JP2011234871A - 内視鏡システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内視鏡システム1において、内視鏡は、観察視野θ1内の光に応じて電荷を蓄積することで光の画像信号を生成する撮像素子16と、撮像素子が電荷を蓄積する時間を調節する電子シャッターと、観察視野内に照明光を照射する照明ユニット17と、画像信号を所定の時間間隔ごとに読み出して処理し画像を取得する画像処理部25とを有し、ガイドチューブ装置は、観察視野内に存在する測定対象物W上の照射位置P1に位置検出光L1を照射し、照射位置で反射された位置検出光を検出することで照射位置までの距離を測定する距離測定部48と、距離測定部を制御する測定状態制御部56と、を有し、測定状態制御部は、撮像素子が電荷を蓄積していないときに距離測定部により位置検出光を照射させ、測定対象物上の照射位置までの距離を検出する。
【選択図】図3
Description
距離センサとしては、たとえば、特許文献1に記載された内視鏡のように、測定対象物に可視光線や近赤外光線などの光を照射し、測定対象物で反射された光を測定することで測定対象物までの距離を測定するものがある。
ライトガイド用光ファイバの基端部からライトガイド用光ファイバ内に誘導されたハロゲン光などの照明用の光が先端部から放射され、患部などを照明する。患部で反射された光は観察用光ファイバで集光され、基端部に案内される。したがって、観察用光ファイバの基端部から外部に案内された光をビデオカメラなどで取り込み、画像を取得することで、患部の状態を観察することができる。
また、実写用ガラス筒によってレーザー光が先端部に誘導され、患部の照射面に、周囲の部分よりも明るくされた光スポットが形成される。光スポットで反射された反射光も観察用光ファイバで集光される。
画像中における光スポットの像が入った部分は、内視鏡からの距離が分かっている部分である。しかし、光スポットの像が入った部分は、その周囲との明るさが異なっており、光スポットの像が入った部分とその周囲とを比較しにくい。
光スポットの像の無い画像を取得することが望まれるが、光スポットの像が入った画像を取得したときしか測定対象物までの距離が測定できない。このため、光スポットの像が入った画像および光スポットの像の無い画像を連続して取得し、光スポットの像が入った画像から測定した距離を光スポットの像の無い画像に対応づけることになるが、両画像を取得するのに一定の時間を要するので、光スポットの像の無い画像に対応づけられる距離の誤差が大きくなる恐れがある。
本発明の内視鏡システムは、挿入部を有する内視鏡と、前記挿入部が挿通可能なチャンネルが設けられたガイドチューブ装置とを備える内視鏡システムであって、前記内視鏡は、所定の観察視野内の光に応じて電荷を蓄積することで前記光の画像信号を生成する撮像素子と、前記撮像素子が前記電荷を蓄積する時間を調節する電子シャッターと、前記観察視野内に照明光を照射する照明ユニットと、前記画像信号を所定の時間間隔ごとに読み出して処理し画像を取得する画像処理部と、を有し、前記ガイドチューブ装置は、前記観察視野内に存在する前記測定対象物上の照射位置に位置検出光を照射し、前記照射位置で反射された前記位置検出光を検出することで前記照射位置までの距離を測定する距離測定部と、前記距離測定部を制御する測定状態制御部と、を有し、前記測定状態制御部は、前記撮像素子が前記電荷を蓄積していないときに前記距離測定部により前記位置検出光を照射させ、前記測定対象物上の前記照射位置までの距離を検出する第一の距離検出モードを有することを特徴としている。
以下、本発明に係る内視鏡システムの第1実施形態を、図1から図15を参照しながら説明する。本内視鏡システムは、狭窄路内に挿入されて、狭窄路内を観察するとともに測定対象物までの距離を測定する装置である。
図1に示すように、内視鏡システム1は、長尺の挿入部2を有する内視鏡3と、挿入部2が挿通可能なチャンネル4が設けられたガイドチューブ装置5とを備えている。
挿入部2は、センサなどが内蔵され挿入部2の先端に配置された先端硬質部11と、先端硬質部11の基端側に接続され湾曲可能な湾曲部12と、湾曲部12の基端側に接続された可撓性を有する可撓管部13とを有している。
挿入部2は、挿入部2の軸線回りに捻りにくく、挿入部2の軸線方向に伸縮しにくくなるように構成されている。
図4に、照明ユニット17が照射する照明光の強度分布B1を示す。図4に示すように、照明ユニット17は、主に可視光線を照射するように設定されている。
