JP2011238877A - カラー固体撮像素子、カラー固体撮像素子の製造方法及びカラー固体撮像装置の製造方法 - Google Patents

カラー固体撮像素子、カラー固体撮像素子の製造方法及びカラー固体撮像装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ワイヤーボンディング時及び製造時に生じる不具合を解消することができるカラー固体撮像素子、カラー固体撮像素子の製造方法及びカラー固体撮像装置の製造方法を提供する。
【解決手段】中央部の光電変換部の周囲にボンディングパッド部19が形成され且つその周囲がスクライブレーン領域15で取り囲まれている半導体基板23と、半導体基板23における光電変換部の上方に形成された中央側の多層積層膜29と、半導体基板23におけるボンディングパッド部19とスクライブレーン領域15との間の上方に形成された端側の多層積層膜31とを備え、ボンディングパッド部19を挟んで対向する多層積層膜29と多層積層膜31との間隔がボンディングパッド部19より大きく、多層積層膜29及び多層積層膜31の側壁29a,31a,31bの各々が側壁保護膜33,35で覆われている。
【選択図】図4

Description

本発明は、カラー固体撮像素子、カラー固体撮像素子の製造方法及びカラー固体撮像装置の製造方法に関し、特にボンディングパット部及びスクライブレーン領域に関するものである。
カラー固体撮像素子は、多数の光電変換部が形成されている基板表面の凹凸を平坦化する平坦化膜と、基板における各光電変換部上に対応し且つ平坦化膜表面上に形成された複数色のカラーフィルタ膜と、複数のカラーフィルタ膜表面を被覆して保護する表面保護膜とが積層されてなり、その後多数の光電変換部等に対して電気的に接続されているボンディンパット部やウエハーから切り出す際の基準となるスクライブレーン領域が設けられる。
このカラー固体撮像素子は、ウエハー上に多数形成され、ウエハー上の多数のカラー固体撮像素子のチップがスクライブレーン領域に沿って1個ずつに切断(ダイシングカット)される。なお、スクライブレーン領域は、ダイシングに利用されるダイヤモンドカッタ(ダイヤモンドブレード)の幅に対応しており、通常、ダイヤモンドカッタの幅と同じ範囲又はダイヤモンドカッタの幅よりも大きい範囲となっている。
このダイシングカットの際に、発生する切り屑がウエハーに吹き付けられる水により撮像領域のカラーフィルタ膜又はマイクロレンズの表面に付着して画素欠陥が生じるのを抑制するために、膜厚が100[nm]〜5000[nm]程の表面保護膜(オーバーコート層)で被覆する技術が提案されている(特許文献1)。
また、カラー固体撮像素子のボンディングパッド部とパッケージ支持基板とをワイヤーボンディングにより接続する際に、カラー固体撮像素子のボンディングパット部の構造を改善し、ワイヤーボンディング時におけるボンディングワイヤーとその周辺保護膜との干渉による破損を防止する技術が提案されている(特許文献2)。
以下、図面を参照しながら、従来の半導体装置の一例について説明する。
図10は従来の単体チップにダイシング後の半導体装置内に配置されたボンディングパット部とスクライブレーン領域近傍の断面を示すものである。
なお、スクライブレーン領域はウエハーに形成されたものであり、ウエハーからダイシングカットされた素子(装置)において、ウエハーに形成されていたスクライブレーン領域の一部が残存する場合でも、その一部をスクライブレーン領域としている。
同図において、901は半導体基板、903は下層絶縁膜、905は下部金属薄膜、907は上部金属薄膜、909は中間層絶縁膜、911は保護用絶縁膜、913はボンディングパッド部、915はスクライブレーン領域である。
半導体基板901上の各膜の膜厚(一例である。)は、下層絶縁膜903が200[nm]、下部金属薄膜905が550[nm]、中間層絶縁膜909が700[nm]、上部金属薄膜907が850[nm]、保護用絶縁膜911が1000[nm]である。
この場合、保護用絶縁膜911におけるボンディングパッド部913用の開口部917の周辺にある周辺部の上端911aは、ボンディングパッド部913の上端913aよりも下方に位置するため、ワイヤーボンディング時において、保護用絶縁膜911と、キャピラリやボンディングワイヤーとがそれぞれ干渉するおそれがない。
特開昭59−007317号公報 特開平7−094548号公報
カラー固体撮像素子の高集積化に対する要求が近年高まっている。これを満たすには、チップサイズに占める割合が比較的大きなボンディングパッド部やスクライブレーン領域の縮小が必要となる。
一方、高集積化を行うため画素寸法の微細化を行うには、カラー固体撮像素子に必須となっているマイクロレンズやカラーフィルタ膜を精度良く形成したり、カラーフィルタ膜の密着性を向上させたりする必要があり、カラー固体撮像素子には各種の複数の膜が積層されている(つまり、多層積層膜が形成されている。)。なお、各種の膜としては、図11に示すように、平坦化膜921、カラー下地膜923、カラーフィルタ膜925、表面保護膜927等がある。
このようなカラー固体撮像素子では、ウエハー上に形成された多層積層膜のうち、ボンディングパッド部913やスクライブレーン領域915に対応する部分が例えば周知のドライエッチ処理等により除去(開口)され、ウエハーに多数形成されているカラー固体撮像素子がスクライブレーン領域915に沿ってダイシングカットされることにより1個ずつに切断される。
