JP2011240792A - 車両のエアサスペンションのバネ特性の補正方法及び補正装置 - Google Patents

車両のエアサスペンションのバネ特性の補正方法及び補正装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両のエアサスペンション(エアバネ)のバネ特性を適正に補正する。
【解決手段】エアバネに所定の基準荷重が作用した際の所定の基準車高におけるエアバネの実際の内圧値を検出し、エアバネの設計上のバネ特性を、基準荷重が作用した際の基準車高におけるエアバネの設計上の内圧値と実際の内圧値とを用いて補正する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両のエアサスペンションのバネ特性の補正方法及び補正装置に関する。
特開2009−227265号公報には、車高調整非実行時のロール角を推定することが可能な方法及び装置が記載されている。この方法及び装置では、左右サスペンションの自動車高調整開始時の一定時間前から終了時の一定時間後までの任意の異なる2つの時点の各々において測定した各変位及び各内圧値から、それぞれ第1及び第2のロール角と左右サスペンションによる第1及び第2のロールモーメントとを算出し、ロール角及びロールモーメントから、サスペンションを装着した車両固有のロール剛性係数を算出する。サスペンションが示し得る内圧値をパラメータとして予め求めた複数個の変位特性の内、左右サスペンションの測定内圧平均値に対応する変位特性を、自動車高調整非実行時の左右サスペンションに共通の変位特性として選択する。そして、第2のロール角及びロールモーメント、ロール剛性係数、及び上記選択した変位特性に基づき自動車高調整非実行時のロール角を求める。
特開2009−227265号公報
上記方法及び装置において、上記ロール剛性係数は、設計上の荷重−内圧特性を用いて算出され、上記予め求めた複数個の変位特性は、設計上の複数個の荷重−変位特性である。従って、自動車高調整非実行時のロール角は、設計上の荷重−内圧特性及び荷重−変位特性に基づく値として求められる。
しかし、実際のエアバネ(サスペンション)では、その製造時に有効受圧面積にバラツキが発生するため、個々のエアバネ間においてバネ特性が相違してしまう。すなわち、実際のバネ特性と設計上のバネ特性とが相違することによって、自動車高調整非実行時のロール角を適正に求めることができない可能性が生じる。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであって、車両のエアサスペンションのバネ特性を適正に補正することが可能な補正方法及び補正装置の提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の補正方法は、車両のエアサスペンションのバネ特性を補正する方法であり、エアバネに所定の基準荷重が作用した際の所定の基準車高におけるエアバネの実際の内圧値を検出する第1のステップと、エアバネの設計上のバネ特性を、基準荷重が作用した際の基準車高におけるエアバネの設計上の内圧値と実際の内圧値とを用いて補正する第2のステップと、を備える。
設計上のバネ特性は、それぞれが線形近似式によって表される荷重−変位特性及び荷重−内圧特性であってもよい。また、第2ステップでは、設計上の内圧値を実際の内圧値で除算することによって補正係数を算出し、荷重−変位特性の1次係数と荷重−内圧特性の1次係数とにそれぞれ補正係数を乗算することによって、設計上の荷重−変位特性と荷重−内圧特性とをそれぞれ補正してもよい。
また、本発明の補正装置は、車両のエアサスペンションのバネ特性を補正する装置であり、エアバネに所定の基準荷重が作用した際の所定の基準車高におけるエアバネの実際の内圧値を検出する検出手段と、エアバネの設計上のバネ特性を、基準荷重が作用した際の基準車高におけるエアバネの設計上の内圧値と実際の内圧値とを用いて補正する補正手段と、を備える。
設計上のバネ特性は、それぞれが線形近似式によって表される荷重−変位特性及び荷重−内圧特性であってもよい。補正手段は、設計上の内圧値を実際の内圧値で除算することによって補正係数を算出し、荷重−変位特性の1次係数と荷重−内圧特性の1次係数とにそれぞれ補正係数を乗算することによって、設計上の荷重−変位特性と荷重−内圧特性とをそれぞれ補正してもよい。
上記構成では、製造時に発生する有効受圧面積のバラツキに起因して、実際のバネ特性と設計上のバネ特性とが相違している場合であっても、エアバネを使用する前に、設計上のバネ特性をエアバネの個々の性状に合わせて補正することができる。従って、バネ特性を用いて自動車高調整非実行時のロール角を求める際に、個々のエアバネの性状に合わせて補正されたバネ特性を用いることができ、自動車高調整非実行時のロール角をさらに適正に求めることができる。
また、上記補正方法において、第1ステップでは、エアバネに基準荷重が作用した状態で基準車高と基準車高よりも高い車高と低い車高とのそれぞれにおいて測定された少なくとも3つの内圧値の平均を実際の内圧値として検出してもよい。
また、上記補正装置において、検出手段は、エアバネに前記基準荷重が作用した状態で基準車高と基準車高よりも高い車高と低い車高とのそれぞれにおいて測定された少なくとも3つの内圧値の平均を実際の内圧値として検出してもよい。
上記構成では、標準車高と標準車高よりも高い車高と標準車高よりも低い車高の3箇所を含む複数の車高における内圧値の平均を実際の内圧値として検出するので、標準車高で測定された内圧値をそのまま実際の内圧値として検出する場合に比べて、検出誤差を低減させることができる。
本発明によれば、車両のエアサスペンションのバネ特性を適正に補正することができる。
本発明の一実施形態に用いるサスペンションの荷重−内圧特性例を示したグラフ図である。 本発明の一実施形態を示したブロック図である。 本発明の一実施形態に用いる処理部のエアバネ特性補正処理例を示したフローチャート図である。 本発明の一実施形態に用いる処理部のロール角補正処理例[1]を示したフローチャート図である。 本発明の一実施形態に用いる処理部の移動平均更新処理例を示したフローチャート図である。 本発明の一実施形態に用いる処理部の初動処理例を示したフローチャート図である。 車両に生じるロールモーメントの一例を示した図である。 本発明の一実施形態に用いる処理部のロール剛性係数算出処理例を示したフローチャート図である。 本発明の一実施形態に用いるサスペンションの荷重−変位特性例を示したグラフ図である。 本発明の一実施形態に用いるサスペンションの荷重−内圧特性例を示した図である。 本発明の一実施形態に用いるサスペンションの内圧と変位特性係数の関係を示したグラフ図である。 車両のロール角推定方法及び装置の連結車両への適用例を示したブロック図である。 連結車両に生じるロールモーメントの例を示した図である。
[バネ特性の補正方法の説明]
本発明のバネ特性の補正方法について説明する。
エアバネの反力Fは、内圧pとエアバネの有効受圧面積Aにより、下式(41)によって表される。
Figure 2011240792
エアサスペンション用のエアバネでは、バネ高さが変化しても有効受圧面積Aが極力変化しないように設計されている。このため、設計上の有効受圧面積Aは、定数と見做すことが可能である。しかし、実際のエアバネでは、その製造時に有効受圧面積Aにバラツキが発生するため、個々のエアバネ間においてバネ特性が相違する。