図示はしないが、CCD16には、所定の平面上に多数配置されたフォトダイオードと、不要電荷の排出用のドレインと、電荷の排出を制御する読出しゲートが設けられている。それぞれのフォトダイオードは、自身が受ける光に応じて電荷を蓄積し、多数のフォトダイオードで、受けた光の画像信号を生成する。図5に示すCCD16のフォトダイオードの感度特性のように、フォトダイオードは、可視光線だけでなく近赤外線も検出できるように設定されている。
読出しゲートは、CCD16に取り付けられた不図示のパルス発生部が発生させる読出ゲートパルスにより駆動され、読出ゲートパルスにより規定された期間だけフォトダイオードに電荷を蓄積させ、それ以外の期間は、電荷をドレインに掃き捨てることができる。このように、読出しゲートおよびパルス発生部が電子シャッターとして機能し、読出しゲートは、読出ゲートパルスに基づいてフォトダイオードが電荷を蓄積する時間を調節する。
湾曲操作ボタン18を押すと、不図示のモータにより操作ワイヤが牽引され、湾曲部12が湾曲するように構成されている。
また、主操作ボタン19を操作すると、内視鏡本体9の後述する処理部28を動作させる電源のON/OFFなどを切り替えることができる。
照明制御部24、画像処理部25は、内視鏡操作部8を介して、照明ユニット17、CCD16にそれぞれ電気的に接続されている。画像処理部25、照射位置算出部26、画像記録部27は、この順で接続されている。そして、処理部28は、照明制御部24、照射位置算出部26および画像記録部27と電気的に接続されている。
後述するように、ガイドチューブ装置5に設けられた距離測定部48は、測定対象物Wの照射位置P1までの距離を算出する。照射位置算出部26は、この算出された距離に基づいてフレーム中における照射位置P1に対応する仮想位置を求める。照射位置算出部26が仮想位置を求める手順については、後で詳しく説明する。
画像記録部27は、不図示のメモリーを備えていて、画像処理部25が取得した動画像のそれぞれのフレームを、後述する測定対象物Wまでの距離、挿入部2の先端側の向き、挿入部2の先端側の位置と対応づけて記録する。
処理部28は、パルス発生部が発生する読出ゲートパルスを規定する命令を送信したりするなどの、各種制御処理を行う。
ケーシング23の外面には、処理部28および電源部29に電気的に接続されたコネクタ30と、ガイドチューブ装置5の先端側を所定の位置に係止する係止部31とが取付けられている。
配線33をコネクタ30に接続することで、表示部10は電源部29から所定の電力を供給されるとともに、処理部28から送信された動画像などをLCD32に表示することができる。
チューブ本体37は、先端側に設けられたリング状のベース部材39、第一可撓管部40、および第二可撓管部41を先端側から基端側に順に接続して構成されている。
ベース部材39、第一可撓管部40、および第二可撓管部41には、前述のチャンネル4が形成されている。
なお、チューブ接続部38が内視鏡操作部8に取付けられる挿入部2の軸線回りの向きは、一定になるように規制されている。
本実施形態では、距離測定部48として、観察視野θ1内に存在する測定対象物W上の照射位置P1にレーザー光を照射してから、照射位置P1で反射されて検出するまでの時間に基づいてレーザー光を検出することで照射位置P1までの距離を測定するTOF(Time Of Flight)型の距離センサが用いられている。
投光部43および受光部45は、ベース部材39の先端面に露出した状態で配置されている。一方で、本実施形態では、通信制御部42、光制御部44、戻光検出部46、距離算出部47、および観察方向検出部49は、ベース部材39に内蔵されている。
図4に、投光部43が照射するレーザー光L1の強度分布B2を示す。図4に示すように、投光部43は、主に近赤外線を照射するように設定されている。また、受光部45も主に近赤外線を受けるように設定されている。
光制御部44は、通信制御部42と電気的に接続されていて、通信制御部42から受信された信号に基づいて、投光部43への電力の供給状態を切替える。
受光部45には1次元PSD(Position Sensitive Detector)やCCDなどの、光を受ける方向を検出することができる素子を適宜選択して用いることができる。距離算出部47は、投光部43でレーザー光L1が照射された時から反射されたレーザー光L1が受光部45で受光される時までの時間差に基づいて、投光部43から測定対象物Wの照射位置P1までの距離を算出し、その結果を信号として通信制御部42に送信する。