その結果、多層積層膜における上部金属薄膜907の上端が当該上部金属薄膜907と同じ幅に開口(929)されたボンディングパッド部913では、当該開口部929におけるアスペクト比(開口深さ/開口幅である。)が非常に大きくなり、図11に示すように、ワイヤーボンディング時に表面保護膜927が、キャピラリ(不図示)やボンディングワイヤー931と干渉しやすくなる。
具体的に説明すると、図11に示すカラー固体撮像素子では、上述した下層絶縁膜903等の具体的な構成に加え、平坦化膜921が1000[nm]、カラー下地膜923が100[nm]、カラーフィルタ膜925が500[nm]、表面保護膜927が1000[nm]の膜厚でそれぞれ積層され、表面保護膜927の上端は、ボンディングパッド部913の開口部929の上端よりも1500[nm]高い位置に形成されることになるのである。
なお、表面保護膜927とキャピラリとが干渉すると、ボンディングワイヤー931と上部金属薄膜907との密着強度の低下による組立不良の発生を引き起こしてしまう。
また、多層積層膜を構成する積層膜毎にエッチングレートが異なるため、例えば、図12に示すように、カラー下地膜923のエッチングレートが早い場合、カラー下地膜923に食い込み933が発生する。その結果、ダイシングカット時の水圧により、カラー下地膜923とその上層にあるカラーフィルタ膜925との界面から膜剥がれが発生しやすくなる。なお、膜剥がれした断片が画素領域に付着すれば画素欠陥となる。
このようにカラー固体撮像素子に多層積層膜が形成されている場合、ワイヤーボンディング時や製造時に不具合が生じるという課題がある。
本発明は、上述の課題に鑑み、ワイヤーボンディング時及び製造時に生じる不具合を解消することができるカラー固体撮像素子、カラー固体撮像素子の製造方法及びカラー固体撮像装置の製造方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係るカラー固体撮像素子は、光電変換部を中央に有し、当該光電変換部の周囲にボンディングパッド部が形成されていると共に前記ボンディングパッド部の周囲を取り囲む領域がスクライブレーン領域となっている半導体基板と、前記半導体基板における光電変換部の上方に下層から平坦化膜、カラー下地膜、カラーフィルタ膜、表面保護膜の順で形成された中央側多層積層膜と、前記半導体基板における前記ボンディングパッド部と前記スクライブレーン領域とに挟まれた領域の上方に下層から平坦化膜、カラー下地膜、カラーフィルタ膜、表面保護膜の順で形成された端側多層積層膜とを備え、前記ボンディングパッド部を挟んで対向する中央側多層積層膜と端側多層積層膜との間隔が前記ボンディングパッド部より大きく、前記中央側多層積層膜の側壁及び端側多層積層膜の側壁の各々が単層膜で覆われていることを特徴としている。
ここで、前記側壁を覆う単層膜は、透明膜でも、光の乱反射を防ぐ光吸収膜でも構わないが、工数削減を考慮すると、いずれの膜でも感光性レジストであることが望ましい。
単層膜は、特に材料を限定するものではないが、例えば、マイクロレンズ形成用レジストと共用することもできる。この場合には、マイクロレンズ用レジストを塗布、露光、現像後、マイクロレンズ形状を形成するために、熱フローを施すことで実施できる。
さらに、前記単層膜を光吸収膜で形成することもできる。この場合は、通常使用されているポストベーク(硬化)でよく、熱フローは必ずしも必要とはしない。
上記目的を達成するためのカラー固体撮像素子の製造方法として、光電変換部と、前記光電変換部の周囲に配置されたボンディングパッド部と、前記ボンディングパッド部の周囲を取り囲むように配されたスクライブレーン領域とを有するカラー固体撮像素子の製造方法であって、基板に前記光電変換部と前記ボンディングパッド部とを形成する工程(a)と、前記工程(a)の後に、前記基板上に下層から順に平坦化膜、カラー下地膜、カラーフィルタ膜、表面保護膜を含む多層積層膜を形成する工程(b)と、前記工程(b)の後に、前記多層積層膜における前記ボンディングパッド部上方であって当該ボンディングパッド部よりも大きい部位と、前記多層積層膜における前記スクライブレーン領域の上方であって当該スクライブレーン領域と同じ大きさ又はそれよりも大きい部位とを除去する工程(c)と、前記工程(c)の後に、前記多層積層膜の側壁を覆う単層膜を形成する工程(d)とを有することを特徴としている。
ここで、多層積層膜は、種々の膜形成技術を利用することができる。
例えば、平坦化膜の形成方法としては、凹部にレジスト材料が残るように設計されたフォトマスクを用い、通常のフォトリソグラフィ工程である、塗布、露光、現像工程を経て形成する方法や、熱硬化型樹脂を用い、塗布、硬化を複数回繰り返す方法や、その後、感度向上を目指し、受光部との距離を短くするために周知のエッチバック法においてエッチングする方法や、前記方法を組み合わせる方法などがある。
その後(平坦化膜の形成後)のカラーフィルタ膜の形成方法としては、例えば、通常のフォトリソグラフィ工程を複数回経て形成する方法がある。この時、カラー固体撮像素子の表面に入射した光の乱反射を軽減させるために、カラーフィルタ膜は、画素領域のみならず、画素領域以外の領域にも単層、或いは積層されていても良い。
更に、表面保護膜は、カラーフィルタ膜を保護するために、無色透明で、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性に優れ、かつ保護用絶縁膜と密着性に優れた層となる材料を全面に塗布、硬化することで得られる。
また、上記目的を達成するためのカラー固体撮像装置の製造方法は、上記のカラー固体撮像素子の製造方法を用いて製造されたウエハーをダイシングして当該カラー固体撮像素子を独立分離する工程(e)と、前記工程(e)の後に、前記カラー固体撮像素子をワイヤーボンディングする工程(f)とを有することを特徴としている。