従って、各エアバネの実際の有効受圧面積を推定することができれば、個々のエアバネのバネ特性を把握することが可能となる。設計上の有効受圧面積をAdsn、実際の有効受圧面積をAexp、基準バネ荷重をFdsn、基準バネ荷重Fdsnが作用したときの設計上の内圧(基準内圧)をpdsn、基準バネ荷重Fdsnが作用したときの実際の内圧をpexpとおくと、次式(42)が成立し、実際の内圧pexpから実際の有効受圧面積Aexpの推定が可能であることがわかる。
Figure 2011240792
次に、実際の内圧pexpを用いたバネ特性の補正方法について説明する。
エアバネの特性は、ボイルシャルルの方程式によって求めることができる。エアバネの内圧をp、容積をvとおくと、温度が一定でエアの入出がない場合、次式(43)が成立する。なお、p及びvは、標準車高時(基準車高時)の内圧及び容積であり、p及びvは、標準車高からの変位(下降)した後の内圧及び容積である。
Figure 2011240792
標準車高時のバネ高さをl、内圧をp、標準車高からの変位をd、受け圧面積をAとおくと、エアバネの受圧面積は、変位によらず一定となるように設計されているため、上式(43)は、
Figure 2011240792

となる。
内圧Pは次式(45)となり、バネ反力Fは、次式(46)によって表される。
Figure 2011240792
Figure 2011240792
実際のバネ特性は、標準車高における内圧毎に実験によって求められ、実験値として、基本的に上式(46)に則った値が得られる。
以下、理論値を基にバネ特性の補正方法を考察する。
まず、最小二乗法により、上式(46)を一次式によって近似することを考える。具体的には、y=F,x=dとおき、y=ax+bの係数a,bを求める。
n個のデータ(x1,y1),(x2,y2),・・・(xn,yn)が得られたとすると、係数a,bは、次式Sを最小とする値である。
Figure 2011240792
上式(47)の右辺を展開すると、次式(48)となる。
Figure 2011240792
但し、A,B,C,D,Eは、それぞれ次式(49)のとおりである。
Figure 2011240792
最小値を求めるために、Sをa,bで微分し、Sはそれぞれの二次式であることを考慮し、それぞれを「0」とおくと、下記の二元連立方程式が成立する。
Figure 2011240792
上式(50)の二元連立方程式を解くと、次式(51),(52)となる。
Figure 2011240792
上式(46)の関係及びy=F,x=dを考慮すれば、次式(53),(54)である。
Figure 2011240792
上式(53),(54)を上式(52)に代入すると、次式(55)が得られる。
Figure 2011240792
従って、理論上(設計上)のバネ特性(荷重−変位特性)の傾きa(後述する図11(1)参照)は、上式(55)により、標準車高における内圧毎に求めることができる。しかし、実際のバネ特性は実際の受圧面積によって変化する。設計上のバネ特性から求められた傾きをadsn、実際のバネ特性から求められた傾きaexpとおくと、次式(56)となる。
Figure 2011240792
従って、バネ特性の傾き(設計上の荷重−内圧特性)は、設計上の基準内圧値pdsnと実際の内圧値pexpとを用いて補正可能であることが分かる。
バネ反力Fと内圧値Pとの関係は、設計上、図1のように表される。
出荷時の車両では、エアバネに作用する荷重(基準荷重)Fdsnは既知であり、車型毎に決まっている。また、この荷重Fdsnが作用したときのエアバネの設計上の内圧値pdsnも、図1に示す関係から決まる。
また、バネ定数(設計上の荷重−変位特性)は、次式(57)となり、上記バネ特性の傾きと同様に、設計上の基準内圧値pdsnと実際の内圧値pexpとを用いて補正可能である。なお、次式(57)のkdsnは設計上のバネ定数であり、kexpは実際のバネ定数である。
Figure 2011240792
そこで、車両の出荷時(出荷直前)に標準車高における実際の内圧値pexpを検出することより、設計上の基準内圧値pdsnと実際の内圧値pexpと上式(56)、(57)とによって、バネ特性を実状に合わせて補正することができる。
また、標準車高で測定した内圧値をそのまま実際の内圧値pexpとして採用すると、検出誤差を含む可能性があるため、この検出誤差を最小に抑えるように、車高を標準車高の近傍でゆっくりとストロークさせ、標準車高と標準車高よりも高い車高と標準車高よりも低い車高の3箇所を含む複数の車高において内圧値をそれぞれ測定し、その平均値を実際の内圧値pexpとして算出する。
次に、本発明の一実施形態に係る補正方法及び補正装置を、図2〜図11を参照して以下に説明する。本実施形態の補正装置は、ロール角推定装置10に含まれて構成されている。なお、図中の同一符号は、同一又は相当部分を示す。
[非連結車両の実施形態:図2〜図11]
<構成例:図2>
図2に示すように、本実施形態に係る車両のロール角推定装置10は、車両1の左後輪2L及び右後輪2R付近にそれぞれ設けたサスペンション(以下、符号3で総称することがある。また、エアバネと称することがある。)3L及び3Rの変位Z及びZを検出する変位検出部11L及び11R(以下、符号11で総称することがある。)と、サスペンション3L及び3Rの内圧P及びPを測定する圧力測定部12L及び12R(以下、符号12で総称することがある。)と、内圧P,Pと変位Z,Zとに基づき自動車高調整が行われなかった場合(以下、車高調整非実行時と称することがある。)のロール角(φ2es)を推定すると共に、この推定したロール角(φ2es)を用いて横転危険度判定装置20内のロール角・ロール角速度検出部21で検出されたロール角φを補正し補正後のロール角φAMDを横転危険度判定部22に対して与える処理部13とを備えている。
圧力測定部12及び処理部13は、エアバネ3に所定の基準荷重が作用した際の標準車高における実際の内圧値を検出する検出手段を構成し、処理部13は、エアバネ3の設計上の荷重−変位特性と荷重−内圧特性とを、基準荷重が作用した際の基準車高におけるエアバネ3の設計上の内圧値と実際の内圧値とを用いて補正する補正手段を構成する。
ここで、変位検出部11L及び11Rで検出した変位Z及びZは車高調整装置30にも入力されており、この車高調整装置30は、例えば旋回時、変位Z及びZに基づきサスペンション3L及び3Rの一方の内圧を加圧(エアAPを注入)すると共に他方の内圧を減圧(エアAPを排出)することにより、サスペンション3L及び3Rの荷重−変位特性をそれぞれ強制的に変化させて車両1の左右車高差(Z−Z)を調整(補正)する。
すなわち、車両1においては、サスペンション3L及び3Rのみが車高調整の対象となり、左前輪4R及び右前輪4R付近にそれぞれ設けたサスペンション5L及び5Rについては何ら車高調整が行われない。従って、以下の説明では、荷重F及び内圧Pはサスペンション3L及び3Rに対する値である。
また、処理部13と車高調整装置30とが相互接続されており、処理部13は、車高調整装置30から車高調整の開始タイミング及び終了タイミングをそれぞれ示す信号SG及びSGを受信する一方、車高調整装置30に対して車高調整中断指示信号INS1及び再開指示信号INS2を与えて車高調整を中断できるようにしている。
