以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を用いて詳細に説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1を示す原稿給送装置の上視図である。図2は、本発明の実施形態1を示す原稿給送装置の側面から見た概略図である。
図1、図2において、1は原稿給送装置である。2は、原稿給送装置1が給送する複数の原稿(例えば、小切手、紙幣、有価証券、原稿、記録紙等)Dの束(以下、原稿束)Dxを立てた状態(縦置き状態)、即ち立姿勢で載置する原稿載置台である。即ち、原稿載置台2は、原稿束Dxが原稿Dの重なり方向を略水平方向に向けた状態で載置される載置台となる。この原稿載置台2には、原稿束Dxを立姿勢で保持し、且つバラけないように、原稿束Dxを整合壁2Aに押し付ける押圧板3が設けられている。
ここで、原稿載置台2には、一度の原稿給送作業において、できるだけ多数の原稿Dを給送するべく原稿載置台2に入りきるだけの原稿Dを載置することもあれば、原稿載置台2の原稿載置可能容量に比べて極めて少ない量の原稿Dを処理する、といった様々な使用状況がある。
このため、これらの状況に柔軟に対応できるよう、押圧部材となる押圧板3は、図示しない移動手段により原稿載置台2の整合壁2Aの方向に付勢されると共に、原稿Dを原稿載置台2に載置する際、載置される原稿Dの量に応じて、図1の実線位置(押圧位置P1)から点線の位置(非押圧位置P2)までの範囲内において移動できる構成になっている。なお、この押圧板3は、例えば、本実施形態では、原稿束Dxの厚さに応じて、後述する原稿整合動作が開始される際(整合動作中)、不図示の移動手段により原稿Dを押える位置から点線の位置(整合動作を妨げない位置)まで移動するようになっている。このような構成にすることで、例えば、原稿載置台2には、1回の原稿読取時に、できるだけ多くの原稿Dを処理するために、原稿載置台2に載置可能枚数いっぱいまで載置することもあれば、載置可能枚数に比べて極めて少ない原稿Dを載置する状況が考えられるが、いずれの状況にも柔軟に対応することができる。
なお、押圧板3を付勢する移動手段に関しては、コイルバネなどの伸縮性を利用したものや、モータなどの動力を利用したものなどを使用するなど様々な手段が考えられるが、これらの範囲に限定されるものではない。
また、押圧板3には、装置本体の整合壁2A側の原稿接触面(押圧面)に、凸部3bが設けられ、この凸部3bは、原稿載置台2側の下端部に設けられている。詳細には、押圧板3の支持部3aとは反対側の部位における、原稿Dを押圧する押圧面の原稿載置台2側の下端部(図2に示すように、原稿載置台2より上方で、且つ後述する給送ローラ5の下端部より下方の領域d1の範囲内)であって、上方から見て少なくとも給送ローラ5と対向する領域(給送ローラの直径)d2の範囲内には、押圧板3と対向する整合壁2A側に向かって突出する凸部3bが設けられている。そして、原稿Dの給送動作中において、この凸部3bが原稿束Dxのうち、最も外側、即ち、押圧板3側の原稿Dの下部に当接して給送ローラ5との間で加圧力を付与する。
これにより、原稿束Dxの下側部側が集中して加圧されるので、原稿Dに対して浮き上がる方向と逆方向の応力、すなわち、原稿載置台2の上面側に押さえ付ける応力がかかる。この状態で給送ローラ5等により原稿Dが給送されて分離されるため、分離時においても原稿Dが原稿載置台2の上面に沿った給送姿勢を良好に維持することができる。つまり、給送ローラ5により原稿Dを給送する際に、原稿Dがローラ対によるニップ部から受ける衝撃等により原稿Dが傾斜して浮き上がることを有効に抑制することができる。
ここで、給送ローラ5と凸部3bとの高さ位置の関係は、好ましくは、両者の原稿載置台2の上面からの高さ位置が一致しているか、あるいは、凸部3bが給送ローラ5よりも下側にするとよい。本実施形態では、凸部3bを給送ローラ5よりも下側となるように設けた。これにより、給送ローラ5側の原稿Dの浮き上がりを有効に防止することができる。このように原稿Dの浮き上がりを防止することにより、チェックスキャナや原稿画像の読取装置等による読取精度の低下を防止することができる。
特に、チェックスキャナにおいては、分離直後の原稿Dについて磁気情報を読み取って得られる磁気波形と基準波形(磁気インク文字毎に予め用意された辞書波形等)とを比較することで磁気情報認識(MICR等)を行う。このため、原稿Dが傾いて搬送されてしまうと、読み取った磁気波形と基準波形との照合がズレてしまうため、誤読や照合エラー等の原因となってしまう。本実施形態では、上述したように給送ローラ5側の原稿Dの浮き上がりを防止できるため、磁気情報認識における誤読及び誤判定を良好に行うことができる。
