JP2011233744A - 露光方法および半導体デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】設計パターン寸法に応じた寸法のパターンを基板面内の全面で一様に形成すること。
【解決手段】実施の形態によれば、光学条件補正関数を作成する補正関数作成ステップと、照明パラメータ補正量を算出する補正量算出ステップと、第1の基板を露光する露光ステップと、を含んでいる。補正関数作成ステップでは、第1の基板上への露光処理に用いる露光量以外の照明パラメータを前記第1の基板面内の露光座標に基づいて補正する光学条件補正関数を、第2の基板上に形成したパターンの基板面内寸法分布に基づいて作成する。補正量算出ステップでは、前記光学条件補正関数および前記第1の基板上に設定される各露光ショットの露光座標を用いて、前記照明パラメータの補正量を前記露光ショット毎に少なくとも1つずつ算出する。露光ステップでは、前記照明パラメータの補正量で前記照明パラメータを補正しながら、前記第1の基板を露光する。
【選択図】図1
【解決手段】実施の形態によれば、光学条件補正関数を作成する補正関数作成ステップと、照明パラメータ補正量を算出する補正量算出ステップと、第1の基板を露光する露光ステップと、を含んでいる。補正関数作成ステップでは、第1の基板上への露光処理に用いる露光量以外の照明パラメータを前記第1の基板面内の露光座標に基づいて補正する光学条件補正関数を、第2の基板上に形成したパターンの基板面内寸法分布に基づいて作成する。補正量算出ステップでは、前記光学条件補正関数および前記第1の基板上に設定される各露光ショットの露光座標を用いて、前記照明パラメータの補正量を前記露光ショット毎に少なくとも1つずつ算出する。露光ステップでは、前記照明パラメータの補正量で前記照明パラメータを補正しながら、前記第1の基板を露光する。
【選択図】図1
Description
本発明の実施の形態は、露光方法および半導体デバイスの製造方法に関する。
半導体デバイスを製造する際には、密集パターン、孤立パターン、これらの中間ピッチのパターン等のさまざまなパターンが基板上に形成される。また、これらの種々のパターンは、基板上の略全面にショット(露光装置による露光領域)単位で形成される。
このようなパターン形成では、基板上の略全面のショットで所望の寸法を有したパターン形成を行うことが望まれている。例えば、基板上の中央付近のショットに形成されるパターンと、基板周縁部(端部)付近のショットに形成されるパターンと、が同一種類のパターンであれば、これらのパターンは、設計パターンに応じた同一寸法に形成されることが望まれる。
しかしながら、従来のパターン形成方法では、基板面内でパターン寸法にばらつきが生じるので、設計パターン寸法に応じた寸法のパターンを基板面内の全面で一様に形成することは困難であった。
本発明の実施の形態は、設計パターン寸法に応じた寸法のパターンを基板面内の全面で一様に形成する露光方法および半導体デバイスの製造方法を提供する。
実施の形態によれば、光学条件補正関数を作成する補正関数作成ステップと、照明パラメータ補正量を算出する補正量算出ステップと、第1の基板を露光する露光ステップと、を含んでいる。補正関数作成ステップでは、第1の基板上への露光処理に用いる露光量以外の照明パラメータを前記第1の基板面内の露光座標に基づいて補正する光学条件補正関数を、第2の基板上に形成したパターンの基板面内寸法分布に基づいて作成する。補正量算出ステップでは、前記光学条件補正関数および前記第1の基板上に設定される各露光ショットの露光座標を用いて、前記照明パラメータの補正量である照明パラメータ補正量を前記露光ショット毎に少なくとも1つずつ算出する。露光ステップでは、前記照明パラメータ補正量で前記照明パラメータを補正しながら、前記第1の基板を露光する。
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態に係る露光方法および半導体デバイスの製造方法を詳細に説明する。なお、これらの実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
まず、本実施の形態に係るパターン形成方法の概念について説明する。図1は、第1の実施の形態に係るパターン形成方法の概念を説明するための説明図である。図1の(a)は、ウエハのショットマップ(ショット配置)を示し、図1の(b)は、マスクパターンのピッチ(ライン幅+スペース幅)とエッチング後寸法との関係を示している。図1の(b)における横軸はピッチであり、プラス方向へ向かうに従って疎なパターンのピッチを示している。また、縦軸はマスクパターンを用いて露光した場合のウエハ上でのエッチング後寸法を示している。図1の(c)は、モデル関数を用いた照明パラメータ補正量の設定手順を示している。
ウエハなどの基板に設定されるショットは、1枚のマスクに描画されたパターン転写領域(露光領域の単位)であり、ショットマップは、ウエハ上に設定されるショット位置やショットサイズなどを示すマップである。
図1の(a)に示すように、ウエハ上には、略全面にショットが設定される。ここでは、ウエハ上の中央付近に設定されているショットをショットsh1で示し、ウエハの周縁部(端部)付近のショットをショットsh3で示している。また、ウエハ上において、中央付近と周縁部との間の位置付近のショットをショットsh2で示している。
例えば、ウエハ上に形成されるエッチング後パターンは、ウエハ上のショット位置に依存してパターン寸法差を生じる場合がある。このパターン寸法差は、例えば、エッチングが原因となっている。ウエハ面内でのパターン寸法差は、密集パターンの寸法と孤立パターンの寸法とを、両立して所望寸法とすることができない寸法誤差(疎密寸法差)として現れる。
図1の(b)に示すように、例えばショットsh1〜sh3は、それぞれエッチング後寸法の寸法特性として寸法D1〜D3を示す。例えば、露光量の基準値(露光量基準)を用いてショットsh1〜sh3を露光した場合、ショットsh1〜sh3でパターンが同じ寸法となるピッチがある。ところが、このピッチとは異なる他のピッチでは、ショットsh1〜sh3毎に異なる寸法となる。
