JP2011242651A - 光導波路素子 - Google Patents

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一宏 五井
Kensuke Ogawa
憲介 小川
Takeshi Sakuma
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Abstract

【課題】容易かつ精度の高い微細加工が可能である光導波路素子を提供する。
【解決手段】先端12cに向けて徐々に幅が狭くなるテーパ部12を有するコア4と、テーパ部12の一方の側面12aのうち少なくとも先端12cを含む領域に接して設けられ、コア4とは異なる材料からなる補助コア5と、コア4および補助コア5を覆う上部クラッド6と、を備えた光導波路素子10。上部クラッド6は、コア4より屈折率が低く、かつ補助コア5とは異なる材料からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体をコアとして用いた光導波路を有する光導波路素子に関するものである。
光通信で伝送される情報量は増加の一途をたどっている。これに対しては、(I)信号の伝送速度を増す、(II)波長多重通信のチャンネル数を増す、といった対策が進められているが、これに伴い、光部品の数が増すとともに伝送経路も複雑になるため、光通信設備の大型化、複雑化、高額化という問題が生じる。
光通信設備が使用される通信キャリア局舎やデータセンター等では、コンピュータやルータ等の情報機器を動作させる電力に加え、機器の発熱により冷却設備にも無視できない電力が必要となる。このため、近年の環境問題への対応の必要から、消費電力削減が大きな課題となっている。
こうした課題に対して、シリコン(Si)などの屈折率の高い材料を用いた光導波路素子の使用が検討されている。
媒質中の光の波長はその媒質の屈折率に反比例するため、屈折率が高い材料を使用すると、光導波路のコア幅などの寸法を小さくできる。また、高屈折率材料(シリコン等)に対し屈折率が大きく異なるシリカ等をクラッドとすることで、閉じ込めが強い光導波路が得られ、曲げ半径を小さくすることができ、光導波路素子の小型化が可能となる。
さらに、シリコン等を用いた光導波路素子では、従来のCPU、メモリ等の半導体デバイス製造で使用する半導体プロセスで使用する半導体プロセスに関する技術・装置と共通の要素が多く、低コスト化を図ることができる。また、従来の半導体デバイスとの同一基板上での集積も可能である。
このように、シリコン等を用いた小型かつ低価格の光導波路素子の実現により、情報通信機器で使用している電気処理の一部を光で置き換えることにより、システム全体の消費電力を削減できる可能性が議論されている。
光導波路素子に対し光を入出力および伝送するには、一般的に光ファイバが用いられる。しかし、光ファイバの一般的なモードフィールド径は約9μmであるのに対し、シリコン等の高屈折率材料を用いた導波路においては、シングルモード条件を満たすコア径は1μm以下であり大きく異なる。このため、シリコン等を用いた導波路と光ファイバとの直接接続を行うと、大きな損失が生じてしまうことがある。
両者の低損失の接続を実現するため、特許文献1には、テーパ形状の導波路構造を有するスポットサイズコンバータが提案されている。
特許文献1に記載の技術では、コア導波路の幅が素子先端方向に向かって狭くなっている構造が採用されている。素子先端の導波路の幅は60nmとされている。
特開2004−184986号公報
光導波路素子に用いるテーパ形状を有するスポットサイズコンバータでは、一般にそのテーパ構造の先端の幅は狭い方が結合効率を向上させることができるため好ましいが、微細な加工を要する光導波路素子の製造は容易ではない。
微細加工が可能な製造方法としては、電気集積回路基板などの製造に用いられる光学露光法があるが、この方法では、レジストパターンを作製するにあたって、光の回折を原因として微細なパターン形成が難しくなることがある。
また、仮に正確なレジストパターンの作製が可能であったとしても、光部品の製造においてはコアやクラッド等の構造物の形成に深さ方向の加工が必要となるため、精度の高い加工を実現するためのエッチングの条件設定等は容易ではなかった。
さらに、エッチングにより形成した構造物は、微細構造のため強度が低く、その後の工程において外力を受けて変形するおそれがあった。
また、前記電気集積回路用の製造装置では径が大きいウェハーが用いられることが多いのに対し、光部品の製造においては旧世代の小径のウェハーが用いられることが多いため、光部品の製造に前記製造装置を利用するのは難しい場合がある。
また、特許文献1に記載の技術では加工法として電子ビーム直接描画方式が採用されている。この方法は微細な導波路の加工は可能であるが、量産性に優れるものではない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、容易かつ精度の高い微細加工が可能である光導波路素子を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の光導波路素子は、先端に向けて徐々に幅が狭くなるテーパ部を有するコアと、前記テーパ部の一方の側面のうち少なくとも前記先端を含む領域に接して設けられ、前記コアとは異なる材料からなる補助コアと、前記コアおよび補助コアを覆う上部クラッドと、を備え、前記上部クラッドは、前記コアより屈折率が低く、かつ前記補助コアとは異なる材料からなる光導波路素子である。
前記補助コアは、前記コアより屈折率が低く、かつ前記上部クラッドより屈折率が高い材料からなり、前記テーパ部の先端よりさらに先端側に延出して形成された延出部分を有し、前記延出部分は、先端に向けて徐々に幅が狭くなるテーパ延出部を有することが好ましい。