また、車両1には、作業者からの所定の入力を受けてバネ特性補正処理開始信号を送信するバネ特性補正スイッチ50が設けられている。バネ特性補正スイッチ50は、処理部13と車高調整装置30とに接続されており、バネ特性補正処理開始信号を処理部13と車高調整装置30とに送信する。処理部13は、バネ特性補正処理開始信号の受信に応じてエアバネ特性補正処理を開始する。また、車高調整装置30は、バネ特性補正処理開始信号を受信すると、処理部13からの上昇指示信号又は下降指示信号に応じて、予め設定された低速度で車高を昇降させる。これにより、車体後部の左右がほぼ同速度でゆっくりと昇降する。
なお、処理部13は、所定のプログラムが予め記憶されると共に取得及び算出したデータを記憶可能なROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶部や、記憶部から読み出したプログラムに従って処理を実行するCPU(Central Processing Unit)等を備えたECU(Electronic Central Unit)によって構成される。
以下、ロール角推定装置10が実行するエアバネ特性補正処理を、車高調整装置30の動作を含めて、図2及び図3を参照して説明する。
<エアバネ特性補正処理例:図2及び図3>
車両の出荷時(出荷直前)等において、作業者がバネ特性補正スイッチ50を操作し、処理部13がバネ特性補正処理開始信号を受信すると、エアバネ特性補正処理が開始される。なお、以下の例において、標準車高ZTgtと上限車高ZHiと下限車高ZLowとは、予め設定された所定の車高値であり、上限車高ZHiと下限車高ZLowとの平均高さが標準車高ZTgtである。また、設計上のバネ定数kdsnとバネ特性の設計上の傾きadsnとエアバネ内圧設計基準値pdsnとは、出荷時の荷重状態での標準車高ZTgtにおける設計値であり、計算や実験等によって予め設定されている。
図3に示すように、エアバネ特性補正処理が開始されると、処理部13は、バネ特性補正フラグF10と車高上限フラグF11と車高下限フラグF12とを「OFF」に設定し、カウンタNの値を「0」に設定する(ステップS60)。
次に、処理部13は、圧力測定部12が検出した左右のエアバネ3の内圧P及びPと、変位検出部11が検出した左右のエアバネ3の変位Z及びZとを取り込み(ステップS61)、取り込んだ左右の変位Z,Zの平均変位Zを算出する(ステップS62)。
次に、処理部13は、バネ特性補正フラグF10が「OFF」であるか否かを判定する(ステップS63)。本処理の開始直後は、ステップS60においてバネ特性補正フラグF10が「OFF」に設定されているため、バネ特性補正フラグ10が「OFF」であると判定され(ステップS63:YES)、ステップS64へ移行する。
ステップS64では、処理部13は、ステップS62で算出した平均変位Zが標準車高ZTgtに一致しているか否かを判定し、不一致であると判定されると(ステップS64:NO)、ステップS62算出した平均変位Zが標準車高ZTgt未満であるか否かを判定し(ステップS65)、Z<ZTgtであると判定した場合には(ステップS65:YES)、車高調整装置30に上昇指示信号を送信して車高を上昇させて(ステップS66)、ステップS61へ戻る。反対に、Z≧ZTgtであると判定した場合には(ステップS65:NO)、車高調整装置30に下降指示信号を送信して車高を下降させて(ステップS67)、ステップS61へ戻る。すなわち、処理部13は、平均変位Zが標準車高ZTgtに一致するまで(ステップS64の判定結果がYESとなるまで)、ステップS61〜S66,S67までの処理を繰り返して実行する。
一方、ステップS62で算出した平均変位Zが標準車高ZTgtに一致していると判定すると(ステップS64:YES)、処理部13は、バネ特性補正フラグF10を「ON」に設定し(ステップS68)、ステップS62で算出した平均変位Zが上限車高ZHi未満であるか否かを判定する(ステップS69)。平均変位Zが標準車高ZTgtに一致した直後は、平均変位Zが上限車高ZHi未満であると判定され(ステップS69:YES)、ステップS70へ移行する。ステップS70では、処理部13は、ステップS62で算出した平均変位Zが下限車高ZLowを超えているか否かを判定する。平均変位Zが標準車高ZTgtに一致した直後は、平均変位Zが下限車高ZLowを超えていると判定され(ステップS70:YES)、ステップS71へ移行する。
ステップS71では、処理部13は、車高上限フラグF11が「OFF」であるか否かを判定する。本処理が開始されて平均変位Zが標準車高ZTgtに一致した直後は、ステップS60において車高上限フラグF11が「OFF」に設定されているため、処理部13は、車高上限フラグF11が「OFF」であると判定し(ステップS71:YES)、車高調整装置30に上昇指示信号を送信して車高を上昇させて(ステップS72)、ステップS73へ移行する。
ステップS73では、処理部13は、ステップS61で読み込んだ左右の内圧P,Pをそれぞれ累積して加算し(PLsum=PLsum+P,PRsum=PRsum+P)、カウンタNの値を「1」加算して(N=N+1)、ステップS61へ戻る。
ステップS61へ戻ると、処理部13は、左右の内圧P及びPと左右の変位Z及びZとを取り込み(ステップS61)、左右の変位Z,Zの平均変位Zを算出し(ステップS62)、バネ特性補正フラグF10が「OFF」であるか否かを判定する(ステップS63)。平均変位Zが標準車高ZTgtに一致した後は、ステップS68においてバネ特性補正フラグF10が「ON」に設定されているため、処理部13は、バネ特性補正フラグ10が「ON」であると判定し(ステップS63:NO)、ステップS69へ移行する。
このとき、ステップS72における車高の上昇によって平均変位Zが上限車高ZHiに達している場合、処理部13は、平均変位Zが上限車高ZHi以上であると判定し(ステップS69:NO)、車高上限フラグF11を「ON」に設定し(ステップS74)、ステップS71へ移行し、車高上限フラグF11が「ON」であると判定して(ステップS71:NO)、ステップS75へ移行する。一方、平均変位Zが未だ上限車高ZHiに達していない場合には、処理部13は、平均変位Zが上限車高ZHi未満であると判定し(ステップS69:YES)、ステップS70からステップS71へ移行し、車高上限フラグF11が「OFF」であると判定して(ステップS71:YES)、ステップS72へ移行し、車高を上昇させて、内圧P,Pをそれぞれ累積して加算し、カウンタNの値を「1」加算して(ステップS73)、ステップS61へ戻る。従って、平均変位Zが上限車高ZHiに達するまでの間、車体が標準車高ZTgtから継続して上昇し、所定時間毎に内圧P,Pがそれぞれ累積して加算される。
ステップS75では、処理部13は、車高下限フラグF12が「OFF」であるか否かを判定する。車体が標準車高ZTgtに達した直後は、ステップS60における車高下限フラグF12の「OFF」設定が維持されているため、処理部13は、車高下限フラグF12が「OFF」であると判定し(ステップS75:YES)、車高調整装置30に下降指示信号を送信して車高を下降させて(ステップS76)、ステップS61で読み込んだ左右の内圧P,Pをそれぞれ累積して加算し、カウンタNの値を「1」加算して(ステップS73)、ステップS61へ戻る。
