JP2011245405A - 微細気泡発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の小型化を図りつつ、微細気泡を比較的簡便に発生させることができ、微細気泡を含んだ液体の吐出と微細気泡を含まない通常の液体の吐出との切り替えを容易に行うことのできる微細気泡発生装置を提供すること。
【解決手段】微細気泡発生装置1において、微細気泡発生部27は、複数本のベンチュリ管4、6が並列に配置されて形成された圧壊ノズル5、7を有し、空気導入路16の大気への開放端に形成された吸気口17を開閉する開閉弁18が、液体流路の長さ方向にスライド自在に設けられ、開閉弁による吸気口の開閉により空気導入路への空気の導入とその停止が切替可能とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、気泡径が0.1〜1000μm程度の微細気泡を液体中に発生させ、微細気泡を含んだ液体を生成し、吐出する微細気泡発生装置に関する。
本出願人は、微細気泡発生装置に関し、下記特許文献1に記載したものを提案している。
特許文献1に記載した微細気泡発生装置は、気体が加圧溶解された気液溶解流体を減圧手段で圧力開放することによって微細気泡を発生させ、微細気泡を含んだ液体を吐出ノズルから噴射、吐出させるものである。この微細気泡発生装置では、吐出ノズルに、複数個のベンチュリ管が並列して設けられたベンチュリ管群が減圧手段として設けられ、このベンチュリ管群と吐出ノズルの吐出口との間に、ベンチュリ管群と一定間隔を隔てて金網状のメッシュが設けられている。
このような微細気泡発生装置は、ベンチュリ管群において発生する微細気泡の合一を、ベンチュリ管群とメッシュの間に形成される圧力維持空間によって阻止することができ、浴水などを微細気泡によって十分に白濁させることを可能にする。
特開2008−149038号公報
しかしながら、特許文献1に記載した微細気泡発生装置は、一般に加圧溶解方式に分類されるものであり、気泡径が十分に小さい微細気泡の発生に有効である一方で、気体を液体に溶解させるための溶解タンクなどが必要とされる。したがって、装置の小型化に自ずと限界があり、たとえば水栓金具に取り付けて使用するなどの場合、設置の制約などの問題があり、適用が難しいことが指摘される。
また、微細気泡発生装置の水栓金具への取付けを考慮すると、たとえば飲用やうがいなどの用途では、微細気泡を含んだ水などの液体が必ずしも必要とされない場合がある。特許文献1に記載した微細気泡発生装置は、運転により微細気泡が定常的に発生するため、微細気泡を含んだ液体を必要としない場合には、運転を停止しなければならない。微細気泡発生装置の運転とその停止の切り替えは、ボタン操作などによって行うことができるが、水栓金具を使用しているその場で微細気泡を含んだ液体の吐出と微細気泡を含まない通常の液体の吐出とを切り替えることができれば、微細気泡発生装置の利便性は大きく向上するものと期待される。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、装置の小型化を図りつつ、微細気泡を比較的簡便に発生させることができ、微細気泡を含んだ液体の吐出と微細気泡を含まない通常の液体の吐出との切り替えを容易に行うことのできる微細気泡発生装置を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の微細気泡発生装置は、液体の流入口と吐出口を有する液体流路を内部に備え、この液体流路の途中に、大気に開放された空気導入路が連通されるとともに、この空気導入路から吸引した空気を圧壊により微細化し、微細気泡を発生させる微細気泡発生部が設けられた微細気泡発生装置であって、微細気泡発生部は、複数本のベンチュリ管が並列に配置されて形成された圧壊ノズルを有し、空気導入路の大気への開放端に形成された吸気口を開閉する開閉弁が、液体流路の長さ方向にスライド自在に設けられ、開閉弁による吸気口の開閉により空気導入路への空気の導入とその停止が切替可能とされていることを特徴とする。
この微細気泡発生装置においては、複数の網板が重ねられて形成された整流板が、圧壊ノズルの各ベンチュリ管の出口に対向して設けられていることが好ましい。
また、この微細気泡発生装置においては、微細気泡発生部は、複数の圧壊ノズルを有し、各圧壊ノズルが直列に配置され、一部または全部の圧壊ノズルの出口側に整流板が設けられていることが好ましい。
