JP2011245379A - 液晶パネルの再資源化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃液晶パネルから、少ない労力とエネルギーにて、大がかりな設備を使用せず、安全に素材を分離し、有価物であるインジウムおよび重量の大半を占めるガラスを素材として再生利用することが可能である液晶パネルの再資源化方法を提供する。
【解決手段】ガラス基板の一方側に高分子フィルムが貼付され、他方側に希少金属が蒸着されている液晶パネルを再資源化する方法であって、液晶パネルを打撃することにより液晶パネルを破砕し、ガラス基板の破砕片と高分子フィルムとを分離回収する破砕分離工程を含むことを特徴とする、液晶パネルの再資源化方法。
【選択図】図1
【解決手段】ガラス基板の一方側に高分子フィルムが貼付され、他方側に希少金属が蒸着されている液晶パネルを再資源化する方法であって、液晶パネルを打撃することにより液晶パネルを破砕し、ガラス基板の破砕片と高分子フィルムとを分離回収する破砕分離工程を含むことを特徴とする、液晶パネルの再資源化方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶パネルの廃棄物(廃液晶パネル)の再資源化方法に関する。
近年、社会における生産・消費活動全般について一般廃棄物や産業廃棄物が増加し、不法投棄や埋立地逼迫などの地球環境問題が注目を集め、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済システムから資源循環型経済システムへの転換が社会的に重要な課題となってきている。
このような状況を受け、たとえば、2001年4月より家電リサイクル法が施行された。家電リサイクル法においては、2010年3月現在において、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の家電4品目のリサイクルが義務付けられ、また、それぞれの製品の再商品化率については、エアコン70%以上、ブラウン管式テレビ55%以上、薄型テレビ50%以上、冷蔵庫60%以上、洗濯機65%以上の法定基準値が定められている。
ところで、近年、表示部品として液晶パネル、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機ELパネル、電解放出型ディスプレイパネルなどの薄型パネルを搭載した薄型テレビの需要が、省電力、省スペース、軽量かつデジタル放送の受像に適するといった特性から、近年の地球環境問題への関心の高まり、ならびにテレビ放送のデジタル化と相俟って、急激に増加している。特に、大型の液晶パネルを搭載した大画面液晶テレビの需要が劇的に拡大している。これに伴い、液晶テレビの廃棄量も今後急激に増加していくことが予想され、リサイクル活動などの環境活動において、リサイクル性向上などの要求が高くなってきている。
現在、液晶テレビのパネル(液晶パネル)は、比較的新しい製品であること、また、廃棄物の量としては少ないこともあり、廃棄物の処理施設にて製品ごと破砕された後、プラスチックを多量に含むシュレッダーダストなどと共に、埋立処理あるいは焼却処理されている。
本発明に供される液晶パネルの典型的な構造について、説明する。図8は、典型的な一例の液晶パネル1を模式的に示す断面図である。図8には、TFT(Thin Film Transistor)などのアクティブ素子(図示せず)を備えた液晶パネル(液晶パネル)1を示している。図8に示す例の液晶パネル1は、たとえば、対向配置された厚み0.4〜1.1mm程度の2枚のパネルガラス(カラーフィルタ側パネルガラス2a、TFT側パネルガラス2b)を備える。これらパネルガラス(ガラス基板)2a,2bは、対向配置された側(内面側)に、周縁部に沿ってシール樹脂体(シール材)3が設けられ、互いに貼り合わされてなる。また、これらパネルガラス2a,2bとシール樹脂体3とによって密封された領域には、液晶が封入され、厚み4〜6μm程度の液晶層4が形成されている。
また、典型的な液晶パネル1では、図8に示すように、各パネルガラス2a,2bの対向配置された側とは反対側(外面側)には、厚み0.2〜0.4mm程度の高分子フィルム(液晶パネルが液晶パネルの場合は偏光フィルタおよび位相差フィルムなど)5が粘着剤により貼着されている。さらに、液晶パネルの周縁部には、液晶駆動用のドライバーICが接続され、周縁部の外側がベゼル・プラスチックで覆われている(図示せず)。
典型的な液晶パネル1では、図8に示すように、カラーフィルタ側パネルガラス2aの内面側に、カラーフィルタ6、反射防止膜7、透明導電膜8および配向膜9が形成されている。カラーフィルタ6は有機物を主体とした材料からなる。反射防止膜7は炭素を主成分とした薄膜などからなる。透明導電膜8はインジウムなどを含む薄膜からなる。配向膜9はポリイミドなどの有機物からなる。
