JP2009109556A - 光学シート - Google Patents

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Abstract

【課題】遮光部の遮光性が高く、かつ明暗の筋斑が目立ちにくい光学シートを提供する。
【解決手段】 プリズム列11と遮光部20が交互に配列した視野角制御層2を有する光学シート1であって、遮光部20は、その配列方向の断面形状が略V字形状であり、略V字形状の断面において、高さをH(μm)、最大幅をW(μm)、V字先端部から0.1H(μm)の距離における遮光部の幅をW0.1(μm)とした場合に、粒径W0.1以上の第1の遮光性粒子C1 重量%と粒径W0.1未満の第2の遮光性粒子C2 重量%を含み、
(1) 10≦C1×W≦1000
(2) 1≦C2×W0.1≦100
を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディスプレイ用フィルター、視野角制御シート、光拡散シート等の光学シートに関する。
外光反射を抑制して画像のコントラストを改善したり、視野角を制御したりするディスプレイ用フィルター等の光学シートとして、プリズム列と遮光部を交互に配列した光学シートであって、その遮光部の配列方向の断面を略V字形状にしたものが使用されている(特許文献1、特許文献2)。
このような光学シートでは、映像の高精細化に対応して、プリズム列と遮光部の配列ピッチは1mm以下、特に0.3mm以下にすることが望まれる。また、視野角制御効果を大きくする場合に、プリズム列の幅に対する高さ(以下、アスペクト比という)を高くすることが望まれる場合がある。
一方、その製造方法としては、断面略V字形状の溝を片面に並列させた光透過層を、成形用金型と紫外線硬化樹脂を用いた2P成形法(Photo Polymerization)で成形し、そのプリズム列同士の間略V字形状の溝に遮光材料を充填する方法が知られている。
特開2006-343711号公報 特開2006-189867号公報
断面にV字形状の溝を有する光学シートの成形時には、樹脂の流動性や樹脂の充填条件のわずかな変動で溝形状が変化し、シート面内に成形ムラが生じる。特に、V字先端部分の成形ムラが顕著である。
そのような成形ムラが生じると、光学特性や外観に問題が生じる。例えば、図10に示すように、プリズム列11と遮光部20が交互に配列した視野角制御層2を有する光学シート1xにおいて、遮光部20の肩部24とV字先端部22を結ぶ直線よりも傾いた角度で映像光線が入射すると、その映像光線が観察者に到達しないカットオフと呼ばれる現象が生じる。そのため、V字先端部22に成形ムラがあると映像光が到達する角度が変化することにより、最大視野角付近で明暗の筋斑が目立つこととなる。
これに対しては、遮光部20における遮光材料濃度を低くすることでV字先端部22付近の遮光性を小さくし、明暗の筋斑を目立ちにくくすることが考えられる。しかしながら、遮光部20における遮光材料濃度を低くすると、遮光部20全体の遮光性が低下するため、外光反射を充分に抑制することができず、画像のコントラストの改善が不十分となる。
そこで、本発明は、断面略V字形状の遮光部とプリズム列を交互に配列した視野角制御層を有する光学シートにおいて、遮光部の遮光性が高く、かつ明暗の筋斑が目立ちにくい光学シートを提供することを目的とする。
本発明者は、遮光部を構成する遮光性粒子として、V字先端部には充填されにくい大きい粒径の粒子と、遮光部のV字先端部にまで容易に充填される小さい粒径の粒子とを組み合わせるか、あるいは大きい粒径の粒子と染料とを組み合わせて使用すると、V字先端部は専ら小さい粒径の遮光性粒子あるいは染料により遮光されるので、遮光性が比較的低くなることにより急激なカットオフが生じにくくなり、一方、これ以外の遮光部は、小さい粒径の遮光性粒子又は染料と大きい粒径の遮光性粒子との双方によって遮光されるので、充分に高い遮光性を得られることを見出した。
即ち、第1の本発明は、プリズム列と遮光部が交互に配列した視野角制御層を有する光学シートであって、
遮光部は、その配列方向の断面形状が略V字形状であり、