また、この微細気泡発生装置においては、水栓金具の吐水部に設けられることが好ましい。
本発明の微細気泡発生装置によれば、微細気泡の発生が比較的簡便に実現され、装置の小型化が可能となる。また、微細気泡を含んだ液体の吐出と微細気泡を含まない通常の液体の吐出との切り替えを容易に行うことができる。
本発明の微細気泡発生装置の一実施形態を示した断面図である。 (a)(b)(c)は、それぞれ、図1に示した微細気泡発生装置のA−A断面図、B−B断面図、C−C断面図である。 (a)(b)は、それぞれ、流路切替板の一形態を示した斜視図、この流路切替板による流路の切替方法を示した正面図である。 (a)(b)は、それぞれ、空気導入路の吸気口を開閉する開閉弁を示した要部平面図および要部断面図である。 図1に示した整流板とそのメンテナンス方法を示した斜視図である。 整流板の別の形態とそのメンテナンス方法を示した斜視図である。 整流板の別の形態とそのメンテナンス方法を示した斜視図である。 (a)(b)は、それぞれ、整流板の別の形態を示した斜視図、断面図である。 (a)は、整流板の別の形態を示した斜視図であり、(b)(c)は、それぞれ、その整流板のメンテナンス方法を示した平面図である。 図1に示した微細気泡発生装置の設置例を示した要部側面図である。
上記のとおり、図1は、本発明の微細気泡発生装置の一実施形態を示した断面図である。図2(a)(b)(c)は、それぞれ、図1に示した微細気泡発生装置のA−A断面図、B−B断面図、C−C断面図である。
微細気泡発生装置1は、1本のベンチュリ管2を内部に有する第1圧壊ノズル3と、7本のベンチュリ管4を内部に有する第2圧壊ノズル5と、37本のベンチュリ管6を内部に有する第3圧壊ノズル7とから形成されている。
第1圧壊ノズル3は、略円筒状の形状を有し、ベンチュリ管2の入口8と同一面上に配置された入口9側に、ベンチュリ管2のくびれ部10が配置されている。ベンチュリ管2では、入口8からくびれ部10に向かって管径が次第に縮小し、くびれ部10から出口11に向かって管径が次第に拡大している。ベンチュリ管2は、微細気泡発生装置1において液体流路の一部を形成している。第1圧壊ノズル3の出口12は、ベンチュリ管2の出口11と同一面上に配置されている。
また、第1圧壊ノズル3では、ベンチュリ管2においてくびれ部10に近い出口11側の部分に、バイパス流路13の一端が接続され、バイパス流路13は、ベンチュリ管2と同軸上でかつその外側に配置されている。バイパス流路13は、図2(a)に示したように、断面が略1/4円の弧状の形状を有し、ベンチュリ管2の断面形状の円と同心円上に配置され、4つに分割されている。
バイパス流路13の一端がベンチュリ管2に接続される部分には、第1圧壊ノズル3の軸に直交する方向にスライド自在とされた流路切替板14が設けられている。
図3(a)(b)は、それぞれ、流路切替板の一形態を示した斜視図、この流路切替板による流路の切替方法を示した正面図である。
流路切替板14は、平面視長方形状の形状を有する板材であり、その中央部に、円形の流路切替口15が、流路切替板14の表裏を貫通して形成されている。流路切替板14は、通常、流路切替口15がベンチュリ管2に一致するように第1圧壊ノズル3に配置される。この状態から流路切替板14を上方にスライドさせると、ベンチュリ管2が流路切替板14によって閉鎖され、流路切替口15が、バイパス流路13と連通するように配置される。このとき、ベンチュリ管2のくびれ部10とバイパス流路13が連通する。このように、流路切替板14は、ベンチュリ管2により一部が形成される微細気泡発生装置1の液体流路とバイパス流路13とに切り替えることができる。
なお、流路切替板14は、通常の位置から下方にスライドさせても、バイパス流路13への切り替えが可能である。
また、図1に示したように、第1圧壊ノズル3では、ベンチュリ管2のくびれ部10に一端において連通し、他端において大気に開放された空気導入路16が設けられている。空気導入路16の断面形状は円形とされている。第1圧壊ノズル3において液体が入口9から出口12に向かってベンチュリ管2を流れるとき、くびれ部10において液体の流速が増加し、これにともなって低圧が発生し、空気が空気導入路16を通ってベンチュリ管2に吸い込まれる。このように吸い込まれる空気は、液体中に気泡となって混入するが、液体がベンチュリ管2を出口11に向かって流れるにしたがって圧力が増加することにより、気泡は砕かれ、気泡径は次第に小さくなっていく。
