JP2011235594A - 液体噴射装置のパルス設定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズル列毎に特性ばらつきが生じていても、液体流路内に存在する気泡の排出性を確保することが可能な液体噴射装置のパルス設定方法を提供する。
【解決手段】気泡発生駆動パルスを圧電振動子に印加する気泡発生工程S10と、検査用駆動パルス群をノズル列に対応した圧電振動子毎に印加する検査フラッシングS20と、噴射駆動パルスを印加することで各ノズルから所定の状態としてインクが噴射されたか否かを検査する噴射不良検査工程S30と、噴射不良検査工程によってノズルから所定の状態としてインクが噴射されなかったと判断された場合に、検査用駆動パルスの波形要素を変更して検査フラシングに戻る一方、ノズルから所定の状態としてインクが噴射されたと判断された場合に、検査フラッシングで用いられた検査用駆動パルス群のうち少なくとも何れかの検査用駆動パルスをフラッシング用駆動パルスとして設定するパルス設定工程S40とを含む。
【選択図】図7

Description

本発明は、ノズルに連通する圧力室に圧力変動を与えて、圧力室内の液体をノズルから噴射させる液体噴射ヘッドを備えるインクジェット式プリンター等の液体噴射装置のパルス設定方法に関する。
液体噴射装置は、液体を噴射(吐出)可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、液体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズルから液滴状のインクを記録紙等の記録媒体(噴射対象)に対して噴射・着弾させることで画像等の記録を行うインクジェット式プリンター(以下、単にプリンターという。)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、或いはFED(面発光ディスプレイ)等のディスプレイ製造装置においては、色材や電極等の液体状の各種材料を、画素形成領域や電極形成領域等に対して噴射するためのものとして、液体噴射装置が用いられている。
上記の記録ヘッドでは、液体状のインクを封入したインクカートリッジなどの液体貯留部からのインクが導入されると共に、リザーバーから圧力室を経てノズルに至る一連の液体流路が形成された流路ユニットや圧力室の容積を変動可能な圧力発生素子を有するアクチュエーターユニットなどを備えている。この記録ヘッドでは、自然蒸発によるインクの増粘や、インクに混入した気泡の圧力変動の吸収による圧力損失などによって、ノズルからインクが噴射されない、所謂ドット抜けや飛翔曲がりが発生する虞があり、インクの噴射不良を発生させる等の不具合を招く問題があった。
このようなインクの噴射不良を防止するため、種々のメンテナンス処理が実行されている。例えば、駆動パルスを圧力発生素子に印加して圧力発生素子を駆動させることで圧力室内に圧力変化を与えてノズルから液滴の空吐出を行う(以下、フラッシングという)ことによって、増粘したインクやインクに混入した気泡を強制的に除去することが行われている。フラッシングとは、液滴を紙などの着弾対象に着弾させることで、所定の着弾状態(例えば、画像)を得るための噴射領域、噴射タイミングとは別に設けられたフラッシング専用領域、フラッシング専用タイミングにおいて、ノズルから液滴を吐出させる動作のことである。
ところで、液体の粘度は、温度に応じて変化する。このため、フラッシング用駆動パルスを圧力発生素子に印加した際の気泡の排出性が変化する。このような温度変化に対応するために、圧力室を膨張させる第1のパルス部分と、膨張した圧力室を収縮させる第2のパルス部分と、第1のパルス部分と第2のパルス部分との間で膨張した圧力室の容積を保持(維持)する中間パルス部分とを含んでフラッシング用駆動パルスを構成し、記録ヘッドまたは記録ヘッド周辺の環境温度に応じて中間パルス部分の時間幅を調整(変更)することによって、フラッシング用駆動パルスを圧力発生素子に印加した際に圧力室に与える圧力変動を温度変化に応じて変化させて、圧力室内の気泡の排出性を向上させることが可能なプリンターが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−286074号公報
しかしながら、上記プリンターにおいても、記録ヘッドの製造時に、液体流路や圧力発生素子の寸法などが予め設定された設計値に対して誤差が生じることがあり、この結果、ノズル列(より詳しくはノズル)毎に、このような製造誤差に起因する特性ばらつきが生じる。この特性とは、例えば、圧力室内のインクに生じるヘルムホルツ共振周期(固有振動周期Tc)や、ノズル列毎に圧力発生手段が異なる場合において特定の電圧を印加したときの各圧力発生手段の変位量等である。このため、このような特性ばらつきを有する記録ヘッドに対して、上記したフラッシング用駆動パルスを用いて一律にフラッシングを行うと、ノズル列毎に気泡の排出性にばらつきが生じる可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノズル列毎に特性ばらつきが生じていても、液体流路内に存在する気泡の排出性を確保することが可能な液体噴射装置のパルス設定方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射装置のパルス設定方法は、複数のノズルから構成されるノズル群を複数列設し、各ノズルに連通する圧力室の容積を変動させる圧力発生手段を駆動することで前記ノズルから液体を噴射して着弾対象に着弾させる液体噴射ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動する駆動パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生部と、を備えた液体噴射装置の設定方法であって、
前記駆動信号発生部は、噴射駆動パルスを前記圧力発生手段に印加することで前記着弾対象に向けて液体を噴射する噴射処理とは別に、前記液体噴射ヘッドの液体流路内の気泡を除去する第1の駆動パルスと、当該第1の駆動パルスが決定される前の暫定的な第2の駆動パルスを複数種類含む第2の駆動パルス群と、前記ノズルから液体内に気泡を意図的に取り込むことができる第3の駆動パルスと、を発生可能であり、
前記第2の駆動パルスは、前記圧力室の容積が変化するように電圧を変化させる第1の電圧変化要素と、電圧を一定値で維持する電圧維持要素と、第1の電圧変化要素によって電圧が変化した方向とは反対方向に電圧を変化させる第2の電圧変化要素と、を含み、
前記第2の駆動パルス群を構成する各第2の駆動パルスは、各波形要素の少なくとも何れか1つがそれぞれで異なり、
前記第3の駆動パルスを前記圧力発生手段に印加する第1の工程と、
前記第2の駆動パルス群を前記ノズル群に対応した前記圧力発生手段毎に印加する第2の工程と、
前記第2の工程の後に、前記噴射駆動パルスを前記圧力発生手段に印加することで、各ノズルから液体が所定の状態として噴射されたか否かを検査する第3の工程と、
前記第3の工程によって前記ノズルから所定の状態として液体が噴射されなかったと判断された場合に、前記第2の駆動パルスの波形要素のうちの少なくとも1つのパラメーターを変更して前記第2の工程に戻る一方、前記ノズルから液体が所定の状態として噴射されたと判断された場合に、前記第2の工程で用いられた第2の駆動パルス群のうち少なくとも何れかの第2の駆動パルスを前記ノズル群に対応する前記第1の駆動パルスとして設定する第4の工程と、を含むことを特徴とする。
なお、「気泡を除去する」とは、ノズルからの液体の噴射によって流路内に残存する気泡を排出するために、気泡を液体内に溶解させる現象を含め、液体及び当該液体に残存する気泡をノズルから排出させる現象を意味する。
また、「所定の状態」とは、ノズルから噴射される液体が流路内の気泡を外部に排出できる状態を言う。
この構成よれば、駆動信号発生部は、噴射駆動パルスを圧力発生手段に印加することで着弾対象に向けて液体を噴射する噴射処理とは別に、液体噴射ヘッドの液体流路内の気泡を除去する第1の駆動パルスと、第1の駆動パルスが決定される前の暫定的な第2の駆動パルスを複数種類含む第2の駆動パルス群と、ノズルから液体内に気泡を意図的に取り込むことができる第3の駆動パルスと、を発生可能であり、第2の駆動パルスは、圧力室の容積が変化するように電圧を変化させる第1の電圧変化要素と、電圧を一定値で維持する電圧維持要素と、第1の電圧変化要素によって電圧が変化した方向とは反対方向に電圧を変化させる第2の電圧変化要素と、を含み、第2の駆動パルス群を構成する各第2の駆動パルスは、各波形要素の少なくとも何れか1つがそれぞれで異なり、第3の駆動パルスを圧力発生手段に印加する第1の工程と、第2の駆動パルス群を前記ノズル群に対応した圧力発生手段毎に印加する第2の工程と、第2の工程の後に、噴射駆動パルスを圧力発生手段に印加することで、各ノズルから液体が所定の状態として噴射されたか否かを検査する第3の工程と、第3の工程によってノズルから所定の状態として液体が噴射されなかったと判断された場合に、第2の駆動パルスの波形要素のうちの少なくとも1つのパラメーターを変更して第2の工程に戻る一方、前記ノズルから所定の状態として液体が噴射されたと判断された場合に、第2の工程で用いられた第2の駆動パルス群のうち少なくとも何れかの第2の駆動パルスを前記ノズル群に対応する第1の駆動パルスとして設定する第4の工程と、を含むので、製造誤差などによってノズル群毎に特性ばらつきがある場合においても、各ノズル群に対応する液体流路内に存在する気泡の排出性を確保し、各ノズル群に対して噴射能力を回復させることが可能なフラッシング用としての第1の駆動パルスを設定することができる。即ち、各ノズル群の特性に応じた効果的な第1の駆動パルスを複数種類の第2の駆動パルスの中から設定することができる。この結果、設定した第1の駆動パルスを各ノズル群に対応する圧力発生手段に印加することにより、ノズル群毎の特性ばらつきによらず、各ノズル群の噴射能力を回復させることができる。