また、典型的な液晶パネル1では、図8に示すように、TFT側パネルガラス2bの内面側に、画素電極10、バス電極11、絶縁膜12、透明導電膜8および配向膜9が形成されている。透明導電膜8は、インジウムなどを含む薄膜からなる。画素電極10およびバス電極11はタンタル、モリブデン、アルミニウム、チタンなどの金属を主成分とする薄膜からなる。前記カラーフィルタ6、反射防止膜7、透明導電膜8、配向膜9、画素電極10、バス電極11および絶縁膜12の膜厚は、前記2枚のパネルガラス2a,2bの厚みと比較して、十分に薄い。以下、カラーフィルタ側パネルガラス2aと、カラーフィルタ6、反射防止膜7、透明導電膜8および配向膜9が一体となったもの、および、TFT側パネルガラス2bと、画素電極10、バス電極11、絶縁膜12、透明導電膜8および配向膜9が一体となったものをガラス基板と呼ぶ。
液晶パネルの製造工場から排出される不良の廃液晶パネルや家電製品および情報機器などの廃棄物に含まれる液晶表示装置や液晶パネルの処理方法として、たとえば、特開2000−84531号公報(特許文献1)には、液晶パネルの製造工場や廃棄物の処理施設にて製品ごと破砕後、非鉄精錬炉に投入し珪石の代替材料として処理する方法が開示されており、一部で実施されている。この特許文献1に開示された方法では、有機物は炉内で完全燃焼され、二酸化炭素や水素などに分解される。
液晶パネルから資源を回収し、有効に再利用するためには、液晶パネルを部材ごとに分離することが望まれる。また、液晶パネルの重量の大部分を占めるパネルガラスをリサイクルするためには、パネルガラスを適切なサイズに破砕し、カレット化または粉体化することが望まれる。しかしながら、液晶パネルを破砕する際に、パネルガラスの外面に高分子フィルムが付着したままであると、パネルガラスの外面に高分子フィルムの弾性のため効率よく破砕することができない。したがって、上記観点から、液晶パネルの有効な再資源化のためには、パネルガラスから高分子フィルムを剥離することが望まれている。
液晶パネルからの偏光板の剥離方法としては、たとえば特開2002−159955号公報(特許文献2)には、偏光板をパネルに付いたままカットした後、カットした偏光板を粘着テープに粘着させ剥離する方法が開示されている。
また、液晶パネルに付着した偏光板、液晶、カラーフィルタなどの樹脂類を除去する方法として、たとえば特開2000−51829号公報(特許文献3)には、液晶表示装置の廃棄物を固体熱媒体が流動している流動層に投入し、樹脂類を酸化する流動化ガスにより加熱流動させることにより、液晶表示装置の廃棄物から純度の高くリサイクル可能なガラスを回収する方法が開示されている。
また、偏光板が貼り付いたままの液晶パネルから偏光板を剥離する方法として、たとえば特開2000−189939号公報(特許文献4)には、液晶パネルを破砕し、偏光板の付いたままのパネルガラス片を溶剤を用いて偏光板とガラス基板に分離する方法が開示されている。
また、ガラス板をフィルムを介して接着してなる合わせガラスなどから、ガラスを分離する合わせガラスの分離方法として、たとえば特開2004−181321号公報(特許文献5)には、ロールクラッシャーにてフィルム上のガラスの一次破砕を行なった後フィルムに引張り歪みを与えガラスを剥離する方法が開示されている。
ガラス板をフィルムを介して接着してなる合わせガラスから、ガラスを分離する合わせガラスの分離方法として、たとえば特開2005−95855号公報(特許文献6)には、フィルムが蒸発する温度以上で、かつ、ガラスの軟化点以下の温度に加熱し、フィルムを蒸発させることにより、フィルムをガラスから分離する方法が開示されている。
液晶パネルなどの液晶パネルは、省電力・省資源に貢献できる表示装置であるので、今後、高度情報化社会の進展に伴って、急激に生産量が増大するとともに、その表示面積も大型化することが予測され、これに伴って、今後、液晶パネルの廃棄物(廃液晶パネル)も、数・量ともに急激に増大すると予想される。
従来は、適切な液晶パネルの処理方法が確立されておらず、CRT(Cathode Ray Tube)その他の家電製品や部品と比較して技術確立などが遅れているのが実情である。したがって、今後、廃液晶パネルの増加に備えた処理方法の確立が早急に要求される。
液晶パネルには、通常、透明電極材料として有価物である希少金属インジウムを含むITO(インジウム錫酸化物)が用いられる。インジウムはITO透明導電膜として液晶表示装置やプラズマディスプレイパネルなどの薄型表示装置に使用されており、近年の薄型テレビの急激な普及により需要が増加し、原材料の確保が重要となっている。したがって、希少な資源を有効に活用する観点から、インジウムについても、不要となった液晶パネルから高収率で回収することが望まれている。液晶パネルの重量の大半を占めるガラスについても、廃棄物の低減と資源を大切にする観点から、再生利用することが好ましい。また、ITOは微粉末状態で毒性が懸念されており、適切に回収することが望ましい。