5は、原稿載置台2に載置された原稿Dを送り出す給送ローラであり、51及び52は給送ローラ5により送り出された原稿Dを1枚ずつ分離して下流側の画像読取部に向かって搬送する分離搬送部を構成するフィードローラ及びリタードローラである。ここで、この給送ローラ5は、図1に示すように、整合壁2Aから一部が突出した状態で配置されており、また図2に示すように、上下に移動可能に支持されている。
2Bは、後述する原稿整合動作の際に原稿束Dxが突き当たる原稿突き当て部である。4は、給送ローラ5と分離搬送部との間の原稿搬送路に突出自在に設けられたシャッターである。即ち、シャッター4は、原稿搬送路の開閉を行う部材となる。このシャッター4は、図示しない駆動手段によって、後述するように原稿束Dxを整合する際、原稿載置台2の原稿載置面2Cの下方の実線で示す位置から、原稿束Dxの先端が突き当たる位置まで突出するようになっている(シャッター手段)。
なお、図2に示すように、シャッター4が突出したとき、シャッター4は原稿束Dxに対して原稿突き当て部2Bと略同一面を形成するように構成されている。そして、このようにシャッター手段の一部を構成するシャッター4を突出させることにより、原稿整合動作の際、原稿Dが分離搬送部に入り込むことがないようにしている。即ち、シャッター4は、原稿Dの給紙動作と原稿束Dxの整合動作とにそれぞれ連動して原稿搬送路の一端を開閉動作するものである。具体的には、原稿束Dxを整合するときは原稿搬送路を閉じて原稿Dが分離搬送部に入り込むことを抑制し、原稿束Dxから原稿Dを1枚ずつ搬送するときは給送開始前に原稿搬送路を開けるように動作する。
なお、シャッター4は、原稿整合動作が終了した後、原稿Dを送り出す際には、原稿搬送路の入り口近傍に突出した位置から、原稿Dの送り出しを妨げない原稿搬送路から退避した位置に移動するようになっている。このようなシャッター4は、原稿搬送路の入り口近傍に突出可能で原稿搬送路の入り口を開閉できるものであればよく、その突出構成は特に限定されるものではない。例えば、シャッターが給送ローラ5側又は装置本体(原稿載置台2)側から突出可能であってもよいし、あるいは押圧板3側にある装置本体の端部から突出可能であってもよい。
ここで、このようなシャッター4よりも給送ローラ5側で且つ給送ローラ5と押圧板3とで挟まれた整合領域には、原稿束Dxを整合する整合手段が設けられている。例えば、本実施形態では、原稿載置台2には、原稿搬送方向に所定距離(少なくとも原稿載置台2に載置可能な最大シート長さより短い距離)だけ離間するように2箇所に配置された1対の整合用ローラ20,21が整合手段として設けられている。
これら各整合用ローラ20,21は、原稿束Dxの下端部に物理的な衝撃を付与する整合手段の一部を構成する整合部材(本実施形態では回転体)であり、原稿載置台2に平行で且つ原稿搬送方向と直交する方向に延びる回転軸20a,21aに回動自在に軸支されている。そして、各回転軸20a,21aの端部に設けられたプーリ20b,21bにタイミングベルト22が張設されて、一方を駆動軸(ここでは軸21a)、他方を従動軸(ここでは軸20a)として同期回転される。
また、上流側の整合用ローラ21の回転軸21aの端部にはフランジ23が設けられている。フランジ23には3本の羽根部23a〜23c(図4参照)が放射状に形成されており、羽根部23a〜23cの先端部が光路を遮るようにフォトインタラプタ24が設けられている。そして、後述するように、整合用ローラ20,21の回転時にフランジ23の羽根部23a〜23cのいずれかがフォトインタラプタ24の光路を遮光した位置が、整合用ローラ20,21の停止位置に設定される。
即ち、フランジ23の羽根部23a〜23cが一定の回転周期でフォトインタラプタ24の光路を遮ると、フォトインタラプタ24は、これに対応したON/OFF信号を後述する制御部へ出力し、整合用ローラ20,21の位相を検知する。なお、整合処理を行わない待機状態のとき、整合用ローラ20,21は図4に示すように原稿載置台2の上面部から突出せず、原稿載置台2より下方に退避した待機位置で静止している。また、このとき羽根部23a〜23cはフォトインタラプタ24の光路を遮るようになっており、これにより後述する制御部は、整合用ローラ20,21が待機位置にあると判断する。
<整合用ローラの構成及び機能>
