JP2011244099A - サンプルホールド回路及びa/d変換装置 - Google Patents

サンプルホールド回路及びa/d変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、サンプルホールド回路及びA/D変換装置に係り、ホールド出力を行ううえでオペアンプの入力オフセット分の除去性能を向上させることにある。
【解決手段】ホールド出力を行うオペアンプを備えるサンプルホールド回路において、所定複数の異なるタイミングで入力電圧をサンプリングするサンプリングキャパシタと、サンプリングキャパシタでサンプリングされた各入力電圧を加減算する加減算手段と、加減算手段により各入力電圧が加減算された後、該加減算により得られる電圧に含まれるオペアンプの入力オフセット電圧分を除去するオフセット電圧除去手段と、を備え、オペアンプは、オフセット電圧除去手段によりオペアンプの入力オフセット電圧分が除去された電圧をホールドして出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、サンプルホールド回路及びA/D変換装置に係り、特に入力されるアナログ電圧をデジタル値に変換して出力するうえで好適なサンプルホールド回路及びA/D変換装置に関する。
従来、オペアンプを用いてサンプルホールド出力を行うサンプルホールド回路が知られている。サンプルホールド回路に用いられるオペアンプは、入力インピーダンスの高いMOSトランジスタ入力のものが使われることが多いが、MOSトランジスタ入力のオペアンプは、MOSトランジスタの素子スレッショルド電圧に過大なバラツキが生じるために、バイポーラ入力のオペアンプに比べて一般にオフセット電圧が大きいオペアンプである。オペアンプの入力オフセット分をキャンセルする手法としては、2つの電圧を2つの異なるキャパシタを用いてサンプリングし、それらのサンプリングにより得られた2つの電圧を同時に極性反転させてオペアンプへ入力することが考えられる(例えば、非特許文献1参照)。
ISSCC Dig.Tech.Papers,pp.318-319,2007
しかし、上記した非特許文献1記載のオフセットキャンセル手法では、2つの電圧をサンプリングするキャパシタが互いに異なるので、一般的に2つのキャパシタのオペアンプ入力側に付随する寄生容量は一致しない。このため、このオフセットキャンセル手法を上記のサンプルホールド回路に適用すると、2つのキャパシタ間の寄生容量のミスマッチによる誤差がオペアンプの入力オフセット分としてキャンセルされずに残存してしまい、その結果として、サンプルホールド出力を精度良く行うことができない可能性がある。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、ホールド出力を行ううえでオペアンプの入力オフセット分の除去性能を向上させたサンプルホールド回路及びA/D変換装置を提供することを目的とする。
上記の目的は、ホールド出力を行うオペアンプを備えるサンプルホールド回路であって、所定複数の異なるタイミングで入力電圧をサンプリングするサンプリングキャパシタと、前記サンプリングキャパシタでサンプリングされた各入力電圧を加減算する加減算手段と、前記加減算手段により各入力電圧が加減算された後、該加減算により得られる電圧に含まれる前記オペアンプの入力オフセット電圧分を除去するオフセット電圧除去手段と、を備え、前記オペアンプは、前記オフセット電圧除去手段により前記オペアンプの入力オフセット電圧分が除去された電圧をホールドして出力するサンプルホールド回路により達成される。
この態様の発明において、サンプリングキャパシタは、所定複数の異なるタイミングで入力電圧をサンプリングする。そして、それらのサンプリングされた各入力電圧は加減算される。かかる構成においては、異なるタイミングでサンプリングされる入力電圧のすべてが共通のサンプリングキャパシタでサンプリングされるので、各入力電圧がそれぞれ異なるサンプリングキャパシタでサンプリングされる複数のサンプリングキャパシタを設けた構成と異なり、寄生容量の不一致に起因した誤差がオペアンプの入力オフセット分として残存するのを防止することが可能である。従って、本発明によれば、ホールド出力を行ううえでオペアンプの入力オフセット分の除去性能を向上させることができる。
尚、上記したサンプルホールド回路において、前記加減算手段は、前記サンプリングキャパシタでサンプリングされた入力電圧に応じた電荷が一時転送される一時記憶キャパシタと、前記一時記憶キャパシタへ前記電荷が一時転送される際に該一時記憶キャパシタを前記サンプリングキャパシタと前記オペアンプの入力端子との接続点に導通させ、かつ、前記一時記憶キャパシタに前記電荷が一時転送された後に遮断される第1のスイッチと、前記第1のスイッチが遮断された後に入力電圧がサンプリングされた前記サンプリングキャパシタへ前記一時記憶キャパシタに転送されていた前記電荷を戻す再転送手段と、を有することとしてもよい。
また、上記したサンプルホールド回路において、前記オフセット電圧除去手段は、前記再転送手段により前記一時記憶キャパシタに転送されていた前記電荷が前記サンプリングキャパシタへ戻された後に前記オペアンプの入力端子及び出力端子の極性を反転させる第2のスイッチを有することとしてもよい。
また、上記したサンプルホールド回路において、前記加減算手段は、前記一時記憶キャパシタへ前記電荷が一時転送される際に前記サンプリングキャパシタで入力電圧をサンプリングすることにより、該入力電圧を減算することとしてもよい。
また、上記の目的は、ホールド出力を行うオペアンプを備えるサンプルホールド回路であって、所定複数の異なるタイミングで2つの入力電圧をサンプリングする一対のサンプリングキャパシタと、前記一対のサンプリングキャパシタでサンプリングされた各入力電圧を加減算する加減算手段と、前記加減算手段により各入力電圧が加減算された後、該加減算により得られる2つの電圧の電位差に含まれる前記オペアンプの入力オフセット電圧分を除去するオフセット電圧除去手段と、を備え、前記オペアンプは、前記オフセット電圧除去手段により前記オペアンプの入力オフセット電圧分が除去された前記電位差をホールドして出力するサンプルホールド回路によっても達成される。
この態様の発明において、一対のサンプリングキャパシタは、所定複数の異なるタイミングで2つの入力電圧をサンプリングする。そして、それらのサンプリングされた各入力電圧は加減算される。かかる構成においては、一対のサンプリングキャパシタがすべての入力電圧をサンプリングする共通したものであるので、各入力電圧がそれぞれ異なる一対のサンプリングキャパシタでサンプリングされる複数対のサンプリングキャパシタを設けた構成と異なり、寄生容量の不一致に起因した誤差がオペアンプの入力オフセット分として残存するのを防止することが可能である。従って、本発明によれば、ホールド出力を行ううえでオペアンプの入力オフセット分の除去性能を向上させることができる。
尚、上記したサンプルホールド回路において、前記加減算手段は、前記一対のサンプリングキャパシタでサンプリングされた入力電圧に応じた電荷が一時転送される一対の一時記憶キャパシタと、前記一対の一時記憶キャパシタへ前記電荷が一時転送される際に該一対の一時記憶キャパシタを前記一対のサンプリングキャパシタと前記オペアンプの入力端子との接続点に導通させ、かつ、前記一対の一時記憶キャパシタに前記電荷が一時転送された後に遮断される一対の第1のスイッチと、前記一対の第1のスイッチが遮断された後に入力電圧がサンプリングされた前記一対のサンプリングキャパシタへ前記一対の一時記憶キャパシタに転送されていた前記電荷を戻す再転送手段と、を有することとしてもよい。
また、上記したサンプルホールド回路において、前記オフセット電圧除去手段は、前記再転送手段により前記一対の一時記憶キャパシタに転送されていた前記電荷が前記一対のサンプリングキャパシタへ戻された後に前記オペアンプの入力端子及び出力端子の極性を反転させる第2のスイッチを有することとしてもよい。
また、上記したサンプルホールド回路において、前記加減算手段は、前記一対の一時記憶キャパシタへ前記電荷が一時転送される際に前記一対のサンプリングキャパシタで入力電圧をサンプリングすることにより、該入力電圧を減算することとしてもよい。
また、上記したサンプルホールド回路において、前記一時記憶キャパシタの容量は、前記サンプリングキャパシタの容量よりも大きいこととしてもよい。
また、上記したサンプルホールド回路において、前記加減算手段は、前記一対のサンプリングキャパシタでサンプリングされた入力電圧に応じた電荷が前記一対の一時記憶キャパシタへ一時転送される際に該一対のサンプリングキャパシタの入力側端子を互いに接続させる第3のスイッチを有することとしてもよい。
この場合は、前記加減算手段は、前記第3のスイッチにより前記一対のサンプリングキャパシタの入力側端子が互いに接続された状態で、該一対のサンプリングキャパシタでサンプリングされていた入力電圧に応じた電荷が前記一対の一時記憶キャパシタへ一時転送された後に、前記オペアンプの出力端子に現れる電圧が所定電圧よりも大きいか否かを判別する比較手段と、前記比較手段による判別結果に応じて、前記一対のサンプリングキャパシタでサンプリングされる入力電圧を切り替えるサンプリング電圧切替手段と、を有することとしてもよい。
更に、このサンプルホールド回路は、前記オペアンプから出力される2つのアナログ出力電圧の電位差をA/D変換するA/D変換手段と、前記A/D変換手段によりA/D変換して得られたデジタル値と、前記サンプリング電圧切替手段により切り替えられた後に前記一対のサンプリングキャパシタでサンプリングされた入力電圧に応じたデジタル値とを減算又は加算して得られるデジタル値を、出力デジタル値とする最終デジタル値演算手段と、を備えるA/D変換装置に適用されることとすればよい。
本発明によれば、ホールド出力を行ううえでオペアンプの入力オフセット分の除去性能を向上させることができる。