本発明によるカラー固体撮像素子とその製造方法によれば、中央側多層積層膜と端側多層積層膜との間隔が前記ボンディングパッド部よりも広く開口されているため、多層積層膜がワイヤーボンディング工程での妨げになることは無い。さらに、多層積層膜の側壁を単層膜で覆うことにより、ダイシングカット時の膜剥れを防止する保護膜としての効果も併せ持つことが可能となる。
第1の実施の形態に係るカラー固体撮像素子が多数配置されてなるウエハーを模式的に示した図である。 本発明に係るカラー固体撮像素子がダイシングカットされた状態を示す概略平面図である。 図2のX−X線による断面を矢印方向から見た概略断面図である。 図3におけるボンディングパッド部の周辺を拡大した概略断面図である。 シリコン基板上にボンディングパッド部とスクライブレーン領域とが形成された状態を示す概略断面図である。 側壁保護膜を形成する前の状態を示す概略断面図である。 ボンディングパッド部がワイヤーボンディングされた状態を示す断面概略図である。 第2の実施の形態に係るカラー固体撮像素子におけるスクライブレーン領域とボンディングパッド部の周辺を拡大した概略断面図である。 第3の実施の形態に係る第3の工程が終了した状態を示す概略断面図である。 従来の単体チップにダイシング後の半導体装置におけるボンディングパット部とスクライブレーン領域の周辺を拡大した概略断面図である。 従来の固体撮像素子のボンディングパッド部がワイヤーボンディングされた状態を示す概略断面図である。 従来の固体撮像素子におけるボンディングパッド部とスクライブレーン領域上の多層積層膜がエッチング処理された状態を示す概略断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、図面はいずれも模式的に示すものであって、必ずしも実際の寸法を反映するものではない。
第1の実施の形態に係るカラー固体撮像素子は、マイクロレンズを形成後、多層積層膜におけるボンディングパッド部とスクライブレーン領域を開口し、その後、熱フロー型感光性レジストで前記開口を構成する多層積層膜の側壁を覆うものである。
第2の実施の形態に係るカラー固体撮像素子は、マイクロレンズを形成後、多層積層膜におけるボンディングパッド部とスクライブレーン領域を開口し、画素領域、ボンディングパッド部、スクライブレーン領域以外の領域を熱硬化型感光性レジストで覆うものである。
第3の実施の形態に係るカラー固体撮像素子は、表面保護膜塗布(形成)後、多層積層膜におけるボンディングパッド部とスクライブレーン領域を開口し、熱フロー型感光性レジストを用い、マイクロレンズの形成と、前記開口を構成する多層積層膜の側壁を覆う側壁保護膜の形成とを同時(同工程)で行うものである。
<第1の実施の形態>
1.構成
図1は、第1の実施の形態に係るカラー固体撮像素子13が多数配置されてなるウエハー(シリコン半導体基板)10を模式的に示したものである。
ウエハー10に多数配置されているカラー固体撮像素子13は、図1に示すように、スクライブレーン領域15で他のカラー固体撮像素子13と区分されている。ここでは、カラー固体撮像素子13は平面視(ウエハー10の面に対して直交する方向から見た場合である。)において正方形状をし、スクライブレーン領域15は格子状に設けられている。
図2は、ウエハーからダイシングカットされた単体のカラー固体撮像素子を模式的に示したものである。
個々のカラー固体撮像素子13は、ウエハー10をスクライブレーン領域15に沿ってダイシングカットすることで得られ、カラー固体撮像素子13の周縁付近には、スクライブレーン領域15として機能した残部が存している。
なお、スクライブレーン領域は、カラー固体撮像素子13をウエハー10から分離する際に利用され、個々のカラー固体撮像素子13においてウエハー10の段階でスクライブレーン領域15だった領域は、個々のカラー固体撮像素子13においてもそのままスクライブレーン領域15として現す。このため、カラー固体撮像素子13は、その周縁に沿ってスクライブレーン領域15が存在することとなる。
カラー固体撮像素子13は、正方形の環状に存するスクライブレーン領域15の内側にリード線を取り出すためのボンディングパッド部19を備え、更にその内側である中央部分には画素の集合した受光部21を備える。
ここでは、ボンディングパッド部19は、複数あり、平面視において正方形をした環状のスクライブレーン領域15に沿って設けられている。複数のボンディングパッド部19を仮想的に線分で結ぶと、スクライブレーン領域15と同様に、平面視正方形の環状となり、この内側に受光部21が形成されている。
受光部21は、基板に形成されている多数の光電変換部と、各光電変換部上に形成されたカラーフィルタ膜47やマイクロレンズ37等から構成される。
各光電変換部は、多数の配線(省略)を介してボンディングパッド部19と接続され、各光電変換部で生成された電気信号(電荷)は前記配線と接続されているボンディングパッド部19から外部へと出力される。
図3は図2のX−X線による断面を矢印方向から見た概略断面図であり、図4は、図3におけるボンディングパッド部周辺の拡大断面図である。
カラー固体撮像素子13は、図3及び図4に示すように、複数のフォトダイオード等からなる光電変換部を複数有するシリコン基板(本発明の「半導体基板」に相当する。)
