度化により、刃先の繰り返し精度が求められている。特許文献1は、小径加工用工具であって、加工部と保持部から構成されたチップと該チップを固着支持するためのスリーブとから成る工具が開示されている。しかし、特許文献1の小径加工用工具では、チップのシャンクに対しスリーブの外側からのセットボルトを作用させて固定していたため、チップを拘束する力が弱く、そのためビビリ振動が発生しやすいという不具合があった。また、刃先位置のくり返し精度が悪いという問題があった。更に、内径加工時に、スリーブの端面がワークの穴を完全に塞ぐように位置することになるので、切屑の排出性に問題があった。
本発明は、切り屑排出性に優れ、スローアウェイインサートの拘束力が大きくビビリ振動を発生し難く、刃先位置の繰り返し精度が高い刃先交換式内径加工用工具を提供することである。
本願発明は、先端部に切れ刃1を有する径小棒状部2と、傾斜部3を介して略直線的に連なる径大部4とを有し、これに直線的に連なる略角柱状シャンク部5を備えたスローアウェイインサート(以下、単にインサートと言う。)6を、略角柱状をしたホルダー7の先端側面部位に設けたポケット8内に該シャンク部5の端部14が、該ポケット8内の端部13に当接する様に配置し、該ポケット8内に該シャンク部5をクランプ固定する為の傾斜部9の傾斜角度α(度)が、20≦α≦30であることを特徴とする内径加工用工具である。本構成を採用することにより、切り屑排出性に優れ、インサートの拘束力が大きくビビリ振動を発生し難く、刃先位置の繰り返し精度が高いスローアウェイ式内径加工用工具を提供することができる。
本発明の内径加工用工具は、径小棒状部2の寸法をd、径大部4の寸法をDとした時、d<D<2dであり、該径小棒状部2の長軸方向の長さをM、該ホルダー7の前方に突出している該径小棒状部2を含む傾斜部3および径大部4における全体の長軸方向の長さをLとした時、0.3<M/L<0.6であり、該径小棒状部2から径大部4への傾斜部3の角度をθ(度)とした時、15<θ<45である。また、インサート6の基体は、重量%でCoが5〜15%、硬質分散相のWCの平均粒径が1.0μm以下からなるWC基超硬合金からなる。更に、内径加工用工具の少なくとも切れ刃1を有する径小棒状部2は耐摩耗性皮膜を被覆しており、該皮膜は、金属成分としてTi、Al、Si、Cr、Bより選ばれる1種以上と、非金属成分としてC、N、Oより選ばれる1種以上とからなる耐摩耗性皮膜を被覆したものである。
本発明は、切り屑排出性に優れ、インサートの拘束力が大きくビビリ振動を発生し難く、刃先位置の繰り返し精度が高い刃先交換式内径加工用工具を提供することができる。
内径加工においては、切り屑によって加工面に損傷を与えない様にすることが重要で、そのためには工具自体が加工面に損傷を与えないような切り屑の流れを誘導することが必要であり、本発明はこれを実現させたものである。本発明の内径加工用工具を図1から図6に示す。図1は内径加工用工具の概略図、図2は図1のX矢視図である。また、図3は本発明の内径加工用工具に装着するインサートの概略図、図4は図3のY矢視図、図5は図3のZ矢視図、図6は図3のW矢視図を示す。本発明の内径加工用工具のクランプ方法は、クランプ駒を用いた固定方法を採用している。クランプ時にインサートとホルダーのポケット内で、楔効果を働かせる為にシャンク部低面に傾斜角度αを設けている。ホルダーの先端部位に設けたポケット内にシャンク部をクランプ固定する為の傾斜部分の傾斜角度α(度)は、20≦α≦30である。20度未満では楔効果が不充分で、十分な引込みが得られない。30度を超えて大きい場合では、ポケット部の加工が困難になるほか、ホルダー先端側面部のポケット付近の剛性が低下する。インサートをホルダーの先端側面部に設けたポケット内にクランプ固定することにより、切り屑の排出経路を塞ぐことがなく、切り屑排出性が向上する。また、シャンク部低面に傾斜角度αを設けた方法と、シャンク部分5の端部14が、ポケット8内の端部13に当接する様に配置する方法とを併用する本発明の内径加工用工具のクランプ方法により、インサートのインデックス時に刃先位置の繰り返し精度が向上した。
本発明は、径小棒状部の形状を略半円状としているが、これは加工径に対し最大限の厚肉とし、インサートの剛性を保ち、ビビリなどの振動を抑制する為である。多角形状や円弧の組合せなどにより半円形状に近似させた場合も、本発明の目的を満たすものである。本発明の内径加工用工具は、ホルダーの先端側面部位に設けたポケット内に、インサートのシャンク部をクランプ固定する為、ポケット内面に相対するインサートの各面において、その接触は面当たりとなり、強固なクランプ剛性が得られる。このとき、ポケット内面に相対するインサートの各面は、それぞれの面において凹形状とし、各面において両端側における2面当たりとすることが好ましい。上記の様に、インサート底面は、角度αの傾斜面とし、楔効果によりさらに強固なクランプ剛性が得られる。本発明によると、小径棒状部の剛性を確保、向上させ、良好な仕上げ面が得られた。