これまで説明した距離測定部48、姿勢センサ49a、および位置センサ49bとしては、上述のような公知のセンサを適宜用いることができる。
通信制御部42は、距離を算出した結果を表す信号、姿勢センサ49aで測定されたベース部材39の向きを表す信号、および、位置センサ49bで測定されたベース部材39の位置を表す信号を、チューブ本体37内を通る電線50を介して通信制御部55に送信する。通信制御部42は、通信制御部42に接続される電線50の本数を、たとえば3本に低減するために、複数の信号を1つの信号に重畳したり分離したりする処理を行う。
第一可撓管部40は、管状に形成された内部材と、内部材の外周面に同軸に取付けられた外部材とを備えている。
内部材および外部材は、たとえば、樹脂材料などで形成することができ、本実施形態では、硬度が50〜60程度のウレタンでそれぞれ形成されている。内部材と外部材との間には、前述の電線50が配置されている。
内部材および外部材は一体に形成され、チューブ接続部38を内視鏡操作部8に取付けたときに、第一可撓管部40が挿入部2の湾曲部12に対応する位置、すなわち湾曲部12の径方向外側に配置されるように構成されている。
コイルと防水チューブとの間には、電線50が配置され、電線50の基端側は、図6に示すように、保護部材51内を通してチューブ接続部38に接続されている。
以上のように構成された第一可撓管部40および第二可撓管部41において、本実施形態では、第一可撓管部40の方が第二可撓管部41より曲げ剛性が小さくなるように設定されている。
通信制御部55は、通信制御部42と同様に信号の重畳、分離処理を行う。
通信制御部55および電力供給部57は、電線50の基端にそれぞれ接続されている。
以上のように構成されたチューブ本体37は、チューブ本体37の軸線回りに捻りにくく、チューブ本体37の軸線方向に伸縮しにくくなるように構成されている。
係止部31にガイドチューブ装置5の先端側が係止された状態で内視鏡操作部8の主操作ボタン19を操作すると、処理部28は、係止部31に係止された状態での姿勢センサ49aの向き、および位置センサ49bの位置を初期状態として記憶する。
そして、使用者が内視鏡システム1を押し込んだり、湾曲部12を湾曲させたりして操作して、挿入部2の先端を測定対象物Wに近づけ、図7に示すように、内視鏡本体9に設定されたグローバル座標系Σgに対して、挿入部2の先端面に設定されたセンサ座標系Σsが移動した場合で説明する。グローバル座標系Σgは、xg軸、yg軸、およびzg軸による直交座標系であり、センサ座標系Σsは、xs軸、ys軸、およびzs軸による直交座標系であるものとする。
Σg=AsΣs ・・(1)
この場合、オブジェクト座標系Σoからセンサ座標系Σsへの変換行列ALは、距離測定部48で測定される測定対象物Wまでの距離の位置の関数となる。そして、センサ座標系Σs、オブジェクト座標系Σo、および変換行列ALの関係は(2)式のように表される。
Σs=ALΣo ・・(2)
(1)式および(2)式から(3)式が導かれる。
Σg=AsALΣo ・・(3)
前述のように、CCD16は、光を受けて生じた電荷を蓄積する状態(以下では、説明の便宜のため「開状態」と称する。)と、光を受けて生じた電荷を蓄積せずに掃き捨てる状態(以下では、説明の便宜のため「閉状態」と称する。)とに交互に切り替えられる。
レーザー光L1が照射された照射位置P1は周囲に比べて明るくなり、表面を観察しにくくなるので、レーザー光L1が照射された照射位置P1の光スポットの像がフレームに入らないように、開状態中はレーザー光L1を照射しないように制御される場合がある。
しかし、光スポットの像の位置が測定対象物Wにおける投光部43からの距離が測定された位置なので、使用者が挿入部2の周囲の形状を正確に認識できるようにするために、以下のように表示することがある。すなわち、画像中における照射位置に対応する仮想位置を、LCD32に表示されたフレーム中に、仮想位置の周囲の測定対象物Wが認識しにくくならない程度に表示する。その表示は、たとえば、図8に示す十字印Gのようである。
