JP2011240665A - 画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水性インクを使用する画像記録装置は、記録媒体の紙伸びにより、形成されるドットの着弾位置ずれが生じる。
【解決手段】画像記録装置は、制御部により1ノズルピッチ間をNパス記録する際に、移動手段が記録ヘッドを主走査方向において隣接する部分画像同士の画像記録順序差がN−2以下になるように移動させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、記録媒体にインクを吐出して画像を記録する画像記録装置に関する。
一般に、記録媒体にインクを吐出する複数のノズルが列状に設けられた記録ヘッドを搭載する画像記録装置がある。この記録ヘッドは、ノズルの集合による画像記録領域を形成し、画像データに従って、各ノズルからインクを吐出することで記録媒体に画像を記録する。固定された1つ又は複数の記録ヘッドにより記録媒体の幅を超える記録領域を形成するユニットをラインヘッドと称している。
通常、ラインヘッドは、隣接するノズル間距離(ノズルピッチ)による記録される画像の密度(解像度)が規定されている。これに対して、例えば、特許文献1においては、ラインヘッドを支持するヘッドキャリッジをノズル列方向(記録媒体の幅方向)に微小移動させて、ノズルピッチ内で形成されたドットが並ぶように複数回の記録(インクドット形成)を行うことで、ノズルピッチ以上の密度で記録媒体上にドットを形成する技術が提案されている。
このようなノズルピッチ間で行われる複数回のドット形成(部分画像記録)を指して、パスと呼称する。ノズルピッチ間の領域に並ぶように、例えば、図13に示すように、4回のドット形成を繰り返す場合には、それぞれの記録動作を1,2,3,4パス目の印刷と称する。一般に記録ヘッド又は、記録ヘッドを搭載するヘッドキャリッジの移動量はノズルピッチの整数分の1とすることが多い。つまり、ノズルピッチの1/4の距離ずつ、ヘッドキャリッジを移動する場合には、ノズルピッチの4倍の密度の画像を形成できる。
パス間のヘッドキャリッジの移動は、印刷動作を行っていないタイミングで行う必要がある。これについて、記録媒体保持機構として、回転するドラムに吸着した記録媒体(カット紙)に対して、複数パスでの印刷を行い、ラインヘッドから吐出したインクで画像を形成する画像記録装置を例として説明を行う。この画像記録装置では、ドラム上の記録媒体が吸着されていない隙間部分でヘッドキャリッジを移動する手法や、1パス目の印刷が終了した後、記録動作を行わずにドラムを1回転空回しし、その間にヘッドキャリッジを移動させる手法が考えられる。又は、特許文献2では、記録媒体をラインヘッドの下で往復搬送し、1枚の記録媒体上に複数回の印刷を行う。
さらに、特許文献3には、通常は、後述する図3(c)に示すように、1,2,3,4パス目とドットが端から順に並ぶところを、図3(d)に示すように、ドットが着弾直後に隣接しないように1つ置きに、1パス目、3パス目、2パス目、4パス目におきにして記録ヘッドを往復移動させて、インクの吸収時間を確保する手法が提案されている。
特開平11−245397号公報 特開2000−272113号公報 特許第3504020号公報
前述したインクを使用する画像記録装置では、記録媒体として、普通紙(コピー紙)を用いた場合に、水分の付着により伸び(以下、紙伸びと称する)が発生することが知られている。特に、水性インクを普通紙に吐出して画像を記録する場合に、着弾したインク量と、その着弾後の経過時間とに応じて、紙伸びが生じ、以降に形成されるドットの着弾位置ずれによる画質の低下を引き起こすこととなる。
前述した低密度のピッチで配置されたノズルを有する記録ヘッドにより高密度化及び高解像度化を図る為に、ピッチ間でヘッドキャリッジを微小移動させて数回の画像記録を行う画像記録装置においても、紙伸びは問題となっている。ヘッドキャリッジが移動される間にも、紙伸びが生じているため、画像記録における各パス目に形成されるドットの間隔は一定とならない。
例えば、図14(a)乃至図14(d)、図3(c)を参照して、4パスのドット形成による画像記録における紙伸びについて説明する。この例では、図14(a)は、1パス目の第1ドット形成後の状態、図14(b)は2パス目の第2ドット形成後の状態、図14(c)は3パス目の第3ドット形成後の状態、図14(d)は、4パス目の第4ドット形成後の状態、を表す。従って、図3(c)に示すようなドット形成順となる。なお、図14(e)は、参考として、紙伸びが発生しなかった場合の、1〜4パスのドット形成後の状態を表している。
図14(a)に示すように、1パス目で3つのノズルからインクが吐出されて、予め定められたピッチ(ノズル間距離)によるドット位置にそれぞれに第1ドットが形成される。次に、ラインヘッドを支持するヘッドキャリッジを1/4ピッチだけノズル列方向(図14中の右方向)に移動し、図14(b)に示す2パス目の第2ドット形成を行う。
この時、1パス目で形成された第1ドットの影響を受けて紙伸びが生じているが、ヘッドキャリッジの移動は、紙伸びを考慮しない予め設定された1/4ピッチの移動量である。このため、広がった実際のピッチ(ドット間距離)における1/4ピッチの位置に第2ドットが形成されず、実際の1/4ピッチの位置よりも第1ドット側に近寄って第2ドットが形成されることとなる。
以下、紙伸びにより生じた、第1,第2ドット間隔の設計値(この場合は、ヘッドキャリッジ移動量に相当)からのずれを、隣接ドット間の着弾位置ずれと称する。以降、同様にヘッドキャリッジを1/4ピッチだけノズル列方向に移動させて図14(c)に示す3パス目の第3ドットを形成し、さらにヘッドキャリッジを1/4ピッチだけノズル列方向に移動させて図14(d)に示す4パス目の第4ドットを形成する。
最終的には、図12(a)に示すように、後続して形成されるドットが最初の第1ドットに近づくように、徐々にドット間隔が詰まって形成される。この結果、図12(a)に示すように、形成されたドット間隔の不均一により、画像に濃度むらが発生し、特に1パス目で形成される第1ドットと4パス目で形成される第4ドットとの間の白筋が目立つことになり、画像品位を低下させてしまう。
同様に、引用文献3によるドット形成順によれば、図3(d)に示すように、1パス目に形成されたドットと、4パス目に形成されたドットとが隣接することとなる。これは、インクの浸透を行うための時間を設けている結果であり、後述するように紙伸びの影響は従来のドットの形成順との差異はない。このため、紙伸びの影響を受けて、隣接ドット間の着弾位置ずれが生じている。
そこで本発明は、水性インクを用いた画像記録時に記録媒体の紙伸びによる隣接ドット間のドット間隔不均一を抑制し、紙伸びによる画像品位の低下を抑制する画像記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に従う実施形態は、インクを吐出する複数のノズルを主走査方向に沿って所定ピッチ間隔で配列した記録ヘッドと、記録媒体を前記主走査方向に直交する副走査方向に沿って、前記記録ヘッドに対して複数回搬送させる搬送手段と、前記搬送手段によって前記記録媒体が前記記録ヘッドに対して搬送される際に、前記複数のノズルからインクを吐出させて、前記記録媒体上に部分画像を記録する記録制御手段と、前記記録制御手段による部分画像記録が終了した後に、前記記録ヘッドを前記主走査方向に沿って微少量だけ移動させる移動手段と、を有し、前記記録制御手段による1回目の部分画像記録の後、前記移動手段による前記記録ヘッドの主走査方向への移動と、当該記録ヘッドの移動後に行う部分画像記録とを、N−1回(Nは4以上の整数)繰り返すことで、前記記録ヘッドの1回の部分画像記録の解像度に対してN倍の解像度の全体画像を記録する画像記録装置であって、前記移動手段は、主走査方向において隣接する部分画像同士の画像記録順序差がN−2以下になるように、前記記録ヘッドを移動させる画像記録装置を提供する。
本発明によれば、水性インクを用いた画像記録時に記録媒体の紙伸びによる隣接ドット間のドット間隔不均一を抑制し、紙伸びによる画像品位の低下を抑制する画像記録装置を提供することができる。
