JP2011070177A - グレーティング構造を有する基板型光導波路デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高度な機能性を達成しつつ、長さを短縮し小型化することも可能な基板型光導波路デバイスを提供する。
【解決手段】光導波路のコア10の側壁の一部(例えば基板側の下部)12が、水平方向の幅の広い凸部12bとコア幅の狭い凹部12aとを交互に有するブラッググレーティングパターン構造(第1のブラッググレーティングパターン)を有する基板型光導波路素子であり、さらに第2のブラッググレーティングパターン13が、光の導波方向と直交する断面において前記第1のブラッググレーティングパターンとは異なる領域に位置し、かつ光の導波方向に沿って並列した領域に形成されてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、グレーティング構造を有する基板型光導波路デバイスに関する。
近年、光ファイバ通信システムの発展、特にエルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)と高密度波長多重通信システム(DWDM)の発明により、光ファイバ通信網で伝送される情報量が急速に増大している。さらなる需要の増加に備え、多重する波長数の増加や周波数利用効率の高い変調方式などについて研究開発がすすめられている。これらシステムでは、例えば、従来用いられている分散補償光ファイバモジュールよりもさらに精密に各チャネルの波長分散及び分散スロープを補償する光分散補償器など、より高度な機能を有する光部品が必要とされる。また、光伝送路の分散特性の時間変化や経路変更に対応し得る可変光分散補償器や、偏波モード分散の補償を動的に行う偏波モード分散補償器などの研究開発も行われている。
一方、情報通信システムの規模及び設置数量の急速な拡大に伴って、コンピューターシステムやハイエンドルータなどの消費する膨大な電力が経済性のみならず環境影響の観点からも問題視されるようになりつつあり、省電力化し環境負荷を低減するグリーンICT(Information and Communication Technology)が必要とされている。ルータ等各種伝送装置を小型化することが出来れば、データセンターや通信キャリア局舎への装置収容効率が改善され、空間利用効率が良くなるばかりでなく、当該データセンターあるいは局舎のエアコン電力を大きく削減することが可能となり、省エネに貢献する。よって、各種光伝送装置に用いられる光部品についても、省電力化と小型化とが求められている。
小型かつ高機能の光部品を製造する技術として、CMOS製造工程を利用し光導波路デバイスを製造するシリコンフォトニクス技術が脚光を浴び、研究開発が進められつつある。シリコン(Si)あるいは窒化ケイ素(Si)といった高屈折率材料を用いて光導波路を構成することにより、従来の各種シリカ(SiO)系ガラスをコア及びクラッドの主たる構成材料とする光導波路デバイスを小型化することが可能となる。また、Siに不純物元素をドープすることにより半導体材料とすることで、外部から電圧を印加し屈折率を調整することが可能となり、光学特性可変デバイスを実現することが出来る。大規模な量産に向いた製造工程であることから、将来光部品の低価格化が期待出来る。
従来、ブラッググレーティングパターンを有する基板型光導波路デバイスとして、図25に示すように、光導波路200の側壁に設けた凸部201及び凹部202のピッチPが一定な等ピッチ型のグレーティング構造や、図26に示すように、光導波路300の側壁に設けた凸部301及び凹部302のピッチがP >P >P >P >P >P というように徐々に変化するチャープピッチ型のグレーティング構造が知られている。
特許文献1には、基板型光導波路デバイスではなく光ファイバブラッググレーティングの事例であるが、光導波路中に、ある一つの周期を有するブラッググレーティングが形成され、このブラッググレーティングと重なるように光導波路中にサンプリング構造が形成され、複数の波長チャネルで波長分散補償を行う波長分散補償素子が開示されている。前記サンプリング構造は、ブラッググレーティングの周期よりも長い、ある一つの周期で位相サンプリングしたパターンで構成される。位相サンプリングの各周期は、光導波路の光軸に沿った方向で複数の空間領域に分割され、隣接する空間領域が互いに接した境界ではブラッググレーティングの位相が不連続に変化する。特許文献1のFIG.1Aから1Dに示されているように、一つの空間領域内では、位相の不連続な変化は無い。
また、非特許文献1は、特許文献1の発明者らによる学術論文であり、特許文献1を補完する技術情報が開示されている。まず、中心波長において単一のチャネルのブラッググレーティングパターンを特許文献1の知見を用いて設計する。グレーティングパターンは、所望の反射及び波長分散のスペクトル特性から逆散乱法により導出される。ただし、光ファイバブラッググレーティングではグレーティングパターンを作製するために屈折率を変化させることが可能な範囲に限界があるため、その限界を超えないように上記スペクトル特性を逆フーリエ変換してアポダイズ(apodize)するという操作を加える。以上により、ブラッググレーティングのピッチは位置とともに連続的に変化するパターンが得られる。その後、複数チャネルのブラッググレーティングパターンを位相サンプリングにより設計する。光ファイバブラッググレーティングでは屈折率の変化範囲に制限があるため、位相サンプリングが有効としている。
特許文献2に、本願発明の発明者の一部が、逆散乱問題を解いて基板型光導波路デバイスを設計し製作することにより、光分散補償器などの複雑な光学特性を有するデバイスを実現できることを開示している。
光導波路に対して材料の光学特性を外部制御する例としては、温度を用いたものや、キャリアプラズマ効果を用いたものが知られている。
特許文献3では、シリコン導波路に対して電圧印加による、キャリアプラズマ効果による光学特性変化を利用したデバイスについて開示されている。
また、特許文献4には、石英ガラスからなる導波路に温度変化を利用したデバイスが開示されている。
一方、構造に着目すると、グレーティング構造に対して光学特性の可変機構を付与した例としては、特許文献5に、ファイバブラッググレーティングにより形成した、チャープピッチ型のグレーティング素子に、分割したヒータを利用した例が開示されている。
従来、シリコンフォトニクス技術を利用した光ファイバ通信システム用光部品として、変調器や受発光素子の他、フォトニック結晶光導波路、シリコン細線光導波路、AWGなどの各種光受動部品が研究されている。一部ではトランシーバーモジュールの商品化の動きも見られるが、依然としてシリコンフォトニクス技術の研究はその黎明期にあり、研究の多くは電子線(EB)直接描画装置によるフォトリソ工程を利用して実施されており、フォトマスクを用いたフォトリソ工程については未だ十分に知見が蓄積された状態とはなっていない。初期の比屈折率差(通称Δ)が0.3%程度のシリカガラス系基板型光導波路の製造においては、光導波路のコア幅も7μm程度と十分に太く、等倍投影のフォトマスクが用いられていた。シリコンフォトニクス技術で用いられるような高比屈折率差光導波路では、信号光が感受する実効屈折率が高くなることから、シングルモード光導波路のコア寸法はその数分の一から数十分の一となり、またフォトニック結晶光導波路やグレーティング光導波路の周期構造の間隔も大変に小さいものとなる。よって、より微細なプロセス技術が要求される。
一方で、DRAMやCPUなどの電子回路要素を集積化したLSIとは異なり、光導波路デバイスでは光導波路コアの厚さあるいはクラッドなどその周辺構造の掲載に十分な厚さあるいは深さを必要とするため、必ずしも最先端の微細なプロセスが適用可能であるとは限らず、厚膜レジスト塗布が必要になるなど、旧世代のテクノロジーノードを用いる必要がある場合が少なくない。また、DRAMやCPUなどと比較して需要数量の桁違いに少ない光ファイバ通信システム用光部品では、12インチウエハを用いて大量生産する新世代のプロセスの利用が必ずしもコスト低減に直結するとは限らず、6インチウエハあるいは8インチウエハを用いて旧世代のプロセスで適量製造することがコストダウンとなる場合が多い。例えば、非特許文献2などには、130nmテクノロジーノードを用いて製造された光ファイバ通信システム用シリコンフォトニクス光導波路デバイスが開示されている。130nmテクノロジーノードとは、例えば、波長248nmのステッパー露光装置(scanner)を用い、位相シフトマスクを用いて解像度の向上をはかったプロセスである。