液晶パネルから有価物であるインジウムやガラスを回収し再資源化するためには、液晶パネルを構成する部材ごとに分離し、それぞれの素材ごとに適切に再資源化することが望ましい。液晶パネルを部材ごとに分離するためには、パネルガラスの外面に接着剤を用いて貼り付けられている偏光板などの高分子フィルムを分離する必要がある。高分子フィルムは、接着剤により広い面積にわたりパネルガラスに貼り付けられており、手作業などにより引き剥がして分離することは非常に困難である。図8に示すように、ITOは表面に露出しておらず、ガラス基板上に付着しているが、表面に露出しておらず、ITOを覆うように配向膜が存在するため、薬液を接触させるためには、ガラス基板を破砕し、ITOの露出した部分を作り出す必要がある。
ここで、弾性を持つ高分子フィルムを分離することにより、ガラス基板は破砕機により容易に破砕することが可能となる。これにより、薬液などを使用し、インジウムを溶出する場合の、薬液とインジウムとの接触面積が増加することによって溶出速度が向上し、効率的なインジウムの回収が可能となる。このような観点で、インジウムを効率的に回収するためには、ガラス基板と高分子フィルムとの分離が望まれる。
また、最終製品として使用した液晶パネルの高分子フィルムの接着剤は、製品として使用中に熱や光により劣化しており、硬化している。また、高分子フィルム自体も熱や光により劣化しており、力を加えた場合に裂けやすくなっている。これにより、最終製品として使用した液晶パネルの高分子フィルムを引き剥がしてパネルガラスと分離することは、さらに困難となるとともに、引き剥がし作業が危険となる。
また、一度最終製品として使用され不要となった液晶パネルや製造工程で排出される不良品などの液晶パネルの中には、パネルガラスが破損しているものがある。そのため、不要となった液晶パネルの再資源化のためには、パネルガラスが破損した状態の液晶パネルから高分子フィルムを分離することも望まれている。
上述のように液晶パネルから高分子フィルムを分離することにより、インジウムやガラスを資源として有効に利用することができるようになる。また、パネルガラスが破損した液晶パネルから高分子フィルムを分離することにより、製造工程で排出されるパネルガラスが破損した不良品などの液晶パネルを再資源化することが可能となる。
ここで、上述した特許文献2に開示された方法は、液晶パネルに貼り付けられた高分子フィルムをパネルガラスに付いたままカットした後、カットした高分子フィルムを粘着テープに粘着させ剥離する方法である。しかしながらこのような特許文献2に開示された方法は、高分子フィルムをパネルガラスに付いたままカットするため、パネルガラスが破損した液晶パネルに適用することは困難である。さらに、最終製品として使用した液晶パネルに適用した場合、偏光板の劣化により、剥離中に高分子フィルムが裂けてしまうなどの危険がある。
また上述した特許文献3に開示された方法は、液晶表示装置の廃棄物を固体熱媒体が流動している流動層に投入し、樹脂類を酸化する流動化ガスにより加熱流動させることにより、液晶表示装置の廃棄物から純度の高くリサイクル可能なガラスを回収する方法である。しかしながらこのような特許文献3に開示された方法は、高分子フィルムなどの樹脂類が熱分解または酸化する温度まで熱媒体を加熱するため、多大なエネルギーを消費する。
さらに、上述した特許文献4に開示された方法は、液晶パネルを破砕し、偏光板の付いたままのパネルガラス片を溶剤を用いて偏光板とガラス基板に分離する方法であるが、薬液の処理コストと、人体に有害な溶剤を使用するため安全面からリサイクルプラントなどでの運用は困難である。
また上述した特許文献5に開示された方法においても、高分子フィルム自体が熱や光により劣化しており、力を加えた場合に裂けやすくなっている。一次破砕を行なった後の高分子フィルムに引張歪みを与えた際には、高分子フィルム自体の断裂または破損により所望の引張歪みを与えることが難しく、またパネルガラスが破損している場合においても適用が困難である。また、特許文献5に開示された方法は、ガラス板をフィルムを介して接着してなる合わせガラスを対象としており、ガラス基板の片方に高分子フィルムが添付されたような構造の異なる液晶パネルにそのまま適用することはできない。
上述した特許文献6に開示された方法は、フィルムが蒸発する温度以上で、かつ、ガラスの軟化点以下の温度に加熱し、フィルムを蒸発させることにより、フィルムをガラスから分離する方法である。しかしながらこのような特許文献6に開示された方法は、フィルムを蒸発温度以上に加熱するため、高温にする必要があり、エネルギーを消費する。また、フィルムの分解ガスを無害化するための設備が必要であり、設備コストが高くなる。また、特許文献6に開示された方法は、ガラス板をフィルムを介して接着してなる合わせガラスを対象としており、ガラス基板の片方に高分子フィルムが添付されたような構造の異なる液晶パネルにそのまま適用することはできない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、廃液晶パネルから、少ない労力とエネルギーにて、大がかりな設備を使用せず、安全に素材を分離し、有価物であるインジウムおよび重量の大半を占めるガラスを素材として再生利用することが可能である液晶パネルの再資源化方法を提供することである。