ステップS61へ戻ると、処理部13は、左右の内圧P及びPと左右の変位Z及びZとを取り込み(ステップS61)、左右の変位Z,Zの平均変位Zを算出し(ステップS62)、バネ特性補正フラグ10が「ON」であると判定し(ステップS63:NO)、ステップS69へ移行し、平均変位Zが上限車高ZHi未満であると判定し(ステップS69:YES)、ステップS70へ移行する。
このとき、ステップS76における車高の下降によって平均変位Zが下限車高ZLowに達している場合、処理部13は、平均変位Zが下限車高ZLow以下であると判定し(ステップS70:NO)、車高下限フラグF12を「ON」に設定し(ステップS77)、ステップS71へ移行し、車高上限フラグF11が「ON」であると判定し(ステップS71:NO)、車高下限フラグF12が「ON」であると判定して(ステップS75:NO)、ステップS78へ移行する。一方、平均変位Zが未だ下限車高ZLowに達していない場合には、処理部13は、平均変位Zが下限車高ZLowを超えていると判定し(ステップS70:YES)、ステップS71へ移行し、車高上限フラグF11が「ON」であると判定し(ステップS71:YES)、車高下限フラグF12が「OFF」であると判定して(ステップS75:YES)、ステップS76へ移行し、車高を下降させて、内圧P,Pをそれぞれ累積して加算し、カウンタNの値を「1」加算して(ステップS73)、ステップS61へ戻る。従って、平均変位Zが下限車高ZLowに達するまでの間、車体が継続して下降し、所定時間毎に内圧P,Pがそれぞれ累積して加算される。
ステップS78では、処理部13は、ステップS62で算出した平均変位Zが標準車高ZTgtに一致しているか否かを判定し、平均変位Zが標準車高ZTgtに一致していない(標準車高ZTgt未満である)と判定した場合(ステップS78:NO)、ステップS72へ移行して車高を上昇させ、平均変位Zが標準車高ZTgtに一致していると判定した場合(ステップS78:YES)、ステップS79へ移行して車高を維持し、ステップS80へ移行する。
ステップS80では、処理部13は、ステップS73で算出した左右のエアバネ3の内圧累積値PLsum,PRsumを加算してカウンタNの2倍で除算することによって、エアバネ内圧平均値pexpを算出し(pexp=(PLsum+PRsum)/2N)、ステップS81へ移行する。
ステップS81では、処理部13は、エアバネ3の実際のバネ定数k(kexp)を、設計上のバネ定数kdsn及びエアバネ内圧設計基準値pdsnとステップS80で求めたエアバネ内圧平均値pexpとから算出し(k=kdsn×pdsn/pexp)、バネ特性の実際の傾きa(aexp)を、設計上の傾きadsn及びエアバネ内圧設計基準値pdsnとステップS80で求めたエアバネ内圧平均値pexpとから算出し(a=adsn×pdsn/pexp)、本処理を終了する。
以上のように、処理部13は、標準車高ZTgtから上限車高ZHiに達するまで車高を上昇させ、上限車高ZHiに達した後は下限車高ZLowに達するまで車高を下降させ、下限車高ZLowに達した後は標準車高ZTgtに戻るまで車高を再度上昇させ、標準車高ZTgtと上限車高ZHi以上の車高と下限車高ZLow以下の車高とのそれぞれにおいて測定された少なくとも3つ以上の時点の内圧値の平均を実際のエアバネ内圧平均値pexpとして検出し、エアバネ内圧設計基準値pdsnをエアバネ内圧平均値pexpで除算することによって補正係数(pdsn/pexp)を算出し、エアバネ3の荷重−変位特性の1次係数である設計上の傾きadsnに補正係数を乗算することによって荷重−変位特性を補正し、荷重−内圧特性の1次係数である設計上のバネ定数kdsnに補正係数を乗算することによって、荷重−内圧特性を補正する。
次に、ロール角推定装置10が実行するロール角補正処理の一例を、図4〜図11を参照して説明する。
<ロール角補正処理例[1]:図4〜図11>
図4に示すように、処理部13におけるロール角補正処理は、(1)変位Z及びZ並びに内圧P及びPの各移動平均を常時更新する処理(ステップS1)と、(2)車高調整開始時の各移動平均を取得する処理(ステップS2〜S8)と、(3)車高調整終了時の各移動平均を取得する処理(ステップS12〜S16)と、(4)車高調整非実行時のロール角φ2esを推定し、これに基づき上記の補正後ロール角φAMDを算出する処理(ステップS10及びS17〜S20)とから成る。
以下、これらの処理(1)〜(4)を順に説明する。
(1)移動平均更新処理:図5
処理部13は、圧力測定部12により測定された内圧P及びP並びに変位検出部11により検出された変位Z及びZを入力する度毎に、図5に示すステップS30〜S40を実行する。
すなわち、エンジン始動時の初期状態においては内圧及び変位のデータ(以下、単にデータと称することがある。)のサンプリング数i(初期値は「1」)が所定の閾値n以下であるため(ステップS30)、処理部13は、内圧Pi,Pi及び変位Zi,Ziに、圧力測定部12から受けた最新の内圧P,P及び変位検出部11から受けた最新の変位Z,Zを記憶する(ステップS31)。
そして、処理部13は、それぞれi個の内圧P1〜Pi及びP1〜Piを用い、下記の式(1)に従ってサスペンション3L及び3Rの内圧平均PLav及びPRavを算出する(ステップS32)。
Figure 2011240792
同様にして、処理部13は、それぞれi個の変位Z1〜Zi及びZ1〜Ziを用い、下記の式(2)に従ってサスペンション3L及び3Rの変位平均ZLav及びZRavを算出する(ステップS33)。
Figure 2011240792
そして、処理部13は、サンプリングデータ数iを「1」だけインクリメントする(ステップS34)。サンプリングデータ数i≦閾値nが成立する間、処理部13は、上記のステップS31〜S34を繰り返し実行して平均PLav、PRav、ZLav、及びZRavを更新する。
一方、サンプリングデータ数iが閾値nを超えた時、処理部13は、サンプリングしたデータの内の最先データの参照用変数j(初期値は「1」)が閾値n以下であるか否かを判定する(ステップS35)。
最先データ参照用変数j≦閾値nが成立した時、処理部13は、最先の内圧Pj,Pj及び変位Zj,Zjを、圧力測定部12から受けた内圧P,P及び変位検出部11から受けた変位Z,Zに更新する(ステップS36)。すなわち、最先データ参照用変数j=「1」であるとすると、サンプリングしたそれぞれn個の内圧P1〜Pn,P1〜Pn及び変位Z1〜Zn,Z1〜Znの内で最も古い内圧P1,P1及び変位Z1,Z1が最新の値に置き換えられる。
そして、処理部13は、上記のステップS36で更新したサンプリングデータを用い、下記の式(3)及び(4)に従って移動平均PLav、PRav、ZLav、及びZRavをそれぞれ算出する(ステップS37及びS38)。
Figure 2011240792
Figure 2011240792
この後、処理部13は、内圧P,P及び変位Z,Zを新たに受信した際に上記のステップS36で更新した内圧Pj,Pj及び変位Zj,Zjに次いで古い内圧Pj+1,Pj+1及び変位Zj+1,Zj+1を更新するために、最先データ参照用変数jを「1」だけインクリメントする(ステップS39)。
このインクリメントによってデータ参照用変数j=「n+1」となってしまった場合(すなわち、上記のステップS35においてj>nが成立する場合)には、処理部13は、データ参照用変数jを再び「1」に初期化する(ステップS40)。すなわち、サンプリング数i=nだけサンプリングしたデータにおいて、データ参照用変数jの値を「1」から「n」まで順次循環させている。
