JP2011235478A - 加飾印刷物およびその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スピン調やヘアライン調の模様の視認性に優れ、適度な金属感を与える加飾印刷物を提供する。
【解決手段】複数の極細溝2からなるスピン調の凹凸模様が裏面1bに形成された光透過性のポリカーボネートからなる樹脂基板1と、凹凸模様を覆うインキ被膜3と、を備える加飾印刷物であって、インキ被膜3は、裏面1bに塗布したインキ組成物から溶媒成分を乾燥除去して形成されると共に、インキ組成物は、カーボンブラックと、バインダ樹脂とを含み、カーボンブラックのバインダ樹脂に対する平均比率を、インキ被膜3におけるカーボンブラックの分布が、樹脂基板1の表面から入射した光を樹脂基板1とインキ被膜3との界面で反射させる分布になるようにした構成の加飾印刷物とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、加飾印刷物およびその製法に関する。
アルミニウム製の基板(アルミニウム基板)の表面にスピン調やヘアライン調の模様を形成する表面処理を施したのちに、アルマイト処理を経て着色処理(印刷や染色)を施すと、適度な重量感と高級感を備える加飾印刷物が得られることが知られている。
このような加飾印刷物からプレス打ち抜きにより銘板などを形成すると、銘板の端面ではアルミが剥き出しになるため、剥き出しになったアルミが輝いてしまい、銘板の装飾性が損なわれることがあった。
また、アルミニウム基板の表面に着色処理を行っているので、銘板の表面が白く掠れたようになることがあり、かかる場合には、銘板の漆黒度が低下するため、表面にスピン調やヘアライン調の模様が設けられていても、十分な重量感と高級感が得られないことがあった。
近年、アルミニウム製の基板の代わりに樹脂製の基板(樹脂基板)が用いられるようになっている。この場合、樹脂基板の表面に、例えば研磨処理やUV転写法を利用してスピン調やヘアライン調の模様を形成する表面処理を施すと共に、反対側の裏面側に、印刷、塗装などによる着色処理を施すことで、加飾印刷物を作成している。このような加飾印刷物として、例えば特許文献1に開示されたものがある。
特開2006−255894号公報
しかし、この加飾印刷物では、スピン調やヘアライン調の凹凸模様を形成する表面処理が、樹脂基板の表面に直接施されており、表面に露出しているスピン調やヘアライン調の凹凸模様が傷つくと、スピン調やヘアライン調の模様の視認性が悪くなるという、耐傷性の問題があった。
また、金属材料(アルミニウム基材)の表面にスピン調やヘアライン調の凹凸模様を設けた場合のような金属感(見る方向に応じて異なる輝度感)が得られ難い、すなわち金属感が劣るという問題があった。
一方、UV転写法によりスピン調やヘアライン調の模様を形成する場合、スピン調やヘアライン調の凹凸模様の耐傷性や耐摩耗性は、研磨処理で形成する場合よりも優れており、上記したような問題は顕著に生じないが、金属感が劣るという問題は依然として改善されないままであった。
そこで、スピン調やヘアライン調の模様の視認性に優れると共に適度な金属感を与える加飾印刷物を提供することが求められている。
本発明は、複数の溝からなる凹凸模様が裏面に形成された光透過性の樹脂基板と、凹凸模様を覆うインキ被膜と、を備え、凹凸模様を樹脂基板の表面側から視認可能とした加飾印刷物であって、インキ被膜は、裏面に塗布したインキ組成物から溶媒成分を乾燥除去して形成されると共に、インキ組成物は、着色成分としての黒色顔料と、接着成分としてのバインダ樹脂とを含み、黒色顔料のバインダ樹脂に対する比率を、インキ被膜における黒色顔料の分布が、樹脂基板の表面から入射した光を樹脂基板とインキ被膜との界面で反射させる分布になる値に設定した構成の加飾印刷物とした。
このように構成すると、樹脂基板の裏面の凹凸模様を形成する溝内では、黒色顔料の粒子が溝に倣って密に並んだ状態となって、樹脂基板の裏面に黒色顔料からなる光の反射面が形成される。そのため、樹脂基板の表面から入射した光は、インキ被膜との界面で確実に反射して樹脂基板の表面側に向かうようになるので、樹脂基板を表面側から見ると、カーボンブラックに起因する漆黒の中に凹凸模様が輝影となり浮かび上がる。樹脂基板とインキ被膜との界面での反射は、凹凸模様の視認性の向上に寄与し、さらに凹凸模様の見え方は樹脂基板に対する光の入射方向により大きく変化するので、凹凸模様が見る方向に応じて異なる輝度感をもって表れることになり、加飾印刷物において適度な金属感を発揮することになる。
加飾印刷物の樹脂基板における凹凸模様を構成する極細溝を説明する図である。 凹凸模様を覆うインキ被膜での光の反射と凹凸模様の視認性を説明する図である。 凹凸模様の視認性の評価方法を説明する模式図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明にかかる加飾印刷物は、シート状の樹脂基板1の裏面に極細溝2からなるスピン調またはヘアライン調の凹凸模様を形成したのち、カーボンブラックを着色成分として含むインキ組成物の樹脂基板の裏面への塗布、乾燥により得られるものである。
[樹脂基板]
樹脂基板1は、ポリカーカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリテレフタレート(PET)、アクリル(PMMA)のうちの何れかからなる樹脂材料、またはこれらのうちの少なくともひとつを主成分として含む樹脂材料から形成したシート状の成形物である。