次に、図3を参照して、整合用ローラ20,21の構成及び機能について説明する。図3において、整合用ローラ20,21は、回転軸20a,21aを法線とする面に平行な方向の断面形状が全体的に正三角形状をなし、三角形の各頂点に相当する部位を曲率Rの円弧状に切り欠いた曲面が形成されている。これにより、整合用ローラ20,21の外周面は、回転軸20a,21aに垂直な方向の断面形状が三角形の頂点に相当する3つの曲面部20r(21r)と、三角形の各辺に相当する3つの平面部20l(21l)とが交互に配置されたおにぎり状となり、曲面部20r(21r)と平面部20l(21l)とが回転軸20a,21aに沿った方向に延びている。
また、整合用ローラ20,21の曲面部20r(21r)は、原稿載置台2の上面部より原稿D側に突出する高さ(三角形の重心から曲面部までの距離R)を有しており、整合用ローラ20,21の平面部20l(21l)は、原稿載置台2の上面部より低くなるように形成されている。なお、各曲面部20r(21r)は、原稿束に対して衝撃を与える部分となり、回転方向に間欠的に設けられている。
上述した形状を有する整合用ローラ20,21が回転することによって、図3(a)に示すように、曲面部20r(21r)とそれに隣接する平面部20l(21l)とで形成される2つの境界部(稜線部分)のうち、先に原稿Dに接触する第1の境界部20c(21c)が原稿Dの下端部を突き上げる(その後、自重で落下する)。さらに、その後、図3(b)に示すように、第1の境界部20c(21c)の後方の曲面部20r(21r)が突き上げた原稿Dの下端部に摺接しながら回転することにより、原稿Dを前進させる。
このような上下方向への突き上げ及び摺接動作(ジョガー動作)が、原稿束Dxに対して前後2箇所の整合用ローラ20,21が1回転するごとに3回連続的に作用することになる。このとき、原稿束Dxは、整合用ローラ20,21によって原稿載置面2Cと突き当て部2Bとの垂直部に沿って物理的な衝撃が与えられて少なくとも上下動することになり、その結果、不揃いの原稿束Dxをより短時間で効率良く整合することができる。
なお、2つの整合用ローラ20,21は、各々の曲面部20r(21r)と平面部20l(21l)とが同じ位相となるようにタイミングベルト22により同期回転される。ここで、曲面部20r(21r)を円弧状に形成することで前後方向の長さhをかせぐことができ、曲面部20r(21r)と原稿Dとが接触している時間を長くすることができる。これにより、例えば、大きいサイズの原稿Dの間に小さいサイズの原稿Dが挟まれている場合等、様々なサイズの原稿Dが束ねられた状態で、各原稿Dの前端部及び下端部を正確且つ迅速に揃えることができる。
このような整合用ローラ20,21のジョガー動作により、同一サイズや種類の原稿Dであっても、あるいは異なるサイズや種類の原稿Dであっても、短時間で正確に整合することができ、上述した原稿Dの分離給送動作を直ぐに開始することができる。また、上述したように押圧板3の下側の端部に凸部3bを設けているので、分離給送時には、真っ直ぐ整合された後の整合姿勢をそのまま給送姿勢として原稿Dの分離給送を行うことができる。なお、本実施形態では、整合用ローラ20,21を略三角柱形状としたが、勿論これに限定されず、図示しないが、例えば、略四角柱形状としてもよい。
このように、整合用ローラ20,21によって整合する際においては、より短時間で且つ効率良く整合動作を完了させるべく、上述した整合用ローラ20,21を高速回転させることが望ましい。一方、押圧板3によって原稿束Dxを給送ローラ5に押圧した状態で整合動作を行うと原稿同士が動き辛くなり整合効率が低下するおそれがある。このため、整合動作中は押圧板3からの押圧力を給送時より弱めた状態で行うのが好ましい。但し、押圧板3が原稿束Dxから離れ過ぎると、原稿束Dxが傾いたり倒れたり等してしまうため、原稿束Dxの整合動作中は、原稿束Dxの縦置きした立姿勢状態(整合可能な姿勢)を保つ程度に押圧板3の位置を制御している。
そして、本実施形態では、このような整合動作中において、原稿束Dxの給送ローラ5側の原稿Dが給送ローラ5との間の摩擦力を受けて整合効率が悪くならないようにするために、給送ローラ5の近傍に整合補助部材100が設けられている。
ここで、図1及び図2を用いて、給送ローラ5の周辺構造についてさらに具体的に説明する。また、図4〜図7を参照して、整合補助部材100について詳細に説明する。なお、図4〜図7は、本実施形態に係る整合補助部材の拡大斜視図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の原稿給送装置1は、給送ローラ5の近傍で且つ押圧板3に対向する位置に、押圧板3に対して接近又は退避可能な整合補助部材100が設けられている。即ち、このような整合補助部材100は、図2に示すように給送ローラ5の上側に配置され、給送動作中以外は基本的に、図1に示すように一部が給送ローラ5よりも押圧板5側に突出している。