前記補助コアは、前記上部クラッドより屈折率が高い材料からなり、前記テーパ部に沿う部分が、前記先端に向けた前記テーパ部の幅の減少に応じて徐々に幅が大きくなる形状とすることができる。
前記補助コアは、上面位置が前記コアの上面位置より高く、前記テーパ部に沿う部分のうち前記コアと同じ高さ範囲の部分(38a)が、前記テーパ部の幅の減少に応じて徐々に幅が大きくなる形状とすることができる。
前記補助コアは、前記上部クラッドより屈折率が低い材料からなり、前記テーパ部の先端よりさらに先端側に延出して形成された延出部分を有し、前記延出部分は、先端に向けて徐々に幅が狭くなるテーパ延出部を有する構成とすることができる。
本発明の光導波路素子は、前記上部クラッドの上に、前記上部クラッドより屈折率が低い材料からなる外部クラッド(7)が形成されている構成とすることができる。
本発明の光導波路素子は、テーパ部の一方の側面の先端を含む領域に接して設けられ、コアとは異なる材料からなる補助コアを有するので、テーパ部の先端形状に沿う微細な形状のレジスト形成が不要であり、露光工程において光の回折に起因する制限を受けない。
また、微細形状のレジストによる先端のみをむき出しにして形成するエッチングがないため、先端部分の鈍化(丸まり)が起こりにくく、エッチングの条件設定は比較的容易である。
さらに、テーパ部の先端が補助コアに接した状態で形成されるため、その後の工程における外力による変形が起こりにくい。
従って、より幅が狭い先端を精度よく形成することができ、テーパ部の先端部分における損失を低減できる。また、電子ビームによる直接描画法に限らず、マスクを用いた光学露光法による製造が可能なため、量産に適する。
第1実施形態の光導波路素子の説明図である。 図1のA1−A1断面図である。 図2のA2−A2断面図である。 第1実施形態の光導波路素子の製造方法を示す工程図であり、光導波路素子のXZ平面における断面図である。 第1実施形態の光導波路素子の製造方法を示す工程図であり、光導波路素子の平面図である。 シミュレーションに用いた光導波路素子の断面構造を示す図である。 シミュレーションに用いた光導波路素子の断面構造を示す図である。 シミュレーションに用いた光導波路素子の断面構造を示す図である。 第2実施形態の光導波路素子の断面図である。 図9のA1−A1断面図である。 第2実施形態の光導波路素子の断面図である。 テーパ部の先端形状の例を示す模式図である。 第3実施形態の光導波路素子の断面図である。 第4実施形態の光導波路素子の断面図である。 テーパ部形成工程の例を説明する説明図である。 テーパ部形成工程の例を説明する説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
なお、以下の図面においては、XYZ直交座標系を設定し、XYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する場合がある。この場合においては、光の導波方向をY方向、該導波方向と直交する光導波路の幅方向をX方向、X方向及びY方向と直交する高さ方向をZ方向と称する。
光導波路は基板上に形成されるため、X方向とY方向は基板と平行な方向であり、Z方向は基板と垂直な方向である。
なお、以下の実施形態では、コアがY方向に延在する直線光導波路を例示するが、コアが湾曲した曲がり光導波路であっても良い。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1実施形態にかかる光導波路素子10の説明図である。図2は、光導波路素子10のXZ平面における図1および図3のA1−A1断面図である。図3は、図2のA2−A2断面図である。なお、先端方向とは図3における左方であり、以下、この方向を前方といい、その反対方向(図3における右方)を後方ということがある。
図1および図2に示すように、光導波路素子10は、基板1上に光導波路2が形成された光導波路素子であり、先端位置において他の光ファイバ等と接続できる。
本実施形態では、SOI基板を加工して光導波路素子10を作製することを想定する。
基板1は、例えばシリコン(Si)からなる。
光導波路2は、基板1上に形成された下部クラッド3と、下部クラッド3上に形成されたコア4(第1のコア)と、下部クラッド3上においてコア4に接して形成された補助コア5と、これらの上に形成された上部クラッド6と、上部クラッド6の外面を覆って形成された外部クラッド7とを有する。
下部クラッド3は、コア4よりも屈折率が低い材料からなり、例えばSiO等を使用することができる。
下部クラッド3は、コア4からの漏光が生じないように十分に厚く形成する必要がある。下部クラッド3の厚みは2〜3μm、またはそれ以上であることが好ましい。本実施形態では、SOI基板の有するSiO層をそのまま利用できる。
コア4は、光が導波するものであって、下部クラッド3、上部クラッド6および補助コア5よりも高い屈折率を有する材料、例えばシリコン(Si)を使用できる。
コア4は断面矩形とすることができる。なお、コア4の形状は特に限定されず、矩形以外の形状、例えば中央部の厚みの厚い部分と、その両側の厚みの薄い部分とを有するリブ型形状であってもよい。
本実施形態では、SOI基板の最上層であるシリコン(Si)層をエッチング等により加工することでコア4を形成することができる。
具体例としては、下部クラッド3、上部クラッド6および補助コア5がSiOからなる場合において、シリコンからなり、幅および高さが約300nmであるコア4を挙げることができる。
図1および図3に示すように、コア4は、光の導波方向(Y方向)に延在する一定幅のコア基部11と、コア基部11の先端からさらに先端方向に向けて徐々に幅が狭くなるテーパ部12とを有する。