23と、シリコン基板23上に形成された絶縁膜25と、絶縁膜25上の所定位置に形成されたボンディングパッド部19と、絶縁膜25におけるボンディングパッド部19とその周辺領域を除く領域を被覆する基板側保護膜27と、基板側保護膜27上に形成された多層積層膜29,31と、多層積層膜29,31の少なくとも側壁を覆う側壁保護膜33,35と、多層積層膜29上に形成されたマイクロレンズ37とを備える。
なお、スクライブレーン領域15は、個々のカラー固体撮像素子が形成されたシリコン基板23の周縁部であって絶縁膜25が形成されていない部分が相当する。
ボンディングパッド部19は、絶縁膜25上に所定のパターンで形成された下部金属薄膜39及び上部金属薄膜41から構成され、上部金属薄膜41が中間層絶縁膜(図10の「909」に相当し、ここでは図示を省略する。)を介して下部金属薄膜39に接続されている。
多層積層膜29,31は、平坦化膜43、カラー下地膜45、カラーフィルタ膜47、表面保護膜49をシリコン基板23側からこの順で備える。なお、多層積層膜29は光電変換部上に形成され、多層積層膜31は、スクライブレーン領域15とボンディングパッド部19との間に形成されている。
ボンディングパッド部19及びスクライブレーン領域15は、後述するが、シリコン基板23上に形成された多層積層膜のうち、ボンディングパッド部19を含む周辺部19bに相当する部分(図6で示す開口部51に相当する部分の多層積層膜である。)と、スクライブレーン領域15を形成する部分(図6で示す開口部53とダイヤモンドカッタの幅とを加えた領域に相当する部分の多層積層膜である。)をエッチング処理等により除去(開口)しており、この除去した部分を開口部51,53とする。
多層積層膜29,31は、ボンディングパッド部19の端縁19aから離れた位置に形成されており、図4に示すように、多層積層膜29の側壁29a及び周縁部29bが側壁保護膜33により覆われ、多層積層膜31の側壁31a,31b及び周縁部31c,31dが側壁保護膜35により覆われている。
側壁保護膜33,35は、単層で構成されるのが好ましく、例えば、熱フロー型感光性のレジストを利用できる。
なお、多層積層膜29,31の側壁29aとボンディングパッド部19の端縁19aとの距離については後述する。
2.製造
(1)製造方法
カラー固体撮像素子13は、シリコン基板23上にボンディングパッド部19とスクライブレーン領域15を形成する第1の工程と、シリコン基板23上に多層積層膜30及びマイクロレンズ37を形成する第2の工程と、多層積層膜30におけるボンディングパッド部19を含む周辺部19bに相当する部分とスクライブレーン領域とに相当する部分に開口部51,53を形成する第3の工程と、多層積層膜29,31の側壁29a,31a,31b等を覆う側壁保護膜33,35を形成する第4の工程とを経て製造される。
なお、実際には、上記工程をウエハーに対して行い、スクライブレーン領域15で分離独立される工程(ダイシング工程)を経て、単独のカラー固体撮像素子13が得られる。また、以下の説明ではウエハーをシリコン基板23として表し、開口部51,53が形成される前の多層積層膜を、多層積層膜30として表し、開口部51,53の形成後の多層積層膜29,31と区別する。
(a)第1の工程
ウエハー(23)上に絶縁膜25を形成し、絶縁膜25上に下部金属薄膜39及び上部金属薄膜41を所定のパターンで形成する(つまり、ボンディングパッド部19を形成するものであり、「ボンディングパッド部形成工程」である。)。
その後、絶縁膜25の表面に基板側保護膜27を形成し、最後に、基板側保護膜27おけるボンディングパッド部19とスクライブレーン領域15に相当する部分を除去して開口を形成する(つまり、基板側保護膜開口工程である。)。
このとき、ウエハー上の全面に対して絶縁膜25及び基板側保護膜27を形成している場合は、基板側保護膜27の形成後に、基板側保護膜27におけるボンディングパッド部19及びスクライブレーン領域15に相当する部分と、絶縁膜25におけるスクライブレーン領域15に相当する部分とを除去(開口)することになる。
一方、ウエハー(23)上であってスクライブレーン領域15に相当する領域に対して、マスク等を利用して絶縁膜25及び基板側保護膜27を形成しない場合は、基板側保護膜27の形成により、スクライブレーン領域15も形成されることになる。
第1の工程が終了した状態をカラー固体撮像素子13に対応させ、ボンディングパッド部19の周辺を拡大したものを図5に示す。
同図に示すように、絶縁膜25におけるボンディングパッド部19とスクライブレーン領域15以外の部分が、当該ボンディングパッド部19とスクライブレーン領域15とに対応する部分が開口している基板側保護膜27で覆われる。
この際、ボンディングパッド部19の形状、つまり、下部金属薄膜39及び上部金属薄膜41の形状や、スクライブレーン領域15の形状に対応した所定パターンのフォトマスクを用いた公知のフォトリソグラフィグラフィ等を利用することができる。
(b)第2の工程
第1の工程を終了したウエハー(23)上に平坦化膜43、カラー下地膜45、カラーフィルタ膜47、表面保護膜49を順次積層して多層積層膜30を形成し、さらに、多層積層膜30上の所定領域にマイクロレンズ37を形成する。
この際、マイクロレンズ37を精度良く形成するために、マイクロレンズ37の下地層を平坦化する必要がある。
平坦化する方法としては、例えば、平坦化膜を構成する材料の膜を複数回塗布後、エッチバック法による平坦化する等がある。また、熱フロー型感光性レジストによるマイクロレンズを形成する場合や、更に微細なマイクロレンズが必要となる場合においては、平坦化膜を構成する材料の膜を複数回塗布し、熱フロー型感光性樹脂にてマイクロレンズを形成後、エッチバック法によってマイクロレンズの転写を平坦化膜に施す等がある。