図1は、本発明に係る第1の実施形態の画像記録装置の概念的な構成例を示す図である。 図2は、画像記録装置に搭載される記録ヘッド及びその周囲の構成部位を示す図である。 図3(a)は、第1の実施形態による4パス記録ドット配置順序を示す図、図3(b)は、第2の実施形態による4パス記録ドット配置順序を示す模 図、図3(c)は、従来の画像記録による4パス記録ドット配置順序を示す模式図、図3(d)は、引用文献3による4パス記録ドット配置順序を示す模式図である。 図4(a)乃至図4(d)は、第1の実施形態の4パス記録における隣接ドット間で記録パス差を小さくする手法について説明するための模式図である。 図5(a)乃至図5(d)は、第2の実施形態の4パス記録における隣接ドット間で記録パス差を小さくする手法について説明するための模式図である。 図6(a)は、第3の実施形態のNパス記録における第1のドットの位置関係を示す図、図6(b)は、その第2のドットの位置関係を示す模式図である。 図7(a)乃至図7(c)は、第6の実施形態における異なる記録ヘッド間の繋ぎ目の部分画像における繋ぎ位置選択とドットの位置関係を説明する模式図である。 図8(a)は、ヘッド繋ぎ目において大きな隣接ヘッド間パス間差が生じる場合を示す模式図、図8(b)は、第6の実施形態における異なる記録ヘッド間のヘッド繋ぎ目における繋ぎ位置選択とドットの位置関係を説明する模式図である。 図9(a)乃至図9(d)は、第6の実施形態における繋ぎ位置の選択ドットと、その隣接ドット間のパス差について説明するための模式図である。 図10は、第8の実施形態のNパス記録による異なる記録ヘッド間の繋ぎ目の部分画像における繋ぎ位置選択とドットの位置関係を説明する模式図である。 図11は、第5の実施形態におけるヘッドキャリッジの移動順序を説明する模式図である。 図12(a)は、従来の方法で記録を行った際の紙伸びにより4パス目と1パス目の間に現れる白筋を説明する模式図、図12(b)は、第1の実施形態による記録手法により、白筋が低減されることを説明する模式図である。 図13は、従来の4パス記録ドット配置順序を示す図である。 図14(a)乃至図14(d)は、従来の4パス記録ドット配置で記録を行った際の紙伸びにより4パス目と1パス目の間に現れる白筋を説明する模式図、図14(e)は、紙伸びが生じない時の従来の4パス記録ドット配置を示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1には、本発明に係る第1の実施形態の画像記録装置の概念的な構成例を示している。図1において、記録媒体の搬送方向で上流側から下流側に向かう方向をX軸方向とし、記録媒体の幅方向をY軸方向とし、上方をZ軸方向とし、それぞれの軸方向は互いに直交している。また、以下の説明において、X軸方向は、記録媒体搬送方向及び副走査方向であり、後述する円筒ドラムの直径方向は、インク吐出方向である。さらに、Y軸方向は、ドラムの回転軸方向、ノズル配列方向、ヘッドキャリッジ移動方向及び主走査方向と同一方向である。勿論、これらの方向は、装置構成により設定されるものであり、必ずしも同一方向に限定されるものではない。
本実施形態の画像記録装置1は、例えば、水性インクを用いたインクジェット方式の記録ヘッドにより画像を記録するプリンタである。画像記録装置1は、インクを吐出する記録ヘッド10と、記録ヘッド及び装置全体を制御する制御部12と、記録媒体を搬送する搬送機構20と、記録媒体を搬送機構20に供給する供給機構21と、記録媒体を画像記録装置1から排出する排出機構22が設けられている。搬送機構20は、静電吸着によって記録媒体を表面に吸着、又は、任意のタイミングで剥離可能なドラム(記録媒体保持部)と図示しないプーリやガイド部材等により構成されている。
画像記録装置1は、上位の外部機器、例えば、ホストコンピュータ(以下、ホストPCと称する)2が接続されており、ユーザの操作により、ホストPC2から記録すべき画像データのジョブを画像記録装置1に送出する。また、ホストPC2からの画像記録装置1への各種設定を変更又は設定することができる。
図2は、画像記録装置1に搭載される記録ヘッド10及びその周囲の構成部位を示す模式図である。
ヘッドキャリッジ30には、記録媒体搬送方向の上流側から、Kインク記録ヘッド列13、Cインク記録ヘッド列14、Mインク記録ヘッド列15及び、Yインク記録ヘッド列16の順で段並行に配置されている。それぞれの記録ヘッド列は、記録ヘッド10を記録媒体搬送方向に前後するように並べて構成されており、記録媒体の幅全体にわたって記録画像を記録することができる。以下の説明において、記録媒体の幅を超える記録領域に画像形成を行うラインヘッドを構成する複数の記録ヘッドのそれぞれを、短尺記録ヘッドと称している。
それぞれの記録ヘッド10は、記録媒体幅方向に隣接する他の記録ヘッドと、画像記録領域の端部分が記録媒体搬送方向に重複するように並べられている。記録ヘッド10には、図示しない複数の記録ノズル11が配列するように設けられている。以下の説明において、この記録ノズル11の配列を、ノズル列と称している。尚、記録ヘッドにおいて、ノズル列によるインク吐出で画像が記録される領域を画像記録領域としている。
ヘッドキャリッジ30によって、各記録ヘッド列が搬送機構20の上方に予め定められたギャップを空けて保持されている。ヘッドキャリッジ30はヘッドキャリッジ移動機構31によって、記録ヘッド10のノズル配列方向(図2においては、代表として、1つの記録ヘッドにノズル列を記載している)に移動することができる。尚、図2においては、前述したように、ノズル配列方向、ヘッドキャリッジ移動方向及び主走査方向は、同一方向である。
ヘッドキャリッジ移動機構31は、基準部材32とヘッドキャリッジ30の相対位置を変化させる。基準部材32は、例えば、画像記録装置1のフレーム部材である。また前述した搬送機構20も基準部材32に対して位置決めされている。このような位置決めにより、ヘッドキャリッジ移動機構31は、搬送機構20に対して、ヘッドキャリッジ30の位置を記録ノズル列の方向(主走査方向)に移動可能である。ヘッドキャリッジ移動機構31は、制御部12によって、その移動距離及び移動タイミングが制御される。
画像記録装置1が複数パスの記録動作によって、記録媒体に画像を記録する手法について説明する。
まず、ホストPC2から画像記録装置1に印刷要求及び画像データが送出される。制御部12は、送られた画像データに基づき、記録ヘッド10を駆動するとともに、供給機構21からドラムからなる搬送機構20に記録媒体を供給させる。搬送機構20は、供給された記録媒体を吸着して回転し、記録ヘッド10のノズル列前方を通過させる。この通過の際に、記録ヘッド10は、記録媒体上にインクを吐出して、記録媒体上に1パス目の部分画像が記録される。以下の説明において、ピッチ間を複数パス、例えば4パスにより画像を記録する場合には、各々の1パスで記録される画像を部分画像と称している。
1パス目の部分画像が記録された後、制御部12は、ドラム表面に1パス目の部分画像を記録した記録媒体を吸着保持したまま記録時と等速で回転させた状態で、ヘッドキャリッジ移動機構31を制御し、非記録時にヘッドキャリッジを微少量、例えば1/4ピッチだけ移動させる。即ち、ヘッドキャリッジ移動機構31は、搬送機構20が1周回転するより前に、即ち、記録媒体の後端部が記録ヘッド下方を抜け出て、再度、記録媒体の先端が記録ヘッドに到達する前に、ヘッドキャリッジ30の移動を完了させる。
保持されている記録媒体が、再度、記録ヘッド10の下方を通過する際に、インクが吐出されて、記録媒体上に2パス目の部分画像を記録する。以降、同様に、画像記録装置1は、記録媒体上に3,4パス目にそれぞれ部分画像を記録する。そして、4パス目の部分画像の記録が終了した後、制御部12は、搬送機構20の表面に静電吸着された記録媒体を剥離させて、排出機構22によって排出させる。
また4パス目の部分画像の記録が終了した後、ヘッドキャリッジ移動機構31は、ヘッドキャリッジ30を4パス目の記録位置から1パス目の記録位置を越えた原点位置まで一旦、戻した後、1パス目の記録位置に移動させて停止する。
尚、ヘッドキャリッジの位置検出方法としては、例えば光学センサを使用する方法が考えられる。また、1パス目の部分画像を記録するヘッドキャリッジの位置(初期位置)のみを検出して、ヘッドキャリッジの位置設定を行い、以降の2パス目、3パス目及び4パス目の記録位置は、予め設定された距離のみをヘッドキャリッジ30を移動する方法や、又は、1〜4パス目記録時のヘッドキャリッジ30の位置全てをセンサで検出して位置を定める方法が考えられる。
次に、本実施形態における、紙伸びによる画像品位低下を防止するヘッドキャリッジ移動機構31によるヘッドキャリッジ30の移動手法について説明する。
まず、紙伸びと着弾位置ずれの関係を説明するために、記録パス及び、紙伸び量等のパラメータでドット座標を記述する。ドットを記録媒体に形成する際に、着弾すべき位置の座標X0と、紙伸びによるドットの着弾位置の移動を用いると、ドットの座標Xは、次の(式1)記述することができる。但し、ドット座標Xは、移動しない原点(最初のドットの形成位置)を基準に記述している。
またここでは簡略化のためにノズル列の方向に設けた1次元座標軸のみについて考える。尚、前述した4パスについては、1回目のパスを1パスとして説明しているが、数式においては、移動しない原点、即ち、0位置が1パス目となるため、係数としては、j:1パス目を0パスとし、以降2,3,4パス目を1,2,3パスとして、j=0〜3と記述している。
Figure 2011240665
ここで、(式1)で使用した記号の意味は以下の通りである。X[mm]:時刻t[s]に観測したドットの座標とする。X0[mm]:記録しようとする座標(ノズルの真下の座標)とする。t[s]:0パス目のドット形成を行った時刻を0[s]としたときの、ドット座標を観測した時刻とする。α[mm/s/mm]:単位時間、単位長さ当たりの紙伸びの割合とする。但し、ここでは、紙伸びの値(紙伸び率)は一定であると仮定している。実際には、紙伸びは、インクの着弾量にも依存するため、例えば、0パス目のドット形成(又は、部分画像記録)後の紙伸び速度と、1パス目のドット形成後の紙伸び速度は異なっている。β[s]:パス間時間[s]とする。これは、jパス目のドット形成からj+1パス目のドット形成までの間に要する時間である。j:何パス目に形成されたドットであるかを示す。例えば、j=0〜3とする。
次に、(式1)を用いて、主走査方向の隣接ドット間の着弾位置ずれを表記する。すでに述べたように、隣接ドット間着弾位置ずれとは、主走査方向における互いに隣接する2つのドット間の距離が、設計されたドット間隔から乖離するずれ量を指す。この値が正ならば、隣接ドット間距離が設計値(紙伸びが無い)に比べ長くなり、一方、この値が負ならば、隣接ドット間距離が設計値に比べて短くなる。