図示例のテーパ部12は、一方の側面12aが光導波路2の先端方向(Y方向)に対し一定角度で傾斜し、他方の側面12bは、光導波路2の先端方向(Y方向)に平行となっている。
先端12cは、本実施形態においては、先鋭な鋭角形状(図12(a)参照)であるが、これに限らず、微小な一定幅の先端面12dを有してもよい(図12(b)参照)。
なお、テーパ部12の形状は図示例に限らず、両側面12a、12bが光の導波方向(Y方向)に沿い基板1に垂直な面について鏡映対称となるように形成することもできる。
テーパ部12においては、先端方向に向けて光の閉じ込めが徐々に弱くなり、モードフィールドが周囲の領域に広がっていく。
テーパ部12は、先端方向に向かってスポットサイズを漸次拡大するスポットサイズ変換部として機能するため、光導波路素子10はスポットサイズ変換素子として使用することができる。
テーパ部12の長さ(Y方向の長さ)を十分に長くすることで、低損失にモードフィールドを広げることが可能である。
また、先端12cを十分に小さくする(例えば図12(b)において先端面12dの幅を狭くする)ことによって、先端12cにおける光の散乱を低減することができる。
コア4の幅方向位置は、上部クラッド6の幅方向位置の中央であることが好ましい。
補助コア5は、コア4のテーパ部12の一方の側面12aから先端方向に延出して形成されている。
補助コア5には、コア4とは異なる材料が用いられる。補助コア5には、コア4よりも屈折率が低い材料、例えばSiO等を使用することができる。
補助コア5は、酸窒化シリコン(SiO)あるいは窒化シリコン(Si)などを適用することも可能であり、例えば、酸窒化シリコン(SiO)では、組成比x:yを制御することで、製造段階において屈折率を制御することが可能である。具体的には、屈折率が1.5に調整された酸窒化シリコンや、屈折率が2.0に調整された窒化シリコン等が使用できる。
補助コア5は、上部クラッド6の材料とは異なる材料からなる。補助コア5は、上部クラッド6の材料より高屈折率の材料からなることが好ましい。
補助コア5は、上部クラッド6の材料より低屈折率の材料で構成することもできる。なお、上部クラッド6の材料と屈折率が同じ材料で構成してもよい。
本実施形態では、補助コア5は、コア4のテーパ部12の一方の側面12aから先端方向に延出して形成されている。
補助コア5は、テーパ部12の一方の側面12aに接する補助コア基部8(テーパ部12に沿う部分)と、補助コア基部8から先端方向に延出する延出部分9とを有する。
補助コア基部8は、一方の面8aが光の導波方向(Y方向)に沿って形成され、他方の面8bがテーパ部12の一方の側面12aの全面に接して形成されている。
補助コア基部8は、先端方向に向けたテーパ部12の幅の減少に応じて幅が徐々に大きくなる形状となっており、補助コア基部8とテーパ部12との合計幅は、補助コア基部8の延出方向(Y方向)にわたってほぼ一定である。
なお、補助コア基部8は、図示例に限らず、テーパ部12の一方の側面12aのうち少なくとも先端12cを含む領域に接していればよい。
延出部分9は、テーパ部12の先端12cより先端側に延出した部分であって、補助コア基部8から先端方向に延出する延出基部15と、延出基部15の先端からさらに先端方向に延出するテーパ延出部16とを備えている。
延出基部15は、一定幅(図示例ではコア基部11と同じ幅)とされている。
テーパ延出部16は、先端方向に徐々に幅が狭くなるテーパ状に形成されている。
図示例のテーパ延出部16の一方および他方の側面16a、16bは、光導波路2の光の導波方向(Y方向)に対し一定角度で傾斜し、光の導波方向(Y方向)に沿い基板1に垂直な面について鏡映対称となっている。
符号16cはテーパ延出部16の先端である。先端16cは、基板1およびクラッド3、6、7の先端に比べ後方に位置する。
延出基部15の両側面15a、15bのうち側面15bは、光の導波方向(Y方向)に沿う面であり、コア4のテーパ部12の他方の側面12bに隣接し、側面12bに連なって形成されている。すなわち、テーパ部12の他方の側面12bから先端方向に連続するように形成されている。図示例では、他方の側面12bと他方の側面15bは面一に形成されている。
他方の側面15bは、他方の側面12bのうち少なくとも先端12cを含む領域に対して連なって形成されていればよい。
補助コア5は、断面矩形とすることができる。なお、補助コア5の形状は特に限定されず、矩形以外の形状であってもよい。
補助コア5はコア4より屈折率が低いため、上部クラッド6に対する屈折率差はコア4の場合より小さい。このため、先端16cにおける接続損失は比較的小さい。
補助コア5の幅方向位置は、上部クラッド6の幅方向位置の中央であることが好ましい。
図1および図2に示すように、上部クラッド6は、コア4よりも低い屈折率を有する材料、例えばSiO等からなるのが好適である。
上部クラッド6は、コア4および補助コア5を覆って形成される。上部クラッド6は、少なくともコア4の先端12cを覆うように形成される。
上部クラッド6は、補助コア5より先端側においては、光が導波する第2のコアとして機能させることができる。この場合には下部クラッド3および外部クラッド7は第2のコアを囲むクラッドとして機能するため、上部クラッド6は、下部クラッド3および外部クラッド7よりも屈折率の高い材料からなることが好ましい。
外部クラッド7は、上部クラッド6よりも低い屈折率を有する材料、例えばSiO等からなることが好ましい。なお、空気層(屈折率:1)を外部クラッド7として機能させることもできる。
クラッド3、6、7は、酸窒化シリコン(SiO)あるいは窒化シリコン(Si)などを適用することも可能であり、例えば、SiOでは、組成比x:yを調整することで、製造段階において屈折率を制御することが可能である。具体的には、屈折率が1.5に調整された酸窒化シリコンや、屈折率が2.0に調整された窒化シリコン等が使用できる。