このため、本実施の形態では、基準となる光学条件(例えば露光照明のσ値)でパターン形成した場合のエッチング後寸法と同じエッチング後寸法となるよう、ショット毎に光学条件を補正する。光学条件を補正する際には、所定のモデル関数を用いて光学条件としての照明パラメータ(照明形状を決めるためのパラメータ)を補正する。
具体的には、第1のウエハであるテストウエハのショットマップMxを用いてウエハ上にエッチング後パターンを形成する。エッチング後パターンは、ウエハ上に形成されたレジストパターンをマスクとしてレジストパターンの下層側がエッチングされることによって形成されるウエハ上のパターンである。エッチング後パターンは、リソグラフィシミュレーションや加工シミュレーションを用いて導出してもよいし、露光装置やエッチング装置などを用いて実際にウエハ上にパターンを形成してもよい。
形成されたエッチング後パターンのパターン寸法に基づいて、照明パラメータ補正量をウエハ面内における連続関数でモデル化し(s1)、これによりモデル関数であるσ=f(x、y)を導出する。モデル関数は、ウエハ面内の座標(x、y)に対する照明パラメータ補正量を導出するための関数である。モデル関数は、ウエハの全面で所望の寸法を有したエッチング後パターンが形成されるよう、照明パラメータ補正量とエッチング後パターン寸法との相関関係に基づいて導出される。
この後、第2のウエハである製品ウエハのショットマップMyに対し、照明パラメータ補正量を設定する。具体的には、各ショットの代表点(例えば、各ショットの中心)における照明パラメータ補正量を、モデル関数に基づいて設定する(s2)。そして、設定された照明パラメータ補正量に従って、各ショットでの露光処理が行われ、その後、ウエハへのエッチング処理を行うことによってウエハ上にエッチング後パターンが形成される。なお、ショットマップMyは、任意のショットマップでよい。
照明パラメータ補正量で照明パラメータを補正しながら各ショットを露光することによって初期設定の照明パラメータを用いて形成されたエッチング後パターンと同一寸法のエッチング後パターンが形成される。例えば、ショットsh1のσを0.95、ショットsh2のσを0.93(初期設定値)、ショットsh3のσを0.95のように補正することによって、寸法D1,D3を寸法D2と同じ寸法特性に補正することが可能となる。
光学条件の補正関数であるモデル関数を作成する際に用いるテストウエハと、モデル関数を適用して露光処理される製品ウエハとは、それぞれ同一のリソグラフィプロセスおよび同一のエッチングプロセスが適用されるウエハである。リソグラフィプロセスやエッチングプロセスが異なる場合、エッチング後パターンの形成に適切なモデル関数は異なるからである。
つぎに、第1の実施の形態に係る基板処理システムについて説明する。図2は、第1の実施の形態に係る基板処理システムの概略構成を示す図である。基板処理システム1は、制御装置5を備えた露光装置2と、加工装置3と、測定装置4と、を含んで構成されている。
露光装置2は、露光光10aによってフォトマスク6に形成されたマスクパターンをウエハ7上のレジスト膜8に縮小投影する装置である。本実施の形態の露光装置2は、ショット毎に所定の照明パラメータを設定して、ウエハ7の各ショットを露光する。露光装置2は、ステップ&スキャン方式の露光装置であってもよいし、ステップ&リピート方式の露光装置であってもよい。
露光装置2は、光源10と、開口絞り11と、フィルタ12と、偏光フィルタ13と、照明光学系14と、投影光学系15と、を有している。光源10は、例えば、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、波長が248nmや193nmなどのDUV(Deep Ultra-Violet)光、波長が13.5nmのEUV(Extreme Ultra-Violet)光などを露光光10aとして出射する。なお、本実施の形態のパターン形成方法は、屈折光学系、反射光学系、反射屈折光学系などの何れの光学系を用いた露光装置に適用してもよい。
開口絞り11は、例えば、概略円板状をなしており、発光領域(照明領域)と、非発光領域(照明遮蔽領域)と、を備えている。非発光領域は、光源10から出射した露光光10aを遮蔽する領域であり、発光領域は、光源10から出射した露光光10aを透過させる領域である。開口絞り11は、発光領域の形状を変化させることによって照明形状を変えることができる構成となっている。
フィルタ12は、光源10および開口絞り11を介して送られてくる露光光10aの輝度分布を変更するものである。偏光フィルタ13は、光源10、開口絞り11およびフィルタ12を介して送られてくる露光光10aの振幅方向を揃えるものである。
照明光学系14は、例えば、図示しないフライアイレンズや多段のコンデンサレンズ等によって構成されており、フォトマスク6に入射する露光光10aの範囲などを調整する。
投影光学系15は、フォトマスク6に形成されたマスクパターンをレジスト膜8に縮小投影する機能を有している。投影光学系15は、複数のレンズ(例えば、レンズ150,151など)と、レンズ絞り16と、を備えている。投影光学系15は、レンズ150,151によって瞳面152の位置を調整することができるよう構成されている。
レンズ絞り16は、レンズ151から出射した露光光10aの形状を変えるものである。レンズ絞り16は、投影光学系15の瞳の大きさを変えることによって投影光学系15の中心軸からずれた露光光10aを遮光する。
加工装置3は、マスクパターンを介して露光されたレジスト膜8に対して加工処理を行う装置である。加工装置3による加工処理は、露光以外の加工処理であり、例えば、現像処理、ドライ・エッチング処理、ウエット・エッチング処理、成膜処理、イオン注入処理などである。本実施の形態では、加工装置3によって加工された後のウエハ上パターンがエッチング後パターンである場合について説明する。
測定装置4は、例えば、ウエハ7上に形成されたエッチング後パターンの線幅の仕上り寸法を測定する装置である。測定装置4は、例えば、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)や走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)等である。