jパス目で形成したドットと、kパス目で形成したドットが隣り合う場合の隣接ドット間の着弾位置ずれを以下で計算する。但し、jパス目で形成したドットはkパス目で形成したドットに対して、X座標が小さい位置にあるとして考えている。ここで、jパス目で形成したドットの座標をX(j)、kパス目で形成したドットの座標をX(k)、jパス目で形成したドットとkパス目で形成したドットが隣接する際のドット間着弾位置ズレ量をΔXとする。
Figure 2011240665
Figure 2011240665
画像記録から十分長い時間が経過した後で、どのような記録結果となっているかを、(式4)を参照して考える。画像記録後の経過時間が十分長ければ、t>>k*βとなり、(式4)を以下のように考えることができる。
Figure 2011240665
ここで、(式5)の第1項は、ドットの座標や記録パスに拠らない定数であり、画像記録した記録媒体上で均一な隣接ドット間の着弾位置ずれとなる。しかし、第2項は、記録パスk, jとドットの記録位置X0に依存するため、用紙内で均一な隣接ドット間の着弾位置ずれとならない。このような均一でないドット位置ずれは、記録された画像の濃度むらや、インクが着弾していない又はインク色が極薄い白筋の発生あるいは隣接するドット同士が重なり合う黒筋を引き起こし、画像品位を低下させる原因となる。
そこで、第1項は無視し、(式5)から導かれる隣接ドット間の着弾位置ずれの大きさ|ΔX|について考える。(式5)の第1項を無視したときの|ΔX|は、次式で表すことができる。
Figure 2011240665
この(式6)により、画像品位を低下させる原因となる紙伸びによる隣接ドット間の着弾位置ずれの大きさが数式で表現できる。(式6)によると、隣接ドット間の着弾位置ずれの大きさは、隣接する2つのドットが、どのようなパスで記録され、2つのドット間でどれだけのパス差|j−k|があるかに依存している。
つまり、隣接するドット間で記録パス差|j−k|が大きければ、隣接ドット間の着弾位置ずれは大きくなり、逆に隣接するドット間で記録パス差が小さければ隣接ドット間の着弾位置ずれも小さくなる。本発明ではこれを利用し、隣接ドット間でパス差が小さくなるように記録を行うことで、紙伸びによる隣接ドット間の着弾位置ずれを低減する。
図3(a)、及び図4(a)乃至図4(d)を参照して、第1の実施形態による隣接ドット間で記録パス差を小さくする手法について説明する。尚、図3(c)は、本実施形態と対比するために、端から順にパス移動する従来の画像記録の手法を示し、図3(d)は、同様に引用文献3による画像記録の手法を示す図である。
本実施形態において、ヘッドキャリッジ移動機構31は、ヘッドキャリッジ30(記録ヘッド10)を往復移動させて、4パス記録を行う。以下では、説明を明確にするために、記録される画像を一段のドット形成として示しているが、実際には、記録媒体が搬送されているため、図12(b)に示すように部分画像を形成している。また、ヘッドキャリッジ移動機構31は、直接的には、ヘッドキャリッジ30を移動させる機構であるが、ヘッドキャリッジ30は複数の記録ヘッドが設けられているため、以下の説明においては、記録ヘッドの単位で、移動の手法について記述している。
画像記録装置1は、図4(a)において、1パス目で、3つの第1ドットを形成する。次に、図4(b)に示すように、記録ヘッド10は、ノズルピッチの1/4の距離に相当する1/4ピッチを矢印A方向(前述した主走査方向)に移動されて、記録ヘッドにより、2パス目の第2ドットを形成する。
さらに、第2ドット形成の後、図4(c)に示すように、記録ヘッド10がノズルピッチの2/4の距離に相当する2/4ピッチを矢印A方向に移動されて、3パス目の第3ドットが形成される。従って、1パス目の第1ドット形成位置から3/4ピッチの距離が移動されることとなる。この第3ドットは、次のノズルの形成した第1ドットと隣接する。
次に、第3ドット形成の後、図4(d)に示すように、記録ヘッド10がノズルピッチの1/4に距離に相当する1/4ピッチを逆方向(矢印B方向)に移動されて、4パス目の第4ドットが形成され、全体画像の記録が完了する。
記録完了後には、次に供給される記録媒体に対する画像記録のために、記録ヘッド10は、1パス目の画像記録位置に戻される。
このように、図3(a)に示す記録手法によれば、記録された全体画像における主走査方向の隣接ドット間のパス差は、1,2,1,2となり、最大値は2となる。これは、図3(c)に示す従来の一般的なヘッドキャリッジ移動の手法、及び図3(d)に示す引用文献3による手法に比べて、隣接ドット間のパス差の最大値を低減できる。
図12(b)は、本実施形態の画像記録手法によって記録された全体画像を示している。図12(b)においては、本実施形態のヘッドキャリッジ(又は、記録ヘッド)移動の手法を用いて4パスによる部分画像を形成したことにより、時間的に最初の形成される第1ドットによる部分画像と、最後に形成される第4ドットによる部分画像との間に、途中に形成される第3ドットによる部分画像を記録しているため、図12(a)において白筋となった領域が狭まり、人の目には白筋として視認されず、高画質な画像として認識される。
図12(a)においては、時間的に最初に記録される部分画像と、最後に形成される部分画像が隣接し、さらに、その期間中に紙伸びの発生が重畳することにより、画像上に白筋が発生する原因となっている。従って、最初の記録された部分画像と、最後に記録された部分画像が隣接しないことが重要であり、これは、後述するように4パス記録以上のパス数の画像記録においても同様である。
本実施形態によれば、従来の画像記録手法(図3(c)、図3(d)参照)によって記録された全体画像(図12(a)参照)に対して、紙伸びの影響による隣接ドット間の着弾位置ずれを低減でき、記録された画像の濃度むら、特に白筋の発生を抑えて、画像品位を向上させることができる。尚、上記の例では図3(a)の通り、1、2、4、3パス目に印刷されるドットが順に並ぶ場合を取り上げて説明を行ったが、これは1例である。例えば、図3(b)に示す通り、1、3、4、2パス目に印刷されるドットが順に並ぶようにヘッドキャリッジ30を移動し、印刷を行っても図3(c)、図3(d)の手法に比べて、隣接ドット間のパス差の最大値を低減できる。
さらに、本実施形態は、搬送機構20は、静電吸着によって表面に記録媒体を吸着可能なドラムであると述べたが、必ずしもこの限りではない。例えば、ベルトを用いた搬送機構でもよい。又は、特許文献2に記載されたような平面上に記録媒体を保持するような搬送機構であってもよい。また、記録媒体は静電吸着以外にもローラーによる挟み込みや、空気圧を利用した吸引によって搬送機構20に吸着又は、保持してもよい。
本実施形態においては、記録ノズル列方向の紙延びについてのみ言及し、媒体搬送方向の紙伸びについては言及しなかったが、本実施形態の効果は、記録ノズル列方向の紙伸びによる着弾位置ずれを抑制するだけではない。隣接ドット間のパス差を低減することで、隣接するドット間で搬送方向の紙伸びの影響が似通ったものとなる。これにより記録媒体搬送方向の紙伸びによる隣接ドット間の着弾位置ずれも低減される。
次に第2の実施形態の画像記録装置について説明する。
本実施形態では、1パス目から4パス目までの記録の間に、ヘッドキャリッジ移動機構31がヘッドキャリッジ10を往復移動させずに、一方向にのみ移動して4パス記録を行う例である。以下では、説明を明確にするために、記録される画像を一段のドット形成として示しているが、実際には、第1の実施形態と同様に、記録媒体が搬送されているため、図12(b)に示すように部分画像を形成している。
図5(a)乃至図5(d)を参照して、第2の実施形態における隣接ドット間で記録パス差を小さくする手法について説明する。
画像記録装置1は、図5(a)において、1パス目で、3つの第1ドットを形成する。次に、図5(b)に示すように、記録ヘッド10は、ノズルピッチの1/4の距離に相当する1/4ピッチを矢印A方向(前述した主走査方向)に移動されて、記録ヘッドにより、2パス目の第2ドットを形成する。
次に、第2ドット形成の後、図5(c)に示すように、記録ヘッド10がノズルピッチの2/4の距離に相当する2/4ピッチを矢印A方向に移動されて、3パス目の第3ドットが形成される。これらの第1,第2,第3ドットは、前述した第1の実施形態と同じ手法である。第3ドットは、次のノズルが形成した第1ドットと隣接している。
その第3ドット形成の後、図5(d)に示すように、記録ヘッド10は、ノズルピッチの3/4に距離に相当する3/4ピッチを前記移動方向と同一の方向(矢印A方向)に移動され、4パス目の第4ドットが形成され、全体画像の記録が完了する。尚、1パス目の記録から4パス目の記録までの間において、記録ヘッド10が往復動作をしないため、ノズル列の両最端にあるノズルによる第1,第2,第3ドットは形成されるものの、4パス目において、図5(d)に示すように、左から3番目のドット形成予定位置に対して第4ドットが形成されない、又は、右から1番目のドット形成予定位置に対して第4ドットが形成されてしまうと、隣の第3ドットから2ドット分空いて形成されることとなる。従って、部分画像の形成は、ノズル列の両最端のノズルのうち、記録ヘッド10の移動方向後端側ノズルについては、3パス目から使用し始めるとし、記録ヘッド10の移動方向先頭側ノズルについては、1パス目から3パス目まで使用することになる。
また、これらのノズル列の端のノズルには、画像データを割り当てずにインク不吐出にしてもよい。尚、一般的なラインヘッドにおいては、ノズル列長(画像記録領域長)が記録媒体の幅を超える長さで設けられており、両側2ノズルが省かれても、画像記録に対して支障となることはない。勿論、両端の2ノズル分を増加して作製してもよい。