略V字形状の断面において、高さをH(μm)、最大幅をW(μm)、V字先端部から0.1H(μm)の距離における遮光部の幅をW0.1(μm)とした場合に、粒径W0.1以上の第1の遮光性粒子C1 重量%と粒径W0.1未満の第2の遮光性粒子C2 重量%を含み、
(1) 10≦C1×W≦1000
(2) 1≦C2×W0.1≦100
を満たす光学シートを提供し、この光学シートの製造方法として、プリズム列と断面略V字形状の溝が交互に配列されている光透過層を成形し、その溝に、粒径W0.1以上の第1の遮光性粒子と粒径W0.1未満の第2の遮光性粒子を前記(1)又は(2)が満たされる濃度で含む遮光材料を充填し、遮光部を形成する光学シートの製造方法を提供する。
また、第2の本発明は、プリズム列と遮光部が交互に配列した視野角制御層を有する光学シートであって、
遮光部は、その配列方向の断面形状が略V字形状であり、
略V字形状の断面において、高さをH(μm)、V字先端部から0.1H(μm)の距離における遮光部の幅をW(μm)とした場合に、粒径W0.1以上の第1の遮光性粒子C1 重量%と染料を含み、
(1) 10≦C1×W≦1000
(3) 遮光部を構成する染料とバインダーからなる遮光材料の厚さ10μmの波長500〜600nmにおける透過率が5〜80%
を満たす光学シートを提供し、その製造方法として、プリズム列同士の間に断面形状が略V字形状の溝が形成されている光透過層を成形し、その溝に、粒径W0.1以上の第1の遮光性粒子と染料を前記(1)及び(3)が満たされる濃度で含む遮光材料を充填し、遮光部を形成する光学シートの製造方法を提供する。
第1及び第2の本発明の光学シートは、プリズム列と遮光部が交互に配列された視野角制御層を有し、その遮光部は、配列方向の断面形状が略V字形状であるが、第1の本発明の光学シートでは、遮光部が、粒径が特定値以上の第1の遮光性粒子と特定値未満の第2の遮光性粒子を含有し、第2の本発明の光学シートでは、粒径が特定値以上の第1の遮光性粒子と染料を含有するので、第1、第2のいずれの光学シートにおいても遮光部のV字先端部には第1の遮光性粒子が含有されず、この部分の遮光性はそれ以外の部分に比して小さくなり、カットオフが生じにくくなる。したがって、成形ムラによる明暗の筋斑が目立ちにくくなる。また、遮光部全体としての遮光性は、第1の本発明の光学シートでは第1の遮光性粒子と第2の遮光性粒子の双方によって、また、第2の本発明の光学シートでは第1の遮光性粒子と染料の双方によって、高くすることができるので、外光反射を抑制し、良好なコントラストを得ることが可能となる。
以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
図1は、第1の本発明の光学シート1Aの一態様の斜視図である。この光学シート1Aは、ディスプレイ用フィルター、視野角制御シート、光拡散シート等として使用できる光学シート1Aであって、柱状のプリズム列11と柱状の遮光部20が交互に配列した視野角制御層2を有している。図2は、この光学シート1Aの、プリズム列11と遮光部20の配列方向の断面図である。
図示したように、この光学シート1Aでは、並列したプリズム列11は光透過層10の片面の突出部として形成されており、その突出部の基部の幅L1 に対し、突出端となっているプリズム列上面12の幅L3 が狭くなっている。
一方、遮光部20は、その幅が上面21に向かって漸次広くなる略V字形状を有している。この略V字形状の断面において、高さをH(μm)、最大幅即ち上面21の幅をW(μm)、V字先端部22から0.1H(μm)の距離における遮光部20の幅をW0.1(μm)とした場合に、遮光部20は、粒径W0.1以上の第1の遮光性粒子と粒径W0.1未満の第2の遮光性粒子をバインダー中に含んでいる。
ここで、遮光性粒子としては、カーボン粒子、着色顔料、樹脂微粒子、ガラス微粒子、金属酸化物微粒子等を使用することができる。
また、本発明において、遮光性粒子の粒径は、遮光部の断面を遮光部の幅と同程度〜数倍の厚みとして透過型光学顕微鏡で拡大撮影し、複数の遮光性粒子の直径を計測することにより得られる数値をいい、平均粒径はその粒径分布から求められる数平均粒径である。遮光性粒子がより微細な粒子が凝集した2次粒子を形成している場合、本発明では2次粒子の径を粒子径とする。