上記構成において、前記第4の工程には、前記第3の工程において前記ノズルから所定の状態として液体が噴射されたと判断された場合に、前記第2の工程において前記圧力発生手段に印加した第2の駆動パルス群の中から第1の駆動パルスとして採用する第2の駆動パルスを選定する選定処理を含むことが望ましい。
この構成によれば、第4の工程には、第3の工程においてノズルから所定の状態として液体が噴射されたと判断された場合に、第2の工程において圧力発生手段に印加した第2の駆動パルス群の中から第1の駆動パルスとして採用する第2の駆動パルスを選定する選定処理を含むので、第2の駆動パルスの中から各ノズル群の特性に応じたより効果的なフラッシング用の第1の駆動パルスを設定することができる。
また、本発明の液体噴射装置のパルス設定方法は、複数のノズルから構成されるノズル群を複数列設し、各ノズルに連通する圧力室の容積を変動させる圧力発生手段を駆動することで前記ノズルから液体を噴射して着弾対象に着弾させる液体噴射ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動する駆動パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生部と、を備えた液体噴射装置のパルス設定方法であって、
前記駆動信号発生部は、噴射駆動パルスを前記圧力発生手段に印加することで前記着弾対象に向けて液体を噴射する噴射処理とは別に、前記液体噴射ヘッドの液体流路内の気泡を除去する第1の駆動パルスと、当該第1の駆動パルスが決定される前の暫定的な第2の駆動パルスと、前記ノズルから液体内に気泡を意図的に取り込むことができる第3の駆動パルスと、を発生可能であり、
前記第2の駆動パルスは、前記圧力室の容積が変化するように電圧を変化させる第1の電圧変化要素と、電圧を一定値で維持する電圧維持要素と、第1の電圧変化要素によって電圧が変化した方向とは反対方向に電圧を変化させる第2の電圧変化要素と、を含み、
前記第3の駆動パルスを前記圧力発生手段に印加する第1の工程と、
前記第2の駆動パルスを前記ノズル群に対応した前記圧力発生手段毎に複数印加する第2の工程と、
前記第2の工程の後に、前記噴射駆動パルスを前記圧力発生手段に印加することで、各ノズルから所定の状態として液体が噴射されたか否かを検査する第3の工程と、
前記第3の工程によって前記ノズルから所定の状態として液体が噴射されなかったと判断された場合に、前記第2の駆動パルスの波形要素又は第2の駆動パルス同士を接続するパルス接続要素のうちの少なくとも1つのパラメーターを変更して前記第2の工程に戻る一方、前記ノズルから所定の状態として液体が噴射されたと判断された場合に、前記第2の工程で用いられた第2の駆動パルスを、前記ノズル群に対応する前記第1の駆動パルスとして設定する第4の工程と、を含むことを特徴とする。
この構成よれば、駆動信号発生部は、噴射駆動パルスを圧力発生手段に印加することで着弾対象に向けて液体を噴射する噴射処理とは別に、液体噴射ヘッドの液体流路内の気泡を除去する第1の駆動パルスと、第1の駆動パルスが決定される前の暫定的な第2の駆動パルスと、ノズルから液体内に気泡を意図的に取り込むことができる第3の駆動パルスと、を発生可能であり、第2の駆動パルスは、圧力室の容積が変化するように電圧を変化させる第1の電圧変化要素と、電圧を一定値で維持する電圧維持要素と、第1の電圧変化要素によって電圧が変化した方向とは反対方向に電圧を変化させる第2の電圧変化要素と、を含み、第3の駆動パルスを圧力発生手段に印加する第1の工程と、第2の駆動パルスを前記ノズル群に対応した前記圧力発生手段毎に複数印加する第2の工程と、第2の工程の後に、噴射駆動パルスを圧力発生手段に印加することで、各ノズルから所定の状態として液体が噴射されたか否かを検査する第3の工程と、第3の工程によってノズルから所定の状態として液体が噴射されなかったと判断された場合に、第2の駆動パルスの波形要素又は第2の駆動パルス同士を接続するパルス接続要素の何れかのパラメーターのうちの少なくとも1つを変更して第2の工程に戻る一方、ノズルから所定の状態として液体が噴射されたと判断された場合に、第2の工程で用いられた第2の駆動パルスを、前記ノズル群に対応する第1の駆動パルスとして設定する第4の工程と、を含むので、製造誤差などによってノズル群毎に特性ばらつきがある場合においても、各ノズル群に対応する液体流路内に存在する気泡の排出性を確保し、各ノズル群に対して噴射能力を回復させることが可能なフラッシング用の第1の駆動パルスを設定することができる。即ち、各ノズル群の特性に応じた効果的なフラッシング用駆動パルスを用いて噴射能力回復処理を行うことができる。この結果、ノズル群毎の特性ばらつきによらず、各ノズル群の噴射能力を回復させることができる。
上記構成において、前記第3の工程によって前記ノズルから所定の状態として液体が噴射されなかったと判断された場合に、前記パルス接続要素の時間を、短く又は長くなるように変更することが望ましい。
この構成によれば、第3の工程によってノズルから所定の状態として液体が噴射されなかったと判断された場合に、パルス接続要素の時間を短く又は長くなるように変更するので、対のうちの前側の駆動パルスによって圧力発生手段を駆動したときに圧力室内に生じる圧力振動と、後側の駆動パルスによって圧力発生手段を駆動したときに圧力室内に生じる圧力振動とが共振する状態を得ることが可能なフラッシング用の第1の駆動パルスを設定することができる。これにより、気泡の排出性を向上させることができる第1の駆動パルスを確実に設定することができる。
また、第2の駆動パルスの種類を増やすことなく、第1の駆動パルスを設定することができる。
上記構成において、前記第2の工程における各第2の駆動パルスの駆動電圧が、次第に高まり又は次第に低くなることが望ましい。
なお、「駆動電圧」とは、駆動パルスの最低電位から最高電位までの電位差を意味する。
この構成によれば、第2の工程における各第2の駆動パルスの駆動電圧が、次第に高まり又は次第に低くなるので、気泡を液体中に溶解させるために効果的な圧力変動を得ることが可能な第1の駆動パルスを設定することができる。即ち、各ノズル群の特性に応じた効果的なフラッシング用駆動パルスとしての第1の駆動パルスを設定することができる。
上記構成において、前記第2の工程における各第2の駆動パルスを構成する波形要素のうちの少なくとも1つの時間幅が、次第に長くなり又は次第に短くなることが望ましい。
この構成によれば、第2の工程における各第2の駆動パルスを構成する波形要素のうちの少なくとも1つの時間幅が、次第に長くなり又は次第に短くなるので、気泡を液体中に溶解させるために効果的な圧力変動を得ることが可能なフラッシング用となる第1の駆動パルスを設定することができる。即ち、各ノズル群の特性に応じた効果的な第1の駆動パルスを設定することができる。
また、回路の負担を増加することなく、圧力発生手段の駆動状態を変化させながら各第2の駆動パルスを順次印加することができる。
プリンターの概略構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する要部断面図である。 ノズルプレートの平面図である。 プリンターの電気的な構成を説明するブロック図である。 記録用駆動信号に含まれる噴射駆動パルスの構成を説明する波形図である。 フラッシング用駆動パルスの基本構成を説明する波形図である。 第1実施形態に係るパルス設定処理の流れを説明するフローチャートである。 検査用駆動パルス群に含まれる検査用駆動パルスの構成を説明する表である。 気泡発生駆動パルスの構成を説明する波形図である。 第2実施形態に係るパルス設定処理の流れを説明するフローチャートである。 第4実施形態に係る検査用駆動パルスの基本構成を説明する図である。 第4実施形態に係る検査用駆動パルスの構成を説明する図である。 第4実施形態に係る他の検査用駆動パルスの構成を説明する波形図である。 第4実施形態に係るさらに他の検査用駆動パルスの構成を説明する波形図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面等を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、図1に示すインクジェット式記録装置(以下、プリンターと略記する)に適用した場合を例示する。
図1はプリンター1の構成を説明する斜視図、図2は上記の記録ヘッド2の要部断面図である。このプリンター1は、液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド2が取り付けられると共に、インク(本発明における液体に相当)を貯留するインクカートリッジ3が着脱可能に取り付けられるキャリッジ4と、記録ヘッド2の下方に配設されたプラテン5と、記録ヘッド2が搭載されたキャリッジ4を記録紙6(本発明における着弾対象に相当)の紙幅方向に移動させるキャリッジ移動機構7と、紙幅方向に直交する方向である紙送り方向に記録紙6を搬送する紙送り機構8等を備えて概略構成されている。ここで、紙幅方向とは、主走査方向(ヘッド走査方向)であり、紙送り方向とは、副走査方向(即ち、ヘッド走査方向に直交する方向)である。
キャリッジ4は、主走査方向に架設されたガイドロッド9に軸支された状態で取り付けられており、キャリッジ移動機構7の作動により、ガイドロッド9に沿って主走査方向に移動するように構成されている。キャリッジ4の主走査方向の位置は、リニアエンコーダー10によって検出され、検出信号が位置情報として制御部56(図4参照)に送信される。これにより、制御部56はこのリニアエンコーダー10からの位置情報に基づいてキャリッジ4(記録ヘッド2)の走査位置を認識しながら、記録ヘッド2による記録動作(噴射動作)等を制御することができる。