尚、4パス目の部分画像の記録を行い、画像記録が完了した後には、記録ヘッド10は一旦、1パス目のドット形成位置を超えた位置、即ち図5(a)に示す記録ヘッド10の位置よりも左方の位置に戻る。これは、ヘッドキャリッジ移動機構31におけるバックラッシの影響が現れないように、記録ヘッド10は、既に画像記録時の移動方向と同じ方向に移動している状態で1パス目の記録位置に停止して、画像記録を開始することが好ましい為である。そこで、4パス目の部分画像記録を行った後、記録ヘッド10を一旦、1パス目の記録位置を行き過ぎるまで逆方向に移動して停止させる。その後、1パス目を部分画像の記録する位置まで記録ヘッド10を移動して停止する。この停止位置から画像記録を開始させる。
以上のように本実施形態は、ヘッドキャリッジ移動機構31により記録ヘッド10を一方向(順方向)のみに移動することで、ヘッドキャリッジ移動機構31の駆動機構に逆方向に対するバックラッシが存在したとしても、その移動量に誤差が生じることがなく、正確に位置に移動させることができる。
よって、本実施形態によれば、記録ヘッド10を1/4,2/4,3/4ピッチずつ、一方向に移動すれば、往復移動によるバックラッシが無く、ヘッドキャリッジ移動量の誤差を防止することから、記録媒体上の1ノズルピッチ間に、1パス目に形成した第1ドットから、2パス目、4パス目、3パス目に形成した、第2ドット、第4ドット、第3ドットの順に並べることができる。
本実施形態による画像記録装置は、紙伸びの影響による隣接ドット間着弾位置ずれを低減でき、記録された画像の濃度むらや白筋、黒筋の発生を抑え且つ、ヘッドキャリッジ移動量の誤差を防止することから、さらに、画像品位を向上させることができる。
また、ヘッドキャリッジ移動機構31にバックラッシが存在しても利用できることから、一般的な構造、例えば、ギアとカムを含み、アクチュエータを駆動源としてヘッドキャリッジ30の移動に変換する駆動機構等を用いることができる。よって、ヘッドキャリッジ移動機構は、簡易な構造で且つ、汎用的な低コストの構成部材を採用することができる。
次に、第3の実施形態の画像記録装置について説明する。
本実施形態は、4パスよりも大きいパス数であっても紙伸びの影響による着弾位置ずれを防止して画像形成する画像記録装置である。
例えば、Nが偶数である場合、Nは整数Mを用いてN=2*Mと表すことができる。この場合、1パス目に形成されたドットから順に主走査方向に沿って、記録ヘッド10が移動して、図6(a)に示すように、形成されたドットが1パス目から順に、1,2,4,…,2*(M−1),2*M,2*M−1,…,5,3パスの順に並ぶように、記録ヘッド10を移動する。又は、形成されたドットが1パス目から順に主走査方向に沿って、図6(b)に示すように、1,3,5,…,2*M−1,2*M,2*(M−1),…,4,2パスの順に並ぶように、記録ヘッド10を移動する。
いずれの記録手法でも、図示するように、隣接ドット間のパス差の最大値は2である。例えば、Nパス記録の際に、順方向に1/Nピッチに相当する距離ずつN−1回のキャリッジ移動を行った時の隣接ドット間のパス差(この場合、パス差の最大値はN−1)と比較して、隣接ドット間のパス差の最大値を小さくすることができ、紙伸びによる隣接ドット間着弾位置ずれがさらに低減される。
またNが奇数である場合、Nは整数Mを用いてN=2*M+1と表すことができる。この場合にも同様に、形成されたドットが1パス目から順に、1,2,…,2*M,2*M+1,2*(M−1)+1,…,5,3パスの順に並ぶように、記録ヘッド10を移動する。又は、形成されたドットが1パス目から順に、1,3,5,…,2*(M−1)+1,2*M+1,2*M,…,4,2パス目の順に並ぶように記録ヘッド10を移動することで、本発明を適用することができる。
ここで、本実施形態における記録ヘッド10の移動順序を、改めて式を用いて説明する。記録媒体上の1ノズルピッチ間の領域へ、N回の部分画像の記録によって、画像記録を行う画像記録装置1を例とする。
キャリッジの移動順序は、Nが偶数である場合(N=2M)、1パス目から順に隣り合うドットにi=1〜Nの番号を振った時、i番目ドットの印刷パス番号p(i)は(式7)又は、(式8)で表される。またNが奇数である場合(N=2M)、i番目ドットの印刷パス番号p(i)は(式9)又は、(式10)で表される。
Figure 2011240665
Figure 2011240665
Figure 2011240665
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また、本実施形態では、水性インクでNパス記録を行う際の紙の伸び速度は一定であるとしたが、実際には記録媒体に記録された累計インク量に応じて、単位時間当たりの紙の伸び量は変化する。例えば、1パス間に生じる単位長さ当たりの紙の伸び量は、記録パス番号が後になるほど(記録媒体に記録された累計インク量が増えるほど)、増加する場合がある。
そこで本実施形態としては、記録パス番号が大きな数となるドット同士での隣接ドット間のパス差を低減するように記録ヘッド10(ヘッドキャリッジ30)の移動順序を決定することを特徴とする画像記録装置も考えられる。あるいは使用する紙とインクの特性によっては、紙に最初にインクを吐出した際に、最も大きく紙が伸びる場合もある。
この際には、1パス間に生じる単位長さ当たりの紙の伸び量は、記録パス番号が先であるほど、大きい。この為本実施形態としては、記録パス番号が小さな数となるドット同士での隣接ドット間のパス差を低減するように記録ヘッド10(ヘッドキャリッジ30)の移動順序を決定することを特徴とする画像形成装置も考えられる。
本実施形態及び前述した第1,第2の実施形態では、ヘッドキャリッジ30に複数色のインクを吐出する複数の記録ヘッド列が一体的に保持されている例を示したが、必ずしも、この限りではない。記録ヘッド列のそれぞれが個別に移動機構によって移動することで複数パス記録を行う場合でも、移動機構の移動手法を本実施形態に適用して決定することができる。
以上のように第3の実施形態によれば、パス数が4より大きい整数Nを用いたNパス記録によっても、記録ノズルピッチよりも高いドット密度で画像を記録し、且つ隣接ドット間の着弾位置ずれを低減することができる。
次に、第4の実施形態の画像記録装置について説明する。
前述した第1,3の実施形態においては、1ノズルピッチ領域において、同じノズルにより、4パス又は4パス以上のNパスにより部分画像を記録していた。本実施形態では、1ノズルピッチ領域を越えて、即ち、1ノズルピッチ以上を含めたピッチでヘッドキャリッジ30(記録ヘッド10)を移動させる例である。
本実施形態では、記録ヘッド10を1ノズルピッチに相当する距離よりも大きな距離だけ、例えば、1、2、3パス目のドット形成後のそれぞれで、ノズルピッチの(1+4a)/4、(2+4b)/4、(3+4c)/4の距離だけ、ヘッドキャリッジ30を一方向に動かすことで、主走査方向に隣接する2つのドットは異なるノズルで形成される。但し、a,b,cは正の整数とする。
他の手法としては、ノズルピッチの(3+4a)/4、(2+4b)/4、(1+4c)/4の距離だけ一方向に動かしてもよい。尚、記録ヘッド10を1ノズルピッチ以上の距離を移動させること自体は、公知の技術である。
このような記録ヘッド10を移動させる手法により、1ノズルピッチ領域内で複数の異なるノズルにより部分画像を記録することができる。
本実施形態の効果を以下に説明する。製造誤差等により特定のノズルの開口径が、隣接又は近傍の他のノズルよりも大きく製造されていた場合、一度に吐出されるインク量が他のノズルよりも多く、形成されるドット径が他よりも大きくなる場合がある。一般的には、この径の大きなドットによる部分画像が連続して並ぶと、一様な濃度のベタ画像であっても、その1ノズルピッチ部分が濃い筋となる。
本実施形態によれば、本実施形態のヘッドキャリッジの移動手法により、隣接する部分画像が異なるノズルにより記録することにより、ノズルの濃度特性に起因する濃度むらを目立たなくさせることができると共に、紙伸びの影響による着弾位置ずれを抑制して、画像品位を低下を抑制させることができる。
次に、第5の実施形態の画像記録装置について説明する。
本実施形態は、記録時の記録媒体を吸着保持するドラムが、同時に複数の記録媒体を吸着して、それぞれの記録媒体に対して、ヘッドキャリッジの移動手法を用いた部分画像記録により、紙伸びの影響による隣接ドット間の着弾位置ずれを低減する画像記録装置である。
1つのドラム表面に複数の記録媒体を吸着保持させる場合は、供給機構21によりドラムに記録媒体を順次供給することとなり、1回転中に連続して供給できなければ、先行の記録媒体に対して、後続する記録媒体の画像記録のタイミングをずらすことになる。例えば、先行する記録媒体がドラムに供給された後に、ドラムを1周乃至複数周させた後に後続する記録媒体を供給した場合である。
以下、図11を参照して、画像記録のタイミングをずらした時のヘッドキャリッジの移動手法について説明する。図11において、[1]は、本実施形態の1パス目から6パス目までの記録ヘッド10の移動手法を示している。[2]は、1枚の記録媒体における第1の実施形態と同じ記録パスによるドット形成位置及び隣接ドット間のパス差を示す。[3]は、2枚の記録媒体A(記録パスA)及び記録媒体B(記録パスB)におけるドット形成位置及び隣接ドット間のパス差を示している。本実施形態の記録ヘッド10の移動手法では、記録ヘッド制御部によって、1パス目のドット形成の後に、記録ヘッド10は、前記順方向に沿って、それぞれがノズルピッチの1/4ピッチ、2/4ピッチ、3/4ピッチ、2/4ピッチ及び、1/4ピッチに相当する距離だけそれぞれ移動される。