制御装置5は、制御部50と、記憶部51と、入力部52と、ショットマップ作成部53と、補正量算出部54と、を備えて構成されている。入力部52は、後述のショットマップ511の設定に用いるショット情報(各ショットの座標など)や、後述のモデル関数512、後述の照明パラメータ510などを入力する。入力部52は、ショット情報をショットマップ作成部53に送り、モデル関数512、照明パラメータ510を記憶部51に送る。
ショットマップ作成部53は、入力部52から入力されたショット情報に基づいて、ウエハ7に対するショットマップ511を作成する。ショットマップ511は、露光領域の配列マップであり、ウエハ7上に設定される各ショットの配置位置(座標)などを示す情報である。ショットマップ511やショットは、半導体集積回路毎に設定される情報である。ショットマップ511では、製品チップ(半導体集積回路)に応じたショット配列が行なわれる。
記憶部51は、照明パラメータ510と、ショットマップ511と、モデル関数512と、を記憶するメモリなどである。照明パラメータ510は、ウエハ7を露光する際の光学条件であり、例えば露光量やフォーカス値以外の光学条件である。
具体的には、照明パラメータ510は、有効光源の形状パラメータ(σouter、σinner、四重極照明の開き角、X方向とY方向の明るさ比など)、露光光(照明光)10aの偏光度、投影レンズ(レンズ150)の開口数(NA)、露光光10aの波長、露光光10aのスペクトル形状の少なくとも1つに関する情報である。
なお、照明パラメータ510には、照明輝度分布、照明偏光状態、レンズ収差、レンズ瞳面透過率分布、露光レーザ波長バンド幅などを含めてもよい。また、露光装置2によって傾け露光を行なう場合には、ウエハ7のスキャン平面と最良結像平面との間の傾き角や、ウエハ7へのフォーカス値などを照明パラメータ510に含めてもよい。傾け露光は、露光光10aの最良結像平面に対してフォトマスク6またはウエハ7を所定の角度だけ傾斜させながらスキャン露光する露光方法である。
モデル関数512は、ウエハ面内の座標を入力した場合に、座標に応じた照明パラメータ補正量が得られる関数である。モデル関数512は、ウエハ面内で設計パターンの寸法に応じたエッチング後パターンを形成することができる照明パラメータ補正量を導出する。
補正量算出部54は、モデル関数512およびショットマップ511を用いて、ショット毎の照明パラメータ補正量を算出する。補正量算出部54は、例えばショットマップ511で設定されている各ショットの中心座標をモデル関数512に入力し、これによりショット毎の照明パラメータ補正量を算出する。ショットマップ511は、半導体集積回路毎(ウエハ毎)に設定されているので、各半導体集積回路毎にショットの配置位置が異なる。このため、補正量算出部54によって算出されるショット毎の照明パラメータ補正量も、半導体集積回路毎に異なる値が設定されることとなる。
制御部50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを有しており、露光装置2を制御する。具体的には、制御部50は、露光装置2の光源10、開口絞り11、フィルタ12、偏光フィルタ13、照明光学系14、投影光学系15及びレンズ絞り16を制御する。制御部50は、照明パラメータ510と、補正量算出部54が算出した照明パラメータ補正量と、に基づいて、露光装置2を制御する。
なお、制御装置5と露光装置2とを別々の構成としてもよい。この場合、例えば、サーバ(図示せず)などと露光装置2とを接続しておき、サーバに制御装置5を配置しておく。また、記憶部51、ショットマップ作成部53、補正量算出部54を、制御装置5とは別構成としてもよい。この場合、サーバなどに記憶部51、ショットマップ作成部53、補正量算出部54を配置しておく。また、入力部52に直接ショットマップ511を作成してもよい。この場合、制御装置5はショットマップ作成部53を有していなくてもよい。
つぎに、基板処理システムによるパターン形成処理手順について説明する。図3は、第1の実施の形態に係るパターン形成処理の処理手順を示すフローチャートである。テストウエハを準備し、テストウエハ上にレジストを塗布し、その後、基準となる照明パラメータで露光処理、現像処理を行う。これにより、テストウエハ上にレジストパターンが形成される。レジストパターンをマスクとしてレジストパターンの下層側をエッチングすることにより、テストウエハ上にエッチング後パターンが形成される(ステップS10)。
テストウエハ上のエッチング後パターンは、モデル関数512を作成するための評価パターンであり、種々の寸法を有したパターンが形成される。評価パターンとしては、例えば、ラインパターンのパターン間距離が短い(ピッチの小さい)密集パターン、ラインパターンのパターン間距離が長い(ピッチの大きい)孤立パターン、これらの中間ピッチのパターン等のさまざまなパターンが形成される。
図4は、テストウエハのショットマップの一例を示す図である。同図に示すようにテストウエハには、テストウエハの略全面に複数のショットが配置されたショットマップM1aが設定されている。ショットマップM1aでのショット配列は、例えばX方向ピッチが26mmであり、Y方向ピッチが33mmである。このショットマップM1aに設定されているショットの配置位置や座標はテストウエハに特有のものであり、後述の製品ウエハに設定されるショットとは異なるものであってもよい。
測定装置4は、種々のエッチング後パターンに対し、それぞれのパターン寸法(仕上り寸法)を測定する。そして、測定したエッチング後パターンの所望値からの寸法ずれ量(エッチング後パターン寸法差)を取得する(ステップS20)。テストウエハ上でのエッチング後パターン寸法差は、テストウエハ面内の種々の位置で取得される。
この後、テストウエハ面内におけるエッチング後パターン寸法差に基づいて、レジスト寸法補正量(レジストパターンの疎密寸法差)の面内分布を取得する(ステップS30)。レジスト寸法補正量は、エッチング後パターンのパターン寸法を所望値にするために必要なレジストパターンの寸法補正量である。これにより、補正すべきレジスト寸法特性が求められる。