米国特許第6,707,967号明細書 特開2004−077665号公報 特表平09−503869号公報 特許第2659293号公報 特開2000−235170号公報
H. Li, Y. Sheng, Y. Li, and J.E. Rothenberg, "Phased-Only Sampled Fiber Bragg Gratings for High-Channel-Count Chromatic Dispersion Compensation," Journal of Lightwave Technology, Vol. 21, No. 9, pp.2074-2083 (2003) T. Pinguet, V. Sadagopan, A. Mekis, B. Analui, D. Kucharski, S. Gloeckner, "A 1550 nm, 10 Gbps optical modulator with integrated driver in 130 nm CMOS," 2007 4th IEEE International Conference on Group IV Photonics, 19-21 Sept. 2007
従来公知の等ピッチ型グレーティング構造やチャープピッチグレーティング構造では、基板型光導波路デバイスの光学特性として複数チャネルの波長分散と分散スロープを同時に補償する光分散補償特性のような高度な機能性を付与することは出来ない。また、シリコンフォトニクス技術を用いて該デバイスを製作する場合、チャープピッチ型のように徐々に寸法の変化する構造は各寸法の加工精度を管理することが容易ではなく、より工程管理の容易な構造が要望される。
特許文献1や非特許文献1に記載の位相サンプリングパターンによるサンプルドFBGは、FBGのような実効屈折率振幅の比較的小さい光導波路でも多チャネル型の光分散補償器を実現することが出来る一方、素子長を短縮し小型化するという目的には適さない。
特許文献2には、該特許に開示したような基板型光導波路デバイスではコアパターンの寸法変化が微細に過ぎ、通常のプロセスではなくX線リソグラフィを用いたLIGA(リーガ)プロセスなど特別な工程が必要となる可能性が示唆されている。
したがって、本発明は、高度な機能性を達成しつつ、長さを短縮し小型化することも可能な基板型光導波路デバイスを提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、光導波路のコアの側壁の一部(例えば基板側の下部)が、水平方向の幅の広い凸部とコア幅の狭い凹部とを交互に有するブラッググレーティングパターン構造(第1のブラッググレーティングパターン)を有する、ことを特徴とする基板型光導波路素子である。
請求項2に係る発明は、第2のブラッググレーティングパターンが、光の導波方向と直交する断面において前記第1のブラッググレーティングパターンとは異なる領域に位置し、かつ光の導波方向に沿って並列した領域に形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の基板型光導波路素子である。
請求項3に係る発明は、前記第2のブラッググレーティングパターンは、前記コアの幅方向中央かつ垂直方向上部に形成された突起状の構造および/または溝状の構造からなることを特徴とする請求項2に記載の基板型光導波路素子である。
請求項4に係る発明は、光導波路のコアが、リブ構造からなる内側コアと、前記内側コアの上側において前記リブ構造の凸部の三方向を被覆する外側コアとからなり、前記外側コアは、前記内側コアの平均屈折率よりも屈折率が低い材料からなり、前記ブラッググレーティングパターンが前記外側コアに設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基板型光導波路素子である。
請求項5に係る発明は、前記内側コアは、その幅方向の中央に、光の導波方向に沿って内側コアよりも屈折率が低い材料からなるギャップ部と、前記ギャップ部により分離された二つの領域を備え、単一のモードが前記二つの領域にまたがって伝搬されるシングルモード光導波路を構成していることを特徴とする請求項4に記載の基板型光導波路素子である。
請求項6に係る発明は、前記ブラッググレーティングパターン構造のピッチが複数の離散値をとり、すべての離散値のうちで出現頻度が最も多い値をPとし、導波路の長手方向に沿う座標zの離散化刻みをΔPとするとき、各ピッチは、P±NΔP(ただし、Nは整数)として表すことが可能であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の基板型光導波路素子である。
請求項7に係る発明は、前記コアは、半導体材料からなり、光の進行方向に垂直な面における水平方向にP型とN型とに分かれて構成され、おのおのの領域が電極に接続されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の基板型光導波路素子である。
請求項8に係る発明は、複数の波長チャンネルに対して、信号光が光導波路に入射してから反射するまでに前記光導波路を伝搬する距離が波長に応じて異なることにより、光伝送路における波長分散および分散スロープを補償する波長分散補償素子であって、前記波長分散補償素子が、請求項1〜7のいずれかに記載の基板型光導波路素子からなることを特徴とする波長分散補償素子である。
Zakharov−Shabat方程式を用いて逆散乱問題を解くことによりグレーティング光導波路を設計したので、多数のDWDMチャネルを一括して光ファイバ伝送路の群遅延分散と分散スロープを同時に補償する光分散補償器のような複雑な機能の光学特性を有する基板型光導波路デバイスを短い導波路長で小型に構成することが可能となった。
CMOS製造工程を利用したシリコンフォトニクス技術によりこれを製造出来るようにしたので、大規模な量産が可能となり、将来の低価格化が期待出来ることとなった。また、高比屈折率差光導波路構造の採用により小型のデバイスとすることが出来た。
Zakharov−Shabat方程式を用いて逆散乱問題を解くことによりグレーティング光導波路を設計した結果、該グレーティング光導波路はグレーティングフィン長さが不均一でありピッチがある複数の離散値となるようなものとなっているが、このピッチがある複数の離散値をとるということにより、チャープ型と異なり工程管理が容易となった。
請求項1の発明によれば、ブラッググレーティングの高さを導波路コア高さの一部とすることで、製造時のエッチング工程で必要なエッチング深さが減少し、工程管理が容易となる。
また、ブラッググレーティングの高さを導波路コア高さの一部とすることで、導波路側壁の垂直からのずれにより発生する、導波路上部と下部の寸法差を低減することが可能となる。
また、ブラッググレーティングの高さを導波路コア高さの一部とすることで、側面荒れによる、設計上意図しない散乱による損失を低減したデバイスを作成することが可能となる。
請求項2の発明によれば、ブラッググレーティングパターンを有する基板形光導波路素子において、光学特性の偏光依存性を低減することができる。
請求項3の発明によれば、コア上部のグレーティングパターンをさらに容易に実現することができる。
請求項4の発明によれば、高屈折率材料からなるコアとクラッドの2種類のみからなる従来の高屈折率差埋め込み型光導波路と比較して、高屈折率材料からなる内側コアへの光の閉じ込めが弱くなるため、製造プロセスにおいて生じる不可避の内側コア側壁の荒れが光学特性に与える影響(散乱損失)を抑制することができる。
請求項5の発明によれば、基本モードのモードフィールド系が広がるため、製造プロセスにおいて生じる不可避の内側コア側壁の荒れが光学特性に与える影響(散乱損失)を抑制することができる。
請求項6の発明によれば、グレーティングの局所周期(ピッチ)がある複数の離散値をとることにより、チャープ型と異なり工程管理が容易となる。
請求項7の発明によれば、光導波路コアの一部に半導体材料を用い、電圧印加により屈折率を調整可能としたことで、光学特性を動的に可変可能な光デバイスを実現することができる。
請求項8の発明によれば、複数のチャンネルの波長分散および分散スロープを一括補償する小型の波長分散補償素子を実現し、かつその偏光依存性を低減することができる。