図3は、粒径範囲の異なる第1の遮光性粒子25と第2の遮光性粒子26を含有する第1の本発明の遮光部20の作用の説明図である。同図に示すように、遮光部20が、遮光性粒子として粒径の大きい第1の遮光性粒子25と粒径の小さい第2の遮光性粒子26を含有することにより、V字先端部22近傍には第1の遮光性粒子25が充填されにくくなり、専ら第2の遮光性粒子26によって遮光されるので、V字先端部22近傍における遮光性を、それ以外の遮光部20の遮光性に対して低くすることができ、急激なカットオフを生じにくくし、多少の成形ムラがあっても、明暗の筋を目立たないようにすることができる。一方、これ以外の遮光部20は、第1の遮光性粒子25と第2の遮光性粒子26の双方によって遮光されるので、充分に高い遮光性を得られる。
これに対し、遮光部20が粒径の大きい第1の遮光性粒子25のみからなる場合には、遮光部20のV字先端部22近傍に遮光性粒子を充填する事ができず、V字先端部22近傍における遮光性とそれ以外の遮光部20の遮光性との差が過度に大きくなり、明暗の斑が目立つようになる。反対に、遮光部20が、粒径が小さい第2の遮光性粒子26のみからなる場合には、遮光能力が不足し、充分な遮光性能あるいは視野角制御性能を発揮できない。
第1の遮光性粒子25と第2の遮光性粒子26とを画する粒径の数値は遮光部20の最大幅である上面21の幅Wや遮光部20の断面形状に応じて定まるが、本発明者は経験的に、略V字形状の遮光部20の断面において、高さをH(μm)とした場合に、V字先端部22から0.1H(μm)の距離における遮光部20の幅W0.1(μm)以上の粒径を有するものを第1の遮光性粒子25とし、W0.1 未満の粒径を有するものを第2の遮光性粒子26とすればよいことを見出した。
第2の遮光性粒子26の好ましい平均粒径は、過度に小さいと遮光能力が不足し、充分な遮光性能あるいは視野角制御性能を発揮できない場合があることから、1μm以上とする事が好ましい。同様の理由で、第1の遮光性粒子25と第2の遮光性粒子26がそれぞれ粒径分布にピークを有する場合に、第1の遮光性粒子25のピーク粒径は第2の遮光性粒子26のピーク粒径の2倍以上10倍以下である事が好ましい。
第1の遮光性粒子25の平均粒径は、過度に大きくすると遮光部20に充分な量を充填する事ができず、遮光能力が不足する場合があるため、遮光部20の幅の最大値Wの50%以下にする事が好ましい。また、遮光部20の作製上の理由から、第1の遮光性粒子25の平均粒径は30μm以下とする事が好ましい。即ち、第1の遮光性粒子25の平均粒径が30μmより大きいと、後述する遮光部の形成で、遮光材料を塗布する工程やプリズム列の上面上の遮光材料を掻き取る工程において、遮光性粒子自身が異物のように作用し、塗布ノズルなどの塗布手段が詰まったり、掻き取りブレードなどの掻き取り手段に挟まって筋状の印刷欠陥を生じたりする場合がある。
この光学シート1Aでは、第1の遮光性粒子25の濃度C1(重量%)及び第2の遮光性粒子26の濃度C2 (重量%)に関し、次の(1)及び(2)の条件が満みたされるようにする。
(1) 10≦C1×W≦1000
(2) 1≦C2×W0.1≦100
(1)及び(2)の条件は、各種カーボン粒子の粒径と濃度、遮光部形状の組み合わせ評価により見出されたもので、第1の遮光性粒子25の濃度C1 (重量%)が10/Wより小さいと十分な遮光性能や視野角制御性能を得られず、一方、1000/Wより大きいとV字先端部22近傍における遮光性とそれ以外の遮光部20の遮光性との差が過度に大きくなり、明暗の斑が目立つようになる。また、第2の遮光性粒子26の濃度C2 (重量%)が1/W0.1より小さいと遮光部20全体としての遮光性が不十分となり、一方、100/W0.1より大きいとV字先端部22近傍での遮光性をそれ以外の遮光部に対して有効に低下させることができない。
さらに、遮光性粒子全体の濃度について、少なすぎると遮光部20に遮光効果を充分に発揮させることができず、多すぎると遮光性粒子をバインダーに分散させた遮光材料を硬化させた後にも遮光部20の中心部で硬化不足が生じる場合があることから、
30≦(C1 +C2 )W≦2000
が満たされるようにすることがより好ましく、特に、
40≦(C1 +C2 )W≦1500
とすることが好ましい。