このように、処理部13は、後述する車高調整装置30との相互動作とは独立して内圧及び変位の移動平均を常時更新演算する。
(2)車高調整開始時の変位・内圧移動平均取得処理:図4及び図6
上記の処理(1)の後、処理部13は、まず図6に示す初動処理(図4のステップS2)を実行する。
すなわち、処理部13は、初動フラグF1が「ON」であるか否かを判定する(ステップS41)。この初動フラグF1はエンジン始動時に「ON」に初期化されるものであり、下記のステップS42〜S49を一度だけ実行させるために用いられる。
初動フラグF1=「ON」が成立した時、処理部13は、さらに車高調整中断フラグF2が「OFF」であるか否かを判定する(ステップS42)。この車高調整中断フラグF2はエンジン始動時に「OFF」に初期化されるものであり、後述するように車高調整を中断した際に「ON」が設定される。
車高調整中断フラグF2=「OFF」が成立した時、処理部13は、車高調整が開始されているか否か(すなわち、車高調整装置30から車高調整開始信号SGを受信したか否か)を判定する(ステップS43)。
車高調整開始信号SGにより車高調整の開始を検出した時、処理部13は、車高調整装置30に対して車高調整中断指示信号INS1を与えて車高調整を一時中断させる(ステップS44)。これは、車高調整中のサスペンション3L及び3Rの内圧及び変位の変動を回避し、安定した内圧及び変位を取得するためである。
この時、処理部13は、車高調整中断フラグF2を「ON」に設定する(ステップS45)。
なお、上記のステップS43において車高調整が開始されていないと判定した時、処理部13は初動処理を実行しない。
上記のステップS44による車高調整中断時点から一定期間tが経過した時(ステップS46)、処理部13は、車高調整中断中の変化しない安定した内圧P及びP並びに変位Z及びZのみを用いた内圧移動平均PLav及びPRav並びに変位移動平均ZLav及びZRavが上記の処理(1)により算出されたと判断し、車高調整装置30に対して車高調整再開指示信号INS2を与えて車高調整を再開させる(ステップS47)。なお、「再開」も「開始」の一態様である。
そして、処理部13は、車高調整開始時の移動平均が取得可能か否かを示すフラグ(以下、移動平均取得可能フラグ)F3を「ON(取得可能)」に設定する(ステップS48)と共に、初動フラグF1を「OFF」に設定する(ステップS49)。
なお、上記のステップS46において一定期間tが経過していない時には、処理部13は初動処理を実行しない。
また、上記のステップS49により初動フラグF1=「OFF」となるため、再び初動処理が実行されても上記のステップS41以降の処理は何ら実行されない。
この後、図4のステップS3に戻って、処理部13は、車高調整が終了しているか否か(すなわち、車高調整装置30から車高調整終了信号SGを受信したか否か)を判定する。
この結果、車高調整が未だ終了していなければ、処理部13は、車高調整開始時の移動平均取得可能フラグF3が「ON」であるか否かを判定する(ステップS4)。
移動平均取得可能フラグF3=「ON」が成立した時、処理部13は、上記の処理(1)で求めた移動平均PLav、PRav、ZLav、及びZRavを、それぞれ車高調整開始時の内圧PLa及びPRa並びに変位ZLa及びZRaとして取得する(ステップS5)。
この時、処理部13は、車高調整開始時の移動平均取得可能フラグF3を「OFF(取得不可)」に設定する(ステップS6)と共に、車高調整終了時の移動平均取得可能フラグF4を「ON」(取得可能)に設定する(ステップS7)。但し、後述するように、移動平均取得可能フラグF4=「ON」であっても実際に車高調整が終了する迄は、車高調整終了後の移動平均は取得されない。
また、処理部13は、後述するロール剛性係数算出処理(ステップS17)で必要となるパラメータの一部が取得されたか否かを示すフラグ(以下、ロール剛性係数算出パラメータ一部取得フラグと称する。)F5を「ON」(一部のパラメータである内圧PLa,PRa及び変位ZLa,ZRaを取得済。)に設定して(ステップS8)、ステップS9に進む。
一方、上記のステップS4において車高調整開始時の移動平均取得可能フラグF3=「OFF」が成立した時には、処理部13は上記のステップS5〜S8を実行せずステップS9に進む。これは、図4に示したステップS43及びS46で初動処理が実行されなかった場合(すなわち、車高調整開始時の内圧及び変位が取得されなかった場合)に相当する。
そして、ステップS9では、処理部13は、ロール剛性係数算出パラメータ一部取得フラグF5が「ON」であるか否かを判定する。
この結果、ロール剛性係数算出パラメータ一部取得フラグF5=「OFF」(パラメータ未取得)が成立した時、処理部13は、本発明特有の処理(車高調整非実行時のロール角φ2esを推定し、補正後ロール角φAMDを算出する処理(4))は実行する必要がないため、ステップS10に進んで、下記の式(5)に従い、予め「0」に初期化された補正ロール角(車高調整により失われたロール角) φ2offを、図2に示したロール角・ロール角速度検出部21から受信した検出ロール角φに加算して得た補正後ロール角φAMDを(すなわち、検出ロール角φをそのまま)横転危険度判定部22に与える。
Figure 2011240792
一方、上記のステップS9においてロール剛性係数算出パラメータ一部取得フラグF5=「ON」が成立した時には、処理部13は、さらにロール剛性係数算出パラメータ全取得フラグF6が「ON」であるか否かを判定する(ステップS11)。
ここで、上記のロール剛性係数算出パラメータ全取得フラグF6はロール剛性係数算出処理(ステップS17)で必要となるパラメータの全てが取得されたか否かを示すものであり、下記の処理(3)が実行された際に「ON」(全パラメータ取得済)に設定される。このため、ロール剛性係数算出パラメータ全取得フラグF6=「OFF」であれば、処理部13は、処理(4)を実行せず、上記のステップS10を実行して検出ロール角φをそのまま横転危険度判定部22に与える。
(3)車高調整終了時の変位・内圧移動平均取得処理:図4
上記の処理(2)の後に車高調整が終了した時(車高調整装置30から車高調整終了信号SGを受信した時)、処理部13は、図4のステップS12に示すように車高調整終了時点から一定期間tが経過するのを待機する。これは、上記の処理(1)で車高調整終了後の安定した内圧及び変位を用いて内圧移動平均及び変位移動平均を算出させるためである。
一定期間tが経過した時、処理部13は、車高調整終了時の移動平均取得可能フラグF4が「ON」であるか否かを判定する(ステップS13)。
この時点では上記のステップS7を経由しているため、車高調整終了時の移動平均取得可能フラグF4=「ON」が成立し、処理部13は、上記の処理(1)により更新された移動平均PLav、PRav、ZLav、及びZRavを、それぞれ車高調整終了時の内圧PLb,PRb及び変位ZLb,ZRbとして取得する(ステップS14)と共に、移動平均取得可能フラグF4を「OFF」(取得済)に設定する(ステップS15)。
また、処理部13は、後述するロール剛性係数算出処理(ステップS17)で必要となるパラメータが全て取得されたと判断し、ロール剛性係数算出パラメータ全取得フラグF6を「ON」(全パラメータ取得済)に設定する(ステップS16)。