(a)は基板型光導波路デバイスの第1実施形態を示すコアの部分上面図、(b)は(a)中のSB−SB線に沿う断面図、(c)は(a)中のSC−SC線に沿う断面図である。 図1に示す部分の斜視図である。 図2に示す基板型光導波路デバイスから溝状構造を省略した改変例を示す斜視図である。 図2に示す基板型光導波路デバイスに電極を設けた改変例を示す斜視図である。 グレーティングピッチの分布を説明するためのコアの部分上面図である。 基板型光導波路デバイスと光伝送路とを接続した形態の一例を示す説明図である。 基板型光導波路デバイスの第2実施形態を示す断面図である。 第2実施形態におけるwinに対するneffの変化の一例を示すグラフである。 第2実施形態におけるwinの変化に伴うwoutの変化の一例を示すグラフである。 第2実施形態におけるneffに対するwinおよびwoutの変化を示すグラフである。 波長の関数である複素反射スペクトルr(λ)に設定した反射率スペクトルの一例を示すグラフである。 図11の一部を示すグラフである。 波長の関数である複素反射スペクトルr(λ)に設定した群遅延スペクトルの一例を示すグラフである。 図13の一部を示すグラフである。 逆散乱問題を解いて得られたポテンシャル分布q(z)の一例を示すグラフである。 図15の一部を示すグラフである。 ポテンシャル分布q(z)を変換して得られた実効屈折率分布neff(z)の一例を示すグラフである。 図17の一部を示すグラフである。 ポテンシャル分布q(z)を変換して得られた実効屈折率分布neff(z)の一例を示すグラフである。 図19の一部を示すグラフである。 側壁グレーティング構造の一例の一部を示すパターン図である。 上部溝状グレーティング構造の一例の一部を示すパターン図である。 基板型光導波路デバイスの参考例を示す断面図である。 参考例におけるneffに対するwinおよびwoutの変化を示すグラフである。 従来の単一ピッチ型グレーティング構造の一例を示す上面図である。 従来のチャープ型グレーティング構造の一例を示す上面図である。 (a)は基板型光導波路デバイスの第3実施形態を示すコアの部分上面図、(b)は(a)中のSB−SB線に沿う断面図、(c)は(a)中のSC−SC線に沿う断面図である。 図27に示す部分の斜視図である。 第3実施形態におけるneffに対するwgratingの変化を示すグラフである。 ポテンシャル分布q(z)を変換して得られた実効屈折率分布neff(z)の一例を示すグラフである。 図30の一部を示すグラフである。 グレーティングピッチの分布の一例を示すグラフである。 図32の一部を示すグラフである。 側壁グレーティング構造の一例の一部のwgrating寸法を示すグラフである。
以下、好適な実施の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
上記課題を解決するために、本発明者らは、Zakharov−Shabat方程式を用いて逆散乱問題を解くことにより所望の光学特性を実現するポテンシャル分布を算出し、このポテンシャル分布を実現するグレーティング構造を有する基板型光導波路素子を設計し、これをシリコンフォトニクス技術により製造可能とする工程を新たに開発した。
また、グレーティングパターンの加工の際に、不可避の側壁荒れが生じるという課題に対して、グレーティング高さの低減により、側壁荒れを低減できるプロセスが適用可能なデバイスを設計した。
本発明は、光ファイバ通信システムに用いる受動基板型光導波路部品を、CMOSデバイス製造技術を用いて製造するシリコンフォトニクス技術に関するものであり、グレーティング構造を有する基板型光導波路デバイス素子を提供することができる。
光分散補償器などの高度な機能を有する光導波路デバイスを実現するためには、逆散乱法を用いてグレーティング光導波路を設計し、これをシリコンフォトニクス技術を用いて基板型光導波路として実現することが好適である。
図1(a),(b),(c)及び図2に、本発明のグレーティング構造を有する基板型光導波路デバイスの第1実施形態を模式的に示す。図1及び図2ではコア10のみを図示し、クラッドの図示を省略したが、クラッドがコア10の周囲を囲んでいるものとする。また、クラッドの下には基板(図示せず)が存在し、コア10の底面14は基板面に平行である。水平方向とは基板面に平行な方向をいい、垂直方向とは基板面に垂直な方向をいう。
図1(a)は、コア10の一部の上面図である。図1(b)は図1(a)中のSB−SB線に沿う断面図である。図1(c)は図1(a)中のSC−SC線に沿う断面図である。図2は斜視図である。
図1(a)において符号Cは光導波路コア10の水平面内での単一の中心軸を表し、光は光導波路中を中心軸Cに沿って伝搬する。この光導波路は、ブラッググレーティングパターン(詳しくは後述する。)を有しており、この光導波路のスペクトルには少なくとも一つの反射帯が現れる。反射帯の中心波長λは、ブラッググレーティングの周期をP、光導波路の実効屈折率をneffとするとき、λ=P/neffにより与えられる。ここで実効屈折率neffは、光導波路のコア10の一部の幅を平均幅wとした場合の値である。ここで、一部とは、図1(b)に示す、側壁12を有するコア10下段のことである。
コア10下段の平均幅wはコア10下段の横幅woutの一周期での平均値に等しく、光導波路全体にわたり中心軸Cに沿って一定値である。コア10下段の側壁12に凹部12aと凸部12bが交互に形成され、横幅woutは一周期Pごとに交互に振動して第一のブラッググレーティングパターンを形成する。
一方、側壁15を含むコア10上段の幅wmiddleは一定であり、水平方向の変化はないものとする。後の製造工程で示すように、ブラッググレーティングパターンの高さを低減することにより、より高品質なデバイスの製造が可能となる。
矩形断面の光導波路では、光の直線偏光した電界が主として水平方向に沿う場合(以下TE型偏光)と、主として垂直方向に沿う場合(以下TM型偏光)に対して、それぞれ固有の導波モードが存在する。そして、おのおのの導波モードに固有の実効屈折率が存在するという偏波依存性が存在する。
TE型偏光での固有モードの実効屈折率neffTEは、TM型偏光での固有モードの実効屈折率neffTMに比べ、光導波路の幅の変化に対して敏感に変化する。一方、TM型偏光での固有モードの実効屈折率neffTMは、TE型偏光での固有モードの実効屈折率neffTEに比べ、光導波路の高さ(すなわち厚み)の変化に対して敏感に変化する。
従って、図3に示すように、光導波路コア1の上面3にはブラッググレーティングパターンを設けることなく、側壁2に凹部2a及び凸部2bを設けてコア1下段の幅のみを周期的に変化させた場合には、偏光依存性が大きくなってしまう。よってブラッググレーティングの偏光依存性を低減するには、光導波路の幅を周期的に変化させるのみならず、光導波路の高さも周期的に変化させる必要がある。
このため、本基板型光導波路素子では、二通りのブラッググレーティングパターンが光の導波方向と直交する断面において互いに異なる領域に位置する。
また、二通りのブラッググレーティングパターンが、光の導波方向に沿って並列した領域に形成されている。すなわちそれぞれのブラッググレーティングパターンが中心軸Cに沿って存在する範囲は同一である。
これにより、第1のブラッググレーティングパターンと、第2のブラッググレーティングパターンとの組み合わせによって、TE型偏光への作用と、TM型偏光への作用を透過し、偏光依存性を低減することができる。
矩形導波路(断面が略矩形状の光導波路)への適用を考慮すると、第1のブラッググレーティングパターンをコアの上面および/または底面に設けることが望ましい。本形態例では、基板上でのコアの形成を容易にするため、第一のブラッググレーティングパターンをコアの下段両側壁に設け、第二のブラッググレーティングパターンをコアの上面に設けるものとしている。そして、コア10の形状は、中心軸Cを含む垂直方向の平面に対して水平方向に対称(図1(a)では、中心軸Cに対して上下に対称)となっている。
コア10は、光学特性を可変とするために、P型半導体材料、及びN型半導体材料から構成してもよい。この場合、例えば光の導波方向の一部において、図4に示すように、電極17a,17bを形成して、電圧を印加することにより、キャリアプラズマ効果による屈折率の動的制御が可能となる。2つの半導体領域10a,10bのうち、一方がP型、他方がN型とされる。電極17a,17bとコア10の半導体領域10a,10bとの間はそれぞれ導電部16a,16bで接続されている。導電部(通電部)16a,16bはコア10の半導体領域10a,10bと同じ材質および/または方法で形成しても良い。
この電極の配置についてはこの形態に限らず、例えば、後述する例のように、コアに接続された薄いスラブ部に配置することも可能である。