本発明の液晶パネルの再資源化方法は、ガラス基板の一方側に高分子フィルムが貼付され、他方側に希少金属が蒸着されている液晶パネルを再資源化する方法であって、液晶パネルを打撃することにより液晶パネルを破砕し、ガラス基板の破砕片と高分子フィルムを分離回収する破砕分離工程を含むことを特徴とする。
本発明の液晶パネルの再資源化方法は、破砕分離工程において、液晶パネルを打撃することにより応力を付加し、ガラス基板と高分子フィルムとを異なるサイズに破砕した後、ガラス基板の破砕片と高分子フィルムとを分離回収することが、好ましい。
本発明の液晶パネルの再資源化方法は、破砕分離工程において、スクリーンメッシュを用い、高分子フィルムをスクリーンメッシュに捕捉し、ガラス基板の破砕片をスクリーンメッシュを通過させることにより、前記ガラス基板と高分子フィルムとを分離回収するか、または、サイクロン式分離装置を用いて、ガラス基板の破砕片と高分子フィルムとを分離回収することが、好ましい。
本発明の液晶パネルの再資源化方法は、ガラス基板の破砕片から希少金属を回収する希少金属回収工程をさらに含むことが好ましい。
本発明の液晶パネルの再資源化方法は、希少金属回収工程において、ガラス基板の破砕片に付着した希少金属に薬液を接触させ、希少金属を溶出させることにより回収するか、または、ガラス基板の破砕片に付着した希少金属に亜臨界状態の水を接触させ、希少金属をガラス基板から剥離させることにより回収することが好ましい。
本発明によれば、多大なエネルギーを消費せず、破損した液晶パネルにも適用可能な、液晶パネルを素材ごとに分離することが可能となり、有価物であるインジウムを効率的に回収することが可能であり、また重量の大半を占めるガラスを再生利用することが可能となる液晶パネルの処理方法を提供することができる。
図1は、本発明の液晶パネルの再資源化方法の好ましい一例を模式的に示すフローチャートである。本発明の液晶パネルの再資源化方法は、液晶パネルの廃棄物(廃液晶パネル)を打撃することにより液晶パネルを破砕し、破砕されたガラス基板と高分子フィルムを分離回収する破砕分離工程を含むことを特徴とする。このような本発明の液晶パネルの再資源化方法によれば、液晶パネルの部材を素材ごとに分離することが可能となり、インジウムなどの希少金属を資源として有効に利用できる処理方法を提供することができる。
本発明の液晶パネルの再資源化方法には、上述した図8に示したTFT(Thin Film Transistor)などのアクティブ素子(図示せず)を備えた液晶パネル(液晶パネル)1のような、ガラス基板の一方側に高分子フィルムが貼付されており、他方側に希少金属が蒸着されている、従来公知の適宜の構造の液晶パネルを特に制限されることなく供することができ、図8に示した例の他にも、TN(Twisted Nematic)液晶パネル、STN(Super Twisted Nematic)液晶パネルなどのデューティ液晶パネルも勿論適用可能である。また、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機ELパネルも適用可能である。以下、図8に示した構造の液晶パネルを供する場合を例に挙げて、本発明の液晶パネルの再資源化方法の各工程について図1を参照しながら詳細に説明する。
本発明の液晶パネルの再資源化方法は、図1に示す例のように、液晶パネルを打撃することにより液晶パネルを破砕し、ガラス基板の破砕片と高分子フィルムを分離回収する破砕分離工程(ステップS4)を基本的に含むことが好ましい。また、図1に示す例のように、破砕分離工程(ステップS4)の前に、液晶パネルをガラス基板(パネルガラス)の品種ごとに選別するガラス品種選別工程(ステップS1)と、貼り合わされた2枚のガラス基板を分離するガラス基板分離工程(ステップS2)と、露出した液晶を回収する液晶回収工程(ステップS3)をさらに含むことが好ましい。また、図1に示す例のように、破砕分離工程(ステップS4)の後に、ガラス基板の破砕片からインジウムを回収する希少金属回収工程(ステップS5)をさらに含むことが好ましい。
上述したように、図1に示した手順には限定されず、一部が省略されていても順序が入れ替わっていてもよく、また本発明の効果を阻害しない範囲で適宜の他のステップが追加されていてもよいが、図1に示す手順にて行なわれることが好ましい。以下、図1に示す各ステップについて詳細に説明する。
〔1〕ガラス品種選別工程
図1に示す例では、まず、ガラス品種選別工程として、使用しているガラス基板(パネルガラス)の種類(品種)別に、液晶パネルを選別する(ステップS1)。パネルガラスは、ガラスメーカによって、あるいはガラス品種、品番などによって組成が異なる。したがって、回収したガラスをたとえばパネルガラス用の材料として再利用するためには、多種多様なガラスを品種別に選別することが必要となる。また、回収したガラスをたとえば一般ガラス用の材料として再利用する場合にも、ある程度、ガラスを品種別に選別することが要求される場合がある。