本実施形態においては、計6パスの期間中に、2枚の記録媒体それぞれに対して、4パス(4回)の部分画像記録を行う例である。図11の[3]において、2つの記録パスA,Bは、[1]の記録パスが1パスから6パスまで行われるドット形成(部分画像の記録)において、2枚の記録媒体それぞれに対してドット形成が行われるパスの番号を、1パスから6パスまでの記録パスの通し番号で見た場合の数字である。ここでは、先行する1枚目の記録媒体Aには1〜4パス目に部分画像の記録が行われ、後続する2枚目の記録媒体Bには3〜6パス目に部分画像の記録が行われている。
具体的に説明すると、先行する記録媒体Aがドラムに供給され、吸着保持された後、記録媒体Aに対して1パス目、2パス目でそれぞれ2回の部分画像の記録を行う。そのドラムが2回転する間に、後続する記録媒体Bがドラムに供給されて吸着保持される。次の記録媒体Aに対する3パス目において、記録媒体Aには、3回目の部分画像の記録を行い、記録媒体Bには、1回目の部分画像の記録を行う。
さらに、4パス目において、記録媒体Aに対する4回目の最後の部分画像を記録を行い、記録媒体Bに対しては2回目の部分画像の記録を行う。その後、画像記録が完了した記録媒体Aはドラムから剥離されて排出されるが、記録媒体Bは、そのままドラムに吸着保持され、5パス目において3回目の部分画像の記録を行い、次の6パス目において4回目の最後の画像記録を行い、その後ドラムから剥離され排出される。
本実施形態におけるドラムとして、例えばドラム円周上が2以上の領域に分割されており、各々の領域に対して個別に、吸着、剥離の制御が可能であるものが考えられる。
以上説明したように本実施形態のヘッドキャリッジの移動手法は、記録媒体保持機構であるドラムに連続して、搬送機構が記録媒体を供給させられない構成であっても、例えば、2パス分、遅延させて、部分画像の記録を行うことで、6パスにより少なくとも2枚の記録媒体に対して、紙伸びの影響による隣接ドット間の着弾位置ずれを低減し、記録された画像の濃度むらや白筋の発生を抑えて、画像品位を向上させることができる。
次に、第6の実施形態の画像記録装置について説明する。
本発明の実施形態で用いている図2に示す複数の短尺記録ヘッドを配列して、ラインヘッドの記録領域を形成する記録ヘッドにおいては、隣接する短尺記録ヘッドのノズル列の端で互いに搬送方向に重なり合う画像の繋ぎ部分が存在する。本実施形態は、短尺記録ヘッドにおける部分画像の繋ぎ部分においても、紙伸びの影響を低減した画像記録を行う画像記録装置である。
短尺記録ヘッド間の繋ぎ目部分では、異なる短尺記録ヘッドのそれぞれのノズルから吐出されたインクで互いに隣接するドットが形成される。これらの隣接する2つのドットの間の距離は、ノズル列の重なり具合、即ち、短尺記録ヘッドの取り付け位置によって決定される。
短尺記録ヘッドの繋ぎ目以外の部分では、均一なノズルピッチおよび正確な記録ヘッド搬送量によって決定される、均一なピッチによるドットが形成される。しかし、前記繋ぎ目部分における隣接ドット間の距離は、2つの短尺記録ヘッドの相互の取り付け位置関係によって、大きく異なる。このような2つの短尺記録ヘッドの繋ぎ目で発生するドットピッチの不均一に対応するために、一般的には、2つの短尺記録ヘッドにおいて、繋ぎ目部分を形成するドットのサイズを補正(又は、製造時の調整)している。
図7(a)乃至図7(c)を参照して、従来から実施されている繋ぎ目部分を形成するドットのサイズ補正について説明する。図7(a)は、複数のノズルを有する2つの短尺記録ヘッド10aと短尺記録ヘッド10bの取り付け位置関係を示している。図7(b)は、未補正のノズルにより吐出されたインクにより形成されたドットを示している。図7(c)は、前記繋ぎ目部分で隣接するように記録された2つのドット間の距離に応じて、各々のノズルからの吐出インク量を補正して形成されたドットを示している。
部分画像の繋ぎ目部分に形成されるドットの位置関係と、繋ぎ目部分における補正処理について説明する。短尺記録ヘッド10a,10bが、図7(a)に示した位置関係にある場合、繋ぎ目部分のドットを形成する端ノズル11aと端ノズル11bとの間隔が、各短尺記録ヘッド10a,10bのノズル配列ピッチに対して狭くなっている。このため、端ノズル11aと、端ノズル11bとで記録される2つのドット間の距離も、図7(b)に示すように、他のノズルで記録されたドット間距離よりも狭くなる。ドット間距離が他よりも狭いため、この繋ぎ目部分の画像が濃筋となるため、通常は、図7(c)に示すように、各端ノズルから吐出されるインク量を交互に少なくし、ドット径が小さくなるように補正して、繋ぎ目部分の濃度むらを目立たなくしている。
インク量を補正する手段は、例えば各ノズルに対応して定められた誤差拡散係数に基いて行う印刷画像の補正や、記録ヘッド制御の補正など既知の手法を用いれば良い。尚、繋ぎ位置の部分画像における2つのドット間距離は、記録ヘッド10a、記録ヘッド10bの取り付けられた位置関係によって決まるため、両記録ヘッドが固定されている限りは、一度定めた補正係数に従って補正を行うことができる。
ここで、補正係数とは、例えば、図7(c)に示すように、各端ノズルからの吐出インク量を低減させながら記録する際に使用する誤差拡散の係数である。通常は、画像記録装置を出荷する前の段階で行う装置調整で、この繋ぎ部分の隣接する部分画像同士の間隔、即ち隣接ドット間距離の程度に応じて補正計数が決定されて画像記録装置に記憶されている。
しかし、前述したように水性インクによる紙伸びの影響により、前記装置調整時と、ユーザー使用時において、前記繋ぎ部分における隣接ドット間の距離が異なる可能性がある。繋ぎ部分における隣接ドット間距離が調整時のものから変化してしまうと、一度定めた補正係数も不適切な値となってしまう。
この不具合について図8(a)を用いて説明する。図8(a)は、本実施形態を説明する上での参考例である。この参考例では、2つの記録ヘッド10a、10bを、互いの端部を繋ぎ合わせて、1ノズルピッチの4倍の全体画像を形成するために、4パス記録で4つの部分画像を記録するものとして、以下説明する。尚、説明の便宜上、参考例および後述する本実施形態では、各パスでの記録後に1/4ノズルピッチずつ記録ヘッドを移動させているが、この点は特に重要ではない。あくまでも画像の繋ぎ部分および当該繋ぎ部分の画像を記録するノズルおよびパスについて特に着目するものである。
参考例においては、記録ヘッド10aの端ノズル11azを使用ノズルから除外している。つまり、記録ヘッド10aで記録に用いる使用ノズルは、ノズル11ax、11ayを選択する。このノズル11ax、11ayは、1パス目から4パス目まで記録に用いる。また、記録ヘッド10bについては端ノズル11baを含め、ノズル11bb、11bcを使用ノズルとして選択している。
そして、これらのノズル11ba、ノズル11bb、11bcを1パス目から4パス目までドット(部分画像)形成のために用いている。このように、各ヘッドにおいて、各パスにおける使用ノズルを選択することで、記録ヘッド10a、10bのそれぞれの部分画像の繋ぎ目部分(2つのヘッドでドット形成に使用するノズルが切り替わる境界部分)は、4パス目でノズル11ayを用いて記録される第4ドット(部分画像)と、1パス目でノズル11baを用いて記録される第1ドット(部分画像)とで形成される。つまり、繋ぎ目部分を構成する隣接ドット間のパス差が3となる。
これに対して、本実施形態では、図8(b)に示すように、記録ヘッド10aの端ノズル11azも、記録ヘッド10bの端ノズル11baも両方使用ノズルとして記録に用いる。ただし、各パスにおいて、使用か不使用かを選択している。
本実施形態では、1パス目では、記録ヘッド10aの端ノズル11azを使用ノズルとして選択し、かつ、記録ヘッド10bの端ノズル11baを使用ノズルとして選択しない。そして、2パス目以降4パス目まで、記録ヘッド10aの端ノズル11azを使用ノズルとして選択せず、かつ、記録ヘッド10bの端ノズル11baを使用ノズルとして選択している。
このように使用ノズルを選択した結果、記録ヘッド10a、
10bのそれぞれの部分画像の繋ぎ目部分は、1パス目でノズル11azを用いて記録される第1ドット(部分画像)と、2パス目でノズル11baを用いて記録される第2ドット(部分画像)とで形成される。つまり、繋ぎ目部分を構成する隣接ドット間のパス差が1となる。
前述したように、紙伸びによる隣接ドット間の着弾位置ずれ量を低減するためには、隣接ドット間の記録パス差を小さくすればよい。本実施形態では、2つの記録ヘッドそれぞれにより形成される繋ぎ目で隣接するドット間での、記録パス差が小さくなるように、上述したように、それぞれの記録ヘッドが各記録パスでインク吐出に使用するノズルを選択する。その結果、本実施形態によれば記録パス差が参考例に比して2つ減らすことができ、着弾位置ずれ量を低減することができる。つまり、繋ぎ部分で紙伸びの影響による隣接ドット間の着弾位置ずれが生じ難くなるため、当初調整したおいた補正係数を有効に機能させることが可能となる。
このように、紙の伸びに対して安定するため、一度設定した繋ぎ補正係数を変更することなく、繋ぎ目に部分おいて常に適正な補正処理を行う事が出来る為、画像品位を安定もしくは劣化を最小限に留めることが可能となる。