ここで、樹脂基板1の厚みは、50μm以上であることが好ましい。50μmよりも薄くなると、樹脂基板1の一方の面に極細溝2からなる凹凸模様を形成する際に、樹脂基板1にシワが生じることや、樹脂基板1が破損することがあるからである。
市販の入手可能なPC製のシート状基材として、例えば帝人化成株式会社提供のパンライト(登録商標)、三菱ガス化学株式会社提供のユーピロン(登録商標)、旭硝子株式会社提供のレキサン(登録商標)などがある。
また、市販の入手可能なPS製のシート状基材として、例えば東洋スチレン株式会社提供のものがあり、市販の入手可能なPET製のシート状基材として、例えば東レ株式会社提供のルミラー(登録商標)などがあり、市販の入手可能なPMMA製のシート状基材として、例えば三菱レイヨン株式会社提供のアクリライト(登録商標)などがある。
[表面処理]
図1は、加飾印刷物の樹脂基板1における凹凸模様を構成する極細溝2を説明する図である。図1の(a)は、極細溝2からなるスピン調の模様が形成された樹脂基板1を、裏面1b側から見た斜視図であり、(b)は、(a)の樹脂基板1の裏面1bにインキ被膜3が設けられて得られる加飾印刷物の断面図であって、(a)におけるA−A断面に相当する図であり、(c)は、(b)における符号Bで囲んだ部分を拡大して示す部分拡大図であって、極細溝2の断面形状を説明する図である。
以下、樹脂基板1の一方の面に形成された模様がスピン調の模様(径の異なる複数の円形の極細溝を同心に配置して形成された模様)である場合を例に挙げて、樹脂基板1の表面処理を説明する。
図1の(a)に示すように、シート状の樹脂基板1の一方の面1b(裏面)には、極細溝2からなるスピン調の模様を形成する表面処理が施されている。
表面処理は、例えばサンドペーパーまたは金属ブラシを樹脂基板1に擦り付けることで行われる。なお、へライン調の模様の場合の極細溝もまた、同様にして形成される。
ここで、図1の(b)、(c)に示すように、極細溝2の断面形状は、底側が尖った略V形状を有しており、樹脂基板1の厚み方向で裏面1b側に向かうにつれて溝幅が広がるように形成されている。各極細溝2は、裏面1b側の端部を隣接する極細溝2の端部に接して設けられており、樹脂基板1の裏面1bでは、極細溝2からなる断面略V形状の凹部と極細溝2の間の逆V形状の凸部とが交互に配置されている。
各極細溝2は、それぞれ異なる深さおよび断面積で形成されており、極細溝2の平均深さDは、約0.05μm〜25μmであることが好ましい。0.05μmよりも浅くなると、スピン調の模様が見えにくくなるからである。また、25μmよりも深くなると、樹脂基板1にインキ組成物を塗布した際に、インキ組成物が極細溝2内に十分に充填されなくなって、極細溝2内に空隙が残ることがあるからである。
ここで、極細溝2内に空隙が残ると、樹脂基板1の裏面1bとインキ被膜3との界面に隙間が生じ、かかる場合には、樹脂基板1に入射した光が、樹脂基板1の裏面1bとインキ被膜3との界面で反射されなくなって、樹脂基板1の表面1a側から見たスピン調の模様の視認性が低下してしまう。
さらに、極細溝2の斜面2aの樹脂基板1の平面(裏面1b)に対する平均角度θは、0.5°〜36°の範囲内であることが好ましい。
かかる範囲内に設定すると、樹脂基板1の裏面1bとインキ被膜3との界面に、カーボンブラックからなる光の反射面が密に形成される。そうすると、樹脂基板1に表面1a側から入射した光の多くが、樹脂基板1の裏面1bとインキ被膜3との界面で反射されて樹脂基板1の表面1a側に向かうようになるので、樹脂基板1の表面1a側から見たスピン調の模様の視認性が向上し、後記する輝度値、輝度比が高くなる。
なお、傾きが36°よりも大きくなると、樹脂基板1の裏面1bとインキ被膜3との界面で反射されて樹脂基板1の表面1a側に向かう光の量が少なくなるので、樹脂基板1の表面1a側から見たスピン調の模様の視認性が低下し、後記する輝度値、輝度比が低くなる。
さらに、後記するインキ組成物を樹脂基板1の裏面1bに塗布した際に、インキ組成物が極細溝2内に充填されずに空間を生じ易くなる。かかる場合、樹脂基板1の裏面1bにカーボンブラックからなる光の反射面が密に形成されなくなる結果、樹脂基板1の表面1a側に向かう光の量がいっそう少なくなって、スピン調の模様の視認性がいっそう低下する。
また、インキ被膜3との接触界面となる極細溝2の斜面2aは、斜面2aからインキ被膜3に入射する光を拡散させない程度の平滑度を有する平滑面として形成されていることが好ましい。斜面2aに微細な凹凸があるとインキ被膜3に入射する光が拡散してしまい、最終的に樹脂基板1の表面1a側に向かう光の量が少なくなって、樹脂基板1の表面a側から見たスピン調の模様の視認性が低下してしまうからである。
[インキ組成物]
加飾印刷物におけるインキ被膜3は、樹脂基板1の極細溝2からなる凹凸模様が設けられた裏面1bにインキ組成物したのち、溶媒成分を乾燥除去して形成される。
インキ組成物は、着色成分としての顔料と、接着成分としてのバインダ樹脂と、樹脂基板を構成する樹脂の溶解性溶媒と非溶解性溶媒との混合溶媒と、を主成分として含むものである。
実施の形態では、株式会社セイコーアドバンス提供のSTRコンク710ブラック(製品名)に、カーボンブラックと希釈溶媒とを任意の割合で添加して、インキ組成物を調整している。