(c)第3の工程
第3の工程で形成された多層積層膜30に対して、ボンディングパッド部19を含む周辺部19bとスクライブレーン領域15とに相当する部分を除去して開口部51,53を形成する。
つまり、第3の工程で形成された多層積層膜30に対して、ボンディングパッド部19より広く、スクライブレーン領域15と同じ大きさで開口されるように設計されたフォトマスクを用いドライエッチ処理を行う。
図6は、図5に示す工程が進み、平坦化膜43、カラー下地膜45、カラーフィルタ膜47、表面保護膜49が順次積層されて多層積層膜30が形成され、さらにマイクロレンズ37を形成後、ボンディングパッド部19を含む周辺部19b及びスクライブレーン領域15に対応する部分15aに開口部51,53を有する状態であって、ボンディングパッド部19の周辺を拡大した断面の概略図である。
具体的には、まず、ウエハー(23)の全面に感光性レジストを10[μm]の膜厚で塗布した後、ボンディングパッド部19を含む周辺部19bと、スクライブレーン領域15に相当する部分15aとが開口されるようなフォトマスクを用い、露光、現像工程を行う。
その後、周知のドライエッチ処理により、ボンディングパッド部19の周辺部19bとスクライブレーン領域15に相当する部分15aとの上方(上面)の平坦化膜43、カラー下地膜45、カラーフィルタ膜47、表面保護膜49を除去する。
そして、最後に、ドライエッチ処理のマスクとなった感光性レジストを除去する。これにより多層積層膜30に開口部51,53が形成され、多層積層膜29,31が分離して形成される。
(d)第4の工程
第3工程が終了すると、多層積層膜29,31の側壁29a,31a,31b等に側壁保護膜33,35を形成する。
具体的には、カラー固体撮像素子が形成されたウエハー全面に、側壁保護膜33,35となる熱フロー型の感光性レジストを塗布し、スクライブレーン領域15側の多層積層膜31の側壁31a,31bと、受光部21側の多層積層膜29の側壁29aとに熱フロー型感光性レジストが少なくとも残るように設計されたフォトマスクを用い、通常のフォトリソグラフィ工程処理(熱フロー工程を含む)を行う。
これにより、第1の実施の形態に係るカラー固体撮像素子13が複数形成されたウエハー10が完成し、スクライブレーン領域15に沿ってダイシングカット(分離独立)されると、カラー固体撮像素子13単体が得られる。
この第4の工程が終了したカラー固体撮像素子13単体のボンディングパッド部19の周辺を拡大した断面の概略図が図4である。
(2)製造時の効果
上記工程によって製造されたカラー固体撮像素子13は、受光部21側の多層積層膜29の側壁29aやスクライブレーン領域15側の多層積層膜31の側壁31a,31bを側壁保護膜33,35で覆うことにより、多層積層膜29,31に図12に示すような食い込み933が生じても、多層積層膜29,31の側壁29a,31a,31bが側壁保護膜33,35で覆われているため、ウエハーのダイシングカット時における水圧の抵抗が少なくなり、多層積層膜29,31からの膜剥がれを防止できる。
3.使用方法
図7は、カラー固体撮像素子13がパッケージ支持基板にダイボンドされ、ワイヤーボンディングされた状態を示す断面概略図である。
なお、同図ではパッケージ支持基板は省略している。
第1の実施の形態に係るカラー固体撮像素子13は、ボンディングパッド部19の周辺部19bにボンディングパッド部19よりも大きな開口部51を有するため、図7から明らかなように、ワイヤーボンディング時にボンディングワイヤー55やキャピラリが多層積層膜29,31に干渉することが少なくなり、ワイヤーボンディング不良を有効に防止することができ、収率、信頼性の向上を図ることができる。
さらに、多層積層膜29,31におけるボンディングパッド部19側の側壁29a,31aには、側壁保護膜33,35が形成されているため、製造ばらつきによってたとえボンディングワイヤー55やキャピラリと接触しても、多層積層膜29,31の損傷を抑えることができる。
4.実施例
第1の実施の形態に係るカラー固体撮像素子13についての一例である実施例について、以下説明する。
シリコン基板23は、例えば、N型不純物が添加されたシリコンからなる、所謂シリコン基板である。このシリコン基板23は、当該基板の一部にP型不純物をイオン注入してP型ウェルを形成した上で、当該P型ウェルの一部にN型不純物をイオン注入して形成されたN型領域である光電変換部を有する。
絶縁膜25は、例えばCVD法などにより形成された二酸化珪素により構成され、その膜厚は200[nm]である。
下部金属薄膜39及び上部金属薄膜41は、例えば金又はアルミ合金により構成され、下部金属薄膜39の膜厚は550[nm]、上部金属薄膜41の膜厚は850[nm]である。なお、上部金属薄膜41が中間層絶縁膜を介して下部金属薄膜39と接続される場合、前記中間層絶縁膜に窒化シリコンが利用される。
基板側保護膜27は、例えば窒化シリコンにより構成され、その膜厚は1000[nm]である。
多層積層膜29,31については、例えば、平坦化膜43は膜厚が1000[nm]のポリイミド系樹脂から構成され、カラー下地膜45は膜厚が100[nm]のアクリル系樹脂から構成され、カラーフィルタ膜47は膜厚が500[nm]の顔料レジスト等により構成され、表面保護膜49は膜厚が1000[nm]のポリイミド系樹脂により構成され、これらが順次積層されている。
マイクロレンズ37は、球面を有し(半球状をし)、当該球面の曲率等はマイクロレンズ37に入射した光が各画素の光電変換部で集中するように設計され、例えば、ポリイミド系樹脂により構成されている。