上記構造の光導波路素子10では、コア4が先端方向に徐々に幅が狭くなるテーパ部12を有する。
テーパ部12においては、先端方向に向けて光の閉じ込めは徐々に弱くなり、モードフィールドが周囲の領域に広がっていくため、低損失にモードフィールドを広げることが可能であり、コア4先端における光の損失を低減できる。
補助コア5は、テーパ部12の一方の側面12aに接して形成されているため、コア4内の導波光は徐々に補助コア5に分布を移し、先端12cより先端側では、大部分の光が補助コア5(延出部分9)を導波する。
補助コア基部8は、先端方向に向けたテーパ部12の幅の減少に応じて幅が徐々に大きくなる形状となっているため、導波光の分布が徐々にコア4から補助コア5に移ることから、低損失で光をコア4から補助コア5に伝搬させることができる。
延出部分9は先端方向に向けて徐々に幅が狭くなるテーパ延出部16を有するため、延出部分9では、先端方向に向けて光の閉じ込めは徐々に弱くなり、モードフィールドが周囲の領域に広がっていくことから、延出部分9先端における光の損失を低減できる。
延出部分9(テーパ延出部16)内を導波する過程で、光は上部クラッド6に位置する割合が徐々に大きくなり、延出部分9より先端側では、上部クラッド6をコアとし、下部クラッド3および外部クラッド7をクラッドとして光は導波し、この光導波路素子10に接続された光ファイバ等に導入される。
補助コア5が上部クラッド6より屈折率が高い材料で構成される場合には、延出部分9における導波光のモードフィールドは、補助コア5内の割合が大きくなる。
補助コア5が上部クラッド6より屈折率が低い材料で構成される場合には、延出部分9における導波光のモードフィールドは、上部クラッド6内の割合が大きくなる。
上部クラッド6および外部クラッド7を、接続を想定する外部の光ファイバに合わせて適切に設計することで、外部の光ファイバとの間で低損失に光の伝搬を行うことができるため、光導波路素子10は、前記コア4を有する光導波路を光ファイバへ接続するためのスポットサイズコンバータとして機能する。
なお、図示例では、補助コア5は、補助コア基部8がコア4のテーパ部12の一方の側面12aから先端方向に延出する形状であるが、補助コア5の形状は、コア4から補助コア5への光の導波に大きな方向変換を要するものでなければ、他の形状も可能である。例えば、補助コア5がコア4を囲む構造も可能である。
コア4および補助コア5は、軸線が直線状となるように形成されているが、湾曲部分を有していてもよい。
また、コア4および補助コア5の幅方向位置は、損失を抑える観点から上部クラッド6の幅方向位置の中央とするのが好ましいが、必要に応じて上部クラッド6の幅方向中央位置からずらして形成してもよい。
[光導波路素子の製造方法]
次に、光導波路素子10を製造する場合を例として、図4および図5を参照しつつ、本発明の光導波路素子の製造方法の第1実施形態について説明する。
下部クラッド3の上に、コア4となる材料からなるコア層13が全面に形成された基板1を用意する。以下、コア層13を全面コア層13という。
以下の説明では、Si基板1上にSiOからなる下部クラッド3が形成され、その上にSiからなる全面コア層13が形成されたSOI基板を使用する場合を例とするが、これに限らず、GaAsやInPなどの他の半導体材料やガラス材料からなる基板を使用することもできる。
(工程1:コア層形成工程)
図4(a)および図5(a)に示すように、フォトリソグラフィーおよびエッチングにより全面コア層13の不要部分を除去してコア層14を形成する。不要部分が除去された領域をコア層除去領域という。
コア層14の一方の側面14aは、全面コア層13の除去部分に面しており、光の導波方向(Y方向)に対し傾斜した傾斜面である。他方の側面14bは下部クラッド3の側縁3bに達している。
一方の側面14a(第1側面領域)は、テーパ部12の一方の側面12aのうち少なくとも先端12cを含む領域である。すなわち、側面12a全体を含む領域であってもよいし、側面12aのうち先端12cを含む一部領域であってもよい。
コア層14を形成する方法は、例えば以下のとおりである。
まず、全面コア層13上に、塗布などにより未露光のフォトレジスト層を形成する(フォトレジスト層形成工程)。
次いで、所定の形状のフォトマスクを用い、紫外線などを照射し、所定領域のフォトレジスト層を露光する(露光工程)。露光は、例えばステッパー露光装置を用いて行なうことができる。
次いで、フォトレジスト層を現像する現像工程を経て、現像工程により得られたフォトレジストパターンを用いて全面コア層13をエッチングする(第1エッチング工程)。
このエッチング工程によって、コア層14を形成する。
次いで、残留したフォトレジストを除去する工程を行なう。
なお、第1エッチング工程は、コア層14の少なくとも一方の側面14aに、補助コア5を形成するための領域を確保することができればよい。
(工程2:補助層形成工程)
図4(b)および図5(b)に示すように、コア層形成工程における前記コア層除去領域に、補助コア5の材料からなる補助層18を形成する。補助層18は、CVD装置等を用いて形成することができる。補助層18はコア4とは異なる材料からなる。
補助層18は、コア層14の一方の側面14aのうち、少なくとも先端12cを含む領域に接するように形成する。
コア層14上に形成された補助層18は、化学機械研磨(CMP)やエッチング等により除去することができる。
コア層14上の補助層18の除去は不可欠ではないが、コア層14の厚みが適当な範囲を越える場合には、CMPやエッチング等により補助層18の除去を行うとともに、コア層14と補助層18の高さを共通化する(すなわち平坦化する)のが好ましい。
(工程3:テーパ部形成工程)