また、整合補助部材100は、図4に示すように、給送ローラ5の上方を覆うカバー部材150の下端部155に着脱自在に装着される。また、このような整合補助部材100の後方には、図5に示すように、金属製の板部材からなる付勢手段160が装着される。この付勢手段160は、例えば、本実施形態では、略コの字形状を有し、一対の突出部160a,160bは整合補助部材100の裏面側(原稿Dと接触する側とは反対側)の両端部100a,100bに係合するようになっている。そして、図6に示すように、付勢手段160が装着された整合補助部材100はカバー部材150の下端部155にスライド挿入され、図7に示すように付勢手段160に設けられた係合突起165とカバー部材150の係合孔155aとで整合補助部材100のカバー部材150への着脱を可能としている。なお、図示しないが、カバー部材150が装置本体にある給送ローラ5上側に装着されることで、整合補助部材100が給送ローラ5の近傍に配置される。また、カバー部材150の下端部155には、押圧方向への付勢手段160の動作を規制する一対の規制突起155bが一対の突出部160a,160bに対向して設けられている。これにより、必要以上に付勢手段160が押圧されることを防ぎ、付勢手段160の過度な変形を低減することができる。
このような整合補助部材100は、装置本体にカバー部材を介して装着されることで、給送ローラ5よりも前方に突出した位置から、付勢手段の弾性変形によって装置本体側に向かって所定の押圧力で所定量、具体的には付勢手段160の各突出部160a,160bが一対の規制突起155aに当接するまで押し込むことが可能となる。即ち、整合補助部材100は、給送ローラ5の近傍から押圧板3と給送ローラ5との間に対応する整合領域、より詳細には原稿束Dxが載置されて整合動作が行われる領域に対して出没自在となる。
また、本実施形態では、このような整合補助部材100の出没動作は、押圧板3による押圧動作に連動している。即ち、原稿Dの給送動作時においては、押圧板3が原稿束Dxを押圧したことで整合補助部材100が原稿束Dxより押し込まれることになる。一方、原稿束Dxの整合動作時においては、押圧板3を給送ローラ5から離れる方向に退避して押圧力が弱められ、これによって整合補助部材100が給送ローラ5よりも押圧板3側に突出して整合補助部材100と押圧板3との間で原稿束Dxを挟んだ状態となる。このとき、原稿束Dxと給送ローラ5とは非接触状態となる。
なお、整合補助部材100の給送ローラ5側の先端部は、押圧板3との間で原稿束Dxを挟むための原稿接触面となる。また、この整合補助部材100の原稿接触面は、原稿Dとの間で生じる摩擦力が給送ローラ5との比較で小さい表面からなり、例えば、本実施形態では給送ローラ5の原稿接触面よりも表面粗さが小さく形成されている。一方、給送ローラ5の原稿接触面については、原稿Dを確実に給送するために、原稿Dとの間である程度の摩擦力が生じるような表面粗さで設けられている。
また、整合補助部材100は、装置本体に装着された状態において、押圧板3と整合補助部材100との距離が原稿載置台2側に向かって徐々に小さくなるようなテーパー面形状で設けられている。即ち、整合補助部材100の原稿載置台2側の自由端である先端部がカバー部材150側の基端部Aよりも押圧板3側に突出している。そして、この整合補助部材100の先端部Bの端面が、整合動作時における原稿接触面を構成している。このような形状で整合補助部材100を構成することにより、原稿束Dxをセットする際に整合補助部材100が邪魔にならず、セットし易くなる。
さらに、このような整合補助部材100が付勢手段から受ける付勢力は、給紙動作中における押圧板3からの押圧力よりも弱くなるように調整されている。これにより、原稿Dの給紙動作中においては、原稿束Dxが押圧板によって押圧されてその原稿束Dxの一方面側が給送ローラ5に当接される。この状態で、原稿束Dxの給送ローラ5側の原稿から順番に給送ローラ5の回転に伴って給送されるようになっている。
一方、原稿束Dxの整合動作中においては、押圧板3が原稿束Dxから退避して押圧力を弱めた後、整合用ローラ20,21の回転動作によって原稿束Dxの整合が行われる。この際、原稿束Dxに対しては、押圧板3からの押圧力が弱められていることから、原稿束Dxよる整合補助部材100への押し込み力も原稿給紙動作中と比べて弱くなる。このときに、本実施形態では、整合補助部材100が付勢手段によって給送ローラ5よりも押圧板3側に突出するように設けられている。
これにより、原稿束Dxの整合動作中は、原稿束Dxが整合できる程度に押圧板3と整合補助部材100との間で挟まれた状態(原稿束Dxを余り倒さず縦置きした立姿勢状態)となり、このとき原稿束Dxは給送ローラ5に対して非接触状態となる。したがって、原稿束Dxの整合動作中は、給送ローラ5の影響を受けることがない。即ち、給送ローラ5と原稿Dとの間で摩擦力が生じることがないため、例えば、整合用ローラ20,21の高速回転等によって、より短時間で効率よく整合動作を行うことができる。