図9および図10に示すように、投光部43から不図示の測定対象物Wの照射位置P1までの距離がD1ときは、観察視野θ1に対応して、光軸C2に直交する方向から見た範囲R11、光軸C2に平行な方向から見た範囲R12の一部となる矩形状の撮像範囲R13がCCD16により画像信号に変換される。同様に、投光部43から測定対象物Wの照射位置P1までの距離がD2ときは、観察視野θ1に対応して、光軸C2に直交する方向から見た範囲R21、光軸C2に平行な方向から見た範囲R22の一部となる矩形状の撮像範囲R23がCCD16により画像信号に変換される。
挿入部2およびチューブ本体37は、軸線回りに捻りにくくなるように構成されているとともに、チューブ接続部38が内視鏡操作部8に取付けられる向きは、一定になるように規制されている。このため、図11(a)に示す距離D1に対応する仮想位置Q1、および図11(b)に示す距離D2に対応する仮想位置Q2は、中心Uおよび撮像範囲の隅部を通る直線M上に配置される。さらに、照射位置P1までの距離がD1からD2と長くなるのにしたがって、フレーム中の仮想位置は、Q1からQ2とフレームの中心Uに近づく。
図11(a)、(b)に示すように、中心Uから仮想位置Q1までの距離をrU1、中心Uから仮想位置Q2までの距離をrU2とする。
このとき、オブジェクト座標系Σoにおける照射位置P1の座標Poは、(5)式のように表される。
まず、使用者は、ガイドチューブ装置5のチャンネル4に内視鏡3の挿入部2を挿通させるとともに、固定治具58を内視鏡操作部8に装着することによりチューブ接続部38を挿入部2に取付け、距離測定部48および観察方向検出部49が先端領域H内に配置されるように調節する。そして、コネクタ30に配線59を接続し、ガイドチューブ装置5の先端側を係止部31に係止しておく。
続いて、図12に示すように、主操作ボタン19が操作されて処理部28の電源がOFFになり、処理部28が停止中の状態(ステップS1)から、主操作ボタン19を操作して電源をONにすると、処理部28は動作中であるが距離測定部48は停止中の状態となる(ステップS2)。また、主操作ボタン19を操作して電源をOFFにすると、再び、処理部28が停止中の状態(ステップS1)となる。
ライブ状態では、処理部28は、照明制御部24により照明ユニット17から照明光を照射させるとともに、図13に示すように、CCD16を所定時間開状態とし、さらに開状態の後でCCD16を所定時間閉状態として、合計で一定の時間間隔ΔT1の間でCCD16を開状態にしてさらに開状態とする作業を繰り返し、さらに、測定状態制御部56に第一の距離検出モードを実行するように命令する(ステップS3)。なお、時間間隔ΔT1は、たとえば、30分の1秒などに設定される。
測定状態制御部56は、第一の距離検出モードにおいて、CCD16が閉状態にあるときに、距離測定部48によりレーザー光L1を照射させ、時刻T11において測定対象物W上の照射位置P1までの距離を検出する。
レーザー光L1は、CCD16が閉状態であるとき、すなわち、CCD16が電荷を蓄積せずに掃き捨てる状態のときに照射されるので、フレーム中に光スポットの像が入らない。
処理部28は、さらに、図7および図13に示すように、フレームを取得した時刻T13より前であって最新の時刻T11において測定した照射位置P1までの距離E1、時刻前記T13より前であって最新の時刻T14に測定したベース部材39の位置E2および向きE3と対応づけて、時刻T13に取得したフレームE4をLCD32に表示する。
これら、フレームと対応づけられた仮想位置、照射位置P1までの距離E1、ベース部材39の位置E2および向きE3は画像記録部27へ時刻T15に記録される。
主操作ボタン19を操作して距離測定機能の停止要求を出すと、処理部28は動作中であるが距離測定部48は停止中の状態(ステップS2)となる。
静止画像撮影状態において、処理部28は、画像記録部27に命令して、時刻T13に取得したフレームと対応づけて、時刻T13より前であって最新の時刻T11において測定した照射位置P1までの距離、前記時刻T11において測定した距離に基づいて求められた仮想位置、そして前記時刻T13より前であって最新の時刻T14に測定したベース部材39の位置および向きを記録させる(ステップS4)。
このとき、画像記録部27には、図14に示すように、フレームの画像データ、照射位置P1までの距離のデータ、フレーム上の仮想位置の座標を表すデータ、ベース部材の位置を表すデータ、およびベース部材の向きを表すデータが対応づけられたデータセット1が記録される。
画像記録部27への記録が終了すると、撮影終了となって自動的にライブ状態(ステップS3)となる。