キャリッジ4の移動範囲内における記録領域よりも外側(図1における右側)の端部領域には、走査の基点となるホームポジションが設定されている。本実施形態におけるホームポジションには、記録ヘッド2のノズル形成面(ノズルプレート32:図2参照)を封止するキャッピング部材12と、ノズル形成面を払拭するためのワイパー部材13とが配置されている。そして、プリンター1は、このホームポジションから反対側の端部へ向けてキャリッジ4(記録ヘッド2)が移動する往動時と、反対側の端部からホームポジション側にキャリッジ4が戻る復動時との双方向で記録紙6上に文字や画像等を記録する所謂双方向記録が可能に構成されている。なお、キャッピング部材12は、インク滴の空吐出(捨て打ち、フラッシングという)を行うことで、増粘したインクやインクに残存した気泡を排除(除去)するための後述するフラッシング処理においてインク滴を受けるインク受け部として用いられる。ここでは、フラッシングをキャッピング部材12内で行うことを説明したが、この態様に限定されず、例えば、非印字時に記録紙が印刷領域から退避して、印刷領域下にあって、印刷領域に重畳するかのように存在するフラッシング領域に対してフラッシングを行っても良い。
本実施形態における記録ヘッド3は、図2に示すように、圧電振動子群22、固定板23、及び、フレキシブルケーブル24等をユニット化した振動子ユニット25と、この振動子ユニット25を収納可能なヘッドケース26と、リザーバー(共通インク室)36から圧力室38を通りノズル35に至る一連のインク流路を形成する流路ユニット27とを備えて構成される。
まず、振動子ユニット25について説明する。圧電振動子群22を構成する圧電振動子30(本発明における圧力発生手段の一種)は、縦方向に細長い櫛歯状に形成されており、数十μm程度の極めて細い幅に切り分けられている。そして、この圧電振動子30は縦方向に伸縮可能な縦振動型の圧電振動子として構成されている。各圧電振動子30は、固定端部を固定板23上に接合することにより、自由端部を固定板23の先端縁よりも外側に突出させて所謂片持ち梁の状態で固定されている。そして、各圧電振動子30における自由端部の先端は、後述するように、それぞれ流路ユニット27におけるダイヤフラム部42を構成する島部44に接合される。フレキシブルケーブル24は、固定板23とは反対側となる固定端部の側面で圧電振動子30と電気的に接続されている。また、各圧電振動子30を支持する固定板23は、圧電振動子30からの反力を受け止め得る剛性を備えた金属製の板材によって構成される。本実施形態では、厚さが1mm程度のステンレス鋼板によって作製されている。
ヘッドケース26は、例えば、エポキシ系樹脂により作製された中空箱体状部材であり、その先端面(下面)には流路ユニット27を固定し、ケース内部に形成された収容空部28内には、アクチュエーターの一種である振動子ユニット25を収容している。また、ヘッドケース26の内部には、その高さ方向を貫通してケース流路29が形成されている。このケース流路29は、インクカートリッジ3側からのインクをリザーバー36に供給するための流路である。
次に、流路ユニット27について説明する。流路ユニット27は、ノズルプレート32、流路形成基板33、及び振動板34から構成され、ノズルプレート32を流路形成基板33の一方の表面に、振動板34をノズルプレート32とは反対側となる流路形成基板33の他方の表面にそれぞれ配置して積層し、接着等により一体化することで構成されている。
図3は、ノズルプレートの平面図である。
流路ユニット27の底部に配置されるノズルプレート32は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば、180dpi)で複数のノズル35を副走査方向に沿って開設した薄い金属板である。本実施形態では、例えば、180個のノズル35を列状に開設し、これらのノズル35によってノズル列39(本発明におけるノズル群に相当)を構成している。そして、このノズル列39を横並びに2列設けている。即ち、ノズルプレート32には、ノズル列39Aと、ノズル列39Bとが設けられている。
本実施形態では、ノズル列39Aは、ノズルグループ39A1とノズルグループ39A2の2つにグループ分けされている。ノズルグループ39A1は、1番目(一端)のノズル35A1から90番目(中央の一端側)のノズル35A90までのノズルによって構成され、ノズルグループ39A2は、91番目(中央の他端側)のノズル35A91から180番目(他端)のノズル35A180までのノズルによって構成されている。なお、ノズル列39Bは、ノズル列39Aと同様に2つのノズルグループ39B1,39B2にグループ分けされている。
流路形成基板33は、リザーバー36、インク供給口37、及び圧力室38からなる一連のインク流路を形成する板状部材である。具体的には、この流路形成基板33は、各ノズル開口35に対応させて圧力室38となる空部を隔壁で区画した状態で複数形成すると共に、インク供給口37およびリザーバー36となる空部を形成した板状の部材である。そして、本実施形態の流路形成基板33は、シリコンウェハーをエッチング処理することで作製されている。上記の圧力室38は、ノズル35の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成され、インク供給口37は、圧力室38とリザーバー36との間を連通する流路幅の狭い狭窄部として形成されている。また、リザーバー36は、インクカートリッジ3に貯留されたインクを各圧力室38に供給するための室であり、インク供給口37を通じて対応する各圧力室38に連通している。
振動板34は、ステンレス鋼等の金属製の支持板40上にPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂フィルム41をラミネート加工した二重構造の複合板材であり、圧力室38の一方の開口面を封止してこの圧力室38の容積を変動させるためのダイヤフラム部42を有すると共に、リザーバー36の一方の開口面を封止するコンプライアンス部43が形成された部材である。そして、ダイヤフラム部42は、圧力室38に対応した部分の支持板40にエッチング加工を施し、当該部分を環状に除去して圧電振動子30の自由端部の先端を接合するための島部44を形成することで構成されている。この島部44は、圧力室38の平面形状と同様に、ノズル35の列設方向と直交する方向に細長いブロック状であり、この島部44の周りの樹脂フィルム41が弾性体膜として機能する。また、コンプライアンス部43として機能する部分、すなわちリザーバー36に対応する部分は、このリザーバー36の開口形状に倣って支持板40がエッチング加工で除去されて樹脂フィルム41のみとなっている。
そして、上記の島部44には圧電振動子30の先端面が接合されているので、この圧電振動子30の自由端部を伸縮させることで圧力室38の容積を変動させることができる。この容積変動に伴って圧力室38内のインクに圧力変動が生じる。そして、記録ヘッド2は、この圧力変動を利用してノズル35からインク滴を噴射させるようになっている。
次に、プリンター1の電気的な構成を説明する。
図4は、プリンター1の電気的な構成を示すブロック図である。本実施形態におけるプリンター1は、プリンターコントローラー50(本発明における駆動信号発生部に相当)とプリントエンジン51とで概略構成されている。プリンターコントローラー50は、ホストコンピューター等の外部装置からのデータが入力される外部インターフェース(外部I/F)52と、各種データ等を記憶するRAM53と、各種データ処理のための制御ルーチン等を記憶したROM54と、各部の制御を行う制御部56と、クロック信号を発生する発振回路57と、記録ヘッド2へ供給する駆動信号COMを発生する駆動信号発生回路58と、印刷データ(ドットパターンデータ)や駆動信号等COMを記録ヘッド2に出力するための内部インターフェース(内部I/F)59と、を備えている。
制御部56は、外部装置から外部I/F52を通じて受信した印刷データをドットパターンデータに変換し、このドットパターンデータを内部I/F59を通じて記録ヘッド2側に出力する。このドットパターンデータは、階調データをデコード(翻訳)することにより得られる印刷データによって構成されている。また、制御部56は、発振回路からのクロック信号に基づいて記録ヘッド2に対してラッチ信号LAT、チェンジ信号CHを供給する。これらのラッチ信号やチェンジ信号は、駆動信号COMを構成する各駆動パルスPの供給タイミングを規定する。
駆動信号発生回路58は、単位周期Tに相当する1画素分の区間(1噴射周期又は1記録周期)内に、圧電振動子30を駆動してノズル35から記録紙6に向けてインクを噴射すること、即ち、記録紙6に対して画像等を記録するべくインクを噴射することを主目的とする噴射駆動パルスDP(本発明における駆動パルスの一種)を1つ又は複数、或いは他の波形の駆動パルスと共に含み、これを繰り返し単位とした記録用駆動信号COM1を発生する。また、駆動信号発生回路58は、後述するフラッシング処理として実行されるフラッシングに用いられる第1の駆動パルスとなるフラッシング用駆動パルスFLPを複数含むフラッシング用駆動信号COM2を発生する。そして、駆動信号発生回路58は、この駆動信号COM1,COM2をそれぞれ内部I/F59を介して記録ヘッド2側に供給する。
図5は、上記構成の駆動信号発生回路58が発生する記録用駆動信号COM1に含まれる噴射駆動パルスDPの構成を説明する波形図である。なお、図5において、縦軸は噴射駆動パルスDPの電位であり、横軸は時間[μs]である。また、噴射駆動パルスDPの最低電位VL1から最高電位VH1までの電位差はvh1に設定されている。
記録用駆動信号COM1に含まれる噴射駆動パルスDPは、画像等の記録に用いられる駆動パルスの一例である。記録用駆動信号COM1は、1つの噴射駆動パルスDPを、LAT信号で区切られる単位周期T内に含んで構成されている。なお、本発明における噴射駆動パルスDPは、例示した波形に限られず、他の要素を含んで構成されていても良い。
噴射駆動パルスDPは、時間幅t1の間に基準電位VBから最高(膨張)電位VH1までプラス側に電位が変化して圧力室38を膨張させる膨張要素p1と、最高電位VH1を一定時間(時間幅t2)維持する膨張維持要素p2と、時間幅t3の間に最高電位VH1から最低(収縮)電位VL1までマイナス側に電位が変化して圧力室38を急激に収縮させる収縮要素p3と、収縮電位VL1を一定時間(時間幅t4)維持する収縮維持(制振ホールド)要素p4と、時間幅t5の間に最低電位VL1から基準電位VBまで電位が復帰する制振(復帰)要素p5と、から構成される。