なお、整合補助部材100の原稿接触面は、給送ローラ5の原稿接触面よりも原稿Dとの摩擦力が小さくなるように形成されているので、原稿束Dxの整合動作において、整合補助部材100が原稿束Dxの整合動作を妨げることもなく、また原稿Dの給送動作中において原稿Dに接触したとしても給送動作を妨げることもない。
以上説明したように、本実施形態では、原稿束Dxを整合する際において、押圧板3と整合補助部材100とで原稿束Dxを挟み且つ給送ローラ5が原稿束Dxの一方面に非接触となる状態で、整合用ローラ20,21を回転させて原稿束Dxに物理的な衝撃を与えるようにしたので、給送ローラ5が整合作用に邪魔することなく、整合用ローラ20,21を高速回転させる等して原稿束Dxの高速整合、即ち、原稿束Dxをより短時間で且つ効率良く揃えることができて、安定した給送動作を実現することができる。
なお、本実施形態では、図2に示すように、給送ローラ5の上側に整合補助部材100を配設することによって、原稿載置台2に対して上部開口から原稿束Dxをセットする際に、整合補助部材100によって原稿束Dxを下方側に案内し、原稿束Dxが給送ローラ5に接触することを防いでいるので、セットし易いというメリットがある。また、押圧板3の下端部に凸部3bを設けるようにしたので、例えば、整合動作を行って給送姿勢を整え、その後、給送開始しても凸部3bによって給送姿勢を保つことができる。したがって、本実施形態の原稿給送装置1は、整合補助部材100の配置を給送ローラ5の上側に配置するなどの工夫により、ユーザにとって非常に使いやすい装置となり、しかも、安定した給送動作を実現することができる装置となる。
以下、図8を用いて、原稿給送装置1の制御構成について説明する。図8は、原稿給送装置1の制御構成の一例を示す制御ブロック図である。
図8において、200は操作部である。210は内部にCPUを備える制御部であり、原稿給送装置1を制御する。220はフォトインタラプタ24や原稿載置台2上に載置された原稿の有無を検知する不図示のセンサ等を含むセンサ類である。230は押圧板3やシャッター等、後述する給送ローラ5等の各種可動部材を駆動するためのモータ類である。240はモータ類230を動かすためのモータドライバであり、制御部210よりモータ動作指令を受けてモータに動作信号を出力する。250は全体の制御プログラムを格納するためのメモリ(ROM)である。なお、制御部210は、このROM250に記録されたプログラムを読み出して実行することにより、原稿給送装置1を制御する。260はセンサ類220からの信号を保存するためのメモリ(RAM)である。270はモータ類230の回転信号を出力するエンコーダである。
ところで、このような構成の原稿給送装置1は、操作部100の操作スイッチ(不図示の原稿整合動作開始スイッチ)が押圧されると、まず原稿端揃えの動作(原稿整合動作)を行い、この後、端揃えされた複数枚の原稿13aを給送ローラ5によって順次給送しながら、原稿搬送路へ原稿を一枚ずつ分離給送する。
なお、原稿給送装置1を適用した原稿読取装置の場合、原稿読取装置(原稿スキャナ、チェックスキャナ等)は、上述のように分離給送した原稿13aを、不図示の読取部(画像読取部や、磁気インク文字認識等)に搬送し、原稿13aの読取処理(画像読取処理や、磁気インク文字認識処理等)を行う。また、原稿給送装置1を適用した画像形成装置(プリンタ、複写機等)の場合、原稿読取装置は、上述のように分離給送した原稿13aを、不図示の画像形成部に搬送し、原稿13aへの画像形成処理を行う。
次に、このような原稿給送装置1の原稿揃え動作(原稿整合動作)及び制御、またその後の原稿給送動作について説明する。
ユーザが複数枚の原稿Dを原稿載置台2に載置し、操作部200の操作スイッチ(不図示の原稿整合動作開始スイッチ(ジョガーボタン))を押圧すると、まず押圧板3が、原稿束Dxへの押圧力を弱めるよう、即ち整合用ローラ20,21による整合動作を妨げることのないよう不図示の移動手段により図1の実線位置から点線で示す位置まで退避する。また、シャッター4は、原稿Dの原稿搬送路を遮断するように突出する。そして、このように押圧板3が退避すると共に整合用ローラ20,21は回転を開始し、このように整合用ローラ20,21が回転すると、図3に示すように、整合用ローラ20,21の一部である曲面部20r(21r)が原稿載置面2Cから順次突出して原稿束Dxの底面を押し上げつつ給送方向(シャッター4側)への推進力を与えた後退避する。