図4(c)および図5(c)に示すように、フォトリソグラフィーおよびエッチングによりコア層14および補助層18の不要部分を除去してコア4および補助コア5を形成する。
まず、コア層14および補助層18上に、塗布などにより未露光のフォトレジスト層を形成する(フォトレジスト層形成工程)。
次いで、所定の形状のフォトマスクを用い、紫外線などを照射し、所定領域のフォトレジスト層を露光する(露光工程)。露光は、例えばステッパー露光装置を用いて行なうことができる。
次いで、フォトレジスト層を現像する現像工程を経て、現像工程により得られたフォトレジストパターンを用いてコア層14および補助層18をエッチングする(第2エッチング工程)。
この第2エッチング工程では、コア層14に、テーパ部12を有するコア4を形成するとともに、補助層18に、延出部分9を有する補助コア5を形成する。
この工程では、光の導波方向(Y方向)に沿うテーパ部12の他方の側面12b(第2側面領域)が形成されるとともに、延出基部15の側面15bが側面12bに隣接して形成される。
図示例では他方の側面12bの全面が第2側面領域となっているが、第2側面領域は、側面12bのうち少なくとも先端12cを含む領域であればよい。
この工程では、互いに接するコア層14と補助層18に対し同時にエッチングを施すことによって、テーパ部12の他方の側面12bと、延出部分9の他方の側面15bとを同時に形成するため、テーパ部12の先端12cは、補助コア5に接した状態で形成される。
このため、テーパ部12の先端形状に沿う微細な形状のレジスト形成が不要であり、露光工程において光の回折に起因する制限を受けない。
また、微細形状のレジストによる先端のみをむき出しにして形成するエッチングがないため、先端部分の鈍化(丸まり)が起こりにくく、エッチングの条件設定は比較的容易である。
さらに、テーパ部12の先端12cが補助コア5に接した状態で形成されるため、その後の工程における外力による変形が起こりにくい。
従って、より幅が狭い先端12cを精度よく形成することができ、テーパ部12の先端部分における損失を低減できる。また、電子ビームによる直接描画法に限らず、マスクを用いた光学露光法による製造が可能なため、量産に適する。
第2エッチング工程において、補助層18の一部が除去しきれずに下部クラッド3上に残ることが考えられるが、補助コア5と上部クラッド6の屈折率が同じまたは近い場合には、上部クラッド6に相当する部分の補助層18がそのまま残っても光導波路素子10の特性に大きな影響はない。補助コア5と上部クラッド6の屈折率が異なる場合においても、前記部分に補助層18が残ることの影響は軽微である。
ただし、不要部分の補助層18の除去が求められる場合には、さらなるエッチングによって前記部分の補助層18を除去することが好ましい。
上部クラッド6の外側部分の残存補助層18については、外部クラッド7を形成するにあたって除去することができる。
一般に、製造装置には、パターンのアラインメントに誤差が生じることがある。このアラインメントの誤差は、通常数nmから数十nmであるが、このアラインメントにより、本発明ではコアのテーパ部の長さが変化することが考えられる。
これを図15を用いて説明する。この図は、コア層形成工程および補助層形成工程においてコア層14および補助層18を形成した後、テーパ部形成工程においてフォトマスク19を用いてコア層14にテーパ部を形成する工程を説明する図である。
テーパ部形成工程においては、レジスト層を形成した後、フォトマスク19を用いて露光を行い、コア層14の一方の側面14a(テーパ部12の一方の側面12aとなる面)とは反対の側面に、テーパ部12の他方の側面12bを形成する。
図中、一点鎖線で示す位置19Aと二点鎖線で示す位置19Bは、フォトマスク19のアラインメント精度を考慮して得られたX方向の一方側および他方側の最大ずれ位置である。
例えば、コア幅m1が200nmで、フォトマスク19がX方向一方側(図中上方)に最もずれた場合(位置19A)におけるテーパ部12の最大長さm3(Y方向の長さ)を300μmとすると、フォトマスク19のアラインメントのずれが30nmの場合は、このアラインメントずれによるテーパ部12の先端12c位置のずれ量は30μmとなる。
なお、Y方向への装置のアラインメント精度はX方向と同程度であるので、テーパ部12の先端12cの位置への影響はX方向のずれによる影響と比較して小さい。
しかし、テーパ部12の長さが制限されている場合などのように、製造におけるテーパ部12の先端12c位置のずれを低減することが好ましい場合には、次の方法を採用することができる。
図16に示すように、フォトマスク19に代えてフォトマスク29を使用する。フォトマスク29は、先端29aのY方向の位置を、テーパ部12の先端12cのY方向の想定位置と一致させる。
フォトマスク29は、X方向一方側の最大ずれ位置29Aにあるときに先端12cが鋭角形状となる(先端12cの幅がゼロとなる)ようにその位置を設定する。
このようにすると、フォトマスク29のずれが発生した場合でも、先端12cの幅が変化する代わりに、先端12cの位置は一定とすることができる。
この方法では、フォトマスク29を用いた露光により、先端29aに沿う側面を有する補助クラッド5と、テーパ部12の側面12bが同時に形成されるため、幅が狭い先端12cを精度よく形成することができる。
先端12cの幅の最大値は、フォトマスク29の最大ずれ量(マスクシフト量)に一致する。
先端12cの幅が増大するのは好ましいことではないが、先端12cの幅の最大値は前記マスクシフト量であり、一般的にはマスクシフト量は、その装置で行う従来の製造工程で得られる先端幅よりも小さいため、本方法では、従来の手法に比べて低損失化が可能な導波路構造を得ることができる。
(工程4:上部クラッドおよび外部クラッド形成工程)