光導波路の光の導波方向において凹部12aが継続する距離を、凹部の幅と呼ぶ。また、光の導波方向において凸部12bが継続する距離を、凸部の幅と呼ぶ。隣接する凸部と凹部とを一組とし、その凸部の幅と凹部の幅とを加算したものが、その位置におけるグレーティングピッチ(図1(a)のP)である。
上部溝状グレーティング構造においては、凸部12bに相当する位置において、光導波路のコア10を形成する主たる材料が凸状を成し溝状構造13の幅が狭くなっていて、同様にして凸部13bとなっており、凹部12aに相当する位置において、光導波路のコア10を形成する主たる材料が凹状を成し溝状構造13の幅が広くなっていて、同様に凹部13aとなっている。つまり、溝状構造13の幅としては、凸部13bにおいて溝状構造13の幅が狭く、凹部13aにおいて溝状構造13の幅が広いという逆転した関係になっている。
図1及び図2には図示しないが、凹部12a内や溝状構造13内にもクラッドの一部が設けられている。
図5に、本発明の光導波路デバイスのグレーティング構造のグレーティングピッチの一例を示す。本発明の光導波路デバイスでは、グレーティングピッチは逆散乱問題を解いた結果として得られる離散化したピッチのいずれかの値をとるものであって、従来公知の等ピッチグレーティング構造、チャープピッチグレーティング構造、サンプルドグレーティング構造のいずれとも異なる。離散化したグレーティングピッチは、P±NΔPとして表すことが可能であり、Nは逆散乱問題を解く際の離散化パラメータに係る整数である。
図6に、基板型光導波路デバイス101と光伝送路103,105とを接続した形態100の一例を示す。このデバイス101はグレーティング構造を有する反射型デバイスであるため、開始端が光信号の入射端であると同時に出射端となる。図6に示すように、通常はサーキュレータ102を介して入出力光ファイバを接続し、使用する。サーキュレータ102には、入射信号光を伝搬する入射用光ファイバ103と、基板型光導波路デバイス101と光サーキュレータ102とを接続する結合用光ファイバ104と、出射信号光を伝搬する出射用光ファイバ105が接続されている。
また、通常このグレーティング光導波路部は、例えば基板型光導波路デバイス101と結合用光ファイバ104とが光接続される箇所などに、さらにスポットサイズコンバーターと呼ばれる入出力変換部を追加すると、結合用光ファイバ104とデバイス101との接続損失を低減できるので、好ましい。
(デバイスの設計方法)
所望の光学特性が得られるグレーティング構造を有する基板型光導波路デバイスを得るため、本発明では、該光導波路の光伝搬方向にわたるポテンシャル分布を求め、これをコアの等価屈折率分布に換算し、光導波路の寸法に変換する。ポテンシャル分布の算出は、光導波路の前方及び後方に伝搬する電力波振幅なる変数を導入した波動方程式より、例えば光導波路の等価屈折率の対数の微分から導かれるポテンシャルを有するZakharov−Shabat方程式などに帰着させ、グレーティング光導波路の反射率の強度および位相のスペクトルである複素反射スペクトルからポテンシャル関数を数値的に導く逆散乱問題として解き、所望の反射スペクトルを実現するためのポテンシャルを推測する設計法を用いて設計することが出来る。
これにより、従来公知の等ピッチグレーティング素子やチャープピッチグレーティング素子では実現出来ないような複雑な光学特性を有するブラッググレーティング素子を設計し製作することが可能となるため、例えばDWDM光ファイバ通信システムにおいて40チャネル一括で伝送線路光ファイバの波長分散と分散スロープとを同時に補償する光波長分散補償器といったような所望の光学特性を有するデバイスを実現することが出来る。
(ポテンシャル分布の設計方法)
所望の複素反射スペクトルから逆散乱問題を用いてポテンシャル分布を設計する手法は以下の通りである。
なお、後述する設計手順中の数式においては、グレーティング光導波路の長手方向、すなわち光伝搬方向をz軸として数式を示す。図1(a)や図5の左右方向がz軸方向である。該グレーティング光導波路デバイスのグレーティング領域開始端をz=0、終了端をz最大値座標とし、z最大値がすなわちグレーティング光導波路部の領域長である。
まず、光導波路を伝搬する電磁界を、Sipeの論文(J.E. Sipe, L. Poladian, and C. Martijn de Sterke, “Propagation through nonuniform grating structures,” Journal of the Optical Society of America A, Vol. 11, Issue 4, pp. 1307-1320 (1994))を参照して、次のように定式化する。
電磁界の時間変動をexp(−iωt)と仮定すると、該光導波路の光伝搬方向をz軸として、光導波路中の電界の複素振幅E(z)及び磁界の複素振幅H(z)は、マクスウェル方程式(Maxwell’s Equations)により、次式(1)、(2)となる。
Figure 2011070177
Figure 2011070177
ただし、E(z)は電界の複素振幅、H(z)は磁界の複素振幅、iは虚数単位、ωは角周波数、μは真空の透磁率、εは真空の誘電率、neffは光導波路の実効屈折率を表す。
式(1)、(2)から結合モード方程式(coupled−mode equations)を構築するため、ここで、次式(3)、(4)のようにE(z)及びH(z)を進行波(前方に伝搬する電力波)振幅A(z)と後退波(後方に伝搬する電力波)振幅A(z)に変換する。該デバイスは反射スペクトルとして所望の光学特性を実現する反射型デバイスである。反射波は後退波振幅A(z)に対応する。
Figure 2011070177
Figure 2011070177
ただし、navは該光導波路の参照屈折率(平均実効屈折率)であり、neff(z)の基準となる参照屈折率である。これらの変数A(z)及びA(z)は、clightを真空中の光速として、次式(5)、(6)を満たす。
Figure 2011070177
Figure 2011070177
ここで、波数k(z)を次式(7)で表す。clightを真空中の光速度とする。
Figure 2011070177
また、式(8)のq(z)は、結合モード方程式におけるポテンシャル分布である。
Figure 2011070177
式(5)、式(6)のn(z)を式(7)、式(8)のneff(z)と同一視して代入すると、式(5)、式(6)は式(9)、式(10)に示すZakharov−Shabat方程式に帰着される。
Figure 2011070177
Figure 2011070177
Zakharov−Shabat方程式で示された逆散乱問題を解くことは、後述するゲルファント−レヴィタン−マルチェンコ方程式(Gel’fand-Levitan-Marchenko type integral equations)を解くことであり、その手順は例えばFrangosの論文(P.V. Frangos and D.L. Jaggard, “A numerical solution to the Zakharov-Shabat inverse scattering problem,” IEEE Transactions on Antennas and Propagation, Vol. 39, Issue. 1, pp. 74-79 (1991))に開示されている。
また、Xiaoの論文(G. Xiao and K. Yashiro, “An Efficient Algorithm for Solving Zakharov-Shabat Inverse Scattering Problem,” IEEE Transaction on Antennas and Propagation, Vol. 50, Issue 6, pp. 807-811 (2002))に、効率的な解法が開示されている。
本願発明のグレーティング構造を有する基板型光導波路デバイスの光学特性は、光導波路入出力端における複素反射スペクトルr(k)として、次式(11)で定義される。
Figure 2011070177
次式(12)に示すように、r(k)のフーリエ変換はこの系のインパルス応答R(z)である。
Figure 2011070177
複素反射スペクトルr(k)として波長に対する所望の群遅延特性と反射率の分布を与えることにより、これを実現するためのポテンシャル分布関数q(z)を数値的に解くことができる。