ボンディングパッド部19の大きさは0.1[mm]、多層積層膜(30)に形成されている開口部51、つまり、多層積層膜29の側壁29aとボンディングパッド部19の端縁19aとの距離A(図4参照)が10[μm]である。
ワイヤーボンディングに利用されるボンディングワイヤー55の直径は、25[μm]で、キャピラリの直径は40[μm]である。
側壁保護膜33(,35)は、熱フロー型の感光性レジストにより構成され、膜厚が1[μm]であり、幅B(図4参照)が10[μm]である。
スクライブレーン領域15の幅C(図4参照)は、10[μm]である。
5.開口部の大きさ、側壁保護膜、スクライブレーン領域の幅について
(1)開口部の大きさ
開口部51の大きさ、つまり、多層積層膜29の側壁29aとボンディングパッド部19の端縁19aとの距離Aについては、ワイヤーボンディング工程での妨げにならないように、ある程度広くする必要がある。
しかしながら、距離Aが大きすぎると金属配線部や遮光膜からの乱反射が増大し、フレアなどの光学特性に悪影響を与える。このため、上記距離Aは10[μm]<A≦100[μm]の範囲が好ましい。
(2)側壁保護膜
側壁保護膜33,35の膜厚は、実施例では1[μm]であったが、この膜厚は0.5[μm]以上10[μm]以下の範囲が好ましい。
これは、側壁保護膜33,35により多層積層膜29,31の側壁29a,31a,31bを覆うことが可能となる膜厚は0.5[μm]以上であり、また、ボンディングパッド部19に対応する開口部51及びスクライブレーン領域15に対応する開口部53を形成する場合、開口部51,53の解像力を得られる(開口部51,53を認識できる)膜厚が10[μm]以下であるためである。
また、側壁保護膜33,35における多層積層膜29,31の上壁での膜厚は、0.3[μm]以上8[μm]以下の範囲であり、側壁保護膜33の幅Bは、多層積層膜29の側壁29aとの密着性を考慮すると、0.5[μm]<B≦100[μm]の範囲が好ましい。
(3)幅C
スクライブレーン領域15の幅Cは、側壁保護膜35で多層積層膜31のスクライブレーン領域15側の側壁31bを覆うため、スクライブレーン領域15と同じかスクライブレーン領域15の端部から最大片側50[μm]広げた寸法、つまり、スクライブレーン領域15に対して、0[μm]以上50[μm]以下の範囲が(図8の「C1」である。)好ましい。
これは、多層積層膜31の側壁31a,31bを覆う側壁保護膜35がスクライブレーン領域15を狭めるため、予めその分を確保する必要があるからである。
ここで、スクライブレーン領域15の幅Cは、100[μm]〜200[μm]であり、この幅には、切り代(例えば、80[μm]である。)が含まれている。なお、ダイシングカッタの幅は40[μm]〜80[μm]であり、そのときの切り代は80[μm]〜160[μm]である。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、多層積層膜29,31の側壁29a,31a,31bと上壁の周縁部29b,31c,31dのみが側壁保護膜33,35で覆われている。
しかしながら、スクライブレーン領域15とボンディングパッド部19の端縁(19a)との距離が10[μm]以下となるような箇所においては、多層積層膜(31)の上面においてスクライブレーン領域15側の端部とボンディングパッド部19側の端部との両端部に最大8[μm]の保護膜が形成されるため、スクライブレーン領域15側の端部とボンディングパッド部19側の端部と、両端部間の略中央(つまり、保護膜が形成されていない部分との間に最大8[μm]の高低差が生じ、結果として窪みが発生する。この窪みにダイシング工程で発生する切り屑が溜まりやすくなり、その後の工程で切り屑が画素上に再付着する可能性がある。
第2の実施の形態では、スクライブレーン領域15側の多層積層膜31において上壁31eのすべてが保護膜105で被覆されている。
図8は、第2の実施の形態に係るカラー固体撮像素子におけるスクライブレーン領域とボンディングパッド部の周辺を拡大した断面概略図を示したものである。
第2の実施の形態に係るカラー固体撮像素子101は、同図に示すように、スクライブレーン領域15側の多層積層膜31の全体が保護膜105に覆われている。つまり、多層積層膜31の側壁31a,31bが保護膜105a,105bで、上壁31eが保護膜105cでそれぞれ被覆されている。
また、受光部21側の多層積層膜29の端部は、側壁29aからマイクロレンズ37の端近傍に亘るまでの部分が保護膜103により被覆されている。つまり、多層積層膜29の側壁29aが保護膜103aで、上壁29cが保護膜105bでそれぞれ被覆されている。
第2の実施の形態では、保護膜103,105は、熱硬化型の感光性レジストにより構成されている。この場合は高価な熱フロー性のあるレジストを必ずしも必要とはしない。
すなわち、保護膜103,105と多層積層膜29,31との接触面積が大きくなるため、比較的安価な熱硬化型の感光性フォトレジストでも保護膜103,105として使用可能となる。このような構成で製造されたカラー固体撮像素子101は、さらに材料コストを下げられるメリットがある。
<第3の実施の形態>
上記の第1及び第2の実施の形態では、マイクロレンズ37は別途形成する必要がある。すなわち、表面保護膜49の形成後、熱フロー型感光性レジストを塗布し、露光、現像、熱フロー工程を経て各光電変換部上にマイクロレンズ37を形成し、その後、多層積層膜30におけるスクライブレーン領域15及びボンディングパッド部19を含む周辺部19bが開口されるように設計されたフォトマスクを用い、感光性フォトレジストを塗布、露光、現像、ドライエッチ処理を経てスクライブレーン領域15とボンディングパッド部19を含む周辺部19bに対応する部分の多層積層膜を除去する。