本発明の第1実施例であるサンプルホールド回路の構成図である。 本発明の第1実施例のサンプルホールド回路において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。 本発明の第1実施例のサンプルホールド回路において入力アナログ電位Vin1p,Vin1nのサンプリング時に実現される回路状態を表した図を示す。 本発明の第1実施例のサンプルホールド回路において入力アナログ電位Vin2p,Vin2nのサンプリング時かつサンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfへの電荷転送時に実現される回路状態を表した図である。 本発明の第1実施例のサンプルホールド回路において入力アナログ電圧Vin2p,Vin2nのサンプリング及びサンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Csnへの電荷転送にサンプリングキャパシタCsp,Csnの寄生容量Cs(parasitic)が影響する様子を表した図である。 本発明の第1実施例のサンプルホールド回路において入力アナログ電位Vin3p,Vin3nのサンプリング時に実現される回路状態を表した図である。 本発明の第1実施例のサンプルホールド回路において一時記憶キャパシタCfp,CfnからサンプリングキャパシタCsp,Csnへの電荷転送時に実現される回路状態を表した図である。 本発明の第1実施例のサンプルホールド回路においてサンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Csnへの電荷転送にサンプリングキャパシタCsp,Csnの寄生容量Cs(parasitic)が影響する様子を表した図である。 本発明の第1実施例のサンプルホールド回路においてオペアンプの極性反転時に実現される回路状態を表した図である。 本発明の第1実施例の変形例であるサンプルホールド回路において入力アナログ電位Vin2p,Vin2nのサンプリング時かつサンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfへの電荷転送時に実現される回路状態を表した図である。 本発明の第2実施例であるサンプルホールド回路の構成図である。 本発明の第2実施例のサンプルホールド回路を含むA/D変換装置において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。 本発明の第2実施例のサンプルホールド回路において入力アナログ電圧Vin´(=Vinp−Vinn)のサンプリング時に実現される回路状態を表した図である。 本発明の第2実施例のサンプルホールド回路においてサンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Csnへの電荷転送時に実現される回路状態を表した図である。 本発明の第2実施例のサンプルホールド回路において基準電圧Vref´(=Vrefp−Vrefn)のサンプリング時に実現される回路状態を表した図である。 本発明の第2実施例のサンプルホールド回路において一時記憶キャパシタCfp,CfnからサンプリングキャパシタCsp,Csnへの電荷戻し転送時に実現される回路状態を表した図である。 本発明の第2実施例のサンプルホールド回路における入力アナログ電圧Vin´と出力アナログ電圧Vo´(=Vop−Von)との関係を表した図である。
以下、図面を用いて、本発明に係るサンプルホールド回路及びA/D変換装置の具体的な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施例であるサンプルホールド回路100の構成図を示す。本実施例のサンプルホールド回路100は、入力される2つのアナログ電圧の電位差をサンプリングしかつホールドして出力する差動入力型の回路であって、入力されるアナログ電圧をデジタル値に変換するA/D変換装置(例えば、巡回型(循環型)ADCやパイプライン型ADCなど)に適用される回路である。
図1に示す如く、サンプルホールド回路100は、入力される2つのアナログ電圧をサンプリング可能な一対のキャパシタCsp,Csnを有している。以下、キャパシタCsp,CsnをサンプリングキャパシタCsp,Csnと称す。尚、サンプリングキャパシタCsp,Csnの容量を容量Csp,Csnとする。サンプリングキャパシタCspの入力側端子には、スイッチS1−1pを介してアナログ電位Vin1pが、スイッチS1−2pを介してアナログ電位Vin2pが、スイッチS1−3pを介してアナログ電位Vin3pが、それぞれ入力され得る。また、サンプリングキャパシタCsnの入力側端子には、スイッチS1−1nを介してアナログ電位Vin1nが、スイッチS1−2nを介してアナログ電位Vin2nが、スイッチS1−3nを介してアナログ電位Vin3nが、それぞれ入力され得る。
スイッチS1−1p,S1−2p,S1−3pはそれぞれ、サンプリングキャパシタCspの入力側端子にアナログ電位Vin1p,Vin2p,Vin3pを入力させる際に導通されるスイッチである。また、スイッチS1−1n,S1−2n,S1−3nはそれぞれ、サンプリングキャパシタCsnの入力側端子にアナログ電位Vin1n,Vin2n,Vin3nを入力する際に導通されるスイッチである。スイッチS1−1p,S1−2p,S1−3pは、何れか一つのみがオンすることが可能であり、予め定められた順にオンされる。また、スイッチS1−1n,S1−2n,S1−3nは、何れか一つのみがオンすることが可能であり、予め定められた順にオンされる。更に、スイッチS1−1pとスイッチS1−1nとは同時にオンされ、スイッチS1−2pとスイッチS1−2nとは同時にオンされ、スイッチS1−3pとスイッチS1−3nとは同時にオンされる。
すなわち、サンプリングキャパシタCspの入力側端子には、アナログ電位Vin1p,Vin2p,Vin3pの何れか一つのみが入力されると共に、サンプリングキャパシタCsnの入力側端子には、アナログ電位Vin1n,Vin2n,Vin3nの何れか一つのみが入力される。以下、アナログ電位Vin1p,Vin2p,Vin3pを総じてVinpと、アナログ電位Vin1n,Vin2n,Vin3nを総じてVinnと、それぞれ称す。
尚、本実施例では、サンプリングキャパシタCspに入力されるアナログ電位Vin1p,Vin2p,Vin3pの切り替えを、スイッチS1−1p,S1−2p,S1−3pによるスイッチ動作で実現させるように表現することとしているが、これは、アナログ電位Vin1p,Vin2p,Vin3pが時間変化する様子を表したものであるので、実際には単一のスイッチS1pによる導通/遮断の切り替えにより複数の異なるタイミングでアナログ電位Vin1p,Vin2p,Vin3pをサンプリングキャパシタCspに入力させるものであればよい。また、サンプリングキャパシタCsnとアナログ電位Vin1n,Vin2n,Vin3nとの間でも同様である。
スイッチS1−1p〜S1−3p,S1−1n〜S1−3nはそれぞれ、制御回路102により制御され、具体的には、入力されるアナログ電位Vinp,Vinnをサンプリングすべきでないときはオフされ、入力されるアナログ電位Vinp,Vinnをサンプリングすべきときにオンされる。サンプリングキャパシタCspは、スイッチS1−1p,S1−2p,S1−3pがオン状態にあるとき、そのスイッチS1−1p,S1−2p,S1−3pを介して入力されるアナログ電位Vin1p,Vin2p,Vin3pに従った入力電荷を蓄積することが可能であり、その入力電荷の蓄積により入力アナログ電圧のサンプリングを行う。また、サンプリングキャパシタCsnは、スイッチS1−1n,S1−2n,S1−3nがオン状態にあるとき、そのスイッチS1−1n,S1−2n,S1−3nを介して入力されるアナログ電位Vin1n,Vin2n,Vin3nに従った入力電荷を蓄積することが可能であり、その入力電荷の蓄積により入力アナログ電圧のサンプリングを行う。
サンプルホールド回路100は、また、オペアンプ110を有している。上記のサンプリングキャパシタCspの出力側端子には、スイッチS3pを介して第1の基準端子104が接続されており、スイッチS4−1pを介してオペアンプ110の負側入力端子が接続されていると共に、スイッチS4−2pを介してオペアンプ110の正側入力端子が接続されている。また、上記のサンプリングキャパシタCsnの出力側端子には、スイッチS3nを介して第1の基準端子104が接続されており、スイッチS4−1nを介してオペアンプ110の正側入力端子が接続されていると共に、スイッチS4−2nを介してオペアンプ110の負側入力端子が接続されている。第1の基準端子104には、オペアンプ110の入力コモンモード電位Vicmが入力される。この入力コモンモード電位Vicmは、オペアンプ110を動作させるための適当な電圧(具体的には、入力アナログ電位VinpとVinnとの中間電位(Vinp+Vinn)/2)であり、上記の出力コモンモード電位Vocmとは独立して設定されることが可能である。
スイッチS3p,S3nは、サンプリングキャパシタCsp,Csnの出力側端子と第1の基準端子104とを導通/遮断するスイッチである。スイッチS3p,S3nは、制御回路102により制御される。また、スイッチS4−1p,S4−2p,S4−1n,S4−2nは、サンプリングキャパシタCsp,Csnの出力側端子とオペアンプ110の入力端子とを導通/遮断するスイッチである。スイッチS4−1p,S4−2p,S4−1n,S4−2nは、制御回路102により制御される。
オペアンプ110の負側入力端子には、スイッチS5pを介してキャパシタCfpが接続されている。また、オペアンプ110の正側入力端子には、スイッチS5nを介してキャパシタCfnが接続されている。スイッチS5p,S5nは、オペアンプ110の入力端子とキャパシタCfp,Cfnの入力側端子とを導通/遮断するスイッチである。スイッチS5p,S5nは、制御回路102により制御される。キャパシタCfp,Cfnは、上記のサンプリングキャパシタCsp,Csnに蓄積された電荷が転送される一時記憶キャパシタである。以下、キャパシタCfp,Cfnを一時記憶キャパシタCfp,Cfnと称す。尚、一時記憶キャパシタCfp,Cfnの容量を容量Cfp,Cfnとする。 一時記憶キャパシタCfpの出力側端子には、スイッチS6pを介してオペアンプ110の正側出力端子(電圧Vop)が接続されていると共に、スイッチS7pを介して第2の基準端子106が接続されている。また、一時記憶キャパシタCfnの出力側端子には、スイッチS6nを介してオペアンプ110の負側出力端子(電圧Von)が接続されていると共に、スイッチS7nを介して第2の基準端子106が接続されている。スイッチS6p,S6nは、一時記憶キャパシタCfp,Cfnの出力側端子とオペアンプ110の出力端子とを導通/遮断するスイッチであり、制御回路102により制御される。また、スイッチS7p,S7nは、一時記憶キャパシタCfp,Cfnの出力側端子と第2の基準端子106とを導通/遮断するスイッチであり、制御回路102により制御される。