このように、整合用ローラ20,21の回転に伴い、原稿束Dxは原稿端部が原稿突き当て部2Bに突き当たるまで搬送路下流に移動してゆく。なお、既に原稿突き当て部2B及びシャッター4に突き当たっている原稿Dは原稿突き当て部2B及びシャッター4に遮られつつ、整合用ローラ20,21の動作によって原稿載置面2Cに対して上方に持ち上げられた後、再度落下する、といった挙動を繰り返す。
そして、このように原稿束Dxを持ち上げた後、落下させるという振動動作を繰り返すことにより、原稿束Dxは原稿載置面2Cに対して充分に整列される。また、原稿束Dxが連続的に原稿突き当て部2B及びシャッター4に突き当たることにより、複数のサイズの原稿Dが混じっている場合でも、各々の原稿Dの先端を含めた端部を揃えることができる。
次に、このような原稿端揃え動作(原稿整合動作)が終了すると、押圧板3による原稿束Dx側への押圧力を強め、原稿束Dxを介して整合補助部材100を後方へ押し込み、給送ローラ5に原稿束Dxを当接させる。そして、シャッター4によって原稿搬送路の入り口を開けて、前述したように給送ローラ5によって原稿束Dxを送り出し、この後、フィードローラ51及びリタードローラ52により原稿を1枚ずつ分離して搬送する。そして、全ての原稿Dが原稿載置台2から搬送された後に全ての動作を終了する。
このように、原稿束Dxを原稿載置台2に立てた状態で載置した後、整合補助部材100と押圧板3との間で原稿束Dxを優先的に挟み、給送ローラ5は原稿束Dxに非接触状態として、整合用ローラ20,21により所定時間連続的に上下方向に振動させると共に原稿給送方向に移動させて原稿突き当て部2B及びシャッター4に突き当てることにより、原稿束Dxの端揃えを簡単な構成で高速且つ正確に効率良く行うことができ、また、原稿給送装置1の小型、軽量、省スペース化が可能となると共に、コストアップを招くことなく装置を安価に構成することができる。
さらに、これまでの説明においては、整合部材である2つの整合用ローラ20,21により、原稿束Dxを上下方向に振動させながら給送方向へ移動させる場合について述べてきたが、本発明は、これに限らず、原稿載置台2の原稿載置面2Cから突出可能な整合部材により1又は複数箇所で原稿束Dxを上下方向に振動させ原稿給送方向に移動させるようにしても、原稿束Dxの底面及び側端を揃えることができる。但し、複数の整合用ローラを用いることで高速整合を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、原稿載置台2に原稿束Dxを立てた状態で載置した後、整合用ローラ20,21を原稿載置台2の原稿載置面2Cより突出させて、原稿束Dxを原稿載置台2の1又は複数箇所で上下方向に振動させると共に原稿給送方向に移動させて原稿突き当て部2B(又はシャッター4)に突き当て、原稿束Dxの底面及び側端を揃えるようにする原稿給送装置1において、整合動作中は、原稿束Dxを整合補助部材100と押圧板3との間で優先的に挟み、原稿束Dx(給送ローラ5側の原稿D)が給送ローラ5に非接触状態とすることにより、原稿束Dxをより短時間で且つ効率良く整合することができ、安定した原稿Dの給送動作を行うことができる。
(実施形態2)
上記実施形態1では、原稿給送装置1内の制御部210が、原稿給送装置1を制御する構成について説明した。本実施形態では、原稿給送装置1に接続されたコンピュータが、原稿給送装置1を制御する構成について示す。
図9は、本発明の原稿給送装置を適用可能なシステムの構成を示すブロック図であり、図8と同一構成には同一符号を付して重複する説明は省略する。
図9において、800は、情報処理装置としてのコンピュータであり、パーソナルコンピュータ(PC)等で構成される。
コンピュータ800は、通信媒体(USB等のインタフェースやネットワーク等)900を介して原稿給送装置1と通信可能に接続されている。即ち、本実施形態の原稿給送装置1は通信媒体900を介したコンピュータ800と通信の通信を制御するインタフェース部(I/F部)280を有する。なお、コンピュータ800と原稿給送装置1とは、例えば、USB通信等で接続することができるが、シリアル通信によって接続するようにしてもよい。
コンピュータ800において、801はCPUで、ROM803のプログラム用ROMに記憶されたプログラムに基づいてシステムバス804に接続された各デバイスを制御し、コンピュータ800全体を統括制御する。802はRAMで、CPU801の主メモリ,ワークエリア等として機能する。
805はキーボードコントローラ(KBC)で、キーボード(KB)809や図示しないポインティングデバイス、例えばマウスからの入力を制御する。806はディスプレイコントローラ(DC)で、ディスプレイ810の表示を制御する。なお、ディスプレイ810はCRTであってもLCD等のその他の形式の表示装置であってもよい。