図2は、樹脂基板1の表面1aから入射した光の樹脂基板1とインキ被膜3との界面での反射を説明する図であって、(a)は、インキ組成物からの溶媒成分の乾燥除去により得られるインキ被膜3でのカーボンブラックの分布が、樹脂基板1の表面から入射した光を樹脂基板1とインキ被膜3との界面で反射させる分布である場合を説明する図である。(b)は、インキ組成物(またはインキ被膜3)におけるカーボンブラックのバインダ樹脂に対する比率が(a)の場合よりも小さくなって、インキ被膜3におけるカーボンブラックの分布が、樹脂基板1の表面から入射した光の一部を樹脂基板1とインキ被膜3との界面で反射せずにインキ被膜3の内部に進入させてしまう状態である場合を説明する図である。(c)は、インキ組成物に含まれる溶媒の影響で、インキ組成物の塗布から溶媒成分の乾燥除去によりインキ被膜3を形成するまでの間に、樹脂基板1の極細溝2からなる凹凸模様が侵食された場合を説明する図である。
[顔料]
STRコンク710ブラック(製品名)に含まれる顔料は、カーボンブラックであるので、実施の形態では、三菱化学株式会社社提供のカーボンブラック(MA8:粒子径20nm、PVC黒度20)を、STRコンク710ブラック(製品名)に添加するカーボンブラックとして採用している。
カーボンブラックの粒径は、約10nm〜50nmの範囲内で適宜変更可能であり、例えば三菱化学株式会社社提供のMA100(粒子径20nm、PVC黒度10)や#95(粒子径40nm、PVC黒度2)などであっても良い。
カーボンブラックの粒径の上限を50nmまでとしたのは、粒子径が50nmよりも大きくなると、樹脂基板1の極細溝2の内部にカーボンブラック粒子が密に充填されなくなって、インキ被膜3の凹凸模様の部分におけるカーボンブラックの分布が疎になる(密度が低くなる)おそれがあるからである。
[バインダ樹脂]
バインダ樹脂は、樹脂基板に対する接着性が良好な樹脂が、樹脂基板の種類に応じて適宜選択される。STRコンク710ブラック(製品名)には、ポリカーボネート(PC)に対する接着性が良好なビニル、アクリル系の樹脂が採用されている。
ここで、インキ組成物におけるバインダ樹脂の含有量は、カーボンブラックのバインダ樹脂に対する平均比率(カーボンブラック/バインダ樹脂の平均比率)で、0.27以上、好ましくは0.50以上1.40以下、より好ましくは、0.77以上1.33以下であることが好ましい。
かかる場合、図2の(a)に示すように、樹脂基板1とインキ被膜3との界面では、カーボンブラックCBの粒子の分布が密になって(密度が高くなって)、カーボンブラックの粒子が極細溝2に倣って密に並んだ状態となる。そうすると、樹脂基板1の表面1aから入射した光は、樹脂基板1とインキ被膜3との界面で確実に反射して樹脂基板1の表面1a側に向かうようになるので、樹脂基板1を表面1a側から見ると、界面で反射した光により、カーボンブラックCBに起因する漆黒の中に凹凸模様が輝影となり浮かび上がるようになる。この界面での反射は樹脂基板1に対する光の入射方向により大きく変化するので、凹凸模様が見る方向に応じて異なる輝度感をもって表れることになり、加飾印刷物において適度な金属感を発揮する凹凸模様の視認性が向上する。
なお、カーボンブラックのバインダ樹脂に対する平均比率が0.27よりも小さい場合、最終的に得られる加飾印刷物における漆黒度が低下して極細溝2からなる凹凸模様の視認性が低下してしまう。
さらに、図2(b)に示すように、樹脂基板1とインキ被膜3との界面におけるカーボンブラックCBの分布が疎になる(密度が低くなる)ので、樹脂基板1の表面1aから入射した光の一部が、樹脂基板1とインキ被膜3との界面で反射せずに、インキ被膜3の内部に進入するようになる。そうすると、樹脂基板1の表面1a側に反射する光の量が減少して、極細溝2からなる凹凸模様(スピン調またはヘアライン調の模様)の視認性が低下してしまう。
また、カーボンブラック/バインダ樹脂の比率が1.40よりも大きくなると、加飾印刷物におけるインキ被膜の強度が低下してしまう。
[混合溶媒]
混合溶媒は、樹脂基板の溶解性が低い溶媒(非溶解性溶媒)と、溶解性が高い溶媒(溶解性溶媒)との混合溶媒である。
STRコンク710ブラック(製品名)には、樹脂基板(ポリカーボネート)の溶解性が低いエチレングリコールモノブチルエーテル(非溶解性溶媒)と、溶解性が高いシクロヘキサノン(溶解性溶媒)とが含まれており、溶解性溶媒の非溶解性溶媒に対する比率(溶解性溶媒/非溶解性溶媒)が0.42(平均値)となっている。
[希釈溶媒]
希釈溶媒は、STRコンク710ブラック(製品名)にカーボンブラックを添加してインキ組成物を調整する際に、得られるインキ組成物の流動性を調整するために添加される。
さらに、溶媒成分の組成を、インキ組成物の樹脂基板への塗布からインキ組成物に含まれる溶媒成分の乾燥除去までの間に、樹脂基板の極細溝が溶媒成分により溶解して、スピン調またはヘアライン調の模様が損なわれることのない組成に調整するために添加される。
そのため、希釈溶媒は、樹脂基板の溶解性が低い溶媒(非溶解性溶媒)であって、樹脂基板の白化、失透、クラック、膨潤が極めて少ないものであることが好ましい。
樹脂基板の極細溝が溶解すると、極細溝2の略V字形状の断面が崩れてしまい、最終的に得られる加飾印刷物の樹脂基板とインキ被膜との界面において光が乱反射してしまうからである。また、白化、失透は、界面で反射した光を拡散させてしまい、クラック、膨潤は、極細溝からなる凹凸模様を崩してしまうからである。
実施の形態では、樹脂基板の極細溝からなる凹凸模様が形成された面に、室温環境下で溶媒の液滴(約1ml、φ20mm)を滴下し、自然乾燥により溶媒を除去した場合に、樹脂基板の液滴が滴下された部分に、白化、白濁、失透、クラック、膨潤、光沢化などの変化が生じなかった溶媒を、非溶解性溶媒として用いている。