ここで、評価パターンが、45nm幅のラインパターンを有した密集ラインアンドスペースパターン(以下、45nm密集パターンという)と、45nm幅のラインパターンを有した孤立ラインパターン(以下、45nm孤立パターンという)の2種類である場合について説明する。照明パラメータの初期値が、投影レンズのNA=1.30、輪帯照明、σouter=0.90、σinner=0.60であるとする。σouterは、輪帯照明の外径であり、σinnerは輪帯照明の内径である。
テストウエハを露光する際には、1枚のテストウエハ内に形成されるショット毎に、45nm密集パターンのエッチング後パターンが所望寸法となるように、露光量が制御されている。このとき、45nm孤立パターンのエッチング後パターンは、ウエハ内でのパターン位置に応じた寸法ずれを起こしている。換言すると、照明パラメータの初期値を用いてテストウエハを露光した場合、エッチング後パターンに疎密寸法差が生じることとなる。本実施の形態では、45nm孤立パターンのエッチング後パターン寸法を所望値にするために、露光量以外の光学パラメータ(照明パラメータ)を補正する。
レジスト寸法補正量を設定する際には、1枚のテストウエハ内に形成される複数のショットのそれぞれで、ショット内の代表点の座標(例えばショットの中心付近の座標)におけるレジストパターンの疎密寸法差の適正補正量(寸法補正量)を定める。例えば、45nm孤立パターンのエッチング後パターン寸法を計測し、所望値からのずれ量を求め、そのずれ量を露光におけるレジストパターンに対して逆方向に補正する(所望値より細い場合は、レジスト寸法を太くし、所望値より太い場合は、レジスト寸法を細くする)。これにより、各ショットの中央付近にある45nm孤立パターンの寸法に対するレジスト寸法補正量が設定される。
図5は、ショット毎に設定されたレジスト寸法補正量の一例を示す図である。図5では、45nm孤立パターンに対するショット毎のレジスト寸法補正量の面内分布(レジスト寸法補正量マップM1b)を示している。例えば、「−1.1」で示しているショットは、レジストパターン寸法が、45nmよりも1.1nm細くなるよう照明パラメータが補正されるショットである。また、「2.4」で示しているショットは、レジストパターン寸法が、45nmよりも2.4nm太くなるよう照明パラメータが補正されるショットである。
次に、疎密寸法差を補正するための照明パラメータ補正量(変更量)を求める。照明パラメータ補正量を求める際には、45nm密集パターンの寸法を所望値に固定した状態で、45nm孤立パターンを調節する手段(照明パラメータの変更対象)とその補正量(照明パラメータ補正量)とを決定する。なお、照明パラメータ補正量を求める際に、45nm孤立パターンの寸法を所望値に固定した状態で、45nm密集パターンを調節する手段とその補正量とを決定してもよい。照明パラメータ補正量は、実験結果やシミュレーション結果に基づいて決定される。ここでは、照明のσouterをレジストパターン寸法の調節手段に用いる場合について説明する。
図6は、照明パラメータの変更量とレジストパターンの寸法変化量との関係を示す図である。図6では、横軸が照明パラメータの一例であるσouterを示し、縦軸が45nm孤立パターンのレジスト寸法を示している。
図6に示した関係と、図5に示したレジストターン(孤立パターン)の寸法変化量の面内分布に基づいて、ショット毎のσouterの適正な照明パラメータ補正量(以下、σouter補正量という)を求める。
図7は、図5に示したレジスト寸法補正量に対する照明パラメータ補正量を示す図である。図7では、45nm孤立パターンに対するショット毎のσouter補正量の面内分布(照明パラメータ補正量マップM1c)を示している。例えば、「−0.01」で示しているショットは、σouterが0.01だけ小さくなるよう補正されるショットである。また、「0.02」で示しているショットは、σouterが0.02だけ大きくなるよう補正されるショットである。
この後、ショット毎に定められたσouter補正量を、テストウエハ内での連続関数であるモデル関数512(補正関数F)として作成する。換言すると、照明パラメータ補正量マップM1cに基づいて、モデル関数512が作成される。具体的には、テストウエハ上の位置を表す2次元の座標系内で定義される関数セットを規定し、σouter補正量のフィッティングを行うことにより、σouter補正量の連続関数表現を得る。関数セットは、例えば、テストウエハ上での座標(x,y)を用いたxとyの多項式(図8)、zernike多項式(図9)などである。補正関数F(x、y)は、以下の式(1)のような、関数セットfn(x、y)と係数an(nは自然数)の線形結合で表される。
ここでの(x、y)は、テストウエハ上の座標である。係数anは、上記フィッティングによって、ショット毎のσouter補正量に適合するように定める。図10は、係数anの一例を示す図である。同図に示すように、係数anは、例えば「−0.861」、「0.455」などのように設定される。使用する関数セットの数Nは、適宜、定められる。
このように、レジスト寸法補正量の面内分布を取得した後、寸法補正量の面内分布に基づいて、照明パラメータ補正量を求めるためのモデル関数512が設定される(ステップS40)。
モデル関数512は、制御装置5の入力部52から入力されて記憶部51内に格納される。この後、製品パターン(製品ウエハ)の露光処理が行われる。このとき、露光装置2は、作成されたσouter補正量を表すモデル関数512に基づいて、ショット毎に照明パラメータを調節しながら露光する。
製品ウエハを露光する際には、予め入力部52に、製品パターンのショットに関するショット情報を入力しておく。入力部52に入力された、製品ウエハのショット情報は、ショットマップ作成部53に送られる。
ショットマップ作成部53は、入力部52から入力された製品ウエハのショット情報に基づいて、製品ウエハのショットマップ511を作成する。記憶部51は、ショットマップ作成部53が作成した製品ウエハのショットマップ511を記憶しておく。