また、サンプリングキャパシタCspの入力側端子には、スイッチS8−1pを介してオペアンプ110の正側出力端子が接続されていると共に、スイッチS8−2pを介してオペアンプ110の負側出力端子が接続されている。サンプリングキャパシタCsnの入力側端子には、スイッチS8−1nを介してオペアンプ110の負側出力端子が接続されていると共に、スイッチS8−3nを介してオペアンプ110の正側出力端子が接続されている。スイッチS8−1p,S8−2p,S8−1n,S8−2nは、オペアンプ110の出力端子とサンプリングキャパシタCsp,Csnの入力側端子とを導通/遮断するスイッチであり、制御回路102により制御される。
オペアンプ110の負側入力端子には、スイッチS9pを介してキャパシタChpが接続されていると共に、スイッチS9p及びS11pを介して第1の基準端子104が接続されている。オペアンプ110の正側出力端子には、スイッチS10pを介してキャパシタChpが接続されていると共に、スイッチS10p及びS11pを介して第2の基準端子106が接続されている。すなわち、キャパシタChpは、スイッチS9pを介してオペアンプ110の負側入力端子に接続され、スイッチS11pを介して第1の基準端子104に接続され、スイッチS10pを介してオペアンプ110の正側出力端子に接続され、かつスイッチS12pを介して第2の基準端子106に接続されている。各スイッチS9p,S10p,S11p,S12pは、制御回路102により制御される。
オペアンプ110の正側入力端子には、スイッチS9nを介してキャパシタChnが接続されていると共に、スイッチS9n及びS11nを介して第1の基準端子104が接続されている。オペアンプ110の負側出力端子には、スイッチS10nを介してキャパシタChnが接続されていると共に、スイッチS10n及びS11nを介して第2の基準端子106が接続されている。すなわち、キャパシタChnは、スイッチS9nを介してオペアンプ110の正側入力端子に接続され、スイッチS11nを介して第1の基準端子104に接続され、スイッチS10nを介してオペアンプ110の負側出力端子に接続され、かつスイッチS12nを介して第2の基準端子106に接続されている。各スイッチS9n,S10n,S11n,S12nは、制御回路102により制御される。
次に、図2乃至図9を参照して、本実施例のサンプルホールド回路100及びA/D変換装置の動作について説明する。
図2は、本実施例のサンプルホールド回路100において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図3は、本実施例のサンプルホールド回路100において入力アナログ電位Vin1p,Vin1nのサンプリング時に実現される回路状態を表した図を示す。図4は、本実施例のサンプルホールド回路100において入力アナログ電圧Vin2p,Vin2nのサンプリング時かつサンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Csnへの電荷転送時に実現される回路状態を表した図を示す。図5は、本実施例のサンプルホールド回路100において入力アナログ電圧Vin2p,Vin2nのサンプリング及びサンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Csnへの電荷転送にサンプリングキャパシタCsp,Csnの寄生容量Cs(parasitic)が影響する様子を表した図を示す。
また、図6は、本実施例のサンプルホールド回路100において入力アナログ電位Vin3p,Vin3nのサンプリング時に実現される回路状態を表した図を示す。図7は、本実施例のサンプルホールド回路100において一時記憶キャパシタCfp,CfnからサンプリングキャパシタCsp,Csnへの電荷転送時に実現される回路状態を表した図を示す。図8は、本実施例のサンプルホールド回路100においてサンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Csnへの電荷転送にサンプリングキャパシタCsp,Csnの寄生容量Cs(parasitic)が影響する様子を表した図を示す。図9は、本実施例のサンプルホールド回路100においてオペアンプ110の極性反転時に実現される回路状態を表した図を示す。
本実施例において、A/D変換装置がA/D変換を行う前は、各スイッチSはオフ状態にある。A/D変換が行われるときは、まず、サンプルホールド回路100の制御回路102は、入力アナログ電位Vin1p,Vin1nのサンプリングを行う処理を実行する(ステップ100)。具体的には、このとき、制御回路104は、スイッチS1−1p,S1−1nをオン状態にすると共に、スイッチS3p,S3nをオン状態にする(図3参照)。
スイッチS4−1p,S4−2pがオフ状態にありかつスイッチS1−1p,S3pがオン状態にあると、サンプリングキャパシタCspにアナログ電位Vin1pと入力コモンモード電位Vicmとの電位差(入力電圧)が印加されるので、その電位差に応じた電荷(入力電荷)が蓄積される。この場合は、サンプリングキャパシタCspで入力アナログ電位Vin1pのサンプリングが行われる。また同様に、スイッチS4−1n,S4−2nがオフ状態にありかつスイッチS1−1n,S3nが共にオン状態にあると、サンプリングキャパシタCsnにアナログ電位Vin1nと入力コモンモード電位Vicmとの電位差(入力電圧)が印加されるので、その電位差に応じた電荷(入力電荷)が蓄積される。この場合は、サンプリングキャパシタCsnで入力アナログ電位Vin1nのサンプリングが行われる。
尚、上記の如くサンプリングキャパシタCsp,Csnで入力アナログ電位Vin1p,Vin1nのサンプリングが行われる際に同時に又はそのサンプリングが行われる前には、制御回路102は、一時記憶キャパシタCfp,Cfnのリセット(ディスチャージ)及びオフセットキャンセルを行う。具体的には、このとき、制御回路102は、スイッチS6p,S6nをオフにしたままスイッチS7p,S7nをオン状態にし、かつ、S5p,S5n,S9p,S9n,S10p,S10nをオフ状態にする(図3参照)。
かかるスイッチ状態が実現されると、一時記憶キャパシタCfp,Cfnの出力側端子は第2の基準端子106に接続されて出力コモンモード電位Vocmが印加される状態になるので、その一時記憶キャパシタCfp,Cfnの残留電荷が放電されてそのリセットが行われる。また、オペアンプ110は入出力がキャパシタChp,Chnを介して接続されるフィードバック状態にされるので、オペアンプ110の入力端子間にオフセット電圧Vosが発生し、一時記憶キャパシタCfp,Cfnがオフセットキャンセルされる。尚、かかるスイッチ状態が実現される前に予めキャパシタChp,Chnをリセット(ディスチャージ)しておくことが望ましく、このリセットはスイッチS11p,S11n,S12p,S12nをオンすることにより実現可能である。
尚、一時記憶キャパシタCfp,Cfnのリセット(ディスチャージ)及びオフセットキャンセルは、上記の如くキャパシタChp,Chnを用いなくても実現可能である。例えば、オペアンプ110の入出力を短絡接続させてフィードバック状態にすることにより実現可能である(この場合は、自動的に入力コモンモード電位Vicmが出力コモンモードVocmと同一になる(Vicm=Vocm))。また、一時記憶キャパシタCfp,Cfnのリセットを行うことは必ずしも必要では無く、予め設定した所定電荷が蓄えられていてもよい。
上記したサンプリングキャパシタCsp,Csnでの入力アナログ電位Vin1p,Vin1nのサンプリングが完了して、そのサンプリングキャパシタCsp,Csnに入力アナログ電位Vin1p,Vin1nに従った入力電荷が蓄積されると、次に、制御回路102は、入力アナログ電位Vin2p,Vin2nのサンプリングを行う処理と共に、そのサンプリングキャパシタCsp,Csnに蓄積された入力電荷を一時記憶キャパシタCfp,Csnへ転送する処理を実行する(ステップ102)。具体的には、このとき、制御回路102は、スイッチS1−1p,S1−1n,S3p,S3n,S7p,S7n,S9p,S9n,S10p,S10nをオン状態からオフ状態へ切り替えると共に、スイッチS1−2p,S1−2n,S4−1p,S4−1n,S6p,S6nをオフ状態からオン状態へ切り替える(図4参照)。
かかる状態が実現されると、サンプリングキャパシタCspの入力側端子にアナログ電位Vin2pが印加されかつその出力側端子にオペアンプ110の負側入力端子が接続される。この場合には、サンプリングキャパシタCspにアナログ電位Vin2pに応じた電荷(入力電荷)が蓄積されることで、サンプリングキャパシタCspで入力アナログ電位Vin2pのサンプリングが行われると共に、その入力アナログ電位Vin2pとその前にサンプリングされていた入力アナログ電位Vin1pとの差分(Vin1p−Vin2p)に相当する電荷がサンプリングキャパシタCspから一時記憶キャパシタCfpへ転送される。
また同様に、サンプリングキャパシタCsnの入力側端子にアナログ電位Vin2nが印加されかつその出力側端子にオペアンプ110の正側入力端子が接続される。この場合には、サンプリングキャパシタCsnにアナログ電位Vin2nに応じた電荷(入力電荷)が蓄積されることで、サンプリングキャパシタCsnで入力アナログ電位Vin2nのサンプリングが行われると共に、その入力アナログ電位Vin2nとその前にサンプリングされていた入力アナログ電位Vin1nとの差分(Vin1n−Vin2n)に相当する電荷がサンプリングキャパシタCsnから一時記憶キャパシタCfnへ転送される。
このように入力アナログ電位Vin2p,Vin2nのサンプリング及びサンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Csnへの電荷転送が行われると、オペアンプ110の正側出力端子と負側出力端子との間の差動出力電圧Vo´(=Vop−Von)は、次式(1)の如きものとなる。すなわち、オペアンプ110の入力オフセット電圧VosにサンプリングキャパシタCsp,Csnの寄生容量Cs(parasitic)分を加えたものが加算されたものとなる。
Vo´=(Cs/Cf)((Vin1p−Vin1n)−(Vin2p−Vin2n)
+Vos(1+Cs(parasitic)/Cs))
=(Cs/Cf)((Vin1´−Vin2´)
+Vos(1+Cs(parasitic)/Cs)) ・・・(1)