ここで、光沢化とは、樹脂基板の溶媒により溶解した部分が、溶媒の除去により固化して、表面の光沢が変化した場合をいう。
この条件を満たす溶媒として、例えばエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールなどのグリコールエーテル系の溶媒、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの環状炭化水素系の溶媒があり、これらが非溶解性溶媒として採用可能である。
なお、希釈溶媒は、例示された上記溶媒のうちのひとつであっても良いし、例示された上記溶媒の中から選択された2つ以上の混合物であっても良い。
また、上記の非溶解性溶媒の要件を満たさない溶媒が溶解性溶媒であり、シクロヘキサノン、1,3,5トリメチルベンゼン、1,2,4トリメチルベンゼン、イソホロン、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン、そして、これらの他に、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのグリコールエステル系の溶媒などが、溶解性溶媒として採用可能である。
ここで、前記したSTRコンク710ブラック(製品名)には、非溶解性溶媒と溶解性溶媒とが含まれており、STRコンク710ブラック(製品名)にカーボンブラックと希釈溶媒とを任意の割合で添加して得られるインキ組成物では、溶解性溶媒の非溶解性溶媒に対する比率(溶解性溶媒/非溶解性溶媒)が、インキ組成物の樹脂基板への塗布から溶媒成分の乾燥除去までの間で凹凸模様が溶媒成分に含まれる溶解性溶媒により損なわれない比率に設定されている。
溶媒成分に占める溶解性溶媒の割合が高くなると、図2の(c)に示すように、インキ組成物を樹脂基板1に塗布、乾燥してインキ被膜3を形成する際に、樹脂基板1の極細溝が溶解性溶媒により侵食、溶解される割合が高くなる。
かかる場合、樹脂基板1のインキ被膜3との接触界面の平滑性が損なわれると共に、樹脂基板1の極細溝2が損なわれてしまうので、樹脂基板1の表面1aから入射した光が、インキ被膜3に達する前に樹脂基板1内で拡散してしまう。そうすると、樹脂基板1の表面1a側に向かう光が少なくなって、極細溝2からなる凹凸模様(スピン調またはヘアライン調の模様)の視認性が低下してしまう。
ここで、樹脂基板1の極細溝2が、樹脂基板1の厚み方向で0.5μm以上溶解されると、視認性が低下することが実験により確認されたので、実施の形態では、溶解性溶媒の非溶解性溶媒に対する比率(溶解性溶媒/非溶解性溶媒)が0.39(平均値)以下、好ましくは0.36(平均値)以下に設定されている。
なお、インキ組成物には、上記の顔料、バインダ樹脂、溶解性溶媒、非溶解性溶媒のほかに、分散剤、安定剤などの添加剤や、インキ組成物の粘度を調整するための希釈剤などを、含有させても良い。
以下、具体例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
ポリカーボネート製の樹脂基板の極細溝からなる凹凸模様が形成された裏面に、組成の異なるインキ組成物を塗布、乾燥して得られる加飾印刷物の各々について、凹凸模様の視認性と、インキ被膜の抵抗値と、を評価した。
各インキ組成物の詳細と、加飾印刷物の作成方法と評価結果は、以下の通りである。
[インキ組成物A1の調整]
株式会社セイコーアドバンス提供のSTRコンク710ブラック(製品名)50重量部に対し、希釈溶媒(T475)を5重量部加えて希釈し、加飾印刷物用のインキ組成物A1を作成した。
ここで、希釈溶媒(T475)は、非溶解性溶媒(ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ)と、溶解性溶媒(シクロヘキサノン)とが大凡8:2の割合で含まれた混合溶媒である。
STRコンク710ブラックは、カーボンブラックを着色成分として含み、ビニル、アクリル系樹脂を接着成分(バインダ成分)として含み、ブチルセロソルブ、シクロヘキサノンの混合溶媒を溶媒成分として含むものである。
STRコンク710ブラックにおける着色成分と、バインダ成分と、溶解性溶媒(シクロヘキサノン)と、非溶解性溶媒(ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ)との平均混合比率は、16.04:29.42:16.04:38.50である。
なお、このインキ組成物A1における溶解性溶媒/非溶解性溶媒比の平均値は、0.39であり、カーボンブラック(CB)/バインダ比の平均値は、0.55である。
[インキ組成物A2の調整]
株式会社セイコーアドバンス提供のSTRコンク710ブラック(製品名)50重量部に対し、三菱化学株式会社提供のカーボンブラックMA8を3.33重量部、希釈溶媒(T475)を9.5重量部加えて希釈し、加飾印刷物用のインキ組成物A2を作成した。
なお、インキ組成物A2における溶解性溶媒/非溶解性溶媒比の平均値は、0.36であり、CB/バインダ比の平均値は、0.77である。
[インキ組成物A3の調整]
株式会社セイコーアドバンス提供のSTRコンク710ブラック(製品名)50重量部に対し、三菱化学株式会社提供のカーボンブラックMA8を7.14重量部、希釈溶媒(T475)を23重量部加えて希釈し、加飾印刷物用のインキ組成物A3を作成した。
なお、このインキ組成物A1における溶解性溶媒/非溶解性溶媒比の平均値は、0.33であり、カーボンブラック(CB)/バインダ比の平均値は、1.03である。