次に、図9(a)乃至図9(d)を参照して、図8(b)に示した繋ぎ部分の選択ノズル(ドット)と、その隣接ドット間の記録パス差について詳細に説明する。
図9(a)乃至(d)は、4パス記録の時に、2つの短尺記録ヘッド10a、10bが、図8(b)に示した位置関係にある場合の短尺記録ヘッドの繋ぎ位置の4つの選択肢を示している。ここでは、選択肢の説明であるため、前述した第1の実施形態における紙伸び影響を軽減するヘッドキャリッジ移動手法を適用せず、1パス目から順に記録ヘッド10を等距離だけ移動しながら4パス印刷を行う場合を想定している。また、同様にドットの大きさについても、補正したインク量を記載していない(省略している)。
図9(a)は、繋ぎ部分の第1の選択肢を説明したものである。1パス目では、記録ヘッド10aのノズル11ax、11ay、11azを使用ノズルとして選択すると共に、記録ヘッド10bの11bb,11bcを使用ノズルとして選択する。2パス目以降は、記録ヘッド10aのノズル11ax、11ayを使用ノズルとして選択すると共に、記録ヘッド10bの11ba、11bb,11bcを使用ノズルとして選択する。
このように各パスにおける使用ノズルを選択することで、各ヘッドによって形成される画像の繋ぎ部分は、1パス目でノズル11azによって形成された第1ドット(部分画像)と、2パス目でノズル11baによって形成された第2ドット(部分画像)が隣接する。つまり、記録パス差を1にすることができる。これは、図8(b)と同等である。
図9(b)は、繋ぎ部分の第2の選択肢を説明したものである。1パス目および2パス目では、記録ヘッド10aのノズル11ax、11ay、11azを使用ノズルとして選択すると共に、記録ヘッド10bの11bb,11bcを使用ノズルとして選択する。3パス目および4パス目は、記録ヘッド10aのノズル11ax、11ayを使用ノズルとして選択すると共に、記録ヘッド10bの11ba、11bb,11bcを使用ノズルとして選択する。
このように各パスにおける使用ノズルを選択することで、各ヘッドによって形成される画像の繋ぎ部分は、2パス目でノズル11azによって形成された第2ドット(部分画像)と、3パス目でノズル11baによって形成された第3ドット(部分画像)が隣接する。つまり、記録パス差を1にすることができる。
図9(c)は、繋ぎ位置の第3の選択肢を説明したものである。1パス目から3パス目までは、記録ヘッド10aのノズル11ax、11ay、11azを使用ノズルとして選択すると共に、記録ヘッド10bの11bb,11bcを使用ノズルとして選択する。そして4パス目のみ、記録ヘッド10aのノズル11ax、11ayを使用ノズルとして選択すると共に、記録ヘッド10bの11ba、11bb,11bcを使用ノズルとして選択する。このように各パスにおける使用ノズルを選択することで、各ヘッドによって形成される画像の繋ぎ部分は、3パス目でノズル11azによって形成された第3ドット(部分画像)と、4パス目でノズル11baによって形成された第4ドット(部分画像)が隣接する。つまり、記録パス差を1にすることができる。
図9(d)は、繋ぎ位置の第4の選択肢を説明したものである。全てのパスにおいて、記録ヘッド10aのノズル11ax、11ayを使用ノズルとして選択すると共に、記録ヘッド10bの11ba、11bb、11bcを使用ノズルとして選択する。このように各パスにおける使用ノズルを選択することで、各ヘッドによって形成される画像の繋ぎ部分は、3パス目でノズル11azによって形成された第3ドット(部分画像)と、4パス目でノズル11baによって形成された第4ドット(部分画像)が隣接する。つまり、記録パス差が3となる。
図9(a)乃至(d)に示したように、繋ぎ位置のドット選択によって、隣接ドット間のパス差は、図9(a),(b),(c)が1であり、図9(d)は、3の値を取り得る。どのパスにおいて、どのノズルを使用ノズルとして選択(どの選択肢を取り得るか)は、記録ヘッド10a、10bの取り付け位置に依存する。
Figure 2011240665
この表1は、記録ヘッド10a、10bの位置関係のケース1〜4のそれぞれについて、繋ぎ部分の選択肢と、それぞれの選択に対応する繋ぎ部分の隣接ドット間のパス差を説明する表である。表1について詳細に説明する。
表1は、記録ヘッド10a、10bの取り付け位置の関係によって、ケース1〜4の場合に分けて、記録ヘッド10aにより記録する箇所に特定の繋ぎ部分を選んだとき、記録ヘッド10bが形成する繋ぎ部分の隣接ドットが、何パス目に形成されるか情報と、それぞれの繋ぎ部分の選択に対する隣接ドット間のパス差の大きさを一覧化したものである。
具体的には、列「ケース:1〜4」は、記録ヘッド10a、10bの取り付け位置の関係を4通りの場合に分けたものである。列「繋ぎ部分の選択:i〜iv」は、繋ぎ部分の4種類の選択肢を表している。見出し「記録ヘッド10a」の右に記載した数字は、繋ぎ目部分として選択した2つの隣接ドット(部分画像)のうち、一方のドット(部分画像)を記録ヘッド10aのノズルによって何パス目に記録されるかを示し、見出し「記録ヘッド10b」の右に記載した数字は、上記繋ぎ目部分における他方のドット(部分画像)を、記録ヘッド10bのノズルによって何パス目に記録されるか、を示している。見出し「パス間差」は、上記繋ぎ部分の選択によって決定される繋ぎ部分の隣接ドット間のパス差の大きさを示している。列「最小値」は繋ぎ部分の選択によって選び得る、繋ぎ部分隣接ドット間のパス差の最小値を表している。
本実施形態では、表1に示すように、繋ぎ位置の選択肢は、i〜ivの4つが存在する。 例えば、ケース2の場合の繋ぎ位置の選択肢i〜ivは、それぞれ、図9(a)乃至(d)に対応しており、図9(d)における繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差が3であることは、表1ではケース2の選択肢ivで、パス間差が3となっていることに現れている。最小値と記載した列は、4つのケースでそれぞれに取り得る選択肢の中からもっとも繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差を小さくするような選択を行った場合の、隣接ドット間のパス差の最小値を表している。
表1よりケース1、2、4のそれぞれについて、繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差を1以下にする選択肢が存在することがわかる。繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差を1以下にするように繋ぎ位置を選択、即ち、各パスにおける使用ノズルを選択することで、前述の通り、繋ぎ位置での紙伸びの影響が低減され、画像品位が安定する。但し、ケース3の場合には、どの繋ぎ位置を選んでも、その隣接ドット間のパス差を2より小さくすることはできない。
次に、第7の実施形態の画像記録装置について説明する。
本実施形態は、前述した第6の実施形態における繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差を低減し得る選択された繋ぎ位置に、第1の実施形態で説明したヘッドキャリッジ(記録ヘッド)の主走査方向の移動を併用する画像記録装置である。
本実施形態では、記録ヘッドの主走査方向に配列される一連のドットを形成する記録パスの関係が1、2、4、3又は、1、3、4、2の順になるように、記録ヘッド10(ヘッドキャリッジ30)を移動して4パス記録を行ったうえで、繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差が小さ
くなるように選択する。
本実施形態では、繋ぎ位置の選択肢と、その繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差の関係を表2及び表3に示している。これらの表2及び表3は、前述した表1と同様に、繋ぎ位置の選択肢と、それぞれの選択に対応する繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差の値、さらに、そのケースにおける繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差の最小値を示している。また、これらの表2及び表3は、それぞれに上述した2つの異なるヘッドキャリッジ30の移動方法に対応している。
Figure 2011240665
Figure 2011240665
表2は、順に1、2、4、3パス目に形成されるドットが順に並ぶようにヘッドキャリッジを動かす例について説明するためのものある。また、表3は、順に1、3、4、2パス目に形成されるドットが順に並ぶようにヘッドキャリッジを動かす例について説明するためのものである。
これらの表2及び表3においては、隣接する記録ヘッド10a、10bの位置関係がケース1〜4のいずれであっても、繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差を1にする選択肢が存在する。本実施形態では、この繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差が1となる繋ぎ位置を選択する。従って、本実施形態では、繋ぎ位置で隣接するドットの間隔が水性インクによる紙伸びの影響を受けにくく、高品位の画像記録を行うことができる。