空気導入路16の大気に開放された他端、すなわち、大気への開放端には、円形の吸気口17が、第1圧壊ノズル3の外側面に形成されている。第1圧壊ノズル3には、また、吸気口17の付近に、第1圧壊ノズル3の長さ方向にスライド自在とされた開閉弁18が設けられている。開閉弁18は、そのスライドによって吸気口17を開閉し、吸気口17を閉鎖するとき、ベンチュリ管2への空気の吸い込みを遮断することができる。
図4(a)(b)は、それぞれ、空気導入路の吸気口を開閉する開閉弁を示した要部平面図および要部断面図である。
図4(a)に示したように、吸気口17の付近の第1圧壊ノズル3の外側面には、吸気口17をはさんで両側にレール53が1本ずつ設けられている。2本のレール53において対向する内側の側面には、図1に示したように、溝状のガイド54が設けられている。開閉弁18は、ほぼ正方形状の形状を有し、対向して配置された一組の側端縁部が、ガイド54に挿入され、開閉弁18は、レール53に沿って、図4(a)図中に矢印で示した第1圧壊ノズル3の長さ方向にスライド自在に設けられている。開閉弁18の他の一組の側端縁部には、その裏面の中央部に、下方に突出する爪55が設けられている。
一方、吸気口17の外側には、円環形状を有するOリング56がシール部材として設けられている。また、Oリング56の外側には、2つの係止突起57が、第1圧壊ノズル3から立ち上がるように設けられている。2つの係止突起57は、第1圧壊ノズル3の長さ方向に対向して配置されている。
図4(a)に示したように、開閉弁18が、第1圧壊ノズル3のベンチュリ管2の上流側に配置され、吸気口17が開放されているとき、上記のとおり、第1圧壊ノズル3において液体が入口9から出口12に向かってベンチュリ管2を流れると、くびれ部10において液体の流速が増加し、これにともなって低圧が発生し、空気が、吸気口17から空気導入路16を通ってベンチュリ管2に吸い込まれる。
一方、図4(b)に示したように、開閉弁18を吸気口17側にスライドさせ、スライド方向の前後に配置された爪55が、係止突起57を乗り越えると、各爪55は、係止突起57の各一つにより係止され、開閉弁18は吸気口17の上方に固定される。このとき、シール部材としてのOリング56は、開閉弁18の裏面に密着するため、吸気口17は開閉弁18によって閉鎖される。この状態では、空気導入路16は大気に開放されず、たとえ液体が上記のとおりにベンチュリ管2を流れても、ベンチュリ管2への空気の吸い込みは遮断される。
このような開閉弁18のスライドは、手動で行うことができる。
なお、開閉弁18のスライドは、必ずしも手動に限定されることはなく、小型化が可能である限り、電動方式とすることもできる。
また、図2(a)に示したように、第1圧壊ノズル3では、出口12側の外周部に、平面視略ひし形状の形状を有するフランジ19が設けられている。フランジ19は、第1圧壊ノズル3の外周外側に突出し、対角位置に当たる上下の端部のそれぞれに円形のボルト穴20が形成されている。
さらに、図1に示したように、第1圧壊ノズル3においてフランジ19よりも出口12側の端部には、Oリング21が第1圧壊ノズル3の外周部に設けられている。
第2圧壊ノズル5は、第1圧壊ノズル3と同様に、略円筒状の形状を有する一方、ベンチュリ管4の入口22側の端部に、第1圧壊ノズル3の出口12側の端部の外径に一致する内径を有する第1凹部23が形成されている。第2圧壊ノズル5は、第1凹部23の内側に第1圧壊ノズル3の出口12側の端部を嵌め込むことによって、第1圧壊ノズル3に直列に接続されている。Oリング21は、第1凹部23の内周面に密着し、水密性を高めている。
図2(b)に示したように、第2圧壊ノズル5の入口側の端縁部には、第1圧壊ノズル3のフランジ19に重なり合う、平面視略ひし形状の形状を有するフランジ24が設けられている。フランジ24は、第2圧壊ノズル5の外周外側に突出し、対角位置に当たる上下の端部のそれぞれに円形状のボルト穴25が形成されている。ボルト穴25は、ボルト穴20と一致し、両ボルト穴20、25は連通している。
また、第2圧壊ノズル5では、その中央部にベンチュリ管4が1本配置されるとともに、中央部に配置されたこのベンチュリ管4を中心としてその外側に等距離で6本のベンチュリ管4が配置され、6本のベンチュリ管4は等間隔で配置されている。こうして、計7本のベンチュリ管4が、第2圧壊ノズル5に並列に配置され、微細気泡発生装置1において液体流路の一部を形成し、全てのベンチュリ管4では、入口22から出口26に向かって中間のくびれ部までは管径が次第に縮小し、くびれ部からは管径が次第に拡大している。第2圧壊ノズル5は、微細気泡発生装置1における微細気泡発生部27の一部を形成している。