そして、その後、ドライエッチのマスクとなった感光性フォトレジストを除去し、更に熱フロー型感光性レジスト(第1の実施の形態)、又は熱硬化型レジスト(第2の実施の形態)を全面に塗布し、マイクロレンズ37の形成用パターンと、スクライブレーン領域15と、ボンディングパッド部19を含む周辺部19bが開口されるように設計されたフォトマスクを用い、露光、現像、熱フロー(第1の実施の形態の場合であり、第2の実施の形態では熱フローに代わり熱硬化である。)工程を経てカラー固体撮像素子13,101が完成する。
第3の実施の形態では、マイクロレンズ37を形成する前に、多層積層膜30における開口部51,53の形成予定部分を開口し、マイクロレンズ37と多層積層膜29,31の側壁29a,31a,31bを保護する側壁保護膜33,35との形成を同時に行うようにしている。
つまり、第3の実施の形態に係るカラー固体撮像素子は、シリコン基板23上にボンディングパッド部19とスクライブレーン領域15を形成する第1の工程と、シリコン基板23上に多層積層膜30を形成する第2の工程と、多層積層膜30におけるボンディングパッド部19を含む周辺部19bとスクライブレーン領域15に相当する領域に開口部51,53を形成する第3の工程と、マイクロレンズ37と多層積層膜29,31の側壁29a,31a,31bを覆う側壁保護膜33,35とを形成する第4の工程とを経て製造される。
なお、第1の実施の形態とは、第1の工程と第3の工程とが同じで、第2の工程と第4の工程とが異なる。以下、第3の実施の形態に係る第2の工程及び第4の工程を、第1の実施の形態に係る第2の工程及び第4の工程と区別するために、第2aの工程及び第4aの工程として表すことにする。
図9は、第3の実施の形態に係る第3の工程が終了した状態のカラー固体撮像素子におけるスクライブレーン領域とボンディングパッド部の断面概略図を示したものである。
同図に示すように、第3の工程が終了した段階では、多層積層膜30における画素領域(受光部21)の各光電変換部に対応したマイクロレンズ37が形成されておらず、またスクライブレーン領域15とボンディングパッド部19を含む周辺部19bが開口している。
そして、第4aの工程では、熱フロー型の感光性樹脂を塗布し、マイクロレンズ37を形成した後、塗布した感光性樹脂に対して少なくともスクライブレーン領域15に近い多層積層膜31の側壁31a,31bと、受光部21側の多層積層膜29の側壁29aとに熱フロー型感光性樹脂が残るようにフォトリソグラフィ処理を行う。
第4aの工程について具体的に説明する。
まず、熱フロー型感光性レジストを1[μm]の膜厚となるように多層積層膜29,31上に塗布した後、画素(光電変換部)毎にマイクロレンズ37を形成する。
そして、多層積層膜31における少なくとも側壁31a,31bと、多層積層膜29における少なくとも側壁29aとが覆われるように設計されたフォトマスクを用い、露光、現像、熱フロー工程を行う。
このようにして製造されたカラー固体撮像素子は、ワイヤーボンディング時の干渉が無く、ダイシング工程での膜剥れ対策に有効なものとなる。
なお、熱フロー型感光性レジストの塗布は、ボンディングパッド部19、スクライブレーン領域15が開口されているため、凹凸が存在し、材料レジストの粘度、塗布シーケンス等を最適化しても、通常用いられている回転塗布装置では、塗布ムラ、ハケ等が発生しやすくなる。そのため、凹凸のあるウエハーにレジストを均一に塗布する技術として、スキャン塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布等での塗布がある。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態等に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記実施の形態等に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を実施することができる。
1.材料
実施の形態等では、N型不純物が添加されたシリコン基板であったが、例えば、P型不純物が添付されたシリコン基板であっても良く、半導体プロセスにより製造される基板であれば良い。
また、ボンディングパッド部19は、下部電極薄膜と上部電極薄膜とから、或いは下部電極薄膜と中間層絶縁膜と上部電極薄膜とからそれぞれされていたが、他の膜を利用しても良いし、一層の導電膜によりボンディングパッド部を構成しても良い。
多層積層膜は、平坦化膜、カラー下地膜、カラーフィルタ膜、表面保護膜をこの順で含んでいたが、他の膜を、上記の各膜の間に形成しても良い。
2.形状
実施の形態等では、カラー固体撮像素子の平面視形状が正方形状であったが、中央部に光電変換部上に多層積層膜を有し、当該多層積層膜の周囲にボンディングパッド部が形成され、ボンディングパッド部の外側に多層積層膜が形成され、当該多層積層膜の外周側がスクライブレーン領域になっていれば良く、例えば、平面視において正六角形状等の高く形状、楕円形状(円形状を含む)等であっても良い。
3.固体撮像装置
実施の形態では、カラー固体撮像素子について説明したが、カラー固体撮像素子を備える固体撮像装置についても適応することができる。