尚、本実施形態の画像記録装置においては、短尺記録ヘッドの端ノズルを記録媒体搬送方向(副走査方向)で重なり合う繋ぎ位置に特定した例であった。しかし2つのヘッドの繋ぎ位置は、端ノズルに限定されることはなく、任意に設定してもよい。つまり、本実施形態では、図9に示す記録ヘッド10a,10bの繋ぎ位置を、端ノズルを対象としているが、これに対して、異なる記録ヘッドの端からn番目、例えば、記録ヘッド10aの端から3番目のノズルと、記録ヘッド10bの4番目のノズルとが繋ぎ位置の隣接ドットを形成するように、制御部により制御してもよい。即ち、異なる記録ヘッドの互いのノズルで記録される繋ぎ位置の隣接ドットは、各パスにおいて、使用するノズルを任意に設定することが可能である。
ヘッドキャリッジ移動の手法、 次に、第8の実施形態の画像記録装置について説明する。
本実施形態は、前述した第6の実施形態における繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差を低減し得るように選択された繋ぎ位置に、第3の実施形態で説明した4パスよりも大きいNパス数でヘッドキャリッジ(記録ヘッド)の主走査方向の移動を併用する画像記録装置である。
前述したように、第3の実施形態を適用すると、1パス目から順に隣り合うドットにi=1〜Nの番号を振った時の、i番目ドットの印刷パス番号p(i)は、(式7)〜(式10)で表される。ここでは、記録ヘッド10a、10bが隣接し、且つ両記録ヘッドが形成するドットのパス番号が(式7)で表される例について説明する。
図10には、本実施形態における記録ヘッド10a、10bの繋ぎ位置の状態と、形成されるドットの関係を示している。図10では、記録ヘッド1
0aと記録ヘッド10bの位置関係を任意に仮定し、両記録ヘッドがkドット分のオーバーラップ領域を設けられている構成とする。また、隣接ヘッド間のパス差が(式7)で表される場合を想定しているため、ヘッドキャリッジ30の移動順序は、図11[1]の1パス目から4パス目に示した順序としている。
この手順においては、記録ヘッド10aが形成する繋ぎ位置の一番端のドットと、記録ヘッド10bが形成する繋ぎ位置の一番端のドットのパス番号は、それぞれに(式11)及び(式12)で表されている。但し、ここでは、繋ぎ位置で記録ヘッド10aが形成するi番目のドットと、記録ヘッド10bが形成するj番目のドットが隣接する場合を想定している。
Figure 2011240665
この場合、繋位置の隣接ドット間のパス差は、次式で表される。
Figure 2011240665
この(式13)において、i+j=2M+2又は、i+j=2M+3である場合に、|p(i)−p(j)|=1、つまり繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差の大きさは1になる。一方、図10において、記録ヘッド10aと記録ヘッド10bとのオーバーラップした領域内における繋ぎ位置は、選択することができるので、次式が成り立つ。
Figure 2011240665
これらの(式14)及び(式15)より、
Figure 2011240665
が成り立つ。
記録ヘッド10bで形成する繋ぎ位置のドットの番号jがいかなる値であるかは、記録ヘッド10aと記録ヘッド10bの位置関係と、iをどのように選択するかによって決定される。具体的には、iが1増えるように繋ぎ位置を変更すると、jも1増える。よってi+jの取り得る値は、(式16)より、次式で表される。
Figure 2011240665
この(式17)は、隣接ドット間のパス差が(式7)〜(式10)のいずれによって表されるかには拠らない、普遍的な式である。本実施形態のケースは、隣接ドット間のパス差が(式7)で表現できるケースであり、N=2Mを想定している。よって、(式17)は次のように変形できる。
Figure 2011240665
前記(式18)は、前述した繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差の大きさを1にする条件i+j=2M+2又は、i+j=2M+3を満足する値を取るためには、k≧2ならばよい。よって、隣接ドット間のパス差が(式7)で表される場合、2ドット以上オーバーラップした記録ヘッド10a、10bでは、本実施形態により繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差の大きさが1となる繋ぎ位置を必ず選択できる。
尚、ここでは説明していないが、記録ヘッド10a及び記録ヘッド10bのノズル位置の間隔が、ヘッドキャリッジの移動ピッチの1/2以下となるように、両記録ヘッドが取り付けられた場合は、どのように繋ぎ位置を選択しても、繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差を、0とすることが出来る。
隣接ドット間のパス差が(式8)で表される場合についても、同様の計算を用いて説明を行う。まず、記録ヘッド10aが形成する繋ぎ位置の一番端のドットと、記録ヘッド10bが形成する繋ぎ位置の一番端のドットのパス番号は、それぞれに(式19)及び(式20)で表される。
Figure 2011240665
この場合、繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差は、次式で表される。
Figure 2011240665
この(式21)において、i+j=2M+1又は、i+j=2M+2である場合に、繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差の大きさが1になる。また、ここで想定している隣接ヘッド間のパス差が(式8)で表されるケースは(式7)で表されるケースと同様に、N=2Mを想定しているので、(式18)が成り立つ。
前記(式18)がi+j=2M+1又は、i+j=2M+2という値をとるためには、k≧1ならばよい。よって、隣接ドット間のパス差が(式8)で表される場合、オーバーラップした記録ヘッド10a、10bでは、本実施形態において、繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差の大きさが1となる繋ぎ位置を必ず選択できる。
また、隣接ドット間のパス差が(式9)で表される場合についても、同様の計算を用いて説明できる。まず、記録ヘッド10aが形成する繋ぎ位置の一番端のドットと、記録ヘッド10bが形成する繋ぎ部の一番端のドットのパス番号はそれぞれ(式22)及び(式23)で表される。
Figure 2011240665
この場合、繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差は、次式で表される。
Figure 2011240665
前記(式24)において、i+j=2M+3又は、i+j=2M+4ならば、繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差の大きさが1になる。ここで想定している隣接ヘッド間パス差が(式9)で表されるケースでは、N=2M+1を想定しているので、(式17)より次の式が成り立つ。
Figure 2011240665
前記(式25)がi+j=2M+3又は、i+j=2M+4という値をとるためには、k≧2ならばよい。よって隣接ドット間のパス差が(式9)で表される場合、2ドット以上オーバーラップした記録ヘッド10a、10bでは、本実施形態により繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差の大きさが1となる繋ぎ位置を必ず選択できる。
隣接ドット間のパス差が(式10)で表される場合についても、同様の計算を用いて説明できる。まず、記録ヘッド10aが形成する繋ぎ位置の一番端のドットと、記録ヘッド10bが形成する繋ぎ位置の一番端のドットのパス番号は、それぞれに(式26)及び(式27)で表される。
Figure 2011240665
この場合、繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差は、次式で表される。
Figure 2011240665
前記(式24)においてi+j=2M+2又は、i+j=2M+3ならば、繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差の大きさが1になる。ここで想定している隣接ヘッド間のパス差が(式10)で表されるケースでは、(式25)が成り立つ。
前記(式25)がi+j=2M+2又は、i+j=2M+3という値をとるためには、k≧1ならばよい。よって、隣接ドット間のパス差が(式10)で表される場合、オーバーラップした記録ヘッド10a、10bでは、本実施形態により、繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差の大きさが1となる繋ぎ位置を必ず選択できる。
以上のように、本実施形態によれば、2ドット以上オーバーラップした記録ヘッド10a、10bに対して、繋ぎ位置の隣接ドット間のパス差の大きさが1となる繋ぎ位置を必ず選択できる。これにより繋ぎ部で隣接するドットの間隔が紙伸びの影響を受け難くなり、繋ぎ補正係数を、一度設定すれば、ユーザが使用する際にも、適切な繋ぎ処理が行われる。
以上説明した各実施形態においては、以下の要旨を含んでいる。
(1)ヘッドキャリッジをノズル列方向にN−1回移動して記録媒体上に計N回の印刷を行うことでノズルピッチ以上の密度の画像を印刷するプリンタであって、
隣接するドットの印刷順序差がN−2以下となるようヘッドキャリッジの移動を行うプリンタ。