図1に示す例では、まず、ガラス品種選別工程として、使用しているガラス基板(パネルガラス)の種類(品種)別に、液晶パネルを選別する(ステップS1)。パネルガラスは、ガラスメーカによって、あるいはガラス品種、品番などによって組成が異なる。したがって、回収したガラスをたとえばパネルガラス用の材料として再利用するためには、多種多様なガラスを品種別に選別することが必要となる。また、回収したガラスをたとえば一般ガラス用の材料として再利用する場合にも、ある程度、ガラスを品種別に選別することが要求される場合がある。
本発明においては、蛍光X線装置を用いて、液晶パネルのガラス基板を品種別に選別するようにしてもよい。この場合、具体的には、エネルギー分散型蛍光X線分析装置を用い液晶パネルに軟X線を直接照射する。これにより、液晶パネルのガラス基板に含まれるそれぞれの元素に特有なエネルギーをもった蛍光X線が発せられる。この蛍光X線を蛍光X線センサにてエネルギーごとにカウントすることで、液晶パネルのガラス基板にどのような元素がどのような割合で含まれているかを測定(分析)する。ガラス基板の化学組成を品種ごとに予め調べておき、それらの値と液晶パネルのガラス基板での測定値とを比較することにより、ガラス基板をガラス品種ごとに短時間で、確実に、かつ経済的に選別することができる。また、液晶パネルのガラス基板にガラス品種の表示を予め設けておくようにしてもよい。
なお、複数の品種のガラス基板が混合していても問題ない用途に、ガラス基板を再生利用する場合には、当該ガラス品種選別工程は省略してもよい。
〔2〕ガラス基板分離工程
続くガラス基板分離工程では、貼り合わされたガラス基板2a,2bを、2枚に分離する(ステップS2)。分離方法としては、たとえばシール樹脂体3を加熱する方法、ガラス基板2a,2bの周縁部を切断する方法などが挙げられる。ガラス基板2a,2bを分離すると、ガラス基板2a,2bの隙間に封入されていた液晶層4が表面に露出する。
続くガラス基板分離工程では、貼り合わされたガラス基板2a,2bを、2枚に分離する(ステップS2)。分離方法としては、たとえばシール樹脂体3を加熱する方法、ガラス基板2a,2bの周縁部を切断する方法などが挙げられる。ガラス基板2a,2bを分離すると、ガラス基板2a,2bの隙間に封入されていた液晶層4が表面に露出する。
シール樹脂体3を加熱して分離する方法では、シール樹脂体3を加熱し、シール樹脂体3の強度を低下させることにより分離する。上述したように、ガラス基板2a,2bは、通常、対向配置された側(内面側)に、周縁部に沿ってシール樹脂体3が設けられ、互いに貼り合わされてなる。シール樹脂体3としては、通常、エポキシ系樹脂などが用いられ、加熱することでシール樹脂体3の強度を低下させることができる。シール樹脂体3の加熱温度としては、シール樹脂体3の形成材料に応じて適宜選択することができ、特に制限されるものではないが、たとえばエポキシ系樹脂のシール樹脂体3の場合には、300℃以上が望ましく、400℃以上がより望ましい。加熱の方法としては、たとえば、ランプ加熱、赤外線加熱、ヒートプレスなどが挙げられる。加熱によりシール樹脂体3の強度を低下させることで、手作業で容易にガラス基板2a,2bを分離することが可能となる。
また、ガラス基板2a,2bの周縁部を切断することによってガラス基板2a,2bを分離する場合には、ガラス基板2a,2bの内側の四辺を切断することで、それぞれ1枚ずつガラスを切り出すようにすればよい。ガラス基板2a,2bの切断には、たとえばガラスカッター、ダイヤモンドソー、スクライバーなどを用いることができる。
また、ガラス基板の分離と同時に、液晶パネルに接続されているドライバーICを取り外す。ドライバーICは、通常、液晶パネルの周縁部に、導電性の接着剤を用いて、接続されている。取り外しの方法としては、手作業で、ドライバーICを引き剥がす。導電性の接着剤の接着力は弱いため、外力を加えることにより接続部を容易に引き剥がすことができる。また、カッターナイフのような刃物で接続部を切断することもできる。取り外したドライバーICは、非鉄精錬所などで適切な処理を施すことで、含有される金属を回収することができる。ドライバーICは、手作業で容易に取り外すことが可能なため、このドライバーICの取り外しは、破砕分離工程(ステップS4)の前のいずれの工程で行なってもよい。また、ガラス基板2a,2bの周縁部を切断することによってガラス基板2a,2bを分離する場合には、ドライバーICも同時に取り外される。
〔3〕液晶回収工程
次に、上述のようにして分離されたガラス基板2a,2b上に露出する液晶を回収する(ステップS3)。液晶は、たとえば、ガラス基板2a,2bの表面を液晶回収用のスクレーパを用いてスクレーピングすることによって回収することができる。液晶回収用のスクレーパとしては、ガラス基板2a,2b上に形成されている配向膜9よりも柔らかいポリプロピレンゴム、ポリエチレンゴムなどで形成されたスクレーパを好適に用いることができる。また、ゴム製のスキージを用いることにより、配向膜9を削り取らずに液晶のみを回収することができる。