ここで、Vin1´=Vin1p−Vin1nであり、Vin2´=Vin2p−Vin2nであるとする。キャパシタCsp,CsnのミスマッチやキャパシタCfp,Cfnのミスマッチは十分に小さく、Csp=CsnかつCfp=Cfnが成立するものとし、オペアンプ110のゲインは十分に高く、また、コモンモード除去比CMRRは十分に高いものとする。また、Vosはオペアンプ110の入力オフセット電圧であり、Cs(parasitic)はサンプリングキャパシタCsp,Csnのオペアンプ入力コモンモード側に付随する寄生容量(例えば、IC回路でIC基板とキャパシタCsp,Csnとの間やキャパシタCsp,Csnへの配線とIC基板との間或いはその配線間などに付随してしまうもの)である(図5参照)。更に、キャパシタChp,Chnは上記ステップ100の処理後に使用しないため、このキャパシタChp,Chnによって寄生容量を介した信号伝達経路が形成されるのを防止するため、上記ステップ100の処理後はスイッチS11p,S11n又はS12p,S12nをオンすることが有効である。
上記の如く入力アナログ電位Vin2p,Vin2nのサンプリング及びサンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Csnへの電荷転送が行われると、次に、制御回路102は、入力アナログ電位Vin3p,Vin3nのサンプリングを行う処理を実行する(ステップ104)。具体的には、このとき、制御回路102は、スイッチS1−2p,S1−2n,S4−1p,S4−1nをオン状態からオフ状態へ切り替えると共に、スイッチS1−3p,S1−3n,S3p,S3nをオフ状態からオン状態へ切り替える(図6参照)。
かかる状態が実現されると、サンプリングキャパシタCspにアナログ電位Vin3pと入力コモンモード電位Vicmとの電位差(入力電圧)が印加されるので、その電位差に応じた電荷(入力電荷)が蓄積される。この場合は、サンプリングキャパシタCspで入力アナログ電位Vin3pのサンプリングが行われる。また同様に、サンプリングキャパシタCsnにアナログ電位Vin3nと入力コモンモード電位Vicmとの電位差(入力電圧)が印加されるので、その電位差に応じた電荷(入力電荷)が蓄積される。この場合は、サンプリングキャパシタCsnで入力アナログ電位Vin3nのサンプリングが行われる。尚、かかる入力アナログ電位Vin3p,Vin3nのサンプリングが行われている際は、一時記憶キャパシタCfp,Cfnの電荷を保持すべく、スイッチS5p,S5n,S6p,S6nがオン状態に維持される。
サンプリングキャパシタCsp,Csnでの入力アナログ電位Vin3p,Vin3nのサンプリングが完了して、そのサンプリングキャパシタCsp,Csnに入力アナログ電位Vin3p,Vin3nに従った入力電荷が蓄積されると、次に、制御回路102は、一時記憶キャパシタCfp,Cfnに転送されて蓄積されていた電荷をサンプリングキャパシタCsp,Csnへ戻す処理を実行する(ステップ106)。具体的には、このとき、制御回路102は、スイッチS1−3p,S1−3n,S3p,S3n,S6p,S6nをオン状態からオフ状態へ切り替えると共に、スイッチS4−1p,S4−1n,S7p,S7n,S8−1p,S8−1nをオフ状態からオン状態へ切り替える(図7参照)。
かかるスイッチ状態が実現されると、一時記憶キャパシタCfp,Cfnに一時転送されて蓄積されていた差動成分(Vin1´−Vin2´)に応じた電荷がサンプリングキャパシタCsp,Csnへ再転送される。この電荷の再転送が行われると、オペアンプ110の出力端子間に現れる差動出力電圧Vo´(=Vop−Von)は、次式(2)の如きものとなる。すなわち、オペアンプ110の入力オフセット電圧VosにサンプリングキャパシタCsp,Csnの寄生容量Cs(parasitic)分を加えたものが更に加算されたものとなる(図8参照)。
Vo´=Vin1´−Vin2´+Vin3´
+2・Vos(1+Cs(parasitic)/Cs) ・・・(2)
上記の如く一時記憶キャパシタCfp,CsnからサンプリングキャパシタCsp,Csnへの電荷の再転送が行われると、次に、制御回路102は、オペアンプ110の入力端子及び出力端子の極性反転を行う処理を実行する(ステップ108)。具体的には、このとき、制御回路102は、サンプリングキャパシタCsp,Csnの端子間電圧を維持したまま、スイッチS4−1p,S4−1n,S5p,S5n,S8−1p,S8−1nをオン状態からオフ状態へ切り替えると共に、スイッチS4−2p,S4−2n,S8−2p,S8−2nをオフ状態からオン状態へ切り替える(図9参照)。
かかるスイッチ状態が実現されると、オペアンプ110の入力端子及び出力端子の極性が反転されることで、サンプリングキャパシタCspがオペアンプ110の正側入力端子及び負側出力端子に接続されると共に、サンプリングキャパシタCsnがオペアンプ110の負側入力端子及び正側出力端子に接続される。かかるオペアンプ110の極性反転が行われると、オペアンプ110の出力端子間に現れる差動出力電圧Vo´(=Vop−Von)は、次式(3)の如きものとなる。すなわち、一時記憶キャパシタCfp,CsnからサンプリングキャパシタCsp,Csnへの電荷の再転送が行われた際の上記(2)式の差動出力電圧Vo´に対して、オペアンプ110の入力オフセット電圧Vosに応じた2・Vos(1+Cs(parasitic)/Cs)の電圧が減算されたものとなる。
Vo´=Vin1´−Vin2´+Vin3´
+2・Vos(1+Cs(parasitic)/Cs)
−2・Vos(1+Cs(parasitic)/Cs)
=Vin1´−Vin2´+Vin3´ ・・・(3)
この点、上記ステップ100〜108の一連の処理を実行すれば、オペアンプ110の出力端子に現れる差動出力電圧Vo´として、オペアンプ110の入力オフセットやサンプリングキャパシタCsp,Csnの寄生容量による誤差をキャンセルした上記(3)式の如きアナログ電圧を生成することができる。制御回路102は、上記ステップ108の処理の結果としてオペアンプ110の出力端子に現れた差動出力電圧Vo´をホールドしてA/D変換対象のアナログ値として出力する(ステップ110)。
このように、本実施例のサンプルホールド回路100は、各入力アナログ電位Vin1´,Vin2´,Vin3´のサンプリング及び加減算を共通した一対のサンプリングキャパシタCsp,Csnを用いて行い、その一対のサンプリングキャパシタCsp,Csnを用いてオペアンプ110の入力オフセット分のキャンセルを行うので、サンプリングキャパシタCsp,Csnの寄生容量のミスマッチ自体が発生せず、その結果として、そのミスマッチによる誤差が入力オフセット分としてホールド出力に残存するのを防止することができる。
従って、本実施例のサンプルホールド回路100によれば、ホールド出力を行ううえでオペアンプ110の入力オフセット分の除去性能を向上させることができ、これにより、オペアンプ110の入力オフセットを補償したホールド出力を行う高精度なサンプルホールド機能を実現することが可能である。
本実施例において、A/D変換装置は、サンプルホールド回路100からサンプルホールド出力された差動出力電圧Vo´をデジタル値にA/D変換して外部へ出力する。従って、本実施例のA/D変換装置によれば、差動入力電圧Vin´(=Vinp−Vinn)から差動出力電圧Vo´(=Vop−Von)へのA/D変換を精度よく行うことが可能である。
ところで、上記の第1実施例においては、サンプリングキャパシタCsp,Csn、スイッチS4−1p,S4−1n、かつ、制御回路102がステップ102,106の処理を実行することが特許請求の範囲に記載した「加減算手段」に、スイッチS4−1p,S4−1n,S4−2p,S4−2n,S8−1p,S8−1n,S8−2p,S8−2n、かつ、制御回路102がステップ108の処理を実行することが「オフセット電圧除去手段」に、スイッチS4−1p,S4−1nが特許請求の範囲に記載した「第1のスイッチ」に、制御回路102がステップ106の処理を実行することが特許請求の範囲に記載した「再転送手段」に、スイッチS4−1p,S4−1n,S4−2p,S4−2n,S8−1p,S8−1n,S8−2p,S8−2nが特許請求の範囲に記載した「第2のスイッチ」に、それぞれ相当している。
ところで、上記の第1実施例においては、3対のスイッチS1−1p,S1−1n,S1−2p,S1−2n,S1−3p,S1−3nを3つの異なるタイミングで順にオンし、サンプリングキャパシタCsp,Csnで3対の入力アナログ電位Vin1p、Vin1n,Vin2p,Vin2n,Vin3p,Vin3nを3つの異なるタイミングで順にサンプリングすることとしているが、スイッチS1−2p,S1−2nを設けかつ一対の入力アナログ電位Vin2p,Vin2nのサンプリングを行うことに代えて、図10に示す如く、サンプリングキャパシタCspの入力側端子とサンプリングキャパシタCsnの入力側端子との間に両者間の導通/遮断を切り替えるスイッチS13を設けたうえで、サンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Csnへの電荷転送時にそのスイッチS13をオン状態にする。
かかる変形例によれば、サンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Csnへの電荷転送が行われる際、上記の実施例においてVin2p−Vin2n=0が成立するのと等価になり、入力アナログ電位Vin1p,Vin1nの差動成分に応じた電荷のみがサンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Csnへ転送されるので、オペアンプ110の出力端子間の差動出力電圧Vo´(=Vop−Von)は、次式(4)の如きものとなる。
このため、サンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Csnへの電荷転送が行われた後、一時記憶キャパシタCfp,CsnからサンプリングキャパシタCsp,Csnへの電荷の再転送が行われると、オペアンプ110の出力端子間の差動出力電圧Vo´(=Vop−Von)は、次式(5)の如きものとなる。また、その再転送後、オペアンプ110の極性反転が行われると、オペアンプ110の出力端子間の差動出力電圧Vo´(=Vop−Von)は、次式(6)の如きものとなる。
Vo´=(Cs/Cf)(Vin1´+Vos(1+Cs(parasitic)/Cs))
・・・(4)
Vo´=Vin1´+Vin3´+2・Vos(1+Cs(parasitic)/Cs)
・・・(5)
Vo´=Vin1´+Vin3´ ・・・(6)