なお、第2圧壊ノズル5の第1圧壊ノズル3との直列接続によって、ベンチュリ管4は、第1圧壊ノズル3のベンチュリ管2と連通する。
また、第2圧壊ノズル5では、図1に示したように、ベンチュリ管4の出口26側の端部に、外側に配置された6本のベンチュリ管4の外側からさらに外側に向かって管径が拡大された空間である第2凹部28が形成されている。
さらに、第2圧壊ノズル5では、バイパス流路29が形成されている。バイパス流路29の入口は、外側に配置された6本のベンチュリ管4の外側に配置され、第2圧壊ノズル5の出口30に向かって延び、バイパス流路29の出口は、第2凹部28の外側に配置されている。バイパス流路29は、図2(b)に示したように、バイパス流路13と同様に、断面が略1/4円の弧状の形状を有し、ベンチュリ管4と同心円上に配置され、4つに分割されている。第2圧壊ノズル5の第1圧壊ノズル3との直列接続によって、バイパス流路29は、第1圧壊ノズル3に形成されたバイパス流路13と連通する。
そして、第2圧壊ノズル5では、出口30側の外周部に、外径が入口側の端部よりも小さい段部31が形成され、段部31には、出口30側の外周部にOリング32が設けられている。
第3圧壊ノズル7は、第2圧壊ノズル5と同様に、略円筒状の形状を有し、ベンチュリ管6の入口33側の端部に、第2圧壊ノズル5の段部31の外径に一致する内径を有する凹部34が形成されている。第3圧壊ノズル7は、凹部34の内側に第2圧壊ノズル5の段部31を嵌め込むことによって、第2圧壊ノズル5に直列に接続され、第1圧壊ノズル3にも直列に配置されている。Oリング32は、凹部34の内周面に密着し、水密性を高めている。
図2(c)に示したように、第3圧壊ノズル7の入口側の端縁部には、第2圧壊ノズル5のフランジ24に対向して配置される、平面視略ひし形状の形状を有するフランジ35が設けられている。フランジ35は、第3圧壊ノズル7の外周外側に突出し、対角位置に当たる上下の端部のそれぞれに円形状のボルト穴36が形成されている。ボルト穴36は、第2圧壊ノズル5のフランジ24に形成されたボルト穴25に対向して配置される。
なお、フランジ35は、第2圧壊ノズル5の段部31側の端面に当接することにより、第3圧壊ノズル7を第2圧壊ノズル5に嵌め込む際の位置決めを可能としている。
また、第3圧壊ノズル7では、その中央部にベンチュリ管6が1本配置されるとともに、中央部に配置されたこのベンチュリ管6を中心としてその外側に等距離で6本のベンチュリ管6が配置され、6本のベンチュリ管6は等間隔で配置されている。また、これら6本のベンチュリ管6の外側に、中央部に配置されたベンチュリ管6を中心として等距離で12本のベンチュリ管6が配置され、12本のベンチュリ管6も等間隔で配置されている。さらに、これら12本のベンチュリ管6の外側に、同じく中央部に配置されたベンチュリ管6を中心として等距離で18本のベンチュリ管6が配置され、18本のベンチュリ管6も等間隔で配置されている。こうして、計31本のベンチュリ管6が、第3圧壊ノズル7に並列に配置され、微細気泡発生装置1において液体流路の一部を形成し、全てのベンチュリ管6では、入口33から出口37に向かって中間のくびれ部までは管径が次第に縮小し、くびれ部からは管径が次第に拡大している。第3圧壊ノズル7も、微細気泡発生装置1における微細気泡発生部27の一部を形成している。第3圧壊ノズル7の第2圧壊ノズル5との直列接続によって、ベンチュリ管6は、第2圧壊ノズル5のベンチュリ管4と連通するとともに、第1圧壊ノズル3のベンチュリ管2とも連通する。
また、第3圧壊ノズル7では、図1に示したように、ベンチュリ管6の出口37側の端部に、最外部に配置された18本のベンチュリ管6の外側からさらに外側に向かって管径が拡大された、凹状形状を有する液体吐出口38が形成されている。
さらに、第3圧壊ノズル7では、バイパス流路39が形成されている。バイパス流路39の入口は、最外部に配置された18本のベンチュリ管6のさらにその外側に配置され、第3圧壊ノズル7の液体吐出口38に向かって延び、バイパス流路39の出口40は、液体吐出口38の外側に配置されている。バイパス流路39もまた、図2(c)に示したように、他のバイパス流路13、29と同様に、断面が略1/4円の弧状の形状を有し、ベンチュリ管6と同心円上に配置され、4つに分割されている。第3圧壊ノズル7の第2圧壊ノズル5との直列接続によって、バイパス流路39は、第2圧壊ノズル5に形成されたバイパス流路29と連通するとともに、第1圧壊ノズル3に形成されたバイパス流路13とも連通する。