次に、上述のようにして分離されたガラス基板2a,2b上に露出する液晶を回収する(ステップS3)。液晶は、たとえば、ガラス基板2a,2bの表面を液晶回収用のスクレーパを用いてスクレーピングすることによって回収することができる。液晶回収用のスクレーパとしては、ガラス基板2a,2b上に形成されている配向膜9よりも柔らかいポリプロピレンゴム、ポリエチレンゴムなどで形成されたスクレーパを好適に用いることができる。また、ゴム製のスキージを用いることにより、配向膜9を削り取らずに液晶のみを回収することができる。
〔4〕破砕分離工程
図1に示す例では、続く破砕分離工程において、液晶パネルを打撃することにより液晶パネルを破砕し、ガラス基板の破砕片と高分子フィルムを分離回収する(ステップS4)。図1に示す例のようにガラス品種選別工程(ステップS1)の後に当該破砕分離工程を行なう場合には、上述したようにして選別された単一の品種のガラス基板を使用している液晶パネルごとに行なう。高分子フィルムを有したままのカラーフィルタ側ガラス基板およびTFT側ガラス基板についてそれぞれ破砕を行なう。また、分離されていないそのままの状態の液晶パネルに適用することも可能である。
図1に示す例では、続く破砕分離工程において、液晶パネルを打撃することにより液晶パネルを破砕し、ガラス基板の破砕片と高分子フィルムを分離回収する(ステップS4)。図1に示す例のようにガラス品種選別工程(ステップS1)の後に当該破砕分離工程を行なう場合には、上述したようにして選別された単一の品種のガラス基板を使用している液晶パネルごとに行なう。高分子フィルムを有したままのカラーフィルタ側ガラス基板およびTFT側ガラス基板についてそれぞれ破砕を行なう。また、分離されていないそのままの状態の液晶パネルに適用することも可能である。
当該破砕分離工程では、液晶パネルを破砕し、ガラス基板の破砕片と高分子フィルムを分離回収する。これにより、高分子フィルムとガラス基板の破砕片を素材ごとに分離回収することが可能となる。また、ガラス基板の破砕片から弾性のある偏光板を分離することにより、後述の希少金属回収工程において、効率的に希少金属を回収することが可能となる。
ここで、図2は本発明における破砕分離工程において、液晶パネルを打撃する様子を模式的に示す図である。本発明の液晶パネルの再資源化方法は、図2に示されるように、固体物体で液晶パネルを打撃することにより液晶パネルを破砕する。この際、ガラス基板と高分子フィルムとは弾性率が異なるため、異なるサイズに破砕される。たとえば、図2に示したように、表面に突起32の付いた板状体31(具体的には、鉄などの金属で形成された200cm×200cm×20cm以下、重量1kg以上、突起32の高さが1cm以上、突起32のピッチが5cm以下の板状体)で、高分子フィルム(偏光板)5が貼付された側から液晶パネルを打撃する。これによってガラス基板には打撃による応力が付加され、もともとガラスは弾性が乏しく、割れやすい性質を持つため、ガラスは比較的小さなサイズに破砕される。それに対し、高分子フィルム5としては、たとえば、トリアセチルセルロース(TAC)などの樹脂フィルムが使用されており、打撃により、フィルム面方向と垂直に応力が付加された場合、一時的に圧縮応力が付加されるが、フィルムが弾性を持つため、破砕されにくい。高分子フィルム5は、ガラス基板と比較して、液晶パネルの打撃によって破損しにくく、殆ど元の形状を保ったままの場合もある。
当該破砕分離工程において、ガラス基板は、5mm以下の大きさに破砕されることが好ましい。ガラス基板が5mm以下の大きさに破砕されることにより、高分子フィルムとの接着力が低下し、ガラス基板の破砕片と高分子フィルムとが剥離しやすくなる。これによって、後述する希少金属回収工程で効率的に希少金属を回収することが可能となる。一方、高分子フィルムは、当該破砕分離工程後に20mm以上の大きさとすることが好ましい。高分子フィルムは、もともと破砕されにくい性質をもつため、上述したガラス基板との性状の差異を利用し、分級することが可能となる。ガラス基板の破砕片と高分子フィルムとは、サイズの差異による分級を効率よく行なうため、当該破砕分離工程を経て、ガラス基板の破砕片:高分子フィルム=1:5以上のサイズ比とすることが好ましい。
液晶パネルの打撃による応力付加の方法は、上述の手法に限定されず、たとえば、図3に示す例では、工具を用いて手作業により液晶パネルを打撃している。
このように、打撃により液晶パネルに応力を付加した場合、ガラス基板の破砕片と高分子フィルムは異なるサイズとなるため、従来公知の分級の手法を用いることにより、容易に分離回収することができる。分級の方法としては、たとえば、図2、図3に示すように、スクリーンメッシュ33を用い、目開きから、小さなサイズに破砕されたガラス基板の破砕片41が落下し、サイズが大きく目開きを通過することのできない高分子フィルム5は、スクリーンメッシュ33上に残存する。スクリーンメッシュ33の目開きのサイズとしては、5mm以下が好ましい。目開き5mm以下のスクリーンメッシュ33を用いることで、希少金属回収工程で効率的に希少金属を回収することが可能となるサイズのガラスが回収できるためである。