本発明では、グレーティングの振幅が変化して位相は振幅に従属して変化するという振幅変調型のグレーティングを用いた設計を行なう。そのため、設計の入力データとして用いる複素反射スペクトルにおいては、グレーティングの振幅の包絡線とグレーティングの振動の位相との分離性を高めるため、周波数の原点すなわち0Hzから所定の群遅延時間特性が求められる周波数領域をすべて含める。
まず、式(3)及び式(4)の解を次式(13)、(14)のように表す。
Figure 2011070177
Figure 2011070177
(z)及びA(z)はそれぞれ+z方向及び−z方向に伝搬する。式(13)及び式(14)中の積分項は反射の影響を表している。式(13)及び式(14)から、結合モード方程式が次の式(15)及び式(16)で表されるゲルファント−レヴィタン−マルチェンコ方程式に変換される。
Figure 2011070177
Figure 2011070177
ここで、正規化時間yはy=clightt (tは時間)であり、z>yである。R(z)は、波数を変数とした複素反射スペクトルr(k)の逆フーリエ変換であり、インパルス応答に相当する。R(z)を与えて式(15)及び式(16)を解くことにより、ポテンシャル分布q(z)が求められ、式(17)で与えられる。
Figure 2011070177
得られたポテンシャル分布q(z)を次式(18)に適用することで、グレーティング光導波路の実効屈折率分布neff(z)が得られる。
Figure 2011070177
本発明では、式(8)及び式(17)のポテンシャル分布q(z)を実数とする。その結果、複素反射スペクトルr(k)からインパルス応答(時間応答)R(z)へと変換するための演算は実数型となり、振幅が変化して位相が振幅に従属して変化する。
このようにして得られた実効屈折率分布neff(z)は、高屈折率値と低屈折率値とが短いピッチ(周期)で交互に現れるものであり、グレーティング光導波路構造を示すものとなっている。このグレーティング構造は、光導波路コアの凹部および凸部に対応する、隣接する高屈折率値と低屈折率値との屈折率差が一定ではなく漸次変化する不均一なものとなっており、また屈折率の変化するピッチはある限定された離散値をとるものとなっており、従来公知の等ピッチグレーティング光導波路、チャープピッチグレーティング光導波路、サンプルドグレーティング光導波路のいずれとも一致しない新規な構造を有する。
本発明のグレーティング光導波路は、ブラッググレーティングの振幅を変化させてグレーティングパターンを形成するものであり、グレーティングの振幅の包絡線の勾配の符号が反転する振幅変調型である。サンプルドグレーティング光導波路では、符号が反転する二点間で振幅が連続的にゼロになる光導波路領域が介在するという特徴がある。これに対し、本願の振幅変調型グレーティング光導波路では、そのような構造は現れない。符号の反転は孤立した単一の座標点で生じるという階段的な急峻性あるいは不連続性を示す。つまり、あるz座標で包絡線の勾配の符号が反転するという意味である。包絡線の勾配の符号が反転する孤立した一座標点でのみ振幅がゼロとなるため、実質的には振幅が一定の区間ゼロのままとなるような領域は現れない。これにより、サンプルドブラッググレーティングよりも導波路長を短縮することが可能となる。
包絡線の勾配の符号が反転する孤立した座標点は導波路上で複数個存在する。おのおのの座標点では、付随的に位相の不連続変化を伴う。位相が不連続変化すると局所周期(ピッチ)が変化するため、ピッチが当該座標点で対象とするスペクトルにおける中心波長を光導波路の実効屈折率の平均値navで除算した値の半分とは異なる値をとる。包絡線の勾配の符号が反転する座標点を特定する精度は、横軸にとっている導波路の座標zの離散化刻みによる。その刻みをΔPとすると、座標点を特定する精度は±ΔPの範囲にある。このように、本発明の振幅変調型グレーティング光導波路には、グレーティングの振幅の包絡線の勾配の符号が反転し、その結果、ピッチが離散的に変化する座標点が存在する。離散化したグレーティングピッチは、ΔPにより、P±NΔPとして表すことが可能であり、Nは逆散乱問題を解く際の離散化パラメータに係る整数である。
ピッチの離散的変化は、チャープトブラッググレーティングには見られない特徴である。チャープトブラッググレーティングでは、ピッチは光導波方向に沿って連続的に変化する。チャープトブラッググレーティングでは、ブラッググレーティングの振幅も同時に変化するが、振幅の変化はアポダイズのような副次的特性の実現に利用されるにとどまり、フィルタの反射スペクトルのチャンネル数・位相特性などの主要な特性はブラッググレーティングの周波数を光の導波方向に沿って変化させることによって達成される。ここに開示した手順では、チャープ型グレーティングを構成することはできない。チャープ型グレーティングを構成するには、複素反射スペクトルr(k)から時間応答(インパルス応答)R(z)への変換を複素数型へと切り替える必要がある。その結果、式(17)により得られるポテンシャル分布q(z)は複素数となる。q(z)が複素数であると、q(z)から実効屈折率分布neff(z)を求めるにあたり、neff(z)は実数であるため、q(z)の実部のみをとることが必要である。よって、本発明の振幅変調型グレーティング構造と従来公知のチャープ型グレーティング構造とは設計方法を異にし、互いに異なる範疇に分類される。振幅変調型に相対することから、チャープ型グレーティング構造は、いわば、周波数変調型に分類される。
本発明では、他の実施例すべてを含めて、当該の複素反射スペクトルからインパルス応答への変換に用いる演算は実数型とし、振幅変調型ブラッググレーティングを対象とする。振幅変調型ブラッググレーティングを選択するための条件をまとめると、以下の二点となる。
(I)指定するスペクトル特性の周波数範囲を原点(周波数ゼロ)から該当するスペクトルチャンネルの存在する領域まですべてを含める。
(II)上述の複素反射スペクトルからインパルス応答への変換において実数型を選択する。
実際の計算手順では、まず、グレーティング光導波路素子の全長を決めることにより、zの最大値を特定する。これは、例えば、光分散補償器の場合であれば、補償すべき群遅延分散値とチャネル帯域とからグレーティング光導波路で発生すべき群遅延時間の最大値が決まるので、これに真空中の光速度clightを乗じ、さらに実効屈折率の平均値navで除することで、最低限必要となる素子長を決めることが出来る。素子の全長は、これに一定の余長を追加したものとする。続いて、差分化の刻みを決める。一例として、設計中心波長λを基準として素子全長を17,200λ、z位置の差分化刻みをλ/40に設定すると、zからz688000までの688,000点について光分散補償器のポテンシャル分布q(z)を計算することとなる。複素反射スペクトルr(k)として与えた波長に対する所望の光学特性の一例として、
反射率の分布を図11及び図12、群遅延特性を図13及び図14とした時、計算により求められたポテンシャル分布q(z)を図15及び図16に示す。
(光導波路の寸法の算出)
予め求めた光導波路断面構造、具体的にはコア寸法と等価屈折率との関係を元に、逆散乱問題を解いて得られたポテンシャル分布q(z)を実効屈折率分布neff(z)に換算し、続いて光導波路の光伝搬方向(長手方向)におけるコア寸法分布を算出する。
ここでは、第2の実施形態として、光学特性の偏波依存性の問題を解消し、製造プロセスにおいて生じる不可避の内側コア側壁の荒れが光学特性に与える影響(散乱損失)を抑制するため、シリコン(Si)をコア内側、窒化ケイ素(Si)をコア外側に配置した二重コア構造を採用した事例について説明し、この第2の実施形態の場合について、光導波路の寸法を算出する。
この基板型光導波路の光分散補償器の事例では、光学特性の偏波依存性の問題を解消するために、光導波路コア側壁の一部にグレーティング構造を有するとともにコア上部に溝状グレーティング構造を有するものとなっており、さらに、キャリア密度変化により光学特性を可変とするために、ドーパントの添加により導電性を有する半導体材料であるシリコンを材料に用いる。さらに導波路のクラッド材料はシリカ(SiO)であり、シリコン(Si)をコア内側、窒化ケイ素(Si)をコア外側に配置した二重コア構造を採用している。図7に示す構造に従って光導波路の断面構造を設計し、図8に示すTE型偏光(mode1)およびTM型偏光(mode2)に対する実効屈折率のwin依存性、図9に示すwinとwoutとの関係を、図10に示す光導波路の実効屈折率に対するwinとwoutとの対応関係を求めた。