また、第3圧壊ノズル7では、液体吐出口38側の端部の外周部に、フランジ35と同一の形状を有するフランジ41が設けられ、フランジ41は、フランジ35に対向して配置されている。フランジ41にもフランジ35と同様にボルト穴42が形成され、ボルト穴42は、ボルト穴36に対向して配置されている。このようにして対向して配置されたフランジ19、24、35、41のボルト穴20、25、36、42に、ボルト43が、フランジ41側からねじ込まれ、直列に接続された第1圧壊ノズル3、第2圧壊ノズル5および第3圧壊ノズル7は、しっかりと連結され、微細気泡発生装置1として一体とされている。
このような微細気泡発生装置1では、第1圧壊ノズル3の出口12と、第2圧壊ノズル5に形成され、出口12に対向して配置された第1凹部23の端面との間に、平面視円形の整流板44が設けられている。整流板44は、第1圧壊ノズル3のベンチュリ管2の出口11に対向して配置されている。また、整流板44は、第2圧壊ノズル5の出口30と、第3圧壊ノズル7に形成され、出口30に対向して配置された凹部34の端面との間にも設けられ、第2圧壊ノズル5の各ベンチュリ管4の出口26および第2凹部28に対向して配置されている。これらの整流板44は、ボルト43による上記のとおりの連結によって、第1圧壊ノズル3と第2圧壊ノズル5とにより挟持され、また、第2圧壊ノズル5と第3圧壊ノズル7とにより挟持される。
また、整流板44は、第3圧壊ノズル7の液体吐出口38側にも設けられ、第3圧壊ノズル7の各ベンチュリ管6の出口37に対向して配置されている。液体吐出口38側に設けられた整流板44は、その外周縁部が、第3圧壊ノズル7の液体吐出口38側の内周部に設けられる溝状の凹部に嵌め込まれて第3圧壊ノズル7に取り付けられ、固定されている。
いずれの整流板44も、3枚の網板45が重ねられて形成されている。
なお、整流板44は、第1圧壊ノズル3、第2圧壊ノズル5および第3圧壊ノズル7の出口12、30、および出口としての液体吐出口38側の全てに設ける必要は必ずしもなく、微細気泡の発生を考慮していずれか一箇所または二箇所に設けることも可能である。
図5は、図1に示した整流板とそのメンテナンス方法を示した斜視図である。
整流板44を形成する網板45は、弾性を有するものであり、たとえば、金属製の細線を網状に編んで形成したり、弾性を有する樹脂などを一体成形したりして形成することができる。網板45は、平面視円形の形状を有している。網板45の粗さは、たとえば、50〜200メッシュ程度とすることができ、設けられる部位に応じて粗さを変えることができる。また、整流板44において各網板45の粗さを同一とするばかりでなく、変えることもできる。
なお、整流板44では、網板45は、2枚以上の複数が重ねられて形成されていればよく、3枚に限定されることはない。液体の整流効果と気泡の合一の抑制とを考慮すると、網板45の枚数は、2〜20枚が好ましく例示される。
図5に示した整流板44では、網板45は、外周部の一箇所において溶着により接合されている。溶着部46は、網板45の形成材料によって適宜に形成される。金属製の網板45の場合は、半田や溶接などにより溶着部46を形成することができ、樹脂製の網板45の場合は、加熱による溶解などによって形成することができる。
このように、図5に示した整流板44では、3枚の網板45が、外周部の一箇所に配置された溶着部46において接合されているので、メンテナンス時に、網板45がばらばらにならず、一つの整流板44として取り出すことができる。このため、目詰まりの解消などのために洗浄した後に紛失したり、取付けを忘れたりすることがない。また、一箇所の溶着部46によって接合されているだけであるため、弾性を有する網板45は、溶着部46を固定点として相互に離間させるように曲げることができる。したがって、各網板45について目詰まりなどのメンテナンスを行うことができ、異物を網目から除去することができる。網板45を完全に一体化させてしまうと、個別にメンテナンスすることができず、特に、内側に配置された網板45のメンテナンスは非常に難しくなる。
図6は、整流板の別の形態とそのメンテナンス方法を示した斜視図である。