また、分級手法として従来公知のサイクロン式分離装置を用いてもよい。図4に示すように、サイクロン式分離装置70の粉末導入口71から導入された高分子フィルムとガラス基板の破砕片との混合物を含む気流は、装置内面の側面に沿って旋回しながら下方へと流れ、装置下部の円錐部で加速される。加速された気流は、装置下端に達し反転上昇する。上昇した気流は、中央部を同一方向に旋回し、排気口73から排出される。このとき、サイズが大きく重い高分子フィルムは、遠心力によって分離され、側面に沿って落下し、沈降する。沈降した高分子フィルムは、排出口72から排出される。サイズが小さく重量の軽いガラス基板の破砕片は、気流とともに上昇し、排気口73から排出される。
また、高分子フィルムの貼付に接着剤を用いている場合は、打撃による応力印加のみではガラス基板は破砕されるが、高分子フィルムに接着したままとなる場合がある。事前に液晶パネルを加熱処理を施し、接着剤の接着力を弱めておくこともできる。また、破砕後にガラス基板と高分子フィルムの間にせん断応力を付加し、ガラス基板の破砕片と高分子フィルムを分離することができる。
このようにして、破砕分離工程(ステップS4)で、液晶パネルを高分子フィルムとガラス基板の破砕片とに分けることができる。分離された高分子フィルムは素材ごとに分別して再生利用することができる。また、高分子フィルムは熱回収することもできる。破砕されたガラスは、後述する希少金属回収工程で希少金属を回収した後、回収されることが好ましい。
〔5〕希少金属回収工程
図1には、破砕分離工程(ステップS4)の後、ガラス基板の破砕片からインジウムを分離回収する希少金属回収工程(ステップS5)をさらに含む例が示されている。破砕分離工程(ステップS4)で分離回収されたガラス基板の破砕片には、透明電極として希少金属であるインジウムを含むインジウムスズ酸化物(ITO)が付着している。
図1には、破砕分離工程(ステップS4)の後、ガラス基板の破砕片からインジウムを分離回収する希少金属回収工程(ステップS5)をさらに含む例が示されている。破砕分離工程(ステップS4)で分離回収されたガラス基板の破砕片には、透明電極として希少金属であるインジウムを含むインジウムスズ酸化物(ITO)が付着している。
ガラス基板の破砕片から希少金属であるインジウムを回収する具体的な方法としては、たとえば、薬液に接触させて溶出させることにより回収する方法が挙げられる。具体的には、塩酸を薬液として用いることで、ガラス基板の破砕片に付着したITOを溶出させることができる。塩酸に浸漬してITOを溶解させ、インジウム含有塩酸溶液を得ることにより、アニオン交換樹脂にインジウム塩化物錯イオンを吸着させる方法などによりインジウムを濃縮し回収することが可能となる。濃縮したインジウム含有溶液は、アルカリにより中和することで、水酸化インジウムとして沈殿分離し、スラッジとして回収することができる。
このとき、上述の破砕分離工程で、ガラス基板の破砕片は高分子フィルムから分離され、好ましくは5mm以下のサイズであるため、ITOは露出し、塩酸との接触面積が大きくなる。これによって、効率的な溶出が可能となる。表1は、ガラス基板の破砕片のサイズと、3.5重量%塩酸水溶液で、室温で2時間溶出処理を行なった場合のITOの溶出割合の関係を示す。評価は、ガラス基板10gに対して、塩酸100gの割合で浸漬した。
また、ガラス基板の破砕片から希少金属であるインジウムを回収する別の方法としては、たとえば、ガラス基板の破砕片を亜臨界状態の水と接触させる方法がある。具体的には、ガラス基板からの有機物の剥離性、有機物の分解性および溶解性を向上するアルカリ、アルコールなどの薬剤を水と混合し、濃度を一定に調製した水溶液と、ガラス基板の破砕片との比率が一定になるようにガラス基板の破砕片を水溶液に投入する。次に、容器に熱と圧力を加え亜臨界水状態にし、ガラス基板の破砕片とITOとの間に形成されている有機物(たとえば図5に示すようなカラーフィルタ6、絶縁膜12など)を剥離および/または分解し、ガラス基板の破砕片と有機物およびITOとに分離する。その後、ガラス基板の破砕片とITOと薬剤入りの水溶液を、目の粗いフィルターを利用して、ガラス基板の破砕片と他の部材を分離し、ガラスを回収する。次に有機物とITO回収工程で目の細かいフィルターを利用して、有機物とITOを水溶液から分離し、有機物とITOを回収する。このように、インジウムがスラッジとして濃縮回収される。その後、残った水溶液は回収され、濃度調製工程に戻り濃度を調製後、再利用する。
なお、上述の工程により、ガラス基板は5mm以下に破砕されているため、亜臨界水処理工程に、ガラス基板の破砕片、上述したガラス基板からの有機物の剥離性、有機物の分解性および溶解性を向上する薬剤入りの水溶液を、ポンプなどの加圧手段によってスムーズに亜臨界水処理工程に移動することが可能となるという効果も奏される。
本発明において塩酸などの薬液を使用し回収したインジウム、亜臨界水を利用して回収したインジウムは、いずれも充分高濃度に濃縮されているため、非鉄精錬メーカーにおいて精製し、再び液晶パネル製造用のITO原料として利用することが可能である。