噴射駆動パルスDPが圧電振動子30に供給されると次のように作用する。まず、膨張要素p1が圧電振動子30に供給されると、当該圧電振動子30が収縮し、これに伴って圧力室38が基準電位VBに対応する基準容積から最高電位VH1に対応する最大容積まで変化、ここでは膨張する。これにより、ノズル35に露出しているメニスカスが圧力室38側に引き込まれる。この圧力室38の膨張状態は、膨張維持要素p2の供給期間中に亘って一定に維持される。
膨張維持要素p2の後に続いて膨張要素p1によって電圧が変化した方向とは反対方向に電圧を変化させる要素となる収縮要素p3が圧電振動子30に供給されると当該圧電振動子30が伸長し、これにより、圧力室38が上記最大容積から最低電位VL1に対応する最小容積まで急激に変化、ここでは収縮する。この圧力室38の急激な収縮によって圧力室38内のインクが加圧され、これにより、ノズル35からは数pl〜数十plのインクが噴射される。この圧力室38の収縮状態は、収縮維持要素p4の供給期間に亘って短時間維持され、その後、制振要素p5が圧電振動子30に供給されて、圧力室38が最低電位VL1に対応する容積から基準電位VBに対応する基準容積まで復帰する。
次に、プリントエンジン41側の構成について説明する。プリントエンジン41は、記録ヘッド2と、キャリッジ移動機構7と、紙送り機構8と、リニアエンコーダー10と、から構成されている。記録ヘッド2は、シフトレジスター(SR)60、ラッチ61、デコーダー62、レベルシフター(LS)63、スイッチ64、及び圧電振動子30を、各ノズル35に対応させて複数備えている。プリンターコントローラー50からのドットパターンデータは、発振回路57からのクロック信号(CK)に同期して、シフトレジスター60にシリアル伝送される。
シフトレジスター60には、ラッチ61が電気的に接続されており、プリンターコントローラー50からのラッチ信号(LAT)がラッチ61に入力されると、シフトレジスター60のドットパターンデータをラッチする。このラッチ61にラッチされたドットパターンデータは、デコーダー62に入力される。このデコーダー62は、2ビットのドットパターンデータを翻訳してパルス選択データを生成する。本実施形態におけるパルス選択データは、合計2ビットのデータによって構成されている。
そして、デコーダー62は、ラッチ信号(LAT)又はチャンネル信号(CH)の受信を契機にパルス選択データをレベルシフター63に出力する。この場合、パルス選択データは、上位ビットから順にレベルシフター63に入力される。このレベルシフター63は、電圧増幅器として機能し、パルス選択データが「1」の場合、スイッチ64を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。レベルシフター63で昇圧された「1」のパルス選択データは、スイッチ64に供給される。このスイッチ64の入力側には、駆動信号発生回路58からの駆動信号COMが供給されており、スイッチ64の出力側には、圧電振動子30が接続されている。
そして、パルス選択データは、スイッチ64の作動、つまり、駆動信号COM中の駆動パルスPの圧電振動子30への供給を制御する。例えば、スイッチ64に入力されるパルス選択データが「1」である期間中は、スイッチ64が接続状態になって、対応する駆動パルスPが圧電振動子30に供給され、この駆動パルスPの波形に倣って圧電振動子30の電位レベルが変化する。一方、パルス選択データが「0」である期間中は、レベルシフター63からはスイッチ64を作動させるための電気信号が出力されない。このため、スイッチ64は切断状態となり、圧電振動子30へは噴射パルスが供給されない。
ここで、記録ヘッド2のインク流路内のインクに残存する気泡について説明する。プリンター1は、インクカートリッジ3からのインクの初期充填時や記録処理によってノズル35内のメニスカス(インクの自由表面)が急激に振動することなどでインクに気泡が混入する場合がある。そして、このような気泡が圧力変動を吸収することによって、ノズル35からインクが噴射されない、所謂ドット抜けや飛翔曲がり等の吐出不良が発生する虞があった。そのため、プリンター1は、噴射駆動パルスDPを用いて記録紙6に対してインクを噴射させてテキストや画像等の印刷を行なう記録処理(印刷処理)の後や記録処理の実行中において一定間隔毎などに、記録ヘッド2をホームポジションのキャッピング部材12やプラテン上に設けられたフラッシングポイントと呼ばれるインクを受ける位置に移動させてインク受け部に相対させた状態で、フラッシング処理としてフラッシングを実行する。このフラッシングでは、フラッシング用駆動パルスFLPを圧電振動子30に繰り返し印加することによって、増粘したインクやインクに混入した気泡を強制的に除去する。
図6は、フラッシング用駆動パルスFLPの基本構成を説明する波形図である。なお、同図において、縦軸は駆動信号の電位である。また、横軸は時間である。
プリンター1は、フラッシングに用いるフラッシング用駆動パルスFLP(本発明における第1の駆動パルスに相当)を、繰り返し周期である単位周期T内に1つ又は複数含むフラッシング用駆動信号COM2を駆動信号発生回路58から発生可能に構成されている。このフラッシング用駆動パルスFLPは、記録紙6に対してインクを噴射するための噴射駆動パルスDPよりも、電位の変化が大きくなるように設定されており、圧力室38に充填されたインク内の気泡を除去するための駆動パルスである。なお、本発明のフラッシング用駆動パルスFLPを含むフラッシング用駆動信号COMを用いるフラッシングでは、この1単位周期Tに含まれる駆動信号COM2内の全てのフラッシング用駆動パルスFLPを印加することによる1つ又は複数ショット分の噴射を、フラッシング単位[seg](フラッシングセグメント)としている。そして、フラッシングでは、所定のフラッシングセグメント数(例えば、合計数〜数千セグメント)だけフラッシング用駆動信号COM2が圧電振動子30に繰り返し印加(供給)されることで、インク流路内のインクがノズル35から排出される。
本実施形態におけるフラッシング用駆動パルスFLPは、図6に示すように、台形状のパルス信号であって、最低電位(このパルスにおいては基準電位VB)から最高電位VH2までの電位差(本発明における駆動電圧に相当)はvh2(vh2>vh1)に設定されている。このフラッシング用駆動パルスFLPは、時間幅t6の間に基準電位VBから最高電位VH2(VH2>VH1)まで比較的急峻な一定勾配で電位を上昇(変化)させる膨張要素p6(本発明における波形要素および第1の電圧変化要素の一種)と、膨張要素p6の終端電位である最高電位VH2を一定時間(時間幅t7)維持する膨張維持要素p7(本発明における波形要素および第1の電圧維持要素の一種)と、時間幅t8(t8<t7)の間に最高電位VH2から基準電位VBまで比較的急峻な一定勾配で電位を降下(変化)させる収縮要素p8(本発明における波形要素および第2の電圧変化要素の一種)と、から構成される。
このフラッシング用駆動パルスFLPが圧電振動子30に印加されると、圧力室38は、圧電振動子30が素子長手方向に収縮変形することで、基準電位VBに対応する最小(基準)容積から最高電位VH2に対応する最大容積まで膨張要素p6の供給期間に亘って膨張し、その後に最大容積を膨張維持要素p7の供給期間に亘って維持し、そして、最大容積から最小容積まで収縮要素p8の供給期間に亘って収縮させる。これにより、圧力室38の容積を最小容積から最大容積まで変化させた後に最大容積から最小容積まで急激に変化させることができ、記録処理に用いられる噴射駆動パルスDPの場合よりも圧力室38内のインクに生じる圧力変化が高められる。そして、フラッシングにおいては、このフラッシング用駆動パルスFLPを用いて圧力室38の膨張・収縮が繰り返されることにより、圧力変動を受けた気泡がインクに溶け込み易くなる(即ち、インクへの気泡の溶解が促進される)。その結果、フラッシングやこのフラッシングの後の噴射処理の際に、ノズル35からインクと共に気泡が排出される。
ところで、上記した複数のノズル列39A,39Bを有するプリンター1においては、ノズル35や圧力室38などのインク流路の製造時の寸法誤差などによって、ノズル列39(詳しくはノズル35)毎に特性ばらつきが発生する場合がある。特性のばらつきとしては、圧力室38内のインクに生じる固有振動周期のばらつきや、特定の電圧を印加したときの圧電振動子30の変位量(当該変位量のばらつきは、ノズル列39の噴射特性に関わるので、ノズル列39の特性のばらつきとも言える。)等が挙げられる。そのため、特性ばらつきを有する記録ヘッド2に対して、同じフラッシング用駆動パルスFLPを用いてフラッシングを行ったとしても、ノズル列39毎に気泡の排出性にばらつきが生じる。その結果、噴射能力が回復しないノズル列が発生する虞があった。
そこで、本発明におけるプリンター1では、当該プリンター1の出荷前におけるヘッド検査時又はユーザーの使用環境下で、ノズル列39毎に最適なフラッシング用駆動パルスFLPを設定するパルス設定処理を行うことに特徴を有している。このパルス設定処理では、後述する第3の駆動パルスとなる気泡発生駆動パルスBPを圧電振動子30に供給して各ノズル35からインク内に気泡を意図的に取り込んだ後に、圧電振動子30の駆動状態(例えば、駆動周波数、変位量の大きさ等)が異なるように予め設定された第2の駆動パルスとなる検査用駆動パルスFLP11〜FLP15を用いて、各ノズル35における検査フラッシング(フラッシングの一種)を実行した後に、噴射不良の回復具合を検査し、検査用駆動パルスFLP11〜FLP15の中から各ノズル列39に対して噴射能力をより効果的に回復させることが可能な検査用駆動パルス群FLPがフラッシング用駆動パルスとして選定される。
図7は、第1実施形態に係るパルス処理工程の流れを説明するフローチャートである。