なお、遮光部20に含まれる遮光性粒子全体の粒径分布としては、その粒径が幅W0.1より小さい粒径から、例えば幅Wの20%より大きい粒径まで、連続的に分布していても良いし、2つ以上のピークを持つ分布であっても良い。
本発明の目的は、プリズム列11と遮光部20が交互に配列した視野角制御層2を有する上述と同様の光学シートにおいて、遮光部20に、特定の粒径範囲からなる第1の遮光性粒子と共に染料を含有させた第2の本発明の光学シートによっても達せられる。図4は、かかる光学シート1Bの遮光部20の作用の説明図である。
この光学シート1Bにおいても、第1の遮光性粒子25としては、カーボン粒子、着色顔料、樹脂微粒子、ガラス微粒子、金属酸化物微粒子等を使用することができる。そして、この第1の遮光性粒子25は、遮光部20の略V字形状の断面において最大幅をW(μm)、V字先端部から0.1H(μm)の距離における遮光部の幅をW0.1(μm)とした場合に、粒径がW0.1以上であり、濃度C1 (重量%)が
(1) 10≦C1×W≦1000
の条件を満たし、これにより光学シート1Bに遮光性能を確保させる。
一方、この光学シート1Bでは、遮光部20中に染料を含むことにより、V字先端部22にまで適度の遮光性を与えることができる。したがって、染料濃度を調節する事によりV字先端部22近傍における遮光性とそれ以外の遮光部20の遮光性との差が過度に大きくなることを防ぎ、明暗の斑を目立ちにくくする事ができる。
染料としては、アゾ系色素、キノン系色素等の染料を1種類もしくは複数種類混合したものを使用することができる。
染料の好ましい濃度は、当該染料の吸光係数によって異なるが、遮光部20を構成するバインダーと染料からなる遮光材料(即ち、遮光部20を構成する遮光材料から遮光性粒子を除いたもの)を10μmの厚みにした時の波長500〜600nmにおける透過率を5%〜80%とする染料濃度とし(条件(3))、好ましくは、同透過率を10%〜50%とする染料濃度とする。これに対し、遮光部20に染料を含めず、第1の遮光性粒子25のみで遮光を行うと、前述したように、遮光性能と明暗の斑を目立ちにくくすることの両立が困難である。一方、染料のみで遮光を行うと、遮光性能と光利用効率の向上及び明暗の斑を目立ちにくくすることの同時達成が困難となる。即ち、光利用効率を向上させるため、および明暗の斑を目立ちにくくするために染料濃度を減ずると遮光性能が劣る。一方、遮光性能を向上させるため染料濃度を増すと、光利用効率が低下する。
この光利用効率の低下は、遮光部20のバインダーとプリズム列11の屈折率が異なる場合、特に遮光部20のバインダーの屈折率がプリズム列11の屈折率より低い場合に顕著となる。これは、遮光部20とプリズム列11の界面で光が反射し、特に遮光部20のバインダーの屈折率がプリズム列11の屈折率より低い場合に臨界角以上で全反射するが、この反射時に遮光部20の吸光材料が反射光に対して影響を及ぼすからである。即ち、微視的には全反射は界面で生じるのではなく、光が界面の低屈折率側媒体にわずかに侵入した点で生じる(この光はエバネッセント光と呼ばれる)。そのため、遮光部20に染料が高濃度で存在すると遮光部20の界面で全反射光が減衰し、光利用効率が低下することとなる。なお、遮光性粒子25は必ずしも遮光部20とプリズム列11の界面に接して存在するわけではないため、この現象は該当しない。
本発明の光学シートとしては、遮光部に第1の遮光性粒子と第2の遮光性粒子を含める第1の光学シートにおいて、第2の遮光性粒子による遮光性を補うため、第2の光学シートに準じて遮光部に染料を含有させてもよい。この場合、染料濃度は、第2の光学シートの条件(3)より低濃度にすることができる。
同様に、遮光部に第1の遮光性粒子と染料を含める第2の光学シートにおいて、染料による遮光性を補うため、第1の光学シートと同様に粒径の小さい第2の遮光性粒子を含有させてもよい。この場合、第2の遮光性粒子の濃度は、第1の光学シートの条件(2)より低濃度にすることができる。
第1及び第2の本発明の光学シートにおいて、遮光部20の断面の略V字形状は、図5Aに示すように、V字先端部22を平坦にしてもよく、図5Bに示すように、丸めてもよい。これにより、光透過層10の成形用金型の耐久性を向上させることができる。