807はメモリコントローラ(MC)で、外部メモリ811(ハードディスク、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVD等)とのアクセスを制御する。808はインタフェース部(I/F部)で、通信媒体(USB等のインタフェースやネットワーク等)900を介した原稿給送装置1との通信を制御する。
コンピュータ800のCPU801は、外部メモリ811にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラム(原稿給送装置1を制御するための制御プログラム、あるいは通信制御用のドライバ、ドライバ機能を備えたソフトウェア等)を読み出して実行することにより、原稿給送装置1を制御する原稿給送制御装置として動作する。すなわち、コンピュータ800のCPU801は、コンピュータ800に接続される原稿給送装置1に対し、外部メモリ811に記録された制御プログラム等により各種の制御信号を出力することにより、原稿給送装置1を制御することができる。なお、原稿給送装置1の制御全てをコンピュータ800から指示できるようにしてもよいが、例えば、原稿給送装置1側にユーザインターフェース(UI)や制御部等を設けるなどして、原稿給送装置1での操作に基づいて搬送開始や整合処理、あるいは整合部材の位置調整等を制御できるようにしてもよい。
本実施形態では、コンピュータ800は、原稿給送装置1から、フォトインタラプタ24の検知結果の情報を取得し、実施形態1で例示した各種の情報処理についてコンピュータ800上で実行して、インタフェース900を介したコンピュータ800からの指示により、原稿給送装置1を制御するものとする。
なお、本実施形態では、実施形態1で操作部100から行う構成であった指示を、コンピュータ800から行うように構成してもよい。例えば、原稿給送装置1が読取装置の場合、原稿給送装置1で読み取られた読取情報がコンピュータ800に転送されて外部記憶装置等に記憶される。また、原稿給送装置1が印刷装置の場合、コンピュータ800から送信される印刷データに基づく印刷処理が原稿給送装置1で搬送(給送)される原稿上に行われる。
(実施形態3)
図10は、本発明の実施形態3に係る原稿給送装置を説明するための概略図である。本実施形態では、原稿搬送路の入り口を開閉するシャッター4と整合補助部材100とを接続部材300によって連結して連動するようにした以外は上述した実施形態1と同様である。なお、実施形態1と同一構成には同一符号を付して重複する説明は省略する。
具体的には、図10に示すように、シャッター4をフィードローラ51側から原稿搬送路の入り口近傍に出没自在に設け、且つこのシャッター4と整合補助部材100と接続部材300によって一体的に連結されている。そして、整合補助部材100は、駆動手段400によってシャッター4で原稿搬送路の入り口を開閉するのと同時に、駆動手段400によって原稿束Dxの整合領域に出没自在となる。即ち、シャッター4によって原稿搬送路の入り口を閉じた時は、整合補助部材100は給送ローラ5よりも押圧板3側に突出し、整合可能な状態となる。一方、シャッター4によって原稿搬送路の入り口を開いた時は、整合補助部材100は給送ローラ5の原稿接触面と同等レベルまで後退し、給送可能な状態となる。
このようにシャッター4と整合補助部材100とを一体的に連結して連動させることにより、より短時間で且つ効率良く行う整合動作を、簡単な構成で低コストに実現することができる。
なお、本実施形態では、シャッター4と整合補助部材100とを同一方向に駆動した場合について説明したが、勿論これに限定されず、例えば、シャッターと整合補助部材とをリンク部材によって接続し、シャッターの開閉動作に伴って整合補助部材を連動させて押圧板3に対して接近又は退避できるようにすればよい。
(実施形態4)
図11は、本発明の適用例に係るチェックスキャナ900の斜視図である。チェックスキャナ900は、小切手等の原稿980の表裏の画像読取等を行う原稿処理装置である。
チェックスキャナ900は、本発明の一実施形態に係る原稿分離搬送装置としての分離搬送部910(図1の原稿給送装置1に相当)を備える。分離搬送部910は、原稿980の束(図1の原稿束Dxに相当)を立てた状態で載置する原稿載置部(載置台)911(図1の原稿載置台2に相当)を備え、原稿980を立てた状態でスリット912を通して処理部20に一枚ずつ搬送する。