図11は、製品ウエハのショットマップの一例を示す図である。同図に示すように製品ウエハには、ウエハの略全面に複数のショットが配置されたショットマップM2aが設定されている。ショットマップM2aでのショット配列は、例えばX方向ピッチが26mmであり、Y方向ピッチが26mmである。このショットマップM2aに設定されているショットの配置位置や座標はテストウエハに設定されるショットとは異なるものである。
補正量算出部54は、モデル関数512および製品ウエハのショットマップ511を用いて、各ショットに応じた照明パラメータ補正量を算出する(ステップS50)。製品ウエハ内のショット配列がテストウエハと同じ場合には、図7に示した照明パラメータ補正量をそのまま用いることができる。一方、製品ウエハ内のショット配列がテストウエハと異なる場合には、補正量算出部54は、製品ウエハのショット内の代表点(例えば、ショットの中心)の座標と、式(1)で示した補正関数Fと、を用いてショット毎の照明パラメータ補正量(補正関数Fの値)を算出する。具体的には、モデル関数512としての補正関数Fに、ショット内の代表点の座標が入力されることによって、照明パラメータ補正量が算出される。
この後、制御部50は、照明パラメータ補正量の算出結果に従ってショット毎に照明パラメータを調節するよう露光装置2(ここでは、開口絞り11)を制御する。これにより、照明パラメータ補正量に応じた照明パラメータで、各ショットが露光される(ステップS60)。そして、露光後の製品ウエハを現像、エッチングすることにより、製品ウエハ上にエッチング後パターンが形成される(ステップS70)。
図12は、照明パラメータ補正量マップの一例を示す図である。図12では、照明パラメータ補正量の一例であるショット毎のσouter補正量の面内分布(照明パラメータ補正量マップM2c)を示している。露光装置2は、このσouter補正量に基づいて、ショット毎にσouter補正量を調節しながら露光する。このように、本実施の形態では、エッチング後の疎密寸法差のウエハ面内分布に基づいて、疎密寸法差を補正するための照明パラメータ補正量を導出するモデル関数を作成している。そして、製品ウエハ毎にショットマップを設定し、先に定義したモデル関数に従ってショットマップ毎に各ショットの照明パラメータを規定している。このため、製品ウエハ毎にショット配列を変えた場合であっても、ショット間で変化する照明パラメータ補正量を、モデル関数512に基づいて短時間で決定することが可能となる。
したがって、ショットマップが変化した場合でも、エッチング後の疎密寸法差データを取りなおすことなく、適切に照明パラメータ補正量を設定することができるので、半導体デバイスを生産する際のリードタイムとコストを低減することが可能となる。
なお、本実施の形態では、テストウエハの評価パターンが2種類である場合について説明したが、テストウエハの評価パターンは3種類以上であってもよい。これにより、製品パターンに対しても、3種類以上のパターン評価に基づいた正確なパターン補正を行うことが可能となる。この場合、何れか1種類の評価パターンを露光量基準パターンとし、露光量基準パターンが所望の寸法となる光学条件に対し、他のパターンの寸法誤差が最小となるように照明パラメータ補正量を定める。
また、本実施の形態では、テストウエハを用いてレジスト寸法補正量(モデル関数512)を設定する際に、各ショットの中心座標を各ショット内での代表点としたが、中心座標に限らず、ショット内の任意の位置を代表点に設定してもよい。また、代表点はショット内で1個ずつに限らず、複数個ずつ設定してもよい。代表点を複数設定した場合には、例えば、設定した複数の代表点における各パターン寸法の平均値を用いて、照明パラメータ補正量を求める。
また、製品ウエハを用いて照明パラメータ補正量を設定する際に、各ショットの中心座標を各ショット内での代表点としたが、中心座標に限らず、ショット内の任意の位置を代表点に設定してもよい。
また、本実施の形態では、エッチング後パターンの寸法補正を行うために、照明のσouterを用いたが、他の照明パラメータを用いてもよい。特に、複数種類のエッチング後パターンへの補正を行う場合は、複数種類の照明パラメータを用いて補正を行う方が、1つの照明パラメータを用いて補正を行う場合よりも大きな寸法補正効果が得られる。
なお、ショット毎に照明パラメータを調節しながら露光する際には、露光量基準パターンの寸法が所望値になるように、ショット毎に露光量を調節しながら露光を行うことが望ましい。このとき、テストウエハを露光する際のショット毎の露光量補正量と、製品ウエハを露光する際のショット毎の露光量補正量と、は等しくなるとは限らない。この理由は、照明パラメータの調節に伴って、露光量基準パターンの像特性が変化するためである。
このため、本実施の形態では、照明パラメータ補正量に基づいて露光量をショット毎に補正してもよい。この場合、例えば以下の式(2)で示す露光量補正関数を用いて、ショット毎の露光量が補正される。
ΔDose=f(σ1、σ2、・・・)・・・(2)
ここでのσ1、σ2、・・・などは、補正後の照明パラメータまたはσouter、σinnerなどの照明パラメータ補正量である。なお、露光量をショット毎に補正する場合、照明パラメータ以外の光学条件に基づいて露光量を補正してもよい。露光量補正関数は、ユーザからの入力部52への入力により記憶部51で記憶される。補正量算出部54は、これから処理しようとする製品ウエハの情報(ショットマップ511など)に基づいて、照明パラメータ補正量に連動して露光量補正値をショット毎に自動的に割当てる。換言すると、各ショットの照明パラメータを補正する際に、照明パラメータ補正量に応じた露光量に露光量を補正して露光を行う。
露光量補正関数は、露光装置2とは別のレシピサーバが記憶しておいてもよい。この場合、ユーザは、レシピサーバへ露光量補正関数を入力しておき、レシピサーバに露光量補正関数を記憶させておく。レシピサーバは、製品ウエハの処理計画に基づいて、露光量補正関数を用いた露光レシピを生成し、露光装置2に送信する。これにより、露光装置2は、ショットマップ内の各ショットに照明パラメータ補正値を割当てる。