第1実施形態のパルス設定処理は、気泡発生駆動パルスBPを圧電振動子30に印加して圧力室38内のインクに気泡を生じさせる気泡発生工程(第1の工程)S10と、検査用駆動パルス群FLP1(後述)に含まれる検査用駆動パルスを圧電振動子30に繰り返し印加して噴射能力回復処理を実行する検査フラッシング(第2の工程)S20と、検査フラッシングS20の後に、噴射駆動パルスDPを圧電振動子30に印加することで、各ノズル35からインクが噴射されたか否かを検査する噴射不良検査工程(第3の工程)S30と、噴射不良検査工程S30においてノズル35から所定の状態として、つまり、フラッシングに適している状態(流路内の気泡をヘッド外部に排出できる状態)であるものとしてインクが噴射されたと判断された場合(S30:YES)に、検査フラッシングS20で用いられた検査用駆動パルス群FLP1のうち少なくとも何れかの検査用駆動パルスをフラッシング用駆動パルスFLPとして設定するパルス設定(第4の工程)S40と、噴射不良検査工程S30においてインクが所定の状態として噴射されなかったと判断された場合(S30:NO)に実行されるパルス変更工程S50が含まれている。次に、パルス設定処理に用いられる検査用駆動パルス群FLP1及び気泡発生駆動パルスBPについて説明する。
図8は、検査用駆動パルス群FLP1に含まれる検査用駆動パルスFLP11〜FLP15の構成を説明する表である。なお、この図8の表における「vh」は駆動電圧の高さ示し、「θ」は検査用駆動パルスFLP1を構成する電位変化要素の傾き(電圧変化率)を示し、「f」は検査用駆動パルス同士の間隔ph(対となる検査用駆動パルスのうち前側の検査用駆動パルスと後側の検査用駆動パルスとの間隔)に応じて決まる印加周波数(駆動周波数)を示している。これらの「vh」、「θ」、及び、「f」は、本発明におけるパラメーターに相当する。そして、これらのパラメーターに関し、いずれも「小」「中」「大」の3つのレベルに分けられている。パラメーターのレベルに関しては、製造上予想される記録ヘッド2の特性ばらつきに対応可能な範囲で任意に設定される。勿論、「小」「中」「大」の3つには限られず、4つ以上のレベルを設定することもできる。
本実施形態の検査用駆動パルス群FLP1としては、圧電振動子30の駆動状態が異なる複数種類の検査用駆動パルスFLP11〜FLP15が用意されている。具体的には、検査用駆動パルスFLP11は、vhが「大」、θが「大」、fが「大」からなるパルスであり、圧電振動子30の駆動状態を大きくして、圧力室38内により大きな負圧が発生するように設定されている。検査用駆動パルスFLP12は、vhが「中」、θが「中」、fが「中」からなるパルスであり、圧電振動子30の駆動状態が検査用駆動パルスFLP11〜FLP15の中では中程になるように設定されている。検査用駆動パルスFLP13は、vhが「小」、θが「小」、fが「小」からなるパルスであり、圧電振動子30の駆動状態を小さくして、負圧の発生が検査用駆動パルスFLP12よりも抑えられるように設定されている。検査用駆動パルスFLP14は、vhが「小」、θが「大」、fが「大」からなるパルスであり、駆動電圧を抑える一方、1パルス当たりの圧電振動子30の駆動周期を早める(即ち、図11に示すように、検査用駆動パルス同士FLP2a,FLP2bの間隔phを小さくする)ように設定されている。検査用駆動パルスFLP15は、vhが「大」、θが「小」、fが「小」からなるパルスであり、1パルス当たりの駆動電圧を高める一方、圧電振動子30の駆動周期を遅くする(検査用駆動パルス同士の間隔phを大きくする)ように設定されている。
図9は、気泡発生駆動パルスBPの構成を説明する波形図である。
次に、気泡発生工程S10において用いられる気泡発生駆動パルスBPについて説明する。気泡発生駆動パルスBPは、噴射駆動パルスDPの制振要素p5(時間幅t5)に対応する時間幅t9(t91+t92+t93)に、各ノズル35からインク内に気泡を意図的に取り込むことができる気泡取込要素p9(p91+p92+p93)を有している点が、噴射駆動パルスDPとは異なる。具体的には、気泡発生駆動パルスBPの気泡取込要素p9は、時間幅t91の間に最低電位VL1から基準電位VBよりも高い中間電位VM(VB<VM<VH1)までプラス側に電位が変化して圧力室38を膨張させる第2膨張要素p91と、中間電位VMを一定時間(時間幅t92)維持する第2膨張維持要素p92と、中間電位VMから基準電位VBまでマイナス側に電位が変化して圧力室38を収縮させる第2収縮要素p93と、から構成される。また、第2膨張要素p91の電圧変化率θb(図9参照)が、噴射駆動パルスDPの制振要素p5の電圧変化率θd(図5参照)よりも勾配が急峻になるように設定されている。
そして、気泡取込要素p9の第2膨張要素p91は、収縮要素p3を圧電振動子30に印加することによって圧力室38内のインクに発生する残留振動(その振動周期は、およそ固有振動周期Tc)に対して同位相になるようなタイミングで圧電振動子30に印加されることが望ましい。即ち、気泡発生駆動パルスBPは、気泡取込要素p9を、圧力室38内のインクに発生する残留振動を加振させるタイミングで印加する。これにより、残留振動によってメニスカス(ノズル35内のインクの自由表面)がノズル35の圧力室38側に向かっている最中に、第2膨張要素p91が圧電振動子30に印加され、圧力室38内のインクを急激に、且つ、大きく膨張させる圧力変動を与えるように構成されている。これにより、メニスカスが圧力室38側により大きく引き込まれる。
なお、上記の固有振動周期Tcは、ノズル35や圧力室38の形状等によって決まる値であって、圧力室38内におけるインクの振動周期Tcは、次式(1)で表すことができる。
Tc=2π√[〔(Mn×Ms)/(Mn+Ms)〕×Cc]・・・(1)
但し、式(A)において、Mnはノズル35におけるイナータンス、Msは圧力室38に連通するインク供給口37におけるイナータンス、Ccは圧力室38のコンプライアンス(単位圧力あたりの容積変化、柔らかさの度合いを示す。)である。上記式(1)において、イナータンスMとは、インク流路におけるインクの移動し易さを示し、単位断面積あたりのインクの質量である。そして、インクの密度をρ、流路のインク流れ方向と直交する面の断面積をS、流路の長さをLとしたとき、イナータンスMは次式(2)で近似して表すことができる。
イナータンスM=(密度ρ×長さL)/断面積S ・・・ (2)
また、Tcは、上記式(2)に限らず、圧力室38が有している振動周期であればよい。
このように構成された気泡発生駆動パルスBPが、圧電振動子30に供給されると次のように作用する。まず、気泡発生駆動パルスBPの膨張要素p1,膨張維持要素p2,収縮要素p3及び収縮維持要素p4が圧電振動子30に供給されると、噴射駆動パルスDPの膨張要素p1,膨張維持要素p2,収縮要素p3及び収縮維持要素p4が圧電振動子30に供給されたときと同様に、ノズル35からインクが噴射される。その後、第2膨張要素p91が圧電振動子30に供給されると、当該圧電振動子30が急激に収縮し、これに伴って圧力室38が最低電位VL1に対応する最低容積から中間電位VMに対応する中間容積まで膨張する。この際、ノズル35内のメニスカスが、ノズル25の吐出側のストレート部から、このストレート部の圧力室38側に次第に拡径するように連通するテーパー部(何れも図示せず)の奥側(圧力室38側)まで深く引き込まれて、慣性力によって圧力室38に達する程度まで引き込まれる。これにより、ノズル35からインク内に気泡が取り込まれる。そして、第2膨張維持要素p92及び第2収縮要素p93が圧電振動子30に印加されて、中間電位VMに対応する中間容積に維持した圧力室38が、基準電位VBに対応する基準容積まで復帰する。この気泡発生工程S10には、噴射駆動パルスDPを用いてノズル35からインクが噴射されるか否かを判定することで、インクに気泡が取り込まれたか否かを判定する気泡発生判定を行うことが望ましい。即ち、この気泡発生判定でインクが噴射されないと判定された場合、検査フラッシング工程S20に進む一方で、インクが噴射されたと判定された場合、気泡発生駆動パルスBPを変更し、変更後の気泡発生駆動パルスBPを用いて気泡発生工程S10を再度行う。気泡発生駆動パルスBPの具体的な変更としては、気泡取込要素p9の第2膨張要素p91の電圧を大きくしたり、電圧変化率θbをより急峻にしたりすることなどが挙げられる。このように気泡発生判定を行うことで、気泡をより確実にインクに取り込むことができる。
パルス設定処理では、次に、検査フラッシングを実行する(S20)。この検査フラッシングS20では、上記検査用駆動パルスFLP11〜FLP15のうちの何れかを用いて所定セグメント数だけ圧電振動子30に印加してフラッシングを行う。例えば、まず、検査用駆動パルスFLP11を、定められた印加周波数f(大)で所定セグメント数だけ圧電振動子30に印加してフラッシングを行う。なお、S20〜S40の処理は、ノズルグループ毎に行われる。以下では、主にノズルグループ39A1の場合を例に挙げて説明する。検査フラッシングS20において、所定のセグメント数だけフラッシングを行った後、続いて、噴射駆動パルスDPを圧電振動子30に印加することで、ノズルグループ39A1に属する各ノズル35からインクが噴射されたか否かをドット抜け検出装置等によって検査する噴射不良検査工程を行う(S30)。このドット抜け検出装置は、ノズル35から噴射するインクを帯電させ、このインクを電極間で飛翔させて電極間における電圧変化を検出することにより、インクの吐出の有無を検査するものである。噴射不良検査工程S30において、ノズル35から所定の状態としてインクが噴射されなかったと判断された場合には(S30:NO)、検査用駆動パルスを、検査フラッシングS20で用いられた検査用駆動パルス以外の検査用駆動パルス(例えば、検査用駆動パルスFLP12)に変更し(S50)、変更後の検査用駆動パルスを用いて再び検査フラッシングを実行する(S20)。このようにして、S30においてインクが噴射されたと判定されるまで、検査用駆動パルスFLP11〜FLP15を変更しつつS20およびS30の処理が繰り返される。そして、S30において、ノズル35から所定の状態としてインクが噴射されたと判断された場合には(S30:YES)、直前の検査フラッシングS20で用いられた検査用駆動パルスをフラッシング用駆動パルスFLPとして設定するパルス設定工程を行う(S40)。即ち、気泡発生工程S10で気泡を発生させた上で検査フラッシングS20を行い、噴射駆動パルスDPを用いてインクが噴射されたときは、この検査フラッシングS20で用いられた検査用駆動パルスが、ノズルグループ39A1に対するフラッシングにおいて気泡排出効果が得られるフラッシング用駆動パルスFLPとして採用される。このようにして、他のノズルグループA2〜B2に対しても同様にS20〜S40が実行されることで、各ノズル列39(ノズルグループ)の特性に応じた効果的なフラッシング用駆動パルスFLPがそれぞれ設定される。即ち、以降に行われるフラッシングでは、各ノズル列39或いはノズルグループ毎に設定されたフラッシング用駆動パルスがそれぞれ用いられる。