インジウムを回収した後のガラス基板の破砕片は、上述したガラス品種選別工程(ステップS1)を行なっている場合には、当該工程において既にガラス品種別に選別されている。このため、回収されたガラス基板の破砕片は、単一の品種のガラスであり、回収されたガラス基板の破砕片を原料ガラスに添加混合することにより、または、原料ガラスに置き換えて、再使用(マテリアルリサイクル)することができる。すなわち、ガラス基板の破砕片のサイズに応じて分級し、粒径に応じて種々のガラスのリサイクル用途に再生利用することができる。たとえば、粒径の比較的大きな破砕片は、そのまま溶融窯に投入することができ、再溶融し、板ガラスなどの用途に用いることができる。また、微粉(粒径が0.7mm以下の破砕片)はセメント材料および建材などに再生利用することができる。
この方法によれば、燃焼などのように多大なエネルギーを消費せず、低環境負荷の方法であり、家電リサイクルプラントなどにおいて実施可能であり、効率的な分離が可能となる。また、有価物であるインジウムやガラスなどを効率的に回収することができ、資源有効利用が可能となる。
なお、本発明の液晶パネルの再資源化方法は、上述したように破砕分離工程(ステップS4)を少なくとも含んでいればよく、図1のフローチャートに示した手順に限定されるものではなく、図1に示したステップの一部が削除または置換されていてもよく、また、図1に示されていないステップが必要により付加されてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
ガラス基板に偏光板(高分子フィルム)が貼付された液晶パネルを用い、打撃により応力を付加した場合の、ガラス基板との破砕サイズを測定した。
ガラス基板に偏光板(高分子フィルム)が貼付された液晶パネルを用い、打撃により応力を付加した場合の、ガラス基板との破砕サイズを測定した。
まず、表面に偏光板が添付され、透明電極にITOを使用した市販の15インチサイズ液晶パネルをサンプルとし、張り合わされたガラス基板を2枚に分離した。得られた液晶パネルを突起を備えた板により、打撃し、破砕した(上述した破砕分離工程)。
図6は、実施例1において、破砕分離工程で得られたガラス基板の破砕片の粒径分布の一例を示すグラフであり、縦軸は占有頻度(%)、横軸は破砕サイズ(mm)であり、図7は、実施例1において、破砕分離工程で得られた偏光板のサイズ分布の一例を示すグラフであり、縦軸は占有頻度(%)、横軸は破砕サイズ(mm)である。破砕分離工程後に得られたガラス基板の破砕片は、5mm以下に破砕されており、偏光板の破砕サイズは、10mm以上であった。ガラス基板の破砕片と偏光板とは、5mmのスクリーンメッシュを通すことにより、容易に分離することができた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 液晶パネル、2a カラーフィルタ側パネルガラス、2b TFT側パネルガラス、3 シール樹脂体、4 液晶層、5 高分子フィルム、6 カラーフィルタ、7 反射防止膜、8 透明導電膜、9 配向膜、10 画素電極、11 バス電極、12 絶縁膜、31 板状体、32 突起、33 スクリーンメッシュ、41 ガラス基板の破砕片、70 サイクロン式分離装置、71 粉末導入口、72 排出口、73 排気口。
Claims (7)
- ガラス基板の一方側に高分子フィルムが貼付され、他方側に希少金属が蒸着されている液晶パネルを再資源化する方法であって、液晶パネルを打撃することにより液晶パネルを破砕し、ガラス基板の破砕片と高分子フィルムとを分離回収する破砕分離工程を含むことを特徴とする、液晶パネルの再資源化方法。
- 破砕分離工程において、液晶パネルを打撃することにより応力を付加し、ガラス基板と高分子フィルムとを異なるサイズに破砕した後、ガラス基板の破砕片と高分子フィルムとを分離回収することを特徴とする、請求項1に記載の液晶パネルの再資源化方法。
- 破砕分離工程において、スクリーンメッシュを用い、高分子フィルムをスクリーンメッシュに捕捉し、ガラス基板の破砕片をスクリーンメッシュを通過させることにより、ガラス基板と高分子フィルムとを分離回収することを特徴とする、請求項1または2に記載の液晶パネルの再資源化方法。
- 破砕分離工程において、サイクロン式分離装置を用いて、ガラス基板の破砕片と高分子フィルムとを分離回収することを特徴とする、請求項1または2に記載の液晶パネルの再資源化方法。
- ガラス基板の破砕片から希少金属を回収する希少金属回収工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶パネルの再資源化方法。
- 希少金属回収工程において、ガラス基板の破砕片に付着した希少金属に薬液を接触させ、希少金属を溶出させることにより回収することを特徴とする、請求項5に記載の液晶パネルの再資源化方法。
- 希少金属回収工程において、ガラス基板の破砕片に付着した希少金属に亜臨界状態の水を接触させ、希少金属をガラス基板から剥離させることにより回収することを特徴とする、請求項5に記載の液晶パネルの再資源化方法。
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