製品ウエハを露光する際のショット毎の露光量補正量は、(製品ウエハでのショット毎の露光量)=(基準露光量)+(第1の露光補正量)+(第2の露光補正量)で表すことができる。
ここで第1の露光補正量は、照明パラメータの補正を行わずにテストウエハを露光する際の露光補正量である。また、第2の露光補正量は、照明パラメータの調節に伴って発生する適正露光量の変化を補正するための露光量である。この第2の露光補正量は、実験ないしシミュレーションに基づいて、照明パラメータの変更量の関数として表される。換言すると、第2の露光量補正量は、ショット毎で変化する照明パラメータ補正量(調節量)に基づいて設定される。
図13は、照明パラメータの変更量と露光量補正量との関係を示す図である。図13では、45nm幅のラインパターンを有したラインアンドスペースパターンに対する、σouterの変更量と、適正露光量変化量と、の関係を示している。この関係を用いることによって、製品ウエハの各ショットの適正露光量を設定することができる。
なお、露光装置2に配置する照明形状は、輪帯照明、四重極照明、二重極照明(ダイポール照明)などの何れの形状であってもよい。図14は、照明形状を説明するための図である。図14の(a)は、輪帯照明30Aの形状を上面から見た図を示し、図14の(b)は、四重極照明30Bの形状を上面から見た図を示している。
例えば、輪帯照明30Aは、リング状を有した発光領域33Aから露光光10aを出射する照明である。輪帯照明30Aの場合、発光領域33Aの外径がσouter31であり、発光領域33Aの内径がσinner32である。
また、四重極照明30Bは、例えばリング状の一部(扇型のかなめ部分近傍を除外した形状)を有した4つの発光領域33Bから露光光10aを出射する照明である。四重極照明30Bの場合、発光領域33Bの外径がσouter31であり、発光領域33Bの内径がσinner32である。
輪帯照明30Aや四重極照明30Bなどの照明形状は、開口絞り11によって可変となるよう構成されている。例えば、輪帯照明30Aや四重極照明30Bの照明形状を変更する場合には、開口絞り11が絞り領域(露光光10aの遮蔽領域)を変更することによって発光領域33Aや発光領域33Bの形状を変更する。なお、四重極照明30Bの発光領域33Bは、扇型のかなめ部分近傍を除外した形状に限らず、矩形状など他の形状であってもよい。
基板処理システムによるモデル関数を用いた照明パラメータの補正は、例えば製品ウエハプロセスのレイヤ毎に行われ、これにより半導体装置(半導体集積回路)が製造される。具体的には、レイヤ毎にモデル関数が作成され、各レイヤに応じたモデル関数を用いて、レジストの塗布された製品ウエハに露光が行なわれる。その後、製品ウエハを現像して製品ウエハ上にレジストパターンを形成する。そして、レジストパターンをマスクとしてレジストパターンの下層側をエッチングする。これにより、レジストパターンに対応する実パターン(エッチング後パターン)を製品ウエハ上に形成する。半導体装置を製造する際には、上述したモデル関数の作成、モデル関数を用いた照明パラメータを補正しながらの製品ウエハへの露光処理、現像処理、エッチング処理などが各レイヤで行われる。
なお、本実施の形態では、テストウエハでの所望値からのエッチング後パターン寸法差に基づいて、モデル関数を作成したが、テストウエハでの所望値からのレジストパターンの寸法差に基づいて、モデル関数を作成してもよい。
また、本実施の形態では、テストウエハを用いてモデル関数を作成したが、製品ウエハを用いてモデル関数を作成してもよい。また、モデル関数を用いた照明パラメータの補正は、製品ウエハ以外のウエハに適用してもよい。
実際の半導体デバイス製造の際には、最終製品の種類に応じた異なるショットサイズの露光が行なわれる。本実施の形態では、ウエハ面内での座標に応じた照明パラメータ補正量を設定することができるモデル関数を用いて、製品ウエハ毎(ショットマップ511毎)に照明パラメータを補正している。このため、任意の製品ウエハに対して所望形状のエッチング後パターンを形成するための照明パラメータ補正を容易に行なうことが可能となる。
また、密集パターンや孤立パターンなどの種々のパターンのエッチング後パターン寸法に基づいて、モデル関数を作成している。このため、密集パターン、孤立パターン、これらの中間ピッチのパターン等の種々のエッチング後パターンを、ウエハ面内でのショット位置に関わらず、設計パターンに応じた所望形状で形成することが可能となる。換言すると、1枚の製品ウエハの中で疎密寸法差が変化する場合であっても、製品ウエハの全面で所望のパターン寸法を有したエッチング後パターンを形成することが可能となる。
また、ショット毎に照明パラメータ補正量を設定しているので、フォトマスクのOPC(Optical Proximity Correction)で対応できない寸法補正に対しても、寸法補正を行うことが可能となる。
このように第1の実施の形態によれば、ウエハ面内での座標に応じた照明パラメータ補正量を設定することができるモデル関数に基づいて、製品ウエハ毎に照明パラメータを補正しているので、任意の製品ウエハに対してウエハ面内で設計パターンの寸法に応じたパターン寸法のエッチング後パターンを形成することが可能になる。
(第2の実施の形態)
つぎに、図15〜図17を用いて第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、製品ウエハのショットを複数の領域に分割し、分割された領域毎に照明パラメータ補正量を設定する。
つぎに、図15〜図17を用いて第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、製品ウエハのショットを複数の領域に分割し、分割された領域毎に照明パラメータ補正量を設定する。
まず、本実施の形態に係るパターン形成方法の概念について説明する。図15は、第2の実施の形態にパターン形成方法の概念を説明するための説明図である。同図に示すパターン寸法マップ60は、ウエハ7に形成されるエッチング後パターンの、ウエハ面内での仕上り寸法分布を示している。