従って、かかる変形例においても、上記した実施例と同様に、オペアンプ110の出力端子に最終的に現れる差動出力電圧Vo´として、オペアンプ110の入力オフセットやサンプリングキャパシタCsp,Csnの寄生容量による誤差をキャンセルしたアナログ電圧を生成することができるので、ホールド出力を行ううえでオペアンプ110の入力オフセット分の除去性能を向上させることが可能である。
かかる変形例においては、スイッチS13が特許請求の範囲に記載した「第3のスイッチ」に相当する。
図11は、本発明の第2実施例であるサンプルホールド回路200の構成図を示す。尚、図11において、上記図1に示す構成と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
本実施例のサンプルホールド回路200は、入力される2つのアナログ電圧の電位差をサンプリングしかつホールドして出力する差動入力型の回路であって、入力されるアナログ電圧をデジタル値に変換するA/D変換装置(例えば、巡回型(循環型)ADCやパイプライン型ADCなど)に適用される回路である。また、サンプルホールド回路200は、差動入力電圧Vin´(=Vinp−Vinn)のレベルが電源電圧(VDD−VSS)超の広範囲に亘って変化する場合にもサンプルホールド出力及びA/D変換を精度良く実現させることが可能である。
図11に示す如く、サンプルホールド回路200において、サンプリングキャパシタCspの入力側端子には、スイッチS1pを介してアナログ電位Vinpが入力される。また、サンプリングキャパシタCsnの入力側端子には、スイッチS1nを介してアナログ電位Vinnが入力される。スイッチS1p,S1nは、サンプリングキャパシタCsp,Csnの入力側端子にアナログ電位Vinp,Vinnを入力させる際に導通されるスイッチである。
スイッチS1p,S1nは、制御回路202により制御され、それぞれ同時にオンされる。具体的には、スイッチS1p,S1nは、入力されるアナログ電位Vinp,Vinnをサンプリングすべきでないときはオフされ、入力されるアナログ電位Vinp,Vinnをサンプリングすべきときにオンされる。サンプリングキャパシタCspは、スイッチS1pがオン状態にあるとき、そのスイッチS1pを介して入力されるアナログ電位Vinpに従った入力電荷を蓄積することが可能であり、その入力電荷の蓄積により入力アナログ電位Vinpのサンプリングを行う。また、サンプリングキャパシタCsnは、スイッチS1nがオン状態にあるとき、そのスイッチS1nを介して入力されるアナログ電位Vinnに従った入力電荷を蓄積することが可能であり、その入力電荷の蓄積により入力アナログ電位Vinnのサンプリングを行う。
サンプリングキャパシタCspの入力側端子には、また、スイッチS2pを介して、基準電位Vrefp、出力コモンモード電位Vocm、及び基準電位Vrefnが入力される。また、サンプリングキャパシタCsnの入力側端子には、また、スイッチS2pを介して、基準電位Vrefn、出力コモンモード電位Vocm、及び基準電位Vrefpが入力される。スイッチS2p,S2nは、サンプリングキャパシタCsp,Csnの入力側端子に印加する電圧を基準電位Vrefnと出力コモンモード電位Vocmと基準電位Vrefpとの何れかに切り替えるスイッチである。スイッチS2p,S2nは、制御回路202により制御される。
サンプリングキャパシタCsp,Csnは、スイッチS2p,S2nを介してサンプリングキャパシタCsp,Csnの入力側端子に基準電位Vrefpが印加されているときは、その基準電位Vrefpに従った基準電荷を蓄積することが可能であり、その基準電荷の蓄積により基準電位Vrefpをサンプリングする。一方、サンプリングキャパシタCsp,Csnは、スイッチS2p,S2nを介してサンプリングキャパシタCsp,Csnの入力側端子に出力コモンモード電位Vocmが印加されているときは、その出力コモンモード電位Vocmに従った基準電荷を蓄積することが可能であり、その基準電荷の蓄積により電位Vocmをサンプリングする。また、サンプリングキャパシタCsp,Csnは、スイッチS2p,S2nを介してサンプリングキャパシタCsp,Csnの入力側端子に基準電位Vrefnが印加されているときは、その基準電位Vrefnに従った基準電荷を蓄積することが可能であり、その基準電荷の蓄積により基準電位Vrefnをサンプリングする。
尚、本実施例において、上記の基準電位Vrefpは正側の電源電位VDDであり、かつ、上記の基準電位Vrefnは負側の電源電位VSSであるとする(Vrefp=VDD,Vrefn=VSS)。また、出力コモンモード電位Vocmは正側の電源電位VDDと負側の電源電位VSSとの中間値(=(VDD+VSS)/2)であるとする。
更に、サンプリングキャパシタCspの入力側端子とサンプリングキャパシタCsnの入力側端子とは、スイッチS13を介して接続されている。スイッチS13は、サンプリングキャパシタCsp,Csnの入力側端子同士を導通/遮断するスイッチであり、制御回路202により制御される。
本実施例において、オペアンプ110は、出力コモンモードVocmを中心にして正側電源電位VDDと負側電源電位VSSとの電位差の例えば半分程度の出力範囲(具体的には、−(VDD−VSS)/2−αから+(VDD−VSS)/2+αまでの範囲;但し、値αは僅かな値であって、例えば“0.2”である)に対して十分なゲインを有するものとする。
尚、一時記憶キャパシタCfp,Cfnの容量を容量Cfp,Cfnとする。一時記憶キャパシタCfpの容量Cfpは、上記のサンプリングキャパシタCspの容量Cspよりも大きい値に設定されており、一時記憶キャパシタCfnの容量Cfnは、上記のサンプリングキャパシタCsnの容量Csnよりも大きい値に設定されている。すなわち、Cfp=a・Csp、かつ、Cfn=a・Csnが成立する。但し、値aは、a>1が成立し、例えばa=2である。
キャパシタChpは、スイッチS10−1pを介してオペアンプ110の正側出力端子に接続され、スイッチS10−2pを介してオペアンプ110の負側出力端子に接続されていると共に、S12pを介して第2の基準端子106に接続されている。また、キャパシタChnは、スイッチS10−1nを介してオペアンプ110の正側入力端子に接続され、スイッチS10−2nを介してオペアンプ110の負側出力端子に接続されていると共に、スイッチS12nを介して第2の基準端子106に接続されている。各スイッチS9p,S10−1p,S10−2p,S11p,S12p,S9n,S10−1n,S10−2n,S11n,S12nは、制御回路202により制御される。
オペアンプ110の正側出力端子には、2つのコンパレータ204,206の正側入力端子が接続されている。また、オペアンプ110の負側出力端子には、2つのコンパレータ204,206の負側入力端子が接続されている。コンパレータ204は、+(Vrefp−Vrefn)/(a・b)のオフセットを有する。また、コンパレータ206は、−(Vrefp−Vrefn)/(a・b)のオフセットを有する。コンパレータ204,206はそれぞれ、入力端子に入力される電圧同士を比較して、その比較結果を制御回路202へ出力する。制御回路202は、後述の如く、コンパレータ204,206による比較結果に基づいてスイッチS2p,S2nの導通/遮断を制御する。但し、値bは、入力アナログ電圧Vin´(=Vinp−Vinn)のレベルが電源電圧VDD−VSSのレベル範囲を超える所定範囲内にあっても出力飽和を発生させない処理を実行するうえで必要な“1”を超える値であって、例えば“2”である。
次に、図12乃至図17を参照して、本実施例のサンプルホールド回路200及びA/D変換装置の動作について説明する。図12は、本実施例のサンプルホールド回路200を含むA/D変換装置において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図13は、本実施例のサンプルホールド回路200において入力アナログ電圧Vin´(=Vinp−Vinn)のサンプリング時に実現される回路状態を表した図を示す。図14は、本実施例のサンプルホールド回路200においてサンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Csnへの電荷転送時に実現される回路状態を表した図を示す。図15は、本実施例のサンプルホールド回路200において基準電圧Vref´(=Vrefp−Vrefn)のサンプリング時に実現される回路状態を表した図を示す。図16は、本実施例のサンプルホールド回路200において一時記憶キャパシタCfp,CfnからサンプリングキャパシタCsp,Csnへの電荷戻し転送時に実現される回路状態を表した図を示す。また、図17は、本実施例のサンプルホールド回路200における入力アナログ電圧Vin´と出力アナログ電圧Vo´(=Vop−Von)との関係を表した図を示す。
本実施例において、A/D変換装置がA/D変換を行う直前は、スイッチS1p,S1nはオフ状態にある。A/D変換が行われるときは、まず、サンプルホールド回路200の制御回路202は、入力アナログ電位Vinp,Vinnのサンプリングを行う処理を実行する(ステップ200)。具体的には、このとき、制御回路202は、スイッチS1p,S1n,S3p,S3nをオフ状態からオン状態へ切り替える(図13参照)。
かかるスイッチ状態が実現されると、サンプリングキャパシタCspに、アナログ電位Vinpと入力コモンモード電位Vicmとの電位差(入力電圧)が印加されるので、その電位差に応じた電荷(入力電荷)が蓄積される。この場合は、サンプリングキャパシタCspで入力アナログ電位Vinpのサンプリングが行われる。また同様に、サンプリングキャパシタCsnに、アナログ電位Vinnと入力コモンモード電位Vicmとの電位差(入力電圧)が印加されるので、その電位差に応じた電荷(入力電荷)が蓄積される。この場合は、サンプリングキャパシタCsnで入力アナログ電位Vinnのサンプリングが行われる。
尚、上記の如くサンプリングキャパシタCsp,Csnで入力アナログ電位Vinp,Vinnのサンプリングが行われる際に同時に又はそのサンプリングが行われる前には、制御回路202は、一時記憶キャパシタCfp,Cfnのリセット(ディスチャージ)及びオフセットキャンセルを行う。具体的には、このとき、制御回路202は、スイッチS6p,S6nをオフにしたままスイッチS7p,S7nをオン状態にし、かつ、S5p,S5n,S9p,S9n,S10−1p,S10−1nをオフ状態にする(図13参照)。