また、略V字形状の斜面23を、図5Cに示すように、屈曲させたり、曲線にしてもよく、図5Dに示すように、階段状にしてもよい。
遮光部20の高さHと遮光部20の幅W は、制御したい視野角や成形の容易さの点から適宜設定するが、通常、これらの比H/W(アスペクト比) は1以上が好ましい。高アスペクト比とすることにより、視野角制御効果を大きくすることができる。また、光透過層10を成形する金型の成形性や耐久性の点から、アスペクト比は10以下が好ましい。
遮光部20の斜面23と光学シート1の厚み方向とのなす角度θは、1°〜30°とすることが好ましい。1°未満であると、光透過層10の成形性や離型性に問題が生じる場合があり、30°を超えると視野角制御効果や光透過効率に問題が生じる場合がある。
配列ピッチPは、光学シート1を映像表示装置にディスプレイ用フィルター等として用いる場合、映像の高精細化に対応するため300μm以下とすることが好ましい。一方、金型製作精度や成型加工精度の点から、30μm以上とすることが好ましい。
遮光部20の幅W とピッチPの比は、所望の光拡散性能に応じて選択すればよく、通常、0.1〜0.7程度が好ましい。
光透過層10の層厚L6 は、押出成形によりそのプリズム列11を高アスペクト比に成形する場合に、プリズム列11の転写性能に影響する重要な要素となる。そのため、層厚L6 は、遮光部20の高さH の約1.5〜3.5倍が好ましい。
第1及び第2の本発明の光学シート1の製造方法としては、まず、光透過層10を、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂の押出成形により製造し、次いで、成形した光透過層10のプリズム列11同士の間に遮光部20を形成することにより製造することができる。また、光透過層10の成形には、透明シートと成型用金型との間に紫外線硬化樹脂を充填し、転写成形する方法(2P成形法(Photo Polymerization))を用いることもできるが、紫外線硬化樹脂が高価であることから、熱可塑性樹脂の押出成形によることが好ましい。さらに、熱プレス成形を用いることもできる。
この他、透明シートと、成形用金型との間に遮光材料を混合した紫外線硬化樹脂を充填して、透明シート上にV字形状の遮光部を先に形成し、その後、遮光部を形成した面に透光性材料を充填することにより光学シートを製造してもよい。
光透過層10の成形用金型としては、プリズム列11の配列と逆形状に凹凸を配列した金型を使用する。
光透過層10の成形用金型は、平板状としてもよいが、図6に示すように、プリズム列11を形成する溝31をロールの周方向に形成した押出成形用のロール成形金型30とすることが好ましい。これにより、熱可塑性樹脂を用いて効率よく光透過層10を成形することができる。
光透過層10を成形した後の遮光部20の形成方法としては、光透過層10のプリズム列11側に遮光材料を塗布し、プリズム列11の上面上の遮光材料を掻き取ることによりプリズム列同士の間の溝に遮光材料を充填し、遮光材料を固定して遮光部とする。
プリズム列同士の間の溝に充填する遮光材料としては、第1の本発明の光学シートの場合、第1の遮光性粒子と第2の遮光性粒子を含んだものを使用するが、前述のようにこれらの粒径分布はW0.1より小さい粒径から遮光部の最大幅Wの20%より大きい粒径まで連続的な分布でも良いし、2つ以上のピークを持つ分布でも良い。例えば、粒径分布に2つのピークを持つ遮光材料の調製に使用する具体的な粒子素材としては、第1の本発明の光学シートの条件(1)及び(2)が満たされるようにしつつ、平均粒径が幅Wの15%〜50%であり、粒径分布の標準偏差が平均粒径の40%程度である粒子群Aと、平均粒径が例えば幅W0.1の30%〜80%であり、粒径分布の標準偏差が平均粒径の40%程度である粒子群Bとを混合して使用することができる。また、第2の本発明の光学シートに使用する遮光材料としては、条件(1)が満たされるようにしつつ、例えば、粒径分布が幅Wの15%〜50%である粒子を使用することができる。
なお、第1及び第2の本発明の光学シートにおいて、粒径が幅W以上となる遮光性粒子は実質的に含有しないことが好ましい。遮光材料に粒径が幅W以上となる遮光性粒子が含まれていても、上述の掻き取り工程によって幅W以上の遮光性粒子が遮光部となる溝に充填される事は無いが、遮光材料を塗布するノズルなどの塗布手段が詰まったり、掻き取りブレードなどの掻き取り手段に挟まって筋状の印刷欠陥を生じさせたりする場合がある。