製品ウエハにレジストパターンを形成した後に、レジストパターンをマスクとして製品ウエハの下層側をエッチングすると、エッチングなどに起因して、図15に示すように、略同心円状に仕上り寸法が変化する。例えば、ウエハの中心から周縁に向かって、エッチング後パターンの線幅が細くなる傾向がある。図15では、ウエハの中心部を含む円形状の領域61がエッチング後パターンの線幅が最も太くなる領域であり、領域61の外周を囲むリング状の領域62がエッチング後パターンの線幅が2番目に太くなる領域である。また、領域62の外周を囲むリング状の領域63がエッチング後パターンの線幅が3番目に太くなる領域であり、領域63の外周を囲むリング状の領域64がエッチング後パターンの線幅が最も細くなる領域である。
本実施の形態では、1つのショット内で照明パラメータ補正量を変化させる。具体的には、パターン寸法マップ60などのエッチング後パターン寸法の寸法分布に基づいてモデル関数512を作成しておく。また、補正量算出部54が、製品ウエハの各ショット内を複数の領域に分割する。ショット内の領域分割は、入力部52に入力される使用者からの指示に従って行なってもよいし、予め設定しておいたルールに従って行なってもよい。補正量算出部54は、分割後の各領域に対応する照明パラメータ補正量を、モデル関数を用いて算出する。このとき、補正量算出部54は、分割後の各領域の代表点(例えば、領域内の中心)の座標における照明パラメータ補正量を、モデル関数に基づいて設定する。
換言すると、本実施の形態では、レジストパターンの疎密寸法差の適正補正量を決定するための代表点をショット内で複数定めておく。そして、これらの各代表点に対して、第1の実施の形態で説明した方法で照明パラメータ補正量を設定する。
製品ウエハの各ショットを露光する際には、設定した照明パラメータ補正量に従って照明パラメータをショット内で変化させながら露光する。ここで、図15に示すような、領域62と領域63とを含んだショットsh4を露光する場合について説明する。ショットsh4は、領域62と同じエッチング後パターン寸法の寸法分布を有したショット内領域62aと、領域63と同じエッチング後パターン寸法の寸法分布を有したショット内領域63aと、を有している。
ショットsh4を露光する際には、ショット内領域62aとショット内領域63aとで、照明形状を領域62a,63aに応じた形状に変更する。具体的には、補正量算出部54が、ショットsh4を分割した後の各領域の代表点の座標をモデル関数に入力し、これにより得られる結果を照明パラメータ補正量とする。そして、補正量算出部54は、ショットsh4の各領域に対して照明パラメータ補正量を算出する。図15では、ショットsh4を2分割し、分割後の一方の領域がショット内領域62aであり、他方の領域が領域63aである場合を示している。例えば、ショット内領域62aでの照明パラメータ補正量に応じた照明形状として四重極照明30B1が設定され、領域63aでの照明パラメータ補正量に応じた照明形状として四重極照明30B2が設定される。
制御部50は、ショット内領域62aを露光する際には、開口絞り11を用いて照明形状を四重極照明30B1に設定し、領域63aを露光する際には、開口絞り11を用いて照明形状を四重極照明30B2に設定する。
これにより、四重極照明を用いてショットsh4を露光する際には、大きな発光領域34Bを有した四重極照明30B1でショット内領域62aが露光され、小さな発光領域35Bを有した四重極照明30B2で領域63aが露光される。
このように、1つのショット内でも適正な照明パラメータ補正量が領域毎に異なる場合は、領域毎に照明パラメータ補正量が設定される。換言すると、本実施の形態ではモデル関数512が示す適正な照明パラメータ補正量を再現するよう、1つのショットの露光中に照明パラメータ補正量がショット内の領域毎に制御される。
図16は、照明パラメータ補正量を1ショットのスキャン露光中に変化させる処理を説明するための図である。図16では、照明パラメータ補正量の一例としてσouter補正量を、1ショットのスキャン露光中に変化させる処理を示している。
図16の(a)に示すように、ショット内領域71は、ショット内領域71に応じたσouter補正量で露光される。また、図16の(b)に示すように、ショット内領域72は、ショット内領域72に応じたσouter補正量で露光され、図16の(c)に示すように、ショット内領域73は、ショット内領域73に応じたσouter補正量で露光される。なお、本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、照明パラメータ補正量に基づいて、ショット内の各領域を露光する際の露光量を補正してもよい。
つぎに、補正量算出部54などを含んで構成される光学条件補正量算出装置のハードウェア構成について説明する。図17は、光学条件補正量算出装置のハードウェア構成を示す図である。光学条件補正量算出装置は、CPU(Central Processing Unit)91、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)93、表示部94、入力部95を有している。光学条件補正量算出装置では、これらのCPU91、ROM92、RAM93、表示部94、入力部95がバスラインを介して接続されている。
CPU91は、コンピュータプログラムである光学条件補正量算出プログラム97を用いて、ショット毎またはショット内での光学条件(σouterなど)の補正量を算出する。表示部94は、液晶モニタなどの表示装置であり、CPU91からの指示に基づいて、ショットマップ511、ショット毎またはショット内での光学条件の補正量(照明パラメータ補正量)などを表示する。入力部95は、マウスやキーボードを備えて構成され、使用者から外部入力される指示情報(光学条件の補正量の算出に必要なパラメータ等)を入力する。入力部95へ入力された指示情報は、CPU91へ送られる。
光学条件補正量算出プログラム97は、ROM92内に格納されており、例えばバスラインを介してRAM93へロードされる。図17では、光学条件補正量算出プログラム97がRAM93へロードされた状態を示している。