静止画像の撮影要求が出されるたびに、図14に示すように画像記録部27へデータセット2、データセット3、‥、が順に記録されていく。なお、各データセットは、同じデータ構造となっている。
使用者は、挿入部2の先端を狭窄路内の所望の位置まで挿入し、LCD32に表示されるフレームE4、仮想位置を表す十字印G、照射位置P1までの距離E1、およびベース部材39の位置E2および向きE3を参考にしながら周囲の状況を観察する。
また、従来は、光スポットの像が入った測定対象物Wの画像を取得して照射位置までの距離を算出してから光スポットの像の無い画像を取得していたので、照射位置までの距離を検出してから光スポットの像の無い画像を取得するのに、前記時間間隔ΔT1に相当する時間を要していた。これに対して、本実施形態の内視鏡システム1は、CCD16とは別に受光部45を備えているので、CCD16が閉状態のときに照射位置P1までの距離を検出する。このため、照射位置P1までの距離を検出してから、この距離に対応づけられる光スポットの像の無い画像を取得するまでに要する時間を、たとえば、開状態の間隔程度までに短縮させることができる。
そして、内視鏡3は仮想位置を求める照射位置算出部26を有し、画像記録部27は、それぞれの画像を仮想位置に対応づけて記録する。このため、光スポットの像の無い静止画像であっても、距離が測定された部分を確認することで、挿入部2の周囲の形状を正確に認識することができるとともに、その結果を画像記録部27に記録することができる。
また、ガイドチューブ装置5には位置センサ49bが備えられ、画像記録部27は、それぞれの画像を、ベース部材39の位置と対応づけて記録する。したがって、画像が取得されたときの先端硬質部11の位置を知ることで、挿入部2の周囲の形状を正確に認識することができるとともに、その結果を画像記録部27に記録することができる。
また、(10)式は用いずに、予め、投光部43からの距離に対するフレーム中の仮想位置の関係を、実際に測定することにより図15に示すように求めておく。そして、距離測定部48により投光部43から測定対象物Wまでの距離を求めることで、図15の関係からフレーム中の仮想位置を予測するように構成してもよい。
次に、本発明の第2実施形態について説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の内視鏡システムは、上記第1実施形態の内視鏡システム1と同一の構成を有していて、測定状態制御部56の制御方法のみ異なるものである。
測定状態制御部56は、上記第1実施形態の第一の距離検出モードだけでなく、CCD16が電荷を蓄積しているときに距離測定部48により、測定対象物W上の照射位置P1にレーザー光L1を照射させ、測定対象物W上の照射位置P1までの距離を検出する第二の距離検出モードを有している。
具体的には、図16に示すように、0以上La未満の距離が範囲Ra、La以上Lb未満の距離が範囲Rb、Lb以上の距離が範囲Rc、とそれぞれ設定されているものとする。そして、測定対象物Wの照射位置P1までの距離が属する範囲が、範囲Ra、Rb、Rcの、いずれか1つの範囲から他の1つの範囲に移ったときに、第二の距離検出モードとなり、光スポットの像が入ったフレームを1つ取得して再び第一の距離検出モードに移行する。
時刻T21において範囲Raに入っていた照射位置P1までの距離が、時刻T22において範囲Rbに移ったことを検出すると、測定状態制御部56は、第一の距離検出モードから第二の距離検出モードに切り替える。
すると、時刻T22の直後として時刻T23に取得されるフレームは、CCD16が開状態にあるときにレーザー光L1を照射させながら取得するので、光スポットの像が入ったものになる。
光スポットの像が入ったフレームは、時刻T24に距離算出部47により求められた投光部43から測定対象物Wまでの距離と対応づけられ、時刻T25に画像記録部27に記録される。
さらに、測定状態制御部56は第一の距離検出モードと第二の距離検出モードとを有しているので、フレーム中に光スポットの像を入れて、仮想位置が測定対象物Wにおける距離を測定した部分の位置と対応しているか確認することができる。
たとえば、上記第1実施形態および第2実施形態では、内視鏡システムが挿入される狭窄路がほぼ直線状である場合には、姿勢センサ49aおよび位置センサ49bは備えられなくてもよい。
予め、操作ワイヤを牽引する量と湾曲部12および第一可撓管部40が湾曲する量との関係を求めておけば、ベース部材39の向きが分かる。さらに、狭窄路がほぼ直線状である場合には、内視鏡システムを挿入した長さとベース部材39の位置が対応するからである。