これにより、製造誤差などによってノズル列39毎或いはノズルグループ毎に特性ばらつきがある場合においても、インク流路内に存在する気泡の排出性を確保し、噴射能力を回復させることが可能となる。即ち、各ノズル列39の特性に応じた効果的なフラッシング用駆動パルスFLPを複数種類の検査用駆動パルスFLP11〜FLP15の中から設定することができる。この結果、設定したフラッシング用駆動パルスFLPを各ノズル列39に対応する圧電振動子30に印加することにより、ノズル列39毎の特性ばらつきによらず、各ノズル列39の噴射能力を回復させることができる。
また、本実施形態のように、各ノズル列39A(39B)をそれぞれ複数のノズルグループに分けて、ノズルグループ毎にパルス設定処理を行う場合には、各ノズルグループに対して噴射能力をより効果的に回復させることが可能なフラッシング用駆動パルスFLPを設定することができる。即ち、ノズル列39A(39B)を構成するノズル35の数がより多く、見かけ上のノズル列39が長い場合には、ノズル列39のうち一端側のノズル35と他端側のノズル35とでは、ノズル形成時の作り込み結果に誤差が生じ易くなる虞がある。しかしながら、本発明では、各ノズル列39を複数のノズルグループに分割してパルス設定処理を行うことにより、各ノズルグループにより適したフラッシング用駆動パルスFLPを設定することができる。なお、ノズル列39を構成するノズル35が比較的少なく、同一ノズル列39内で特性の相違が少ない或いは無い場合には、ノズルグループに分割することなく、ノズル列毎にパルス設定処理を行うようにすることもできる。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
上記実施形態では、検査フラッシングS20において上記検査用駆動パルスFLP11〜FLP15のうちの何れか1つを用いて所定セグメント数だけ圧電振動子30に印加してフラッシングを行い、S30においてインクが噴射されたと判定される(S30:YES)まで、検査用駆動パルスFLP11〜FLP15を変更しつつS20およびS30の処理を繰り返す構成を例示したがこれには限られない。以下で説明する第2の実施形態では、1回の検査フラッシングS20で、上記検査用駆動パルスFLP11〜FLP15のうち2つ以上の複数の検査用駆動パルス(ここでは全ての検査用駆動パルス)を含む検査用駆動パルス群FLP1を用いてフラッシングを行い、検査用駆動パルス群FLP1の中からフラッシング用駆動パルスFLPとして採用するための検査用駆動パルスを選定する選定処理が行われることに特徴を有している。なお、本実施形態では、第1の実施形態と異なる部分を主に説明し、共通する部分については適宜省略する。
図10は、第2実施形態に係るパルス設定処理の流れを説明するフローチャートである。
本実施形態における検査フラッシングS20では、検査用駆動パルスFLP11〜FLP15をそれぞれ所定のセグメント数だけ圧電振動子30に順次印加してフラッシングを行う。即ち、例えば、検査用駆動パルスFLP11を所定セグメントだけ圧電振動子30に順次印加してフラッシングを行い、その後、同様にして検査用駆動パルスFLP12〜FLP15をそれぞれ所定セグメントだけ圧電振動子30に順次印加してフラッシングを行う。このようにして検査フラッシングS20を行ったならば、上記第1の実施形態と同様に、噴射不良検査工程を行う(S30)。噴射不良検査工程S30において、ノズル35から所定の状態としてインクが噴射されたと判断された場合(S30:YES)、直前の検査フラッシングS20で用いた検査用駆動パルスの数がN(所定数)以下か否かを判断する(S60)。直前の検査フラッシングS20で用いた検査用駆動パルスの数がN(所定数(1つ以上であって、ここでは1つ))内ではない場合には(S60:NO)、パルス数変更工程S70において、検査用駆動パルスの削減を行う。具体的には、直前の検査フラッシングS20で用いられた検査用駆動パルスFLP11〜FLP15のうち何れか1つ、例えば、FLP15を除いた検査用駆動パルスFLP11〜FLP14を、次の検査フラッシングS20で用いる検査用駆動パルス群FLP1とする。再び気泡発生工程S10にて、気泡発生駆動パルスBPを用いてインクに気泡を取り込み、変更後の検査用駆動パルス群FLP1を用いて再び検査フラッシングS20を実行し、噴射不良検査工程S30を行う。
そして、今回のパルス設定処理において2回目以降の検査フラッシングS20を行った後、噴射不良検査工程S30において、ノズル35から所定の状態としてインクが噴射されなかったと判断された場合(S30:NO)、変更前の検査駆動パルスで気泡排出効果が得られたかを判断する(S80)。この場合は、既に変更前の検査用駆動パルスFLP11〜FLP15によって気泡排出効果が得られており(S80:YES)、直前の検査フラッシングS20で用いられた検査用駆動パルス群FLP1の中の検査用駆動パルスFLP11〜FLP14では気泡排出効果が得られなかったが、パルス数変更工程S70で除かれたFLP15では気泡排出効果が得られたと推定することができる。したがって、この場合では、(補足:FLP15は直前の検査フラッシングで用いられていないので)検査用駆動パルスの数が所定数内(N≦1)であり(S60:YES)、検査用駆動パルスFLP15がフラッシング用駆動パルスFLPとして採用される。これにより、パルス設定に要する工程数を大幅に削減することができる。一方、S30でノズル35から所定の状態としてインクが噴射されたと判断された場合(S30:YES)、直前の検査フラッシングS20で用いられた検査用駆動パルス群の中の少なくとも何れかの検査用駆動パルスFLP11〜FLP14によって、気泡排出効果が得られたことになる。したがって、これらの1つ又は複数の検査用駆動パルスFLP11〜FLP14をそのままフラッシング用駆動パルスFLPとして設定することも考えられるが、本実施形態では、直前の検査フラッシングS20で用いた検査用駆動パルスの数が所定数内(N≦1)となる(S60:YES)まで、さらに検査用駆動パルスを選定する選定処理が行われる。
即ち、パルス数変更工程S70に戻り、直前の検査フラッシングS20で用いられた検査用駆動パルス群FLP1の中から1つの検査用駆動パルスが除かれる。例えば、直前の検査フラッシングS20で用いられた検査用駆動パルス群FLP1が、検査用駆動パルスFLP11〜FLP14を含む場合、FLP14を除いて、残りのFLP11、FLP12、及びFLP13を次の検査フラッシングS20で用いる検査用駆動パルス群FLP1とする。そして、再び気泡発生工程S10にて、気泡発生駆動パルスBPを用いてインクに気泡を取り込み、変更後の検査用駆動パルス群FLP1を用いて再び検査フラッシングS20を実行し、噴射不良検査工程S30を再度行う。ここで、ノズル35から所定の状態としてインクが噴射されなかったと判断された場合(S30:NO)、既に変更前の検査用駆動パルスFLP11〜FLP14によって気泡排出効果が得られており(S80:YES)、この例では検査用駆動パルスFLP14がフラッシング用駆動パルスFLPとして採用される(S60,S40)。一方、ノズル35から所定の状態としてインクが噴射されたと判断された場合(S30:YES)、この例では、直前の検査フラッシングで用いられた検査用駆動パルスFLP11、FLP12、及びFLP13の何れかの検査用駆動パルスによって、気泡排出効果が得られたことになる。この場合、この時点では直前の検査フラッシングS20で用いた検査用駆動パルスの数が所定数内(N≦1)ではないため(S60:NO)、パルス数変更工程S70に戻り、さらに検査用駆動パルスFLP11、FLP12、及びFLP13の何れか一つ(例えば、FLP13)を除き、再び気泡発生工程S10にて、気泡発生駆動パルスBPを用いてインクに気泡を取り込んだ後に、残りの検査用駆動パルスを用いて再び検査フラッシングS20を実行し、噴射不良検査工程S30を再度行う。そして、これらの工程を、気泡排出効果が得られる検査用駆動パルスの数が所定数内(N≦1)となって(S60:YES)、フラッシング用駆動パルスFLPが設定されるまで繰り返す。
上記第2の実施形態では、パルス数変更工程(S70)において、検査用駆動パルスを除く際に、1つずつ除く例を示したが、これには限られず、検査用駆動パルスのうち2つ以上(好ましくは約半分)の検査用駆動パルスを除きながらパルスを選定していく構成を採用することで、選定処理を早く終了させることができる。即ち、第3の実施形態では、パルス数変更工程S70において、検査フラッシングS20で用いられた検査用駆動パルスのうち、半数(或いは、半分に割り切れない場合はそれに近い数。以下、同様。)の検査用駆動パルスが除かれ、再び気泡発生工程S10にて、気泡発生駆動パルスBPを用いてインクに気泡を取り込んだ後に、残りの検査用駆動パルスを用いて再度検査フラッシングS20が行われる。そして、残りの検査用駆動パルスを用いた検査フラッシングS20を行った後の噴射不良検査工程S30において、ノズル35から所定の状態としてインクが噴射されたと判断された場合(S30:YES)には、さらに気泡排出効果が得られた検査用駆動パルスの数が所定数(例えば、1つ以上)内であるかを判断する(S60)。そして、パルス数が所定数内と判断されなかった場合(S60:NO)には、検査フラッシングS20で用いられた検査用駆動パルスのうち、さらに半数の検査用駆動パルスが除かれ(S70)、再び気泡発生工程S10にて、気泡発生駆動パルスBPを用いてインクに気泡を取り込んだ後に、残りの検査用駆動パルスを用いて再度検査フラッシングS20が行われる。一方、パルス数が所定数内と判断された場合(S60:YES)には、直前の検査フラッシングS20で用いられた検査用駆動パルスがフラッシング用駆動パルスFLPとして設定される。