図6に示した整流板44では、3枚の網板45が重ねられて形成されているが、溶着部46が、網板45の外周部の二箇所に配置され、網板45が接合されている。2つの溶着部46は、網板45の直径方向に対向して配置されている。このような整流板44も、図5に示した整流板44と同様に、各網板45について目詰まりなどのメンテナンスを行うことができる。図6に示した整流板44では、2つの溶着部46を結ぶ仮想線47を中心線として、網板45は、その両側に曲げることができ、相互に離間させることができる。
図7は、整流板の別の形態とそのメンテナンス方法を示した斜視図である。
図7に示した整流板44では、3枚の網板45が、その中心部に配置された一箇所の溶着部46において接合されている。このような整流板44においても、図5に示した整流板44と同様に、溶着部46を固定点として相互に離間させるように曲げることができる。したがって、各網板45について目詰まりなどのメンテナンスを行うことができる。
図8(a)(b)は、それぞれ、整流板の別の形態を示した斜視図、断面図である。
図8(a)(b)に示した整流板44では、平面視円環状であり、断面が略コ字形の形状を有する取付けカバー48が設けられ、重ねられた3枚の網板45の外周縁部を取付けカバー48により挟み込んで機械的に接合している。取付けカバー48は、たとえばゴム製などの弾性を有するものであり、径方向に多少引っ張ることができる。このため、メンテナンス時に、一体化された整流板44を取り出した後、取付けカバー48を外側に引っ張ることによって、各網板45を取付けカバー48から取り外すことができる。したがって、各網板45について洗浄によって目詰まりなどのメンテナンスを行うことができ、異物を網目から除去することができる。メンテナンス後には、網板45を個別にまたは3枚重ねて取付けカバー48にその内側から圧入して取り付けることができる。網板45は、その外周縁部において取付けカバー48により挟持され、接合して整流板44として一体化される。このような網板45の取付けおよび取外しは、取付けカバー48の弾性を利用するものであり、容易である。
図9(a)は、整流板の別の形態を示した斜視図であり、図9(b)(c)は、それぞれ、その整流板のメンテナンス方法を示した平面図である。
図9(a)に示した整流板44では、取付けカバー48は、図8(a)(b)に示した取付けカバー48と同様に、平面視円環状であり、断面が略コ字形の形状を有し、重ねられた3枚の網板45の外周縁部を挟み込んで接合するものである。一方、図9(a)に示した取付けカバー48は、図8(a)(b)に示した取付けカバー48と異なり、弾性のあまりない樹脂から形成されている。また、図9(a)に示した取付けカバー48は、平面視略半円状の2つの弧状部49から形成され、一方の弧状部49では、その一端部から外周に沿って外側に突出する爪50が設けられている。他方の弧状部49では、取付けカバー48を形成する際に、爪50が設けられた一方の弧状部49に近接する一端部において、その端縁からやや離れ、爪50の先端部が接触可能な位置にストッパー51が設けられている。
このような取付けカバー48は、具体的には、図9(b)に示したように、2つの弧状部49を、爪50、ストッパー51が設けられた一端部と反対側に位置する他端部において回動軸52によって連結し、回動軸52を中心として2つの弧状部49が回動自在としたものが例示される。整流板44のメンテナンス時には、2つの弧状部49を、図9(b)図中に矢印で示したように外側に回動させることによって、取付けカバー48から網板45を個別に取り出すことができる。メンテナンス後に整流板44に組み立てる際には、2つの弧状部49の内側に網板45を3枚重ねて配置し、図9(b)図中の矢印と反対の内側に2つの弧状部49を回動させる。この後、爪50を、ストッパー51が設けられた方の弧状部49の一端部の外側面上に嵌合させ、爪50の先端部をストッパー51に若干乗り上げさせ、ストッパー51により爪50を係止させる。このとき、2つの弧状部49はしっかりと結合し、取付けカバー48は、重ねられた3枚の網板45の外周縁部を挟み込んで接合する。