[インキ組成物A4の調整]
株式会社セイコーアドバンス提供のSTRコンク710ブラック(製品名)50重量部に対し、三菱化学株式会社提供のカーボンブラックMA8を11.54重量部、希釈溶媒(T475)を26重量部加えて希釈し、加飾印刷物用のインキ組成物A4を作成した。
なお、このインキ組成物A1における溶解性溶媒/非溶解性溶媒比の平均値は、0.32であり、カーボンブラック(CB)/バインダ比の平均値は、1.33である。
[インキ組成物B1の調整]
株式会社セイコーアドバンス提供のSTRコンク710ブラック(製品名)50重量部に対し、非溶解性溶媒(ブチルセロソルブ)を5重量部加えて希釈し、加飾印刷物用のインキ組成物B1を作成した。
なお、このインキ組成物B1における溶解性溶媒/非溶解性溶媒比の平均値は、0.33であり、カーボンブラック(CB)/バインダ比の平均値は、0.55である。
[インキ組成物B2〜B4の調整]
上記インキ組成物A2〜A4の希釈溶媒をブチルセロソルブに置き換えたインキ組成物B2〜B4を作成した。
[インキ組成物C3の調整]
株式会社セイコーアドバンス提供のSTRコンク710ブラック(製品名)50重量部に対し、三菱化学株式会社提供のカーボンブラックMA8を7.14重量部、溶解性溶媒(シクロヘキサノン)を23.0重量部加えて希釈し、加飾印刷物用のインキ組成物C3を作成した。
[インキ組成物D3の調整]
株式会社セイコーアドバンス提供のSTRコンク710ブラック(製品名)50重量部に対し、三菱化学株式会社提供のカーボンブラックMA8を7.14重量部、溶解性溶媒(1、3、5トリメチルベンゼン)を23.0重量部加えて希釈し、加飾印刷物用のインキ組成物D3を作成した。
[インキ組成物E3の調整]
株式会社セイコーアドバンス提供のSTRコンク710ブラック(製品名)50重量部に対し、三菱化学株式会社提供のカーボンブラックMA8を7.14重量部、非溶解性溶媒(ブチルセロソルブ)を11.5重量部、溶解性溶媒(シクロヘキサノン)を11.5重量部加えて希釈し、加飾印刷物用のインキ組成物E3を作成した。
[インキ組成物R1の調整]
株式会社セイコーアドバンス提供のSTR765プロセスブラック(製品名)50重量部に対し、希釈溶媒(T475)を5重量部加えて希釈し、加飾印刷物用のインキ組成物R1を作成した。
ここで、STR765プロセスブラックにおける着色成分と、バインダ成分と、溶解性溶媒(シクロヘキサノン)と、非溶解性溶媒(エチレングリコールモノブチルエーテル)との平均混合比率は、2.69:29.57:19.35:48.39である。
よって、このインキ組成物R1における溶解性溶媒/非溶解性溶媒比の平均値は、0.38であり、カーボンブラック(CB)/バインダ比の平均値は、0.09である。
[インキ組成物R2の調整]
株式会社セイコーアドバンス提供のSTR710ブラック(製品名)50重量部に対し、希釈溶媒(T475)を5重量部加えて希釈し、加飾印刷物用のインキ組成物R2を作成した。
ここで、STR710ブラックにおける着色成分と、バインダ成分と、溶解性溶媒(シクロヘキサノン)と、非溶解性溶媒(エチレングリコールモノブチルエーテル)との平均混合比率は、7.89:28.96:17.89:45.26である。
よって、このインキ組成物R2における非溶解性溶媒/溶解性溶媒比の平均値は、0.37であり、カーボンブラック(CB)/バインダ比の平均値は、0.27である。
なお、インキ組成物R1、R2の調整に用いた希釈溶媒(T475)は、非溶解性溶媒(ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ)と、溶解性溶媒(シクロヘキサノン)とが大凡8:2の割合で含まれた混合溶媒である。
[加飾印刷物の作成]
ポリカーボネートからなるシート状の樹脂基板(帝人化成株式会社提供のパンライト(登録商標))の裏面に極細溝からなるスピン調の模様を形成し、樹脂基板のスピン調の模様が形成された裏面に、スクリーン印刷によりインキ組成物を塗布してインキ組成物のパターンを形成し、所定の乾燥条件のもと、インキ組成物から溶媒成分を揮発させて、スピン調の模様を覆うインキ被膜が設けられた加飾印刷物を得た。
[スピン調の模様の視認試験]
得られた加飾印刷物を、極細溝からなるスピン調の模様が形成されていない面(表面)から見た場合におけるスピン調の模様の視認性の確認を行った。
図3は、スピン調の模様の視認性の評価方法を説明する図であって、(a)は、加飾印刷物の表面を、表面に対して直交する方向から見た図であり、(b)は、加飾印刷物を側方から見た図である。
スピン調の模様が形成された加飾印刷物の表面側に光源(直管形蛍光灯)を配置すると、図3の(a)に示すように、光源から照射される光の方向と、極細溝の方向との関係に応じてスピン調の模様の部分に、扇形状の明部と暗部ができる。
実施の形態では、スピン調の模様の中心から見て、扇形状の明部と暗部とがそれぞれ90度範囲で形成されるように、加飾印刷物と直管形蛍光灯とを配置し(図3の(b)参照)、この状態における明部と暗部とのコントラストに基づいて、スピン調の模様の視認性を評価している。
具体的には、明部と暗部の各々における光の反射量(輝度値)を、加飾印刷物の表面から距離h離間した位置に配置した輝度計(株式会社トプコン製色差輝度計)で測定し、明部の輝度値と暗部の輝度値との比(輝度比=明部の輝度値/暗部の輝度値)を求めて、輝度比と所定の閾値との比較により、スピン調の模様の視認性を評価している。