また、本実施形態では、パルス数変更工程S70で半数の検査用駆動パルスを除いた残りの検査用駆動パルスを用いた検査フラッシングS20を行った後の噴射不良検査工程S30において、ノズル35から所定の状態としてインクが噴射されなかったと判断された場合(S30:NO)には、変更前の検査駆動パルスで気泡排出効果が得られたかを判断する(S80)。この場合、既に変更前の検査用駆動パルスによって気泡排出効果が得られており(S80:YES)、パルス数変更工程S70で除かれた検査用駆動パルスにより気泡排出効果が得られたと推定することができ、この除かれた検査用駆動パルスが選定対象のパルスとなる(以下、適宜、選定対象検査用駆動パルスという。)。したがって、この場合では、選定対象検査用駆動パルスの数がN(例えば、1つ以上)内である場合(S60:YES)、この選定対象検査用駆動パルスがフラッシング用駆動パルスFLPとして採用される。一方、選定対象検査用駆動パルスの数がN(例えば、1つ以上)内ではない場合(S60:NO)、パルス数変更工程S70で除かれた検査用駆動パルスのうち、半数の検査用駆動パルスが除かれ、再び気泡発生工程S10に戻る。
なお、最初の検査フラッシングS20において、検査用駆動パルスFLP11〜FLP15の全てを用いずに、このうちの何れか2つ又は3つ(好ましくは半分)を用いるようにしても良い。そして、例えばFLP11〜FLP13を除いた検査用駆動パルスFLP14,FLP15を用いて最初の検査フラッシングS20を行った後に、噴射不良検査工程S30において、ノズル35から所定の状態としてインクが噴射されなかったと判断された場合(S30:NO)、この時点で検査用駆動パルス(数)の変更は行っていないため、S80の判定はNOとしてS50のパルス変更工程S50に移り、パルス変更工程S50において、最初の検査フラッシングS20で用いていない残りのFLP11〜FLP13を検査フラッシングS20で用いる検査用駆動パルス群FLP1(選定対象検査用駆動パルス)とする(S50)。そして、変更した検査駆動パルスFLP11〜FLP13を用いてS20以降の工程を実行する。
このように、パルス設定処理には、噴射不良検査工程S30においてノズル35から所定の状態としてインクが噴射されたと判断された場合に、検査フラッシングS20において圧電振動子30に印加した検査用駆動パルス群FLP1の中からフラッシング用駆動パルスFLPとして採用する検査用駆動パルスを選定する選定処理を含むので、検査用駆動パルスの中から各ノズル列39の特性に応じたより効果的なフラッシング用駆動パルスを設定することができる。
また、上記各実施形態では、予め異なるパラメーターに設定された複数種類の検査用駆動パルスFLP11〜FLP15の中からフラッシング用駆動パルスFLPを採用する例を示したが、これには限られない。例えば、検査用駆動パルスの波形要素又は検査用駆動パルス同士を接続するパルス接続要素のうちの少なくとも1つのパラメーターを変更しながら、フラッシング用駆動パルスFLPを選定することもできる。
第4実施形態に係るパルス設定処理は、図7の噴射不良検査工程S30において、ノズル35から所定の状態としてインクが噴射されたと判断されなかった場合に(S30:NO)、検査フラッシングS20で発生される検査用駆動パルスの膨張要素p6、膨張維持要素p7、収縮要素p8又は検査用駆動パルス同士の間隔ph(本発明における接続要素に相当)のうちの少なくとも1つを変更するパルス変更工程を実行し(S50)、その後、パルス変更工程S50で変更した検査用駆動パルスを用いて検査フラッシングS20を実行することに特徴を有する。また、検査フラッシングS20毎に1種類の検査用駆動パルスFLP2〜44を用いる点が、第1実施形態とは異なる。
図11は、第4実施形態に係る検査用駆動パルスFLP2の基本構成を説明する波形図であり、図12は、第4実施形態に係る検査用駆動パルスFLP2の構成を説明する図である。なお、図12において、横が時間軸であって、縦方向に延びる太線は検査用駆動パルスFLP2を省略して示したものである。
図11に示された検査用駆動パルスFLP2は、検査フラッシングS20毎に、検査用駆動パルスFLP2同士の間隔(検査用駆動パルスFLP2同士を接続するパルス接続要素)phが変更される。本実施形態においては、検査フラッシングS20で繰り返し発生される検査用駆動パルスFLP2の対のうち、前側の検査用駆動パルスFLP2aと後側の検査用駆動パルスFLP2bとの間隔phが、図12に示すように、検査フラッシングS20毎に次第に短くなるように構成されている。即ち、検査用駆動パルスFLP2を印加する周波数fを検査フラッシングS20毎に異ならせている。具体的には、パルス変更工程S50毎に、各検査フラッシングS20における検査用駆動パルスFLP2同士の間隔ph1〜ph10が次第に短くなるように変更される。なお、これらの間隔phの設定範囲に関し、記録ヘッド2の製造上で想定される特性のばらつきの範囲に応じて定められる。したがって、検査用駆動パルスFLP2同士の間隔phについては、本実施形態で例示したものには限られない。そして、このように構成された各検査用駆動パルスFLP2が、検査フラッシングS20毎に、ノズルグループ39A1〜39B2に対応した圧電振動子30に繰り返し印加されて、1つのフラッシングセグメントに対応するフラッシングが行われる。
これにより、圧電振動子30の駆動状態が検査フラッシングS20毎に変化する。本実施形態では、間隔phが次第に短くなるので、圧電振動子30の駆動周波数fが次第に高くなる。この駆動状態の変化の中で、何れかの検査フラッシングS20でノズル列39の特性に対応した駆動状態が得られる。具体的には、対のうちの前側の検査用駆動パルスFLP2aによって圧電振動子30を駆動したときに圧力室38内に生じる圧力振動と、後側の検査用駆動パルスFLP2bによって圧電振動子30を駆動したときに圧力室38内に生じる圧力振動とが共振する状態が得られる。共振状態が得られるパルス対の間隔phは、ノズル列39毎の特性に応じて異なるので、ノズル列39毎に特性が異なる場合、共振状態が得られるタイミングはノズル列39毎に異なる。このような共振状態が得られると、より大きい圧力変動がインク流路内の気泡に付与され、これにより気泡がインクに溶解されることがより促進される。このようなフラッシングが、規定フラッシングセグメント数だけ繰り返して行われる。これにより、ノズル列39毎の特性ばらつきによらず、気泡の排出性を向上させることが可能なフラッシング用駆動パルスFLPを設定することができる。上記のように、記録ヘッド2の製造上で想定される特性のばらつきの範囲に応じて間隔phの設定範囲が定められることで、少なくとも何れかの検査フラッシングS20で、ノズル列39の特性に応じた駆動状態が得られる。
なお、本発明における検査用駆動パルスFLP2同士の間隔phは、検査フラッシングS20毎に次第に長くなるようにパルス変更工程S50で設定しても良い。
図13は、第4実施形態に係る他の検査用駆動パルスFLP31〜FLP34の構成を説明する図である。なお、同図において、縦軸は駆動信号の電位であり、横軸は時間である。また、同図に示された各検査用駆動パルスFLP31〜FLP34のうち1種類の検査用駆動パルスFLPが、検査フラッシングS20毎に圧電振動子30に繰り返し印加される。
そして、検査フラッシングS20毎に、検査用駆動パルスの駆動電圧vhが変更される。本実施形態においては、検査用駆動パルスFLP3の駆動電圧vhが、検査フラッシングS20毎に次第に高くなるように構成されている。即ち、検査用駆動パルスFLP31〜FLP34の駆動電圧vhを検査フラッシングS20毎に異ならせている。具体的には、パルス変更工程S50毎に、各検査フラッシングS20における検査用駆動パルスFLP31〜FLP34の駆動電圧vh21〜vh24が次第に高まるように変更される。そして、このように構成された各検査用駆動パルスFLP31〜FLP34が、検査フラッシングS20毎に、ノズルグループ39A1〜39B2に対応した圧電振動子30に繰り返し印加されて、1つのフラッシングセグメントに対応するフラッシングが行われる。これにより、圧電振動子30の駆動状態が検査フラッシングS20毎に変化する。本実施形態では、検査フラッシングS20毎に、圧電振動子30の駆動時の変位量が次第に大きくなり、これに応じて、圧力室38内で生じる圧力変動の大きさも次第に大きくなる。この駆動状態の変化の中で、気泡をインク中に溶解させるために効果的な圧力変動を得ることが可能なフラッシング用駆動パルスFLPを設定することができる。このようなフラッシングが規定フラッシングセグメント数だけ繰り返して行われる。
これにより、ノズル列39毎の特性ばらつきによらず、気泡の排出性を向上させることが可能なフラッシング用駆動パルスFLPを設定することができる。本実施形態においても、記録ヘッド2の製造上で想定される特性のばらつき(特に、ノズル列毎に対応する圧電振動子30の特性)の範囲に応じて駆動電圧vhの設定範囲が定められることで、何れかの検査フラッシングS20で、ノズル列39の特性に応じた駆動状態が得られる。
なお、本発明における検査用駆動パルスFLP31〜34の駆動電圧vh21〜vh24は、次第に低くなるように設定されていても良い。これにより、各検査フラッシングS20の際のフラッシング用駆動パルスの駆動電圧vhが低くなるので、フラッシングによるメニスカスの残留振動を抑制することができ、これにより、この残留振動による次の処理への悪影響を低減することができる。また、検査用駆動パルスFLP31〜FLP34は、駆動電圧が昇順又は降順となるように検査フラッシングS20毎に変更する構成には限られず、要は、検査フラッシングS20毎に駆動電圧が異なるフラッシング用駆動パルスが圧電振動子38に印加されれば良い。