図7に示す構造は、光導波路コア側壁のwout及びtoutに示す部分には図1の符号12と同様の側壁グレーティング構造を有するとともに、コア上部のwin及びtinに示す部分には図1の符号13と同様の溝状グレーティング構造を有する。また、光導波路コア側壁のwmiddle及びtmiddleに示す部分は、図1に示す側壁上部15と同様のコア幅が一定の構造となっている。
図7に示す外側コア24におけるwout、tout、win、in、wmiddle、middleの意味は、図1(c)に示すコア10におけるのと同様である。
第1のリブ21及び第2のリブ22をシリコン(Si)、中央ギャップ23をシリカガラス(SiO)、外側コア24を窒化ケイ素(Si)、基板25をシリコン(Si)、下部クラッド26をシリカガラス(SiO)、上部クラッド27をシリカガラス(SiO)で構成し、t=240nm、t=50nm、w=257nm、w=160nm、wmiddle=1000nm、tout=250nm、tmiddle=200nm、tin=100nm、下部クラッド26の厚みを2,000nm、上部クラッド27の最大厚みを2,000nmとした場合で算出した。
これら対応関係を得るには、溝状構造の幅winとコア幅woutの値を変化させて、それぞれの光導波路の断面構造から固有伝搬モードの電磁界分布をモードマッチング法、有限要素法、もしくはビーム伝搬法など各種方法を採用したモードソルバープログラムにより求め、その実効屈折率neffを算出することで求められる。
図10に示す光導波路の実効屈折率に対するwinとwoutとの対応関係においてneffに対応するwinとwoutとの組が得られており、設計されたデバイスは偏波無依存である。
実効屈折率分布neff(z)と図10とから、各z座標における溝状構造の幅winとコア幅woutを求めることが出来る。図10より、実効屈折率と構造寸法との関係を検討した範囲のおよそ中央を基準にとることによって、参照屈折率(平均実効屈折率)navは例えば2.2164とする。
第2の実施形態に基づいて、図10から参照屈折率(平均実効屈折率)navを2.2164とし、L−Band用のデバイスとして、中心周波数188.4THzすなわち中心波長1,591.255nmで設計した事例を以下に示す。図15及び図16に示したポテンシャル分布q(z)に対して、参照屈折率(平均実効屈折率)navを2.2164、中心波長を188.4THzとして変換することにより、図17及び図18に示した実効屈折率分布neff(z)を得る。これを、一定振幅が続く凸部と一定振幅が続く凹部とが急峻な変化で交互に繰り返される単純化されたグレーティング構造となるよう積分(平均化)し、図10の関係を用いてneffをコア幅(コア上部の溝状グレーティング構造の溝の幅winと、光導波路コア側壁下段のグレーティング構造に係るコア幅wout)に換算すると、具体的な光導波路のグレーティング構造の寸法が求められる。
本発明では、このようにして得られたグレーティング構造は、グレーティングフィンの長さ(凸部と凹部との差に当たる長さ)が不均一であり、グレーティングピッチはある限定された離散値をとるという特徴を有する。
図19及び図20は、素子長約12.3mm、約17,200周期の光分散補償素子のグレーティングピッチの分布の一例である。これは参照屈折率(平均実効屈折率)navを2.2164とし、中心波長1,591.255nmとしてL−Band用に設計して光導波路寸法を算出した事例である。
逆散乱問題を解きポテンシャル分布q(z)を求めた際のz位置の差分化刻みとしてλ/40に細分化したので、ΔPは17nmであり、主たるグレーティングピッチPは、前記ΔP刻みでλc/(nav×2)=359nmに近い値となるP=370nmであり、ついで近いP+ΔPである370nmのピッチも、多く見られ、この2つが全ピッチのうち99%を占める。図19にはP−10ΔP、P−8ΔP、P−7ΔP、P−6ΔP、P−5ΔP、P−4ΔP、P−3ΔP、P−2ΔP、P−ΔP、P、P+ΔP、P+2ΔP、P+3ΔP、P+4ΔP、P+5ΔP、P+6ΔP、P+7ΔP、P+8Δ、P+10ΔPに対応するグレーティングピッチ166nm、203nm、222nm、240nm、259nm、277nm、296nm、314nm、333nm、351nm、370nm、388nm、406nm、425nm、443nm、462nm、480nm、499nm、536nmのピッチが存在する。
P−11ΔP以下及びP+11ΔP以上のグレーティングピッチ及び、P―9ΔP、P+9ΔPに対応するグレーティングピッチは存在していない。図20には、図19の中の3.390mm付近の拡大図を示す。この領域では多くのピッチが351nmと370nmに分布している。
なお、一般的な設計事例では差分化刻みの中でλc/(nav×2)に近いPが一番多く、以降P±NΔPのNが大きくなるに従って該当するグレーティングピッチの出現頻度が減少していく傾向を示すが、例えば単チャネル光フィルタの設計事例ではほとんどすべてのグレーティングピッチがPであり、P±ΔPがわずか数個観測され、Nが2以上となるP±NΔPは出現しない、という事例もある。また、P−10ΔPは出現するがP−9ΔP、P−8ΔP、P−7ΔPが出現していないなど、一部ピッチが現れない事例もある。
ピッチが限られた数(少ない数)の離散値を取ることは、CMOS製造工程における加工精度を維持する上で有効である。CMOS製造工程においては、DICD(Development Inspection Critical Dimension)、FICD(Final Inspection Critical Dimension)など、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて寸法測定を実施するのが一般的な工程管理手法であり、チャープ型グレーティングのように徐々に変化するピッチを有する構造ではピッチ精度を管理することは困難であるが、等ピッチ型あるいは本件発明のように少数の離散値をとる場合には工程管理が容易である。
図21及び図22は、このようにして設計した光分散補償器の側壁グレーティング構造と上部溝状グレーティング構造の一例であり、図20に相当する部分である。
(側壁のみにグレーティング構造を有する形態例)
図27(a),(b),(c)及び図28に、コアの側壁のみにグレーティング構造を有する基板型光導波路デバイスの形態例を模式的に示す。図27及び図28ではコア1のみを図示し、クラッドの図示を省略したが、クラッドがコア1の周囲を囲んでいるものとする。また、クラッドの下には基板(図示せず)が存在し、コア1の底面4は基板面に平行である。水平方向とは基板面に平行な方向をいい、垂直方向とは基板面に垂直な方向をいう。
図27(a)は、コア1の一部の上面図である。図27(b)は図27(a)中のSB−SB線に沿う断面図である。図27(c)は図27(a)中のSC−SC線に沿う断面図である。図2は斜視図である。
図27(a)において符号Cは光導波路コア1の水平面内での単一の中心軸を表し、光は光導波路中を中心軸Cに沿って伝搬する。この光導波路は、第1形態例における側壁グレーティング構造12と同様のブラッググレーティングパターンを有する。すなわち、コア1下段の側壁2に凹部2aと凸部2bが交互に形成され、横幅wgratingは一周期Pごとに交互に振動してブラッググレーティングパターンを形成する。
一方、コア1上段の側壁5における幅wfixは一定であり、長手方向に沿った幅の変化はないものとする。このように、ブラッググレーティングパターンの高さを低減することにより、より高品質なデバイスの製造が可能となる。
コアの側壁の一部にグレーティング構造を形成する場合、側壁5における一定のコア幅wfixは、側壁グレーティング構造2におけるコア幅wgratingの最大値より大きくてもよく、一定のコア幅wfixがグレーティングにおけるコア幅wgratingの最小値より小さくてもよく、あるいは図3に示すように、側壁5における一定のコア幅が凹部2aにおけるコア幅と凸部2bにおけるコア幅との中間値をとってもよい。
図27に示す本形態例の場合、コア上部5の幅wfixが凹部2aにおけるコア幅よりも小さく、側壁グレーティング構造2が、スラブ状になっている。このような構造は、例えば次のような方法で形成することが可能である。
(1)凹部2aと凸部2bを有する高さtgratingの小さい側壁グレーティング構造2を形成し、必要に応じて、高さtgratingのクラッドを側壁グレーティング構造2の周囲に形成して上面を平坦にした後、その上に、一定幅の側壁5を有する高さtfixのコア上部を積層して、コア1の高さを段階的に増大させる方法。