ここで、スピン調の模様がはっきりと視認できる場合、明部と暗部の輝度値の差が大きくなるので輝度比の値が大きくなる。一方、スピン調の模様がはっきりと視認できない場合には、明部と暗部の輝度値の差が小さくなるので輝度比の値が小さくなる。
よって、実施の形態では、輝度比の値が3.5以上である場合に、スピン調の模様の視認性が良好であると判断している。
また、加飾印刷物におけるインキ被膜の表面抵抗値MΩは、2端子2探針法(端子間距離:4.64mm、端子先端径:φ0.78mm、測定時押圧力:250g)により測定された抵抗値の平均値である。
Figure 2011235478
以上より、R1、R2、A1〜A4のインキ組成物を用いて作成した加飾印刷物の評価結果より、カーボンブラックの含有量(CB)が多くなってCB/バインダ比の平均値が大きくなるほど、輝度比の値が良好な結果となることが確認された。
この場合、CB/バインダ比が0.77を超えると輝度比の値が顕著に大きくなり、スピン調の模様の視認性が向上することが確認された。
これは、CB/バインダ比が0.77を超えると、図2の(a)に示すように、インキ被膜においてカーボンブラックの粒子が、極細溝に沿って密に並んだ状態となり、樹脂基板の裏面の凹凸模様の部分に、カーボンブラックの粒子が密に並んで形成される比較的に平滑な反射面を形成し、樹脂基板の表面から入射した光が、樹脂基板とインキ被膜との界面となる反射面で反射して、入射した光の大部分が表面側に向かうことになり、その結果として、凹凸模様の視認性が向上するからである。
一方、CB/バインダ比が0.77よりも少なくなると、図2の(b)に示すように、インキ被膜におけるカーボンブラックの含有量が少なり、バインダ樹脂が極細溝の内部に入り込んで、極細溝内にカーボンブラックの粒子が密に並ばなくなる。そうすると、樹脂基板に入射した光が樹脂基板とインキ被膜との界面で反射せずにインキ被膜内に進入して、樹脂基板の表面側に向かう光の量が減少してしまうことになり、明部の暗部の間の輝度値の差が小さくなって輝度比が小さくなるので、スピン調またはヘアライン調の模様の視認性が低下するからである。
また、A1〜A4と、B1〜B4の比較の結果、希釈溶媒を、溶解性溶媒と非溶解性溶媒との混合溶媒(T475)から、非溶解性溶媒(ブチルセロソルブ)に置き換えると、暗部における平均輝度値が小さくなる結果、輝度比の値が、混合溶媒(T475)の場合よりも大きくなり、スピン調の模様の視認性が向上することが確認された。
インキ組成物の溶媒成分における溶解性溶媒の平均含有率が多くなると、インキ組成物を樹脂基板に塗布、乾燥してインキ被膜を形成する際に、樹脂基板の極細溝が溶解性溶媒により侵食、溶解される割合が高くなり、樹脂基板とインキ被膜との界面で反射して表面側に向かう光の量が少なくなるからである。
例えば、図2の(c)に示すように、樹脂基板の極細溝が、厚み方向で0.5μm以上溶解されて、極細溝2の略V字形状の断面が崩れてなだらかな凹凸となると、表面側に向かう光の量が少なくなることが、極細溝の観察(例えばレーザーマイクロスコープVK−9700キーエンス)の結果、確認された。
また、極細溝が大きく溶解されなくても、極細溝2の斜面2aの平滑度が溶解性溶媒により損なわれると、表面側に向かう光の量が少なくなることも、極細溝の観察(例えばレーザーマイクロスコープVK−9700キーエンスによる観察)の結果、確認された。この場合には、樹脂基板のインキ被膜との界面に溶解性溶媒により例えば細かな凹凸が生じ、樹脂基板に入射した光が、この細かな凹凸の部分で乱反射して、表面側に向かう光の量が少なくなるからである。
C3とD3の比較の結果、溶解性溶媒がシクロヘキサノンである場合と、1,3,5トリメチルベンゼンである場合とでは、顕著な差異は認められなかった。
また、C3とE3の比較、A3とB3とC3とD3とE3の結果、溶解性溶媒の量が少なくなるほど、輝度比の値が大きくなり、スピン調の模様の視認性が向上することが確認された。
以上の通り、実施の形態では、複数の極細溝2からなるスピン調またはヘアライン調の凹凸模様が裏面1bに形成された光透過性のポリカーボネートからなる樹脂基板1と、凹凸模様を覆うインキ被膜3と、を備え、凹凸模様を樹脂基板1の表面1a側から視認可能とした加飾印刷物であって、インキ被膜3は、裏面1bに塗布したインキ組成物から溶媒成分を乾燥除去して形成されると共に、インキ組成物は、着色成分としてのカーボンブラックと、接着成分としてのバインダ樹脂(ビニル、アクリル系の樹脂)とを含み、インキ組成物における溶解性溶媒の非溶解性溶媒に対する比率(平均値)を少なくとも0.39以下、好ましくは0.36以下とし、カーボンブラックのバインダ樹脂に対する平均比率(カーボンブラック/バインダ樹脂の平均比率)を0.27以上、好ましくは0.50以上1.40以下、より好ましくは0.77以上1.33以下に設定し、少なくとも凹凸模様の部分におけるインキ被膜3におけるカーボンブラックの分布が、樹脂基板1の表面から入射した光を樹脂基板1とインキ被膜3との界面で反射させる分布になるようにした構成の加飾印刷物とした。
このように構成すると、樹脂基板1の裏面1bの凹凸模様を形成する極細溝2内では、カーボンブラックの粒子が極細溝に倣って密に並んだ状態となって、樹脂基板1の裏面1bにカーボンブラックからなる光の反射面が形成される。そのため、樹脂基板1の表面1aから入射した光は、樹脂基板1とインキ被膜3との界面で確実に反射して樹脂基板1の表面1a側に向かうようになるので、樹脂基板1を表面1a側から見ると、カーボンブラックに起因する漆黒の中に凹凸模様が輝影となり浮かび上がる。樹脂基板1とインキ被膜3との界面での反射は、凹凸模様の視認性の向上に寄与し、さらに凹凸模様の見え方は樹脂基板1に対する光の入射方向により大きく変化するので、凹凸模様が見る方向に応じて異なる輝度感をもって表れることになり、加飾印刷物において適度な金属感を発揮することになる。