CPU91はRAM93内にロードされた光学条件補正量算出プログラム97を実行する。具体的には、光学条件補正量算出装置では、使用者による入力部95からの指示入力に従って、CPU91がROM92内から光学条件補正量算出プログラム97を読み出してRAM93内のプログラム格納領域に展開して各種処理を実行する。CPU91は、この各種処理に際して生じる各種データをRAM93内に形成されるデータ格納領域に一時的に記憶させておく。
光学条件補正量算出装置で実行される光学条件補正量算出プログラム97は、補正量算出部54を含むモジュール構成となっており、これらが主記憶装置上にロードされ、これらが主記憶装置上に生成される。
なお、制御装置5において、入力部52と入力部95とを1つの入力部として構成してもよい。また、制御装置5において、記憶部51、ROM92、RAM93の2つ又は全てを1つの記憶部として構成してもよい。また、制御部50が補正量算出部54を有する構成としてもよい。この場合、例えば制御部50のCPUとCPU91とが1つのCPUとして構成される。
このように第2の実施の形態によれば、ショット内を複数の領域に分割して領域毎に照明パラメータ補正量を設定しているので、ショット内に1つの照明パラメータ補正量を設定する場合よりも、エッチング後パターンの寸法誤差をウエハ面内で高精度に抑制することが可能になる。
また、第1および第2の実施の形態によれば、ウエハ面内での座標に基づいて照明パラメータを補正しているので、設計パターン寸法に応じたパターン寸法のパターンをウエハ上の全面に対して一様に形成することが可能になる。
1…基板処理システム、2…露光装置、5…制御装置、6…フォトマスク、7…ウエハ、10a…露光光、11…開口絞り、30A…輪帯照明、30B,30B1,30B2…四重極照明、33A,33B,34B,35B…発光領域、54…補正量算出部、60…パターン寸法マップ、510…照明パラメータ、511…ショットマップ、512…モデル関数、M1a,M2a…ショットマップ、M1b…レジスト寸法補正量マップ、M1c,M2c…照明パラメータ補正量マップ、sh1〜sh4…ショット。
Claims (8)
- 第1の基板上への露光処理に用いる露光量以外の照明パラメータを前記第1の基板面内の露光座標に基づいて補正する光学条件補正関数を、第2の基板上に形成したパターンの基板面内寸法分布に基づいて作成する補正関数作成ステップと、
前記光学条件補正関数および前記第1の基板上に設定される各露光ショットの露光座標を用いて、前記照明パラメータの補正量である照明パラメータ補正量を前記露光ショット毎に少なくとも1つずつ算出する補正量算出ステップと、
前記照明パラメータ補正量で前記照明パラメータを補正しながら、前記第1の基板を露光する露光ステップと、
を含むことを特徴とする露光方法。 - 前記光学条件は、前記露光処理に用いる有効光源の形状、前記露光処理に用いる投影レンズの開口数、前記露光処理に用いる露光光の波長、前記露光光のスペクトル形状、および前記第1の基板を最良結像平面から傾けて前記露光処理を行う際の前記第1の基板へのフォーカス制御条件の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
- 前記第2の基板上には、パターンのピッチまたはパターンの形状が異なる少なくとも2種類のパターンが形成され、
前記光学条件補正関数は、前記少なくとも2種類のパターンの前記第2の基板面内での寸法分布に基づいて作成されることを特徴とする請求項1または2に記載の露光方法。 - 前記光学条件補正関数は、前記第2の基板上に形成されたレジストパターンまたは前記第2の基板上に形成されたエッチング後パターンの前記第2の基板面内での寸法分布に基づいて作成され、
前記照明パラメータ補正量は、前記第2の基板上に形成されたレジストパターンまたは前記第2の基板上に形成されたエッチング後パターンを形成する際に用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の露光方法。 - 前記照明パラメータ補正量に応じた露光量補正量を導出する露光量補正関数を用いて、前記照明パラメータ補正量に応じた露光量補正量を前記露光ショット毎に少なくとも1つずつ導出する露光量補正量導出ステップをさらに含み、
前記露光ステップは、前記露光量補正量で露光量を補正しながら、前記第1の基板を露光することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の露光方法。 - 前記露光座標は、前記各露光ショットの代表点であり、
前記露光ステップは、前記露光ショット毎に前記照明パラメータ補正量で前記照明パラメータを補正して、前記第1の基板を露光することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の露光方法。 - 前記露光座標は、前記各露光ショットを所定領域毎に分割した場合の各領域の代表点であり、
前記露光ステップは、前記領域毎に前記照明パラメータ補正量で前記照明パラメータを補正して、前記第1の基板を露光することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の露光方法。 - 第1の基板上への露光処理に用いる露光量以外の照明パラメータを前記第1の基板面内の露光座標に基づいて補正する光学条件補正関数を、第2の基板上に形成したパターンの基板面内寸法分布に基づいて作成する補正関数作成ステップと、
前記光学条件補正関数および前記第1の基板上に設定される各露光ショットの露光座標を用いて、前記照明パラメータの補正量である照明パラメータ補正量を前記露光ショット毎に少なくとも1つずつ算出する補正量算出ステップと、
前記照明パラメータ補正量で前記照明パラメータを補正しながら、前記第1の基板を露光する露光ステップと、
露光後の前記第1の基板に現像処理を行なって、前記第1の基板上にレジストパターンを形成し、前記レジストパターンをマスクとして前記第1の基板における被加工対象を加工して前記第1の基板上にパターンを形成するパターン形成ステップと、
を含むことを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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