上記したサンプリングキャパシタCsp,Csnでの入力アナログ電位Vinp,Vinnのサンプリングが完了して、そのサンプリングキャパシタCsp,Csnに入力アナログ電位Vinp,Vinnに従った入力電荷が蓄積されると、次に、制御回路202は、そのサンプリングキャパシタCsp,Csnに蓄積された入力電荷を一時記憶キャパシタCfp,Csnへ転送する処理を実行する(ステップ202)。具体的には、このとき、制御回路202は、スイッチS1p,S1n,S7p,S7n,S9p,S9n,S10−1p,S10−1nをオン状態からオフ状態へ切り替えると共に、スイッチS4p−1p,S4−1n,S6p,S6n,S13をオフ状態からオン状態へ切り替える(図14参照)。
かかるスイッチ状態が実現されると、サンプリングキャパシタCsp,Csnが直列接続されるので、サンプリングキャパシタCsp,Csnでサンプリングされた入力アナログ電位Vinp,Vinnのうち差動成分Vin´(=Vinp−Vinn)に応じた入力電荷のみが、それらのサンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Cfnへ転送される。この場合、オペアンプ110の出力端子間の差動出力電圧Vo´は、略(Cs/Cf)×Vin´(=1/a×Vin´)となる。
上記の如く値aは“1”よりも大きい値であるので、オペアンプ110の差動出力電圧Vo´は、差動入力電圧Vin´よりも小さくなる。この場合、差動入力電圧Vin´が正側電源電位VDDと負側電源電位VSSとの差である(VDD−VSS)近傍であっても、サンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Cfnへの電荷転送が行われると、オペアンプ110の差動出力電圧Vo´は、電源電圧(VDD−VSS)よりも小さくなり、−(VDD−VSS)/aから+(VDD−VSS)/aまでの範囲に収まる。このため、サンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Cfnへの電荷転送時に、オペアンプ110が出力飽和を起こすことは回避され、オペアンプ110の動作が確保される。
尚、上記の如くサンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Cfnへ差動成分Vin´に応じた入力電荷が転送された場合、入力アナログ電位Vinp,Vinnのうち入力コモンモード成分(Vinp+Vinn)/2に応じた電荷成分は、一時記憶キャパシタCfp,Cfnへ転送されず、サンプリングキャパシタCsp,Csnに残存する。この場合、サンプリングキャパシタCsp,Csnの両端に生ずる電圧は、その入力コモンモード電位(Vinp+Vinn)/2となる。尚、この際、サンプリングキャパシタCsp,Csnの入力側端子は電位固定されないので、入力アナログ電位Vinp,Vinnにコモンモード変動が生じていても、オペアンプ110の入力端子に入力される電位は、サンプリングキャパシタCsp,Csnでサンプリングされる入力アナログ電位Vinp,Vinnのコモンモードに影響されることなく、設定した入力コモンモード電位Vicmにほぼ固定される。
また、上記の如くサンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Cfnへの電荷転送が行われると、オペアンプ110の出力端子に現れた差動出力電圧Vo´(=Vop−Von)は、オペアンプ110の入力オフセット電圧VosにサンプリングキャパシタCsp,Csnの寄生容量Cs(parasitic)分を加えたものが加算された次式(11)の如きものとなる。
Vo´=(Cs/Cf)(Vin´+Vos(1+Cs(parasitic)/Cs))
・・・(11)
この差動出力電圧Vo´は、コンパレータ204,206の入力端子に入力される。コンパレータ204,206は、入力端子に入力されるオペアンプ110の差動出力電圧Vo´が、−Vref´/(a・b)から+Vref´/(a・b)までの範囲にあるか否かの比較結果を制御回路202へ供給する。例えば、コンパレータ204は、入力端子に入力されるオペアンプ110の差動出力電圧Vo´が+Vref´/(a・b)よりも大きいか否かの比較結果を制御回路202へ供給する。また、コンパレータ206は、入力端子に入力されるオペアンプ110の差動出力電圧Vo´が−Vref´/(a・b)よりも小さいか否かの比較結果を制御回路202へ供給する。
制御回路202は、コンパレータ204,206から送られる比較結果情報に基づいて、オペアンプ110の差動出力電圧Vo´が、(1)+Vref´/(a・b)よりも大きいか、(2)−Vref´/(a・b)から+Vref´/(a・b)までの範囲内にあるか、或いは(3)−Vref´/(a・b)よりも小さいか否かを判定する(ステップ204)。そして、制御回路202は、その判定結果を、例えばデジタル値D0=+1,0,−1としてメモリに記憶する。
かかる記憶がなされると、次に、制御回路202は、サンプリングキャパシタCsp,Csnに残存する入力コモンモード成分(Vinp+Vinn)/2に応じた電荷成分を放電除去する処理を実行する。具体的には、このとき、制御回路202は、スイッチS2p,S2nを出力コモンモード電位Vocmに接続させ、スイッチS3p,S3nをオフ状態からオン状態へ切り替えると共に、スイッチS4−1p,S4−1nをオン状態からオフ状態へ切り替える(図15参照)。かかるスイッチ状態が実現されると、サンプリングキャパシタCsp,Csnの両端に入力コモンモード電位Vicmと出力コモンモード電位Vocmとが印加されるので、それらのサンプリングキャパシタCsp,Csnに残存する入力コモンモード成分(Vinp+Vinn)/2に応じた電荷成分が放電除去される。
また、制御回路202は、上記したサンプリングキャパシタCsp,Csnでの電荷放電が行われた後、上記したコンパレータ204,206による比較結果に応じたサンプリングキャパシタCsp,Csnでの電圧サンプリングを行う(ステップ206)。具体的には、このとき、制御回路202は、コンパレータ204,206による比較結果に基づいて、Vo´>+Vref´/(a・b)が成立すると判別した場合は、スイッチS2pを基準電位Vrefに接続しかつスイッチS2nを基準電位Vrefpに接続させる。一方、制御回路202は、−Vref´/(a・b)<Vo´<+Vref´/(a・b)が成立すると判別した場合は、スイッチS2p,S2nを共に入力コモンモード電位Vicmに接続させる。また、制御回路202は、Vo´<−Vref´/(a・b)が成立すると判別した場合は、スイッチS2pを基準電位Vrefpに接続させかつスイッチS2nを基準電位Vrefnに接続させる(図15参照)。
スイッチS2pが基準電位Vrefnに接続されかつスイッチS2nが基準電位Vrefpに接続されると、サンプリングキャパシタCspに基準電位Vrefnと入力コモンモード電位Vicmとの電位差が印加されると共に、サンプリングキャパシタCsnに基準電位Vrefpと入力コモンモード電位Vicmとの電位差が印加されるので、サンプリングキャパシタCsp,Csnに各電位差に応じた電荷が蓄積される。従って、Vo´>+Vref´/(a・b)が成立する場合は、サンプリングキャパシタCspで基準電位Vrefnのサンプリングが、また、サンプリングキャパシタCsnで基準電位Vrefpのサンプリングが、それぞれ行われる。
また、スイッチS2p,S2nが共に出力コモンモード電位Vocmに接続されると、サンプリングキャパシタCsp,Csnに出力コモンモード電位Vocmと入力コモンモード電位Vicmとの電位差が印加されるので、サンプリングキャパシタCsp,Csnにその電位差に応じた電荷が蓄積される。従って、−Vref´/(a・b)<Vo<+Vref´/(a・b)が成立する場合は、各サンプリングキャパシタCsp,Csnで出力コモンモード電位Vocmのサンプリングが行われる。
更に、スイッチS2pが基準電位Vrefpに接続されかつスイッチS2nが基準電位Vrefnに接続されると、サンプリングキャパシタCspに基準電位Vrefpと入力コモンモード電位Vicmとの電位差が印加されると共に、サンプリングキャパシタCsnに基準電位Vrefnと入力コモンモード電位Vicmとの電位差が印加されるので、サンプリングキャパシタCsp,Csnに各電位差に応じた電荷が蓄積される。従って、Vo´<−Vref´/(a・b)が成立する場合は、サンプリングキャパシタCspで基準電位Vrefpのサンプリングが、また、サンプリングキャパシタCsnで基準電位Vrefnのサンプリングが、それぞれ行われる。
尚、上記したサンプリングキャパシタCsp,Csnでの電荷放電と基準電位Vrefp,Vrefn,出力コモンモード電位Vocmのサンプリングとは、順に行われるが、同時に行われることとしてもよい。この場合は、サンプリングキャパシタCsp,Csnでの各基準電位Vrefp,Vrefn,出力コモンモード電位Vocmのサンプリングが行われると、自動的にそのサンプリング前までに蓄積されていた入力コモンモード成分(Vinp+Vinn)/2に応じた電荷成分が放電除去される。
また、制御回路202は、サンプリングキャパシタCsp,Csnで出力コモンモード電圧Vocm又は基準電位Vrefp,Vrefnのサンプリングを行う際は、スイッチS5p,S5n,S6p,S6nをオン状態に維持したまま、スイッチS4−1p,S4−1n,S9p,S9nをオン状態からオフ状態へ切り替える(図15参照)。かかる処理が行われると、一時記憶キャパシタCfp,Cfnに転送されて蓄積された電荷がその一時記憶キャパシタCfp,Cfnに維持されることとなる。
上記の如くサンプリングキャパシタCsp,Csnで出力コモンモード電圧Vocm又は基準電位Vrefp,Vrefnのサンプリングが行われると、次に、制御回路202は、一時記憶キャパシタCfp,Cfnに転送されて蓄積されていた電荷をサンプリングキャパシタCsp,Csnへ戻す処理を実行する(ステップ208)。具体的には、このとき、制御回路202は、スイッチS2p,S2n,S3p,S3n,S6p,S6nをオン状態からオフ状態へ切り替えると共に、スイッチS4−1p,S4−1n,S7p,S7n,S8−1p,S8−1nをオフ状態からオン状態へ切り替える。かかるスイッチ状態が実現されると、一時記憶キャパシタCfp,Cfnに蓄積されていた差動成分Vin´と入力オフセット電圧Vos及び寄生容量Cs(parasitic)とに応じた電荷がサンプリングキャパシタCsp,Csnへ再転送される。
かかる電荷の再転送が行われると、オペアンプ110の出力端子間に現れる差動出力電圧Vo´(=Vop−Von)は、オペアンプ110の入力オフセット電圧VosにサンプリングキャパシタCsp,Csnの寄生容量Cs(parasitic)分を加えたものが更に加算されたものとなる。