この場合において、インキ組成物におけるカーボンブラックのバインダ樹脂に対する平均比率を0.77以上1.33以下に設定すると、凹凸模様の視認性が最も高く、適度な金属感を発揮する加飾印刷物を得ることができる。
さらに実施の形態では、光透過性のポリカーボネートからなる樹脂基板1の裏面に所定の極細溝2を設けて凹凸模様を形成するステップと、カーボンブラックを着色成分として含むインキ組成物を、樹脂基板1の裏面に塗布するステップと、インキ組成物の溶媒成分の乾燥除去により、凹凸模様を覆うインキ被膜3を形成するステップと、を備え、インキ組成物における溶解性溶媒/非溶解性溶媒比の平均値を少なくとも0.39以下、好ましくは0.36以下とし、カーボンブラックのバインダ樹脂(ビニル、アクリル系の樹脂)に対する平均比率(カーボンブラック/バインダ樹脂の平均比率)を0.27以上、好ましくは0.50以上1.40以下、より好ましくは0.77以上1.33以下に設定し、少なくとも凹凸模様の部分におけるインキ被膜3でのカーボンブラックの分布が、樹脂基板1の表面から入射した光を樹脂基板1とインキ被膜3との界面で反射させる分布になるようにした構成の加飾印刷物の製法とした。
このようにすることによっても、凹凸模様が見る方向に応じて異なる輝度感をもって表れる加飾印刷物であって、好適な視認性と適度な金属感を発揮する加飾印刷物を得ることができる。
また、インキ組成物は、樹脂基板1の溶解性が低い非溶解性溶媒(第1の溶媒)と、樹脂基板1の溶解性が非溶解性溶媒よりも高い溶解性溶媒(第2の溶媒)と、を溶媒成分として含み、溶解性溶媒/非溶解性溶媒比の平均値を、インキ組成物の塗布から溶媒成分の乾燥除去までの間で、極細溝2からなる凹凸模様が溶媒成分により損なわれない混合比である少なくとも0.39以下に設定し、非溶解性溶媒は、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサンからなる群から選択された少なくともひとつであり、溶解性溶媒は、シクロヘキサノン、1,3,5トリメチルベンゼン、1,2,4トリメチルベンゼン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、イソホロン、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼンからなる群から選択された少なくともひとつである構成とした。
このように構成すると、インキ組成物の溶媒成分の乾燥除去によりインキ被膜を形成する際に、スピン調またはヘアライン調の凹凸模様が、溶媒成分により溶解侵食されて凹凸模様が損なわれることを防止できるので、凹凸模様が損なわれることに起因する凹凸模様の視認性の低下と、加飾印刷物における金属感の低下を好適に防止できる。
特に、極細溝2は、幅方向の断面形状が略V字形状を有しており、樹脂基板1の厚み方向で裏面1b側に向かうにつれて溝幅が広がるように形成されている構成とし、極細溝の斜面2aの樹脂基板1の裏面1bに対する傾斜角θが、0.5°≦θ≦36°である構成とした。
ここで、総ての斜面2aの傾斜角θが上記の範囲内にある必要はなく、斜面2aの傾斜角θの大半(少なくとも60%以上)が上記の範囲内にあればよい。
このように構成すると、樹脂基板1の表面1a(視認面)に対して鉛直、若しくは鉛直に近い角度方向から入射した光が、極細溝2(斜面2a)により表面1a側に反射されるようになる。スピン調またはヘアライン調の模様が施された加飾印刷物(銘板)では、使用状態を考慮すると、表面1aの鉛直方向側から見た場合にスピン調またはヘアライン調の模様が視認可能であることが必要とされ、極細溝2は、表面1aの鉛直方向側から入射する光を表面1a側に反射するように設けられている必要がある。そのため、傾斜角θを、上記の角度範囲に設定することで、加飾印刷物(銘板)に使用状態におけるスピン調またはヘアライン調の模様の視認性が良好となる。
前記した実施の形態では、ポリカーボネート(PC)に対する接着性が良好な樹脂として、ビニル系とアクリル系の樹脂の混合物をバインダ樹脂として用いたインキ組成物の場合を例示した。
しかし、インキ組成物のバインダ成分は、実施の形態の限定されるものではなく、例えばビニル系樹脂とアクリル系樹脂のうちの何れか一方をバインダ樹脂として用いても良い。
ここで、ビニル系の樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどが採用可能であり、アクリル系の樹脂としては、アクリル酸・メタクリル酸・アクリル酸エチル共重合物、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・メタクリル酸グリシジル・スチレン共重合物、などが採用可能である。
前記した実施の形態では、ポリカーボネート(PC)の溶解性が高い溶解性溶媒として、1,3,5トリメチルベンゼンおよびシクロヘキサノンを例示したが、これらの他に、トルエン、キシレン、クメン、1,2,4トリメチルベンゼン、酢酸ブチル、イソホロン、そして、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのグリコールエステル系の溶媒なども採用可能である。