遮光性粒子の色は、光学シートの用途に応じて白色、黒色等とすることができ、例えば、外光コントラストの改善を目的としない場合には、白色であってよい。
遮光性粒子ないし染料を分散させるバインダーとしては、紫外線硬化樹脂、樹脂を溶剤で溶解した接着剤組成物、熱硬化性樹脂等を使用することができ、遮光部20に付与する屈折率等に応じて適宜選択する。
即ち、遮光部20の屈折率を光透過層10の屈折率より低くすることにより、図7Aに示すように、遮光部20とプリズム列11との界面の全反射を利用して、視野角制御効果を高めることができ、また、図7Bに示すように、光拡散効果を向上させることができる。したがって、光学シート1の用途に応じて、光透過層10に対する遮光部20の屈折率を適宜定める。
遮光材料をプリズム列11同士の間の溝に充填する具体的な方法としては、例えば、光透過層10のプリズム列11側に遮光材料を塗布後、プリズム列11同士の間の溝に遮光材料が残るように、プリズム列11の上面12上の余分な遮光材料をゴム製ヘラ、金属製ブレード、金属製ローラー等を用いて掻き取る。次いで、遮光材料を紫外線照射等により固定する。
この他、遮光部20の形成方法としては、接着材を兼ねた遮光材料をプリズム列11の並列面側に塗布した後、その塗布面に光透過性シートを重ね合わせ、プリズム列の頂部が光透過性シートと略接する状態に圧して貼り合わせてもよい。
光透過層10の遮光部20側、その反対側、又は双方には、必要に応じて光拡散性粒子を分散させた光拡散シート、着色シート、防眩シート等を配置してもよい。
図8に示すように、第1及び第2の本発明の光学シート1は、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ等のディスプレイパネル40の前面に装着して、あるいは背面投写型スクリーンとして用いることができる。その場合、光学シートの装着方向は、外光コントラストの向上、視野角制御などの目的に応じて、プリズム列を観察者側に向けたり映像光源側に向けたりすればよい。
実施例1(視野角制御シートの製造)
図9に示すような、断面略台形の溝31が並列したロール成形金型30bを製造した。このロール成形金型30bの寸法は、これから成形する光透過層、あるいは遮光部の寸法の凹凸を逆転させたものであり、次の通りとした。
遮光部の高さH:128μm
遮光部の上面の幅W:32μm
プリズム列上面の幅L3 :74μm
ピッチP:106μm
斜面角度θ:6°
遮光部先端幅L2 :5μm
次に、このロール成形金型30bを用いて、メタクリル・スチレン共重合体樹脂を押出成形し、光透過層を成形した。この光透過層の層厚は230μmであった。
次いで、平均粒径2μmのカーボン粒子を1重量%及び平均粒径10μmのカーボン粒子を5重量%含有するアクリル系紫外線硬化樹脂からなる黒インクを光透過層のプリズム列側の全面に塗布し、その後、金属製ロールを用いてプリズム列同士の間の略V字形状の溝に充填されているもの以外の黒インクを掻き取った。その後、紫外線を照射して黒インクを硬化させることにより断面略V字形状の遮光部を形成し、視野角制御シートを得た。
比較例1
平均粒径10μmのカーボン粒子を6重量%含有するアクリル系紫外線硬化樹脂からなる黒インクを使用した以外は実施例1と同様にして視野角制御シートを製造した。
比較例2
平均粒径2μmのカーボン粒子を6重量%含有するアクリル系紫外線硬化樹脂からなる黒インクを使用した以外は実施例1と同様にして視野角制御シートを製造した。
評価
50インチのプラズマディスプレイ前面に実施例1及び比較例1、2の視野角制御シートを装着し、室内光の照明の下で映像を観察した。この場合、視野角制御シートの装着方向は、そのプリズム列が水平方向に延在する向きとし、黒インクを塗布した側を観察者側に向けた。結果を表1に示す。
Figure 2009109556
表1の通り、実施例1の視野角制御シートをプラズマディスプレイに装着した場合には、外観、外光コントラスト共に良好であった。これに対し、比較例1では外光コントラストは良好であったが、特に、上下斜め方向から観察した時に白黒ランダムな筋状のムラが非常に目立ち、外観に問題があった。比較例2は、外光コントラストがやや不良であり、また、上下斜め方向から観察した時に白黒筋状のムラが目立ち、外観に問題があった。