これにより、ロール剛性係数算出パラメータ一部取得フラグF5及びロール剛性係数算出パラメータ全取得フラグF6が共に「ON」となるため、上記のステップS9及びS11の処理を経由して下記のステップS17以降の処理(4)が実行されることとなる。
以降、上記のステップS13において移動平均取得可能フラグF4=「OFF」が成立するため、上記のステップS14によるデータ取得は実行されない。これは、ロール剛性係数算出処理の実行後には移動平均PLav、PRav、ZLav、及びZRavの取得が不要なためである。
(4)車高調整非実行時のロール角算出処理:図4及び図7〜図11
上記の処理(3)の後、処理部13は、図4のステップS17に示すように車両1に固有のロール剛性係数Kφ13を算出する処理(図8参照。)を実行する。
まず、ロール剛性係数Kφ13の定義を、図7を参照して以下に説明する。
図7に示す如く車両1に荷物偏積(或いは一定の遠心加速度)によるロールモーメントMが生じているとすると、車両1の前輪側(車高調整の対象とならないサスペンション5L及び5R側)におけるロールモーメントの釣り合いの式は、下記の式(6)で表すことができる。
Figure 2011240792
ここで、上記の式(6)中のKφ1、φ、Kφ12、及びφは、それぞれ、設計条件等によって決定されるサスペンション5L及び5Rに共通の既知の固定ロール剛性係数、サスペンション5L及び5Rの変位差によって生じた未知の(測定しない)ロール角、荷物の材質やその固定状況によって変化する車両フレーム(図示せず)の未知の捩じり剛性係数、及び車高調整の対象となる後輪側のサスペンション3L及び3Rの変位差によって生じた測定可能なロール角である。
また、サスペンション3L及び3R側におけるロールモーメントの釣り合いの式は、下記の式(7)で表すことができる。
Figure 2011240792
ここで、上記の式(7)中のMx2及びKφ2は、それぞれ、車高調整に伴ってサスペンション3L及び3Rにより生じた未知のロールモーメント、及び設計条件等によって決定されるサスペンション3L及び3Rに共通の既知の固定ロール剛性係数である。
上記の式(6)をロール角φについて整理すると、下記の式(8)が得られる。
Figure 2011240792
この式(8)を上記の式(7)に更新し、荷物偏積によるロールモーメントMについて整理すると、下記の式(9)が得られる。
Figure 2011240792
ここで、下記の式(10)に示す如く、ロール剛性係数Kφ1,Kφ2及びフレーム捩じり剛性係数Kφ12による車両固有のロール剛性係数Kφ13を定義し、上記の式(9)で表されるロールモーメントMが荷物の積載条件が変化しない限り一定であることに着目すると、車高調整開始時におけるサスペンション3L及び3RによるロールモーメントMx2a及びその変位差によって生じるロール角φ2aと、車高調整終了時におけるロールモーメントMx2b及びロール角φ2bとには下記の式(11)に示す等号関係が成立する。
Figure 2011240792
Figure 2011240792
上記の式(11)をロール剛性係数Kφ13について整理すると、下記の式(12)が得られる。
Figure 2011240792
すなわち、フレーム捩じり剛性係数Kφ12が如何なる値であっても、ロールモーメントMx2a及びMx2bとロール角φ2a及びφ2bとが分かればロール剛性係数Kφ13を求めることができる。
従って、まずロールモーメントMx2aを求めるために、処理部13は、上記の処理(2)(図4のステップS5)で取得した車高調整開始時の内圧PLa及びPRaから、サスペンション3L及び3Rに対する荷重FLa及びFRaを下記の式(13)に従って算出する(図8のステップS51)。
Figure 2011240792
ここで、上記の式(13)は、サスペンション3L及び3R自体が共通に呈する荷重−内圧特性を示す線形近似式(k及びmは設計条件等で決定される係数)であり、図9に示す如く、内圧P及びPから荷重F及びFがそれぞれ一意に特定される。
また、ロールモーメントMx2bを求めるために、処理部13は、上記の処理(3)(図4のステップS14)で取得した車高調整終了時の内圧PLb及びPRbから、サスペンション3L及び3Rに対する荷重FLb及びFRbを下記の式(14)に従って算出する(ステップS52)。
Figure 2011240792
上記の式(13)及び(14)で使用されるkは、上記エアバネ特性補正処理(図3のステップS81)において、設計上のバネ定数kdsnに補正係数(pdsn/pexp)を乗算することによって補正された値(k=kdsn×pdsn/pexp)である。
そして、処理部13は、下記の式(15)に従い、上記のステップS51で算出した荷重FLa及びFRaを用いて車高調整開始時のサンペンション3L及び3RによるロールモーメントMx2aを算出し、上記のステップS52で算出した荷重FLb及びFRbを用いて車高調整終了時のサンペンション3L及び3RによるロールモーメントMx2bを算出する(ステップS53)。
Figure 2011240792
ここで、上記の式(15)中のtrdは、各サンペンション3L及び3R−ロールセンタ(図示せず)間の距離(トレッド長)である。
また、処理部13は、下記の式(16)に従い、上記の処理(2)で取得した車高調整開始時の変位ZLa及びZRaを用いてロール角φ2aを算出し、上記の処理(3)で取得した車高調整終了時の変位ZLb及びZRbを用いてロール角φ2bを算出する(ステップS54)。
Figure 2011240792
そして、処理部13は、上記のステップS53で算出したロールモーメントMx2a及びMx2bと、上記のステップS54で算出したロール角φ2a及びφ2bとを用い、上記の式(12)に従ってロール剛性係数Kφ13を算出する(ステップS55)。
この時、処理部13は、ロール剛性係数算出パラメータ一部取得フラグF5及びロール剛性係数算出パラメータ全取得フラグF6を共に「OFF」に設定する(ステップS56)。これは、ロール剛性係数Kφ13を一度だけ算出させるためである。
以上のようにして上記の式(10)のロール剛性係数Kφ13が求められたが、本発明では、このロール剛性係数Kφ13を用いてさらに車高調整非実行時のロール角φ2esを求める必要がある。
ここで、図7に示した荷物偏積によるロールモーメントMは車高調整の前後を問わず一定であるため、車高調整終了時のロールモーメントMx2b及びロール角φ2bと、車高調整非実行時のロールモーメント(trd(FLes−FRes))及びロール角φ2esとには下記の式(17)に示す等号関係が成立する。
Figure 2011240792
ここで、上記の式(17)中のFLes及びFResは、それぞれ、サスペンション3L及び3Rに対する車高調整非実行時の荷重である。
上記の式(17)は、下記の式(18)に示すサスペンション3L及び3Rに共通の荷重−変位特性の線形近似式を用い、下記の式(19)で表すことができる。
Figure 2011240792
Figure 2011240792
ここで、上記の式(19)中のZLes及びZResは、それぞれ、車高調整非実行時のサスペンション3L及び3Rの変位である。定数bは変位ZLes及びZResの差分を取った時に消去されている。