本発明の内径加工用工具は、インサートの径小棒状部において、切れ刃を有する端面側の径小部における、インサート長軸方向に対し垂直方向の最大肉厚部寸法をdと、径小部からシャンク部へ連なるインサート長手方向に角度をθとした傾斜部を介して径大部を備え、径大部におけるインサート長軸方向に対し垂直方向の最大肉厚部の寸法をDとし、Dとdとの関係を、d<D<2dとした。d<Dの関係は径小棒状部を含むホルダーより突出している部分の剛性を確保しビビリなどの振動発生を抑えるので好ましい。また、D<2dの関係は、小径棒状部の径大部と加工内径との干渉を避ける為に必要である。本構成により、切れ刃を有する径小部の先端で発生した切り屑は、径小部の上面10へと排出される。排出された切り屑は、傾斜部により径大部へと案内され、径大部上面11を通過し加工面を損傷することなく加工径外へ排出される。
本発明の内径加工用工具は、径小棒状部の長軸方向の長さ寸法をM、径小棒状部を含むホルダーより突出ている部分の長軸方向の長さ寸法をLとした時、0.3<M/L<0.6である。M/Lが0.3以下であると、切れ刃部分で発生した切り屑が、加工内径外へ排出されず、内径内に留まり仕上げ面を損傷してしまう。一方、切れ刃のビビリ振動による加工面の劣化を回避するために、径小棒状部を含むインサートのホルダーより突出している部分の剛性が必要であるが、M/Lが0.6以上では、小径棒状部の剛性が確保できず、ビビリなどの振動が発生してしまう為、好ましくない。これは、切削加工中のビビリ振動が、仕上げ面を劣化させるからである。切り屑排出性と小径棒状部の剛性を両立するには、0.3<M/L<0.6とする必要がある。本発明によると切り屑排出性の改善を実現させ良好な仕上げ面が得られた。
径小棒状部2から径大部4への傾斜部3の角度をθ(度)とした時、15<θ<45である。θが15度以下、又は45以上では、径小部上面からの切り屑の流れが径大部へとうまく伝わらず仕上げ面を損傷してしまう。本発明の内径加工用工具は、切れ刃の稜線をシャープエッジに加工して、低切り込み、かつ低送り量の仕上げ切削に使用する場合が多い。十分な工具寿命を実現する為に、インサートの基体は、重量%でCoが5〜15%、硬質分散相のWCの平均粒径が1.0μm以下からなるWC基超硬合金である。シャープエッジ以外の刃先処理を施した場合などにおいても、同様の基体を使用することが出来る。本発明の内径加工用工具は、切れ刃の耐摩耗性を向上させ、工具寿命を延命するに、内径加工用工具の少なくとも切れ刃を有する径小棒状部に、金属成分としてTi、Al、Si、Cr、Bより選ばれる1種以上と、非金属成分としてC、N、Oより選ばれる1種以上とからなる耐摩耗性皮膜を被覆する。
本発明の内径加工用工具は、表1に示す、インサートのクランプ方法における底面の角度αと、M、θ、Lの関係が、剛性を保ちかつ円滑な切り屑排出を行なう為に大切になる、αは15度から35度、インサートの基体は、重量%でCoが8%、硬質分散相のWCの平均粒径が0.7μmからなるWC基超硬合金を用い、インサート寸法のLは12mm、θを13、20、47度に設定し、Mを2〜8mmに設定したインサートを作成し、これに(TiAl)N皮膜を被覆した。
表1記載のインサートを用い、切削テストを行なった。評価は仕上げ面性状に着目し、仕上げ面におけるビビリ目の有無によりビビリ振動発生の有無を判定した。また、切り屑による仕上げ面の損傷有無を確認することで、切り屑の円滑な排出を判定した。切削条件を以下に示す。
(切削条件)
被削材の材質:SUS430
切削速度:80m/min
送り速度:0.02mm/rev
切り込み量:0.2mm
切削油剤:使用
評価:○;仕上げ面良、△;仕上げ面に軽度なビビリ有り、
×;仕上げ面に重度なビビリ目有り
(切削条件)
被削材の材質:SUS430
切削速度:80m/min
送り速度:0.02mm/rev
切り込み量:0.2mm
切削油剤:使用
評価:○;仕上げ面良、△;仕上げ面に軽度なビビリ有り、
×;仕上げ面に重度なビビリ目有り
切削テストの結果、本発明例1から11では、αが本発明の数値規定範囲内にあることから、切削テストの評価結果において不具合は生じなかった。一方、本発明例12から14は、M/Lの値が0.3以下となっていたため仕上げ面に切り屑による軽度な損傷が発生した。本発明例15、16は、M/Lの値が0.6以上となっていたため、ビビリ振動による軽度なビビリ目が発生し、0.3<M/L<0.6が好ましいことを確認した。本発明例17は、D>2dであり、径小棒状部の径大部と加工内径との干渉の発生により、軽度なビビリ目が発生した。本発明例18は、D=dとなったため、ホルダーより突出している部分の剛性が不十分となり、ビビリ振動発生を抑えることができず軽度なビビリ目が発生した。本発明例19は、θが13度、比較例20はθが47度であったため、径小部上面からの切り屑の流れが径大部へとうまく伝わらず、切り屑が絡んで仕上げ面の軽度な損傷が発生した。一方、比較例21から24は、αが本発明の数値規定範囲外であったことから、切削テストの評価結果においてビビリ振動による重度のビビリ目が発生した。これは、比較例21、22はαが20度未満のため楔効果が不充分で十分な引込みが得られず、また比較例23、24はαが30度を超えて大きいため、ホルダー先端側面部のポケット付近の剛性が低下したためと考えられる。