図4(d)および図5(d)に示すように、コア4、補助コア5および下部クラッド3を覆うように上部クラッド6を形成する。
次いで、外部クラッド7を形成し、図1に示す光導波路素子10を得る。
[第2の実施の形態]
図9および図10は、本発明の第2実施形態にかかる光導波路素子20の断面図であり、グレーティング構造を採用したものである。
図9は、光導波路素子20のXZ平面における断面図であり、図10のA2−A2断面図である。図10は、図9のA1−A1断面図である。
以下の説明においては、第1の実施形態の光導波路素子10と同じ構成については同一符号を付してその説明を省略することがある。本実施形態の一部の構成は、国際公開第2009/107812号に記載されている光導波路素子と共通である。
光導波路素子20は、基板1上に光導波路22が形成された光導波路素子である。本実施形態では、SOI基板を加工して作製することを想定する。
基板1は、例えばシリコン(Si)からなる。
図9において、光導波路22は、下部クラッド3と、下部クラッド3上に形成された内側コア24と、その上に形成された中間コア25(補助コア)と、これらを覆って形成された上部クラッド26とを有する。
下部クラッド3は、内側コア24よりも屈折率が低い材料からなり、例えばSiO等を使用することができる。
内側コア24は、厚みの薄い平板部(薄板部)24aと、平板部24aの幅方向中央位置において上部クラッド26側に突出する厚みの厚い凸状部(厚板部)24bとから構成されるリブ型形状をなす。
内側コア24には、下部クラッド3、中間コア25および上部クラッド26よりも高い屈折率を有する材料、例えばシリコン(Si)を使用できる。
中間コア25は、内側コア24とは異なる材料、例えば内側コア24より屈折率が低く、かつ上部クラッド26より屈折率が高い材料からなることが好ましく、内側コア24の凸状部24bおよびこれに近い部分の平板部24aを覆って形成されている。
内側コア24および中間コア25は、光が導波する複合コアを構成している。
図9に示すように、中間コア25は、上面に設けた溝25aの幅winおよび中間コア25の全幅woutを光の導波方向(紙面に垂直な方向)に周期的に変化させることによりブラッググレーティング構造となり、光導波路22の実効屈折率を変化させることができる。この構造は、波長分散補償素子に適用できる。
上部クラッド26は、中間コア25よりも低い屈折率を有する材料からなり、例えばSiO等を使用することができる。
図10のA3−A3断面、A5−A5断面、A7−A7断面およびA8−A8断面をそれぞれ図11(a)〜図11(c)に示す。
図11(a)に示すように、A3−A3断面(図10参照)では、内側コア24の平板部24aの幅が中間コア25の幅に等しくされている。
なお、平板部24aの幅は、中間コア25の幅より広く、または狭く形成することも可能であり、導波路構造の変化によるモードフィールドの変化が小さい範囲で適宜設計変更が可能である。
図11(a)において、内側コア24の外側には中間コア25が設けられ、その外側には外側コア28が設けられ、その外側に上部クラッド26が設けられている。
図10に示すように、外側コア28は、このA3−A3断面位置から先端方向に延在して形成されている。A3−A3断面位置より後方では外側コア28は存在しないため、この位置の前後で光導波路の構造が変化するが、光は内側コア24を中心に分布するため、外側コア28についての構造変化が光特性に及ぼす影響は小さい。
外側コア28は、中間コア25より屈折率が低く、かつ上部クラッド26より屈折率が高い材料からなることが好ましい。例えば、SiOが使用できる。
A3−A3断面(図10参照)では、外側コア28は、内側コア24および中間コア25からなる複合コアに対するクラッドとして機能させることができる。
外側コア28は、後述する光導波路22の先端(図11(d)参照)では、光が導波するコアとして機能する。
なお、本実施形態では、A3−A3断面位置より後方では外側コア28は存在しない構造が採用されているが(図11(a)参照)、これに限らず、A3−A3断面位置より後方の部分にも、中間コア25の外側に外側コア28を形成してもよい。
A3−A3断面位置から先端方向に向かって、内側コア24の平板部24aは、幅が徐々に狭くなるテーパ状に形成され、その幅はA4−A4断面位置に至って凸状部24bの幅と一致する。平板部24aをテーパ状とすることによって、光の導波方向に導波路構造が急激に変化することに起因する損失を抑えることができる。
図10および図11に示すように、中間コア25は上面位置が内側コア24より高く形成され、A4−A4断面位置からA5−A5断面位置までの範囲では、内側コア24の一方面24c、他方面24dおよび上面に接して形成されている。
図10および図11(b)に示すように、A5−A5断面位置からA6−A6断面位置までの範囲における中間コア25(中間コア基部38)は内側コア24の一方面24cおよび上面に形成されており、テーパ部30の一方の側面30aに接している。
A5−A5断面位置からA6−A6断面位置までの範囲において、中間コア基部38のテーパ部30に沿う部分のうち内側コア24と同じ高さ範囲の部分38aは、先端30cに向けたテーパ部30の幅の減少に応じて幅が大きくなる形状である。
中間コア25は、先端方向に向けたテーパ部30の幅の減少に応じて幅が徐々に大きくなる形状となっているため、導波光の分布が徐々に内側コア24から中間コア25に移ることから、低損失で光を内側コア24から中間コア25に伝搬させることができる。
A5−A5断面位置からA6−A6断面位置までの範囲において、内側コア24の一方面24cは、他方面24dに向かって傾斜した傾斜面24eとなっている。