また、上記の式(18)中の1次係数a及び定数bは、例えば図11に示すようにして実験等により予め複数個求めておく。すなわち、実験段階において、まず内圧Pを一定にした状態(すなわち、内圧PをP,P,・・・P(P<P<・・・<P)にそれぞれ固定した状態)でサスペンション3L又は3Rに対する荷重Fを順次変化させ、その時々の変位Zを計測する。これにより同図(1)に点線で示す実際の荷重−変位特性CF1〜CF7がプロットされる。
この後、同図(1)に示すように変位特性CF1〜CF7をそれぞれ線形近似して、線形近似式EXP1(荷重F=1次係数a1・変位Z+定数b1)、EXP2(F=a2・Z+b2)、EXP3(F=a3・Z+b3)、EXP4(F=a4・Z+b4)、EXP5(F=a5・Z+b5)、EXP6(F=a6・Z+b6)、及びEXP7(F=a7・Z+b7)を得る。
同図(2)に示す表は、内圧Pと、上記の各線形近似式EXP1〜EXP7中の1次係数a1〜a7及び定数b1〜b7の値とをそれぞれ対応付けて記載したものである。図示の如く1次係数a及び定数bは内圧Pにそれぞれ比例する。これをグラフ上に示したものが図11(1)及び(2)であり、1次係数a及び定数bは、下記の式(20)で表される。
Figure 2011240792
一方、ロール角φ2esは、下記の式(21)で表すことができる。
Figure 2011240792
この式(21)を上記の式(19)に更新すると、下記の式(22)が得られる。
Figure 2011240792
上記の式(22)をロール角φ2esについて整理すると、下記の式(23)が得られる。
Figure 2011240792
上記の式(23)で使用されるaは、上記エアバネ特性補正処理(図3のステップS81)において、設計上の傾き(上記実験等によって求められた線形近似式の傾き)adsnに補正係数(pdsn/pexp)を乗算することによって補正された値(a=adsn×pdsn/pexp)である。
この式(23)は、車高調整非実行時のロール角φ2esが、図8に示したステップS53で算出した車高調整終了時のサスペンション3L及び3RによるロールモーメントMx2bと、ステップS54で算出した車高調整終了時のロール角φ2bと、ステップS55で算出したロール剛性係数Kφ13と、上記の式(20)中の1次係数aとから算出できることを示している。
従って、図4へ戻り、処理部13は、まず車高調整終了時のサスペンション3L及び3Rの内圧PLb及びPRbを用いて1次係数aを選択する(ステップS18)。
すなわち、上述した通り、車高調整装置30はサスペンション3L及び3Rの一方の内圧を加圧し、その加圧分だけ他方の内圧を減圧する。このため、内圧PLb及びPRb間の平均値(図示せず)は、車高調整非実行時のサスペンション3L及び3Rの内圧平均値に等しく、内圧PLb及びPRb間の平均値から車高調整非実行時の1次係数aを図10(2)のデータ表又は図11(1)のグラフから一意に特定することができる。
なお、上記のステップS18において、車高調整開始時の内圧PLa及びPRaを用いて1次係数aを選択してもよい。
そして、処理部13は、上記のステップS18で選択した1次係数aを用い、上記の式(23)に従って車高調整非実行時のロール角φ2esを算出する(ステップS19)。
また、処理部13は、下記の式(24)に従い、ロール角φ2es及び車高調整終了時のロール角φ2bから補正ロール角φ2offを算出する(ステップS20)。
Figure 2011240792
このようにして算出した補正ロール角φ2offが、上記のステップS10(式(5))で検出ロール角φに加算され、以て補正後ロール角φAMDとして図2に示した横転危険度判定部22に与えられる。
以降、車高調整終了時の移動平均取得可能フラグF4が「OFF」(ステップS15)であり且つロール剛性係数算出パラメータ一部取得フラグF5及びロール剛性係数算出パラメータ全取得フラグF6が共に「OFF」(図6のステップS56)であるため、上記のステップS13→S9→S11→S10を経由する処理が繰り返し実行され、補正後ロール角φAMDが横転危険度判定部22に順次与えられることとなる。
また、製造時に発生する有効受圧面積のバラツキに起因して、実際のバネ特性と設計上のバネ特性とが相違している場合であっても、エアバネ3を使用する前(車両1の出荷時)に、設計上のバネ特性をエアバネ3の個々の性状に合わせて補正することができる。従って、バネ特性を用いて自動車高調整非実行時のロール角を求める際に、個々のエアバネ3の性状に合わせて補正されたバネ特性を用いることができ、自動車高調整非実行時のロール角をさらに適正に求めることができる。
[ロール角補正処理例[1]の連結車両への適用例:図12及び図13]
また、ロール角推定装置10は、図2に示したような単体車両に限らず連結車両にも適用することができる。以下、連結車両への適用例を、図12及び図13を参照して説明する。
図12に示す車両1は、左右後輪2L及び2R並びに左右前輪4L及び4R付近にそれぞれサスペンション3L及び3R並びに5L及び5Rを設けたトラクタ100と、このトラクタ100にカプラ(図示せず)等を介して連結され、左右輪6L及び6R付近にそれぞれサスペンション7L及び7Rを設けたトレーラ200から成り、サスペンション3L及び3Rが車高調整(車高調整装置30によるエアAPの注入又は排出)対象となっている。
このため、図2と同様のロール角推定装置10内の変位検出部11L及び圧力測定部12Lをサスペンション3Lに接続し、変位検出部11R及び圧力測定部12Rをサスペンション3Rに接続している。
この車両1においても、ロール角推定装置10内の処理部13は、上記の処理(1)〜(4)を実行して車高調整非実行時のロール角φ2es、補正ロール角φ2off、及び補正後ロール角φAMDを算出することができる。
これを図13を参照して以下に説明する。
すなわち、図13に示す如く車両1全体に荷重偏積によるロールモーメントMが生じているとすると、トラクタ100の前輪側(サスペンション5L及び5R側)におけるロールモーメントの釣り合いの式は、上記の式(6)で表すことができる。
一方、トラクタ100の後輪側(サスペンション3L及び3R側)におけるロールモーメントの釣り合いの式は、下記の式(25)で表すことができる。
Figure 2011240792
ここで、上記の式(25)中のKφ23及びφは、それぞれ、トレーラ200のフレーム捩じり剛性係数(荷物の材質や固定状況により変化する。)、及びトレーラ200側のサスペンション7L及び7Rの変位差によって生じた未知の(測定しない)ロール角である。
また、トレーラ200側(サスペンション7L及び7R側)におけるロールモーメントの釣り合いの式は、下記の式(26)で表すことができる。
Figure 2011240792
ここで、上記の式(26)中のKφ3は、設計条件等によって決定されるサスペンション7L及び7Rに共通の既知の固定ロール剛性係数である。
上記の式(25)に、上記の式(8)(式(6)をロール角φについて整理したもの)を更新してロール角φについて整理すると、下記の式(27)が得られる。
Figure 2011240792
上記の式(27)は、下記の式(28)に示す如く定義した係数K φ1を用いて下記の式(29)で表すことができる。
Figure 2011240792
Figure 2011240792
この式(29)を上記の式(26)に更新し、荷物偏積によるロールモーメントMについて整理すると、下記の式(30)が得られる。
Figure 2011240792