また、原稿載置部911の下方には、上述した実施形態1で説明した原稿束を整合するための図示しない回転体(図1の整合用ローラ20,21に相当)が配置される。これにより、原稿載置部911に載置される原稿980(原稿束)の整合処理を、原稿980の分離搬送前に行うことができるようになっている。
なお、原稿の搬送経路内には、1つ又は複数のレジストセンサ(図示しない)が設けられている。レジストセンサは、原稿への各種処理タイミングを図るために、原稿の到達及び通過を検知している。
原稿Dを一枚ずつ分離する分離機構部の直後にある処理部920には原稿980の磁気情報を読み取る磁気センサ、及び、原稿980の片面の画像の読み取りを行う撮像センサが設けられる。ここでの処理部920では、まず、分離直後の原稿980に含まれる磁気情報を磁気センサによって読み取り、例えば、磁気インク文字認識を行う。そして、原稿980の磁気情報を読み取った後は、原稿980の磁気インク文字付与面の画像を読み取るようにする。もちろん、磁気インク文字の読み取り前に、原稿980の磁気インク文字面の画像を読み取るようにしてもよい。処理部920を通過した原稿980は、立てた状態で湾曲搬送部930により処理部940へ搬送される。同図の矢印は原稿980の搬送方向を示している。このような磁気インク文字認識においては、原稿の読み取り姿勢がばらついてしまうと、読み取り及び情報の照合が難しくなり、結果的に誤読等の原因となる。したがって、原稿束Dxを予め整合させておくことにより、このような誤読等を回避することができる。
処理部940は原稿980への印刷を行う印刷ヘッドや原稿980の片面の画像の読み取りを行う撮像センサが設けられる。ここでの処理部940では、まず、搬送方向上流側の処理部920での読み取り結果(磁気インク文字認識の判定結果等)に基づいて、所定の印刷処理が行われる。また、画像の読み取り処理は、原稿980の印刷処理面面の画像を読み取るようにする。処理部940を通過した原稿980は排出部950に排出されて一単位の処理が終了する。
カバー部材960は、着脱自在に装置本体に取り付けられており、装置本体の一部の機構を覆う。カバー部材960は、カバー部961を有する。カバー部961は不図示の分離ローラ(図1のリタードローラ52に相当)周辺の上方を覆う。カバー部材970は不図示の搬送ローラ周辺の上方を覆う。
また、チェックスキャナ900には、カバー部材970の上面に複数の操作部(図8の操作部100に相当)が配置されている。この操作部をユーザが操作することにより、チェックスキャナ900の基本動作、例えば、読取動作開始、整合処理の開始や停止、整合部材の位置調整等を行うことができる。
なお、図示しないが、このような操作部の近傍に、エラー表示を行う表示部を設けて、チェックスキャナ900の状態を報知できるようにしてもよい。この場合、整合部材の一部が分離搬送前の状態で原稿載置部の上面から突出していることを検知した際において、そのことを表示部からユーザに対して知らせることができる。そして、ユーザは、操作部を適宜操作する(例えば、原稿整合動作開始スイッチ(ジョガーボタン)991を押下する)ことにより、整合部材の調整を行った後(上述の回転体が原稿載置台911から突出していない状態に調整した後)、必要に応じて整合処理、読み取り開始(すなわち、分離搬送開始)を行うことができる。
ジョガーボタン991と整合部材の位置調整ボタン(例えば992)とを別々に設けてそれぞれを操作可能としてもよいが、例えば、1つのジョガーボタン991を半押し又は長押しする等のボタン操作によって、1つのジョガーボタン991で通常の整合動作と整合部材の調整動作とを区別できるようにしてもよい。また、スタートボタン993又はジョガーボタン991等を押すと、そのタイミングで整合部材の状態を確認し、整合部材の位置調整が必要な場合は整合部材の調整処理を行い、整合部材の調整調整が不要な場合はそのまま原稿の搬送を開始するようにしてもよい。いずれにしても、原稿の搬送開始前に、整合部材の状態に応じてその位置調整を行うことができればよい。
(他の実施形態)
以上、本発明を各実施形態1〜4に基づいて説明したが、本発明は上述した各実施形態1〜4に限定されるものではない。例えば、上述した整合動作時間(原稿束を振動させる時間)、原稿束を振動させる回数の少なくとも一つを設定する設定機能を操作部100又はコンピュータ800に備えるように構成してもよい。
また、整合動作終了後に自動で給送動作を行うように構成してもよい。さらに、整合動作終了後に自動で給送動作を行うモード、整合動作終了後に自動で給送動作を行わないモードを設け、これらを操作部100又はコンピュータ800から設定可能に構成してもよい。
なお、上述した原稿給送装置が備える各種部材の構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。