傾斜面24eが形成された部分の内側コア24は、先端に向けて徐々に幅が狭くなるテーパ部30となっている。図示例の先端30cは先鋭な鋭角形状であるが、先端30cは微小な一定幅の先端面12dを有してもよい(図12参照)。
テーパ部30では、一方面24cには中間コア25が接しており、テーパ部30の先端30cは、中間コア25に接する面(傾斜面24e)の先端に形成されている。
図10および図11(b)に示すように、A5−A5断面位置から先端側のA7−A7断面位置までの範囲では、中間コア25は先端方向に延出している。
A5−A5断面位置から先端側のA6−A6断面位置までの範囲では、中間コア25の側面25bは、テーパ部30の他方の側面30b(他方面24d)に対し面一に形成されている。
図10に示すように、A6−A6断面位置とA7−A7断面位置との間に位置する部分の中間コア25である延出基部35は、一定幅の下部25Aと、その上に形成されて徐々に幅が狭くなる上部25Bとを有する形状である(図11(c)参照)。延出基部35と、その先端から先端方向に幅が狭くなりつつ延出するテーパ延出部36は、延出部分39を構成する。
延出部分39の先端25cは、A8−A8断面位置にあり、光導波路22の先端22aより後方にある(図11(d)参照)。
内側コア24は、既に説明した製造方法を利用して作製できる。
すなわち、一方の側面30a(第1側面領域)を有するコア層(図示略)を形成し(コア層形成工程)、中間コア25となる補助層(図示略)を一方の側面30aに接して形成し(補助層形成工程)、前記コア層に対して前記補助層と同時にエッチングを施して、テーパ部30の他方の側面30b(第2側面領域)を形成することによって(テーパ部形成工程)、内側コア24を形成することができる。
内側コア24のテーパ部30の他方の側面30b(他方面24d)は、テーパ部形成工程において、中間コア25の側面25bとともにエッチングにより形成されるため、先端30cは、中間コア25に接した状態で形成される。
このため、テーパ部30の先端形状に沿う微細な形状のレジスト形成が不要であり、露光工程において光の回折に起因する制限を受けない。
また、微細形状のレジストによる先端のみをむき出しにして形成するエッチングがないため、先端部分の鈍化(丸まり)が起こりにくく、エッチングの条件設定は比較的容易である。
さらに、テーパ部30の先端30cが中間コア25に接した状態で形成されるため、その後の工程における外力による変形が起こりにくい。
従って、より幅が狭い先端30cを精度よく形成することができ、テーパ部30の先端部分における損失を低減できる。
[第3の実施の形態]
図13は、本発明の第3実施形態にかかる光導波路素子40の断面図である。
図3に示すように、第1実施形態の光導波路素子10では、補助コア5の延出部分9が、一定幅の延出基部15とテーパ延出部16からなるが、ここに示す光導波路素子40では、延出部分9が全長にわたって先端方向に徐々に幅が狭くなるテーパ状である点で第1実施形態の光導波路素子10と異なる。
図示例では、延出部分9の一方および他方の側面9a、9bは、光の導波方向(Y方向)に対し一定角度で傾斜し、光の導波方向(Y方向)に沿い基板1に垂直な面について鏡映対称となっている。符号9cはテーパ延出部16の先端である。
延出部分9の他方の側面9bは、コア4のテーパ部12の他方の側面12bに連なって形成されている。
本実施形態においては、補助コア5がテーパ部12の一方の側面12aに接して設けられているため、幅が狭い先端を精度よく形成することができ、テーパ部の先端部分における損失を低減できる。
[第4の実施の形態]
図14は、本発明の第4実施形態にかかる光導波路素子50の断面図である。
この光導波路素子50は、コア4と補助コア5の境界位置が、図13に示す第3実施形態の光導波路素子40に比べて先端寄りにあること以外は光導波路素子40と同様の構成である。
コア4のテーパ部12の他方の側面12bのうち、基端側領域12cはY方向に沿って形成され、先端側領域12dは先端方向に向かって幅方向中央側(側面12a側)に一定角度で傾斜している。
補助コア5の補助コア基部8の一方の面8aのうち、基端側領域8cはY方向に沿って形成され、先端側領域8dは先端方向に向かって幅方向中央側(側面12b側)に一定角度で傾斜している。
延出部分9の一方および他方の側面9a、9bは、それぞれ先端側領域8dおよび先端側領域12dに面一に形成されている。
本実施形態においても、補助コア5がテーパ部12の一方の側面12aに接して設けられているため、幅が狭い先端を精度よく形成することができ、テーパ部の先端部分における損失を低減できる。
[実施例1]
図6および図7に断面構造を示す構成の光導波路素子において、接続損失についてのシミュレーションを行った。
以下の説明においては、第1の実施形態の光導波路素子10と同じ構成については同一符号を付してその説明を省略することがある。
図6は基板1に平行な断面(図7のA4―A4断面)を示す模式図であり、図7は図6のA1―A1断面を示す模式図である。
図6においてL=10μm、L=200μm、L=100μm、L=10μmとし、図7においてw=3000nm、t=300nm、t=3000nmとし、補助コア5の先端16cの幅を150nmとした。図6のA2―A2断面における補助コア5の幅は300nmとした。
本シミュレーションでは、コア4をSi(屈折率3.5)、補助コア5をSiN(屈折率2)、上部クラッド6をSiON(屈折率1.5)、下部クラッド3および外部クラッド7をSiO(屈折率1.45)で構成することを想定した。
この光導波路素子を、ビームウェストが3μmの先球光ファイバと結合させた場合の損失を、EME(Eigen mode Expansion Method)法によりシミュレーションを行った。
各断面構造における導波モードは、有限要素法、等価屈折率法などにより求めることができる。