本発明は、ディスプレイ用フィルター、視野角制御シート、光拡散シート等の光学シート及びその製造技術として有用である。
光学シートの斜視図である。 光学シートの断面図である。 第1の本発明の光学シートにおいて、急激なカットオフを防止する作用の説明図である。 第2の本発明の光学シートにおいて、急激なカットオフを防止する作用の説明図である。 光学シートの断面図である。 光学シートの断面図である。 光学シートの断面図である。 光学シートの断面図である。 ロール成形金型の斜視図である。 視野角制御シートとして使用する場合の光線図である。 光拡散シートとして使用する場合の光線図である。 光学シートの使用方法の説明図である。 実施例のロール成形金型の断面図である。 カットオフの説明図である。
符号の説明
1、1A、1B 光学シート
2 視野角制御層
10 光透過層
11 プリズム列
12 プリズム列の上面
20 遮光部
21 遮光部上面
22 V字先端部
23 遮光部の斜面
24 遮光部の肩部
25 第1の遮光性粒子
26 第2の遮光性粒子
30 ロール成形金型
31 溝
40 ディスプレイパネル
H 遮光部の高さ
W 遮光部の上面の幅
0.1 V字先端部から0.1H(μm)の距離における遮光部の幅

Claims (9)

  1. プリズム列と遮光部が交互に配列した視野角制御層を有する光学シートであって、
    遮光部は、その配列方向の断面形状が略V字形状であり、
    略V字形状の断面において、高さをH(μm)、最大幅をW(μm)、V字先端部から0.1H(μm)の距離における遮光部の幅をW0.1(μm)とした場合に、粒径W0.1以上の第1の遮光性粒子C1 重量%と粒径W0.1未満の第2の遮光性粒子C2 重量%を含み、
    (1) 10≦C1×W≦1000
    (2) 1≦C2×W0.1≦100
    を満たす光学シート。
  2. 30≦(C1 +C2 )W≦2000
    を満たす請求項1記載の光学シート。
  3. 第1の遮光性粒子の平均粒径が、遮光部の断面における最大幅W(μm)の50%以下である請求項1又は2記載の光学シート。
  4. 第2の遮光性粒子の平均粒径が1μm以上である請求項1〜3のいずれかに記載の光学シート。
  5. 遮光部が、さらに染料を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の光学シート。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光学シートの製造方法であって、プリズム列同士の間に断面形状が略V字形状の溝が形成されている光透過層を成形し、その溝に、粒径W0.1以上の第1の遮光性粒子と粒径W0.1未満の第2の遮光性粒子を前記(1)及び(2)が満たされる濃度で含む遮光材料を充填し、遮光部を形成する光学シートの製造方法。
  7. プリズム列と遮光部が交互に配列した視野角制御層を有する光学シートであって、
    遮光部は、その配列方向の断面形状が略V字形状であり、
    略V字形状の断面において、高さをH(μm)、最大幅をW(μm)、V字先端部から0.1H(μm)の距離における遮光部の幅をW0.1(μm)とした場合に、粒径W0.1以上の第1の遮光性粒子C1 重量%と染料を含み、
    (1) 10≦C1×W≦1000
    (3) 遮光部を構成する染料とバインダーからなる遮光材料の厚さ10μmの波長500〜600nmにおける透過率が5〜80%
    を満たす光学シート。
  8. 遮光部が、さらに粒径W0.1未満の第2の遮光性粒子を含有する請求項7記載の光学シート。
  9. 請求項7又は8記載の光学シートの製造方法であって、プリズム列同士の間に断面形状が略V字形状の溝が形成されている光透過層を成形し、その溝に、粒径W0.1以上の第1の遮光性粒子と染料を前記(1)及び(3)が満たされる濃度で含む遮光材料を充填し、遮光部を形成する光学シートの製造方法。
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