実施の形態では、光透過性の透明な樹脂基板を用いる場合を例示したが、光透過性の半透明な樹脂基板とすることや、表面に反射防止の加工処理が施された樹脂基板としても良い。
また、スクリーン印刷により、インキ組成物を樹脂基板に塗布する場合を例示したが、オフセット印刷、パッド印刷、塗装、筆塗りなどにより塗布するようにしても良い。
さらに、樹脂基板における極細溝からなる模様の形成は、研磨処理により行う場合を例示したが、プレス、熱成形、熱転写、UV転写法などにより形成するようにしても良い。
また、実施の形態では黒色顔料として、カーボンブラックを用いる場合を例示したが、黒鉛(グラファイト)を用いるようにしても良い。
さらに、実施の形態では、インキ組成物に含まれる着色成分が黒色顔料である場合を例示したが、最終的に形成されるインキ被膜の光透過率が黒色顔料を用いた場合と略同等になる青系の顔料を採用しても良い。
実施の形態では、各極細溝2の端部が隣接する極細溝2の端部に接している場合の凹凸模様を例示したが、各極細溝2の端部が隣接する極細溝2と所定間隔を開けて設けられて、極細溝2からなる断面略V形状の凹部と極細溝2の間の台形状の凸部とが交互に配置されている構成のスピン調の模様としても良い。
さらに実施の形態では、市販されている株式会社セイコーアドバンス提供のSTR765プロセスブラックを用いる場合を例示したが、上記したカーボンブラック(顔料)、バインダ樹脂、溶媒成分(非溶解性溶媒、溶解性溶媒)を所定の割合で含むインキ組成物を調整して、これを用いて加飾印刷物を作成しても良い。
さらに実施の形態では、インキ組成物の全体に占める割合は、溶解性溶媒/非溶解性溶媒比、カーボンブラック/バインダ樹脂比を固定した状態で、インキ組成物の樹脂基板への塗布条件(例えばスクリーン印刷における印刷条件)に応じて、適宜変更可能である。
1 樹脂基板
1a 表面
1b 裏面
2 極細溝
2a 斜面
3 インキ被膜
CB カーボンブラック
V バインダ樹脂
本発明は、複数の溝からなる凹凸模様が裏面に形成された光透過性の樹脂基板と、凹凸模様を覆うインキ被膜と、を備え、凹凸模様を樹脂基板の表面側から視認可能とした加飾印刷物であって、インキ被膜は、裏面に塗布したインキ組成物から溶媒成分を乾燥除去して形成されると共に、インキ組成物は、着色成分としての黒色顔料と、接着成分としてのバインダ樹脂とを含み、黒色顔料のバインダ樹脂に対する比率を、0.27以上1.40以下に設定して、インキ被膜における黒色顔料の分布が、樹脂基板の表面から入射した光を樹脂基板とインキ被膜との界面で反射させる分布になるようにした構成の加飾印刷物とした。

Claims (5)

  1. 複数の溝からなる凹凸模様が裏面に形成された光透過性の樹脂基板と、
    前記凹凸模様を覆うインキ被膜と、を備え、
    前記凹凸模様を前記樹脂基板の表面側から視認可能とした加飾印刷物であって、
    前記インキ被膜は、前記裏面に塗布したインキ組成物から溶媒成分を乾燥除去して形成されると共に、前記インキ組成物は、着色成分としての黒色顔料と、接着成分としてのバインダ樹脂とを含み、
    前記黒色顔料の前記バインダ樹脂に対する比率を、前記インキ被膜における前記黒色顔料の分布が、前記樹脂基板の表面から入射した光を前記樹脂基板と前記インキ被膜との界面で反射させる分布になる値に設定したことを特徴とする加飾印刷物。
  2. 前記インキ被膜では、前記黒色顔料の前記バインダ樹脂に対する比率が、0.27以上1.40以下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の加飾印刷物。
  3. 前記インキ組成物は、
    第1の溶媒と、
    前記樹脂基板の溶解性が前記第1の溶媒よりも高い第2の溶媒と、を溶媒成分として含み、
    前記第1の溶媒の前記第2の溶媒に対する比率を、
    前記インキ組成物の塗布から前記溶媒成分の乾燥除去までの間で、前記凹凸模様が前記溶媒成分により損なわれない比率に設定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加飾印刷物。
  4. 前記第1の溶媒は、
    ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサンからなる群から選択された少なくともひとつであり、
    前記第2の溶媒は、
    シクロヘキサノン、1,3,5トリメチルベンゼン、1,2,4トリメチルベンゼン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、イソホロン、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼンからなる群から選択された少なくともひとつであることを特徴とする請求項3に記載の加飾印刷物。
  5. 光透過性の樹脂基板の裏面に所定の溝を設けて凹凸模様を形成するステップと、
    黒色顔料を着色成分として含むインキ組成物を、前記樹脂基板の裏面に塗布するステップと、
    前記インキ組成物の溶媒成分の乾燥除去により、前記凹凸模様を覆うインキ被膜を形成するステップと、を備え、
    前記黒色顔料の前記バインダ樹脂に対する比率を、前記インキ被膜における前記黒色顔料の分布が、前記樹脂基板の表面から入射した光を前記樹脂基板と前記インキ被膜との界面で反射させる分布になる値に設定したことを特徴とする加飾印刷物の製法。
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