(2)最終的なコア1の厚さ(tgrating+tfix)を有する高屈折率層を形成し、コア1の両側でtfixに相当する深さをエッチングして側壁5を形成したのち、さらに凹部2aと凸部2bをエッチングにより形成する方法。
シリコンを用いた導波路においては、一般に単結晶シリコンを用いるとデポジションにより積層したシリコンを用いた場合よりも光の伝搬損失の小さい導波路を形成することができる。したがって、シリコンの場合においては、コア1を成膜して形成するのみならず、単結晶のシリコンをもとに削る方法が好ましい場合が多い。本形態例の構造で、コア材料としてシリコンを用いる場合は例えばSOI基板を用いてBOX層上部の単結晶シリコン層を基に、エッチングにより厚みを調整し、この手法により導波路を形成することができる。
なお、本形態例では、コア1の上面3を平坦としたが、さらに図2と同様に、上面3に溝状グレーティング構造を設けることもできる。
本形態例の場合、グレーティング構造において変化する幅wgratingが1種類であるため、「光導波路の寸法の算出」の際には、図29に示すように、光導波路の実効屈折率neffTEに対するグレーティングのコア幅wgratingの対応関係が用いられる。つまり、上述の第2形態例では、「光導波路の寸法の算出」の際、図10に示す光導波路の実効屈折率に対するwinとwoutとの対応関係を求めたが、本形態例の場合は、コア幅wgratingの変化のみを考慮すれば良い。そのほかは、上記形態例と同様にして、グレーティング構造を設計することができる。
図29の対応関係は、コア1を屈折率nが約2.0の窒化ケイ素(Si)、クラッド(図示せず)を屈折率nが約1.45のシリカ(SiO)から構成し、wfix=600nm、tgrating=150nm、tfix=350nmとして、wgratingを1〜1.8μmの間で変化した場合について求めたものである。
これら対応関係を得るには、スラブ幅wgratingを変化させて、それぞれの光導波路の断面構造から固有伝搬モードの電磁界分布をモードマッチング法、有限要素法、もしくはビーム伝搬法など各種方法を採用したモードソルバープログラムにより求め、その実効屈折率neffを算出する。これにより、図29に示すように、光導波路の実効屈折率に対するスラブ幅wgratingの値が求められる。
実効屈折率分布neff(z)と図29とから、各z座標におけるスラブ幅wgratingを求めることが出来る。図29より、実効屈折率と構造寸法との関係を検討した範囲のおよそ中央を基準にとることによって、参照屈折率(平均実効屈折率)navは例えば1.631とする。
第3の実施形態に基づいて、図29から参照屈折率(平均実効屈折率)navを1.631とし、L−Band用のデバイスとして、中心周波数188.4THzすなわち中心波長1,591.255nmで設計した事例を以下に示す。ポテンシャル分布q(z)としては、第2形態例と同じく、図15及び図16に示すものを用いた。
ポテンシャル分布q(z)に対して、参照屈折率(平均実効屈折率)navを1.631、中心波長を188.4THzとして変換することにより、図30及び図31に示した実効屈折率分布neff(z)を得る。これを、一定振幅が続く凸部と一定振幅が続く凹部とが急峻な変化で交互に繰り返される単純化されたグレーティング構造となるよう積分(平均化)し、図29の関係を用いてneffをスラブ幅wgratingに換算すると、具体的な光導波路のグレーティング構造の寸法が求められる。
本発明では、このようにして得られたグレーティング構造は、グレーティングフィンの長さ(凸部と凹部との差に当たる長さ)が不均一であり、グレーティングピッチはある限定された離散値をとるという特徴を有する。
図32及び図33は、素子長約12.3mm、約17,200周期の光分散補償素子のグレーティングピッチの分布の一例である。これは参照屈折率(平均実効屈折率)navを1.631とし、中心波長1,591.255nmとしてL−Band用に設計して光導波路寸法を算出した事例である。
逆散乱問題を解きポテンシャル分布q(z)を求めた際のz位置の差分化刻みとしてλ/40に細分化したので、ΔPは24nmであり、主たるグレーティングピッチPは、前記ΔP刻みでλc/(nav×2)=488nmに近い値となるP=477nmであり、ついで近いP+ΔPである502nmのピッチも、多く見られ、この2つが全ピッチのうち99%を占める。
図32にはP−10ΔP、P−8ΔP、P−7ΔP、P−6ΔP、P−5ΔP、P−4ΔP、P−3ΔP、P−2ΔP、P−ΔP、P、P+ΔP、P+2ΔP、P+3ΔP、P+4ΔP、P+5ΔP、P+6ΔP、P+7ΔP、P+8Δ、P+10ΔPに対応するグレーティングピッチ221nm、276nm、301nm、327nm、352nm、377nm、402nm、427nm、452nm、477nm、502nm、528nm、553nm、578nm、603nm、628nm、653nm、678nm、692nmのピッチが存在する。
P−11ΔP以下及びP+11ΔP以上のグレーティングピッチ及び、P―9ΔP、P+9ΔPに対応するグレーティングピッチは存在していない。図33には、図32の中の4.577mm付近の拡大図を示す。この領域では多くのピッチが477nmと502nmに分布している。
なお、一般的な設計事例では差分化刻みの中でλc/(nav×2)に近いPが一番多く、以降P±NΔPのNが大きくなるに従って該当するグレーティングピッチの出現頻度が減少していく傾向を示すが、例えば単チャネル光フィルタの設計事例ではほとんどすべてのグレーティングピッチがPであり、P±ΔPがわずか数個観測され、Nが2以上となるP±NΔPは出現しない、という事例もある。また、P−10ΔPは出現するがP−9ΔP、P−8ΔP、P−7ΔPが出現していないなど、一部ピッチが現れない事例もある。
ピッチが限られた数(少ない数)の離散値を取ることは、CMOS製造工程における加工精度を維持する上で有効である。CMOS製造工程においては、DICD(Development Inspection Critical Dimension)、FICD(Final Inspection Critical Dimension)など、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて寸法測定を実施するのが一般的な工程管理手法であり、チャープ型グレーティングのように徐々に変化するピッチを有する構造ではピッチ精度を管理することは困難であるが、等ピッチ型あるいは本件発明のように少数の離散値をとる場合には工程管理が容易である。
図34は、このようにして設計した光分散補償器の側壁グレーティング構造と上部溝状グレーティング構造の一例であり、図33に相当する部分である。
(実施例1)
図7に示した構造の、シリコン(Si)をコア内側、窒化ケイ素(Si)をコア外側に配置した二重コア構造であり、シリカガラス(SiO)をクラッドとする、光導波路コア側壁のwout及びtoutに示す部分にグレーティング構造を有するとともにコア上部のwin及びtinに示す部分に溝状グレーティング構造を有する基板型光導波路の光分散補償器を設計し製作した。
図7の構造に従って光導波路の断面構造を設計し、図8に示すTE型偏光(mode1)およびTM型偏光(mode2)に対する実効屈折率のwin依存性、図9に示すwinとwoutとの関係を求め、さらに、図10に示す光導波路の実効屈折率に対するwinとwoutとの対応関係を求めた。
第1のリブ21及び第2のリブ22をシリコン(Si)、中央ギャップ23をシリカガラス(SiO)、外側コア24を窒化ケイ素(Si)、基板25をシリコン(Si)、下部クラッド26をシリカガラス(SiO)、上部クラッド27をシリカガラス(SiO)で構成しt=240nm、t=50nm、w=257nm、w=160nm、wmiddle=1000nm、tout=250nm、tmiddle=200nm、tin=100nm、下部クラッド26の厚みを2,000nm、上部クラッド27の最大厚みを2,000nmとした場合で算出した。