1:切れ刃部
2:径小棒状部
3:傾斜部
4:径大部
5:シャンク部
6:スローアウェイインサート
7:ホルダー
8:ポケット部
9:傾斜部
10:径小棒状部上面
11:径大部上面
12:クランプ駒
13:ポケット8内の端部
14:シャンク部分5の端部
2:径小棒状部
3:傾斜部
4:径大部
5:シャンク部
6:スローアウェイインサート
7:ホルダー
8:ポケット部
9:傾斜部
10:径小棒状部上面
11:径大部上面
12:クランプ駒
13:ポケット8内の端部
14:シャンク部分5の端部
Claims (4)
- 先端部に切れ刃1を有する径小棒状部2と、傾斜部3を介して略直線的に連なる径大部4とを有し、これに直線的に連なる略角柱状シャンク部5を備えたスローアウェイインサート6を、略角柱状をしたホルダー7の先端側面部位に設けたポケット8内に該シャンク部5の端部14が、該ポケット8内の端部13に当接する様に配置し、該ポケット8内に該シャンク部5をクランプ固定する為の傾斜部9の傾斜角度αが、20≦α≦30であることを特徴とする内径加工用工具。
- 請求項1記載の内径加工用工具において、該径小棒状部2の寸法をd、径大部4の寸法をDとした時、d<D<2dであり、該径小棒状部2の長軸方向の長さをM、該ホルダー7の前方に突出している該径小棒状部2を含む傾斜部3および径大部4における全体の長軸方向の長さをLとした時、0.3<M/L<0.6であり、該径小棒状部2から径大部4への傾斜部3の角度をθとした時、15<θ<45であることを特徴とした内径加工用工具。
- 請求項1又は2記載の内径加工用工具において、該スローアウェイインサート6の基体は、重量%でCoが5〜15%、硬質分散相のWCの平均粒径が1.0μm以下からなるWC基超硬合金からなることを特徴とした内径加工用工具。
- 請求項1乃至3いずれかに記載の内径加工用工具において、該内径加工用工具の少なくとも切れ刃1を有する径小棒状部2は耐摩耗性皮膜を被覆しており、該皮膜は、金属成分としてTi、Al、Si、Cr、Bより選ばれる1種以上と、非金属成分としてC、N、Oより選ばれる1種以上とからなる耐摩耗性皮膜を被覆したことを特徴とした内径加工用工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003375120A JP2005138200A (ja) | 2003-11-05 | 2003-11-05 | 内径加工用工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003375120A JP2005138200A (ja) | 2003-11-05 | 2003-11-05 | 内径加工用工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005138200A true JP2005138200A (ja) | 2005-06-02 |
Family
ID=34686572
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003375120A Pending JP2005138200A (ja) | 2003-11-05 | 2003-11-05 | 内径加工用工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005138200A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104815999A (zh) * | 2015-04-17 | 2015-08-05 | 柳州蔚园塑料彩印包装有限责任公司 | 小孔塑料件镗刀 |
CN114131066A (zh) * | 2021-12-03 | 2022-03-04 | 西安航天发动机有限公司 | 一种刀具 |
-
2003
- 2003-11-05 JP JP2003375120A patent/JP2005138200A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Legal Events
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A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20060628 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20060703 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060817 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061219 |