つまり、カラー固体撮像素子を支持基板に備えるカラー固体撮像装置の製造方法において、上述した製造方法で製造されたウエハーを製造するウエハー製造工程と、ウエハー製造工程で製造したウエハーをダイシング(カット)してカラー固体撮像素子を独立分離させる独立分離工程と、分離されたカラー固体撮像素子を支持基板に実装する実装工程と、実装されたカラー固体撮像素子のボンディングパッド部にワイヤーボンディングするボンディング工程とを経て製造される方法とすることができる。
本発明は、平坦化膜、カラーフィルタ膜、カラーフィルタ膜、表面保護膜などの多層積層膜をボンディングパッド部よりも広い開口とすることにより、フレアなどの光学特性を犠牲にすることなく、ワイヤーボンディング工程での不具合を解消し、更に多層積層膜側壁を単層膜で覆うことにより、ダイシングカット工程での膜剥れが防止でき、その結果、収率を向上させ、信頼性に優れたカラー固体撮像素子として有用である。
10 ウエハー
13 固体撮像素子
15 スクライブレーン領域
19 ボンディングパッド
23 シリコン基板(半導体基板)
25 絶縁膜
27 基板側保護膜
33,35 側壁保護膜
37 マイクロレンズ
39 下部金属薄膜
41 上部金属薄膜
43 平坦化膜
45 カラー下地膜
47 カラーフィルタ膜
49 表面保護膜

Claims (11)

  1. 光電変換部を中央に有し、当該光電変換部の周囲にボンディングパッド部が形成されていると共に前記ボンディングパッド部の周囲を取り囲む領域がスクライブレーン領域となっている半導体基板と、
    前記半導体基板における光電変換部の上方に下層から平坦化膜、カラー下地膜、カラーフィルタ膜、表面保護膜の順で形成された中央側多層積層膜と、
    前記半導体基板における前記ボンディングパッド部と前記スクライブレーン領域とに挟まれた領域の上方に下層から平坦化膜、カラー下地膜、カラーフィルタ膜、表面保護膜の順で形成された端側多層積層膜と
    を備え、
    前記ボンディングパッド部を挟んで対向する中央側多層積層膜と端側多層積層膜との間隔が前記ボンディングパッド部より大きく、
    前記中央側多層積層膜の側壁及び端側多層積層膜の側壁の各々が単層膜で覆われている
    ことを特徴とするカラー固体撮像素子。
  2. 前記中央側多層積層膜の側壁及び端側多層積層膜の側壁と、前記ボンディングパッド部の端縁との距離は100μm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載のカラー固体撮像素子。
  3. 前記端側多層積層膜の前記スクライブレーン領域側の側壁と、当該スクライブレーン領域の端縁との距離は50μm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載のカラー固体撮像素子。
  4. 前記単層膜は、前記中央側多層積層膜及び前記端側多層積層膜の上壁における端部を被覆している
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカラー固体撮像素子。
  5. 前記光電変換部の上方において、前記単層膜と同じ材料で形成されたマイクロレンズを有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラー固体撮像素子。
  6. 光電変換部と、前記光電変換部の周囲に配置されたボンディングパッド部と、前記ボンディングパッド部の周囲を取り囲むように配されたスクライブレーン領域とを有するカラー固体撮像素子の製造方法であって、
    基板に前記光電変換部と前記ボンディングパッド部とを形成する工程(a)と、
    前記工程(a)の後に、前記基板上に下層から順に平坦化膜、カラー下地膜、カラーフィルタ膜、表面保護膜を含む多層積層膜を形成する工程(b)と、
    前記工程(b)の後に、前記多層積層膜における前記ボンディングパッド部上方であって当該ボンディングパッド部よりも大きい部位と、前記多層積層膜における前記スクライブレーン領域の上方であって当該スクライブレーン領域と同じ大きさ又はそれよりも大きい部位とを除去する工程(c)と、
    前記工程(c)の後に、前記多層積層膜の側壁を覆う単層膜を形成する工程(d)と
    を有することを特徴とするカラー固体撮像素子の製造方法。
  7. 前記工程(b)において、前記ボンディングパッド部よりも大きい部位とは、当該ボンディングパッド部の端縁からの距離が100μm以下の範囲にある部位である
    ことを特徴とする請求項6に記載のカラー固体撮像素子の製造方法。
  8. 前記ボンディングパッド部と前記スクライブレーン領域に挟まれた前記多層積層膜における前記スクライブレーン領域側の側壁は、前記スクライブレーン領域の端縁から50μm以下の距離で離れている
    ことを特徴とする請求項6に記載のカラー固体撮像素子の製造方法。
  9. 前記工程(d)において、前記単層膜は感光性材料を用いて形成される
    ことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のカラー固体撮像素子の製造方法。
  10. 前記工程(d)において、前記光電変換部の上方に前記感光性材料を用いてマイクロレンズを形成する
    ことを特徴とする請求項9に記載のカラー固体撮像素子の製造方法。
  11. 請求項6〜10のいずれか1項に記載されたカラー固体撮像素子の製造方法を用いて製造されたウエハーをダイシングして当該カラー固体撮像素子を独立分離する工程(e)と、
    前記工程(e)の後に、前記カラー固体撮像素子をワイヤーボンディングする工程(f)
    とを有することを特徴とするカラー固体撮像装置の製造方法。
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