また、取付けカバー48は、図9(c)に示したように、2つの弧状部49を分離可能とすることもできる。この場合、一方の弧状部49には、両端部に上記のとおりの爪50を設け、他方の弧状部49には、両端部に上記のとおりのストッパー51を設けることができる。メンテナンス後に整流板44に組み立てる際には、2つの弧状部49を若干離して対向して配置させ、それらの内側に網板45を3枚重ねて配置し、一方の弧状部49の両端部に設けた爪50を他方の弧状部49の両端部の外側面上に嵌合させる。そして、上記のとおり、爪50の先端部をストッパー51に若干乗り上げさせ、ストッパー51により爪50を係止させる。このとき、2つの弧状部49はしっかりと結合し、取付けカバー48は、重ねられた3枚の網板45の外周縁部を挟み込んで接合する。
以上に示した微細気泡発生装置1では、第1圧壊ノズル3の入口9が液体の流入口として配置され、第3圧壊ノズル7の液体吐出口38が液体の吐出口として配置される。水などの液体が、第1圧壊ノズル3の入口9においてベンチュリ管2の入口8から液体流路に流入すると、通常時には、出口12に向かって液体がベンチュリ管2を流れるとき、くびれ部10において液体の流速が増加し、これにともなって低圧が発生する。吸気口17が開放されている場合、空気が、吸気口17から空気導入路16を通ってベンチュリ管2に吸い込まれる。吸い込まれた空気は、液体中に気泡となって混入し、液体がベンチュリ管2を出口11に向かって流れるにしたがって圧力が増加することにより、気泡は砕かれ、気泡径は次第に小さくなっていく。
このようにして生成する気泡を含んだ液体は、第1圧壊ノズル3の出口12と、第2圧壊ノズル5に形成され、出口12に対向して配置された第1凹部23の端面との間に設けられた、上記のとおりの整流板44を通過するとき、整流され、流れの乱れが抑制される。そして、液体中の気泡は、その合一が抑制される。
整流板44を形成する網板45の粗さが粗いと、気泡径は粗くなり、粗さが細かいと、気泡径は細かくなる。また、整流板44において重ねる網板45の枚数を少なくすると、気泡数は少なくなり、枚数を多くすると、気泡数は多くなる。このように、微細気泡発生装置1では、整流板44を形成する網板45の粗さと枚数を組み合わせることによって、気泡径と気泡数を様々に変化させることができる。用途に応じた微細気泡の発生が可能となっている。
この後、気泡を含んだ液体は、第2圧壊ノズル5に流入し、並列に配置された各ベンチュリ管4を入口22から出口26に向かって流れる。液体中の気泡は、ベンチュリ管4を流れるにしたがって圧力が、一旦減圧された後、増加することにより、さらに砕かれ、気泡径はさらに小さくなる。
気泡径が細かくされた気泡を含む液体は、一旦、第2凹部28に流出した後、第2圧壊ノズル5の出口30と、第3圧壊ノズル7に形成され、出口30に対向して配置された凹部34の端面との間に設けられた整流板44を通過する。このときにも、気泡を含んだ液体は、整流され、流れの乱れが抑制される。そして、液体中の気泡は、その合一が抑制される。
次いで、気泡を含んだ液体は、第3圧壊ノズル7に流入し、並列に配置された各ベンチュリ管6を入口33から出口37に向かって流れる。液体中の気泡は、ベンチュリ管6を流れるにしたがって圧力が、一旦減圧された後、増加することにより、さらにまた砕かれ、微細化され、0.1〜1000μm程度の微細気泡が生成する。
そして、この微細気泡を含んだ液体は、第3圧壊ノズル7の液体吐出口38側に設けられた整流板44を通過し、液体吐出口38から吐出する。液体は、さらに整流され、流れの乱れが抑制され、吐出する液体中の微細気泡は、その合一が十分に抑制され、上記のとおりの微小な気泡径を維持する。
このように、微細気泡発生装置1では、吸気口17から空気導入路16を通じた、第1圧壊ノズル3のベンチュリ管2への空気の吸い込みを遮断可能とした開閉弁18が設けられている。飲用やうがいなどの用途で必ずしも微細気泡を含んだ液体が必要とされないときなどの場合、開閉弁18により空気の吸い込みを遮断することができる。開閉弁18により空気の吸い込みを遮断すると、微細気泡を含まない通常の液体の吐出が可能となる。開閉弁18は、手元で操作することができ、手動も可能である。空気の吸い込みとその遮断を容易に切り替えることができ、微細気泡を含む液体の吐出と微細気泡を含まない通常の液体の吐出とに容易に切り替えることができる。しかも、この切り替えは、手動の場合、安価に実現され、電動方式とする場合の停電などによる動作不能というリスクを低減させることもできる。微細気泡発生装置1の利便性が向上する。もちろん、微細気泡発生装置1の小型化を前提として、開閉弁18のスライドに電動方式は採用可能である。