具体的には、上記ステップ204でVo´>+Vref´/(a・b)が成立することによりサンプリングキャパシタCspで基準電位Vrefnのサンプリングが行われかつサンプリングキャパシタCsnで基準電位Vrefpのサンプリングが行われていた場合は、オペアンプ110の出力端子に現れる差動出力電圧Vo´は、次式(12)の如きものとなる。
Vo´=Vin´+2・Vos(1+Cs(parasitic)/Cs)−Vref´
・・・(12)
また、上記ステップ204で−Vref´/(a・b)<Vo<+Vref´/(a・b)が成立することによりサンプリングキャパシタCsp,Csnで出力コモンモード電位Vocmのサンプリングが行われていた場合は、オペアンプ110の出力端子に現れる差動出力電圧Vo´は、次式(13)の如きものとなる。
Vo´=Vin´+2・Vos(1+Cs(parasitic)/Cs) ・・・(13)
更に、上記ステップ204でVo´<−Vref´/(a・b)が成立することによりサンプリングキャパシタCspで基準電位Vrefpのサンプリングが行われかつサンプリングキャパシタCsnで基準電位Vrefnのサンプリングが行われていた場合は、オペアンプ110の出力端子に現れる差動出力電圧Vo´は、次式(14)の如きものとなる。
Vo´=Vin´+2・Vos(1+Cs(parasitic)/Cs)+Vref´
・・・(14)
従って、一時記憶キャパシタCfp,CfnからサンプリングキャパシタCsp,Csnへの電荷の再転送後、サンプリングキャパシタCsp,Csnの両端に生ずる電圧は、入力オフセット及び寄生容量を考慮しなければ、Vo´>+Vref´/(a・b)が成立するときすなわちVin´>+Vref´/bが成立するときはほぼVin´−Vref´であり、−Vref´/(a・b)<Vo´<+Vref´/(a・b)が成立するときすなわち−Vref´/b<Vin´<Vref´/bが成立するときはほぼVin´であり、また、Vo´<−Vref´/(a・b)が成立するときすなわちVin´<−Vref´/bが成立するときはほぼVin´+Vref´である。このため、オペアンプ110の出力端子に現れる差動出力電圧Vo´は、−Vref´/bから+Vref´/bまでの範囲に収まる。
上記の如く一時記憶キャパシタCfp,CsnからサンプリングキャパシタCsp,Csnへの電荷の再転送が行われると、次に、制御回路202は、オペアンプ110の入力端子及び出力端子の極性反転を行う処理を実行する(ステップ210)。具体的には、このとき、制御回路202は、サンプリングキャパシタCsp,Csnの端子間電圧を維持したまま、スイッチS4−1p,S4−1n,S5p,S5n,S8−1p,S8−1nをオン状態からオフ状態へ切り替えると共に、スイッチS4−2p,S4−2n,S8−2p,S8−2nをオフ状態からオン状態へ切り替える(図9参照)。
かかるスイッチ状態が実現されると、オペアンプ110の入力端子及び出力端子の極性が反転されることで、サンプリングキャパシタCspがオペアンプ110の正側入力端子及び負側出力端子に接続されると共に、サンプリングキャパシタCsnがオペアンプ110の負側入力端子及び正側出力端子に接続される。かかるオペアンプ110の極性反転が行われると、オペアンプ110の出力端子間に現れる差動出力電圧Vo´(=Vop−Von)は、次式(15)〜(17)の如きものとなる。すなわち、その差動出力電圧Vo´は、一時記憶キャパシタCfp,CsnからサンプリングキャパシタCsp,Csnへの電荷の再転送が行われた際の上記(12)〜(14)式の差動出力電圧Vo´に対して、オペアンプ110の入力オフセット電圧Vosに応じた2・Vos(1+Cs(parasitic)/Cs)の電圧が減算されたものとなる。
Vo´=Vin´−Vref´ ・・・(15)
Vo´=Vin´ ・・・(16)
Vo´=Vin´+Vref´ ・・・(17)
この点、上記ステップ200〜210の一連の処理を実行すれば、オペアンプ110の出力端子に現れる差動出力電圧Vo´として、オペアンプ110の入力オフセットやサンプリングキャパシタCsp,Csnの寄生容量による誤差をキャンセルした上記(15)〜(17)式の如きアナログ電圧を生成することができる。制御回路202は、上記ステップ208の処理の結果としてオペアンプ110の出力端子に現れた差動出力電圧Vo´をホールドしてA/D変換対象のアナログ値として出力する(ステップ212)。
このように、本実施例のサンプルホールド回路200は、各入力アナログ電圧Vinp,Vinnのサンプリング及び加減算を共通した一対のサンプリングキャパシタCsp,Csnを用いて行い、その一対のサンプリングキャパシタCsp,Csnを用いてオペアンプ110の入力オフセット分のキャンセルを行う。このため、サンプリングキャパシタCsp,Csnの寄生容量のミスマッチ自体が発生せず、その結果として、そのミスマッチによる誤差が入力オフセット分としてホールド出力に残存するのを防止することができる。
従って、本実施例のサンプルホールド回路200によれば、ホールド出力を行ううえでオペアンプ110の入力オフセット分の除去性能を向上させることができ、これにより、オペアンプ110の入力オフセットを補償したホールド出力を行う高精度なサンプルホールド機能を実現することが可能である。
また、本実施例のサンプルホールド回路200においては、入力アナログ電圧Vinp,Vinnの差動入力電圧Vin´が電源電圧VDD−VSSの範囲内で変化するとき、サンプルホールドされて出力される差動出力電圧Vo´を−Vref´/bから+Vref´/bまでの範囲に調整することができる。
上記の如く、値bは、入力アナログ電圧Vin´(=Vinp−Vinn)のレベルが電源電圧VDD−VSSのレベル範囲を超える所定範囲内にあっても出力飽和を発生させない処理を実行するうえで必要な“1”を超える値である。このため、サンプルホールド回路200は、差動入力電圧Vin´が電源電圧(VDD−VSS)の範囲の近傍にある場合、更には、その電源電圧(VDD−VSS)の範囲を僅かに超える場合にも、オペアンプ110の出力飽和を起こすことなく、サンプルホールド出力を実行することができる。すなわち、サンプルホールド回路200は、サンプルホールド出力を実行するうえで、電源電圧(VDD−VSS)の範囲の差動入力電圧Vin´(更には、その電源電圧の範囲を僅かに超える差動入力電圧Vin´)に対して出力飽和の発生を確実に回避させることができる。また逆に、サンプルホールド回路200は、出力飽和の発生を抑えるうえで許容される差動入力電圧Vin´の範囲を、電源電圧(VDD−VSS)のb倍(“1”を超える倍数)まで拡大することができる。
尚、上記したサンプルホールド回路200は、差動入力電圧Vin´の入力に基づいて差動出力電圧Vo´をホールド出力する過程で、入力アナログ電圧Vinp,VinnのサンプリングをサンプリングキャパシタCsp,Csnで行い、サンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Cfnへの電荷転送後における基準電圧Vrefp,Vrefn又は出力コモンモード電位VocmのサンプリングをサンプリングキャパシタCsp,Csnで行う。その後、サンプルホールド回路200は、一時記憶キャパシタCfp,Cfnに蓄積された電荷をサンプリングキャパシタCsp,Csnへ戻してオペアンプ110からのホールド出力を行う。この処理において、サンプルホールド回路200は、差動入力電圧Vin´の入力から差動出力電圧Vo´の出力までの各処理をサンプリングキャパシタCsp,Csnを基点として実行する。このため、サンプルホールド回路100においては、サンプリングキャパシタCsp,Csnの容量値と一時記憶キャパシタCfp,Cfnの容量値との比(すなわち、値a)自体にバラツキが生じていたり、或いは、サンプリングキャパシタCspの容量値と一時記憶キャパシタCfpの容量値との比とサンプリングキャパシタCsnの容量値と一時記憶キャパシタCfnの容量値との比との間でバラツキが生じていても、そのバラツキに影響されることなく、差動出力電圧Vo´のホールド出力を行うことができる。
本実施例において、A/D変換装置は、サンプルホールド回路200からサンプルホールド出力された差動出力電圧Vo´をデジタル値にA/D変換する(ステップ214)。尚、サンプルホールド回路200からサンプルホールド出力される差動出力電圧Vo´は、サンプリングキャパシタCsp,Csnと一時記憶キャパシタCfp,Cfnとの間の電荷転送や電圧サンプリングに伴う電荷又は電圧の加減算が行われた結果として得られるものであるため、差動入力電圧Vin´と一対一で対応しない。
そこで、A/D変換装置は、上記ステップ214でA/D変換して得たデジタル値に、適宜、上記の如く加減算された電荷又は電圧に相当する分のデジタル値を減算又は加算することにより、最終的な出力デジタル値を算出する。そして、その算出した最終デジタル値を外部へ出力する。
具体的には、A/D変換装置は、上記ステップ204で行った判定結果をメモリから読み出す。そして、その上で、A/D変換装置は、Vin´>+Vref´/bが成立する場合は、一時記憶キャパシタCfp,CsnからサンプリングキャパシタCsp,Csnへの電荷戻し転送時に一時記憶キャパシタCsp,Csnに蓄積されていた電荷から基準電圧Vref´分の電荷が減算されていることを判定して、その減算分を補うべく、サンプルホールド出力された差動出力電圧Vo´をA/D変換して得たデジタル値に基準電圧Vref´分のデジタル値を加算して得られるデジタル値を最終的な出力デジタル値とする。また、A/D変換装置は、−Vref´/b<Vin´<Vref´/bが成立するときは、差動入力電圧Vin´の入力から差動出力電圧Vo´の出力までの過程で何ら電荷の加減算が行われていないことを判定して、サンプルホールド出力された差動出力電圧Vo´をA/D変換して得たデジタル値をそのまま最終的な出力デジタル値とする。更に、A/D変換装置は、Vin´<−Vref´/bが成立するときは、一時記憶キャパシタCfp,CfnからサンプリングキャパシタCsp,Csnへの電荷戻し転送時に一時記憶キャパシタCsp,Csnに蓄積されていた電荷に基準電圧Vref´分の電荷が加算されていることを判定して、その加算分を減算すべく、サンプルホールド出力された差動出力電圧Vo´をA/D変換して得たデジタル値から基準電圧Vref´分のデジタル値を減算して得られるデジタル値を最終的な出力デジタル値とする。