Σg=ATΣT ・・(11)
座標系ΣTからセンサ座標系Σsへの変換行列Asは、湾曲部12の湾曲形状から求められるものであり、(12)式のように表される。
ΣT=AsΣs ・・(12)
(2)式、(11)式および(12)式から(13)式が導かれる。
Σg=ATAsALΣo ・・(13)
上記第1実施形態および第2実施形態では、撮像素子としては、CCD16以外にも、MOSやCIDなどの公知の2次元型撮像デバイスを用いることができる。
仮想位置をLCD32に表示する必要の無い場合には、照射位置算出部26は備えられなくてもよい。
さらに、上記第1実施形態および第2実施形態では、撮像素子としてCCD16を用いたが、CCD16に代えてCMOSなどのセンサを用いてもよい。
2 挿入部
3 内視鏡
4 チャンネル
5 ガイドチューブ装置
16 CCD(撮像素子)
17 照明ユニット
25 画像処理部
26 照射位置算出部
27 画像記録部
48 距離測定部
49a 姿勢センサ(姿勢測定部)
49b 位置センサ(位置測定部)
56 測定状態制御部
L1 レーザー光(位置検出光)
P1 照射位置
Q1、Q2 仮想位置
W 測定対象物
θ1 観察視野
Claims (6)
- 挿入部を有する内視鏡と、前記挿入部が挿通可能なチャンネルが設けられたガイドチューブ装置とを備える内視鏡システムであって、
前記内視鏡は、
所定の観察視野内の光に応じて電荷を蓄積することで前記光の画像信号を生成する撮像素子と、
前記撮像素子が前記電荷を蓄積する時間を調節する電子シャッターと、
前記観察視野内に照明光を照射する照明ユニットと、
前記画像信号を所定の時間間隔ごとに読み出して処理し画像を取得する画像処理部と、
を有し、
前記ガイドチューブ装置は、
前記観察視野内に存在する前記測定対象物上の照射位置に位置検出光を照射し、前記照射位置で反射された前記位置検出光を検出することで前記照射位置までの距離を測定する距離測定部と、
前記距離測定部を制御する測定状態制御部と、
を有し、
前記測定状態制御部は、前記撮像素子が前記電荷を蓄積していないときに前記距離測定部により前記位置検出光を照射させ、前記測定対象物上の前記照射位置までの距離を検出する第一の距離検出モードを有することを特徴とする内視鏡システム。 - 前記内視鏡は、
それぞれの前記画像を、前記画像信号を読み出す直前に測定した前記照射位置までの距離と対応づけて記録する画像記録部を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。 - 前記内視鏡は、
前記距離測定部で測定された前記照射位置までの距離に基づいて、前記画像中における前記照射位置に対応する仮想位置を求める照射位置算出部を有し、
前記画像記録部は、それぞれの前記画像を、前記画像信号を読み出す直前に測定した前記距離に基づいて求められた前記仮想位置に対応づけて記録することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。 - 前記内視鏡および前記ガイドチューブ装置の少なくとも一方には、前記挿入部の向きを測定する姿勢測定部が備えられ、
前記画像記録部は、それぞれの前記画像を、前記画像信号を読み出すと同時、または読み出す直前に測定した前記挿入部の向きと対応づけて記録することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。 - 前記内視鏡および前記ガイドチューブ装置の少なくとも一方には、前記挿入部の位置を測定する位置測定部が備えられ、
前記画像記録部は、それぞれの前記画像を、前記画像信号を読み出すと同時、または読み出す直前に測定した前記挿入部の位置と対応づけて記録することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。 - 前記測定状態制御部は、前記撮像素子が前記電荷を蓄積しているときに前記距離測定部により、前記測定対象物上の前記照射位置に前記位置検出光を照射させ、前記測定対象物上の前記照射位置までの距離を検出する第二の距離検出モードを有していることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
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