(2)前記(1)項のプリンタであって、隣接するドットの印刷順序差の最大値が最小となるようにヘッドキャリッジの移動を行うプリンタ(画像記録装置)。
(3)前記(2)項に記載のプリンタであって、同一用紙内に画像を記録する際のヘッドキャリッジの移動回数がN−1回であるとき、0,1,…,N−1回目のヘッドキャリッジの移動後に印刷するドットをそれぞれ1,2,…,Nと記述するとき、
それぞれのドットの用紙上の位置関係が、1,2,4,6,…,N,…5,3又は、1,3,5,…,N,…4,2となるようにヘッドキャリッジを移動するプリンタ。
(4)前記(3)項のプリンタであって、同一用紙内に画像を形成する際のヘッドキャリッジの移動回数は4回であり、0,1,2,3回目のヘッドキャリッジの移動後に印刷するドットをそれぞれ1,2,3,4と記述するとき、
それぞれのドットの用紙上の位置関係が、1,2,4,3又は、1,3,4,2となるようヘッドキャリッジを移動するプリンタ。
(5)ヘッドキャリッジをノズル列方向に移動してノズルピッチ以上の密度の画像を印刷するプリンタであって、
繋ぎ目における隣接ドット間印刷順序差が小さくなるようにヘッドの繋ぎ目位置を選択するプリンタ。
(6)前記(1)〜(4)、(5)項のいずれかに記載のプリンタであって、ヘッドキャリッジをノズル列方向に移動してノズルピッチ以上の密度の画像を印刷するプリンタであって、繋ぎ目における隣接ドット間印刷順序差が小さくなるようにヘッドの繋ぎ目位置を選択するプリンタ。
(7)前記(1)及び(6)項のいずれかに記載のプリンタであって、ヘッドキャリッジの移動方向は一方向であるプリンタ。
(8)前記請求項7に記載のプリンタであって、1回のヘッドキャリッジの移動量は当プリンタで形成されるドットピッチの2倍以上であるプリンタ。
1…画像記録装置、2…ホストPC、10,10a,10b…記録ヘッド、11…記録ノズル、12…制御部、13…Kインク記録ヘッド列、14…Cインク記録ヘッド列、15…Mインク記録ヘッド列、16…Yインク記録ヘッド列、20…搬送機構、30…ヘッドキャリッジ、31…ヘッドキャリッジ移動機構、32…基準部材。

Claims (13)

  1. インクを吐出する複数のノズルを主走査方向に沿って所定ピッチ間隔で配列した記録ヘッドと、
    記録媒体を前記主走査方向に直交する副走査方向に沿って、前記記録ヘッドに対して複数回搬送させる搬送手段と、
    前記搬送手段によって前記記録媒体が前記記録ヘッドに対して搬送される際に、前記複数のノズルからインクを吐出させて、前記記録媒体上に部分画像を記録する記録制御手段と、
    前記記録制御手段による部分画像記録が終了した後に、前記記録ヘッドを前記主走査方向に沿って微少量だけ移動させる移動手段と、
    を有し、
    前記記録制御手段による1回目の部分画像記録の後、前記移動手段による前記記録ヘッドの主走査方向への移動と、当該記録ヘッドの移動後に行う部分画像記録とを、N−1回(Nは4以上の整数)繰り返すことで、前記記録ヘッドの1回の部分画像記録の解像度に対してN倍の解像度の全体画像を記録する画像記録装置であって、
    前記移動手段は、主走査方向において隣接する部分画像同士の画像記録順序差がN−2以下になるように、前記記録ヘッドを移動させることを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記Nが偶数で、N=2*Mと表す場合、
    前記移動手段は、主走査方向に配列される部分画像の画像記録順序が、1,2,…,2*(M−1),2*M,2*M−1,…,3となるように、記録ヘッドを移動させる請求項1記載の画像記録装置。
  3. 前記Nが偶数で、N=2*Mと表す場合、
    前記移動手段は、主走査方向に配列される部分画像の画像記録順序が、1,3,…,2*M−1,2*M,2*(M−1),…,2となるように、記録ヘッドを移動させる請求項1記載の画像記録装置。
  4. 前記Nが奇数で、N=1+2*Mと表す場合、
    前記移動手段は、主走査方向に配列される部分画像の画像記録順序が、1,2,…,2*M,2*M+1,2*(M−1)+1,…,3となるように、記録ヘッドを移動させる請求項1記載の画像記録装置。
  5. 前記Nが奇数で、N=1+2*Mと表す場合、
    前記移動手段は、主走査方向に配列される部分画像の画像記録順序が、1,3,…,2*(M−1)+1,2*M+1,2*M,…,2となるように、記録ヘッドを移動させる請求項1記載の画像記録装置。
  6. 前記移動手段は、前記N−1回の前記記録ヘッドの移動に関して、前記記録ヘッドを前記主走査方向の一方向にのみ移動させることを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
  7. 前記Nが4、a,b,cがそれぞれ0及び任意の正数を表す場合、
    前記移動手段は前記記録ヘッドを、
    1回目の部分画像記録終了後にノズルの配列ピッチの(1+4a)/4に相当する距離だけ移動させ、
    2回目の部分画像記録終了後にノズルの配列ピッチの(2+4b)/4に相当する距離だけ移動させ、
    3回目の部分画像記録終了後にノズルの配列ピッチの(3+4c)/4に相当する距離だけ移動させることを特徴とする請求項6記載の画像記録装置。
  8. 前記Nが4、a,b,cがそれぞれ0及び任意の正数を表す場合、
    前記移動手段は前記記録ヘッドを、
    1回目の部分画像記録終了後にノズルの配列ピッチの(3+4a)/4に相当する距離だけ移動させ、
    2回目の部分画像記録終了後にノズルの配列ピッチの(2+4b)/4に相当する距離だけ移動させ、
    3回目の部分画像記録終了後にノズルの配列ピッチの(1+4c)/4に相当する距離だけ移動させることを特徴とする請求項6記載の画像記録装置。
  9. 前記移動手段は、前記N−1回の前記記録ヘッドの移動に関して、前記記録ヘッドを前記主走査方向の一方向及びそれとは反対方向に移動させることを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
  10. 前記N=4の場合、
    前記移動手段は前記記録ヘッドを、
    1回目の部分画像記録終了後にノズルの配列ピッチの1/4に相当する距離だけ前記一方向に移動させ、
    2回目の部分画像記録終了後にノズルの配列ピッチの2/4に相当する距離だけ前記一方向に移動させ、
    3回目の部分画像記録終了後にノズルの配列ピッチの1/4に相当する距離だけ前記反対方向に移動させることを特徴とする請求項9記載の画像記録装置。
  11. 前記N=4の場合、
    前記移動手段は前記記録ヘッドを、
    1回目の部分画像記録終了後にノズルの配列ピッチの3/4に相当する距離だけ前記一方向に移動させ、
    2回目の部分画像記録終了後にノズルの配列ピッチの2/4に相当する距離だけ前記反対方向に移動させ、
    3回目の部分画像記録終了後にノズルの配列ピッチの1/4に相当する距離だけ前記一方向に移動させることを特徴とする請求項9記載の画像記録装置。
  12. インクを吐出する複数のノズルを所定ピッチ毎に一方向に沿って配列した複数の記録ヘッドを、主走査方向に沿って繋ぎ合わせて構成された記録手段と、
    記録媒体を前記主走査方向に直交する副走査方向に沿って、前記記録手段に対して複数回搬送させる搬送手段と、
    前記搬送手段によって記録媒体が記録手段に対して搬送される際に、前記記録手段の複数ノズルからインクを吐出させて記録媒体上に部分画像を記録する記録制御手段と、
    前記記録制御手段による部分画像記録が終了した後に、前記記録手段を主走査方向に沿って微少量だけ移動させる移動手段と、
    を有し、
    前記記録制御手段による1回目の部分画像記録の後、前記移動手段による前記記録手段の主走査方向への移動と、当該記録手段の移動後に行う部分画像記録とを、N−1回(Nは4以上の整数)繰り返すことで、前記記録手段の1回の部分画像記録の解像度に対してN倍の解像度の全体画像を記録する画像記録装置であって、
    前記記録制御手段は、互いに異なる記録ヘッドで記録された、主走査方向において隣接する部分画像同士の画像記録順序差がN−2以下になるように、N回の部分画像記録動作それぞれの際に、前記複数の記録ヘッドでインクを吐出するノズルを選定することを特徴とする画像記録装置。
  13. 前記移動手段は、同一記録ヘッドで記録された、主走査方向において隣接する部分画像同士の画像記録順序差がN−2以下になるように、前記記録手段を移動させることを特徴とする請求項12記載の画像記録装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013169737A (ja) * 2012-02-22 2013-09-02 Riso Kagaku Corp サーマルヘッドシステム
JP2013188869A (ja) * 2012-03-12 2013-09-26 Toshiba Tec Corp インクジェット記録装置
JP2013193291A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Seiko Epson Corp 画像記録装置、画像記録方法
JP2018130865A (ja) * 2017-02-14 2018-08-23 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置

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