かかるデジタル処理によれば、差動入力電圧Vin´と一対一に対応する差動デジタル出力を得ることができる。従って、本実施例のA/D変換装置によれば、電源電圧(VDD−VSS)の範囲に加えてその範囲を僅かに超える範囲まで差動入力電圧Vin´の、差動出力電圧Vo´へのA/D変換を精度よく行うことが可能である。また、上記のデジタル処理においては、差動入力電圧Vin´と一対一に対応する差動デジタル出力を得るための精度よいA/D変換を、デジタル値を加減算する簡単なデジタル演算を用いて実現することが可能である。
例えば、上記した値b=2が成立するものとすると、図17に示す如く、−3/2・Vref´から+3/2・Vref´までの差動入力電圧Vin´に対して、ホールド出力される差動出力電圧Vo´は、−1/2・Vref´から+1/2・Vref´までの範囲に収まる。つまり、オペアンプ110の出力電圧範囲として1/2・Vref´が確保されていれば、差動入力電圧Vin´が電源電圧(VDD−VSS)の1.5倍までの広範囲に亘って変化する場合にもサンプルホールド出力及びA/D変換を精度良く実現することが可能である。
尚、サンプルホールド回路200においては、コンパレータ204,206に所定のオフセットが設けられているが、このオフセットが設計からずれていても、A/D変換装置におけるA/D変換特性にほとんど影響を与えない。これは、コンパレータ204,206のオフセットずれは、オペアンプ110の差動出力電圧に僅かに影響を与えるが、オペアンプ110が出力電圧範囲で十分なゲインを確保していれば、A/D変換後のデジタル値或いはそのデジタル値を加減算して得た最終的なデジタル出力値に影響を与えないからである。
ところで、上記の第2実施例においては、サンプリングキャパシタCsp,Csn、スイッチS4−1p,S4−1n、かつ、制御回路202がステップ202,208の処理を実行することが特許請求の範囲に記載した「加減算手段」に、スイッチS4−1p,S4−1n,S4−2p,S4−2n,S8−1p,S8−1n,S8−2p,S8−2n、かつ、制御回路202がステップ210の処理を実行することが「オフセット電圧除去手段」に、スイッチS4−1p,S4−1nが特許請求の範囲に記載した「第1のスイッチ」に、制御回路202がステップ208の処理を実行することが特許請求の範囲に記載した「再転送手段」に、スイッチS4−1p,S4−1n,S4−2p,S4−2n,S8−1p,S8−1n,S8−2p,S8−2nが特許請求の範囲に記載した「第2のスイッチ」に、スイッチS13が特許請求の範囲に記載した「第3のスイッチ」に、それぞれ相当している。
また、A/D変換装置がステップ214の処理を実行することが特許請求の範囲に記載した「A/D変換手段」に、A/D変換装置がステップ216の処理を実行することが特許請求の範囲に記載した「最終デジタル値演算手段」に、それぞれ相当している。
尚、上記の第2実施例においては、サンプルホールド回路200で入力アナログ電位Vinp,Vinnのサンプリングを行い、そのサンプリングにより得られた電荷をサンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Cfnへ転送し、その後に、サンプルホールド回路200で基準電位Vrefp,Vrefn,Vocmのサンプリングを行うこととしているが、逆に、まず、サンプルホールド回路200で基準電位Vrefp,Vrefn,Vocmのサンプリングを行い、そのサンプリングにより得られた電荷をサンプリングキャパシタCsp,Csnから一時記憶キャパシタCfp,Cfnへ転送し、その後に、サンプルホールド回路200で入力アナログ電位Vinp,Vinnのサンプリングを行うこととしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施例は、差動入力型のサンプルホールド回路100,200を用いているが、シングルエンド入力型のサンプルホールド回路に適用することも可能である。但し、シングルエンド入力型のサンプルホールド回路を用いる場合は、オペアンプの内部回路を極性切り替え(カレントミラー能動負荷のカレントミラー極性(入力/出力)切り替えを含む。)が可能なものとすることが必要である。
100,200 サンプルホールド回路
102,202 制御回路
110 オペアンプ
204,206 コンパレータ
Csp,Csn サンプリングキャパシタ
Cfp,Cfn 一時記憶キャパシタ
S1〜S13 スイッチ
Vinp,Vinn 入力アナログ電位
Vin´ 入力アナログ電圧
Vicm 入力コモンモード電位
Vop,Von 出力アナログ電位
Vo´ 出力アナログ電圧
Vocm 出力コモンモード電位
Vrefp,Vrefn 基準電位
Vref´ 基準電圧

Claims (12)

  1. ホールド出力を行うオペアンプを備えるサンプルホールド回路であって、
    所定複数の異なるタイミングで入力電圧をサンプリングするサンプリングキャパシタと、
    前記サンプリングキャパシタでサンプリングされた各入力電圧を加減算する加減算手段と、
    前記加減算手段により各入力電圧が加減算された後、該加減算により得られる電圧に含まれる前記オペアンプの入力オフセット電圧分を除去するオフセット電圧除去手段と、を備え、
    前記オペアンプは、前記オフセット電圧除去手段により前記オペアンプの入力オフセット電圧分が除去された電圧をホールドして出力することを特徴とするサンプルホールド回路。
  2. 前記加減算手段は、前記サンプリングキャパシタでサンプリングされた入力電圧に応じた電荷が一時転送される一時記憶キャパシタと、前記一時記憶キャパシタへ前記電荷が一時転送される際に該一時記憶キャパシタを前記サンプリングキャパシタと前記オペアンプの入力端子との接続点に導通させ、かつ、前記一時記憶キャパシタに前記電荷が一時転送された後に遮断される第1のスイッチと、前記第1のスイッチが遮断された後に入力電圧がサンプリングされた前記サンプリングキャパシタへ前記一時記憶キャパシタに転送されていた前記電荷を戻す再転送手段と、を有することを特徴とする請求項1記載のサンプルホールド回路。
  3. 前記オフセット電圧除去手段は、前記再転送手段により前記一時記憶キャパシタに転送されていた前記電荷が前記サンプリングキャパシタへ戻された後に前記オペアンプの入力端子及び出力端子の極性を反転させる第2のスイッチを有することを特徴とする請求項2記載のサンプルホールド回路。
  4. 前記加減算手段は、前記一時記憶キャパシタへ前記電荷が一時転送される際に前記サンプリングキャパシタで入力電圧をサンプリングすることにより、該入力電圧を減算することを特徴とする請求項2又は3記載のサンプルホールド回路。
  5. ホールド出力を行うオペアンプを備えるサンプルホールド回路であって、
    所定複数の異なるタイミングで2つの入力電圧をサンプリングする一対のサンプリングキャパシタと、
    前記一対のサンプリングキャパシタでサンプリングされた各入力電圧を加減算する加減算手段と、
    前記加減算手段により各入力電圧が加減算された後、該加減算により得られる2つの電圧の電位差に含まれる前記オペアンプの入力オフセット電圧分を除去するオフセット電圧除去手段と、を備え、
    前記オペアンプは、前記オフセット電圧除去手段により前記オペアンプの入力オフセット電圧分が除去された前記電位差をホールドして出力することを特徴とするサンプルホールド回路。
  6. 前記加減算手段は、前記一対のサンプリングキャパシタでサンプリングされた入力電圧に応じた電荷が一時転送される一対の一時記憶キャパシタと、前記一対の一時記憶キャパシタへ前記電荷が一時転送される際に該一対の一時記憶キャパシタを前記一対のサンプリングキャパシタと前記オペアンプの入力端子との接続点に導通させ、かつ、前記一対の一時記憶キャパシタに前記電荷が一時転送された後に遮断される一対の第1のスイッチと、前記一対の第1のスイッチが遮断された後に入力電圧がサンプリングされた前記一対のサンプリングキャパシタへ前記一対の一時記憶キャパシタに転送されていた前記電荷を戻す再転送手段と、を有することを特徴とする請求項5記載のサンプルホールド回路。
  7. 前記オフセット電圧除去手段は、前記再転送手段により前記一対の一時記憶キャパシタに転送されていた前記電荷が前記一対のサンプリングキャパシタへ戻された後に前記オペアンプの入力端子及び出力端子の極性を反転させる第2のスイッチを有することを特徴とする請求項6記載のサンプルホールド回路。
  8. 前記加減算手段は、前記一対の一時記憶キャパシタへ前記電荷が一時転送される際に前記一対のサンプリングキャパシタで入力電圧をサンプリングすることにより、該入力電圧を減算することを特徴とする請求項6又は7記載のサンプルホールド回路。
  9. 前記一時記憶キャパシタの容量は、前記サンプリングキャパシタの容量よりも大きいことを特徴とする請求項6乃至8の何れか一項記載のサンプルホールド回路。
  10. 前記加減算手段は、前記一対のサンプリングキャパシタでサンプリングされた入力電圧に応じた電荷が前記一対の一時記憶キャパシタへ一時転送される際に該一対のサンプリングキャパシタの入力側端子を互いに接続させる第3のスイッチを有することを特徴とする請求項6乃至9の何れか一項記載のサンプルホールド回路。
  11. 前記加減算手段は、前記第3のスイッチにより前記一対のサンプリングキャパシタの入力側端子が互いに接続された状態で、該一対のサンプリングキャパシタでサンプリングされていた入力電圧に応じた電荷が前記一対の一時記憶キャパシタへ一時転送された後に、前記オペアンプの出力端子に現れる電圧が所定電圧よりも大きいか否かを判別する比較手段と、前記比較手段による判別結果に応じて、前記一対のサンプリングキャパシタでサンプリングされる入力電圧を切り替えるサンプリング電圧切替手段と、を有することを特徴とする請求項10項記載のサンプルホールド回路。
  12. 請求項11記載のサンプルホールド回路と、
    前記サンプルホールド回路が備える前記オペアンプから出力される2つのアナログ出力電圧の電位差をA/D変換するA/D変換手段と、
    前記A/D変換手段によりA/D変換して得られたデジタル値と、前記サンプリング電圧切替手段により切り替えられた後に前記一対のサンプリングキャパシタでサンプリングされた入力電圧に応じたデジタル値とを減算又は加算して得られるデジタル値を、出力デジタル値とする最終デジタル値演算手段と、
    を備えることを特徴とするA/D変換装置。
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