続いて、グレーティングパターンの設計を行った。設計中心周波数を188.4THzとした。すなわち、設計中心波長は1591.255nmである。L−Bandで100GHzチャネル間隔、チャネル帯域50GHzで45チャネルにわたってITU−T G.653に規定された分散シフトシングルモード光ファイバ(DSF)100kmの群速度分散及び分散スロープを補償するものとし、補償対象光ファイバ線路の光学特性として、群速度分散−295ps/nm、分散スロープ(Relative Dispersion Slope、RDS)0.018/nmを想定した。チャネル帯域内での振幅強度反射率を93.5%とした。これら設定値に基づいて用意した複素反射スペクトルr(λ)の反射率スペクトルを図11及び図12に、また群遅延スペクトルを図13及び図14に示す。これを、素子全長17,200λ、z位置の差分化刻みをλ/40に設定して、逆散乱問題を解きポテンシャル分布q(z)を求めた。結果を図15及び図16に示す。
続いて、図10で光導波路寸法を設計した実効屈折率範囲の中央付近から選択して、参照屈折率(平均実効屈折率)navを2.2164とし、中心周波数188.4THzすなわち中心波長1,591.255nmとして、ポテンシャル分布q(z)を実効屈折率分布neff(z)に変換した。
実効屈折率分布neff(z)と図10のwoutとから側壁グレーティング構造の形成に係る光導波路寸法を決定し、この寸法で側壁グレーティング構造加工用のフォトマスクを製作した。
さらに、実効屈折率分布neff(z)と、図10のwinとから、上部溝状グレーティング構造の形成に係る光導波路寸法を決定し、この寸法で上部溝状グレーティング構造加工用のフォトマスクを製作した。
これら2組のフォトマスクを用い、光導波路を製作した。ステッパー露光装置には、波長248nmのものを用いた。
これにより、所望の形状のグレーティング構造を形成することができた。
(参考例)
参考例として、図23に示した構造の、シリコン(Si)をコア内側、窒化ケイ素(Si)をコア外側に配置した二重コア構造であり、シリカガラス(SiO)をクラッドとする、光導波路コア側壁24bにグレーティング構造を有するとともにコア上部24aに溝状グレーティング構造24cを有する基板型光導波路の光分散補償器を設計し製作した。
図23の構造に従って光導波路の断面構造を設計し、TE型偏光(mode1)およびTM型偏光(mode2)に対する実効屈折率のwin依存性、winとwoutとの関係を計算し、図24の光導波路の実効屈折率に対するwinとwoutとの対応関係を求めた。第1のリブ21及び第2のリブ22をシリコン(Si)、中央ギャップ23をシリカガラス(SiO)、外側コア24を窒化ケイ素(Si)、基板25をシリコン(Si)、下部クラッド26をシリカガラス(SiO)、上部クラッド27をシリカガラス(SiO)で構成し、t=250nm、t=50nm、w=280nm、w=160nm、tout=600nm、tin=100nm、下部クラッド26の厚みを2,000nm、上部クラッド27の最大厚みを2,000nmとした場合で算出した。
続いて、グレーティングパターンの設計を行った。設計中心周波数を188.4THzとした。すなわち、設計中心波長は1591.255nmである。L−Bandで100GHzチャネル間隔、チャネル帯域50GHzで45チャネルにわたってITU−T G.653に規定された分散シフトシングルモード光ファイバ(DSF)100kmの群速度分散及び分散スロープを補償するものとし、補償対象光ファイバ線路の光学特性として、群速度分散−295ps/nm、分散スロープ(Relative Dispersion Slope、RDS)0.018/nmを想定した。チャネル帯域内での振幅強度反射率を93.5%とした。これを、素子全長18,000λ、z位置の差分化刻みをλ/40に設定して、逆散乱問題を解きポテンシャル分布q(z)を求めた。
続いて、図24で光導波路寸法を設計した実効屈折率範囲の中央付近から選択して、参照屈折率(平均実効屈折率)navを2.348とし、中心周波数188.4THzすなわち中心波長1,591.255nmとして、ポテンシャル分布q(z)を実効屈折率分布neff(z)に変換した。
実効屈折率分布neff(z)と図24のwoutとから側壁グレーティング構造の形成に係る光導波路寸法を決定し、この寸法で側壁グレーティング構造加工用のフォトマスクを製作した。さらに、実効屈折率分布neff(z)と、図24のwinとから、上部溝状グレーティング構造の形成に係る光導波路寸法を決定し、この寸法で上部溝状グレーティング構造加工用のフォトマスクを製作した。
これら2組のフォトマスクを用い、光導波路を製作した。ステッパー露光装置には、波長248nmのものを用いた。
この参考例においては、側壁グレーティングの高さは600nmであり、一方、実施例1においては、側壁グレーティング高さは、250nmである。グレーティングパターンなどのエッチング工程においては、深さが増すほど、側壁に荒れ、角度の傾きが現れ、導波路品質の低下を招くことが知られている。
本発明においては、側壁グレーティングパターンを、側壁グレーティングパターンを形成するコアの一部とすることで、本来のグレーティングの機能を残したまま、ここで挙げたように製造プロセスによる導波路品質の低下を低減し、より特性のよいグレーティングパターンを有する基板型光導波路素子を提供することができる。
1,10…コア、10a,10b…極性の異なる半導体領域、2,12…側壁グレーティング構造、2a,12a…凹部、2b,12b…凸部、3,11…上面、13…溝状グレーティング構造(溝状構造)、13a…凹部、13b…凸部、4,14…底面、5,15…側壁上部、16a,16b…通電部、17a,17b…電極、20…基板型光導波路デバイス、21,22…内側コア、21a,22a…平板部、21b,22b…直方体部、23…中央ギャップ、24…外側コア、24a…上面、24b…側壁、24c…溝状構造、25…基板(支持基板)、26…下部クラッド、27…上部クラッド。

Claims (8)

  1. 光導波路のコアの側壁の一部が、水平方向の幅の広い凸部とコア幅の狭い凹部とを交互に有するブラッググレーティングパターン構造を有する、ことを特徴とする基板型光導波路素子。
  2. 光の導波方向と直交する断面において前記側壁の一部に設けられたブラッググレーティングパターン構造とは異なる領域に第2のブラッググレーティングパターン構造が位置し、かつこれら2つのブラッググレーティングパターン構造が光の導波方向に沿って並列した領域に形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の基板型光導波路素子。
  3. 前記第2のブラッググレーティングパターン構造は、前記コアの幅方向中央かつ垂直方向上部に形成された突起状の構造および/または溝状の構造からなることを特徴とする請求項2に記載の基板型光導波路素子。
  4. 前記光導波路のコアが、リブ構造からなる内側コアと、前記内側コアの上側において前記リブ構造の凸部の三方向を被覆する外側コアとからなり、前記外側コアは、前記内側コアの平均屈折率よりも屈折率が低い材料からなり、前記ブラッググレーティングパターンが前記外側コアに設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基板型光導波路素子。
  5. 前記内側コアは、その幅方向の中央に、光の導波方向に沿って内側コアよりも屈折率が低い材料からなるギャップ部と、前記ギャップ部により分離された二つの領域を備え、単一のモードが前記二つの領域にまたがって伝搬されるシングルモード光導波路を構成していることを特徴とする請求項4に記載の基板型光導波路素子。
  6. 前記ブラッググレーティングパターン構造のピッチが複数の離散値をとり、すべての離散値のうちで出現頻度が最も多い値をPとし、導波路の長手方向に沿う座標zの離散化刻みをΔPとするとき、各ピッチは、P±NΔP(ただし、Nは整数)として表すことが可能であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の基板型光導波路素子。
  7. 前記コアは、半導体材料からなり、光の進行方向に垂直な面における水平方向にP型とN型とに分かれて構成され、おのおのの領域が電極に接続されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の基板型光導波路素子。
  8. 複数の波長チャンネルに対して、信号光が光導波路に入射してから反射するまでに前記光導波路を伝搬する距離が波長に応じて異なることにより、光伝送路における波長分散および分散スロープを補償する波長分散補償素子であって、前記波長分散補償素子が、請求項1〜7のいずれかに記載の基板型光導波路素子からなることを特徴とする波長分散補償素子。
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