図14は、第4実施形態に係るさらに他の検査用駆動パルスFLP41〜FLP44の構成を説明する図である。なお、同図において、縦軸は駆動信号の電位であり、横軸は時間である。また、同図に示された各検査用駆動パルスFLP41〜FLP44のうち1種類の検査用駆動パルスFLPが、検査フラッシングS20毎に圧電振動子30に繰り返し印加される。
そして、検査フラッシングS20毎に、検査用駆動パルスの膨張要素p6〜収縮要素p8のうち、膨張要素p6の時間幅t6が変更される。本実施形態においては、検査用駆動パルスFLP41〜FLP44の膨張要素p6の時間幅t6が、検査フラッシングS20毎に次第に短くなるように構成されている。即ち、検査用駆動パルスFLP41〜FLP44の膨張要素p6の時間幅t6を検査フラッシングS20毎に異ならせている。具体的には、パルス変更工程S50毎に、各検査フラッシングS20における検査用駆動パルスFLP41〜FLP44の膨張要素p6の時間幅t6が次第に短くなるように変更される。即ち、膨張要素p6の電位勾配(単位時間あたりの電位変化量)θ1〜θ4が次第に大きくなるように設定されている。そして、このように構成された各検査用駆動パルスFLP41〜FLP44が、検査フラッシングS20毎に、ノズルグループ39A1〜39B2に対応した圧電振動子30に繰り返し印加されて、1つのフラッシングセグメントに対応するフラッシングが行われる。これにより、圧電振動子30の駆動状態が検査フラッシングS20毎に変化する。本実施形態では、圧電振動子30の駆動時の単位時間あたりの変位量が次第に大きくなり、これに応じて圧力室38内に生じる圧力変動の大きさも次第に大きくなる。この駆動状態の変化の中で、気泡をインク中に溶解させるために効果的な圧力変動を得ることが可能なフラッシング用駆動パルスFLPを設定することができる。このようなフラッシングが規定フラッシングセグメント数だけ繰り返して行われる。
これにより、ノズル列39毎の特性ばらつきによらず、気泡の排出性を向上させることが可能なフラッシング用駆動パルスFLPを設定することができる。本実施形態においても、記録ヘッド2の製造上で想定される特性のばらつきの範囲に応じて膨張要素p6の時間幅t6の設定範囲が定められることで、何れかの検査フラッシングS20で、ノズル列39の特性に応じた駆動状態が得られる。
なお、本発明における検査用駆動パルスFLP41〜44を構成する膨張要素p6の時間幅t6が次第に長くなるように設定されていても良い。これにより、フラッシングの圧電振動子30の駆動時の単位時間あたりの変位量が低くなり、圧力室38内に生じる圧力変動も最も小さくなるので、当該フラッシングによるメニスカスの残留振動を抑制することができ、これにより、この残留振動による次の処理への悪影響を低減することができる。また、検査用駆動パルスFLP41〜FLP44を構成する膨張要素p6、膨張維持要素p7、及び収縮要素p8のうち、膨張維持要素p7の時間幅t7又は収縮要素p8の時間幅t8を検査フラッシングS20毎に異ならせるように変更していても良いし、これらの組み合わせでも良い。
上記実施形態では、本発明におけるフラッシング駆動パルスFLPとして設定される検査用駆動パルスの一例として、図6,図11,図13,図14に示す検査用駆動パルスを挙げたが、パルスの形状は例示したものに限られず、圧電振動子30の駆動状態を可変に設定させていれば、任意の波形のものを用いることができる。また、フラッシングのセグメント数については、任意の値に設定することができる。
なお、上記各実施形態では、圧力発生手段として、所謂縦振動型の圧電振動子30を例示したが、これには限られず、例えば、所謂撓み振動型の圧電振動子を採用することも可能である。この場合、例示した駆動信号に関し、電位の変化方向、つまり上下が反転した波形となる。また、圧力振動子30は、磁歪素子や発熱素子を用いる場合にも本発明を適用することが可能である。
以上は、液体噴射装置の一種であるプリンター1を例に挙げて説明したが、本発明は他の液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極製造装置、バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置等にも適用することができる。
1…プリンター、2…記録ヘッド、6…記録紙、30…圧電振動子、35…ノズル、38…圧力室、39…ノズル列、50…プリンターコントローラー

Claims (6)

  1. 複数のノズルから構成されるノズル群を複数列設し、各ノズルに連通する圧力室の容積を変動させる圧力発生手段を駆動することで前記ノズルから液体を噴射して着弾対象に着弾させる液体噴射ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動する駆動パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生部と、を備えた液体噴射装置のパルス設定方法であって、
    前記駆動信号発生部は、噴射駆動パルスを前記圧力発生手段に印加することで前記着弾対象に向けて液体を噴射する噴射処理とは別に、前記液体噴射ヘッドの液体流路内の気泡を除去する第1の駆動パルスと、当該第1の駆動パルスが決定される前の暫定的な第2の駆動パルスを複数種類含む第2の駆動パルス群と、前記ノズルから液体内に気泡を意図的に取り込むことができる第3の駆動パルスと、を発生可能であり、
    前記第2の駆動パルスは、前記圧力室の容積が変化するように電圧を変化させる第1の電圧変化要素と、電圧を一定値で維持する電圧維持要素と、第1の電圧変化要素によって電圧が変化した方向とは反対方向に電圧を変化させる第2の電圧変化要素と、を含み、
    前記第2の駆動パルス群を構成する各第2の駆動パルスは、各波形要素の少なくとも何れか1つがそれぞれで異なり、
    前記第3の駆動パルスを前記圧力発生手段に印加する第1の工程と、
    前記第2の駆動パルス群を前記ノズル群に対応した前記圧力発生手段毎に印加する第2の工程と、
    前記第2の工程の後に、前記噴射駆動パルスを前記圧力発生手段に印加することで、各ノズルから所定の状態として液体が噴射されたか否かを検査する第3の工程と、
    前記第3の工程によって前記ノズルから所定の状態として液体が噴射されなかったと判断された場合に、前記第2の駆動パルスの波形要素のうちの少なくとも1つのパラメーターを変更して前記第2の工程に戻る一方、前記ノズルから所定の状態として液体が噴射されたと判断された場合に、前記第2の工程で用いられた第2の駆動パルス群のうち少なくとも何れかの第2の駆動パルスを前記ノズル群に対応する前記第1の駆動パルスとして設定する第4の工程と、を含むことを特徴とする液体噴射装置のパルス設定方法。
  2. 前記第4の工程には、前記第3の工程において前記ノズルから所定の状態として液体が噴射されたと判断された場合に、前記第2の工程において前記圧力発生手段に印加した第2の駆動パルス群の中から第1の駆動パルスとして採用する第2の駆動パルスを選定する選定処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置のパルス設定方法。
  3. 複数のノズルから構成されるノズル群を複数列設し、各ノズルに連通する圧力室の容積を変動させる圧力発生手段を駆動することで前記ノズルから液体を噴射して着弾対象に着弾させる液体噴射ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動する駆動パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生部と、を備えた液体噴射装置のパルス設定方法であって、
    前記駆動信号発生部は、噴射駆動パルスを前記圧力発生手段に印加することで前記着弾対象に向けて液体を噴射する噴射処理とは別に、前記液体噴射ヘッドの液体流路内の気泡を除去する第1の駆動パルスと、当該第1の駆動パルスが決定される前の暫定的な第2の駆動パルスと、前記ノズルから液体内に気泡を意図的に取り込むことができる第3の駆動パルスと、を発生可能であり、
    前記第2の駆動パルスは、前記圧力室の容積が変化するように電圧を変化させる第1の電圧変化要素と、電圧を一定値で維持する電圧維持要素と、第1の電圧変化要素によって電圧が変化した方向とは反対方向に電圧を変化させる第2の電圧変化要素と、を含み、
    前記第3の駆動パルスを前記圧力発生手段に印加する第1の工程と、
    前記第2の駆動パルスを前記ノズル群に対応した前記圧力発生手段毎に複数印加する第2の工程と、
    前記第2の工程の後に、前記噴射駆動パルスを前記圧力発生手段に印加することで、各ノズルから液体が噴射されたか否かを検査する第3の工程と、
    前記第3の工程によって前記ノズルから所定の状態として液体が噴射されなかったと判断された場合に、前記第2の駆動パルスの波形要素又は第2の駆動パルス同士を接続するパルス接続要素のうちの少なくとも1つのパラメーターを変更して前記第2の工程に戻る一方、前記ノズルから所定の状態として液体が噴射されたと判断された場合に、前記第2の工程で用いられた第2の駆動パルスを、前記ノズル群に対応する前記第1の駆動パルスとして設定する第4の工程と、を含むことを特徴とする液体噴射装置のパルス設定方法。
  4. 前記第3の工程によって前記ノズルから所定の状態として液体が噴射されなかったと判断された場合に、前記パルス接続要素の時間を、短く又は長くなるように変更することを特徴する請求項3に記載の液体噴射装置のパルス設定方法。
  5. 前記第2の工程における各第2の駆動パルスの駆動電圧が、次第に高まり又は次第に低くなることを特徴する請求項1又は請求項3に記載の液体噴射装置のパルス設定方法。
  6. 前記第2の工程における各第2の駆動パルスを構成する波形要素のうちの少なくとも1つの時間幅が、次第に長くなり又は次第に短くなることを特徴する請求項1又は請求項3に記載の液体噴射装置のパルス設定方法。
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