シミュレーションの結果、接続損失は、TE−likeモードでは0.36dB、TM−likeモードでは0.37dBであった。
なお、TE−likeモードとは、導波路中を伝播する光の電界が主に導波方向に垂直方向の成分を有し、電界の主成分が基板に対して平行方向(水平方向)である伝播モードであり、TM−likeモードとは、導波路中を伝播する光の磁界が主に導波方向に垂直方向の成分を有し、電界の主成分が基板に対して垂直方向である伝播モードである。
本実施例では、導波路構造が上下または左右に非対称であるため、光の導波方向における導波路構造の変化につれて、導波モードの主電界の方向の回転により偏光状態が変わる現象が見られた。
[比較例1]
比較例として、従来の光導波路素子において、接続損失についてのシミュレーションを行った。
図8は、シミュレーションに用いた光導波路素子の基板に平行な面における断面図である。
コア4のコア基部11の長さ(Y方向の長さ)をLとし、テーパ部12の長さをLとし、テーパ部12の先端と光導波路2の先端との距離をLとして、L=10μm、L=300μm、L=10μmとしてシミュレーションを行った結果、接続損失は、TE−likeモードでは0.32dB、TM−likeモードでは1.14dBであった。
実施例1と比較例1との比較より、本発明の構造を採用した実施例1では、接続損失低減が可能となることがわかる。
[実施例2]
図9〜図11に示す構成の光導波路素子20において、ビームウェストが3μmの光ファイバと結合させた場合の結合効率を計算した。
本シミュレーションに用いた各寸法は次のとおりである。
図9において、t=250nm、t=50nm、tin=100nm、tout=450nm、w=560nm、win=0nm、wout=1000nm。
図10において、L=50μm、L=100μm、L=200μm、L=50μm、L=300μm、L=10μm。
図11(a)において、h=600nm、h=250nm、h=50nm、h=2200nm、w=1000nm、w=160nm、w=280nm、w=2500nm。
図11(b)において、h=600nm、h=300nm、h=2200nm、w=780nm、w=560nm、w=2500nm。
図11(c)において、h=300nm、h=300nm、h=2200nm、w=780nm、w=150nm。
図11(d)において、h=2500nm、w=2200nm。
第1の実施形態における実施例1のシミュレーションと同様の方法によりシミュレーションを行った結果、結合効率は、TE−likeモードについて0.19dB、TM−likeモードについて0.32dBであった。
上述の比較例との比較より、実施例2においても、損失低減が可能となったことがわかる。
2・・・光導波路、4・・・コア、5・・・補助コア、6、26・・・上部クラッド、7・・・外部クラッド、8・・・補助コア基部(テーパ部に沿う部分)、9、39・・・延出部分、10、20、40、50・・・光導波路素子、12、30・・・テーパ部、12a、30a・・・テーパ部の一方の側面、12c、30c・・・テーパ部の先端、16c、25c・・・延出部分の先端、24・・・内側コア(コア)、25・・・中間コア(補助コア)、28・・・外側コア、38・・・中間コア基部(テーパ部に沿う部分)、38a・・・コアと同じ高さ範囲の部分。

Claims (6)

  1. 先端(12c、30c)に向けて徐々に幅が狭くなるテーパ部(12、30)を有するコア(4、24)と、
    前記テーパ部の一方の側面(12a)のうち少なくとも前記先端を含む領域に接して設けられ、前記コアとは異なる材料からなる補助コア(5、25)と、
    前記コアおよび補助コアを覆う上部クラッド(6、26)と、を備え、
    前記上部クラッドは、前記コアより屈折率が低く、かつ前記補助コアとは異なる材料からなることを特徴とする光導波路素子(10)。
  2. 前記補助コアは、前記コアより屈折率が低く、かつ前記上部クラッドより屈折率が高い材料からなり、前記テーパ部の先端よりさらに先端側に延出して形成された延出部分(9、39)を有し、
    前記延出部分は、先端(16c、25c)に向けて徐々に幅が狭くなるテーパ延出部(16、36)を有することを特徴とする請求項1に記載の光導波路素子。
  3. 前記補助コアは、前記上部クラッドより屈折率が高い材料からなり、前記テーパ部に沿う部分(8、38)が、前記先端に向けた前記テーパ部の幅の減少に応じて徐々に幅が大きくなる形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の光導波路素子。
  4. 前記補助コア(25)は、上面位置が前記コアの上面位置より高く、前記テーパ部に沿う部分(38)のうち前記コアと同じ高さ範囲の部分(38a)が、前記テーパ部の幅の減少に応じて徐々に幅が大きくなる形状であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の光導波路素子。
  5. 前記補助コアは、前記上部クラッドより屈折率が低い材料からなり、前記テーパ部の先端よりさらに先端側に延出して形成された延出部分(9、39)を有し、
    前記延出部分は、先端(16c、25c)に向けて徐々に幅が狭くなるテーパ延出部(16、36)を有することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の光導波路素子。
  6. 前記上部クラッドの上に、前記上部クラッドより屈折率が低い材料からなる外部クラッド(7)が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の光導波路素子。
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