ここで、上記の式(30)で表されるロールモーメントMも上記の非連結車両の例と同様に荷物の積載条件が変化しない限り一定であることに着目すると、車高調整開始時におけるサスペンション3L及び3RによるロールモーメントMx2a及びその変位差によって生じるロール角φ2aと、車高調整終了時におけるロールモーメントMx2b及びロール角φ2bとには下記の式(31)に示す等号関係が成立する。
Figure 2011240792
この式(31)に、下記の式(32)に示す如くロール剛性係数Kφ1,Kφ2,Kφ3及びフレーム捩じり剛性係数Kφ12,Kφ23により定義した車両固有のロール剛性係数Kφ13を更新し、係数Kφ13について整理すると、下記の式(33)が得られる。
Figure 2011240792
Figure 2011240792
すなわち、ロール剛性係数Kφ13は、図6のステップS55(式(12))と同様、車高調整開始時及び終了時におけるロールモーメントMx2a及びMx2bとロール角φ2a及びφ2bとから求めることができる。
また、上記の式(30)は、ロール剛性係数Kφ13を用いて下記の式(34)で表すことができる。
Figure 2011240792
上記の式(34)の左辺は同一の積載条件下においては変化せず一定であるため、図12に示した車両1においても、上記の式(17)に示した車高調整終了時のロール角φ2b及びロールモーメントMx2bと、車高調整非実行時のロールモーメント(trd(FLes−FRes))及びロール角φ2esとにロール剛性係数Kφ13を用いた等号関係が成立する。
従って、処理部13は、図4のステップS19(式(23))、S20(式(24))、及びS10(式(5))の処理を順に実行することにより、車高調整非実行時のロール角φ2es、補正ロール角φ2off、及び補正後ロール角φAMDを算出することができる。
なお、上記の実施形態では、ロール角推定装置10が補正後ロール角φAMDを算出して横転危険度判定装置20に利用させる場合を扱ったが、車高調整非実行時のロール角φ2es、又は補正ロール角φ2offを横転危険度判定装置20に利用させるようにすることもできる。
このように、連結車両の場合も、非連結車両と同様に、上記の動作例[1]を適用することができ、また、上記のエアバネ特性補正処理を適用してエアバネ3のバネ特性を補正することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、車高調整中の複数の異なる時点における変位及び内圧を用いて自動車高調整非実行時のロール角を求める場合に、本発明のエアバネ特性補正処理を適用しているが、車両調整前や調整後の時点における変位及び内圧を用いて自動車高調整非実行時のロール角を求める場合や、車高調整中又はその前後の1つの時点における変位及び内圧を用いて自動車高調整非実行時のロール角を求める場合など、他の場合であっても本発明のエアバネ特性補正処理を適用することができる。さらに、自動車高調整非実行時のロール角を求める場合以外であっても、本発明のエアバネ特性補正処理を適用することができる。
本発明は、エアサスペンションを備えた車両に広く適用可能である。
1:車両
3L,3R,5L,5R,7L,7R:サスペンション
10:ロール角推定装置
11L,1R:変位検出部
12L,12R:圧力測定部
13:処理部
20:横転危険度判定装置
21:ロール角・ロール角速度検出部
22:横転危険度判定部
30:車高調整装置
50:バネ特性補正スイッチ
Z,Z,ZLa,ZLb,Z,ZRa,ZRb:エアバネ変位
Lav,ZRav:変位移動平均
P,P,PLa,PLb,P,PRa,PRb:エアバネ内圧
Lav,PRav:内圧移動平均
φ:検出ロール角
φ2a:車高調整開始時のロール角
φ2b:車高調整終了時のロール角
φ2es:車高調整非実行時のロール角
φ2off:補正ロール角
φAMD:補正後ロール角
φ1,Kφ2,Kφ3,Kφ13:ロール剛性係数
φ12,Kφ23:フレーム捩じり剛性係数
x2:サスペンションによるロールモーメント
x2a:車高調整開始時のサスペンションによるロールモーメント
x2b:車高調整終了時のサスペンションによるロールモーメント
:荷物偏積によるロールモーメント
CF1〜CF7:荷重−変位特性
EXP1〜EXP7:線形近似式
a:1次係数
b:定数
INS1:車高調整中断指示信号
INS2:車高調整再開指示信号
SG:車高調整開始信号
SG:車高調整終了信号
AP:エア

Claims (6)

  1. エアバネに所定の基準荷重が作用した際の所定の基準車高における前記エアバネの実際の内圧値を検出する第1のステップと、
    前記エアバネの設計上のバネ特性を、前記基準荷重が作用した際の前記基準車高における前記エアバネの設計上の内圧値と前記実際の内圧値とを用いて補正する第2のステップと、を備えた
    ことを特徴とする車両のエアサスペンションのバネ特性の補正方法。
  2. 請求項1に記載の補正方法であって、
    前記設計上のバネ特性は、それぞれが線形近似式によって表される荷重−変位特性及び荷重−内圧特性であり、
    前記第2ステップでは、前記設計上の内圧値を前記実際の内圧値で除算することによって補正係数を算出し、前記荷重−変位特性の1次係数と前記荷重−内圧特性の1次係数とにそれぞれ前記補正係数を乗算することによって、前記設計上の荷重−変位特性と荷重−内圧特性とをそれぞれ補正する
    ことを特徴とする車両のエアサスペンションのバネ特性の補正方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の補正方法であって、
    前記第1ステップでは、前記エアバネに前記基準荷重が作用した状態で前記基準車高と該基準車高よりも高い車高と低い車高とのそれぞれにおいて測定された少なくとも3つの内圧値の平均を前記実際の内圧値として検出する
    ことを特徴とする車両のエアサスペンションのバネ特性の補正方法。
  4. エアバネに所定の基準荷重が作用した際の所定の基準車高における前記エアバネの実際の内圧値を検出する検出手段と、
    前記エアバネの設計上のバネ特性を、前記基準荷重が作用した際の前記基準車高における前記エアバネの設計上の内圧値と前記実際の内圧値とを用いて補正する補正手段と、を備えた
    ことを特徴とする車両のエアサスペンションのバネ特性の補正装置。
  5. 請求項4に記載の補正装置であって、
    前記設計上のバネ特性は、それぞれが線形近似式によって表される荷重−変位特性及び荷重−内圧特性であり、
    前記補正手段は、前記設計上の内圧値を前記実際の内圧値で除算することによって補正係数を算出し、前記荷重−変位特性の1次係数と前記荷重−内圧特性の1次係数とにそれぞれ前記補正係数を乗算することによって、前記設計上の荷重−変位特性と荷重−内圧特性とをそれぞれ補正する
    ことを特徴とする車両のエアサスペンションのバネ特性の補正装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の補正装置であって、
    前記検出手段は、前記エアバネに前記基準荷重が作用した状態で前記基準車高と該基準車高よりも高い車高と低い車高とのそれぞれにおいて測定された少なくとも3つの内圧値の平均を前記実際の内圧値として検出する
    ことを特徴とする車両のエアサスペンションのバネ特性の補正装置。
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