また、微細気泡発生装置1では、複数本のベンチュリ管4、6が並列に配置されて形成された第2圧壊ノズル5および第3圧壊ノズル7を有する微細気泡発生部27が設けられているので、吸気口17から空気導入路16を通じて液体流路に吸い込まれ、液体中に混入される空気の気泡を微細化することができる。微細気泡の発生は、上記加圧溶解方式の微細気泡発生装置のように溶解タンクなどを必要とせずに実現され、比較的簡便に実現され、装置の小型化が可能となる。
さらに、微細気泡発生装置1では、第2圧壊ノズル5および第3圧壊ノズル7の各ベンチュリ管4、6の出口26、37に対向して配置され、複数の網板45が重ねられて形成された整流板44が設けられているため、液体の流れの乱れが抑制され、微細気泡の合一を十分に抑制することができる。微細気泡を含んだ液体を効率よく生成して吐出することができる。
なお、微細気泡発生装置1では、流路切替板14によって液体流路からバイパス流路13、29、39に切り替えることができる。第3圧壊ノズル7のバイパス流路39の出口40から吐出する液体は、吸気口17が開閉弁18によって閉鎖されず、空気導入路16が開放されていても、気泡の混入の少ないものとなる。このように、微細気泡発生装置1では、用途に応じ、ベンチュリ管2、4、6などによって形成される液体流路またはバイパス流路13、29、39に切り替えることができる。
上記のとおりのバイパス流路13、29、39および流路切替板14は、開閉弁18が設けられているので必ずしも必要ではなく、微細気泡発生装置1の価格などに応じて適宜省略することも可能である。
図10は、図1に示した微細気泡発生装置の設置例を示した要部側面図である。
微細気泡発生装置1は、上記のとおり、小型化が可能であり、しかも、微細気泡を含む液体と微細気泡を含まない液体とを切り替えて吐出することができるため、厨房装置または洗面化粧台58のシンクまたは洗面ボウル59に取り付けられる水栓金具60の吐水部61に設けることができる。この場合、微細気泡発生装置1は、水道管に連通し、液体としての水道水は所定の圧力に加圧されているため、ポンプなどの動力を用いることなく、水栓金具60の吐水部61に取り付けるだけで微細気泡を含んだ水の吐出が可能となる。また、微細気泡を含む水と微細気泡を含まない水との切り替えを開閉弁18により手元で操作することができ、利便性に優れる。
なお、本発明は、以上の実施形態によって限定されることはない。圧壊ノズルの形状および構造、整流板を形成する網板の形状および材質、また、水栓金具の種類および構造などの細部については様々な態様が可能である。
1 微細気泡発生装置
2、4、6 ベンチュリ管(液体流路にも相当)
5 第2圧壊ノズル
7 第3圧壊ノズル
9 入口(液体の流入口に相当)
16 空気導入路
17 吸気口
18 開閉弁
27 微細気泡発生部
26、37 出口
30 出口
38 液体吐出口(液体の吐出口および第3圧壊ノズルの出口に相当)
44 整流板
45 網板
60 水栓金具
61 吐水部

Claims (4)

  1. 液体の流入口と吐出口を有する液体流路を内部に備え、この液体流路の途中に、大気に開放された空気導入路が連通されるとともに、この空気導入路から吸引した空気を圧壊により微細化し、微細気泡を発生させる微細気泡発生部が設けられた微細気泡発生装置であって、
    前記微細気泡発生部は、複数本のベンチュリ管が並列に配置されて形成された圧壊ノズルを有し、
    前記空気導入路の大気への開放端に形成された吸気口を開閉する開閉弁が、前記液体流路の長さ方向にスライド自在に設けられ、開閉弁による吸気口の開閉により空気導入路への空気の導入とその停止が切替可能とされていることを特徴とする微細気泡発生装置。
  2. 複数の網板が重ねられて形成された整流板が、前記圧壊ノズルの各ベンチュリ管の出口に対向して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の微細気泡発生装置。
  3. 前記微細気泡発生部は、複数の前記圧壊ノズルを有し、各圧壊ノズルが直列に配置され、一部または全部の圧壊ノズルの出口側に前記整流板が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の微細気泡発生装置。
  4. 水栓金具の吐水部に設けられることを特徴とする請求項に1から3のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置。
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